説明

素材管理システム、素材管理サーバ、素材管理方法、及びプログラム

【課題】店舗で調理済食品としての商品を製造して販売する場合において、その素材を調理してよいか否かを管理することができる素材管理システムを提供する。
【解決手段】読取書込装置100は、素材20を調理するときに、素材用ICタグ22から品目特定用情報及び出荷特定用情報を読み取る。店舗端末200は、品目特定用情報及び出荷特定用情報を素材管理サーバ300に送信する。素材管理サーバ300は、調理期間記憶部、調理期間読出部、及び調理判断部を備える。調理期間記憶部は、調理可能期間と素材識別情報を互いに対応付けて記憶する。調理期間読出部は、調理期間記憶部から、読取書込装置100が読み取った品目特定用情報に対応する素材識別情報に対応する調理可能期間を読み出す。調理判断部は、調理可能期間と、出荷特定用情報に対応する製造日時と現在日時の差分とから、素材を調理してよいか否かを判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理済食品としての商品の製造に用いられる素材を管理する素材管理システム、素材管理サーバ、素材管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
調理済食品としての商品を店舗で製造して販売する商形態がある。このような商形態において、商品の素材を管理する視点としては、例えば素材の量を過不足なく補給することがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また調理済食品としての商品を管理する視点としては、例えば賞味期限がある。商品の賞味期限を管理する方法としては、例えば特許文献2に示すように、賞味期限を印刷したラベルを商品に添付する方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−86585号公報
【特許文献2】特開2002−190068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、食材への安全の意識が高まっている。このため、店舗で調理済食品としての商品を製造して販売する場合、その素材を調理してよいか否かを管理する必要がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、店舗で調理済食品としての商品を製造して販売する場合において、その素材を調理してよいか否かを管理することができる素材管理システム、素材管理サーバ、素材管理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、調理済食品としての商品を製造して販売する店舗で使用される素材を管理する素材管理システムであって、
前記素材には、前記素材の品目を特定する素材識別情報を特定するために用いられる品目特定用情報、及び前記素材の製造日時を特定するために用いられる出荷特定用情報を記憶している素材用ICタグが割り振られており、
前記素材の前記品目別に、製造されてから調理してよい期間を示す調理可能期間と前記素材識別情報を互いに対応付けて記憶する調理期間記憶手段と、
前記店舗に設置されており、前記素材を調理するときに、前記素材用ICタグから前記品目特定用情報及び前記出荷特定用情報を読み取る調理時情報読取手段と、
前記調理期間記憶手段から、前記調理時情報読取手段が読み取った前記品目特定用情報に対応する前記素材識別情報に対応する前記調理可能期間を読み出す調理期間読出手段と、
前記調理期間読出手段が読み出した前記調理可能期間と、前記出荷特定用情報に対応する前記製造日時と現在日時の差分とから、前記素材を調理してよいか否かを判断する調理判断手段と、
を備える素材管理システムが提供される。
【0008】
本発明によれば、調理済食品としての商品を製造して販売する店舗で使用される素材を管理する素材管理サーバであって、
前記素材には、前記素材の品目を示す素材識別情報、及び前記素材の製造日時を特定するために用いられる出荷特定用情報を記憶している素材用ICタグが割り振られており、
前記素材が調理されるときに、前記店舗に設置された店舗端末から、前記素材用ICタグが記憶している前記素材識別情報及び前記出荷特定用情報を受信する調理時情報受信手段と、
前記素材の前記品目別に、製造されてから調理してよい期間を示す調理可能期間と前記素材識別情報を互いに対応付けて記憶する調理期間記憶手段と、
前記調理期間記憶手段から、前記調理時情報読取手段が読み取った前記素材識別情報に対応する前記調理可能期間を読み出す調理期間読出手段と、
前記調理期間読出手段が読み出した前記調理可能期間と、前記出荷特定用情報に対応する製造日時と現在日時の差分とから、前記素材を調理してよいか否かを判断する調理判断手段と、
前記調理判断手段の判断結果を前記店舗端末に送信する判断結果送信手段と、
を備える素材管理サーバが提供される。
【0009】
本発明によれば、調理済食品としての商品を製造して販売する店舗で使用される素材を管理する素材管理方法であって、
前記素材に、前記素材の品目を特定する素材識別情報を特定するために用いられる品目特定用情報、及び前記素材の製造日時を特定するために用いられる出荷特定用情報を記憶している素材用ICタグを割り振り、
前記素材の前記品目別に、製造されてから調理してよい期間を示す調理可能期間と前記素材識別情報を互いに対応付けて記憶する調理期間記憶手段をコンピュータに設け、
前記素材が調理されるときに、前記店舗に設置されている読取装置が、前記素材用ICタグから前記品目特定用情報及び前記出荷特定用情報を読み取り、
前記コンピュータが、前記調理期間記憶手段から、前記読取装置が読み取った前記品目特定用情報に対応する前記素材識別情報に対応する前記調理可能期間を読み出し、
前記コンピュータが、読み出した前記調理可能期間と、前記出荷特定用情報に対応する製造日時と現在日時の差分とから、前記素材を調理してよいか否かを判断する素材管理方法が提供される。
【0010】
本発明によれば、コンピュータを、調理済食品としての商品を製造して販売する店舗で使用される素材を管理する素材管理サーバとして機能させるプログラムであって、
前記素材には、前記素材の品目を特定する素材識別情報を特定するために用いられる品目特定用情報、及び前記素材の製造日時を特定するために用いられる出荷特定用情報を記憶している素材用ICタグが割り振られており、
前記素材が調理されるときに、前記店舗に設置された店舗端末から、前記素材用ICタグが記憶している前記品目特定用情報及び前記出荷特定用情報を受信する機能と、
前記素材の前記品目別に、製造されてから調理してよい期間を示す調理可能期間と前記素材識別情報を互いに対応付けて記憶する機能と、
前記店舗端末から受信した前記品目特定用情報に対応する前記素材識別情報に対応する前記調理可能期間を読み出す機能と、
読み出した前記調理可能期間と、前記出荷特定用情報に対応する製造日時と現在日時の差分とから、前記素材を調理してよいか否かを判断する機能と、
