【課題】再現性の高いゴルフスイングを会得するため、スイング時のクラブ重心構造による不安定な動きを一時的に抑制して、素振り練習者に安定したシャフト軌道の体験とシャフトに対するヘッド角度を視認する機会を提供し、安定したシャフト軌道を実現させるためのヘッド角度制御操作の指針とする。
【解決手段】ゴルフスイング時に発生するシャフト中心軸にオフセットされたヘッド重量によるクラブ自体の回転作用を、クラブに重りを取り付ける事により抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
ゴルフ練習器具に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
ゴルフスイングの安定はショット選択の前提条件で極めて重要であり、素振りと試打練習に多くの時間をかけ会得するという考えが一般的である。
【０００３】
ゴルフスイングを安定させる為に、シャフト軌道の指針として軌道角度のガイドとなる形状物の側でスイング練習するための練習器具が提案されている、シャフト軌道の重要性は一般に認知されている。
【０００４】
ゴルフスイング練習に、野球バットのような形状物を使ってゴルフスイングする練習器具が提案されている、ゴルフクラブと異なり野球のバットのような安定した重心構造物でスイングすることにより、ゴルフクラブでのスイング時のシャフト軌道の指針と出来るので有効である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２００５−２１８７８４号公報
【特許文献２】特開２０１０−０８２４０９号公報
【特許文献３】特開２００９−１７２１４１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
ゴルフクラブの重心構造が原因でスイング時にクラブ自体に発生する回転作用を抑制する課題である。
【０００７】
回転作用とは、ゴルフクラブでのスイングで、シャフトの加速中ヘッド重心を中心としてネックを進行方向側へと回転させる作用と、シャフトの減速中ヘッド重心を中心としてトウを進行方向側へと回転させる作用であり、その作用に伴いクラブ全体も回転する。
【０００８】
上記の作用により、クラブヘッドはスイング中ヘッド重心を中心軸として変則的に左右回転してシャフト軌道維持を妨げる。よってシャフト軌道を安定させる為にゴルファーはスイング中ヘッドの回転を抑制する力をクラブに加える必要があり、そのためにはゴルファーがスイング中にヘッドが回転していない状態を把握している必要がある。
【０００９】
上記の理由から、再現性の高いゴルフスイングを会得するため、素振り練習者に安定したシャフト軌道の体験と回転作用が抑制されたシャフトに対するヘッド角度を視認する機会を提供し、安定したシャフト軌道を実現させるためのヘッド角度制御操作の指針とする課題である。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
ゴルフスイング時のクラブ重心構造によるクラブ自体の回転作用を、クラブに重りを取り付ける事により抑制する。クラブのヘッド重心からシャフト中心軸を挟んだ方向にヘッド重量と釣り合う重りを取り付けクラブの重心をシャフトの中心軸上付近にすることで上記の回転作用は抑制される。この場合の重りはヘッドと同重量とする必要は無くシャフトとの距離と重量でヘッド重量とバランスがとれれば良い。
【発明の効果】
【００１１】
本発明をクラブに取り付け素振りをすることにより、ヘッドの回転作用は抑制されてスイング時のシャフト軌道は安定する。素振り練習者は安定したシャフト軌道を体験し同じシャフト軌道を実現させるためのシャフトに対するヘッド角度を視認することで、本発明を取り外したスイング時のシャフトに対するヘッド角度制御のための指針とできる。
【００１２】
本発明を通常使用するクラブに取り付け練習することで、ゴルファーはプレー時のスイングとの違和感を少なく素振りができ、従来と比べ用具を小型化できるので手軽に練習に取り組める。
【００１３】
本発明を利用して素振り練習をすることでシャフト軌道は安定する、本発明を取り外しそのシャフト軌道を習得すれば、ミート率向上によりスコアアップが期待できる。
【００１４】
本発明を取り付けるとクラブ重量が増加するので、素振り練習者のスイングアークが円心力で大きくなり体を動かす力を効率良くヘッドスピードに変えられる。
【発明を実施するための形態】
【実施例１】
【００１５】
本発明を練習者の通常使用するクラブに位置を調節し取り付け、スイング中脱落せぬ様に固定して安全を図る。増加した重量を活かしスイングアークを大きくすることを心がけ、素振り中はシャフトの軌道とシャフトに対するヘッド角度の体感と視認をする。
【実施例２】
【００１６】
本発明のゴルフクラブへの取り付け位置は、図３の様にシャフト中心軸を水平にした時にリーディングエッジが水平に成る状態がバランス上最良の状態でありヘッド回転作用が最小となる。
【実施例３】
【００１７】
図２の様に本発明の側面がリーディングエッジの延長線上と一致した時にスイング中のシャフトに対するヘッド角度を視認する上で最良の状態となる。
【図面の簡単な説明】
【００１８】
【図１】クラブに本発明を取り付けた斜視図である。
【図２】クラブに本発明を取り付けた上面図である。
【図３】クラブに本発明を取り付け、シャフトを水平に保持した状態の斜視図である。
【符号の説明】
【００１９】
１ 本発明
２ 取り付け部
３ クラブヘッド
４ ヘッド重心
５ ネック
６ トウ
７ シャフト
８ シャフト中心軸
９ リーディングエッジ

【特許請求の範囲】
【請求項１】
ゴルフクラブのシャフト中心軸にオフセットされたヘッド重量によるスイング時のヘッド回転作用を抑制するため、ヘッド重心からシャフト中心軸を挟んだ方向に取り付け取り外し出来る構造の重り。
【請求項２】
ゴルフクラブ番手毎のヘッド重量とバランスを取るために、重量の増減又は重り位置調整可能な形状の請求項１記載の重り。

【図１】

【図２】

【図３】

【公開番号】特開２０１２−５５２７（Ｐ２０１２−５５２７Ａ）
【公開日】平成２４年１月１２日（２０１２．１．１２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１４１７１９（Ｐ２０１０−１４１７１９）
【出願日】平成２２年６月２２日（２０１０．６．２２）
【出願人】（７１０００６６６６）
【Ｆターム（参考）】