説明

経口摂取用固形成形物の嚥下用収容体、その収容体用の容器、及び嚥下方法

経口摂取用固形成形物(5)を収納して含み、大略筒状の耐水性外被(1)、外被の一方の端部であって、開封可能構造部(2)を除去することによって開口部(22)を形成することのできる開口側端部(A)、外被のもう一方の端部であって、液体を通過させるが、経口摂取用固形成形物を通過させない固形成物放出防止手段を有する遮蔽側端部(B)、及び開口側端部と遮蔽側端部との間で、固形成形物を収容する収容室(6)を含む、経口摂取用固形成形物の嚥下用収容体(10)を開示する。また、前記収容体の開口側端部に設けた開封可能構造部を開封し、筒状外被の収容室に固形成形物を収容したままの状態で、遮蔽側端部を容器中の液体に浸漬し、開口側端部に形成される開口部を口唇部に挟んで、固形成形物を容器中の液体と共に吸引させる飲用方法も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経口摂取用固形成形物の嚥下用収容体、前記収容体用の容器、及び嚥下方法に関する。本発明による収容体は、ストロー様の円筒状外被内に、散剤(細粒も含む)、顆粒剤、カプセル剤、錠剤又は丸剤等の経口摂取用固形成形物を収納して含んでおり、ストローで水などを飲む場合のように、前記の円筒状外被の先端をコップ中の水に挿入して、水と共に固形成形物を飲み込むこと(すなわち、嚥下すること)ができる。例えば、比較的大型のカプセル剤や錠剤でも、極めて容易に飲み込むこと(すなわち、嚥下すること)ができる。
【背景技術】
【0002】
カプセル剤や錠剤などを服用する場合には、最初に、それらのカプセル剤や錠剤を口に含み、コップやカップなどから水を補給して、水と一緒に噛まずに飲み込むこと(すなわち、嚥下すること)が一般的に行われている。しかしながら、カプセル剤や錠剤のように、比較的大きい医薬品の服用に嫌悪感を抱き、苦痛を感じる患者は、決して少なくない。また、多量の水と一緒でないとカプセル剤や錠剤などを服用することができない患者も多数存在する。
一方、腎臓病患者や心不全患者の中には、水分摂取量を制限されている患者がいる。それらの患者が、カプセル剤や錠剤などを服用する際には、できる限り少量の水による服用が求められるので、多量の水の助けを本来的に必要としている患者には、大きな苦痛が伴うことになる。また、高齢者や子供では嚥下困難な場合があり、他剤形の要求が高い。
【0003】
本発明者は、後述するように、ストローを利用してこうした苦痛を解消することができることを見出した。そこで、最初に、ストローを利用した従来技術を紹介する。
例えば、特開2002−104541号公報(特許文献1)には、耐水性及び強度を備えたスティック状包装体に、粉末、顆粒、又はシロップなどを入れておき、その内容物をコップなどの容器に投入した後の空スティック状包装体をマドラー及びストローとして使用する形態が記載されている。この技術は、水易溶性あるいは水易懸濁性の粉末や顆粒を、予めストロー内に封入しておき、使用直前にストロー内からコップ中の水に落として溶かしたり、懸濁させてから、生成した液体飲料を前記ストローから吸引するものである。
また、特表2001−502173号公報(特許文献2)にも同様の形態が記載されている。更に、特許文献2には、ストロー内壁面に風味添加剤をコートして吸引させる形態や、ストローの両端部にフィルターを設け、ストロー内部に収納してある風味添加剤を溶解させながら吸引させる形態も記載されている。
しかしながら、前記特許文献1及び特許文献2に記載の形態では、水易溶性あるいは水易懸濁性の粉末や顆粒を水などに溶解させて調製した飲料や、あるいは水に懸濁させた飲料が対象となっており、懸濁飲料の場合には、粒径の極めて小さい粉粒体が対象であり、粒径が比較的大きい細粒や顆粒については考慮していない。
【0004】
一方、粉末状や顆粒状の経口投与用薬剤は、ヒートシールフィルムに分包された形態や、スティック状収容体の形態で一般的に提供されている。例えば、特表2002−528483号公報(特許文献3)には、顆粒状薬剤をストロー状容器に充填した形態が記載されており、特許第2607422号明細書(特許文献4)には、内服用吸着剤の分包包装体が記載されている。しかしながら、これらの形態では、粉末状や顆粒状の経口投与用薬剤を、一般的には粉末状や顆粒状の形態のままで摂取するので、摂取者(患者)は、収容体を開封して粉末状又は顆粒状の経口投与用薬剤を口に含み、コップなどから水を補充して飲み込む。粉末状又は顆粒状薬剤の摂取量が多い場合には、オブラートなどで包んでから口内に含むことも行われている。
【0005】
カプセル剤や錠剤の経口投与用薬剤では、1回の服用数が多い場合には、数回に分けて水と共に服用することが行われており、服用時の水の量も多くなる。そのため、薬剤の嚥下補助を目的とした服薬ゼリーの形態が、特開平11−124342号公報(特許文献5)に記載されている。しかしながら、こうした従来の経口投与方式では、収容体から口内へ含ませる段階や、収容体からオブラートへ移す際に、粉末状又は顆粒状等の薬剤がこぼれ易いという欠点があった。また、オブラートや服薬ゼリーを用いる場合は、その準備も煩雑である。更に、粉末状又は顆粒状等の薬剤を摂取者(患者)が口に含む際に、むせたりして口内から吹きこぼしたりすることもあった。
