説明

紙幣等の取り扱い装置

【課題】装置に蓄積するために装置に連続的に供給される紙幣を受け取るとともに、札束とともに蓄積されている紙幣を選択的に戻すために動作する一時蓄積装置を提供する。
【解決手段】銀行券または他の有価紙幣のような紙幣を取り扱う装置について開示されている。挿入された銀行券は、中間位置に送られる。中間位置で、すでに一時蓄積ドラム(154)に蓄積されている銀行券に影響を与えることなく、銀行券の拒否または現金化が行われたり、または、銀行券が中間位置から一時蓄積ドラムに蓄積できる。中間位置から、ドラムにすでに蓄積された紙幣をさらに排出することなく、紙幣を排出することができる。選択自在な搬結合部(176)を用いて、ドラムを共通の駆動源(408)から一方向に回転させ、札束を蓄積し、逆方向にドラムを回転させて、札束を排出する。紙幣の移動を制御するガイドが開示され、振動の影響を避ける作動器が開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀行券のような紙幣を取り扱う装置に関する。一側面において、このような装置を用いるための短時間または一時的な蓄積装置または「エスクロー」装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなエスクロー装置は、銀行券処理の中間段階で銀行券を蓄積するのに好適であり、蓄積された後、本装置によって銀行券がユーザに返還されたり、現金化される。例えば、エスクロー装置は、自動販売機または自動通貨両替機の銀行券読み取り装置に用いられ、所望のサービスがユーザによって要求されるまで導入された銀行券を一時的に蓄積したり、または、取り消し要求を受ければ、以前に導入された銀行券を返還するまで銀行券を一時的に蓄積する。
【0003】
図1〜3を参照すると、エスクローを含む公知の銀行券取り扱いシステムが示されている。このシステムは、Landis&Gyrによって製造され、品番BSN30/32/34のシステムが1982年からヨーロッパで用いられていた。同様のシステムは、1987年から米国でも用いられていた。
【0004】
図1において、システムは3つの分離装置、すなわち、確認装置310、エスクローおよびピストン積み重ね装置312および金庫室314を備える。本システムの銀行券の経路は、図1に概略的に示されている。エスクロー/積み重ね装置312のための運搬機構の詳細は、図2および図3に示されている。
【0005】
図1を参照すると、確認装置310に導入された銀行券は、破線316で示される通路に沿って案内され、銀行券を検出器318によって検出される段階で、ドラム(図示されていない)の周囲に案内される。銀行券が受け取られるか否かによって、銀行券はスイッチ320によって経路が決定される。銀行券が受け取られない場合は、銀行券は1つの銀行券拒否スロット322に送られ、銀行券が受け入れられる場合は、銀行券は下方のエスクロー/積み重ね装置312に送られる。
【0006】
図2および図3を参照すると、エスクローは、銀行券が一時的に積み重ねるように蓄積される回転ドラム324を備える。一組の平行なエンドレスベルト326(ベルト326は1つしか図示されていない)は、ドラム324の周辺の主要部に延在し、入口/出口領域328のための隙間を開けた状態にし、その入口/出口領域328を介して、銀行券がドラム324へ導入されたり、またはドラム324から排出される。銀行券はドラム324に案内され、第1組のセレクタ330および第2組のセレクタ332(図2および図3には、それぞれの組のうちセレクタ330、332の1つずつしか図示されていない)によって、選択的にドラム324の周囲に案内されるか、またはドラム324から選択的に排出される。各セレクタ330、332は、フィンガ334を含み、セレクタ330、332はそれぞれ、フィンガ334がドラム324の表面を押圧する動作位置(図2参照)とフィンガ334がドラム324の表面から離れた非動作位置(図3参照)との間で回動自在である。ドラム324の表面は、環状のくぼみで形成され、フィンガ334がドラムを押圧するときフィンガ334はそのくぼみに受容され、フィンガ334の端部は、銀行券が蓄積されるドラムの最外部の表面の下におさまる。セレクタ330および332はともに、共通の作動器結合(図示されていない)によって、動作する。この作動器結合によって、セレクタ330および332は、同時に動作位置と非動作位置との間を移動する。
【0007】
駆動装置(図示されていない)は、ベルト326を介して、ドラム324を駆動し、ドラムを進行方向(図の反時計方向)または逆方向(図の時計方向)に回転させることができる。一般的に行われているのは、銀行券が確認装置310から到達すると、ドラム324が前方に駆動され、セレクタ330および332は非動作位置に設定される。銀行券は、ベルト336および338によって、ドラム324方向に案内され、第1のセレクタ330のフィンガ334の左下に向かい、回転ドラムの表面に進み、銀行券は、ドラム324とベルト326との間に蓄積される。同様に、確認装置310から連続して送られる銀行券は1枚ずつドラム324に供給され、新しく送られてきた銀行券が入口/出口領域328で蓄積されている銀行券といっしょになるように、新しい銀行券がドラムですでに蓄積されている銀行券の上に重なることによって、銀行券は、積み重ねて蓄積されていく。
【0008】
いかなる理由においても、ドラム324に蓄積された銀行券は、ユーザに返還されなければならない場合、セレクタ330および332は動作位置に設定され、ドラム324は逆方向に回転する。積み重ねは、ドラム324の表面に降下し、積み重ねの先端が第1のセレクタ330のフィンガ334に引き込まれつつ持ち上げられ、積み重ねは、ガイド(図示されていない)および銀行券出口スロット342に通じるベルト340、326によって、方向づけられる。
【0009】
ドラムに蓄積された銀行券が現金化される場合、セレクタ330および332は動作位置に設定され、ドラム324は前方に回転する。積み重ねはドラム324の表面に降下し、積み重ねの先端が第2のセレクタ332に引き込まれつつ持ち上げられ、積み重ねは、ガイド(図示されていない)およびピストン344の下部の蓄積位置に通じるベルト326、338によって、方向づけられる。積み重ねがその位置に到達すると、ピストン344が動作し、積み重ねを下方に押して金庫室314に入れる。
【0010】
【特許文献1】米国特許4822018号(Hain)
【特許文献2】欧州特許EP−A−0575711
【特許文献3】欧州特許EP−A−0591485
【特許文献4】欧州特許EP−A−0575711
【特許文献5】GB−A−2209518
【特許文献6】特開昭61−42090号公報
【特許文献7】特開平6−32514号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
米国特許4822018号(Hain)を参照すると、札が顧客に渡される前に、硬貨を札にして蓄積する紙幣蓄積機構を含む自動現金支払機が開示されている。このシステムでは、蓄積シリンダが連続回転し、銀行券がシリンダにすでに蓄積されている銀行券とともに蓄積される適当な時間にシリンダに到達するように、銀行券は、一定の同期時間にシリンダに供給されなければならない。可動式ガイドは、ステッピングモータによって制御され、シリンダが回転の逆方向に動作しているとき、積み重ねをシリンダに降下させる。
【0012】
欧州特許EP−A−0575711およびEP−A−0591485にも開示されている。
【0013】
本発明は、概して、有価紙幣等(例えば、銀行券または有価紙幣として取り扱われる紙幣)のためのエスクローまたは一時的または短期間蓄積装置を含む装置に関する。ある設計によれば、エスクローは、回転ドラムまたは1枚以上の紙幣が一時的に蓄積されるシリンダ手段と、ドラムの主要部の周囲に延在するエンドレスベルト手段とを備えてもよい。しかしながら、本発明の他の一般的な側面は、これに限定されない。
【0014】
公知の構成の潜在的な問題の1つは、新しい紙幣が、すでにドラムの周囲に保持されている積み重ねに導入される場合、ドラム型エスクローの出口/入口領域で紙幣を配列できない。これは、まず、紙幣がエンドレスベルトによって、この領域のドラムの反対側に保持されないからである。例えば、図3を参照すると、ドラムがガイドフィンガが上昇した位置でガイドフィンガとともに回転していると、ドラム上の紙幣の先端は扇形に広がり、その結果、新しく導入された紙幣をうまく配列できない。新たに紙幣が追加されるたびに、このような配列不良が繰り返される。
【0015】
紙幣がドラムの表面の一部のみを覆って蓄積され配列される代わりに、ドラムの全面を覆うほど大きな配列の誤差が生じた場合、積み重ねをドラムから正常に排出することは不可能になる。その理由は、紙幣をドラムから持ち上げるためにガイドフィンガをドラムのくぼみに合致させるように、隙間領域が常に必要となる。
【0016】
欧州特許EP−A−0575711では、ばねで傾斜されたガイドフィンガを用いて、新しい紙幣が追加される毎に、紙幣をドラムの表面に押圧する。しかしながら、ガイドフィンガと一番外側の紙幣との摩擦によって、紙幣がばねフィンガの下を通過するとき、紙幣を正しく配列できなくなり、装置が高速で用いられる場合、紙幣に損傷を与える可能性がある。さらに、装置は積み重ねにしたがって、積み重ねが出口/入口領域に接近するにつれて、ガイドフィンガの位置を変える。これによっても、配置不良が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記問題を考慮して、本発明の一側面において、本発明は、ドラム型エスクローの出口/入口領域に可動式ガイドと、ガイドをドラムの表面に近づけたり表面から遠ざける電気作動器と、ガイドの位置決めをする電気作動器を制御し、ドラムの周囲に保持された紙幣の枚数に応じた量だけガイドをドラムの表面から離す制御手段とを備える。
【0018】
この構成では、ガイドはドラムの表面から適当な間隔をおいて位置づけられ、紙幣が扇形に広がって配列不良を引き起こすことを防ぐことができる。例えば、1枚の紙幣がドラムにある場合、ガイドはおよそ0.1〜0.2mmの間隔で配置される。新たに紙幣がドラムに保持された積み重ねに追加される毎に、この間隔は0.1〜0.2mmずつ増分される。代替として、ガイドは、複数の紙幣が追加されると、移動するものもある。例えば、ガイドは、紙幣の枚数が0〜5枚の場合、第1の位置に設定され、紙幣の枚数が6〜10枚の場合は、第2の位置に設定される。
【0019】
