説明

紙葉類処理装置、紙葉類処理方法及び紙葉類処理プログラム

【課題】表裏を揃える作業を要することなく、投票用紙の種別を識別することができる。
【解決手段】投票用紙の候補者記入欄上から透過画像情報を取得する透過画像情報取得部23と、投票用紙種別毎に、投票用紙面側に表れるべき文字パターン及び/又は投票用紙裏面側に表れるべき逆さ文字パターンを予め記憶したパターン記憶部24Aと、透過画像情報の文字認識結果内に文字パターンがある場合、文字パターンに基づき、その投票用紙種別を識別すると共に、透過画像情報の文字認識結果内に逆さ文字パターンがある場合、逆さ文字パターンに基づき、その投票用紙種別を識別する投票用紙種別識別25Aとを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、投票用紙や商品券等の紙葉類の種別を識別する機能を備えた紙葉類処理装置、紙葉類処理方法及び紙葉類処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、投票用紙や商品券等の紙葉類の種別を識別する機能を備えた紙葉類処理装置等の紙葉類集積分類装置としては、複数の紙葉類をセットし、これら複数の紙葉類から一枚単位で紙葉類を搬送する搬送部と、紙葉類の種別を識別する識別情報を含む紙葉類の表面画像を搬送路上で取得する片面センサとを備え、この片面センサにて取得した紙葉類の表面画像内の識別情報に基づき紙葉類の種別を識別し、その識別した紙葉類の種別に応じて、その紙葉類を分類集積するものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような紙葉類集積分類装置として、例えば、投票用紙を集計する投票用紙集計装置が知られている。
【0004】
このような投票用紙集計装置では、搬送部で搬送した投票用紙から、その投票用紙表面の候補者記入欄を含む投票用紙の表面画像を片面センサにて取得し、その投票用紙の表面画像内の識別情報に基づき投票用紙の種別、例えば、候補者名を識別し、その識別した候補者名に応じて、その投票用紙を分類集積すると共に、その候補者名の票数を集計することになる。
【0005】
【特許文献1】特開2007−334773号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の紙葉類処理装置では、紙葉類の表面画像を取得する片面センサを配置するようにしたが、紙葉類の種別を識別する識別情報が紙葉類表面にしか表れない場合、その紙葉類が裏返しのまま搬送されると、その紙葉類の裏面画像は取得できるものの、必要な表面情報は取得することができず、紙葉類種別を識別できないことは勿論のこと、紙葉類を分類集積することもできない。
【0007】
また、紙葉類処理装置としての投票用紙集計装置では、投票用紙が裏返しのまま搬送されると、その投票用紙表面の候補者記入欄を含む投票用紙の表面画像を取得することができないため、投票用紙の種別、例えば、候補者名を識別できず、しかも、その投票用紙を分類集積できないことは勿論のこと、その候補者名の票数を集計することもできない。
【0008】
そこで、上記従来の紙葉類処理装置では、紙葉類を投入する際、その紙葉類の表裏を揃える作業が必要なため、その作業に要する作業者の負担は極めて大きい。
【0009】
また、上記従来の紙葉類処理装置では、紙葉類が裏返しのまま搬送されたとしても、その紙葉類の表面画像を取得できるように両面センサを配置することも考えられるが、両面センサは片面のみならず、両面に高価な受光素子を要することになるため、部品コストの増大は勿論のこと、その処理負担の増大にも繋がる。
【0010】
そこで、本発明は上記点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、紙葉類の表裏を揃える作業を要することなく、しかも、部品コストの抑制及び処理負担の軽減を図りながら、紙葉類の種別を識別することができる紙葉類処理装置、紙葉類処理方法及び紙葉類処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本願請求項1記載の紙葉類処理装置は、紙葉類の表面及び裏面の内、一方の面の紙葉類面上から透過画像情報を取得する透過画像情報取得手段と、前記紙葉類の種別毎に、前記紙葉類表面側に表れるべき紙葉類情報の紙葉類表面情報及び/又は前記紙葉類裏面側に表れるべき前記紙葉類情報の紙葉類裏面情報を予め記憶した紙葉類情報記憶手段と、前記透過画像情報取得手段にて取得した前記紙葉類の透過画像情報内に前記紙葉類情報記憶手段に記憶中の前記紙葉類表面情報がある場合、前記紙葉類表面情報に基づき、その紙葉類の種別を識別すると共に、前記透過画像情報取得手段にて取得した前記紙葉類の透過画像情報内に前記紙葉類情報記憶手段に記憶中の前記紙葉類裏面情報がある場合、前記紙葉類裏面情報に基づき、その紙葉類の種別を識別する紙葉類種別識別手段とを有するようにした。
【0012】
また、本願請求項2記載の紙葉類処理装置は、本願請求項1記載の構成において、前記紙葉類種別識別手段は、前記紙葉類の透過画像情報を文字認識する文字認識手段を有し、前記文字認識手段の文字認識結果が前記紙葉類表面情報に近似する場合、前記紙葉類の透過画像情報内に前記紙葉類表面情報があると判断すると共に、前記文字認識手段の前記文字認識結果が前記紙葉類裏面情報に近似する場合、前記紙葉類の透過画像情報内に前記紙葉類裏面情報があると判断するようにした。
【0013】
