説明

組織片処理装置

【課題】装置の小型化が困難で且つ設置が制限され、処理槽に供給した薬液量が不足したとき、以後の処理操作を停止する従来の組織片処理装置の課題を解決する。
【解決手段】処理槽12に収納された組織片に浸漬処理を施す薬液であって、異なる薬液濃度の薬液が貯留されている複数の薬液タンク14,16よりも大容量で且つ内壁面が補強部材によって補強され、薬液タンク14,16に貯留されている薬液と同種の薬液で且つ未使用の新液が貯留される新液タンク15,17が装置本体の両側壁面に一体に装着され、新液タンク15,17内に貯留されている新液が処理槽12に送液されるように、新液タンク15,17からの配管が選択バルブ30に接続されており、検出センサー36によって処理槽12に供給された薬液量の不足が検出されたとき、新液タンク15,17から不足の薬液量に相当する新液を処理槽12に補充して、前記浸漬処理を続行するように、選択バルブ30、開閉バルブ32及びポンプ34が制御部38によって制御されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は組織片処理装置に関し、更に詳細には生物から採取した組織片を顕微鏡標本に作成するに必要な処理を施す組織片処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
病院や研究所では、生物から採取した組織片から顕微鏡標本を作製するために、組織片の固定、脱水、脱脂・置換、パラフィン包埋する各処理を自動的に行う組織片処理装置が用いられている。
かかる組織片処理装置としては、例えば下記特許文献1には、図9に示す組織片処理装置が提案されている。
図9に示す組織片処理装置の本体内には、組織片が挿入されたバスケット100が収納される処理槽102と、棚104に載置され、バスケット100内の組織片の処理に使用されて薬液濃度が順次異なる薬液の各々が貯留された複数の薬液タンク104a〜104eと、保温庫106内に収納されたパラフィンタンク106a,106aとが設けられている。薬液タンク104a〜104eでは、貯留している薬液の薬液濃度は104a<104b<104c<104d<104eである。
かかる薬液タンク104a〜104eとパラフィンタンク106a,106aとの各々は、本体内に設けられた選択バルブとしてのロータリーバルブ108に接続され、ロータリーバルブ108は、開閉弁110を介して処理槽102に接続されている。
このため、薬液タンク104a〜104eとパラフィンタンク106a,106aとの各々は、ロータリーバルブ108によって選択されて処理槽102と接続できる。
更に、処理槽102は、ポンプ112によって加圧又は減圧状態とすることができ、処理槽102が減圧状態としたとき、ロータリーバルブ108によって選択された薬液タンク104a〜104e又はパラフィンタンク106a,106aのいずれかのタンクから薬液又はパラフィンを処理槽102内に供給できる。
【0003】
また、処理槽102に供給され、バスケット100内に挿入されていた組織片と接触された薬液又はパラフィンは、処理槽102内をポンプ112によって加圧状態として、元のタンクに戻す。
かかるロータリーバルブ108、開閉弁110及びポンプ112は制御部114によって制御されているため、制御部114に予め設定された組織片の処理順序に従って、組織片を所定の薬液又はパラフィンに浸漬できる。
図9に示す組織片処理装置では、その本体外に外部タンク116が設けられている。この外部タンク116は、組織片の処理に用いる薬液であって、未使用の新液が貯留されている。かかる外部タンク116は、ロータリーバルブ108に接続されている。
ところで、薬液タンク104a〜104eに貯留されている薬液が組織片と所定回数接触したとき、薬液タンク104b〜104eに貯留されている薬液の各々を、一段低濃度側の薬液が貯留される薬液タンクに移送する落液と称されている処理を行う。
落液処理では、先ず、組織片と接触した回数が最も多く、組織片中の水分等が混入されて最も低濃度である薬液タンク104aを装置本体から取り出し、空の薬液タンク104aを取り付け、空の薬液タンク104aに薬液タンク104bに貯留されている薬液を、ロータリーバルブ108、開閉弁110及び処理槽102を経由して薬液タンク104aに移送する。
更に、空になった薬液タンク104bには、薬液タンク104cに貯留している薬液を、ロータリーバルブ108、開閉弁110及び処理槽102を経由して移送する。同様にして、空となった薬液タンクに隣接する薬液タンクから貯留している薬液を移送し、遂には薬液タンク104dが空となる。
この様に、空となった薬液タンク104dには、外部タンク116に貯留されている新液がロータリーバルブ108、開閉弁110及び処理槽102を経由して移送される。