【0006】
【特許文献1】:特開2002−104541号公報
【特許文献2】:特表2001−502173号公報
【特許文献3】:特表2002−528483号公報
【特許文献4】:特許第2607422号明細書
【特許文献5】:特開平11−124342号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のように、水易溶性あるいは水易懸濁性の粉末剤や顆粒剤の場合には、液体飲料の形態に変換させてから飲用に提供される技術が種々提案されているが、水難溶性又は水不溶性の粉末や顆粒の場合にも、水と一緒に服用するにもかかわらず、服用に便利な手段は従来から提案されていない。また、1回の服用数が多いカプセル剤や錠剤の場合にも、水と一緒に服用するにもかかわらず、服用に便利な手段は従来から提案されていない。
従って、本発明の目的は、水難溶性又は水不溶性の散剤(細粒も含む)や顆粒剤、カプセル剤や錠剤、丸剤などを水と一緒に服用することを容易にする手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、経口摂取用固形成形物を内部に含む収容体であって、
(1)筒状の耐水性外被、
(2)前記外被の一方の端部であって、開封可能構造部を有し、その開封可能構造部を除去することによって開口部を形成することのできる開口側端部、
(3)前記外被のもう一方の端部であって、液体を通過させるが、前記経口摂取用固形成形物を通過させない経口摂取用固形成形物放出防止手段を有する遮蔽側端部、及び
(4)前記開口側端部と前記遮蔽側端部との間で、経口摂取用固形成形物を収容する収容室
を含むことを特徴とする、前記経口摂取用固形成形物の嚥下用収容体に関する。
【0009】
また、本発明は、
(1)前記収容体の開口側端部に設けた開封可能構造部、及び場合により遮蔽側端部に設けた開封可能構造部を開封し、
(2)筒状外被の収容室に経口摂取用固形成形物を収容したままの状態で、遮蔽側端部を、容器中の液体に浸漬し、
(3)前記開口側端部に設けた開封可能構造部を開封して形成される開口部を口唇部に挟んで、前記経口摂取用固形成形物を前記容器中の液体と共に吸引させる(あるいは、吸引可能な状態にする)
ことを特徴とする、前記経口摂取用固形成形物の嚥下方法にも関する。
【0010】
更に、本発明は、経口摂取用固形成形物収容体用の容器であって、
(1)筒状の耐水性外被、
(2)前記外被の一方の端部であって、開封可能構造部を有し、その開封可能構造部を除去することによって開口部を形成することのできる開口側端部、
(3)前記外被のもう一方の端部であって、液体を通過させるが、前記経口摂取用固形成形物を通過させない経口摂取用固形成形物放出防止手段を有する遮蔽側端部、及び
(4)前記開口側端部と前記遮蔽側端部との間で、経口摂取用固形成形物を収容することのできる収容室
を含むことを特徴とする、前記経口摂取用固形成形物嚥下用収容体用の容器にも関する。
【0011】
更にまた、本発明は、
(1)前記の容器の開口側端部に設けた開封可能構造部を開封し、
(2)前記開口側端部に設けた開封可能構造部を開封して形成される開口部から、筒状外被の収容室に経口摂取用固形成形物を挿入し、
(3)前記収容室に経口摂取用固形成形物を収容したままの状態で、遮蔽側端部を、容器中の液体に浸漬し、
(4)前記開口側端部の開口部を口唇部に挟んで、前記経口摂取用固形成形物を前記容器中の液体と共に吸引させる(あるいは、吸引可能な状態にする)
ことを特徴とする、前記経口摂取用固形成形物の嚥下方法にも関する。
【0012】
更にまた、本発明は、経口摂取用固形成形物収容体用の容器であって、
(1)筒状の耐水性外被、
(2)前記外被の一方の開口側端部、
(3)前記外被のもう一方の端部であって、液体を通過させるが、前記経口摂取用固形成形物を通過させない経口摂取用固形成形物放出防止手段を有する遮蔽側端部、及び
(4)前記開口側端部と前記遮蔽側端部との間で、経口摂取用固形成形物を収容することのできる収容室
を含むことを特徴とする、前記経口摂取用固形成形物嚥下用収容体用の容器にも関する。
【0013】
更にまた、本発明は、
(1)前記の容器の開口側端部の開口部から、筒状外被の収容室に経口摂取用固形成形物を挿入し、
(2)前記収容室に経口摂取用固形成形物を収容したままの状態で、遮蔽側端部を、容器中の液体に浸漬し、
(3)前記開口側端部の開口部を口唇部に挟んで、前記経口摂取用固形成形物を前記容器中の液体と共に吸引させる(あるいは、吸引可能な状態にする)