また、本願請求項3記載の紙葉類処理装置は、本願請求項1又は2記載の構成において、前記紙葉類情報は、前記紙葉類表面側に記載する所定文字に相当すると共に、前記紙葉類表面情報は、前記紙葉類表面側に表れるべき前記所定文字に関わる文字情報に相当すると共に、前記紙葉類裏面情報は、前記紙葉類裏面側に表れるべき前記所定文字の逆さ文字に関わる逆さ文字情報に相当し、前記紙葉類種別識別手段は、前記透過画像情報取得手段にて取得した前記透過画像情報内に前記紙葉類情報記憶手段に記憶中の前記文字情報がある場合、前記文字情報に基づき、その紙葉類の種別を識別すると共に、前記透過画像情報取得手段にて取得した前記透過画像情報内に前記紙葉類情報記憶手段に記憶中の前記逆さ文字情報がある場合、前記逆さ文字情報に基づき、その紙葉類の種別を識別するようにした。
【0014】
また、本願請求項4記載の紙葉類処理装置は、本願請求項3記載の構成において、前記紙葉類を一枚単位で搬送する搬送手段と、前記紙葉類の種別毎に、前記搬送手段で搬送する前記紙葉類を分類集積する複数の集積手段と、前記紙葉類種別識別手段にて識別した前記紙葉類の種別に応じて、その紙葉類の種別に対応する前記集積手段に前記紙葉類を分類集積すべく、前記搬送手段を駆動制御する駆動制御手段とを有するようにした。
【0015】
また、本願請求項5記載の紙葉類処理装置は、本願請求項4記載の構成において、前記駆動制御手段は、同一種別の紙葉類の内、前記文字情報に基づき識別した紙葉類と、前記逆さ文字情報に基づき識別した紙葉類とを異なる集積手段に分類集積すべく、前記搬送手段を駆動制御するようにした。
【0016】
また、上記目的を達成するために本願請求項6記載の紙葉類処理方法は、紙葉類の種別毎に、前記紙葉類表面側に表れるべき紙葉類情報の紙葉類表面情報及び/又は前記紙葉類裏面側に表れるべき前記紙葉類情報の紙葉類裏面情報を紙葉類情報記憶手段に予め記憶する記憶ステップと、前記紙葉類面上から透過画像情報を取得する透過画像情報取得ステップと、前記透過画像情報取得ステップにて取得した前記紙葉類の透過画像情報内に前記紙葉類情報記憶手段に記憶中の前記紙葉類表面情報がある場合、前記紙葉類表面情報に基づき、その紙葉類の種別を識別すると共に、前記透過画像情報取得ステップにて取得した前記紙葉類の透過画像情報内に前記紙葉類情報記憶手段に記憶中の前記紙葉類裏面情報がある場合、前記紙葉類裏面情報に基づき、その紙葉類の種別を識別する紙葉類種別識別ステップとを含むようにした。
【0017】
また、上記目的を達成するために本願請求項7記載の紙葉類処理プログラムは、紙葉類の種別毎に、前記紙葉類表面側に表れるべき紙葉類情報の紙葉類表面情報及び/又は前記紙葉類裏面側に表れるべき前記紙葉類情報の紙葉類裏面情報を紙葉類情報記憶手段に予め記憶する記憶手順と、前記紙葉類面上から透過画像情報を取得する透過画像情報取得手順と、前記透過画像情報取得手順にて取得した前記紙葉類の透過画像情報内に前記紙葉類情報記憶手段に記憶中の前記紙葉類表面情報がある場合、前記紙葉類表面情報に基づき、その紙葉類の種別を識別すると共に、前記透過画像情報取得手順にて取得した前記紙葉類の透過画像情報内に前記紙葉類情報記憶手段に記憶中の前記紙葉類裏面情報がある場合、前記紙葉類裏面情報に基づき、その紙葉類の種別を識別する紙葉類種別識別手順と含む処理プログラムをコンピュータ装置に実行させるようにした。
【発明の効果】
【0018】
上記のように構成された本願請求項1記載の紙葉類処理装置では、前記紙葉類の透過画像情報内に前記紙葉類表面情報がある場合、前記紙葉類表面情報に基づき、その紙葉類の種別を識別すると共に、前記紙葉類の透過画像情報内に前記紙葉類裏面情報がある場合、前記紙葉類裏面情報に基づき、その紙葉類の種別を識別するようにしたので、紙葉類の表裏を揃える作業を要することなく、しかも、部品コストの抑制及び処理負担の軽減を図りながら、透過画像情報から紙葉類の種別を識別することができるという効果を奏する。
【0019】
また、本願請求項1記載の紙葉類処理装置では、前記紙葉類の表面及び裏面の内、一方の面の紙葉類面上から透過画像情報を取得するようにしたので、両面センサに比較して、部品コストの大幅低減及び処理負担の軽減を図ることができるという効果を奏する。
【0020】
また、本願請求項2記載の紙葉類処理装置では、本願請求項1記載の効果に加えて、前記文字認識手段の文字認識結果が前記紙葉類表面情報に近似する場合、前記紙葉類の透過画像情報内に前記紙葉類表面情報があると判断すると共に、前記文字認識手段の前記文字認識結果が前記紙葉類裏面情報に近似する場合、前記紙葉類の透過画像情報内に前記紙葉類裏面情報があると判断するようにしたので、透過画像情報の文字認識結果から紙葉類の種別を識別することができるという効果を奏する。
【0021】
また、本願請求項3記載の紙葉類処理装置では、本願請求項1又は2記載の効果に加えて、前記透過画像情報内に前記文字情報がある場合、前記文字情報に基づき、その紙葉類の種別を識別すると共に、前記透過画像情報内に前記逆さ文字情報がある場合、前記逆さ文字情報に基づき、その紙葉類の種別を識別するようにしたので、紙葉類の表裏を揃える作業を要することなく、しかも、部品コストの抑制及び処理負担の軽減を図りながら、透過画像情報の文字情報又は逆さ文字情報から紙葉類の種別を識別することができるという効果を奏する。
【0022】
また、本願請求項4記載の紙葉類処理装置では、本願請求項3記載の効果に加えて、紙葉類種別識別手段にて識別した紙葉類の種別に応じて、その紙葉類の種別に対応する集積手段に紙葉類を分類集積すべく、搬送手段を駆動制御するようにしたので、紙葉類の種別に応じて分類集積することができるという効果を奏する。
【0023】
また、本願請求項5記載の紙葉類処理装置では、本願請求項4記載の効果に加えて、同一種別の紙葉類の内、前記文字情報に基づき識別した紙葉類と、前記逆さ文字情報に基づき識別した紙葉類とを異なる集積手段に分類集積すべく、前記搬送手段を駆動制御するようにしたので、同一種別の紙葉類の内、文字情報に基づき識別した紙葉類と、逆さ文字情報に基づき識別した紙葉類とに分別することで、同一種別の紙葉類に関する表裏分別点検の作業負担を軽減することができるという効果を奏する。
