説明

糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の撚糸への定着方法及び前記定着方法を用いる定着装置

【課題】
糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の細断した糸状体は、撚糸で編まれた海苔用養殖網に定着し難いという問題があった。
【解決手段】
糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の撚糸への定着方法は、海水6が満たされた水槽11内に撚糸5を浸し、糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の糸状体を細断したものを前記水槽11内に入れ、水槽11内の海水6を撹拌して撚糸5に糸状体を定着させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の、各種原材料の撚糸により形成されている紐、縄、縄すだれ、網等への、糸状体の定着方法及び前記定着方法が用いられた定着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
海で養殖され、食用に供される海苔は、植物界海藻紅藻植物門紅藻綱ウシケノリ目ウシケノリ科アマノリ属に多くの種が存在している。アマノリ属に属する海苔は、そのライフサイクルの違いから大きく分けると2つに分けられる。一方は、代表的な養殖海苔であるスサビノリやアサクサノリ等である。スサビノリ等のライフサイクルは、食用となる葉状体から、春先に果胞子を落下させる。この果胞子がカキ、アサリ等の二枚貝の貝殻上で発芽・穿孔して糸状体となり、穿孔した糸状体は貝殻内で生長する。海水温が低下する9月以降になると貝殻内で成長した糸状体の殻胞子嚢で作られた殻胞子が海水中に放出され、周囲の流木、海岸の岩や漁網に着生する。そして着生した殻胞子が発芽・生長し葉状体となる。
【0003】
通常スサビノリ等の養殖では上記ライフサイクルの特性を利用し、人為的に養殖用の網に殻胞子を着生させることで集約的に養殖を行い大量の葉状体を得ることができる。また、殻胞子を岩に似せた育成器材に着生させて岩海苔として養殖させるものもある。このため通常の海苔養殖では集約的に殻胞子を得る必要があり、糸状体をカキ殻等の貝殻に穿孔させ、大量に培養している。糸状体を穿孔させた貝殻は海苔養殖では一般に「種貝」と呼ばれている。「種貝」の培養は、通常、海苔葉状体から落下した果胞子、或いは果胞子を貝殻に穿孔させずにフラスコ等で管理培養された「フリー糸状体」と呼ばれる糸状体を細断し、貝殻上に播き、穿孔させる方法で行われる。「種貝」は一般的には室内水槽で培養され、人為的な管理により集約的に大量に培養する技術が確立されている。前記のスサビノリに代表されるライフサイクルを有する海苔を以下、殻胞子が成長して葉状体となるアマノリ属に属する海苔と呼ぶ(特許文献1)。
【0004】
他方、カイガラアマノリに代表されるアマノリ属の種では、葉状体から果胞子を落下させ、落下した果胞子が二枚貝の貝殻上で発芽・穿孔し糸状体に生長するまでのライフサイクルは、スサビノリ等と同じであるが、カイガラアマノリは穿孔した糸状体から殻胞子を放出せず、貝殻に穿孔した糸状体の先端が貝殻表面に開口し、開口部分から直接発芽し食用となる葉状体を生ずるというカイガラアマノリの名前の由来ともなっている独自のライフサイクルを持つことが大きな特徴となっている。前記のカイガラアマノリに代表されるライフサイクルを有する海苔を以下、糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔と呼ぶ。なお、糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔で、現在、判明しているものはカイガラアマノリだけとされているが、今後発見される可能性はある。
【0005】
殻胞子が成長して葉状体となるアマノリ属に属する海苔は、貝殻の内側の葉状層に好んで穿孔し、穿孔後も葉状層から水平的に生長・繁茂する。しかし、糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の養殖基材は貝殻の穿孔面に選択性がなく貝殻表層でも葉状層でも良好に穿孔・生長する。また他の殻胞子が成長して葉状体となるアマノリ属に属する海苔に比べ水平的な生長に加え垂直的に深く穿孔し、穿孔開始面の反対側まで貫通到達する。
【0006】
「種貝」を集約的に大量に培養する技術は確立されており、殻胞子が成長して葉状体となるアマノリ属に属する海苔と糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の「種貝」の培養技術はほぼ同一であるが、殻胞子が成長して葉状体となるアマノリ属に属する海苔の「種貝」はカキ、ホタテ等の比較的平滑な葉状層を持つ二枚貝しか使用できないのに対し糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の「種貝」は形状を選ばない。
