組成物の均一な放出
【課題】布地物品乾燥器具内で均一で効果的に処理材料を放出する便利で有効な方法を提供する。
【解決手段】布地物品乾燥器具中に有益組成物を付着する装置であってa)入口と放出口とを備える導管とb)導管の放出口に接続された1以上のオリフィスを有するノズルとを備えるポンプとを備え、導管の入口は有益組成物をノズルの有益組成物の供給源から導管を介し分配するように有益組成物の供給源と連通し、それにより有益組成物がノズルから布地物品乾燥器具に分配され、それにより有益組成物が約100ミクロン〜約1000ミクロンの平均液滴直径を有し、ノズルから放出される有益組成物により形成される円錐角が約35°〜約150°であることを特徴とする。
【解決手段】布地物品乾燥器具中に有益組成物を付着する装置であってa)入口と放出口とを備える導管とb)導管の放出口に接続された1以上のオリフィスを有するノズルとを備えるポンプとを備え、導管の入口は有益組成物をノズルの有益組成物の供給源から導管を介し分配するように有益組成物の供給源と連通し、それにより有益組成物がノズルから布地物品乾燥器具に分配され、それにより有益組成物が約100ミクロン〜約1000ミクロンの平均液滴直径を有し、ノズルから放出される有益組成物により形成される円錐角が約35°〜約150°であることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は混転乾燥機などの布地物品乾燥器具内での処理材料の均一な放出に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、混転乾燥機などの布地物品乾燥器具内の布地に処理材料を適用する場合、布地に処理材料の均一な分布を実現するのは困難であった。処理材料の分布が均一でない場合、布地に未処理の部分が残る。この均一でない分布は布地の外観、手触わり、香り並びに寿命などのようなものに支障をきたし、更に望ましくない布地属性となる。更に、多くの場合、望ましく布地に付着されるよりはむしろ布地物品乾燥器具の通気孔を介して失われるなど処理材料はほかの場所に失われる結果となることが観察されている。従って、処理材料の布地への均一な分布ばかりではなく、処理材料が最終的に布地に付着し、他のところには失われないような処理材料の効果的な放出を付与することが重要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それゆえに、布地物品乾燥器具内で均一で効果的に処理材料を放出する便利で有効な方法を提供する必要がある。本発明はこの必要性に対処するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの態様において、本発明は布地物品乾燥器具内で布地に噴霧するシステムに関する。
【0005】
前記システムは、
a)混転乾燥機と、
b)
i)約100ミクロン〜約1000ミクロンの処理組成物の平均液滴直径と、
ii)約35°〜約150°の前記混転乾燥機内のスプレー円錐角と、
iii)噴霧液が前記混転乾燥機に入る時点で約0.5ml/分〜約100ml/分の流量と、
iv)噴霧液が前記混転乾燥機に入る時点で約0.5m/秒〜約20m/秒の線速度と
を有する、前記混転乾燥機内の布地に処理組成物を噴霧するスプレーとを含む。
【0006】
他の態様において、本発明は有益組成物を布地物品乾燥器具内で付着する装置を備えてよい。装置はポンプを備え、前記ポンプは入口と放出口とを有する導管と、前記導管の前記放出口に接続された1以上のオリフィスを有するノズルとを備える。前記導管の前記入口は前記有益組成物を前記導管により前記ノズルに分配するように有益組成物の供給源と連通し、それにより前記有益組成物が約100ミクロン〜約1000ミクロンの平均液滴直径を有し、前記ノズルから放出される前記有益組成物により形成される円錐角が約35°〜約150°である。
【0007】
更なる態様において、本発明は布地物品乾燥器具内の布地に処理組成物の均一な分布を付与する装置に関する。前記装置は布地物品処理装置を備え、前記布地物品処理装置は前記有益組成物が布地物品処理装置からドラムに噴霧液の形状で分配されるように混転乾燥機のドラムに結合され、前記噴霧液が前記ドラム内にある布地に前記有益組成物の約75%以上の分布均一性を付与するように前記ドラム内の布地に接触する。
【0008】
更に他の態様において、本発明は混転乾燥機のドラム内で有益組成物を付着する方法に関する。前記方法は入口と放出口とを備える導管及び前記導管の前記放出口に接続されるノズルを備えるポンプを準備することを含む。前記導管の前記入口は有益組成物の供給源と連通して配置され、前記導管の前記入口が有益組成物の供給源と連通する。前記有益組成物は、前記導管によって有益組成物の供給源から前記ノズル及び混転乾燥機の前記ドラム内に分配され、それにより前記有益組成物は約100ミクロン〜約1000ミクロンの平均液滴直径と約0.5m/秒〜約2m/秒の前記ノズルを通過する線速度を有する。前記ノズルは乾燥機ドラム内の第1象限、第2象限、第3象限、第4象限、又はそれらの組み合わせ内に配置される。前記ノズルは傾斜角を有し、第1象限の傾斜角が左に約80°から右に約45°及び上に約45°から下に約35°の範囲にわたり、第2象限の傾斜角が右に約80°から左に約45°及び上に約45°から下に約15°の範囲にわたり、第3象限の傾斜角が右に約80°から左に約45°及び上に約45°から下に約15°の範囲にわたり、第4象限の傾斜角が左に約80°から右に約15°及び上に約45°から下に約15°の範囲、及びそれらの組み合わせである。
【0009】
更なる態様において、本発明は布地を処理するため使用される有益剤の効率的な付着を付与する方法に関する。前記方法は布地物品処理装置及び有益組成物を提供することから構成される。混転乾燥機が回転する前か、混転乾燥機が回転中か、又は混転乾燥機回転後か、あるいはそれらの組み合わせで前記有益組成物が混転乾燥機内に放出されるよう前記有益組成物が前記布地物品処理装置に装填される。前記混転乾燥機内に放出される前記有益組成物から形成される円錐角は、約35°〜約150°である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は混転乾燥機などの布地物品乾燥器具内の布地への処理材料の均一分布に関する。別の態様において、発明は材料がほかの場所ではなく布地に付着されるような効率的な処理材料の付着に関する。
【0011】
定義
本明細書で使用するとき、「布地物品」は、布地を含む物品を意味する。そのような物品としては、これらに限定するものではないが、衣類、靴、カーテン、タオル、亜麻布、室内装飾用の覆い、及び掃除用具が挙げられる。
【0012】
本明細書で使用するとき、「乾燥サイクルの間」は、乾燥機が作動している期間を意味する。
【0013】
本明細書で使用するとき、「処理材料」は布地物品に利益を供給できる材料又は材料の組み合わせを意味する。そのような利益の例としては、柔軟性、みずみずしさ、水及び/又は汚れ忌避、すがすがしさ、帯電防止、防収縮、抗菌、パーマネントプレス、防しわ性、耐臭気性、耐磨耗性、フェルト化防止(anti-felting)、ピリング防止(anti-pilling)、寸法安定性、色及び白さ強調などの外観強調性、土壌再付着防止、芳香、吸収強化性、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
本明細書で使用するとき、「布地処理組成物」は1以上の処理材料を含む組成物を意味する。布地処理組成物の好適な形態としては、液体又はガスなどの流体物質、及び粒子又は粉末などの固体化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「処理材料」、「処理組成物」、「布地処理組成物」及び「有益組成物」は同義的に使用される。
【0016】
本明細書で使用するとき、冠詞が請求項で使用されるとき、冠詞「a」、「an」及び「the」は、請求、又は記載される1以上の材料を意味すると理解される。
【0017】
特に記載のない限り、構成成分又は組成物の濃度はすべて、当該構成成分又は組成物の活性レベルに関するものであり、市販の供給源に存在し得る不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0018】
特に指示のない限り、パーセンテージ及び割合は、すべて組成物の総重量に基づいて計算される。
【0019】
特に指示がない限り本明細書のすべての測定は約100kPa(1バール)の標準大気圧で行われる。
【0020】
本明細書全体にわたって記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、そのような小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されたものとして包含すると理解されるべきである。本明細書全体を通じて記載されるあらゆる最小数値限定は、それよりも大きなあらゆる数値限定を、そのようなより大きな数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体を通じて記載されるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るそれよりも狭いあらゆる数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲がすべて本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0021】
デリバリーシステム
本発明の1つの態様において、デリバリーシステムは混転乾燥機などの布地物品乾燥器具内の布地に処理材料を放出するスプレーを備える。乾燥機ドラムは典型的には処理材料の放出中回転しているが、放出中に静止していてもよい。噴霧液は処理組成物を含む。本発明の噴霧液を含む処理組成物は約100ミクロン〜約1400ミクロン、約200ミクロン〜約1300ミクロン、約300ミクロン〜約1200ミクロン、又は約500ミクロン〜約1100ミクロンの平均液滴直径を有する。液滴直径を測定する好適な機器はマサチューセッツ州フラミングハム(Framingham)にあるマルバーンインスツルメント社(Malvern Instruments Ltd.)製のマルバーン粒径測定器(Malvern particle sizer)である。
【0022】
噴霧液を含む処理組成物の粘度は、約24℃でLVIスピンドルを備えるモデルDV−IIブルックフィールド(Brookfield)粘度計を使用し測定したとき、約0.2Pa・s(200センチポアズ)以下、約0.1Pa・s(100センチポアズ)以下、又は約0.05Pa・s(50センチポアズ)以下である。ブルックフィールド(Brookfield)モデルDV−II粘度計はマサチューセッツ州ミドルボロ(Middleboro)にあるブルックフィールド社(Brookfield)から入手可能である。噴霧液を含む処理組成物の静的表面張力は、約20℃〜25℃で測定したとき約3〜約100ダイン/cm、約4〜約70ダイン/cm、又は約5〜約40ダイン/cmである。静的表面張力を測定する好適な機器はノースカロライナ州マシュウズ(Matthews)にあるクラス(Kruss)社製のクラス張力計モデルK12である。
【0023】
処理組成物はノズルを経て混転乾燥機のドラムなどの布地物品乾燥器具のドラム内に噴霧されてよい。ノズルは典型的に約200〜約600ミクロン又は約250〜約400ミクロンの直径を有するであろう。この目的に好適なノズルの非限定例は圧力旋回噴霧ノズルである。好適なノズルの非限定例としては、ジョージア州マリエッタ(Marietta)のプレシジョン・バルブ・コーポレーション(Precision Valve Corporation)製のコスモス13NBUノズル(Cosmos 13 NBU nozzle)、カリフォルニア州シティ・オブ・インダストリー(City of Industry)のセント−ゴバイン・カルマーUSA社(Saint-Gobain Calmar USA,Inc.)製のWX12及びWD32ノズル(WX12 and WD32 nozzles)、並びにイリノイ州ケアリー(Cary)のシークイスト・ディスペンシング(Seaquist Dispensing)製のシークイストモデル番号DU−3813(Seaquist Model No.DU-3813)が挙げられる。ノズルはスプレー装置に結合していてよい。ノズルはスプレー装置に恒久的にあるいは取り外し可能に取り付けられてよい。取り外し可能に取り付けられた1つの非限定例はスプレー装置から簡単に取り外し又はスプレー装置に簡単に取り付けられるようなねじ付きのノズルである。ノズルは使い捨てであってもよい。スプレー装置は自立であってもよく、あるいは更に以下に詳細に説明するように乾燥器具に結合されていてもよい。
【0024】
布地物品乾燥器具内の布地はノズルからの流れを妨げるかもしれないのでノズルが動作している間ノズルに直接接触しないことが望ましい。従って、ノズルはノズルから離れて布地を偏向する偏向板を備えることが望ましい。偏向板はノズルの全て又は一部(例えばノズルの頂上の部分)を取り囲んでよい。布地物品乾燥器具内への偏向板の拡張の程度は、偏向板がスプレーの円錐角を通常の使用条件下で妨害しないことを保証するよう選択される。偏向板は任意の好適な材料から作製されてよく、その非限定例としてはプラスチック、金属、及びプレキシグラスなどが挙げられる。偏向板は選択された形状が混転乾燥工程中に布地一体性にマイナスの影響を及ぼさない限り、提供された任意の形状を有してよい(即ち、とがった縁/角又は粗い表面がない)。
【0025】
ノズルの配置並びにノズル角度は混転乾燥機内で布地と噴霧の接触を最適化するよう変更できる。布地と噴霧の接触の最適化に関してノズルがどこに配置されるべきかの決定を容易にするため、乾燥機ドラムは図1に示すように4つの等しい象限に分割されてよい。4つの象限(第1象限601、第2象限602、第3象限603及び第4象限604)は、乾燥ドラム600のx軸630とy軸640の交差により決定される。ノズル610の位置は後にこれら象限に対して変更されてよい。象限内部のノズル610配置の1つの非限定の例は、図1の第2象限602に示されるような象限二分線612に沿ってでよい。
【0026】
又、ノズル610は左から右方向及び/又は上から下方向へ曲げられてよい。ノズルの角度は本明細書において「傾斜角」と呼ばれる。傾斜角は象限から象限によって変化してよい。例えば、乾燥機の扉側から乾燥機ドラム内をまっすぐ見ると、第1象限601において、傾斜角は左に約80°から右に約45°及び/又は上に約45°から下に約35°である。第2象限602において、傾斜角は右に約80°から左に約45°及び/又は上に約45°から下に約35°に変わる。第3象限603において、傾斜角は右に約80°から左に約45°及び/又は上に約45°から下に約15°に変わる。第4象限604において、傾斜角は左に約80°から右に約15°及び/又は上に約45°から下に約15°に変わる。
【0027】
傾斜角は通常、ノズルが乾燥機通気口/リントスクリーン又はドラムの上部に直接向けられないように選択される。更に、一般に、回転する布地の円の下部で布地に接触するために乾燥機ドラム周辺まわりの布地の混転により作られる空の空間/トンネルを通ってノズルからの噴霧が放出されようノズルに角度を付けることが望ましい。又、乾燥機ドラムが回転中、布地が最も高い垂直方向の点から最も低い垂直方向の点に落ちるとき、乾燥機中で混転される布地と噴霧が交差するようノズルを特定の角度に曲げることが望ましいかもしれない。
【0028】
場合によっては1を超えるノズルを利用することが望ましいかもしれない。それぞれのノズルは、同時に、又は他のノズルとは異なる時間、流量、流速などで噴霧するよう設計されてよい。
【0029】
混転乾燥機などの布地物品乾燥器具の噴霧の流量は、約0.5〜約100ml/分、約1〜約75ml/分、約2〜約50ml/分、又は約15〜約25ml/分である。「ウェイング(Weighing)法による閉鎖導管内の液体の流れの測定」と題するASME/ANSI MFC−9M−1988で流量を測定する1つの好適な方法が見出される。
【0030】
混転乾燥機ドラム内噴霧の線速度は、約0.05〜約2m/秒、又は約0.1〜約1m/秒である。混転乾燥機ドラム内の噴霧長さはドラムの回転軸線に沿って測定するときドラム長さの約20%〜約95%である。線速度を測定する1つの好適な方法はアルブレヒト(Albrecht)H.E.、ダマシュケ(Damaschke)N.、ボリイズ(Borys)M.及びトロピア(Tropea)C.により著作された2003年、XIV、738巻、382頁の「実験流体の機械的構造(Experimental Fluid Mechanics)」シリーズの「レーザードップラー及び位相ドップラー測定技術(Laser Doppler and Phase Doppler Measurement Techniques)」編に記載されているようなレーザードップラー測風学を活用している。
【0031】
噴霧液の円錐角は噴霧液が混転乾燥機ドラム内に噴霧されるとき噴霧液が形成する角度を指す。円錐角を決める方法は以下に記載される。噴霧液の円錐角は約35°〜約150°、約40°〜約110°又は約50°〜約90°である。
【0032】
噴霧装置
先に示したように、本発明は有益組成物を混転乾燥機内に放出する噴霧装置を備えてよい。噴霧装置は独立型の装置でもよく又は布地物品乾燥器具内に組み込まれていてもよい。本明細書で使用するとき、用語「噴霧装置」は用語「布地物品処理装置」と区別なく使用される。本発明と共に使用されてよい好適な噴霧装置の非限定例が下記の同一出願人による同時係属の出願2004年12月23日公開の「布地強化操作中に有益組成物を1以上の布地物品に適用する方法及び装置(Processes and Apparatuses for Applying a Benefit Composition to One or More Fabric Articles During a Fabric Enhancement Operation)」と題する米国特許出願第2004/0,259,750号;2004年11月4日公開の「揮発性物質材料放出方法(Volatile Material Delivery Method)」と題するWO2004/12,007;2004年7月1日公開の「加熱手段を含む布地物品処理方法及び装置(Fabric Article Treating Method and Device Comprising a Heating Means)」と題する米国特許出願第2004/0,123,490号;2004年7月1日公開の「布地物品処理装置の熱防御(Thermal Protection of Fabric Article Treating Device)」と題する米国特許出願第2004/0,123,489号;2004年7月15日公開の「1を超えるハウジングを含む布地物品処理装置(Fabric Article Treating Device Comprising More Than One Housing)」と称する米国特許出願第2004/0,134,090号;2004年7月29日公開の「安全及び制御装置を備える布地物品処理装置(Fabric Article Treating Apparatus with Safety Device and Controller)」と題する米国特許出願第2004/0,025,368号;及び2004年2月12日公開の「布地物品処理方法及び装置(Fabric Article Treat
ing Method and Apparatus)」と題する米国特許出願第2004/0,025,368号に開示される。
