説明

糸巻用スプール

【課題】巻装部に巻き付けた糸状体が、店頭での展示の際などに紫外線等で劣化することを防止する。
【解決手段】本体部(2)の外縁に巻装部(3)を備える。巻装部(3)は筒状の胴部(5)とその両側端から径方向外側へ張り出した一対のフランジ部(6・6)とからなる。両フランジ部(6・6)の外端縁に亘って覆い部材(7)を装着する。胴部(5)へ巻き付けた釣糸(4)と覆い部材(7)との間に内部空間(A)を形成する。巻装部(3)の外周縁側に保護カバー(8)を嵌合する。保護カバー(8)の側縁に係止部(9)を径方向内側へ延設し、本体部(2)との間に保護フィルム(10)を挟持する。巻装部(3)と保護フィルム(10)の少なくとも一方を、紫外線劣化防止薬剤を含有する合成樹脂材料で形成する。覆い部材(7)と保護カバー(8)の少なくとも一方を、紫外線劣化防止薬剤を含有する合成樹脂材料で形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は釣糸などの糸条体を捲き付ける糸巻用スプールに関し、さらに詳しくは、巻装部に巻き付けた糸状体が、店頭での展示の際などに紫外線等で劣化することを防止した、糸巻用スプールに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に釣糸は、合成樹脂製の糸巻用スプールに巻き付けた状態で店頭などに展示されて販売される。この種の糸巻用スプールには、円板状の本体部の外縁に巻装部を備え、この巻装部が筒状の胴部とその胴部の両側端から径方向外側へ張り出した一対のフランジ部とからなるものがある。上記の巻装部は、これに巻き付けた釣糸自体を直接目視できるように、フランジ部等が透明材料で形成されていることが多い。このため、店頭で展示されている際に紫外線がこのフランジ部を透過して、釣糸に悪影響を及ぼし、時間の経過とともに釣糸が劣化して、強度や強力など各種物性の低下を生じる虞がある。
【0003】
従来、上記の紫外線劣化を防止するため、巻装部に巻き付けた釣糸の最外層部分をテープ状の保護材で覆ったものがある(例えば、特許文献1参照)。
即ち、この従来技術では巻装部に釣糸を巻き付けたのち、その最外層部分を覆う状態に例えば合成樹脂製のテープ状保護材を巻き付け、その合成樹脂材料に紫外線劣化防止薬剤を混入してある。
【0004】
【特許文献1】特開2000−209996号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の保護材は、外部から照射される紫外線を遮蔽または吸収して、紫外線による釣糸への悪影響を低減し、釣糸の物性低下を防止することができる。
しかしながら、このテープ状の保護材は釣糸の最外層部分に密着する状態に巻きつけられていることから、この保護材が紫外線などを吸収する際の発熱で、釣糸が過熱されて劣化する虞があった。
【0006】
本発明の課題は上記の問題点を解消し、巻装部に巻き付けた糸状体が、店頭での展示の際などに紫外線等で劣化することを防止した、糸巻用スプールを提供することにある。
【0007】
本発明は上記の課題を解決するため、例えば本発明の実施の形態を示す図1から図3に基づいて説明すると、次のように構成したものである。
即ち、本発明1は糸巻用スプールに関し、本体部(2)の外縁に、筒状の胴部(5)とその胴部(5)の両側端から径方向外側へ張り出した一対のフランジ部(6・6)とからなる巻装部(3)を備えた糸巻用スプールであって、上記の巻装部(3)の内部には、上記の胴部(5)へ巻き付けた糸状体(4)の外側に内部空間(A)を備え、この巻装部(3)のうちの少なくとも上記のフランジ部(6)は、紫外線劣化防止薬剤を含有する合成樹脂材料で形成してあることを特徴とする。
【0008】
また本発明2は糸巻用スプールに関し、本体部(2)の外縁に、筒状の胴部(5)とその胴部(5)の両側端から径方向外側へ張り出した一対のフランジ部(6・6)とからなる巻装部(3)を備え、この両フランジ部(6・6)の外端縁に亘って円筒状の覆い部材(7)を装着した糸巻用スプールであって、上記の巻装部(3)の内部には、上記の胴部(5)へ巻き付けた糸状体(4)と上記の覆い部材(7)との間に内部空間(A)を備え、上記の覆い部材(7)は、紫外線劣化防止薬剤を含有した合成樹脂材料で形成してあることを特徴とする。
【0009】
