説明

紡糸巻取機

【課題】例えば巻取機に対する糸条のセットなど、一階で行われる作業を容易とすることができる技術を提供する。
【解決手段】紡糸巻取機1は、二階に配され、糸条Yを紡糸する紡糸部2と、前記紡糸部2によって紡糸された上記糸条Yを前記紡糸部2から引き取る引取部3と、一階に配され、前記引取部3によって引き取られた上記糸条Yを巻き取る巻取部4と、を備える。前記引取部3を紡糸部2と同じ上記の二階に配した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紡糸巻取機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術として特許文献1(特開平6−212509号公報)は、一般的な紡糸システムを開示する。即ち、通常、押出機からの化合繊原料を紡糸する場合の機器配置に関しては、押出機や紡糸機は二階に配置し、ゴデットローラは一階と二階の間の中二階に配され、巻取機は一階に配置するようになっており、二階建てのプラントが採用されている。この構成で、化合繊の材料となる化合繊原料が押出機により押し出された後、紡糸機に備えられた紡出ノズル等を経由してクエンチボックスで冷やされて紡糸され、下階へと引き出される。そして、紡糸は、ゴデットローラにより引き取られ、巻取機によってパッケージとして巻き取られるようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記特許文献1の構成では、ゴデットローラが配置される上記の中二階の存在により、例えば巻取機に対して上記糸条をセットする作業など、一階の作業が一人作業では行えず、そのため、一階には複数の作業員を配置する必要があった。
【0004】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、例えば巻取機に対する糸条のセットなど、巻取機が配置される階で行われる作業を容易とすることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0005】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0006】
本願発明の観点によれば、以下のように構成される、紡糸巻取機が提供される。即ち、紡糸巻取機は、糸条を紡糸する紡糸部と、前記紡糸部によって紡糸された上記糸条を前記紡糸部から引き取る引取部と、前記紡糸部の階下に配され、前記引取部によって引き取られた上記糸条を巻き取る巻取部と、を備える。前記引取部を前記紡糸部と同じ階に配した。以上の構成によれば、特許文献1に記載の中二階の存在が不要となるので、前記巻取機が配置される階により大きなスペースが生まれ、もって、例えば前記巻取部に対する上記糸条のセットなど、前記巻取機が配置される階で行われる作業を容易とすることができる。また、上記中二階の存在が不要となるので、中二階における作業を専門に担う作業員を削減できると共に、前記巻取機が配置される階の天井高さを低くして前記巻取機が配置される階の空調費を節約することができる。
【0007】
上記の紡糸巻取機は、更に、以下のように構成される。即ち、前記引取部は、前記紡糸部によって紡糸された上記糸条の夫々に対して一対で設けられる複数の引取ローラ対から構成される。このように、前記引取部を、上記糸条の夫々に対して一対で設けられる複数の引取ローラ対から構成したことで、上記特許文献1の構成と比較して、前記引取部に対する上記糸条の糸掛け作業が容易となる。
【0008】
上記の紡糸巻取機は、更に、以下のように構成される。即ち、各引取ローラ対には、各引取ローラ対を構成する一対の引取ローラのうち少なくとも何れか一方を、上記糸条を屈曲する進出状態と、上記糸条から離間した退避状態と、の間で切り替えるローラ進退手段が設けられる。前記ローラ進退手段によって前記引取ローラが上記進出状態となっているとき、前記引取ローラ対は上記糸条を引き取り可能となる。以上の構成で、各引取ローラ対に対して上記糸条を糸掛けするには、先ず、前記ローラ進退手段を用いて前記引取ローラ対を上記退避状態とする。この状態で、前記紡糸部から上記糸条を引き出して、前記巻取部に上記糸条をセットする。次いで、前記ローラ進退手段を用いて前記引取ローラ対を上記進出状態とする。これにより、前記引取ローラ対が上記糸条を屈曲させることで、上記糸条が前記引取ローラ対に糸掛けされた状態となり、上記糸条を引き取り可能な状態となる。このように、上記の構成によれば、前記各引取ローラ対に対する上記糸条の糸掛け作業が前記ローラ進退手段による前記各引取ローラ対の進退運動によって行われるので、作業員の作業が少なくなり、作業員の負担を軽減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
