紙製の包装体及びその製造方法
【課題】
本発明は、ポリスチレン樹脂系発泡シート或いは紙等を用いた即席麺等の御椀形状の断熱容器の底部を除く外周面に該容器に合致した形状で該外周面を覆うことのできる紙製包装材の提供を課題とする。
【解決手段】
係る課題は、略御椀形状の成形芯金に略扇状の紙製シートを巻きつけ、雌型金型で当接して形成する紙製の包装体であり、成形芯金には底部に向かって多数の徐々に深くなる切れ込み部を有し、雌型金型は成形芯金に合致する形状を有し、成形芯金と雌型金型とで挟み込んで当接することによって、該包装体の内周面方向に折り込み部を形成すると共に略御椀形状に形成する紙製の包装体によって解決できる。
本発明は、ポリスチレン樹脂系発泡シート或いは紙等を用いた即席麺等の御椀形状の断熱容器の底部を除く外周面に該容器に合致した形状で該外周面を覆うことのできる紙製包装材の提供を課題とする。
【解決手段】
係る課題は、略御椀形状の成形芯金に略扇状の紙製シートを巻きつけ、雌型金型で当接して形成する紙製の包装体であり、成形芯金には底部に向かって多数の徐々に深くなる切れ込み部を有し、雌型金型は成形芯金に合致する形状を有し、成形芯金と雌型金型とで挟み込んで当接することによって、該包装体の内周面方向に折り込み部を形成すると共に略御椀形状に形成する紙製の包装体によって解決できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡樹脂等によって構成される断熱容器に関しての紙製の包装体であって、特に即席麺等の御椀形状の発泡樹脂等の断熱容器の外周を包装する紙製の包装体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ポリスチレン樹脂系発泡シート等を用いて即席麺等の御椀形状に容器を形成し、これを断熱容器として用いて多用しているものである。
この場合、例えば該容器の表面における印刷等はよりキレイに行なうために他の樹脂フィルムを用いて、該容器の外周を該樹脂フィルムで覆うものが用いられてきている。
【0003】
例えば、特開平6−33999号(特許文献1) や特開2001−175179号(特許文献2)等が存在する。
更に、断熱性を高めるために不織布との重積等によってラベルを構成する特開平8−126663号(特許文献3)や特開2005−97772号(特許文献4)、特開2005−338304号(特許文献5)が存在する。
【特許文献1】特開平6−33999号
【特許文献2】特開2001−175179号
【特許文献3】特開平8−126663号
【特許文献4】特開2005−97772号
【特許文献5】特開2005−338304号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上の様に、ポリスチレン樹脂系発泡シート等を用いた御椀形状の即席麺等の断熱容器は、その外周に対して印刷可能な層を設けるために例えば熱収縮性フィルムを該容器の外周に位置させるものである。
この場合、特に御椀形状である開口部が広縁からなり、ほぼ該容器の中央部までは若干量該開口口径を少しずつだけ狭めるが、底部近傍で急に口径を狭く構成して大容量の内容量を確保する略御椀形状である丼形の容器にあっては、該容器の底部を除く外周面に該包装材できっちりと覆うためには、低温で収縮性のある樹脂フィルムを用いてきっちりと密着して配置するか、或いはそもそも発泡樹脂シートを積層シートとして構成して、一体にて成形することが必要であった。
【0005】
従って、このように構成した場合、例えば予め印刷した樹脂フィルムにおいては、断熱容器に熱収縮によって密着成形する場合や多層シートでの一体成形の場合には、どうしても収縮や成形に伴うズレなどが生ずるものであり、印刷状態の高品質化は図りにくいものであった。
更に、従来は、容器自体の形状が略御椀形状である丼形の容器であることから、概容器の外周が円弧形状であって、底部方向において急に幅是間に狭まる形状であることから該形状の外周にキレイに包装材を配置するためには、該形状に合致するような伸縮性を有する樹脂材が用いられてきたものであり、係るためにどうしても樹脂材が多用されるものであった。
【0006】
これは紙材を用いた場合には、容器の外周に巻きつけた場合には底部方向に皺が生じてしまうものであるか、或いは底部方向が容器から離れて浮いた状態となるか或いは幅狭の帯状の巻き付けだけしかできないものであり、実用性に欠けていたものである。
特に印刷の容易性や見栄えのよさ等と共に、資源としてのリサイクル性或いは使用者側の要請等各種の面で現在紙の活用が望まれているが、前記の点でこのような御椀形の断熱容器には用いられてはいなかったものである。
【0007】
係るため、このようなポリスチレン樹脂系発泡シート等を用いた即席麺等の御椀形状の断熱容器の底部を除く外周面に該容器に合致した形状で該外周面を覆うことのできる紙製包装材の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
係るため本発明に係る請求項1記載の発明は、略御椀形状の容器の外周面を覆う紙製の包装体であって、略御椀形状の成形芯金に略扇状の紙製シートを巻きつけ、更に雌型金型で当接して形成する紙製の包装体であり、成形芯金には本体の中央部から底部に向かって多数の切れ込み部を有するものであって、該切れ込み部は底部方向に行くに従ってその深さを深く形成するものであり、雌型金型に成形芯金の中央部から底部形状にかけて合致する形状を有すると共に成形芯金の切れ込み部に対応した多数の突出辺部を有するものであり、略扇状の紙製シートを成形芯金と雌型金型とで挟み込んで当接することによって、該包装体の内周面方向に折り込み部を形成すると共に略御椀形状に形成する紙製の包装体であり、係る発明によって前記課題を解決できる。
【0009】
又、請求項2に係る発明は、成形芯金と雌型金型とで略扇状の紙製シートを挟み込んで当接すると共に押圧して成形する紙製の包装体であり、係る発明でも同様である。
更に、請求項3に係る発明の様に該包装体の内周面方向の折り込み部を包装体の曲面形状の内周面に折り込んで、内周面での突出辺部をなくした紙製の包装体を用いてもよい。
【0010】
もとより、請求項4に係る発明のように略御椀形状の容器がポリスチレン樹脂系発泡シート等を用いた即席麺等の断熱容器であることによって、最適に用いることがでる。
