説明

紙葉類鑑別用光学センサ装置

【課題】紙葉類鑑別用光学センサ装置の透過光量パターンの検出性能を改善する。
【解決手段】上センサ組立体(1)と下センサ組立体(2)とを紙葉類鑑別用光学センサ装置に設ける。上センサ組立体(1)の上配線基板(11)上に上発光素子(21)と上受光素子(37)とを正確な位置に表面実装すると共に、下センサ組立体(2)の下配線基板(12)上に下発光素子(31)と下受光素子(38)とを正確な位置に表面実装して、下発光素子(31)から照射されて搬送通路(55)を通る有価紙葉(50)を透過する光を上受光素子(37)により受光し、上発光素子(21)から照射されて搬送通路(55)を通る有価紙葉(50)を透過する光を下受光素子(38)により受光する。これにより、有価紙葉の透過光量パターンの検出精度を向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学センサ装置、特に、有価紙葉を透過し又は有価紙葉上で反射する複数の光により紙幣等の有価紙葉の複数の光学的特徴を検出して、有価紙葉の鑑別性能を向上する光学センサ装置に属する。
【背景技術】
【0002】
図22は、有価紙葉である紙幣を透過し又は紙幣上で反射する複数の光により紙幣の複数の光学的特徴を検出する従来の紙幣鑑別装置(100)を示す。紙幣鑑別装置(100)は、入口(101)に挿入される紙幣(50)を搬送通路(55)に沿って搬送する搬送装置(102)と、搬送通路(55)に沿って移動する紙幣(50)の光学的特性及び磁気的特性を検出するセンサ装置(110)と、センサ装置(110)の出力を受信して紙幣(50)の真贋を判断すると共に、搬送装置(102)に駆動信号を付与する制御装置(103)とを備える。フレーム(104)は、金属製のパネルにより形成された上部フレーム(104a)及び下部フレーム(104b)から構成され、搬送装置(102)、センサ装置(110)及び制御装置(103)は、フレーム(104)内に収容される。
【0003】
図示しないが、制御装置(103)は、紙幣(50)の透過光量パターン情報又は磁気パターン情報を予め記憶する記憶装置と、センサ装置(110)の出力する紙幣(50)の情報と記憶装置内に記憶される紙幣情報とを比較し、これらの情報の一致又は不一致により紙幣(50)の種類又は真偽を判定して、搬送装置(102)を制御する中央演算処理装置とを備える。センサ装置(110)は、紙幣(50)の光学的特徴を検出して検出信号を発生する光学センサ装置(111)と、紙幣(50)の予め決められた位置に印刷された磁性インキを検出して検出信号を発生する磁気センサ装置(112)とを備える。制御装置(103)は、光学センサ装置(111)又は磁気センサ装置(112)から受信する検出信号と記憶装置からの信号との比較により紙幣(50)の真贋を判断する。光学センサ装置(111)又は磁気センサ装置(112)から受信する検出信号と記憶装置からの信号とが一致して、制御装置(103)が紙幣(50)を真正と判断するとき、搬送装置(102)を更に駆動し、出口(106)を通じて紙幣(50)を集積室(105)内に収納する。逆に、光学センサ装置(111)又は磁気センサ装置(112)から受信する検出信号と記憶装置からの信号とが一致せずに、制御装置(103)が紙幣(50)を真正と判断しないとき、搬送装置(102)を逆転して、紙幣(50)を入口(101)に戻す。この種の紙葉類鑑別装置は、例えば、下記特許文献1により公知である。
【0004】
図23に示すように、紙葉類鑑別装置(100)では、光学センサ装置(111)は、搬送通路(55)に隣接してかつ搬送通路(55)を挟んで反対側に互いに垂直方向に分離して配置される発光ダイオード(114)と受光トランジスタ(115)からなるホトカプラにより構成される。発光ダイオード(114)及び受光トランジスタ(115)は、砲弾型の樹脂封止体(114a,115a)から導出する外部リード(117)を有し、フレーム(104)内に設けられる上部及び下部プリント基板(116)のスルーホールに外部リード(117)を挿入するピン挿入方式により、発光ダイオード(114)及び受光トランジスタ(115)は、上部及び下部プリント基板(116)に取り付けられる。発光ダイオード(114)と受光トランジスタ(115)は、それぞれ半球状のレンズを形成する樹脂封止体(114a,115a)に対向して、円柱レンズ(118)が設けられる。この種の光学センサ装置は、例えば、下記特許文献2〜5により公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2006−512668号公報
【特許文献2】特開2002−71568号公報
【特許文献3】実公平6−22186号公報
【特許文献4】実用新案登録第3037946号公報
【特許文献5】米国特許第5903339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ピン挿入方式による従来の光学センサ装置では、樹脂封止体から導出される外部リードを介してプリント基板に発光ダイオードを取り付けるので、発光ダイオードの外部リードの形状若しくはスルーホールへの挿入位置の差異により、複数の発光ダイオードの垂直方向及び水平方向の取付位置が不均一になる虞れがあり、複数の発光ダイオードの発光軸の位置決めを高精度に維持できないため、有価紙葉上の特定位置に光を正確に照射して有価紙葉の光学的特徴の効果的な検出が妨げられた。また、前記発光ダイオードでは、樹脂封止体及び樹脂封止体から導出される外部リードにより、光学センサ装置の高さ又は厚さが増大し、光学センサ数を増加して透過光量パターンの検出精度を向上させる程、光学センサ装置の占有面積が増大して、紙葉類鑑別装置がより大型化する欠陥がある。更に、従来の光学センサ装置では、発光ダイオード及び受光トランジスタ自身、砲弾型のレンズ部を備える上に円柱レンズを設けるため、発光ダイオードからの光束が光学センサ装置の製造誤差により変動し、光束の均一化に影響を与える欠陥がある。他面、紙幣の多数の微小領域から多色透過光データを抽出して、異なる波長の光出力の差又は比が所定の範囲に該当するか否かを精密に決定することが近代的紙幣鑑別法であるといえよう。
【0007】
従って、本発明の目的は、透過光量パターンの検出性能を改善して有価紙葉の複数の光学的特徴を検出できる光学センサ装置を提供することにある。本発明の別の目的は、発光素子の発光軸を正確に制御して、有価紙葉の透過光量パターンの検出精度を向上できる光学センサ装置を提供することである。本発明の別の目的は、少ない数の受光素子により増加する数の発光素子から照射される異なる波長の光を受光して鑑別性能を向上できる光学センサ装置を提供することにある。本発明の更に別の目的は、有価紙葉の複数の光学的特徴を検出する複数の発光素子間の間隔を減少しかつ発光素子と受光素子との間の間隔を減少して、小型の光学センサ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
四発光受光素子を有する本発明による紙葉類鑑別用光学センサ装置は、上センサ組立体(1)と、有価紙葉(50)を搬送する搬送通路(55)を介して上センサ組立体(1)に対向して配置される下センサ組立体(2)とを備える。上センサ組立体(1)は、複数の上リード(61)を有する上配線基板(11)と、上配線基板(11)上に表面実装されかつ対応する上リード(61)に電気的に接続される2個の端子を有する上発光素子(21)と、上配線基板(11)上に表面実装されかつ対応する上リード(61)に電気的に接続される2個の端子を有する上受光素子(37)とを備える。下センサ組立体(2)は、複数の下リード(62)を有する下配線基板(12)と、下配線基板(12)上に表面実装されかつ対応する下リード(62)に電気的に接続される2個の端子を有する下発光素子(31)と、下配線基板(12)上に表面実装されかつ対応する下リード(62)に電気的に接続される2個の端子を有する下受光素子(38)とを備える。上受光素子(37)は、下発光素子(31)から照射されて搬送通路(55)を通る有価紙葉(50)を透過する光を受光し、下受光素子(38)は、上発光素子(21)から照射されて搬送通路(55)を通る有価紙葉(50)を透過する光を受光する。
【0009】
本発明による四発光受光素子を有する紙葉類鑑別用光学センサ装置では、下記の理由により紙葉類の透過光の透過光量パターンの検出精度を向上することができる。
[1−1] 紙葉類鑑別用光学センサ装置を製造する際に、マウンタ(実装機)により上発光素子(21)及び下発光素子(31)を把持(吸着)して、それぞれ数マイクロメータの精度で上配線基板(11)及び配線基板(12)上の所定の表面位置に上発光素子(21)及び下発光素子(31)を正確に実装でき、上受光素子(31)及び下受光素子(32)により有価紙葉(50)上の特定位置で正確に透過光を検出することができる。
[1−2] 何れも発光ダイオードチップである上発光素子(21)及び下発光素子(31)を上配線基板(11)及び下配線基板(12)の表面に実装するので、樹脂封止体から導出する外部リードをスルーホールに挿入するピン挿入方式に比べて、上センサ組立体(1)及び下センサ組立体(2)の厚さと配列長さを顕著に減少することができる。
[1−3] 上発光素子(21)及び下発光素子(31)をそれぞれ上配線基板(11)及び下配線基板(12)に直接固着するので、ピン挿入方式に発生する外部リード及びスルーホールによる変位又は取付誤差がなく、上発光素子(21)及び下発光素子(31)の光軸を高精度に対向する光学素子に整合させることができる。
【0010】
六発光受光素子を有する本発明による紙葉類鑑別用光学センサ装置は、上センサ組立体(1)と、有価紙葉(50)を搬送する搬送通路(55)を介して上センサ組立体(1)に対向して配置される下センサ組立体(2)とを備える。上センサ組立体(1)は、複数の上リード(61)を有する上配線基板(11)と、上配線基板(11)上に個別に表面実装されかつ対応する上リード(61)に電気的に接続される2個の端子をそれぞれ有する第1及び第2の上発光素子(21,22)と、上配線基板(11)上に表面実装されかつ対応する上リード(61)に電気的に接続される2個の端子を有する上受光素子(37)とを備える。下センサ組立体(2)は、複数の下リード(62)を有する下配線基板(12)と、下配線基板(12)上に個別に表面実装されかつ対応する下リード(62)に電気的に接続される2個の端子をそれぞれ有する第1及び第2の下発光素子(31,32)と、下配線基板(12)上に表面実装されかつ対応する下リード(62)に電気的に接続される2個の端子を有する下受光素子(38)とを備える。上受光素子(37)は、第1及び第2の下発光素子(31,32)から照射されて搬送通路(55)を通る有価紙葉(50)を透過する光を受光し、下受光素子(38)は、第1及び第2の上発光素子(21,22)から照射されて搬送通路(55)を通る有価紙葉(50)を透過する光を受光する。
【0011】
本発明による六発光受光素子を有する紙葉類鑑別用光学センサ装置では、下記の理由により紙葉類の透過光の透過光量パターンを高精度で検出することができる。
[2−1] 紙葉類鑑別用光学センサ装置を製造する際に、マウンタ(実装機)により上発光素子(21)及び下発光素子(31)を把持(吸着)して、それぞれ数マイクロメータの精度で上配線基板(11)及び配線基板(12)上の所定の表面位置に上発光素子(21)及び下発光素子(31)を正確に実装でき、上受光素子(31)及び下受光素子(32)により有価紙葉(50)上の特定位置で正確に透過光を検出することができる。
[2−2] 1mm以下、好ましくは0.6mm以下のピッチ間隔で隣り合う第1の上発光素子(21)と第2の上発光素子(22)とを上配線基板(11)の表面上に実装すると共に、1mm以下、好ましくは0.6mm以下のピッチ間隔で隣り合う第1の下発光素子(31)及び第2の下発光素子(32)とを下配線基板(12)の表面上に実装することができるため、第1及び第2の上発光素子(21,22)から照射されて実質的に同一の有価紙葉(50)の領域を透過する光を下受光素子(38)により検出すると共に、第1及び第2の下発光素子(31,32)から照射されて実質的に同一の有価紙葉(50)の領域を透過する光を上受光素子(37)により検出して、同一領域の透過光量パターンの検出精度を向上することができる。しかしながら、発光素子間のピッチ間隔は、発光素子の寸法と絶縁条件を考慮して、当業者が必要に応じて適宜設定できる長さである。
[2−3] 何れも発光ダイオードチップである第1及び第2の上発光素子(21,22)及び第1及び第2の下発光素子(31,32)をそれぞれ上配線基板(11)及び下配線基板(12)の各表面に実装するので、樹脂封止体から導出される外部リードをスルーホールに挿入するピン挿入方式に比べて、上センサ組立体(1)及び下センサ組立体(2)の厚さと配列長さを顕著に減少することができる。
[2−4] 第1及び第2の上発光素子(21,22)並びに第1及び第2の下発光素子(31,32)をそれぞれ上配線基板(11)及び下配線基板(12)に直接固着するので、ピン挿入方式に発生する外部リード及びスルーホールによる変位又は取付誤差がなく、第1及び第2の上発光素子(21,22)及び第1及び第2の下発光素子(31,32)の光軸を高精度に対向する光学素子に整合させることができる。
[2−5] 従来の紙葉類鑑別用光学センサ装置と比較して、異なる波長の光を発生する発光素子数及び検出する透過光量パターン数を増加して、鑑別性能を向上できる上、受光素子数を減少して、製造価格を低減することができる。
【0012】
八発光受光素子を有する本発明による紙葉類鑑別用光学センサ装置は、上センサ組立体(1)と、有価紙葉(50)を搬送する搬送通路(55)を介して上センサ組立体(1)に対向して配置される下センサ組立体(2)とを備える。上センサ組立体(1)は、複数の上リード(61)を有する上配線基板(11)と、上配線基板(11)上に個別に表面実装されかつ対応する上リード(61)に電気的に接続される2個の端子をそれぞれ有する第1、第2及び第3の上発光素子(21,22,23)と、上配線基板(11)上に表面実装されかつ対応する上リード(61)に電気的に接続される2個の端子を有する上受光素子(37)とを備える。下センサ組立体(2)は、複数の下リード(62)を有する下配線基板(12)と、下配線基板(12)上に個別に表面実装されかつ対応する下リード(62)に電気的に接続される2個の端子をそれぞれ有する第1、第2及び第3の下発光素子(31,32,33)と、下配線基板(12)上に表面実装されかつ対応する下リード(62)に電気的に接続される2個の端子を有する下受光素子(38)とを備える。上受光素子(37)は、第1、第2及び第3の下発光素子(31,32,33)から照射されて搬送通路(55)を通る有価紙葉(50)を透過する光を受光し、下受光素子(38)は、第1、第2及び第3の上発光素子(21,22,23)から照射されて搬送通路(55)を通る有価紙葉(50)を透過する光を受光する。
【0013】
八発光受光素子を有する本発明の紙葉類鑑別用光学センサ装置では、下記の理由により紙葉類の透過光の透過光量パターンを高精度で検出することができる。
[3−1] 紙葉類鑑別用光学センサ装置を製造する際に、マウンタ(実装機)により、第1、第2及び第3の上発光素子(21,22,23)並びに第1、第2及び第3の下発光素子(31,32,33)を把持(吸着)して、それぞれ数マイクロメータの精度で上配線基板(11)及び配線基板(12)上の所定の表面位置に第1、第2及び第3の上発光素子(21,22,23)並びに第1、第2及び第3の下発光素子(31,32,33)を正確に実装して、上受光素子(31)及び下受光素子(32)により有価紙葉(50)上の特定位置で正確に透過光を検出することができる。
[3−2] 1mm以下、好ましくは0.6mm以下のピッチ間隔で隣り合う第1の上発光素子(21)と第2の上発光素子(22)とを上配線基板(11)の表面上に実装しかつ1mm以下、好ましくは0.6mm以下のピッチ間隔で隣り合う第1の下発光素子(31)及び第2の下発光素子(32)とを下配線基板(12)の表面上に実装できる。このため、隣り合う第1、第2及び第3の上発光素子(21,22,23)から照射されて実質的に同一の有価紙葉(50)の領域を透過する光を下受光素子(38)により検出すると共に、隣り合う第1、第2及び第3の下発光素子(31,32,33)から照射されて実質的に同一の有価紙葉(50)の領域を透過する光を上受光素子(37)により検出して、同一領域の透過光量パターンの検出精度を向上することができる。
[3−3] 何れも発光ダイオードチップである第1、第2及び第3の上発光素子(21,22,23)並びに第1、第2及び第3の下発光素子(31,32,33)をそれぞれ上配線基板(11)及び下配線基板(12)の表面に実装するので、ピン挿入方式に比べて、上センサ組立体(1)及び下センサ組立体(2)の厚さと配列長さを顕著に減少することができる。
[3−4] 第1、第2及び第3の上発光素子(21,22,23)並びに第1、第2及び第3の下発光素子(31,32,33)をそれぞれ上配線基板(11)及び下配線基板(12)に直接固着するので、ピン挿入方式に発生する外部リード及びスルーホールによる変位又は取付誤差がなく、第1、第2及び第3の上発光素子(21,22,23)並びに第1、第2及び第3の下発光素子(31,32,33)の光軸を高精度に対向する光学素子に整合させることができる。
[3−5] 従来の紙葉類鑑別用光学センサ装置と比較して、異なる波長の光を発生する発光素子数及び検出する透過光量パターン数を増加して、鑑別性能を向上できる上、受光素子数を減少して、製造価格を低減することができる。
【0014】
十発光受光素子を有する本発明による紙葉類鑑別用光学センサ装置の第1の実施の形態は、上センサ組立体(1)と、有価紙葉(50)を搬送する搬送通路(55)を介して上センサ組立体(1)に対向して配置される下センサ組立体(2)とを備える。上センサ組立体(1)は、複数の上リード(61)を有する上配線基板(11)と、上配線基板(11)上に個別に表面実装されかつ対応する上リード(61)に電気的に接続される2個の端子をそれぞれ有する第1、第2、第3及び第4の上発光素子(21,22,23,24)と、上配線基板(11)上に表面実装されかつ対応する上リード(61)に電気的に接続される2個の端子を有する上受光素子(37)とを備える。下センサ組立体(2)は、複数の下リード(62)を有する下配線基板(12)と、下配線基板(12)上に個別に表面実装されかつ対応する下リード(62)に電気的に接続される2個の端子をそれぞれ有する第1、第2、第3及び第4の下発光素子(31,32,33,34)と、下配線基板(12)上に表面実装されかつ対応する下リード(62)に電気的に接続される2個の端子を有する下受光素子(38)とを備える。上受光素子(37)は、第1、第2、第3及び第4の下発光素子(31,32,33,34)から照射されて搬送通路(55)を通る有価紙葉(50)を透過する光を受光し、下受光素子(38)は、第1、第2、第3及び第4の上発光素子(21,22,23,24)から照射されて搬送通路(55)を通る有価紙葉(50)を透過する光を受光する。
【0015】
十発光受光素子を有する本発明の紙葉類鑑別用光学センサ装置の第1の実施の形態では、下記の理由により紙葉類の透過光の透過光量パターンを高精度で検出することができる。
[4−1] 紙葉類鑑別用光学センサ装置を製造する際に、マウンタ(実装機)により、第1、第2、第3及び第4の上発光素子(21,22,23,24)並びに第1、第2、第3及び第4の下発光素子(31,32,33,34)を把持(吸着)して、それぞれ数マイクロメータの精度で上配線基板(11)及び配線基板(12)上の所定の表面位置に第1、第2、第3及び第4の上発光素子(21,22,23,24)並びに第1、第2、第3及び第4の下発光素子(31,32,33,34)を正確に実装して、上受光素子(31)及び下受光素子(32)により有価紙葉(50)上の特定位置で正確に透過光を検出することができる。
[4−2] 1mm以下、好ましくは0.6mm以下のピッチ間隔で隣り合う第1の上発光素子(21)と第2の上発光素子(22)とを上配線基板(11)の表面上に実装しかつ1mm以下、好ましくは0.6mm以下のピッチ間隔で隣り合う第1の下発光素子(31)及び第2の下発光素子(32)とを下配線基板(12)の表面上に実装できる。このため、隣り合う第1、第2、第3及び第4の上発光素子(21,22,23,24)から照射されて実質的に同一の有価紙葉(50)の領域を透過する光を下受光素子(38)により検出すると共に、隣り合う第1、第2、第3及び第4の下発光素子(31,32,33,34)から照射されて実質的に同一の有価紙葉(50)の領域を透過する光を上受光素子(37)により検出して、同一領域の透過光量パターンの検出精度を向上することができる。