ことを特徴とする、前記経口摂取用固形成形物の嚥下方法にも関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、水難溶性又は水不溶性の散剤(細粒も含む)や顆粒剤、錠剤やカプセル剤、丸剤などを水と一緒に服用することを容易にする手段が提供される。高齢者や子供においては剤形を変えなくても服用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明による収容体は、前記のように、ストロー様の円筒状外被内にカプセル剤や錠剤などの経口摂取用固形成形物を収納して含んでいる。その経口摂取用固形成形物を服用する場合には、開口側端部の開封可能構造部を除去して開口部を形成してから、遮蔽側端部の先端をコップ中の水に挿入して、ストローで水などを飲む場合のように、水と共に固形成形物を飲み込むこと(嚥下すること)ができるので、水難溶性又は水不溶性の散剤(細粒も含む)や顆粒剤は量が多くても飲みやすく、比較的大きいカプセル剤や錠剤、丸剤などでも、少量の水と共に極めて容易に飲み込むこと(嚥下すること)ができる。
【0016】
従来のように、最初にカプセル剤や錠剤を口腔内に挿入してから、コップなどから水を補充して嚥下する場合は、それらのカプセル剤や錠剤を口腔内に挿入した際に、それらが食道方向へ送られることを、咽頭部が遮断するように働く。また、カプセル剤や錠剤を水と共に嚥下する場合には、口腔内でカプセル剤や錠剤の方向がランダムになり、咽頭部でつかえやすくなる。水難溶性又は水不溶性の散剤(細粒も含む)や顆粒剤の場合は口の中にひろがって残留感があって問題になることがある。
これに対して、本発明では、口腔内に固形物がない状態で摂取者がストローから水を飲み込もうとするので、咽頭部が、水を食道方向へ積極的に導くように作用し、それと同時に、水難溶性又は水不溶性の散剤(細粒も含む)や顆粒剤、カプセル剤や錠剤、丸剤などが食道方向へ導かれる。更に、カプセル剤や錠剤をストロー内で嚥下しやすい方向に整列させておくと、それらが整列されたままの状態で水流と共に、口腔内と咽頭部を通過するので、極めて円滑に嚥下可能であり、水分摂取量も飛躍的に少量になる(後述の実施例参照)。更に、カプセル剤や錠剤を直接見ないで摂取することになるので、嫌悪感も生じにくくなる。
【0017】
本発明による収容体の特定の態様を、添付図面に沿って説明する。
図1は、本発明の一実施態様である収容体10の部分断面図である。収容体10は、筒状外被1から主になり、一方の端部は開口側端部Aであり、もう一方の端部は遮蔽側端部Bである。筒状外被1は、その形状は特に限定されず、例えば、多角筒状又は断面星形筒状であることができ、好ましくは円筒状あるいは楕円筒状であり、カプセル剤などの経口摂取用固形成形物5を内部に収容する。
【0018】
前記開口側端部Aは、開封可能構造部2を有し、その開封可能構造部2を除去することによって開口部22を形成することができる。開封可能構造部2は、切除補助手段として、例えば、溝21を有することが好ましく、溝21に沿って端部を切り離すことによって開口部22を形成することができる。従って、溝21に沿って端部を切り離す前は、前記開口側端部Aは閉鎖されている。溝21は、筒状外被1の側面円周上に連続的に設けることも、不連続的に(ミシン目状に)設けることも、筒状外被1の側面円周上の一部分に設けることもできる。また、収容室6に収容している経口摂取用固形成形物5の物性(例えば、吸湿性)によっては、気密的に閉鎖することが好ましく、その必要がない場合には、溝21に代えて、貫通孔を、筒状外被1の側面円周上に不連続的に(ミシン目状に)設けた形態や取り外し可能なキャップの形態をとることもできる。
【0019】
前記筒状外被1の前記開口側端部Aとは反対側のもう一方の端部は、前記遮蔽側端部Bである。前記遮蔽側端部Bは、液体を通過させるが、経口摂取用固形成形物を通過させない経口摂取用固形成形物放出防止手段を有する。前記経口摂取用固形成形物放出防止手段としては、例えば、図1に示すように、前記筒状外被1の横断面全体を覆うアミ部32を挙げることができ、こうしたアミ部を有する本発明の収容体を、以下、アミ型収容体と称することにする。
【0020】
図1に示す本発明のアミ型収容体10においては、筒状外被1の遮蔽側端部Bの開口部全体をアミ部32によって覆うと共に、筒状外被1の外側壁面端部もアミ部32で覆い、その筒状外被1の外側壁面端部において、アミ部32の外側から係止用リング8によって固定することができる。アミ部32は、液体を通過させるが、経口摂取用固形成形物5を通過させないフルイ目を有するので、筒状外被1の内部に収容している経口摂取用固形成形物5を通過させずに内部に保持することができる。
【0021】
図1に示す本発明のアミ型収容体10は、例えば、図2に示すように、前記係止用リング8の外側に被せることができる着脱可能な保護キャップ46を設けることもできる。
更に、前記アミ部32を固定する前記図1の係止用リング8に代えて、図3に示すように、係止用キャップ81で筒状外被1の外側壁面端部においてアミ部32を外側から固定すると共に、その先端に開封可能構造部4を設けることもできる。この開封可能構造部4を除去することによって開口部42を形成することができる。開封可能構造部4は、切除補助手段として、例えば、溝41を有することが好ましく、溝41は、係止用キャップ81の側面円周上に連続的に設けることも、不連続的に(ミシン目状に)設けることも、係止用キャップ81の側面円周上の一部分に設けることもできる。また、溝41に代えて、貫通孔を、係止用キャップ81の側面円周上に不連続的に(ミシン目状に)設けることもできる。
【0022】
