素子搭載用部材およびこれを備えた光電変換装置
【課題】光電変換素子からの熱を外部に良好に放熱しつつも、素子が載置される基板の形状を安定して保持することの可能な素子搭載用部材を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の一態様に基づく素子搭載用部材は、上面に光電変換素子が載置される載置領域を有する複合基板を備えている。複合基板は、金属層および金属層に積層されたセラミック層を具備している。また、金属層はセラミック層との接合面に複数の凸部を有するとともに、セラミック層は複数の凸部にそれぞれ嵌合する複数の凹部を有している。そして、複合基板を平面透視した場合に、複数の凸部が載置領域を除く領域よりも載置領域に密に存在することを特徴としている。
【解決手段】本発明の一態様に基づく素子搭載用部材は、上面に光電変換素子が載置される載置領域を有する複合基板を備えている。複合基板は、金属層および金属層に積層されたセラミック層を具備している。また、金属層はセラミック層との接合面に複数の凸部を有するとともに、セラミック層は複数の凸部にそれぞれ嵌合する複数の凹部を有している。そして、複合基板を平面透視した場合に、複数の凸部が載置領域を除く領域よりも載置領域に密に存在することを特徴としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換素子が収納される素子搭載用部材および、この素子搭載用部材を備えた光電変換装置に関するものである。光電変換装置は、例えば太陽エネルギーを電力に変換する太陽電池装置として用いることができる。
【背景技術】
【0002】
光電変換素子が収納される素子搭載用部材およびこれを備えた光電変換装置としては、例えば、特許文献1に記載の太陽電池が知られている。特許文献1に記載の太陽電池は、銅板などのベース基台および絶縁層からなるレシーバ基板を備えている。このようなレシーバ基板を備えている場合には、熱伝導性の良好な金属部材からなるベース基台によって太陽電池素子(光電変換素子)から放出される熱を外部に良好に放熱するとともに、セラミックスのような電気絶縁性の良好な部材からなる絶縁層を有することによって、太陽電池素子とベース基台における所定の配線部分を除く部分とが電気的に短絡することを抑制している。また、特許文献1に記載の太陽電池は、太陽光を反射・集光して太陽電池素子へ導光する反射面を有する反射部材を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−81278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した通り、光電変換素子は、受光による発電時に発熱する。特に、枠状の反射部材のような集光部材を備えた光電変換装置においては、光電変換素子がより多くの光を受光するので、より多くの熱が生じる。この発熱に伴い光電変換素子の温度が上昇すると光電変換効率が低下するという問題がある。このような光電変換素子からの発熱はベース基台によって外部に放出される。
【0005】
しかしながら、絶縁層の厚みが大きい場合、光電変換素子からの発熱を良好にベース基台に伝達させることが難しくなり、光電変換素子の温度が過度に上昇する可能性がある。絶縁層の厚みを小さくした場合、光電変換素子からの発熱をベース基台に伝達させることが容易となるが、絶縁層とベース基台との熱膨張差に起因してレシーバ基板の強度が低下する可能性がある。そのため、より多くの光を光電変換素子に集光させようとした場合、レシーバ基板に大きな反りが生じる、あるいは、レシーバ基板にクラックが生じる可能性がある。レシーバ基板に大きな反りが生じた場合、光電変換装置(素子搭載用部材)を実装基板に安定して実装することが難しく、素子搭載用部材が実装基板から剥離する可能性がある。
【0006】
本発明は、このような従来技術に鑑みてなされたものであり、光電変換素子からの熱を外部に良好に放熱しつつも、レシーバ基板の形状を安定して保持させることの可能な素子搭載用部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様にかかる素子搭載用部材は、金属層および該金属層に積層されたセラミック層を具備し、上面に光電変換素子が載置される載置領域を有する複合基板を備えている。また、前記金属層は前記セラミック層との接合面に複数の凸部を有するとともに、前記セラミック層は前記複数の凸部にそれぞれ嵌合する複数の凹部を有している。そして、
前記複合基板を平面透視した場合に、前記複数の凸部が前記載置領域を除く領域よりも前記載置領域に密に存在していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
上記の態様に基づく素子搭載用部材においては、金属層がセラミック層との接合面に複数の凸部を有するとともに、セラミック層は複数の凸部にそれぞれ嵌合する複数の凹部を有している。このため、金属層とセラミック層の接合面積を大きくできるので、セラミック層と金属層との間での熱の伝達を良好なものとすることができる。
【0009】
加えて、単に金属層がセラミック層との接合面に複数の凸部を有するのではなく、複合基板を平面透視した場合に、これら複数の凸部が載置領域を除く領域よりも載置領域に密に存在している。すなわち、複合基板を平面透視した場合における載置領域、言い換えれば、複合基板のうち、光電変換素子の直下であって光電変換素子からの熱が多く伝わる領域に複数の凸部が相対的に密に存在していることから、セラミック層を過度に薄くすることなく光電変換素子からの熱を効率よく金属層に伝達させることができる。
【0010】
また、金属層とセラミック層との熱膨張差に起因して、複合基板における載置領域の周り、言い換えれば、複合基板の平面視した場合における周縁部分には相対的に大きな反りが生じやすいが、この載置領域の周りにおいては、複数の凸部が相対的に疎に存在している。そのため、セラミック層の厚みを大きく確保することができるので、複合基板の反りが抑制されて素子搭載用部材の形状を安定して保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態の素子搭載用部材およびこれを備えた光電変換装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示す素子搭載用部材およびこれを備えた光電変換装置のX−X断面図である。
【図3】図1に示す素子搭載用部材の平面透視図である。
【図4】図3に示す素子搭載用部材の第1の変形例を示す平面透視図である。
【図5】図2に示す素子搭載用部材の第2の変形例を示す断面図である。
【図6】図2に示す素子搭載用部材の第3の変形例を示す断面図である。
【図7】図2に示す素子搭載用部材の第4の変形例を示す断面図である。
【図8】図2に示す素子搭載用部材の第5の変形例を示す断面図である。
【図9】第2の実施形態の素子搭載用部材およびこれを備えた光電変換装置を示す分解斜視図である。
【図10】図9に示す素子搭載用部材およびこれを備えた光電変換装置のY−Y断面図である。
【図11】図9に示す素子搭載用部材の平面透視図である。
【図12】第3の実施形態の素子搭載用部材およびこれを備えた光電変換装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、各実施形態の素子搭載用部材およびこれを備えた光電変換装置について、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、下記の実施形態を構成する部材のうち、特徴的な構成を説明するために必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。したがって、各実施形態の素子搭載用部材1および光電変換装置101は、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。また、各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法および各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0013】