【0033】
本発明の1つの態様において、噴霧システムは、更に下記に詳細に記載するポンプ、ノズル、有益組成物供給源、及び導管を備える。導管は有益組成物供給源をポンプに接続し、それにより有益組成物はポンプのノズルを介して混転乾燥機に放出される。あるいは、導管は有益組成物供給源をポンプに接続し、それによって、有益組成物は導管を介してポンプとノズルの間に輸送され、そして混転乾燥機に放出される。尚、導管の内部は任意の形状でよく、その非限定例としては円形状及び/又は楕円形状にしたものが挙げられる。又、ノズルの前の導管内に逆止弁を備えることが望まれる。逆止弁の最小使用圧力の非限定例は、約689Pa(0.1psi)〜約14kPa(2psi)又は約3.4kPa(0.5psi)〜約7kPa(1psi)である。
【0034】
ポンプは手動で操作されてもよく及び/又はポンプは自動化されてもよい。ポンプは機械的に駆動されてもよく、電気的に駆動されてもよく、又はそれらの組み合わせで駆動されてもよい。
【0035】
噴霧システムには、貯蔵容器などの布地処理組成物の供給源を包含する又は布地処理組成物外部供給源と連通するハウジング又はエンクロージャ、ノズルなどの出力装置、処理回路並びに入力及び出力回路を有する電子制御装置などの制御装置、温度センサー、光センサー、動作センサーなどの1以上のセンサー、起動スイッチ及び/又はキーパッドなどの1以上の入力装置、色彩光又は発光ダイオードなどの1以上の指示機器、及び放出される前に(間に)布地処理組成物が静電荷される場合の電荷システムが含まれてよい。
【0036】
ここで、添付図面にその一例が示されている、前述の温度又は時間特性の1つに従って布地処置組成物を供給するためのデバイスの好適な諸実施形態に詳細に言及するが、図全体を通じて、類似の番号は、同一の要素を示す。
【0037】
図2〜5は、本発明に使用されてよい代表的な噴霧システムの1つの実施形態を示す。
【0038】
図2の実施形態を参照する時、全体的に参照番号10で表される「独立型」の制御装置及び散布器(即ち、自蔵型装置として)は二つの主要なエンクロージャ(又はハウジング)20及び50を有するものとして示される。この実施形態では、エンクロージャ20は、布地物品乾燥器具(例えば、衣類乾燥機)の内部に配置される「内側ハウジング」の働きをし、エンクロージャ50は、布地物品乾燥器具の外部に配置される「外側ハウジング」の働きをする。エンクロージャ50は、布地物品乾燥器具の扉の外部表面上に取り付けられてよいが、代わりにどの外部表面上に取り付けられてもよく、そのような外部表面の非限定例としては、布地物品乾燥器具から離れた壁面又は他の住居内の構造体を含む、側壁、上壁、上開き蓋の外表面などが挙げられる。更に、エンクロージャ20は、布地物品乾燥機のどの内側表面上に取り付けられてもよく、その例として、扉の内面、布地物品乾燥機のドラム、後壁、上部開放蓋の内面などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
エンクロージャ50は、外部表面に恒久的に取り付けられてよく、好ましくは外部表面に取り外し可能に取り付けられてもよい。同様に、エンクロージャ20は、内部表面に恒久的に取り付けられてもよく、内部表面に取り外し可能に取り付けられてもよい。そのような付属装置についての1つの構成が図7に示され、そこで乾燥器具の扉は全体的に参照番号15で表される。
【0040】
例えば、扉の内部表面上に取り付けられるときには、エンクロージャ20を、「永久的に」取り付けられた外観をもつように構築して、実際には本当に布地物品乾燥器具の一部として構築することなく、乾燥機ユニット(又は他のタイプの布地物品乾燥器具)の扉に「組み込まれた」ものに見えるようにしてもよい。一方、エンクロージャ20はおそらく扉の近く又は扉の内面側に沿ってより緩く、図2〜5に描かれ実施形態10のひとつのように、器具の垂直の扉に沿って「ぶらさがる」ように装着されてよい。本明細書で使用するとき、用語「扉」が、人間の乾燥機装置の内部容積への接触を可能にする可動クロージャ構造を表しており、そのような接触を可能にする実質的にいかなる物理形態にすることもできることが理解されよう。扉「クロージャ構造」は、乾燥機装置の上面にある蓋、又は何らかの形のハッチなどにすることができる。
【0041】
処理装置10を、ばね、パッチ、磁石、ねじ、若しくは他の取り付け手段、及び/又はアークコロナ放電などによる布地物品乾燥器具の接地部品との接触を通じて、あるいは残留電荷の放散を通じて接地してよいことに留意すべきである。電荷を放散させる非限定的な1つの方法は、イオン化機構、例えば、供給源から遠くに延びる1組の金属線を用いることによる。多くの場合、衣類乾燥機のような布地物品乾燥器具は、エナメル加工された表面を有する。1つの接地方法は、布地物品乾燥器具のエナメル加工表面に接地することであり、接地する非伝導性のエナメル塗料を貫通するピンを用いる。布地物品乾燥器具の非伝導性表面に接地するもう1つの方法は、容量放電をもたらす働きをする、布地物品乾燥器具と布地物品処理デバイスとの間に配置された薄い金属板の使用を含む。そのような板の典型的な厚さは、約5ミクロン〜約5000ミクロンである。
【0042】
図2において、放出ノズル24及び「扉センサー」22は内部ハウジング20上に見ることができ、又内部ハウジング20の内部容積内に有益組成物保持容器26を備える。容器26は、有益組成物を保持するために使用してよい。放出ノズル24は、加圧スプレー又は静電ノズルのように作動できる任意の高圧電源(図2に示されず)同伴のどちらか一方を使用して流体噴霧ノズルのように作動できる。有益組成物は、液体若しくはガス状化合物のような流動性の物質を含むことができ、又は粉末のような粒子の形態若しくは液体との溶液中の固体粒子の形態をした固体化合物を含むことができる。容器26は、基本的にいかなる大きさ及び形状のものであることもでき、例えばパウチ若しくはカートリッジの形態をとることができ、又は有益組成物が飲料水を含む状況では、当該容器は単なる家庭の水道であることがおそらく可能である。
【0043】
内側ハウジング20及び外側ハウジング50は、通常、電気連通している。図2の実施形態において、テープケーブル40(又、しばしば「リボンケーブル」と呼ばれる)は、二つのハウシング20及び50の間を通り、布地物品乾燥器具扉15(例えば、図7参照)の内表面に沿って扉15の上部を越え、扉15の外部表面の下へ進む。
【0044】
図3は反対側角度からの同一布地物品処理装置10を示し、外部ハウジング50は56にオン・オフスイッチを備える。テープケーブル40は再び図3において見ることができ、図3において内側ハウシング20の面に沿って見ることができ、扉取り付けストラップ21を見ることができる。T取り付けストラップの末端部は図2でも見ることができる。確かに内側ハウシング20を乾燥機扉15(又は他の内面)に取り付ける他の配置が本発明の原理からかけ離れることなく利用可能であり、その非限定例としては磁石、吸着カップ、ホックが挙げられる。
【0045】
図4について説明する。布地物品処理装置10は容器26が内側ハウシング20の内容積として見られるよう示される。外側ハウジング50では、1組のバッテリ52に加えて、54の個所に電子コンポーネントを備えたプリント基板を見ることができる。標準の家庭線間電圧、電池又は更に太陽エネルギーを含む任意の種類の電源が本発明において使用できると考えられる。
【0046】
図5について説明する。他の機械設備のいくつかは内側ハウシング20について示される。図5の実施形態において、放出ノズル24は静電ノズルのような働きをし、それにより、この図に示されない電気導体の使用により、高圧電源28と接続される。図6に示したように、急速継手スイッチ34が安全の目的で設けられ、その結果、必要であれば高圧電源28は直ちに運転停止できる。ポンプ30及び対応する電動モータ32を図5で見ることができる。放出ノズル24が加圧噴霧だけを作り出しているのか、又は高圧電源28を使用する静電噴霧を作り出しているのかに関わらず、何らかのタイプのポンプ装置が使用される。
【0047】
図6は本発明と共に使用に好適な布地物品処理装置10に備えられてよい電気及び機械構成要素のいくつかのブロック図を提供する。この実施例の実施形態では、内側ハウジング20内に、放出ノズル24を通じて分配される流体を帯電させるために使用される高圧電源28が設けられ、これを静電ノズルシステムにしている。内側ハウジング20は、乾燥器具内で必要とされるデバイスを収容するための一般的な本体又はエンクロージャを使用しており、そのようなコンポーネントが、全体的に、乾燥器具の処理サイクルの間、通常、高い温度に曝されることが理解されよう。それゆえに、より繊細な電子コンポーネントは、通常、(常にそうとは限らないが)外側ハウジング50内のような異なる場所に取り付けられる。
【0048】
テープケーブル40は、特定の指令信号及び電力を内側ハウジング20へと運び、又更に、内側ハウジング20内に取り付けられたセンサーから電気信号を受け取り、それらのセンサー信号を外側ハウジング50へと伝達し返す。電源制御信号は、配線70に従って進み、急速切断スイッチ34を通過し、高圧電源28に到達する。この信号は、布地物品処理装置10の設計者によって選択された制御方法のタイプに応じて、一定DC電圧、一定AC電圧、可変DC電圧、可変AC電圧、又は何らかのタイプのパルス電圧を含むことができる。
【0049】
一実施形態では、70における信号は、可変DC電圧であり、この電圧が増大するにつれて、ノズル24に、又は容器26内に高電圧を伝える、電極38に取り付けられた導体39(例えば、配線)に沿って、高圧電源28の出力電圧の大きさも増大する。次いで、電極38に印加される電圧が、有益組成物へと移動する。代表的な実施形態の可変出力電圧電源28の代わりに、任意で、一定出力電圧DC高圧電源を使用することができる。
【0050】
有益組成物が容器26内で帯電されると、チューブ又は通路42を通ってポンプ30の入口へと進み、その後、有益組成物は加圧され、ポンプの出口を通り、別のチューブ(又は通路)44に沿って放出ノズル24へと進む。本発明で使用する場合、使用される配管のタイプ、ポンプ30のタイプ、及びポンプを駆動する電動モータ32のタイプの実際の詳細を、ほぼすべてのタイプの圧力及び流量の要件について、容易に構成することができる。又、ポンプ30の出口に所望の圧力及び流量を提供するための、電動モータ32の電圧及び電流要件も、本発明での使用のために容易に構成することができる。実質的に任意の形式のポンプ及び電動モータの組み合わせがいくつかの形態又は別の形態で利用でき本発明の教示内に入る有用な装置を創る、又は独立型ポンプが使用できる(即ち、連結された電動モータなしに)。
【0051】
ポンプの入口開口部を通って延び、引き続きポンプの放出開口部を通る連続チューブにポンプが作用を及ぼす、蠕動ポンプのような一部のタイプのポンプは、別個の入力及び出力ライン又はチューブがそれに接続される必要がないことに留意すべきである。配管が、帯電した有益組成物からポンプを電気的に絶縁させることができるので、この配置は、放出ノズル24に向けて送り出される静電的に帯電した流体又は粒子と共に使用するのに特に有益である。又、必要に応じて、ばね作動式ポンプ機構など代替ポンプ装置も使用可能であることに留意すべきである。好適な蠕動ポンプの非限定的な例として、ケンタッキー州ルイビル(Louisville,Kentucky)のトーマス・インダストリーズ(Thomas Industries)から入手可能な、モデル10/30蠕動ポンプがある。
【0052】
必要に応じて、布地物品処理装置10は、いくつかのセンサーの使用により向上でき、その例としてはこれらに限定するものではないが、扉(又は蓋)センサー22、動作センサー36、湿度センサー46及び/又は温度センサー48が挙げられる。
【0053】
図7は本発明と共に使用されてよい布地物品処理装置10の1つの独立型実施形態のいくつかの構成要素の一般配置を図式的に示す。前述のように、電子部品54及びバッテリ52は、外側ハウジング50内に配置されており、当該外側ハウジング50は、外側ハウジング50と内側ハウジング20との間で電源及び入力/出力信号を伝えるフラットケーブル40に電気的に接続されている。
【0054】
内側ハウジング20内には、容器26、ポンプ30、電動モータ32、高圧電源28、放出ノズル24、及び特定の種類の処理装置10に備えられることもあれば、備えられないこともある様々なセンサーが収容される。ノズル24へと高電圧を伝える導電体39が描かれており、これは、高電圧を容器26へ伝える代わりに代替的に使用できる一構成である。ポンプの入口への配管42に加えて、有益組成物をノズル24へと提供するポンプの出口からの配管44が示されている。高圧電源28が、本発明の教示の範囲内で完全に任意であることに留意すべきであり、ノズル24から放たれる噴霧液滴/粒子が静電的に帯電されるべきでない場合、内側ハウジング20内に高圧電源は必要ない。
【0055】
図8は本発明と共に使用の他の実施形態を示し、通常、参照番号110で示される布地物品処理装置を表す。本発明のこの様式では、これまでの独立型実施形態の図に描かれた制御装置が、ここでは乾燥器具110の電子制御システムに組み込まれている。扉15が図8に示され、それが人間ユーザーによる乾燥器具110内部ドラム容積への通常のアクセス点である。ノズル24は、有益組成物をドラム領域内に導くために使用されており、ドラムは、通常、参照番号114によって表されている。供給管44は、制御弁120を通じて有益組成物をノズル24へと運び、当該制御弁には、必要に応じてオン・オフ押しボタン56を設けることができる。
【0056】
図9は本発明の他の独立型実施形態を示し、通常、参照番号150によって示される。図9に示される構成要素には容器(又は室)26、任意の充電構成要素39(高電圧を容器又はノズルに輸送する電極又は他の種類の導電体など)、放出ノズル24、ポンプユニット30、及び1組のバッテリ52が挙げられる。電子プリント基板54が設けられており、これには、通常、マイクロコントローラ又は他のタイプの制御回路が含まれる。参照数字129で表されるようなそのような装置には1以上のセンサーが設けられてよく、それらには圧力センサー、扉センサー22、動作センサー36、湿度センサー46及び/又は温度センサー48を挙げることができる。この実施形態150では、コンポーネントすべてが1つのハウジング内に入れられており、ユニット全体が、消費者の家庭で見られる従来型の衣類乾燥機のような布地物品乾燥器具内に配置される。
【0057】
図9の「単一ハウジング」独立型ユニット150は、図6〜7について本明細書に記載されるすべての電気並びに電子構成要素を組み込むことができる。
【0058】
図10〜図14において、同様の参照番号は同様の要素を示しており、本発明の第3実施形態に従って構成された有益組成物分配装置1100が示されている。装置1100は、2つのエンクロージャ又はハウジング1120及び1150を備える。エンクロージャ1120は、例えば、衣類乾燥機(図10〜図14には図示せず)などの布地物品乾燥器具のような布地向上装置の内部に配置される「内側ハウジング」を画定し、エンクロージャ1150は、布地物品乾燥器具の外部に配置される「外側ハウジング」を画定する。布地価値増進装置は又、洗濯装置又は洗濯及び乾燥装置を備えてもよい。エンクロージャ1150は、感圧性で熱的に安定な接着剤の発泡体ストリップ(図示せず)などにより、布地価値増進装置扉(図示せず)の外面上に取り付けられてもよい。あるいは、エンクロージャ1150は、布地価値増進装置のいずれか他の外面上に取り付けられてもよく、その非限定的な例として、側壁、頂部壁、上部開放蓋の外面などが挙げられる。エンクロージャ1150は又、布地価値増進装置とは別の壁又は他の家屋構造の上に取り付けられてもよい。更に、エンクロージャ1120は、感圧性で熱的に安定な接着剤の発泡体ストリップ(図示せず)などにより、布地価値増進装置のいずれかの内面上に取り付けられてもよく、その例として、扉の内面、装置のドラム、後ろ壁、上部開放蓋の内面などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
図10及び11に示されるように、内側ハウジングエンクロージャ1120は、一体式前側/側面主要区分1122、及びねじ、接着剤、スナップ嵌め要素などによって主要区分1122に固定されたバックプレート区分1123を含む本体1121から構成される。区分1122及び1123は、好ましくは、高分子材料で成型される。本体1121内には、以下の要素、放出ノズル24、布地強化装置の扉が開く際センサー22が周辺光に露出されるよう周辺光を感知する扉センサー22、動作センサー36(本体1121内に収容され本体1121の外からは見ることができない)、湿度センサー46(図10及び11に不図示)及び温度センサー48を収容できる。この実施形態では、ノズル24は、高圧電源に組み合わされていない。ノズル24は、加圧噴霧を発生させるための流体噴霧ノズルとして機能する。
【0060】
図10〜12及び15を説明する。エンクロージャ1150は、後方壁1151aを有する主本体1151、下記に記載する可変長さの未使用ケーブル1140を保管するための第一の内側区画1151b、流体ポンプ1130を貯蔵するためのの第二の区画1151C、ポンプ1130を駆動するためのモーター1132、バッテリ52、チューブ1142(後述する)及びチューブの部分1144(後述する)を含む。更に、エンクロージャ1150は、ピン1152a(図12にその1つのみが示される)によるなどの主本体1151に枢軸に接続されるカセット扉1152、プリント基板1160a及びフェースプレート1162を含む。プリント基板1160aは、主本体1151と面板1162の間に収められる。面板1162は、ねじ、接着剤、スナップ嵌め要素、又は類似連結要素により、主本体1151に接続される。旋回可能扉1152は、有益組成物を満たされた取り外し可能な容器1170により定義される流体貯槽を受け入れるためのポケット1152bを有し、その組成物は、本文献又は本明細書に記される文献で説明される有益組成物のいずれか1つを含んでもよい。容器1170は、高分子材料、紙、箔、これらの材料の組み合わせ、又は類似材料で形成されてもよい。扉1152は、主本体1151に接続された第一及び第二の可撓性アーム1153を介して、取り外し可能に主本体1151内の閉止位置に保持される。
【0061】
面板1162内の対応する開口部を貫いて延びるのは、オン・オフスイッチ1266c、「再綿毛化」キー又はスイッチ266d、及びポテンショメータを含んでもよいダイアル266aであり、これをユーザーが回して、布地価値増進処理中の少なくとも1つの布地物品に対して有益組成物によりもたらされるべき強、標準、軽効果レベルに対応する、強、標準、軽設定の所望の1つにダイアル入力する。
【0062】
ケーブル1140は、エンクロージャ1120及び1150に接続されて、これらの間を延びる。ケーブル1140は、布地価値増進装置扉の内面に沿って、扉の頂部を越え、扉の外面を下へ及んでもよい。ケーブル1140の未使用のいかなる長さ部分は、第一の区画1151bに手で挿入して、保管することができる。
【0063】
ケーブル1140は、外側エンクロージャ1150内の流体ポンプ1130から内側エンクロージャ1120のノズル24へと有益組成物を運び(図14参照)、電気信号を内側エンクロージャ1120内に設置されたセンサー36、22、46及び48から外側エンクロージャ1150内のプリント回路基板1160aに設置されたマイクロコントローラ1160へと伝える。
【0064】