【特許文献1】特開2001−124679号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図9に示す組織片処理装置では、薬液タンク104aを抜き出した後、自動的に落液処理を行うことができる。
しかし、外部タンク116が組織片処理装置の本体外に設けられているため、組織片処理装置が大型化し、外部タンク116の設置との関係から組織片処理装置の設置場所も制限される。
ところで、図9に示す組織片処理装置を含む組織片処理装置では、組織片の処理を繰り返すことによって、薬液の蒸発や組織片に含浸されて持ち出されて薬液タンクに貯留されている薬液量が次第に減少し、処理槽102内に規定量の薬液量を供給できない場合がある。この場合、処理槽102内で不足する薬液量は、通常、処理槽102に供給した薬液タンクに貯留されている薬液よりも高濃度で且つ直近の薬液を貯留している別の薬液タンクから補充し、処理槽102内で組織片を薬液中に完全に浸漬した状態で保持して以後の処理操作を停止することが行われている。この様に、別の薬液タンクから不足する薬液量を順次補充していると、最も高濃度の薬液を貯留している薬液タンクから処理槽102に薬液を供給したとき、薬液量が不足しても補う薬液がなくなるからである。
しかし、処理槽102内で組織片を薬液中に浸漬した状態で保持して処理操作を停止することは、貴重な組織片を保護することでは有効であるものの、その後の組織片の処理操作を行うことができず、予定時間に組織片の処理を終了できない。このため、顕微鏡標本が予定時間に作製できず、診断等のタイミングを遅らせる事態が発生するおそれがある。
そこで、本発明は、装置の小型化が困難で且つ設置が制限され、処理槽に供給した薬液量が不足したとき、以後の処理操作を停止する従来の組織片処理装置の課題を解決し、装置の小型化が可能で且つ設置の自由度が向上し、処理槽に供給した薬液量が不足しても、処理操作を継続できる組織片処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は前記課題を解決するには、新液を貯留する新液タンクを装置本体の側壁面に一体に設け、処理槽内に供給された薬液量が不足したとき、不足する薬液量に相当する量の新液を新液タンクから処理槽に供給することが有効であると考え検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、組織片が収納される処理槽と、前記組織片の浸漬処理に使用される薬液であって、薬液濃度が順次異なる薬液の各々が貯留された複数の薬液タンクと、前記薬液タンクのうちから選択した薬液タンクと前記処理槽とを接続する選択バルブと、前記選択バルブと処理槽とを接続する配管の途中に設けられ、前記配管を開閉する開閉バルブと、前記処理槽内を減圧又は加圧するポンプと、前記処理槽に所定の薬液量が供給されたことを検出する検出センサーと、前記組織片に最も低濃度の薬液から高濃度の薬液に順次浸漬処理が施されるように、前記ポンプによって減圧された処理槽に、前記選択バルブで選択された所定の薬液タンクの薬液が前記開閉バルブを経由して供給され、且つ前記ポンプによって加圧された処理槽から、前記組織片に浸漬処理を施した薬液が、前記選択バルブで選択された所定の薬液タンクに前記開閉バルブを経由して払い出されるように、前記選択バルブ、開閉バルブ及びポンプを制御する制御部とが装置本体に設けられた組織片処理装置であって、前記装置本体の側壁面に一体に装着された、前記薬液タンクに貯留されている薬液と同種の薬液で未使用の新液が貯留される、前記薬液タンクよりも大容量の新液タンクが、前記新液の給排の際に、減圧状態又は加圧状態となっても変形を防止できるように、内壁面が補強部材によって補強され、前記新液タンク内に貯留されている新液が前記処理槽に送液されるように、前記新液タンクからの配管が選択バルブに接続されており、前記検出センサーによって処理槽に供給された薬液量の不足が検出されたとき、前記新液タンクから不足の薬液量に相当する新液を処理槽に補充して、前記浸漬処理を続行するように、前記選択バルブ、開閉バルブ及びポンプが前記制御部によって制御されることを特徴とする組織片処理装置にある。
【0006】
かかる本発明において、検出センサーによって処理槽に供給された薬液量の不足を検出したとき、前記処理槽に供給した薬液濃度よりも高濃度で且つ直近の薬液濃度の薬液を貯留している薬液タンクから、不足の薬液量に相当する薬液を前記処理槽に補充して前記浸漬処理を続行し、且つ最も高濃度の薬液を貯留している薬液タンクから前記処理槽に薬液を供給した際に、前記検出センサーによって処理槽に供給された薬液量の不足が検出されたとき、新液タンクから不足の薬液量に相当する新液を前記処理槽に補充して前記浸漬処理を続行するように、前記選択バルブ、開閉バルブ及びポンプを制御部によって制御することにより、複数の薬液タンクに貯留されている薬液の薬液濃度の勾配を保持できる。
