説明

組立式容器

【課題】 従来の容器は、屋外で使用した後で洗浄するのに、底の外周部が隅となっているために、ブラシなどで汚れを取り除くことが困難で、更に洗浄後の乾燥及び洗浄液の除去も困難であるために、材料を紙などに変更した使い捨ての簡易式容器を使用している。このように容器を使い捨てとして、材料の消費、容器の製作エネルギーの消費をしている。
【解決手段】 外筒と内筒と底の部品により容器を構成し、外筒は、底の突部の下面に突き当て第一外周部と当接しつつ篏合され、内筒は前記外筒の内側において、底の突部の上面に突き当て第二外周部と当接しつつ篏合されていることを特徴とする組立容器とした、更に、外筒における底の第一外周部との当接部あるいは、底における第一外周部の何れか一方または両方に、少なくとも1以上の突部を設けることで、内容物の液体の漏れを実用上問題なきよう解決した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器の再利用に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の容器は屋外で使用する場合、飲食で使用後、洗浄するのに底の外周部が隅となっているために、ブラシなどで汚れを取り除くことが困難で、更に洗浄液の除去も困難であるために、材料を紙などに変更した使い捨ての簡易式容器を使用するのが一般的である。
【0003】
【特許文献1】特開2005−53506号広報
【0004】
【特許文献2】特開2008−230696号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上に述べた従来の容器では、屋外で使用するには再利用するのに洗浄することが困難であるので、換わりに材料を紙などとした使い捨ての簡易式容器が使われている。
【0006】
本発明は、このような従来の使い捨てとして、材料の消費、容器の製作エネルギーの消費をしていた問題を解決しようとするものであり、容器の底外周部の隅を、洗浄時になくすことにより洗浄を簡略化し容器の再利用を実現することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そして、本発明は上記目的を達成するために、容器を高さ方向では外筒と内筒の二重構造とした上で底部と切り離したものである、具体的には、再利用のため洗浄及び収納時は分解することが可能な組立式容器であって、外筒と内筒と底の部品により構成され、外筒は、底の突部の下面に突き当て第一外周部と当接しつつ篏合され、内筒は前記外筒の内側において、底の突部の上面に突き当て第二外周部と当接しつつ篏合されている。外筒における底の第一外周部との当接部あるいは、底における第一外周部の何れか一方または両方に、少なくとも1以上の突部を設けている。
【発明の効果】
【0008】
上述したように本発明の容器は、洗浄が容易であることと、収納時分解することで容積効率が良くなることから、使い捨てとしていた従来の簡易式容器の換わりとなり、本発明の容器を繰り返し使用することで、材料の消費、容器の製作エネルギーの消費を低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図1から図3に基づいて説明する。
【0010】
図1において容器の外観を示す。1は容器の外筒である。2は水などの液体を入れる内筒である。3は容器の底である。
【0011】
図1において上の径が下の径より大きい円形の容器であるが、上と下の径は同じ大きさでも良く。4角形など角形の形状でも良い。
【0012】
図1において外筒1と内筒2は一つの部品であるが、上下あるいは左右方向に分割してもよい。
【0013】
図2において容器の断面を示す。内筒2は、底3の突部の上面に突き当て第二外周部と当接しつつ篏合され固定する。その後、外筒1は、内筒2の外側において、底3の突部の下面に突き当て第二外周部と当接しつつ篏合され固定することで容器の組立は完了する。分解はこの逆に作業する。
【0014】
図2において外筒1における底3の第一外周部との当接部に突部を設けているが、底3の第一外周部との当接部に突部を設けても良い、又は両方に突部を設けても良い。
【0015】
図2において容器は外筒1と内筒2の二重構造であるが、筒を更に内側あるいは外側に設けてもよく、3重以上の構造としてもよい。
【0016】
図2において容器の底3は一つの部品であるが、上下あるいは左右方向に分割してもよい。
【0017】
組立てた容器に水などの液体が注がれると、内筒2と底3は第二外周部で当接しつつ篏合しているが、篏合の偏りからできる隙間より図3のように液体は少しずつ漏れ出していく。
【0018】
内筒2と底3の同隙間より漏れ出した液体は、底3の形状に沿って流れるが、内筒2の下面と底3の突部の当接面に達すると、液体の流れは妨げられる(図3)。
【0019】
内筒2と底3の隙間より漏れる液体の量は増えていくため、内筒2と底3の突部の当接面で流れの妨げられた液体は、再び流れ出し、底3の形状に沿って外筒1と底3の突部の当接面に到達する(図3)。
【0020】
外筒1と底3の突部は当接しているため液体は初期では、突部で仕切られた
底3の下側に入り込まずに、外筒1と内筒2の間に流れ、液体が蓄えられていく(図3)。
【0021】
外筒1と内筒2の間に蓄えられた液体の量が増え液面が上昇すると、圧力が増すことから液体はやがて当接の偏りからできる隙間より、底3の突部で仕切られた下側に侵入していく(図3)。
【0022】
外筒1の突部の上側に侵入した液体は突部の上面に落ちるが外筒1の突部は第一外周部で当接しつつ篏合しているため、初期では上段の部屋には侵入しない。
【0023】
外筒1の突部の上面に液体が流れ続け、圧力が増すことで、液体は外筒1の上段の部屋に侵入していく(図3)。
【0024】
外筒1の上段の部屋に侵入した液体は部屋の下面に落ちるが外筒1の突部は第一外周部で当接しつつ篏合しているため、初期では下段の部屋には侵入しない。
【0025】
下段の部屋に液体が流れ続け、圧力が増すと、液体は下段の下面より漏れ出していく(図3)。
【0026】
以上のように液体が漏れるのを完全に防ぐものではないが、経過時間、液体の漏れる速度が遅いことから実用的に使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
屋外で使用する容器や外出先で使用する使い捨て容器の換わりに利用されたり、一般家庭で洗浄を軽減するために利用されたりするなどあらゆる容器にとって換わって利用可能であり、本発明の産業上の利用可能性は大変大きい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態を示す容器の外観図
【図2】同容器の断面図
【図3】同容器の部分断面図
【符号の説明】
【0029】
1 外筒
2 内筒
3 底

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再利用可能な組立式容器であって、外筒と内筒と底の部品により構成され、外筒は、底の突部の下面に突き当て第一外周部と当接しつつ篏合され、内筒は前記外筒の内側において、底の突部の上面に突き当て第二外周部と当接しつつ篏合されていることを特徴とする組立容器。
【請求項2】
前記組立容器において、外筒における底の第一外周部との当接部あるいは、底における第一外周部の何れか一方または両方に、少なくとも1以上の突部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の組立容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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