説明

紙幣収納装置

【課題】コンビニエンスストアにおいて売上金の紙幣を、店員が、売り上げ後、腰を屈めるようなことなく立ったまますぐ収納でき使い勝手の良い簡単な構造であり、しかも防犯性に優れた紙幣収納装置を実現する。
【解決手段】紙幣収納庫4、紙幣送入筒7及び送風機5を備えており、紙幣収納庫4は、その頂壁8に紙幣が通過可能な長孔9が形成されており、その基端壁11は送風機5の送風側と連通しており、紙幣収納庫4の先端側には機械的な錠前2及び電子錠3で施錠可能な開閉扉17によって開閉可能な紙幣取り出し口15が形成されており、紙幣送入筒7は、紙幣収納庫4の頂壁8に起立しており、紙幣挿入口35から挿入された紙幣を搬送コンベアベルト36で搬送し、長孔から紙幣収納庫4内に送り込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙幣収納装置に関し、特に、コンビニエンスストアに設置される防犯機能を備えた紙幣収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンビニエンスストアに強盗が押し入りその売上金を狙った事件が多発しており、その防犯対策が求められている。特に、売上金の中で1万円のような紙幣について安全に収納する紙幣収納庫が必要である。
【0003】
従来、各種の機械的又は電子的な鍵、錠前を備えた金庫自体は知られている。また、コンビニエンスストアの売上金安全保管装置は知られている(特許文献1参照)。精算部から現金収納庫に自動的に現金が収納されるようにしたコンビニエンスストアに設ける防犯型キャッシュレジスタが知られている(特許文献2参照)。さらに、入出金口と紙幣判別部を上部に、紙幣収納庫を下部に配し、紙幣搬送路を上部と下部で分割可能に構成し、現金自動取引装置の全体を囲う装置筐体を設けた紙幣入出金機が知られている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−81542号公報
【特許文献2】特開平11−185155号公報
【特許文献3】特開2008−171451号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、コンビニエンスストアは、せいぜい2人程度の少数の店員が顧客の対応を行っており、売り上げ紙幣を貯めておいて従来の金庫などにゆっくりと収納する余裕はなく、また、釣り紙幣となる千円札、五千円札は、ある程度、レジにおいて手元に置いておく必要があるが、1万円札は釣り銭としては不要であり、手元においておくことは防犯上、好ましくはない。
【0006】
従って、売上金である1万円札は、売り上げ次第、店員はレジから離れることなく、腰を屈めることなく立ったままの姿勢で、どんどん紙幣収納庫に素早く収納していくことが好ましい。また、コンビニエンスで発生する強盗の場合は、きわめて短時間(例えば、5分程度)に行われていることが特徴であることからすると、防犯上の目的で、店主以外の者が短時間に解錠できない程度の錠が必要であり、また紙幣収納庫は、バール等でこじ開けられないようなの筺体強度が必要である。
【0007】
このような観点からすると、従来の金庫等は、錠をあけて扉をいちいち開けなくてはならないので、コンビニエンスストアには適していない。また、金庫を店内に設置すると、大きい金庫では物々しくコンビニエンスストアという場に合わず、また小さい金庫では強奪のターゲットとなり、いずれにしろ防犯上、好ましくはない。
【0008】
上記特許文献1は、紙幣保管部が筺体から構成されるので、据え付ける場所が床であると店員は腰を屈めて紙幣を挿入する必要があり、カウンタ等上に据え付けるには、適切な据え付け場所がなく、防犯上も必ずしも好ましくはないものと考えられる。また、上記特許文献2、3には、現金収納庫を設けた構成が記載されているが、精算部や判別部等とともに設けられており、コンビニエンスストアに必要な防犯上の目的で単純に紙幣を収納する収納庫の構成としては複雑すぎる。
【0009】