更に、不足する薬液量に相当する薬液又は新液を補充して処理槽内の組織片に浸漬処理を施した薬液を、前記処理槽に供給した薬液量が不足した薬液タンクに払い出すように、前記選択バルブ、開閉バルブ及びポンプを制御部によって制御することによって、薬液量が不足する薬液タンクに容易に薬液を補充できる。
また、複数の薬液タンクに貯留された薬液濃度が異なる薬液のうち、最も低濃度の薬液を廃棄し、その他の薬液タンクに保留されている薬液の各々を、薬液濃度が一段低濃度の薬液として対応する薬液タンクに順次移送する落液の際に、組織片の処理順序に従って薬液タンクの各々に貯留されている薬液を前記組織片が収納されている処理槽に供給して組織片に浸漬処理を施してから、所定の薬液タンクに順次移送し、最も高濃度の薬液が貯留される薬液タンクには、新液タンクに貯留されている新液を処理槽に供給して組織片に浸漬処理を施してから移送されるように、前記選択バルブ、開閉バルブ及びポンプが制御部によって制御することによって、落液を自動的に行うことができる。
更に、新液タンクには、単独で新液を供給できるように、新液供給手段を設けることによって、容易に新液タンクに新液を補充できる。
本発明に係る組織片処理装置の装置本体に、新液タンクに新液を供給する供給配管の一端部に形成した供給ポートと、処理槽内に薬液を選択バルブを経由して給排できるように、前記選択バルブに一端が連結された配管の他端部に形成した給排ポートとを設けることによって、新液タンクへの新液の補充と処理槽内に薬液の給排とを、装置本体に設けた供給ポート又は給排ポートを用いて容易に行うことができる。
更に、組織片の処理に用いる二種類の薬液の各々について、前記組織片の処理に使用されて薬液濃度が異なる薬液を複数の薬液タンクに貯留し、前記二種類の薬液であって、未使用の各新液を貯留する新液タンクを装置本体の両側壁面に設けることによって、二種類の薬液を用いて効率的に組織片処理を行うことができ、且つ装置本体も両側壁面に新液タンクが設けられたことによって安定化できる。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る組織片処理装置では、薬液タンクよりも大容量の新液タンクが、その内壁面が補強材によって補強されて装置本体の側壁面に一体に装着されている。このため、新液タンクに新液を給排するときに、新液タンク内が減圧状態、或いは新液タンクに薬液タンクよりも大量の新液が充填されて加圧状態となっても、新液タンクは変形することがなく、且つ組織片処理装置の小型化及び設置の自由度の向上を図ることができる。
また、本発明では、処理槽に供給された薬液量が不足したとき、不足量に相当する新液を新液タンクから処理槽に補充するため、処理槽内の組織片に浸漬処理を続行でき、その後の処理操作も続行できる。このため、組織片の処理を予定時間に終了でき、顕微鏡標本を予定時間に作製できる。
或いは、処理槽に供給された薬液量が不足したとき、不足量に相当する新液を、処理槽に供給した薬液よりも高濃度で且つ直近の薬液濃度の薬液を貯留している薬液タンクから、不足の薬液量に相当する薬液を補充して、処理槽内の組織片に浸漬処理を続行でき、その後の処理操作も続行できる。この場合、最も高濃度の薬液を貯留している薬液タンクから処理槽に薬液を供給した際に、処理槽に供給された薬液量が不足するが、新液タンクから不足量の新液を供給することによって、処理槽内の組織片に浸漬処理を続行でき、一連の処理操作を終了できる。このため、組織片の処理を予定時間に終了でき、顕微鏡標本を予定時間に作製できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明に係る組織片処理装置の一例を図1及び図2に示す。図1(a)は組織片処理装置の正面図であり、図1(b)は組織片処理装置の上面図である。
図1に示す組織片処理装置10では、組織片が収容されたバスケットを収容する処理槽12が、蓋12aによって開閉可能に設けられている。この処理槽12には、エタノールを供給して組織片中の水分をエタノールに置換した後、キシレンを供給して組織片中のエタノールをキシレンに置換し、次いで、溶融パラフィンを供給して組織片中にキシレンをパラフィンに置換する。このため、処理槽12が設けられた装置本体の最下段には、処理槽12に供給するエタノールの濃度が異なる複数個の薬液タンク14,14・・が配列され、装置本体の中段で且つ薬液タンク14,14・・の上段には、処理槽12に供給するキシレンの濃度が異なる複数個の薬液タンク16,16・・が配列されている。
更に、薬液タンク16,16・・の上段には、処理槽12に供給するパラフィンが複数の薬液タンク18,18・・が配列されている。この薬液タンク18,18・・が配列されている段は温蔵庫に形成され、溶融パラフィンの溶融状態を保持する。また、薬液タンク18,18・・のうち、右端の薬液タンク18は、他の薬液タンク18,18よりも大容量に形成されており、溶融パラフィンが貯留されている。