【0007】
殻胞子が成長して葉状体となるアマノリ属の海苔の養殖では「種貝」は殻胞子を生成させるための殻胞子培養基材であるのに対し、糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の養殖では「種貝」は殻胞子を生成させる目的ではなく葉状体を採取する目的の養殖基材に該当する。よって糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔を養殖するためには「種貝」を直接、漁場に設置して養殖に使用することになっていた。
【0008】
そのため、本願の出願人は糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔を効率的かつ容易に養殖できる糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の養殖基材について特許文献2の発明を出願している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−046051号公報
【特許文献2】特願2011−046200号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来の糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の養殖方法であるカキ・ホタテ殻を用いる場合や、特許文献2の発明の場合には、干潟等に直置きする必要があり、養殖場所が限られるという問題があった。
【0011】
また、従来からの殻胞子が成長して葉状体となるアマノリ属の海苔の養殖では、殻胞子は簡単に網の撚糸に付着(網の撚糸の表面に引っ付く)するので、殻胞子の入った水槽に撚糸で編まれた網を潜らせるだけで、網の撚糸に殻胞子を付着させることができる。ところが、糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の糸状体は、網の撚糸の表面には付着することができないので、従来からの殻胞子が成長して葉状体となるアマノリ属の海苔の養殖方法に用いられる撚糸で編まれた養殖用網を使用することができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段が講じられている。
【0013】
第1発明の糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の撚糸への定着方法は、海水が満たされた水槽内に撚糸を浸し、糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の糸状体を細断したものを前記水槽内に入れ、前記水槽内の海水を撹拌して前記撚糸に糸状体を定着させる。
第2発明の糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の撚糸への定着方法は、請求項1記載の発明において、水槽内の海水を撹拌する手段が循環ポンプである。
第3発明の糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の撚糸への定着方法は、請求項1記載の発明において、水槽内の海水を撹拌する手段が空気ポンプである。
第4発明の糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の撚糸への定着装置は、請求項2または請求項3記載の発明の定着方法が用いられている。
【発明の効果】
【0014】
第1発明によれば、撚糸に定着できることで、従来の海苔網が利用できれば、殻胞子が成長して葉状体となるアマノリ属の海苔の養殖場所である近海や湾等で養殖することが可能となり、広い範囲での養殖が可能となる。
第2発明によれば、第1発明の効果に加え、細断された糸状体が含まれた海水を循環ポンプで循環するので、細断された糸状体がより均等に撚糸全体に強制的に播きつけることが可能となり、撚糸全体に対する定着率を向上することができる。
第3発明によれば、第1発明の効果に加え、細断された糸状体が含まれた海水を空気ポンプで撹拌するので、細断された糸状体がより均等に撚糸全体に強制的に播きつけることが可能となり、撚糸全体に対する定着率を向上することができる。また、同時に海水中の溶存酸素を上昇させ、糸状体の生育の向上を図ることができる。
第4発明によれば、第2発明または第3発明の定着方法が用いられている定着装置であることで、細断された糸状体が含まれた海水を自動的に定着させる装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の定着装置の概略説明図である。
