説明

組み合わされた線維素溶解性および抗菌性のカテーテル、およびその使用

コーティングに含まれた、またはバルク分散された抗菌剤と、トップコーティングに含まれた線維素溶解剤との組合せを備えた、挿入可能なカテーテルが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2007年6月1日に出願された米国仮出願No.60/932759の利益を請求する。当該仮出願の内容は、その全体が参照により本出願に含まれる。
【0002】
本発明は、中心静脈カテーテルなどの、埋め込み可能なカテーテルに関する。当該カテーテルは、器具の中にコーティングまたはバルク分散として組み入れられた抗菌剤と、トップコーティングに組み入れられた線維素溶解剤との組合せを有しており、これによって、器具に関連する感染症および血栓症を防ぐことができる。
【背景技術】
【0003】
様々な刊行物が、本出願の至る所で参照されている。これらの参照刊行物の完全な列挙を後に示す。これらの刊行物の開示内容は、その全体が参照により、対象となる出願の中に含まれる。これによって、対象となる出願が関連する技術をより完全に説明することができる。
【0004】
トンネルが形成されたカテーテルなどの、埋め込み可能な医療器具は、一般的な医療において主要な役割を果たしている。気胸および出血のような、初めの挿入に関連する問題は別として、カテーテルは、感染症および血栓症による長期間のリスクと関係している(例えば、非特許文献1乃至3)。そのような器具の埋め込みの後に、器具の表面に微生物が定着することが、重大かつ損失の大きい問題を引き起こすことがある。この問題には、埋め込まれた器具を取り除き、および/または交換することの必要性、および/または副次的な感染への精力的な治療の必要性が含まれる。挿入の数日以内は、ほぼ全ての中心静脈カテーテル(CVCs)が線維素被覆によって覆われ、また30日以内は、大抵のカテーテルに関連した血栓が生じる。カテーテルの機能を削減することは別として、これらのカテーテルに関連した血栓は、15−30%のケースで静脈炎後症候群を引き起こすことがあり、また11%のケースで肺動脈寒栓症を引き起こすことがある(非特許文献4)。CVCに関連した血栓症を伴うCVCに関連した感染症が、議論されてきた(非特許文献5,6)。感染症のリスクを最小にするため、クロルヘキシジン−銀−サルファダイアジンで含浸された、またはミノサイクリン−リファンピシンで含浸されたカテーテルがクリニックで利用されており(非特許文献7)、また、血栓症を最小にするため、凝固防止剤で被覆されたカテーテルがクリニックで利用されている(非特許文献8,9)。
【0005】
文献は、抗菌性および抗凝固性を、単独で、または組合せによって備えた医療器具による治療を記載しており、これによって、二重の利益がもたらされる(非特許文献10、特許文献1乃至6)。また、抗血栓性の表面をもたらすために線維素溶解性の酵素を医療器具の用途に取り付けることが記載されている(特許文献7,8)。静菌性の有機アルコールが、組織プラスミノーゲン活性化因子で被覆されたカテーテルに関する使用のための保存剤として提案されてきた(特許文献9)。しかしながら、線維素溶解剤などの酵素は、クロルヘキシジン(特許文献11)などの抗菌剤を含む多数の薬剤によって不活性化され得る(特許文献10)。エタノールは、例えば、ウロキナーゼおよびストレプトキナーゼによって誘起される活性を抑制するものとして知られている(特許文献12)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】U.S. Patent No. 5,451,424, issued September 19, 1995, Solomon et al., Anti- infective and antithrombogenic medical articles and method for their preparation.
【特許文献2】U.S. Patent No. 5,688,516, issued November 18, 1997. Raad et al. Non-glycopeptide antimicrobial agents in combination with an anticoagulant, an antithrombotic or a chelating agent, and their uses in, for example, the preparation of medical devices.
【特許文献3】U.S. Patent No. 5,707,366, issued January 13, 1998, Solomon et al., Anti-infective and antithrombogenic medical articles and method for their preparation.
【特許文献4】U.S. Patent No. 6,261,271, issued July 17, 2001, Solomon et al., Anti-infective and antithrombogenic medical articles and method for their preparation.
【特許文献5】U.S. Patent No. 6,273,875 Bl, issued August 14, 2001. Siman et al. Medical devices having improved antimicrobial /antithrombogenic properties.
【特許文献6】U.S. Patent No. 6,528,107 B2, issued March 4, 2003. Chinn et al. Method of producing antimicrobial and antithrombogenic medical devices.
【特許文献7】U.S. Patent No. 4,273,873, issued June 16, 1981. Sugitachi et al. Preparation of antithrombogenic polymeric material.
【特許文献8】U.S. Patent No. 4,378,435, issued March 29, 1983. Takagi et al. Process of providing enzyme activity to a solid surface.
