説明

紙製ハンガー

【課題】薄くてかさばらず、廃棄や再生も容易であり、しかも強度的に優れた紙製ハンガーを提供する。
【解決手段】紙製ハンガー1はコートボール紙にて形成され、ハンガー本体2とフック部3は別体となっている。ハンガー本体2には、フック部3が挿入されるスリット状のフック取付部9が設けられている。フック部3は、折曲部11を挟んで配置されフック孔13a,13bが形成されたフック片12a,12bを備える。フック片12aには係止突起15が突設され、フック片12bには係止孔16が設けられている。フック部3は、フック取付部9に挿入された状態で、フック片12a,12bが重なり合うように二つ折りされる。そして、係止突起15を係止孔16に差し込むことにより、フック片12a,12bが接合され、フック部3がハンガー本体2に取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣服を吊り下げて収容・展示等を行うためのハンガーに関し、特に、薄くてかさばらず、廃棄やリサイクルも容易な紙製のハンガーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、スーパーや百貨店等の店頭において、上着やズボン、下着等の衣服類を展示販売したり、クリーニング店や家庭にて衣服類を収容保管したりするため、硬質プラスチック製のハンガーが広く使用されている。ところが、このようなプラスチック製のハンガーは、ハンガー自体に厚みがありかさばるため、ハンガーの収納や運搬が行いにくい、という問題があった。また、ハンガーの製造に際しては、金型を作成して射出成形を行う必要があるため、製造工程に手間がかかり、製造コストが嵩むという問題もあった。さらに、再生可能を標榜した製品でありながら、コスト削減のため、再生が困難な素材を混入させたものも出回っており、それが大量に不法投棄されるなどの問題もあった。このため、近年では、環境負荷等を考慮して、従来のプラスチック製ハンガーに代えて、特許文献1〜5のような、紙製のハンガーが種々提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-229268号公報
【特許文献2】特開2006-254936号公報
【特許文献3】特開2002-199979号公報
【特許文献4】特開2002-199979号公報
【特許文献5】特開平11-225867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような紙製ハンガーにおいても、フック部とハンガー本体部が一体となったものは、かさばり易く、収納や運搬が行いにくいという問題は解決されていなかった。また、両者が一体となったハンガーは、それを規定の紙型(例えば、K全版:650mm×950mm)の素材(厚紙)から型抜きする場合、効率良い製品取りができず、コストアップの要因となるという問題もあった。さらに、紙製ハンガーは、焼却処理が可能で環境負荷が少ないという利点があるものの、プラスチック製ハンガーに比して強度が低く、水にも弱いという弱点がある。特に、ハンガーを吊り下げるためのフック部と、衣服類を掛けるハンガー本体部との接合部の強度がプラスチック製のものに比して弱く、重い衣服類を掛けることができず、製品寿命も短いという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、薄くてかさばらず、廃棄や再生も容易であり、しかも強度的に優れた紙製ハンガーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の紙製ハンガーは、衣服類を吊り下げて保持する紙製ハンガーであって、衣服類を掛けるハンガー本体と、前記ハンガー本体とは別体に形成され、前記ハンガー本体の上部に取り付けられるフック部とを備え、前記ハンガー本体は、前記フック部を装着可能なフック取付部を有し、前記フック部は、折曲部を挟んで配置されフック孔が形成された第1及び第2フック片と、前記第1フック片に設けられた係止突起と、前記第2フック片に前記係止突起と対応して設けられた係止孔とを有し、該フック部は、前記フック取付部に装着された状態で、前記第1及び第2フック片が重なり合うように折曲部に沿って二つ折りにされ、前記係止突起を前記係止孔に差し込むことにより、前記第1及び第2フック片を接合させて前記ハンガー本体に取り付けられることを特徴とする。
【0007】
本発明のハンガーは紙製であり、しかもハンガー本体とフック部が別体となっているため、焼却処理が可能であると共に、自重が軽く、また、適宜、組み立て・分解が可能である。このため、従来のプラスチック製ハンガーに比して薄くてかさばらず、ハンガーの運搬や収納が容易となる。さらに、ハンガー本体とフック部を別体としたことにより、小さな紙型の素材から各パーツを効率良くプレス成型でき、製品価格を抑えられる。
【0008】
前記紙製ハンガーにおいて、前記フック部は、前記フック取付部に挿入され、前記折曲部が前記フック取付部に配置された状態で、前記第1及び第2フック片が重なり合うように二つ折りにされるようにしても良い。
【0009】