[4−3] 何れも発光ダイオードチップである第1、第2、第3及び第4の上発光素子(21,22,23,24)並びに第1、第2、第3及び第4の下発光素子(31,32,33,34)をそれぞれ上配線基板(11)及び下配線基板(12)の表面に実装するので、ピン挿入方式に比べて、上センサ組立体(1)及び下センサ組立体(2)の厚さと配列長さを顕著に減少することができる。
[4−4] 第1、第2、第3及び第4の上発光素子(21,22,23,24)並びに第1、第2、第3及び第4の下発光素子(31,32,33,34)をそれぞれ上配線基板(11)及び下配線基板(12)に直接固着するので、ピン挿入方式に発生する外部リード及びスルーホールによる変位又は取付誤差がなく、第1、第2、第3及び第4の上発光素子(21,22,23,24)並びに第1、第2、第3及び第4の下発光素子(31,32,33,34)の光軸を高精度に対向する光学素子に整合させることができる。
[4−5] 従来の紙葉類鑑別用光学センサ装置と比較して、異なる波長の光を発生する発光素子数及び検出する透過光量パターン数を増加して、鑑別性能を向上できる上、受光素子数を減少して、製造価格を低減することができる。
【0016】
十発光受光素子を有する本発明の紙葉類鑑別用光学センサ装置の第2の実施の形態は、上センサ組立体(1)と、有価紙葉(50)を搬送する搬送通路(55)を介して上センサ組立体(1)に対向して配置される下センサ組立体(2)とを備える。上センサ組立体(1)は、複数の上リード(61)を有する上配線基板(11)と、上配線基板(11)上に個別に表面実装されかつ対応する上リード(61)に電気的に接続される2個の端子をそれぞれ有する第1、第2、第3及び第4の上発光素子(21,22,23,24)と、上配線基板(11)上に表面実装されかつ対応する上リード(61)に電気的に接続されかつ対応する上リード(61)に電気的に接続される2個の端子を有する上受光素子(37)とを備える。下センサ組立体(2)は、複数の下リード(62)を有する下配線基板(12)と、下配線基板(12)上に個別に表面実装されかつ対応する下リード(62)に電気的に接続される2個の端子をそれぞれ有する第1、第2、第3及び第4の下発光素子(31,32,33,34)と、下配線基板(12)上に表面実装されかつ対応する下リード(62)に電気的に接続される2個の端子を有する下受光素子(38)とを備える。上受光素子(37)は、第1、第2及び第3の下発光素子(31,32,33)から照射されて搬送通路(55)を通る有価紙葉(50)を透過する光と、第4の上発光素子(24)から照射されて搬送通路(55)を通る有価紙葉(50)に反射する光とを受光し、下受光素子(38)は、第1、第2及び第3の上発光素子(21,22,23)から照射されて搬送通路(55)を通る有価紙葉(50)を透過する光と、第4の下発光素子(34)から照射されて搬送通路(55)を通る有価紙葉(50)に反射する光とを受光する。
【0017】
十発光受光素子を有する本発明の紙葉類鑑別用光学センサ装置の第2の実施の形態では、上記第1の実施の形態と同様に、紙葉類鑑別用光学センサ装置の透過光量パターンの検出精度を向上することができる。第1、第2及び第3の下発光素子(31,32,33)からの透過光を上受光素子(37)が受光し、第1、第2及び第3の上発光素子(21,22,23)からの透過光を下受光素子(38)が受光するので、透過光量パターン数が増加し、有価紙葉(50)の真偽を高精度に鑑別できと共に、第4の上発光素子(24)からの反射光を上受光素子(37)が受光し、第4の下発光素子(34)からの反射光を下受光素子(38)が受光するので、有価紙葉(50)の金種を確実に識別することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の紙葉類鑑別用光学センサ装置では、有価紙葉上の特定位置を正確に透過又は反射する光を検出して、実質的に有価紙葉の同一領域を透過又は反射する光を受光素子により検出して、有価紙葉の透過光量パターン数と反射光量パターン数を増加して、紙葉類の検出精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】四発光受光素子を有する本発明の第1の実施の形態を示す断面図
【図2】図1の別方向の断面図
【図3】四発光受光素子を有する本発明の第2の実施の形態を示す断面図
【図4】図3の別方向の断面図
【図5】六発光受光素子を有する本発明の第1の実施の形態を示す断面図
【図6】六発光受光素子を有する本発明の第2の実施の形態を示す断面図
【図7】六発光受光素子を有する本発明の第3の実施の形態を示す断面図
【図8】八発光受光素子を有する本発明の第1の実施の形態を示す断面図
【図9】八発光受光素子を有する本発明の第2の実施の形態を示す断面図
【図10】八発光受光素子を有する本発明の第3の実施の形態を示す断面図
【図11】十発光受光素子を有する本発明の第1の実施の形態を示す断面図
【図12】十発光受光素子を有する本発明の第2の実施の形態を示す断面図
【図13】本発明で使用するLEDチップとPDチップの代表的な配置状態を示す部分斜視図
【図14】本発明で使用する発光素子と受光素子の代表的な配置状態を示す部分分解斜視図
【図15】本発明で使用する発光素子と受光素子の代表的な配置状態を示す部分拡大斜視図
【図16】非球面レンズの変形例を示す斜視図
【図17】四発光受光素子を有する5個の光学センサ装置を一列に配置した本発明による紙葉類鑑別用光学センサ装置の実施の形態を示す断面図
【図18】六発光受光素子を有する5個の光学センサ装置を一列に配置した本発明による紙葉類鑑別用光学センサ装置の実施の形態を示す断面図
【図19】八発光受光素子を有する5個の光学センサ装置を一列に配置した本発明による紙葉類鑑別用光学センサ装置の実施の形態を示す断面図
【図20】十発光受光素子を有する5個の光学センサ装置を一列に配置した本発明による紙葉類鑑別用光学センサ装置の実施の形態を示す断面図
【図21】四、六、八及び十発光受光素子を有する5個の光学センサ装置を一列に配置した本発明による紙葉類鑑別用光学センサ装置の実施の形態を示す断面図
【図22】従来の紙幣鑑別装置を示す断面図
【図23】従来の光学センサ装置を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
紙幣鑑別装置に適用する本発明による紙葉類鑑別用光学センサ装置の実施の形態を図1〜図21について以下説明する。図1〜図21では、図22及び図23に示す箇所と実質的に同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。図示の座標軸を構成するX軸は、搬送通路(55)を移動する紙幣(50)の幅方向又は搬送通路(55)の幅方向を示し、Y軸は、搬送通路(55)を移動する紙幣(50)の厚さ方向又は紙幣(50)の表面及び裏面に対して垂直方向を示し、Z軸は、搬送通路(55)を移動する紙幣(50)の長さ方向又は搬送通路(55)の進行方向を示す。本明細書では、「上」及び「上部」は、Y軸方向の上方位置を示し、「下」及び「下部」は、Y軸方向の下方位置を示す。また、図14に示す複数の発光素子及び受光素子を配置するY軸上の上方のX軸を第1の配列直線(56)といい、Y軸上の下方のX軸を第2の配列直線(57)という。第1及び第2の配列直線(56,57)は、互いに平行でありかつ搬送通路(55)の進行方向とは直角である。また、本明細書では、「非球面レンズ」は、発光素子から照射される光を有価紙葉(紙幣)に向って横一列に集光する、即ち線状光を照射できると共に、紙幣上に照射される線状光を受光素子に向って集光する円柱レンズ、部分円柱レンズ、放物レンズ又はこれらの近似形状を有するレンズである。また、ブラケットは、非球面レンズを所定の位置に保持すると共に、内部に外乱光が侵入するのを防止する作用がある。
【0021】
図1〜図4は、四発光受光素子を有する本発明による紙幣鑑別用光学センサ装置(10a,10b)を示す。図1及び図2に示す光学センサ装置(10a)は、上センサ組立体(1)と、紙幣(有価紙葉)(50)を搬送する搬送通路(55)を介して上センサ組立体(1)に対向して配置される下センサ組立体(2)とを備える。上センサ組立体(1)は、複数の上接続端子(63)を有する上支持基板(13)と、上支持基板(13)の対応する上接続端子(63)に電気的に接続される複数の上リード(61)を有しかつ上支持基板(13)上に配置される上配線基板(11)と、上配線基板(11)上に表面実装されかつ対応する上リード(61)に電気的に接続される2個の端子を有する上LED(発光ダイオード)チップ(上発光素子)(21)と、上配線基板(11)上に表面実装されかつ対応する上リード(61)に電気的に接続される2個の端子を有する上PD(ホトダイオード)チップ(上受光素子)(37)と、上配線基板(11)上に配置される上ブラケット(41)と、上ブラケット(41)により支持される上非球面レンズ(51)とを備える。
【0022】
図13に示すように、上LEDチップ(21)の一方の端子は、上配線基板(11)に形成される上発光用電極体(71)上に固着されて電気的に接続され、上発光用電極体(71)は、上リード(61)の1つに接続され、上LEDチップ(21)の他方の端子は、金ワイヤにより他の上リード(61)に電気的に接続される。上PDチップ(37)の一方の端子は、上配線基板(11)に形成される上受光用電極体(81)上に固着されて電気的に接続され、上受光用電極体(81)は、上リード(61)の他の1つに接続され、上PDチップ(37)の他方の端子は、金ワイヤにより他の上リード(61)に電気的に接続される。上発光用電極体(71)と上受光用電極体(81)は、搬送通路(55)の進行方向とは直角な第1の配列直線(56)上に整合して配置される。上配線基板(11)の複数の上リード(61)は、上支持基板(13)の上接続端子(63)に半田又はろう材を介して電気的に接続される。上非球面レンズ(51)は、上LEDチップ(21)及び上PDチップ(37)に対向して上ブラケット(41)内に固定される。上リード(61)は、上LEDチップ(21)と上PDチップ(37)とに個別に電力を供給する。
【0023】
上センサ組立体(1)と同様に、下センサ組立体(2)は、複数の下接続端子(64)を有する下支持基板(14)と、下支持基板(14)の対応する下接続端子(64)に電気的に接続される複数の下リード(62)を有しかつ下支持基板(14)上に配置される下配線基板(12)と、下配線基板(12)上に個別に表面実装されかつ対応する下リード(62)に電気的に接続される2個の端子を有する下LEDチップ(下発光素子)(31)と、下配線基板(12)上に表面実装されかつ対応する下リード(62)に電気的に接続される2個の端子を有する下PD(ホトダイオード)チップ(下受光素子)(38)と、下配線基板(12)上に配置される下ブラケット(42)と、下ブラケット(42)により支持される下非球面レンズ(52)とを備える。
【0024】
図13に示すように、下LEDチップ(38)の一方の端子は、下配線基板(12)に形成される下発光用電極体(72)上に固着されて電気的に接続され、下発光用電極体(72)は、下リード(62)の1つに接続され、下LEDチップ(31)の他方の端子は、金ワイヤにより他の下リード(62)に電気的に接続される。下PDチップ(38)の一方の端子は、下配線基板(12)に形成される下受光用電極体(82)上に固着されて電気的に接続され、下受光用電極体(82)は、下リード(62)の他の1つに接続され、下PDチップ(38)の他方の端子は、金ワイヤにより他の下リード(62)に電気的に接続される。下発光用電極体(72)と下受光用電極体(82)は、搬送通路(55)の進行方向とは直角な第2の配列直線(57)上に整合して配置される。下配線基板(12)の複数の下リード(62)は、下支持基板(14)の下接続端子(64)に半田又はろう材を介して電気的に接続される。下非球面レンズ(52)は、下LEDチップ(31)及び下PDチップ(38)に対向して下ブラケット(42)内に固定される。下リード(62)は、下LEDチップ(31)と下PDチップ(38)とに個別に電力を供給する。
【0025】
上非球面レンズ(51)及び下非球面レンズ(52)は、上LEDチップ(21)及び下LEDチップ(31)から放射される光をそれぞれ平行な線状光線に変換する。また、上非球面レンズ(51)は、紙幣(50)を透過する下LEDチップ(31)からの光を上PDチップ(37)に集光させると共に、下非球面レンズ(52)は、紙幣(50)を透過する上LEDチップ(21)からの光を下PDチップ(38)に集光させる。上発光素子(21)及び下発光素子(31)自体にはレンズを設ける必要がない。
【0026】
紙幣鑑別装置のフレーム(104)内で搬送通路(55)を形成する上壁(55a)に上支持基板(13)が固定され、下壁(55b)に下支持基板(14)が固定される。上ブラケット(41)は、第1の上LEDチップ(21)と上PDチップ(37)とを分離する上隔壁(43)を有し、下ブラケット(42)は、第1の下LEDチップ(31)と下PDチップ(38)とを分離する下隔壁(44)を有する。上配線基板(11)に形成される開口部(11a)には、上ブラケット(41)の上隔壁(43)の端部が嵌合され、下配線基板(12)に形成される開口部(12a)には、下ブラケット(42)の下隔壁(44)の端部が嵌合される。
【0027】
上非球面レンズ(51)は、上ブラケット(41)の上隔壁(43)を介して上LEDチップ(21)及び上PDチップ(37)から一定距離離間して配置されると共に、下非球面レンズ(52)は、下ブラケット(42)の下隔壁(44)を介して第1の下LEDチップ(31)及び下PDチップ(38)から一定距離離間して配置される。上ブラケット(41)の上隔壁(43)は、上LEDチップ(21)に隣接する上PDチップ(37)に上LEDチップ(21)からの光が直接入射するのを防止して、上PDチップ(37)の誤作動を抑制できる。同様に、下ブラケット(42)の下隔壁(44)は、下LEDチップ(31)に隣接する下PDチップ(38)に下LEDチップ(31)からの光が直接入射するのを防止して、下PDチップ(38)の誤作動を抑制できる。
【0028】
図1及び図2に示す光学センサ装置(10a)では、上LEDチップ(21)と下LEDチップ(31)とが搬送通路(55)内の中心点周りに点対称位置に配置され、同様に、上PDチップ(37)と下PDチップ(38)とが点対称位置に配置される。上LEDチップ(21)と下LEDチップ(31)は、時分割制御されて各々異なる時間に点灯され、上PDチップ(37)及び下PDチップ(38)による上LEDチップ(21)の光と下LEDチップ(31)の光との同時受光が阻止される。
【0029】
下LEDチップ(31)から照射される光は、下非球面レンズ(52)を通じて平行な線状光線に変換された後、紙幣(50)を透過し、更に、上非球面レンズ(51)を通じて上PDチップ(37)に集光されて上PDチップ(37)により受光される。同様に、上LEDチップ(21)から照射される光は、上非球面レンズ(51)を通じて平行な線状光線に変換された後、紙幣(50)を透過し、更に、下非球面レンズ(52)を通じて下PDチップ(38)に向って集光され、下PDチップ(38)により受光される。この場合に、上LEDチップ(21)の消灯後に、下LEDチップ(31)が点灯し、また、下LEDチップ(31)の消灯後に、上LEDチップ(21)が点灯する。
【0030】
図3及び図4に示す光学センサ装置(10b)では、上LEDチップ(21)と第1の下LEDチップ(31)及び上PDチップ(37)と下PDチップ(38)とが搬送通路(55)を横断する中心軸周りに対称位置に配置される。図1〜図3に示す四発光受光素子を有する光学センサ装置(10a,10b)では、上LEDチップ(21)と下LEDチップ(31)とで異なる波長の光を発生させて、制御装置(103)は、紙幣(50)の2種類の透過光データを得て、紙幣(50)の真偽を判断することができる。
【0031】
図5〜図7は、六発光受光素子を有する本発明の紙葉類鑑別用光学センサ装置(10c,10d,10e)を示す。図5に示すように、光学センサ装置(10c)は、上センサ組立体(1)と、紙幣(有価紙葉)(50)を搬送する搬送通路(55)を介して上センサ組立体(1)に対向して配置される下センサ組立体(2)とを備える。
【0032】
上センサ組立体(1)は、複数の上接続端子(63)を有する上支持基板(13)と、上支持基板(13)の対応する上接続端子(63)に電気的に接続される複数の上リード(61)を有しかつ上支持基板(13)上に配置される上配線基板(11)と、上配線基板(11)上に個別に表面実装されかつ対応する上リード(61)に電気的に接続される2個の端子をそれぞれ有する第1及び第2の上LEDチップ(第1及び第2の上発光素子)(21,22)と、上配線基板(11)上に表面実装されかつ対応する上リード(61)に電気的に接続される2個の端子を有する上PDチップ(上受光素子)(37)と、上配線基板(11)上に配置される上ブラケット(41)と、上ブラケット(41)により支持される上非球面レンズ(51)とを備える。
【0033】
図13に示すように、第1及び第2の上LEDチップ(21,22)の一方の端子は、上配線基板(11)に分離して形成される上発光用電極体(71)上に個別に固着されて電気的に接続され、各上発光用電極体(71)は、上リード(61)の1つに接続され、第1及び第2の上LEDチップ(21,22)の各他方の端子は、金ワイヤにより他の上リード(61)に個別に電気的に接続される。上PDチップ(37)の一方の端子は、上配線基板(11)に形成される上受光用電極体(81)上に固着されて電気的に接続され、上受光用電極体(81)は、上リード(61)の他の1つに接続され、上PDチップ(37)の他方の端子は、金ワイヤにより他の上リード(61)に電気的に接続される。上発光用電極体(71)と上受光用電極体(81)は、搬送通路(55)の進行方向とは直角な第1の配列直線(56)上に整合して配置される。上配線基板(11)の複数の上リード(61)は、上支持基板(13)の上接続端子(63)に半田又はろう材を介して電気的に接続される。上リード(61)は、第1及び第2の上LEDチップ(21,22)並びに上PDチップ(37)に個別に電力を供給する。上非球面レンズ(51)は、第1及び第2の上LEDチップ(21,22)及び上PDチップ(37)に対向して上ブラケット(41)内に固定される。
【0034】
上センサ組立体(1)と同様に、下センサ組立体(2)は、複数の下接続端子(64)を有する下支持基板(14)と、下支持基板(14)の対応する下接続端子(64)に電気的に接続される複数の下リード(62)に電気的に接続される2個の端子をそれぞれ有する第1及び第2の下LEDチップ(第1及び第2の下発光素子)(31,32)と、下配線基板(12)上に個別に表面実装されかつ対応する下リード(62)に電気的に接続される2個の端子を有する下PDチップ(下受光素子)(38)と、下配線基板(12)上に配置される下ブラケット(42)と、下ブラケット(42)により支持される下非球面レンズ(52)とを備える。
【0035】
図13に示すように、第1及び第2の下LEDチップ(31,32)の一方の端子は、下配線基板(12)に分離して形成される下発光用電極体(72)上に個別に固着されて電気的に接続され、各下発光用電極体(72)は、下リード(62)の1つに接続され、第1及び第2の下LEDチップ(31,32)の各他方の端子は、金ワイヤにより他の下リード(62)に個別に電気的に接続される。下PDチップ(38)の一方の端子は、下配線基板(12)に形成される下受光用電極体(82)上に固着されて電気的に接続され、下受光用電極体(82)は、下リード(62)の他の1つに接続され、下PDチップ(38)の他方の端子は、金ワイヤにより他の下リード(62)に電気的に接続される。下発光用電極体(72)と下受光用電極体(82)は、搬送通路(55)の進行方向とは直角な第2の配列直線(57)上に整合して配置される。下配線基板(12)の複数の下リード(62)は、下支持基板(14)の下接続端子(64)に半田又はろう材を介して電気的に接続される。下リード(62)は、第1及び第2の下LEDチップ(31,32)並びに下PDチップ(38)に個別に電力を供給する。下非球面レンズ(52)は、第1及び第2の下LEDチップ(31,32)及び下PDチップ(38)に対向して下ブラケット(42)内に固定される。
【0036】
第1及び第2の上LEDチップ(21,22)から照射されて紙幣(50)を透過する光を受光する下PDチップ(38)の第2の配列直線(57)に沿う受光面の長さは、第1及び第2の上LEDチップ(21,22)の第1の配列直線(56)に沿う発光面の長さと同一か又はこれより大きい。第1及び第2の下LEDチップ(31,32)から照射されて紙幣(50)を透過する光を受光する上PDチップ(37)の第1の配列直線(56)に沿う受光面の長さは、第1及び第2の下LEDチップ(31,32)の第2の配列直線(57)に沿う発光面の長さと同一か又はこれより大きい。従って、上PDチップ(37)及び下PDチップ(38)は、紙幣(50)を透過する十分な量の光を受光することができる。例えば、下PDチップ(38)の第2の配列直線(57)に沿う受光面の長さ及び上PDチップ(37)の第1の配列直線(56)に沿う受光面の長さは、それぞれ1.5mm又はそれ以下である。