これらの場合、請求項5に係る発明のように略御椀形状の成形芯金を半円球状としたものでも、或いは請求項6に係る発明の様に略御椀形状の成形芯金を三角以上の多角形状からなる逆さにした角錐形状に形成し、該略扇状の紙製シートを角錐状の略御椀形状の周面形状に形成した紙製の包装体でもよい。
【0011】
これらの他、請求項7に係る発明の様に略御椀形状の容器の外周面を覆う紙製の包装体の製造方法であって、略御椀形状の成形芯金に略扇状の紙製シートを巻きつける工程と、該巻きつけた状態で雌型金型を当接して略扇状の紙製シートを成形芯金と雌型金型とで挟み込んで当接する工程とからなり、該成形芯金には本体の中央部から底部に向かって多数の切れ込み部を有し、該切れ込み部は底部方向に行くに従ってその深さを深く形成しており、該雌型金型は成形芯金の中央部から底部形状にかけて合致する形状を有すると共に成形芯金の切れ込み部に対応した多数の突出辺部を有するものであり、略扇状の紙製シートを成形芯金と雌型金型とで挟み込んで当接することによって、該包装体の内周面方向に折り込み部を形成すると共に略御椀形状に形成する紙製の包装体の製造方法を用いることによって、最適な紙製の包装体を製造できるものである。
【0012】
この場合、請求項8に係る発明の様に該巻きつけた状態で雌型金型を当接して略扇状の紙製シートを成形芯金と雌型金型とで挟み込んで当接する工程が、少なくとも一定の圧をもって押圧する工程からなるものであっても、或いは請求項9に係る発明の様に、更に形成した該包装体の内周面方向の折り込み部を包装体の曲面形状の内周面に折り込んで、内周面での突出辺部をなくす工程を有する紙製の包装体の製造方法を用いるものであってもよい。
【0013】
これらの場合、請求項10に係る発明の様に略御椀形状の成形芯金を半円球状とするものでも、請求項11に係る発明の様に略御椀形状の成形芯金を三角以上の多角形状からなる逆さにした角錐形状に形成し、該略扇状の紙製シートを角錐状の略御椀形状の周面形状に形成するものでもよい。
【発明の効果】
【0014】
以上のように構成したことからまず請求項1に係る発明によって、紙製シートをもって略御椀形状の丼形状の外表面に合致するきれいな曲面を有する紙製の包装体の提供ができるものである。
従って紙であるにも拘らず皺などを有さないきれいな外表面を形成できるものであり、又紙製ゆえ簡単かつ安価に又キレイな表面印刷などが行なえ、きれいにかつ任意な装飾や表示を行なった包装を可能とするものである。
更に、該包装体の内周面方向に折り込み部によって、略御椀形状の容器との間に少なくとも折り込み部の幅の隙間を有するものであって、空気層を構成することができることから断熱効果を発揮することもできる。
【0015】
次に請求項2に係る発明によって紙製シートをよりきっちりと成形できるものであって、折り込み部等をよりきっちりと形成できるものとなる。
又、請求項3に係る発明によって、折り込み部を包装体の内表面に折り込めることから、容器の外周に設置するに際して、容器との接触面をより多く取れるものであり、接着などの効果を高めることができる。
更に請求項4に係る発明によってポリスチレン樹脂系発泡シート等を用いた即席麺等の断熱容器の包装体として用いることができ、従来の樹脂シートやフィルムを使用せずとも見栄えのよい包装体の提供を可能とするものである。
【0016】
これらの場合請求項5に係る発明によれば半円球状の御椀形状に合致した包装体が成形でき、又請求項6に係る発明によれば三角以上の多角形状からなる逆さにした角錐形状の御椀形状に合致した包装体が成形できる。
次に請求項7に係る発明によって、紙製シートをもって略御椀形状の丼形状の外表面に合致するきれいな曲面を有する紙製の包装体の製造が可能となるものである。
又、請求項8に係る発明によって紙製シートよりなる包装体の成形をきっちり行なうことができ、折り込み部等をよりきっちりと形成した製造を可能とするものである。
【0017】
尚、請求項9に係る発明によって、更に形成した該包装体の内周面方向の折り込み部の突出部分をなくすことができるものである。
更に請求項10に係る発明によれば半円球状の御椀形状に合致した包装体を得られ、請求項11に係る発明によれば三角以上の多角形状からなる逆さにした角錐形状の御椀形状に合致した包装体が得られるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、本発明に係る断熱容器の外周を包装する紙製の包装体の製造工程の一例を示す図である。
この構成は、略扇状の薄手の紙製のシート1と、これを巻き込むための成形芯金2であるマンドレルからなるものである。
先ず成形芯金2は、ポリスチレン樹脂系発泡シート等を用いた御椀形状の即席麺等の断熱容器の外周形を模った形状であって、上縁部20は広縁であって、該芯金の中央部21までは若干量該開口口径を少しずつだけ狭めるが、中央部からさらに底部方向の底部近傍22で急に口径を狭く構成した略御椀形状である丼形状の容器をかたどった形状よりなるものである。
【0019】
更にこの成形芯金2の底部方向の周面には切れ込みを有しているものである。
この切れ込み部25は、該成形芯金2の底部近傍で急に口径を狭くなる直前の位置辺りから底部23に掛けて設けられたものであり、底部方向に行くに従って切れ込み部25の深さが深くなるように構成されているものである。
このような切れ込み部25が芯金2の周面であって該芯金2の軸心方向に向かって多数設けられているものである。
【0020】
このように構成した芯金2に対して配置した紙製のシート1を、更に両側からアーム状のフラップ(図示しない)によって成形芯金2に巻きつけて容器形状に成形するものである。
従って、巻きつけに際して該紙製シート1はこの芯金2の切れ込み部25に押し込まれることとなり、底部方向の形状をすぼめた形状でこの紙製シート1を形成できる。
【0021】
図2は、成形芯金2の一例の断面図を示すものであり、本図に示すように成形芯金2は、その上縁部20を広縁とし、さらに中央部付近21までは該開口口径を少しずつだけ狭めるものであって、更に底部方向22、23では急に口径を狭くした略御椀形状である丼形状よりなる。
更に、本体の中央部22よりやや下方向の急に口径を狭くなる近傍から、該芯金2に切れ込み部25が形成されており、底部にいくに従って該切れ込み部25はその深さを深く形成するものである。