第一の継手1172が第一及び第二の取り付け棚1155a及び1155b、図12及び13を参照、により主本体1151に取り付けられ、チューブ又はチャンネル1142(図13に図示されず)に接続され、次にポンプ1130に接続される。第一及び第二の棚1155a及び1155bは、第一の継手1172のフランジ1172aの対向する側上に配置されて、フランジ1172aを包囲するように、スナップ嵌め、接着剤で固定、又は共にボルト留めされる。棚1155a及び1155bと継手1172を含む組み立て体は、棚1155a及び1155bが主本体1151内に画定されたスロット1151dの中に受け入れられるように、主本体1151に取り付けられる。扉1152がその閉止位置に旋回され、及び有益組成物が容器1170からチューブ1142へ移動する流路を提供するために容器1170を付き通す又は他の方法で貫通するように機能するとき、継手1l72は、流体容器1170の一部を形成する第二の継手1170aに挿入される。有益組成物はチューブ1142からポンプ1130の入口に移動し、その後その組成物は加圧されチューブ又はチャンネル1144(図12に示される)を介して運ばれ、ケーブル1140により放出ノズル24に延在し、そこで有益組成物が放出される。図示する実施形態では、ポンプ1130とモータ1132は、単一の組み立て体即ち圧電ポンプを備え、その1つが、パーテクノロジー社(Par Technologies,LLC)から製品表記LPD−30Sで入手可能である。本実施形態又は他の実施形態で使用されてよい他の好適なポンプとしては、これらに限定するものではないが、ギヤーポンプ及びダイヤフラムポンプが挙げられる。1つの好適なダイヤフラムポンプの非限定例はニュジャージー州トレントン(Trenton)にあるKNFニューバーガー(Neuberger)社から入手できるDCモーターを備えたモデルNo.NF5RPDC−Sである。
【0065】
電動モータ1132を制御するのに使用される制御信号のタイプは、装置1100の設計要求により変更可能であり、そのような信号は、導電体1172によってモータ1132に伝えられる。図示する実施形態では、導体1172に沿って伝わる電気信号は、マイクロコントローラ1160により制御されるパルス幅変調(PWM)信号を含む。もちろん、そのようなパルス幅変調信号は、いずれかの適切なコントローラ若しくはプロセッサー、又は適切な別個の論理によっても生成可能である。
【0066】
上記のように、エンクロージャ1150は、バッテリ52を貯蔵するための第二の区画1151cを備えており、これは、2本のAA電池を含んでもよい。図示実施形態において、バッテリ52は電源を画定し、DC電圧をDC電源1158に供給する(図14を参照)。例のDC電源は製品表記「MAX1724EZK50−T」のもとにマキシムインテグレイテッドプロダクツ(Maxim Integrated Products)社から市販の集積回路チップを含む。DC電源1158は出力電圧をマイクロコントローラ1160に供給する。
【0067】
好適なマイクロコントローラ1160には、アトメル社(Atmel Corporation)により製造されて、製品表記Atmega48−16Alで販売されているマイクロプロセッサーがある。あるいは、マイクロコントローラ1160は、アトメル社(Atmel Corporation)により製造されて、製品表記Atmega48−16AJで販売されているマイクロプロセッサーを含んでもよい。言うまでもなく、異なる製造者により製造される他のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサー、コントローラ、若しくはプロセッサー、又は別個のデジタル論理を、代わりに使用することが可能である。
【0068】
マイクロコントローラ1160は、搭載メモリーと、アナログ及びデジタル信号用の入力及び出力ラインとを含む。マイクロコントローラ1160は、RS−232通信リンクを使用して任意のプログラマインターフェースに接続可能な、シリアルポートも有する。上記したように、オン・オフスイッチ1266c及び再綿毛化キー266dはマイクロコントローラ1160に接続される(図14参照)。上記のように、動作センサー36、扉センサー22、湿度センサー46、及び温度センサー48は、マイクロコントローラ1160に対して信号を生成する。更に上記のように、マイクロコントローラ60は、ポンプモータ1132に対するパルス幅変調(PWM)信号を導体1172経由で生成する。音声表示器1300は、マイクロコントローラ1160に更に接続され、及び、乾燥サイクルが完了したこと、衣類が有益組成物で処理されたこと、有益組成物投入サイクル中にエラーが生じたこと、又は有益組成物分配装置に流体がなくなったことを表示するように機能する。音声表示器1300はプリント基板1160に取り付けられる(図12参照)。
【0069】
更に、第一、第二、第三、第四及び第五の発光ダイオード1400a〜1400eがマイクロコントローラ1160に接続される(図11〜13参照)。ダイオードは動作時オペレーターに見えるようフェースプレート1162に接続される(図11参照)。第一のダイオード1400aは、装置1100がオン・オフスイッチ1266cにより活性化されたときに、マイクロコントローラ1160により作動される。第二のダイオード1400bは、ポンプ1130が有益組成物をノズル24に向けてポンプ輸送しているときに、マイクロコントローラ1160により作動される。第三のダイオード1400cは、再綿毛化キー266dが活性化されたときに、マイクロコントローラ1160により作動される。第四のダイオード1400dは、対応する布地価値増進処理サイクルのための噴霧操作が完了したときに、マイクロコントローラ1160により作動される。第五のダイオード1400eは、容器の流体がなくなったとき、又は布地価値増進サイクルが妨害されたときに、警報信号を生成するためにマイクロコントローラ1160により作動され、後者の事象は、扉センサー22が光を感知する又は動作センサー36が動作を感知しないことにより検知されてもよい。マイクロコントローラ1160は、ポンプモータ1132により引き込まれる電流の変化を感知することにより、容器1170の流体がなくなったことを感知してもよい。
【0070】
処理組成物
処理組成物は、これらに限定されるものではないが、柔軟性、土壌再付着防止、しみ又は水忌避性、色及び白さ強調、芳香、強化吸収、帯電防止、抗菌、しわ抑制、形状/形態保持、及び/又は布地磨耗耐性を含む1以上の布地利益を提供する。このような利益を提供できる物質を含有する物質の部類としては、これらに限定されるものではないが、カチオン性物質、非イオン性物質、他のポリマー物質、及び粒子状物質が挙げられる。通常、前記処理物質は、組成物の総重量に基づいて、少なくとも約0.5重量%、少なくとも約2重量%、約4重量%〜約90重量%、約4重量%〜約50重量%、又は約4重量%〜約10重量%のうちの1つの濃度で存在する。好適な処理材料としては、これらに限定するものではないが、2004年11月4日公開の「揮発性材料放出方法(Volatile Material Delivery Method)と題するWO2004/12,007、2000年5月4日公開の「布地ケア組成物及び方法(Fabric Care Composition and Method)」と題するWO00/24,856、2005年2月3日公開の「布地物品処理システム及び方法」と称する米国特許出願第2005/0,022,311号、及び2005年4月14日公開の「静的制御を有する布地物品処理装置及びシステム(Fabric Article Treating Device and System with Static Control)」と題する米国特許出願第2005/0,076,534号に開示されたものが挙げられる。
【0071】
本発明と関連して使用される布地処理組成物としては香料が挙げられれてよい。香料は、少なくとも約30重量%、約35重量%〜約100重量%、約40重量%〜約100重量%、又は約40重量%〜約70重量%の101kPa(1気圧)で約250℃以下の沸点を有する香料材料から構成される少なくとも約0.005重量%、約0.005重量%〜約10重量%、又は約0.1重量%〜約2重量%の香料などの材料;布地処理材料;及び同時係属の出願WO2004/12,007に開示されたような1以上の補助剤成分である任意の支持材料及び残部を含んでよい。
【0072】
又、本発明と関連して使用される布地処理組成物には約0.5〜約20%の柔軟仕上げ剤又は布地ハンド変性剤(fabric hand modifier)が含まれてよく、その非限定例としてはジエステル第四級アンモニウム化合物、ポリ第四級アンモニウム化合物、カルボン酸と四級化された物質でエステル化されたトリエタノールアミン、アミノエステル第四級アンモニウム化合物(amino esterquats)、カチオン性ジエステル類、ベタインエステル類(betain esters)、ベタイン類、アミノシリコーン類、カチオン性シリコーン類、第四級アンモニウム化合物/シリコーン混合物、官能化ポリジメチルシロキサン類(「(PDMS」)、酸化アミン類、シリコーンコポリオール類、カチオンデンプン類、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリエチレン乳濁液を含むシリコーン又はシリコーンエマルション、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0073】
本発明と関連して使用される布地処理組成物には又、約0.1%〜約1.2%の静電気防止剤が含まれてよく、その非限定例としてはポリアニリン類、ポリピロール類、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリチオフェン類、エトキシ化ポリエチレンイミン類、及びSTATEXAN WP、STATEXAN HA、又はSTATEXAN PES(ドイツ、レバークーセン(Leverkusen)のバイエル(Bayer)の子会社ランゼス(LanXess)社から入手可能)、ETHOFAT(オランダ、アーンヘム(Arnhem)にあるアクゾノーベル(Akso Nobel)社から入手可能)などの種々の市販材料及びこれらの混合物が挙げられる。
【0074】
本発明と関連して使用される布地処理組成物には又、約0.005〜約1.5%の悪臭抑制剤が含まれてよく、その非限定例としては置換又は非置換シクロデキストリン類、多孔質無機材料、デンプン、嗅覚の臭気遮断剤、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0075】
又、本発明と関連して使用される布地処理組成物には約0.05〜約0.5%の防腐剤が含まれてよく、その非限定例としては商標名UNIQUAT(登録商標)のもとで(スイス、バーゼル(Basel, Switzerland)のロンザ(Lonza)社から)入手可能であるジデシルジメチルアンモニウムクロライド、商標名PROXEL(登録商標)のもとで(コネチカット州、ノーワーク(Norwalk, Connecticut)のアーチケミカルズ(Arch Chemicals)社から)入手可能である1,2‐ベンズイソチオゾリン‐3‐オン(1,2-benzisothiozolin-3-one)、商標名DANTOGUARD(登録商標)のもとで(スイス、バーゼル(Basel, Switzerland)のロンザ(Lonza)社から)入手可能であるジメチロール‐5,5‐ジメチルヒダントイン(dimethylol-5,5-dimethylhydantoin)、商標名KATHON(登録商標)のもとで(ペンシルバニア州、フィラデルフィア( Philadelphia, Pennsylvania)のロームアンドハース(Rohm and Haas)社から)入手可能である5‐クロロ‐2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン/2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン(5-Chloro-2-methyl-4-isothiazolin-3-one / 2-methyl-4-isothiazolin-3-one)及びこれらの混合物が挙げられる。
【0076】
本発明と関連して使用される布地処理組成物には又、約0.05〜約5%のエトキシ化界面活性剤及び/又は乳化剤が含まれてよい。これらにはカルボキシル化アルコールエトキシレート類、エトキシ化四級アンモニウム界面活性剤、エトキシ化アルキルアミン類、アルキルフェノールエトキシレート類、アルキルエトキシレート類、アルキルサルフェート類、アルキルエトキシスルフェート類、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、脂肪族アルコール及び脂肪酸エトキシレート類、長鎖第三級アミンオキシド類、アルキル多糖類、ポリエチレングリコール(「PEG」)グリセリル脂肪酸エステル類、及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
【0077】
布地処理組成物の製造方法
本発明の布地処理組成物は任意の好適な形態に配合でき、配合者により選択された任意のプロセスで調製でき、その非限定例が米国特許第6,653,275号に記載されている。
【0078】
均一性及び付着効率
乾燥プロセス中に適用される処理組成物は乾燥プロセス中の混転乾燥機で布地に均一に分配されるのが望ましい。又、乾燥プロセス中、処理組成物は乾燥機通気口/リントスクリーンによるなどほかの場所で付着されるよりはむしろ混転乾燥機内の布地に付着されるのが望ましい。理論に限定されるのは望まないが、混転乾燥機ドラム内の布地に対する分布均一性及び処理組成物の付着の両方に影響するかもしれないいくつかの要因としてはドラム内処理組成物の流量、処理組成物の液滴直径、ドラム内スプレー位置、ドラム内スプレー円錐角及びドラム内処理組成物の線速度が挙げられる。
【0079】
本発明に従うと、混転乾燥機ドラム内の布地に対する処理組成物の分布の均一性(即ち、分布指数)は少なくとも約35%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、又は少なくとも約80%であることが望ましい。混転乾燥機ドラム内の布地に対する処理組成物の付着は少なくとも約70%、少なくとも約75%、又は少なくとも約80%であることが望ましい。又、処理組成物の約10%未満がリントスクリーンを介して乾燥機ドラムから放出される、処理組成物の約5%未満がリントスクリーンを介して乾燥機ドラムから放出される、又は処理組成物の約1%未満がリントスクリーンを介して乾燥機ドラムから放出されるのが望ましい。
【0080】
噴霧液の円錐角を測定する方法
以下の方法が円錐角(噴霧幅)を測定するため使用されてよい。
【0081】
1.噴霧液が適用される乾燥機ドラムの深さを測定する。乾燥機ドラムの深さの全長の20%である距離を計算する。
2.噴霧液の供給源である噴霧部は相当する水平の(垂直の)軸線に合わせた噴霧装置のノズルを有する乾燥機ドラムの垂直の中心点に相当する高さで垂直の面に取り付けられる。
3.インディアナ州インディアナポリス(Indianapolis, Indiana)にあるモーションエンジニアリング(Motion Engineering)社から入手可能なフォトロン・ファーストキャム(Photron Fastcam) PCI 2KCをマグマ(Magma)CB2並びにデル・インスピロン(Dell Inspiron)8100と組み合わせて組み立てる。撮影時追加の光を付与するようにハロゲンランプを組み立てる。25mmレンズを使用し、高解像度で噴霧を録画する。視界がノズルの放出を包含し、工程1で計算された少なくとも20%距離に延在するようビデオカメラを合わせる。更に、噴霧の最も広い角度捕獲するようにカメラが合っているかを確認する。
4.乾燥空気流がないところで噴霧を起動する。
5.黒の背景に対してビデオが1分当り1000フレームで流体噴霧を録画する。
6.噴霧の単一フレーム画像をマイクロソフトビジオ(Microsoft Visio)に挿入し、画像を400%にズームする。
7.工程6からの画像を使用して円錐角を決定するため、噴霧の上部及び下部境界を横切るよう工程1で測定された長さの20%である点に相当する垂直の線を描く。垂直線が噴霧の上端境界を横切る点から、噴霧器のノズルの放出中心点に対して後方に線を描く。噴霧のより低い境界についてこの方法を繰り返す、即ち、垂直の線が噴霧の下部境界を横切る点から噴霧器のノズルの放出中心点に対して後方に線を描く。円錐角はノズル放出時にこれら二つの線の交差により形成される内角である。
【0082】
布地上の処理組成物の付着及びリントスクリーン上の処理組成物の付着を測定する方法
布地ストリッピング:
1.合計負荷重量が約2.7Kgになるまで布地を計量する。
2.洗濯機の電源を入れ、攪拌時間を10分、水レベルを高、約79リットル(21ガロン)満杯を設定する。
3.液体タイド(Liquid TIDE)(登録商標)などの液体洗濯用洗剤約160グラムを使用する。
4.洗濯機が約1/4満杯になった後、洗剤を洗濯機の水に加える。キャップ内の全ての残った洗剤が洗濯機内に流れるよう水で洗濯用洗剤ボトルカップをゆすぐ。
5.いったん桶が約3/4満杯まで満たされると、布地が洗濯機内の水に加えられる。
6.洗浄サイクルは最終回転の完了まで自動的に進められる。
7.上に列記したように洗濯負荷量に対して加えられたそれぞれの洗剤量で工程#2〜6が後3回繰り返される。
8.4サイクル完了後、布地は洗濯機から除かれ、乾燥機の高熱サイクルを使用し乾燥される。
9.そして処理まで布地はビニール袋に保管される。
【0083】
布地処理:
布地負荷量‐各処理は一回の負荷量当り12個の0.83m2(1平方ヤード)の細長く切られた布地材料見本から構成される。
【0084】
処理工程‐細長く切られた材料見本が洗濯機内に配置され、すすぎサイクル、湿式及び遠心脱水乾燥(wet and spun dry)を設定する。
【0085】
湿った布地を混転乾燥機内に配置する前に、各処理の前に下記の乾燥機洗浄処置が行われる。5%漂白剤溶液が乾燥機内部の前側及び裏側壁並びに燥機ドラム上に噴霧される。噴霧の前にリントスクリーンが除かれる。乾燥機が紙タオルで完全に隅々まで拭かれる。いったん乾燥機の洗浄が完了すると、乾燥機のリントトラップは取り換えられ、マスキングテープで縁が固定された新しい36cm(14インチ)×18cm(7インチ片)の白木綿編み布地でカバーされる。好適な白木綿編み布地はオハイオ州シンシナテイ(Cincinnati, Ohio)にあるエンピリカルマニュファクチャリング社(Empirical Manufacturing Company)から入手可能なCW120である。次に湿った布地が乾燥機ドラムに入れられ、乾燥サイクルが完了する。乾燥サイクルの間、噴霧組成物が乾燥機ドラム内に放出される。乾燥処理サイクルに続いて、サンプリング及び分析のためリントスクリーンをカバーしている布地が乾燥機ドラムから除かれる。
【0086】
布地サンプリング:
リントスクリーン‐リントスクリーン上の布地は以下のようにサンプリングされる。
【0087】
1.リントスクリーン上のカバーはリントスクリーンからカバーを除くことによりサンプリングされる。
2.マスキングテープでカバーされなかったリントスクリーンカバーの部分から直径が40mmの6個の円形のサンプルが切断される。
3.リントスクリーンカバーから切断された6個のサンプルはラベルされ下記に記載の材料見本分析により分析される。
【0088】
布地負荷量(乾燥機から)
1.各サイクルから12枚の内6枚の0.8平方メートル(1平方ヤード)の布地がサンプリングされる。
2.各布地材料見本が広げられ、材料見本の隅から15cm(6インチ)で測定するため物差しが使用される。