前記紙製ハンガーにおいて、前記第1フック片の前記フック孔に、前記係止突起が突設された固定片を設けると共に、前記第2フック片の前記フック孔の近傍に前記係止孔を設け、前記固定片を折り曲げつつ前記第2フック片の前記フック孔内に通し、前記係止突起を係止孔に差し込むようにしても良い。この場合、前記固定片に切欠孔を設けると共に、前記第2フック片の前記フック孔の縁部に切欠部を設け、前記係止突起を係止孔に差し込んだ状態で、前記切欠孔と切欠部が重なり合いラック対応溝を形成するようにしても良い。
【0010】
また、前記係止突起を前記第1フック片の端部両側に設けると共に、前記係止孔を前記第2フック片の端部両側に設けても良い。この場合、前記第1及び第2フック片の前記各フック孔の縁部に切欠部を設け、前記第1及び第2フック片を重なり合わせた状態で、前記切欠部同士が重なり合いラック対応溝を形成するようにしても良い。
【0011】
一方、前記紙製ハンガーにおいて、前記フック部は、前記折曲部が上端側に配置された状態で、前記第1及び第2フック片が重なり合うように二つ折りにされるようにしても良い。
【0012】
さらに、前記ハンガー本体と前記フック部を、平面状の紙素材から複数個型抜きして形成し、その際、前記ハンガー本体は、前記紙素材上にて、隣接する前記ハンガー本体を左右にずらしつつ上下反転させた形で配置されて型抜きされ、前記フック部は、前記ハンガー本体の側方に該ハンガー本体と並列に並べられた状態で型抜きされるようにしても良い。
【0013】
加えて、前記ハンガー本体に、長手方向に沿って延びる長孔状のズボン通しを設けると共に、前記ズボン通しと前記ハンガー本体下縁との間に形成される下縁架橋部の中央部に、該下縁架橋部の側方部よりも幅広に形成された補強部を設けても良い。また、前記ハンガー本体に、長手方向に沿って延びる長孔状のズボン通しを設けると共に、前記ズボン通しの下縁に、下方側に折り返し可能な補強片を設けても良い。
【0014】
また、前記ハンガー本体に、その斜辺部に沿って延び、該斜辺部に沿って下方側に折り曲げ可能な肩当てパッド部と、長手方向に沿って延びる長孔状のズボン通しを設けると共に、前記肩当てパッド部に、前記ズボン通しに係止されるフック部を備えたパッド保持片を設け、肩当てパッド部を、前記フック部を前記ズボン通しに係止することにより、該肩当てパッド部を前記斜辺部に沿って折り曲げたときに生じる弾性的な復元力によって、前記斜辺部に対し略直角状態で保持するようにしても良い。
【0015】
一方、当該紙製ハンガーを、厚紙を芯材とし、その両面にポリプロピレン等の合成樹脂のコーティングを施したコートボール紙にて形成しても良い。コートボール紙を使用することにより、弾力性が増しハンガーが折れにくくなると共に、水にも強くなり、ハンガーの強度が向上する。また、表面に汚れが付きにくくなり、汚れが付いても容易に拭き取ることが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の紙製ハンガーにあっては、衣服類を掛けるハンガー本体とフック部とを別体に形成し、ハンガー本体にフック部を装着可能なフック取付部を設けると共に、第1及び第2フック片を備えたフック部を、フック取付部に装着した状態で両フック片が重なり合うように二つ折りにする。そして、第1フック片に設けられた係止突起を第2フック片に設けられた係止孔に差し込むことにより、第1及び第2フック片を接合させ、当該フック部をハンガー本体に取り付ける。これにより、ハンガー自体が軽量化されると共に、適宜、組み立て・分解が可能となり、従来のプラスチック製ハンガーに比して、薄くてかさばらず、ハンガーの運搬や収納が容易となる。また、ハンガー本体とフック部を別体としたことにより、小さな紙型の素材から各パーツを効率良くプレス成型でき、両者一体型の紙製ハンガーに比して、製品単価を下げることが可能となる。さらに、本発明の紙製ハンガーは焼却処理が可能であり、環境に優しく、不法投棄の防止も図られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例1である紙製ハンガーの構成を示す斜視図である。
【図2】図1の紙製ハンガーに使用されるフック部の展開図である。
【図3】図1の紙製ハンガーの組み立て過程を示す説明図である。
【図4】ハンガー本体とフック部の型抜きの様子を示す説明図である。
【図5】ハンガー本体とフック部が一体となった紙製ハンガーの型抜きの様子を示す説明図である。
【図6】本発明の実施例2である紙製ハンガーの斜視図である。
【図7】図6の紙製ハンガーに使用されるフック部の展開図である。
【図8】本発明の実施例3である紙製ハンガーの構成を示す斜視図である。
【図9】図8の紙製ハンガーの組み立て過程を示す説明図である。
【図10】本発明の実施例4である紙製ハンガーの構成を示す斜視図である。
【図11】(a)は、図10の紙製ハンガーのフック部をハンガー本体から取り外した状態、同(b)は、フック部をハンガー本体に取り付ける際の状態を示す説明図である。
【図12】本発明の実施例5であるハンガーの斜視図である。
【図13】図13のハンガーに使用されるフック部の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明の実施例1である紙製ハンガー1(以下、紙製ハンガーは、適宜、ハンガーと略記する)の構成を示す斜視図である。図1に示すように、ハンガー1は、衣服類を掛けるハンガー本体2と、ハンガー本体2の上部に取り付けられたフック部3とから構成されている。フック部3は、ハンガー本体2とは別体となっており、ハンガー本体2とフック部3は共に、K版のコートボール紙からプレス装置にて型抜きして形成される。