【0037】
図5〜図7に示す六発光受光素子を有する紙葉類鑑別用光学センサ装置(10c,10d,10e)の上非球面レンズ(51)と下非球面レンズ(52)は、図1〜図4に示す四発光受光素子を有する紙葉類鑑別用光学センサ装置(10a,10b)と同様の構造と作用を有する。しかしながら、図5〜図7に示す上非球面レンズ(51)と下非球面レンズ(52)は、第1及び第2の上LEDチップ(21,22)及び第1及び第2の下LEDチップ(31,32)から放射される光を平行な線状光線に変換するため、紙幣(50)上に投影される光の像は、紙幣(50)の搬送方向長さよりこれに直角な方向の長さのほうが大きいほぼ矩形断面又は楕円断面となり、隣り合う第1及び第2の上LEDチップ(21,22)及び第1及び第2の下LEDチップ(31,32)からの光をほぼ同一の領域で又は大部分重複する領域で紙幣(50)を通過する透過光パターンを下PDチップ(38)及び上PDチップ(37)により検出することができる。この目的で、上非球面レンズ(51)及び下非球面レンズ(52)は、第1及び第2の上LEDチップ(21,22)及び第1及び第2の下LEDチップ(31,32)から放射される光をそれぞれ平行な線状光線に変換する。また、上非球面レンズ(51)は、紙幣(50)を透過する第1及び第2の下LEDチップ(31,32)からの光を上PDチップ(37)に集光させると共に、下非球面レンズ(52)は、紙幣(50)を透過する第1及び第2の上LEDチップ(21,22)からの光を下PDチップ(38)に集光させる。第1及び第2の上発光素子(21,22)及び第1及び第2の下発光素子(31,32)自体にはレンズを設ける必要がない。
【0038】
第1及び第2の下LEDチップ(31,32)から照射される光は、下非球面レンズ(52)を通り平行な線状光線に変換されて、紙幣(50)上に投影される。紙幣(50)を透過する光は、上非球面レンズ(51)を通り上PDチップ(37)上に集光される。第1及び第2の上LEDチップ(21,22)から照射される光は、上非球面レンズ(51)を通り平行な線状光線に変換されて、紙幣(50)上に投影される。紙幣(50)を透過する光は、下非球面レンズ(52)を通り下PDチップ(38)上に集光される。第1の上LEDチップ(21)の消灯後に、第2の上LEDチップ(22)が点灯して、下PDチップ(38)は、第2の上LEDチップ(22)からの光を受光する。また、第2の上LEDチップ(22)の消灯後に、第1の下LEDチップ(31)が点灯し、第1の下LEDチップ(31)から照射される光は、紙幣(50)を透過し、上PDチップ(37)が受光する。第1の下LEDチップ(31)の消灯後に、第2の下LEDチップ(32)が点灯し、上PDチップ(37)は、第2の下LEDチップ(32)からの光を受光する。
【0039】
図5〜図7に示す六発光受光素子を有する紙葉類鑑別用光学センサ装置(10c,10d,10e)では、フレーム(104)内で搬送通路(55)を形成する上壁(55a)に上支持基板(13)が固定され、下壁(55b)に下支持基板(14)が固定される。上ブラケット(41)は、第1及び第2の上LEDチップ(21,22)と上PDチップ(37)とを分離する上隔壁(43)を有し、下ブラケット(42)は、第1及び第2の下LEDチップ(31,32)と下PDチップ(38)とを分離する下隔壁(44)を有する。上配線基板(11)に形成される開口部(11a)には、上ブラケット(41)の上隔壁(43)の端部が嵌合され、下配線基板(12)に形成される開口部(12a)には、下ブラケット(42)の下隔壁(44)の端部が嵌合される。
【0040】
図5〜図7に示す六発光受光素子を有する紙葉類鑑別用光学センサ装置(10c,10d,10e)では、上非球面レンズ(51)は、上ブラケット(41)の上隔壁(43)を介して第1及び第2の上LEDチップ(21,22)並びに上PDチップ(37)から一定距離離間して配置されると共に、下非球面レンズ(52)は、下ブラケット(42)の下隔壁(44)を介して第1及び第2の下LEDチップ(31,32)並びに下PDチップ(38)から一定距離離間して配置される。上ブラケット(41)の上隔壁(43)は、第1及び第2の上LEDチップ(21,22)に隣接する上PDチップ(37)に第1及び第2の上LEDチップ(21,22)からの光が直接入射するのを阻止して、上PDチップ(37)の誤作動並びに第1及び第2の上LEDチップ(21,22)の擬似点灯を防止できる。同様に、下ブラケット(42)の下隔壁(44)は、第1及び第2の下LEDチップ(31,32)に隣接する下PDチップ(38)に第1及び第2の下LEDチップ(31,32)からの光が直接入射するのを阻止して、下PDチップ(38)の誤作動並びに第1及び第2の下LEDチップ(31,32)の擬似点灯を防止できる。
【0041】
図5に示す光学センサ装置(10c)では、第1の上LEDチップ(21)と第1の下LEDチップ(31)、第2の上LEDチップ(22)と第2の下LEDチップ(32)及び上PDチップ(37)と下PDチップ(38)とがそれぞれ搬送通路(55)内の中心点周りに点対称位置でかつ搬送通路(55)を横断する中心軸周りに対称位置に配置される。第1の上LEDチップ(21)、第2の上LEDチップ(22)、第1の下LEDチップ(31)及び第2の下LEDチップ(32)は、時分割制御で各々異なる時間に点灯され、上PDチップ(37)及び下PDチップ(38)による第1及び第2の上LEDチップ(21,22)並び第1及び第2の下LEDチップ(31,32)の光の同時受光が防止される。
【0042】
図6に示す光学センサ装置(10d)では、第1の上LEDチップ(21)と第1の下LEDチップ(31)、第2の上LEDチップ(22)と第2の下LEDチップ(32)及び上PDチップ(37)と下PDチップ(38)とがそれぞれ搬送通路(55)内の中心点周りに点対称位置に配置される。また、第1の上LEDチップ(21)と第2の上LEDチップ(22)とが隣接して配置され、第1の下LEDチップ(31)と第2の下LEDチップ(32)とが隣接して配置される点で図5に示す構成と相違する。図7に示す光学センサ装置(10e)では、第1の上LEDチップ(21)と第2の下LEDチップ(32)、第2の上LEDチップ(22)と第1の下LEDチップ(31)及び上PDチップ(37)と下PDチップ(38)とがそれぞれ搬送通路(55)を横断する中心軸周りに対称位置に配置される。図6及び図7に示す光学センサ装置(10d,10e)では、第1の上LEDチップ(21)と第2の上LEDチップ(22)及び第1の下LEDチップ(31)と第2の下LEDチップ(32)とを何れも0.6mm以下、例えば、0.45mmのピッチ間隔で第1及び第2の配線基板(11,12)上に固定される。
【0043】
図5〜図7に示す六発光受光素子から成る光学センサ装置(10c,10d,10e)では、第1及び第2の上LEDチップ(21,22)と第1及び第2の下LEDチップ(31,32)とをそれぞれ異なる波長の光を発生させて、これらの光を紙幣(50)に透過させて、上PDチップ(37)と下PDチップ(38)により検出することにより、上PDチップ(37)と下PDチップ(38)に接続される制御装置(図示せず)により、紙幣(50)の4種類の透過光パターンデータを作成して、透過光パターンデータを制御装置内に予め記憶される透過光パターンデータ又は基準レベルと比較して、紙幣(50)の真偽を判断することができる。
【0044】
また、図5及び図6に示す光学センサ装置(10c,10d)では、点対象に配置される第1の上LEDチップ(21)と第1の下LEDチップ(31)とが同一波長の光を発生すると共に、第2の上LEDチップ(22)と第2の下LEDチップ(32)が同一波長の光を発生すれば、紙幣(50)の表面を上にして又は裏面を上にして紙幣(50)を紙葉類鑑別装置の入口(101)に挿入すると、紙幣(50)の表側又は裏側から紙幣(50)のほぼ同一位置に同一波長の光が走査されかつ透過するので、紙幣(50)の表面と裏面の何れの挿入方向でも、紙幣(50)の同一の透過光パターンデータを取り出すことができる。例えば、紙幣(50)の真偽判断の一基準レベルでは、第1の上LEDチップ(21)と第2の上LEDチップ(22)からの受光量の和と、第1の上LEDチップ(21)からの受光量との比及び第2の上LEDチップ(22)の受光量との比が所定の範囲内にあり、その上、第1の下LEDチップ(31)と第2の下LEDチップ(32)からの受光量の和と、第1の下LEDチップ(31)からの受光量の比及び第2の下LEDチップ(32)からの受光量との比が所定の範囲内にあるとき、制御装置は、紙幣(50)を真正と判断することができる。
【0045】
図8〜図10は、八発光受光素子を有する本発明による紙葉類鑑別用光学センサ装置(10f,10g,10h)を示す。図8に示すように、光学センサ装置(10f)は、上センサ組立体(1)と、紙幣(有価紙葉)(50)を搬送する搬送通路(55)を介して上センサ組立体(1)に対向して配置される下センサ組立体(2)とを備える。図8〜図10に示す上センサ組立体(1)は、複数の上接続端子(63)を有する上支持基板(13)と、複数の上リード(61)を有しかつ上支持基板(13)上に配置される上配線基板(11)と、上配線基板(11)上に個別に表面実装されかつ対応する上リード(61)に電気的に接続される2個の端子をそれぞれ有する第1、第2及び第3の上LEDチップ(第1、第2及び第3の上発光素子)(21,22,23)と、上配線基板(11)上に表面実装されかつ対応する上リード(61)に電気的に接続される2個の端子を有する上PDチップ(上受光素子)(37)と、上配線基板(11)上に配置される上ブラケット(41)と、上ブラケット(41)により支持される上非球面レンズ(51)とを備える。
【0046】
図13に示すように、第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)の一方の端子は、上配線基板(11)に分離して形成される上発光用電極体(71)上に個別に固着されて電気的に接続され、各上発光用電極体(71)は、上リード(61)の1つに接続され、第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)の各他方の端子は、金ワイヤにより他の上リード(61)に個別に電気的に接続される。上PDチップ(37)の一方の端子は、上配線基板(11)に形成される上受光用電極体(81)上に固着されて電気的に接続され、上受光用電極体(81)は、上リード(61)の他の1つに接続され、上PDチップ(37)の他方の端子は、金ワイヤにより他の上リード(61)に電気的に接続される。上発光用電極体(71)と上受光用電極体(81)は、搬送通路(55)の進行方向とは直角な第1の配列直線(56)上に整合して配置される。上配線基板(11)の複数の上リード(61)は、上支持基板(13)の上接続端子(63)に半田又はろう材を介して電気的に接続される。上リード(61)は、第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)並びに上PDチップ(37)に個別に電力を供給する。上非球面レンズ(51)は、第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)及び上PDチップ(37)に対向して上ブラケット(41)内に固定される。
【0047】
図8〜図10に示すように、上センサ組立体(1)と同様に、下センサ組立体(2)は、複数の下接続端子(64)を有する下支持基板(14)と、複数の下リード(62)を有しかつ下支持基板(14)上に配置される下配線基板(12)と、下配線基板(12)上に個別に表面実装されかつ対応する下リード(62)に電気的に接続される2個の端子をそれぞれ有する第1、第2及び第3の下LEDチップ(第1、第2及び第3の下発光素子)(31,32,33)と、下配線基板(12)上に個別に表面実装されかつ対応する下リード(62)に電気的に接続される2個の端子を有する下PDチップ(下受光素子)(38)と、下配線基板(12)上に配置される下ブラケット(42)と、下ブラケット(42)により支持される下非球面レンズ(52)とを備える。
【0048】
図13に示すように、第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)の一方の端子は、下配線基板(12)に分離して形成される下発光用電極体(72)上に個別に固着されて電気的に接続され、各下発光用電極体(72)は、下リード(62)の1つに接続され、第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)の各他方の端子は、金ワイヤにより他の下リード(62)に個別に電気的に接続される。下PDチップ(38)の一方の端子は、下配線基板(12)に形成される下受光用電極体(82)上に固着されて電気的に接続され、下受光用電極体(82)は、下リード(62)の他の1つに接続され、下PDチップ(38)の他方の端子は、金ワイヤにより他の下リード(62)に電気的に接続される。下発光用電極体(72)と下受光用電極体(82)は、搬送通路(55)の進行方向とは直角な第2の配列直線(57)上に整合して配置される。下配線基板(12)の複数の下リード(62)は、下支持基板(14)の下接続端子(64)に半田又はろう材を介して電気的に接続される。下リード(62)は、第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)並びに下PDチップ(38)に個別に電力を供給する。下非球面レンズ(52)は、第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)及び下PDチップ(38)に対向して下ブラケット(42)内に固定される。
【0049】
図8〜図10に示す八発光受光素子を有する紙葉類鑑別用光学センサ装置(10f,10g,10h)では、上非球面レンズ(51)は、上ブラケット(41)の上隔壁(43)を介して第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)並びに上PDチップ(37)から一定距離離間して配置されると共に、下非球面レンズ(52)は、下ブラケット(42)の下隔壁(44)を介して第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)並びに下PDチップ(38)から一定距離離間して配置される。上ブラケット(41)の上隔壁(43)は、第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)に隣接する上PDチップ(37)に第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)からの光が直接入射するのを阻止して、上PDチップ(37)の誤作動並びに第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)の擬似点灯を防止できる。同様に、下ブラケット(42)の下隔壁(44)は、第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,3)に隣接する下PDチップ(38)に第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)からの光が直接入射するのを阻止して、下PDチップ(38)の誤作動並びに第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)の擬似点灯を防止できる。
【0050】
第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)から照射されて紙幣(50)を透過する光を受光する下PDチップ(38)の第2の配列直線(57)に沿う受光面の長さは、第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)の第1の配列直線(56)に沿う発光面の長さと同一か又はこれより大きい。また、第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)から照射されて紙幣(50)を透過する光を受光する上PDチップ(37)の第1の配列直線(56)に沿う受光面の長さは、第1〜第3の下PDチップ(31,32,33)の第2の配列直線(57)に沿う発光面の長さと同一か又はこれより大きい。これにより、上PDチップ(37)及び下PDチップ(38)は、紙幣(50)を透過する十分な量の光を受光することができる。例えば、下PDチップ(38)の第2の配列直線(57)に沿う受光面の長さ及び上PDチップ(37)の第1の配列直線(56)に沿う受光面の長さは、それぞれ1.5mm又はそれ以下である。
【0051】
図8〜図10に示す八発光受光素子を有する紙葉類鑑別用光学センサ装置(10f,10g,10h)の上非球面レンズ(51)と下非球面レンズ(52)は、図5〜図7に示す六発光受光素子を有する紙葉類鑑別用光学センサ装置(10c,10d,10e)と同様の構造と作用を有する。しかしながら、図8〜図10に示す上非球面レンズ(51)と下非球面レンズ(52)は、第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)及び第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)から放射される光を平行な線状光線に変換するため、紙幣(50)上に投影される光の像は、紙幣(50)の搬送方向長さよりこれに直角な方向の長さのほうが大きいほぼ矩形断面又は楕円断面となり、隣り合う第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)及び第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)からの光をほぼ同一の領域で又は大部分重複する領域で紙幣(50)を通過する透過光パターンを下PDチップ(38)及び上PDチップ(37)により検出することができる。この目的で、上非球面レンズ(51)及び下非球面レンズ(52)は、第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)及び第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)から放射される光をそれぞれ平行な線状光線に変換する。また、上非球面レンズ(51)は、紙幣(50)を透過する第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)からの光を上PDチップ(37)に集光させると共に、下非球面レンズ(52)は、紙幣(50)を透過する第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)からの光を下PDチップ(38)に集光させる。第1、第2及び第3の上発光素子(21,22,23)及び第1、第2及び第3の下発光素子(31,32,33)自体にはレンズを設ける必要がない。
【0052】
図8〜図10に示す八発光受光素子を有する紙葉類鑑別用光学センサ装置(10f,10g,10h)では、フレーム内で搬送通路(55)を形成する上壁(55a)に上支持基板(13)が固定され、下壁(55b)に下支持基板(14)が固定される。上ブラケット(41)は、第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)と上PDチップ(37)とを分離する上隔壁(43)を有し、下ブラケット(42)は、第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)と下PDチップ(38)とを分離する下隔壁(44)を有する。上配線基板(11)に形成される開口部(11a)には、上ブラケット(41)の上隔壁(43)の端部が嵌合され、下配線基板(12)に形成される開口部(12a)には、下ブラケット(42)の下隔壁(44)の端部が嵌合される。
【0053】
