説明

細い均一な試薬ストリップの製造方法およびその試薬

本発明は、テストストリップの製造工程での平面支持材のスロットダイコーティングに使用され得る試薬被覆質量に関する。有利には、本発明の試薬質量は、粘着性、表面張力およびチクソ性など優れた流動性を示す。試薬質量は、好ましくは薄く細幅で均質の試薬材料を平面なウェブ材に被覆するために使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2003年6月20日にファイルされた米国仮特許出願連続番号60/480397に対して、優先権を請求するものである。本出願は、「試験ストリップ用試薬の縞」(以下「試薬の縞出願」とする)という名称で、かつ同日付でファイルされまた完全を期するために参照としてここに併合した、同一出願人による出願に関するものである。
[技術分野]
本発明は、一般的には、バイオセンサーあるいは試験ストリップに使用される試薬に関するものであり、またさらに詳しくは、試験ストリップの平坦な表面上への、細い均一な縞の製造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
過去の電気化学的バイオセンサーにおいて、試薬を試験ストリップに用いる多数の方法が、スクリーン印刷プロセスなどの印刷技術あるいは、液体試薬を用いて続いて乾燥するという調剤技術により、従来は主として製造されてきた(たとえば、米国特許第5437999号明細書および国際公開第97/02487号パンフレットなどを参照のこと)。いわゆる「毛細管充填」試験ストリップに関連しては、ロッシュ社の「診断薬アキュチェック(登録商標)」の製造におけるように、これらの調剤方法が、成功裏に採用されてきた。これらの技術により、信頼性のある電気化学的バイオセンサーの製造が、可能であったが、高収率の生産ラインには不向きである。さらに、これらの調剤技術は、試薬の不均一な乾燥という不利な点が、悩みであり、被覆される電極面積に亘り、不均一な試薬の厚みを生じている。勿論、上記の技術は、きわめて薄い(10μm以下)試薬層の信頼性のあるまた再現性のある製造には不適当である。このため、より改良された試薬の適用法に対するニーズがある。
【0003】
平坦な基板上への試薬組成物のブレード塗付は、たとえば、透明なポリマー基板上に塗付される試薬フィルムの製造に提案され、かつ巧く使用されてきた(たとえば、米国特許第5437999号明細書および第6036919号明細書)。通常、数センチメーターから数メータの幅のフィルムは、この方法により製造できる。試験ストリップの製造のためには、このように作られた試薬層を、小さな縞に裁断し、試験ストリップ基板に適用できる。試薬の塊のブレード塗付は、フィルムの中央部分は、厚さは均一であるが、乾燥効果および末端効果によると信じられている不均一性が、塗付面積の端においては、見出されるという不利な点をもっている。これらの不均一性は、もし試薬の広いバンドが、基板上に塗付されるなら、塗膜の不均一な端の部分を、末端切り取り整備で、切り捨てられるから、受け入れ可能であるが、これらの不均一性は、塗布される試薬の縞が、さらに小さくかつ細くなるにしたがって、ますます受け入れ難くなる。
【0004】
国際公開第02/057781号パンフレットは、膜材料から試薬ストリップを製造する方法を提案している。その他のもののうち、支持担体で支持されるかあるいは支持されない試薬材料を置くことにより、試薬材料をストリップ支持材料に用いることを開示している。
【0005】
米国特許出願公開第200300978号明細書、米国特許出願公開第20030099773号明細書、米国特許第6676995号明細書および同第6689411号明細書、欧州特許第1316367号明細書は、基板上に試薬溶液の縞を置くための溶液ストリップシステムを開示している。このシステムによれば、試薬溶液、たとえば、溶液の粘度が、0.5から25センチポイズ(cP=mPa−s)程度の低いものを、膜材料たとえば電気化学的グルコースセンサーに、スロット・ダイ塗布できる。
【0006】
米国特許第3032008号明細書、同第3886898号明細書および同第4106437号明細書は、固体の支持体上に液体材料を塗付するために有用な塗付装置を教示している。
【0007】
米国特許第6036919号明細書は、血液グルコース光学試験ストリップ用の試薬フィルムを開示している。試薬組成物は、他のもののうち、キサンタンガムを含んでいる。
【0008】
米国特許出願公開第20030146113号明細書は、電気化学的凝集センサー用の試薬フィルムを開示している。この試薬組成物は、他のもののうち、膜形成剤として、カルボキシル化微結晶セルロース(アヴィセル(登録商標)591)を含んでいる。
【0009】
試験ストリップ、特に電気化学的試験ストリップを製造するために、細い(たとえば、1cm未満)、薄い(たとえば、10μm未満)かつ均一な試薬の縞を、固体の支持体上に形成させる信頼性のある方法に対するニーズを満足させるものは、以上の文献のうち、いずれも無かった。
【発明の開示】
【0010】