前記素材を調理してよいか否かの判断結果を前記店舗端末に送信する機能と、
を実現させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、店舗で調理済食品としての商品を製造して販売する場合において、その素材を調理してよいか否かを管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態に係る素材管理システムの構成を示す図である。
【図2】読取書込装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】店舗端末の機能構成を示すブロック図である。
【図4】素材管理サーバの機能構成を示すブロック図である。
【図5】素材管理サーバの入荷時処理部の機能構成を示すブロック図である。
【図6】入荷期間記憶部が記憶している情報の一例をテーブル形式で示す図である。
【図7】素材情報記憶部が記憶している情報の一例をテーブル形式で示す図である。
【図8】図4に示した調理時処理部の機能構成を示すブロック図である。
【図9】調理期間記憶部が記憶している情報のデータ構成の一例をテーブル形式で示す図である。
【図10】商品情報記憶部が記憶している情報のデータ構成の一例をテーブル形式で示す図である。
【図11】問題個体記憶部が記憶している情報のデータ構成の一例を示す図である。
【図12】図4に示した販売時処理部の機能構成を示すブロック図である。
【図13】賞味期間記憶部が記憶している情報のデータ構成の一例をテーブル形式で示す図である。
【図14】素材が出荷されるときの素材管理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図15】店舗において素材を入荷するときの素材管理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図16】店舗において商品を製造するときの素材管理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図17】店舗において商品を販売するときの素材管理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図18】第2の実施形態に係る素材管理システムの素材管理サーバの販売時処理部の機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0014】
図1は、第1の実施形態に係る素材管理システムの構成を示す図である。この素材管理システムは、読取書込装置100、店舗端末200、及び素材管理サーバ300を備える。読取書込装置100は店舗端末200に接続しており、店舗端末200は、インターネット等の通信網50及びゲートウェイサーバ500を介して素材管理サーバ300に接続する。読取書込装置100及び店舗端末200は、店舗10に設置されている。店舗10では、調理済食品としての商品40を製造して販売する。商品40の材料としては、素材20が用いられる。
【0015】
素材20には素材用ICタグ22が割り振られている。素材用ICタグ22は、素材の品目を特定する素材識別情報を特定するために用いられる品目特定用情報、及び素材の製造日時を特定するために用いられる出荷特定用情報を記憶している。素材用ICタグ22は、例えばRFID(Radio Frequency Identification)であるが、他のICタグであってもよい。
【0016】
読取書込装置100(調理時情報読取手段)は、素材20を調理するときに、素材用ICタグ22から品目特定用情報及び出荷特定用情報を読み取る。店舗端末200は、読取書込装置100が読み取った品目特定用情報及び出荷特定用情報を、通信網50及びゲートウェイサーバ500を介して素材管理サーバ300に送信する。
【0017】
なお、ゲートウェイサーバ500に複数の素材管理サーバ300が接続している場合、読取書込装置100及び後述する読取書込装置400は、素材管理サーバ300を特定するための情報を他の情報とともに送信する。ゲートウェイサーバ500は、素材管理サーバ300に接続するための接続情報別に、素材管理サーバ300を特定するための情報を記憶している。これにより、ゲートウェイサーバ500は、情報が送信されてきたとき、この情報を送信すべき素材管理サーバ300を認識することができる。
【0018】
素材管理サーバ300は、調理期間記憶部338(図8に図示)、調理期間読出部336(図8に図示)、及び調理判断部340(図8に図示)を備える。調理期間記憶部338は、素材20の品目別に、製造されてから調理してよい期間を示す調理可能期間と素材識別情報を互いに対応付けて記憶する。調理期間読出部336は、調理期間記憶部338から、読取書込装置100が読み取った品目特定用情報に対応する素材識別情報に対応する調理可能期間を読み出す。調理判断部340は、調理期間読出部336が読み出した調理可能期間と、出荷特定用情報に対応する製造日時と現在日時の差分とから、素材を調理してよいか否かを判断する。
【0019】
上記した品目特定用情報は、素材識別情報そのものであってもよい。また品目特定用情報は、素材用ICタグ22に予め割り振られているICタグ識別情報であってもよい。後者の場合、素材管理サーバ300は、さらに素材情報記憶部320及び素材識別情報読出部(図8の調理時情報受信部332)を備える。素材情報記憶部320は、ICタグ識別情報それぞれごとに素材識別情報を記憶している。
【0020】
ICタグ識別情報と素材識別情報の組み合わせは、素材20を出荷するときに、出荷工場に設置された出荷端末420から送信される。ICタグ識別情報は、出荷工場に設置された読取書込装置400によって素材用ICタグ22から読み取られる。素材識別情報読出部(図8の調理時情報受信部332)は、素材20を調理するときに読取書込装置100が読み取ったICタグ識別情報に対応する素材識別情報を、素材情報記憶部320から読み出す。そして調理期間読出部336は、素材識別情報読出部が読み出した素材識別情報に対応する調理可能期間を、調理期間記憶部338から読み出す。
【0021】
また上記した出荷特定用情報は、製造日時そのものであってもよいし、素材用ICタグ22に予め割り振られているICタグ識別情報であってもよい。後者の場合、素材管理サーバ300は、製造日時記憶部(図8の素材情報記憶部320)及び製造日時読出部(図8の調理時情報受信部332)を備える。製造日時記憶部は、ICタグ識別情報それぞれごとに製造日時を記憶している。製造日時読出部は、調理時情報読取部が読み取ったICタグ識別情報に対応する製造日時を、製造日時記憶部から読み出す。
【0022】
なお、商品40には、商品用ICタグ42が割り振られている。商品用ICタグ42は、例えばRFIDであるが、他のICタグであってもよい。読取書込装置100は、商品40の製造時に商品用ICタグ42からも情報を読み取り、かつ商品用ICタグ42に対して書込みを行う。ここで読み取られる情報は、商品用ICタグ42に予め割り振られているICタグ識別情報であり、書き込まれる情報は、商品識別情報、商品個体識別情報、及び製造日時である。