また本発明3は糸巻用スプールに関し、本体部(2)の外縁に、筒状の胴部(5)とその胴部(5)の両側端から径方向外側へ張り出した一対のフランジ部(6・6)とからなる巻装部(3)を備え、この巻装部(3)の外周縁側に筒状の保護カバー(8)を嵌合した糸巻用スプールであって、上記の巻装部(3)の内部には、上記の胴部(5)へ巻き付けた糸状体(4)と上記の保護カバー(8)との間に内部空間(A)を備え、上記の保護カバー(8)は、紫外線劣化防止薬剤を含有した合成樹脂材料で形成してあることを特徴とする。
【0010】
また本発明4は糸巻用スプールに関し、本体部(2)の外縁に、筒状の胴部(5)とその胴部(5)の両側端から径方向外側へ張り出した一対のフランジ部(6・6)とからなる巻装部(3)を備え、この巻装部(3)の外周縁側に筒状の保護カバー(8)を嵌合した糸巻用スプールであって、上記の巻装部(3)の内部には、上記の胴部(5)へ巻き付けた糸状体(4)の外側に内部空間(A)を備え、上記の保護カバー(8)は、少なくとも一方の側縁に、上記の本体部(2)の外端面に沿って径方向内側へ延設した係止部(9)を備え、上記の係止部(9)と上記の本体部(2)との間に保護フィルム(10)が挟持してあり、この保護フィルム(10)は、紫外線劣化防止薬剤を含有した合成樹脂材料で形成してあることを特徴とする。
【0011】
上記の本発明1と本発明4にあっては、巻装部の少なくともフランジ部やその外側の保護フィルムが紫外線劣化防止薬剤を含有する合成樹脂材料で形成してあるので、店頭で展示される際などに、本体部の端面方向から日光等の照射を受けても、紫外線がこのフランジ部や保護フィルムに遮蔽や吸収され、巻装部に巻き付けられた糸状体に達することが防止される。
しかも上記の巻装部内には、糸状体の外側に内部空間が備えてあるので、紫外線の吸収などでフランジ部やその外側の保護フィルムが発熱しても、この熱が巻装部内では上記の内部空間に放熱され、糸状体が過熱されることが防止される。
【0012】
また、本発明2と本発明3にあっては、巻装部の外周縁側に配置された覆い部材や保護カバーが紫外線劣化防止薬剤を含有する合成樹脂材料で形成してあるので、店頭で展示される際などに本体部の周方向から日光等の照射を受けても、紫外線がこの覆い部材や保護カバーに遮蔽や吸収され、巻装部に巻き付けられた糸状体に達することが防止される。
しかも上記の巻装部内には、糸状体と覆い部材や保護カバーとの間に内部空間が備えてあるので、紫外線の吸収などで覆い部材や保護カバーが発熱しても、この熱が内部空間で遮断されて糸状体に伝わることがなく、糸状体が過熱されることが防止される。
【0013】
上記の紫外線劣化防止薬剤は特定の物質に限定されず、例えばベンゾトリアゾール系、トリアジン系、蓚酸アニリン系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系などを挙げることができる。なお、これらの紫外線劣化防止剤は、これを配合した合成樹脂材料の透明性を維持できると、巻装部内の糸状体を外部から目視できるので、好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明は上記のように構成され作用することから、次の効果を奏する。
【0015】
巻装部のフランジ部や覆い部材、保護カバー、或いは保護フィルムが、紫外線劣化防止薬剤を含有する合成樹脂材料で形成してあり、店頭での展示の際などに紫外線を受けてもこれらの部材で紫外線が遮蔽や吸収されるので、胴部へ巻き付けた糸状体に紫外線が達することを抑制でき、紫外線による糸状体の劣化を防止できる。
しかも、これらのフランジ部や覆い部材、保護カバー、或いは保護フィルムは、いずれも糸状体の外周側に密着しておらず、巻装部内には糸状体の外側に空間が形成してあるので、これらの部材が紫外線等の吸収で発熱しても糸状体が過熱されることがなく、熱による糸状体の劣化を防止できる。
これらの結果、店頭に展示された状態でも、巻装部に巻き付けた糸状体の強度や強力などの各種物性を、長期に亘って良好に維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1と図2は本発明の実施形態を示し、図1は糸巻用スプールを分解した状態の一部破断斜視図、図2は糸巻用スプールの要部の拡大断面図である。
【0017】
図1に示すように、この糸巻用スプール(1)は円板状の本体部(2)の外縁に巻装部(3)を備えており、この巻装部(3)に糸状体である釣糸(4)が巻装してある。