図1に示す本発明のアミ型収容体10を用いる場合には、最初に、開封可能構造部2を開封する。図2に示すように、遮蔽側端部Bに保護キャップ46を有する場合には、その保護キャップ46を取り外す。また、図3に示すように、遮蔽側端部Bに係止用キャップ81を有し、その先端に開封可能構造部4を設けている場合には、その開封可能構造部4を開封する。なお、開口側端部Aを開封すると、その端部には開口部22が形成され、その開口部22を重力方向の下方に向けると、筒状外被1の内部に収容されている経口摂取用固形成形物5が落下するので、遮蔽側端部Bを下方に向ける必要がある。
【0023】
前記の開封可能構造部2を開封し、そして場合により遮蔽側端部Bの保護キャップ46を取り外したり、開封可能構造部4を開封した後に、図4に示すように、遮蔽側端部Bを下方に向け、開封収容体11の内部の収容室6に経口摂取用固形成形物5を収容したままの状態で、遮蔽側端部B側から前記開封収容体11を、コップ等の容器61中の液体(例えば、水)62に進入させる。
【0024】
続いて、図4に示すとおり、前記開封可能構造部2を開封して形成される開口部22を摂取者が口唇部に挟んでから、本発明による前記開封収容体11をストローのように用いて、コップ61内の水62を吸引すると、水62が矢印Xのように、遮蔽側端部Bから吸い込まれ、筒状外被1の内部を矢印Yの方向に吸い上げられる。その際に、経口摂取用固形成形物5も水と同時に矢印Yの方向に吸い上げられ、摂取者の口唇部から口腔を経て、一気に咽頭内に導入される(すなわち、嚥下される)ことになる。
【0025】
本発明のアミ型収容体10における遮蔽側端部Bの別の態様を図5(部分断面図)に示す。図5に示す態様は、アミ型収容体10の遮蔽側端部Bの端部にアミ部33を設けたものであり、例えば、図1に示す態様のように、筒状外被1の遮蔽側端部Bの開口部全体をアミ部33によって覆うと共に、筒状外被1の外側壁面端部もアミ部33で覆った後、遮蔽側端部Bの開口端部において、筒状外被1とアミ部33とをヒートシールなどの方法で接着させ、続いて、ヒートシール部の外側のアミを切断除去することによって製造することができる。この方法によれば、図1に示す係止用リング8を使用する必要がない。
【0026】
本発明のアミ型収容体10における遮蔽側端部Bの更に別の態様を図6(部分断面図)に示す。図6に示す態様は、アミ型収容体10の遮蔽側端部Bにおいて、筒状外被1の内側壁面にアミ部31を設けたものであり、例えば、図5に示す態様のような端部にアミを有する部分の外側から、リング状の筒状体を接合させて製造することができ、この態様においても、図1に示す係止用リング8を使用する必要がない。
【0027】
図7に示すとおり、図5に示すアミ型収容体10の遮蔽側端部Bには、図2と同様の着脱可能な保護キャップ46を設けることもできる。また、図8に示すとおり、図6に示すアミ型収容体10の遮蔽側端部Bには、開封可能構造部4を設けることもできる。この開封可能構造部4を除去することによって開口部42を形成することができる。開封可能構造部4は、切除補助手段として、例えば、溝41を連続的に又は不連続的に(ミシン目状に)、あるいは一部分に設けることもできる。また、溝41に代えて、貫通孔を不連続的に(ミシン目状に)設けることもできる。
【0028】
本発明による収容体10の前記遮蔽側端部Bには、経口摂取用固形成形物放出防止手段として、前記筒状外被1の内側方向に突出する1つ又は複数の突起から構成される狭隘部を有することもできる。こうした狭隘部を有する本発明の収容体10を、以下、狭隘型収容体と称することにする。
【0029】
狭隘型収容体10における遮蔽側端部Bの一態様を図9(部分斜視図)及び図10(部分断面図)に示す。図9及び図10に示す態様では、遮蔽側端部Bの開口部42の中央部79を、例えば、ヒートシール法によって接合することにより、開口部42を2つの狭隘通路42a,42bに分割する。この狭隘型収容体10を、図4に示すように使用した場合には、狭隘通路42a,42bは、液体62を通過させるが、経口摂取用固形成形物5を通過させない。従って、使用前においても、狭隘型収容体10の内部の収容室6に収容している経口摂取用固形成形物5を通過させずに内部に保持することができる。ヒートシール法によって接合する箇所は、図9及び図10に示す1箇所に限定されず、2箇所以上でもよい。このような形状を作製する手法としては、ヒートシール法に限定されるものではなく、例えば、ストロー押し出し成形時に同時に形状を付与してもよい。
【0030】
狭隘型収容体10における遮蔽側端部Bの別の態様を図11(部分斜視図)及び図12(断面図)に示す。図11及び図12に示す態様では、遮蔽側端部Bの開口部42の周囲を、例えば、熱したコテによって、筒状外被1の外側の四方から筒状外被1の中央部に向けて熱変形によって圧縮させ、開口部42の内径を縮小させる。こうして、液体を通過させるが、経口摂取用固形成形物5を通過させない狭隘開口部42cを形成することができる。なお、筒状外被1の成形時に、狭隘開口部42cを同時に形成することもできる。
【0031】