第1の実施形態の素子搭載用部材1は、図1〜3に示すように、上面に光電変換素子3が載置される載置領域5aを有する複合基板5を備えている。また、光電変換装置101としては複合基板5の載置領域5aに設けられた光電変換素子3を備えている。複合基板5は、金属層7および金属層7に積層されたセラミック層9を具備している。また、金属層7はセラミック層9との接合面に複数の凸部7aを有するとともに、セラミック層9は複数の凸部7aにそれぞれ嵌合する複数の凹部9aを有している。そして、複合基板5を平面透視した場合に、複数の凸部7aが載置領域5aを除く領域(以下、便宜的に周辺領域5bともいう)よりも載置領域5aに密に存在していることを特徴としている。
【0014】
本実施形態の素子搭載用部材1においては、金属層7がセラミック層9との接合面に複数の凸部7aを有するとともに、セラミック層9は複数の凸部7aにそれぞれ嵌合する複数の凹部9aを有している。このため、金属層7とセラミック層9の接合面積を大きくできるので、セラミック層9から金属層7への熱の伝達を良好なものとすることができる。
【0015】
加えて、単に金属層7がセラミック層9との接合面に複数の凸部7aを有するのではなく、複合基板5を平面透視した場合に、複数の凸部7aが周辺領域5bよりも載置領域5aに密に存在している。すなわち、複合基板5を平面透視した場合における載置領域5a、言い換えれば、複合基板5のうち、光電変換素子3の直下であって光電変換素子3からの熱が多く伝わる領域に複数の凸部7aが相対的に密に存在していることから、セラミック層9を過度に薄くすることなく光電変換素子3からの熱を効率よく金属層7に伝達させることができる。
【0016】
また、金属層7とセラミック層9との熱膨張差に起因して、複合基板5における載置領域5aの周り、言い換えれば、複合基板5の平面視した場合における周縁部分には相対的に大きな反りが生じやすいが、この載置領域5aの周りに位置する周辺領域5bにおいては、複数の凸部7aが相対的に疎に存在している。そのため、セラミック層9の厚みを大きく確保することができるので、複合基板5の反りが抑制されて素子搭載用部材1の形状を安定して保持することができる。
【0017】
本実施形態の素子搭載用部材1は、金属層7および金属層7の上面に積層されたセラミック層9を具備した複合基板5を備えている。複合基板5は、その上面に光電変換素子3が載置される載置領域5aを有している。
【0018】
本実施形態の素子搭載用部材1における複合基板5は、平面視した場合の形状が四角形状の板形状となっている。このような複合基板5は、平面視した場合の形状が四角形状である金属層7およびセラミック層9を積層することによって形成できる。複合基板5の縦横の寸法は、載置される光電変換素子3の大きさに応じて設定すればよいが、例えば、10〜100mmとすればよい。複合基板5を構成する金属層7の厚みとしては、例えば、0.2〜2mmに設定することができる。
【0019】
複合基板5を構成するセラミック層9の厚みとしては、0.2〜0.5mmであることが好ましい。セラミック層9の厚みが0.2mm以上である場合には、セラミック層9の強度を高めることができるので、複合基板5に大きな反りが生じる可能性やセラミック層9にクラックが生じる可能性を小さくできる。また、セラミック層9の厚みが0.5mm以下である場合には、セラミック層9から熱伝導性の良好な金属層7へと熱を効率よく伝達させることができる。
【0020】
金属層7を構成する金属材料としては、例えば、Al,Ag,AuおよびCuのような熱伝導性の良好な材料を用いることができる。また、セラミック層9を構成するセラミック材料としては、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼
結体、窒化アルミニウム質焼結体、窒化珪素質焼結体又はガラスセラミック等のセラミックスを用いることができる。また、これらの材料のうち複数の材料を混合した複合系材料を用いてもよい。また、本実施形態の素子搭載用部材1におけるセラミック層9は、セラミック材料を主成分とすることを意味しており、セラミックスのみからなることを意味するものではない。すなわち、例えば金属粒子のようなセラミック材料以外の添加物が混入していてもよい。
【0021】
複合基板5を構成する金属層7はセラミック層9との接合面である上面に複数の凸部7aを有している。また、複合基板5を構成するセラミック層9は金属層7との接合面である下面に、複数の凸部7aにそれぞれ嵌合する複数の凹部9aを有している。これにより、金属層7とセラミック層9の接合面積を大きくできるので、セラミック層9と金属層7との間での熱の伝達を良好なものとすることができる。
【0022】
なお、本実施形態における金属層7の複数の凸部7aは、金属層7の表面に製造工程上で不可避に生じる凹凸形状(表面粗さ)を含むものではない。製造工程上で不可避に生じる凹凸形状であるか否かは、金属層7の側面および下面における表面粗さを評価して金属層7の上面に形成された凸部7aの大きさと比較することで評価できる。
【0023】
金属層7の上面に形成された凸部7aの長さ(セラミック層9の下面に形成された凹部9aの深さ)は、セラミック層9の厚みに対して1/6〜1/2程度であることが好ましい。例えば、セラミック層9の厚みが0.3mmである場合には、0.05〜0.15mm程度であればよい。凸部7aの長さがセラミック層9の厚みに対して1/6以上である場合には、セラミック層9の凹部9aと金属層7の凸部7aとの間での熱の伝達を良好なものとすることができる。すなわち、金属層7とセラミック層9の接合面積をより大きなものとして、セラミック層9から金属層7への熱の伝達をより良好なものとすることができる。
【0024】
また、金属層7を構成する金属材料とセラミック層9を構成するセラミック材料の熱膨張差に起因して、セラミック層9の凹部9aには金属層7の凸部7aから応力が加わる。そのため、セラミック層9を平面視した場合における凸部7aが形成されていない部分には、セラミック層9の凹部9aを介して応力が加わりやすい。しかしながら、凸部7aの長さがセラミック層9の厚みに対して1/2以下である場合には、セラミック層9を平面視した場合における凸部7aが形成されていない部分の厚みを十分に確保することができる。そのため、上記の凸部7aが形成されていない部分にクラックが生じる可能性を小さくできる。
【0025】
そして、本実施形態の素子搭載用部材1においては、複合基板5を平面透視した場合に、複数の凸部7aが周辺領域5b(載置領域5aを除く領域)よりも載置領域5aに密に存在している。そのため、既に示した通り、セラミック層9を過度に薄くすることなく光電変換素子3からの熱を効率よく金属層7に伝達させつつも、複合基板5に生じる反りを抑制することができる。
【0026】
なお、本実施形態の素子搭載用部材1において、凸部7aが密に存在しているとは下記の定義によっている。すなわち、平面透視した場合において対象となる領域での凸部7aの面積を対象となる領域の面積で割った、「単位面積当たりの凸部7aの面積」を測定する。そして、それぞれの領域での「単位面積当たりの凸部7aの面積」を比較した場合に、この面積比が大きい方を凸部7aが密に存在しているものとする。また、この面積比が小さい方を凸部7aが疎に存在しているものとする。本実施形態の素子搭載用部材1においては、載置領域5aにおける単位面積当たりの凸部7aの面積が、周辺領域5bにおける単位面積当たりの凸部7aの面積よりも大きい。