【0022】
これは、紙製シート1を巻きつけた際に、巻きつけに際して例えば皺等となるような余分で不要なシート部分はこの切れ込み部25に巻き込まれることとなって、巻きつけたシート地の該表面における不要な部分はこの折り込み部25で内部方向に折り込まれ、外表面はキレイな曲面形状に形成されるものである。
【0023】
図3は、本発明に係る紙製の包装体を成形する成形芯金の一例の底部から視認した図である。
本図に示すように芯金2の底部方向に向かってその該表面に切れ込み部25を有しているものであって、芯金2の内部方向に向かって凹み部として形成されるものである。
特に底部にいくに従ってその凹みは深く形成されているものである。
【0024】
図4は、紙製のシートの一例を示す図である。
本図に示すように略扇状の紙製のシートを用いるものである。
この場合、薄手の紙製シートが最もよいが、これに限らず、折り込み可能な厚手の紙製のシートをもって構成してもよい。
もとより、紙を用いた複合シート或いは多層シート等であってもよいのはもちろんである。
従って、少なくとも紙製シートからなるものであるが、これに樹脂シートをラミネート等した紙製のシートでもよいものである。
【0025】
又、成形芯金に巻き込むに際して予めこの紙製シートに印刷等を施したものを使用するものであってももちろんよい。
尚、本図に示す構成は一例であって、この円弧形状の曲線はより深いものでも或いは浅いものであってもいずれでもよい。
又、幅方向の長さや高さ方向の長さなどにおいてもそれぞれ必要に応じて任意に定めればよいものである。
【0026】
図5は、更に前記した成形芯金2に前記の紙製シート1を巻きつけた状態の一例を示す図であり、例えばアーム状のフラップによってこの紙製のシート1を成形芯金2に巻きつけた一例を示す図である。
このように成形芯金2に巻きつけたシート1は、成形芯金2の上部周縁20近傍においては芯金2に巻きついて芯金形状を表出するものであるが、底部23方向においては芯金2から離れて略円筒形状に巻きつけられるものである。
従って、この段階では単なる円筒状にシート1が巻きついた状態となり、芯金形状である略御椀形状とはなっていない。
【0027】
以上より先ずこの工程によって成形芯金2にシート1が巻きつけられるものとなる。
尚、本説明においてはフラップをもって両側方向から芯金2を中心として巻き込む例を示すが、このようなフラップをもって芯金2に巻きつけるものの他、例えば回転する巻き込みローラに紙製シートを巻きつけて成形するものであってもよい。
例えば補助ローラ等で当接してきれいに巻きつける巻き込みローラに巻きつける等のことによって巻きつき状態とするものであってもよい。
又、例えば糊代部をもってその部分で接着成形して、一定の形態を維持するものであってもよい。
【0028】
図6は、更に次の工程を示す図であり、図5に示した成形芯金2に巻きつけた状態で雌型金型3によって成形芯金2の底部方向を押圧するものである。
この雌型金型3は成形芯金2の中央部から底部形状にかけて合致する形状を有しており、底部の外周面の外周形状よりなる曲面形態に対応していると共に成形芯金2の切れ込み部25に対応した多数の突出辺部35を有している。
【0029】
図7は、成形芯金2に紙製のシート1を巻きつけた状態で更に雌型金型3を成形芯金2に当接すると共に圧着する一例を示す図である。
このように当接すると、雌型金型3の突出辺部35によって紙製シート1が成形芯金2の切れ込み部25に巻き込まれると共にその状態で成形されるものである。
図8は、更に雌型金型3を当接して例えば一定の圧をかけた押圧状態から、更に引き離した一例を示す。
本図に示すように成形芯金2には、その形状に成形された紙製シート1が巻き付いた状態となる。
【0030】
従って、このまま該成形した紙製シート1はそのまま紙製の包装体の形状となるものであり、成形芯金2から外すことによって、取り出すことができる。
尚、本包装体に関しては、成形芯金2の切れ込み部25と雌型金型3の突出辺部35によって成形された内部方向即ち内周面方向に折り込み部15を有するものであるが、外表面に関してはきれいな曲面を形成するものとなる。
【0031】
図9は、更にポリスチレン樹脂系発泡シート等を用いた御椀形状の即席麺等の断熱容器Cに対して、本発明に係る紙製の包装体を装着する状態の一例を示す図である。
該紙製包装体1は、上部に開口縁10を有すると共に底部も同様に開口縁11を有し、容器とほぼ同様の御椀形状よりなるものであって、この底部の開口縁によって形成される孔に例えば断熱容器の高台を挿入することができる。
尚、本明細書上、断熱用容器を前提として説明するが、本紙製の包装体はポリスチレン樹脂系発泡シート等を用いた即席麺等用の断熱容器に限らず他の容器に用いるものであってももちろんよい。
例えば紙製などの断熱容器に対して用いるものであってもよい。
従って、該容器の形状に合致した形状よりなる紙製の包装体は、そのまま断熱容器を装着できるものとなる。
【0032】
図10は、本発明に係る紙製の包装体1をポリスチレン樹脂系発泡シート等を用いた即席麺等用の断熱容器Cに装着した一例を示す図である。
このように構成するときっちりと外周面を紙製の包装体によって覆うことができ、各種任意の印刷等をその表面に行なうことができ、所要のデザインや表示を用いた装飾を施すことが低廉にかつ簡単に行なえるものである。
更にも形状の見栄えもよいものとなる。
【0033】
尚、断熱容器と紙製の包装体とは例えば接着部材等で接着するものであればよく、例えば容器の開口部近傍において接着するものであっても、或いは包装体の内部方向に突出形成している折り込み部15において断熱容器と接着するものであってもよい。
或いは、その他例えば任意の係止具等を用いて断熱容器の外周に包装体を装着するものであってもよい。
【0034】
特に、該断熱容器と紙製の包装体の間に前記折り込み部15によって形成した隙間が生ずるものであり、その隙間によって更なる断熱効果を発揮させることもできる。
尚、図8に示す構成によって折り込み部15を有する包装体から更に、該折り込み部15を包装体1の曲面形状の内周面に折り込んで、内周面での突出辺部をなくして、そのまま断熱容器に装着するものであってもよい。
即ち、例えば折り込み部15の内周面への折り込み工程を有するものであってもよい。
【0035】