狭隘型収容体10における遮蔽側端部Bの更に別の態様を図13(部分斜視図)に示す。図13に示す態様では、遮蔽側端部Bの開口部42の円形の周囲を、4箇所43a,43b,43c,43dで、例えば、熱変形又はヒートシール法によって接合して、開口部42の内径を縮小させる。こうして、液体を通過させるが、経口摂取用固形成形物5を通過させない狭隘開口部42cを形成することができる。この態様において、開口部42の円形の周囲を、1〜3箇所、あるいは5箇所以上でヒートシール化して狭隘開口部42cを形成することもできる。
【0032】
狭隘型収容体10における遮蔽側端部Bの更に別の態様を図14(部分断面図)に示す。図14に示す態様では、遮蔽側端部Bの開口部42の若干内側において、筒状外被1の外側の1箇所又は複数箇所から、ピン状の加熱コテを筒状外被1の中央部に向けて進入させ、筒状外被1の内側壁面に突出部71a,71bを形成することによって、狭隘通路42dを形成することができる。突出部の数は限定されない。あるいは、リング状加熱コテを筒状外被1の外側にあてて徐々に回転させながら、中央部に向かって進行させ、筒状外被1の内側壁面にリング状突出部を形成することによって、狭隘通路を形成することもできる。
【0033】
狭隘型収容体10における遮蔽側端部Bの更に別の態様を図15(部分断面図)に示す。図15に示す態様では、遮蔽側端部Bの開口部42の若干内側において、筒状外被1の内側壁面に突出部71c,71dを形成することによって、狭隘通路42dを形成することができる。突出部の数は限定されない。あるいは、筒状外被1の内側壁面にリング状突出部を形成することによって、狭隘通路を形成することもできる。筒状外被1の内側壁面の突出部は、筒状外被1の成形時に同時に形成するか、あるいは、端部に突出部を有する筒状外被1を最初に形成し、続いてその外側にリング状筒状外被1を接合して製造することができる。
【0034】
狭隘型収容体10における遮蔽側端部Bの更に別の態様を図16(部分斜視図)に示す。図16に示す態様の遮蔽側端部Bを製造する場合には、例えば、図17(部分斜視図)に示すように、筒状外被1の遮蔽側端部Bの先端から縦方向の内側へ切り込み線73を入れて、複数の短冊部74a,74b,74c,74d,74e,74f,74g,74hを形成する。続いて、前記短冊部74a,74b,74c,74d,74e,74f,74g,74hを内側に折り曲げる短冊群と、折り曲げずにそのままの状態に残す短冊群とに分け、例えば、図16に示すように、折り曲げずにそのままの状態に残す短冊群74a,74c,74e,74gと交互に、内側に折り曲げる短冊群74b,74d,74f,74hとに分けることにより、狭隘開口部42eを形成することができる。短冊部の数や、内側に折り曲げる短冊群の数は限定されない。
【0035】
狭隘型収容体10における遮蔽側端部Bの更に別の態様を図18(部分斜視図)に示す。図18に示す態様の遮蔽側端部Bを製造する場合には、例えば、図19(部分斜視図)に示すように、筒状外被1の遮蔽側端部Bの先端にヒートシール部75を形成して完全な閉鎖端とし、その閉鎖端の一部に切除可能な切り欠き部76を設ける。この切り欠き部76には、切除補助手段として、例えば、溝76aを有することが好ましく、溝76aは、連続的に設けることも、不連続的に(ミシン目状に)設けることもできる。また、溝76aに代えて、貫通孔を、不連続的に(ミシン目状に)設けることもできる。前記の切り欠き部76を切除することにより、その残部に狭隘開口部42fを形成することができる。遮蔽側端部Bの先端に設ける切り欠き部の数は限定されず、例えば、ヒートシール部75に2つの切り欠き部76,77を有する遮蔽側端部Bの形状を図20(部分斜視図)に示す。なお、図18及び図19に示す態様の狭隘型収容体10においては、使用直前に、もう一方の端部である開口側端部Aを開封する際に、前記切り欠き部76を同時に切除することにより、狭隘開口部42fを形成して開封収容体11とすることもできるし、あるいは、前記切り欠き部76を予め切除して狭隘開口部42fを有する形態で狭隘型収容体10として摂取者に提供し、摂取者が使用時に、もう一方の端部である開口側端部Aを開封して開封収容体11とすることもできる。
【0036】
筒状耐水性外被の中間部に、簡易な狭隘部を形成することもできる。例えば、図14に示す突出部71a,71bによって形成される狭隘通路42dや、図15に示す突出部71c,71dによって形成される狭隘通路42dを、遮蔽側端部Bの開口部42から開口側端部Aの方向へ内側に進入させた位置(すなわち、筒状耐水性外被の中間部)に設けることもできる。更に、変形可能な合成樹脂材料から成る筒状耐水性外被の中間部を指で押し潰したり、折り返して変形させて狭隘部を形成したり、熱可塑性樹脂材料から成る筒状耐水性外被の中間部をライターの火などで加熱してねじ曲げて変形させて狭隘部を形成することができる。
【0037】
本発明による収容体10は、アミ型収容体又は狭隘型収容体のいずれの場合も、遮蔽側端部Bに設けるアミ部32又は狭隘部の外側に、逆流防止手段を設けることができる。図21は、図5に示すアミ型収容体10の筒状外被1の最も外側端部に、逆流防止手段としての逆流防止キャップ9を設けた状態を示す部分断面図である。逆流防止キャップ9は、円錐状カバー部91と、リング状接合部92と、その内部に収納されるボール90とを含む。円錐状カバー部91の頂上部に開口部93を有し、リング状接合部92によって、筒状外被1の外側に取り付けることができる。