【0009】
かかる各種薬品が貯留された複数の薬液タンクが配列された装置本体の両側壁面には、薬液タンク14,14・・よりも大容量(具体的には、薬液タンク14,14・・の各薬液タンクの2〜3倍の容量)で且つ未使用のエタノール(新液)が貯留される新液タンク15と、薬液タンク16,16・・よりも大容量(具体的には、薬液タンク16,16・・の各薬液タンクの2〜3倍の容量)で且つ未使用のキシレン(新液)が貯留される新液タンク17とが一体に装着されている。この様に、新液タンク15,17を装置の両側壁面に一体に装着することによって、装置の構造体としての強度を持たせている。
この新液タンク15,17の各々は、薬液タンク14,14・・又は薬液タンク16,16・・よりも大容量で且つ薄型に形成されている。かかる新液タンク15,17は、その各内壁面が、図2に示す様に、補強材20,20・・が井桁状に接合されて補強されている。この様に、内壁面を補強材20,20・・補強することによって、新液タンク15,17へ新液を供給する際に新液タンク内を減圧状態にしても、所定量のエタノール又はキシレンを貯留することによって加圧状態(水頭圧)としても、新液タンク15,17の歪みを可及的に少なくできる。
また、組織片処理装置10の装置本体の正面には、新液タンク15,17に新液を供給する供給配管の供給ポート22,24と、処理槽12内への薬液の給排を行う給排ポート26とが設けられている。
尚、組織片処理装置10では、その装置本体の上面に、モニター28が設けられており、処理槽12内の組織片に施されている処理等について表示することができる。
【0010】
図1に示す組織片処理装置10の系統図を図3に示す。図3に示す組織片処理装置10の装置本体では、エタノールが貯留された複数の薬液タンクとして、薬液タンク14a〜14gが設けられ、キシレンが貯留された複数の薬液タンクとして、薬液タンク16a〜16fが設けられている。更に、溶融パラフィンが貯留された複数の薬液タンクとして、薬液タンク18a〜18dが設けられており、薬液タンク18dが薬液タンク18a〜18cよりも大容量で且つ薬液タンク18a〜18cでの不足分を供給できるように溶融パラフィンが貯留される。また、装置へパラフィンを補給する場合は、薬液タンク18dへ供給するだけで良い。
図3に示す組織片処理装置10の装置本体では、薬液タンク14a〜14g、薬液タンク16a〜16f及び薬液タンク18a〜18dのうちから選択された所定の種類で且つ所定濃度の薬液が貯留された薬液タンクと処理槽12とを接続する選択バルブとしてのロータリーバルブ30が設けられている。
薬液タンク14a〜14gに貯留されているエタノール濃度は、薬液タンク14a<14b<14c<14d<14e<14f<14gの順序である。かかる薬液タンク14a〜14gに貯留されているエタノールの組織片を浸漬処理した回数及び水分や油脂等の不純物量は、薬液タンク14a>14b>14c>14d>14e>14f>14gの順序である。
また、薬液タンク16a〜16fに貯留されているキシレン濃度は、エタノール液の持込があるため、薬液タンク16a<16b<16c<16d<16e<16fの順序である。
更に、薬液タンク18a〜18dは、温蔵庫内に配列されており、溶融パラフィン濃度は、薬液タンク18a<18b<18c<18dの順序である。かかる薬液タンク18a〜18dに貯留されているパラフィンの組織片を浸漬処理した回数及びキシレン液の持込量は、薬液タンク18a>18b>18c>18dの順序である。
【0011】
また、処理槽12の底面とロータリーバルブ30とを接続する配管31の途中に開閉バルブ32が設けられており、開閉バルブ32と処理槽12の上部との間に配管33が設けられている。かかる開閉バルブ32は、三方弁であって、配管31とロータリーバルブ30との接続、配管33とロータリーバルブ30との接続を行うことができる。
更に、処理槽12内を減圧又は加圧するポンプ34が設けられており、処理槽12内をポンプ34によって減圧状態とし、開閉バルブ32によってロータリーバルブ30で選択された所定の薬液タンクと配管33とを接続し、所定の薬液タンクから処理槽12に薬液を供給できる。
一方、ポンプ34によって処理槽12内を加圧状態とし、開閉バルブ32によってロータリーバルブ30で選択された所定の薬液タンクと配管31とを接続し、所定の薬液タンクに処理槽12内の薬液を払い出すことができる。
尚、ポンプ34は、フィルター37を介して空気の吸引又は処理槽12内の薬液混合ガスの排出を行う。
【0012】
また、処理槽12には、所定量の薬液量が供給されたことを検出する検出センサー36が設けられている。検出センサー36は、液位保証センサー36aと上限センサー36bとから構成されている。液位保証センサー36aは処理槽12に供給された薬液量が組織片を充分に浸漬することを補償するセンサーであり、上限センサー36bは処理槽12に貯留できる薬液量の上限を検出するセンサーである。