【図2】本発明に係る別の実施例の糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の定着装置の概略説明図である。
【図3】本発明に係る別の実施例の糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の定着装置の概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
発明を実施するための形態について図1乃至図3に基づき具体的に説明する。
【実施例1】
【0017】
(概略の構成)
本発明の糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の撚糸への定着方法(以下、定着方法と略して説明する。)及び定着方法を使った定着装置について、図1の定着装置1を用いて説明する。ここで、糸状体の撚糸への定着とは、糸状体が撚糸の撚り合わされた隙間に入り込み、撚糸の内部へも伸長、潜入することであり、定着させることにより、撚糸を定着場所から養殖場所に移動させても、糸状体が定着した撚糸から、糸状体が成長した発芽体や葉状体が脱落しない状態となり、撚糸を用いた海洋での養殖が行えるようにさせることである。
【0018】
(撚糸)
糸状体を定着させる撚糸5とは、綿、麻等の植物繊維若しくは動物の毛や絹等の動物繊維からなる自然繊維、またはポリエチレンやポリプロピレン等の化学繊維等を、単一若しくは混合して繊維の束とし、これを撚り合わせて糸や、糸を再度撚り合わせて紐、ロープ等の所定の太さにしたものである。撚糸5は繊維と繊維が撚り合わさることで、繊維と繊維の間に微細な隙間を有しており、同時に複数の繊維が撚り合わされたことで撚糸5自体の引っ張り強度や耐久性が向上している。なお、撚糸5の本来の意味からは、撚り合わせた糸であるが、本発明においては、繊維が複数集まり繊維と繊維の間に微細な隙間が生じることが重要であるので、一般的には流通している例は少ないが、繊維が編まれた糸や紐、単に繊維の束としたままの糸や紐であっても糸状体を定着させることは可能であると考えられる。
【0019】
撚糸5を単に一本の紐状や、簾状に複数本の束として養殖に使用しても良いが、海面に設置する場合の手間や、単位面積当たりの養殖効率を考慮すると、撚糸5を編んで網として養殖に使用するのが一般的である。一般的に養殖海苔網として流通しているものは、面積が1.8m×1.8m(市場での呼びサイズは「1反」)で、化学繊維の撚糸を編んで、網目の大きさが12〜30cmである。
【0020】
(定着装置)
定着装置1は海水6を貯留する水槽11、撚糸5を納める内籠12、海水6を循環させるための循環ポンプ13が主要な構成部品となる。
【0021】
水槽11は、上部に開口部を有した略直方体の箱状であり、貯留する海水6の量に耐え得る強度で、海水6に接することにより発生する腐食に耐え得る性質を有する金属、合成樹脂等、または金属、合成樹脂等を組み合わせた材質で製作されている。水槽11の容量は、浸される撚糸5の量に合わせて選定する。例えば、水槽11の容量が200リットルである場合には、網状にした撚糸5の面積が1.8m×1.8mの場合の5枚分(使用されている繊維の種類や、撚り合わされた撚糸5の太さにより異なるが、化学繊維の場合で1枚当たり約10kgの質量となる。)を海水6に浸すことが可能である。水槽11の上部開口部の外周には海水6を回収する吸入口14と、吸入口14に連通する吸入流路15とが設けられ、水槽11の水槽11の底部には水槽11内に海水6を吐出させるための、吐出口16とこれに連通する吐出流路17が設けられている。また、定着装置1は地面に安定して設置できるように周りに脚19が設けられている。
【0022】
(内籠)
内籠12は水槽11の内部に収まり、貯留する海水6に没する程度の大きさであり、網状の撚糸5を折りたたんで、水槽11内部に貯留する海水6に容易に浸すことが可能なようにしている。内籠12は、撚糸5を水槽11内に上げ下げするのに耐え得る強度で、海水6に接することにより発生する腐食に耐え得る性質を有する金属、合成樹脂等、または金属、合成樹脂等を組み合わせた材質で製作されている。内籠12は上部に開口部を持つ略直方体の箱状であり、箱を形成する底面及び4つの側面は網または、複数の貫通した孔が多数開けられた板で構成されている。内籠12を水槽11の内部に納めた場合には、内籠12の底面と水槽11の底部との間に、海水6が流通できるように内籠12の底面の外周には下方に向かう突起が設けられ、水槽11の底部は下方に向かって窪んだ形状となっている。
【0023】
なお、内籠12の底面には海水が循環するために、網目や多数の貫通孔が必要であるが、4つの側面については網目や多数の貫通孔を設けても、設けなくても良い。また、内籠12の底面に設ける網目の大きさや貫通孔の径については、撚糸5が水槽内に脱落しない程度の網目の大きさや貫通孔の径であり、この大きさや径は均等に設けても良いが、循環流量を内籠12の底面の中央部と外縁部で均一にさせるため、中央部から外縁部に向かうほど、網目の大きさや貫通孔の径を大きくさせる方が好ましい。