ガイドは、ばねで傾斜されたガイドと同様に、絶えず紙幣を押圧する必要がないのが好ましい。この代わりに、ガイドは、積み重ねられた紙幣の束の大きさに合う隙間を保つために位置づけられる。このように、ドラムは、幅の厚い積み重ねを収容でき、配列のずれはたとえ生じたとしてもごく微少であり、たとえドラムが高速回転していても、紙幣に損傷を与える危険性は事実上皆無である。また、ガイドの位置を制御する電気作動器を用いることによって、紙幣の移動を妨げたり、配列のずれを生じさせる圧力を紙幣に加えないですむ。
【0020】
積み重ねられた紙幣の枚数は、例えば、触覚センサを用いて、直接検出される。しかしながら、制御回路が、ドラムに導入された紙幣の枚数を維持し、その枚数にしたがってガイドの位置を設定することが好ましい。
【0021】
ガイドも、排出動作の間に紙幣をドラムの表面から持ち上げる手段として用いられるのが好ましい。エスクローは、ドラムが、紙幣がドラムに導入されるときに第1の方向に回転し、紙幣を排出するときに第2の方向に回転するタイプが好ましい。
【0022】
ガイドは、装置のすべての動作の流れの間、設定位置に維持される必要のないものが望ましい。例えば、好適な実施の形態において、ガイドは、紙幣をエスクローの上流に導く別のルーチングゲートと接続され、ルーチングゲートの位置に応じて移動する。本発明の上記第1の側面の有利な特徴は、少なくともドラム上の紙幣の先端が出口/入口領域に接近しているか、または出口/入口領域の位置にあるとき、制御回路がガイドの位置を設定するように動作できる点である。
【0023】
ドラム/エスクローの公知の設計の別の潜在的な問題は、ガイドまたは紙幣の導入および排出を制御するドラムに関連するガイドに振動の影響を及ぼす点である。例えば、欧州特許EP−A−0575711には、ドラムの表面に対してばねで傾斜されたガイドが示されている。GB−A−2209518には、ばねで傾斜され、制御カムの表面に繋がっているガイドが示されている。このため、これらの構成では、ばねによって、「戻し」力が加えられる。このような設計の問題は、例えば、この装置が列車の駅、バスの停留所、地下鉄の駅または交通量の多い道路に隣接している場所またはその道路に面する場所で用いられる場合、外部からの振動の影響を受けやすい。この問題を克服する技術の1つとして、ガイドが振動に対して強く保持されるような強力なねじを用いることが考えられる。
【0024】
しかしながら、ガイドが「受動的」で、紙幣に接触することによってのみ動作する場合、強力なばねは、紙幣とガイドとの摩擦抵抗を大きくし、これによって、紙幣を妨害したり傷つける恐れがある。また、ガイドが作動器によって動作される場合、強力なねじは、そのネジを移動させるために、より強力な作動器を必要とする。振動による問題を克服する別の技術として、注意深く取り付けた重りを用いて、ガイドの平衡を保つ方法がある。しかしながら、これは非常に複雑で、ガイドの重量が増加して望ましくない。
【0025】
上記問題を考慮して、本発明の別の側面において、本発明は、ドラム型のエスクローのためのガイドを提供する。このガイドは、紙幣をドラムの表面から持ち上げる第1の位置と紙幣がドラムから離されている第2の位置との間で、ガイドをドラムに近づけたり遠ざける駆動力を供給する電動モータによって、駆動される。
【0026】
このような構成では、上記の先行技術の構成のように振動の影響を受ける恐れがない。それは、「戻し」力を与えるばねに依存していないからである。その代わり、ガイドをドラム方向またはドラムと反対方向のどちらかに移動させる駆動力が、電動モータから直接誘導される。
【0027】
電動モータは、可逆回転型ステッピングモータが好ましい。それは、可逆回転型ステッピングモータを用いれば、モータを所定量だけ早める制御が簡単にでき、それによって、信頼性の高いガイドの位置決めが可能になるからである。しかしながら、可逆型電動モータならどれでも、所望通りに用いられる。
【0028】
ガイドは、第1の位置と第2の位置との間を移動するために回転することが好ましい。一実施の形態において、ガイドは、モータの回転にともなってスロットの中で滑動するピンによって、モータに接続されている。スロットは、モータによって回転されるホイールの中に設けられ、その形状は螺旋状であることが好ましい。それによって、ピンが、モータの回転にともない、その回転方向に応じて、螺旋状スロット内で半径方向の内側または外側に案内される。螺旋状スロットは、適当な角度で延在してもよい。好適な実施の形態によれば、スロットの半径方向の内端部と外端部との間の角度距離は、およそ300゜である。この角度は、360゜を下回る必要はないが、ホイールの角度位置を検出するだけで、ガイドの位置を検出することができる。
【0029】
代替として、ガイドは、ギヤ、例えば、ラックまたはウォームギヤのような他の手段によって、モータに接続されてもよい。
【0030】
本発明のさらに別の側面は、ドラムエスクローまたは短期間蓄積装置を含む装置において、紙幣の移動を制御することに関する。入力領域、例えば、入口スロットから受け取られた紙幣は、紙幣を検出する、例えば、紙幣の真贋またはその通貨単位およびその両方を判定する検出手段に送られる。それから、紙幣は、エスクローに蓄積される位置、拒否される位置、拒否されることなく現金化される位置、またはエスクローにすでに蓄積されている他の紙幣を現金化する位置から見て中間位置に送られる。紙幣は、検出手段の出力が処理されるまで中間位置に保持され、その後、装置が紙幣の取り扱い方法を決定できることが好ましい。中間位置は、検出手段の下流に設けられるのが好ましい。
【0031】
第1の好適な実施の形態によれば、本装置は、それぞれ別の紙幣用入力路および出力路を備え、中間位置は、出力路の紙幣の位置である。すなわち、紙幣は、自動的に入力路から出力路に進み、そこから、紙幣は、ドラムエスクローに蓄積されるために、引き出される。このため、出力路は、ドラムエスクローに二方向で連通する領域を含み、入力された銀行券は、出力路のこの領域で、入力路から出力路に導入される。装置に必要なスペースを小さくするため、入力路および出力路は、並行して配置されるのが好ましい。例えば、他方の通路の頂部にもう一方の通路を配置する。銀行券が入力路の端部から出力路に送られるにつれて、銀行券は、およそ180゜回転する。
【0032】
出力路に設けられた銀行券の中間位置は、銀行券が銀行券積み重ねピストンのような銀行券現金化装置の下に配置される位置に設けられても都合が良い。それによって、銀行券は、必要に応じて、直ちに現金化できる。
【0033】
経路決定装置は、紙幣が入力路から経路決定装置に進むとき、銀行券を入力路から出力路に方向づけるとともに、紙幣が中間位置から経路決定装置に向かって逆方向に移動するとき、紙幣を出力路からドラムエスクローに方向づける。
【0034】
経路決定装置は、(電磁モータまたは電動モータのような)電気機械作動器によって制御されるとともに、紙幣がガイドに向かって逆行するとき、紙幣を入力路から出力路に案内する位置と、紙幣を出力路からエスクローに案内する第2の位置(または、位置の範囲)との間で移動する可動ガイドを備えてもよい。
【0035】
代わりに、経路決定ゲートは「受動的」でもよい。すなわち、経路決定ゲートは、作動器によって駆動されない。例えば、ガイドは、第2の位置に対して傾斜していてもよいが、紙幣と接触することによって第1の位置に移動できる。
【0036】
ドラムは搬送システムと同じモータによって駆動されるのが好ましい。選択自在な搬送結合部は、ドラムエスクローを選択的に駆動させるために用いられる。これは、特に、上記実施の形態に適している。それは、現在、出力路にある1枚以上の銀行券の移動方向は、銀行券がドラムエスクローに対して送受されているかどうかに左右されるからである。
【0037】
このようにドラムを駆動させる選択自在な搬送結合部を用いる利点は、いったん結合されると、結合部によって、搬送システムとドラムとの同期を維持することができる点である。これは、銀行券がドラム上に1枚ずつきちんと一致して重なるように、ドラムの移動のタイミングを図るために特に重要である。搬送システムおよびドラムのためにそれぞれ別の駆動モータを用いる場合、このような同期を達成するのは困難である。その理由は、モータを作動させたとき、モータの始動時間に常に予測不可能な遅延が生じ、モータが駆動しなければならない負荷に影響されるからである。
【0038】
第2の好適な実施の形態において、中間位置は、銀行券が特にドラムエスクローに巻き取られる位置であり、銀行券の後端部は、ドラムから離れたままで、ドラムにすでに蓄積されている銀行券からも離れている。この位置から、ドラムが若干回転し、銀行券を完全にドラムに蓄積する。または、ドラムが逆回転し、すでにドラムに蓄積されている銀行券を排出することなく、銀行券をドラムから排出する。本実施の形態は、銀行券を完全に中間位置からドラムに蓄積する時間がごく短時間で済む点で、上記実施の形態より有利である。一般に、この動作は頻繁に行われる動作であり、これによって、待ち時間が削減され、顧客が続けて銀行券を挿入することができる。しかしながら、一般に、本実施の形態を実用化するための機構および制御装置は、上記実施の形態に必要な機構および制御装置より複雑である。
【0039】
蓄積され積み重ねられた銀行券をドラムから排出するためには、電気機械作動型ガイドの方が受動ガイドよりも好ましい。電気機械作動型ガイドは、ガイドを用いない他の動作の間、ガイドを完全にドラムから離すように制御できる点で有利である。受動ガイドを用いる場合、新しい銀行券が中間位置に移動すると、ガイドは、すでに蓄積され積み重ねられた銀行券の一番上の銀行券の表面に接触したままでなければならない。これによって、問題が生じる。その理由は、一般に、受動ガイドは、銀行券をガイドの下方でドラム回転の一方向にのみ通過させることに適しているからである。本実施の形態において、ドラムは、中間位置からいずれか一方の方向に回転される。その結果、ドラムが排出方向に回転している場合、受動ガイドが銀行券を妨害する傾向がある。このような問題は各銀行券の物理的状態に影響されるが、実用上、ほぼ妨害の恐れがなく、使い古された紙幣または若干穴が開いた紙幣でも取り扱えるのが理想である。
【0040】
銀行券の搬送路の設計にしたがって、本実施の形態は、搬送システム用の主モータからドラムを駆動するための2つの選択自在な搬送結合部(または、選択自在な方向インバータと結合している1つの選択自在な搬送結合部)とともに用いることに適している。これは、それぞれ別の入力路および出力路を用いる場合、駆動源が一方向にのみ作動される方が都合が良いからである。