図11は、本発明の他の一例を示す図である。
前図までに図示する御椀形状はきれいな曲面を有する半円球状の断熱容器を明示するが、これに限定されずに図11に示すように周面に角を有する三角以上の多角形状の御椀形状即ち逆さにした角錐形状の断熱容器に用いるものであってもよい。
この場合には例えば成形芯金2に関して、半円球状に代えてその形状を周面に角を有する三角以上の多角状の御椀形状即ち逆さにした角錐形状とすることによって、この形状に巻きつけられた略扇状の紙製シート1は、角錐状の略御椀形状の周面形状を形成する形状となり、該逆さにした角錐形状の容器の周面に装着できるものである。
尚、成形芯金2の中央部21近傍まで角錐形状となり、成形芯金の底部近傍22においては半球形状として形成された一例を示すものであるが、底部近傍においても周面に角部を有するものであってももちろんよく、この形状も御椀形状に含まれるものである。
【0036】
尚、紙製シートに関しては、紙のみで構成されたシートの他、樹脂とのラミネート或いはコーティング等を行なった紙製の多層シートを用いたものであってももちろんよい。 本発明上、紙製シートにもこのようにシートを含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る紙製の包装体の製造工程の一例を示す図
【図2】図1に示す成形芯金の断面図
【図3】本発明に係る紙製の包装体の成形芯金の一例を底部から視認した図
【図4】本発明に係る紙製の包装体の紙製のシートの一例を示す図
【図5】本発明に係る紙製の包装体の製造工程の一例を示す図であり、成形芯金に紙製シートを巻きつけた状態の一例を示す図
【図6】本発明に係る紙製の包装体の製造工程の一例を示す図であり、成形芯金に紙製シートを巻きつけた状態で雌型金型を近づけた状態の一例を示す図
【図7】本発明に係る紙製の包装体の製造工程の一例を示す図であり、成形芯金に紙製シートを巻きつけた状態で雌型金型を当接させた状態の一例を示す図
【図8】本発明に係る紙製の包装体の製造工程の一例を示す図であり、更に雌型金型を引き離した一例を示す図
【図9】御椀形状の断熱容器に、本発明に係る紙製の包装体を装着する状態の一例を示す図
【図10】御椀形状の断熱容器に、本発明に係る紙製の包装体を装着した一例を示す図
【図11】本発明に係る紙製の包装体の製造工程の他の一例を示す図
【符号の説明】
【0038】
1 紙製シート
15 折り込み部
2 成形芯金
20 成形芯金の上縁部
21 成形芯金の中央部
22 成形芯金の底部近傍
23 成形芯金の底部
25 切れ込み部
3 雌型金型
35 突出辺部
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡樹脂等によって構成される断熱容器に関しての紙製の包装体であって、特に即席麺等の御椀形状の発泡樹脂等の断熱容器の外周を包装する紙製の包装体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ポリスチレン樹脂系発泡シート等を用いて即席麺等の御椀形状に容器を形成し、これを断熱容器として用いて多用しているものである。
この場合、例えば該容器の表面における印刷等はよりキレイに行なうために他の樹脂フィルムを用いて、該容器の外周を該樹脂フィルムで覆うものが用いられてきている。
【0003】
例えば、特開平6−33999号(特許文献1) や特開2001−175179号(特許文献2)等が存在する。
更に、断熱性を高めるために不織布との重積等によってラベルを構成する特開平8−126663号(特許文献3)や特開2005−97772号(特許文献4)、特開2005−338304号(特許文献5)が存在する。
【特許文献1】特開平6−33999号
【特許文献2】特開2001−175179号
【特許文献3】特開平8−126663号
【特許文献4】特開2005−97772号
【特許文献5】特開2005−338304号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上の様に、ポリスチレン樹脂系発泡シート等を用いた御椀形状の即席麺等の断熱容器は、その外周に対して印刷可能な層を設けるために例えば熱収縮性フィルムを該容器の外周に位置させるものである。
この場合、特に御椀形状である開口部が広縁からなり、ほぼ該容器の中央部までは若干量該開口口径を少しずつだけ狭めるが、底部近傍で急に口径を狭く構成して大容量の内容量を確保する略御椀形状である丼形の容器にあっては、該容器の底部を除く外周面に該包装材できっちりと覆うためには、低温で収縮性のある樹脂フィルムを用いてきっちりと密着して配置するか、或いはそもそも発泡樹脂シートを積層シートとして構成して、一体にて成形することが必要であった。
【0005】
従って、このように構成した場合、例えば予め印刷した樹脂フィルムにおいては、断熱容器に熱収縮によって密着成形する場合や多層シートでの一体成形の場合には、どうしても収縮や成形に伴うズレなどが生ずるものであり、印刷状態の高品質化は図りにくいものであった。
更に、従来は、容器自体の形状が略御椀形状である丼形の容器であることから、概容器の外周が円弧形状であって、底部方向において急に幅是間に狭まる形状であることから該形状の外周にキレイに包装材を配置するためには、該形状に合致するような伸縮性を有する樹脂材が用いられてきたものであり、係るためにどうしても樹脂材が多用されるものであった。
【0006】
これは紙材を用いた場合には、容器の外周に巻きつけた場合には底部方向に皺が生じてしまうものであるか、或いは底部方向が容器から離れて浮いた状態となるか或いは幅狭の帯状の巻き付けだけしかできないものであり、実用性に欠けていたものである。
特に印刷の容易性や見栄えのよさ等と共に、資源としてのリサイクル性或いは使用者側の要請等各種の面で現在紙の活用が望まれているが、前記の点でこのような御椀形の断熱容器には用いられてはいなかったものである。
【0007】
係るため、このようなポリスチレン樹脂系発泡シート等を用いた即席麺等の御椀形状の断熱容器の底部を除く外周面に該容器に合致した形状で該外周面を覆うことのできる紙製包装材の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