【0024】
(循環ポンプ)
循環ポンプ13は、循環する海水6に接することにより発生する腐食に耐え得る性質を有する金属、合成樹脂等、または金属、合成樹脂等を組み合わせた材質で製作されたポンプ部と電動機からなる駆動部から構成されている。循環ポンプ13の海水6の循環量は水槽11の内容量に応じて選定する。循環ポンプ13の選定例としては、水槽11が貯留する海水の全量が2日で1循環する量から、1日に10循環する量が循環可能なものである。例えば水槽11の容量が200リットルである場合には、循環流量は、4.2リットル/時間〜83リットル/時間となる。このため、吐出流路17の途中に開度の調節が可能である循環流量調節弁18が設けられている。なお、循環ポンプ13の駆動部の回転が交流であればインバーター制御で、直流であれば電圧制御により可変とするようにし、循環ポンプ13で循環流量の調節が可能な様にすれば、循環流量調節弁18を設けなくても良い。
【0025】
これらの構成により、水槽11内に海水6を入れると、循環ポンプ13を循環手段として、循環ポンプ13、循環流量調節弁18が設けられた吐出流路17、吐出口16、水槽11、吸入口14、吸入流路15を通過して循環ポンプ13に再び戻る循環回路が形成されている。これにより、水槽11内の海水6は下から上へ循環し、内籠12に納められた撚糸5は、循環して撹拌された海水6に浸されることになる。
【0026】
(定着装置を使用した養殖方法)
定着装置1を使用した糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の養殖方法について説明する。糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の養殖については、定着装置1で撚糸5に糸状体を付ける前の準備段階と、定着装置1を使用した定着段階と、海洋での養殖段階に分けられる。
【0027】
(準備段階)
第1の準備段階は撚糸5に定着させるための糸状体を採取することである。まず、糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の果胞子をフラスコ内で培養し、果胞子が発芽したのちに糸状体へと成長させる。このフラスコで培養した糸状体は一般にはフリー糸状体と呼ばれている。このフリー糸状体をミキサー等の鋭利な刃物を有する細断機により3〜1000マイクロメートルの長さに細断する。
【0028】
第2の準備段階は定着装置1に使用する海水6を用意することである。海水6は海洋から直接に汚染の少ない天然海水を採取し、塩素等の殺菌処理を行い、自然爆気若しくはチオ硫酸ナトリウム等で塩素を中和した後に使用するか、粉末や濃縮液等の状態で市販されている人工海水を、天然海水に近い塩分濃度やpHになるように調整して、水槽11の容量に余裕量を加えた量を用意し、水槽11の内部に海水6を満たす。
【0029】
(定着段階)
内籠12の内部に網状の撚糸5を折り畳んで入れ、撚糸5が入れられた内籠12を水槽11の海水6に浸す。その後、細断した糸状体を水槽11に投入する。この状態で循環ポンプ13を駆動させて、水槽11の海水6を下から上へ循環させる。糸状体を水槽11に投入した直後については、撚糸5への糸状体への定着をし易くするため、循環流量調節弁18で循環流量を水槽11の容量200リットルが貯留する海水6の全量が2日で1循環する量(4.2リットル/時間)〜水槽11の容量200リットルが貯留する海水6の全量が半日で1循環する量(17リットル/時間)程度のゆっくりとした循環を行う。
【0030】
次に、撚糸5の全体に亘って糸状体が定着されたことを確認できた時期においては、循環流量調節弁18で循環流量を水槽11の容量200リットルが貯留する海水6の全量が半日で1循環する量(17リットル/時間)〜水槽11の容量200リットルが貯留する海水6の全量が2.4時間で1循環する量(83リットル/時間)程度に循環量を上昇させる。その後、撚糸5に満遍なく糸状体が成長して繁茂するまで、循環流量を維持する。なお、糸状体の成長が悪い場合には、循環量を少なくするまたは、循環ポンプ13の循環を停止させて様子を見る場合もある。また、水温が高い等により糸状体の成長が早い場合に循環流量を増加させても良い。
【0031】
定着段階での撚糸5への定着状態の確認は、蛍光顕微鏡を用いて確認を行う。糸状体が蛍光を発する性質を有しているためである。また、糸状体が撚糸5に満遍なく繁茂して、海洋での糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の養殖段階に移ることが可能かどうかの判断についても、蛍光顕微鏡を用いて行うが、糸状体の繁茂状況が良好であれば、撚糸5は糸状体により赤紫色に変色するため、この性質を利用し、目視で撚糸5の内部の繊維が赤紫色に変色したことで、養殖段階に移ることが可能であるとの判断を行うことも可能である。なお、撚糸5の表面全体から、糸状体の成長した発芽体が生じたことで、養殖段階に移ることが可能と目視で判断しても良い。