【0024】
また、上記のように構成された本願請求項6記載の紙葉類処理方法では、前記紙葉類の透過画像情報内に前記紙葉類表面情報がある場合、前記紙葉類表面情報に基づき、その紙葉類の種別を識別すると共に、前記紙葉類の透過画像情報内に前記紙葉類裏面情報がある場合、前記紙葉類裏面情報に基づき、その紙葉類の種別を識別するようにしたので、紙葉類の表裏を揃える作業を要することなく、しかも、部品コストの抑制及び処理負担の軽減を図りながら、透過画像情報から紙葉類の種別を識別することができるという効果を奏する。
【0025】
また、上記のように構成された本願請求項7記載の紙葉類処理プログラムでは、前記紙葉類の透過画像情報内に前記紙葉類表面情報がある場合、前記紙葉類表面情報に基づき、その紙葉類の種別を識別すると共に、前記紙葉類の透過画像情報内に前記紙葉類裏面情報がある場合、前記紙葉類裏面情報に基づき、その紙葉類の種別を識別するようにしたので、紙葉類の表裏を揃える作業を要することなく、しかも、部品コストの抑制及び処理負担の軽減を図りながら、透過画像情報から紙葉類の種別を識別することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面に基づき本発明の紙葉類処理装置、紙葉類処理方法及び紙葉類処理プログラムに関わる投票用紙集計システムの実施例について詳細に説明する。
【0027】
まず、本実施例の概要について説明するとすれば、その概要は、投票用紙の候補者記入欄の透過画像情報を取得し、透過画像情報内に候補者名の文字がある場合、その投票用紙の候補者名を識別すると共に、透過画像情報内に候補者名の逆さ文字がある場合、その投票用紙の候補者名を識別する。
【0028】
さらに、本実施例では、投票用紙の候補者名を識別すると、その投票用紙を候補者の票と判断し、その候補者に対応するスタッカに投票用紙を分類集積すると共に、その候補者の票数を集計する。
【0029】
その結果、本実施例では、投票用紙の表裏を揃える作業を要することなく、しかも、部品コストの抑制及び処理負担の軽減を図りながら、投票用紙が裏返しのまま搬送されたとしても、透過画像情報から投票用紙の種別を識別し、その投票用紙の集計作業を円滑に行うことができる。
【0030】
図1は、本実施例の投票用紙集計システムの外観構成を端的に示す説明図、図2は、投票用紙集計装置内部のメカ機構を端的に示す説明図である。
【実施例】
【0031】
図1に示す投票用紙集計システム1は、投票用紙の種別に応じて、投票用紙を分類集積する計4個のスタッカ14を備えた投票用紙集計装置2と、投票用紙集計装置2と連結接続すると共に、投票用紙種別に応じて投票用紙を分類集積する計8個のスタッカ14Aを備えた2台の増設ユニット3とを有している。
【0032】
図2に示す投票用紙集計装置2は、複数枚の投票用紙を投入載置するホッパ部11と、ホッパ部11に投入載置した投票用紙を一枚ずつ繰り出す繰出部12と、繰出部12を通じてホッパ部11から繰出される投票用紙を繰出方向と同一搬送方向に一枚単位で搬送する搬送部13と、投票用紙の投票用紙種別に応じて、搬送部13で搬送した投票用紙を分類集積するスタッカ14とを有している。
【0033】
また、投票用紙集計装置2は、ホッパ部11内の投票用紙の有無を検知するホッパ用検知センサ部15と、搬送部13にて搬送した投票用紙の候補者記入欄の透過画像を撮像する透過センサ部16と、スタッカ14内の投票用紙の有無を検知するスタッカ用検知センサ部17と、スタッカ14内に分類集積する投票用紙の枚数を検知する枚数検知センサ部18とを有している。
【0034】
図3は、投票用紙の表面を示す説明図である。
【0035】
図3に示す投票用紙100の表面には、有権者等が候補者名を記入するための候補者記入欄101を備えている。
【0036】
また、図4は、投票用紙集計装置2内部の概略構成を示すブロック図である。
【0037】
図4に示す投票用紙集計装置2は、繰出部12、搬送部13、ホッパ用検知センサ部15、透過センサ部16、スタッカ用検知センサ部17及び枚数検知センサ部18等のメカ機構21と、メカ機構21内の搬送部13及び繰出部12等を駆動制御する駆動制御部22と、透過センサ部16にて撮像した投票用紙の候補者記入欄の透過画像に基づき透過画像情報を取得する透過画像情報取得部23と、様々な情報を記憶する記憶部24と、投票用紙集計装置2全体を制御する制御部25とを有している。
【0038】
記憶部24は、候補者毎に、投票用紙種別を識別する4種類の文字パターンを記憶するパターン記憶部24Aと、投票用紙種別毎に投票用紙を分類集積するスタッカ14,14Aを管理するスタッカ管理記憶部24Bとを有している。
【0039】
図5は、パターン記憶部24Aに記憶中の候補者の4種類の文字パターンを端的に示す説明図である。
【0040】
図5に示す文字パターンとしては、例えば、候補者名を「福田康夫」とした場合、候補者名の文字パターン(天)50Aと、候補者名の文字パターン(地)50Bと、候補者名の逆さ文字パターン(天)50Cと、候補者名の逆さ文字パターン(地)50Dとの4種類がある。尚、候補者記入欄101の上端を「天」、候補者記入欄101の下端を「地」に相当するものである。
【0041】
図4に示す透過画像情報取得部23は、投票用紙100の表面を表向きにしたまま、その投票用紙100を搬送部13の搬送路上に搬送した場合、投票用紙100の候補者記入欄101表面の透過画像情報を取得すると共に、投票用紙100の表面を裏向きにしたまま、その投票用紙100を搬送路上に搬送した場合、投票用紙100の候補者記名欄101裏面の透過画像情報を取得するものである。