【0038】
この逆流防止キャップ9を設けたアミ型収容体10を、開口側端部Aの開封によって開封収容体11としてから、図4に示すように用いると、円錐状カバー部91の頂上部に設けた開口部93からコップ61内の水62が吸引される際に、ボール90も押し上げられて、水62がアミ部33を経て矢印Xのように、遮蔽側端部Bから吸い込まれ、筒状外被1の内部を矢印Yの方向に吸い上げられる。次に、摂取者が吸引動作を中止すると、水62の吸引動作が中止されるので、ボール90が重力によって自然落下し、円錐状カバー部91の頂上部に設けた開口部93を閉鎖する。従って、円錐状カバー部91の内部に水62が残留し、容器61への逆流を防止することができる。
【0039】
本発明による筒状外被の形状は、本発明の目的が達成される限り特に限定されないが、基本的な断面形状は、飲料摂取用の通常のストローと同様の形状、好ましくは円筒状あるいは楕円筒状である。また、これらの形状を形成するための作製方法も、特に限定されない。流路も一方の端部からもう一方の端部までが直線状である場合に限定されず、一方の端部からもう一方の端部までを螺旋状や湾曲状にすることもできる。更に、直線状外被の一部に螺旋状部分、湾曲状部分、及び/又は湾曲状に変形可能な部分を含ませることもできる。
【0040】
図22は、湾曲状部分Cを含む開封収容体11Aを示す。この開封収容体11Aは、図4に示す開封収容体11の前記開口側端部Aの近辺に、湾曲状部分Cを含む態様に相当する。図22に示すように、開封収容体11Aをコップ等の容器61に差し込んだ際に、容器61の上縁部よりも上方の位置に湾曲状部分Cが設けられていると、例えば、ベッドなどに横になったままの状態でも、本発明による嚥下用収容体を用いることができる。なお、図22において、図4に図示した部分と同様の部分は、同じ参照数字で示している。
【0041】
図23は、湾曲状に変形可能な部分(例えば、蛇腹部分)Dを含む開封収容体11Bを示す。この開封収容体11Bは、図22に示す開封収容体11Aの湾曲状部分Cに代えて、同様の位置に蛇腹部分Dを含む態様に相当し、蛇腹部分Dを図23に示すように湾曲させることにより、図22に示す開封収容体11Aと同様の用途に使用することもできる。
【0042】
蛇腹部分Dを含む開封収容体11Bでは、経口摂取用固形成形物5の形状によっては、経口摂取用固形成形物5がその蛇腹部分Dで円滑な通過を妨害される恐れがある。例えば、経口摂取用固形成形物5が錠剤やカプセル剤の様な大型成形物である場合には、蛇腹部分Dを通過することができない場合があり、経口摂取用固形成形物5が散剤(細粒も含む)や顆粒剤の場合にも、その一部が蛇腹部分Dに捕捉されて残留する恐れがある。こうした非通過や残留を防止するために、図23に示すように、経口摂取用固形成形物5を、蛇腹部分Dと開口側端部Aとの間に予め収納しておくのが好ましく、服用直前に収納することがより好ましい。特に、錠剤やカプセル剤の様な大型成形物の場合には、蛇腹部分Dが経口摂取用固形成形物放出防止手段として作用するので、図23の態様に示すアミ部32や係止用リング8を設ける必要はない。すなわち、蛇腹部分Dから、コップ内の水を取り込む開口部までの領域が遮蔽側端部Bに相当する。なお、図23において、図4に図示した部分と同様の部分は、同じ参照数字で示している。
【0043】
前記の通り、筒状耐水性外被に蛇腹部分を含む態様では、錠剤やカプセル剤の様な大型成形物に対して、その蛇腹部分を経口摂取用固形成形物放出防止手段として用いることができる。この場合、蛇腹部分は筒状耐水性外被の任意の位置に設けることができ、筒状耐水性外被の端部と蛇腹部分との距離が長い方をコップなどの容器内の水に浸けて用いてもよく、あるいは逆に、筒状耐水性外被の端部と蛇腹部分との距離が短い方をコップなどの容器内の水に浸けて用いてもよい。
【0044】
図23に示す開封収容体11Bのように、蛇腹部分Dと開口側端部Aとの間に経口摂取用固形成形物5を収納する収容体においては、摂取者による吸引前に行われる蛇腹部分Dの屈曲操作の際などに、経口摂取用固形成形物5が移動せず、しかも摂取者による吸引によって移動が円滑に行われる状態で経口摂取用固形成形物5を収納しておくことが求められる。このため、例えば、図24(模式的部分断面図)に示すように、経口摂取用固形成形物5を水溶性シート材料(例えば、オブラート)51によって包むことが好ましい。摂取者による吸引前は、水溶性シート材料(例えば、オブラート)51の摩擦によって移動が防止され、摂取者による吸引によって水が運ばれてくると、水溶性シート材料(例えば、オブラート)51が溶解するので、水と共に移動する。収容室6の内径とほぼ等しい外径を有する大型カプセル剤又は大型錠剤の複数個を、収容室6に直線状に収納する場合は、先頭と最後の大型カプセル剤又は大型錠剤のみを水溶性シート材料(例えば、オブラート)51によって包むだけでもよい。
【0045】
