説明

紙幣入出金機

【課題】紙幣入出金機の小型化を図るための手段を提供する。
【解決手段】紙幣入出金部10は紙幣ガイド部25とビルプレス26と、紙幣ガイド部25の上部に取り付けられ紙幣ガイド部25と投入口シャッタ20との隙間に入り込んで紙幣の面方向に移動する上ガイド部27とからなり、入金処理を行うとき、紙幣ガイド部25とビルプレス26間に形成される紙幣の収容空間が紙幣入出金口5aの下方に位置するように紙幣ガイド部25とビルプレス26を離間させ、上ガイド部27をピックアップローラ21側に移動させて投入口シャッタ20を開き、投入口シャッタ20を閉じた後上ガイド部27をビルプレス26側に移動させ、紙幣ガイド部25とビルプレス26をピックアップローラ21側に移動させることで、紙幣ガイド部25の切り欠きから収容空間内に突出し紙幣に当接するピックアップローラ21により紙幣を搬送路13へ繰出すことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動取引装置に設けられ、紙幣の入出金のための処理を行う紙幣入出金機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の紙幣入出金機は、紙幣を入金する際に投入口シャッタを開いて紙幣入出金部の紙幣入出金口を開放することで顧客により紙幣が投入された後、投入口シャッタを閉じてビルプレスによって投入された紙幣をピックアップローラに押し付けたまま、ピックアップローラを回転させて紙幣を機器内部に取り込んでいる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−58939号公報(段落「0013」−段落「0014」)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術においては、投入口シャッタと紙幣入出金部間にできた隙間から異物が入り込むことによる障害発生を防ぎ、内部の機構が隙間から見えてしまうのを防ぐため、紙幣入出金部内に設けたビルプレスのみを紙幣の方に動かしているので、ビルプレスの移動機構の配置やビルプレスの移動範囲によって紙幣入出金部の大きさが決まる。また紙幣入出金部上の筐体との隙間には板状の部材が設けられ、その部材によって紙幣入出金部の上部と筐体との隙間から異物が入り込んで装置内部に落ちてしまうのを防いでいるが、異物が内部に落ちるのを確実に防ぐために部材を大きめに形成しているため、紙幣入出金部が大きくなってしまい、紙幣入出金部を小さくすることによる紙幣入出金機の小型化を図ることが困難であるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記の問題点を解決するための手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために、紙幣入出金口に設けられたシャッタと、該シャッタを開けて開放された紙幣入出金口から投入された紙幣を受け入れる紙幣入出金部と、該紙幣入出金部内の紙幣を搬送路に繰出すピックアップローラとを備えた紙幣入出金機において、前記紙幣入出金部は、前記ピックアップローラ側から紙幣面に対向し紙幣の面方向に移動して前記ピックアップローラと対向する箇所に切り欠きを有する紙幣ガイド部と、該紙幣ガイド部が対向する紙幣面と反対側の紙幣面に対向し紙幣の面方向に移動するビルプレスと、前記紙幣ガイド部の上部に取り付けられ、前記紙幣ガイド部と前記シャッタとの隙間に入り込んで紙幣の面方向に移動する上ガイド部とからなり、入金処理を行うとき、前記紙幣ガイド部と前記ビルプレス間に形成される紙幣の収容空間が前記紙幣入出金口の下方に位置するように、前記紙幣ガイド部と前記ビルプレスを離間させると共に、前記上ガイド部を前記ピックアップローラ側に移動させて前記シャッタを開き、紙幣が投入され前記シャッタを閉じた後、前記上ガイド部を前記ピックアップローラ側から前記ビルプレス側に移動させて前記紙幣ガイド部と前記ビルプレスとを前記ピックアップローラ側に移動させることで、前記紙幣ガイド部の切り欠きから前記収容空間内に突出し紙幣に当接する前記ピックアップローラにより紙幣を搬送路へ繰出すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