【0020】
ハンガー本体2とフック部3は、厚さ1.0〜1.5mm程度のコートボール紙にて形成されている。コートボール紙は、ボール紙等の厚紙を芯材として、その両面にポリプロピレンのコーティング(厚さ0.02〜0.05mm程度)を施したコーティング素材である。このように、ハンガー1をコートボール紙にて形成することにより、弾力性が増しハンガーが折れにくくなると共に、水にも強くなり、ハンガーの強度が向上する。また、表面に汚れが付きにくくなり、汚れが付いても容易に拭き取ることが可能となる。
【0021】
ハンガー本体2の下部側には、長手方向(図1において左右方向)に沿って、長孔状のズボン通し4が設けられている。ズボン通し4の下縁部4aには、ズボン通し4に掛けられたズボンのずり落ちを防止するための突起5が形成されている。突起5の外周は衣類を傷めないように円弧状となっており、等間隔にて多数設けられている。ハンガー本体2の下縁部2aには、一対のズボン掛け6が設けられている。ズボン掛け6は片持ち梁状となっており、ズボン通し4の下方に、左右から中央に向かって突設されている。ズボン掛け6には、ズボンがずり落ちないように、ズボン通し4に掛けたズボンが挿通される。
【0022】
ズボン掛け6の両側には、ブラジャーやスリップ等の上半身用下着のストラップを装着するストラップ掛け7が設けられている。ストラップ掛け7は、ハンガー本体2の下縁部2aから、屈曲形成された切り込み溝8によって形成されている。切り込み溝8は、雷紋状になっており、最奥部8aに保持されたストラップは、風などによっては容易に脱落しないようになっている。また、切り込み溝8の各角部は、装着する商品を傷つけないように、丸みを帯びた形状となっている。
【0023】
ハンガー本体2の中央上部には、フック部3を装着するためのフック取付部9が設けられている。フック取付部9は、ハンガー本体2の上部にスリット状に形成されている。フック取付部9は、ハンガー本体2を型抜きする際、前述のズボン通し4やズボン掛け6、ストラップ掛け7と共に、プレス装置にて形成される。フック取付部9には、フック部3が挿入装着される。
【0024】
図2は、フック部3の展開図である。図2に示すように、フック部3は、折曲部11を挟んで対称状に配置された2つのフック片12a(第1フック片),12b(第2フック片)を備えている。各フック片12a,12bには、全周が閉じたフック孔13a,13bが形成されている。紙片状のフック部3をフック取付部9に挿通した後、当該紙片を折曲部11で折り曲げることにより、フック孔13a,13bによって、ハンガー1の取っ手が形成される。フック孔13aには、固定片14が設けられている。固定片14の端縁中央には、係止突起15が突設されている。一方、他方のフック孔13bの端部側(図中上方)の近傍には、係止孔16が形成されている。また、固定片14の中央部には切欠孔17が、フック孔13bの上縁には半円状の切欠部18が、それぞれ設けられている。切欠孔17と切欠部18は、フック部3をハンガー本体2に取り付けたとき重なり合い、ラック対応溝19を形成する。
【0025】
このようなハンガー1は、次のようにして組み立てられる。図3は、ハンガー1の組み立て過程を示す説明図である。図3(a)に示すように、ここではまず、ハンガー本体2のフック取付部9にフック部3を挿通する。フック取付部9にフック部3を半分通した後、フック片12a,12bが対向し重なり合うように、フック部3を折曲部11にて二つ折りにする(図3(b))。そして、固定片14を折り曲げ線21に沿って折り曲げ、対向するフック孔13b内に通し(図3(c))、係止突起15を係止孔16に差し込む(図3(d))。これにより、フック片12a,12bの両端が固定される。すなわち、フック片12a,12bは、二つ折りに接合された状態でハンガー本体2に取り付けられ、取っ手状のフック部3が形成される。このように、フック部3は、フック片12a,12bが二重になっているため、フック片(紙片)の厚みが薄くとも、強度が確保でき、製品単価も低く抑えられる。
【0026】
一方、ハンガー本体2とフック部3は、前述のように、K版の紙材からプレス装置にて型抜きされる。図4は、ハンガー本体2とフック部3の型抜きの様子を示す説明図である。ここで、ハンガー本体とフック部が一体となったハンガー25では、図5(a)のように、フック部が邪魔になり、K版の紙材からハンガーを効率良く型抜きすることができない。このため、紙材の無駄が多く、製造コストの増大は避けられない。また、このようなハンガー25を上下反転させてうまく型抜きするには、図5(b)に示すように、K版よりも大きな紙型の材料が必要となり、この場合も材料費の増大を招来する。
【0027】
これに対し、当該ハンガー1では、ハンガー本体2とフック部3を別体としているため、K版の紙材にハンガー本体2とフック部3を並べて型抜きすることができる。図4に示すように、まず、ハンガー本体2は、紙材(紙素材)22上にて、互いの斜辺部23同士の傾斜方向を合わせるように、隣接するハンガー本体2を左右にずらしつつ上下反転させた形で型抜きされる。一方、フック部3は、ハンガー本体2側方の空いたスペースを利用して型抜きされ、ハンガー本体2とフック部3は紙材の幅方向に並列に配置された形で成型される。このような配置にてK版からハンガー1を6個抜くと、発明者の試算によれば、4/6全判(800mm×1100mm)からフック一体型のハンガーを6個抜く場合に比して、製品原価を約30%削減できる。