かかる処理槽12、薬液タンク、ロータリーバルブ30及び開閉バルブ32等が設けられた装置本体の両側壁面に一体に新液タンク15,17が装着されている。新液タンク15は、その容量が薬液タンク14a〜14gの2〜3倍であって、未使用のエタノールが貯留されている。新液タンク15には、供給ポート24から未使用のエタノールを供給できる。
更に、新液タンク17は、その容量が薬液タンク16a〜16fの2〜3倍であって、未使用のキシレンが貯留されている。新液タンク17には、供給ポート22から未使用のキシレンを供給できる。
かかる新液タンク15,17には、処理槽12との間に均圧ラインが設けられており、均圧ラインには開閉弁54,56が設けられている。
また、新液タンク15,17内の薬液は外気温度により蒸発し、新液タンク15,17の内圧を高める。このため、蒸発したガスにより容器内の圧力が規定値以上に上昇することを防ぐために安全弁40,42を設け、蒸発したガスの臭気を除去するため、フィルター37を介して排気される。
【0013】
かかる組織片処理装置10には、図3に示す様に、ロータリーバルブ30、開閉バルブ32及びポンプ34を制御する制御部38が設けられている。この制御部38によって、処理槽12内に収納された組織片を、先ずエタノールに浸漬して組織片中の水分や油脂分をエタノールに置換する。
この制御部38による制御を、図4を用いて説明する。図4では、エタノールが貯留された薬液タンクとして、薬液タンク14a〜14eを用い、エタノール濃度は薬液タンク14a<14b<14c<14d<14eの順序である。
図4では、処理槽12内に収納されたバスケット50内に収容された組織片に、薬液タンク14aに貯留されている最も低濃度のエタノールに浸漬する浸漬処理を施した後、制御部38からの信号によって駆動されたロータリーバルブ30で選択された、薬液タンク14bからエタノールを処理槽12に供給した。かかるエタノールの供給は、制御部38からの信号によってポンプ34(図3)を駆動して処理槽12内を減圧状態とした後、制御部38からの信号で駆動された開閉バルブ32(図3)によって、配管33とロータリーバルブ30とが接続され、薬液タンク14bのエタノールを処理槽12に供給する。薬液タンク14b内に供給されたエタノールの液面は、液位保証センサー36aと上限センサー36bと間であり、エタノール中に組織片を充分に浸漬できる量である。
組織片をエタノール中で浸漬処理する際には、配管31,33とロータリーバルブ30とは切断された状態である。
この状態で組織片をエタノール中に所定時間浸漬した後、制御部38からの信号によってポンプ34を駆動して処理槽12内を加圧状態とした後、制御部38からの信号により駆動された開閉バルブ32によって、配管31とロータリーバルブ30とが接続され、処理槽12内のエタノールは薬液タンク14bに払い出すことができる。
【0014】
同様な処理を、薬液タンク14c、14d、14eの各々に貯留されているエタノールを順次処理槽12に供給して組織片中の水分や油脂分をエタノールに置換する。
水分や油脂分がエタノールに置換された組織片には、薬液タンク16a〜16fに貯留されているキシレンを、エタノール処理の場合と同様に、順次処理槽12に供給して組織片中のエタノールをキシレンに置換した後、組織片には、薬液タンク18a〜18dに貯留されている溶融パラフィンを、キシレン処理の場合と同様に、順次処理槽12に供給して組織片中のキシレンをパラフィンに置換する。
ところで、組織片の浸漬処理を継続して行っていると、エタノールの蒸発や組織片に含浸されて持ち出される等によって薬液タンクに貯留されているエタノール量が不足することがある。
ここで、例えば、図5(a)に示す様に、薬液タンク14bからエタノールを処理槽12に供給したとき、処理槽12内のエタノールの液面が液位保証センサー36aに到達しなかった場合、液位保証センサー36aは制御部38に不足信号を発信する。かかる不足信号を受信した制御部38は、ロータリーバルブ30に駆動信号を発して、新液タンク15と開閉バルブ32及び配管33を接続し、新液タンク15の新液のエタノールを、図5(b)に示す様に、処理槽12内のエタノールの液面が液位保証センサー36aに到達するまで供給する。この際に、均圧ラインに設けられた開閉弁54は閉じられている。
エタノールの液面が液位保証センサー36aに到達したとき、組織片に浸漬処理を施すことができる。
組織片に所定時間の浸漬処理を施した後、制御部38からの信号によってポンプ34を駆動して処理槽12内を加圧状態とし、制御部38からの信号により駆動された開閉バルブ32によって、配管31とロータリーバルブ30とが接続され、処理槽12内のエタノールを薬液タンク14bに払い出す。薬液タンク14bには、処理槽12内に供給する所定量のエタノールが貯留される。