【0041】
上記第2の実施の形態に密接に関連する側面において、本発明もまた、ドラムエスクローの制御に関する。銀行券の一部のみをドラムで掴むためにラムエスクローを制御し、それによって、必要に応じて、ドラムが(一回転未満でも)回転している場合、回転方向を逆転することによって、ドラムにすでに蓄積されている銀行券を排出させることなく、個々の銀行券をドラムから排出できる。一般に、銀行券の後端部は、ドラムおよび前に蓄積された銀行券から離れたままである。銀行券をドラムから排出したり、銀行券すべてをドラムに送る必要が生じるまで、ドラムを中間位置で停止させる。
【0042】
他の一般的な側面では、本発明は、一時蓄積装置に関する。このような装置は、装置に蓄積するために装置に連続的に供給される紙幣を受け取るとともに、札束とともに蓄積されいている紙幣を選択的に戻すために動作する。さらに、本装置は、蓄積装置にすでに蓄積されている紙幣を戻すことなく、もっとも最近に供給された個々の紙幣を選択的に戻すために動作する。この目的のため、蓄積装置は、装置にすでに蓄積されている紙幣とともに紙幣の一部を蓄積するために動作する。それによって、一部蓄積された紙幣は、札束の残りから容易に排出される。
【0043】
他の側面において、本発明は、第1の搬送路と第2の搬送路と第3の搬送路との間で紙幣の経路を決定する装置に関し、このために、可動ガイドが用いられる。ガイドは、3つの動作位置の間で移動できる。
【0044】
密接に関連する側面において、本発明は、銀行券が入力領域から中間位置に送られ、銀行券を中間位置からエスクローに送るために銀行券の移動方向を逆転させる装置にも関する。。
【0045】
他の側面において、本発明は、(銀行券のような)紙幣をドラムの表面に案内する可動ガイドに関する。好適な別の特徴の1つは、ガイドがドラムに対して通常位置に弾力によって傾斜され、ガイドの上昇端は、銀行券が蓄積されるドラムの表面の下またはその表面と同一平面に位置することである。ドラムが第1の積み重ね方向に回転する間、ドラムのベルト手段によって保持される銀行券の先端は、後ろからガイドを押圧し、自動的にガイドを傾斜に対して外側に移動させ、それによって、銀行券はガイドの下を通過することができる。いったん銀行券の後縁がガイドを離れると、ガイドは、通常位置の後部に跳ねる。ドラムが逆の排出方向に回転するとき、ドラムの銀行券の先端は、前からガイドを押圧し、ガイドの上昇端を超えることによって、ドラムから離される。このため、ドラムが一方向にのみ回転する場合、ガイドは、銀行券をドラムから離す自動方向対応式ガイドとして機能する。
【0046】
ガイドは、ほぼ接線に沿ってドラムの方向に延在する1つ以上のフィンガを備えてもよい。ガイドは、通常位置と移動位置との間で回動自在でもよい。
【0047】
1つ以上のくぼみまたは隙間がドラム内部またはドラム上に設けられることによって、ガイドの上昇端は、ドラムの外表面の下で受容される。
【0048】
ドラムが第1の方向に回転すると、ガイドの位置がドラムにすでに蓄積されている銀行券によって変わる場合、ばねがガイドを傾斜させることによって、銀行券をドラムの表面に押圧する。それによって、銀行券が一時的にベルト手段に接触しているので、銀行券は扇形に広がらない。
【0049】
ガイドの位置を制御する電気機械作動器を必要としないので、以下、上記ガイドを受動ガイドと呼ぶ。これによって、装置のスペースおよびコストをかなり削減するとともに、電気制御システムの複雑さを低減する。
【0050】
センサスイッチはガイドに接続され、ガイドがその通常位置にあるかどうかを示す。これは、ドラムの銀行券がガイドから離れ、銀行券を排出したい場合、ドラムを直ちに逆回転させることを示す。また、センサスイッチは、フィンガが移動位置に位置するかどうかも示す。これは、銀行券の少なくとも数枚はガイドから離れず、ドラムは、銀行券を排出するために直ちに逆回転する状態ではないことを示す。後者の状態では、ドラムは、銀行券がガイドから離れるまで、反時計方向、例えば、小さい角度で回転しなければならない。それによって、ドラムが逆回転して積み重ねられた銀行券を排出するまで、ガイドをドラムに対して通常位置に戻すことができる。
【0051】
第1の例として、最後の銀行券がドラムに巻き取られた直後に、銀行券の積み重ねがドラムから排出去れる場合、フィンガが通常位置に戻ったことをセンサスイッチによって示されるとすぐに、制御装置は、ドラムの回転方向を逆転させることができる。これによって、ドラムの不必要な回転を防ぐとともに、(積み重ねられた銀行券を排出する時間を削減することによって)装置の応答性を高めることができる。第2の例として、1枚以上の銀行券が積み重ねられた銀行券の適当な位置に合致していないような理由で積み重ねられた銀行券が、整列していない場合、センサスイッチを用いて、積み重ねられた銀行券が排出されるドラムの適当な回転位置を確認することができる。第1の例および第2の例の両方において、制御装置によって行われる基本的な制御動作は同じである。すなわち、積み重ねられた銀行券がフィンガから離れたことをスイッチが示すまで、ドラムは一方向に回転し続け、例えば、完全回転を通じて、ドラムの回転を逆転させる。
【0052】
密接に関連する側面において、さらに、本発明は、ドラムのある位置で銀行券の存在を検出する触覚センサに関する。1つ以上の可動要素はドラムの方向に延在し、少なくともドラムが一方向に回転するとき、ドラム上の銀行券と接触することによって、通常位置から移動できる。1つ以上の可動要素はセンサスイッチに接続され、1つ以上の要素の位置を示す信号を出力する。この後、その位置でドラム上の銀行券の存在を検出する。
【0053】
上記の説明を参照すると、可動要素を用いて、ドラムが銀行券をドラムから排出するために逆回転できる状態であるか否かを検出することができる。
【0054】
さらに、本発明は、ドラムを回転させる駆動機構に関する。共通の駆動源を用いて、ドラムおよび搬送システムを駆動させ、銀行券をドラムに送るとともに、銀行券をドラムから離す。搬送システムは、ドラムを回転させることなく、選択的に動作できる。このような構成は、ドラムの動作を制御する選択可能な搬送結合部を用いることによって、達成できる。結合部または結合部のそれぞれは、駆動源に直接接続されていてもよい。また、結合部は、ドラムを搬送システムの移動部分から駆動させるため、接続されてもよい。
【0055】
駆動源の回転方向が、銀行券をドラムに供給する動作と銀行券をドラムから送る動作との間に逆転される一実施の形態において、銀行券がドラムから排出されるとき、回転方向が駆動源によって自動的に逆転させられるので、ドラムを駆動させるには、選択可能な搬送結合部が1つだけで済む。
【0056】
駆動源の回転方向が、銀行券をドラムに供給する動作と銀行券をドラムから送る動作との間に逆転されない代替の実施の形態において、選択自在な搬送結合部が2つ必要になり、2つの結合部は、それぞれの駆動力を2つの相対するドラム回転方向に加えるために用いられる。代わりに、1つの選択自在な搬送結合部を、1つの結合部によって得られる駆動力の方向を選択的に逆転させる選択自在なインバータ歯車箱と組み合わせて、用いることもできる。
【0057】
選択自在な搬送結合部または各結合部は、搬送システムのベルトまたはローラを選択的にドラムを駆動するためのベルトまたはローラに噛み合わせる比較的簡易なクラッチ機構を備えてもよい。ドラムはベルト手段を介して駆動されるのが好ましい。
【0058】
上記側面は、互いに独立して用いられ、また、側面のいくつかを組み合わせ、さらに有利な結果をもたらすことも明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0059】
本発明の別の目的、特徴および利点は、以下に示す本発明の好適な実施の形態の説明から明らかになる。本発明は、本発明を限定しない例を用い、図面を参照して説明され、図面中、同一部分は同一符号で示されている。
【0060】
図4〜図8を参照すると、一体化システムは、紙幣を確認し、蓄積し、拒否し、現金化するエスクローを備える。本システムは、ケース100に内蔵され、ケース100は、システムによって現金化された紙幣を蓄積する取り外し自在な蓄積金庫室(図示されていない)の頂部に設けられている。
【0061】
図4を参照すると、本システムは入力部102を備え、入力部102は、顧客によって導入された紙幣を受け取り、各紙幣を検出し、その紙幣が本物かどうかを判定し、もし本物なら、その通貨単位を判定する。さらに、本システムは、顧客によって導入された有価紙幣を蓄積するエスクロー104と、必要に応じて顧客に紙幣を返還し、処理完了時に紙幣を現金化する出力部106とを備える。入力部102および出力部106とエスクロー104とは、本システムの種々の部分間の紙幣の経路を制御する経路決定部108によって、接続されている。制御装置(図示されていない)は、入力部102、出力部106およびエスクロー104の動作を制御する。
【0062】
入力部102は、導入された紙幣の上面を検出する第1の光センサ110と、第1の光センサ110の下流に紙幣の下面を検出する第2の光センサ112とを備える。図において、紙幣の厚さは、分かりやすくするために拡大されている。紙幣は、入口スロット114を介して挿入され、第1組および第2組の(上部および下部)移動式エンドレスベルト116、118のそれぞれによって、第1のセンサ110を通過して送られる。同様に、紙幣は、第3組および第4組のエンドレスベルト120、122のそれぞれによって、第2のセンサ112を通過し、経路決定部108に向かう。
【0063】
第1組および第3組(上部)のベルト116、120は、共通の上部プーリローラ122を含むそれぞれのプーリの周囲に案内される。同様に、第2組および第4組(下部)のベルト118、122は、共通の下部プーリローラ126を含むそれぞれのプーリの周囲に案内される。第1組のベルト116の間隔および第4組のベルト122の間隔はそれぞれ、紙幣の表面を2つの光センサ110および112で検出するのをベルトが妨げないように設けられている。第3組のベルト120は、第1組のベルト116に対してオフセットされているので、2組のベルトは、プーリローラ124の周囲を通過するとき互いに干渉しない。同様に、第4組のベルト122は、第2組のベルト118に対してオフセットされている。
【0064】