係るため本発明に係る請求項1記載の発明は、略御椀形状の容器の外周面を覆う紙製の包装体であって、略御椀形状の成形芯金に略扇状の紙製シートを巻きつけ、更に雌型金型で当接して形成する紙製の包装体であり、成形芯金には本体の中央部から底部に向かって多数の切れ込み部を有するものであって、該切れ込み部は底部方向に行くに従ってその深さを深く形成するものであり、雌型金型に成形芯金の中央部から底部形状にかけて合致する形状を有すると共に成形芯金の切れ込み部に対応した多数の突出辺部を有するものであり、略扇状の紙製シートを成形芯金と雌型金型とで挟み込んで当接することによって、該包装体の内周面方向に折り込み部を形成すると共に略御椀形状に形成する紙製の包装体であり、係る発明によって前記課題を解決できる。
【0009】
又、請求項2に係る発明は、成形芯金と雌型金型とで略扇状の紙製シートを挟み込んで当接すると共に押圧して成形する紙製の包装体であり、係る発明でも同様である。
更に、請求項3に係る発明の様に該包装体の内周面方向の折り込み部を包装体の曲面形状の内周面に折り込んで、内周面での突出辺部をなくした紙製の包装体を用いてもよい。
【0010】
もとより、請求項4に係る発明のように略御椀形状の容器がポリスチレン樹脂系発泡シート等を用いた即席麺等の断熱容器であることによって、最適に用いることがでる。
これらの場合、請求項5に係る発明のように略御椀形状の成形芯金を半円球状としたものでも、或いは請求項6に係る発明の様に略御椀形状の成形芯金を三角以上の多角形状からなる逆さにした角錐形状に形成し、該略扇状の紙製シートを角錐状の略御椀形状の周面形状に形成した紙製の包装体でもよい。
【0011】
これらの他、請求項7に係る発明の様に略御椀形状の容器の外周面を覆う紙製の包装体の製造方法であって、略御椀形状の成形芯金に略扇状の紙製シートを巻きつける工程と、該巻きつけた状態で雌型金型を当接して略扇状の紙製シートを成形芯金と雌型金型とで挟み込んで当接する工程とからなり、該成形芯金には本体の中央部から底部に向かって多数の切れ込み部を有し、該切れ込み部は底部方向に行くに従ってその深さを深く形成しており、該雌型金型は成形芯金の中央部から底部形状にかけて合致する形状を有すると共に成形芯金の切れ込み部に対応した多数の突出辺部を有するものであり、略扇状の紙製シートを成形芯金と雌型金型とで挟み込んで当接することによって、該包装体の内周面方向に折り込み部を形成すると共に略御椀形状に形成する紙製の包装体の製造方法を用いることによって、最適な紙製の包装体を製造できるものである。
【0012】
この場合、請求項8に係る発明の様に該巻きつけた状態で雌型金型を当接して略扇状の紙製シートを成形芯金と雌型金型とで挟み込んで当接する工程が、少なくとも一定の圧をもって押圧する工程からなるものであっても、或いは請求項9に係る発明の様に、更に形成した該包装体の内周面方向の折り込み部を包装体の曲面形状の内周面に折り込んで、内周面での突出辺部をなくす工程を有する紙製の包装体の製造方法を用いるものであってもよい。
【0013】
これらの場合、請求項10に係る発明の様に略御椀形状の成形芯金を半円球状とするものでも、請求項11に係る発明の様に略御椀形状の成形芯金を三角以上の多角形状からなる逆さにした角錐形状に形成し、該略扇状の紙製シートを角錐状の略御椀形状の周面形状に形成するものでもよい。
【発明の効果】
【0014】
以上のように構成したことからまず請求項1に係る発明によって、紙製シートをもって略御椀形状の丼形状の外表面に合致するきれいな曲面を有する紙製の包装体の提供ができるものである。
従って紙であるにも拘らず皺などを有さないきれいな外表面を形成できるものであり、又紙製ゆえ簡単かつ安価に又キレイな表面印刷などが行なえ、きれいにかつ任意な装飾や表示を行なった包装を可能とするものである。
更に、該包装体の内周面方向に折り込み部によって、略御椀形状の容器との間に少なくとも折り込み部の幅の隙間を有するものであって、空気層を構成することができることから断熱効果を発揮することもできる。
【0015】
次に請求項2に係る発明によって紙製シートをよりきっちりと成形できるものであって、折り込み部等をよりきっちりと形成できるものとなる。
又、請求項3に係る発明によって、折り込み部を包装体の内表面に折り込めることから、容器の外周に設置するに際して、容器との接触面をより多く取れるものであり、接着などの効果を高めることができる。
更に請求項4に係る発明によってポリスチレン樹脂系発泡シート等を用いた即席麺等の断熱容器の包装体として用いることができ、従来の樹脂シートやフィルムを使用せずとも見栄えのよい包装体の提供を可能とするものである。
【0016】
これらの場合請求項5に係る発明によれば半円球状の御椀形状に合致した包装体が成形でき、又請求項6に係る発明によれば三角以上の多角形状からなる逆さにした角錐形状の御椀形状に合致した包装体が成形できる。
次に請求項7に係る発明によって、紙製シートをもって略御椀形状の丼形状の外表面に合致するきれいな曲面を有する紙製の包装体の製造が可能となるものである。
又、請求項8に係る発明によって紙製シートよりなる包装体の成形をきっちり行なうことができ、折り込み部等をよりきっちりと形成した製造を可能とするものである。
【0017】
尚、請求項9に係る発明によって、更に形成した該包装体の内周面方向の折り込み部の突出部分をなくすことができるものである。
更に請求項10に係る発明によれば半円球状の御椀形状に合致した包装体を得られ、請求項11に係る発明によれば三角以上の多角形状からなる逆さにした角錐形状の御椀形状に合致した包装体が得られるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、本発明に係る断熱容器の外周を包装する紙製の包装体の製造工程の一例を示す図である。
この構成は、略扇状の薄手の紙製のシート1と、これを巻き込むための成形芯金2であるマンドレルからなるものである。
先ず成形芯金2は、ポリスチレン樹脂系発泡シート等を用いた御椀形状の即席麺等の断熱容器の外周形を模った形状であって、上縁部20は広縁であって、該芯金の中央部21までは若干量該開口口径を少しずつだけ狭めるが、中央部からさらに底部方向の底部近傍22で急に口径を狭く構成した略御椀形状である丼形状の容器をかたどった形状よりなるものである。
【0019】