図8に示す光学センサ装置(10f)では、第1の上LEDチップ(21)と第1の下LEDチップ(31)、第2の上LEDチップ(22)と第2の下LEDチップ(32)、第3の上LEDチップ(23)と第3の下LEDチップ(33)及び上PDチップ(37)と下PDチップ(38)とがそれぞれ搬送通路(55)内の中心点周りに点対称位置に配置される。第1の上LEDチップ(21)、第2の上LEDチップ(22)、第3の上LEDチップ(23)、第1の下LEDチップ(31)、第2の下LEDチップ(32)及び第3の下LEDチップ(33)は、時分割制御で各々異なる時間に点灯され、上PDチップ(37)及び下PDチップ(38)による第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)並び第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)の光の同時受光を防止する。
【0054】
上PDチップ(37)は、第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)から照射されて搬送通路(55)を通る紙幣(50)を透過する光を受光し、下PDチップ(38)は、第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)から照射されて紙幣(50)を透過する光を受光する。第1の上LEDチップ(21)から照射される光は、上非球面レンズ(51)を通じて平行光線に変換され、紙幣(50)を透過し、下非球面レンズ(52)を通じて下PDチップ(38)に受光される。例えば、第1の上LEDチップ(21)の消灯後に、第2の上LEDチップ(22)が点灯し、第2の上LEDチップ(22)の消灯後に、第3の上LEDチップ(23)が点灯し、下PDチップ(38)に受光される。また、第3の上LEDチップ(23)の消灯後に、第1の下LEDチップ(31)が点灯し、第1の下LEDチップ(31)から照射される光は、上非球面レンズ(51)を通じて平行な線状光線に変換され、紙幣(50)を透過し、下非球面レンズ(52)を通じて上PDチップ(37)に受光される。第1の下LEDチップ(31)の消灯後に、第2の下LEDチップ(32)が点灯し、第2の下LEDチップ(32)の消灯後、第3の下LEDチップ(33)が点灯し、上PDチップ(37)に受光される。
【0055】
図9に示す光学センサ装置(10g)では、第1の上LEDチップ(21)と第3の下LEDチップ(33)、第2の上LEDチップ(22)と第2の下LEDチップ(32)、第3の上LEDチップ(23)と第1の下LEDチップ(31)及び上PDチップ(37)と下PDチップ(38)とがそれぞれ搬送通路(55)内の中心点周りに点対称位置に配置される。図9の光学センサ装置(10g)と同様に、図10に示す光学センサ装置(10h)では、第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)及び上PDチップ(37)と、第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)及び下PDチップ(38)とがそれぞれ搬送通路(55)を横断する中心軸周りに対称位置に配置される。しかしがら、第1の上LEDチップ(21)と第2及び第3の上LEDチップ(22,23)とが上PDチップ(37)及び上ブラケット(41)の上隔壁(43)を介して離間して配置され、第3の下LEDチップ(33)と第1及び第2の下LEDチップ(31,32)とが下PDチップ(38)及び下ブラケット(42)の下隔壁(44)を介して離間して配置される点で図9の構造と相違する。図8及び図9に示す光学センサ装置(10f,10g,10h)では、第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)及び第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)をそれぞれ0.6mm以下の各間隔で第1及び第2の配線基板(11,12)に固定される。
【0056】
図8〜図10に示す八発光受光素子から成る光学センサ装置(10f,10g,10h)では、第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)と第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)とをそれぞれ異なる波長の光を発生させて、上PDチップ(37)と下PDチップ(38)に接続される制御装置(図示せず)により、紙幣(50)の6種類の透過光パターンデータを作成して、透過光パターンデータを制御装置内に予め記憶される透過光パターンデータ又は基準レベルと比較して、紙幣(50)の真偽を判断することができる。
【0057】
また、図8に示す光学センサ装置(10f)では、点対象に配置される第1の上LEDチップ(21)と第1の下LEDチップ(31)とが同一波長の光を発生すると共に、第2の上LEDチップ(22)と第2の下LEDチップ(32)が同一波長の光を発生しかつ第3の上LEDチップ(23)と第3の下LEDチップ(33)とが同一波長の光を発生すれば、紙幣(50)の表面を上にして又は裏面を上にして紙幣(50)を紙葉類鑑別装置の入口に挿入すると、紙幣(50)の表側又は裏側から紙幣(50)のほぼ同一位置に同一波長の光が走査されかつ透過するので、紙幣(50)の表面と裏面の何れの挿入方向でも、紙幣(50)の同一の透過光パターンデータを取り出すことができる。例えば、紙幣(50)の真偽判断の一基準レベルでは、第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)からの受光量の和と、第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)からの各受光量との比が所定の範囲内にあり、その上、第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)からの受光量の和と、第1、第2及び第3の第1の下LEDチップ(31,32,33)からの各受光量との比が所定の範囲内にあるとき、制御装置は、紙幣(50)を真正と判断することができる。
【0058】
図11及び図12は、十発光受光素子を有する本発明による紙葉類鑑別用光学センサ装置(10i,10j)を示す。図11に示すように、光学センサ装置(10i)は、上センサ組立体(1)と、紙幣(有価紙葉)(50)を搬送する搬送通路(55)を介して上センサ組立体(1)に対向して配置される下センサ組立体(2)とを備える。上センサ組立体(1)は、複数の上接続端子(63)を有する上支持基板(13)と、複数の上リード(61)を有しかつ上支持基板(13)上に配置される上配線基板(11)と、上配線基板(11)上に個別に表面実装されかつ対応する上リード(61)に電気的に接続される2個の端子をそれぞれ有する第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(上発光素子)(21,22,23,24)と、上配線基板(11)上に表面実装されかつ対応する上リード(61)に電気的に接続される2個の端子を有する上PDチップ(上受光素子)(37)と、上配線基板(11)上に配置される上ブラケット(41)と、上ブラケット(41)により支持される上非球面レンズ(51)とを備える。
【0059】
図13に示すように、第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)の一方の端子は、上配線基板(11)に分離して形成される上発光用電極体(71)上に個別に固着されて電気的に接続され、各上発光用電極体(71)は、上リード(61)の1つに接続され、第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)の各他方の端子は、金ワイヤにより他の上リード(61)に個別に電気的に接続される。上PDチップ(37)の一方の端子は、上配線基板(11)に形成される上受光用電極体(81)上に固着されて電気的に接続され、上受光用電極体(81)は、上リード(61)の他の1つに接続され、上PDチップ(37)の他方の端子は、金ワイヤにより他の上リード(61)に電気的に接続される。上発光用電極体(71)と上受光用電極体(81)は、搬送通路(55)の進行方向とは直角な第1の配列直線(56)上に整合して配置される。上配線基板(11)の複数の上リード(61)は、上支持基板(13)の上接続端子(63)に半田又はろう材を介して電気的に接続される。上リード(61)は、第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)並びに上PDチップ(37)に個別に電力を供給する。上非球面レンズ(51)は、第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)及び上PDチップ(37)に対向して上ブラケット(41)内に固定される。
【0060】
上センサ組立体(1)と同様に、図11及び図12に示すように、下センサ組立体(2)は、複数の下接続端子(64)を有する下支持基板(14)と、複数の下リード(62)を有しかつ下支持基板(14)上に配置される下配線基板(12)と、下配線基板(12)上に個別に表面実装され
かつ対応する下リード(62)に電気的に接続される2個の端子をそれぞれ有する第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(第1、第2、第3及び第4の下発光素子)(31,32,33,34)と、下配線基板(12)上に個別に表面実装されかつ対応する下リード(62)に電気的に接続される2個の端子を有する下PDチップ(下受光素子)(38)と、下配線基板(12)上に配置される下ブラケット(42)と、下ブラケット(42)により支持される下非球面レンズ(52)とを備える。
【0061】
図13に示すように、第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)の一方の端子は、下配線基板(12)に分離して形成される下発光用電極体(72)上に個別に固着されて電気的に接続され、各下発光用電極体(72)は、下リード(62)の1つに接続され、第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)の各他方の端子は、金ワイヤにより他の下リード(62)に個別に電気的に接続される。下PDチップ(38)の一方の端子は、下配線基板(12)に形成される下受光用電極体(82)上に固着されて電気的に接続され、下受光用電極体(82)は、下リード(62)の他の1つに接続され、下PDチップ(38)の他方の端子は、金ワイヤにより他の下リード(62)に電気的に接続される。下発光用電極体(72)と下受光用電極体(82)は、搬送通路(55)の進行方向とは直角な第2の配列直線(57)上に整合して配置される。下配線基板(12)の複数の下リード(62)は、下支持基板(14)の下接続端子(64)に半田又はろう材を介して電気的に接続される。下リード(62)は、第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)並びに下PDチップ(38)に個別に電力を供給する。下非球面レンズ(52)は、第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)及び下PDチップ(38)に対向して下ブラケット(42)内に固定される。
【0062】
図11に示す光学センサ装置(10i)では、第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)及び第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)をそれぞれ0.6mm以下のピッチ間隔で第1及び第2の配線基板(11,12)上に固定することができる。上非球面レンズ(51)は、第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)から放射される光を平行な線状光線に変換するため、紙幣(50)上に投影される光の像は、紙幣(50)の搬送方向長さよりこれに直角な方向の長さのほうが大きいほぼ矩形断面又は楕円断面となり、隣り合う第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)及び第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)からの光をほぼ同一の領域で又は大部分重複する領域で紙幣(50)を通過する透過光パターンを下PDチップ(38)及び上PDチップ(37)により検出することができる。
【0063】
この目的で、上非球面レンズ(51)及び下非球面レンズ(52)は、第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)及び第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)から放射される光をそれぞれ平行な線状光線に変換する。また、上非球面レンズ(51)は、紙幣(50)を透過する第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)からの光を上PDチップ(37)に集光させ受光させると共に、下非球面レンズ(52)は、紙幣(50)を透過する第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)からの光を下PDチップ(38)に集光させ受光させる。第1、第2、第3及び第4の上発光素子(21,22,23,24)及び第1、第2、第3及び第4の下発光素子(31,32,33,34)自体にはレンズを設ける必要がない。
【0064】
図11に示す光学センサ装置(10i)では、フレーム内で搬送通路(55)を形成する上壁(55a)に上支持基板(13)が固定され、下壁(55b)に下支持基板(14)が固定される。上ブラケット(41)は、第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)と上PDチップ(37)を分離する上隔壁(43)を有し、下ブラケット(42)は、第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)と下PDチップ(38)とを分離する下隔壁(44)を有する。上配線基板(11)に形成される開口部(11a)には、上ブラケット(41)の上隔壁(43)の端部が嵌合され、下配線基板(12)に形成される開口部(12a)には、下ブラケット(42)の下隔壁(44)の端部が嵌合される。
【0065】
上ブラケット(41)の上隔壁(43)を介して第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)並びに上PDチップ(37)から一定距離離間して上非球面レンズ(51)が配置されると共に、下ブラケット(42)の下隔壁(44)を介して第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)並びに下PDチップ(38)から一定距離離間して下非球面レンズ(52)が配置される。上ブラケット(41)の上隔壁(43)は、第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)からの光が隣接する上PDチップ(37)に直接入射するのを防止すると共に、上PDチップ(37)の誤作動並びに第1〜第4の上LEDチップ(21,22,23,24)の擬似点灯を防止する作用がある。同様に、下ブラケット(42)の下隔壁(44)は、第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)からの光が隣接する下PDチップ(38)に直接入射するのを阻止して、下PDチップ(38)の誤作動並びに第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)の擬似点灯を防止する作用がある。
【0066】
第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)から照射されて紙幣(50)を透過する光を受光する下PDチップ(38)の第2の配列直線(57)に沿う受光面の長さは、第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)の第1の配列直線(56)に沿う発光面の長さと同一か又はこれより大きい。また、第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)から照射されて紙幣(50)を透過する光を受光する上PD(37)の第1の配列直線(56)に沿う受光面の長さは、第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)の第2の配列直線(57)に沿う発光面の長さと同一か又はこれより大きい。従って、上PDチップ(37)及び下PDチップ(38)は、紙幣(50)を透過する十分な量の光を受光することができる。例えば、下PDチップ(38)の第2の配列直線(57)に沿う受光面の長さ及び上PDチップ(37)の第1の配列直線(56)に沿う受光面の長さは、それぞれ1.5mm又はそれ以下である
【0067】
図11に示す光学センサ装置(10i)では、第1及び第2の上LEDチップ(21,22)と、第3及び第4の上LEDチップ(23,24)との間に上PDチップ(37)が配置され、第1及び第2の下LEDチップ(31,32)と、第3及び第4の下LEDチップ(33,34)との間に下PDチップ(38)が配置される。光学センサ装置(10i)では、第1の上LEDチップ(21)と第1の下LEDチップ(31)、第2の上LEDチップ(22)と第2の下LEDチップ(32)、第3の上LEDチップ(23)と第3の下LEDチップ(33)、第4の上LEDチップ(24)と第4の下LEDチップ(34)及び上PDチップ(37)と下PDチップ(38)とが搬送通路(55)内の中心点でZ軸周りに点対称位置でかつ搬送通路(55)を横断する中心軸でX軸方向に対称位置に配置される。第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)並びに第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)は、何れも時分割制御で各々異なる時間に点灯され、第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)並び第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)からの光の上PDチップ(37)及び下PDチップ(38)による同時受光を防止する。
【0068】
第1の上LEDチップ(21)の消灯後に、第2の上LEDチップ(22)を点灯し、第2の上LEDチップ(22)の消灯後に、第3の上LEDチップ(23)を点灯し、第3の上LEDチップ(23)の消灯後に、第4の上LEDチップ(24)を点灯し、点灯した光は、下PDチップ(38)が受光する。また、第4の上LEDチップ(24)の消灯後に、第1の下LEDチップ(31)を点灯し、第1の下LEDチップ(31)から照射される光は、上非球面レンズ(51)を通じて平行な線状光線に変換される。第1の下LEDチップ(31)からの光は、紙幣(50)を透過し、下非球面レンズ(52)を通じて上PDチップ(37)に受光される。第1の下LEDチップ(31)の消灯後に、第2の下LEDチップ(32)を点灯し、第2の下LEDチップ(32)の消灯後に、第3の下LEDチップ(33)を点灯し、第3の下LEDチップ(33)の消灯後に、第4の下LEDチップ(34)が点灯され、第3及び第4の下LEDチップ(33,34)の光は、上PDチップ(37)に受光される。
【0069】
十発光受光素子を有する図11の光学センサ装置(10i)では、第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)と第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)からそれぞれ異なる波長の光を発生させて、上PDチップ(37)と下PDチップ(38)に接続される制御装置により、紙幣(50)の8種類の透過光パターンデータを作成して、透過光パターンデータを制御装置内に予め記憶される透過光パターンデータ又は基準レベルと比較して、紙幣(50)の真偽を判断することができる。
【0070】