【0042】
また、制御部25は、透過画像情報取得部23にて取得した透過画像情報に基づき、投票用紙100の投票用紙種別を識別する投票用紙種別識別部25Aと、スタッカ14,14A毎に、枚数検知センサ部18を通じて、分類集積する投票用紙100の枚数を集計する票数集計部25Bと、規定外の投票用紙100をリジェクト票として識別するリジェクト識別部25Cとを有している。
【0043】
投票用紙種別識別部25Aは、透過画像情報内を文字認識する文字認識部25Dを有し、その文字認識結果内にパターン記憶部24Aに記憶中の候補者名の文字パターン(天)50Aがある場合、その投票用紙100の投票用紙種別を候補者の候補者有効表票(天)として識別するものである。尚、候補者有効表票は、投票用紙100表面を表向きのまま搬送路上を搬送した投票用紙100に相当するものである。
【0044】
また、投票用紙種別識別部25Aは、透過画像情報の文字認識結果内にパターン記憶部24Aに記憶中の候補者名の文字パターン(地)50Bがある場合、その投票用紙100の投票用紙種別を候補者の候補者有効表票(地)として識別するものである。
【0045】
投票用紙種別識別部25Aは、透過画像情報の文字認識結果内にパターン記憶部24Aに記憶中の候補者名の逆さ文字パターン(天)50Cがある場合、その投票用紙100の投票用紙種別を候補者の候補者有効裏票(天)として識別するものである。尚、候補者有効裏票は、投票用紙100表面を裏向きのまま搬送路上を搬送した投票用紙100に相当するものである。この際、投票用紙100の候補者記入欄101に候補者名が記入されている場合、透過画像情報内には同候補者名の逆さ文字が透かした状態で表れることになる。
【0046】
また、投票用紙種別識別部25Aは、透過画像情報の文字認識結果内にパターン記憶部24Aに記憶中の候補者名の逆さ文字パターン(地)50Dがある場合、その投票用紙100の投票用紙種別を候補者の候補者有効裏票(地)として識別するものである。
【0047】
また、投票用紙種別識別部25Aは、透過画像情報の文字認識結果内に候補者名の文字パターン又は逆さ文字パターンがないものの、何等かの文字がある場合、その投票用紙100の投票用紙種別を疑問票として識別するものである。
【0048】
また、投票用紙種別識別部25Aは、透過画像情報の文字認識結果内に候補者名の文字パターン又は逆さ文字パターンがなく、しかも、何等かの文字がない場合、その投票用紙100の投票用紙種別を白票として識別するものである。
【0049】
尚、駆動制御部22は、増設ユニット3内部のスタッカ14Aに投票用紙100を分類集積する際、投票用紙集計装置2内の搬送部13と増設ユニット3内部の図示せぬ搬送部とを駆動制御し、投票用紙100を増設ユニット3内のスタッカ14Aに搬送することも可能である。
【0050】
図6は、スタッカ単位で管理する投票用紙種別内容を端的に示す説明図である。
【0051】
スタッカ管理記憶部24Bでは、投票用紙集計装置2内部のスタッカ14を第1〜第4スタッカ、増設ユニット3内部のスタッカ14Aを第5〜第12スタッカ、増設ユニット3内部のスタッカ14Aを第13〜第20スタッカに割当設定するものである。
【0052】
スタッカ管理記憶部24Bでは、図6に示すように、第1スタッカをリジェクト票、第2スタッカを候補者Aの候補者A有効表票(天)、第3スタッカを候補者Aの候補者A有効表票(地)、第4スタッカを候補者Aの候補者A有効裏票(天)、第5スタッカを候補者Aの候補者A有効裏票(地)、第6スタッカを候補者Bの候補者B有効表票(天)、第7スタッカを候補者Bの候補者B有効表票(地)、第8スタッカを候補者Bの候補者B有効裏票(天)、第9スタッカを候補者Bの候補者B有効裏票(地)に割当設定するものである。
【0053】
また、スタッカ管理記憶部24Bでは、第10スタッカを候補者Cの候補者C有効表票(天)、第11スタッカを候補者Cの候補者C有効表票(地)、第12スタッカを候補者Cの候補者C有効裏票(天)、第13スタッカを候補者Cの候補者C有効裏票(地)、第14スタッカを候補者Dの候補者D有効表票(天)、第15スタッカを候補者Dの候補者D有効表票(地)、第16スタッカを候補者Dの候補者D有効裏票(天)、第17スタッカを候補者Dの候補者D有効裏票(地)、第18スタッカを白票、第19スタッカ及び第20スタッカを疑問票に割当設定するものである。
【0054】
また、制御部25は、例えば、投票用紙種別識別部25Aにて候補者Bの候補者B有効表票(天)を識別すると、スタッカ管理記憶部24Bに記憶中の候補者Bの候補者B有効表票(天)に対応する第6スタッカに、その候補者B有効表票(天)の投票用紙100を分類集積すべく、駆動制御部22を通じて搬送部13を駆動制御すると共に、票数集計部25Bを通じて第6スタッカ内の投票用紙100の枚数を+1インクリメントするものである。
【0055】
また、制御部25は、例えば、投票用紙種別識別部25Aにて候補者Dの候補者D有効表票(地)を識別すると、スタッカ管理記憶部24Bに記憶中の候補者Dの候補者D有効表票(地)に対応する第15スタッカに、その候補者D有効表票(地)の投票用紙100を分類集積すべく、駆動制御部22を通じて搬送部13を駆動制御すると共に、票数集計部25Bを通じて第15スタッカ内の投票用紙100の枚数を+1インクリメントするものである。
【0056】
また、制御部25は、例えば、投票用紙種別識別部25Aにて候補者Aの候補者A有効裏票(天)を識別すると、スタッカ管理記憶部24Bに記憶中の候補者Aの候補者A有効裏票(天)に対応する第4スタッカに、その候補者A有効裏票(天)の投票用紙100を分類集積すべく、駆動制御部22を通じて搬送部13を駆動制御すると共に、票数集計部25Bを通じて第4スタッカ内の投票用紙100の枚数を+1インクリメントするものである。