これにより、本発明は、ピックアップローラ側に紙幣入出金口及び紙幣の収容空間を形成するための壁となる紙幣ガイド部を配し、紙幣ガイド部の上部に上ガイド部を取り付け、シャッタが開いているとき上ガイド部をピックアップローラ側に張り出した位置へと移動させておくことで、投入口シャッタと紙幣ガイド部との隙間に異物が入り込んでも、張り出した上ガイド部によって異物が装置内部に落ちるのを防止し、さらにシャッタを閉じて紙幣ガイド部がピックアップローラ側に移動する際には上ガイド部を紙幣の収容空間の上方へと移動することで、ピックアップローラ側に張り出した位置から退避するので、筐体のピックアップローラ方向の寸法を小さくすることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1の自動取引装置の外観を示す説明図
【図2】紙幣取扱部の概略構成を示す説明図
【図3】紙幣入出金部を示す説明図
【図4】紙幣の繰出動作を行う紙幣取扱部を示す説明図
【図5】実施例2の上ガイド部を示す説明図
【図6】実施例2における紙幣投入時の紙幣入出金口を示す説明図
【図7】実施例2における紙幣繰出時の紙幣入出金口を示す説明図
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、図面を参照して本発明による紙幣入出金機の実施例について説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は実施例1の自動取引装置の外観を示す説明図である。
【0011】
図1において、1は銀行等の金融機関の営業店やコンビニエンスストア等に設置される紙幣入出金機としての自動取引装置で、金融機関のセンタに設けられたホストコンピュータ等と通信回線を介して接続され、情報の通信を行えるようになっている。
【0012】
この自動取引装置1は、表示入力部2、カードリードライト部3、通帳記帳部4、現金入出金部5を備えると共に、図示しない制御部と記憶部等を備えている。
【0013】
表示入力部2は、自動取引装置1正面の接客面に露出させて設けられており、表示面を上に向けたCRTディスプレイまたは液晶ディスプレイ等による表示部の上にタッチパネル等の入力部を配し、顧客の操作を誘導するメッセージを配した画面や各種の入力キーを表示し、その入力キーをタッチパネル上から指で押下することにより、入力キーに定義された情報を入力できるものとなっていて、表示部は入力された情報の表示等も行うようになっている。
【0014】
カードリードライト部3は、顧客の取引カードに設けられた磁気ストライプに対してデータの読取及び書込みを行う機能を有し、そのカード挿入返却口は前記接客面に設けられている。
【0015】
通帳記帳部4は、顧客の通帳に設けられた磁気ストライプに対してデータの読取及び書込みを行う機能を有すると共に取引内容等を顧客の通帳に記帳する機能を有し、その通帳挿入返却口は前記接客面に設けられている。
【0016】
現金入出金部5は、取引に伴う現金の入出金処理を行うもので、紙幣を扱う紙幣取扱部と硬貨を扱う硬貨取扱部により構成され、図1に示すようにその紙幣入出金口5aと硬貨出金口5bは前記接客面に設けられている。
【0017】
図2は紙幣取扱部の概略構成を示す説明図である。
【0018】
図2において、10は紙幣入出金部であり、前記紙幣入出金口5aから投入された紙幣を立位の状態で収容する収納空間を有し、その収容空間の底板10aは例えば一部が網目状に形成され、かつ網目状となっている箇所の下方にクリップやごみ等の異物を集積して保留するための異物保留部11が設けられ、紙幣と共に投入された異物を底板10aの網目から異物保留部11に落とすことで、異物が後述の搬送路13内に入り込まないようにしている。