【0023】
また読取書込装置100は、商品40の販売時に商品用ICタグ42から情報を読み取る。ここで読み取られる情報は、商品用ICタグ42に予め割り振られているICタグ識別情報、商品識別情報、商品個体識別情報、及び製造日時である。なお、読取書込装置100は、一台の端末である。
【0024】
図2は、読取書込装置100の機能構成を示すブロック図である。読取書込装置100は、ICタグ読取部110、読取情報送信部120、書込情報受信部130、及びICタグ書込部140を備える。ICタグ読取部110は入荷時情報読取部、調理時情報読取部、及び販売時情報読取部、として機能し、素材用ICタグ22から情報を読み取り、かつ商品用ICタグ42から情報を読み取る。読取情報送信部120は、ICタグ読取部110が読み取った情報を、店舗端末200に出力する。書込情報受信部130は、素材用ICタグ22又は商品用ICタグ42に書き込むべき情報を店舗端末200から受信する。ICタグ書込部140は入荷日時書込部及び製造日時書込部として機能し、書込情報受信部130が受信した情報を、素材用ICタグ22又は商品用ICタグ42に書き込む。
【0025】
図3は、店舗端末200の機能構成を示すブロック図である。店舗端末200は、読取情報受信部210、情報送信部220、書込情報受信部230、及び書込情報送信部240を備える。読取情報受信部210は、読取書込装置100が送信してきた情報を受信する。情報送信部220は、読取情報受信部210が受信した情報を素材管理サーバ300に送信する。書込情報受信部230は、素材用ICタグ22又は商品用ICタグ42に書き込むべき情報を受信する。書込情報送信部240は、書込情報受信部230が受信した情報及び現在時刻を、素材用ICタグ22又は商品用ICタグ42に書き込むべき情報として読取書込装置100に送信する。
【0026】
店舗端末200は、商品識別情報入力部250を備える。商品識別情報入力部250は、商品40が製造されるときに、商品40の商品識別情報及び商品個体識別情報が入力される。入力された商品識別情報及び商品個体識別情報は、情報送信部220を介して素材管理サーバ300に送信され、また書込情報送信部240を介して読取書込装置100に送信される。
【0027】
店舗端末200は、警告処理部260を備える。警告処理部260には、素材管理サーバ300から、素材20の入荷を禁止することを示す情報、素材20の使用を禁止することを示す情報、及び商品40の販売を禁止することを示す情報が送信される。そして警告処理部260は、受信した情報に従って、素材20の入荷を禁止する処理及び警告処理、素材20の使用を禁止する処理及び警告処理、並びに商品40の販売を禁止する処理及び警告処理を行う。
【0028】
なお、図3において、本発明の本質に関わらない部分の構成については省略している。図3に示した店舗端末200の各構成要素は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。店舗端末200の各構成要素は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされた本図の構成要素を実現するプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶ユニット、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置には様々な変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0029】
図4は、素材管理サーバ300の機能構成を示すブロック図である。素材管理サーバ300は、入荷時処理部310、調理時処理部330、及び販売時処理部360を備える。入荷時処理部310は、素材20が店舗10に入荷したときに情報の処理を行う。調理時処理部330は、素材20を店舗10で調理して商品40を製造するときに情報の処理を行う。販売時処理部360は、商品40を販売するときに情報の処理を行う。入荷時処理部310、調理時処理部330、及び販売時処理部360の詳細については後述する。
【0030】
図5は、素材管理サーバ300の入荷時処理部310の機能構成を示すブロック図である。入荷時処理部310は、入荷時受信部312、入荷期間読出部314、入荷期間記憶部316、入荷判断部318、及び上記した素材情報記憶部320を備える。
【0031】
入荷時受信部312は、素材20が店舗10に入荷してきたときに読取書込装置100が素材用ICタグから読み取った情報を、店舗端末200を介して受信する。ここで受信する情報は、素材20の素材用ICタグ22に記憶されている情報であり、例えば素材用ICタグ22のICタグ識別情報、品目特定用情報、及び出荷特定用情報である。
【0032】
入荷期間記憶部316は、素材の品目別に、製造されてから店舗に入荷してよい期間を示す入荷可能期間と素材識別情報を互いに対応付けて記憶する。入荷期間読出部314は、入荷期間記憶部316から、読取書込装置100が読み取った品目特定用情報に対応する素材識別情報に対応する入荷可能期間を読み出す。
【0033】
入荷判断部318は、入荷期間読出部314が読み出した入荷可能期間と、出荷特定用情報に対応する素材製造日時情報が示す日時と現在日時の差分とから、素材を入荷してよいか否かを判断する。そして入荷判断部318は、判断結果を店舗端末200に送信する。出荷特定用情報が製造日時そのものである場合、入荷判断部318は、読取書込装置100が読み取った製造日時をそのまま用いる。また入荷判断部318は、読取書込装置100が読み取った出荷特定用情報が素材用ICタグ22に予め割り振られているICタグ識別情報である場合、入荷判断部318は、素材情報記憶部320から、読取書込装置100が読み取ったICタグ識別情報に対応する製造日時を読み出す。
【0034】
図6は、入荷期間記憶部316が記憶している情報の一例をテーブル形式で示す図である。入荷期間記憶部316は、上記したように、素材識別情報と入荷可能期間を互いに対応付けて記憶している。
【0035】
図7は、素材情報記憶部320が記憶している情報の一例をテーブル形式で示す図である。素材情報記憶部320は、ICタグ識別情報別に、素材識別情報、素材個体識別情報、及び製造日時を記憶している。これらの情報は、上記したように、素材20を出荷するときに、出荷工場に設置された出荷端末420から送信される。
【0036】
図8は、図4に示した調理時処理部330の機能構成を示すブロック図である。調理時処理部330は、調理時情報受信部332、上記した調理期間読出部336、調理期間記憶部338、及び調理判断部340を備える。
【0037】
調理時情報受信部332は、素材20が調理されるときに、読取書込装置100が素材用ICタグ22から読み取った情報を、店舗端末200から受信し、受信した情報を調理期間読出部336に送出する。調理期間読出部336、調理期間記憶部338、及び調理判断部340の各機能は、図1を用いて説明した通りである。
