説明

紙の蛍光増白用組成物

a)4,4’−ビス[(1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸から誘導し、トリアジン環の一方または両方が−NH2置換基を有するという特徴がある蛍光増白剤(FWA);b)水、およびc)場合により、さらなる助剤を含む紙の蛍光増白用組成物、パルプ塊中、コーティング中、またはメータリングサイズプレスもしくはフィルムプレスにおけるその使用、ならびにその方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙の蛍光増白用組成物、パルプ塊中、コーティング中、またはメータリングサイズプレスもしくはフィルムプレスにおけるその使用、ならびにそのための方法に関する。
【0002】
従来の紙用蛍光増白剤(FWA)は、たとえば、DE OS 2,715,864に開示されるように、トリアジン環がアニリノ残基で置換された4,4’−ビス[(1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸の誘導体である。水溶性および/または親和性についての要求に応じて、これらのアニリノ残基は非置換であっても、1または2個のスルホン酸基で置換されていてもよい(したがって得られるFWAは、ジ−、テトラ−、またはヘキサスルホン酸誘導体と呼ばれる)。
【0003】
しかし、特定の紙の用途では、特に、メータリングサイズプレスまたはフィルムプレスにおいては、このような従来のFWAは不利であり、それはこれらの親和性が不十分である(たとえばヘキサスルホ)か、または増白効果が低く飽和点が低い(たとえばジスルホ)からである。
【0004】
本発明の目的は、紙への親和性が高く、同時に、飽和点が高いとともに増白に極めて効果的である組成物を提供することである。
【0005】
したがって、本発明は、
a)4,4’−ビス[(1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸から誘導し、トリアジン環の一方または両方が−NH2置換基を持つという特徴がある、蛍光増白剤;
b)水、および
c)場合により、さらなる助剤
を含む、紙の蛍光増白用組成物に関するものである。
【0006】
これらの組成物は通常、それぞれの範囲は組成物の合計重量に基づき、成分a)〜c)の量の合計を100%に合わせて、
FWA成分a)5〜50重量%、
水50〜95重量%、および
成分c)0〜40重量%
を含む。
【0007】
しかし、好ましくは、これらの組成物は流動性液体であり、それぞれの範囲は組成物の合計重量に基づき、成分a)〜c)の量の合計を100%に合わせて、
成分a)10〜30重量%、特に15〜25重量%、
水70〜90重量%、特に75〜85重量%、および
成分c)0〜10重量%であるか、成分c)としてポリエチレングリコールを使用する場合には0〜40重量%
を含む。
【0008】
組成物の成分a)、蛍光増白剤は、式I:
【0009】
【化2】

【0010】
{式中、X1、X2、およびX3は、互いに独立に、−NR12または−OR3を表し[式中、R1およびR2は、互いに独立に、水素、非置換または次の残基、C1〜C4アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、カルボンアミド、チオール、グアニジン、置換もしくは非置換フェニル、非置換もしくはC1〜C4アルキル置換C5〜C8シクロアルキル、ハロゲン、複素環、およびスルホン酸残基(ここで、2、3、または4個の炭素原子を有するアルキル基の炭素鎖は、原子酸素で中断されていてもよい)よりなる群から選択される残基1もしくは2個で置換されたC1〜C4アルキル基であるか、あるいはまた、
1およびR2は、これらを結合する窒素原子とともに、5もしくは6員の複素環を完結し;
3は、C1〜C4アルキルを表す]、
Mは、H、Na、Li、K、Ca、Mg、アンモニウム、あるいはC1〜C4アルキルおよび/またはC2〜C4ヒドロキシアルキルでモノ−、ジ−、トリ−、またはテトラ置換されたアンモニウムを表す}の化合物である。
【0011】
しかし、好ましくは、成分a)は、
1およびX2が、それぞれ独立に、−NH2、−NHC1〜C4アルキル、−N(C1〜C4アルキル)2、−NHC2〜C4ヒドロキシアルキル、−N(C2〜C4ヒドロキシアルキル)2、−N(C1〜C4アルキル)(C2〜C4ヒドロキシアルキル)、−NH(C2〜C4アルキレン−C1〜C4アルコキシ)、−N(C2〜C4アルキレン−C1〜C4アルコキシ)2、−NHC1〜C4アルキルフェニル、テトラヒドロフルフリルアミノ、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、またはシクロヘキシルアミノ、あるいはアミノ基から水素原子を取り去られたアミノ酸またはアミノ酸アミド残基を表し、