3.この領域から40mm円が切断される。
4.サンプル材料見本がラベル付けされ分析される。
【0089】
材料見本分析:
帰納論的に結合プラズマ光学発光分光測定法(ICP)がサンプルの分析のため使用される。噴霧の性能を測定するため、イットリウム(Y)が追跡元素として処理組成物溶液中にスパイクされる。テストされる処理組成物に200ppmのYを加える。組成物をテストされる布地上に噴霧される。噴霧後、サンプルを布地から切断する。高圧マイクロウェーブによって酸性溶液になるように布地サンプルを蒸解する。定量的Y測定のためICPを補正する。溶液中のYを測定する。布地上のY量を逆算し化学量論的補正をおこない布地上の処理組成物溶液の量を決定する。Yの分布は処理組成物溶液の分布を表す。
【0090】
布地上の処理組成物(分布指数)の均一性を決定する方法
テストサンプルの表面積当りの噴霧の分布均一性を評価するため画像解析が使用されてよい。サンプル当り多数のデジタル画像が撮像装置により取得されコンピューターソフトウェアで解析される。ソフトウェアは噴霧付着領域を検知し、画像中に汚れた領域を含むピクセルの数を数える。サンプルごとに取られたすべての画像について検出されたピクセルの数を比較し、標準偏差が計算される。より小さい標準偏差はより均一な噴霧付着と関係がある。噴霧均一性を測定するため布地サンプルに赤色染料(即ち、蒸留水中の0.05重量%の食品、医薬品及び化粧品用赤色染料#40)が噴霧される。
【0091】
次に画像解析は下記工程により行われ、サンプル上の噴霧の分布の均一性を評価する。
【0092】
(1)背景補正撮像システム及びサンプルのデジタル画像取得
均一な中間色の灰色カード(flat neutral gray card)を使用し画像を補正する周知の技術である背景補正を解析前に画像に適用し、視界を横切る照明分散を取り除き空間照明分散の結果画像解析の問題を最小限にする。更に、異なる時間に取られたデジタル画像(例えば、別々の日に取られた画像)のカラー濃度を保証するため、画像は又標準カラーチャート(グレタグマクベス(Gretag Macbeth)24カラーチャート)を使用しカラー補正される。
【0093】
背景を補正後、テストされる布地を光ブースに配置し、撮像される特定領域が丁度ランプの間の光ブースの中心にありカメラに向かって上を向くように折り曲げる。カメラ(16cm×20.5cm)の視界の大きさのステンシルを撮像される領域の上に置く。サンプルが正しく位置決めされるとオペレーターからの指令に応じて画像が取られる。布地当り合計12枚の画像に対して布地の前側及び裏側ごとに6枚の画像が取られる。
【0094】
画像は周知の方法でデジタル化される(即ち、2進法表示に変換される)。最後にデジタル画像データが演算装置に移動される。デジタル像を取得する多くの他の方法が当該技術分野の当業者に周知である。例えば、解析されるサンプルはネットワークを介して提出でき、ファイルはデータベースから検索でき、及び/又は写真をデジタル化するためフラットベッドスキャナーを使用できる。
【0095】
(2)電子的にデジタル画像を解析し噴霧付着の領域を検出する。
【0096】
画像は参照強度閾値に基づき画像解折ソフトウェア(メリーランド州シルバースプリング(Silver Spring, Maryland)で会社組織なったメデイアサイバネテイクス(Media Cybernetics)社から入手可能なオプテマス(Optimas)バージョン6.5)により電子的に処理される。選択された関心のある領域は完全なスクリーン画像である。強度閾値設定を選択する方法は以下の通りである。布地(上記工程1)の背景及びカラー補正画像は赤色染色領域と「汚れていない」布地領域間の相違を強調する単一「グレー」レベル画像表示に変換される。使用された方法は、照明、撮像システム、並びに背景布地カラーと対比した使用された染料の種類及びカラーに左右される。例えばグリーンチャンネルが使用されてよい。又、関連あるアプローチが使用されてよい、例えば、赤−緑、赤−青又は画像の赤、緑及び青カラーチャンネルの他の類似の数学的な組合せからの強度画像が、布地の染色と「汚れていない」領域間の相違を目立たせる閾値化のための単一チャンネル「グレー」レベル画像を作るために使われてよい。
【0097】
ソフトウェアはデジタル画像ピクセルのカラー領域を検出するため補正される。ピクセル検出のための閾値設定のために、「汚れていない」未染色白布地は標準参照であり工程(1)により撮像される。単一チャンネル「グレー」レベル画像表示に変換後、閾値が設定され、そのためゼロピクセルがその「汚れていない」サンプルのすべての画像について検出される、その結果閾値がこれ以上に増加すると、ソフトウェアに「汚れていない」サンプルのピクセルを検出し始める。設定閾値内のカラー強度値のピクセルは画像解析ソフトウェアで検出、カウントされる。
【0098】
(3)サンプルごとに全ての画像について検出されたピクセルのパーセントでの標準偏差の計算する。
【0099】
面積当り検出されたピクセルのパーセントは、画像当りの合計ピクセル数で除された検出されたピクセル数を使用し数学的計算により得られる。従って、解析された各布地ごとに、検出されたピクセルの12個のパーセント値がある。布地当り12個の画像に対して検出されたピクセルのパーセントの標準偏差が式により数学的計算により得られる。
【数1】
【0100】
(式中、
σ=標準偏差
Xi=画像当り検出されたピクセルのパーセント
μ=ピクセルのパーセントの平均値
N=一組の測定の値の数)
布地、処理、など全体わたって噴霧付着の均一性をより便利に比較するため、分布指数が標準偏差値を用い数学的な式により作成される。この分布指数は0から100のスケールである。
【0101】
0<分布指数≦100
【数2】
【0102】
より高い分布値はより均一なサンプルと互いに関係がある。
【実施例】
【0103】
実施例 処理組成物
以下は本発明で有用な可能性がある処理組成物の非限定例である:
【表1】
【表2】
【0104】
実施例 ノズル配置
以下は混転乾燥機で使用されてよいノズル配置の非限定例である:
A.クロスフロー混転乾燥機と共に使されてよいノズル配置の非限定例(即ち、ドラムは典型的に反時計回りの運動で回転し、空気流は象限602の後部パネルを通って混転乾燥機に入り、象限601の乾燥機の後部パネルを通って出て行く。図1参照)。
【表3】
【0105】
1.混転乾燥機の前側(「F」)パネル/ドア又は混転乾燥機の裏側(「B」)パネル上にノズルの配置を表す。
2.以下の通り簡略化される:図1を参照するとき、「O」は線640と線630の交点を指す。番号「1」は第1象限601を指す。番号「2」は第2象限602を指す。番号「3」は第3象限603を指す。番号「4」は第4象限604を指す。
3.指定された象限にランディングするために要求される方向での線640に沿った線630及び640の交点から測定したとき線630及び640の交点から乾燥機ドラムの端までの%で表示された合計距離(即ち、半径)。
4.指定された象限にランディングするために要求される方向での線630に沿った線630及び640の交点から測定したとき線630及び640の交点から乾燥機ドラムの端までの%で表示された合計距離(即ち、半径)。
5.乾燥機の前側から見て参照された。
【0106】
B.軸線流乾燥機と共に使用されてよいノズル配置の非限定例(即ち、ドラムは典型的に時計回りの運動で回転し、空気流は図1の第一象限601の器具の後部パネルを通って乾燥機に入り、扉の下の乾燥機の前部パネルのリントスクリーンを通って出て行く)。
【表4】
【0107】
1.混転乾燥機の前側(「F」)パネル/ドア又は混転乾燥機の裏側(「B」)パネル上にノズルの配置を表す。
2.以下の通り簡略化される:図1を参照するとき、「0」は線640と線630の交点を指す。番号「1」は第1象限601を指す。番号「2」は第2象限602を指す。番号「3」は第3象限603を指す。番号「4」は第4象限604を指す。
3.指定された象限にランディングするために要求される方向での線640に沿った線630及び640の交点から測定したとき線630及び640の交点から乾燥機ドラムの端までの%で表示された合計距離(即ち、半径)。
4.指定された象限にランディングするために要求される方向での線630に沿った線630及び640の交点から測定したとき線630及び640の交点から乾燥機ドラムの端までの%で表示された合計距離(即ち、半径)。
5.乾燥機の前側から見て参照された。
【0108】
本発明の特定の実施形態が説明及び記載されてきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行えることが当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲内で扱うものとする。本明細書で引用される全ての文献は、関連部分が参考として本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であることを承認するものとして解釈されるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】乾燥機ドラムの正面図。
【図2】本発明の原理により作製された独立型布地物品処理装置の実施形態の斜視図。
【図3】図2の布地物品処理装置の反対側の角度からの斜視図。
【図4】はテープケーブルにより結合した内部ハウジング及び外部ハウジングを示した図2の布地物品処理装置の部分断面図の一端からの正面図。
【図5】図2の布地物品処理装置の内部ハウジング部分の部分断面図の1つの側からの正面図。
【図6】図2の布地物品処理装置で利用されるいくつかの電気的及び機械的構成要素のブロック図。
【図7】布地乾燥機のドアに取り付けられたときの図2の布地物品処理装置の部分断面図の線図。
【図8】本発明の原理により作製されるような有益組成物を乾燥機のドラム部分に噴霧するノズルを有する布地物品乾燥装置の斜視図。
【図9】本発明の原理により作成される他の実施形態独立型布地物品処理装置により活用されるいくつかの構成要素の線図であり、すべての処理装置は単一ハウジング又はエンクロージャ内にに包含。
【図10】本発明の原理により作製される有益組成物を分配するための独立型ユニットのもう一つの実施形態の斜視図。
【図11】図10のユニットの反対側の角度からの斜視図。
【図12】図10及び11で示されるユニットの分解図。
【図13】流体容器、第一及び第二の備品及び第一及び第二の取り付け棚の分解図。
【図14】図11〜13のユニットに利用される電気的及び機械的構成要素の少なくとも部分のブロック図。
【技術分野】
【0001】
本発明は混転乾燥機などの布地物品乾燥器具内での処理材料の均一な放出に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、混転乾燥機などの布地物品乾燥器具内の布地に処理材料を適用する場合、布地に処理材料の均一な分布を実現するのは困難であった。処理材料の分布が均一でない場合、布地に未処理の部分が残る。この均一でない分布は布地の外観、手触わり、香り並びに寿命などのようなものに支障をきたし、更に望ましくない布地属性となる。更に、多くの場合、望ましく布地に付着されるよりはむしろ布地物品乾燥器具の通気孔を介して失われるなど処理材料はほかの場所に失われる結果となることが観察されている。従って、処理材料の布地への均一な分布ばかりではなく、処理材料が最終的に布地に付着し、他のところには失われないような処理材料の効果的な放出を付与することが重要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それゆえに、布地物品乾燥器具内で均一で効果的に処理材料を放出する便利で有効な方法を提供する必要がある。本発明はこの必要性に対処するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの態様において、本発明は布地物品乾燥器具内で布地に噴霧するシステムに関する。
【0005】
前記システムは、
a)混転乾燥機と、
b)
i)約100ミクロン〜約1000ミクロンの処理組成物の平均液滴直径と、
ii)約35°〜約150°の前記混転乾燥機内のスプレー円錐角と、
iii)噴霧液が前記混転乾燥機に入る時点で約0.5ml/分〜約100ml/分の流量と、
iv)噴霧液が前記混転乾燥機に入る時点で約0.5m/秒〜約20m/秒の線速度と
を有する、前記混転乾燥機内の布地に処理組成物を噴霧するスプレーとを含む。
【0006】
他の態様において、本発明は有益組成物を布地物品乾燥器具内で付着する装置を備えてよい。装置はポンプを備え、前記ポンプは入口と放出口とを有する導管と、前記導管の前記放出口に接続された1以上のオリフィスを有するノズルとを備える。前記導管の前記入口は前記有益組成物を前記導管により前記ノズルに分配するように有益組成物の供給源と連通し、それにより前記有益組成物が約100ミクロン〜約1000ミクロンの平均液滴直径を有し、前記ノズルから放出される前記有益組成物により形成される円錐角が約35°〜約150°である。
【0007】
更なる態様において、本発明は布地物品乾燥器具内の布地に処理組成物の均一な分布を付与する装置に関する。前記装置は布地物品処理装置を備え、前記布地物品処理装置は前記有益組成物が布地物品処理装置からドラムに噴霧液の形状で分配されるように混転乾燥機のドラムに結合され、前記噴霧液が前記ドラム内にある布地に前記有益組成物の約75%以上の分布均一性を付与するように前記ドラム内の布地に接触する。
【0008】
更に他の態様において、本発明は混転乾燥機のドラム内で有益組成物を付着する方法に関する。前記方法は入口と放出口とを備える導管及び前記導管の前記放出口に接続されるノズルを備えるポンプを準備することを含む。前記導管の前記入口は有益組成物の供給源と連通して配置され、前記導管の前記入口が有益組成物の供給源と連通する。前記有益組成物は、前記導管によって有益組成物の供給源から前記ノズル及び混転乾燥機の前記ドラム内に分配され、それにより前記有益組成物は約100ミクロン〜約1000ミクロンの平均液滴直径と約0.5m/秒〜約2m/秒の前記ノズルを通過する線速度を有する。前記ノズルは乾燥機ドラム内の第1象限、第2象限、第3象限、第4象限、又はそれらの組み合わせ内に配置される。前記ノズルは傾斜角を有し、第1象限の傾斜角が左に約80°から右に約45°及び上に約45°から下に約35°の範囲にわたり、第2象限の傾斜角が右に約80°から左に約45°及び上に約45°から下に約15°の範囲にわたり、第3象限の傾斜角が右に約80°から左に約45°及び上に約45°から下に約15°の範囲にわたり、第4象限の傾斜角が左に約80°から右に約15°及び上に約45°から下に約15°の範囲、及びそれらの組み合わせである。
【0009】
更なる態様において、本発明は布地を処理するため使用される有益剤の効率的な付着を付与する方法に関する。前記方法は布地物品処理装置及び有益組成物を提供することから構成される。混転乾燥機が回転する前か、混転乾燥機が回転中か、又は混転乾燥機回転後か、あるいはそれらの組み合わせで前記有益組成物が混転乾燥機内に放出されるよう前記有益組成物が前記布地物品処理装置に装填される。前記混転乾燥機内に放出される前記有益組成物から形成される円錐角は、約35°〜約150°である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は混転乾燥機などの布地物品乾燥器具内の布地への処理材料の均一分布に関する。別の態様において、発明は材料がほかの場所ではなく布地に付着されるような効率的な処理材料の付着に関する。
【0011】
定義
本明細書で使用するとき、「布地物品」は、布地を含む物品を意味する。そのような物品としては、これらに限定するものではないが、衣類、靴、カーテン、タオル、亜麻布、室内装飾用の覆い、及び掃除用具が挙げられる。
【0012】
本明細書で使用するとき、「乾燥サイクルの間」は、乾燥機が作動している期間を意味する。
【0013】
本明細書で使用するとき、「処理材料」は布地物品に利益を供給できる材料又は材料の組み合わせを意味する。そのような利益の例としては、柔軟性、みずみずしさ、水及び/又は汚れ忌避、すがすがしさ、帯電防止、防収縮、抗菌、パーマネントプレス、防しわ性、耐臭気性、耐磨耗性、フェルト化防止(anti-felting)、ピリング防止(anti-pilling)、寸法安定性、色及び白さ強調などの外観強調性、土壌再付着防止、芳香、吸収強化性、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
本明細書で使用するとき、「布地処理組成物」は1以上の処理材料を含む組成物を意味する。布地処理組成物の好適な形態としては、液体又はガスなどの流体物質、及び粒子又は粉末などの固体化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「処理材料」、「処理組成物」、「布地処理組成物」及び「有益組成物」は同義的に使用される。
【0016】
本明細書で使用するとき、冠詞が請求項で使用されるとき、冠詞「a」、「an」及び「the」は、請求、又は記載される1以上の材料を意味すると理解される。
【0017】
特に記載のない限り、構成成分又は組成物の濃度はすべて、当該構成成分又は組成物の活性レベルに関するものであり、市販の供給源に存在し得る不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0018】
特に指示のない限り、パーセンテージ及び割合は、すべて組成物の総重量に基づいて計算される。
【0019】
特に指示がない限り本明細書のすべての測定は約100kPa(1バール)の標準大気圧で行われる。
【0020】
本明細書全体にわたって記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、そのような小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されたものとして包含すると理解されるべきである。本明細書全体を通じて記載されるあらゆる最小数値限定は、それよりも大きなあらゆる数値限定を、そのようなより大きな数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体を通じて記載されるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るそれよりも狭いあらゆる数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲がすべて本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0021】
デリバリーシステム
本発明の1つの態様において、デリバリーシステムは混転乾燥機などの布地物品乾燥器具内の布地に処理材料を放出するスプレーを備える。乾燥機ドラムは典型的には処理材料の放出中回転しているが、放出中に静止していてもよい。噴霧液は処理組成物を含む。本発明の噴霧液を含む処理組成物は約100ミクロン〜約1400ミクロン、約200ミクロン〜約1300ミクロン、約300ミクロン〜約1200ミクロン、又は約500ミクロン〜約1100ミクロンの平均液滴直径を有する。液滴直径を測定する好適な機器はマサチューセッツ州フラミングハム(Framingham)にあるマルバーンインスツルメント社(Malvern Instruments Ltd.)製のマルバーン粒径測定器(Malvern particle sizer)である。
【0022】