【0032】
糸状体の撚糸5への定着期間は太陽光の照度及び海水6の温度により変化する。自然条件で定着を行う場合には、冬季等で日射量が少なく海水温が低い場合は、10ヶ月程度の定着期間が必要な場合もあるが、夏季等で自然条件が良い場合や、加温により海水6の温度を管理し、人工太陽照明を使用して定着を促進させることが可能であれば、1ヶ月程度で定着が終了することも可能である。定着期間が長くなる場合には、水槽11の海水の入れ替えや、海水6への肥料の添加、撚糸5の上下の入れ替えを行って定着を促進させる。
【0033】
(養殖段階)
撚糸5への糸状体の定着が終了した後は、殻胞子が成長して葉状体となるアマノリ属の海苔の養殖と同様に、糸状体の定着した網状の撚糸5を内海や湾等の比較的に波の穏やかな海洋で、ベタ流し方式や支柱柵方式で網状の撚糸5を広げた状態で固定し、撚糸5に定着した糸状体から葉状体が成長することで、葉状体が食用に可能な状態になるまで養殖を行う。
【実施例2】
【0034】
(概略の構成)
実施例2の糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の撚糸への定着方法及び定着方法を使った定着装置について、図2の定着装置2を用いて説明する。実施例2においては、実施例1と定着装置2だけが異なるものであり、撚糸5については同じ符号を付けて説明を省略する。ここで、糸状体の撚糸5への定着とは、糸状体が撚糸5の撚り合わされた隙間に入り込み、撚糸5の内部へも伸長、潜入することであり、定着させることにより、養殖場所に移動させても、糸状体が定着させられた撚糸5から、糸状体が成長した発芽体や葉状体が脱落しない状態にして、海洋での養殖が行えるようにさせることである。
【0035】
(定着装置)
定着装置2は海水6を貯留する水槽21、撚糸5を納める内籠22、海水6を循環させるための循環ポンプ23が主要な構成部品となる。
【0036】
水槽21は、上部に開口部を有する略円筒で、貯留する海水6の量に耐え得る強度で、海水6に接することにより発生する腐食に耐え得る性質を有する金属、合成樹脂等、または金属、合成樹脂等を組み合わせた材質で製作されている。水槽21の容量は、浸される撚糸5の量に合わせて選定する。例えば、水槽21の容量が200リットルである場合には、網状にした撚糸5の面積が1.8m×1.8mの場合の5枚分(用いられる繊維の種類や、撚り合わされた撚糸5の太さにより異なるが、化学繊維の場合で1枚当たり約10kgの質量となる。)を海水6に浸すことが可能である。
【0037】
水槽21の底部の中央には海水6を回収する吸入口24と、吸入口24に連通する吸入流路25が設けられており、水槽21の側部には吐出口26と吐出口26に連通する吐出流路27が設けられている。吐出口26は水槽21内に貯められた海水6に渦流を生じるようにするため、吐出口26から吐出する海水6が水槽21の円形の側部の内面に誘導されるように、吐出口26近傍の所定の長さの吐出流路27は、水槽21の円形断面の接線となるように取り付けられている。また、定着装置2は地面に安定して設置できるように周りに脚29が設けられている。
【0038】
(内籠)
内籠22は水槽21内部に収まり貯留する海水6に没する程度の大きさであり、網状の撚糸5を折りたたんで、水槽21内部に貯留する海水6に容易に浸すことが可能なようにしている。内籠22は、撚糸5を水槽21内に上げ下げするのに耐え得る強度で、海水6に接することにより発生する腐食に耐え得る性質を有する金属、合成樹脂等、または金属、合成樹脂等を組み合わせた材質で製作されている。内籠22は上部に開口部を持つ円筒状であり、円筒を形成する底面及び側面は網または、複数の貫通した孔が多数開けられた板で構成されている。
【0039】
内籠22を水槽21の内部に納めた場合には、内籠22の底面と水槽21の底部との間に、海水6が流通できるように内籠22の底面の外周には下方に向かう突起が設けられ、水槽21の底部は下方に向かって窪んだ形状となっている。
【0040】
(循環ポンプ)
循環ポンプ23は、循環する海水6に接することにより発生する腐食に耐え得る性質を有する金属、合成樹脂等、または金属、合成樹脂等を組み合わせた材質で製作されたポンプ部と電動機からなる駆動部から構成されている。循環ポンプ23の海水6の循環量は水槽21の内容量に応じて選定する。循環ポンプ23の選定例としては、水槽21が貯留する海水6の全量が2日で1循環する量から、1日に10循環する量が循環可能なものである。例えば水槽21の容量が200リットルである場合には、循環流量は、4.2リットル/時間〜83リットル/時間となる。このため、吐出流路27の途中に開度の調節が可能である循環流量調節弁28が設けられている。なお、循環ポンプ23の駆動部の回転が交流であればインバーター制御で、直流であれば電圧制御により可変とするようにし、循環ポンプ23で循環流量の調節が可能な様にすれば、循環流量調節弁28を設けなくても良い。