【0028】
このように、本発明のハンガー1は、素材が紙であり、しかもハンガー本体2とフック部3が別体となっているため、自重が軽く、適宜、組み立て・分解が可能である。このため、従来のプラスチック製ハンガーに比して薄くてかさばらず、ハンガーの運搬や収納が容易であり、運搬時等におけるスペース効率も向上する。また、ハンガー本体2とフック部3を別体としたことにより、小さな紙型の素材から各パーツを効率良くプレス成型できるため、両者一体型の紙製ハンガーに比して、製品単価を下げることが可能となる。さらに、基本が紙製であるため、焼却処理が可能であり、石油を原料とするプラスチック製ハンガーに比して、環境に優しく、不法投棄の防止も図られる。なお、使い捨ても可能であり、感染症を取り扱う病院等における使用にも好適である。
【0029】
加えて、ハンガー本体2のズボン通し4とフック取付部9の間に存在するスペースA(表裏両面又は片面)に、模様やキャラクター、キャッチフレーズ、社名、商品名、商品の機能、取扱説明その他の表示を適宜印刷しても良い。また、ハンガー本体2やフック部3の材料にカラー印刷を行い、適宜色彩や模様を施しても良く、その際、ハンガー本体2とフック部3の色彩や模様を異ならせることも可能である。
【実施例2】
【0030】
次に、実施例2として、実施例1のフック部3の形状を鉤形としたものについて説明する。なお、以下の実施例では、実施例1と同様の部材、部分については同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0031】
図6は、本発明の実施例2である紙製ハンガー31(以下、ハンガー31と略記する)の正面図、図7は、ハンガー31のフック部32の展開図である。フック部32もまたコートボール紙にて形成され、プレス装置にて型抜きされる。図7に示すように、フック部32も、前述のフック部3と同様に、折曲部33を中心として、2つのフック片34a(第1フック片),34b(第2フック片)から形成されている。
【0032】
各フック片34a,34bにはフック孔35a,35bが形成されている。フック孔35a,35bは、全周が閉じたフック部3のフック孔13a,13bと異なり、その一部がフック部32の端縁32aにて開口した湾状に形成されている。各フック孔35a,35bには、半円状の切欠部36a,36bがそれぞれ設けられている。また、フック片34aの端部両側には、係止片37a,37bが設けられている。一方、他方のフック片34bの端部両側には、係止孔38a,38bが形成されている。
【0033】
ハンガー31においても、前述のハンガー1と同様に、ハンガー本体2のフック取付部9にフック部32を挿通し、フック片34a,34bが対向するように、フック部32を折曲部33にて二つ折りにする。そして、係止片37a,37bを係止孔38a,38bに差し込むことにより、フック片34a,34bの両端が固定され、図6のような鉤形のフック部32が形成され、ハンガー本体2に装着される。その際、フック孔35a,35bの切欠部36a,36bが重なり合い、ラック対応溝39が形成される。なお、係止片と係止孔は必ずしも2個ずつ設ける必要ななく、何れか一方の1対のみを設けても良い。但し、ハンガー本体2の開きを防止するためには、フック片34a,34bの両側に設けることが好ましい。
【0034】
このように、本発明のハンガー31もまた、自重が軽く、適宜、組み立て・分解が可能であり、従来のプラスチック製ハンガーに比して、薄くてかさばらない。また、ハンガー本体2とフック部32が別体のため、小さな紙型の素材から各パーツを効率良くプレス成型できる。さらに、ハンガー31も焼却処理や使い捨てが可能である。加えて、ハンガー31では、フック孔13a,13bが開口しているため、ラックやタンス等の横棒にも側方から容易にハンガー31を掛けることができる。
【実施例3】
【0035】
次に、本発明の実施例3として、ハンガー本体2とフック部3を一体に形成したものについて説明する。図8は、本発明の実施例3である紙製ハンガーの構成を示す斜視図である。ハンガー40では、ハンガー本体2とフック部41が一体化されており、フック部41も図9(a)のように三つ折り状となっている。フック部41は、フック片41a,41b,41cから形成されており、フック片41a,41bの間と、フック片41b,41cの間には、折曲部42a,42bが設けられている。フック片41a,41bにはフック孔43a,43bが形成されており、フック孔43aは一部が開口した湾状に、フック孔43bは全周が閉じたリング孔状となっている。
【0036】
フック片41aの上部には、フック孔43aの上方を覆う形で係合片44が設けられている。係合片44には、フック孔43a側に開口する切り込み45が形成されている。切り込み45の開口部には、円周状の切欠部46aが設けられている。また、フック片41aの左端縁(フック片41bが形成されていない側の端縁)には、係止突起47が突設されている。フック片41cには、係合片44に対応して係合片48が側方に向かって延設されている。係合片48の上縁には、切り込み49が形成されている。係合片48の下縁には、円周状の切欠部46bが設けられている。フック孔43bの上縁にも円周状の切欠部46cが設けられており、フック片41a,41b,41cを重ね合わせると、切欠部46a〜46cによって、ラック対応溝50が形成される。なお、切り込み45を係合片44の上縁、切り込み49を係合片48の下縁に設けても良い。また、フック片41cの基部に位置する折曲部42bには、係止突起47に対応して係止孔51が形成されている。