噴霧液を含む処理組成物の粘度は、約24℃でLVIスピンドルを備えるモデルDV−IIブルックフィールド(Brookfield)粘度計を使用し測定したとき、約0.2Pa・s(200センチポアズ)以下、約0.1Pa・s(100センチポアズ)以下、又は約0.05Pa・s(50センチポアズ)以下である。ブルックフィールド(Brookfield)モデルDV−II粘度計はマサチューセッツ州ミドルボロ(Middleboro)にあるブルックフィールド社(Brookfield)から入手可能である。噴霧液を含む処理組成物の静的表面張力は、約20℃〜25℃で測定したとき約3〜約100ダイン/cm、約4〜約70ダイン/cm、又は約5〜約40ダイン/cmである。静的表面張力を測定する好適な機器はノースカロライナ州マシュウズ(Matthews)にあるクラス(Kruss)社製のクラス張力計モデルK12である。
【0023】
処理組成物はノズルを経て混転乾燥機のドラムなどの布地物品乾燥器具のドラム内に噴霧されてよい。ノズルは典型的に約200〜約600ミクロン又は約250〜約400ミクロンの直径を有するであろう。この目的に好適なノズルの非限定例は圧力旋回噴霧ノズルである。好適なノズルの非限定例としては、ジョージア州マリエッタ(Marietta)のプレシジョン・バルブ・コーポレーション(Precision Valve Corporation)製のコスモス13NBUノズル(Cosmos 13 NBU nozzle)、カリフォルニア州シティ・オブ・インダストリー(City of Industry)のセント−ゴバイン・カルマーUSA社(Saint-Gobain Calmar USA,Inc.)製のWX12及びWD32ノズル(WX12 and WD32 nozzles)、並びにイリノイ州ケアリー(Cary)のシークイスト・ディスペンシング(Seaquist Dispensing)製のシークイストモデル番号DU−3813(Seaquist Model No.DU-3813)が挙げられる。ノズルはスプレー装置に結合していてよい。ノズルはスプレー装置に恒久的にあるいは取り外し可能に取り付けられてよい。取り外し可能に取り付けられた1つの非限定例はスプレー装置から簡単に取り外し又はスプレー装置に簡単に取り付けられるようなねじ付きのノズルである。ノズルは使い捨てであってもよい。スプレー装置は自立であってもよく、あるいは更に以下に詳細に説明するように乾燥器具に結合されていてもよい。
【0024】
布地物品乾燥器具内の布地はノズルからの流れを妨げるかもしれないのでノズルが動作している間ノズルに直接接触しないことが望ましい。従って、ノズルはノズルから離れて布地を偏向する偏向板を備えることが望ましい。偏向板はノズルの全て又は一部(例えばノズルの頂上の部分)を取り囲んでよい。布地物品乾燥器具内への偏向板の拡張の程度は、偏向板がスプレーの円錐角を通常の使用条件下で妨害しないことを保証するよう選択される。偏向板は任意の好適な材料から作製されてよく、その非限定例としてはプラスチック、金属、及びプレキシグラスなどが挙げられる。偏向板は選択された形状が混転乾燥工程中に布地一体性にマイナスの影響を及ぼさない限り、提供された任意の形状を有してよい(即ち、とがった縁/角又は粗い表面がない)。
【0025】
ノズルの配置並びにノズル角度は混転乾燥機内で布地と噴霧の接触を最適化するよう変更できる。布地と噴霧の接触の最適化に関してノズルがどこに配置されるべきかの決定を容易にするため、乾燥機ドラムは図1に示すように4つの等しい象限に分割されてよい。4つの象限(第1象限601、第2象限602、第3象限603及び第4象限604)は、乾燥ドラム600のx軸630とy軸640の交差により決定される。ノズル610の位置は後にこれら象限に対して変更されてよい。象限内部のノズル610配置の1つの非限定の例は、図1の第2象限602に示されるような象限二分線612に沿ってでよい。
【0026】
又、ノズル610は左から右方向及び/又は上から下方向へ曲げられてよい。ノズルの角度は本明細書において「傾斜角」と呼ばれる。傾斜角は象限から象限によって変化してよい。例えば、乾燥機の扉側から乾燥機ドラム内をまっすぐ見ると、第1象限601において、傾斜角は左に約80°から右に約45°及び/又は上に約45°から下に約35°である。第2象限602において、傾斜角は右に約80°から左に約45°及び/又は上に約45°から下に約35°に変わる。第3象限603において、傾斜角は右に約80°から左に約45°及び/又は上に約45°から下に約15°に変わる。第4象限604において、傾斜角は左に約80°から右に約15°及び/又は上に約45°から下に約15°に変わる。
【0027】
傾斜角は通常、ノズルが乾燥機通気口/リントスクリーン又はドラムの上部に直接向けられないように選択される。更に、一般に、回転する布地の円の下部で布地に接触するために乾燥機ドラム周辺まわりの布地の混転により作られる空の空間/トンネルを通ってノズルからの噴霧が放出されようノズルに角度を付けることが望ましい。又、乾燥機ドラムが回転中、布地が最も高い垂直方向の点から最も低い垂直方向の点に落ちるとき、乾燥機中で混転される布地と噴霧が交差するようノズルを特定の角度に曲げることが望ましいかもしれない。
【0028】
場合によっては1を超えるノズルを利用することが望ましいかもしれない。それぞれのノズルは、同時に、又は他のノズルとは異なる時間、流量、流速などで噴霧するよう設計されてよい。
【0029】
混転乾燥機などの布地物品乾燥器具の噴霧の流量は、約0.5〜約100ml/分、約1〜約75ml/分、約2〜約50ml/分、又は約15〜約25ml/分である。「ウェイング(Weighing)法による閉鎖導管内の液体の流れの測定」と題するASME/ANSI MFC−9M−1988で流量を測定する1つの好適な方法が見出される。
【0030】
混転乾燥機ドラム内噴霧の線速度は、約0.05〜約2m/秒、又は約0.1〜約1m/秒である。混転乾燥機ドラム内の噴霧長さはドラムの回転軸線に沿って測定するときドラム長さの約20%〜約95%である。線速度を測定する1つの好適な方法はアルブレヒト(Albrecht)H.E.、ダマシュケ(Damaschke)N.、ボリイズ(Borys)M.及びトロピア(Tropea)C.により著作された2003年、XIV、738巻、382頁の「実験流体の機械的構造(Experimental Fluid Mechanics)」シリーズの「レーザードップラー及び位相ドップラー測定技術(Laser Doppler and Phase Doppler Measurement Techniques)」編に記載されているようなレーザードップラー測風学を活用している。
【0031】
噴霧液の円錐角は噴霧液が混転乾燥機ドラム内に噴霧されるとき噴霧液が形成する角度を指す。円錐角を決める方法は以下に記載される。噴霧液の円錐角は約35°〜約150°、約40°〜約110°又は約50°〜約90°である。
【0032】
噴霧装置
先に示したように、本発明は有益組成物を混転乾燥機内に放出する噴霧装置を備えてよい。噴霧装置は独立型の装置でもよく又は布地物品乾燥器具内に組み込まれていてもよい。本明細書で使用するとき、用語「噴霧装置」は用語「布地物品処理装置」と区別なく使用される。本発明と共に使用されてよい好適な噴霧装置の非限定例が下記の同一出願人による同時係属の出願2004年12月23日公開の「布地強化操作中に有益組成物を1以上の布地物品に適用する方法及び装置(Processes and Apparatuses for Applying a Benefit Composition to One or More Fabric Articles During a Fabric Enhancement Operation)」と題する米国特許出願第2004/0,259,750号;2004年11月4日公開の「揮発性物質材料放出方法(Volatile Material Delivery Method)」と題するWO2004/12,007;2004年7月1日公開の「加熱手段を含む布地物品処理方法及び装置(Fabric Article Treating Method and Device Comprising a Heating Means)」と題する米国特許出願第2004/0,123,490号;2004年7月1日公開の「布地物品処理装置の熱防御(Thermal Protection of Fabric Article Treating Device)」と題する米国特許出願第2004/0,123,489号;2004年7月15日公開の「1を超えるハウジングを含む布地物品処理装置(Fabric Article Treating Device Comprising More Than One Housing)」と称する米国特許出願第2004/0,134,090号;2004年7月29日公開の「安全及び制御装置を備える布地物品処理装置(Fabric Article Treating Apparatus with Safety Device and Controller)」と題する米国特許出願第2004/0,025,368号;及び2004年2月12日公開の「布地物品処理方法及び装置(Fabric Article Treat
ing Method and Apparatus)」と題する米国特許出願第2004/0,025,368号に開示される。
【0033】
本発明の1つの態様において、噴霧システムは、更に下記に詳細に記載するポンプ、ノズル、有益組成物供給源、及び導管を備える。導管は有益組成物供給源をポンプに接続し、それにより有益組成物はポンプのノズルを介して混転乾燥機に放出される。あるいは、導管は有益組成物供給源をポンプに接続し、それによって、有益組成物は導管を介してポンプとノズルの間に輸送され、そして混転乾燥機に放出される。尚、導管の内部は任意の形状でよく、その非限定例としては円形状及び/又は楕円形状にしたものが挙げられる。又、ノズルの前の導管内に逆止弁を備えることが望まれる。逆止弁の最小使用圧力の非限定例は、約689Pa(0.1psi)〜約14kPa(2psi)又は約3.4kPa(0.5psi)〜約7kPa(1psi)である。
【0034】
ポンプは手動で操作されてもよく及び/又はポンプは自動化されてもよい。ポンプは機械的に駆動されてもよく、電気的に駆動されてもよく、又はそれらの組み合わせで駆動されてもよい。
【0035】
噴霧システムには、貯蔵容器などの布地処理組成物の供給源を包含する又は布地処理組成物外部供給源と連通するハウジング又はエンクロージャ、ノズルなどの出力装置、処理回路並びに入力及び出力回路を有する電子制御装置などの制御装置、温度センサー、光センサー、動作センサーなどの1以上のセンサー、起動スイッチ及び/又はキーパッドなどの1以上の入力装置、色彩光又は発光ダイオードなどの1以上の指示機器、及び放出される前に(間に)布地処理組成物が静電荷される場合の電荷システムが含まれてよい。
【0036】
ここで、添付図面にその一例が示されている、前述の温度又は時間特性の1つに従って布地処置組成物を供給するためのデバイスの好適な諸実施形態に詳細に言及するが、図全体を通じて、類似の番号は、同一の要素を示す。
【0037】
図2〜5は、本発明に使用されてよい代表的な噴霧システムの1つの実施形態を示す。
【0038】
図2の実施形態を参照する時、全体的に参照番号10で表される「独立型」の制御装置及び散布器(即ち、自蔵型装置として)は二つの主要なエンクロージャ(又はハウジング)20及び50を有するものとして示される。この実施形態では、エンクロージャ20は、布地物品乾燥器具(例えば、衣類乾燥機)の内部に配置される「内側ハウジング」の働きをし、エンクロージャ50は、布地物品乾燥器具の外部に配置される「外側ハウジング」の働きをする。エンクロージャ50は、布地物品乾燥器具の扉の外部表面上に取り付けられてよいが、代わりにどの外部表面上に取り付けられてもよく、そのような外部表面の非限定例としては、布地物品乾燥器具から離れた壁面又は他の住居内の構造体を含む、側壁、上壁、上開き蓋の外表面などが挙げられる。更に、エンクロージャ20は、布地物品乾燥機のどの内側表面上に取り付けられてもよく、その例として、扉の内面、布地物品乾燥機のドラム、後壁、上部開放蓋の内面などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
エンクロージャ50は、外部表面に恒久的に取り付けられてよく、好ましくは外部表面に取り外し可能に取り付けられてもよい。同様に、エンクロージャ20は、内部表面に恒久的に取り付けられてもよく、内部表面に取り外し可能に取り付けられてもよい。そのような付属装置についての1つの構成が図7に示され、そこで乾燥器具の扉は全体的に参照番号15で表される。
【0040】
例えば、扉の内部表面上に取り付けられるときには、エンクロージャ20を、「永久的に」取り付けられた外観をもつように構築して、実際には本当に布地物品乾燥器具の一部として構築することなく、乾燥機ユニット(又は他のタイプの布地物品乾燥器具)の扉に「組み込まれた」ものに見えるようにしてもよい。一方、エンクロージャ20はおそらく扉の近く又は扉の内面側に沿ってより緩く、図2〜5に描かれ実施形態10のひとつのように、器具の垂直の扉に沿って「ぶらさがる」ように装着されてよい。本明細書で使用するとき、用語「扉」が、人間の乾燥機装置の内部容積への接触を可能にする可動クロージャ構造を表しており、そのような接触を可能にする実質的にいかなる物理形態にすることもできることが理解されよう。扉「クロージャ構造」は、乾燥機装置の上面にある蓋、又は何らかの形のハッチなどにすることができる。
【0041】
処理装置10を、ばね、パッチ、磁石、ねじ、若しくは他の取り付け手段、及び/又はアークコロナ放電などによる布地物品乾燥器具の接地部品との接触を通じて、あるいは残留電荷の放散を通じて接地してよいことに留意すべきである。電荷を放散させる非限定的な1つの方法は、イオン化機構、例えば、供給源から遠くに延びる1組の金属線を用いることによる。多くの場合、衣類乾燥機のような布地物品乾燥器具は、エナメル加工された表面を有する。1つの接地方法は、布地物品乾燥器具のエナメル加工表面に接地することであり、接地する非伝導性のエナメル塗料を貫通するピンを用いる。布地物品乾燥器具の非伝導性表面に接地するもう1つの方法は、容量放電をもたらす働きをする、布地物品乾燥器具と布地物品処理デバイスとの間に配置された薄い金属板の使用を含む。そのような板の典型的な厚さは、約5ミクロン〜約5000ミクロンである。
【0042】
図2において、放出ノズル24及び「扉センサー」22は内部ハウジング20上に見ることができ、又内部ハウジング20の内部容積内に有益組成物保持容器26を備える。容器26は、有益組成物を保持するために使用してよい。放出ノズル24は、加圧スプレー又は静電ノズルのように作動できる任意の高圧電源(図2に示されず)同伴のどちらか一方を使用して流体噴霧ノズルのように作動できる。有益組成物は、液体若しくはガス状化合物のような流動性の物質を含むことができ、又は粉末のような粒子の形態若しくは液体との溶液中の固体粒子の形態をした固体化合物を含むことができる。容器26は、基本的にいかなる大きさ及び形状のものであることもでき、例えばパウチ若しくはカートリッジの形態をとることができ、又は有益組成物が飲料水を含む状況では、当該容器は単なる家庭の水道であることがおそらく可能である。
【0043】
内側ハウジング20及び外側ハウジング50は、通常、電気連通している。図2の実施形態において、テープケーブル40(又、しばしば「リボンケーブル」と呼ばれる)は、二つのハウシング20及び50の間を通り、布地物品乾燥器具扉15(例えば、図7参照)の内表面に沿って扉15の上部を越え、扉15の外部表面の下へ進む。
【0044】
図3は反対側角度からの同一布地物品処理装置10を示し、外部ハウジング50は56にオン・オフスイッチを備える。テープケーブル40は再び図3において見ることができ、図3において内側ハウシング20の面に沿って見ることができ、扉取り付けストラップ21を見ることができる。T取り付けストラップの末端部は図2でも見ることができる。確かに内側ハウシング20を乾燥機扉15(又は他の内面)に取り付ける他の配置が本発明の原理からかけ離れることなく利用可能であり、その非限定例としては磁石、吸着カップ、ホックが挙げられる。
【0045】
図4について説明する。布地物品処理装置10は容器26が内側ハウシング20の内容積として見られるよう示される。外側ハウジング50では、1組のバッテリ52に加えて、54の個所に電子コンポーネントを備えたプリント基板を見ることができる。標準の家庭線間電圧、電池又は更に太陽エネルギーを含む任意の種類の電源が本発明において使用できると考えられる。
【0046】
図5について説明する。他の機械設備のいくつかは内側ハウシング20について示される。図5の実施形態において、放出ノズル24は静電ノズルのような働きをし、それにより、この図に示されない電気導体の使用により、高圧電源28と接続される。図6に示したように、急速継手スイッチ34が安全の目的で設けられ、その結果、必要であれば高圧電源28は直ちに運転停止できる。ポンプ30及び対応する電動モータ32を図5で見ることができる。放出ノズル24が加圧噴霧だけを作り出しているのか、又は高圧電源28を使用する静電噴霧を作り出しているのかに関わらず、何らかのタイプのポンプ装置が使用される。
【0047】
図6は本発明と共に使用に好適な布地物品処理装置10に備えられてよい電気及び機械構成要素のいくつかのブロック図を提供する。この実施例の実施形態では、内側ハウジング20内に、放出ノズル24を通じて分配される流体を帯電させるために使用される高圧電源28が設けられ、これを静電ノズルシステムにしている。内側ハウジング20は、乾燥器具内で必要とされるデバイスを収容するための一般的な本体又はエンクロージャを使用しており、そのようなコンポーネントが、全体的に、乾燥器具の処理サイクルの間、通常、高い温度に曝されることが理解されよう。それゆえに、より繊細な電子コンポーネントは、通常、(常にそうとは限らないが)外側ハウジング50内のような異なる場所に取り付けられる。
【0048】
テープケーブル40は、特定の指令信号及び電力を内側ハウジング20へと運び、又更に、内側ハウジング20内に取り付けられたセンサーから電気信号を受け取り、それらのセンサー信号を外側ハウジング50へと伝達し返す。電源制御信号は、配線70に従って進み、急速切断スイッチ34を通過し、高圧電源28に到達する。この信号は、布地物品処理装置10の設計者によって選択された制御方法のタイプに応じて、一定DC電圧、一定AC電圧、可変DC電圧、可変AC電圧、又は何らかのタイプのパルス電圧を含むことができる。
【0049】
一実施形態では、70における信号は、可変DC電圧であり、この電圧が増大するにつれて、ノズル24に、又は容器26内に高電圧を伝える、電極38に取り付けられた導体39(例えば、配線)に沿って、高圧電源28の出力電圧の大きさも増大する。次いで、電極38に印加される電圧が、有益組成物へと移動する。代表的な実施形態の可変出力電圧電源28の代わりに、任意で、一定出力電圧DC高圧電源を使用することができる。
【0050】
有益組成物が容器26内で帯電されると、チューブ又は通路42を通ってポンプ30の入口へと進み、その後、有益組成物は加圧され、ポンプの出口を通り、別のチューブ(又は通路)44に沿って放出ノズル24へと進む。本発明で使用する場合、使用される配管のタイプ、ポンプ30のタイプ、及びポンプを駆動する電動モータ32のタイプの実際の詳細を、ほぼすべてのタイプの圧力及び流量の要件について、容易に構成することができる。又、ポンプ30の出口に所望の圧力及び流量を提供するための、電動モータ32の電圧及び電流要件も、本発明での使用のために容易に構成することができる。実質的に任意の形式のポンプ及び電動モータの組み合わせがいくつかの形態又は別の形態で利用でき本発明の教示内に入る有用な装置を創る、又は独立型ポンプが使用できる(即ち、連結された電動モータなしに)。