【0057】
また、制御部25は、例えば、投票用紙種別識別部25Aにて候補者Bの候補者B有効裏票(地)を識別すると、スタッカ管理記憶部24Bに記憶中の候補者Bの候補者B有効裏票(地)に対応する第9スタッカに、その候補者B有効裏票(地)の投票用紙100を分類集積すべく、駆動制御部22を通じて搬送部13を駆動制御すると共に、票数集計部25Bを通じて第9スタッカ内の投票用紙100の枚数を+1インクリメントするものである。
【0058】
また、制御部25は、例えば、投票用紙種別識別部25Aにて疑問票を識別すると、スタッカ管理記憶部24Bに記憶中の疑問票に対応する第19スタッカ又は第20スタッカに、疑問票の投票用紙100を分類集積すべく、駆動制御部22を通じて搬送部13を駆動制御すると共に、票数集計部25Bを通じて第19スタッカ又は第20スタッカ内の投票用紙100の枚数を+1インクリメントするものである。
【0059】
また、制御部25は、例えば、投票用紙種別識別部25Aにて白票を識別すると、スタッカ管理記憶部24Bに記憶中の白票に対応する第18スタッカに、その白票の投票用紙100を分類集積すべく、駆動制御部22を通じて搬送部13を駆動制御すると共に、票数集計部25Bを通じて第18スタッカ内の投票用紙100の枚数を+1インクリメントするものである。
【0060】
また、制御部25は、リジェクト識別部25Cにて規定外の投票用紙を検出すると、その規定外の投票用紙100をリジェクト票と判断し、そのリジェクト票に対応する第1スタッカに投票用紙100を分類集積すべく、駆動制御部22を通じて搬送部13を駆動制御すると共に、票数集計部25Bを通じて第1スタッカ内の投票用紙100の枚数を+1インクリメントするものである。
【0061】
尚、ここまで実施例の構成について説明したが、その実施例の構成要件と請求項記載の構成要件との対応関係を説明すると、紙葉類処理装置は投票用紙集計装置2、紙葉類は投票用紙100、透過画像情報取得手段は透過センサ部16及び透過画像情報取得部23、紙葉類表面情報は文字パターン50A、50B、紙葉類裏面情報は逆さ文字パターン50C,50D、紙葉類情報記憶手段はパターン記憶部24A、紙葉類種別識別手段は投票用紙種別識別部25A、文字認識手段は文字認識部25D、搬送手段は搬送部13、集積手段はスタッカ14,14A、駆動制御手段は駆動制御部22に対応するものである。
【0062】
次に、本実施例の投票用紙集計システム1の動作について説明する。図7は、投票用紙分類処理に関わる投票用紙集計装置2内部の制御部25の処理動作を示すフローチャートである。
【0063】
図7に示す投票用紙分類処理は、投票用紙100の候補者記入欄101の透過画像情報に基づき、投票用紙100の投票用紙種別を識別し、この識別した投票用紙100を分類集積すると共に、その候補者の投票用紙100の枚数を集計する処理である。
【0064】
例えば、作業者は、選挙区の投票箱を回収し、その投票箱から投票用紙100を開披し、これら複数の投票用紙100を投票用紙集計装置2のホッパ部11に投入載置する。尚、この際、作業者は、開披した投票用紙100を天地は勿論のこと、表裏を揃えることなく、これら投票用紙100をホッパ部11に投入載置するものである。
【0065】
投票用紙集計装置2内の駆動制御部22は、ホッパ部11から繰出部12を通じて一枚単位で搬送路上に繰り出す。
【0066】
図7において投票用紙集計装置2の制御部25内のリジェクト識別部25Cは、搬送路上の投票用紙が規定の投票用紙100であるか否かを判定する(ステップS11)。
【0067】
制御部25は、投票用紙が規定の投票用紙100である場合(ステップS11肯定)、透過画像情報取得部23を通じて、搬送路上に繰り出した投票用紙100上の候補者記入欄101の透過画像情報を取得する(ステップS12)。
【0068】
制御部25内部の投票用紙種別識別部25Aは、透過画像情報内を文字認識し、その文字認識結果内にパターン記憶部24Aに記憶中の候補者名の文字パターン(天又は地)50A又は50Bがあるか否かを判定する(ステップS13)。
【0069】
投票用紙種別識別部25Aは、透過画像情報の文字認識結果内に候補者名の文字パターン(天又は地)50A又は50Bがある場合(ステップS13肯定)、その投票用紙種別を識別し(ステップS14)、駆動制御部22を通じて、その投票用紙種別に対応したスタッカ14(14A)に投票用紙100を分類集積する(ステップS15)。
【0070】
尚、投票用紙種別識別部25Aでは、透過画像情報の文字認識結果内に文字パターン(天)50Aがある場合、投票用紙種別を候補者有効表票(天)として識別すると共に、透過画像情報の文字認識結果内に文字パターン(地)50Bがある場合、投票用紙種別を候補者有効表票(地)として識別するものである。
【0071】
制御部25内部の票数集計部25Bは、投票用紙種別に対応したスタッカ14(14A)に投票用紙100を分類集積すると、その投票用紙種別に応じて票数を+1インクリメントし(ステップS16)、図7に示す処理動作を終了する。
【0072】
また、投票用紙種別識別部25Aは、透過画像情報の文字認識結果内に候補者名の文字パターン(天又は地)50A又は50Bがない場合(ステップS13否定)、透過画像情報の文字認識結果内に候補者名の逆さ文字パターン(天又は地)50C又は50Dがあるか否かを判定する(ステップS17)。
【0073】
投票用紙種別識別部25Aは、透過画像情報の文字認識結果内に候補者名の逆さ文字パターン(天又は地)50C又は50Dがある場合(ステップS17肯定)、その投票用紙種別を識別し(ステップS18)、駆動制御部22を通じて、その投票用紙種別に対応したスタッカ14(14A)に投票用紙100を分類集積する(ステップS19)。