【特許文献9】U.S. Patent Application No. 2006/0257390 Al, published November 16, 2006, Semba, Catheter composition and uses thereof.
【特許文献10】U.S. Patent No. 4,483,922, issued November 20, 1984. Carpenter et al. Inactivation of enzymes.
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Harter C3 HJ Salwender, A Bach, G Egerer, H Goldschmidt and AD Ho (2002) Catheter-related infection and thrombosis of the internal jugular vein in hematologic-oncologic patients undergoing chemotherapy: a prospective comparison of silver-coated and uncoated catheters. Cancer 94: 245-251.
【非特許文献2】Safdar N, Maki DG. The pathogenesis of catheter-related bloodstream infection with noncuffed short-term central venous catheters. Intensive Care Med. 2004 Jan;30(l):62-7. Epub 2003 Nov 26.
【非特許文献3】Saint S, Veenstra DL, Lipsky BA. The clinical and economic consequences of nosocomial central venous catheter-related infection: are antimicrobial catheters useful? Infect Control Hosp Epidemiol. 2000 Jun;21(6):375-80.
【非特許文献4】Kuter DJ (2004) Thrombotic Complications of Central Venous Catheters in Cancer Patients. The Oncologist 9: 207-216.
【非特許文献5】Raad II, M Luna, S A Khalil, J W Costerton, C Lam and G P Bodey (1994) The relationship between the thrombotic and infectious complications of central venous catheters. JAMA 271: 1014-1016.
【非特許文献6】Rooden CJ, EF Schippers, RMY Barge, FR Rosendaal, HFL Guiot, F J.M. van der Meer, AE Meinders, MV Huisman (2005) Infectious complications of central venous catheters increase the risk of catheter-related thrombosis in hematology patients: A prospective study. Journal of Clinical Oncology 23: 2655-2660.
【非特許文献7】Mermel LA (2000) Prevention of intravascular catheter-related infections. Ann. Intern Med. 132: 391-402.
【非特許文献8】Carrasco MN, A Bueno, CD Cuevas, S Jimenez, I Salinas, A Sartorius, T Recio, M Generelo and F Ruiz-Ocana (2004) Evaluation of a triple-lumen central venous heparin-coated catheter versus a catheter coated with chlorhexidine and silver sulfadiazine in critically ill patients. Intensive Care Med. 30: 633-638.
【非特許文献9】Long DA and MG Coulthard (2006) Effect of heparin-bonded central venous catheters on the incidence of catheter-related thrombosis and infection in children and adults. Anaesth. Intensive Care 34: 481-484.
【非特許文献10】Hanna H, P Bahna, R Reitzel, T Dvorak, G Chaiban, R Hachem and I Raad (2006) Comparative in vitro efficacies and antimicrobial durabilities of novel antimicrobial central venous catheters. Antimicrob. Agents Chemother. 50: 3283-3288.