【0041】
これらの構成により、水槽21内に海水6を入れると、循環ポンプ23を循環手段として、循環ポンプ23、循環流量調節弁28が設けられた吐出流路27、吐出口26、水槽21、吸入口24、吸入流路25を通過して循環ポンプ23に再び戻る循環回路が形成されている。これにより、水槽21内の海水6は水槽21内部で渦をまきながら、側面から底部へ循環し、内籠22に納められた撚糸5は、循環して撹拌された海水6に浸されることになる。
【0042】
(定着装置を使用した養殖方法)
定着装置2を使用した糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の養殖方法について説明する。糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の養殖については、定着装置2で撚糸5に糸状体を付ける前の準備段階と、定着装置2を使用した定着段階と、海洋での養殖段階に分けられる。
【0043】
(準備段階)
第1の準備段階は撚糸5に定着させるための糸状体を採取することである。まず、糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の果胞子をフラスコ内で培養し、果胞子が発芽したのちに糸状体へと成長させる。このフラスコで培養した糸状体は一般にはフリー糸状体と呼ばれている。このフリー糸状体をミキサー等の鋭利な刃物を有する細断機により3〜1000マイクロメートルの長さに細断する。
【0044】
第2の準備段階は定着装置2に使用する海水6を用意することである。海水6は海洋から直接に汚染の少ない天然海水を採取し、塩素等の殺菌処理を行い、自然爆気若しくはチオ硫酸ナトリウム等で塩素を中和した後に使用するか、粉末や濃縮液等の状態で市販されている人工海水を、天然海水に近い塩分濃度やpHになるように調整して、水槽21の容量に余裕量を加えた量を用意し、水槽21の内部に海水6を満たす。
【0045】
(定着段階)
内籠22の内部に網状の撚糸5を折り畳んで入れ、撚糸5が入れられた内籠22を水槽21の海水6に浸す。その後、細断した糸状体を水槽21に投入する。この状態で循環ポンプ23を駆動させて、水槽21の海水6を渦流状態で循環させる。糸状体を水槽21に投入した直後については、撚糸5への糸状体への定着をし易くするため、循環流量調節弁28で循環流量を水槽21の容量200リットルが貯留する海水6の全量が2日で1循環する量(4.2リットル/時間)〜水槽21の容量200リットルが貯留する海水6の全量が半日で1循環する量(17リットル/時間)程度のゆっくりとした循環を行う。
【0046】
次に、撚糸5の全体に亘って糸状体が定着されたことを確認できた時期においては、循環流量調節弁28で循環流量を水槽21の容量200リットルが貯留する海水6の全量が半日で1循環する量(17リットル/時間)〜水槽21の容量200リットルが貯留する海水の全量が2.4時間で1循環する量(83リットル/時間)程度に循環量を上昇させる。その後、撚糸5に満遍なく糸状体が成長して繁茂するまで、循環流量を維持する。なお、糸状体の成長が悪い場合には、循環量を少なくするまたは、循環ポンプ23の循環を停止させて様子を見る場合もある。また、水温が高い等により糸状体の成長が早い場合に循環流量を増加させても良い。
【0047】
定着段階での撚糸5への定着状態の確認は、蛍光顕微鏡を用いて確認を行う。糸状体が蛍光を発する性質を有しているためである。また、糸状体が撚糸5に満遍なく繁茂して、海洋での糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の養殖段階に移ることが可能かどうかの判断についても、蛍光顕微鏡を用いて行うが、糸状体の繁茂状況が良好であれば、撚糸5は糸状体により赤紫色に変色するため、この性質を利用し、目視で撚糸5の内部の繊維が赤紫色に変色したことで、養殖段階に移ることが可能であるとの判断を行うことも可能である。なお、撚糸5の表面全体から、糸状体の成長した発芽体が生じたことで、養殖段階に移ることが可能と目視で判断しても良い。
【0048】
糸状体の撚糸5への定着期間は太陽光の照度及び海水6の温度により、変化する。自然条件で定着を行う場合には、冬季等で日射量が少なく海水温が低い場合は、10ヶ月程度の定着期間が必要な場合もあるが、夏季等で自然条件が良い場合や、加温により海水6の温度を管理し、人工太陽照明を使用して定着を促進させることが可能であれば、1ヶ月程度で定着が終了することも可能である。定着期間が長くなる場合には、水槽21の海水6の入れ替えや、海水6への肥料の添加、撚糸5の上下の入れ替えを行って定着を促進させる。