3が、−NH2を表し、
Mは、前記定義の通りである、式(1)の化合物である。
【0012】
最も好ましい組成物は、式(1)の化合物において、
1およびX2が、共に、−NH2、−NHC1〜C2アルキル、−N(C1〜C2アルキル)2、−NHCH2CH2OH、−N(CH2CH2OH)2、−N(C1〜C2アルキル)(CH2CH2OH)、−NHCH2CH2OCH3、−N(CH2CH2OCH32、−NHCH2CH2−O−CH2CH2−OH、−N(CH2CH2−O−CH2CH2−OH)2、−NHCH2CO2M”、−N(CH3)CH2CO2M”、−NHCH2CH2CO2M”、−NHCH(CO2M”)CH2CH2CH2NHC(=NH)NH2、テトラヒドロフルフリルアミノ、ベンジルアミノ、シクロヘキシルアミノ、ピロリジノ、またはモルホリノを表し、
3が、−NH2を表し、
M”が、H、K、Na、アンモニウム、あるいはC1〜C4アルキルおよび/またはC2〜C4ヒドロキシアルキルでモノ−、ジ−、トリ−、またはテトラ置換されたアンモニウム、特にNaを表すものである。
【0013】
置換基の定義の範囲内で、C1〜C4アルキル基は、たとえば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル、またはt−ブチルであり、一方C1〜C4アルコキシ基は、たとえば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−、s−、イソ、またはt−ブトキシである。C2〜C4アルキレン鎖はchain、たとえばエチレン、n−プロピレン、メチルエチレン、1−もしくは2−メチルプロピレン、n−ブチレン、またはエチルエチレン残基とすることができ、一方C2〜C4ヒドロキシアルキルは、2−ヒドロキシエチル、2−もしくは3−ヒドロキシ−n−もしくはイソプロピル、またはヒドロキシブチルとすることができる。
【0014】
さらに、定義の範囲内で、ハロゲンは、ヨウ素、臭素、塩素、フッ素、特に塩素であり、一方C5〜C7シクロアルキルアミノは、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、シクロヘプチルアミノ、特にシクロヘキシルアミノである。
【0015】
カルボンアミド基は、−C(=O)NHC1〜C4アルキル、−C(=O)N(C1〜C4アルキル)2、特に−C(=O)NH2とすることができる。
【0016】
複素環残基は、1または2個のヘテロ原子、たとえば酸素、硫黄、または窒素を有し、骨格の残りが炭素原子である、5、6、または7員環とすることができる。例は、2−もしくは3−テトラヒドロフルフリル、2−もしくは3−フリル、2−もしくは3−チエニル、2−もしくは3−ピロリル、2−、4−、もしくは5−イミダゾリル、2−、3−、もしくは4−ピリジル、ピラジニル、3−イソチアゾリル、3−イソオキサゾリル、または2−もしくは3−ピロリジニルである。
【0017】
水素原子が除去されたアミノ酸またはアミノ酸アミド残基は、グリシン、アラニン、セリン、システイン、フェニルアラニン、チロシン(4−ヒドロキシフェニルアラニン)、ジヨードチロシン、トリプトファン(β−インドリルアラニン)、ヒスチジン((β−イミダゾリルアラニン)、α−アミノ酪酸、メチオニン、バリン(α−アミノイソ吉草酸)、ノルバリン、ロイシン(α−アミノイソカプロン酸)、イソロイシン(α−アミノ−β−メチル吉草酸)、ノルロイシン(α−アミノ−n−カプロン酸)、アルギニン、オルニチン(α,δ−ジアミノ吉草酸)、リシン(α,ε−ジアミノカプロン酸)、アスパラギン酸(アミノコハク酸)、グルタミン酸(α−アミノグルタル酸)、トレオニン、ヒドロキシグルタミン酸、およびタウリン、ならびにこれらの混合物および光学異性体から誘導することができる。
【0018】
アミノ酸残基R1を誘導することができるアミノ酸の別の好ましい例は、イミノジ酢酸またはそのモノ−もしくはジ酸アミドであり、一方適切なアミノ酸アミドは、2−ヒドロキシエチルアミノプロピオン酸アミドである。
【0019】
適切な組成物の任意の助剤、成分c)は、たとえば、エチレンオキシドと脂肪アルコール、高級脂肪酸、もしくはアルキルフェノールとの付加物、またはエチレンジアミンエチレンオキシド−プロピレンオキシド付加物、N−ビニルピロリドンと3−ビニルプロピオン酸とのコポリマー、平均分子量300〜10,000を有するポリエチレングリコールのクラスからのアニオン性または非イオン性分散剤、グリコール、たとえばエチレングリコール、グリセロールまたはソルビトールを含む保水助剤、あるいは殺生剤または別の助剤、たとえば尿素、ラクトン、またはラクタム、たとえばN−メチルピロリドン、および他の可溶化剤、たとえばジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシドを含む。