【非特許文献11】Pellat B, Arreto CD, Vandermander J. [Effect of chlorhexidine on bacterial fibrinolytic and collagenolytic activity] [Article in French] J Parodontol. 1991 Sep;10(3):317-26.
【非特許文献12】Roszkowska-Jakimiec W, Jurkowski J, Ostrowska H, Worowski K. [Inhibition by ethanol and acetaldehyde the plasmin activity and plasminogen activation induced by urokinase and streptokinase] [Article in Polish]. Rocz Akad Med Bialymst. 1988- 1989;33-34:53-66.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
線維素溶解性と抗菌性とが組み合わされた特性を有するカテーテルへの要求にかかわらず、線繊維溶解剤と抗菌剤とを組み合わせての治療と、これらの2つの薬剤のクラスの融和性、すなわち、一方の薬剤が他方の活動に悪く影響を及ぼすことはないということとが画定されてこなかった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼおよび組織タイプのプラスミノーゲン活性化因子(tPA)などの線維素溶解性の酵素と、クロルヘキシジン(CHX)および/またはゲンチアナバイオレット(GV)などの防腐剤、および、ミノサイクリンおよび/またはリファンピシンなどの抗生剤との融和性への理解に基づいている。本発明は、コーティングまたはバルク分散で組み入れられた防腐剤または抗生剤などの抗菌剤と、トップコーティングに組み入れられた線維素溶解剤との組合せを備えた埋め込み可能なカテーテルであって、抗菌剤の存在が、線維素溶解剤における線維素溶解性の活性を減少させることがなく、または、線維素溶解剤が、抗菌剤における抗菌性の活性を減少させることがないカテーテルを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、クロルヘキシジン酢酸塩(CHA)が存在する場合の、様々な濃度におけるウロキナーゼ(uPA)の活性を示す図である。点は、CHAとuPAの比に対するuPAコントロールの活性へのパーセントを示している。 ここで、uPAコントロールとは、CHAが存在しない場合のuPAの活性のことである。
【図2】図2は、クロルヘキシジンおよびゲンチアナバイオレットが存在する場合のウロキナーゼの活性を示す図である。クロルヘキシジン(CHX)およびゲンチアナバイオレット(GV)の濃度がμg/mLで示されている。
【図3】図3は、ミノサイクリンおよびリファンピシンが存在する場合のウロキナーゼの活性を示す図である。ミノサイクリン(Mino)およびリファンピシン(Rif)の濃度がμg/mLで示されている。
【図4】図4は、ウロキナーゼが存在する場合のクロルヘキシジンの活性を示す図である。点は、表皮ブドウ球菌に対するクロルヘキシジン酢酸塩(CHA)の最小抑制濃度(MIC)を示している。 ここで、CHA MICコントロールとは、3倍緩衝処理された塩水(tris-buffered saline, TBS)におけるウロキナーゼ+CHA+ミューラー・ヒントン培養液(Mueller-Hinton broth, MHB)である。 また、グロウスコントロール(Growth Control)とは、ジメチルスルホキシド(DMSO)+TBS+表皮ブドウ球菌+MHBである。 また、ネガティブコントロール(Negative Control)とは、DMSO+TBS+MHBである。
【図5】図5は、クロルヘキシジンおよびゲンチアナバイオレットが存在する場合の、組織型のプラスミノーゲン活性化因子(tPA)の活性を示す図である。クロルヘキシジン(CHX)およびゲンチアナバイオレット(GV)の濃度がμg/mLで示されている。
【図6】図6は、ミノサイクリンおよびリファンピシンが存在する中での、組織型のプラスミノーゲン活性化因子(tPA)の活性を示す図である。ミノサイクリン(Mino)およびリファンピシン(Rif)の濃度がμg/mLで示されている。
【図7】図7は、クロルヘキシジンおよびゲンチアナバイオレットが存在する場合のストレプトキナーゼの活性を示す図である。クロルヘキシジン(CHX)およびゲンチアナバイオレット(GV)の濃度がμg/mLで示されている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、コーティングまたはバルク分散で組み入れられた防腐剤または抗生剤などの抗菌剤と、トップコーティングに組み入れられた線維素溶解剤との組合せを備えた埋め込み可能なカテーテルであって、抗菌剤の存在が、線維素溶解剤における線維素溶解性の活性を減少させることがなく、または、線維素溶解剤が、抗菌剤における抗菌性の活性を減少させることがないカテーテルを提供する。
【0012】
ここで、「抗菌剤が、線維素溶解剤における線維素溶解性の活性を減少させることがない」とは、抗菌剤が、線維素溶解剤の活性を50%よりも大きく減少させることがない、ということを意味している。好ましくは、抗菌剤が、線維素溶解剤の活性を25%よりも大きく減少させることがなく、より好ましくは、抗菌剤が、線維素溶解剤の活性を10%よりも大きく減少させることがなく、最も好ましくは、抗菌剤が、線維素溶解剤の活性に全く干渉しない。言い換えると、抗菌剤が存在しない場合における線維素溶解剤の活性に対して、組合体における線維素溶解剤の活性が、50%よりも大きく減少することがなく、より好ましくは25%よりも大きく減少することがなく、さらに好ましくは10%よりも大きく減少することがなく、最も好ましくは全く減少しない。