本発明は、上記のような社会的背景の下に、コンビニエンスストアにおいて売上金の紙幣、特に1万円紙幣を、売り上げ後、店員は腰を屈めるようなことなく、立ったまますぐ収納でき使い勝手の良い簡単な構造で、しかも防犯性に優れた紙幣収納装置を実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記課題を解決するために、紙幣収納庫、紙幣送入筒及び送風機を備えた紙幣収納装置であって、 紙幣収納庫は、その頂壁に紙幣が通過可能な長孔が形成されており、その基端壁は空気流が送風されるように送風機の送風側と連通しており、その先端側には施錠手段で施錠可能な開閉扉で開閉可能な紙幣取り出し口が形成されており、紙幣送入筒は、紙幣収納庫の頂壁に起立し上方に向けて延びるように形成されており、上部には紙幣挿入孔が設けられているとともに、上下方向に向けて搬送コンベアベルトが配置されており、紙幣挿入孔から挿入された紙幣を搬送コンベアベルトで搬送し、前記長孔から紙幣収納庫内に取り込むように構成されていることを特徴とする紙幣収納装置を提供する。
【0011】
前記紙幣収納庫内の基端側に、一対の案内板が基端側から先端側に向けて拡開するように設けられており、長孔から紙幣収納庫内に取り込まれた紙幣が一対の案内板の間を送風機からの空気流により先端側に搬送されるように構成されていることが好ましい。
【0012】
前記施錠手段は、機械的な錠前と電子錠を備えており、前記電子錠は、電子錠駆動器と電子錠開閉制御装置を備えており、 前記電子錠駆動器は、係止片に対して電磁コイルで挿脱可能な係止杆を有し、前記電子錠開閉制御装置は、施錠スイッチ及び暗証番号入力用スイッチを有し、施錠スイッチ又は暗証番号入力用スイッチの操作に基づき、施錠制御信号又は解錠制御信号を発生し、前記施錠制御信号又は解錠制御信号によって、前記電磁コイルを駆動して、前記係止杆を係止片に係止させ又はその係止を解除する構成であることが好ましい。
【0013】
前記紙幣収納庫、紙幣送入筒及び送風機はコンビニエンスストアに設置され、前記電子錠開閉制御装置は、前記電子錠駆動器とは遠隔した場所に設置され、無線又は有線で接続されている構成であることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る紙幣収納装置は、コンビニエンスストアのレジ近辺に設けることにより、店員は、売り上げ紙幣を、屈むようなことなく、立ったままの自然の姿勢で挿入して収納することができ、しかも、下部に設けた送風機により紙幣収納庫の入り口で詰まることがない。そして、機械的な錠前と電子錠を設けたので、短時間の解錠を困難とし、防犯効果を高めることができる。また、本発明に係る紙幣収納装置は、きわめて簡単な構成であるから、取り扱い等も簡単である。
【0015】
店主(経営者)が錠前の鍵を持ち、かつ電子錠の暗証番号を取得しており、店員は鍵を持たず、暗証番号を知らない状態とすれば、店主のいない限り、紙幣収納庫から紙幣を強奪しようとする者は、収納庫の解錠、破損をしようとしても、短時間では解錠、破損は困難なので断念せざるを得ない。このような紙幣収納装置がコンビニエンスストアに設置されていることが広まれば、コンビニエンスストアに押し入り売上金を強奪しようとする者も少なくなるという点で、防犯上の効果も格別である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例を説明する垂直断面図を示す図である。
【図2】(a)は図1の平面図を示し、(b)は次の(c)のA−A断面図を示し、(c)は図1の要部を示す図である。
【図3】本発明の実施例の電子錠を説明する図である。
【図4】本発明の実施例の作用を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る紙幣収納装置を実施するための形態を実施例に基づき図面を参照して、以下説明する。
【実施例】
【0018】
図1〜4は、本発明の実施例の本発明の紙幣収納装置を説明する図である。図1及び図2において、紙幣収納装置1は、通常の錠前2及び左右一対の電子錠3を備えた紙幣収納庫4と、送風機5と、電子錠開閉制御装置6(図3参照)と、紙幣送入筒7と、を備えている。なお、電子錠3は左右一対設けなくても1つでもよい。
【0019】
紙幣収納庫4は、強度を有する鉄板製の筺で形成されており、図1、図2(c)に示すように、紙幣収納庫4の基端側(図中、右側)の上面には紙幣送入筒7が起立し上方に延びるように設けられており、紙幣送入筒7の下端が紙幣収納庫4の頂壁8に形成された長孔9を通して紙幣収納庫4内に連通するように設けられている。
【0020】
紙幣収納庫4内の基端側の底壁45には、図2(b)に示すように、平面視で先端側(図中左側)に向かって拡開した空気流を案内する一対のガイド板10が垂設されている。そして、紙幣収納庫4の基端壁11に送風機5からの送風を受け入れる送風口12が形成されている。
【0021】