【0019】
13は搬送路であり、紙幣入出金部10から繰出された紙幣を紙幣取扱部の各部へと搬送する。
【0020】
14は紙幣鑑別部であり、紙幣の金種、真偽、正損等を鑑別する。
【0021】
15は収納部であり、予め定められた金種の紙幣を収納する4つの収納庫により構成され、各収納庫には紙幣を搬送路13に繰出すための繰出し手段が設けられている。
【0022】
16は紙幣回収部であり、収納部15へ補充するための紙幣や各収納庫から回収する紙幣を収納する紙幣補充回収庫16aと、出金取引等で収納部15から繰出された紙幣の内、紙幣鑑別部14でリジェクト紙幣と鑑別された紙幣を集積する出金リジェクト庫16bとからなる構成ユニットである。
【0023】
ここで、図3は紙幣入出金部を示す説明図である。
【0024】
図3において、20は投入口シャッタであり、上述した紙幣の収容空間の上部に配されたスライド式のシャッタであり、紙幣入出金部10に立てた状態で収容された紙幣の面の鉛直方向に沿って往復移動可能に構成され、紙幣投入時あるいは紙幣の取出し時は紙幣入出金口5aを開放し、紙幣入出金部10内に紙幣を取り込む取込処理時等では紙幣入出金口5aを閉鎖する。
【0025】
なお、投入口シャッタ20の近傍には赤外線等の図示しないセンサが設けられており、そのセンサが遮られることで、紙幣投入口5a内に顧客の手が入っていることを検知する。
【0026】
21はピックアップローラであり、図3に示す紙幣入出金部10の側方で、底板10a上に立位で支持された紙幣を搬送路13に繰出す機能を有する。
【0027】
22はフィードローラであり、図示しない駆動源によって正逆回転可能に構成され、ピックアップローラ21の紙幣の送り出し方向の下流で底板10aの端部に配され、ピックアップローラ21と共に紙幣を搬送路13へ繰出す機能を有する。
【0028】
なお、ピックアップローラ21とフィードローラ22は、ギア列等の図示しない動力伝達機構で接続されており、フィードローラ22の回転に伴ってピックアップローラ21が連動して同方向に回転する。
【0029】
23はゲートローラであり、フィードローラ22に対向配置され、紙幣の繰出し時にはフィードローラ22と共に紙幣を1枚ごとに分離する機能を有している。
【0030】
この紙幣を1枚ずつ分離する機能は例えば、フィードローラ22側の外周面の一部に紙幣を搬送するための充分な摩擦力を有する高摩擦部材を備えて円周方向全域にわたるリング状の溝部を2本並設した構成とし、ゲートローラ23側の外周面の円周方向にリング状の溝部を1本設け、フィードローラ22の溝部とゲートローラ23の凸部にかみ合うように配置することで実現される。
【0031】
22aは取込用フィードローラであり、異物保留部11を挟んでフィードローラ22の反対側に設けられており、出金処理等で収納部15から繰出され搬送路13によって搬送されてきた紙幣を紙幣入出金部10内に取込む。
【0032】
23aは取込用ゲートローラであり、取込用フィードローラ22aに対向配置され、紙幣の取込み時に例えば重なって搬送されてきた紙幣を1枚ごとに分離する。
【0033】
25は紙幣ガイド部であり、紙幣の面に対向しかつピックアップローラ21側に配した紙幣の収容空間を構成するための壁であり、紙幣の面方向と直交する方向に往復移動可能に構成され、一部に切り欠きが設けられ、収容空間内の紙幣を繰出す場合、当該切り欠きからピックアップローラ21の外周が収容空間内に突出する位置まで移動する。
【0034】
26はビルプレスであり、紙幣ガイド部25と対向する位置に配置された紙幣の収容空間を構成するための壁であり、また紙幣の面方向と直交する方向に往復移動可能に構成され、紙幣を繰出す際には、紙幣ガイド部25と共にピックアップローラ21側へ移動し、ピックアップローラ21に紙幣を押し付けるように動作する。
【0035】
なお、紙幣ガイド部25及びビルプレス26の紙幣と対向する面は、顧客が紙幣を投入しやすいように、その上部から中央部にかけて紙幣の収容空間の内側に向かって傾斜する傾斜面となり、その傾斜面よりも下部は垂直面となっている。