【0037】
ハンガー40では、ズボン通し4の下方に幅広の補強部52が設けられている。ハンガー40のズボン通し4とハンガー本体下縁部2aとの間は、下縁架橋部53となっており、この下縁架橋部53の中央部に、側方部よりも幅広の補強部52が形成されている。補強部52は、対向するズボン掛け6の間に上方から突設される形で配置される。また、ズボン通し4の下縁部4aには、ハンドル状の補強片54が形成されている。補強片54は、下縁部4aから下方に折り返されて使用される。これらの補強部52や補強片54により、ハンガー40は曲げ剛性が高くなり、強度の向上が図られる。なお、実施例1,2のハンガー1,31にも、このような補強部52や補強片54を設け、ハンガー強度の向上を図っても良い。
【0038】
このようなハンガー40は、次のようにして組み立てられる。ここではまず、図9(b)に示すように、折曲部42aにてフック片41bを折り曲げ、フック片41a,41bを重ね合わせる。次に、係止突起47を係止孔51に差し込みつつ、折曲部42bにてフック片41cを折り曲げ、係合片44,48を重ね合わせる。そして、切り込み45,49を差し合わせ、係合片44,48を接合する。これにより、中央にフック孔43a,43bを備えた取っ手状のフック部41が、ハンガー本体2の上部に形成される。
【0039】
このようなハンガー40も紙製のため、軽く薄く、焼却処理や使い捨てが可能である。また、フック孔43aが開口形状となっているため、ハンガーを製造する際、隣接するハンガー40の係合片48を、図9(a)に一点鎖線にて示したように、フック孔43aの位置に配置する形で型抜きでき、ハンガー40を効率良くプレス成型することができる。
【実施例4】
【0040】
図10は、本発明の実施例4である紙製ハンガー61の構成を示す斜視図、図11(a)は、紙製ハンガー61のフック部3をハンガー本体2から取り外した状態、同(b)は、フック部3をハンガー本体2に取り付ける際の状態を示す説明図である。図10の紙製ハンガー61は、フック部3の構造を簡素化して、軽量化とコストダウンを図ったものであり、ワイシャツなどの軽い衣料品を吊り下げるために使用される。紙製ハンガー61では、フック部3は、二つ折りされずにハンガー本体2に取り付けられる。フック部3には、ハンガー本体2のフック取付部9に装着される係合片62が設けられている。係合片62は、フック本体部63の下端部に突設されており、フック本体部63と係合片62との間には、係止溝64が形成されている。
【0041】
これに対し、ハンガー本体2のフック取付部9には、スリット状のフック挿入部65と、フック挿入部65の上方に、フック挿入部65と一体に形成されたフック係止部66が形成されている。フック挿入部65の幅L1は、係合片62の幅L2よりも小さくなっている。フック係止部66の幅L3は、係合片62の係止溝64部分の寸法L4よりも若干小さくなっている。また、係止溝64の奥端部64aから、係合片62の端部までの距離L5は、フック挿入部65の幅L1よりも小さい寸法となっている。
【0042】
フック部3をハンガー本体2に取り付ける際には、図11(b)に示すように、まず、一方の係止溝64を、フック挿入部65の一端側に嵌め込む。この状態で、フック挿入部65の他端側をフック挿入部65に挿入する。前述のように、L5はL1よりも小さい寸法となっているため、これにより、係合片62は、フック挿入部65内に挿入される。次に、係合片62を持ち上げる形で、係止溝64の部分を、フック係止部66に係合させる。この際、L1はL2よりも小さいため、係合片62は、脱落することなくフック係止部66に装着される。
【0043】
一方、このようにしてフック部3をハンガー本体2に取り付けても、フック部3は、係合片62とフック係止部66の係合部を中心として揺動してしまい、不安定となる。そこで、当該ハンガー61では、フック部3を安定させるべく、フック部3に振れ止め片67、ハンガー本体2に振れ止め片挿入孔68を設けている。振れ止め片67と振れ止め片挿入孔68は、係合片62とフック係止部66を係合させる直前の状態で、両者が対向する位置に設けられている。振れ止め片挿入孔68は、上端側の幅が拡大された台形状となっている。これに対し、振れ止め片67は、先端部が拡大したマッシュルーム状に形成されており、先端部に切れ込み69が形成されている。振れ止め片67の上端部の幅W1は、振れ止め片挿入孔68の上底部の幅W2よりも若干大きく形成されている。
【0044】
振れ止め片67は、係合片62とフック係止部66を係合させる直前に、振れ止め片挿入孔68内に押し込まれる。この際、振れ止め片67は、切れ込み69を中心として山型に曲げられる形で振れ止め片挿入孔68内に挿入される。振れ止め片67を振れ止め片挿入孔68に押し込んだ後、係合片62を持ち上げ、フック係止部66に係合させると、振れ止め片67の拡径された先端部が、振れ止め片挿入孔68の縁部に係合する。これにより、フック部3がハンガー本体2に2点で固定され、フック部3の揺動が抑えられる。