また、蛇腹部分を含む収容体においては、例えば、図1に示す態様のように、前記開口側端部Aに開封可能構造部2を設けて封鎖しておいても、開封可能構造部2を除去して開口部22を形成すると、経口摂取用固形成形物5が落下することがある。この落下を防止する代表的な手段を図25〜図29に示す。
図25(模式的部分断面図)は、開口側端部Aの開口部22の内側壁面上に設けた水溶性突起物23を示す。この水溶性突起物23は水と触れると溶解するので、経口投与は妨害されない。
【0046】
図26(正面図)及び図27(模式的部分断面図)は、弾性材料(例えば、ゴム)からなる押出弁24を示す。図26及び図27に示す押出弁24は、収容室6の内側壁面と連絡するリング状支持部83と、そのリング状支持部83から中心に向かって延びる8枚のV字形折曲片84から成り、8枚のV字形折曲片84の間には放射状間隙85が存在する。前記のV字形折曲片84は、圧力が負荷されない場合には、図27(a)に示すように、平面状の形状を維持しているが、摂取者による水の吸引により、図27(b)に示すように、経口摂取用固形成形物5によって中央部に圧力を受けると、8枚のV字形折曲片84が折れ曲がり、放射状間隙85が広がるので、経口摂取用固形成形物5が開口部22の外側へ排出される。
【0047】
図28(部分斜視図)及び図29(模式的部分断面図)は、可撓性材料からなるスライド型開閉キャップ25を示す。図28(a)及び図29(a)は、前記開閉キャップ25の閉鎖状態を示し、図28(b)及び図29(b)は、開放状態を示す。この開閉キャップ25は、図28(a)及び図29(a)に示すように、閉鎖状態においては、一方の端部側の円筒状支持部87と、その円筒状支持部87からもう一方の端部方向へ延びるコーン状開閉部88とからなる。コーン状開閉部88は、複数の切り込み89によって分離されている複数の可撓性台形片88aからなり、図28(a)及び図29(a)に示すように、矢印Sの方向にスライドさせると、内側に存在する筒状外被1によって各可撓性台形片88aが外側に押し広げられ、図28(b)及び図29(b)に示すように、全体が円筒状に変形して開放状態になるので、経口摂取用固形成形物5が開口部22の外側へ排出される。なお、この開放状態から開閉キャップ25を矢印Sとは逆方向にスライドさせると、再び、閉鎖状態に戻る。
【0048】
本発明の収容体においては、遮蔽側端部側を比較的長くすることもでき、この態様の開封収容体11を図30に示す。すなわち、図30は、図4と同様に、開口側端部Aの開封可能構造部を開封した後に、遮蔽側端部Bを下方に向け、開封収容体11の内部の収容室6に経口摂取用固形成形物5を収容したままの状態で、遮蔽側端部B側からコップ等の容器61中の液体(例えば、水)62に進入させた状態を示し、経口摂取用固形成形物放出防止手段として、例えば、図6に示すアミ部31を有している。この経口摂取用固形成形物放出防止手段としては、例えば、図14に示す突出部71a,71bを有する狭隘通路42dや、図15に示す突出部71c,71dを有する狭隘通路42dを設けることもできる。この場合、図30に示すように、カプセル剤等の収納部が液面より上になるようにアミ部や狭隘通路を設けるとカプセル剤等が水と接触しないので、その表面が膨潤しないので有利である。なお、図30において、図4に図示した部分と同様の部分は、同じ参照数字で示している。
【0049】
本発明による筒状外被の寸法(例えば、長さ及び内径)は、本発明の目的が達成される限り特に限定されないが、液体吸引時の長さ(前記開封可能構造部の開封後に形成される開口部から前記アミ部までの長さ)が、前記アミ部を容器(例えばコップ)中の液体(例えば水)に漬けた状態で前記開口部を口唇部に挟んで、前記経口摂取用固形成形物は前記容器中の液体と共に吸引可能な長さであり、基本的な寸法は、飲料摂取用の通常のストローと同様の寸法である。本発明による収容体の好ましい態様においては、1回分の摂取量の前記経口摂取用固形成形物が収納されている。この場合には、1回分の摂取量を収容可能な寸法にするのが好ましい。ここで、1回分の摂取量が、複数個の錠剤やカプセル剤からなる場合もあるが、1つの錠剤やカプセル剤からなる場合も含まれる。本発明による収容体の寸法は、特に限定されるものではないが、例えば、開封収容体の長さが、約50〜300mmである。断面内径は、例えば、約3〜30mmであり、好ましくは5〜15mmである。また、筒状外被1の厚さは、例えば、約0.1〜5mmである。
【0050】
本発明による収容体は、梱包用であると共に、吸引時に液体(特に水)に浸漬してストローのように液体を吸い上げて使用するので、強度と耐水性とを有する材料から製造する。また、経口摂取用固形成形物が吸湿性などを有し、気密保存が必要な場合には、気密性を有する材料から調製するのが好ましい。更に、収容体をハイバリアー包材等でオーバーラップしたり、気密性のビン包装にすることがより好ましい。更に、ストロー様に吸引して用いるので、無毒であることが好ましい。
収容体の材料としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、防水紙、ガラス、陶器、又は金属等を用いることができ、作製方法に合わせて適当なシーラント層を付与することもできる。