【0027】
平面透視した場合において対象となる領域での凸部7aの面積を評価することが難しい場合には、複合基板5の上面に平行であって凸部7aを含む断面において対象となる領域での凸部7aの面積を評価すればよい。
【0028】
図3または図4に示すように、載置領域5aにおいて、凸部7aが一定の間隔で規則的に形成されていることが好ましい。例えば、図3においては、載置領域5aに位置する複数の凸部7aは、互いに近接する凸部7aを線で結んだ場合に格子点上に位置するように形成されている。また、図4においては、載置領域5aに位置する複数の凸部7aは、互いに近接する凸部7aを線で結んだ場合に三角格子の格子点上に位置するように形成されている。
【0029】
このように平面透視した場合に互いに隣り合う凸部7aの間隔が一定である場合には、光電変換素子3からの熱が一部の凸部7aに過度に集中することが抑制される。つまり、光電変換素子3からの熱が、それぞれの凸部7aに分散されるので、放熱性を向上させることができる、また、放熱性が向上することによって複合基板5に熱が溜まることを抑制できるので、複合基板5に大きな反りが生じる、あるいは、セラミック層9にクラックが生じる可能性を小さくできる。
【0030】
また、図5に示すように、複合基板5を上面に垂直な方向で断面視した場合に、載置領域5aの直下に位置する凸部7aの高さL1が、周辺領域5bの直下に位置する凸部7aの高さL2よりも高いことが好ましい。これにより、載置領域5aの直下においてはセラミック層9から金属層7への熱の伝達を良好に行ないつつも、周辺領域5bにおける凹部9aが形成されている部分でのセラミック層9の厚みを大きくすることができる。そのため、周辺領域5bにおけるセラミック層9の強度を高めることができるので、複合基板5に生じる反りを低減することができる。
【0031】
また、載置領域5aにおいても、直下に位置する凸部7aの高さを一定とするのではなく、図6に示すように、高さにバラツキを持たせることが好ましい。図6においては、載置領域5aの直下に位置する複数の凸部7aは、高さの相対的に高いものと相対的に低いものとが交互に位置するように形成されている。
【0032】
既に示したように、金属層7を構成する金属材料とセラミック層9を構成するセラミック材料の熱膨張差に起因して、セラミック層9の凹部9aには金属層7の凸部7aから応力が加わる。そのため、セラミック層9の厚み方向における凹部9aが形成されている部分と形成されていない部分との境界には応力が集中しやすい。しかしながら、載置領域5aの直下に位置する複数の凸部7aの高さが、上記の通り一定となっていない場合には、上記の境界の高さ位置にバラツキを持たせることができる。従って、金属層7の凸部7aからセラミック層9の凹部9aに加わる応力が局所的に集中することを抑制できる。
【0033】
また同様の理由から、図7に示すように、複合基板5を上面に垂直な方向で断面視した場合に、載置領域5aの直下に位置する凸部7aの幅W1が、周辺領域5bの直下に位置する凸部7aの幅W2よりも大きいことが好ましい。載置領域5aの直下においてはセラミック層9から金属層7への熱の伝達を良好に行ないつつも、周辺領域5bにおけるにおけるセラミック層9の強度を高く維持することができるので、複合基板5に生じる反りを低減することができる。
【0034】
また、図8に示すように、複合基板5を上面に垂直な方向で断面視した場合に、複数の凸部7aは、底部の幅よりも先端部の幅が小さいテーパ形状であることが好ましい。金属層7を構成する金属材料とセラミック層9を構成するセラミック材料の熱膨張差に起因し
て、セラミック層9の凹部9aには金属層7の凸部7aから水平方向(複合基板5の上面に平行な方向)に応力が加わるが、凸部7aの形状が上記のようなテーパ形状である場合には、この応力を垂直方向(複合基板5の上面に垂直な方向)に分散させることができる。そのため、複合基板5に大きな内部応力が加わることを避けることができ、複合基板5の耐久性を向上させることができる。
【0035】
なお、上述のように複数の凸部7aがテーパ形状である場合には、凸部7aが密に存在しているとは下記のようにして評価すればよい。すなわち、図3に示すように凸部7aの幅が高さ方向に一定である場合には、単に平面透視した場合において対象となる領域での凸部7aの面積を対象となる領域の面積で割った、「単位面積当たりの凸部7aの面積」を測定すればよいが、凸部7aがテーパ形状である場合には、凸部7aを平面透視した場合の面積が最大となる、凸部7aの根元部分を平面透視した場合の面積を凸部7aの面積として、対象となる領域の面積で割って「単位面積当たりの凸部7aの面積」を算出すればよい。
【0036】
なお、平面透視した場合において対象となる領域での凸部7aの面積を評価することが難しい場合には、複合基板5の上面に平行であって凸部7aの根元部分を含む断面において対象となる領域での凸部7aの面積を評価すればよい。
【0037】
本実施形態の素子搭載用部材1は、複合基板5の上面に配設された複数の配線導体11を備えている。配線導体11は光電変換素子3と電気的に接続されている。この配線導体11を外部配線(不図示)に導通させることによって、外部配線と光電変換素子3とを通電させることができる。配線導体11としては導電性の良好な部材を用いることが好ましく、例えば、W,Mo,Ni,Ag,AuまたはCuを用いることができる。
【0038】
複合基板5の載置領域5aには光電変換素子3が設けられている。より具体的には、複合基板5の載置領域5a上には複数の配線導体11の一つが配設され、この配線導体11の上に光電変換素子3が搭載されている。光電変換素子3は、例えば、III−V族化合物半導体を含んでいる太陽電池素子である。光電変換素子3は、光起電力効果により、受けた光エネルギーを電力に変換して出力することができる。
【0039】
光電変換素子3としては、上面と下面とに電極を有するものを用いることができる。光電変換素子3の下面側電極はSn−Ag−Cuはんだ、あるいはAu−Snロウのような部材を介して配線導体11の一つに接合されている。また、光電変換素子3の上面側電極は、ボンディングワイヤのような通電部材13を介して配線導体11の別の一つに電気的に接続されている。
【0040】
また、本実施形態の素子搭載用部材1は、複合基板5の下面に接合された放熱部材15を備えている。放熱部材15は、複合基板5の下面に接合される平板の形状の部位15aと、この部位15aの下面側に位置する複数のフィン15bとを有している。平板の形状の部位15aと複数のフィン15bとは、別々に作製した後で、平板の形状の部位15aの下面にフィン15bを接合してもよい。また、平板の形状の部位15aと複数のフィン15bとは、一体的に形成してもよい。放熱部材15としては、複合基板5を構成する金属層7と同様に、熱伝導性の良好な材料を用いることが好ましく、例えば、Al,Ag,AuおよびCuのような金属材料を用いることができる。
【0041】
例えば、平板の形状の部位15aとして、平面視した場合の大きさが複合基板5と同じであって1mm〜5mmの厚みの銅板を準備する。この銅板の下面に厚さ1mm、縦横5mm程度の銅板をフィン15bとして貼り付ける。このようにして放熱部材15を形成することができる。このような放熱部材15を備えていることによって、光電変換素子3か
ら生じた熱を複合基板5および放熱部材15を介して外部に効率良く放熱することができる。
【0042】
次に、第2の実施形態の素子搭載用部材1およびこれを備えた光電変換装置101について図面を用いて詳細に説明する。なお、本実施形態にかかる各構成において、第1の実施形態と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0043】