【0045】
なお、フック本体部63には、持ち手部分の補強用に折り返し片70が設けられている。ハンガー61では、フック部3をハンガー本体2に装着した後、この折り返し片70を上方に折り返す。これにより、フック部3の持ち手部分が二重になり、強度が確保される。また、図10に示すように、フック部3にラック対応溝19が形成される。
【実施例5】
【0046】
さらに、本発明の実施例5として、フック部3の折り目を上端部に配した形態について説明する。前述の実施例では、ハンガー本体2のフック取付部9側に折曲部11が配される形態となっており、フック部3の上端部は、フック片12a,12b等が重ね合わされされた状態となっている。従って、フック部3の上端には、フック片12a,12bの端面が配置される。ところが、フック片12a,12bの端面は、型抜きの切断面であるため、非コーティング状態となっており、このように、フック片の端面がフック部3の上端に来ると、そこから水が滲入してしまうおそれがある。
【0047】
そこで、実施例5の紙製ハンガー71では、紙片への水の滲入を抑えるべく、フック部3の取り付け状態を変更し、フック部3に施された合成樹脂製のコーティング材がフック上端部を覆うように、フック部3の折り目を上端部に配している。図12は、ハンガー71の斜視図、図13は、ハンガー71に使用されるフック部3の展開図である。図12のハンガー71では、フック部3として、実施例4のフック部3を二つ折りにしたものが使用される。ハンガー71のフック部3は、フック片72a,72bから構成され、フック片72aには、図10のハンガー61と同様に、フック部3には、ハンガー本体2のフック取付部9に装着される係合片73が設けられている。係合片73は、フック片72aの下端部に突設されており、フック片72aと係合片73との間には、係止溝74が形成されている。
【0048】
これに対し、ハンガー本体2のフック取付部9には、スリット状のフック挿入部75と、フック挿入部75の上方に、フック挿入部75と一体に形成されたフック係止部76が形成されている。フック挿入部75の幅L11は、係合片73の幅L12よりも小さくなっている。フック係止部76の幅L13は、係合片73の係止溝74部分の寸法L14よりも若干小さくなっている。また、係止溝74の奥端部74aから、係合片73の端部までの距離L15は、フック挿入部75の幅L11よりも小さい寸法となっている。さらに、ハンガー71では、係合片73のほぼ中央部に、スリット状の固定片挿入孔77が形成されている。
【0049】
一方、フック片72bには、フック片72aの固定片挿入孔77に対応して、固定片78が突設されている。また、フック片72bには、持ち手部分の補強用に折り返し片79が設けられている。さらに、フック片72a,72bの一端側には、両フック片の端部の開きを防止するための係合片80a,80bが設けられている。係合片80a,80bは、フック片72a,72bを重ね合わせたとき、互いの突出部81a,81bが対向する状態となる。そして、突出部81a,81bの基部にある凹部82a,82b同士を嵌め合わせつつ、突出部81a,81bを相手の係合片80b,80aの裏側に重ねることにより、係合片80a,80b同士が接合される。
【0050】
このようなハンガー71では、フック部3は、フック片72a,72bを、折り曲げ線83に沿って二つ折りにした状態で取り付けられる。フック片72aは、係合片73を用いて、前述の実施例4の場合と同様に、ハンガー本体2のフック取付部9に装着される。フック片72aを装着後、フック片72bの固定片78を、フック片72aの固定片挿入孔77に挿入し、フック片72a,72bの下端部を接合する。その後、係合片80a,80bを係合させ、フック片72a,72bの左端部を接合する。これにより、フック部3は、ハンガー本体2に装着される。なお、ハンガー71のフック片72bにも、持ち手部分の補強用に折り返し片70が設けられており、フック部3をハンガー本体2に装着した後、この折り返し片70を上方に折り返し、持ち手部分の強度を確保する。
【0051】
実施例5のハンガー71では、フック部3をハンガー本体2に装着したとき、フック部3の上端には、折り曲げ線83の部位が配される。折り曲げ線83の部位には、フック片72a,72bを二つ折りにしたとき内側面となる側に、筋押しが施されている。この筋押しは、フック部3を型抜きする際に同時に形成される。フック部3には、ポリプロピレン等の合成樹脂コーティングが施されており、フック片72a,72bを折り曲げたとき、折り曲げ線83の外側部分は、コーティング材に覆われたまま折り曲げられる。従って、ハンガー71では、フック上端部をコーティング材が覆う形となり、フック部3の上端からの水の滲入を抑えることができ、紙製ハンガーの耐久性を向上させることが可能となる。
【0052】
ところで、本発明のハンガーでは、ハンガー本体2側に、ジャケットやスーツを吊り下げる際に使用する肩当てパッドを設けることもできる。図12に示すように、ハンガー71では、ハンガー本体2の両斜辺部23部分に肩当てパッド部91が設けられている。肩当てパッド部91は、斜辺部23を形成する折り曲げ線92に沿って形成されている。折り曲げ線92は、肩当てパッド部91を折り曲げたとき、内側となる面がカットされた半切れ状態となっており、ハンガー本体2を型抜きする際に同時に形成される。このように、折り曲げ線92を半切り状態とすることにより、肩当てパッド部91がコーティング材に覆われたまま折り曲げられ、ハンガー本体2への水の滲入が妨げられると共に、肩当てパッド部91の表面が滑らかとなり外観的にも良好となる。