【0051】
ポンプの入口開口部を通って延び、引き続きポンプの放出開口部を通る連続チューブにポンプが作用を及ぼす、蠕動ポンプのような一部のタイプのポンプは、別個の入力及び出力ライン又はチューブがそれに接続される必要がないことに留意すべきである。配管が、帯電した有益組成物からポンプを電気的に絶縁させることができるので、この配置は、放出ノズル24に向けて送り出される静電的に帯電した流体又は粒子と共に使用するのに特に有益である。又、必要に応じて、ばね作動式ポンプ機構など代替ポンプ装置も使用可能であることに留意すべきである。好適な蠕動ポンプの非限定的な例として、ケンタッキー州ルイビル(Louisville,Kentucky)のトーマス・インダストリーズ(Thomas Industries)から入手可能な、モデル10/30蠕動ポンプがある。
【0052】
必要に応じて、布地物品処理装置10は、いくつかのセンサーの使用により向上でき、その例としてはこれらに限定するものではないが、扉(又は蓋)センサー22、動作センサー36、湿度センサー46及び/又は温度センサー48が挙げられる。
【0053】
図7は本発明と共に使用されてよい布地物品処理装置10の1つの独立型実施形態のいくつかの構成要素の一般配置を図式的に示す。前述のように、電子部品54及びバッテリ52は、外側ハウジング50内に配置されており、当該外側ハウジング50は、外側ハウジング50と内側ハウジング20との間で電源及び入力/出力信号を伝えるフラットケーブル40に電気的に接続されている。
【0054】
内側ハウジング20内には、容器26、ポンプ30、電動モータ32、高圧電源28、放出ノズル24、及び特定の種類の処理装置10に備えられることもあれば、備えられないこともある様々なセンサーが収容される。ノズル24へと高電圧を伝える導電体39が描かれており、これは、高電圧を容器26へ伝える代わりに代替的に使用できる一構成である。ポンプの入口への配管42に加えて、有益組成物をノズル24へと提供するポンプの出口からの配管44が示されている。高圧電源28が、本発明の教示の範囲内で完全に任意であることに留意すべきであり、ノズル24から放たれる噴霧液滴/粒子が静電的に帯電されるべきでない場合、内側ハウジング20内に高圧電源は必要ない。
【0055】
図8は本発明と共に使用の他の実施形態を示し、通常、参照番号110で示される布地物品処理装置を表す。本発明のこの様式では、これまでの独立型実施形態の図に描かれた制御装置が、ここでは乾燥器具110の電子制御システムに組み込まれている。扉15が図8に示され、それが人間ユーザーによる乾燥器具110内部ドラム容積への通常のアクセス点である。ノズル24は、有益組成物をドラム領域内に導くために使用されており、ドラムは、通常、参照番号114によって表されている。供給管44は、制御弁120を通じて有益組成物をノズル24へと運び、当該制御弁には、必要に応じてオン・オフ押しボタン56を設けることができる。
【0056】
図9は本発明の他の独立型実施形態を示し、通常、参照番号150によって示される。図9に示される構成要素には容器(又は室)26、任意の充電構成要素39(高電圧を容器又はノズルに輸送する電極又は他の種類の導電体など)、放出ノズル24、ポンプユニット30、及び1組のバッテリ52が挙げられる。電子プリント基板54が設けられており、これには、通常、マイクロコントローラ又は他のタイプの制御回路が含まれる。参照数字129で表されるようなそのような装置には1以上のセンサーが設けられてよく、それらには圧力センサー、扉センサー22、動作センサー36、湿度センサー46及び/又は温度センサー48を挙げることができる。この実施形態150では、コンポーネントすべてが1つのハウジング内に入れられており、ユニット全体が、消費者の家庭で見られる従来型の衣類乾燥機のような布地物品乾燥器具内に配置される。
【0057】
図9の「単一ハウジング」独立型ユニット150は、図6〜7について本明細書に記載されるすべての電気並びに電子構成要素を組み込むことができる。
【0058】
図10〜図14において、同様の参照番号は同様の要素を示しており、本発明の第3実施形態に従って構成された有益組成物分配装置1100が示されている。装置1100は、2つのエンクロージャ又はハウジング1120及び1150を備える。エンクロージャ1120は、例えば、衣類乾燥機(図10〜図14には図示せず)などの布地物品乾燥器具のような布地向上装置の内部に配置される「内側ハウジング」を画定し、エンクロージャ1150は、布地物品乾燥器具の外部に配置される「外側ハウジング」を画定する。布地価値増進装置は又、洗濯装置又は洗濯及び乾燥装置を備えてもよい。エンクロージャ1150は、感圧性で熱的に安定な接着剤の発泡体ストリップ(図示せず)などにより、布地価値増進装置扉(図示せず)の外面上に取り付けられてもよい。あるいは、エンクロージャ1150は、布地価値増進装置のいずれか他の外面上に取り付けられてもよく、その非限定的な例として、側壁、頂部壁、上部開放蓋の外面などが挙げられる。エンクロージャ1150は又、布地価値増進装置とは別の壁又は他の家屋構造の上に取り付けられてもよい。更に、エンクロージャ1120は、感圧性で熱的に安定な接着剤の発泡体ストリップ(図示せず)などにより、布地価値増進装置のいずれかの内面上に取り付けられてもよく、その例として、扉の内面、装置のドラム、後ろ壁、上部開放蓋の内面などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
図10及び11に示されるように、内側ハウジングエンクロージャ1120は、一体式前側/側面主要区分1122、及びねじ、接着剤、スナップ嵌め要素などによって主要区分1122に固定されたバックプレート区分1123を含む本体1121から構成される。区分1122及び1123は、好ましくは、高分子材料で成型される。本体1121内には、以下の要素、放出ノズル24、布地強化装置の扉が開く際センサー22が周辺光に露出されるよう周辺光を感知する扉センサー22、動作センサー36(本体1121内に収容され本体1121の外からは見ることができない)、湿度センサー46(図10及び11に不図示)及び温度センサー48を収容できる。この実施形態では、ノズル24は、高圧電源に組み合わされていない。ノズル24は、加圧噴霧を発生させるための流体噴霧ノズルとして機能する。
【0060】
図10〜12及び15を説明する。エンクロージャ1150は、後方壁1151aを有する主本体1151、下記に記載する可変長さの未使用ケーブル1140を保管するための第一の内側区画1151b、流体ポンプ1130を貯蔵するためのの第二の区画1151C、ポンプ1130を駆動するためのモーター1132、バッテリ52、チューブ1142(後述する)及びチューブの部分1144(後述する)を含む。更に、エンクロージャ1150は、ピン1152a(図12にその1つのみが示される)によるなどの主本体1151に枢軸に接続されるカセット扉1152、プリント基板1160a及びフェースプレート1162を含む。プリント基板1160aは、主本体1151と面板1162の間に収められる。面板1162は、ねじ、接着剤、スナップ嵌め要素、又は類似連結要素により、主本体1151に接続される。旋回可能扉1152は、有益組成物を満たされた取り外し可能な容器1170により定義される流体貯槽を受け入れるためのポケット1152bを有し、その組成物は、本文献又は本明細書に記される文献で説明される有益組成物のいずれか1つを含んでもよい。容器1170は、高分子材料、紙、箔、これらの材料の組み合わせ、又は類似材料で形成されてもよい。扉1152は、主本体1151に接続された第一及び第二の可撓性アーム1153を介して、取り外し可能に主本体1151内の閉止位置に保持される。
【0061】
面板1162内の対応する開口部を貫いて延びるのは、オン・オフスイッチ1266c、「再綿毛化」キー又はスイッチ266d、及びポテンショメータを含んでもよいダイアル266aであり、これをユーザーが回して、布地価値増進処理中の少なくとも1つの布地物品に対して有益組成物によりもたらされるべき強、標準、軽効果レベルに対応する、強、標準、軽設定の所望の1つにダイアル入力する。
【0062】
ケーブル1140は、エンクロージャ1120及び1150に接続されて、これらの間を延びる。ケーブル1140は、布地価値増進装置扉の内面に沿って、扉の頂部を越え、扉の外面を下へ及んでもよい。ケーブル1140の未使用のいかなる長さ部分は、第一の区画1151bに手で挿入して、保管することができる。
【0063】
ケーブル1140は、外側エンクロージャ1150内の流体ポンプ1130から内側エンクロージャ1120のノズル24へと有益組成物を運び(図14参照)、電気信号を内側エンクロージャ1120内に設置されたセンサー36、22、46及び48から外側エンクロージャ1150内のプリント回路基板1160aに設置されたマイクロコントローラ1160へと伝える。
【0064】
第一の継手1172が第一及び第二の取り付け棚1155a及び1155b、図12及び13を参照、により主本体1151に取り付けられ、チューブ又はチャンネル1142(図13に図示されず)に接続され、次にポンプ1130に接続される。第一及び第二の棚1155a及び1155bは、第一の継手1172のフランジ1172aの対向する側上に配置されて、フランジ1172aを包囲するように、スナップ嵌め、接着剤で固定、又は共にボルト留めされる。棚1155a及び1155bと継手1172を含む組み立て体は、棚1155a及び1155bが主本体1151内に画定されたスロット1151dの中に受け入れられるように、主本体1151に取り付けられる。扉1152がその閉止位置に旋回され、及び有益組成物が容器1170からチューブ1142へ移動する流路を提供するために容器1170を付き通す又は他の方法で貫通するように機能するとき、継手1l72は、流体容器1170の一部を形成する第二の継手1170aに挿入される。有益組成物はチューブ1142からポンプ1130の入口に移動し、その後その組成物は加圧されチューブ又はチャンネル1144(図12に示される)を介して運ばれ、ケーブル1140により放出ノズル24に延在し、そこで有益組成物が放出される。図示する実施形態では、ポンプ1130とモータ1132は、単一の組み立て体即ち圧電ポンプを備え、その1つが、パーテクノロジー社(Par Technologies,LLC)から製品表記LPD−30Sで入手可能である。本実施形態又は他の実施形態で使用されてよい他の好適なポンプとしては、これらに限定するものではないが、ギヤーポンプ及びダイヤフラムポンプが挙げられる。1つの好適なダイヤフラムポンプの非限定例はニュジャージー州トレントン(Trenton)にあるKNFニューバーガー(Neuberger)社から入手できるDCモーターを備えたモデルNo.NF5RPDC−Sである。
【0065】
電動モータ1132を制御するのに使用される制御信号のタイプは、装置1100の設計要求により変更可能であり、そのような信号は、導電体1172によってモータ1132に伝えられる。図示する実施形態では、導体1172に沿って伝わる電気信号は、マイクロコントローラ1160により制御されるパルス幅変調(PWM)信号を含む。もちろん、そのようなパルス幅変調信号は、いずれかの適切なコントローラ若しくはプロセッサー、又は適切な別個の論理によっても生成可能である。
【0066】
上記のように、エンクロージャ1150は、バッテリ52を貯蔵するための第二の区画1151cを備えており、これは、2本のAA電池を含んでもよい。図示実施形態において、バッテリ52は電源を画定し、DC電圧をDC電源1158に供給する(図14を参照)。例のDC電源は製品表記「MAX1724EZK50−T」のもとにマキシムインテグレイテッドプロダクツ(Maxim Integrated Products)社から市販の集積回路チップを含む。DC電源1158は出力電圧をマイクロコントローラ1160に供給する。
【0067】
好適なマイクロコントローラ1160には、アトメル社(Atmel Corporation)により製造されて、製品表記Atmega48−16Alで販売されているマイクロプロセッサーがある。あるいは、マイクロコントローラ1160は、アトメル社(Atmel Corporation)により製造されて、製品表記Atmega48−16AJで販売されているマイクロプロセッサーを含んでもよい。言うまでもなく、異なる製造者により製造される他のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサー、コントローラ、若しくはプロセッサー、又は別個のデジタル論理を、代わりに使用することが可能である。
【0068】
マイクロコントローラ1160は、搭載メモリーと、アナログ及びデジタル信号用の入力及び出力ラインとを含む。マイクロコントローラ1160は、RS−232通信リンクを使用して任意のプログラマインターフェースに接続可能な、シリアルポートも有する。上記したように、オン・オフスイッチ1266c及び再綿毛化キー266dはマイクロコントローラ1160に接続される(図14参照)。上記のように、動作センサー36、扉センサー22、湿度センサー46、及び温度センサー48は、マイクロコントローラ1160に対して信号を生成する。更に上記のように、マイクロコントローラ60は、ポンプモータ1132に対するパルス幅変調(PWM)信号を導体1172経由で生成する。音声表示器1300は、マイクロコントローラ1160に更に接続され、及び、乾燥サイクルが完了したこと、衣類が有益組成物で処理されたこと、有益組成物投入サイクル中にエラーが生じたこと、又は有益組成物分配装置に流体がなくなったことを表示するように機能する。音声表示器1300はプリント基板1160に取り付けられる(図12参照)。
【0069】
更に、第一、第二、第三、第四及び第五の発光ダイオード1400a〜1400eがマイクロコントローラ1160に接続される(図11〜13参照)。ダイオードは動作時オペレーターに見えるようフェースプレート1162に接続される(図11参照)。第一のダイオード1400aは、装置1100がオン・オフスイッチ1266cにより活性化されたときに、マイクロコントローラ1160により作動される。第二のダイオード1400bは、ポンプ1130が有益組成物をノズル24に向けてポンプ輸送しているときに、マイクロコントローラ1160により作動される。第三のダイオード1400cは、再綿毛化キー266dが活性化されたときに、マイクロコントローラ1160により作動される。第四のダイオード1400dは、対応する布地価値増進処理サイクルのための噴霧操作が完了したときに、マイクロコントローラ1160により作動される。第五のダイオード1400eは、容器の流体がなくなったとき、又は布地価値増進サイクルが妨害されたときに、警報信号を生成するためにマイクロコントローラ1160により作動され、後者の事象は、扉センサー22が光を感知する又は動作センサー36が動作を感知しないことにより検知されてもよい。マイクロコントローラ1160は、ポンプモータ1132により引き込まれる電流の変化を感知することにより、容器1170の流体がなくなったことを感知してもよい。
【0070】
処理組成物
処理組成物は、これらに限定されるものではないが、柔軟性、土壌再付着防止、しみ又は水忌避性、色及び白さ強調、芳香、強化吸収、帯電防止、抗菌、しわ抑制、形状/形態保持、及び/又は布地磨耗耐性を含む1以上の布地利益を提供する。このような利益を提供できる物質を含有する物質の部類としては、これらに限定されるものではないが、カチオン性物質、非イオン性物質、他のポリマー物質、及び粒子状物質が挙げられる。通常、前記処理物質は、組成物の総重量に基づいて、少なくとも約0.5重量%、少なくとも約2重量%、約4重量%〜約90重量%、約4重量%〜約50重量%、又は約4重量%〜約10重量%のうちの1つの濃度で存在する。好適な処理材料としては、これらに限定するものではないが、2004年11月4日公開の「揮発性材料放出方法(Volatile Material Delivery Method)と題するWO2004/12,007、2000年5月4日公開の「布地ケア組成物及び方法(Fabric Care Composition and Method)」と題するWO00/24,856、2005年2月3日公開の「布地物品処理システム及び方法」と称する米国特許出願第2005/0,022,311号、及び2005年4月14日公開の「静的制御を有する布地物品処理装置及びシステム(Fabric Article Treating Device and System with Static Control)」と題する米国特許出願第2005/0,076,534号に開示されたものが挙げられる。
【0071】
本発明と関連して使用される布地処理組成物としては香料が挙げられれてよい。香料は、少なくとも約30重量%、約35重量%〜約100重量%、約40重量%〜約100重量%、又は約40重量%〜約70重量%の101kPa(1気圧)で約250℃以下の沸点を有する香料材料から構成される少なくとも約0.005重量%、約0.005重量%〜約10重量%、又は約0.1重量%〜約2重量%の香料などの材料;布地処理材料;及び同時係属の出願WO2004/12,007に開示されたような1以上の補助剤成分である任意の支持材料及び残部を含んでよい。
【0072】
又、本発明と関連して使用される布地処理組成物には約0.5〜約20%の柔軟仕上げ剤又は布地ハンド変性剤(fabric hand modifier)が含まれてよく、その非限定例としてはジエステル第四級アンモニウム化合物、ポリ第四級アンモニウム化合物、カルボン酸と四級化された物質でエステル化されたトリエタノールアミン、アミノエステル第四級アンモニウム化合物(amino esterquats)、カチオン性ジエステル類、ベタインエステル類(betain esters)、ベタイン類、アミノシリコーン類、カチオン性シリコーン類、第四級アンモニウム化合物/シリコーン混合物、官能化ポリジメチルシロキサン類(「(PDMS」)、酸化アミン類、シリコーンコポリオール類、カチオンデンプン類、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリエチレン乳濁液を含むシリコーン又はシリコーンエマルション、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0073】
本発明と関連して使用される布地処理組成物には又、約0.1%〜約1.2%の静電気防止剤が含まれてよく、その非限定例としてはポリアニリン類、ポリピロール類、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリチオフェン類、エトキシ化ポリエチレンイミン類、及びSTATEXAN WP、STATEXAN HA、又はSTATEXAN PES(ドイツ、レバークーセン(Leverkusen)のバイエル(Bayer)の子会社ランゼス(LanXess)社から入手可能)、ETHOFAT(オランダ、アーンヘム(Arnhem)にあるアクゾノーベル(Akso Nobel)社から入手可能)などの種々の市販材料及びこれらの混合物が挙げられる。
【0074】
本発明と関連して使用される布地処理組成物には又、約0.005〜約1.5%の悪臭抑制剤が含まれてよく、その非限定例としては置換又は非置換シクロデキストリン類、多孔質無機材料、デンプン、嗅覚の臭気遮断剤、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0075】