【0013】
ここで、「線維素溶解剤が、抗菌剤における抗菌性の活性を減少させることがない」とは、線維素溶解剤が、抗菌剤の活性を50%よりも大きく減少させることがない、ということを意味している。好ましくは、線維素溶解剤が、抗菌剤の活性を25%よりも大きく減少させることがなく、より好ましくは、線維素溶解剤が、抗菌剤の活性を10%よりも大きく減少させることがなく、最も好ましくは、線維素溶解剤が、抗菌剤の活性に全く干渉しない。言い換えると、線維素溶解剤が存在しない場合における抗菌剤の活性に対して、組合体における抗菌剤の活性が、50%よりも大きく減少することがなく、より好ましくは25%よりも大きく減少することがなく、さらに好ましくは10%よりも大きく減少することがなく、最も好ましくは全く減少しない。
【0014】
好ましくは、本明細書において、抗菌剤が、線維素溶解剤における線維素溶解性の活性を減少させることがなく、かつ、線維素溶解剤が、抗菌剤における抗菌性の活性を減少させることがない、とは、線維素溶解剤および抗菌剤のどちらの一方も、他方の薬剤の活性を50%よりも大きく減少させることがない、ということを意味している。好ましくは、どちらの一方の薬剤も、他方の薬剤の活性を25%よりも大きく減少させることがなく、さらに好ましくは、10%よりも大きく減少させることがなく、最も好ましくは、どちらの一方の薬剤も、他方の薬剤の活性に全く干渉しない。言い換えると、抗菌剤が存在しない場合における線維素溶解剤の活性に対して、組合体における線維素溶解剤の活性が、50%よりも大きく減少することがなく、より好ましくは25%よりも大きく減少することがなく、さらに好ましくは10%よりも大きく減少することがなく、最も好ましくは全く減少しない。加えて、線維素溶解剤が存在しない場合における抗菌剤の活性に対して、組合体における抗菌剤の活性が、50%よりも大きく減少することがなく、より好ましくは25%よりも大きく減少することがなく、さらに好ましくは10%よりも大きく減少することがなく、最も好ましくは全く減少しない。
【0015】
本発明によれば、線維素溶解剤および抗菌剤の適合性、および、一方の薬剤の存在が他方の薬剤の活性を減少させるかどうかを決定するためのテストが、以下に示される実施例に規定されているように実施される。
【0016】
薬剤は、製造の間、カテーテルの上に被覆され、または、カテーテル材料の中に組み入れられる。カテーテルは、近位部分と、遠位部分と、近位部分と遠位部分との間に延びる内腔と、を有する本体部を含んでいる。いくつかの例において、抗菌剤および線維素溶解剤は、カテーテルの様々な部分に配置されることができ、この場合、様々な部分は、重複していてもよく、重複していなくてもよい。少なくとも、カテーテルの一部には、抗菌剤が含浸され得る。また、少なくともカテーテルの一部は、抗菌剤により被覆され得る。例えば、抗菌剤が、本体部の少なくとも近位部分に配置されていてもよく、また、線維素溶解剤が、少なくとも本体部の遠位部分に配置されていてもよい。カテーテルが患者に埋め込まれるとき、所望の薬剤が患者の所望の領域、例えば血管、体腔または皮下空間に接触するよう、薬剤がカテーテル上に配置される。
【0017】
線維素溶解剤は、直接的な、または間接的な活動によって、線維素を含む固まりまたはタンパク質の集合体を散乱させ、分裂させ、または分解するさまざまな薬剤である。これは、プラスミノーゲンへの間接的な活性化、および/または、線維素への直接的な影響を含むことができる。線維素溶解剤の例は、ウロキナーゼ、組織型のプラスミノーゲン活性化因子(tPA)、ストレプトキナーゼ、ナットウキナーゼ(大豆)、ルンブロキナーゼ(ミミズ)、セラペプターゼ(バクテリア)、デスモテプラーゼ(吸血コウモリ)、フィブロラーゼ、およびアルフィメプラーゼ(ヘビ)を含んでいる。線維素溶解剤はまた、線維素溶解性の酵素からなる全長において、線維素溶解性で活性な断片を含んでいてもよい。線維素溶解剤はまた、線維素溶解性の酵素からなる合成化学派生物、または、ポリマー共役、ペグ化された(ポリエチレングリコール)または炭水化物が共役したバージョンなどのそれらの断片を含んでいる。線維素溶解性のポリマーは、1つまたは2つ以上の線維素溶解性の位置(site)を、共役したサイド(conjugated side)またはポリマー連鎖へのペンダントチェーンとして含んでいてもよく、また、ポリマー連鎖の中に含まれた線維素溶解剤として有していてもよい。好ましい線維素溶解剤は、ウロキナーゼ、組織型のプラスミノーゲン活性化因子(tPA)、およびストレプトキナーゼであり、とりわけストレプトキナーゼがもっとも好ましい。線維素溶解剤は、例えば、カテーテルのポリマー表面に架橋/固定されていてもよい。この場合、架橋剤または反応性ポリマー(ポリ酸無水物など)が用いられ、または、結合ペプチドまたはポリマー面と線維素溶解性の酵素の双方に対して親和性を有するペプチド抗体が用いられる。
【0018】