【0020】
本発明はさらに、基材と本発明の蛍光増白剤組成物とを接触させる工程を含む、紙または板紙の蛍光増白方法を提供する。
【0021】
紙の蛍光増白に使用する場合、本発明の組成物は、パルプ塊中で、紙コーティング組成物の形態で、またはメータリングサイズプレスもしくはフィルムプレスにおいて、直接、紙基材に適用することができる。
【0022】
本発明の別の局面は、紙表面と、白色顔料;バインダー分散液;場合により水溶性の共バインダー;および、処理した紙が通常、式(1)の蛍光増白剤を、白色顔料に基づいて0.01〜1重量%含有することを確保するのに十分な量の本発明による蛍光増白剤組成物を含むコーティング組成物とを接触させる工程を含む、紙表面の蛍光増白のための方法における本発明の組成物の使用を提供する。
【0023】
本発明の方法により用いる紙コーティング組成物の白色顔料成分として、好ましくは、無機顔料、たとえば、ケイ酸アルミニウムまたはケイ酸マグネシウム、たとえばチャイナクレイおよびカオリン、そしてさらに、硫酸バリウム、繻子白、二酸化チタン、炭酸カルシウム(たとえばチョーク、天然または沈降炭酸カルシウム)またはタルク;ならびに白色有機顔料がある。
【0024】
本発明の方法により用いる紙コーティング組成物は、バインダーとして、特に、ブタジエン/スチレン、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン、アクリル酸エステル、アクリル酸エステル/スチレン/アクリロニトリル、エチレン/塩化ビニル、およびエチレン/酢酸ビニルのコポリマー;またはホモポリマー、たとえばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、およびポリ酢酸ビニル、またはポリウレタンを主成分とするプラスチック分散液を含有することができる。好ましいバインダーは、スチレン/ブチルアクリレートもしくはスチレン/ブタジエン/アクリル酸コポリマーまたはスチレン/ブタジエンゴムからなる。他のポリマー格子(lattice)は、たとえば、次の米国特許:第3,265,654号、第3,657,174号、第3,547,899号、および第3,240,740号に記載されている。
【0025】
任意の水溶性保護コロイドは、たとえば、大豆タンパク質、カゼイン、カルボキシメチルセルロース、天然もしくは変性スターチ、キトサンまたはこれらの誘導体、特に、ポリビニルアルコールとすることができる。好ましいポリビニルアルコール保護コロイド成分は、広い範囲のけん化レベルおよび分子量、たとえばけん化レベル40〜100の範囲、および平均分子量10,000〜100,000g/molの範囲を有することができる。
【0026】
紙用のコーティング組成物の製法は、たとえば、J.P. Casey "Pulp and Paper"; Chemistry and Chemical Technology, 2nd edition, Volume III, pages 1684-1649 and in "Pulp and Paper Manufacture", 2nd and 5th edition, Volume II, page 497(McGraw-Hill)に記載されている。
【0027】
本発明の方法により用いる紙コーティング組成物は、好ましくは、白色顔料を1〜65重量%含有する。バインダーは、高分子化合物の乾燥含量を、白色顔料の、1〜30重量%に、好ましくは3〜25重量%にするのに十分な量で使用するのが好ましい。本発明により用いる蛍光増白剤配合物の量は、蛍光増白剤が、好ましくは、白色顔料に基づいて0.01〜2重量%、より好ましくは0.05〜1重量%、特に0.05〜0.6重量%の量で存在するように計算する。
【0028】
本発明による方法で用いる紙コーティング組成物は、成分を任意の所望の順序で、温度10〜100℃、好ましくは20〜80℃で混合することにより調製することができる。ここで、成分は、通常の助剤、たとえばバインダー、共バインダー、レオロジー変性剤、保水助剤、分散剤、湿潤紙力増強剤、およびブースターも含む。このような助剤は、たとえば、天然バインダー、たとえばスターチ、カゼイン、タンパク質、もしくはゼラチン、セルロースエーテル、たとえばカルボキシアルキルセルロースもしくはヒドロキシアルキルセルロース、アルギン酸、アルギナート、ポリエチレンオキシドもしくはポリエチレンオキシドアルキルエーテル、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのコポリマー、ポリビニルアルコール、ホルムアルデヒドと尿素もしくはメラミンとの水溶性縮合物、ポリホスファート、またはポリアクリル酸塩である。
【0029】