また、図11に示す光学センサ装置(10f)では、互いに点対象に配置される第1の上LEDチップ(21)と第1の下LEDチップ(31)、第2の上LEDチップ(22)と第2の下LEDチップ(32)、第3の上LEDチップ(23)と第3の下LEDチップ(33)及び第4の上LEDチップ(24)と第4の下LEDチップ(34)とが同一波長の光を発生すれば、紙幣(50)の表面を上にして又は裏面を上にして紙幣(50)を紙葉類鑑別装置の入口に挿入すると、紙幣(50)の表側又は裏側から紙幣(50)のほぼ同一位置に同一波長の光が走査されかつ透過するので、紙幣(50)の表面と裏面の何れの挿入方向でも、紙幣(50)の同一の透過光パターンデータを取り出すことができる。例えば、紙幣(50)の真偽判断の一基準レベルでは、第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)からの受光量の和と、第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)からの各受光量との比が所定の範囲内にあり、その上、第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)からの受光量の和と、第1、第2、第3及び第4の第1の下LEDチップ(31,32,33,34)からの各受光量との比が所定の範囲内にあるとき、制御装置は、紙幣(50)を真正と判断することができる。
【0071】
図12に示す光学センサ装置(10j)では、第1〜第3の上LEDチップ(21,22,23)と、第4の上LEDチップ(24)との間に上PDチップ(37)を配置し、第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)と、第4の下LEDチップ(34)との間に下PDチップ(38)が配置される。図11の光学センサ装置(10i)と同様に、光学センサ装置(10j)では、第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)及び上PDチップ(37)が第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)及び下PDチップ(38)とそれぞれ点対称位置に配置される。第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)と第4の上LEDチップ(24)とが上PDチップ(37)及び上ブラケット(41)の上隔壁(43)を介して離間して配置され、第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)と第4の下LEDチップ(34)とが下PDチップ(38)及び下ブラケット(42)の下隔壁(44)を介して離間して配置される点で光学センサ装置(10i)と相違する。図12に示す光学センサ装置(10j)では、第1、第3及び第3の上LEDチップ(21,22,23)並びに第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)を1mm以下、好ましくは0.6mm以下のピッチ間隔で第1及び第2の配線基板(11,12)に固定することができる。
【0072】
十発光受光素子を有する図12の光学センサ装置(10j)では、第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)から照射されて搬送通路(55)を通る紙幣(50)を透過する光と、第4の上LEDチップ(24)から照射されて搬送通路(55)を通る紙幣(50)に反射する光とが上PDチップ(37)によりを受光される。第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)から照射されて搬送通路(55)を通る紙幣(50)を透過する光と、第4の下LEDチップ(34)から照射されて搬送通路(55)を通る紙幣(50)に反射する光とが下PDチップ(38)により受光される。上PDチップ(37)が受光する第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)の透過光と、下PDチップ(38)が受光する第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)の透過光とにより、紙幣(50)の6種類の透過光パターンデータを作成して、透過光パターンデータを制御装置内に予め記憶される透過光パターンデータ又は基準レベルと比較して、紙幣(50)の真偽を高精度に判断することができる。
【0073】
また、上PDチップ(37)が受光する第4の上LEDチップ(24)の反射光と、下PDチップ(38)が受光する第4の下LEDチップ(34)の反射光とにより、紙幣(50)の2種類の反射光パターンデータを作成して、紙幣(50)の金種を識別することができる。第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)の1つと、第4の上LEDチップ(24)とは、同一波長の光を発生し、第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)の1つと、第4の下LEDチップ(34)とは、同一波長の光を発生すれば、紙葉類鑑別装置の入口(101)に挿入される紙幣(50)の表面及び裏面の向きに依存せずに、紙幣(50)の表面又は裏面上のほぼ同一位置で同一波長の光を反射させ又は透過させて、紙幣(50)の金種を識別しかつ紙幣(50)の真偽を鑑別することができる。
【0074】
本発明による紙葉類鑑別用光学センサ装置の四発光受光素子、六発光受光素子、八発光受光素子及び十発光受光素子を有する光学センサ装置(10a〜10j)では、第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)及び第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)は、紫外、青色、緑色、赤色、近赤外及び赤外光から選択される光を発生する発光ダイオードチップ(LEDチップ)である。詳細に図示しないが、各LEDチップは、半導体基板と、半導体基板の上面と底面にそれぞれ形成されたアノード電極及びカソード電極とを備える。
【0075】
図13に示すように、各LEDチップのカソード電極(底面電極)は、上配線基板(11)の上発光用電極体(71)及び下配線基板(12)の下発光用電極体(72)に半田等の導電性接着材を介して電気的に接続され、上発光用電極体(71)及び下発光用電極体(72)は、それぞれ上リード(61)及び下リード(62)に電気的に接続される。各LEDチップのアノード電極(上面電極)は、金ワイヤ等の金属細線(ボンディングワイヤ)を介して上配線基板(11)の上リード(61)及び下配線基板(12)の下リード(62)にそれぞれ電気的に接続される。本発明の全実施の形態では、発光半導体ダイオードチップと、金属細線と、第1及び第2の配線基板(11,12)から露出する第1及び第2のリード(61,62)の一部は、シリコーン樹脂等の光透過性の保護樹脂(39)により被覆され、水分等の外部からの異物の侵入を防止して、各LEDチップ(21,22,23,24,31,32,33,34)の劣化を抑制する。
【0076】
上PDチップ(37)及び下PDチップ(38)は、半導体基板と、半導体基板にそれぞれ形成されたアノード端子及びカソード端子とを備えるホトダイオードである。上PDチップ(37)及び下PDチップ(38)のアノード端子(一方の端子)は、上配線基板(11)の上受光用電極体(81)及び下配線基板(12)の下受光用電極体(82)にそれぞれ電気的に接続され、カソード端子(他方の端子)は、金ワイヤ等の金属細線(ボンディングワイヤ)により上リード(61)及び下リード(62)に電気的に接続される。LEDチップ(21,22,23,24,31,32,33,34)と同様に、ホトダイオードと、金属細線と、第1及び第2の配線基板(11,12)から露出する第1及び第2のリード(61,62)の一部は、シリコーン樹脂等の光透過性の保護樹脂(39)により被覆され、水分等の外部からの異物の侵入を防止して、上PDチップ(37)及び下PDチップ(38)の劣化を抑制する。ホトダイオードの代わりに、エミッタ端子、ベース端子及びコレクタ端子を有するホトトランジスタ等の他の光検出器を使用してもよい。
【0077】
ガラスエポキシ基板等の公知のプリント基板を使用して第1及び第2の配線基板(11,12)並びに第1及び第2の支持基板(13,14)を作成し、図示しない印刷装置により、第1及び第2の配線基板(11,12)の上発光用電極体(71)、下発光用電極体(72)、上受光用電極体(81)及び下受光用電極体(82)上に半田ペーストが印刷される。その後、図示しないマウンタ(表面実装機)により第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)及び上PDチップ(37)並びに第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)及び下PDチップ(38)が、高位置精度で第1及び第2の配線基板(11,12)の半田ペースト上に実装される。その後、図示しないリフロー炉により半田ペーストに熱を加えて溶解し、各チップ(21,22,23,24,37,31,32,33,34,38)は、上発光用電極体(71)、下発光用電極体(72)、上受光用電極体(81)及び下受光用電極体(82)上に固着される。続いて、ワイヤボンディングにより対応する電極間を電気的に接続して、紙幣鑑別装置の図示しない電源から第1及び第2の接続端子(63,64)を通じて第1及び第2の配線基板(11,12)の第1及び第2のリード(61,62)に電力を供給することができる。
【0078】
光学センサ装置(10a〜10j)では、紙幣(50)の搬送方向に対して直角な第1の配列直線(56)上に第1、第2、第3及び第4の上発光素子(21〜24)を整合して上支持基板(13)上に配置し、第1の上発光素子(21)と第2の上発光素子(22)との間、第2の上発光素子(22)と第3の上発光素子(23)との間又は第3の上発光素子(23)と第4の上発光素子(24)との間に上受光素子(37)が配置される。同様に、紙幣(50)の搬送方向に対して直角な第2の配列直線(57)上に第1、第2、第3及び第4の下発光素子(31〜34)を整合して下配線基板(12)上に配置し、第1の下発光素子(31)と第2の下発光素子(32)との間、第2の下発光素子(32)と第3の下発光素子(33)との間又は第3の下発光素子(33)と第4の下発光素子(34)との間に下受光素子(38)が配置される。
【0079】
製造の際に、第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)及び第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)をマウンタにより数mmのピッチ間隔で正確に位置決めして第1及び第2の配線基板(11,12)上に表面実装することができる。従って、1mm以下、好ましくは0.6mm以下のピッチ間隔で隣り合う第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)及び第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)を第1及び第2の配線基板(11,12)上に表面実装して、隣り合う第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)並びに第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)から照射されて紙幣(50)の実質的に同一の領域又は重複する領域を透過する光を第1及び下PDチップ(37,38)により検出して、検出精度を向上することができる。
【0080】
第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)並びに第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)を第1及び第2の配線基板(11,12)上に直接固定するので、従来のピン挿入方式に比べて、光学センサ装置(10a〜10j)の厚さと配列長さを顕著に減少することができる。また、第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)及び第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)をそれぞれ第1及び第2の配線基板(11,12)に直接固着するので、外部リードを有する従来の発光ダイオードを使用する場合に比べて、第1及び第2の配線基板(11,12)上での取付位置が不均一にならず、各LEDチップ(21,22,23,24,31,32,33,34)の光軸を高精度に整合させることができる。ピン挿入方式の従来の発光ダイオードを使用すると、外部リードの形状若しくはスルーホールへの挿入位置の差異により、樹脂封止体内のLEDチップの取付位置に150μm程度の誤差が発生するが、表面実装される第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)及び第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)では、取付位置の誤差を数μm以下に抑制することができる。
【0081】
次に、図14に示すように、第1及び第2の支持基板(13,14)、第1及び第2の配線基板(11,12)、第1及び第2のブラケット(41,42)及び第1及び第2の非球面レンズ(51,52)が順次互いに取り付けられる。第1及び第2のブラケット(41,42)は、エポキシ樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン、アクリル樹脂等の不透明樹脂又は光不透過性樹脂により形成される。第1及び第2の非球面レンズ(51,52)は、ポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂等の透明樹脂又は光透過性樹脂により形成される。
【0082】
図15に示すように、第1及び第2のブラケット(41,42)の底部(41a,42a)に可撓性の密閉部材(46)が一体に形成され、第1及び第2のブラケット(41,42)を第1及び第2の配線基板(11,12)に取り付けるときに、密閉部材(46)は、第1及び第2の配線基板(11,12)の表面に密着する。例えば、エポキシ樹脂等の比較的硬質な材質により形成される第1及び第2のブラケット(41,42)に対し、シリコーン樹脂等の比較的軟質なエラストマーで形成される密閉部材(46)は、第1及び第2のブラケット(41,42)の底部(41a,42a)に沿って、第1及び第2のブラケット(41,42)と一体成型され、第1及び第2の配線基板(11,12)の表面の縁部(11b,12b)に当接するときに、縁部(11b,12b)の形状に沿って僅かに変形する。第1及び第2のブラケット(41,42)と第1及び第2の配線基板(11,12)との間が密閉部材(46)により密閉され、密閉部材(46)は、第1及び第2のブラケット(41,42)と共に、各要素を機械的に確実に支持すると共に、外乱光及び異物が第1及び第2のブラケット(41,42)内に侵入して、センサ組立体(1,2)の検出精度が低下するのを防止することができる。
【0083】
図14に示すように、第1及び第2の非球面レンズ(51,52)は、ほぼ五角形断面を有し、先端に向かって幅が縮小するテーパ状断面を形成する2つの傾斜面(51a,52a)と、2つの傾斜面(51a,52a)を先端で接続する円柱面又は湾曲面(51d,52d)とを有する。第1及び第2のブラケット(41,42)の第1及び第2の隔壁(43,44)の上部には、第1及び第2の非球面レンズ(51,52)の傾斜面(51a,52a)にほぼ合致する2つの傾斜面(43a,44b)を有する切欠部が形成される。図15に示すように、第1及び第2のブラケット(41,42)に第1及び第2の非球面レンズ(51,52)を取り付けるとき、第1及び第2のブラケット(41,42)の第1及び第2の隔壁(43,44)の傾斜面(43a,44b)には第1及び第2の非球面レンズ(51,52)の傾斜面(51a,52a)が当接し、第1及び第2の非球面レンズ(51,52)は、第1及び第2のブラケット(41,42)の第1及び第2の隔壁(43,44)に支持される。傾斜面(51a,52a)は、60°〜120°、好ましくは90°の角度に形成され、第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)及び第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)から照射されるほぼ円形断面又は楕円形断面の光は、紙幣(50)に向って平行な線状光線に変換する。傾斜面(51a,52a)に対向して形成される第1及び第2の非球面レンズ(51,52)の平坦面(51b,52b)は、ほぼ矩形断面の光を放出する。
【0084】
図11及び図12に示すように、第1及び第2の非球面レンズ(51,52)のX軸方向の長さは、X軸方向に一列にそれぞれ配置される第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)及び上PDチップ(37)並びに第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)及び下PDチップ(38)の配列長さよりも大きい。上非球面レンズ(51)及び下非球面レンズ(52)を通じて、紙幣(50)を透過する第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)の光を確実に上PDチップ(37)に照射させる。また、下非球面レンズ(52)及び上非球面レンズ(51)を通じて、紙幣(50)を透過する第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)の光を確実に下PDチップ(38)に照射させる。
【0085】
第1及び第2の非球面レンズ(51,52)は、紙幣(50)の搬送方向に対して直角方向に幅広に形成され、第1及び第2の平坦面(51b,52b)から放出される光も、紙幣(50)の搬送方向に対して直角方向に幅広に形成される。従来の砲弾型LEDチップでは、ほぼ円形断面の光が紙幣(50)に照射されるが、本実施の形態の光学センサ装置(10)では、第1及び第2の非球面レンズ(51,52)により、ほぼ矩形断面の光を紙幣(50)に照射して、紙幣(50)のより広範囲で透過光データを得ることができる。図16に示すように、第1及び第2の非球面レンズ(51,52)の平坦面(51b,52b)と傾斜面(51a,52a)との間の側面に段部(51c,52c)を形成してもよい。平坦面(51b,52b)の断面が縮小され、紙幣(50)に照射される光の範囲を限定し、紙幣(50)のより狭い領域の透過光データを得ることができる。
【0086】
同一又は異なる構造の四発光受光素子、六発光受光素子、八発光受光素子及び十発光受光素子をX軸方向に複数並置してもよい。図17〜図21では、波長370nm程度の紫外光LEDチップUV、波長470nm程度の青色光LEDチップB、波長525nm程度の緑色光LEDチップG、波長620nm程度の赤色光LEDチップR、波長740nm程度の近赤外光LEDチップNIR、波長830nm程度の赤外光LEDチップIRが使用される。
【0087】
図17に示す光学センサ装置(20a)の実施の形態では、X軸方向の中央側に四発光受光素子を有する中央側光学センサ装置(30a)を1列配置し、X軸方向の右側に四発光受光素子を有する右側光学センサ装置(30b)を2列配置し、X軸方向の左側に四発光受光素子を有する左側光学センサ装置(30c)を2列配置する。中央側光学センサ装置(30a)は、図1に示す光学センサ装置(10a)と同様に配置される第1の上LEDチップ(21)及び第1の下LEDチップ(31)を有する。右側光学センサ装置(30b)は、図3に示す光学センサ装置(10b)と同様に配置される第1の上LEDチップ(21)及び第1の下LEDチップ(31)を有する。左側光学センサ装置(30c)は、中央側光学センサ装置(30a)を中心に右側光学センサ装置(30b)を反転した構造を有し、図3に示す光学センサ装置(10b)の第1の上LEDチップ(21)、上PDチップ(37)、第1の下LEDチップ(31)及び下PDチップ(38)とは、対称位置に各チップ(21,37,31,38)が配置される。
【0088】
各光学センサ装置(30a,30b,30c)の第1の上LEDチップ(21)と第1の下LEDチップ(31)は、時分割制御で各々異なる時間に点灯される。また、各光学センサ装置(30a,30b,30c)では、それぞれ1つのLEDチップ(21,31)が同時に点灯しても、各光学センサ装置(30a,30b,30c)間に設けられる隔壁(43,44)は、上PDチップ(37)及び下PDチップ(38)による複数の光の同時受光を防止する。
【0089】
各LEDチップ(21,31)の発光色は、中央側光学センサ装置(30a)の中心(29)に対し、左右対称に配置される。このLED配列により、搬送通路(55)内に挿入される紙幣(50)の表面及び裏面の向きに関係なく、紙幣(50)のほぼ同一位置で同一波長の光を透過させて、紙幣(50)の透過光データを得ることができる。例えば、表面と裏面とを反転して紙幣(50)を搬送通路(55)内に挿入するとき、紙幣(50)の一側部表面に照射される光の波長は、紙幣(50)の一側部裏面に照射される光の波長と同一である。