【0038】
また調理時情報受信部332は、品目特定用情報が、素材用ICタグ22に予め割り振られているICタグ識別情報である場合、素材情報記憶部320から、このICタグ識別情報に対応する素材識別情報及び素材個体識別情報を読み出す。また調理時情報受信部332は、出荷特定用情報がこのICタグ識別情報である場合、素材情報記憶部320から、このICタグ識別情報に対応する製造日時を読み出す。調理時情報受信部332は、読み出した情報を調理期間読出部336に送出する。
【0039】
また調理時情報受信部332は、素材20が調理されて商品40が製造されたときに、店舗端末200から、店舗端末200の商品識別情報入力部250に入力された商品識別情報及び商品個体識別情報を、商品用ICタグ42のICタグ識別情報に対応付けて受信する。
【0040】
また、素材情報記憶部320が記憶している情報を用いることにより、品目特定用情報によって、素材20の個体を識別する素材個体識別情報を特定することができる。
【0041】
そして調理時処理部330は、問題個体入力部344及び問題個体記憶部348を備える。問題個体入力部344は、問題があった素材20の素材個体識別情報が入力される。問題個体記憶部348は、問題個体入力部344に入力された素材個体識別情報を記憶する。調理判断部340は、調理時に読取書込装置100が読み取った品目特定用情報が、問題個体記憶部348が記憶している素材個体識別情報、すなわち問題個体入力部344に入力された素材個体識別情報に対応するとき、製造禁止処理を行う。
【0042】
調理時処理部330は、商品情報記憶部342を備える。商品情報記憶部342は、商品個体情報記憶手段として機能し、読取書込装置100が取得した商品個体識別情報を、読取書込装置100が読み取った品目特定情報に対応する素材識別情報に対応付けて記憶する。そして後述する販売判断部368は、商品情報記憶部342において、問題個体入力部344に入力された素材個体識別情報に対応する商品個体識別情報を販売禁止にする。
【0043】
また読取書込装置100又は店舗端末200の商品識別情報入力部250は、調理が終了して商品40が製造されたとき、商品40の個体を識別する商品個体識別情報及び商品識別情報を取得する。そして店舗端末200の情報送信部220は、製造日時を取得して、その製造日時を商品個体識別情報及び商品識別情報に対応付けて調理時情報受信部332に送信する。調理時情報受信部332は、受信した製造日時、商品個体識別情報及び商品識別情報を商品情報記憶部342に記憶させる。
【0044】
また、上記したように、商品40には、商品用ICタグ42が割り振られている。商品用ICタグ42は、予めIC識別情報を記憶している。そして読取書込装置100は、商品40が製造されたとき、商品40の商品用ICタグ42からIC識別情報を取得する。また上記したように、店舗端末200の商品識別情報入力部250は、商品40の品目を示す商品識別情報を取得する。そして商品情報記憶部342は、読取書込装置100が読み取ったICタグ識別情報と、商品識別情報入力部250が取得した商品識別情報を対応付けて記憶する。このとき、ICタグ識別情報は、商品個体識別情報や製造日時に対応付けられる。
【0045】
図9は、調理期間記憶部338が記憶している情報のデータ構成の一例をテーブル形式で示す図である。調理期間記憶部338は、素材識別情報別に、その素材識別情報が示す素材の調理可能期間を記憶している。
【0046】
図10は、商品情報記憶部342が記憶している情報のデータ構成の一例をテーブル形式で示す図である。商品情報記憶部342は、商品40の個体別に、ICタグ識別情報、商品識別情報、商品個体識別情報、製造日時、材料として用いられた素材20の素材個体識別情報、および販売済みであるか否かを示す販売情報を互いに対応付けて記憶している。
【0047】
図11は、問題個体記憶部348が記憶している情報のデータ構成の一例を示す図である。問題個体記憶部348は、素材個体識別情報を記憶している。なお、素材個体識別情報とともにその素材20の素材用ICタグ22のICタグ識別情報が入力されるときは、素材個体識別情報とICタグ識別情報を互いに対応付けて記憶する。
【0048】
図12は、図4に示した販売時処理部360の機能構成を示すブロック図である。販売時処理部360は、販売時情報受信部362、商品情報読出部364、賞味期間記憶部366、及び販売判断部368を備える。販売判断部368は、賞味期間判断部としても機能する。
【0049】
販売時情報受信部362は、商品40が販売されるときに、読取書込装置100が商品用ICタグ42から読み取った情報を店舗端末200から受信する。受信する情報には、商品用ICタグ42のIC識別情報及び商品40の製造日時が含まれる。
【0050】
商品情報読出部364は、商品情報記憶部342から、受信したIC識別情報に対応する素材個体識別情報を商品情報記憶部342から読み出す。賞味期間記憶部366は、商品の品目別に、商品の賞味期間を示す賞味期間と商品識別情報とを互いに対応付けて記憶する。販売判断部368は、商品情報読出部364が読み出した商品識別情報に対応する賞味期間を賞味期間記憶部366から読み出す。そして販売判断部368は、読み出した賞味期間が、商品40の製造日時と現在時刻の差分より短いときに、商品40の販売を許可しない。また販売判断部368は、商品情報読出部364が読み出した素材個体識別情報が問題個体記憶部348に記憶されていたとき、商品40の販売を許可しない。
【0051】
また読取書込装置100は、商品販売時に、商品用ICタグ42から商品個体識別情報を読み取り、店舗端末200を介して販売時情報受信部362に送信する。商品情報読出部364は、受信した商品個体識別情報に対応する製造日時及び商品識別情報を商品個体記憶手段から読み出してもよい。この場合も、販売判断部368は、商品情報読出部364が読み出した商品識別情報に対応する賞味期間を賞味期間記憶部366から読み出す。そして販売判断部368は、読み出した賞味期間が、商品情報読出部364が読み出した製造日時と現在時刻の差分より短いときに、商品の販売を許可しない。
【0052】
図13は、賞味期間記憶部366が記憶している情報のデータ構成の一例をテーブル形式で示す図である。賞味期間記憶部366は、商品識別情報別に、その商品識別情報が示す商品40の賞味期間を記憶している。
【0053】
なお、図4,5,7,12において、本発明の本質に関わらない部分の構成については省略している。図4,5,7,12に示した素材管理サーバ300の各構成要素は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。素材管理サーバ300の各構成要素は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされた本図の構成要素を実現するプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶ユニット、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置には様々な変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0054】