上記の巻装部(3)は、筒状の胴部(5)とその胴部(5)の両側端から径方向外側へ張り出した一対のフランジ部(6・6)とからなり、上記の釣糸(4)はこの胴部(5)の外周に巻き付けてある。
【0018】
上記の巻装部(3)の外周縁側には、上記の両フランジ部(6・6)の外端縁に亘って、1つ割りした円筒状の覆い部材(7)が装着してある。巻装部(3)の内部には、この覆い部材(7)と上記の釣糸(4)との間に内部空間(A)が形成してある。上記の覆い部材(7)は、フランジ(6)の外端縁に沿って回動自在であり、上記の釣糸(4)はこの覆い部材(7)に形成した割れ目(7a)から引き出すことができる。
なお、上記の本体部(2)には、端面の中央に回転用の挿通孔(12)が透設してあり、この挿通孔(12)を図外の巻付装置の回転軸に挿通して本体部(2)を回転させ、これにより上記の巻装部(3)の胴部(5)に釣糸(4)が巻き付けられる。
【0019】
上記の本体部(2)や覆い部材(7)は、例えば、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂などの合成樹脂材料で形成してある。これらの本体部(2)や覆い部材(7)は透明材料で形成してあり、巻装部(3)に巻き付けた釣糸(4)が外側から良好に目視される。但し、本発明の本体部等を構成する材料はこれらの合成樹脂材料に限定されず、他の材料で形成してもよく、また着色材料や不透明材料で形成することも可能である。
【0020】
上記の巻装部(3)には、外周縁側に一対の筒状保護カバー(8・8)が嵌合してある。この保護カバー(8)は、例えばポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂などの、やや柔軟な合成樹脂材料で形成してあり、この保護カバー(8)の装着により、他物との衝突などで上記の本体部(2)や覆い部材(7)が損傷することが防止される。
【0021】
上記の各保護カバー(8)は、外側の側縁に径方向内側へ延設した環状の係止部(9)を備える。この保護カバー(8)を巻装部(3)に外嵌した状態では、上記の係止部(9)は本体部(2)のフランジ部(6)の外面に沿って配置される。
【0022】
上記の各保護カバー(8)の係止部(9)と上記の本体部(2)との間には、それぞれ保護フィルム(10)が配置してあり、さらに、一方の保護フィルム(10)と本体部(2)との間にシート状の表示ラベル(11)が配置してある。この表示ラベル(11)は、例えば紙製で、外面に釣糸(4)の品名や物性などの特徴、メーカー名などの商品内容が印刷してある。一方、上記の保護フィルム(10)は透明の、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂等の合成樹脂材料で形成される。但し、この保護フィルム(10)は、内側の表示ラベル(11)や釣糸(4)を透視できれば良く、例えば透視可能な程度に着色でき、また他の合成樹脂材料で形成することも可能である。
【0023】
上記の表示ラベル(11)は、裏面に接着剤が塗布されていない。しかし、上記の保護カバー(8)を巻装部(3)へ外嵌することにより、図2に示すように、保護フィルム(10)を介して係止部(9)と本体部(2)との間に挟持されるので、本体部(2)から離れることがない。このため、糸巻用スプール(1)を店頭などで展示し販売する際に、商品である釣糸(4)に関する情報がこの表示ラベル(11)により確実に表示される。
【0024】
上記の本体部(2)と上記の保護フィルム(10)の少なくともいずれか一方は、紫外線劣化防止剤を配合した合成樹脂材料で形成してある。これにより、店頭での展示中などに、本体部(2)の端面方向から紫外線を含む日光などの照射を受けても、この本体部(2)や保護フィルム(10)で紫外線が遮蔽や吸収され、紫外線による釣糸(4)の劣化が防止される。
なお、本体部(2)のフランジ部(6)や保護フィルム(10)が紫外線の吸収で発熱しても、巻装部(3)内には内部空間(A)が形成してあるので、釣糸(4)が上記の発熱で過熱される虞はない。
【0025】
また、上記の覆い部材(7)と保護カバー(8)の少なくともいずれか一方も、紫外線劣化防止剤を配合した合成樹脂材料で形成してある。これにより、店頭での展示中などに、本体部(2)の周方向から紫外線を含む日光などの照射を受けても、この覆い部材(7)や保護カバー(8)で紫外線が遮蔽や吸収され、紫外線による釣糸(4)の劣化が防止される。