【0090】
制御装置は、第1の上LEDチップ(21)から照射されかつ紙幣(50)を透過する第1の光の下PDチップ(38)による受光量を決定する。上センサ組立体(1)と同様に、下センサ組立体(2)でも、第1の下LEDチップ(31)から照射されかつ紙幣(50)を透過する第2の光の上PDチップ(37)による各受光量を決定する。制御装置は、第1及び第2の光の受光量がそれぞれ所定の比率の範囲内にあるとき、紙幣(50)を真正と判断して、搬送装置を駆動し、紙幣(50)を紙幣鑑別装置の集積室内に収納する。
【0091】
図17の光学センサ装置(20a)では、光学センサ装置(20a)の外側にそれぞれ1列配置される右側光学センサ装置(30b)及び左側光学センサ装置(30c)を紙幣(50)の金種を判断するのに使用する。制御装置は、右側光学センサ装置(30b)及び左側光学センサ装置(30c)の第1の上LEDチップ(21)及び第1の下LEDチップ(31)から照射されて、紙幣(50)で反射してそれぞれ上PDチップ(37)及び下PDチップ(38)が受光する第1及び第2の光の受光量をそれぞれ所定の数値と比較して、搬送通路(55)内に挿入される紙幣(50)の金種を判断することができる。
【0092】
図18に示す光学センサ装置(20b)の実施の形態では、X軸方向の中央側に六発光受光素子を有する中央側光学センサ装置(30a)を1列配置し、X軸方向の右側に六発光受光素子を有する右側光学センサ装置(30b)を2列配置し、X軸方向の左側に六発光受光素子を有する左側光学センサ装置(30c)を2列配置する。中央側光学センサ装置(30a)は、図5に示す光学センサ装置(10c)と同様に配置される第1及び第2の上LEDチップ(21,22)及び第1及び第2の下LEDチップ(31,32)を有する。右側光学センサ装置(30b)は、図6に示す光学センサ装置(10b)と同様に配置される第1及び第2の上LEDチップ(21,22)及び第1及び第2の下LEDチップ(31,32)を有する。左側光学センサ装置(30c)は、中央側光学センサ装置(30a)を中心に右側光学センサ装置(30b)を反転した構造を有し、図6に示す光学センサ装置(10b)の第1及び第2の上LEDチップ(21,22)、上PDチップ(37)、第1及び第2の下LEDチップ(31,32)及び下PDチップ(38)とは、対称位置に各チップ(21,22,37,31,32,38)が配置される。
【0093】
各光学センサ装置(30a,30b,30c)の第1及び第2の上LEDチップ(21,22)並びに第1及び第2の下LEDチップ(31,32)は、時分割制御で各々異なる時間に点灯される。また、各光学センサ装置(30a,30b,30c)では、それぞれ1つのLEDチップ(21,22,31,32)が同時に点灯しても、各光学センサ装置(30a,30b,30c)間に設けられる隔壁(43,44)は、上PDチップ(37)及び下PDチップ(38)による複数の光の同時受光を防止する。
【0094】
各LEDチップ(21,22,31,32)の発光色は、中央側光学センサ装置(30a)の中心(29)に対し、左右対称に配置される。このLED配列により、搬送通路(55)内に挿入される紙幣(50)の表面及び裏面の向きに関係なく、紙幣(50)のほぼ同一位置で同一波長の光を透過させて、紙幣(50)の透過光データを得ることができる。例えば、表面と裏面とを反転して紙幣(50)を搬送通路(55)内に挿入するとき、紙幣(50)の一側部表面に照射される光の波長は、紙幣(50)の一側部裏面に照射される光の波長と同一である。
【0095】
制御装置は、第1の上LEDチップ(21)及び第2の上LEDチップ(22)から照射されかつ紙幣(50)を透過する第1及び第2の光の下PDチップ(37)による各受光量を加算して、総受光量を決定する。次に、第1及び第2の光の各受光量と総受光量との比を算出し、各商が所定の範囲内にあるとき、紙幣(50)を真正と判断する。
【0096】
上センサ組立体(1)と同様に、下センサ組立体(2)でも、第1及び第2の下LEDチップ(31,32)から照射されかつ紙幣(50)を透過する第3及び第4の光の上PDチップ(37)による各受光量を加算して、総受光量を決定する。次に、第3及び第4の光の各受光量と総受光量との比を算出し、各商が所定の範囲内にあるとき、紙幣(50)を真正と判断する。このように、制御装置は、第1〜第4の光の受光量の比率が所定の比率の範囲内にあるとき、紙幣(50)を真正と判断して、搬送装置を駆動し、紙幣(50)を紙幣鑑別装置の集積室内に収納する。
【0097】
図18の光学センサ装置(20b)では、光学センサ装置(20b)の外側にそれぞれ1列配置される右側光学センサ装置(30b)及び左側光学センサ装置(30c)を使用して、紙幣(50)の金種を判断する。制御装置は、右側光学センサ装置(30b)及び左側光学センサ装置(30c)の第2の上LEDチップ(22)及び第2の下LEDチップ(32)から照射されて、紙幣(50)で反射してそれぞれ上PDチップ(37)及び下PDチップ(38)が受光する第2及び第4の光の受光量をそれぞれ所定の数値と比較して、搬送通路(55)内に挿入される紙幣(50)の金種を判断することができる。
【0098】
図19に示す光学センサ装置(20c)の実施の形態では、X軸方向の中央側に八発光受光素子を有する中央側光学センサ装置(30a)を1列配置し、X軸方向の右側に八発光受光素子を有する右側光学センサ装置(30b)を2列配置し、X軸方向の左側に八発光受光素子を有する左側光学センサ装置(30c)を2列配置する。中央側光学センサ装置(30a)は、図9に示す光学センサ装置(10g)と同様に配置される第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)及び第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)を有する。右側光学センサ装置(30b)は、図8に示す光学センサ装置(10f)と同様に配置される第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)及び第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)を有する。左側光学センサ装置(30c)は、中央側光学センサ装置(30a)を中心に右側光学センサ装置(30b)を反転した構造を有し、図8に示す光学センサ装置(10f)の第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)、上PDチップ(37)、第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)及び下PDチップ(38)とは、対称位置に各チップ(21,22,23,37,31,32,33,38)が配置される。
【0099】
各光学センサ装置(30a,30b,30c)の第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)並びに第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)は、時分割制御で各々異なる時間に点灯される。また、各光学センサ装置(30a,30b,30c)では、それぞれ1つのLEDチップ(21,22,23,31,32,33)が同時に点灯しても、各光学センサ装置(30a,30b,30c)間に設けられる隔壁(43,44)は、上PDチップ(37)及び下PDチップ(38)による複数の光の同時受光を防止する。
【0100】
各LEDチップ(21,22,23,31,32,33)の発光色は、中央側光学センサ装置(30a)の中心(29)に対し、左右対称に配置される。このLED配列により、搬送通路(55)内に挿入される紙幣(50)の表面及び裏面の向きに関係なく、紙幣(50)のほぼ同一位置で同一波長の光を透過させて、紙幣(50)の透過光データを得ることができる。例えば、表面と裏面とを反転して紙幣(50)を搬送通路(55)内に挿入するとき、紙幣(50)の一側部表面に照射される光の波長は、紙幣(50)の一側部裏面に照射される光の波長と同一である。
【0101】
制御装置は、第1の上LEDチップ(21)及び第2の上LEDチップ(22)から照射されかつ紙幣(50)を透過する第1及び第2の光の下PDチップ(37)による各受光量を加算して、総受光量を決定する。次に、第1及び第2の光の各受光量と総受光量との比を算出し、各商が所定の範囲内にあるとき、紙幣(50)を真正と判断する。
【0102】
上センサ組立体(1)と同様に、下センサ組立体(2)でも、第1及び第2の下LEDチップ(31,32)から照射されかつ紙幣(50)を透過する第3及び第4の光の上PDチップ(37)による各受光量を加算して、総受光量を決定する。次に、第3及び第4の光の各受光量と総受光量との比を算出し、各商が所定の範囲内にあるとき、紙幣(50)を真正と判断する。このように、制御装置は、第1〜第4の光の受光量の比率が所定の比率の範囲内にあるとき、紙幣(50)を真正と判断して、搬送装置を駆動し、紙幣(50)を紙幣鑑別装置の集積室内に収納する。
【0103】
図19の光学センサ装置(20c)では、制御装置は、第3の上LEDチップ(23)及び第3の下LEDチップ(33)から照射されて、紙幣(50)で反射してそれぞれ上PDチップ(37)及び下PDチップ(38)が受光する第5及び第6の光の受光量をそれぞれ所定の数値と比較して、搬送通路(55)内に挿入される紙幣(50)の金種を判断することができる。
【0104】
図20に示す光学センサ装置(20d)の実施の形態では、X軸方向の中央側に十発光受光素子を有する中央側光学センサ装置(30a)を1列配置し、X軸方向の右側に十発光受光素子を有する右側光学センサ装置(30b)を2列配置し、X軸方向の左側に十発光受光素子を有する左側光学センサ装置(30c)を2列配置する。中央側光学センサ装置(30a)は、図11に示す光学センサ装置(10i)と同様に配置される第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)及び第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)を有する。右側光学センサ装置(30b)は、図12に示す光学センサ装置(10j)と同様に配置される第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)及び第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)を有する。左側光学センサ装置(30c)は、中央側光学センサ装置(30a)を中心に右側光学センサ装置(30b)を反転した構造を有し、図12に示す光学センサ装置(10j)の第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)、上PDチップ(37)、第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)及び下PDチップ(38)とは、対称位置に各チップ(21,22,23,24,37,31,32,33,34,38)が配置される。
【0105】
各光学センサ装置(30a,30b,30c)の第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)並びに第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)は、時分割制御で各々異なる時間に点灯される。また、各光学センサ装置(30a,30b,30c)では、それぞれ1つのLEDチップ(21,22,23,24,31,32,33,34)が同時に点灯しても、各光学センサ装置(30a,30b,30c)間に設けられる隔壁(43,44)は、上PDチップ(37)及び下PDチップ(38)による複数の光の同時受光を防止する。
【0106】
各LEDチップ(21,22,23,24,31,32,33,34)の発光色は、中央側光学センサ装置(30a)の中心(29)に対し、左右対称に配置される。このLED配列により、搬送通路(55)内に挿入される紙幣(50)の表面及び裏面の向きに関係なく、紙幣(50)のほぼ同一位置で同一波長の光を透過させて、紙幣(50)の透過光データを得ることができる。例えば、表面と裏面とを反転して紙幣(50)を搬送通路(55)内に挿入するとき、紙幣(50)の一側部表面に照射される光の波長は、紙幣(50)の一側部裏面に照射される光の波長と同一である。
【0107】
図20の光学センサ装置(20d)では、図22に示す従来の光学センサ装置(111)と比較して、異なる波長の光を発生する発光素子の数を増加して、鑑別性能を向上できると共に、発光素子よりも高価なPDチップの数を削減して、製造価格を低減することができる。制御装置は、第1の上LEDチップ(21)、第2の上LEDチップ(22)及び第3の上LEDチップ(23)から照射されかつ紙幣(50)を透過する第1、第2及び第3の光の下PDチップ(37)による各受光量を加算して、総受光量を決定する。次に、第1、第2及び第3の光の各受光量と総受光量との比を算出し、各商が所定の範囲内にあるとき、紙幣(50)を真正と判断する。
【0108】
上センサ組立体(1)と同様に、下センサ組立体(2)でも、第1、第2及び第3の下LEDチップ(31)から照射されかつ紙幣(50)を透過する第4、第5及び第6の光の上PDチップ(37)による各受光量を加算して、総受光量を決定する。次に、第4、第5及び第6の光の各受光量と総受光量との比を算出し、各商が所定の範囲内にあるとき、紙幣(50)を真正と判断する。このように、制御装置は、第1〜第6の光の受光量の比率が所定の比率の範囲内にあるとき、紙幣(50)を真正と判断して、搬送装置を駆動し、紙幣(50)を紙幣鑑別装置の集積室内に収納する。
【0109】
図20の光学センサ装置(20d)では、制御装置は、第4の上LEDチップ(24)及び第4の下LEDチップ(34)から照射されて、紙幣(50)で反射してそれぞれ上PDチップ(37)及び下PDチップ(38)が受光する第7及び第8の光の受光量をそれぞれ所定の数値と比較して、搬送通路(55)内に挿入される紙幣(50)の金種を判断することができる。
【0110】
四発光受光素子、六発光受光素子、八発光受光素子及び十発光受光素子を組み合わせて、X軸方向に並置してもよい。図21に示す光学センサ装置(20e)の実施の形態では、X軸方向の中央側に六発光受光素子を有する中央側光学センサ装置(40a)を1列配置し、中央側光学センサ装置(40a)のX軸方向の右側に八発光受光素子を有する右中央側光学センサ装置(40b)を1列配置し、右中央側光学センサ装置(40b)のX軸方向の右側に十発光受光素子を有する右側光学センサ装置(40c)を1列配置する。同様に、中央側光学センサ装置(40a)のX軸方向の左側に八発光受光素子を有する左中央側光学センサ装置(40d)を1列配置し、左中央側光学センサ装置(40d)のX軸方向の左側に十発光受光素子を有する左側光学センサ装置(40e)を1列配置する。
【0111】
中央側光学センサ装置(40a)は、図6に示す光学センサ装置(10d)と同様に配置される第1及び第2の上LEDチップ(21,22)及び第1及び第2の下LEDチップ(31,32)を有する。右中央側光学センサ装置(40b)は、図8に示す光学センサ装置(10f)と同様に配置される第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)及び第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)を有する。右側光学センサ装置(40c)は、図12に示す光学センサ装置(10j)と同様に配置される第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)及び第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)を有する。左中央側光学センサ装置(40d)は、中央側光学センサ装置(40a)を中心に右中央側光学センサ装置(40b)を反転した構造を有し、図8に示す光学センサ装置(10f)の第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)、上PDチップ(37)、第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)及び下PDチップ(38)とは、対称位置に各チップ(21,22,37,31,32,38)が配置される。左側光学センサ装置(40e)は、中央側光学センサ装置(40a)を中心に右側光学センサ装置(40c)を反転した構造を有し、図12に示す光学センサ装置(10j)の第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)、上PDチップ(37)、第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)及び下PDチップ(38)とは、対称位置に各チップ(21,22,23,24,37,31,32,33,34,38)が配置される。
【0112】
各LEDチップ(21,22,23,24,31,32,33,34)の発光色は、中央側光学センサ装置(40a)の中心(29)に対し、左右対称に配置される。このLED配列により、搬送通路(55)内に挿入される紙幣(50)の表面及び裏面の向きに関係なく、紙幣(50)のほぼ同一位置で同一波長の光を透過させて、紙幣(50)の透過光データを得ることができる。例えば、表面と裏面とを反転して紙幣(50)を搬送通路(55)内に挿入するとき、紙幣(50)の一側部表面に照射される光の波長は、紙幣(50)の一側部裏面に照射される光の波長と同一である。図21に示す光学センサ装置(20e)では、右側光学センサ装置(40c)及び左側光学センサ装置(40e)の第4の上LEDチップ(24)と第4の下LEDチップ(34)から照射されて紙幣(50)で反射した反射光を紙幣(50)の金種の判断に使用し、他のLEDチップ(21,22,23,31,32,33)から照射されて紙幣(50)を透過した透過光を紙幣(50)の真偽の判断に使用する。
【0113】
紙幣(50)の透過光データにより、例えば、紙幣(50)の表面のインク、紙、裏面のインクの材質及び厚みを検出できるので、高度な偽造紙幣を鑑別する紙幣鑑別装置では、紙幣(50)の反射光データよりも紙幣(50)の透過光データが使用される。また、紙幣(50)の同一領域の3種類以上の透過光データを検出して、偽造紙幣を高精度に検出することができる。しかしながら、第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)の反射光を上PDチップ(37)により受光し、第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)の反射光を下PDチップ(38)により受光し、紙幣(50)の反射光データを使用して、紙幣(50)の真偽を判断してもよい。また、第4の上LEDチップ(24)の透過光を下PDチップ(38)により受光し、第4の下LEDチップ(34)の透過光を上PDチップ(37)により受光して、紙幣(50)の真偽を判断してもよい。更に、第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)及び第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)の透過光を使用して、紙幣(50)の金種を判断してもよい。
【0114】
紙葉類鑑別装置の入口(101)に挿入された紙幣(50)は、図示しないセンタリング装置によるセンタリング動作により又は搬送通路(55)の側壁に案内され、搬送通路(55)の幅方向のほぼ中心に沿って搬送される。搬送通路(55)の中心を移動する紙幣(50)は、前述した光学センサ装置(10a〜10j,20a〜20e)の中心を通過するため、各LEDチップ(21,22,23,24,31,32,33,34)から放出された光は、常に紙幣(50)の幅方向のほぼ同一位置に照射される。よって、互いに点対象位置に配置されるLEDチップが同一波長の光を発生する本実施の形態の光学センサ装置(10a〜10j,20a〜20e)では、紙幣(50)の表面及び裏面の何れを上にして紙葉類鑑別装置の入口(101)に挿入しても、紙幣(50)の幅方向のほぼ同一位置の透過光パターンデータ又は反射光パターンデータを取り出すことができる。
【0115】