【0036】
上記のピックアップローラ21は紙幣ガイド部25の垂直面に対応する位置に設けられているため、紙幣ガイド部25に設けられる切り欠きは垂直面に形成される。
【0037】
27は上ガイド部であり、紙幣ガイド部25と自動取引装置1の筐体との隙間に入り込むように紙幣ガイド部25の上部に取り付けられ、図示しない駆動機構によって紙幣の面方向と平行な方向に移動可能に構成される。
【0038】
上ガイド部27は、図3に示すように紙幣ガイド部25とビルプレス26とが紙幣入出金口5aの下方にある場合、ピックアップローラ21側に張り出すように位置することで、紙幣の投入時に異物が紙幣ガイド部25と自動取引装置1の筐体との隙間から内部に入り込むのを防止する。
【0039】
上述した構成の作用について説明する。
【0040】
尚、以下に説明する各部の動作は、図示しない記憶部に格納されたプログラム(ソフトウェア)に基づいて図示しない制御部により制御されるものとする。
【0041】
入金取引を行う場合、紙幣入出金口5aの下方で、紙幣ガイド部25とビルプレス26とを紙幣入出金口5aの開口よりも狭い幅で、かつ顧客の手が入る程度の大きさで紙幣の収容空間を構成するように所定の間隔となるように離間させて配置する。
【0042】
また、このとき上ガイド部27をピックアップローラ21側に移動させておくようにする。
【0043】
そして投入口シャッタ20の開動作により紙幣入出金口5aを開放することで、顧客が紙幣入出金口5aから紙幣を投入する。
【0044】
図示しないセンサが最後に紙幣を投入する顧客の手を検知してから所定時間経過後、投入口シャッタ20が閉作動する。
【0045】
ここで、図4は紙幣の繰出動作を行う紙幣取扱部を示す説明図である。
【0046】
投入口シャッタ20が閉じた後、収納された紙幣を分離、繰出動作を行うために、ビルプレス26を紙幣ガイド部25側へ移動させ、紙幣ガイド部25とビルプレス26とによって収容空間内の紙幣を立位の状態で挟持し、そのまま紙幣ガイド部25とビルプレス26とをピックアップローラ21側へと移動させることで、図4に示すようにピックアップローラ21が紙幣ガイド部25の切り欠きから収容空間内に突出し、立位の状態で収容されている紙幣に当接する。
【0047】
ここで、紙幣ガイド部25の上部に取り付けられた上ガイド部27は、投入口シャッタ20が閉じたのに合わせてピックアップローラ21側からビルプレス26側に移動、つまり収容空間の上方に移動する。
【0048】
そして、ピックアップローラ21及びフィードローラ22が繰出し方向に回転することで、ピックアップローラ21に当接している紙幣がフィードローラ22とゲートローラ23との間に繰出され、フィードローラ22とゲードローラ23との間で紙幣が1枚づつ分離して搬送路13に繰出され、上述した紙幣鑑別部14で紙幣の鑑別を行ってその鑑別結果に応じて紙幣を収納部15の各収納庫に収納し、入金処理を行う。
【0049】
なお、出金処理等で収納部15から繰出され搬送路13により搬送されてくる紙幣を紙幣入出金部10内に取込む際は、予め紙幣ガイド部25を取込フィードローラ22aの右側に位置させ、ビルプレス26を取込ゲートローラ23aの左側に位置させることで、取込用フィードローラ22a及び取込用ゲートローラ23a上に紙幣の収容空間を形成し、その収容空間内に紙幣を取り込むようにしている。
【0050】
以上説明したように、本実施例では、ピックアップローラ側に紙幣入出金口及び紙幣の収容空間を形成するための壁となる紙幣ガイド部を配し、紙幣ガイド部の上部に上ガイド部を取り付け、投入口シャッタが開いているとき上ガイド部をピックアップローラ側に張り出した位置へと移動させておくことで、投入口シャッタと紙幣ガイド部との隙間に異物が入り込んでも、張り出した上ガイド部によって異物が装置内部に落ちるのを防止する。
【0051】