第2のセンサ112を通過した後、第3組および第4組のベルト120、122は、紙幣を経路決定部108に送り、経路決定部108でベルト120、122は分離される。第3組のベルト120は、リターンプーリ128に戻る。リターンプーリ128は、間隔をおいて設けられるとともに共通の車軸に取り付けられた多数のプーリホイールを備え、そのプーリホイールの1つは、第3組の各ベルト120のために用いられる。第4組のベルト122は、ガイドプーリ130に続き、ガイドプーリ130は、間隔をおいて設けられるとともに共通の車軸に取り付けられた多数のプーリホイールを備え、そのプーリホイールの1つは、第4組の各ベルト122のために用いられる。ガイドプーリ130で、第4組のベルト122は、第5組のベルト132と合流し、紙幣を出力部106に送るための上部および下部ベルトを形成する。
【0065】
経路決定部108は、出力部106に対して紙幣を授受する第1の可動ガイド134を含む。第1の可動ガイド134は、多数のガイドフィンガ136を備え、ガイドフィンガ136は、車軸138で回転するとともに、リターンプーリ128のプーリホイールとガイドプーリ130のプーリホイールとの間の空間に受容される。各フィンガ136は、略湾曲くさび形で、接触端140およびガイド端142を含む。フィンガ136は、ばね(図示されていない)によって、通常の位置に対して傾斜され、フィンガ136は、第3組および第4組のベルト120、122によって送られてくる紙幣の経路を横切って延在している。紙幣が、ベルト120、122の動作によって、フィンガ136に引き込まれながら進むと、紙幣の先端は各フィンガ136の接触端140押圧し、それによって、フィンガ136の位置が変り、紙幣が通過できる(図5参照)。接触端140が湾曲形状なので、紙幣はガイドプーリ130の周囲に案内され、それによって、紙幣は第4組のベルト122と第5組のベルト132との間に受容され、出力部106内部に進む。いったん、紙幣の後端が可動ガイド134のフィンガ136を通過すると、フィンガ136は、斜めばねの動作によって、通常の位置に戻る。
【0066】
紙幣が中間位置に到達するまで、紙幣は出力部106内を進み、中間位置で、紙幣の先端は、可動センサフィンガ144を押圧する。センサフィンガ144は、スイッチ(図示されていない)を動作させ、信号を制御装置に送り、それによって、制御装置は、ベルト122および132を停止させる。
【0067】
制御装置が、紙幣の真贋および通貨単位の判定をする2つの光センサ110、112からの出力処理を終了させなければ、紙幣は、処理が完了するまで、出力部106の中間位置に一時的に保持される。
【0068】
紙幣が受け入れられないと判定された場合、制御装置は、第4組および第5組のベルト122、132を駆動させ、紙幣をさらに左方に送り、一方向フラップ146を通過し、出口スロット148を介して、顧客に返還される。センサスイッチ(図示されていない)は、一方向フラップ146に接続され、紙幣がいったん完全に排出されるとフラップを再び閉じるときを決定する。それによって、装置は入口スロット114を介して、別の紙幣を受け入れる準備が整えられる。このため、受け入れ不能の紙幣は、エスクロー104にすでに蓄積されている紙幣の邪魔をすることなく、排出される。特に、顧客がすでにシステムに入れてエスクロー104に蓄積されている(有価)紙幣をすべて排出しなくても、受け入れ不能の紙幣を排出できる。
【0069】
銀行券が受け入れ可能と判断され、顧客が銀行券一枚で処理を完了させると、銀行券は、直ちに出力部106によって現金化される。出力部106内部の中間位置にある銀行券の上部に位置する銀行券積み重ねピストンまたはプランジャ(符号150で概略的に示されいる)は、銀行券を下方に押圧するように駆動され、銀行券は、第4組および第5組のベルト122、132のグリップから押し出され、現金化開口部152を介して下方に押し、ケース100の下部に位置する金庫室(図示されていない)に押し入れられる。この処理は、エスクロー104に蓄積されたり、エスクロー104から引き出されることなく行われるのが望ましい。
【0070】
代替として、銀行券が受け入れられると判断され、顧客が複数枚の銀行券の処理を必要としている場合、制御装置は、第4組および第5組のベルト122、132を駆動させ、銀行券を出力部106から経路決定部108に「戻す」。図6を参照すると、ガイド134のフィンガ136のガイド端142は、自動的に銀行券をフィンガ136の下に案内し、エスクロー104の方向に案内する。
【0071】
エスクロー104は、欧州特許EP−A−0575711に記載の蓄積装置と同様の構成であり、銀行券が蓄積されるドラム154を備える。ドラムは、例えば、スポークによってドラム軸に指示されている中空シリンダでもよい。ドラムは、車軸に取り付けられた多数のホイールによって形成されてもよい。ホイールは互いに接触して配置され、このような場合、ホイールの直径は適当に異なり、くぼんだ外側面の形状は同じである。この代わりに、ホイール同士は離れて配置され、ホイール間に隙間が形成されている。タング19は、タングが銀行券をドラムから戻す位置にある場合、隙間に受容されてもよい。
【0072】
一組の平行なエンドレスベルト156は、入口/出口領域158を隙間のあいた状態にしながら、ドラムの周辺の主要部の周りに延在している。エスクローベルト156は、プーリ160、162、164、166、172、174によって、ドラム156から離れた復路に案内される。プーリ160〜172は固定され、プーリ174は可動アーム175に取り付けられている。可動アーム175は、矢印(図示されていない)で示した方向にばねによって傾斜され、ベルト156を引っ張り、蓄積された銀行券の枚数が増加するにつれて、ドラムの全寸法を伸長できるようになっている。
【0073】
エスクローベルト156は、電気的に作動されるとともに駆動力を第5組のベルト132から送るクラッチ(符号176で概略的に示されてる)によって、駆動される。双方向電気機械作動器は、クラッチ176を動作させるために用いてもよい。あるいは、クラッチは、ばねによって、一方向(例えば、噛合されてない位置)に傾斜し、一方、クラッチを移動させるために用いられる作動器は、他方向(例えば、噛合位置)に傾斜していてもよい。同様の原理に基づいて、クラッチを変形して用いてもよい。それによって、中間駆動ホイール182を用いずに、第5組のベルト132またはプーリローラ178をエスクローベルト156に対して用いることができる。
【0074】
経路決定部108およびエスクロー104の一部として、第2の可動ガイドまたはスイッチ190は、ドラム154に導入される銀行券またはドラム154から離れる銀行券を案内する。スイッチ190は、間隔をおいて配置されるとともに略V型の形状で車軸194で回転する多数のフィンガ192を備える。各フィンガは、先端200でいっしょになる上部ガイド端196および下部ガイド端198を有する。各フィンガは、通常位置の方向に傾き(図6参照)、先端200はドラム154を押圧し、ドラムの表面でそれぞれの環状くぼみ202に受容される。V型の隙間によって、プーリ172が取り付けられている車軸のじゃまをすることなく、フィンガ192は、ドラム154の表面から離れることができる。
【0075】
図6を参照すると、銀行券が出力部106からエスクロー104に移動すると、クラッチ176は、ドラム156の回転を開始するため、噛合する。第5組のベルト132がこの方向に移動すると、ドラム154は反時計方向に回転する。上記のとおり、銀行券は第1のガイド134のガイド端142の下方を通過し、フィンガ192の下部ガイド端198、第5組のベルト132およびエスクローベルト156によって、回転ドラム154の表面に案内され、銀行券は、ドラム154とエスクローベルト156との間に受容される。ドラム154は、銀行券が入口/出口領域158から離れたとき、停止する。
【0076】
顧客によって順次導入された銀行券はそれぞれ、上記のように処理される。銀行券が有効な場合、銀行券は、エスクロー104に送られ、ドラム154にすでに蓄積されている銀行券とともに積み重ねられる。図7を参照すると、ドラムの回転は、ドラム154に接近する銀行券の先端がドラムの各銀行券の先端に揃えられるのに適当な時間に開始され、整然と積み重ねられる。ドラム154が回転し始めるにつれて、ドラム154にすでに蓄積されている1枚以上の積み重ね204の先端がフィンガ192のガイド端196を押圧する。それによって、フィンガ192は外部に移動し、積み重ね204は先端200の下方に通過し、入口/出口領域158で接近する銀行券に出会う。積み重ね204の表面を押圧するガイド端196によって、積み重ね204のうちの銀行券は、入口/出口領域158にある間は、一時的にエスクローベルト156と接触しながら、扇形に広がることはない。フィンガ192は、いったん積み重ね204がフィンガ192の先端200を通過すると、斜めばねの下の通常位置に戻る。
【0077】
積み重ね204をドラム154から排出するため、ドラムの回転方向は、逆回転になる。これは、第5組のベルト132の移動方向を変更することによって、行われる。図8を参照すると、(時計方向に移動する)銀行券の積み重ねはフィンガ192に噛み合い、積み重ねの先端は、フィンガ192の先端200の上を移動してフィンガ192の下部ガイド端198に沿って移動することによって、ドラム154の位置に降下する。ドラム154が連続的に回転することによって、積み重ねは、第4組のベルトと第5組のベルトとの間に受容されるまで、さらにガイドプーリ130の方向に進み、積み重ね204は出力部106に送られる。積み重ね204は、(例えば、顧客が銀行券の返還または処理の中止を要求した場合に)出口スロット148を介して、返還される。また、積み重ね204は、(処理が完了した場合に)プランジャ144によって、現金化される。
【0078】
センサスイッチ(符号206で概略的に示される)は、スイッチ190のフィンガ192によって動作され、フィンガ192が通常位置にあるかどうかを示す。これは、銀行券を排出したい場合、ドラム154の銀行券が入口/出口領域158から離れ、ドラムが直ちに逆回転することを示す。また、センサスイッチは、フィンガ192が移動した位置にあるかどうかも示す。これは、銀行券の少なくとも数枚は入口/出口領域158から離れず、ドラム154は、銀行券を排出するために直ちに逆回転する状態ではないことを示す。後者の状態の場合、ドラム154は、例えば、角度が小さい段階では、銀行券がフィンガ192から離れるまで、反時計方向に回転しなければならない。それによって、フィンガ192は、ドラム154が積み重ね204を排出するために逆回転する前に、ドラム154に対して通常位置に戻る。
【0079】