なお、覆い部材(7)や保護カバー(8)が紫外線の吸収で発熱する場合があるが、巻装部(3)内には覆い部材(7)や保護カバー(8)と釣糸(4)との間に内部空間(A)が形成してあるので、釣糸(4)が上記の発熱で過熱される虞はない。
【0026】
上記のように、店頭などで展示中に、上記の釣糸(4)は紫外線による劣化の虞や、その吸収時の発熱で過熱劣化する虞がなく、従ってこの釣糸(4)の強度や強力などの物性が良好に維持される。
【0027】
そして、上記の糸巻用スプール(1)を購入した使用者が上記の釣糸(4)を使用する際には、上記の保護カバー(8)が巻装部(3)から取外され、釣糸(4)が巻装部(3)から引き出されて、リールに巻き取られる。このとき、保護フィルム(10)とともに表示ラベル(11)が本体部(2)から離れるが、この糸巻用スプール(1)は、釣糸(4)をリールに巻き取ったのちは不要となるので、表示ラベル(11)が本体部(2)から離れても問題ない。そしてこの不要となった糸巻用スプール(1)は回収されたのち、再使用や、各構成材料へ簡単に分別されて再資源化される。
なおこの実施形態では表示ラベルを接着剤で本体部に貼着していないのでリサイクルが容易である。しかし本発明の表示ラベルは、裏面に接着剤を塗布して、この接着剤により本体部へ貼り付けたものであってもよい。
【0028】
図3は本発明の変形例を示す、糸巻用スプールの正面図である。
上記の実施形態では、保護カバー(8)に形成した係止部(9)を環状に形成した。しかし本発明の係止部は、保護フィルムを本体部との間に挟持して固定できればよく、環状以外の形状であってもよい。
即ちこの変形例では、保護カバー(8)の側縁の3箇所に弓形の係止部(9…)が径方向内側へ延設してある。保護カバー(8)が巻装部(3)に外嵌されると、各係止部(9)はそれぞれフランジ部(6)の外面に沿って配置され、この係止部(9)と本体部(2)との間に、保護フィルム(10)と表示ラベル(11)が挟持される。その他の構成は上記の実施形態と同様であり、同様に作用するので説明を省略する。
【0029】
上記の実施形態や変形例で説明した糸巻用スプールは、本発明の技術的思想を具体化するために例示したものであり、本体部や巻装部、覆い部材、保護カバー、保護フィルム等の材質、形状、構造などを、これらの実施形態のものに限定するものではなく、本発明の特許請求の範囲内において種々の変更を加え得るものである。
【0030】
例えば上記の実施形態では、本体部と保護フィルムの少なくともいずれか一方と、覆い部材と保護カバーの少なくともいずれか一方との、両者をそれぞれ紫外線劣化防止薬剤を含有する合成樹脂材料で形成したので、巻装部内の糸状体はその周囲の全てを紫外線の照射から保護することができ、好ましい。しかし本発明では、例えば本体部の巻装部と保護フィルムの少なくともいずれか一方のみや、覆い部材と保護カバーの少なくともいずれか一方のみを、紫外線劣化防止薬剤を含有する合成樹脂材料で形成してもよく、この場合も巻装部内の糸状体はその周囲の大部分を、紫外線の照射から保護することができる。
【0031】
即ち、本発明では巻装部と覆い部材と保護カバーと保護フィルムとは、いずれかのみを紫外線劣化防止薬剤を含有する合成樹脂材料で形成してあればよく、この場合は安価に実施できる。しかし、これらの部材の複数についてそれぞれ紫外線劣化防止薬剤を含有する合成樹脂材料で形成すると、より効果的に紫外線を遮蔽・吸収でき、好ましい。
【0032】
上記の覆い部材と保護カバーのいずれか一方は、他の部材が紫外線劣化防止薬剤を含有する合成樹脂材料で形成してあれば、省略することも可能である。
また上記の保護フィルムは、他の部材が紫外線劣化防止薬剤を含有する合成樹脂材料で形成してあれば本体部の片側にのみ設けることが可能であり、さらに、例えば表示ラベルを接着剤で本体へ貼着する場合は、本体部の両側の保護フィルムを省略することも可能である。
【0033】
さらに上記の実施形態では、本体部の片側の端面と一方の保護フィルムとの間に表示ラベルを配置したが、本体部の両側の端面と各保護フィルムとの間にそれぞれ表示ラベルを配置してもよい。この表示ラベルの材質は紙製に限定されず、また、上記の保護フィルムに商品内容を記載することでこの保護フィルムと兼用することも可能である。