【0074】
尚、投票用紙種別識別部25Aでは、透過画像情報の文字認識結果内に逆さ文字パターン(天)50Cがある場合、投票用紙種別を候補者有効裏票(天)として識別すると共に、透過画像情報の文字認識結果内に逆さ文字パターン(地)50Dがある場合、投票用紙種別を候補者有効裏票(地)として識別するものである。
【0075】
票数集計部25Bは、投票用紙種別に対応したスタッカ14(14A)に投票用紙100を分類集積すると、その投票用紙種別に応じて票数を+1インクリメントし(ステップS20)、図7に示す処理動作を終了する。
【0076】
また、投票用紙種別識別部25Aは、透過画像情報の文字認識結果内に候補者名の逆さ文字パターン50C又は50Dがない場合(ステップS17否定)、透過画像情報の文字認識結果内に文字があるか否かを判定する(ステップS21)。
【0077】
投票用紙種別識別部25Aは、透過画像情報の文字認識結果内に文字がある場合(ステップS21肯定)、その投票用紙種別を疑問票として識別し(ステップS22)、駆動制御部22を通じて、疑問票に対応したスタッカ14(14A)に投票用紙100を分類集積する(ステップS23)。
【0078】
票数集計部25Bは、疑問票に対応したスタッカ14(14A)に投票用紙100を分類集積すると、その疑問票に応じて票数を+1インクリメントし(ステップS24)、図7に示す処理動作を終了する。
【0079】
また、投票用紙種別識別部25Aは、透過画像情報の文字認識結果内に文字がない場合(ステップS21否定)、透過画像情報の文字認識結果内が空欄と判断し、その投票用紙種別を白票として識別し(ステップS25)、駆動制御部22を通じて、白票に対応したスタッカ14(14A)に投票用紙100を分類集積する(ステップS26)。
【0080】
票数集計部25Bは、白票に対応したスタッカ14(14A)に投票用紙100を分類集積すると、その白票に応じて票数を+1インクリメントし(ステップS27)、図7に示す処理動作を終了する。
【0081】
また、リジェクト識別部25Cは、搬送路上の投票用紙が規定の投票用紙100でない場合(ステップS11否定)、その規定外の投票用紙と判断し、その投票用紙種別をリジェクト票として識別し(ステップS28)、駆動制御部22を通じて、リジェクト票に対応したスタッカ14(14A)に、そのリジェクト票を分類集積する(ステップS29)。
【0082】
票数集計部25Bは、リジェクト票に対応したスタッカ14(14A)にリジェクト票を分類集積すると、そのリジェクト票に応じて票数を+1インクリメントし(ステップS30)、図7に示す処理動作を終了する。
【0083】
図7に示す投票用紙分類処理では、投票用紙100の候補者記入欄101の透過画像情報の文字認識結果内に候補者名の文字パターン(天)50A又は文字パターン(地)50Bがある場合、その候補者名の候補者有効表票(天)又は候補者有効表票(地)に対応するスタッカ14(14A)に、その投票用紙を分類集積すると共に、その候補者の票数を+1インクリメントする。
【0084】
また、投票用紙分類処理では、投票用紙100の候補者記入欄101の透過画像情報の文字認識結果内に候補者名の逆さ文字パターン(天)50C又は逆さ文字パターン(地)50Dがある場合、その候補者名の候補者有効裏票(天)又は候補者有効裏票(地)に対応するスタッカ14(14A)に、その投票用紙100を分類集積すると共に、その候補者の票数を+1インクリメントする。
【0085】
また、投票用紙分類処理では、投票用紙100の候補者記入欄101の透過画像情報の文字認識結果内に候補者名の文字パターン50A,50B及び逆さ文字パターン50C,50D以外の文字がある場合、疑問票と判断し、その疑問票に対応するスタッカ14(14A)に、その疑問票の投票用紙100を分類集積すると共に、その疑問票の票数を+1インクリメントする。
【0086】
また、投票用紙分類処理では、投票用紙100の候補者記入欄101の透過画像情報の文字認識結果内に文字がない場合、白票と判断し、その白票に対応するスタッカ14(14A)に、その白票の投票用紙100を分類集積すると共に、その白票の票数を+1インクリメントする。
【0087】
また、投票用紙分類処理では、投票用紙100が規定の投票用紙以外の用紙の場合、リジェクト票と判断し、そのリジェクト票に対応するスタッカ14(14A)に、そのリジェクト票の投票用紙100を分類集積すると共に、そのリジェクト票の票数を+1インクリメントする。
【0088】
本実施例では、投票用紙100の候補者記入欄の透過画像情報を取得し、その透過画像情報の文字認識結果内に候補者名の文字パターン50A,50B又は逆さ文字パターン50C,50Dがある場合、その投票用紙100の投票用紙種別、例えば、候補者名を識別するようにしたので、投票用紙100の天地は勿論のこと、投票用紙100の表裏を揃える作業を要することなく、しかも、部品コストの抑制及び処理負担の軽減を図りながら、投票用紙100が裏返しのままで搬送されたとしても、投票用紙100の投票用紙種別を識別することができる。さらに、その結果、投票用紙種別に応じたスタッカ14,14Aに、その投票用紙100を分類集積すると共に、その投票用紙100を集計することができる。
【0089】
また、本実施例では、同一候補者の投票用紙100であっても、候補者有効表票(天)、候補者有効表票(地)、候補者有効裏票(天)及び候補者有効裏票(地)を別個のスタッカ14(14A)に分類集積することで、同一候補者の表裏天地の分別点検の作業負担を軽減することができる。
【0090】
また、本実施例では、搬送路上の投票用紙100の候補者記入欄101の透過画像を撮像する透過センサ部16を配置したので、両面センサを使用した場合に比較して、高価な受光素子の個数も減らすことができるため、部品コストを大幅に抑制することができると共に、その処理負担を大幅に軽減することができる。