本発明の方法により用いるコーティング組成物は、コーティングされた印刷用紙もしくは筆記用紙、または特殊紙、たとえばインクジェット紙もしくは印画紙、または厚紙を製造するのに使用するのが好ましい。
【0030】
本発明の方法により用いるコーティング組成物は、任意の従来の方法により、たとえばエアブレード、コーティングブレード、ローラー、ドクターブレードまたはロッドを用いて、サイズプレス、メータリングサイズプレスにおいて、あるいは噴霧により、基材に付着させることができ、その後、たとえば赤外線乾燥機および/または熱風乾燥機を用いて、70〜200℃、好ましくは90〜130℃の範囲の温度で、残留水分含量3〜8%までコーティングを乾燥する。このように、同じ程度に高い白色度が低い乾燥温度でも実現できる。
【0031】
別の好ましい局面では、本発明は、サイズプレスまたはメータリングサイズプレスにおいて、紙と、サイズ剤、場合により無機または有機顔料、および本発明の蛍光増白剤組成物0.1〜20g/Lを含有する水溶液とを接触させる工程を含む、紙表面を蛍光増白するための方法を提供する。好ましくは、サイズ剤は、スターチ、スターチ誘導体、または合成サイズ剤、特にこれらの水溶性コポリマーまたは混合物である。
【0032】
別の好ましい局面では、本発明は、紙形成の時に紙の蛍光増白のための方法を提供し、これによりFWA組成物はパルプ塊に直接加える。この場合、FWA組成物は、溶液または分散液の形態とすることができ、これにより本発明のFWA組成物は、紙形成より前にパルプ塊に同様に添加されるカチオン性ポリマー、固着剤、湿潤紙力増強剤、または脱墨助剤の存在により、その効果はわずかだけ阻害されるという点で特に有用である。このような助剤の例は、ジシアンジアミド縮合物、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、カチオン性デンプン、ポリ−DADMAC(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリアミドアミンおよびポリエポキシドを含むことができる。
【0033】
本発明の別の態様は、本発明による蛍光増白剤組成物で処理した紙に関するものである。
【0034】
本発明の組成物は、個々の成分a)、b)、および場合により、c)を、周囲温度または高温で、均質な溶液または分散液が得られるまで、機械的に混合することにより得ることができる。
【0035】
本発明の蛍光増白剤、成分a)は、公知化合物であるか、またはたとえば、GB 1,183,854に記載されているように、公知方法と同様に得ることができる。
【0036】
本発明の組成物は、増白能力が極めて高いばかりでなく、さらに、多くの場合非常に望ましい水溶性および堅牢性を示すという点で特に有利である。
【0037】
本発明による方法を使用することにより、得られたコーティングは、表面全体にわたる最適な蛍光増白剤の分布、これにより達成した白色度のレベルの増加、光および高温(たとえば、60〜100℃で24時間の安定性)に対する高い堅牢度、ならびに水に対する優れたブリード堅牢度が認められる。
【0038】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これらは本質的に限定するものではない;特記しない限り、部および%は重量部および重量%である。
【0039】
実施例
実施例1〜19
サイズプレス用途
市販されている部分的に分解されたアニオン性スターチ(Perfectamyl(登録商標)A 4692; Avebe company)の8重量%溶液に、FWA最終濃度3g/kgおよび6g/kgの溶液それぞれを得るに十分なFWA水溶液または分散液を加えた。
【0040】
次に、得られた組成物を、サイズプレスにおいて、坪量80g/m2の、FWAを含まない上質中性サイズ紙に、紙の重量に基づく組成物の取り込み量20%で塗布した。
【0041】
次に、Datacolor Elrepho 3000分光光度計を用いて、白色度、Wcieを測定した。
【0042】
結果を次の表1にまとめた。ここでFWAは、式(II):
【0043】
【化3】

【0044】
である。
【0045】
【表1】



【0046】
本発明の組成物と比較して、式:
【0047】
【化4】

【0048】
の従来のFWAについての対応する値、Wcieは、それぞれ109および110であり、したがって、本発明のほとんどの組成物の飽和点と白色度の両方において著しい改良が実証された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)4,4’−ビス[(1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸から誘導し、トリアジン環の一方または両方が−NH2置換基を有するという特徴がある、蛍光増白剤(FWA)、
b)水、および