【0053】
肩当てパッド部91には、それを折り曲げたとき、斜辺部23に対し肩当てパッド部91を略直角状態で保持するための、パッド保持片93が設けられている。パッド保持片93は、斜辺部23の左右下端部に切り込み形成されており、ハンガー本体2を型抜きする際に同時に形成される。パッド保持片93の先端には、フック部94が形成されている。フック部94は、肩当てパッド部91を折り曲げ線92に沿って折り曲げ、パッド保持片93を立ち上げたとき、ズボン通し4の両端部に引っ掛けることができるようになっている。
【0054】
肩当てパッド部91は、折り曲げ線92に沿って折り曲げると、紙片やコーティング材の弾性力によって、元の状態に戻ろうとする。そこで、肩当てパッド部91を折り曲げ、パッド保持片93のフック部94をズボン通し4の端部に掛けると、フック部94は、肩当てパッド部91の弾性的な復元力によって、ズボン通し4に係止される。これにより、肩当てパッド部91は、パッド保持片93によって引っ張られる形で、斜辺部23に対し略直角状態で保持される。
【0055】
ハンガー71には、ズボン通し4にも、スラックス吊り下げ用の補強部として、補強片95が設けられている。補強片95は、ズボン通し4の下縁部4aに沿って、ズボン通し4の全長に亘って設けられている。下縁部4aには、半切れ状態の折り曲げ線96形成されており、補強片95は、折り曲げ線96に沿って、反転状態に折り返される。ハンガー本体2のズボン通し4の下方には、補強片保持部97が形成されている。折り返された補強片95は、補強片保持部97に差し込まれる形でズボン通し4の下方に保持される。なお、ハンガー71のハンガー本体2やフック部3も、図4と同様に、規格サイズ(K全判:650×950mm)の用紙にて、効率良く型抜きできる。また、ワイシャツ等の軽い衣服の場合、肩当てパッド部91を折り曲げずに使用しても良い。さらに、未使用時や搬送時には、肩当てパッド部91を折り曲げない状態で収納、搬送等を行うことができるため、かさ張らず、運搬時等におけるスペース効率も高い。
【0056】
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前述の実施例では、ハンガーをコートボール紙にて形成した例を示したが、ハンガーの素材はコートボール紙には限定されず、バルカナイズドファイバー素材や、バルカナイズドファイバー素材を厚紙によって挟み込んだ3層構造のシート材料、それらにポリプロピレン等の合成樹脂コーティングを施した材料など、種々の紙材を適用可能である。また、フック孔として、前述の実施例1では全周が閉じたフック孔13a,13b、実施例2では一部が開口したフック孔35a,35bを採用しているが、実施例1のフック孔13a,13bを一部開口したものとしたり、実施例2のフック孔35a,35bを全周が閉じたものとしたりすることも可能である。さらに、ハンガー本体2やフック部3を型抜きする際に、K全判の用紙を使用する例を示したが、用紙サイズはK全判には限定されず、種々のサイズの用紙を使用することが可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 紙製ハンガー
2 ハンガー本体
2a 下縁部
3 フック部
4 ズボン通し
4a 下縁部
5 突起
6 ズボン掛け
7 ストラップ掛け
8 切り込み溝
8a 最奥部
9 フック取付部
11 折曲部
12a フック片(第1フック片)
12b フック片(第2フック片)
13a,13b フック孔
14 固定片
15 係止突起
16 係止孔
17 切欠孔
18 切欠部
19 ラック対応溝
21 折り曲げ線
22 紙材(紙素材)
23 斜辺部
25 ハンガー
31 紙製ハンガー
32 フック部
32a 端縁
33 折曲部
34a フック片(第1フック片)
34b フック片(第2フック片)
35a,35b フック孔
36a,36b 切欠部
37a,37b 係止片
38a,38b 係止孔
39 ラック対応溝
40 紙製ハンガー
41 フック部
41a,41b,41c フック片(第1〜第3フック片)
42a,42b 折曲部
43a,43b フック孔
44 係合片
45 切り込み
46a,46b,46c 切欠部
47 係止突起
48 係合片
49 切り込み
50 ラック対応溝
51 係止孔
52 補強部
53 下縁架橋部
54 補強片
61 紙製ハンガー
62 係合片
63 フック本体部
64 係止溝
64a 奥端部
65 フック挿入部
66 フック係止部
67 振れ止め片
68 振れ止め片挿入孔
69 切れ込み
70 折り返し片
71 紙製ハンガー
72a フック片(第1フック片)
72b フック片(第2フック片)
73 係合片
74 係止溝
74a 奥端部
75 フック挿入部
76 フック係止部
77 固定片挿入孔
78 固定片
79 折り返し片
80a,80b 係合片
81a,81b 突出部
82a,82b 凹部
83 折り曲げ線
91 パッド部
92 折り曲げ線
93 パッド保持片
94 フック部
95 補強片
96 折り曲げ線