送風機5は、送風用モータ13を備えている。この送風機5は、紙幣収納庫4内に設けても良いが、この実施例では、紙幣収納庫4とは別に独立して設けられている。この送風機5は、パイプ14を介して紙幣収納庫4の送風口12に連通し、送風機5からの空気流を送風口12を通して紙幣収納庫4内に送るように構成されている。
【0022】
紙幣収納庫4の先端側(図中、左側)において、頂壁8には紙幣を取り出す紙幣取り出し口15が形成されている。この紙幣取り出し口15は、ヒンジ16で枢着された上開きの扉17で開閉可能となる(図4の想像線参照)。扉17と紙幣取り出し口15の間の隙間は、バール等の工具を挿入できないように、極力小さくなるように形成されている。紙幣収納庫4の先端壁18は、空気通過孔(格子孔)19が形成されている。
【0023】
扉17の上面には、紙幣収納庫4の頂壁8と係合可能な機械的な錠前2が設けられており、鍵を差込んで施錠及び解錠可能である。この機械的な錠前2は、通常の錠前が使用される。さらに、扉17の施錠のために、紙幣収納庫4には、図2(a)、(c)に示すように、左右一対の電子錠3が取り付けられている。電子錠3は、図3に示すように、無線又は有線で互いに電気的に接続される電子錠駆動器20と電子錠開閉制御装置6を備えている。この実施例では、電子錠駆動器20と電子錠開閉制御装置6が無線で接続されている構成例を説明する。なお、左右一対となる2つの電子錠3は、それぞれが電子錠駆動器20を有するが、1つの共通電子錠開閉制御装置6を設ければよい。
【0024】
電子錠駆動器20は、施錠及び解錠する部分であり、図2(c)に示すように、紙幣収納庫4の頂壁8の下面に取り付けられており、電磁コイル21と、電磁コイル21で駆動される出没自在の係止杆22と、電磁コイル駆動制御器33と、受信器34を有する。係止杆22は、電磁コイル21により駆動されて、扉17の下面に固定された係止片23の係合孔24に出没自在に係脱する。
【0025】
電子錠開閉制御装置6は、電子錠駆動器20の施錠及び解錠を制御する部分である。本発明では、電子錠開閉制御装置6は、紙幣収納庫4若しくは紙幣送入筒7、又はコンビニエンスストアのレジ近辺に取り付けて、電子錠駆動器20と有線(電線)で接続してもよいが、レジから離れた店内又は店外の別の場所(例えば、店内の事務所、店主自宅等)に設置して、前記のとおり、無線又は有線で接続してもよい。この実施例では、電子錠開閉制御装置6をレジから離れた別の場所に設けられ、無線で電子錠駆動器20と接続された構成を前提として説明する。
【0026】
図3において、電子錠開閉制御装置6は、施錠スイッチ25、暗証番号入力用スイッチ26、制御信号発生器27及び送信器28を備えている。制御信号発生器27は、施錠スイッチ25又は暗証番号入力用スイッチ26の操作で生じた施錠信号又は暗証番号入力信号を受けて、施錠制御信号又は解錠制御信号を発生し、電子錠駆動器20を制御する装置である。
【0027】
図3で示す制御信号発生器27は、CPU29、記憶部30、入力部31及び出力部32を備えたマイコン又はパソコンと同じ機能を備えている。施錠スイッチ25又は暗証番号入力用スイッチ26の操作により生じた施錠入力信号又は暗証番号入力信号を入力部31で受けて、記憶部30に搭載された電子錠開閉制御ソフトに基づきCPU29が動作し、施錠制御信号又は解錠制御信号を発生する。そして、施錠制御信号又は解錠制御信号は、送信器28によって受信器34に送信され、電磁コイル駆動制御器33に入力される。
【0028】
具体的には、店主が施錠スイッチ25を操作することで、制御信号発生器27によって施錠制御信号を発生し、これを送信器28及び受信器34を介して電子錠駆動器20の電磁コイル駆動制御器33に送り、電磁コイル21を駆動して係止杆22を係止片23の係合孔24に挿入するように動作させる。
【0029】
また、暗証番号入力用スイッチ26を操作して店主しか知らない暗証番号を入力することで、制御信号発生器27によって解錠制御信号を発生して、これを送信器28及び受信器34を介して電子錠駆動器20の電磁コイル駆動制御器33に送り、電磁コイル21を駆動して係止杆22を係止片23の係合孔24から抜け出るように動作させる。
【0030】
紙幣送入筒7は、鉄板製で断面が水平断面で四角形状をしているが、その前面及び後面が、製作上及びメインテナンスのために、開口している。紙幣送入筒7は、図1、図2(a)に示すように、その上部に紙幣挿入口35が形成されている。紙幣送入筒7は、店員が腰をあまり屈めることなく紙幣を紙幣挿入口35に挿入できる程度の高さに形成する。そのため、紙幣収納庫4を床47の上に据え付けて設置する場合(図4参照)と、床下に埋め込んで設置する場合(図示せず)との据え付け態様に応じて、紙幣送入筒7の高さを変えて設計する必要がある。