【0049】
(養殖段階)
撚糸5への糸状体の定着が終了した後は、殻胞子が成長して葉状体となるアマノリ属の海苔の養殖と同様に、糸状体の定着した網状の撚糸5を内海や湾等の比較的に波の穏やかな海洋で、ベタ流し方式や支柱柵方式で網状の撚糸5を広げた状態で固定し、撚糸5に定着した糸状体から葉状体が成長することで、葉状体が食用に可能な状態になるまで養殖を行う。
【実施例3】
【0050】
(概略の構成)
実施例3の糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の撚糸への定着方法及び定着方法を使った定着装置について、図3の定着装置3を用いて説明する。実施例3においては、実施例1と定着装置3だけが異なるものであり、撚糸5については同じ符号を付けて説明を省略する。ここで、糸状体の撚糸5への定着とは、糸状体が撚糸5の撚り合わされた隙間に入り込み、撚糸5の内部へも伸長、潜入することであり、定着させることにより、養殖場所に移動させても、糸状体が定着させられた撚糸5から、糸状体が成長した発芽体や葉状体が脱落しない状態にして、海洋での養殖が行えるようにさせることである。
【0051】
(定着装置)
定着装置3は海水6を貯留する水槽31、撚糸5を載せる仕切り板32、海水6を撹拌させ、併せて海水6の溶存酸素を増加させるための空気ポンプ33が主要な構成部品となる。
【0052】
水槽31は、貯留する海水6の量に耐え得る強度で、海水6に接することにより発生する腐食に耐え得る性質を有する金属、合成樹脂等、または金属、合成樹脂等を組み合わせた材質で製作されている。水槽31の容量は、浸される撚糸5の量に合わせて選定する。例えば、水槽31の容量が200リットルである場合には、網状にした撚糸5の面積が1.8m×1.8mの場合の5枚分(用いられる繊維の種類や、撚り合わされた撚糸5の太さにより異なるが、化学繊維の場合で1枚当たり約10kgの質量となる。)を海水6に浸すことが可能である。
【0053】
水槽31の底部は下方に向かって窪んでおり、水槽31の底部窪みの中央部には空気ポンプ33が納められている。空気ポンプ33の上部には、空気ポンプ33との間に所定の隙間を有し、撚糸5を載せる仕切り板32が水槽6の側面内壁に固定されている。仕切り板32は、空気7や海水6を通過して撚糸5は通過しない網目や多数の貫通孔があり、海水6に接することにより発生する腐食に耐え得る性質を有する金属、合成樹脂等、または金属、合成樹脂等を組み合わせた材質で製作されている。また、定着装置3は地面に安定して設置できるように周りに脚39が設けられている。

【0054】
(空気ポンプ)
空気ポンプ33は、外部の海水6に接することにより発生する腐食に耐え得る性質を有する金属、合成樹脂等、または金属、合成樹脂等を組み合わせた材質で製作された空気ポンプ部と電動機からなる駆動部から構成されている。空気ポンプ33の空気の風量は水槽31の内容量に応じて選定する。空気ポンプ33の選定例としては、水槽31が貯留する海水の容量例200リットルである場合には、風量は、1.5リットル/分となる。空気ポンプ33には海水6の上部に突出させた吸入口34と、吸入口34と連通して上部の空気7を空気ポンプ33に流入させる吸入管35と、空気7を海水6に吐出させる吐出口36が設けられている。空気ポンプ33が駆動することにより、水槽31の底部から泡状の空気7が水槽31の中央部で吐出し、空気7の吐出により、水槽31内部の中央部の海水6は、上方に向かう上昇流が発生し、水槽31内部の周辺部の海水6は、下方に向かう下降流が発生する。この上昇流及び下降流により、水槽31内部の海水6は撹拌される。
【0055】
(定着装置を使用した養殖方法)
定着装置3を使用した糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の養殖方法について説明する。糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の養殖については、定着装置3で撚糸5に糸状体を付ける前の準備段階と、定着装置3を使用した定着段階と、海洋での養殖段階に分けられる。
【0056】
(準備段階)
第1の準備段階は撚糸5に定着させるための糸状体を採取することである。まず、糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の果胞子をフラスコ内で培養し、果胞子が発芽したのちに糸状体へと成長させる。このフラスコで培養した糸状体は一般にはフリー糸状体と呼ばれている。このフリー糸状体をミキサー等の鋭利な刃物を有する細断機により3〜1000マイクロメートルの長さに細断する。
【0057】