したがって、本発明の目的は、平坦な表面たとえば、膜材料さらに特別には、電気化学的バイオセンサー試験ストリップの電極領域上へ、きわめて細い、薄い均一な試薬ラインあるいは縞を形成できる方法および対応する試薬組成物を提供することを目的とする。
【0011】
本目的は、薄い均一な試薬の縞用スロット・ダイ塗布プロセス用の試薬に関する本発明により、達成される。
【0012】
第1の態様において、本発明は、せん断欠乏性のやや揺変性あるいは揺変性性質を示す試薬組成物に関するものである。
【0013】
第2の態様において、本発明は、せん断欠乏性のやや揺変性あるいは揺変性性質を示す試薬組成物を、スロット・ダイ塗布プロセスを用いて、膜材料上に塗付する方法に関するものである。
【0014】
さらなる態様において、本発明は、せん断欠乏性のやや揺変性あるいは揺変性性質を示す試薬からなる分析テストエレメントに関するものである。
【0015】
さらなる他の態様において、本発明は、せん断欠乏性でかつ少なくともやや揺変性ある試薬組成物に関するものである。本発明は、分析テストエレメントおよびせん断欠乏性のやや揺変性あるいは揺変性性質を示す試薬組成物を使用することを含む分析テストエレメントの製作方法にも関している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の原理の理解を促進する目的ために、ここに説明する具体的な実施の態様を参照し、また同じことを記述するために、特定の言葉を使用するものとする。にもかかわらず、本発明の範囲は、それにより制限を受けないものと理解されるものとする。記述されたプロセスあるいは装置および以下記述する本発明の原理のさらなる応用における修正および変更のいかなるものも、本発明の関係する当業者に通常起こりうるものとして、見なされる。本発明の好ましい実施の態様は、個々の独立クレームの課題である。
【0017】
本発明の試薬組成物は、せん断欠乏性のやや揺変性あるいは揺変性である。揺変性試薬組成物は、外部のせん断力が、試薬組成物に加えられたか、あるいは加えられないことに依存したレオロジー性質を示す試薬組成物のことである。せん断欠乏性の試薬組成物とは、せん断力が、試薬組成物に印加されたとき、より欠乏性になる、すなわち低粘度になる試薬組成物のことである。一般的に、本発明の試薬組成物に、せん断力を印加する前に、この組成物は、ある程度の粘度をもっている。せん断力が、組成物に印加されると、粘度は、減少する。もし粘度が、せん断力を停止後時間の経過と共に、再び増加すると、この試薬組成物は、「せん断欠乏性」であると見なすものとする。もし粘度が、せん断力を停止後ある遅延と共にのみ、増加すると、この試薬組成物は、「揺変性」であると見なすものとする。
【0018】
揺変性は、擬可塑性の特別な場合である。揺変性流体は、「せん断欠乏性」を経過する。しかし、せん断力が、減少すると、粘度が、再構築され、ゆっくりと増加し、かくして、ヒステリシスループを形成する。やや揺変性流体は、明白なヒステリシスがより少ない。さらに、揺変性性質は、検討中の材料のせん断履歴により、かなり影響を受ける。比較測定においては、比較するべきサンプルの同一あるいは少なくとも大変類似した履歴のものであることを確かめることに、注意を払うべきである。
【0019】
本発明の試薬組成物は、スロット・ダイ塗布プロセスにおいて、有用である。スロット・ダイ塗布のあいだに、流体試薬組成物は、スロット・ダイ塗布ヘッドのスロットを経由して、固体基板、好ましくは、膜材料の形体である基板に、試薬液体あるいはスラリーを推し進めることにより、適用される。通常は、膜材料は、ある速度をもって、ある距離にあるスロットを通過する。しかし、スロット・ダイ塗布ヘッドが、膜材料を横断移動することも可能であるし、あるいはスロット・ダイ塗布ヘッドおよび膜の両方とも移動することも可能である。
【0020】
本発明の目的を達成するために、塗付塊として使用される試薬組成物の揺変性特性は、ある好ましい範囲内にすることが、有利である:粘度は、好ましくは、70程度から130mPa−s程度のあいだであり、また最も好ましくは、95から115mPa−sの範囲内である。表面張力は、30から50mN/mであり、また好ましくは、40±2mN/m程度である。塗付塊が、せん断欠乏性のやや揺変性あるいは揺変性性質であることも、重要である。
【0021】
本発明の1つの態様は、試薬塗付塊中にキサンタンガムを含んでいる。使用可能なキサンタンガムの1つの商品名は、ケルトロール(登録商標)である。この成分は、試薬塊の揺変性に影響を示す。キサンタンガムを含む試薬塗付塊、たとえば、ケルトロール(登録商標)により、きわめて薄い試薬層の製造が出来る。試薬層乾燥フィルムは、好ましくは、10μm未満の厚さであり、特に好ましくは、1.5から5μmの範囲にある乾燥した試薬層である。
【0022】