【0031】
紙幣送入筒7内には、上下方向に延びるように、エンドレスベルトから成る紙幣搬送用コンベアベルト36が、下端では駆動ローラ37で支持され、上端では案内ローラ38で支持され、さらに上下方向中間位置ではバネ39で緊張力の付勢された緊張ローラ40で支持されて、配置されている。
【0032】
駆動ローラ37は、紙幣送入筒7の下部に設けられた搬送用モータ41によって減速器を介して駆動されるように構成されている。搬送用モータ41が配置される紙幣送入筒7の基端側の開口は、カバー板(図示せず)により適宜、閉じられるように構成されている。
【0033】
紙幣搬送用コンベアベルト36の前面側(図1の左側)には、紙幣搬送用コンベアベルト36に沿うように上下方向に延びる複数本(例えば、3本)のエンドレスコード42が、幅方向に間隔をおいて張設されている。このエンドレスコード42は、紙幣搬送用コンベアベルト36の前面において、上下方向に間隔をおいて設けられた複数の従動ローラ42’で、紙幣搬送用コンベアベルト36の移動に応じて、回転可能に設けられている。なお、紙幣送入筒7の前面開口は、紙幣が詰まった場合に見えるような透明又は透孔カバー等で適宜カバーすることが好ましい。
【0034】
図1に示すように、紙幣搬送用コンベアベルト36とエンドレスコード42は、それらの間の上端の隙間が、紙幣送入筒7の紙幣挿入口35の直下にくるように配置されている。また、紙幣送入筒7内において、紙幣挿入口35の直下には、紙幣検知スイッチ43(光スイッチ、マイクロスイッチ等の近接スイッチ)が設けられている。
【0035】
この紙幣検知スイッチ43が紙幣48の挿入を検知すると(図4参照)、制御盤44を介して、搬送用モータ駆動信号を搬送用モータ41に送り、搬送用モータ41を一定時間回転するように制御する。同様に、紙幣検知スイッチ43が紙幣の挿入を検知すると、制御盤44を介して、送風用モータ駆動信号を送風用モータ13に送り、一定時間、送風用モータ13を回転するよう制御する。制御盤44と送風用モータ13は、図示はしないが有線(電線)又は無線で電気的に接続される。
【0036】
(作用)
以上の構成から成る紙幣収納装置1の作用を、以下説明する。紙幣収納庫4、紙幣送入筒7及び送風機5は、コンビニエンスストアのレジ近辺に据え付けられる。この据え付けは、例えば、図4に示すように、紙幣収納庫4の底壁45を据え付けボルト46で床47に固定することにより行われる。或いは、可能であれば、床47の下方、即ち床下に穴を掘り、この穴内に紙幣収納庫4を埋設し、紙幣送入筒7を店員が腰をあまり屈めることなく紙幣48を紙幣挿入口35に挿入できる高さまで延びるように設ける。
【0037】
使用に際しては、紙幣収納庫4の扉17を閉じ、機械的な錠前2及び電子錠3を施錠した状態とする。店員は、売上金のうち、特に1万円紙幣は、紙幣収納装置1の紙幣挿入口35から挿入する。この際、店員は、腰を屈めるようなことなく立ったままきわめて自然な姿勢で紙幣を紙幣収納装置1の紙幣挿入口35に挿入できるので、いそがしい店員にとっても使い勝手きわめてよい。
【0038】
このように、紙幣を紙幣収納装置1の紙幣挿入口35に挿入すると、紙幣検知スイッチ43が紙幣48を検知し、制御盤44を介して搬送用モータ駆動信号を搬送用モータ41に送り、搬送用モータ41を回転する。これにより、紙幣挿入口35から挿入された紙幣48は、図4に示すように、紙幣搬送用コンベアベルト36とエンドレスコード42の上端の隙間に食い込まれて下方に搬送され、長孔9から紙幣収納庫4内に取り込まれる。
【0039】
また、紙幣検知スイッチ43で紙幣48を検知すると、制御盤44を介して送風用モータ駆動信号を送風用モータ13に送り、送風用モータ13が回転する。これにより、送風機5が空気流をパイプ14、送風口12を通して紙幣収納庫4内に送り、一対のガイド板10の間から収納庫の先端側に送風する。この状態で、紙幣48が長孔9から紙幣収納庫4内に取り込まれてくると、すぐ空気流で紙幣収納庫4の先端側に搬送する。そのため、紙幣収納庫4内で長孔9の下方に取り込まれた紙幣48が、複数枚重なるようにして滞留し、詰まったりすることがない。
【0040】