更にこの成形芯金2の底部方向の周面には切れ込みを有しているものである。
この切れ込み部25は、該成形芯金2の底部近傍で急に口径を狭くなる直前の位置辺りから底部23に掛けて設けられたものであり、底部方向に行くに従って切れ込み部25の深さが深くなるように構成されているものである。
このような切れ込み部25が芯金2の周面であって該芯金2の軸心方向に向かって多数設けられているものである。
【0020】
このように構成した芯金2に対して配置した紙製のシート1を、更に両側からアーム状のフラップ(図示しない)によって成形芯金2に巻きつけて容器形状に成形するものである。
従って、巻きつけに際して該紙製シート1はこの芯金2の切れ込み部25に押し込まれることとなり、底部方向の形状をすぼめた形状でこの紙製シート1を形成できる。
【0021】
図2は、成形芯金2の一例の断面図を示すものであり、本図に示すように成形芯金2は、その上縁部20を広縁とし、さらに中央部付近21までは該開口口径を少しずつだけ狭めるものであって、更に底部方向22、23では急に口径を狭くした略御椀形状である丼形状よりなる。
更に、本体の中央部22よりやや下方向の急に口径を狭くなる近傍から、該芯金2に切れ込み部25が形成されており、底部にいくに従って該切れ込み部25はその深さを深く形成するものである。
【0022】
これは、紙製シート1を巻きつけた際に、巻きつけに際して例えば皺等となるような余分で不要なシート部分はこの切れ込み部25に巻き込まれることとなって、巻きつけたシート地の該表面における不要な部分はこの折り込み部25で内部方向に折り込まれ、外表面はキレイな曲面形状に形成されるものである。
【0023】
図3は、本発明に係る紙製の包装体を成形する成形芯金の一例の底部から視認した図である。
本図に示すように芯金2の底部方向に向かってその該表面に切れ込み部25を有しているものであって、芯金2の内部方向に向かって凹み部として形成されるものである。
特に底部にいくに従ってその凹みは深く形成されているものである。
【0024】
図4は、紙製のシートの一例を示す図である。
本図に示すように略扇状の紙製のシートを用いるものである。
この場合、薄手の紙製シートが最もよいが、これに限らず、折り込み可能な厚手の紙製のシートをもって構成してもよい。
もとより、紙を用いた複合シート或いは多層シート等であってもよいのはもちろんである。
従って、少なくとも紙製シートからなるものであるが、これに樹脂シートをラミネート等した紙製のシートでもよいものである。
【0025】
又、成形芯金に巻き込むに際して予めこの紙製シートに印刷等を施したものを使用するものであってももちろんよい。
尚、本図に示す構成は一例であって、この円弧形状の曲線はより深いものでも或いは浅いものであってもいずれでもよい。
又、幅方向の長さや高さ方向の長さなどにおいてもそれぞれ必要に応じて任意に定めればよいものである。
【0026】
図5は、更に前記した成形芯金2に前記の紙製シート1を巻きつけた状態の一例を示す図であり、例えばアーム状のフラップによってこの紙製のシート1を成形芯金2に巻きつけた一例を示す図である。
このように成形芯金2に巻きつけたシート1は、成形芯金2の上部周縁20近傍においては芯金2に巻きついて芯金形状を表出するものであるが、底部23方向においては芯金2から離れて略円筒形状に巻きつけられるものである。
従って、この段階では単なる円筒状にシート1が巻きついた状態となり、芯金形状である略御椀形状とはなっていない。
【0027】
以上より先ずこの工程によって成形芯金2にシート1が巻きつけられるものとなる。
尚、本説明においてはフラップをもって両側方向から芯金2を中心として巻き込む例を示すが、このようなフラップをもって芯金2に巻きつけるものの他、例えば回転する巻き込みローラに紙製シートを巻きつけて成形するものであってもよい。
例えば補助ローラ等で当接してきれいに巻きつける巻き込みローラに巻きつける等のことによって巻きつき状態とするものであってもよい。
又、例えば糊代部をもってその部分で接着成形して、一定の形態を維持するものであってもよい。
【0028】
図6は、更に次の工程を示す図であり、図5に示した成形芯金2に巻きつけた状態で雌型金型3によって成形芯金2の底部方向を押圧するものである。
この雌型金型3は成形芯金2の中央部から底部形状にかけて合致する形状を有しており、底部の外周面の外周形状よりなる曲面形態に対応していると共に成形芯金2の切れ込み部25に対応した多数の突出辺部35を有している。
【0029】
図7は、成形芯金2に紙製のシート1を巻きつけた状態で更に雌型金型3を成形芯金2に当接すると共に圧着する一例を示す図である。
このように当接すると、雌型金型3の突出辺部35によって紙製シート1が成形芯金2の切れ込み部25に巻き込まれると共にその状態で成形されるものである。
図8は、更に雌型金型3を当接して例えば一定の圧をかけた押圧状態から、更に引き離した一例を示す。
本図に示すように成形芯金2には、その形状に成形された紙製シート1が巻き付いた状態となる。
【0030】
従って、このまま該成形した紙製シート1はそのまま紙製の包装体の形状となるものであり、成形芯金2から外すことによって、取り出すことができる。
尚、本包装体に関しては、成形芯金2の切れ込み部25と雌型金型3の突出辺部35によって成形された内部方向即ち内周面方向に折り込み部15を有するものであるが、外表面に関してはきれいな曲面を形成するものとなる。
【0031】
図9は、更にポリスチレン樹脂系発泡シート等を用いた御椀形状の即席麺等の断熱容器Cに対して、本発明に係る紙製の包装体を装着する状態の一例を示す図である。
該紙製包装体1は、上部に開口縁10を有すると共に底部も同様に開口縁11を有し、容器とほぼ同様の御椀形状よりなるものであって、この底部の開口縁によって形成される孔に例えば断熱容器の高台を挿入することができる。
尚、本明細書上、断熱用容器を前提として説明するが、本紙製の包装体はポリスチレン樹脂系発泡シート等を用いた即席麺等用の断熱容器に限らず他の容器に用いるものであってももちろんよい。
例えば紙製などの断熱容器に対して用いるものであってもよい。
従って、該容器の形状に合致した形状よりなる紙製の包装体は、そのまま断熱容器を装着できるものとなる。
【0032】