<第一実施形態>
以下、図面を参照しつつ、本願発明の第一実施形態を説明する。図1は、本願発明の第一実施形態に係る紡糸巻取機の外観図である。
【0010】
図1に示されるように、本実施形態に係る紡糸巻取機1は、糸条Yを紡糸する紡糸部2と、この紡糸部2によって紡糸された上記糸条Yを紡糸部2から引き取る引取部3と、引取部3によって引き取られた上記糸条Yを巻き取る巻取部4と、を主たる構成として備える。そして、上記の紡糸部2や引取部3、巻取部4は、支持フレーム5に支持される。この支持フレーム5は、1階の床面を形成する1階床部6と、この1階床部6から鉛直に延びる複数の支柱7と、この支柱7の延在方向中央に固定され、2階の床面を形成する2階床部8と、支柱7の上端に固定され、2階の天井面を形成する2階天井部9と、から構成される。この構成で、「1階」は1階床部6と2階床部8との間に形成される空間を意味し、「2階」は2階床部8と2階天井部9との間に形成される空間を意味する。そして、上記の紡糸部2は2階に配され、巻取部4は1階に配される。換言すれば、巻取部4は、紡糸部2の階下に配される。このように紡糸部2と巻取部4とを2階床部8を隔てて配置することによって、紡糸部2で発生した熱が巻取部4へ伝わり難いようになっている。
【0011】
上記の紡糸部2は、図略のホッパー及び押出装置と、紡糸口金10を備えるスピニングビーム11と、クエンチボックス12と、を主たる構成として備え、上記の2階天井部9に固定される。この構成で、ホッパーに投入された化学合成繊維の原料は押出装置内で溶融され、溶融状態の原料がスピニングビーム11に押し出され、紡糸口金10から吐出される。そして、紡糸口金10から吐出されたフィラメントがクエンチボックス12で冷却固化されて、糸条Yが形成される。
【0012】
上記の引取部3は、2階に配される。具体的には、引取部3は、2階床部8の上面に立設される引取支持体13に支持される。この引取支持体13には、引取部3の他に、オイリング装置14と、糸道規制ガイド15と、が設けられる。これら、引取支持体13と、引取部3と、オイリング装置14、糸道規制ガイド15と、から成る構成は、図1(b)に示されるように、上記各糸条Yの夫々に対して、個別に、独立して、設けられる。
【0013】
上記のオイリング装置14は、クエンチボックス12の下流側直下に配置され、クエンチボックス12から送出される上記糸条Yに対して油剤を供給する。
【0014】
上記の引取部3は、オイリング装置14の下流側直下に配置され、前述したように、紡糸部2によって紡糸された上記糸条Yを紡糸部2から引き取る。この引取部3は、図3(b)に示されるように、上記糸条Yの糸道の上流側に配される第一ゴデットローラ16と、上記糸条Yの糸道の下流側に配される第二ゴデットローラ17と、を主たる構成として備える。これら第一ゴデットローラ16及び第二ゴデットローラ17は、何れも、前述の引取支持体13に対して回転自在に軸支されると共に、φ30〜50mm程度の小径であって、図略の駆動モータによって所望の回転数で回転可能に構成される。更に、第一ゴデットローラ16と第二ゴデットローラ17から成る引取ローラ対18には、第一ゴデットローラ16及び第二ゴデットローラ17を、進出状態と退避状態と、の間で切り替えるソレノイド式アクチュエータ19(ローラ進退手段)が設けられる。詳しくは、上記の第一ゴデットローラ16と第二ゴデットローラ17は、何れも、上記糸条Yの糸道から退避する方向に平行移動可能に構成される。本実施形態では、上記の第一ゴデットローラ16と第二ゴデットローラ17は、何れも、上記糸条Yの糸道に対して垂直な方向に平行移動可能に構成される。