抗菌剤は、例えば、ビグアニド(クロルヘキシジン、アレキジシン、PHMB-ポリヘキサメチルビグアニドを含む)、抗真菌剤(ゲンチアナバイオレット、アゾールおよびアゾール派生物、ラパマイシンを含む)、フェノール防腐剤(例えばトリクロサン、チモールなど)、ジスルフィラム、抗菌性染料(ゲンチアナバイオレット、メチルバイオレット、メチレンブルーを含む)、カチオンステロイド、抗菌性金属イオン塩または共役(例えば銀、銀サルファダイアジン、亜鉛、銅、ビスマス、ガリウムなど)、生体膜抑制剤(ビスマスチオール、RIP(RNA III抑制ペプチド)、フラノン類およびそれらの共益または派生物、合成自己誘導剤2の抑制剤、そのキナーゼまたはその受容体、ホモセリンラクトンの抑制剤、そのキナーゼまたはその受容体を含む)、抗生剤、および組合せ(テトラサイクリン、クリンダマイシン、リファマイシン、アミノグリコシド、ペニシリン、セファロスポリン類、キノロンおよびフルオロキノロン、マクロライド、カルバペネム、グリコペプチド(例えば、バンコマイシン、テイコプラニンなど)、ポリペプチド(例えば、バシトラシン、ポリミキシンBなど)、スルホンアシド、ムシプロシン(muciprocin)、リネゾリド、クロラムフェニコールを含む)、酸化性の抗菌剤(酸化窒素ドナー、N-クロロタウリン、有機および無機過酸化物)、化学療法的薬剤(DNAアルキル化剤、マイトマイシンC、アドリアマイシン、ブレオマイシン、5フルオロウラシル、タウロリジン、シスプラチン、カルボプラチンを含む)、抗菌性の寄生防御プロテイン、寄生防御プロテイン模倣剤、その断面および共役、およびそれらの塩を含んでいる。本発明で用いられる抗菌剤は、例えばエタノール、イソプロパノールおよびベンジルアルコールなどの有機アルコールを含んでおり、その量は、殺菌性を有する程度となっている(すなわち、単に防腐効果を有する程度の量ではない)。好ましい抗菌剤は、クロルヘキシジン、ゲンチアナバイオレット、それらの混合物、ミノサイクリン−リファンピシン、ミノサイクリン−リファンピシン、およびそれらの塩である。
【0019】
例えば、カテーテル内のクロルヘキシジンは、クロルヘキシジンベースの、および/または線維素溶解剤に適合したクロルヘキシジン塩の形状からなっている。クロルヘキシジン塩は、例えば、クロルヘキシジンジホスファニレート、クロルヘキシジン二グルコン酸塩、クロルヘキシジンアセト二酢酸塩、二塩化水酸化クロルヘキシジン、二塩化クロルヘキシジン、クロルヘキシジンヨウ化水素酸塩、二過塩素酸クロルヘキシジン、クロルヘキシジン二硝酸塩、クロルヘキシジン硫酸塩、クロルヘキシジン亜硫酸塩、クロルヘキシジンチオ硫酸塩、クロルヘキシジン二酸化リン酸塩、クロルヘキシジンジフルオロホスフェート、クロルヘキシジン二ギ酸塩、クロルヘキシジン二プロピオン酸塩、クロルヘキシジン二ヨード酪酸塩、二n-吉草酸クロルヘキシジン、クロルヘキシジン二カプリル酸塩、クロルヘキシジンマロン酸塩、クロルヘキシジンコハク酸塩、クロルヘキシジンリンゴ酸塩、クロルヘキシジン酒石酸塩、クロルヘキシジンジモノグリコール酸塩、クロルヘキシジンモノジグリコール酸塩、クロルヘキシジン二乳酸塩、クロルヘキシジンジアルファヒドロキシイソ酪酸塩、クロルヘキシジン二グルコサプタン酸塩、クロルヘキシジンジイソチオン酸塩、クロルヘキシジンジベンゾエート、クロルヘキシジン二ケイ皮酸エステル、クロルヘキシジンジマンデレート、クロルヘキシジンイソフタル酸塩、クロルヘキシジンジー2−ヒドロキシナフト酸塩、ジラウリン酸クロルヘキシジン、クロルヘキシジン二ミリスチン酸塩、クロルヘキシジン二パルミチン酸塩、クロルヘキシジンジステアリン酸、およびクロルヘキシジンエンボネート(chlorhexidine embonate)を含んでいる。クロルヘキシジン酢酸塩が、クロルヘキシジンの好ましい形態である。
【0020】
好ましくは、線維素溶解剤および抗菌剤は、以下の組合せからなっている。(1)線維素溶解剤は、ウロキナーゼからなり、抗菌剤は、クロルヘキシジンまたはその塩からなっている;(2)線維素溶解剤は、ウロキナーゼからなり、抗菌剤は、ゲンチアナバイオレットまたはその塩からなっている;(3)線維素溶解剤は、ウロキナーゼからなり、抗菌剤は、クロルヘキシジンとゲンチアナバイオレットとの混合物またはそれらの塩からなっている;(4)線維素溶解剤は、ウロキナーゼからなり、抗菌剤は、ミノサイクリンからなっている;(5)線維素溶解剤は、ウロキナーゼからなり、抗菌剤は、リファンピシンからなっている;(6)線維素溶解剤は、ウロキナーゼからなり、抗菌剤は、ミノサイクリン−リファンピシンからなっている;(7)線維素溶解剤は、組織型のプラスミノーゲン活性化因子からなり、抗菌剤は、クロルヘキシジンまたはその塩からなっている;(8)線維素溶解剤は、組織型のプラスミノーゲン活性化因子からなり、抗菌剤は、ゲンチアナバイオレットまたはその塩からなっている;(9)線維素溶解剤は、組織型のプラスミノーゲン活性化因子からなり、抗菌剤は、クロルヘキシジンとゲンチアナバイオレットとの混合物またはそれらの塩からなっている;(10)線維素溶解剤は、組織型のプラスミノーゲン活性化因子からなり、抗菌剤は、ミノサイクリンからなっている;(11)線維素溶解剤は、組織型のプラスミノーゲン活性化因子からなり、抗菌剤は、リファンピシンからなっている;(12)線維素溶解剤は、組織型のプラスミノーゲン活性化因子からなり、抗菌剤は、ミノサイクリン−リファンピシンからなっている;(13)線維素溶解剤は、ストレプトキナーゼからなり、抗菌剤は、クロルヘキシジンまたはその塩からなっている;(14)線維素溶解剤は、ストレプトキナーゼからなり、抗菌剤は、ゲンチアナバイオレットまたはその塩からなっている;(15)線維素溶解剤は、ストレプトキナーゼからなり、抗菌剤は、クロルヘキシジンとゲンチアナバイオレットとの混合物またはその塩からなっている;(16)線維素溶解剤は、ストレプトキナーゼからなり、抗菌剤は、ミノサイクリンからなっている;(17)線維素溶解剤は、ストレプトキナーゼからなり、抗菌剤は、リファンピシンからなっている;(18)線維素溶解剤は、ストレプトキナーゼからなり、抗菌剤は、ミノサイクリン−リファンピシンからなっている。最も好ましい組合せは、ウロキナーゼと、クロルヘキシジン、ゲンチアナバイオレット、リファンピシン、ミノサイクリン−リファンピシンまたはそれらの塩のうちの1つまたは2つ以上と、の組合せである。