本発明の試薬組成物中に、シリカを組み入れることは、試薬の粘度および揺変性性質に対する有利な効果をもつことが、明らかになった。両特性とも、シリカを添加することにより、高められる。シリカの好ましい形状の粒子サイズは、1から7μm程度である。シリカは、塗付塊の他の成分、特に、カルボキシメチルセルロースおよびケルトロール(登録商標)の揺変性性質を意外にも高めることが、明らかとなった。また、乾燥フィルム中のシリカ粒子は、塗付された縞および膜の裏側のあいだの背面移動を防ぎ、このために、塗付された膜材料を、材料のロールとして貯蔵できる。さらに、乾燥フィルム中のシリカ粒子は、試薬塗布の特定表面を増加させ、たとえば、サンプル液体中への試薬の急速溶解を可能にする。本発明の試薬組成物を含む試薬の縞からなる毛細管充填バイオセンサーにおいては、シリカは、毛細管充填時間と試薬の縞中への成分の移動を向上させる。
【0023】
この試薬の粘度および揺変性の増加に対するさらなる添加剤は、カルボキシメチルセルロース(CMC)である。したがって、発明の試薬組成物の特に好ましい実施の態様は、キサンタンガムとたとえば、ケルトロール(登録商標)、シリカおよびCMCを含んでいる。
【0024】
本発明の試薬組成物は、薄い試薬層の形成たとえば、電気化学的バイオセンサーの製造を可能にする。
【0025】
この試薬層は、いくつかの有利な点をもっている。
【0026】
サンプル組成物は、試薬組成物に比較して過剰であり、このため、定量反応において制限が無い。
【0027】
薄い試薬層は、厚さが均一に出来る。
【0028】
薄い試薬層は、少量の試薬のみを含んでおり、このため、反応時間が早くなる。
【0029】
反応だけが、短い拡散時間をもっている。
【0030】
薄い試薬層は、早く溶解し、このために、試薬を迅速に使用でき、かつ試薬の縞のサンプル再水和後のマトリックスの平衡が、迅速になり、このために、迅速な測定が出来る。
【0031】
発明の試薬層は、大変薄く出来るだけでなく、反応領域中で高度な均一性を、膜の周りおよび膜を横切って示すことになる。テスト領域での試薬層は、平らでまた厚みが均一である。塗布された縞中での厚み変化は、縞の端の外側0.2cm(あるいはそれ以下)上で起きるのが好ましい。好ましい実施の態様においては、これらの領域は、センサーの組み立て中は、スペーサー層で覆われており、あるいは最終組み立て工程では、完成したセンサーから切り取ることが出来るので、有利である。
【0032】
本発明の試薬組成物のレオロジー特性に影響する以上の成分とは別に、この試薬は、次の物質クラスの1あるいはそれ以上の物質(成分)をさらに含んでも良い。試薬に添加される物質、添加剤および成分としては、限定されるものではないが、次のものが、挙げられる。
【0033】
緩衝液、たとえば、リン酸塩緩衝液;グルコースデヒドロゲナーゼ、グルコース色素オキシドリダクターゼ、グルコースオキシダーゼ、および他のオキシダーゼあるいは乳酸塩あるいはコレステロール定量用などのデヒドロゲナーゼ、エステラーゼなどの酵素類;ニトロソアニリン、フェリシアナイド、ルテニウム・ヘキサミン、オスミウム錯体などの媒介物類;トレハロース、琥珀酸ナトリウムなどの安定剤;ケルトロール(登録商標)、CMCなどの増粘剤類;酵素、ウシ血清アルブミンなどのたんぱく質;指示薬類;色素類;メガ8(登録商標)、ゲロポン(登録商標)、トリトン(登録商標)、トウイーン(登録商標)、メガ9(登録商標)、DONSなどの界面活性剤類;ケルトロール(登録商標)、プロピオファン(登録商標)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、クルセル(登録商標)などの膜形成剤類;NAD,NADH,PQQなどの酵素用共因子類;およびたとえば、DS300,DS320,DS300の粉砕シリカ、DS320の粉砕シリカなどのシリカ。
【0034】
特定の検体を測定するために使用される酵素および媒介物の非限定的例は、以下に、表1中に一覧する。
【0035】
【表1】

【0036】
表1中のいくつかの例においては、少なくとも1つの追加の酵素を、反応触媒として使用する。勿論、表1に示されているいくつかの例は、電子転移を促進させ、媒介物の酸化された形式にする追加の媒介物を利用しても良い。追加の媒介物は、媒介物の酸化形態よりも少ない量で、試薬中に提供しても良い。以上の試験は、記述しているが、サンプルの電流、電荷、インピーダンス、コンダクタンス、電位、あるいは他の電気化学的に示される特性は、本開示にしたがって、電気化学的バイオセンサーを用いたサンプル中の検体の濃度に正確に相関していることが、考えられる。
【0037】
試薬組成物の例は、電気化学的血液グルコースおよび凝結センサーに対して、実施例1,2,3および4として、それぞれ与えられている。
【0038】
好ましい実施の態様において、以上の試薬組成物は、スロット・ダイ塗布プロセスの手段により、電極トレースあるいは電気化学的センサーの回路を既に含んでいる基板に適用される。このプロセスの1つの例を実施例5に示す。
【0039】