又、本発明と関連して使用される布地処理組成物には約0.05〜約0.5%の防腐剤が含まれてよく、その非限定例としては商標名UNIQUAT(登録商標)のもとで(スイス、バーゼル(Basel, Switzerland)のロンザ(Lonza)社から)入手可能であるジデシルジメチルアンモニウムクロライド、商標名PROXEL(登録商標)のもとで(コネチカット州、ノーワーク(Norwalk, Connecticut)のアーチケミカルズ(Arch Chemicals)社から)入手可能である1,2‐ベンズイソチオゾリン‐3‐オン(1,2-benzisothiozolin-3-one)、商標名DANTOGUARD(登録商標)のもとで(スイス、バーゼル(Basel, Switzerland)のロンザ(Lonza)社から)入手可能であるジメチロール‐5,5‐ジメチルヒダントイン(dimethylol-5,5-dimethylhydantoin)、商標名KATHON(登録商標)のもとで(ペンシルバニア州、フィラデルフィア( Philadelphia, Pennsylvania)のロームアンドハース(Rohm and Haas)社から)入手可能である5‐クロロ‐2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン/2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン(5-Chloro-2-methyl-4-isothiazolin-3-one / 2-methyl-4-isothiazolin-3-one)及びこれらの混合物が挙げられる。
【0076】
本発明と関連して使用される布地処理組成物には又、約0.05〜約5%のエトキシ化界面活性剤及び/又は乳化剤が含まれてよい。これらにはカルボキシル化アルコールエトキシレート類、エトキシ化四級アンモニウム界面活性剤、エトキシ化アルキルアミン類、アルキルフェノールエトキシレート類、アルキルエトキシレート類、アルキルサルフェート類、アルキルエトキシスルフェート類、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、脂肪族アルコール及び脂肪酸エトキシレート類、長鎖第三級アミンオキシド類、アルキル多糖類、ポリエチレングリコール(「PEG」)グリセリル脂肪酸エステル類、及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
【0077】
布地処理組成物の製造方法
本発明の布地処理組成物は任意の好適な形態に配合でき、配合者により選択された任意のプロセスで調製でき、その非限定例が米国特許第6,653,275号に記載されている。
【0078】
均一性及び付着効率
乾燥プロセス中に適用される処理組成物は乾燥プロセス中の混転乾燥機で布地に均一に分配されるのが望ましい。又、乾燥プロセス中、処理組成物は乾燥機通気口/リントスクリーンによるなどほかの場所で付着されるよりはむしろ混転乾燥機内の布地に付着されるのが望ましい。理論に限定されるのは望まないが、混転乾燥機ドラム内の布地に対する分布均一性及び処理組成物の付着の両方に影響するかもしれないいくつかの要因としてはドラム内処理組成物の流量、処理組成物の液滴直径、ドラム内スプレー位置、ドラム内スプレー円錐角及びドラム内処理組成物の線速度が挙げられる。
【0079】
本発明に従うと、混転乾燥機ドラム内の布地に対する処理組成物の分布の均一性(即ち、分布指数)は少なくとも約35%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、又は少なくとも約80%であることが望ましい。混転乾燥機ドラム内の布地に対する処理組成物の付着は少なくとも約70%、少なくとも約75%、又は少なくとも約80%であることが望ましい。又、処理組成物の約10%未満がリントスクリーンを介して乾燥機ドラムから放出される、処理組成物の約5%未満がリントスクリーンを介して乾燥機ドラムから放出される、又は処理組成物の約1%未満がリントスクリーンを介して乾燥機ドラムから放出されるのが望ましい。
【0080】
噴霧液の円錐角を測定する方法
以下の方法が円錐角(噴霧幅)を測定するため使用されてよい。
【0081】
1.噴霧液が適用される乾燥機ドラムの深さを測定する。乾燥機ドラムの深さの全長の20%である距離を計算する。
2.噴霧液の供給源である噴霧部は相当する水平の(垂直の)軸線に合わせた噴霧装置のノズルを有する乾燥機ドラムの垂直の中心点に相当する高さで垂直の面に取り付けられる。
3.インディアナ州インディアナポリス(Indianapolis, Indiana)にあるモーションエンジニアリング(Motion Engineering)社から入手可能なフォトロン・ファーストキャム(Photron Fastcam) PCI 2KCをマグマ(Magma)CB2並びにデル・インスピロン(Dell Inspiron)8100と組み合わせて組み立てる。撮影時追加の光を付与するようにハロゲンランプを組み立てる。25mmレンズを使用し、高解像度で噴霧を録画する。視界がノズルの放出を包含し、工程1で計算された少なくとも20%距離に延在するようビデオカメラを合わせる。更に、噴霧の最も広い角度捕獲するようにカメラが合っているかを確認する。
4.乾燥空気流がないところで噴霧を起動する。
5.黒の背景に対してビデオが1分当り1000フレームで流体噴霧を録画する。
6.噴霧の単一フレーム画像をマイクロソフトビジオ(Microsoft Visio)に挿入し、画像を400%にズームする。
7.工程6からの画像を使用して円錐角を決定するため、噴霧の上部及び下部境界を横切るよう工程1で測定された長さの20%である点に相当する垂直の線を描く。垂直線が噴霧の上端境界を横切る点から、噴霧器のノズルの放出中心点に対して後方に線を描く。噴霧のより低い境界についてこの方法を繰り返す、即ち、垂直の線が噴霧の下部境界を横切る点から噴霧器のノズルの放出中心点に対して後方に線を描く。円錐角はノズル放出時にこれら二つの線の交差により形成される内角である。
【0082】
布地上の処理組成物の付着及びリントスクリーン上の処理組成物の付着を測定する方法
布地ストリッピング:
1.合計負荷重量が約2.7Kgになるまで布地を計量する。
2.洗濯機の電源を入れ、攪拌時間を10分、水レベルを高、約79リットル(21ガロン)満杯を設定する。
3.液体タイド(Liquid TIDE)(登録商標)などの液体洗濯用洗剤約160グラムを使用する。
4.洗濯機が約1/4満杯になった後、洗剤を洗濯機の水に加える。キャップ内の全ての残った洗剤が洗濯機内に流れるよう水で洗濯用洗剤ボトルカップをゆすぐ。
5.いったん桶が約3/4満杯まで満たされると、布地が洗濯機内の水に加えられる。
6.洗浄サイクルは最終回転の完了まで自動的に進められる。
7.上に列記したように洗濯負荷量に対して加えられたそれぞれの洗剤量で工程#2〜6が後3回繰り返される。
8.4サイクル完了後、布地は洗濯機から除かれ、乾燥機の高熱サイクルを使用し乾燥される。
9.そして処理まで布地はビニール袋に保管される。
【0083】
布地処理:
布地負荷量‐各処理は一回の負荷量当り12個の0.83m2(1平方ヤード)の細長く切られた布地材料見本から構成される。
【0084】
処理工程‐細長く切られた材料見本が洗濯機内に配置され、すすぎサイクル、湿式及び遠心脱水乾燥(wet and spun dry)を設定する。
【0085】
湿った布地を混転乾燥機内に配置する前に、各処理の前に下記の乾燥機洗浄処置が行われる。5%漂白剤溶液が乾燥機内部の前側及び裏側壁並びに燥機ドラム上に噴霧される。噴霧の前にリントスクリーンが除かれる。乾燥機が紙タオルで完全に隅々まで拭かれる。いったん乾燥機の洗浄が完了すると、乾燥機のリントトラップは取り換えられ、マスキングテープで縁が固定された新しい36cm(14インチ)×18cm(7インチ片)の白木綿編み布地でカバーされる。好適な白木綿編み布地はオハイオ州シンシナテイ(Cincinnati, Ohio)にあるエンピリカルマニュファクチャリング社(Empirical Manufacturing Company)から入手可能なCW120である。次に湿った布地が乾燥機ドラムに入れられ、乾燥サイクルが完了する。乾燥サイクルの間、噴霧組成物が乾燥機ドラム内に放出される。乾燥処理サイクルに続いて、サンプリング及び分析のためリントスクリーンをカバーしている布地が乾燥機ドラムから除かれる。
【0086】
布地サンプリング:
リントスクリーン‐リントスクリーン上の布地は以下のようにサンプリングされる。
【0087】
1.リントスクリーン上のカバーはリントスクリーンからカバーを除くことによりサンプリングされる。
2.マスキングテープでカバーされなかったリントスクリーンカバーの部分から直径が40mmの6個の円形のサンプルが切断される。
3.リントスクリーンカバーから切断された6個のサンプルはラベルされ下記に記載の材料見本分析により分析される。
【0088】
布地負荷量(乾燥機から)
1.各サイクルから12枚の内6枚の0.8平方メートル(1平方ヤード)の布地がサンプリングされる。
2.各布地材料見本が広げられ、材料見本の隅から15cm(6インチ)で測定するため物差しが使用される。
3.この領域から40mm円が切断される。
4.サンプル材料見本がラベル付けされ分析される。
【0089】
材料見本分析:
帰納論的に結合プラズマ光学発光分光測定法(ICP)がサンプルの分析のため使用される。噴霧の性能を測定するため、イットリウム(Y)が追跡元素として処理組成物溶液中にスパイクされる。テストされる処理組成物に200ppmのYを加える。組成物をテストされる布地上に噴霧される。噴霧後、サンプルを布地から切断する。高圧マイクロウェーブによって酸性溶液になるように布地サンプルを蒸解する。定量的Y測定のためICPを補正する。溶液中のYを測定する。布地上のY量を逆算し化学量論的補正をおこない布地上の処理組成物溶液の量を決定する。Yの分布は処理組成物溶液の分布を表す。
【0090】
布地上の処理組成物(分布指数)の均一性を決定する方法
テストサンプルの表面積当りの噴霧の分布均一性を評価するため画像解析が使用されてよい。サンプル当り多数のデジタル画像が撮像装置により取得されコンピューターソフトウェアで解析される。ソフトウェアは噴霧付着領域を検知し、画像中に汚れた領域を含むピクセルの数を数える。サンプルごとに取られたすべての画像について検出されたピクセルの数を比較し、標準偏差が計算される。より小さい標準偏差はより均一な噴霧付着と関係がある。噴霧均一性を測定するため布地サンプルに赤色染料(即ち、蒸留水中の0.05重量%の食品、医薬品及び化粧品用赤色染料#40)が噴霧される。
【0091】
次に画像解析は下記工程により行われ、サンプル上の噴霧の分布の均一性を評価する。
【0092】
(1)背景補正撮像システム及びサンプルのデジタル画像取得
均一な中間色の灰色カード(flat neutral gray card)を使用し画像を補正する周知の技術である背景補正を解析前に画像に適用し、視界を横切る照明分散を取り除き空間照明分散の結果画像解析の問題を最小限にする。更に、異なる時間に取られたデジタル画像(例えば、別々の日に取られた画像)のカラー濃度を保証するため、画像は又標準カラーチャート(グレタグマクベス(Gretag Macbeth)24カラーチャート)を使用しカラー補正される。
【0093】
背景を補正後、テストされる布地を光ブースに配置し、撮像される特定領域が丁度ランプの間の光ブースの中心にありカメラに向かって上を向くように折り曲げる。カメラ(16cm×20.5cm)の視界の大きさのステンシルを撮像される領域の上に置く。サンプルが正しく位置決めされるとオペレーターからの指令に応じて画像が取られる。布地当り合計12枚の画像に対して布地の前側及び裏側ごとに6枚の画像が取られる。
【0094】
画像は周知の方法でデジタル化される(即ち、2進法表示に変換される)。最後にデジタル画像データが演算装置に移動される。デジタル像を取得する多くの他の方法が当該技術分野の当業者に周知である。例えば、解析されるサンプルはネットワークを介して提出でき、ファイルはデータベースから検索でき、及び/又は写真をデジタル化するためフラットベッドスキャナーを使用できる。
【0095】
(2)電子的にデジタル画像を解析し噴霧付着の領域を検出する。
【0096】
画像は参照強度閾値に基づき画像解折ソフトウェア(メリーランド州シルバースプリング(Silver Spring, Maryland)で会社組織なったメデイアサイバネテイクス(Media Cybernetics)社から入手可能なオプテマス(Optimas)バージョン6.5)により電子的に処理される。選択された関心のある領域は完全なスクリーン画像である。強度閾値設定を選択する方法は以下の通りである。布地(上記工程1)の背景及びカラー補正画像は赤色染色領域と「汚れていない」布地領域間の相違を強調する単一「グレー」レベル画像表示に変換される。使用された方法は、照明、撮像システム、並びに背景布地カラーと対比した使用された染料の種類及びカラーに左右される。例えばグリーンチャンネルが使用されてよい。又、関連あるアプローチが使用されてよい、例えば、赤−緑、赤−青又は画像の赤、緑及び青カラーチャンネルの他の類似の数学的な組合せからの強度画像が、布地の染色と「汚れていない」領域間の相違を目立たせる閾値化のための単一チャンネル「グレー」レベル画像を作るために使われてよい。
【0097】
ソフトウェアはデジタル画像ピクセルのカラー領域を検出するため補正される。ピクセル検出のための閾値設定のために、「汚れていない」未染色白布地は標準参照であり工程(1)により撮像される。単一チャンネル「グレー」レベル画像表示に変換後、閾値が設定され、そのためゼロピクセルがその「汚れていない」サンプルのすべての画像について検出される、その結果閾値がこれ以上に増加すると、ソフトウェアに「汚れていない」サンプルのピクセルを検出し始める。設定閾値内のカラー強度値のピクセルは画像解析ソフトウェアで検出、カウントされる。
【0098】
(3)サンプルごとに全ての画像について検出されたピクセルのパーセントでの標準偏差の計算する。
【0099】
面積当り検出されたピクセルのパーセントは、画像当りの合計ピクセル数で除された検出されたピクセル数を使用し数学的計算により得られる。従って、解析された各布地ごとに、検出されたピクセルの12個のパーセント値がある。布地当り12個の画像に対して検出されたピクセルのパーセントの標準偏差が式により数学的計算により得られる。
【数1】
【0100】
(式中、
σ=標準偏差
Xi=画像当り検出されたピクセルのパーセント
μ=ピクセルのパーセントの平均値
N=一組の測定の値の数)
布地、処理、など全体わたって噴霧付着の均一性をより便利に比較するため、分布指数が標準偏差値を用い数学的な式により作成される。この分布指数は0から100のスケールである。
【0101】
0<分布指数≦100
【数2】
【0102】
より高い分布値はより均一なサンプルと互いに関係がある。
【実施例】
【0103】
実施例 処理組成物
以下は本発明で有用な可能性がある処理組成物の非限定例である:
【表1】
【表2】
【0104】
実施例 ノズル配置
以下は混転乾燥機で使用されてよいノズル配置の非限定例である:
A.クロスフロー混転乾燥機と共に使されてよいノズル配置の非限定例(即ち、ドラムは典型的に反時計回りの運動で回転し、空気流は象限602の後部パネルを通って混転乾燥機に入り、象限601の乾燥機の後部パネルを通って出て行く。図1参照)。
【表3】
【0105】
1.混転乾燥機の前側(「F」)パネル/ドア又は混転乾燥機の裏側(「B」)パネル上にノズルの配置を表す。
2.以下の通り簡略化される:図1を参照するとき、「O」は線640と線630の交点を指す。番号「1」は第1象限601を指す。番号「2」は第2象限602を指す。番号「3」は第3象限603を指す。番号「4」は第4象限604を指す。
3.指定された象限にランディングするために要求される方向での線640に沿った線630及び640の交点から測定したとき線630及び640の交点から乾燥機ドラムの端までの%で表示された合計距離(即ち、半径)。
4.指定された象限にランディングするために要求される方向での線630に沿った線630及び640の交点から測定したとき線630及び640の交点から乾燥機ドラムの端までの%で表示された合計距離(即ち、半径)。
5.乾燥機の前側から見て参照された。
【0106】
B.軸線流乾燥機と共に使用されてよいノズル配置の非限定例(即ち、ドラムは典型的に時計回りの運動で回転し、空気流は図1の第一象限601の器具の後部パネルを通って乾燥機に入り、扉の下の乾燥機の前部パネルのリントスクリーンを通って出て行く)。
【表4】
【0107】
1.混転乾燥機の前側(「F」)パネル/ドア又は混転乾燥機の裏側(「B」)パネル上にノズルの配置を表す。
2.以下の通り簡略化される:図1を参照するとき、「0」は線640と線630の交点を指す。番号「1」は第1象限601を指す。番号「2」は第2象限602を指す。番号「3」は第3象限603を指す。番号「4」は第4象限604を指す。
3.指定された象限にランディングするために要求される方向での線640に沿った線630及び640の交点から測定したとき線630及び640の交点から乾燥機ドラムの端までの%で表示された合計距離(即ち、半径)。
4.指定された象限にランディングするために要求される方向での線630に沿った線630及び640の交点から測定したとき線630及び640の交点から乾燥機ドラムの端までの%で表示された合計距離(即ち、半径)。
5.乾燥機の前側から見て参照された。
【0108】
本発明の特定の実施形態が説明及び記載されてきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行えることが当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲内で扱うものとする。本明細書で引用される全ての文献は、関連部分が参考として本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であることを承認するものとして解釈されるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】乾燥機ドラムの正面図。
【図2】本発明の原理により作製された独立型布地物品処理装置の実施形態の斜視図。
【図3】図2の布地物品処理装置の反対側の角度からの斜視図。
【図4】はテープケーブルにより結合した内部ハウジング及び外部ハウジングを示した図2の布地物品処理装置の部分断面図の一端からの正面図。
【図5】図2の布地物品処理装置の内部ハウジング部分の部分断面図の1つの側からの正面図。
【図6】図2の布地物品処理装置で利用されるいくつかの電気的及び機械的構成要素のブロック図。
【図7】布地乾燥機のドアに取り付けられたときの図2の布地物品処理装置の部分断面図の線図。
【図8】本発明の原理により作製されるような有益組成物を乾燥機のドラム部分に噴霧するノズルを有する布地物品乾燥装置の斜視図。
【図9】本発明の原理により作成される他の実施形態独立型布地物品処理装置により活用されるいくつかの構成要素の線図であり、すべての処理装置は単一ハウジング又はエンクロージャ内にに包含。
【図10】本発明の原理により作製される有益組成物を分配するための独立型ユニットのもう一つの実施形態の斜視図。
【図11】図10のユニットの反対側の角度からの斜視図。
【図12】図10及び11で示されるユニットの分解図。
【図13】流体容器、第一及び第二の備品及び第一及び第二の取り付け棚の分解図。