【0021】
抗菌剤は、カテーテルからの抗菌剤の吸収を許すのに効果的な程度の量で、カテーテルの中に存在し得る。抗菌剤は、カテーテルの重量に対する濃度が0.01%−20%の範囲内でカテーテル中に存在することができ、好ましくは、カテーテルの重量に対する濃度が0.1%−10%の範囲内となっている。いくつかの例において、前述の範囲は、カテーテルの重量に対して0.5%−5%の範囲内となっている。抗菌剤は、例えば、カテーテルの長さ1cmあたり約200マイクログラムという濃度を有することができる。
【0022】
線維素溶解剤は、カテーテルからの線維素溶解剤の吸収を許すのに効果的な程度の量で、カテーテルの中に存在し得る。線維素溶解剤は、カテーテルの長さ1cmあたり1U−1000U(およそ6−6000ng)の範囲内で存在することができ、好ましくは、5U−500Uの範囲内となっている。
【0023】
従来は不適合であった、抗菌剤と線維素溶解剤との組合せを、線維素溶解性の安定化界面活性剤、緩衝剤、シクロデキストリン、湿潤剤または親水性のまたは両親媒性のポリマーをカテーテルまたはその被覆層の中に含ませることによって、適合性を有する組合せに変換することができる。また、潜在的に不適合な組合せを、カテーテルの様々な領域にそれらを適用することによって(例えば、近位での適用−遠位での適用)それらを分離すること(これによってそれらを適合するものにすること)ができる。それに加えて、それらはまた、線維素溶解性のトップコートと、抗菌性のコート層との間に、薬剤を含まないポリマー分離層を積層させることにより分離を保つことによって、適合化され得る。それらはまた、抗菌剤がカテーテルから拡散により放出されるまで、抗菌剤が線維素溶解剤に直接には相互作用しないよう抗菌剤を封入することにより、適合化され得る。
【0024】
カテーテルは、例えば、患者の血管などの管、または体腔の中に埋め込まれる。そのようなカテーテルの例は、経皮的なカテーテル、末梢のカテーテルを含む血管のカテーテル、中心のカテーテル、静脈のカテーテル、および動脈のカテーテル、泌尿器のカテーテル、および透析のカテーテルを含んでいる。
【実施例】
【0025】
本発明は、以下の実施例のセクションにおいて例証される。実施例のセクションは、本発明の理解のために記載されているものであり、その後の請求項において画定される本発明の範囲を制限するものとみなされるべきではない。
【0026】
防腐剤および抗生剤とウロキナーゼとの適合性
ウロキナーゼ(uPA)とクロルヘキシジン酢酸塩(CHA)との適合性を調べるため、様々な濃度のウロキナーゼ酵素(American Diagnostica)(0, 0.05, 0.5, および1.0μg/mL)が、0−10μg/mLの濃度のCHAと共に24時間、リン酸緩衝食塩水(PBS)の中で培養された。次に、uPA活性分析キット(Chemicon)を用いて、ウロキナーゼの活性が測定された。サンプルは、着色された合成物(colored complex)の形成をもたらすuPAのために、分析用緩衝剤と、クロモゲンの培養基とを用いて培養された。その後、分光光度計により405nmにおける吸光度が読まれた。
【0027】
図1に示すように、CHA:uPAの比が0.05またはそれよりも高い場合、試験溶液において、ウロキナーゼの活性はCHAの存在に影響されなかった。
【0028】
96の適切なプレートにおいて、クロルヘキシジン(CHX)、ゲンチアナバイオレット(GV)、ミノサイクリンおよびリファンピシンからなる様々な組合せが、0,1,10μg/mLの濃度、37℃、24時間、PBS中のuPAの88ユニット(0.5μg)とともに培養された。上述のuPA活性分析キットを用いて、ウロキナーゼの活性が測定された。
【0029】
図2および図3に示すように、10μg/mLまでの濃度において、CHXまたはGVにより、またはそれらの組合せにより、またはミノサイクリンまたはリファンピシンにより、またはそれらの組合せにより、ウロキナーゼの活性が不利に影響されることはなかった。
【0030】
ウロキナーゼがクロルヘキシジンの抗菌性の効果に影響を与えるかどうかを判定するため、以下の実験が実施された。ウロキナーゼが存在しない場合、表皮ブドウ球菌に対するクロルヘキシジン酢酸塩(CHA)の最小抑制濃度(MIC)は0.5ppmである。図3のプロット上の基準線よりも上にある吸光度は、微生物の有機体の成長を示している(すなわち、抑制微生物の成長の不活性)。MICにおける増加は、CHAにおける抗菌剤の勢力の減少を示している、ウロキナーゼの干渉による。図4は、CHAのMICが、ウロキナーゼの存在に影響されないことを示している。
【0031】
防腐剤および抗菌剤に関する組織型のプラスミノーゲン活性化因子(tPA)の適合性
CHX、GV、ミノサイクリンおよびリファンピシン(0,1,10μg/mL)からなる様々な組合せが、人体のtPA(Sigma)の50ユニットとともに、37℃で一晩中、緩衝剤(30mMのトリスHCl、30mMのイミダゾール、130mMのNaCl、1%のプロテアーゼフリーのアルブミン)の中で培養された。サンプルは、クロモゲンの培養基(Sigma)を用いて培養された。tPAの活性が、405nmで5分の間50秒間隔で連続的に測定された培養基の加水分解によって決定された。検量線が生成され、加水分解反応の傾きに対してユニットがプロットされた。
【0032】