これらの電極回路用の好ましい製作技術は、レーザー焼灼プロセスを使用する。レーザー焼灼のさらなる考察については、ここに完全のために参照として組み入れられている国際公開第01/25775号パンフレットを参照されたい。最も好ましくは、この技術は、オープンリール式のレーザー焼灼プロセスを使用する。本プロセスは、オープンリール式で使用できて、ポリマー基材上にきわめて薄い金属構造物を形成し、この金属構造物が、電気化学的センサー中での電極トレースとして使用できる。この試薬は、以上のプロセスを用いて、これらの構造物に適用できる。
【0040】
驚いたことに、スペーサー構造物として各々切り出しを用いて両面接着テープを使用し、また電極基板上の試薬層の部分を覆うことにより、センサーの毛細管経路およびスペーサー構造物は、形成できることが見出された。意外にも、両面接着テープが、試薬フィルムを覆っている場所では、サンプル液の漏洩は、まったく観察されなかった。それゆえ、最初に、膜材料上にレーザー焼灼プロセスにより、構造指定された電極トレースを作成し、その後、試薬材料を、スロット・ダイ塗布し、そして続いて、それぞれ形成された両面接着スペーサーを使用することにより、血液サンプルと接触することになる活性試薬領域を定めることが、可能となっている。本プロセスは、製造ラインにおける許容誤差を除去することが出来るので、有利である。特に、スペーサーを用いて、試薬塗膜をマスクすることは、実際の反応領域を正確に定めるために使用できる。
【0041】
本発明の第2の態様において、発明は、本発明のせん断欠乏性のやや揺変性あるいは揺変性試薬組成物を使用して、固体支持材料上に試薬層を製造する方法あるいはプロセスに関するものである。本プロセスは、デュポン社のメリネックス(登録商標)329のようなプラスチック材料の膜などの固体支持材料を提供することを包含する。本発明のプロセスのあいだに、固体支持材料は、スロット・ダイ塗布ヘッドに対して移動される。通常、固体支持膜材料は、スロット・ダイ塗布ヘッドのスロットを横切って、オープンリール方式で移送される。しかし、スロット・ダイ塗布ヘッドを移動することも出来るし、また膜材料を静止して維持することも出来る。膜材料をダイ塗布ヘッドに対して移動するあいだに、膜とダイ塗布ヘッドのあいだの定められた距離は、維持される。好ましくは、塗膜間隙は、30から90μmのあいだの範囲内であり;典型的には、68から83μmのあいだ、最も好ましくは、72から76μmのあいだである。スロット・ダイ塗布ヘッドのスロットを経由して、試薬組成物を押し込むことにより、試薬は、固体支持材料上に堆積され、固体支持材料上に試薬の連続縞を形成する。以上述べたように、膜材料は、電極トレースを含んでいても良いしまた試薬の縞は、これらのトレースを部分的にカバーしていても良い。乾燥状態では、好ましくは、試薬の縞は、1cm未満の幅をもち、かつ10μm未満の高さをもっている。
【0042】
好ましくは、固体支持材料は、スロット・ダイ塗布ヘッドに対して、速度が20〜80m/分、最も好ましくは、30〜40m/分のあいだの速度である。
【0043】
好ましくは、試薬組成物は、5.5〜30g/分の塗布フラックスで、また最も好ましくは、13〜15g/分の塗布フラックスで送られる。
【0044】
続いて、堆積した試薬の縞は、周囲条件下か、あるいは加熱された気流中で乾燥される。
【0045】
さらなる態様においては、本発明は、以上の試薬組成物からなる分析試験エレメントに関するものである。好ましくは、本発明の分析試験エレメントは、以上記載したとおりのプロセスにより製造される。
【0046】
本発明は、次の利点をもつ。
【0047】
1.小さなサンプル容量(典型的には100から1000nl)を必要とするセンサーは、スロット・ダイ塗布によるドライフィルムおよびスペーサー/毛細管経路積層プロセスを用いて、容易に構築することができる。ドライフィルム縞は、均一な厚みであり、電気化学的反応領域に亘り均一である。センサーの必要な毛細管寸法/不正確さは、スペーサーの厚みおよび毛細管経路の構築における変化に依存している。
【0048】
2.スロット・ダイ塗布技術は、電極デザインの最新式レイアウトと1組にすることが出来て、センサー毛細管中に、小型化の可能性を可能なものとしまた多重の応用を作り出す(たとえば、電極の充分にデザインされたレイアウト以内で、異なった試薬の2つ以上のライン/縞を交互交代させる)。2つ以上の流体用にデザインされた2つの交互交代スロット金型あるいは特定のスロット金型組み立てを、このゴールを達成するために使用できる。この塗膜流体は、好ましくは、適当にマッチするレオロジー特性をもっている。最良の技術的ケースは、異なった流体の塗膜窓が、一貫した重なり領域をもっているとすれば、達成される。
【0049】
3.試薬のレオロジー特性と1組にされまた組み合わされるスロット・ダイ塗布フィルム応用技術は、診断センサーの迅速生産用オープンリール方式塗布プロセスを使用して、均一な塗膜を可能なものとする。
【0050】
4.チクソトロピーあるいはせん断欠乏性の性質は、塗布される層を横切って、質量分布およびプロファイルに関して塗付予定の流体の主なレオロジー特性であり、それは、平坦性、反復性および湿潤および乾燥層の均一性にインパクトを与える。この特性は、塗付流体の望みのせん断欠乏性、やや揺変性あるいは揺変性性質に合わせるための濃度および組み合わせにおいて、キサンタンガム、たとえば、ケルトロール(登録商標)、CMCおよびシリカを使用することにより達成される。