図9〜11に示すように、第2の実施形態の素子搭載用部材1は、第1の実施形態の素子搭載用部材1と比較して、複合基板5上であって載置領域5aを含む領域を取り囲むように設けられた枠体17をさらに備えている。また、光電変換装置101としては複合基板5の載置領域5aに設けられた光電変換素子3を備えている。
【0044】
また、複合基板5は、その上面に光電変換素子3が載置される載置領域5aに加えて、枠体17が設けられる枠領域5cおよび載置領域5aと枠領域5cとの間に位置する中間領域5dを有している。そして、複合基板5を平面透視した場合に、凸部7aが中間領域5dよりも載置領域5aに密に存在するとともに枠領域5cよりも中間領域5dに密に存在している。
【0045】
本実施形態の素子搭載用部材1における枠体17は、複合基板5を構成する金属層7の上面に接合されている。本実施形態における枠体17は、平面視したときの形状が筒形状であって、光電変換素子3を囲むように設けられている。
【0046】
本実施形態の素子搭載用部材1における枠体17はセラミックスからなっている。枠体17に用いられるセラミックスとしては、熱伝導性の良好なセラミック材料を用いることが望ましい。具体的には、例えば、熱伝導性の良好なセラミック材料として、窒化アルミニウムを用いることができる。枠体17の下面には、複合基板5(セラミック層9)との接合性を向上させるためにメタライズ層が形成されている。枠体17と複合基板5との接合には、銀ロウのようなロウ材を用いることができる。本実施形態における枠体17は、セラミックスからなることにより、電気絶縁性が向上している。なお、枠体17には金属材料を用いることもできる。金属材料としては、例えば、鉄ニッケルコバルト(Fe−Ni−Co)合金を用いることができる。
【0047】
本実施形態の素子搭載用部材1においては、複合基板5が、その上面に光電変換素子3が載置される載置領域5aに加えて、枠体17が設けられる枠領域5cおよび載置領域5aと枠領域5cとの間に位置する中間領域5dを有している。言い換えれば、第1の実施形態の素子搭載用部材1における周辺領域5bとして、枠体17が設けられる枠領域5cおよび載置領域5aと枠領域5cとの間に位置する中間領域5dを有している。そして、複合基板5を平面透視した場合に、凸部7aが中間領域5dよりも載置領域5aに密に存在するとともに枠領域5cよりも中間領域5dに密に存在している。
【0048】
複合基板5の平面視した場合における最も周縁部分に位置する枠領域5cには枠体17が接合される一方で、相対的に大きな反りが生じやすいが、この枠領域5cにおいては、凸部7aが相対的に最も疎に存在している(本実施形態の素子搭載用部材1においては、金属層7の凸部7aが枠領域5cには存在していない)。そのため、枠領域5cにおけるセラミック層9の厚みを大きく確保することができるので、複合基板5の反りが抑制され、複合基板5と枠体17の接合性を良好に保つことが可能となる。
【0049】
また、本実施形態の素子搭載用部材1は、枠体17に接合され、光電変換素子3の上に位置するように設けられた集光手段19を備えている。集光手段19は、上方からの光を
光電変換素子3に集中させることを目的として設けられている。集光手段19と枠体17との接合には、例えば、ガラス質材料を用いることができる。なお、集光手段19としては、例えば、集光プリズムを用いることができる。
【0050】
次に、第3の実施形態の素子搭載用部材1およびこれを備えた光電変換装置101について図面を用いて詳細に説明する。なお、本実施形態にかかる各構成において、第1の実施形態と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0051】
図12に示すように、第3の実施形態の素子搭載用部材1は、第1の実施形態の素子搭載用部材1と比較して、複合基板5の上下が反転した状態で用いられている。すなわち、金属層7および金属層7の下面に積層されたセラミック層9を具備した複合基板5を備えている。言い換えれば、セラミック層9およびセラミック層9の上面に積層された金属層7を具備した複合基板5を備えている。また、光電変換装置101としては複合基板5の載置領域5aに設けられた光電変換素子3を備えている。
【0052】
複合基板5を構成する金属層7はセラミック層9との接合面である下面に複数の凸部7aを有している。また、複合基板5を構成するセラミック層9は金属層7との接合面である上面に、複数の凸部7aにそれぞれ嵌合する複数の凹部9aを有している。これにより、第1の実施形態の素子搭載用部材1における複合基板5と同様に、金属層7とセラミック層9の接合面積を大きくできるので、セラミック層9と金属層7との間での熱の伝達を良好なものとすることができる。
【0053】
また、第1の実施形態の素子搭載用部材1においては、複合基板5の上面に光電変換素子3と電気的に接続される配線導体11を備えているが、本実施形態の素子搭載用部材1においては、金属層7を配線導体11として用いることができる。このように、本実施形態の素子搭載用部材1においては、配線導体11を別途備える必要が無いことから、素子搭載用部材1の部品点数を減らすことができる。
【0054】
上述の通り、各実施形態の素子搭載用部材およびこれを備えた光電変換装置について説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば、種々の変更や実施の形態の組み合わせを施すことは何等差し支えない。
【符号の説明】
【0055】
1・・・素子搭載用部材
101・・・光電変換装置
3・・・光電変換素子
5・・・複合基板
5a・・・載置領域
5b・・・周辺領域
5c・・・枠領域
5d・・・中間領域
7・・・金属層
7a・・・凸部
9・・・セラミック層
9a・・・凹部
11・・・配線導体
13・・・通電部材
15・・・放熱部材
15a・・・平板の形状の部位
15b・・・フィン
17・・・枠体
19・・・集光手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換素子が収納される素子搭載用部材および、この素子搭載用部材を備えた光電変換装置に関するものである。光電変換装置は、例えば太陽エネルギーを電力に変換する太陽電池装置として用いることができる。
【背景技術】
【0002】
光電変換素子が収納される素子搭載用部材およびこれを備えた光電変換装置としては、例えば、特許文献1に記載の太陽電池が知られている。特許文献1に記載の太陽電池は、銅板などのベース基台および絶縁層からなるレシーバ基板を備えている。このようなレシーバ基板を備えている場合には、熱伝導性の良好な金属部材からなるベース基台によって太陽電池素子(光電変換素子)から放出される熱を外部に良好に放熱するとともに、セラミックスのような電気絶縁性の良好な部材からなる絶縁層を有することによって、太陽電池素子とベース基台における所定の配線部分を除く部分とが電気的に短絡することを抑制している。また、特許文献1に記載の太陽電池は、太陽光を反射・集光して太陽電池素子へ導光する反射面を有する反射部材を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−81278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した通り、光電変換素子は、受光による発電時に発熱する。特に、枠状の反射部材のような集光部材を備えた光電変換装置においては、光電変換素子がより多くの光を受光するので、より多くの熱が生じる。この発熱に伴い光電変換素子の温度が上昇すると光電変換効率が低下するという問題がある。このような光電変換素子からの発熱はベース基台によって外部に放出される。
【0005】