第1の例として、最後の銀行券がドラム154に進んだ直後、積み重ね20がドラムから排出される場合、スイッチ206によってフィンガ192が通常位置に戻ったことを示されると直ちに、制御装置は、ドラム154の回転方向を逆にすることができる。これは、ドラムの不必要な回転を避けることができ、(積み重ねを排出する時間を短縮することによって)装置の応答を高めることができる。第2の例として、1枚以上の銀行券が積み重ねの適当な位置に一致していないため、銀行券の積み重ね204の配列が整っていない場合、スイッチ206を用いて、積み重ね204が排出されるドラム154の適当な回転位置を見つけられる。第1および第2の例において、制御装置によって行われる基本的な制御動作は、同様に行われる。すなわち、スイッチ206によって、積み重ね204がフィンガ192から離れたことが示されるまで、ドラム154は反時計方向に回転し続け、例えば、完全回転を通じて、ドラム154は逆回転する。
【0080】
スイッチ206に加えて、さらに、センサ(図示されていない)は、ドラム154の回転位置を検出するとともにクラッチ176の動作を制御するドラムに接近する銀行券の存在を検出するため、備えられる。
【0081】
上記設計によって、(図1〜図3を参照して説明された)公知の装置よりコンパクトでかなり安価な銀行券処理装置を提供することができる。重要な点は、2つの可動ガイド134および190は、両方とも受動的な装置である。すなわち、2つの可動ガイドは、銀行券の経路を制御する専用電気機械作動器に依存しないため、装置のスペースがかなり節約でき、ガイド134および190の動作を制御する専用電気回路を必要としない。
【0082】
さらに、すべてのベルトおよびドラム154を駆動するための駆動装置(例えば、電気モータ)は1つですむ。ベルト116、118、120、122、132は、すべてのベルトがともに移動するように配置されている。ドラム154およびエスクローベルト156は、比較的簡易なクラッチ176によって、第5組のベルト132から選択的に駆動される。第5組のベルト132の移動方向が常にドラムの適当な回転方向にしたがっているので、このような簡易なクラッチ構成を用いることができる。すなわち、銀行券がエスクロー104に送られているとき、第5組のベルト132は一方向に移動する一方、銀行券がエスクロー104から離れるとき、第5組のベルト132はその反対方向に移動する。さらに、すべてのベルトが同時に移動するので、エスクローベルト156は、第1組、第2組、第3組、第4組および第5組のベルトに接続されたクラッチによって駆動される。
【0083】
図4を参照すると、ベルト用の駆動モータは、符号90で示される。プランジャ150を動作させる第2の駆動モータは、符号92で示される。第2の駆動モータはフォーク94を動作させ、フォーク94は、プランジャを下方に移動させるパントグラフ(図示されていない)を順次延長する。
【0084】
上記実施の形態よれば、受動的なガイドを用いて銀行券の経路を決定しているが、必要ならば、電気機械作動器を用いてガイド134および190の一方または両方を動作させてもよい。
【0085】
図9〜図11は、上記実施の形態の受動的ガイド134および190の代替として、結合スイッチを示す。スイッチは、間隔をおいて配置された一組のスイッチ部材400を備え、スイッチ部材400は共通の車軸406で回転する。各スイッチ部材は、プーリ130に隣接する第1の部分402と、ドラム154に隣接する第2の部分404とを備える。部材400は、スッテピングモータ408によって制御され、スッテピングモータ408は螺旋状スロット412を有するホイール410を回転させる。この螺旋状スロット412に、部材416を接続する滑動ピン414が受容される。接続部材は、車軸406に対して回転し、ピン418によってフィンガに接続されている。ピン418は、スイッチ部材400のすべてを介して噛合する。モータが時計方向に回転すると、ピン414は、螺旋状スロット412によって半径方向の内側に引っ張られる。それによって、接続部材416は接続され、反時計方向に回転し、スイッチ部材400をドラム154の方向に引っ張る。同様に、モータが反時計方向に回転する場合、ピン414は半径方向の外側に押圧され、それによって、接続部材は接続され、時計方向に回転し、スイッチ部材400はドラム154の表面から離れるように押圧される。
【0086】
一般に用いる場合、銀行券が入力路から出力路へ方向づけられると、スイッチ部材400は図10に示されるように位置づけられる。第1の部分402は、銀行券をプーリ130の周囲に案内するとともに上記の中間位置の方向に案内するように配置される。スイッチ部材400の第1の部分402は、プーリの外表面からおよそ0.5mmだけ離れている。約0.5mmの隙間は、銀行券が妨害されずに通過するのに十分な隙間である。
【0087】
銀行券が中間位置からドラム154に送られる場合、モータが動作し、ドラム154から遠ざかるようにスイッチ部材400が回転される。それによって、第1の部分402は、プーリ130の後方に付着する。この位置で、スイッチ部材は、銀行券をドラム154に案内する。いったん銀行券がドラム154の周囲に蓄積されると、スイッチ部材400は、図10に示される位置に交代し、システムは、上記実施の形態のように、次に挿入される銀行券の受け入れまたはドラムに蓄積されている銀行券の排出に備える。
【0088】
スイッチ部材400がドラム154から離れる位置は、制御装置によって制御され、ドラム154に積み重ねられている銀行券の枚数に左右される。第2の部分404の機能は、ドラムが反時計方向に回転しているとき、銀行券の先端が入口/出口領域で扇形に広がることを防ぐことである。この機能がなければ、積み重ねられた銀行券の配列が乱れてしまう。本実施の形態において、間隔は、積み重ねに追加される銀行券1枚毎に、およそ0.1mmずつ広がる。ステッピングモータを用いれば、モータを少しずつ速めることによって、スイッチ部材の位置を正確に設定することができる。
【0089】
必要ならば、スイッチを二位置スイッチとして用いることができる。モータ408は、図10に示される位置または図9に示される最大上昇位置にスイッチ部材を設定するように、制御される。
【0090】
本実施の形態の別の利点は、スイッチを所定の位置に戻すためにばねを用いる必要がないことである。ステッピングモータは、スイッチ部材を双方向に動作させるように駆動する。そのため、スイッチは、ばねで傾斜されたスイッチのように外部の振動の影響を受けることがない。これによって、本実施の形態は、列車の駅または船上のような振動の影響を受けやすい環境で用いるのに適している。
【0091】
スイッチ部材400の位置は、ホイール410の角度位置を検出することによって、容易に検出できる。例えば、これによって、スイッチ部材400は、上記実施の形態と同様の方法で、積み重ねの後縁を検出することができる。本実施の形態において、螺旋状スロット412は、およそ300゜で延在している。
【0092】
図11に最も分かりやすく示されているように、ドラム154は中空であるとともに一端がくぼみ、その一端がスッテピングモータ408に取り付けられ、ドラムはモータ本体に対して回転する。ステッピングモータは、下部シャシ430に取り付けられている。下部シャシ430は、ドラム154を移動させる車軸434の一端432を支持する。このような構成によって、モータは、エスクローの他の部品を妨害することなく、確認装置のコンパクトな本体に容易に収容されることができる。
【0093】
さらに、変形された実施の形態は、図12〜図17を参照して説明する。入力部102および出力部106は変わらないが(したがって、詳細は図12に示されていない)、エスクロー104aおよび経路決定部108aの「設計は、変形されている。図12のに示される装置の動作の原理は、挿入された銀行券が中間位置に送られる点では、図4の原理と同じである。しかしながら、銀行券を出力部106の中間位置に送る代わりに、銀行券は、中間位置として機能するドラム154に部分的に送られる。
【0094】
図12および図13を参照すると、上記実施の形態の2つの受動的な可動ガイド134および190の代わりに、比較的短い第6組および第7組のエンドレスベルト212、214が用いられる。これらエンドレスベルト212、214は、第3組のベルト120、第4組のベルト132およびエスクローベルト156と連結し、ドラム154に通じる連続的なベルト搬送路を形成する。第6組のベルト212は、上部プーリローラ216、218の周囲に延在する。上部プーリローラ216、218の周囲に、第3組のベルト120およびエスクローベルト156がそれぞれ延在している。プーリローラ218は固定車軸に取り付けられ、プーリ216は可動アーム220に取り付けられている。アーム220は、プーリ218の車軸に対して回転自在である。図13にもっとも分かりやすく示されているように、第3組のベルト120およびエスクローベルト156は、第6組のベルト212に対してオフセットされているので、プーリローラ216、218の周囲のベルト間の妨害を避けることができる。ガイドタブ222は、プーリ216の車軸で回動する。
【0095】
同様に、第7組のベルト214は、下部プーリローラ224および226の周囲に延在している。下部プーリローラ224および226の周囲に、第5組のベルト132およびエスクローベルト156がそれぞれ延在している。プーリローラ224は、プーリ226の固定車軸に対して回転自在な可動アーム228に取り付けられている。第5組のベルト132およびエスクローベルト156は、第7組のベルト214に対してオフセットされ、図13に示される方法と同様に、第6組のベルト212のために用いられる。アーム228の反対側の端部は、プーリ224および226の若干後方に延在し、さらに、ガイド表面(228a)を供給する。
【0096】
スイッチ装置210は、銀行券を入力部102から受け取る(図12に示されている)入力部と銀行券を出力部106に送る(図14に示されている)出力部との間で移動できる。スイッチ装置210の位置は、電気機械作動器(図示されていない)によって、決定される。本実施の形態において、スイッチ装置210は、ばね(図示されていない)によって、その入力位置の方向に傾斜されている。この入力位置は、統計的に、スイッチ装置がもっとも頻繁に用いられる位置である。作動器は、スイッチ装置210を出力位置に移動させたいとき、用いられる。しかしながら、他の実施の形態において、スイッチ装置210は、他の方向に傾斜したり、または双方向電気機械作動器を用いてもよい。
【0097】