この第一ゴデットローラ16は、図3(a)で示される退避位置16aと、図3(b)で示される進出位置16bと、の間で行き来できるようになっている。そして、第一ゴデットローラ16は、退避位置16aに位置する状態、即ち退避状態にあるとき、上記糸条Yから離間し、進出位置16bに位置する状態、即ち進出状態にあるとき、上記糸条Yを屈曲する。同様に、第二ゴデットローラ17は、図3(a)で示される退避位置17aと、図3(b)で示される進出位置17bと、の間で行き来できるようになっている。そして、第二ゴデットローラ17は、退避位置17aに位置する状態、即ち退避状態にあるとき、上記糸条Yから離間し、進出位置17bに位置する状態、即ち進出状態にあるとき、上記糸条Yを屈曲する。そして、第一ゴデットローラ16と第二ゴデットローラ17とが共に上記進出状態となったとき、引取ローラ対18は、上記糸条Yに対して強力に摩擦接触し、もって、上記糸条Yを引き取り可能となる。
【0015】
上記の糸道規制ガイド15は、引取部3の下流側に配され、引取部3から送出された上記糸条Yの糸道を規制する。
【0016】
巻取部4は、巻取部4の本体20の側面に回転自在に取り付けられたタレット円盤21と、このタレット円盤21から水平方向に突出し、図略の誘導モータで駆動される2本のボビンホルダ22と、トラバース装置23と、コンタクトローラ24と、を主たる構成として備える。本実施形態において上記ボビンホルダ22には、図略のテイクアップボビンが複数個(本実施形態では、10個)、取り付け可能となっている。そして、ボビンホルダ22に取り付けられた各テイクアップボビンの上流側には、テイクアップボビンに対する上記糸条Yの綾振の支点となる綾振支点ガイド25が設けられる。本実施形態に係る紡糸巻取機1は、ボビンホルダ22の突設方向と、引取部3の並設方向と、は平面視で直角となるようにレイアウトされる。即ち、各糸道規制ガイド15から送出された複数の糸条Yは、巨視的に見れば、平面視で90度、捩じられた上で巻取部4に至るようになっている。この構成で、糸道規制ガイド15から送出された上記各糸条Yは、綾振支点ガイド25を支点としてトラバース装置23によって綾振られながら、図略の駆動源によって回転されるコンタクトローラ24との接触によって所定方向に回転するテイクアップボビン上に巻き取られ、もって、テイクアップボビン上には、所定形状及び所定径のパッケージPが形成される。
【0017】
次に、上記紡糸部2で紡糸される上記糸条Yの、引取ローラ対18に対する、糸掛け作業を説明する。
【0018】
先ず、2階に配置された作業員は、ソレノイド式アクチュエータ19を用いて引取ローラ対18を図3(a)に示される退避状態とする。この退避状態では、第一ゴデットローラ16と第二ゴデットローラ17とは平面視で離間している。この状態で、上記作業員は、糸条Yを吸引保持する所謂サクションガンを用いて紡糸部2から糸条Yを引き出して、糸条Yを、オイリング装置14と引取ローラ対18と糸道規制ガイド15とに順にセットする。ここで、引取ローラ対18に対する糸条Yのセットとは、上述したように平面視で離間する第一ゴデットローラ16と第二ゴデットローラ17との間に単に糸条Yを挿入するだけの作業を意味する。次に、上記作業員は、糸道規制ガイド15にセットした上記糸条Yを、2階床部8に穿設した図略の孔内へ落下させる。
【0019】
一方、1階に配置された作業員は、上記孔を通過した上記糸条Yをサクションガンを用いて吸引保持して更に引き出し、巻取部4に上記糸条Yをセットする。その後、2階の作業員は、ソレノイド式アクチュエータ19を用いて引取ローラ対18を図3(b)に示される進出状態とする。これにより、引取ローラ対18は上記糸条Yを略S字状に屈曲させることで、引取ローラ対18と上記糸条Yとが相対的に滑らないように上記糸条Yが引取ローラ対18に対して糸掛けされ、もって、引取部3は上記糸条Yを引き取り可能な状態となる。
【0020】
(まとめ)
(請求項1)