さらに、投入口シャッタを閉じて紙幣ガイド部がピックアップローラ側に移動する際には上ガイド部を紙幣の収容空間の上方へと移動することで、ピックアップローラ側に張り出した位置から退避するので、筐体のピックアップローラ方向の寸法を小さくすることができる。
【0052】
そのため、紙幣入出金口及び投入口シャッタをより顧客側に近づけた構成を図ることが可能となり、顧客にとって利便性が向上する。
【0053】
また、紙幣ガイド部とビルプレスが共に移動可能な構成とし、入金処理であれば収容空間内の紙幣をフィードローラおよびゲートローラ上に移動させ、また出金処理であれば取込用フィードローラおよび取込用ゲートローラ上に収容空間を形成するように紙幣ガイド部とビルプレスを移動させるようになるので、従来のように紙幣の収容空間が固定されている紙幣入出金機のように、収容空間の大きさに合わせてフィードローラ及びゲートローラ、取込用フィードローラおよび取込用ゲートローラの配置を決定する必要が無く、紙幣入出金機の設計に自由がきくという効果が得られる。
【0054】
なお、紙幣ガイド部の上部に設けた上ガイド部は1つに限らず、複数あってもよく、紙幣入出金口の大きさ等に応じてその数や上ガイド部自体の大きさを決定すればよい。
【0055】
また、投入口シャッタが開いており、紙幣入出金口に紙幣が投入可能な状況では、上ガイド部は稼働しないようにし、投入口シャッタが閉じている状態で上ガイド部が稼働するように、上ガイド部と投入口シャッタとを連動させ、紙幣投入時に上ガイド部が収容空間の上方に位置して紙幣投入の妨げになるのを防ぐようにしてもよい。
【実施例2】
【0056】
図5は実施例2の上ガイド部を示す説明図である。
【0057】
なお、上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0058】
図5において、本実施例の紙幣ガイド部25は上記実施例1の構成に加えて、上端部から下方にかけての途中(略中央の位置)までの傾斜面の一部に縦方向の切り欠き28を設けている。
【0059】
30は実施例2における上ガイド部であり、上板30aと、上板30aから下方に延びて紙幣ガイド部25の切り欠き28に入れ子状に嵌まってビルプレス26と対向する面が垂直となっているガイド突起部30bとからなり、上記実施例1と同様に図示しない駆動機構によって紙幣の面方向と平行な方向に移動可能に構成される。
【0060】
上記の構成の作用について説明する。
【0061】
図6は実施例2における紙幣投入時の紙幣入出金口を示す説明図、図7は実施例2における紙幣繰出時の紙幣入出金口を示す説明図である。
【0062】
尚、以下に説明する各部の動作は、図示しない記憶部に格納されたプログラム(ソフトウェア)に基づいて図示しない制御部により制御されるものとする。
【0063】
入金取引を行う場合、図6に示すように、紙幣入出金口5aの下方で紙幣ガイド部25とビルプレス26とを、紙幣入出金口5aの開口よりも狭い幅でかつ紙幣を掴んでいる顧客の手が入る程度の大きさに収容空間を構成するよう位置させる。
【0064】
そして、投入口シャッタ20の開動作により紙幣入出金口5aを開放することで、顧客が紙幣入出金口5aから紙幣を投入する。
【0065】
図示しないセンサが最後に紙幣を投入する顧客の手を検知してから所定時間経過後、投入口シャッタ20が閉動作することで紙幣入出金口5aを閉鎖する。
【0066】
投入口シャッタ20が閉じた後、収納された紙幣の分離、繰出動作を行うために、ビルプレス26を紙幣ガイド部25側へ移動させ、紙幣ガイド部25とビルプレス26とによって収容空間内の紙幣を立位の状態で挟持し、そのまま紙幣ガイド部25とビルプレス26とをピックアップローラ21側へと移動させることで、図7に示すようにピックアップローラ21が紙幣ガイド部25の切り欠きから収容空間内に突出し、立位の状態で収容されている紙幣に当接する。
【0067】
このとき紙幣ガイド部25の上部に取り付けられた上ガイド部30は、ビルプレス26側に移動、つまり収容空間内に入り込むように移動することで、ガイド突起部30bが紙幣ガイド部25の垂直面と略同一面をなす位置まで移動してくるようになる。