スイッチ装置210が動作することによって、第3組のベルト120および第5組のベルト132の通路の長さが変化する。この変化は、可動アーム232に取り付けられたプーリ230を伸長し、ばねによって図示の方向に傾斜させてベルトの所定の伸長を維持することによって、エスクローベルト156のために用いられるプーリ174と同様に、適応される。
【0098】
図12を参照すると、第3組のベルト120および第4組のベルト122によって入力部102から送られる銀行券は、その入力位置でスイッチ装置210に接近する。回転自在なガイドタブ222は、接近する銀行券の通路の隙間に位置し、銀行券は、下部アーム228の端部228aによって、第6組のベルト212と第7組のベルト214との間に案内され、ドラムの方向に案内される。上記実施の形態によれば、ドラムが反時計方向に回転するにつれて、銀行券は、エスクローベルト156とドラム154の表面との間に受容される。しかしながら、ドラム154に完全に送られる代わりに、銀行券は中間位置で停止し(図12に示される)、銀行券の後端部は、スイッチ装置210の第6組のベルト212と第7組のベルト214との間に保持される。
【0099】
センサの出力が入力部102で処理されるまで、銀行券は、中間位置に停止している。銀行券が受け入れられると決定されるとともに複数枚の銀行券の処理を行う場合、銀行券がドラム154とエスクローベルト156との間に完全に蓄積されるまでドラムを反時計方向に回転させるだけで、銀行券は、ドラム104に積み重ねられる。代わりに、銀行券が受入不能であると判断されたり、1枚の銀行券を直ちに現金化する場合、スイッチ装置210を出力位置に移動させるとともに(図14参照)、ドラム154を時計方向に回転させることによって、銀行券は、その中間位置から排出される。銀行券の一端は、すでに第6組のベルト212および第7組のベルト214によって掴まれているので、この段階で、ガイド部材は銀行券をドラム154の表面に降下させる必要はない。出力位置で、回転自在なガイドフラップ222は適所に回転され、ガイドフラップ222が第4組のベルト122と第5組のベルト132との間に受容されるまで、銀行券をスイッチ装置210から下方に案内する。それによって、銀行券は出力部106に送られる。
【0100】
図15は、銀行券の積み重ね204がすでにドラム154に蓄積され、新しい銀行券が入力部102を介して導入される場合を示す。銀行券が中間位置に到達するまで(図15に示されている)、銀行券は、上記と同様の方法で、スイッチ装置210を介して送られる。
【0101】
中間位置から、銀行券はすべて、ドラム154に送られ、積み重ね204に完全に重なる。または、銀行券が受入不能の場合、スイッチ装置210は出力位置に移動し、銀行券が排出される。重要な点は、中間位置において、積み重ね204の後端部204aは、エスクローベルト156とドラム154との間に保持されることである。その結果、ドラム154が時計方向に回転し、送られた銀行券を一部排出する場合、この動作は、前もって蓄積されドラムの周囲に蓄積されたままの積み重ね204に影響を与えることはない。すなわち、送られた銀行券の一部は、前もって蓄積された銀行券とは別に排出することができる。このため、この段階で、ガイド部材は、積み重ね204から送られる新しい銀行券を上昇させたり、ドラム154の表面に積み重ね204の残りを保持する必要はない。
【0102】
図16は、銀行券を顧客に戻したり、銀行券を現金化したい場合に、銀行券の積み重ね204がどのように排出されるかを示す。積み重ね204をドラム154の表面に降下させるために、スイッチ装置210は、プーリ218の車軸に対して回転自在な可動ガイドフィンガ230を備える。フィンガ230は、図16で示されるようにフィンガが左に伸びる動作位置と図14および図15の模型に示されるような収縮位置との間で移動できる。フィンガ230は、ばね(図示されていない)によって、収縮位置の方向に傾斜している。フィンガ230が積み重ね排出動作の間にのみ必要な場合、フィンガ230は、電気機械作動器(図示されていない)によって、動作位置に移動される。出力位置のスイッチ装置210を用いて、ドラム154は時計方向に回転される。それによって、積み重ね204は、フィンガ230の上方でスイッチ装置210を介して駆動され、出力部106に向かう。出力部106から、上記のとおり、積み重ねは顧客に戻されたり、現金化される。
【0103】
本実施の形態において、電気機械的に作動されたフィンガ230は、信頼性の点で、上記実施の形態で用いられる型の受動的フィンガが好ましい。図15に示される場合、受動的フィンガが上記実施の形態と同様に用いられるとき、これらのフィンガは、部分的に巻き取られた銀行券の下で積み重ね204を押圧する。ドラム154が時計方向に回転する間、フィンガの先端は、積み重ね204の一番上の銀行券の表面を妨害し、その結果、フィンガの先端が障害になる。先端が銀行券を妨害する傾向は、銀行券の物理的な状態に左右される。銀行券に穴が開いていたり、銀行券の表面が凹凸であったり、縁が凹凸である場合、その傾向が高まる。実際問題として、これは起こりうる。
【0104】
上記実施の形態に対して、本発明の装置に導入される銀行券は、銀行券が確認される前に、ドラム154の中間位置に送られる。そのため、細長い銀行券または一続きの銀行券(すなわち、数枚つづりの銀行券)の導入に対して装置を保護する必要がある。保護しなければ、ドラム154を1回以上回転させて、銀行券を巻き取るので、妨害の可能性がある。この保護動作は、入力部102のセンサによって行われ、センサは、挿入された銀行券が予想される所定の最大長より長いか、または挿入された銀行券が数枚つづりのものであるかを直ちに示す。図17を参照すると、このような指示に応じて、下方に傾斜している回転自在なタブ222を用いて、スイッチ装置210は下方に移動し、出力部に向かう。この位置で、挿入されたもの232は、ガイドプーリ130の周囲に直接方向づけられて出力部に向かい、ドラム154で巻き取られることなく、顧客に返還される。これによって、装置を妨害したり、装置から不正に銀行券が取られることを防げる。
【0105】
エスクローベルト156えお移動させたり、ドラム154を回転させる駆動力は、上記実施の形態と同様に、第1組、第2組、第3組、第4組および第5組のベルトの主要駆動装置から供給される。しかしながら、上記実施の形態と違って、銀行券がドラム154に導入されるとき、銀行券がドラム154から排出される場合と同じ方向に、これらのベルトは移動する。第6組のベルト212、第7組のベルト214およびエスクローベルト156のみが、これらの動作間のベルトの移動の方向を変更する。したがって、装置は、電気機械的に動作される2つのクラッチ176aおよび176bを用い、エスクローベルト156、第6組のベルト212および第7組のベルト214を駆動させる駆動力が、第1組、第2組、第3組、第4組および第5組のベルトが通常の動作をしている間に反対方向に移動する2つの異なるプーリまたはベルトから選択的に供給される。例えば、一方のクラッチ176aは、第5組のベルト132から駆動力が供給され、他方のクラッチは、第3組のベルト120から反対方向に駆動力が供給される。代わりに、1つのクラッチ(図示されていない)を用い、駆動力の方向は、移動方向を選択的に逆転させる電気機械的インバータ歯車箱によって制御される。
【0106】
第3組のベルト120は、常にプーリ216に対して反時計方向に移動し、第5組のベルト132は、常にプーリ224に対して反時計方向に移動するが、第6組のベルト212および第7組のベルト214の動作方向はそれぞれ、逆回転可能である。これは、プーリ216および224を複数の部分に分けることによって(図13参照)、適応させる。第6組のベルト212および第7組のベルト214の部分216a、224aは、第3組のベルト120および第5組のベルト132の部分216b、224bよりわずかに大きい。プーリの分岐部によって逆回転が可能になり、第6組のベルト212および第7組のベルト214の部分216a、224aによって、スイッチ装置210を介して駆動される銀行券は、確実に、第6組のベルト212および第7組のベルト214の動作方向に常に駆動される。第6組のベルト212および第7組のベルト214は、エスクローベルト156およびドラム154と同時に移動する。
【0107】
図12〜図17に示される実施の形態は、図4〜図8に示される実施の形態と同様にコンパクトに作ることができ、銀行券処理が高速化される利点がある。上記実施の形態において、通常、銀行券が出力部の中間位置に移動し、銀行券が有効な場合にドラムに「戻る」動作に2〜4秒かかる。次の銀行券を挿入できるまでにこれだけの時間がかかると、顧客は遅いと感じる。しかしながら、本実施の形態では、挿入された銀行券は、中間位置に直接送られ、そこで、部部分的にドラム156に巻き込まれる。銀行券が受け入れられると決定された場合に、ドラムを回転させて銀行券を巻き込む時間がごく短ければ、次の銀行券を挿入できるまでの時間の遅れを低減できる。しかしながら、この高速化の実現は、搬送ベルトのシステムがより複雑化するとともに電気機械作動器の数が増加するという犠牲をともなう。すなわち、2つのクラッチ176aおよび176bと同様に、スイッチ装置210およびフィンガ230に分離作動器を備えなければならない。
【0108】
図20〜図23は、図12〜図17の設計の変形を示し、変形してより簡易の形式のスイッチ装置210aが用いられている。変形されたスイッチ装置210aにおいて、上部プーリ216および下部プーリ224は固定位置に取り付けられ、回転自在なガイド238を用いて、銀行券を入力部102と、出力部106と、エスクロー104aとの間で回転させる。ガイド238は、中心軸239に対して回転するフラップを備える。回転自在なガイド222は、この設計では省略されている。
【0109】
ガイド238は、第1の位置(図20に示されている)と、第2の位置(図21および図22に示されている)と、第3の位置(図23に示されいる)との間で移動できる。第1の位置を用いて、入力部102からエスクロー104aに到達する銀行券の経路を決める(図20参照)。第2の位置を用いて、部分的に蓄積された位置(図21参照)から出力部106に排出された1枚の銀行券を案内するとともに、銀行券がエスクロー(図22参照)から出力部106に排出されたとき積み重ね204すべてを案内する。紙幣232が長尺であると検出された場合、第3の位置を用いて、紙幣232を入力部102から直接出力部106(図23参照)に案内する。この変形設計では、ベルト212、214、120、132が結合する必要がないので、スイッチ装置が簡素になる。ガイド238の位置は、電気機械作動器(図示されていない)によって制御される。