紙幣48は、このようにして紙幣収納庫4内の先端側に積み重ねられるようにして収納されていく。店主以外の者は、施錠されているので紙幣収納庫4から紙幣を取り出すことができない。店主が、売上金である紙幣48を紙幣収納庫4から取り出す場合には、錠前2を解錠するとともに、電子錠開閉制御装置6の暗証番号入力用スイッチ26に暗証番号を入力して、電子錠3の係止杆22を係止片23の係合孔24から抜き出して解錠する。これにより、扉17を開いて収納された紙幣48を取り出すことが可能となる。
【0041】
以上、本発明に係る紙幣収納装置を実施するための形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明に係る紙幣収納装置は、上記のような構成であるから、コンビニエンスストアの紙幣収納のために最適であるが、小店舗、その他の小売業等においても防犯目的で使用可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 紙幣収納装置
2 錠前
3 電子錠
4 紙幣収納庫
5 送風機
6 電子錠開閉制御装置
7 紙幣送入筒
8 紙幣収納庫の頂壁
9 頂壁に形成された長孔
10 ガイド板
11 基端壁
12 送風口
13 送風用モータ
14 パイプ
15 紙幣取り出し口
16 ヒンジ
17 扉
18 先端壁
19 空気通過孔(格子孔)
20 電子錠駆動器
21 電磁コイル
22 係止杆
23 係止片
24 係合孔
25 施錠スイッチ
26 暗証番号入力用スイッチ
27 制御信号発生器
28 送信器
29 CPU
30 記憶部
31 入力部
32 出力部
33 電磁コイル駆動制御器
34 受信器
35 紙幣挿入口
36 紙幣搬送用コンベアベルト
37 駆動ローラ
38 案内ローラ
39 緊張力の付勢バネ
40 緊張力の付勢された緊張ローラ
41 搬送用モータ
42 エンドレスコード
42’ 従動ローラ
43 紙幣検知スイッチ
44 制御盤
45 紙幣収納庫の底壁
46 据え付けボルト
47 床
48 紙幣

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙幣収納庫、紙幣送入筒及び送風機を備えた紙幣収納装置であって、
紙幣収納庫は、その頂壁に紙幣が通過可能な長孔が形成されており、その基端壁は空気流が送風されるように送風機の送風側と連通しており、その先端側には施錠手段で施錠可能な開閉扉で開閉可能な紙幣取り出し口が形成されており、
紙幣送入筒は、紙幣収納庫の頂壁に起立し上方に向けて延びるように形成されており、上部には紙幣挿入孔が設けられているとともに、上下方向に向けて搬送コンベアベルトが配置されており、紙幣挿入孔から挿入された紙幣を搬送コンベアベルトで搬送し、前記長孔から紙幣収納庫内に取り込むように構成されていることを特徴とする紙幣収納装置。
【請求項2】
前記紙幣収納庫内の基端側に、一対の案内板が基端側から先端側に向けて拡開するように設けられており、長孔から紙幣収納庫内に取り込まれた紙幣が一対の案内板の間を送風機からの空気流により先端側に搬送されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の紙幣収納装置。
【請求項3】
前記施錠手段は、機械的な錠前と電子錠を備えており、
前記電子錠は、電子錠駆動器と電子錠開閉制御装置を備えており、
前記電子錠駆動器は、係止片に対して電磁コイルで挿脱可能な係止杆を有し、
前記電子錠開閉制御装置は、施錠スイッチ及び暗証番号入力用スイッチを有し、施錠スイッチ又は暗証番号入力用スイッチの操作に基づき、施錠制御信号又は解錠制御信号を発生し、
前記施錠制御信号又は解錠制御信号によって、前記電磁コイルを駆動して、前記係止杆を係止片に係止させ又はその係止を解除する構成であることを特徴とする請求項2記載の紙幣収納装置。
【請求項4】
前記紙幣収納庫、紙幣送入筒及び送風機はコンビニエンスストアに設置され、前記電子錠開閉制御装置は、前記電子錠駆動器とは遠隔した場所に設置され、無線又は有線で接続されている構成であることを特徴とする請求項3記載の紙幣収納装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−28315(P2011−28315A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−170305(P2009−170305)
【出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【出願人】(397049217)
【Fターム(参考)】