図14は、素材20が出荷されるときの素材管理システムの動作の一例を示すフローチャートである。まず素材20の製造工場において素材20が製造されると、その素材20に素材用ICタグ22が割り振られる。そして製造工場の読取書込装置400は、素材用ICタグ22からICタグ識別情報を読み取り、出荷端末420に出力する(ステップS10)。出荷端末420は、素材20の素材識別情報を取得し、かつ、素材個体識別情報を付与する(ステップS20)。そして出荷端末420は、読取書込装置400を介して、素材用ICタグ22に素材識別情報及び素材個体識別情報を書き込む(ステップS30)。なお出荷端末420は、素材用ICタグ22に素材20の製造日時を書き込んでも良い。
【0055】
そして出荷端末420は、出荷情報として、ステップS10で取得したICタグ識別情報に、素材識別情報、素材個体識別情報、及び製造日時(例えば現在の日時)を互いに対応付けて素材管理サーバ300に送信する(ステップS40)。素材管理サーバ300の素材情報記憶部320は、送信されてきたICタグ識別情報、素材識別情報、素材個体識別情報、及び製造日時を互いに対応付けて記憶する(ステップS50)。
【0056】
図15は、店舗10において素材20を入荷するときの素材管理システムの動作の一例を示すフローチャートである。まず店舗10の店員は、素材20の素材用ICタグ22を読取書込装置100に読み取らせる(ステップS110)。これにより、読取書込装置100は、ICタグ識別情報、素材識別情報、及び素材個体識別情報を取得し、店舗端末200に出力する。店舗端末200の情報送信部220は、読取書込装置100から出力されたICタグ識別情報、素材識別情報、及び素材個体識別情報を素材管理サーバ300に送信する(ステップS120)。
【0057】
素材管理サーバ300の入荷時受信部312は、店舗端末200からICタグ識別情報、素材識別情報、及び素材個体識別情報を受信する。入荷期間読出部314は、入荷時受信部312が受信した素材識別情報に対応する入荷期間を入荷期間記憶部316から読み出す(ステップS125)。入荷判断部318は、入荷時受信部312が受信したICタグ識別情報または素材個体識別情報に対応する製造日時を素材情報記憶部320から読み出す。そして入荷判断部318は、入荷期間読出部314が読み出した入荷可能期間が、読み出した製造日時と現在日時の差分より長い場合、素材20を入荷してよいと判断する。また入荷判断部318は、入荷可能期間が、製造日時と現在日時の差分より短い場合、素材20を入荷してはいけないと判断する(ステップS130)。そして入荷判断部318は、判断結果を店舗端末200に送信する(ステップS135)。
【0058】
店舗端末200の警告処理部260は、入荷判断部318から受信した情報が、素材20を入荷してはいけないことを示していたとき(ステップS140:Yes)、警告処理を行い、入荷禁止処理を行う(ステップS150)。
【0059】
また警告処理部260は、入荷判断部318から受信した情報が、素材20を入荷してよいことを示していたとき(ステップS140:No)、現在日時を入荷日時として扱い、入荷日時を、書込情報送信部240及び読取書込装置100を介して素材用ICタグ22に書き込む(ステップS160)。なお警告処理部260は、入荷日時を素材管理サーバ300の素材情報記憶部320に記憶させても良い。
【0060】
図16は、店舗10において商品40を製造するときの素材管理システムの動作の一例を示すフローチャートである。まず店舗10の店員は、商品40の製造に用いる素材20を選択し、選択した素材20の素材用ICタグ22を読取書込装置100に読み取らせる(ステップS210)。これにより、読取書込装置100は、ICタグ識別情報、素材識別情報、素材個体識別情報、及び入荷日時を取得し、店舗端末200に出力する。店舗端末200の情報送信部220は、読取書込装置100から出力されたICタグ識別情報、素材識別情報、素材個体識別情報、及び入荷日時を素材管理サーバ300に送信する(ステップS215)。
【0061】
素材管理サーバ300の調理時情報受信部332は、店舗端末200からICタグ識別情報、素材識別情報、素材個体識別情報、及び入荷日時を受信する。調理時情報受信部332は、受信したICタグ識別情報または素材個体識別情報に対応する製造日時を素材情報記憶部320から読み出す。調理期間読出部336は、調理時情報受信部332が受信した素材識別情報に対応する調理期間を調理期間記憶部338から読み出す(ステップS220)。
【0062】
そして調理判断部340は、調理期間読出部336が読み出した製造期間が、調理時情報受信部332が読み出した製造日時と現在日時の差分より長い場合、素材20を調理してよいと判断する。このとき、調理判断部340は、入荷日時から現在日時の差分を算出し、この差分が、予め定められた期間より長い場合、素材20を調理してはいけないと判断してもよい。また調理判断部340は、製造期間が、製造日時と現在日時の差分より長い場合、素材20を調理してはいけないと判断する(ステップS225)。
【0063】
また調理判断部340は、受信した素材個体識別情報が問題個体記憶部348に記憶されていたとき、素材20を調理してはいけないと判断する(ステップS225)。
【0064】
そして調理判断部340は、判断結果を店舗端末200に送信する(ステップS230)。
【0065】
店舗端末200の警告処理部260は、調理判断部340から受信した情報が、素材20を調理してはいけないことを示していたとき(ステップS235:Yes)、警告処理及び調理禁止処理を行う(ステップS240)。
【0066】
また警告処理部260は、調理判断部340から受信した情報が、素材20を調理してよいことを示していたとき(ステップS235:No)、調理許可処理を行う。これを受けて、店舗10の店員は素材20を調理して商品40を製造する。商品40の容器には、予め商品用ICタグ42が取り付けられている。
【0067】
そして店舗10の店員は、読取書込装置100に商品用ICタグ42を読み取らせる(ステップS250)。ここで読み取られる情報は、商品用ICタグ42のICタグ識別情報である。読取書込装置100は、読み取った情報を店舗端末200に出力する。
【0068】
店舗端末200の商品識別情報入力部250は、商品40の商品識別情報及び商品個体識別情報を取得し(ステップS255)、書込情報送信部240及び読取書込装置100を介して、商品用ICタグ42に商品識別情報、商品個体識別情報、及び製造日時(例えば現在の日時)を書き込む(ステップS260)。
【0069】