図5および図6に示すように、tPA活性は、10μg/mLまでの濃度において、CHX、GV、ミノサイクリンまたはリファンピシンにより、またはそれらの組合せにより影響されなかった。
【0033】
防腐剤および抗菌剤に関するストレプトキナーゼの適合性
96の適切なプレートにおいて、様々な濃度のクロルヘキシジン(0,1,10μg/mL)およびゲンチアナバイオレット(0,1,10μg/mL)が、人体のストレプトキナーゼ(Sigma)の16.5ユニットとともに、37℃で一晩中、0.1MのNaClと1mg/mLのアルブミンとを含む10mMのトリスHClの緩衝剤の中で培養された。ストレプトキナーゼの活性が、クロモゲンの培養基S−2251(Chromogenix)を用いて測定された。サンプルは、0.6mMのS−2251および0.1U/mlのプラスミノーゲン(Sigma)を用いて1時間培養された。培養基の加水分解が、405nmで測定され、加水分解反応の傾きに対してユニットがプロットされる検量線が生成された。
【0034】
図7に示すように、ストレプトキナーゼの活性は、10μg/mLまでの濃度において、CHXまたはGV、またはそれらの組合せにより影響されなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーティングまたはバルク分散で組み入れられた抗菌剤と、トップコーティングに組み入れられた線維素溶解剤との組合せを備えた、埋め込み可能なカテーテルであって、
抗菌剤が、線維素溶解剤における線維素溶解性の活性を減少させることがなく、または、線維素溶解剤が、抗菌剤における抗菌性の活性を減少させることがないことを特徴とするカテーテル。
【請求項2】
少なくとも前記カテーテルの一部に抗菌剤が含浸されていることを特徴とする請求項1に記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項3】
少なくとも前記カテーテルの一部が抗菌剤で被覆されていることを特徴とする請求項1または2に記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項4】
抗菌剤が、線維素溶解剤における線維素溶解性の活性を減少させることがないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項5】
線維素溶解剤が、抗菌剤における抗菌性の活性を減少させることがないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項6】
抗菌剤が、線維素溶解剤における線維素溶解性の活性を減少させることがなく、かつ、線維素溶解剤が、抗菌剤における抗菌性の活性を減少させることがないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項7】
線維素溶解剤が、ウロキナーゼ、組織型のプラスミノーゲン活性化因子、またはストレプトキナーゼのうちの1つまたは2つ以上からなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項8】
抗菌剤が、クロルヘキシジン、ゲンチアナバイオレット、ミノサイクリン−リファンピシン、ミノサイクリン−リファンピシン、またはそれらの塩のうちの1つまたは2つ以上からなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項9】
線維素溶解剤が、ウロキナーゼからなり、抗菌剤が、クロルヘキシジンまたはその塩からなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項10】
線維素溶解剤が、ウロキナーゼからなり、抗菌剤が、ゲンチアナバイオレットまたはその塩からなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項11】
線維素溶解剤が、ウロキナーゼからなり、抗菌剤が、クロルヘキシジンとゲンチアナバイオレットとの混合物またはそれらの塩からなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項12】
線維素溶解剤が、ウロキナーゼからなり、抗菌剤が、ミノサイクリンからなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項13】
線維素溶解剤が、ウロキナーゼからなり、抗菌剤が、リファンピシンからなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項14】
線維素溶解剤が、ウロキナーゼからなり、抗菌剤が、ミノサイクリン−リファンピシンからなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項15】
線維素溶解剤が、組織型のプラスミノーゲン活性化因子からなり、抗菌剤が、クロルヘキシジンまたはその塩からなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項16】
線維素溶解剤が、組織型のプラスミノーゲン活性化因子からなり、抗菌剤が、ゲンチアナバイオレットまたはその塩からなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項17】
線維素溶解剤が、組織型のプラスミノーゲン活性化因子からなり、抗菌剤が、クロルヘキシジンとゲンチアナバイオレットとの混合物またはそれらの塩からなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項18】
線維素溶解剤が、組織型のプラスミノーゲン活性化因子からなり、抗菌剤が、ミノサイクリンからなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項19】