しかしながら、絶縁層の厚みが大きい場合、光電変換素子からの発熱を良好にベース基台に伝達させることが難しくなり、光電変換素子の温度が過度に上昇する可能性がある。絶縁層の厚みを小さくした場合、光電変換素子からの発熱をベース基台に伝達させることが容易となるが、絶縁層とベース基台との熱膨張差に起因してレシーバ基板の強度が低下する可能性がある。そのため、より多くの光を光電変換素子に集光させようとした場合、レシーバ基板に大きな反りが生じる、あるいは、レシーバ基板にクラックが生じる可能性がある。レシーバ基板に大きな反りが生じた場合、光電変換装置(素子搭載用部材)を実装基板に安定して実装することが難しく、素子搭載用部材が実装基板から剥離する可能性がある。
【0006】
本発明は、このような従来技術に鑑みてなされたものであり、光電変換素子からの熱を外部に良好に放熱しつつも、レシーバ基板の形状を安定して保持させることの可能な素子搭載用部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様にかかる素子搭載用部材は、金属層および該金属層に積層されたセラミック層を具備し、上面に光電変換素子が載置される載置領域を有する複合基板を備えている。また、前記金属層は前記セラミック層との接合面に複数の凸部を有するとともに、前記セラミック層は前記複数の凸部にそれぞれ嵌合する複数の凹部を有している。そして、
前記複合基板を平面透視した場合に、前記複数の凸部が前記載置領域を除く領域よりも前記載置領域に密に存在していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
上記の態様に基づく素子搭載用部材においては、金属層がセラミック層との接合面に複数の凸部を有するとともに、セラミック層は複数の凸部にそれぞれ嵌合する複数の凹部を有している。このため、金属層とセラミック層の接合面積を大きくできるので、セラミック層と金属層との間での熱の伝達を良好なものとすることができる。
【0009】
加えて、単に金属層がセラミック層との接合面に複数の凸部を有するのではなく、複合基板を平面透視した場合に、これら複数の凸部が載置領域を除く領域よりも載置領域に密に存在している。すなわち、複合基板を平面透視した場合における載置領域、言い換えれば、複合基板のうち、光電変換素子の直下であって光電変換素子からの熱が多く伝わる領域に複数の凸部が相対的に密に存在していることから、セラミック層を過度に薄くすることなく光電変換素子からの熱を効率よく金属層に伝達させることができる。
【0010】
また、金属層とセラミック層との熱膨張差に起因して、複合基板における載置領域の周り、言い換えれば、複合基板の平面視した場合における周縁部分には相対的に大きな反りが生じやすいが、この載置領域の周りにおいては、複数の凸部が相対的に疎に存在している。そのため、セラミック層の厚みを大きく確保することができるので、複合基板の反りが抑制されて素子搭載用部材の形状を安定して保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態の素子搭載用部材およびこれを備えた光電変換装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示す素子搭載用部材およびこれを備えた光電変換装置のX−X断面図である。
【図3】図1に示す素子搭載用部材の平面透視図である。
【図4】図3に示す素子搭載用部材の第1の変形例を示す平面透視図である。
【図5】図2に示す素子搭載用部材の第2の変形例を示す断面図である。
【図6】図2に示す素子搭載用部材の第3の変形例を示す断面図である。
【図7】図2に示す素子搭載用部材の第4の変形例を示す断面図である。
【図8】図2に示す素子搭載用部材の第5の変形例を示す断面図である。
【図9】第2の実施形態の素子搭載用部材およびこれを備えた光電変換装置を示す分解斜視図である。
【図10】図9に示す素子搭載用部材およびこれを備えた光電変換装置のY−Y断面図である。
【図11】図9に示す素子搭載用部材の平面透視図である。
【図12】第3の実施形態の素子搭載用部材およびこれを備えた光電変換装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、各実施形態の素子搭載用部材およびこれを備えた光電変換装置について、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、下記の実施形態を構成する部材のうち、特徴的な構成を説明するために必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。したがって、各実施形態の素子搭載用部材1および光電変換装置101は、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。また、各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法および各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0013】
第1の実施形態の素子搭載用部材1は、図1〜3に示すように、上面に光電変換素子3が載置される載置領域5aを有する複合基板5を備えている。また、光電変換装置101としては複合基板5の載置領域5aに設けられた光電変換素子3を備えている。複合基板5は、金属層7および金属層7に積層されたセラミック層9を具備している。また、金属層7はセラミック層9との接合面に複数の凸部7aを有するとともに、セラミック層9は複数の凸部7aにそれぞれ嵌合する複数の凹部9aを有している。そして、複合基板5を平面透視した場合に、複数の凸部7aが載置領域5aを除く領域(以下、便宜的に周辺領域5bともいう)よりも載置領域5aに密に存在していることを特徴としている。
【0014】
本実施形態の素子搭載用部材1においては、金属層7がセラミック層9との接合面に複数の凸部7aを有するとともに、セラミック層9は複数の凸部7aにそれぞれ嵌合する複数の凹部9aを有している。このため、金属層7とセラミック層9の接合面積を大きくできるので、セラミック層9から金属層7への熱の伝達を良好なものとすることができる。
【0015】
加えて、単に金属層7がセラミック層9との接合面に複数の凸部7aを有するのではなく、複合基板5を平面透視した場合に、複数の凸部7aが周辺領域5bよりも載置領域5aに密に存在している。すなわち、複合基板5を平面透視した場合における載置領域5a、言い換えれば、複合基板5のうち、光電変換素子3の直下であって光電変換素子3からの熱が多く伝わる領域に複数の凸部7aが相対的に密に存在していることから、セラミック層9を過度に薄くすることなく光電変換素子3からの熱を効率よく金属層7に伝達させることができる。
【0016】
また、金属層7とセラミック層9との熱膨張差に起因して、複合基板5における載置領域5aの周り、言い換えれば、複合基板5の平面視した場合における周縁部分には相対的に大きな反りが生じやすいが、この載置領域5aの周りに位置する周辺領域5bにおいては、複数の凸部7aが相対的に疎に存在している。そのため、セラミック層9の厚みを大きく確保することができるので、複合基板5の反りが抑制されて素子搭載用部材1の形状を安定して保持することができる。
【0017】
本実施形態の素子搭載用部材1は、金属層7および金属層7の上面に積層されたセラミック層9を具備した複合基板5を備えている。複合基板5は、その上面に光電変換素子3が載置される載置領域5aを有している。
【0018】
本実施形態の素子搭載用部材1における複合基板5は、平面視した場合の形状が四角形状の板形状となっている。このような複合基板5は、平面視した場合の形状が四角形状である金属層7およびセラミック層9を積層することによって形成できる。複合基板5の縦横の寸法は、載置される光電変換素子3の大きさに応じて設定すればよいが、例えば、10〜100mmとすればよい。複合基板5を構成する金属層7の厚みとしては、例えば、0.2〜2mmに設定することができる。