図10は、本発明に係る紙製の包装体1をポリスチレン樹脂系発泡シート等を用いた即席麺等用の断熱容器Cに装着した一例を示す図である。
このように構成するときっちりと外周面を紙製の包装体によって覆うことができ、各種任意の印刷等をその表面に行なうことができ、所要のデザインや表示を用いた装飾を施すことが低廉にかつ簡単に行なえるものである。
更にも形状の見栄えもよいものとなる。
【0033】
尚、断熱容器と紙製の包装体とは例えば接着部材等で接着するものであればよく、例えば容器の開口部近傍において接着するものであっても、或いは包装体の内部方向に突出形成している折り込み部15において断熱容器と接着するものであってもよい。
或いは、その他例えば任意の係止具等を用いて断熱容器の外周に包装体を装着するものであってもよい。
【0034】
特に、該断熱容器と紙製の包装体の間に前記折り込み部15によって形成した隙間が生ずるものであり、その隙間によって更なる断熱効果を発揮させることもできる。
尚、図8に示す構成によって折り込み部15を有する包装体から更に、該折り込み部15を包装体1の曲面形状の内周面に折り込んで、内周面での突出辺部をなくして、そのまま断熱容器に装着するものであってもよい。
即ち、例えば折り込み部15の内周面への折り込み工程を有するものであってもよい。
【0035】
図11は、本発明の他の一例を示す図である。
前図までに図示する御椀形状はきれいな曲面を有する半円球状の断熱容器を明示するが、これに限定されずに図11に示すように周面に角を有する三角以上の多角形状の御椀形状即ち逆さにした角錐形状の断熱容器に用いるものであってもよい。
この場合には例えば成形芯金2に関して、半円球状に代えてその形状を周面に角を有する三角以上の多角状の御椀形状即ち逆さにした角錐形状とすることによって、この形状に巻きつけられた略扇状の紙製シート1は、角錐状の略御椀形状の周面形状を形成する形状となり、該逆さにした角錐形状の容器の周面に装着できるものである。
尚、成形芯金2の中央部21近傍まで角錐形状となり、成形芯金の底部近傍22においては半球形状として形成された一例を示すものであるが、底部近傍においても周面に角部を有するものであってももちろんよく、この形状も御椀形状に含まれるものである。
【0036】
尚、紙製シートに関しては、紙のみで構成されたシートの他、樹脂とのラミネート或いはコーティング等を行なった紙製の多層シートを用いたものであってももちろんよい。 本発明上、紙製シートにもこのようにシートを含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る紙製の包装体の製造工程の一例を示す図
【図2】図1に示す成形芯金の断面図
【図3】本発明に係る紙製の包装体の成形芯金の一例を底部から視認した図
【図4】本発明に係る紙製の包装体の紙製のシートの一例を示す図
【図5】本発明に係る紙製の包装体の製造工程の一例を示す図であり、成形芯金に紙製シートを巻きつけた状態の一例を示す図
【図6】本発明に係る紙製の包装体の製造工程の一例を示す図であり、成形芯金に紙製シートを巻きつけた状態で雌型金型を近づけた状態の一例を示す図
【図7】本発明に係る紙製の包装体の製造工程の一例を示す図であり、成形芯金に紙製シートを巻きつけた状態で雌型金型を当接させた状態の一例を示す図
【図8】本発明に係る紙製の包装体の製造工程の一例を示す図であり、更に雌型金型を引き離した一例を示す図
【図9】御椀形状の断熱容器に、本発明に係る紙製の包装体を装着する状態の一例を示す図
【図10】御椀形状の断熱容器に、本発明に係る紙製の包装体を装着した一例を示す図
【図11】本発明に係る紙製の包装体の製造工程の他の一例を示す図
【符号の説明】
【0038】
1 紙製シート
15 折り込み部
2 成形芯金
20 成形芯金の上縁部
21 成形芯金の中央部
22 成形芯金の底部近傍
23 成形芯金の底部
25 切れ込み部
3 雌型金型
35 突出辺部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略御椀形状の容器の外周面を覆う紙製の包装体であって、
略御椀形状の成形芯金2に略扇状の紙製シート1を巻きつけ、更に雌型金型3で当接して形成する紙製の包装体であり、
成形芯金2には本体の中央部21から底部23に向かって多数の切れ込み部25を有するものであって、該切れ込み部25は底部方向に行くに従ってその深さを深く形成するものであり、
雌型金型3に成形芯金2の中央部21から底部形状にかけて合致する形状を有すると共に成形芯金2の切れ込み部25に対応した多数の突出辺部35を有するものであり、
略扇状の紙製シート1を成形芯金2と雌型金型3とで挟み込んで当接することによって、該包装体の内周面方向に折り込み部15を形成すると共に略御椀形状に形成することを特徴とする紙製の包装体。
【請求項2】
成形芯金2と雌型金型3とで略扇状の紙製シート1を挟み込んで当接すると共に押圧して成形することを特徴とする請求項1記載の紙製の包装体。
【請求項3】
該包装体の内周面方向の折り込み部15を包装体の曲面形状の内周面に折り込んで、内周面での突出辺部をなくしたことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の紙製の包装体。
【請求項4】
略御椀形状の容器がポリスチレン樹脂系発泡シート等を用いた即席麺等の断熱容器であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の紙製の包装体。
【請求項5】
略御椀形状の成形芯金2を半円球状としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の紙製の包装体。
【請求項6】
略御椀形状の成形芯金2を三角以上の多角形状からなる逆さにした角錐形状に形成し、該略扇状の紙製シート1を角錐状の略御椀形状の周面形状に形成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の紙製の包装体。
【請求項7】
略御椀形状の容器の外周面を覆う紙製の包装体の製造方法であって、
略御椀形状の成形芯金2に略扇状の紙製シート1を巻きつける工程と
該巻きつけた状態で雌型金型3を当接して略扇状の紙製シート1を成形芯金2と雌型金型3とで挟み込んで当接する工程とからなり、