【0091】
尚、上記実施例では、投票用紙集計装置2側に投票用紙種別識別部25A及びパターン記憶部24Aを配置し、投票用紙集計装置2内部の制御部25側で投票用紙分類処理を実行するようにしたが、例えば、投票用紙集計装置2及び増設ユニット3全体を監視制御するパソコン等の監視制御装置を投票用紙集計装置2に接続し、この監視制御装置側で投票用紙分類処理に関わる処理動作を実行し、その処理内容に基づき投票用紙100の分類集積及び集計を投票用紙集計装置2及び増設ユニット3に指示するようにしても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0092】
また、上記実施例では、同一候補者の投票用紙100であっても、候補者有効表票(天)、候補者有効表票(地)、候補者有効裏票(天)及び候補者有効裏票(地)の場合、これら投票用紙種別毎に別個のスタッカ14(14A)に分類集積するようにしたが、これら候補者有効表票(天)、候補者有効表票(地)、候補者有効裏票(天)及び候補者有効裏票(地)であっても同一候補者の投票用紙100の場合、同一候補者の投票用紙を同一スタッカ14(14A)に分類集積するようにしても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0093】
また、上記実施例では、透過画像情報内を文字認識し、その文字認識結果内に逆さ文字パターン50C(50D)がある場合、逆さ文字パターン50C(50D)に基づき、投票用紙100の投票用紙種別を候補者有効裏票として識別するようにしたが、候補者種別毎に文字パターン50A(50B)のみをパターン記憶部24Aに記憶しておき、文字認識結果内に文字パターン50A(50B)がない場合、文字認識結果内の文字を反転し、反転した文字が文字パターン50A(50B)に該当する場合は候補者有効裏票と識別するようにしても良いことは言うまでもない。
【0094】
また、上記実施例では、透過画像情報内を文字認識し、その文字認識結果内に文字パターン50A(50B)又は逆さ文字パターン50C(50D)がある場合、文字パターン50A(50B)又は逆さ文字パターン50C(50D)に基づき、投票用紙100の投票用紙種別を識別するようにしたが、文字認識を要することなく、透過画像情報内に文字パターン50A(50B)又は逆さ文字パターン50C(50D)に近似するパターンがある場合、文字パターン50A(50B)又は逆さ文字パターン50C(50D)に基づき、投票用紙100の投票用紙種別を識別するようにしても良い。
【0095】
また、上記実施例では、紙葉類として投票用紙を例に挙げて説明したが、投票用紙に限定されるものではなく、例えば、紙幣や商品券等の紙葉類についても適用可能であることは言うまでもない。
【0096】
以上、本発明の実施例について説明したが、本実施例によって本発明の技術的思想の範囲が限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲を逸脱しない限り、各種様々な実施例が実施可能であることは言うまでもない。また、本実施例に記載した効果は、これに限定されるものではない。
【0097】
また、本実施例で説明した各種処理の内、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動で行うことも可能であることは勿論のこと、その逆に、手動で行われるものとして説明した処理の全部又は一部を自動で行うことも可能であることは言うまでもない。また、本実施例で説明した処理手順、制御手順、具体的名称、各種データやパラメータを含む情報についても、特記した場合を除き、適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0098】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的に記載したものであって、必ずしも物理的に図示のように構成されるものではなく、その各装置の具体的な態様は図示のものに限縮されるものでは到底ないことは言うまでもない。
【0099】
さらに、各装置で行われる各種処理機能は、CPU(Central Processing Unit)(又はMPU(Micro Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上、又は同CPU(又はMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行するプログラム上、又はワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良いことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0100】
以上のように、本発明にかかる紙葉類処理装置は、紙葉類の透過画像情報内に紙葉類表面情報がある場合、紙葉類表面情報に基づき、その紙葉類の種別を識別すると共に、紙葉類の透過画像情報内に紙葉類裏面情報がある場合、紙葉類裏面情報に基づき、その紙葉類の種別を識別するようにしたので、紙葉類の表裏を揃える作業を要することなく、透過画像情報から紙葉類の種別を識別し、その紙葉類を分類集積する紙葉類分類集積装置に有用であり、特に、投票用紙を集計する投票用紙集計装置に適している。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本実施例の投票用紙集計システムの外観構成を端的に示す説明図である。
【図2】投票用紙集計装置内部のメカ機構を端的に示す説明図である。