第2の準備段階は定着装置1に使用する海水6を用意することである。海水6は海洋から直接に汚染の少ない天然海水を採取し、塩素等の殺菌処理を行い、自然爆気若しくはチオ硫酸ナトリウム等で塩素を中和した後に使用するか、粉末や濃縮液等の状態で市販されている人工海水を、天然海水に近い塩分濃度やpHになるように調整して、水槽31の容量に余裕量を加えた量を用意し、水槽31の内部に海水6を満たす。
【0058】
(定着段階)
水槽31の内部に網状の撚糸5を折り畳んで入れ海水6に浸す。その後、細断した糸状体を水槽31に投入する。この状態で空気ポンプ33を駆動させて、空気7の吐出により水槽31の海水6を撹拌させる。糸状体を水槽31に投入した直後については、撚糸5への糸状体への定着をし易くするため空気ポンプ33の駆動を遅らせても良い。
【0059】
次に、撚糸5の全体に亘って糸状体が定着されたことを確認できた時期においては、空気ポンプ33の駆動を開始し、撚糸5に満遍なく糸状体が成長して繁茂するまで、空気7の吐出による循環流量を維持する。なお、糸状体の成長が悪い場合には、空気ポンプ33の駆動を停止させて様子を見る場合もある。
【0060】
定着段階での撚糸5への定着状態の確認は、蛍光顕微鏡を用いて確認を行う。糸状体が蛍光を発する性質を有しているためである。また、糸状体が撚糸5に満遍なく繁茂して、海洋での糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の養殖段階に移ることが可能かどうかの判断についても、蛍光顕微鏡を用いて行うが、糸状体の繁茂状況が良好であれば、撚糸5は糸状体により赤紫色に変色するため、この性質を利用し、目視で撚糸5の内部の繊維が赤紫色に変色したことで、養殖段階に移ることが可能であるとの判断を行うことも可能である。なお、撚糸5の表面全体から、糸状体の成長した発芽体が生じたことで、養殖段階に移ることが可能と目視で判断しても良い。
【0061】
糸状体の撚糸5への定着期間は太陽光の照度及び海水6の温度により、変化する。自然条件で定着を行う場合には、冬季等で日射量が少なく海水温が低い場合は、10ヶ月程度の定着期間が必要な場合もあるが、夏季等で自然条件が良い場合や、加温により海水6の温度を管理し、人工太陽照明を使用して定着を促進させることが可能であれば、1ヶ月程度で定着が終了することも可能である。定着期間が長くなる場合には、水槽31の海水6の入れ替えや、海水6への肥料の添加、撚糸5の上下の入れ替えを行って定着を促進させる。
【0062】
(養殖段階)
撚糸5への糸状体の定着が終了した後は、殻胞子が成長して葉状体となるアマノリ属の海苔の養殖と同様に、糸状体の定着した網状の撚糸5を内海や湾等の比較的に波の穏やかな海洋で、ベタ流し方式や支柱柵方式で網状の撚糸5を広げた状態で固定し、撚糸5に定着した糸状体から葉状体が成長することで、葉状体が食用に可能な状態になるまで養殖を行う。
【符号の説明】
【0063】
1、2、3:定着装置
5:撚糸
6:海水
7:空気
11、21、31:水槽
12、22:内籠
13、23:循環ポンプ
14、24、34:吸入口
15、25:吸入流路
16、26、36:吐出口
17、27:吐出流路
18、28:循環流量調節弁
19、29、39:脚
32:仕切り板
33:空気ポンプ
35:吸入管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海水が満たされた水槽内に撚糸を浸し、糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の糸状体を細断したものを前記水槽内に入れ、前記水槽内の海水を撹拌して前記撚糸に糸状体を定着させる、糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の撚糸への定着方法。
【請求項2】
前記水槽内の海水を撹拌する手段が循環ポンプである、請求項1記載の糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の撚糸への定着方法。
【請求項3】
前記水槽内の海水を撹拌する手段が空気ポンプである、請求項1記載の糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の撚糸への定着方法。
【請求項4】
請求項2または請求項3記載の定着方法が用いられている、糸状体から直接葉状体を生じるアマノリ属に属する海苔の撚糸への定着装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−200189(P2012−200189A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66923(P2011−66923)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(391016082)山口県 (54)
【Fターム(参考)】