以上説明したように本実施形態において、紡糸巻取機1は、以下のように構成される。即ち、紡糸巻取機1は、二階に配され、糸条Yを紡糸する紡糸部2と、前記紡糸部2によって紡糸された上記糸条Yを前記紡糸部2から引き取る引取部3と、一階に配され、前記引取部3によって引き取られた上記糸条Yを巻き取る巻取部4と、を備える。前記引取部3を前記二階に配した。以上の構成によれば、特許文献1に記載の中二階の存在が不要となるので、一階により大きなスペースが生まれ、もって、例えば前記巻取部4に対する上記糸条Yのセットなど、一階で行われる作業を容易とすることができる。また、上記中二階の存在が不要となるので、中二階における作業を専門に担う作業員を削減できると共に、一階の天井高さを低くして一階の空調費を節約することができる。
【0021】
また、引取部3が2階に配されることにより、引取部3と巻取部4との距離が長くなり、もって、糸条Yの、綾振支点ガイド25における屈曲角が緩和される。この屈曲角の緩和は、糸条Yの品質向上に寄与する。
【0022】
なお、上記実施形態では、紡糸部2が2階に配されて巻取部4が1階に配される場合について説明したが、紡糸部2が3階に配され巻取部4が2階に配される場合も考えられる。この場合、上述した実施形態に開示された技術思想によれば、前記の引取部3は、紡糸部2と同じ3階に配されることとなる。この場合でも、上記実施形態によって実現された優れた効果は十分に発揮される。
【0023】
(請求項2)
上記の紡糸巻取機1は、更に、以下のように構成される。即ち、前記引取部3は、前記紡糸部2によって紡糸された上記糸条Yの夫々に対して一対で設けられる複数の引取ローラ対18から構成される。このように、前記引取部3を、上記糸条Yの夫々に対して一対で設けられる複数の引取ローラ対18から構成したことで、上記特許文献1の構成と比較して、前記引取部3に対する上記糸条Yの糸掛け作業が容易となる。というのは、上記実施形態と異なり、一対の引取ローラに対して複数の糸条Yを一括して糸掛けする場合は、一旦、糸条Yを集めて2〜10mmピッチの糸道を形成した後に、再び、糸条Yを巻取部4への導入ピッチに広げなければならないという煩雑な作業が必要となるからである。又、糸道導入のガイド構成も煩雑になる。
【0024】
なお、上記実施形態では、従来と比較して極めて小径の第一ゴデットローラ16、第二ゴデットローラ17を採用している。この小径は、引取ローラ対18が引き取る糸条Yが複数ではなく一本だからこそ実現できるものであり、引取ローラ対18をこのように構成することで、2階のスペースを節約できると共に、2階天井部9の天井高さの抑制に寄与する。
【0025】
(請求項3)
上記の紡糸巻取機1は、更に、以下のように構成される。即ち、各引取ローラ対18には、引取ローラ対18を構成する第一ゴデットローラ16と第二ゴデットローラ17を、上記糸条Yを屈曲する進出状態と、上記糸条Yから離間した退避状態と、の間で切り替えるソレノイド式アクチュエータ19(ローラ進退手段)が設けられる。ソレノイド式アクチュエータ19によって第一ゴデットローラ16、第二ゴデットローラ17が上記進出状態となっているとき、前記引取ローラ対18は上記糸条Yを引き取り可能となる。以上の構成で、各引取ローラ対18に対して上記糸条Yを糸掛けするには、先ず、ソレノイド式アクチュエータ19を用いて前記引取ローラ対18を上記退避状態とする。この状態で、前記紡糸部2から上記糸条Yを引き出して、前記巻取部4に上記糸条Yをセットする。次いで、ソレノイド式アクチュエータ19を用いて前記引取ローラ対18を上記進出状態とする。これにより、前記引取ローラ対18が上記糸条Yを屈曲させることで、上記糸条Yが前記引取ローラ対18に糸掛けされた状態となり、上記糸条Yを引き取り可能な状態となる。このように、上記の構成によれば、前記各引取ローラ対18に対する上記糸条Yの糸掛け作業がソレノイド式アクチュエータ19による前記各引取ローラ対18の進退運動によって行われるので、作業員の作業が少なくなり、作業員の負担を軽減できる。
【0026】
以上に本発明の好適な実施形態を説明したが、上記の実施形態は以下のように変更して実施することができる。
【0027】
即ち、例えば、上記実施形態では、引取ローラ対18を構成する第一ゴデットローラ16及び第二ゴデットローラ17の何れもが、上記ソレノイド式アクチュエータ19によって糸条Yに対して進退するように構成したが、これに代えて、引取ローラ対18を構成する第一ゴデットローラ16と第二ゴデットローラ17のうち何れか一方のみを糸条Yに対して進退するように構成してもよい。