【0051】
驚くべきことに、シリカ、特に好ましくは未処理の親水性シリカ、好ましくは、粒度D50(すなわち、50%の粒子が、所定のサイズあるいはそれ以下のサイズをもっている)が1から7μmで、「湿潤」状態にあるシリカが、フィルム増粘剤(ケルトロール(登録商標)およびCMC,それらのうちのいずれかあるいは両者)との組み合わせにおいて、シリカが、粘度を増加させまた塗付流体のせん断欠乏性、やや揺変性あるいは揺変性性質を高めるということが、見出された。
【0052】
シリカは、その他のもののうち、乾燥状態で以下の作用をする:
a)塗布および乾燥プロセス後に膜材料が、傷ついてロールに巻き取られた場合に、フォイル/担体の未塗布面上に、乾燥フィルムの逆移送を防止する、および
b)スムーズな塗膜層に比較して、乾燥された塗膜層の比表面積を拡大する。
【0053】
何らかの特定の理論に結び付けられることを望むことなく、このことは、シリカ粒子の粒度分布によるものと思われる。流体移送の速度は、表面領域と流体容量のあいだの比により増加するので、この拡大された比表面積は、乾燥されたフィルムの湿潤プロセスの速度を上げ、またその結果、毛細管充填時間が、短くなる。
【0054】
本発明を、次の実施例および図により、さらに説明する。
【0055】
図に関しては、出来るだけ、数字、文字および符号は、構造、特性および要素を示唆するものとする。たとえば、本出願で特に断らなければ、次のキーは、以下のことを適用する。
【0056】
1は膜を示し、
2はスパッターされた金属膜を示し、
3は電極対1の作用電極を示し、
3’は電極対2の作用電極を示し、
4は電極対1の参照電極/対向電極を示し、
4’は電極対2の参照電極/対向電極を示し、
5は試薬の縞1を示し、
5’は試薬の縞2を示し、
6はスペーサーを示し、
7はトップフォイルを示し、
8はトップフォイル中の通気開口を示す。
【0057】
図1および2は、本発明の試薬組成物およびプロセスを用いて、電気化学的テストエレメントの製造プロセスのあいだに行われる数工程の概略表示である。通常の当業者の人間であれば、本プロセスは、他の電極構造を用いて、また同じあるは異なった組成およびストリップ上の異なった位置をもつ多重縞を用いて、使用できることを容易に認識するはずである。図1および2に記載したプロセスは、テストストリップ上に存在する電極が無くても、行うことが出来ることに注意を払うものとする。通常の当業者の人間であれば、ここに記載された本プロセスおよび試薬は、光学式テストエレメントにも適用できることを容易に認識するはずである。
【0058】
図1および2のAおよびB部は、同一でありまたポリマー膜(1)、好ましくは、デュポン社のメリネックス(登録商標)329のような不活性プラスチック材料(たとえば、A部を参照のこと)、さらにその上に、スパッタリング、化学的蒸着、電気化学的蒸着、あるいは物理的蒸着などの従来の技術により、金属層(2)(たとえば、B部を参照のこと)を塗布する。
【0059】
続いて、金属層(2)は、たとえば、レーザー焼灼プロセスにより形成されるのが好ましい。このプロセスは、金属層(2)の一部を除去し、かつ電極(3、4)として作用する金属の不連続構造が、ポリマー膜(1)の表面上に残る。しかし、従来の印刷技術あるいはリソグラフィープロセスもポリマー膜(1)上に、電極(3、4)を作るために使用できることを理解するべきである。
【0060】
図1、C部のレーザー焼灼工程の後に、2つの電極(3、4)は、ポリマー膜上に形成される。図2、C部中において、2対の電極(3、3’、4、4’)が、形成される。
【0061】
次の工程(図1および2のD部に示されている)においては、試薬の縞5および5’は、作用電極および対向電極(3,3’、4、4’)の活性領域に亘り蓄積される。
【0062】
試薬組成物は、本発明のスロット・ダイ塗布プロセスにより、電極構造上に用いられる。
【0063】
図1および2のE部分において、スペーサー層(6)が、図1および2のD部の電極構造に積層される。スペーサー(6)は、好ましくは、全ての部分の試薬および液体サンプルとは接触されない電極構造を覆う両面接着テープである。さらに、スペーサー(6)は、試薬の反応性領域および基礎をなす電極を定める切り取りをもっている。スペーサー(6)の反対側端末、すなわち試薬組成物によりカバーされていない電極が、置かれている端末では、スペーサー(6)は、テストストリップを各テストストリップ読み取り器に接続するために使用できる電極構造の部分を、自由に放置する。
【0064】
スペーサー(6)は、試薬塗膜の結果として生じる不均一先端領域をマスクするために、試薬(図1中の5および図2中の5’)の細い部分(2mm未満)をカバーすることが、好ましい。
【0065】
好ましい実施の態様においては、スペーサー(6)を電極および試薬の膜を積層した後、膜材料の1部は、試薬の縞(5)を切り取るために、切り取られる。
【0066】