次いで、薬液タンク14c〜14eに貯留されているエタノールを用いた組織片の浸漬処理は、通常の場合と同様に進行できる。
更に、キシンレによる浸漬処理による浸漬処理も、所定の溶液タンクから処理槽12に供給されたキシレン量が不足する場合、制御部38はロータリーバルブ30に駆動信号を発して、新液タンク17と開閉バルブ32及び配管33を接続し、新液タンク17の新液のキシレンを処理槽12内のキシレンの液面が液位保証センサー36aに到達するまで供給し、所定時間の浸漬処理を組織片に施す。この際に、均圧ラインに設けられた開閉弁56は閉じられている。
【0015】
図5に示す様に、薬液タンク14a〜14eのいずれかの薬液タンクから処理槽12に供給したエタノールが不足するとき、新液タンク15のエタノールによって補充することにより、容易に不足するエタノールを補充できる。
但し、新液タンク15のエタノールを補充するため、薬液タンク14a〜14eの各々に貯留されているエタノールの濃度勾配が変化する。
このため、図6(a)に示す様に、薬液タンク14bから処理槽12に供給したエタノール量が不足し、液位保証センサー36aは制御部38に不足信号が発信されたとき、図6(a)に示す様に、制御部38はロータリーバルブ30を駆動して薬液タンク14cと開閉バルブ32と配管33とを接続する。
従って、処理槽12には、薬液タンク14cに貯留されている、処理槽12に供給されたエタノール濃度よりも高濃度で且つ直近のエタノール濃度のエタノールを補充して、組織片に浸漬処理を施すことができる。
【0016】
この様に、薬液タンク14cに貯留しているエタノールの一部を、薬液タンク14bのエタノールによる浸漬処理に補充したことによって、薬液タンク14cに貯留されているエタノールによる浸漬処理の際には、薬液タンク14cのエタノール量が不足し、薬液タンク14dに貯留されているエタノールの一部が補充される。
次いで、薬液タンク14dに貯留されているエタノールによる浸漬処理の際にも、薬液タンク14dのエタノール量が不足し、薬液タンク14eに貯留されているエタノールの一部が補充される。
更に、最終の薬液タンク14eに貯留されているエタノールによる浸漬処理の際に、不足するエタノール量は、図6(b)に示す様に、新液タンク15に貯留されている新液のエタノールによって補充される。
図6に示す様に、処理槽12に供給したエタノール量が不足したとき、処理槽12に供給されたエタノール濃度よりも高濃度で且つ直近のエタノール濃度のエタノールを貯留している薬液タンクから補充することによって、薬液タンク14a〜14eに貯留されているエタノールのエタノール濃度勾配を略同一に保持できる。
次いで、キシンレによる浸漬処理による浸漬処理も、所定の溶液タンクから処理槽12に供給されたキシレン量が不足する場合、処理槽12に供給されたキシレン濃度よりも高濃度で且つ直近のキシレン濃度のキシレンを貯留している薬液タンクから補充することによって、薬液タンク16a〜16fに貯留されているキシレンのキシレン濃度勾配を略同一に保持できる。
尚、最終の薬液タンク16fに貯留されているキシレンによる浸漬処理の際に、不足するキシレン量は、新液タンク17に貯留されている新液のキシレンによって補充される。
【0017】
図1〜図3に示す組織片処理装置10では、組織片の浸漬処理を繰り返すことによって、薬液タンクに貯留されているエタノールやキシレンの濃度が所定濃度よりも薄くなったり、組織片からの異物が混入したりする。このため、複数の薬液タンクに貯留された薬液濃度が異なる薬液のうち、最も低濃度の薬液を廃棄し、その他の薬液タンクに保留されている薬液の各々を、薬液濃度が一段低濃度の薬液として対応する薬液タンクに順次移送する落液と称される処理を定期的に行う。
かかる落液処理について、エタノールが貯留されている薬液タンク14a〜14eについて説明する。先ず、薬液タンク14aに貯留されているエタノール濃度が最も低濃度のエタノールを貯留している薬液タンク14aを、装置本体から取り出して空の薬液タンク14aを装着した後、図7(a)に示す様に、薬液タンク14aに貯留していたエタノールよりも高濃度で且つ直近のエタノール濃度のエタノールを貯留している薬液タンク14bから、全エタノールを処理槽12に供給する。この際には、上限センサー36bが作動するまで薬液タンク14bからエタノールを供給し、組織片に所定時間浸漬処理を施す。浸漬処理を施したエタノールは、制御部38からの信号によってロータリーバルブ30を駆動して空の薬液タンク14aに処理槽12から払い出す。この様にして、薬液タンク14bのエタノールを一段低濃度のエタノールとして薬液タンク14aに移送できる。