97 補強片保持部
A 印刷スペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣服類を吊り下げて保持する紙製ハンガーであって、
衣服類を掛けるハンガー本体と、
前記ハンガー本体とは別体に形成され、前記ハンガー本体の上部に取り付けられるフック部とを備え、
前記ハンガー本体は、前記フック部を装着可能なフック取付部を有し、
前記フック部は、折曲部を挟んで配置されフック孔が形成された第1及び第2フック片と、前記第1フック片に設けられた係止突起と、前記第2フック片に前記係止突起と対応して設けられた係止孔とを有し、
該フック部は、前記フック取付部に装着された状態で、前記第1及び第2フック片が重なり合うように折曲部に沿って二つ折りにされ、前記係止突起を前記係止孔に差し込むことにより、前記第1及び第2フック片を接合させて前記ハンガー本体に取り付けられることを特徴とする紙製ハンガー。
【請求項2】
請求項1記載の紙製ハンガーにおいて、
前記フック部は、前記フック取付部に挿入され、前記折曲部が前記フック取付部に配置された状態で、前記第1及び第2フック片が重なり合うように二つ折りにされることを特徴とする紙製ハンガー。
【請求項3】
請求項2記載の紙製ハンガーにおいて、
前記第1フック片の前記フック孔に、前記係止突起が突設された固定片を設けると共に、前記第2フック片の前記フック孔の近傍に前記係止孔を設け、
前記固定片を折り曲げつつ前記第2フック片の前記フック孔内に通し、前記係止突起を係止孔に差し込むことを特徴とする紙製ハンガー。
【請求項4】
請求項3記載の紙製ハンガーにおいて、前記固定片に切欠孔を設けると共に、前記第2フック片の前記フック孔の縁部に切欠部を設け、前記係止突起を係止孔に差し込んだ状態で、前記切欠孔と切欠部が重なり合いラック対応溝を形成することを特徴とする紙製ハンガー。
【請求項5】
請求項2記載の紙製ハンガーにおいて、前記係止突起を前記第1フック片の端部両側に設けると共に、前記係止孔を前記第2フック片の端部両側に設けたことを特徴とする紙製ハンガー。
【請求項6】
請求項5記載の紙製ハンガーにおいて、前記第1及び第2フック片の前記各フック孔の縁部に切欠部を設け、前記第1及び第2フック片を重なり合わせた状態で、前記切欠部同士が重なり合いラック対応溝を形成することを特徴とする紙製ハンガー。
【請求項7】
請求項1記載の紙製ハンガーにおいて、
前記フック部は、前記折曲部が上端側に配置された状態で、前記第1及び第2フック片が重なり合うように二つ折りにされることを特徴とする紙製ハンガー。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか1項に記載の紙製ハンガーにおいて、
前記ハンガー本体と前記フック部は、平面状の紙素材から複数個型抜きされ、
前記ハンガー本体は、前記紙素材上にて、隣接する前記ハンガー本体を左右にずらしつつ上下反転させた形で配置されて型抜きされ、
前記フック部は、前記ハンガー本体の側方に該ハンガー本体と並列に並べられた状態で型抜きされることを特徴とする紙製ハンガー。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか1項に記載の紙製ハンガーにおいて、前記ハンガー本体は、長手方向に沿って延びる長孔状のズボン通しを備え、前記ズボン通しと前記ハンガー本体下縁との間に形成される下縁架橋部の中央部に、該下縁架橋部の側方部よりも幅広に形成された補強部を設けたことを特徴とする紙製ハンガー。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか1項に記載の紙製ハンガーにおいて、前記ハンガー本体は、長手方向に沿って延びる長孔状のズボン通しを備え、前記ズボン通しの下縁に、該下縁に沿って下方側に折り返し可能な補強片を設けたことを特徴とする紙製ハンガー。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか1項に記載の紙製ハンガーにおいて、前記ハンガー本体は、その斜辺部に沿って延び、該斜辺部に沿って下方側に折り曲げ可能な肩当てパッド部と、長手方向に沿って延びる長孔状のズボン通しを備え、
前記肩当てパッド部は、前記ズボン通しに係止されるフック部を備えたパッド保持片を有し、
肩当てパッド部は、前記フック部を前記ズボン通しに係止することにより、該肩当てパッド部を前記斜辺部に沿って折り曲げたときに生じる弾性的な復元力によって、前記斜辺部に対し略直角状態で保持されることを特徴とする紙製ハンガー。
【請求項12】
請求項1〜11の何れか1項に記載の紙製ハンガーにおいて、当該紙製ハンガーは、厚紙を芯材とし、その両面に合成樹脂のコーティングを施したコートボール紙にて形成されてなることを特徴とする紙製ハンガー。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−182807(P2011−182807A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−47755(P2010−47755)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(593187364)ト−タルプリント豊工業株式会社 (15)
【Fターム(参考)】