【図3】投票用紙の表面を示す説明図である。
【図4】投票用紙集計装置内部の概略構成を示すブロック図である。
【図5】パターン記憶部に記憶中の候補者の4種類の文字パターンを端的に示す説明図である。
【図6】スタッカ単位で管理する投票用紙種別内容を端的に示す説明図である。
【図7】投票用紙分類処理に関わる投票用紙集計装置内部の制御部の処理動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0102】
1 投票用紙集計システム
2 投票用紙集計装置
3 増設ユニット
13 搬送部
14,14A スタッカ
16 透過センサ部
22 駆動制御部
23 透過画像情報取得部
24A パターン記憶部
25A 投票用紙種別識別部
25D 文字認識部
50A、50B 文字パターン
50C、50D 逆さ文字パターン
100 投票用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類の表面及び裏面の内、一方の面の紙葉類面上から透過画像情報を取得する透過画像情報取得手段と、
前記紙葉類の種別毎に、前記紙葉類表面側に表れるべき紙葉類情報の紙葉類表面情報及び/又は前記紙葉類裏面側に表れるべき前記紙葉類情報の紙葉類裏面情報を予め記憶した紙葉類情報記憶手段と、
前記透過画像情報取得手段にて取得した前記紙葉類の透過画像情報内に前記紙葉類情報記憶手段に記憶中の前記紙葉類表面情報がある場合、前記紙葉類表面情報に基づき、その紙葉類の種別を識別すると共に、前記透過画像情報取得手段にて取得した前記紙葉類の透過画像情報内に前記紙葉類情報記憶手段に記憶中の前記紙葉類裏面情報がある場合、前記紙葉類裏面情報に基づき、その紙葉類の種別を識別する紙葉類種別識別手段と
を有することを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項2】
前記紙葉類種別識別手段は、
前記紙葉類の透過画像情報を文字認識する文字認識手段を有し、
前記文字認識手段の文字認識結果が前記紙葉類表面情報に近似する場合、前記紙葉類の透過画像情報内に前記紙葉類表面情報があると判断すると共に、前記文字認識手段の前記文字認識結果が前記紙葉類裏面情報に近似する場合、前記紙葉類の透過画像情報内に前記紙葉類裏面情報があると判断することを特徴とする請求項1記載の紙葉類処理装置。
【請求項3】
前記紙葉類情報は、
前記紙葉類表面側に記載する所定文字に相当すると共に、
前記紙葉類表面情報は、
前記紙葉類表面側に表れるべき前記所定文字に関わる文字情報に相当すると共に、
前記紙葉類裏面情報は、
前記紙葉類裏面側に表れるべき前記所定文字の逆さ文字に関わる逆さ文字情報に相当し、
前記紙葉類種別識別手段は、
前記透過画像情報取得手段にて取得した前記透過画像情報内に前記紙葉類情報記憶手段に記憶中の前記文字情報がある場合、前記文字情報に基づき、その紙葉類の種別を識別すると共に、前記透過画像情報取得手段にて取得した前記透過画像情報内に前記紙葉類情報記憶手段に記憶中の前記逆さ文字情報がある場合、前記逆さ文字情報に基づき、その紙葉類の種別を識別することを特徴とする請求項1又は2記載の紙葉類処理装置。
【請求項4】
前記紙葉類を一枚単位で搬送する搬送手段と、
前記紙葉類の種別毎に、前記搬送手段で搬送する前記紙葉類を分類集積する複数の集積手段と、
前記紙葉類種別識別手段にて識別した前記紙葉類の種別に応じて、その紙葉類の種別に対応する前記集積手段に前記紙葉類を分類集積すべく、前記搬送手段を駆動制御する駆動制御手段と
を有することを特徴とする請求項3記載の紙葉類処理装置。
【請求項5】
前記駆動制御手段は、
同一種別の紙葉類の内、前記文字情報に基づき識別した紙葉類と、前記逆さ文字情報に基づき識別した紙葉類とを異なる集積手段に分類集積すべく、前記搬送手段を駆動制御することを特徴とする請求項4記載の紙葉類処理装置。
【請求項6】
紙葉類の種別毎に、前記紙葉類表面側に表れるべき紙葉類情報の紙葉類表面情報及び/又は前記紙葉類裏面側に表れるべき前記紙葉類情報の紙葉類裏面情報を紙葉類情報記憶手段に予め記憶する記憶ステップと、
前記紙葉類面上から透過画像情報を取得する透過画像情報取得ステップと、
前記透過画像情報取得ステップにて取得した前記紙葉類の透過画像情報内に前記紙葉類情報記憶手段に記憶中の前記紙葉類表面情報がある場合、前記紙葉類表面情報に基づき、その紙葉類の種別を識別すると共に、前記透過画像情報取得ステップにて取得した前記紙葉類の透過画像情報内に前記紙葉類情報記憶手段に記憶中の前記紙葉類裏面情報がある場合、前記紙葉類裏面情報に基づき、その紙葉類の種別を識別する紙葉類種別識別ステップと
を含むことを特徴とする紙葉類処理方法。
【請求項7】
紙葉類の種別毎に、前記紙葉類表面側に表れるべき紙葉類情報の紙葉類表面情報及び/又は前記紙葉類裏面側に表れるべき前記紙葉類情報の紙葉類裏面情報を紙葉類情報記憶手段に予め記憶する記憶手順と、
前記紙葉類面上から透過画像情報を取得する透過画像情報取得手順と、
前記透過画像情報取得手順にて取得した前記紙葉類の透過画像情報内に前記紙葉類情報記憶手段に記憶中の前記紙葉類表面情報がある場合、前記紙葉類表面情報に基づき、その紙葉類の種別を識別すると共に、前記透過画像情報取得手順にて取得した前記紙葉類の透過画像情報内に前記紙葉類情報記憶手段に記憶中の前記紙葉類裏面情報がある場合、前記紙葉類裏面情報に基づき、その紙葉類の種別を識別する紙葉類種別識別手順と
を含む処理プログラムをコンピュータ装置に実行させることを特徴とする紙葉類処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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