更に、同様にして、薬液タンク14cのエタノールを薬液タンク14bに、薬液タンク14dのエタノールを薬液タンク14cに、薬液タンク14eのエタノールを薬液タンク14dに各々移送する。
その後、制御部38からの信号によってロータリーバルブ30を駆動して、新液タンク15に貯留されている新液のエタノールを処理槽12に供給し、処理槽12内に収納されている組織片に所定時間の浸漬処理を施した後、薬液タンク14eに払い出す。
この様に、図1〜図3に示す組織片処理装置10では、処理槽12内に収納された組織片に所定の浸漬処理を施しつつ、落液処理を行うことができる。
尚、キシレンが貯留されている薬液タンク16a〜16fについての落液処理も、エタノールの場合と同様にして行うことができる。
【0018】
図1〜図3に示す組織片処理装置10では、図5〜図7に示す様に、薬液タンクに貯留されている薬液量が不足する場合或いは落液の際に、新液タンク15,17に貯留されている新液を使用する。このため、新液タンク15,17に貯留されている新液量を管理することによって、薬液タンクの各々に貯留されている薬液量を管理することを要せず薬液の管理を容易に行うことができる。
但し、新液タンク15,17には、外部から新液を供給する新液供給手段が必要となる。かかる新液供給手段として、装置本体に設けた供給ポート22,24(図1、図3)、ポンプ34及び均圧ラインに設けた開閉弁54,56を用いることができる。
エタノールを貯留する新液タンク15に、新エタノールを供給する場合、装置本体に設けた供給ポート24と新メタノールが貯留された外部タンク(図示せず)とを接続する。次いで、ポンプ34を駆動すると共に、均圧ラインの開閉弁54を開いて新液タンク15を減圧状態とすることによって、外部タンク内の新エタノールを新液タンク15に供給できる。
また、キシレンを貯留する新液タンク17に、新キシレンを供給する場合には、装置本体に設けた供給ポート22と新キシレンが貯留された外部タンク(図示せず)とを接続した後、ポンプ34を駆動すると共に、均圧ラインの開閉弁56を開いて新液タンク17を減圧状態とすることによって、外部タンク内の新キシレンを新液タンク17に供給できる。
【0019】
新液タンク15,17に新液を供給する際に、ポンプ34を駆動して新液タンク15,17を減圧状態とする場合には、組織片処理装置10の処理操作が行われていない休止期間に行うことが必要である。このため、組織片処理装置10の処理操作が行われている処理期間内でも、新液タンク15,17に新液を単独で供給できるようにするには、図8に示す新液供給手段を設けることが好ましい。
図8に示す新液供給手段では、一端が新液タンク15内に挿入されている配管46にエアポンプ44と開閉弁48とを設け、エアポンプ44を駆動して減圧状態とした新液タンク15内に外部タンク52内のエタノールを吸引することによって、容易に新液タンク15に新液のエタノールを供給できる。
また、新液タンク17についても、同様に、エアポンプを設け、エアポンプを駆動して減圧状態とした新液タンク17内に外部タンクからキシレンを吸引することによって、容易に新液タンク17に新液のキシレンを供給できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る組織片処理装置の一例を説明する正面図及び上面図である。
【図2】図1に示す組織片処理装置の新液タンクの補強を説明する説明図である。
【図3】図1に示す組織片処理装置の系統図である。
【図4】図1に示す組織片処理装置の通常の動作を説明するための説明図である。
【図5】処理槽12に供給した薬液が不足する場合に、不足薬液量を補充する態様を説明する説明図である。
【図6】処理槽12に供給した薬液が不足する場合に、不足薬液量を補充する他の態様を説明する説明図である。
【図7】落液処理について説明する説明図である。
【図8】新液タンク15に単独で新液を供給できるように設けられた新液供給手段を説明する説明図である。
【図9】従来の組織片処理装置を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0021】
10 組織片処理装置
14,14a,14b,14c,14d,14e 薬液タンク
15,17 新液タンク
16,16a,18b,18c,18f 薬液タンク
17 新液タンク
18,18a,18b,18c 薬液タンク
20 補強材
22,24 供給ポート
26 抜出ポート
28 モニター
30 ロータリーバルブ
31,33,46 配管
32 開閉バルブ
34 ポンプ
36 検出センサー
36a 液位保証センサー
36b 上限センサー
37 フィルター
38 制御部
44 エアポンプ
48 開閉弁
50 バスケット