線維素溶解剤が、組織型のプラスミノーゲン活性化因子からなり、抗菌剤が、リファンピシンからなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項20】
線維素溶解剤が、組織型のプラスミノーゲン活性化因子からなり、抗菌剤が、ミノサイクリン−リファンピシンからなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項21】
線維素溶解剤が、ストレプトキナーゼからなり、抗菌剤が、クロルヘキシジンまたはその塩からなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項22】
線維素溶解剤が、ストレプトキナーゼからなり、抗菌剤が、ゲンチアナバイオレットまたはその塩からなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項23】
線維素溶解剤が、ストレプトキナーゼからなり、抗菌剤が、クロルヘキシジンとゲンチアナバイオレットとの混合物またはその塩からなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項24】
線維素溶解剤が、ストレプトキナーゼからなり、抗菌剤が、ミノサイクリンからなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項25】
線維素溶解剤が、ストレプトキナーゼからなり、抗菌剤が、リファンピシンからなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項26】
線維素溶解剤が、ストレプトキナーゼからなり、抗菌剤が、ミノサイクリン−リファンピシンからなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項27】
抗菌剤が、カテーテルからの抗菌剤の吸収を許すのに効果的な程度の量で、カテーテルの中に存在することを特徴とする請求項1乃至26のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項28】
抗菌剤が、カテーテルの重量に対する濃度が0.01%−20%の範囲内でカテーテル中に存在することを特徴とする請求項1乃至27のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項29】
抗菌剤が、カテーテルの重量に対する濃度が0.1%−10%の範囲内でカテーテル中に存在することを特徴とする請求項1乃至27のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項30】
抗菌剤が、カテーテルの長さ1cmあたり約200マイクログラムという濃度を有することを特徴とする請求項1乃至27のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項31】
線維素溶解剤が、カテーテルからの線維素溶解剤の吸収を許すのに効果的な程度の量で、カテーテルの中に存在することを特徴とする請求項1乃至30のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項32】
線維素溶解剤が、カテーテルの長さ1cmあたり1U−1000Uの範囲内で存在することを特徴とする請求項1乃至31のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項33】
線維素溶解剤が、カテーテルの長さ1cmあたり5U−500Uの範囲内で存在することを特徴とする請求項1乃至31のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項34】
経皮的なカテーテルであることを特徴とする請求項1乃至33のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項35】
血管または体腔の中に埋め込まれるためのものであることを特徴とする請求項1乃至34のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項36】
静脈のカテーテルまたは動脈のカテーテルであることを特徴とする請求項1乃至35のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。
【請求項37】
透析用のカテーテルであることを特徴とする請求項1乃至33のいずれかに記載の埋め込み可能なカテーテル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−528702(P2010−528702A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510293(P2010−510293)
【出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【国際出願番号】PCT/US2008/006492
【国際公開番号】WO2008/150375
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(502047224)アロウ・インターナショナル・インコーポレイテッド (14)
【氏名又は名称原語表記】ARROW INTERNATIONAL, INC.
【住所又は居所原語表記】2400 Bernville Road, Reading, PA 19605, U.S.A.
【Fターム(参考)】