【0019】
複合基板5を構成するセラミック層9の厚みとしては、0.2〜0.5mmであることが好ましい。セラミック層9の厚みが0.2mm以上である場合には、セラミック層9の強度を高めることができるので、複合基板5に大きな反りが生じる可能性やセラミック層9にクラックが生じる可能性を小さくできる。また、セラミック層9の厚みが0.5mm以下である場合には、セラミック層9から熱伝導性の良好な金属層7へと熱を効率よく伝達させることができる。
【0020】
金属層7を構成する金属材料としては、例えば、Al,Ag,AuおよびCuのような熱伝導性の良好な材料を用いることができる。また、セラミック層9を構成するセラミック材料としては、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼
結体、窒化アルミニウム質焼結体、窒化珪素質焼結体又はガラスセラミック等のセラミックスを用いることができる。また、これらの材料のうち複数の材料を混合した複合系材料を用いてもよい。また、本実施形態の素子搭載用部材1におけるセラミック層9は、セラミック材料を主成分とすることを意味しており、セラミックスのみからなることを意味するものではない。すなわち、例えば金属粒子のようなセラミック材料以外の添加物が混入していてもよい。
【0021】
複合基板5を構成する金属層7はセラミック層9との接合面である上面に複数の凸部7aを有している。また、複合基板5を構成するセラミック層9は金属層7との接合面である下面に、複数の凸部7aにそれぞれ嵌合する複数の凹部9aを有している。これにより、金属層7とセラミック層9の接合面積を大きくできるので、セラミック層9と金属層7との間での熱の伝達を良好なものとすることができる。
【0022】
なお、本実施形態における金属層7の複数の凸部7aは、金属層7の表面に製造工程上で不可避に生じる凹凸形状(表面粗さ)を含むものではない。製造工程上で不可避に生じる凹凸形状であるか否かは、金属層7の側面および下面における表面粗さを評価して金属層7の上面に形成された凸部7aの大きさと比較することで評価できる。
【0023】
金属層7の上面に形成された凸部7aの長さ(セラミック層9の下面に形成された凹部9aの深さ)は、セラミック層9の厚みに対して1/6〜1/2程度であることが好ましい。例えば、セラミック層9の厚みが0.3mmである場合には、0.05〜0.15mm程度であればよい。凸部7aの長さがセラミック層9の厚みに対して1/6以上である場合には、セラミック層9の凹部9aと金属層7の凸部7aとの間での熱の伝達を良好なものとすることができる。すなわち、金属層7とセラミック層9の接合面積をより大きなものとして、セラミック層9から金属層7への熱の伝達をより良好なものとすることができる。
【0024】
また、金属層7を構成する金属材料とセラミック層9を構成するセラミック材料の熱膨張差に起因して、セラミック層9の凹部9aには金属層7の凸部7aから応力が加わる。そのため、セラミック層9を平面視した場合における凸部7aが形成されていない部分には、セラミック層9の凹部9aを介して応力が加わりやすい。しかしながら、凸部7aの長さがセラミック層9の厚みに対して1/2以下である場合には、セラミック層9を平面視した場合における凸部7aが形成されていない部分の厚みを十分に確保することができる。そのため、上記の凸部7aが形成されていない部分にクラックが生じる可能性を小さくできる。
【0025】
そして、本実施形態の素子搭載用部材1においては、複合基板5を平面透視した場合に、複数の凸部7aが周辺領域5b(載置領域5aを除く領域)よりも載置領域5aに密に存在している。そのため、既に示した通り、セラミック層9を過度に薄くすることなく光電変換素子3からの熱を効率よく金属層7に伝達させつつも、複合基板5に生じる反りを抑制することができる。
【0026】
なお、本実施形態の素子搭載用部材1において、凸部7aが密に存在しているとは下記の定義によっている。すなわち、平面透視した場合において対象となる領域での凸部7aの面積を対象となる領域の面積で割った、「単位面積当たりの凸部7aの面積」を測定する。そして、それぞれの領域での「単位面積当たりの凸部7aの面積」を比較した場合に、この面積比が大きい方を凸部7aが密に存在しているものとする。また、この面積比が小さい方を凸部7aが疎に存在しているものとする。本実施形態の素子搭載用部材1においては、載置領域5aにおける単位面積当たりの凸部7aの面積が、周辺領域5bにおける単位面積当たりの凸部7aの面積よりも大きい。
【0027】
平面透視した場合において対象となる領域での凸部7aの面積を評価することが難しい場合には、複合基板5の上面に平行であって凸部7aを含む断面において対象となる領域での凸部7aの面積を評価すればよい。
【0028】
図3または図4に示すように、載置領域5aにおいて、凸部7aが一定の間隔で規則的に形成されていることが好ましい。例えば、図3においては、載置領域5aに位置する複数の凸部7aは、互いに近接する凸部7aを線で結んだ場合に格子点上に位置するように形成されている。また、図4においては、載置領域5aに位置する複数の凸部7aは、互いに近接する凸部7aを線で結んだ場合に三角格子の格子点上に位置するように形成されている。
【0029】
このように平面透視した場合に互いに隣り合う凸部7aの間隔が一定である場合には、光電変換素子3からの熱が一部の凸部7aに過度に集中することが抑制される。つまり、光電変換素子3からの熱が、それぞれの凸部7aに分散されるので、放熱性を向上させることができる、また、放熱性が向上することによって複合基板5に熱が溜まることを抑制できるので、複合基板5に大きな反りが生じる、あるいは、セラミック層9にクラックが生じる可能性を小さくできる。
【0030】
また、図5に示すように、複合基板5を上面に垂直な方向で断面視した場合に、載置領域5aの直下に位置する凸部7aの高さL1が、周辺領域5bの直下に位置する凸部7aの高さL2よりも高いことが好ましい。これにより、載置領域5aの直下においてはセラミック層9から金属層7への熱の伝達を良好に行ないつつも、周辺領域5bにおける凹部9aが形成されている部分でのセラミック層9の厚みを大きくすることができる。そのため、周辺領域5bにおけるセラミック層9の強度を高めることができるので、複合基板5に生じる反りを低減することができる。
【0031】
また、載置領域5aにおいても、直下に位置する凸部7aの高さを一定とするのではなく、図6に示すように、高さにバラツキを持たせることが好ましい。図6においては、載置領域5aの直下に位置する複数の凸部7aは、高さの相対的に高いものと相対的に低いものとが交互に位置するように形成されている。
【0032】
既に示したように、金属層7を構成する金属材料とセラミック層9を構成するセラミック材料の熱膨張差に起因して、セラミック層9の凹部9aには金属層7の凸部7aから応力が加わる。そのため、セラミック層9の厚み方向における凹部9aが形成されている部分と形成されていない部分との境界には応力が集中しやすい。しかしながら、載置領域5aの直下に位置する複数の凸部7aの高さが、上記の通り一定となっていない場合には、上記の境界の高さ位置にバラツキを持たせることができる。従って、金属層7の凸部7aからセラミック層9の凹部9aに加わる応力が局所的に集中することを抑制できる。
【0033】
また同様の理由から、図7に示すように、複合基板5を上面に垂直な方向で断面視した場合に、載置領域5aの直下に位置する凸部7aの幅W1が、周辺領域5bの直下に位置する凸部7aの幅W2よりも大きいことが好ましい。載置領域5aの直下においてはセラミック層9から金属層7への熱の伝達を良好に行ないつつも、周辺領域5bにおけるにおけるセラミック層9の強度を高く維持することができるので、複合基板5に生じる反りを低減することができる。