そして店舗端末200は、商品情報として、ステップS250で取得したICタグ識別情報に、商品識別情報、商品個体識別情報、及び製造日時を互いに対応付けて素材管理サーバ300に送信する(ステップS265)。素材管理サーバ300の商品情報記憶部342は、送信されてきたICタグ識別情報、商品識別情報、商品個体識別情報、及び製造日時を互いに対応付けて記憶する(ステップS270)。
【0070】
図17は、店舗10において商品40を販売するときの素材管理システムの動作の一例を示すフローチャートである。店舗10の店員は、読取書込装置100に、商品40の商品用ICタグ42から情報を読み取らせる。ここで読み取られる情報には、ICタグ識別情報、商品識別情報、商品個体識別情報、及び製造日時が含まれる(ステップS310)。次いで店舗端末200の情報送信部220は、ICタグ識別情報、商品識別情報、商品個体識別情報、及び製造日時を素材管理サーバ300に送信する(ステップS320)。
【0071】
素材管理サーバ300の販売時情報受信部362は、店舗端末200からICタグ識別情報、商品識別情報、商品個体識別情報、及び製造日時を受信する。商品情報読出部364は、商品情報記憶部342から、受信したICタグ識別情報又は商品個体識別情報に対応する素材個体識別情報(商品情報)を読み出す(ステップS330)。
【0072】
また販売判断部368は、受信した商品識別情報に対応する賞味期間を、賞味期間記憶部366から読み出す(ステップS335)。そして販売判断部368は、商品40を販売してよいか否かを判断する。具体的には、販売判断部368は、読み出した賞味期間が、製造日時と現在時刻の差分より短いときに、商品40の販売を許可しない。また賞味期間が製造日時と現在時刻の差分より長いとき、商品40の販売を許可する(ステップS340)。
【0073】
また販売判断部368は、ステップS330で読み出した素材個体識別情報が問題個体記憶部348に記憶されていたとき、商品40を販売してはいけないと判断する(ステップS340)。
【0074】
そして販売判断部368は、判断結果を示す情報を店舗端末200に送信する(ステップS350)。
【0075】
店舗端末200の警告処理部260は、販売判断部368から受信した情報が、商品40を販売してはいけないことを示していたとき(ステップS360:Yes)、警告処理及び販売禁止処理を行う(ステップS370)。
【0076】
また警告処理部260は、販売判断部368から受信した情報が、商品40を調理してよいことを示していたとき(ステップS360:No)、店舗端末200に会計処理を行わせる(ステップS380)。そして店舗端末200の情報送信部220は、販売済みを示す販売情報を、ステップS310で読み取ったICタグ識別情報に対応付けて素材管理サーバ300に送信する(ステップS390)。素材管理サーバ300の販売時情報受信部362は、商品情報記憶部342に、販売済みであることを示す情報を、受信したICタグ識別情報に対応づけて記憶させる(ステップS400)。
【0077】
なお、図17に示した処理において、商品用ICタグ42に製造日時が書き込まれていない場合、素材管理サーバ300の販売判断部368は、商品情報記憶部342に記憶されている製造日時を用いて上記した処理を行っても良い。この場合、商品情報読出部364は、販売時情報受信部362が受信した商品個体識別情報又はICタグ識別情報に対応する製造日時を、商品情報記憶部342から読み出し、販売判断部368に送出する。
【0078】
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。本実施形態によれば、素材用ICタグ22を用いることにより、素材20の製造日時をデータで管理することができる。そして、商品40を製造するとき、素材20が製造されてからの期間が予め定められた調理可能期間より短い場合、商品40の製造が許可される。このため、商品40を製造するときに、素材20を調理してよいか否かを厳密に管理することができる。
【0079】
また、素材20が店舗10に入荷するとき、素材20が製造されてからの期間が予め定められた入荷可能期間より短い場合、素材20の入荷が許可される。このため、素材20を入荷するときに、素材20を入荷してよいか否かを厳密に管理することができる。
【0080】
また、素材20の入荷日時をデータで記録している。そして、商品40を製造するとき、素材20が入荷されてからの期間が予め定められた期間より短い場合、商品40の製造が許可される。このため、素材20をさらに厳密に管理することができる。
【0081】
また、素材管理サーバ300の問題個体記憶部348は、問題が生じた素材20の素材個体識別情報を記憶している。このため、素材管理サーバ300の調理判断部340は、問題が生じた素材20が調理されることを禁止することができる。さらに素材管理サーバ300の商品情報記憶部342は、商品40それぞれごとに、その商品40の製造に用いられた素材20の素材個体識別情報を記憶している。このため、素材管理サーバ300の販売判断部368は、問題が生じた素材20を使用している商品40の販売を禁止することができる。
【0082】
図18は、第2の実施形態に係る素材管理システムの素材管理サーバ300の販売時処理部360の機能構成を示すブロック図である。本実施形態に係る素材管理システムは、販売時処理部360の機能構成を除いて、第1の実施形態と同様である。
【0083】
本実施形態において、販売時処理部360は、 残存期間算出部365をさらに備える。残存期間算出部365は、素材20の調理可能期間から、商品40の製造日時と素材20の製造日時の差分を引いた期間である残存期間、すなわち調理可能期間の残存期間を算出する。そして賞味期間判断部としての販売判断部368は、残存期間が予め定められた値以下のときに、賞味期間を予め定められた期間短くして処理を行う。
【0084】
残存期間算出部365は、例えば以下のようにして残存期間を算出する。まず、商品情報記憶部342から、その商品40に対応する素材識別情報を読み出す。そして残存期間算出部365は、読み出した素材識別情報に対応する調理可能期間を、調理期間記憶部338から読み出す。また残存期間算出部365は、商品情報記憶部342から、商品40の製造日時を読み出す。また残存期間算出部365は、商品情報記憶部342から、その商品40に対応する素材個体識別情報を読み出す。そして残存期間算出部365は、素材情報記憶部320から、読み出した素材個体識別情報に対応する製造日時を読み出す。そして残存期間算出部365は、残存期間を算出する。
【0085】
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、残存期間が短いとき、賞味期間を短くするため、問題が生じる可能性のある商品40が販売されることを抑制できる。
【0086】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。例えば素材管理サーバ300が有する機能を店舗端末200が有していても良い。
【0087】