52 外部タンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織片が収納される処理槽と、前記組織片の浸漬処理に使用される薬液であって、薬液濃度が順次異なる薬液の各々が貯留された複数の薬液タンクと、前記薬液タンクのうちから選択した薬液タンクと前記処理槽とを接続する選択バルブと、前記選択バルブと処理槽とを接続する配管の途中に設けられ、前記配管を開閉する開閉バルブと、前記処理槽内を減圧又は加圧するポンプと、前記処理槽に所定の薬液量が供給されたことを検出する検出センサーと、前記組織片に最も低濃度の薬液から高濃度の薬液に順次浸漬処理が施されるように、前記ポンプによって減圧された処理槽に、前記選択バルブで選択された所定の薬液タンクの薬液が前記開閉バルブを経由して供給され、且つ前記ポンプによって加圧された処理槽から、前記組織片に浸漬処理を施した薬液が、前記選択バルブで選択された所定の薬液タンクに前記開閉バルブを経由して払い出されるように、前記選択バルブ、開閉バルブ及びポンプを制御する制御部とが装置本体に設けられた組織片処理装置であって、
前記装置本体の側壁面に一体に装着された、前記薬液タンクに貯留されている薬液と同種の薬液で未使用の新液が貯留される、前記薬液タンクよりも大容量の新液タンクが、前記新液の給排の際に、減圧状態又は加圧状態となっても変形を防止できるように、内壁面が補強部材によって補強され、
前記新液タンク内に貯留されている新液が前記処理槽に送液されるように、前記新液タンクからの配管が選択バルブに接続されており、
前記検出センサーによって処理槽に供給された薬液量の不足が検出されたとき、前記新液タンクから不足の薬液量に相当する新液を処理槽に補充して、前記浸漬処理を続行するように、前記選択バルブ、開閉バルブ及びポンプが前記制御部によって制御されることを特徴とする組織片処理装置。
【請求項2】
検出センサーによって処理槽に供給された薬液量の不足が検出されたとき、前記処理槽に供給した薬液濃度よりも高濃度で且つ直近の薬液濃度の薬液を貯留している薬液タンクから、不足の薬液量に相当する薬液を前記処理槽に補充して前記浸漬処理を続行し、且つ最も高濃度の薬液を貯留している薬液タンクから前記処理槽に薬液を供給した際に、前記検出センサーによって処理槽に供給された薬液量の不足が検出されたとき、新液タンクから不足の薬液量に相当する新液を前記処理槽に補充して前記浸漬処理を続行するように、前記選択バルブ、開閉バルブ及びポンプが制御部によって制御される請求項1記載の組織片処理装置。
【請求項3】
不足する薬液量に相当する薬液又は新液を補充して処理槽内の組織片に浸漬処理を施した薬液を、前記処理槽に供給した薬液量が不足した薬液タンクに払い出すように、前記選択バルブ、開閉バルブ及びポンプが制御部によって制御されている請求項1又は請求項2記載の組織片処理装置。
【請求項4】
複数の薬液タンクに貯留された薬液濃度が異なる薬液のうち、最も低濃度の薬液を廃棄し、その他の薬液タンクに保留されている薬液の各々を、薬液濃度が一段低濃度の薬液として対応する薬液タンクに順次移送する落液の際に、組織片の処理順序に従って薬液タンクの各々に貯留されている薬液を前記組織片が収納されている処理槽に供給して組織片に浸漬処理を施してから、所定の薬液タンクに順次移送し、最も高濃度の薬液が貯留される薬液タンクには、新液タンクに貯留されている新液を処理槽に供給して組織片に浸漬処理を施してから移送されるように、前記選択バルブ、開閉バルブ及びポンプが制御部によって制御される請求項1〜3のいずれか一項記載の組織片処理装置。
【請求項5】
新液タンクには、単独で新液を供給できるように、新液供給手段が設けられている請求項1〜4のいずれか一項記載の組織片処理装置。
【請求項6】
装置本体には、新液タンクに新液を供給する供給配管の一端部に形成された供給ポートと、処理槽内に薬液を選択バルブを経由して給排できるように、前記選択バルブに一端が連結された配管の他端部に形成された給排ポートとが設けられている請求項1〜5のいずれか一項記載の組織片処理装置。
【請求項7】
組織片の処理に用いる二種類の薬液の各々について、前記組織片の処理に使用されて薬液濃度が異なる薬液が複数の薬液タンクに貯留され、前記二種類の薬液であって、未使用の各新液が貯留される新液タンクが装置本体の両側壁面に設けられている請求項1〜6のいずれか一項記載の組織片処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図9】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−281745(P2009−281745A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−131278(P2008−131278)
【出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【出願人】(000148025)サクラ精機株式会社 (28)
【Fターム(参考)】