【0034】
また、図8に示すように、複合基板5を上面に垂直な方向で断面視した場合に、複数の凸部7aは、底部の幅よりも先端部の幅が小さいテーパ形状であることが好ましい。金属層7を構成する金属材料とセラミック層9を構成するセラミック材料の熱膨張差に起因し
て、セラミック層9の凹部9aには金属層7の凸部7aから水平方向(複合基板5の上面に平行な方向)に応力が加わるが、凸部7aの形状が上記のようなテーパ形状である場合には、この応力を垂直方向(複合基板5の上面に垂直な方向)に分散させることができる。そのため、複合基板5に大きな内部応力が加わることを避けることができ、複合基板5の耐久性を向上させることができる。
【0035】
なお、上述のように複数の凸部7aがテーパ形状である場合には、凸部7aが密に存在しているとは下記のようにして評価すればよい。すなわち、図3に示すように凸部7aの幅が高さ方向に一定である場合には、単に平面透視した場合において対象となる領域での凸部7aの面積を対象となる領域の面積で割った、「単位面積当たりの凸部7aの面積」を測定すればよいが、凸部7aがテーパ形状である場合には、凸部7aを平面透視した場合の面積が最大となる、凸部7aの根元部分を平面透視した場合の面積を凸部7aの面積として、対象となる領域の面積で割って「単位面積当たりの凸部7aの面積」を算出すればよい。
【0036】
なお、平面透視した場合において対象となる領域での凸部7aの面積を評価することが難しい場合には、複合基板5の上面に平行であって凸部7aの根元部分を含む断面において対象となる領域での凸部7aの面積を評価すればよい。
【0037】
本実施形態の素子搭載用部材1は、複合基板5の上面に配設された複数の配線導体11を備えている。配線導体11は光電変換素子3と電気的に接続されている。この配線導体11を外部配線(不図示)に導通させることによって、外部配線と光電変換素子3とを通電させることができる。配線導体11としては導電性の良好な部材を用いることが好ましく、例えば、W,Mo,Ni,Ag,AuまたはCuを用いることができる。
【0038】
複合基板5の載置領域5aには光電変換素子3が設けられている。より具体的には、複合基板5の載置領域5a上には複数の配線導体11の一つが配設され、この配線導体11の上に光電変換素子3が搭載されている。光電変換素子3は、例えば、III−V族化合物半導体を含んでいる太陽電池素子である。光電変換素子3は、光起電力効果により、受けた光エネルギーを電力に変換して出力することができる。
【0039】
光電変換素子3としては、上面と下面とに電極を有するものを用いることができる。光電変換素子3の下面側電極はSn−Ag−Cuはんだ、あるいはAu−Snロウのような部材を介して配線導体11の一つに接合されている。また、光電変換素子3の上面側電極は、ボンディングワイヤのような通電部材13を介して配線導体11の別の一つに電気的に接続されている。
【0040】
また、本実施形態の素子搭載用部材1は、複合基板5の下面に接合された放熱部材15を備えている。放熱部材15は、複合基板5の下面に接合される平板の形状の部位15aと、この部位15aの下面側に位置する複数のフィン15bとを有している。平板の形状の部位15aと複数のフィン15bとは、別々に作製した後で、平板の形状の部位15aの下面にフィン15bを接合してもよい。また、平板の形状の部位15aと複数のフィン15bとは、一体的に形成してもよい。放熱部材15としては、複合基板5を構成する金属層7と同様に、熱伝導性の良好な材料を用いることが好ましく、例えば、Al,Ag,AuおよびCuのような金属材料を用いることができる。
【0041】
例えば、平板の形状の部位15aとして、平面視した場合の大きさが複合基板5と同じであって1mm〜5mmの厚みの銅板を準備する。この銅板の下面に厚さ1mm、縦横5mm程度の銅板をフィン15bとして貼り付ける。このようにして放熱部材15を形成することができる。このような放熱部材15を備えていることによって、光電変換素子3か
ら生じた熱を複合基板5および放熱部材15を介して外部に効率良く放熱することができる。
【0042】
次に、第2の実施形態の素子搭載用部材1およびこれを備えた光電変換装置101について図面を用いて詳細に説明する。なお、本実施形態にかかる各構成において、第1の実施形態と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0043】
図9〜11に示すように、第2の実施形態の素子搭載用部材1は、第1の実施形態の素子搭載用部材1と比較して、複合基板5上であって載置領域5aを含む領域を取り囲むように設けられた枠体17をさらに備えている。また、光電変換装置101としては複合基板5の載置領域5aに設けられた光電変換素子3を備えている。
【0044】
また、複合基板5は、その上面に光電変換素子3が載置される載置領域5aに加えて、枠体17が設けられる枠領域5cおよび載置領域5aと枠領域5cとの間に位置する中間領域5dを有している。そして、複合基板5を平面透視した場合に、凸部7aが中間領域5dよりも載置領域5aに密に存在するとともに枠領域5cよりも中間領域5dに密に存在している。
【0045】
本実施形態の素子搭載用部材1における枠体17は、複合基板5を構成する金属層7の上面に接合されている。本実施形態における枠体17は、平面視したときの形状が筒形状であって、光電変換素子3を囲むように設けられている。
【0046】
本実施形態の素子搭載用部材1における枠体17はセラミックスからなっている。枠体17に用いられるセラミックスとしては、熱伝導性の良好なセラミック材料を用いることが望ましい。具体的には、例えば、熱伝導性の良好なセラミック材料として、窒化アルミニウムを用いることができる。枠体17の下面には、複合基板5(セラミック層9)との接合性を向上させるためにメタライズ層が形成されている。枠体17と複合基板5との接合には、銀ロウのようなロウ材を用いることができる。本実施形態における枠体17は、セラミックスからなることにより、電気絶縁性が向上している。なお、枠体17には金属材料を用いることもできる。金属材料としては、例えば、鉄ニッケルコバルト(Fe−Ni−Co)合金を用いることができる。
【0047】
本実施形態の素子搭載用部材1においては、複合基板5が、その上面に光電変換素子3が載置される載置領域5aに加えて、枠体17が設けられる枠領域5cおよび載置領域5aと枠領域5cとの間に位置する中間領域5dを有している。言い換えれば、第1の実施形態の素子搭載用部材1における周辺領域5bとして、枠体17が設けられる枠領域5cおよび載置領域5aと枠領域5cとの間に位置する中間領域5dを有している。そして、複合基板5を平面透視した場合に、凸部7aが中間領域5dよりも載置領域5aに密に存在するとともに枠領域5cよりも中間領域5dに密に存在している。
【0048】
複合基板5の平面視した場合における最も周縁部分に位置する枠領域5cには枠体17が接合される一方で、相対的に大きな反りが生じやすいが、この枠領域5cにおいては、凸部7aが相対的に最も疎に存在している(本実施形態の素子搭載用部材1においては、金属層7の凸部7aが枠領域5cには存在していない)。そのため、枠領域5cにおけるセラミック層9の厚みを大きく確保することができるので、複合基板5の反りが抑制され、複合基板5と枠体17の接合性を良好に保つことが可能となる。
【0049】
また、本実施形態の素子搭載用部材1は、枠体17に接合され、光電変換素子3の上に位置するように設けられた集光手段19を備えている。集光手段19は、上方からの光を
光電変換素子3に集中させることを目的として設けられている。集光手段19と枠体17との接合には、例えば、ガラス質材料を用いることができる。なお、集光手段19としては、例えば、集光プリズムを用いることができる。