例えば上記した各実施形態において、商品40を製造するときに、読取書込装置100は、商品用ICタグ42に書込みを行わなくても良い。この場合、図16におけるステップS260が省略される。そして商品用ICタグ42には、ICタグ識別情報のみが記憶されている。ただし素材管理サーバ300の商品情報記憶部342に記憶されている情報を用いることにより、図17に示した処理を行うことができるため、上記した効果を得ることができる。
【0088】
また上記した各実施形態において、素材個体識別情報は、他の識別情報とは別の情報であったが、素材用ICタグ22のICタグ識別情報を素材個体識別情報として用いても良い。また商品個体識別情報は、他の識別情報とは別の情報であったが、商品用ICタグ42のICタグ識別情報を商品個体識別情報として用いても良い。
【符号の説明】
【0089】
10 店舗
20 素材
22 素材用ICタグ
40 商品
42 商品用ICタグ
50 通信網
100 読取書込装置
110 ICタグ読取部
120 読取情報送信部
130 書込情報受信部
140 ICタグ書込部
200 店舗端末
210 読取情報受信部
220 情報送信部
230 書込情報受信部
240 書込情報送信部
250 商品識別情報入力部
260 警告処理部
300 素材管理サーバ
310 入荷時処理部
312 入荷時受信部
314 入荷期間読出部
316 入荷期間記憶部
318 入荷判断部
320 素材情報記憶部
330 調理時処理部
332 調理時情報受信部
336 調理期間読出部
338 調理期間記憶部
340 調理判断部
342 商品情報記憶部
344 問題個体入力部
348 問題個体記憶部
360 販売時処理部
362 販売時情報受信部
364 商品情報読出部
365 残存期間算出部
366 賞味期間記憶部
368 販売判断部
400 読取書込装置
420 出荷端末
500 ゲートウェイサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理済食品としての商品を製造して販売する店舗で使用される素材を管理する素材管理システムであって、
前記素材には、前記素材の品目を特定する素材識別情報を特定するために用いられる品目特定用情報、及び前記素材の製造日時を特定するために用いられる出荷特定用情報を記憶している素材用ICタグが割り振られており、
前記素材の前記品目別に、製造されてから調理してよい期間を示す調理可能期間と前記素材識別情報を互いに対応付けて記憶する調理期間記憶手段と、
前記店舗に設置されており、前記素材を調理するときに、前記素材用ICタグから前記品目特定用情報及び前記出荷特定用情報を読み取る調理時情報読取手段と、
前記調理期間記憶手段から、前記調理時情報読取手段が読み取った前記品目特定用情報に対応する前記素材識別情報に対応する前記調理可能期間を読み出す調理期間読出手段と、
前記調理期間読出手段が読み出した前記調理可能期間と、前記出荷特定用情報に対応する前記製造日時と現在日時の差分とから、前記素材を調理してよいか否かを判断する調理判断手段と、
を備える素材管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の素材管理システムにおいて、
前記品目特定用情報は、前記素材識別情報である素材管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の素材管理システムにおいて、
前記品目特定用情報は、前記素材用ICタグに割り振られたICタグ識別情報であり、
前記ICタグ識別情報それぞれごとに前記素材識別情報を記憶している素材情報記憶手段と、
前記調理時情報読取手段が読み取った前記ICタグ識別情報に対応する前記素材識別情報を、前記素材情報記憶手段から読み出す素材識別情報読出手段と、
を備え、
前記調理期間読出手段は、前記素材識別情報読出手段が読み出した前記素材識別情報に対応する前記調理可能期間を前記調理期間記憶手段から読み出す素材管理システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つに記載の素材管理システムにおいて、
前記出荷特定用情報は、前記製造日時である素材管理システム。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一つに記載の素材管理システムにおいて、
前記品目特定用情報は、前記素材用ICタグに割り振られたICタグ識別情報であり、
前記ICタグ識別情報それぞれごとに前記製造日時を記憶している製造日時記憶手段と、
前記調理時情報読取手段が読み取った前記ICタグ識別情報に対応する前記製造日時を前記製造日時記憶手段から読み出す製造日時読出手段と、
を備える素材管理システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一つに記載の素材管理システムにおいて、
前記素材の前記品目別に、製造されてから前記店舗に入荷してよい期間を示す入荷可能期間と前記素材識別情報を互いに対応付けて記憶する入荷期間記憶手段と、
前記店舗に設置されており、前記素材の入荷時に、前記素材用ICタグから、前記品目特定用情報及び前記出荷特定用情報を読み取る入荷時情報読取手段と、
前記入荷期間記憶手段から、前記入荷時情報読取手段が読み取った前記品目特定用情報に対応する前記素材識別情報に対応する前記入荷可能期間を読み出す入荷期間読出手段と、
前記入荷期間読出手段が読み出した前記入荷可能期間と、前記出荷特定用情報に対応する前記製造日時と現在日時の差分とから、前記素材を入荷してよいか否かを判断する入荷判断手段と、
をさらに備える素材管理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の素材管理システムにおいて、
前記素材の入荷日時を前記素材用ICタグに書き込む入荷日時書込手段をさらに備える素材管理システム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一つに記載の素材管理システムにおいて、
前記品目特定用情報は、さらに前記素材の個体を識別する素材個体識別情報を特定し、
問題があった前記素材の前記素材個体識別情報が入力される問題個体入力手段を備え、
前記調理判断手段は、前記調理時情報読取手段が読み取った前記品目特定用情報が、前記問題個体入力手段に入力された前記素材個体識別情報に対応するとき、前記素材の調理を禁止する処理を行う素材管理システム。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一つに記載の素材管理システムにおいて、
前記商品が製造されたときに、前記商品の個体を識別する商品個体識別情報を取得する商品個体識別情報取得手段と、
前記商品個体識別情報取得手段が取得した前記商品個体識別情報を、前記商品の製造に用いられた前記素材の前記素材個体識別情報に対応付けて記憶する商品個体情報記憶手段と、
問題があった前記素材の前記素材個体識別情報が入力される問題個体入力手段と、