図1および2中のF部において、トップフォイル(7)、好ましくは不活性なプラスチックカバーが、ポリマー膜(1)と接触していないスペーサー(6)の表面上に置かれる。ポリマー膜(1)、スペーサー(6)およびトップフォイル(7)は、スペーサー(6)の厚みおよびスペーサー中の切り取りの寸法により定められる3次元毛細管経路を形成する。毛細管の空間の充填を可能にするためには、トップフォイル(7)あるいはポリマー膜(1)のいずれかが、通気開口をもっていることが好ましい。
【0067】
当業者にとっては明白なように、毛細管の空間に対向するポリマー膜(1)あるいはトップフォイル(7)のいずれかの表面には、それぞれの親水性処理、たとえば、界面活性剤あるいはプラズマ処理を用いた塗布により、親水性を付与できる。
【実施例】
【0068】
図という方法によりまた制限によるものではない方法により提供される次の実施例が、本発明のさらなる詳細を開示している。
【0069】
実施例1:電気化学的電流測定グルコースバイオセンサーにおいて使用するための試薬組成物
次の成分の水性混合物を調製した。
【0070】
【表2】

【0071】
試薬マトリックスは、スロット・ダイ塗布プロセスの要求に合うように、注文変更された。シリカ、ケルトロール(登録商標)(キサンタンガム)、カルボキシメチルセルロース(CMC)および界面活性剤は、試薬塊のレオロジーを改質するために、塗膜マトリックスに添加した。界面活性剤の濃度は、表面張力(張力計K10T(クルエス))が、33から42mN/mの最も好ましい範囲になるように、調節した。
【0072】
この範囲にある表面張力は、接着をより促進し、膜上での塗布された縞の広がりの制御を促進する。試薬塊用のレオマット115(コントラベス)を用いて測定された最も好ましい粘度範囲は、95から115mPaである。ポリマーおよびシリカも、揺変性性質を塗膜に付与する。スロット・ダイ塗布を経由して、膜上に散布されたとおりに、塗膜のせん断が、欠乏する。このことが、塗膜の見かけ粘度を低減させる。
【0073】
このような低粘度の試薬の試薬塊の縞は、乾燥プロセスのあいだに、縞の先端および試薬組成物を、縞の中央に移動させる。この移動により、乾燥された縞の真ん中に、不規則なかつ再現できない表面プロファイルが生じる。せん断欠乏性のやや揺変性あるいは揺変性特性をもつ塗膜の散布は、同じせん断欠乏性効果を示す。しかし、塗布された縞の粘度は、散布された後かつ乾燥領域に入る前に、短時間で見かけ粘度近くまで戻る。乾燥中での縞先端の中央への移動は、抑えられる。図3に示すように、このことにより、反応領域中の縞の中央に、平坦な再現性のある領域が生成する。さらに、より薄いフィルムは、塗膜の先端を、塗布された縞の中央に移動させるのを遅らせる。
【0074】
実施例2:電気化学的電流測定凝集センサー用の試薬組成物
次の成分の水性混合物を調製した。
【0075】
【表3】

【0076】
実施例3:電気化学的電流測定グルコースバイオセンサー用の代替的試薬組成物
次の成分の水性混合物を調製した。
【0077】
【表4】

【0078】
実施例4:電気化学的電流測定グルコースバイオセンサー用の代替的試薬組成物
次の成分の水性混合物を調製した。
【0079】
【表5】

【0080】
実施例5:塗布プロセス
スロット・ダイ・ヘッドおよびバックアップローラを含んでいる塗布領域中に、ポリマー膜(メリネックス(登録商標)329、デュポン社を移動させる。スロット・ダイ・ヘッド(TSE,スイス)を、膜表面に対してゼロに設定し、スロットを、74μmの膜ギャップに調節する。塗膜を膜上に堆積させるために、膜速度を0から38m/分までの傾斜を付ける。試薬マトリックスは、ギヤポンプ、ピストン、注射器、気泡システムを含めた種々の手段を用いて、スロット・ダイ・ヘッドに、搬送できる。試薬配送システムは、塗布ヘッドを経由して、塗膜重量を53g/m2で送るために、水流速を13.58ml/分に調節される。得られた塗膜の縞の幅は、7.0±0.3mmである。塗膜は、加熱された乾燥ゾーン(38m/分の速度で、長さ15m、温度110℃)で乾燥されて、巻き戻し台にある糸巻き上に巻き戻される。
【0081】
図3から5は、本実施例による試薬の縞を横断した側面計測定の結果を示す。使用された側面計システムは、デクタックIIA表面プロファイル測定システム(ヴィーコ・インストルメント社、スローン技術部、テキサス州ダラス市)であった。デクタックIIAからのプロファイルデータは、ベースライン補正を行ったものである。
【0082】
図3中には、P(mm)は、膜と試薬の縞(mm)を横切ったスキャンのx−位置を示し、またH(μm)は、塗膜の各相対的高さ(μm)を示している。試薬塊は、実施例1にしたがって調製した。ご覧の通り、試薬の縞は、斜視幅が7mm程度であり、各平均中央高さが、ほぼ5μm程度であった。試薬塗膜の先端は、相対的にシャープになっている。塗膜の均一水平領域は、試薬の縞の幅のほぼ80%を占めている。
【0083】