なお、上記の実施形態では糸状体が釣糸である場合について説明したが、本発明の糸状体は釣糸に限定されず、手芸糸など他の糸状体(金属製を含む)であってもよいことは、いうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、巻装部に巻き付けた糸状体が、店頭での展示の際などに紫外線等で劣化することを防止できるので、釣糸を巻き付ける糸巻用スプールに特に好適であるが、他の糸状体を巻き付ける糸巻用スプールにも好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態を示す、糸巻用スプールを分解した状態の一部破断斜視図である。
【図2】本発明の実施形態の、糸巻用スプールの要部の拡大断面図である。
【図3】本発明の変形例を示す、糸巻用スプールの一部破断正面図である。
【符号の説明】
【0036】
1…糸巻用スプール
2…本体部
3…巻装部
4…糸状体(釣糸)
5…胴部
6…フランジ部
7…覆い部材
8…保護カバー
9…係止部
10…保護フィルム
A…巻装部(3)の内部空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部(2)の外縁に、筒状の胴部(5)とその胴部(5)の両側端から径方向外側へ張り出した一対のフランジ部(6・6)とからなる巻装部(3)を備えた糸巻用スプールであって、
上記の巻装部(3)の内部には、上記の胴部(5)へ巻き付けた糸状体(4)の外側に内部空間(A)を備え、
この巻装部(3)のうちの少なくとも上記のフランジ部(6)は、紫外線劣化防止薬剤を含有する合成樹脂材料で形成してあることを特徴とする、糸巻用スプール。
【請求項2】
本体部(2)の外縁に、筒状の胴部(5)とその胴部(5)の両側端から径方向外側へ張り出した一対のフランジ部(6・6)とからなる巻装部(3)を備え、この両フランジ部(6・6)の外端縁に亘って円筒状の覆い部材(7)を装着した糸巻用スプールであって、
上記の巻装部(3)の内部には、上記の胴部(5)へ巻き付けた糸状体(4)と上記の覆い部材(7)との間に内部空間(A)を備え、
上記の覆い部材(7)は、紫外線劣化防止薬剤を含有した合成樹脂材料で形成してあることを特徴とする糸巻用スプール。
【請求項3】
本体部(2)の外縁に、筒状の胴部(5)とその胴部(5)の両側端から径方向外側へ張り出した一対のフランジ部(6・6)とからなる巻装部(3)を備え、この巻装部(3)の外周縁側に筒状の保護カバー(8)を嵌合した糸巻用スプールであって、
上記の巻装部(3)の内部には、上記の胴部(5)へ巻き付けた糸状体(4)と上記の保護カバー(8)との間に内部空間(A)を備え、
上記の保護カバー(8)は、紫外線劣化防止薬剤を含有した合成樹脂材料で形成してあることを特徴とする糸巻用スプール。
【請求項4】
本体部(2)の外縁に、筒状の胴部(5)とその胴部(5)の両側端から径方向外側へ張り出した一対のフランジ部(6・6)とからなる巻装部(3)を備え、この巻装部(3)の外周縁側に筒状の保護カバー(8)を嵌合した糸巻用スプールであって、
上記の巻装部(3)の内部には、上記の胴部(5)へ巻き付けた糸状体(4)の外側に内部空間(A)を備え、
上記の保護カバー(8)は、少なくとも一方の側縁に、上記の本体部(2)の外端面に沿って径方向内側へ延設した係止部(9)を備え、
上記の係止部(9)と上記の本体部(2)との間に保護フィルム(10)が挟持してあり、
この保護フィルム(10)は、紫外線劣化防止薬剤を含有した合成樹脂材料で形成してあることを特徴とする、糸巻用スプール。
【請求項5】
上記の胴部(5)に巻き付けた糸状体(4)が釣糸である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の糸巻用スプール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−325488(P2006−325488A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−154458(P2005−154458)
【出願日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(000246479)有限会社よつあみ (9)
【Fターム(参考)】