【図14】図11〜13のユニットに利用される電気的及び機械的構成要素の少なくとも部分のブロック図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)入口と放出口を備える導管と、
b)前記導管の前記放出口に接続される1以上のオリフィスを有するノズルと
を備えたポンプを備えてなる、布地物品乾燥器具内で有益組成物を付着する装置であって、
前記有益組成物を前記導管により前記有益組成物の供給源から前記ノズルに分配するように前記導管の前記入口が前記有益組成物の供給源と連通し、それにより前記有益組成物を前記ノズルから前記布地物品乾燥器具に分配し、それにより前記有益組成物が約100ミクロン〜約1000ミクロンの平均液滴直径を有し、前記ノズルから放出される前記有益組成物により形成された円錐角が約35°〜約150°であることを特徴とする、布地物品乾燥器具内で有益組成物を付着させる装置。
【請求項2】
前記ノズルが第1象限、第2象限、第3象限、第4象限又はそれらの組み合わせ内にあるように前記ノズルが布地物品乾燥器具内に配置され、前記ノズルが第1象限にある場合、前記ノズルは左に約80°から右に約45°、上に約45°から下に約35°の範囲の傾斜角を有し、前記ノズルが第2象限にある場合、前記ノズルが右に約80°から左に約45°、上に約45°から下に約15°の範囲の傾斜角を有し、前記ノズルが第3象限にある場合、前記ノズルが右に約80°から左に約45°、上に約45°から下に約15°の範囲の傾斜角を有し、前記ノズルが第3象限にある場合、前記ノズルが右に約80°から左に約45°、上に約45°から下に約15°の範囲の傾斜角を有し、前記ノズルが第4象限にある場合、前記ノズルが左に約80°から右に約15°、上に約45°から下に約15°の範囲の傾斜角を有する及びそれらの組み合わせである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ノズル放出口で平均流量が、約0.5ml/分〜約100ml/分である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ノズル開口部の大きさが、約200ミクロン〜約600ミクロンである、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ノズル放出口での平均線速度が、約0.05m/秒〜約2m/秒である、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記有益組成物が前記ノズルから出る時に噴霧流を含み、前記有益組成物が前記ノズルから出る時に測定された前記有益組成物噴霧流の長さが、前記布地物品乾燥器具水平軸線の長さの約20%〜約95%である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記有益組成物が前記布地物品処理装置から混転乾燥機に分配されるように前記混転乾燥機に結合される布地物品処理装置を備え、前記混転乾燥機への前記有益組成物の付着効率が約95%以上であることを特徴とする、布地を処理するために使用される有益剤付着効率を付与する装置。
【請求項8】
前記布地物品処理装置がノズルを含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
a)混転乾燥機と、
b)前記有益組成物が前記布地物品処理装置から混転乾燥機に分配され、それにより前記混転乾燥機への前記有益組成物の付着効率が約95%以上であるように前記混転乾燥機に結合される布地物品処理装置と
を備えた、布地を処理するために使用される有益剤の付着効率を付与するシステム。
【請求項10】
前記有益組成物が、約24℃でLVIスピンドルを備えたブルックフィールド(Brookfield)粘度計を使用し測定したとき約0.2Pa・s(200センチポアズ)以下の粘度を有する、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記有益組成物が、約20℃と約25℃の間で測定したとき約3〜約100ダイン/cmの表面張力を有する、請求項7に記載の装置。
【請求項12】
布地物品乾燥器具内の布地に均一な分布の処理組成物を付与する装置であって、有益組成物が前記布地物品処理装置からドラム内に噴霧液の形状で分配されるように前記布地物品処理装置が混転乾燥機のドラムに結合され、前記噴霧液が前記ドラム内にある布地に前記有益組成物の約75%以上の分布均一性を付与するように前記ドラム内の布地に接触することを特徴とする、布地物品乾燥器具内の布地に均一な分布の処理組成物を付与する装置。
【請求項13】
前記混転乾燥機の前記ドラム内に噴霧される前記有益組成物の少なくとも約95%以上が前記ドラム内の前記布地に付着される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
a)導管を備え、前記導管が入口、放出口、及び前記導管の前記放出口に接続されたノズルを備えたポンプを準備し、
b)前記導管の前記入口を有益組成物の供給源と連通して配置し、前記導管の前記入口が有益組成物の供給源と連通し、及び
c)前記有益組成物を前記導管により有益組成物の供給源から前記ノズルと前記混転乾燥機の前記ドラム内に分配し、それにより、前記有益組成物が約100ミクロン〜約1000ミクロンの平均液滴直径と約0.05m/秒〜約2m/秒の前記ノズルを通過する線速度を有し、並びに前記ノズルが前記乾燥ドラム内の第1象限、第2象限、第3象限、第4象限、又はそれらの組み合わせ内に配置され、及び前記ノズルが第1象限にある場合、前記ノズルが左に約80°から右に約45°、上に約45°から下に約35°の範囲の傾斜角を有し、前記ノズルが第2象限にある場合、前記ノズルが右に約80°から左に約45°、上に約45°から下に約15°の範囲の傾斜角を有し、前記ノズルが第3象限にある場合、前記ノズルが右に約80°から左に約45°、上に約45°から下に約15°の範囲の傾斜角を有し、前記ノズルが第4象限にある場合、前記ノズルが左に約80°から右に約15°、上に約45°から下に約15°の範囲の傾斜角を有する、及びそれらの組み合わせであることを特徴とする、混転乾燥機のドラム内で有益組成物を付着する方法。
【請求項15】
a)布地物品処理装置を準備し、
b)有益組成物を準備し、
c)前記布地物品処理装置に前記有益組成物を装填し、
d)前記有益組成物を前記布地物品処理装置から混転乾燥機のドラム内に放出させ、それにより前記布地物品処理装置の放出口で前記有益組成物が約35°〜約150°の円錐角を有し、
e)前記混転乾燥機を工程dと同時に、工程dの前に、工程dの後で、又はそれらの組み合わせで回転すること、
を含む、布地を処理するために使用される有益剤の効率的付着を提供する方法。
【請求項16】
前記有益組成物が前記布地物品処理装置から前記布地物品乾燥器具に分配されるよう前記布地物品処理装置と結合される混転乾燥機のドラムを準備することを更に含み、それにより前記混転乾燥機の前記ドラム内に分配される前記有益組成物の約95%以上が前記混転乾燥機内で布地に付着される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
a)布地物品処理装置を準備し、前記布地物品処理装置が、入口、放出口、及び前記導管の前記放出口に接続されたノズルを含む導管を備えており
b)前記導管の前記入口を有益組成物の供給源と連通させて配置し、前記導管の前記入口を有益組成物の供給源と連通させ、
c)前記有益組成物を前記導管により有益組成物の供給源から前記ノズル及び布地物品乾燥器具の前記ドラム内に分配し、それにより前記布地への前記有益組成物の分布均一性が少なくとも約45%であること
を含む、有益組成物を布地物品乾燥器具内で付着する方法。
【請求項18】
a)混転乾燥機と、
b)i)約100ミクロン〜約1000ミクロンの処理組成物の平均液滴直径と、
ii)約35°〜の前記混転乾燥機内のスプレーにより形成された円錐角と、
iii)噴霧液が前記混転乾燥機に入る点で約0.5ml/分〜約100ml/分の流量と、
iV)噴霧液が前記混転乾燥機に入る点で約0.5m/秒〜約20m/秒の線速度とを有する、前記混転乾燥機内の布地に有益組成物を噴霧するスプレーと
を備える、布地物品乾燥器具内の布地に噴霧するシステム。
【請求項19】
前記処理組成物が、約24℃の温度でLVIスピンドルを使用し測定したとき、約0.2Pa・s(200センチポアズ)以下のブルックフィールド(Brookfield)粘度を有する、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
約20℃と約25℃の間で測定したとき、前記処理組成物が約3〜約100ダイン/cmの表面張力を有する、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記処理組成物が、香料、静電気防止剤、布地ハンド変性剤又はそれらの組み合わせである、請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
ノズルを更に含み、前記噴霧液が前記ノズルにより前記混転乾燥機内に分配される、請求項18に記載のシステム。
【請求項23】
前記ノズルが偏向板を更に含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記ノズルが偏向板を更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項1】
a)入口と放出口を備える導管と、
b)前記導管の前記放出口に接続される1以上のオリフィスを有するノズルと
を備えたポンプを備えてなる、布地物品乾燥器具内で有益組成物を付着する装置であって、
前記有益組成物を前記導管により前記有益組成物の供給源から前記ノズルに分配するように前記導管の前記入口が前記有益組成物の供給源と連通し、それにより前記有益組成物を前記ノズルから前記布地物品乾燥器具に分配し、それにより前記有益組成物が約100ミクロン〜約1000ミクロンの平均液滴直径を有し、前記ノズルから放出される前記有益組成物により形成された円錐角が約35°〜約150°であることを特徴とする、布地物品乾燥器具内で有益組成物を付着させる装置。
【請求項2】
前記ノズルが第1象限、第2象限、第3象限、第4象限又はそれらの組み合わせ内にあるように前記ノズルが布地物品乾燥器具内に配置され、前記ノズルが第1象限にある場合、前記ノズルは左に約80°から右に約45°、上に約45°から下に約35°の範囲の傾斜角を有し、前記ノズルが第2象限にある場合、前記ノズルが右に約80°から左に約45°、上に約45°から下に約15°の範囲の傾斜角を有し、前記ノズルが第3象限にある場合、前記ノズルが右に約80°から左に約45°、上に約45°から下に約15°の範囲の傾斜角を有し、前記ノズルが第3象限にある場合、前記ノズルが右に約80°から左に約45°、上に約45°から下に約15°の範囲の傾斜角を有し、前記ノズルが第4象限にある場合、前記ノズルが左に約80°から右に約15°、上に約45°から下に約15°の範囲の傾斜角を有する及びそれらの組み合わせである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ノズル放出口で平均流量が、約0.5ml/分〜約100ml/分である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ノズル開口部の大きさが、約200ミクロン〜約600ミクロンである、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ノズル放出口での平均線速度が、約0.05m/秒〜約2m/秒である、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記有益組成物が前記ノズルから出る時に噴霧流を含み、前記有益組成物が前記ノズルから出る時に測定された前記有益組成物噴霧流の長さが、前記布地物品乾燥器具水平軸線の長さの約20%〜約95%である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記有益組成物が前記布地物品処理装置から混転乾燥機に分配されるように前記混転乾燥機に結合される布地物品処理装置を備え、前記混転乾燥機への前記有益組成物の付着効率が約95%以上であることを特徴とする、布地を処理するために使用される有益剤付着効率を付与する装置。
【請求項8】
前記布地物品処理装置がノズルを含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
a)混転乾燥機と、
b)前記有益組成物が前記布地物品処理装置から混転乾燥機に分配され、それにより前記混転乾燥機への前記有益組成物の付着効率が約95%以上であるように前記混転乾燥機に結合される布地物品処理装置と
を備えた、布地を処理するために使用される有益剤の付着効率を付与するシステム。
【請求項10】
前記有益組成物が、約24℃でLVIスピンドルを備えたブルックフィールド(Brookfield)粘度計を使用し測定したとき約0.2Pa・s(200センチポアズ)以下の粘度を有する、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記有益組成物が、約20℃と約25℃の間で測定したとき約3〜約100ダイン/cmの表面張力を有する、請求項7に記載の装置。
【請求項12】
布地物品乾燥器具内の布地に均一な分布の処理組成物を付与する装置であって、有益組成物が前記布地物品処理装置からドラム内に噴霧液の形状で分配されるように前記布地物品処理装置が混転乾燥機のドラムに結合され、前記噴霧液が前記ドラム内にある布地に前記有益組成物の約75%以上の分布均一性を付与するように前記ドラム内の布地に接触することを特徴とする、布地物品乾燥器具内の布地に均一な分布の処理組成物を付与する装置。
【請求項13】
前記混転乾燥機の前記ドラム内に噴霧される前記有益組成物の少なくとも約95%以上が前記ドラム内の前記布地に付着される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
a)導管を備え、前記導管が入口、放出口、及び前記導管の前記放出口に接続されたノズルを備えたポンプを準備し、
b)前記導管の前記入口を有益組成物の供給源と連通して配置し、前記導管の前記入口が有益組成物の供給源と連通し、及び
c)前記有益組成物を前記導管により有益組成物の供給源から前記ノズルと前記混転乾燥機の前記ドラム内に分配し、それにより、前記有益組成物が約100ミクロン〜約1000ミクロンの平均液滴直径と約0.05m/秒〜約2m/秒の前記ノズルを通過する線速度を有し、並びに前記ノズルが前記乾燥ドラム内の第1象限、第2象限、第3象限、第4象限、又はそれらの組み合わせ内に配置され、及び前記ノズルが第1象限にある場合、前記ノズルが左に約80°から右に約45°、上に約45°から下に約35°の範囲の傾斜角を有し、前記ノズルが第2象限にある場合、前記ノズルが右に約80°から左に約45°、上に約45°から下に約15°の範囲の傾斜角を有し、前記ノズルが第3象限にある場合、前記ノズルが右に約80°から左に約45°、上に約45°から下に約15°の範囲の傾斜角を有し、前記ノズルが第4象限にある場合、前記ノズルが左に約80°から右に約15°、上に約45°から下に約15°の範囲の傾斜角を有する、及びそれらの組み合わせであることを特徴とする、混転乾燥機のドラム内で有益組成物を付着する方法。
【請求項15】
a)布地物品処理装置を準備し、
b)有益組成物を準備し、
c)前記布地物品処理装置に前記有益組成物を装填し、
d)前記有益組成物を前記布地物品処理装置から混転乾燥機のドラム内に放出させ、それにより前記布地物品処理装置の放出口で前記有益組成物が約35°〜約150°の円錐角を有し、
e)前記混転乾燥機を工程dと同時に、工程dの前に、工程dの後で、又はそれらの組み合わせで回転すること、
を含む、布地を処理するために使用される有益剤の効率的付着を提供する方法。
【請求項16】
前記有益組成物が前記布地物品処理装置から前記布地物品乾燥器具に分配されるよう前記布地物品処理装置と結合される混転乾燥機のドラムを準備することを更に含み、それにより前記混転乾燥機の前記ドラム内に分配される前記有益組成物の約95%以上が前記混転乾燥機内で布地に付着される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
a)布地物品処理装置を準備し、前記布地物品処理装置が、入口、放出口、及び前記導管の前記放出口に接続されたノズルを含む導管を備えており
b)前記導管の前記入口を有益組成物の供給源と連通させて配置し、前記導管の前記入口を有益組成物の供給源と連通させ、
c)前記有益組成物を前記導管により有益組成物の供給源から前記ノズル及び布地物品乾燥器具の前記ドラム内に分配し、それにより前記布地への前記有益組成物の分布均一性が少なくとも約45%であること
を含む、有益組成物を布地物品乾燥器具内で付着する方法。
【請求項18】
a)混転乾燥機と、
b)i)約100ミクロン〜約1000ミクロンの処理組成物の平均液滴直径と、
ii)約35°〜の前記混転乾燥機内のスプレーにより形成された円錐角と、
iii)噴霧液が前記混転乾燥機に入る点で約0.5ml/分〜約100ml/分の流量と、
iV)噴霧液が前記混転乾燥機に入る点で約0.5m/秒〜約20m/秒の線速度とを有する、前記混転乾燥機内の布地に有益組成物を噴霧するスプレーと
を備える、布地物品乾燥器具内の布地に噴霧するシステム。
【請求項19】
前記処理組成物が、約24℃の温度でLVIスピンドルを使用し測定したとき、約0.2Pa・s(200センチポアズ)以下のブルックフィールド(Brookfield)粘度を有する、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
約20℃と約25℃の間で測定したとき、前記処理組成物が約3〜約100ダイン/cmの表面張力を有する、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記処理組成物が、香料、静電気防止剤、布地ハンド変性剤又はそれらの組み合わせである、請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
ノズルを更に含み、前記噴霧液が前記ノズルにより前記混転乾燥機内に分配される、請求項18に記載のシステム。
【請求項23】
前記ノズルが偏向板を更に含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記ノズルが偏向板を更に含む、請求項1に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−15984(P2011−15984A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−201437(P2010−201437)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【分割の表示】特願2007−511646(P2007−511646)の分割
【原出願日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201437(P2010−201437)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【分割の表示】特願2007−511646(P2007−511646)の分割
【原出願日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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