図3に描かれた試薬塗膜のプロファイルは、本発明による塗膜に対して典型的である。幅が10mm以下の試薬の縞に対しては、シャープな先端を得ることが出来て、それは、各辺以下の1mm以内の塗膜中央において、下地の膜材料(塗膜高さがゼロに相当する)から水平領域まで傾斜している。中央領域内では、試薬塗膜は、実際に均一な厚みになっている。
【0084】
図4は、本実施例により作られた試薬の縞を横断した側面計測定の結果を示す。スキャン距離(μm)は、膜と試薬の縞(μm)を横切ったスキャンのx−位置を示し、また高さ(μm)は、塗膜の各相対的高さ(μm)を示している。試薬塊は、粉砕したシリカを用いて実施例1にしたがって、調製した。図4Aから4Eまでは、それぞれ、塗膜重量20、25、30,40および50mg/m2に対する結果を示した。
【0085】
図5は、比較例によって作られた、すなわち本発明の教示にしたがってはいない試薬の縞を横断した側面計測定の結果を示す。スキャン距離(μm)は、膜と試薬の縞(μm)を横切ったスキャンのx−位置を示し、また高さ(μm)は、塗膜の各相対的高さ(μm)を示している。試薬塊は、実施例1にしたがって調製したが、レオロジー改質剤(ケルトロール(登録商標)、CMCおよびシリカ)の不存在下で調製した。
【0086】
図5Aおよび5Bは、レオロジー改質剤を用いない場合には、乾燥された試薬塗膜が、膜材料上で不均一な試薬の縞を形成する傾向にあることを示している。図5A中では、試薬は、試薬の縞の中央部分に集中しており;図5B中では、試薬は、試薬の縞の中央部分と先端部分のあいだに位置している2つの領域に集中している。両方の場合において、先端部分は、試薬が激減している。
【0087】
図5(比較例)と図3および図4(両者は、本発明にしたがう)との比較により、本発明の試薬組成物およびプロセスの有利な効果を示している。
【0088】
図6は、実施例1による試薬組成物から膜材料(中央の縞の周りの明るい領域)上へ塗布された試薬の縞(中央の暗い長方形領域)の顕微鏡写真である(そして図4に示された側面計データに比較した)。塗布は、実施例5にしたがって行った。塗布された縞は、この方向に沿ったと同様に、塗布方向(塗布方向は、トップから底へであった)を横切って、良好な均一性を示している。
【0089】
図6に示したスムーズな均一な試薬層とは、強く対照的に、図7Aおよび7Bは、図5に示した側面計データに比較した側面計データをもっている膜材料上に塗布された試薬の縞の顕微鏡写真(比較例)である。塗布は、実施例5にしたがって行った;がしかし、試薬は、レオロジー改質剤を含んではいなかった。塗布された縞は、塗布方向(塗布方向は、トップから底へであった)を横切って、不均一性を示していることは、明らかである。たとえば、より厚い試薬の領域は、縞に沿って走っている暗いバンドにより示されている。図7Aは、縞のほぼ中間に位置している1つの暗いバンドを示しており(図5Aと比較)、一方、図7Bは、2つの暗いバンドを示している(図5Bと比較)。試薬の縞内の厚い試薬の塗膜(暗いゾーン)のこれらの1つあるいは2つの領域は、試薬の塗膜材料の乾燥効果によるものと信じられている。
【0090】
実施例6:実施例1の試薬組成物中のレオロジー改質剤の変化
実施例1の試薬組成物中、CMC,ケルトロール(登録商標)、プロピオファン(登録商標)およびPVPの成分の含有量を、次の表にしたがって変化させた。
【0091】
【表6】

【0092】
まるで、各個々の出版物、特許あるいは特許出願が、参照として組み入れられまた完全を期するために説明されていることを示しているように、この明細書中で引用された全ての出版物、特許および特許出願は、ここに参照として組み入れている。
【0093】
本発明の原理を組み入れている好ましい実施の態様は、ここで以上のごとく開示してきたが、本発明は、これらの開示された実施の態様には、制限されるものではない。その代わりに、本出願は、本発明が関係しかつ従属クレームの制限内の範囲に入る技術において、公知のあるいは通例の慣習以内に入るような本発明からの逸脱をカバーすることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明のスロット・ダイ塗布プロセスを用いて、単一試薬ゾーンをもった分析テストエレメントの製造における6工程(A−F)を概略的に示している。
【図2】本発明のスロット・ダイ塗布プロセスを用いて、2つの試薬ゾーンをもった分析テストエレメントの製造における6工程(A−F)を概略的に示している。
【図3】実施例1に記載の試薬の縞を横断した側面測定の結果を示している。
【図4】本発明による試薬の縞を横断した側面測定のデータを表示している。
【図5A】本発明のレオロジー修正剤を用いることなく、試薬の縞を横断した側面測定のデータを表示している。
【図5B】本発明のレオロジー修正剤を用いることなく、試薬の縞を横断した側面測定のデータを表示している。
【図6】本発明による膜材料上に塗付された試薬の縞の顕微鏡写真図である。