前記商品個体情報記憶手段において、前記問題個体入力手段に入力された前記素材個体識別情報に対応している前記商品個体識別情報を販売禁止にする販売判断手段と、
をさらに備える素材管理システム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一つに記載の素材管理システムにおいて、
前記商品の品目別に、前記商品の賞味期間と前記商品の品目を示す商品識別情報とを互いに対応付けて記憶する賞味期間記憶手段と、
前記店舗に設置されており、前記商品用ICタグに、前記商品が製造された製造日時を書き込む製造日時書込手段と、
前記商品の販売時に、前記商品用ICタグから前記製造日時を読み取る販売時情報読取手段と、
前記商品の販売時に、前記商品の品目を示す商品識別情報を取得する商品識別情報取得手段と、
前記商品識別情報取得手段が取得した前記商品識別情報に対応する前記賞味期間を前記賞味期間記憶手段から読み出し、読み出した前記賞味期間が、前記製造日時と現在時刻の差分より短いときに、前記商品の販売を許可しない賞味期間判断手段と、
をさらに備える素材管理システム。
【請求項11】
請求項10に記載の素材管理システムにおいて、
前記製造日時書込手段及び前記調理時情報読取手段は、一台の端末である素材管理システム。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれか一つに記載の素材管理システムにおいて、
前記商品の品目別に、前記商品の賞味期間と前記商品の品目を示す商品識別情報とを互いに対応付けて記憶する賞味期間記憶手段と、
前記商品が製造された製造日時を前記商品の個体を識別する商品個体識別情報に対応付けて取得し、取得した前記製造日時を取得した前記商品個体識別情報に対応付けて記憶する商品個体記憶手段と、
商品販売時に前記商品個体識別情報を取得する販売時情報取得手段と、
前記販売時情報取得手段が取得した前記商品個体識別情報に対応する前記製造日時及び前記商品識別情報を前記商品個体記憶手段から読み出す商品情報読出手段と、
前記商品情報読出手段が読み出した前記商品識別情報に対応する前記賞味期間を前記賞味期間記憶手段から読み出し、読み出した前記賞味期間が、前記商品情報読出手段が読み出した前記製造日時と現在時刻の差分より短いときに、前記商品の販売を許可しない賞味期間判断手段と、
をさらに備える素材管理システム。
【請求項13】
請求項10〜12のいずれか一つに記載の素材管理システムにおいて、
前記素材の前記調理可能期間から、前記商品の製造日時と前記素材の製造日時の差分を引いた期間である残存期間を算出する残存期間算出手段をさらに備え、
前記賞味期間判断手段は、前記残存期間が予め定められた値以下のときに、前記賞味期間を予め定められた期間短くして処理を行う素材管理システム。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一つに記載の素材管理システムにおいて、
前記素材用ICタグはRFID(Radio Frequency Identification)である素材管理システム。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一つに記載の素材管理システムにおいて、
前記店舗に設置される店舗端末と、
前記店舗とは異なる場所に設置され、通信網を介して前記店舗端末に接続するサーバと、
を備え、
前記店舗端末は、前記情報読取手段を有しており、
前記サーバは、前記調理期間記憶手段、前記調理期間読出手段、及び前記調理判断手段を有している素材管理システム。
【請求項16】
調理済食品としての商品を製造して販売する店舗で使用される素材を管理する素材管理サーバであって、
前記素材には、前記素材の品目を示す素材識別情報、及び前記素材の製造日時を特定するために用いられる出荷特定用情報を記憶している素材用ICタグが割り振られており、
前記素材が調理されるときに、前記店舗に設置された店舗端末から、前記素材用ICタグが記憶している前記素材識別情報及び前記出荷特定用情報を受信する調理時情報受信手段と、
前記素材の前記品目別に、製造されてから調理してよい期間を示す調理可能期間と前記素材識別情報を互いに対応付けて記憶する調理期間記憶手段と、
前記調理期間記憶手段から、前記調理時情報読取手段が読み取った前記素材識別情報に対応する前記調理可能期間を読み出す調理期間読出手段と、
前記調理期間読出手段が読み出した前記調理可能期間と、前記出荷特定用情報に対応する製造日時と現在日時の差分とから、前記素材を調理してよいか否かを判断する調理判断手段と、
前記調理判断手段の判断結果を前記店舗端末に送信する判断結果送信手段と、
を備える素材管理サーバ。
【請求項17】
調理済食品としての商品を製造して販売する店舗で使用される素材を管理する素材管理方法であって、
前記素材に、前記素材の品目を特定する素材識別情報を特定するために用いられる品目特定用情報、及び前記素材の製造日時を特定するために用いられる出荷特定用情報を記憶している素材用ICタグを割り振り、
前記素材の前記品目別に、製造されてから調理してよい期間を示す調理可能期間と前記素材識別情報を互いに対応付けて記憶する調理期間記憶手段をコンピュータに設け、
前記素材が調理されるときに、前記店舗に設置されている読取装置が、前記素材用ICタグから前記品目特定用情報及び前記出荷特定用情報を読み取り、
前記コンピュータが、前記調理期間記憶手段から、前記読取装置が読み取った前記品目特定用情報に対応する前記素材識別情報に対応する前記調理可能期間を読み出し、
前記コンピュータが、読み出した前記調理可能期間と、前記出荷特定用情報に対応する製造日時と現在日時の差分とから、前記素材を調理してよいか否かを判断する素材管理方法。
【請求項18】
コンピュータを、調理済食品としての商品を製造して販売する店舗で使用される素材を管理する素材管理サーバとして機能させるプログラムであって、
前記素材には、前記素材の品目を特定する素材識別情報を特定するために用いられる品目特定用情報、及び前記素材の製造日時を特定するために用いられる出荷特定用情報を記憶している素材用ICタグが割り振られており、
前記素材が調理されるときに、前記店舗に設置された店舗端末から、前記素材用ICタグが記憶している前記品目特定用情報及び前記出荷特定用情報を受信する機能と、
前記素材の前記品目別に、製造されてから調理してよい期間を示す調理可能期間と前記素材識別情報を互いに対応付けて記憶する機能と、
前記店舗端末から受信した前記品目特定用情報に対応する前記素材識別情報に対応する前記調理可能期間を読み出す機能と、
読み出した前記調理可能期間と、前記出荷特定用情報に対応する製造日時と現在日時の差分とから、前記素材を調理してよいか否かを判断する機能と、
前記素材を調理してよいか否かの判断結果を前記店舗端末に送信する機能と、
を実現させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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