紙幣の多数の微小領域から多色透過光データを抽出して、異なる波長の光出力の差又は比が所定の範囲に該当するか否かを精密に決定する近代的紙幣鑑別法を実現するため、表面実装型の発光素子と受光素子を使用する必要がある。即ち、基板上の同一電極又は接近する異なる複数の電極上に発光素子チップを実装して、同一の保護樹脂により、複数の発光素子チップを共通に被覆することができる。基板上の同一電極上に複数の発光素子チップを実装して、発光素子チップの各アノード電極又はカソード電極を同一電極に接続するとき、発光素子チップの各カソード電極又はアノード電極を基板上のそれぞれ異なる別の電極に金属細線(ボンディングワイヤ)で接続することができる。また、基板上の異なる電極上にそれぞれ複数の発光素子チップを実装して、発光素子チップの各アノード電極又はカソード電極を異なる電極に接続するとき、発光素子チップの各カソード電極又はアノード電極を基板上の同一の電極に金属細線(ボンディングワイヤ)で接続することができる。表面実装に使用する保護樹脂は、レンズ作用がなく、一方の発光素子チップが点灯しても、他方の発光素子チップに偽灯が生じない。発光素子チップ間のピッチ間隔は、1mm以下、好ましくは0.6mm以下であり、発光素子チップからの光を拡散室内で拡散させた後に、非球面レンズを通じて紙幣に照射する。これにより、異なる波長の光を発光素子チップから紙幣の同一領域に線状光線として照射し、受光素子チップにより受光することにより、紙幣の同一領域の多色光データを得ることができる。この構造では、発光素子チップにレンズ作用のある封止樹脂体及び樹脂封止体から導出される外部リードは、不要である。換言すれば、樹脂封止体のレンズ作用を発生せずに、拡散室として使用することができる。
【0116】
図6〜図12に示すように、本発明の実施の形態では、それぞれ2個の端子を有する少なくとも第1及び第2の発光素子(21,22)が配線基板(11)の同一又は異なる発光用電極体(71)上にそれぞれ表面実装され、第1及び第2の発光素子(21,22)と非球面レンズ(51)との間に光拡散室(53)が形成される。配線基板(11)の同一又は異なる発光用電極体(71)上にそれぞれ表面実装される第1及び第2の発光素子(21,22)は、同一の光透過性の保護樹脂により被覆される。2個の端子を有する受光素子(37)が配線基板(11)の受光用電極体(81)上に表面実装され、第1の非球面レンズ(51)を受光用の非球面レンズとして使用することができる。別法として、配線基板(11)に対向して配置される別の配線基板(12)に受光用電極体(81)を形成して、2個の端子を有する受光素子(37)を受光用電極体(81)上に表面実装してもよい。配線基板(11)上で第1及び第2の発光素子(21,22)の実装位置が相違しても、第1及び第2の発光素子(21,22)を1mm以下、好ましくは0.6mm以下のピッチ間隔で分離した同一又は異なる発光用電極体(71)上に表面実装できる。
【0117】
第1及び第2の発光素子(21,22)を点灯すると、各PN接合から種々の方向に光が照射され、光拡散室(53)内で拡散した後に、非球面レンズ(51)を透過して書面上で反射する。非球面レンズ(51)を透過する光は、ほぼ矩形断面又は楕円断面の線状光線になるため、第1及び第2の発光素子(21,22)の実装位置の相違を補償して、第1及び第2の発光素子(21,22)を配線基板(11)上の同一位置に固着したとみなすことができる。書面上で反射した光は、非球面レンズ(51)を通じて受光素子(37)で受光することができる。また、第1及び第2の発光素子(21,22)から照射される光が光拡散室(53)を通るため、ピン挿入方式の発光ダイオードとは異なり、封止樹脂内を光が通過しないため、封止樹脂の劣化を防止することができる。
【0118】
第1及び第2の発光素子(21,22)を包囲して、第1及び第2の発光素子(21,22)から非球面レンズ(52)に向って形成される反射面(54)をブラケット(41)に設け、反射面(54)により、光拡散室(53)の少なくとも一部を形成できる。図6に点線で示すように、第1及び第2の発光素子(21,22)から非球面レンズ(52)に向って外側に断面が拡大する傾斜面又はテーパ面として反射面(54)を形成できる。截頭円錐形、截頭角錐形等の截頭錘体形に形成される反射壁(54)によりブラケット(41)で吸収される光量を抑制しつつ受光素子(37)に反射する光量を増加することができる。
【0119】
本発明の前記実施例は、種々の変更が可能である。例えば、四発光受光素子、六発光受光素子及び八発光受光素子の第1、第2及び第3の上LEDチップ(21,22,23)及び第1、第2及び第3の下LEDチップ(31,32,33)を使用して、紙幣(50)の反射光データを得てもよい。また、LEDチップ数を増加して、六発光受光素子以上のセンサ組立体を構成し、必要に応じて、2つ以上のPDチップを使用してもよい。
【0120】
第1、第2、第3及び第4の上LEDチップ(21,22,23,24)及び第1、第2、第3及び第4の下LEDチップ(31,32,33,34)を紙幣(50)の搬送方向に向かって二列以上配置してもよい。この場合、第1及び第2の配列直線(56,57)に対して平行の第3及び第4又はそれ以上の配列直線が形成される。各センサ装置(1,2)に設けられるLEDチップ及びPDチップをそれぞれ5つ以上に増加してもよい。上センサ組立体(1)と下センサ組立体(2)の数は、それぞれ5個又はそれ以下が好ましいが、センサ組立体の数は、本発明を限定しない。また、第1の配列直線(56)及び第2の配列直線(57)にそれぞれ沿って整合して配置した複数の上センサ組立体(1)と、上センサ組立体(1)と同数の下センサ組立体(2)とを設けることが好ましいが、これらの構造は、本発明を限定しない。
【0121】
図示の実施の形態では、第1及び第2の配列直線(56,57)を含む平面は、紙幣(50)の搬送通路(55)に対して平行に形成されるが、第1及び第2の配列直線(56,57)を含む平面を紙幣(50)の搬送通路(55)に対して直角か又は45°以下の角度で傾斜させてもよい。本発明は、紙幣以外にも、例えば債券、証明書、クーポン、仮証券、通貨、銀行券、有価証券及びチケット等の有価紙葉に適用できる点に注意すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本発明は、紙幣鑑別装置、紙幣識別装置又はクーポン受収装置等の紙葉類取扱装置の光学センサとして広範囲に適用することができる。
【符号の説明】
【0123】
(1)・・上センサ組立体、 (2)・・下センサ組立体、 (11)・・第1の配線基板、 (12)・・第2の配線基板、 (21〜24)・・上発光素子(上LEDチップ)、 (31〜34)・・下発光素子(下LEDチップ)、 (37)・・上受光素子(上PDチップ)、 (38)・・下受光素子(下PDチップ)、 (50)・・有価紙葉(紙幣)、 (55)・・搬送通路、 (61)・・第1のリード、 (62)・・第2のリード、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上センサ組立体と、有価紙葉を搬送する搬送通路を介して上センサ組立体に対向して配置される下センサ組立体とを備え、
上センサ組立体は、複数の上リードを有する上配線基板と、上配線基板上に表面実装されかつ対応する上リードに電気的に接続される2個の端子を有する上発光素子と、上配線基板上に表面実装されかつ対応する上リードに電気的に接続される2個の端子を有する上受光素子とを備え、
下センサ組立体は、複数の下リードを有する下配線基板と、下配線基板上に表面実装されかつ対応する下リードに電気的に接続される2個の端子を有する下発光素子と、下配線基板上に表面実装されかつ対応する下リードに電気的に接続される2個の端子を有する下受光素子とを備え、
上受光素子は、下発光素子から照射されて搬送通路を通る有価紙葉を透過する光を受光し、
下受光素子は、上発光素子から照射されて搬送通路を通る有価紙葉を透過する光を受光することを特徴とする紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項2】
上センサ組立体は、上配線基板上に配置される上ブラケットと、上発光素子及び上受光素子に対向して上ブラケット上に支持される上非球面レンズとを備え、
下センサ組立体は、下配線基板上に配置される下ブラケットと、下発光素子及び下受光素子に対向して下ブラケット上に支持される下非球面レンズとを備える請求項1に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項3】
上ブラケットは、上発光素子と上受光素子とを分離する上隔壁を有し、
下ブラケットは、下発光素子と下受光素子とを分離する下隔壁を有する請求項2に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項4】
上ブラケットの上隔壁を介して上発光素子及び上受光素子から一定距離離間して上非球面レンズを配置すると共に、
下ブラケットの下隔壁を介して下発光素子及び下受光素子から一定距離離間して下非球面レンズを配置した請求項3に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項5】
上配線基板に形成される開口部内に上ブラケットの上隔壁の端部を嵌合し、
下配線基板に形成される開口部内に下ブラケットの下隔壁の端部を嵌合した請求項3又は4に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項6】
上支持基板に設けられる複数の上接続端子に複数の上リードを電気的に接続して上センサ組立体を上支持基板に固定し、
下支持基板に設けられる複数の下接続端子に複数の下リードを電気的に接続して下センサ組立体を下支持基板に固定した請求項1〜5の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項7】
上発光素子及び上受光素子と、下発光素子及び下受光素子とを点対称位置に配置した請求項1〜6の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項8】
上リードの1つに接続されて上配線基板に形成される上発光用電極体に上発光素子の一方の端子を固着し、
上リードの他の1つに接続されて上配線基板に形成される上受光用電極体に上受光素子の一方の端子を固着し、
搬送通路の進行方向とは直角な第1の配列直線上に上発光用電極体と上受光用電極体とを整合して配置し、
下リードの1つに接続されて下配線基板に形成される下発光用電極体に下発光素子の一方の端子を固着し、
下リードの他の1つに接続されて下配線基板に形成される下受光用電極体に下受光素子の一方の端子を固着し、
搬送通路の進行方向とは直角な第2の配列直線上に下発光用電極体と下受光用電極体とを整合して配置した請求項1〜7の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項9】
上発光素子から照射されて紙幣を透過する光を受光する下受光素子の第2の配列直線に沿う受光面の長さは、上発光素子の第1の配列直線に沿う発光面の長さと同一か又はこれより大きく、
下発光素子から照射されて紙幣を透過する光を受光する上受光素子の第1の配列直線に沿う受光面の長さは、下発光素子の第2の配列直線に沿う発光面の長さと同一か又はこれより大きい請求項1〜8の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項10】
上リードの1つに接続されて上配線基板に形成される上発光用電極体に上発光素子の一方の端子を固着し、
上リードの他の1つに接続されて上配線基板に形成される上受光用電極体に上受光素子の一方の端子を固着し、
搬送通路の進行方向とは直角な第1の配列直線上に上発光用電極体と上受光用電極体とを整合して配置し、
下リードの1つに接続されて下配線基板に形成される下発光用電極体に下発光素子の一方の端子を固着し、
下リードの他の1つに接続されて下配線基板に形成される下受光用電極体に下受光素子の一方の端子を固着し、
搬送通路の進行方向とは直角な第2の配列直線上に下発光用電極体と下受光用電極体とを整合して配置し、
第1及び第2の配列直線は、互いに平行である請求項1〜9の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項11】
上センサ組立体と、有価紙葉を搬送する搬送通路を介して上センサ組立体に対向して配置される下センサ組立体とを備え、
上センサ組立体は、複数の上リードを有する上配線基板と、上配線基板上に個別に表面実装されかつ対応する上リードに電気的に接続される2個の端子をそれぞれ有する第1及び第2の上発光素子と、上配線基板上に表面実装されかつ対応する上リードに電気的に接続される2個の端子を有する上受光素子とを備え、
下センサ組立体は、複数の下リードを有する下配線基板と、下配線基板上に個別に表面実装されかつ対応する下リードに電気的に接続される2個の端子をそれぞれ有する第1及び第2の下発光素子と、下配線基板上に表面実装されかつ対応する下リードに電気的に接続される2個の端子を有する下受光素子とを備え、
上受光素子は、第1及び第2の下発光素子から照射されて搬送通路を通る有価紙葉を透過する光を受光し、
下受光素子は、第1及び第2の上発光素子から照射されて搬送通路を通る有価紙葉を透過する光を受光することを特徴とする紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項12】
上センサ組立体は、上配線基板上に配置される上ブラケットと、第1及び第2の上発光素子及び上受光素子に対向して上ブラケット上に支持される上非球面レンズとを備え、
下センサ組立体は、下配線基板上に配置される下ブラケットと、第1及び第2の下発光素子及び下受光素子に対向して下ブラケット上に支持される下非球面レンズとを備える請求項11に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項13】
上ブラケットは、第1及び第2の上発光素子と上受光素子とを分離する複数の上隔壁を有し、
下ブラケットは、第1及び第2の下発光素子と下受光素子とを分離する複数の下隔壁を有する請求項12に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項14】
上ブラケットの上隔壁を介して第1及び第2の上発光素子及び上受光素子から一定距離離間して上非球面レンズを配置すると共に、
下ブラケットの下隔壁を介して第1及び第2の下発光素子及び下受光素子から一定距離離間して下非球面レンズを配置した請求項13に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項15】
上配線基板に形成される開口部内に上ブラケットの上隔壁の端部を嵌合し、
下配線基板に形成される開口部内に下ブラケットの下隔壁の端部を嵌合した請求項12又は13に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項16】
上支持基板に設けられる複数の上接続端子に複数の上リードを電気的に接続して上センサ組立体を上支持基板に固定し、
下支持基板に設けられる複数の下接続端子に複数の下リードを電気的に接続して下センサ組立体を下支持基板に固定した請求項11〜15の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項17】
第1の上発光素子と第2の上発光素子との間隔及び第1の下発光素子と第2の下発光素子との間隔は、0.6mm以下である請求項11〜16の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項18】
第1の上発光素子、第2の上発光素子及び上受光素子と、第1の下発光素子、第2の下発光素子及び下受光素子とを点対称位置に配置した請求項11〜17の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項19】
第1及び第2の上発光素子と第1及び第2の下発光素子との互いに点対象位置に配置される発光素子は、同一波長の光を発生する請求項11〜18の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項20】
上配線基板に形成される異なる上発光用電極体に第1及び第2の上発光素子の一方の各端子を固着して異なる上リードに接続し、
上配線基板に形成される上受光用電極体に上受光素子の一方の端子を固着して異なる上リードに接続し、
搬送通路の進行方向とは直角な第1の配列直線上に上発光用電極体と上受光用電極体とを整合して配置し、
下配線基板に形成される異なる下発光用電極体に第1及び第2の下発光素子の一方の各端子を固着して異なる下リードに接続し、
下配線基板に形成される下受光用電極体に下受光素子の一方の端子を固着して異なる下リードに接続し、
搬送通路の進行方向とは直角な第2の配列直線上に下発光用電極体と下受光用電極体とを整合して配置した請求項11〜19の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項21】
第1及び第2の上発光素子から照射されて有価紙葉を透過する光を受光する下受光素子の第2の配列直線に沿う受光面の長さは、第1及び第2の上発光素子の第1の配列直線に沿う発光面の長さと同一か又はこれより大きく、
第1及び第2の下発光素子から照射されて有価紙葉を透過する光を受光する上受光素子の第1の配列直線に沿う受光面の長さは、第1及び第2の下発光素子の第2の配列直線に沿う発光面の長さと同一か又はこれより大きい請求項11〜20の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項22】
下受光素子の第2の配列直線に沿う受光面の長さ及び上受光素子の第1の配列直線に沿う受光面の長さは、それぞれ1.5mm又はそれ以下である請求項21に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項23】
第1の上発光素子と第2の上発光素子との合計の受光量に対する第1及び第2の上発光素子の各発光素子の受光量が所定の比率の範囲内にあるとき、有価紙葉を真正と判断し、
第1の下発光素子と第2の下発光素子との合計の受光量に対する第1及び第2の下発光素子の各発光素子の受光量が所定の比率の範囲内にあるとき、有価紙葉を真正と判断する請求項11〜22の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項24】
上配線基板に形成される異なる上発光用電極体に第1及び第2の上発光素子の一方の端子を固着して異なる上リードに接続し、
上配線基板に形成される上受光用電極体に上受光素子の一方の端子を固着して異なる上リードに接続し、
搬送通路の進行方向とは直角な第1の配列直線上に上発光用電極体と上受光用電極体とを整合して配置し、
下配線基板に形成される異なる下発光用電極体に第1及び第2の下発光素子の一方の端子を固着して異なる下リードに接続し、
下配線基板に形成される下受光用電極体に下受光素子の一方の端子を固着して異なる下リードに接続し、
搬送通路の進行方向とは直角な第2の配列直線上に下発光用電極体と下受光用電極体とを整合して配置し、
第1及び第2の配列直線は、互いに平行である請求項11〜23の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項25】
上センサ組立体と、有価紙葉を搬送する搬送通路を介して上センサ組立体に対向して配置される下センサ組立体とを備え、
上センサ組立体は、複数の上リードを有する上配線基板と、上配線基板上に個別に表面実装されかつ対応する上リードに電気的に接続される2個の端子をそれぞれ有する第1、第2及び第3の上発光素子と、上配線基板上に表面実装されかつ対応する上リードに電気的に接続される2個の端子を有する上受光素子とを備え、
下センサ組立体は、複数の下リードを有する下配線基板と、下配線基板上に個別に表面実装されかつ対応する下リードに電気的に接続される2個の端子をそれぞれ有する第1、第2及び第3の下発光素子と、下配線基板上に表面実装されかつ対応する下リードに電気的に接続される2個の端子を有する下受光素子とを備え、
上受光素子は、第1、第2及び第3の下発光素子から照射されて搬送通路を通る有価紙葉を透過する光を受光し、
下受光素子は、第1、第2及び第3の上発光素子から照射されて搬送通路を通る有価紙葉を透過する光を受光することを特徴とする紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項26】
上センサ組立体は、上配線基板上に配置される上ブラケットと、第1、第2及び第3の上発光素子並びに上受光素子に対向して上ブラケット上に支持される上非球面レンズとを備え、
下センサ組立体は、下配線基板上に配置される下ブラケットと、第1、第2及び第3の下発光素子並びに下受光素子に対向して下ブラケット上に支持される下非球面レンズとを備える請求項25に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項27】