該成形芯金2には本体の中央部から底部に向かって多数の切れ込み部25を有し、該切れ込み部25は底部23方向に行くに従ってその深さを深く形成しており、
該雌型金型3は成形芯金2の中央部から底部形状にかけて合致する形状を有すると共に成形芯金2の切れ込み部25に対応した多数の突出辺部35を有するものであり、
略扇状の紙製シート1を成形芯金2と雌型金型3とで挟み込んで当接することによって、該包装体の内周面方向に折り込み部15を形成すると共に略御椀形状に形成することを特徴とする紙製の包装体の製造方法。
【請求項8】
該巻きつけた状態で雌型金型3を当接して略扇状の紙製シート1を成形芯金2と雌型金型3とで挟み込んで当接する工程が、少なくとも一定の圧をもって押圧する工程からなることを特徴とする請求項7記載の紙製の包装体の製造方法。
【請求項9】
更に、形成した該包装体の内周面方向の折り込み部15を包装体の曲面形状の内周面に折り込んで、内周面での突出辺部をなくす工程を有することを特徴とする請求項7又は8のいずれかに記載の紙製の包装体の製造方法。
【請求項10】
略御椀形状の成形芯金2を半円球状とすることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の紙製の包装体の製造方法。
【請求項11】
略御椀形状の成形芯金2を三角以上の多角形状からなる逆さにした角錐形状に形成し、該略扇状の紙製シート1を角錐状の略御椀形状の周面形状に形成することを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の紙製の包装体の製造方法。
【請求項1】
略御椀形状の容器の外周面を覆う紙製の包装体であって、
略御椀形状の成形芯金2に略扇状の紙製シート1を巻きつけ、更に雌型金型3で当接して形成する紙製の包装体であり、
成形芯金2には本体の中央部21から底部23に向かって多数の切れ込み部25を有するものであって、該切れ込み部25は底部方向に行くに従ってその深さを深く形成するものであり、
雌型金型3に成形芯金2の中央部21から底部形状にかけて合致する形状を有すると共に成形芯金2の切れ込み部25に対応した多数の突出辺部35を有するものであり、
略扇状の紙製シート1を成形芯金2と雌型金型3とで挟み込んで当接することによって、該包装体の内周面方向に折り込み部15を形成すると共に略御椀形状に形成することを特徴とする紙製の包装体。
【請求項2】
成形芯金2と雌型金型3とで略扇状の紙製シート1を挟み込んで当接すると共に押圧して成形することを特徴とする請求項1記載の紙製の包装体。
【請求項3】
該包装体の内周面方向の折り込み部15を包装体の曲面形状の内周面に折り込んで、内周面での突出辺部をなくしたことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の紙製の包装体。
【請求項4】
略御椀形状の容器がポリスチレン樹脂系発泡シート等を用いた即席麺等の断熱容器であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の紙製の包装体。
【請求項5】
略御椀形状の成形芯金2を半円球状としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の紙製の包装体。
【請求項6】
略御椀形状の成形芯金2を三角以上の多角形状からなる逆さにした角錐形状に形成し、該略扇状の紙製シート1を角錐状の略御椀形状の周面形状に形成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の紙製の包装体。
【請求項7】
略御椀形状の容器の外周面を覆う紙製の包装体の製造方法であって、
略御椀形状の成形芯金2に略扇状の紙製シート1を巻きつける工程と
該巻きつけた状態で雌型金型3を当接して略扇状の紙製シート1を成形芯金2と雌型金型3とで挟み込んで当接する工程とからなり、
該成形芯金2には本体の中央部から底部に向かって多数の切れ込み部25を有し、該切れ込み部25は底部23方向に行くに従ってその深さを深く形成しており、
該雌型金型3は成形芯金2の中央部から底部形状にかけて合致する形状を有すると共に成形芯金2の切れ込み部25に対応した多数の突出辺部35を有するものであり、
略扇状の紙製シート1を成形芯金2と雌型金型3とで挟み込んで当接することによって、該包装体の内周面方向に折り込み部15を形成すると共に略御椀形状に形成することを特徴とする紙製の包装体の製造方法。
【請求項8】
該巻きつけた状態で雌型金型3を当接して略扇状の紙製シート1を成形芯金2と雌型金型3とで挟み込んで当接する工程が、少なくとも一定の圧をもって押圧する工程からなることを特徴とする請求項7記載の紙製の包装体の製造方法。
【請求項9】
更に、形成した該包装体の内周面方向の折り込み部15を包装体の曲面形状の内周面に折り込んで、内周面での突出辺部をなくす工程を有することを特徴とする請求項7又は8のいずれかに記載の紙製の包装体の製造方法。
【請求項10】
略御椀形状の成形芯金2を半円球状とすることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の紙製の包装体の製造方法。
【請求項11】
略御椀形状の成形芯金2を三角以上の多角形状からなる逆さにした角錐形状に形成し、該略扇状の紙製シート1を角錐状の略御椀形状の周面形状に形成することを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の紙製の包装体の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−70237(P2010−70237A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−241249(P2008−241249)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(506048728)有限会社ホクオーパック (26)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(506048728)有限会社ホクオーパック (26)
【Fターム(参考)】
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