c)場合により、さらなる助剤
を含む、紙の蛍光増白用組成物。
【請求項2】
それぞれ、成分a)〜c)の量の合計を100%に合わせた組成物の合計重量に基づいて、
FWA成分a)5〜50重量%、
水50〜95重量%、および
成分c)0〜40重量%
を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
蛍光増白剤が式(I):
【化1】


{式中、X1、X2、およびX3は、互いに独立に、−NR12または−OR3を表し[式中、R1およびR2は、互いに独立に、水素、非置換または次の残基、C1〜C4アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、カルボンアミド、チオール、グアニジン、置換もしくは非置換フェニル、非置換もしくはC1〜C4アルキル置換C5〜C8シクロアルキル、ハロゲン、複素環、およびスルホン酸残基(ここで、2、3、または4個の炭素原子を有するアルキル基の炭素鎖は、酸素で中断されていてもよい)よりなる群から選択される残基1もしくは2個で置換されたC1〜C4アルキル基であるか、あるいはまた、
1およびR2は、これらを結合する窒素原子とともに、5もしくは6員の複素環を完結し;
3は、C1〜C4アルキルを表す]、
Mは、H、Na、Li、K、Ca、Mg、アンモニウム、あるいはC1〜C4アルキルおよび/またはC2〜C4ヒドロキシアルキルでモノ−、ジ−、トリ−、またはテトラ置換されたアンモニウムを表す}の化合物である、請求項1または請求項2記載の組成物。
【請求項4】
式(I)の化合物において、
1およびX2が、それぞれ独立に、−NH2、−NHC1〜C4アルキル、−N(C1〜C4アルキル)2、−NHC2〜C4ヒドロキシアルキル、−N(C2〜C4ヒドロキシアルキル)2、−N(C1〜C4アルキル)(C2〜C4ヒドロキシアルキル)、−NH(C2〜C4アルキレン−C1〜C4アルコキシ)、−N(C2〜C4アルキレン−C1〜C4アルコキシ)2、−NHC1〜C4アルキルフェニル、テトラヒドロフルフリルアミノ、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、またはシクロヘキシルアミノ、あるいはアミノ基から水素原子を取り去られたアミノ酸またはアミノ酸アミド残基を表し、
3が、−NH2を表す、請求項3記載の組成物。
【請求項5】
式(I)の化合物において、
1およびX2が、共に、−NH2、−NHC1〜C2アルキル、−N(C1〜C2アルキル)2、−NHCH2CH2OH、−N(CH2CH2OH)2、−N(C1〜C2アルキル)(CH2CH2OH)、−NHCH2CH2OCH3、−N(CH2CH2OCH32、−NHCH2CH2−O−CH2CH2−OH、−N(CH2CH2−O−CH2CH2−OH)、−NHCH2CO2M”、−N(CH3)CH2CO2M”、−NHCH2CH2CO2M”、−NHCH(CO2M”)CH2CH2CH2NHC(=NH)NH2、テトラヒドロフルフリルアミノ、ベンジルアミノ、シクロヘキシルアミノ、ピロリジノ、またはモルホリノ(M”は、H、K、Na、アンモニウム、あるいはC1〜C4アルキルおよび/またはC2〜C4ヒドロキシアルキルでモノ−、ジ−、トリ−、またはテトラ置換されたアンモニウムを表す)を表す、請求項4記載の組成物。
【請求項6】
紙の蛍光増白のための、パルプ塊中、コーティング中、またはメータリングサイズプレスもしくはフィルムプレスにおける、請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物の使用。
【請求項7】
紙の蛍光増白のための、コーティング中、またはメータリングサイズプレスもしくはフィルムプレスにおける、請求項6記載の使用。
【請求項8】
紙の蛍光増白のための、メータリングサイズプレスまたはフィルムプレスにおける、請求項6または7記載の使用。
【請求項9】
紙を請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物で処理することによる、紙の蛍光増白方法。
【請求項10】
請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物で増白した紙。

【公表番号】特表2007−501336(P2007−501336A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522348(P2006−522348)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【国際出願番号】PCT/EP2004/051630
【国際公開番号】WO2005/014932
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】