【図7】本発明によるレオロジー修正剤を用いることなく、膜材料上に塗付された試薬の縞の顕微鏡写真図の2つの図(図7Aおよび図7B)を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スロット・ダイ塗布法に有用な、70程度から130mPa程度のあいだの粘度と、30〜50mN/mのあいだの表面張力をもつせん断欠乏性のやや揺変性あるいは揺変性の試薬組成物。
【請求項2】
95〜115mPaの範囲の粘度をもっていることを特徴とする請求項1記載の試薬。
【請求項3】
40±2mN/m程度の表面張力をもっていることを特徴とする請求項1または2記載の試薬。
【請求項4】
シリカを含むことを特徴とする請求項1、2または3記載の試薬。
【請求項5】
緩衝液類あるいは酵素類あるいは媒介物類あるいは安定剤類あるいはたんぱく質類あるいは指示薬類あるいは色素類あるいは膜形成剤類あるいは界面活性剤あるいは補助要因類あるいは前述の成分の組み合わせを、さらに含むことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の試薬。
【請求項6】
キサンタンガムを含むことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の試薬。
【請求項7】
カルボキシメチルセルロースを含むことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の試薬。
【請求項8】
さらにキサンタンガムおよびカルボキシメチルセルロースを含むことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の試薬。
【請求項9】
固体支持材料としてポリマー膜上に試薬層を製造するプロセスであって、次の工程すなわち固体支持材料を提供する工程と、
固体支持材料かあるいはスロット・ダイ塗布ヘッドを移動することにより、スロット・ダイ塗布ヘッドに対して、固体支持材料を移動させ、それにより、固体支持材料の表面とスロット・ダイ塗布ヘッドのあいだの所定の距離を維持する工程と、
スロット・ダイ塗布ヘッドを経由して、請求項1から8のいずれかに記載の試薬を堆積させ、固体支持材料上に試薬の連続縞を作る工程と、膜上の塗布された試薬の縞を乾燥する工程とからなることを特徴とするプロセス。
【請求項10】
試薬の縞の幅が、1cm未満であることを特徴とする請求項9記載のプロセス。
【請求項11】
試薬の縞が、乾燥した膜厚で10μm未満の高さであることを特徴とする請求項9記載のプロセス。
【請求項12】
スロット・ダイ塗布ヘッドに対して、固体支持材料を移動させる速度が、20から80m/分のあいだであることを特徴とする請求項9記載のプロセス。
【請求項13】
スロット・ダイ塗布ヘッドに対して、支持材料を移動させる速度が、30から40m/分のあいだであることを特徴とする請求項9記載のプロセス。
【請求項14】
5.5から30g/分の塗布フラックスで、試薬を支持材料に送ることを特徴とする請求項9または12記載のプロセス。
【請求項15】
13から15g/分の塗布フラックスで、試薬を支持材料に送ることを特徴とする請求項9または12記載のプロセス。
【請求項16】
スロット・ダイ塗布ヘッドおよび支持材料のあいだの距離が、30から90μmのあいだであることを特徴とする請求項9記載のプロセス。
【請求項17】
第1固体支持材料としてのポリマー膜と、第1固体支持材料に塗布される試薬の縞からなる分析試験エレメントであって、試薬縞の試薬が、請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の試薬であることを特徴とする分析試験エレメント。
【請求項18】
第1固体支持材料としてのポリマー膜と、第1固体支持材料に塗布される試薬の縞からなる分析試験エレメントであって、試薬が、請求項9、10、11、12、13、14、15または16記載のプロセスにより、第1固体支持材料上に塗布されることを特徴とする分析試験エレメント。
【請求項19】
毛細管ギャップを定めるためのスペ−サー層として作用しかつ試薬の縞の1部を覆う両面接着テープと、スペ−サー層に付着されかつ第1固体支持材料、試薬の縞およびスペ−サー層と協力して、両面接着テープで覆われていない試薬の縞の部分上に、毛細管スペースを作る第2固体支持材料をさらに含むことを特徴とする請求項17または18記載の分析試験エレメント。
【請求項20】
第1固体支持材料上の2つの電極をさらに含み、この電極が、部分的に試薬の縞で覆われていることを特徴とする請求項17、18または19記載の分析試験エレメント。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2007−524816(P2007−524816A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517430(P2006−517430)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/019591
【国際公開番号】WO2004/113917
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)