【0068】
そして、ピックアップローラ21及びフィードローラ22が繰出し方向に回転することで、ピックアップローラ21に当接している紙幣がフィードローラ22とゲートローラ23との間に繰出され、フィードローラ22とゲードローラ23との間で紙幣が1枚づつ分離して搬送路に繰出されていく。
【0069】
以上説明したように、本実施例は、上記実施例1の効果に加えて、上ガイド部を上板とガイド突起部とから構成し、ガイド突起部のビルプレスと対向する面を垂直面とすることで、紙幣を繰出ために上ガイド部が収容空間の内側に移動したときに、ガイド突起部が紙幣ガイド部の垂直面箇所と同一面をなすことからガイド突起部が紙幣の繰出し方向に対する搬送ガイドの役割を果たし、繰出される紙幣面を支持することができ安定した状態で紙幣の繰出しを行うことができる。
【符号の説明】
【0070】
1 自動取引装置
2 表示入力部
3 カードリードライト部
4 通帳記帳部
5 現金入出金部
5a 紙幣入出金口
5b 硬貨出金口
10 紙幣入出金部
10a 底板
11 異物保留部
13 搬送路
14 紙幣鑑別部
15 収納部
16 紙幣回収部
16a 紙幣補充回収庫
16b 出金リジェクト庫
20 投入口シャッタ
21 ピックアップローラ
22 フィードローラ
22a 取込用フィードローラ
23 ゲートローラ
23a 取込用ゲートローラ
25 紙幣ガイド部
26 ビルプレス
27、30 上ガイド部
28 切り欠き
30a 上板
30b ガイド突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙幣入出金口に設けられたシャッタと、該シャッタを開けて開放された紙幣入出金口から投入された紙幣を受け入れる紙幣入出金部と、該紙幣入出金部内の紙幣を搬送路に繰出すピックアップローラとを備えた紙幣入出金機において、
前記紙幣入出金部は、前記ピックアップローラ側から紙幣面に対向し紙幣の面方向に移動して前記ピックアップローラと対向する箇所に切り欠きを有する紙幣ガイド部と、
該紙幣ガイド部が対向する紙幣面と反対側の紙幣面に対向し紙幣の面方向に移動するビルプレスと、
前記紙幣ガイド部の上部に取り付けられ、前記紙幣ガイド部と前記シャッタとの隙間に入り込んで紙幣の面方向に移動する上ガイド部とからなり、
入金処理を行うとき、前記紙幣ガイド部と前記ビルプレス間に形成される紙幣の収容空間が前記紙幣入出金口の下方に位置するように、前記紙幣ガイド部と前記ビルプレスを離間させると共に、前記上ガイド部を前記ピックアップローラ側に移動させて前記シャッタを開き、
紙幣が投入され前記シャッタを閉じた後、前記上ガイド部を前記ピックアップローラ側から前記ビルプレス側に移動させて前記紙幣ガイド部と前記ビルプレスとを前記ピックアップローラ側に移動させることで、前記紙幣ガイド部の切り欠きから前記収容空間内に突出し紙幣に当接する前記ピックアップローラにより紙幣を搬送路へ繰出すことを特徴とする紙幣入出金機。
【請求項2】
請求項1に記載の紙幣入出金機において、
前記紙幣ガイド部は、上端部から下方にかけての途中までを傾斜面で形成してその傾斜面の一部に縦方向の切り欠きを設け、
前記上ガイド部は、前記切り欠きに入れ子状に嵌まり、前記ビルプレスと対向する面が垂直でかつ前記ビルプレス側に移動したときに紙幣面に当接するガイド突起部と、該ガイド突起部の上部に取り付けられて前記紙幣ガイド部と前記シャッタとの隙間に入り込む上板とによって構成したことを特徴とする紙幣入出金機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−8412(P2011−8412A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149950(P2009−149950)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】