【0110】
図18は、さらに別の実施の形態の概略図であり、図4〜図8の実施の形態と図12〜図17の実施の形態の組み合わせである。入力部102を介して導入された銀行券は、受動ガイド134を通過し、出力部106の第1の中間位置240に向かう。銀行券が長尺であると検出されたり、数枚つづりのものであると検出された場合、銀行券は、出口スロットを介して、顧客に直ちに返還される。もし検出されなければ、銀行券は、直ちに出力部106から第2の中間位置に「戻され」、銀行券の一部は、ドラム154に巻き取られる。入力部からのセンサの出力が処理され銀行券の通貨単位が確認されるまで、銀行券は、第2の中間位置で停止される。第2の中間位置から、銀行券は完全にドラム154に巻き取られるか、または出力部106に戻って、顧客に返還されるたり、現金化される。積み重ねが顧客に返還されたり、現金化されるとき、スイッチフィンガ230は、蓄積された積み重ねをドラム154から持ち上げるために備えられている。
【0111】
上記実施の形態は、分離した入力部および出力部を用いる。各部が、例えば、入力部のセンサを通過した銀行券の動作方向に適応されるからである。これは、妨害する恐れがなく、銀行券が高速で移動できるので好ましい。したがって、この点において、このようなシステムは高価であるが、入口/出口領域を1つしか用いない二方向システムよりも有利であると一般的に考えられている。
【0112】
図19は、エスクロードラム154を内蔵した低コストの二方向システムを示す。1つの入口/出口スロット250が用いられ、銀行券の通路は、破線252によって示される。2つのセンサ110および112は、入口/出口スロット250に隣接して配置され、積み重ねピストン150は、センサ110および112の下流でドラム154の前に配置されている。用いる場合、スロット250を介して導入された銀行券は、2つのセンサ110および112を通過し、中間位置に到達する。センサの出力が処理され、銀行券が受け入れられるかどうかを決定するまで、銀行券は中間位置で保持される。中間位置は、積み重ねピストン144の下方に設けられている状態、または、銀行券の一部がドラム154に巻き取られている状態である。前者の場合、受動ガイドを用いて、逆回転するとき、銀行券をドラム154から排出する。後者の場合、ガイドフィンガ230のようなアクティブガイドが好ましい。
【0113】
本発明の特定の実施の形態を詳細に説明したが、請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱することなく、多数の変形および発展形が考えられることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】公知の先行技術の装置を示す図である。
【図2】公知の先行技術の装置を示す図である。
【図3】公知の先行技術の装置を示す図である。
【図4】エスクローを含む装置全体の概略断面図である。
【図5】図4の装置における紙幣の経路およびエスクローの動作を示す部分断面図である。
【図6】図4の装置における紙幣の経路およびエスクローの動作を示す部分断面図である。
【図7】図4の装置における紙幣の経路およびエスクローの動作を示す部分断面図である。
【図8】図4の装置における紙幣の経路およびエスクローの動作を示す部分断面図である。
【図9】修正されたスイッチを示す概略断面図である。
【図10】修正されたスイッチを示す概略断面図である。
【図11】修正されたスイッチを示す概略断面図である。
【図12】エスクローを含む第2の修正された実施の形態全体の概略断面図である。
【図13】図12に示される実施の形態のスイッチ装置の平面図である。
【図14】図9の装置における紙幣の経路およびエスクローの動作を示す部分断面図である。
【図15】図9の装置における紙幣の経路およびエスクローの動作を示す部分断面図である。
【図16】図9の装置における紙幣の経路およびエスクローの動作を示す部分断面図である。
【図17】図9の装置における紙幣の経路およびエスクローの動作を示す部分断面図である。
【図18】第3の修正された実施の形態全体の概略断面図である。
【図19】第4の実施の形態を示す概略図である。
【図20】図12の実施の形態を用いるためのスイッチ装置の変形を示す概略断面図である。
【図21】図12の実施の形態を用いるためのスイッチ装置の変形を示す概略断面図である。
【図22】図12の実施の形態を用いるためのスイッチ装置の変形を示す概略断面図である。
【図23】図12の実施の形態を用いるためのスイッチ装置の変形を示す概略断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚以上の紙幣をその周囲に蓄積できる回転自在なシリンダ手段(154)と、前記シリンダ手段の外周の主要部に延在し、紙幣を前記シリンダ手段に対して保持するエンドレスベルト手段(156)とを備える紙幣用一時蓄積装置(104)と、
本装置により受け取られた紙幣を紙幣通路に沿って搬送する搬送手段(116、118、120、122、132、134;116、118、120、122、132、402)と、及び
前記搬送手段を動作させて、前記蓄積装置に紙幣を送る制御手段とからなる紙幣取り扱い装置において、
前記紙幣通路が中間位置(240)を有し、本装置に受け入れられた紙幣であって、該中間位置に送られてきた紙幣は、該中間位置から前記一時蓄積装置に向けられるか又は前記一時蓄積装置に蓄積されている他の紙幣を返却することなく本装置から返却されるようになっており、
前記制御装置は、前記受け取られた紙幣を前記中間位置に進めるよう第1の移動方向に前記搬送手段を動作させ、前記中間位置から紙幣を反対方向に進めて紙幣を前記一時蓄積装置(104)に移送するよう前記搬送手段による紙幣搬送方向を選択的に反転させていることを特徴とする紙幣取り扱い装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において:
前記紙幣通路は、入口開口部からの入力路および前記中間位置を含む出力路を備え、
前記制御手段は、前記搬送手段を動作させ、入力路で受け取られた紙幣を出力路に位置している前記中間位置に送ることを特徴とする紙幣等取り扱い装置。
【請求項3】
請求項2記載の装置において:
前記搬送手段は、紙幣を入力路からUターン路に沿って、出力路に位置している前記中間位置に送ることを特徴とする紙幣等取り扱い装置。
【請求項4】
請求項2または3記載の装置において:
前記搬送手段は、その搬送機構を駆動する駆動モータを備え、
さらに、前記装置は、前記搬送手段により一時蓄積装置を駆動させるよう選択的に結合を行う駆動力伝達機構(176a、176b)を備えることを特徴とする紙幣等取り扱い装置。
【請求項5】
請求項2から4のいずれかに記載の装置において:
前記出力路は、搬送ベルトによって形成され、
紙幣が一時蓄積装置に送られているかまたは一時蓄積装置から排出されているとき、前記ベルトは、一時蓄積装置の前記エンドレスベルトの動きと同様に移動することを特徴とする紙幣等取り扱い装置。
【請求項6】
請求項2から5のいずれかに記載の装置において:
前記搬送手段は、入力路と出力路と一時蓄積装置との間に配置された可動式第1のガイド(134;402)を備え、第1の移動方向に進む紙幣を入力路から出力路に方向づけるとともに、逆方向に進む紙幣を出力路から一時蓄積装置に方向づけることを特徴とする紙幣等取り扱い装置。
【請求項7】
請求項6記載の装置において:
前記第1のガイド(402)は、電気作動器によって動作されることを特徴とする紙幣等取り扱い装置。
【請求項8】
請求項7記載の装置において:
前記第1のガイド(402)は、紙幣をシリンダ手段から排出するためのシリンダ手段と関連の第2のガイド(404)とともに、移動することを特徴とする紙幣等取り扱い装置。
【請求項9】
請求項7記載の装置において:
前記第1ガイド(402)および第2のガイド(404)は一体的に形成され、第2のガイドが紙幣をシリンダ手段から排出する位置にあるとき、前記第1のガイドは紙幣を入力路から出力路に案内する位置にあり、
前記第2のガイドがシリンダ手段と離間しているとき、前記第1のガイドは紙幣を出力路から一時蓄積装置に案内するために位置づけられる(FIG.9)よう、前記第1と第2のガイドの形状はつくられていることを特徴とする紙幣等取り扱い装置。
【請求項10】
請求項6記載の装置において:
前記第1のガイド(134)は、所定位置に付勢され、紙幣に接触することによって動作されることを特徴とする紙幣等取り扱い装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の装置において:
さらに、一時蓄積装置に接近する紙幣の存在を検出するセンサと、
紙幣が検出されたとき、シリンダ手段の回転を開始する手段とを備えることを特徴とする紙幣等取り扱い装置。
【請求項12】
1枚以上の紙幣をその周囲に紙幣を蓄積できる回転自在なシリンダ手段(154)と、
前記シリンダ手段の外周の主要部に延在し、紙幣を前記シリンダ手段に対して保持するエンドレスベルト手段(156)であって、シリンダ手段が回転しているときに、紙幣がシリンダ手段に導入されたりシリンダ手段から排出される入口/出口領域に隙間を保つエンドレスベルト手段(156)と、及び
前記シリンダ手段の表面に近づいたり、その表面から遠ざかるよう移動し得る、前記入口/出口領域に設けられた可動ガイド(400)とからなる紙幣の一時蓄積装置において、
前記シリンダ手段(154)の周囲に保持された紙幣の数に依存した距離だけ前記シリンダ手段の表面から前記可動ガイド(400)が離間するよう、前記可動ガイドを位置決めする電気的作動手段(408)を制御する制御手段を含み、それに前記シリンダ手段の周囲に紙幣を案内していることを特徴とする紙幣の一時蓄積装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置において;
前記可動ガイドは前記シリンダ手段から紙幣を排出する位置に移動可能である一時蓄積装置。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の装置において、
前記制御手段は、前記シリンダ手段に保持された紙幣の数の計数値を記憶し、新しい紙幣が加わる毎に該計数値を歩進していることを特徴する一時記憶装置。
【請求項15】
請求項12、13又は14に記載の装置において、
前記可動ガイドにモータ(408)が結合され、該モータの動きのみによって前記可動ガイドが動くことを特徴とする一時記憶装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置において:
前記モータは、逆回転可能であることを特徴とする一時蓄積装置。
【請求項17】
請求項15に記載の装置において:
前記モータは、ステッピングモータであることを特徴とする一時蓄積装置。
【請求項18】
請求項15に記載の装置において:
前記モータは、シリンダ手段の少なくとも一部に配置されていることを特徴とする一時蓄積装置。
【請求項19】
紙幣取り扱い装置であって、
本装置に入力されたシート状紙幣を受け取る入力手段(102)、
追加される紙幣の処理ができるよう、1枚以上の紙幣を本装置内に一時的に蓄積する一時蓄積装置(104)、及び
前記入力手段からの紙幣を紙幣通路上で搬送する搬送手段(116、118、120、122、132)とからなる装置において、
前記搬送手段は、当該紙幣通路の中間位置に紙幣を搬送し、該中間位置の紙幣が該一時蓄積装置に蓄積されている紙幣を取り除くことなく排出されるか、該一時蓄積装置に完全に蓄積されてしまうことなく金庫箱に輸送されるか、又は前記一時蓄積装置によって蓄積されることを特徴とする紙幣取り扱い装置。
【請求項20】
請求項19に記載の装置において、
前記一時蓄積装置はその周囲に紙幣を蓄積できる回転可能なシリンダ手段(154)、及び該シリンダ手段の周囲の主要部分に延在して該シリンダ手段に対して紙幣を保持するベルト手段(156)とを含み、
前記ベルト手段は、シリンダ手段が回転しているときに紙幣がシリンダ手段に導入されたりシリンダ手段が、排出される入口/出口領域に隙間を保っていることを特徴とする紙幣取り扱い装置。
【請求項21】
請求項20に記載の装置において、
該入力手段(102)に入力される紙幣を搬送する入力路手段、
拒絶された紙幣を出力するための第1の出力手段、及び
許容された紙幣を出力するための第2の出力手段とを含み、
該中間位置にある紙幣は、該中間位置から (i) 前記一時蓄積装置による蓄積されている紙幣を出力することなく該第1の出力手段により出力される、(ii) 前記一時蓄積装置による蓄積は完全にされることなしに該第2の出力手段により出力される、又は (iii) 前記一時蓄積装置に蓄積されるよう、選択的に移動されることを特徴とする紙幣取り扱い装置。
【請求項22】
請求項21に記載の装置において、
前記搬送手段は該入力路手段から第1の位置(240)への第1の方向に紙幣を移動させ、そして該第1の位置から前記中間位置である第2の位置へ紙幣を移動させるよう紙幣を逆方向に移動するよう動作していることを特徴とする紙幣取り扱い装置。
【請求項23】
請求項21又は22に記載の装置において、
前記中間位置は部分的蓄積位置であり、該中間位置にある紙幣の第1部分が前記シリンダ手段(154)の周囲にあり、そしてその紙幣の第2部分が前記入口/出口領域において前記シリンダ手段の隙間に維持されており、それによりその紙幣は前記シリンダ手段(154)に既に蓄積されている他の紙幣を排出することなく該部分的に蓄積された位置から排出されることを特徴とする紙幣取り扱い装置。
【請求項24】
請求項23に記載の装置において、
前記シリンダ手段(154)は紙幣を前記中間位置に移動させるため第1の回転方向に回転可能であり、そして前記第1又は第2の出力手段による出力のため紙幣を前記中間位置から排出させるための第2の回転方向に回転可能であることを特徴とする紙幣取り扱い装置。
【請求項25】
請求項23又は24に記載の装置において、
前記搬送手段(116、118、120、122、132)は前記中間位置への紙幣の第1の移動方向に紙幣を進め、そして前記中間位置から前記第1の移動方向に紙幣を移動するか又は前記第1の移動方向とは逆の第2の移動方向に紙幣を移動するか選択的に動作することを特徴とする紙幣取り扱い装置。
【請求項26】
請求項23、24又は25に記載の装置において、
紙幣の長さを検知するセンサー手段を更に含み、
前記搬送手段(116、118、120、122、132)は、紙幣の長さが受容可能な場合のみ、前記中間位置に紙幣を移動させるよう動作し、
前記搬送手段は紙幣の長さが受容可能でない場合に直接前記第1の出力手段へと紙幣を移動させるよう動作することを特徴とする紙幣取り扱い装置。
【請求項27】
請求項21に記載の装置において、
前記第1の出力手段は、前記第2の出力手段のいずれかによる出力のために紙幣を案内する出力路を更に含み、該出力路中の個所に前記中間位置があることを特徴とする紙幣取り扱い装置。
【請求項28】
請求項27に記載の装置において、
前記搬送手段(116、118、120、122、132)は、選択的に前記出力路における前記中間位置紙幣を移動させる第1の方向に動作し、そして、選択的に前記一時蓄積装置への紙幣を移動させる前記第1の移動方向とは逆の方向に動作することを特徴とする紙幣取り扱い装置。
【請求項29】
請求項27又は28に記載の装置において、
前記入力路から紙幣を前記出力路の前記中間位置へUターン路に沿って紙幣を案内する手段(134)を含むことを特徴とする紙幣取り扱い装置。
【請求項30】
請求項27、28又は29に記載の装置において、
前記シリンダ手段(154)は、紙幣がシリンダ手段に供給されるべき時に第1の回転方向に回転し、1枚以上の紙幣がシリンダ手段から排出されるべき時に第2の回転方向に回転することを特徴とする紙幣取り扱い装置。
【請求項31】
請求項30に記載の装置において、
前記第1移動方向と前記第2移動方向とに選択的に前記搬送手段を駆動する駆動手段、
前記シリンダ手段へ前記駆動手段からの駆動力を選択的に結合する伝達手段(176)であって、
前記搬送手段が第1の搬送方向に駆動されるときは前記シリンダ手段と前記第1の回転方向に回転させ、前記搬送手段が第2の搬送方向に駆動されるときは前記シリンダ手段を前記第2の回転方向に回転させている伝達手段とを更に含むことを特徴とする紙幣取り扱い装置。
【請求項32】
連続的に供給されてくる1枚以上の紙幣を蓄積して累積された束で紙幣を返却する一時蓄積装置において、
本一時蓄積装置に先に供給されて蓄積されていた紙幣を返却することなく、本一時蓄積装置から最も直近に供給された紙幣を個別に返却するよう選択的に動作することを特徴とする一時蓄積装置。
【請求項33】
請求項32に記載の装置において、
最も直近に供給された紙幣について、その一部分が蓄積位置にある状態で受け取る受け取り手段(154)を含み、該状態から紙幣は個別に排出され得る構成となっていることを特徴とする一時蓄積装置。
【請求項34】
請求項33に記載の装置において、
前記受け取り手段は、本装置により蓄積される1枚以上の紙幣を載置する手段(154)を有し、前記その一部が蓄積位置にある状態では、紙幣の第1の部分が前記載置手段により載置されており、その紙幣の第2の部分が載置手段から離れて維持されていることを特徴とする一時蓄積装置。
【請求項35】
請求項34に記載の装置において、
前記載置手段はシリンダ手段(154)からなり、該シリンダ手段はその周りに紙幣を蓄積する外周を有していることを特徴とする一時蓄積装置。
【請求項36】
請求項32、33、34又は35に記載の装置において、
本装置は紙幣を蓄積するためのエスクローであることを特徴とする一時蓄積装置。
【請求項37】
その外周囲に紙幣を蓄積するシリンダ手段(154)、
該シリンダ手段に対して紙幣を保持するための、該シリンダ手段の周囲の主要部に延在するエンドレスベルト手段(156)であって、1枚以上の紙幣がそこに導入され、そこから排出される該シリンダ手段の入口/出口領域に隙間を保っているエンドレスベルト手段、
1枚以上の紙幣が前記シリンダ手段に導入されるべき時に第1の回転方向に該シリンダ手段を回転させ、そして1枚以上の紙幣が該シリンダ手段から排出されるべきときに第2の回転方向に該シリンダ手段を回転させる駆動手段、及び
該駆動手段を制御して、該シリンダ手段に導入された紙幣を受け取るよう前記第1の回転方向に前記シリンダ手段を回転させる制御手段とからなる一時蓄積装置において、
前記制御手段は、紙幣の第1の部分が該シリンダ手段の周囲に受け取られ、その紙幣の第2の部分が前記入口/出口領域において前記シリンダ手段から離れているような部分的蓄積状態の位置で前記第1の回転方向の前記シリンダ手段の回転を停止させるよう前記駆動手段を制御していることを特徴とする一時蓄積装置。
【請求項38】
請求項37に記載の装置において、
前記制御手段は選択的に前記駆動手段を制御して、前記第1の回転方向の前記シリンダ手段の回転を再開して、前記入口/出口領域から離れた位置で前記シリンダ手段上に紙幣を蓄積していることを特徴とする一時蓄積装置。
【請求項39】
請求項37又は38に記載の装置において、
前記制御手段は、選択的に前記駆動手段を制御して、前記第2の回転方向に前記シリンダ手段を回転して、前記シリンダ手段の周囲に既に蓄積されている紙幣を排出することなしに前記シリンダから前記部分的に蓄積状態にある紙幣を排出していることを特徴とする一時蓄積装置。
【請求項40】
請求項32乃至39の1に記載の一時蓄積装置を含む、紙幣取り扱い装置。
【請求項41】
請求項32乃至39の1に記載の一時蓄積装置を含む、紙幣評価装置。
【請求項42】
1枚以上の紙幣をその周囲に蓄積できる回転可能な中間紙幣蓄積装置(154)を制御する方法であって、
供給されてきた紙幣を受け取るため第1の方向に前記蓄積装置(154)を第1の回転方向に回転させている方法において、
受け取り紙幣の第1の部分が前記蓄積装置の外周上にあり、該紙幣の第2の部分が前記蓄積装置から離れている状態となるような位置で、前記蓄積装置(154)の前記第1の回転方向の回転を停止し、
前記蓄積装置を前記第1の回転方向に回転し続けることにより、該紙幣は先に蓄積された紙幣と共に該蓄積装置に蓄積し、
前記蓄積装置を第1の回転方向と逆回転させることにより、先に蓄積されている紙幣とは係りなく該蓄積装置から紙幣を排出していることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2008−16062(P2008−16062A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−258769(P2007−258769)
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【分割の表示】特願平8−515886の分割
【原出願日】平成7年11月9日(1995.11.9)
【出願人】(506258187)エムイーアイ インコーポレーテッド (27)
【Fターム(参考)】