【0050】
次に、第3の実施形態の素子搭載用部材1およびこれを備えた光電変換装置101について図面を用いて詳細に説明する。なお、本実施形態にかかる各構成において、第1の実施形態と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0051】
図12に示すように、第3の実施形態の素子搭載用部材1は、第1の実施形態の素子搭載用部材1と比較して、複合基板5の上下が反転した状態で用いられている。すなわち、金属層7および金属層7の下面に積層されたセラミック層9を具備した複合基板5を備えている。言い換えれば、セラミック層9およびセラミック層9の上面に積層された金属層7を具備した複合基板5を備えている。また、光電変換装置101としては複合基板5の載置領域5aに設けられた光電変換素子3を備えている。
【0052】
複合基板5を構成する金属層7はセラミック層9との接合面である下面に複数の凸部7aを有している。また、複合基板5を構成するセラミック層9は金属層7との接合面である上面に、複数の凸部7aにそれぞれ嵌合する複数の凹部9aを有している。これにより、第1の実施形態の素子搭載用部材1における複合基板5と同様に、金属層7とセラミック層9の接合面積を大きくできるので、セラミック層9と金属層7との間での熱の伝達を良好なものとすることができる。
【0053】
また、第1の実施形態の素子搭載用部材1においては、複合基板5の上面に光電変換素子3と電気的に接続される配線導体11を備えているが、本実施形態の素子搭載用部材1においては、金属層7を配線導体11として用いることができる。このように、本実施形態の素子搭載用部材1においては、配線導体11を別途備える必要が無いことから、素子搭載用部材1の部品点数を減らすことができる。
【0054】
上述の通り、各実施形態の素子搭載用部材およびこれを備えた光電変換装置について説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば、種々の変更や実施の形態の組み合わせを施すことは何等差し支えない。
【符号の説明】
【0055】
1・・・素子搭載用部材
101・・・光電変換装置
3・・・光電変換素子
5・・・複合基板
5a・・・載置領域
5b・・・周辺領域
5c・・・枠領域
5d・・・中間領域
7・・・金属層
7a・・・凸部
9・・・セラミック層
9a・・・凹部
11・・・配線導体
13・・・通電部材
15・・・放熱部材
15a・・・平板の形状の部位
15b・・・フィン
17・・・枠体
19・・・集光手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属層および該金属層に積層されたセラミック層を具備し、上面に光電変換素子が載置される載置領域を有する複合基板を備えた素子搭載用部材であって、
前記金属層は前記セラミック層との接合面に複数の凸部を有するとともに、前記セラミック層は前記複数の凸部にそれぞれ嵌合する複数の凹部を有し、
前記複合基板を平面透視した場合に、前記複数の凸部が前記載置領域を除く領域よりも前記載置領域に密に存在していることを特徴とする素子搭載用部材。
【請求項2】
前記複合基板を上面に垂直な方向で断面視した場合に、前記載置領域の直下に位置する凸部の高さが、前記載置領域を除く領域の直下に位置する凸部の高さよりも高いことを特徴とする請求項1に記載の素子搭載用部材。
【請求項3】
前記複合基板を上面に垂直な方向で断面視した場合に、前記載置領域の直下に位置する凸部の幅が、前記載置領域を除く領域の直下に位置する凸部の幅よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の素子搭載用部材。
【請求項4】
前記複合基板を平面透視した場合に、前記載置領域に位置する前記複数の凸部は、格子点状に位置していることを特徴とする請求項1に記載の素子搭載用部材。
【請求項5】
前記複合基板上であって前記載置領域を含む領域を取り囲むように設けられた枠体をさらに備え、
前記複合基板は、その上面に前記光電変換素子が載置される前記載置領域、前記枠体が設けられる枠領域および前記載置領域と前記枠領域との間に位置する中間領域を有し、
前記複合基板を平面透視した場合に、前記凸部が前記中間領域よりも前記載置領域に密に存在するとともに前記枠領域よりも前記中間領域に密に存在することを特徴とする請求項1に記載の素子搭載用部材。
【請求項6】
前記複合基板を上面に垂直な方向で断面視した場合に、前記複数の凸部は、底部の幅よりも先端部の幅が小さいテーパ形状であることを特徴とする請求項1に記載の素子搭載用部材。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一つに記載の素子搭載用部材と、
前記複合基板の前記載置領域に設けられた前記光電変換素子とを備えていることを特徴とする光電変換装置。
【請求項1】
金属層および該金属層に積層されたセラミック層を具備し、上面に光電変換素子が載置される載置領域を有する複合基板を備えた素子搭載用部材であって、
前記金属層は前記セラミック層との接合面に複数の凸部を有するとともに、前記セラミック層は前記複数の凸部にそれぞれ嵌合する複数の凹部を有し、
前記複合基板を平面透視した場合に、前記複数の凸部が前記載置領域を除く領域よりも前記載置領域に密に存在していることを特徴とする素子搭載用部材。
【請求項2】
前記複合基板を上面に垂直な方向で断面視した場合に、前記載置領域の直下に位置する凸部の高さが、前記載置領域を除く領域の直下に位置する凸部の高さよりも高いことを特徴とする請求項1に記載の素子搭載用部材。
【請求項3】
前記複合基板を上面に垂直な方向で断面視した場合に、前記載置領域の直下に位置する凸部の幅が、前記載置領域を除く領域の直下に位置する凸部の幅よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の素子搭載用部材。
【請求項4】
前記複合基板を平面透視した場合に、前記載置領域に位置する前記複数の凸部は、格子点状に位置していることを特徴とする請求項1に記載の素子搭載用部材。
【請求項5】
前記複合基板上であって前記載置領域を含む領域を取り囲むように設けられた枠体をさらに備え、
前記複合基板は、その上面に前記光電変換素子が載置される前記載置領域、前記枠体が設けられる枠領域および前記載置領域と前記枠領域との間に位置する中間領域を有し、
前記複合基板を平面透視した場合に、前記凸部が前記中間領域よりも前記載置領域に密に存在するとともに前記枠領域よりも前記中間領域に密に存在することを特徴とする請求項1に記載の素子搭載用部材。
【請求項6】
前記複合基板を上面に垂直な方向で断面視した場合に、前記複数の凸部は、底部の幅よりも先端部の幅が小さいテーパ形状であることを特徴とする請求項1に記載の素子搭載用部材。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一つに記載の素子搭載用部材と、
前記複合基板の前記載置領域に設けられた前記光電変換素子とを備えていることを特徴とする光電変換装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−235028(P2012−235028A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103896(P2011−103896)
【出願日】平成23年5月7日(2011.5.7)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月7日(2011.5.7)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]