上ブラケットは、第1、第2及び第3の上発光素子と上受光素子とを分離する複数の隔壁を有し、
下ブラケットは、第1、第2及び第3の下発光素子と下受光素子とを分離する複数の隔壁を有する請求項26に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項28】
上ブラケットの上隔壁を介して第1、第2及び第3の上発光素子並びに上受光素子から一定距離離間して上非球面レンズを配置すると共に、
下ブラケットの下隔壁を介して第1、第2及び第3の下発光素子並びに下受光素子から一定距離離間して下非球面レンズを配置した請求項27に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項29】
上配線基板に形成される開口部内に上ブラケットの隔壁の端部を嵌合し、
下配線基板に形成される開口部内に下ブラケットの隔壁の端部を嵌合した請求項26又は27に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項30】
上支持基板に設けられる複数の上接続端子に複数の上リードを電気的に接続して上センサ組立体を上支持基板に固定し、
下支持基板に設けられる複数の下接続端子に複数の下リードを電気的に接続して下センサ組立体を下支持基板に固定した請求項25〜29の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項31】
隣接する第1、第2及び第3の上発光素子の間隔と隣接する第1、第2及び第3の下発光素子の間隔は、0.6mm以下である請求項25〜30の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項32】
第1の上発光素子、第2の上発光素子、第3の上発光素子及び上受光素子と、第1の下発光素子、第2の下発光素子、第3の下発光素子及び下受光素子とを点対称位置に配置した請求項25〜31の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項33】
第1、第2及び第3の上発光素子と第1、第2及び第3の下発光素子との互いに点対象位置に配置される発光素子は、同一波長の光を発生する請求項25〜32の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項34】
上配線基板に形成される異なる上発光用電極体に第1、第2及び第3の上発光素子の一方の各端子を固着して異なる上リードに接続し、
上配線基板に形成される上受光用電極体に上受光素子の一方の端子を固着して異なる上リードに接続し、
搬送通路の進行方向とは直角な第1の配列直線上に上発光用電極体と上受光用電極体とを整合して配置し、
下配線基板に形成される異なる下発光用電極体に第1、第2及び第3の下発光素子の一方の各端子を固着して異なる下リードに接続し、
下配線基板に形成される下受光用電極体に下受光素子の一方の端子を固着して異なる下リードに接続し、
搬送通路の進行方向とは直角な第2の配列直線上に下発光用電極体と下受光用電極体とを整合して配置した請求項25〜33の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項35】
第1、第2及び第3の上発光素子から照射されて有価紙葉を透過する光を受光する下受光素子の第2の配列直線に沿う受光面の長さは、第1〜第3の上発光素子の第1の配列直線に沿う発光面の長さと同一か又はこれより大きく、
第1、第2及び第3の下発光素子から照射されて有価紙葉を透過する光を受光する上受光素子の第1の配列直線に沿う受光面の長さは、第1〜第3の下発光素子の第2の配列直線に沿う発光面の長さと同一か又はこれより大きい請求項25〜34の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項36】
下受光素子の第2の配列直線に沿う受光面の長さ及び上受光素子の第1の配列直線に沿う受光面の長さは、それぞれ1.5mm又はそれ以下である請求項35に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項37】
第1、第2及び第3の上発光素子との合計の受光量に対する第1、第2及び第3の上発光素子の各発光素子の受光量が所定の比率の範囲内にあるとき、有価紙葉を真正と判断し、
第1、第2及び第3の下発光素子の合計の受光量に対する第1、第2及び第3の下発光素子の各発光素子の受光量が所定の比率の範囲内にあるとき、有価紙葉を真正と判断する請求項25〜36の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項38】
上配線基板に形成される異なる上発光用電極体に第1、第2及び第3の上発光素子の一方の端子を固着して異なる上リードに接続し、
上配線基板に形成される上受光用電極体に上受光素子の一方の端子を固着して異なる上リードに接続し、
搬送通路の進行方向とは直角な第1の配列直線上に上発光用電極体と上受光用電極体とを整合して配置し、
下配線基板に形成される異なる下発光用電極体に第1、第2及び第3の下発光素子の一方の端子を固着して異なる下リードに接続し、
下配線基板に形成される下受光用電極体に下受光素子の一方の端子を固着して異なる下リードに接続し、
搬送通路の進行方向とは直角な第2の配列直線上に下発光用電極体と下受光用電極体とを整合して配置し、
第1及び第2の配列直線は、互いに平行である請求項25〜37の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項39】
上センサ組立体と、有価紙葉を搬送する搬送通路を介して上センサ組立体に対向して配置される下センサ組立体とを備え、
上センサ組立体は、複数の上リードを有する上配線基板と、上配線基板上に個別に表面実装されかつ対応する上リードに電気的に接続される2個の端子をそれぞれ有する第1、第2、第3及び第4の上発光素子と、上配線基板上に表面実装されかつ対応する上リードに電気的に接続される2個の端子を有する上受光素子とを備え、
下センサ組立体は、複数の下リードを有する下配線基板と、下配線基板上に個別に表面実装されかつ対応する下リードに電気的に接続される2個の端子をそれぞれ有する第1、第2、第3及び第4の下発光素子と、下配線基板上に表面実装されかつ対応する下リードに電気的に接続される2個の端子を有する下受光素子とを備え、
上受光素子は、第1、第2、第3及び第4の下発光素子から照射されて搬送通路を通る有価紙葉を透過する光を受光し、
下受光素子は、第1、第2、第3及び第4の上発光素子から照射されて搬送通路を通る有価紙葉を透過する光を受光することを特徴とする紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項40】
上センサ組立体は、上配線基板上に配置される上ブラケットと、第1、第2、第3及び第4の上発光素子並びに上受光素子に対向して上ブラケット上に支持される上非球面レンズとを備え、
下センサ組立体は、下配線基板上に配置される下ブラケットと、第1、第2、第3及び第4の下発光素子並びに下受光素子に対向して下ブラケット上に支持される下非球面レンズとを備える請求項39に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項41】
上ブラケットは、第1、第2、第3及び第4の上発光素子と上受光素子とを分離する複数の隔壁を有し、
下ブラケットは、第1、第2、第3及び第4の下発光素子と下受光素子とを分離する複数の隔壁を有する請求項40に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項42】
上ブラケットの上隔壁を介して第1、第2、第3及び第4の上発光素子及び上受光素子から一定距離離間して上非球面レンズを配置すると共に、
下ブラケットの下隔壁を介して第1、第2、第3及び第4の下発光素子及び下受光素子から一定距離離間して下非球面レンズを配置した請求項41に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項43】
上配線基板に形成される開口部内に上ブラケットの隔壁の端部を嵌合し、
下配線基板に形成される開口部に下ブラケットの隔壁の端部を嵌合した請求項41又は42に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項44】
上支持基板に設けられる複数の上接続端子に複数の上リードを電気的に接続して上センサ組立体を上支持基板に固定し、
下支持基板に設けられる複数の下接続端子に複数の下リードを電気的に接続して下センサ組立体を下支持基板に固定した請求項39〜43の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項45】
隣接する第1、第2、第3及び第4の上発光素子の間隔と隣接する第1、第2、第3及び第4の下発光素子の間隔は、0.6mm以下である請求項39〜44の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項46】
第1の上発光素子、第2の上発光素子、第3の上発光素子、第4の上発光素子及び上受光素子と、第1の下発光素子、第2の下発光素子、第3の下発光素子、第4の下発光素子及び下受光素子とを点対称位置に配置した請求項39〜45の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項47】
第1、第2、第3及び第4の上発光素子と第1、第2、第3及び第4の下発光素子との互いに点対象位置に配置される発光素子は、同一波長の光を発生する請求項39〜46の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項48】
上配線基板に形成される異なる上発光用電極体に第1、第2、第3及び第4の上発光素子の一方の各端子を固着して異なる上リードに接続し、
上配線基板に形成される上受光用電極体に上受光素子の一方の端子を固着して異なる上リードに接続し、
搬送通路の進行方向とは直角な第1の配列直線上に上発光用電極体と上受光用電極体とを整合して配置した請求項39〜47の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項49】
下配線基板に形成される異なる下発光用電極体に第1、第2、第3及び第4の下発光素子の一方の各端子を固着して異なる下リードに接続し、
下配線基板に形成される下受光用電極体に下受光素子の一方の端子を固着して異なる下リードに接続し、
搬送通路の進行方向とは直角な第2の配列直線上に下発光用電極体と下受光用電極体とを整合して配置した請求項39〜48の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項50】
有価紙葉の搬送方向に対して直角な第1の配列直線上に第1、第2、第3及び第4の上発光素子を整合して上支持基板上に配置し、
第1の上発光素子と第2の上発光素子との間、第2の上発光素子と第3の上発光素子との間又は第3の上発光素子と第4の上発光素子との間に上受光素子を配置し、
有価紙葉の搬送方向に対して直角な第2の配列直線上に第1、第2、第3及び第4の下発光素子を整合して下配線基板上に配置し、
第1の下発光素子と第2の下発光素子との間、第2の下発光素子と第3の下発光素子との間又は第3の下発光素子と第4の下発光素子との間に下受光素子を配置した請求項39〜49の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項51】
第1、第2、第3及び第4の上発光素子から照射されて有価紙葉を透過する光を受光する下受光素子の第2の配列直線に沿う受光面の長さは、第1、第2、第3及び第4の上発光素子の第1の配列直線に沿う発光面の長さと同一か又はこれより大きく、
第1、第2、第3及び第4の下発光素子から照射されて有価紙葉を透過する光を受光する上受光素子の第1の配列直線に沿う受光面の長さは、第1、第2、第3及び第4の下発光素子の第2の配列直線に沿う発光面の長さと同一か又はこれより大きい請求項39〜50の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項52】
下受光素子の第2の配列直線に沿う受光面の長さ及び上受光素子の第1の配列直線に沿う受光面の長さは、それぞれ1.5mm又はそれ以下である請求項51に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項53】
第1、第2、第3及び第4の上発光素子を整合させる第1の配列直線と、第1、第2、第3及び第4の下発光素子を整合させる第2の配列直線とは、搬送通路に対し互いに対称な位置でかつ平行に配置される請求項39〜52の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項54】
第1、第2、第3及び第4の上発光素子との合計の受光量に対する第1、第2、第3及び第4の上発光素子の各発光素子の受光量が所定の比率の範囲内にあるとき、有価紙葉を真正と判断し、
第1、第2、第3及び第4の下発光素子の合計の受光量に対する第1、第2、第3及び第4の下発光素子の各発光素子の受光量が所定の比率の範囲内にあるとき、有価紙葉を真正と判断する請求項39〜53の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項55】
上受光素子は、第1及び第2の上発光素子から照射されて搬送通路を通る有価紙葉に反射する光と、第3及び第4の上発光素子から照射されて搬送通路を通る有価紙葉に反射する光とを受光し、
下受光素子は、第1及び第2の下発光素子から照射されて搬送通路を通る有価紙葉に反射する光と、第3及び第4の下発光素子から照射されて搬送通路を通る有価紙葉に反射する光とを受光し、
搬送通路に対し互いに対称な位置に配置される第1の上発光素子と第1の下発光素子、第2の上発光素子と第2の下発光素子、第3の上発光素子と第3の下発光素子及び第4の上発光素子と第4の下発光素子は、それぞれ同一波長の光を発生する請求項39〜54の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項56】
上配線基板に形成される異なる上発光用電極体に第1、第2、第3及び第4の上発光素子の一方の端子を固着して異なる上リードに接続し、
上配線基板に形成される上受光用電極体に上受光素子の一方の端子を固着して異なる上リードに接続し、
搬送通路の進行方向とは直角な第1の配列直線上に上発光用電極体と上受光用電極体とを整合して配置し、
下配線基板に形成される異なる下発光用電極体に第1、第2、第3及び第4の下発光素子の一方の端子を固着して異なる下リードに接続し、
下配線基板に形成される下受光用電極体に下受光素子の一方の端子を固着して異なる下リードに接続し、
搬送通路の進行方向とは直角な第2の配列直線上に下発光用電極体と下受光用電極体とを整合して配置し、
第1及び第2の配列直線は、互いに平行である請求項39〜55の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項57】
上センサ組立体と、有価紙葉を搬送する搬送通路を介して上センサ組立体に対向して配置される下センサ組立体とを備え、
上センサ組立体は、複数の上リードを有する上配線基板と、上配線基板上に個別に表面実装されかつ対応する上リードに電気的に接続される2個の端子をそれぞれ有する第1、第2、第3及び第4の上発光素子と、上配線基板上に表面実装されかつ対応する上リードに電気的に接続される2個の端子を有する上受光素子とを備え、
下センサ組立体は、複数の下リードを有する下配線基板と、下配線基板上に個別に表面実装されかつ対応する下リードに電気的に接続される2個の端子をそれぞれ有する第1、第2、第3及び第4の下発光素子と、下配線基板上に表面実装されかつ対応する下リードに電気的に接続される2個の端子を有する下受光素子とを備え、
上受光素子は、第1、第2及び第3の下発光素子から照射されて搬送通路を通る有価紙葉を透過する光と、第4の上発光素子から照射されて搬送通路を通る有価紙葉に反射する光とを受光し、
下受光素子は、第1、第2及び第3の上発光素子から照射されて搬送通路を通る有価紙葉を透過する光と、第4の下発光素子から照射されて搬送通路を通る有価紙葉に反射する光とを受光することを特徴とする紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項58】
上受光素子は、第1、第2及び第3の上発光素子から選択される1つの発光素子から照射されて搬送通路を通る有価紙葉に反射する光と、第4の上発光素子から照射されて搬送通路を通る有価紙葉に反射する光とを受光し、
第1、第2及び第3の上発光素子から選択される1つの発光素子と、第4の上発光素子とは、同一波長の光を発生し、
下受光素子は、第1、第2及び第3の下発光素子から選択される1つの発光素子から照射されて搬送通路を通る有価紙葉に反射する光と、第4の下発光素子から照射されて搬送通路を通る有価紙葉に反射する光とを受光し、
第1、第2及び第3の下発光素子から選択される1つの発光素子と、第4の下発光素子とは、同一波長の光を発生する請求項57に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項59】
上配線基板に形成される異なる上発光用電極体に第1、第2、第3及び第4の上発光素子の一方の端子を固着して異なる上リードに接続し、
上配線基板に形成される上受光用電極体に上受光素子の一方の端子を固着して異なる上リードに接続し、
搬送通路の進行方向とは直角な第1の配列直線上に上発光用電極体と上受光用電極体とを整合して配置し、
下配線基板に形成される異なる下発光用電極体に第1、第2、第3及び第4の下発光素子の一方の端子を固着して異なる下リードに接続し、
下配線基板に形成される下受光用電極体に下受光素子の一方の端子を固着して異なる下リードに接続し、
搬送通路の進行方向とは直角な第2の配列直線上に下発光用電極体と下受光用電極体とを整合して配置し、
第1及び第2の配列直線は、互いに平行である請求項57又は58に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項60】
複数の発光用電極体、受光用電極体及び発光用電極体と受光用電極体のそれぞれに接続される複数のリードを有する配線基板と、配線基板の同一又は異なる発光用電極体上にそれぞれ表面実装されるそれぞれ2個の端子を有する少なくとも第1及び第2の発光素子と、2個の端子を有する受光素子と、配線基板上に配置されるブラケットと、第1及び第2の発光素子に対向してブラケット上に支持される第1の非球面レンズと、受光素子に対向して配置される第2の非球面レンズと、第1及び第2の発光素子と非球面レンズとの間に形成される光拡散室とを備えることを特徴とする紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項61】
2個の端子を有する受光素子を配線基板の受光用電極体上に表面実装し、第1の非球面レンズを受光用の非球面レンズとして使用する請求項60に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項62】
配線基板に対向して配置される別の配線基板に受光用電極体を形成して、2個の端子を有する受光素子を受光用電極体上に表面実装した請求項60に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項63】
ブラケットは、第1及び第2の発光素子を包囲して、第1及び第2の発光素子から非球面レンズに向って断面が拡大する傾斜面を有する反射壁を有し、ブラケットの反射壁は、光拡散室の少なくとも一部を形成する請求項60〜62の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。
【請求項64】
配線基板の同一又は異なる発光用電極体上にそれぞれ表面実装される第1及び第2の発光素子を同一の光透過性の保護樹脂により被覆した請求項60〜63の何れか1項に記載の紙葉類鑑別用光学センサ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate


【公開番号】特開2011−43926(P2011−43926A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−190537(P2009−190537)
【出願日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【出願人】(000230858)日本金銭機械株式会社 (43)
【Fターム(参考)】