【0028】
また、上記実施形態のソレノイド式アクチュエータ19に代えて、ラックアンドピニオン機構や空気式又は油圧式シリンダを採用することができる。
【0029】
また、糸条Yに対して交絡を付与する必要がある場合は、例えば、1階であって、巻取部4の上流側近傍に交絡装置を設ければよい。この交絡装置は、更に、巻取部4の上流側近傍に配置することに代えて、糸道規制ガイド15の下流側直下に配置するレイアウトも採用することができる。
【0030】
また、上記実施形態において、上記の紡糸部2や引取部3、巻取部4は、支持フレーム5に支持されるとしたが、これに代えて、上記支持フレーム5を省略し、上記の紡糸部2や引取部3、巻取部4を建屋の構成に直接、補助材を用いて取り付けてもよい。
【0031】
また、上記実施形態において、第一ゴデットローラ16は図略の駆動モータによって駆動し、第二ゴデットローラ17は他の図略の駆動モータによって駆動することとしたが、これに代えて、第一ゴデットローラ16と第二ゴデットローラ17は、単一の駆動モータと、この駆動モータの動力を第一ゴデットローラ16と第二ゴデットローラ17へと伝動する動力伝動装置(例えば動力伝動用ベルトとプーリを用いた構成)と、を用いて一括して駆動することとしてもよい。更に、複数の第一ゴデットローラ16は、単一の駆動モータと動力伝動装置を用いて一括して駆動することとしてもよい。第二ゴデットローラ17についても同様である。
【0032】
<第二実施形態>
次に、図2を参照しつつ、本願発明の第二実施形態を説明する。図2は、図1に類似する図であって、本願発明の第二実施形態に係る紡糸巻取機の外観図である。以下、本実施形態が上記第一実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する記載は適宜に割愛する。
【0033】
上記第一実施形態において、引取部3の並設方向と、ボビンホルダ22の突設方向と、は平面視で直角となるレイアウトが採用された。これに対し、本実施形態では、引取部3の並設方向と、ボビンホルダ22の突設方向と、は平面視で平行となるレイアウトが採用される。これによれば、複数の糸条Yの糸道が互いに平行を維持したまま紡糸部2から巻取部4に至ることとなり、上記第一実施形態と比較して、糸条Yの糸道が簡素である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本願発明の第一実施形態に係る紡糸巻取機の外観図
【図2】図1に類似する図であって、本願発明の第二実施形態に係る紡糸巻取機の外観図
【図3】引取部の動作説明図
【符号の説明】
【0035】
1 紡糸巻取機
2 紡糸部
3 引取部
4 巻取部
Y 糸条

【特許請求の範囲】
【請求項1】
糸条を紡糸する紡糸部と、
前記紡糸部によって紡糸された上記糸条を前記紡糸部から引き取る引取部と、
前記紡糸部の階下に配され、前記引取部によって引き取られた上記糸条を巻き取る巻取部と、
を備える紡糸巻取機であって、
前記引取部を前記紡糸部と同じ階に配した、
紡糸巻取機。
【請求項2】
請求項1に記載の紡糸巻取機であって、
前記引取部は、前記紡糸部によって紡糸された上記糸条の夫々に対して一対で設けられる複数の引取ローラ対から構成される、
紡糸巻取機。
【請求項3】
請求項2に記載の紡糸巻取機であって、
各引取ローラ対には、各引取ローラ対を構成する一対の引取ローラのうち少なくとも何れか一方を、上記糸条を屈曲する進出状態と、上記糸条から離間した退避状態と、の間で切り替えるローラ進退手段が設けられ、
前記ローラ進退手段によって前記引取ローラが上記進出状態となっているとき、前記引取ローラ対は上記糸条を引き取り可能となる、
紡糸巻取機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−111959(P2010−111959A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−284064(P2008−284064)
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【出願人】(502455511)TMTマシナリー株式会社 (91)
【Fターム(参考)】