なお、収容体の内部の収容室に収容している経口摂取用固形成形物が、経口用として生理的に受け付けにくい外観などを有している場合には、収容体を不透明として、摂取者の抵抗感を低下させることができる。逆に、外部から観察可能な方が摂取者の抵抗感を低下させる場合には、収容体を透明にすることもできる。
【0051】
開封可能構造部の開封手段としては、任意の手段を採用することができ、例えば、前記の溝のように道具を必要とせずに、手で簡単に開口可能な手段が好ましく、手で引き裂く方法や、蓋(例えば、キャップ)をはずす方法が特に好ましい。また、アミ部は、開封収容体の内部の収容室に収容される経口摂取用固形成形物を通過させず、吸引時に吸い上げる液体を通過させることが可能なフルイ目を有するアミであれば特に限定されない。
【0052】
収容体の内部の収容室には、経口摂取用固形成形物を収容する。本明細書において「経口摂取用固形成形物」とは、後述するように、例えば、医薬品、栄養剤、食品、又は嗜好品等を意味し、形体としては、例えば、医薬品の場合、第十四改正日本薬局方に記載された散剤(細粒も含む)、顆粒剤、カプセル剤、錠剤又は丸剤等を意味し、ストロー様に吸引した際に、吸引摂取が可能な大きさであれば特に限定されない。具体的には、大きさが約0.01〜30mmの経口摂取用固形成形物を収容することができ、特には、散剤は、製剤の粒度の試験を行うとき、18号(850μm)ふるいを全量通過し、30号(500μm)ふるいに残留するものが全量の5%以下のものであり、細粒は散剤のうち200号(75μm)ふるいを通過するものが全量の10%以下のものをいう。顆粒剤は、製剤の粒度の試験を行うとき、10号(1700μm)ふるいを全量通過し、12号(1400μm)ふるいに残留するものが全量の5%以下であり、また、42号(355μm)ふるいを通過するものは全量の15%以下のものをいう。カプセル剤は、長軸方向の寸法が10〜25mm(0〜5号)であり、錠剤は径が3〜30mmである。これらの経口摂取用固形成形物を従来法で摂取する場合は、それらを単独で口に含んでからコップなどで水を足して飲み込むため、特に1回あたりに摂取するカプセル数や錠剤数が多い場合には苦痛や困難を伴うので、このような場合の製剤について本発明を適用するのが好ましい。
【0053】
経口摂取用固形成形物としては、経口で摂取される固形の成形物であれば限定されず、例えば、医薬品、栄養剤、サプリメント剤、健康食品、食品、又は嗜好品を挙げることができる。具体的には、例えば、咀嚼せずに、そのままの形状で嚥下されること、すなわち、噛まずに飲み込むことが想定されている固形成形物である。あるいは、一般に、単独で嚥下することが困難であり、水と共に嚥下されることが想定されている固形成形物である。大型のカプセル剤や錠剤に適用した場合に顕著な効果が認められるが、小型の粉粒体にも適用可能である。また、水難溶性又は水不溶性の固形成形物に適用した場合に効果が認められるが、水易溶性あるいは水易懸濁性の固形成形物にも適用可能である。更に、従来の方法で、口腔内に含んだ場合に、短時間では崩壊しない固形成形物に適用した場合に効果が認められる。易崩壊性の固形成形物でも水と接触してから少なくとも10秒間はその形状を実質的に維持することのできるものであれば適用可能である。なお、本明細書において、水と接触してから短時間は「形状を実質的に維持する」とは、水との接触後に、その形状の80%以上が維持されていることを意味する。
なお、医薬品としては、散剤(細粒も含む)、顆粒剤、カプセル剤、錠剤又は丸剤等を挙げることができ、特に、水難溶性又は水不溶性との散剤(細粒も含む)や顆粒剤としては、内服用吸着剤などを挙げることができる。
【0054】
開封収容体の内部の収容室に収容した経口摂取用固形成形物を吸引する際に用いる液体としても、任意の飲用液を用いることができ、最も好ましくは水を用いる他、例えば、お茶、牛乳、ゼリー状液、又はジュース等を用いることもできる。
【0055】
本発明は、前記経口摂取用固形成形物嚥下用収容体用の容器にも関する。すなわち、前記経口摂取用固形成形物を収納していない空の容器の状態で摂取者に提供され、摂取者が経口摂取用固形成形物を摂取する際に、経口摂取用固形成形物を収納室に挿入してから、吸引・嚥下することもできる。
本発明による容器は、前記経口摂取用固形成形物を収納していないことを除けば、前記収容体と同じ態様であることができる。あるいは、前記経口摂取用固形成形物を収納していないので、前記開口側端部に開封可能構造部を設ける必要はない。もっとも、空の収容室の内部を汚さないために、前記開口側端部に開封可能構造部を設けることが望ましい。
【0056】
本発明による収容体は、開封収容体をコップ内の水に浸して使用する態様だけでなく、水差しの吸水開口部に装着して使用することもできる。この場合、水差しの吸水開口部先端に装着することのできる形状を有する本発明の開封収容体を、水差しの吸水開口部先端に装着し、水差し内の水を利用して、開封収容体に収納されている経口摂取用固形成形物を嚥下することができる。
【実施例】
【0057】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0058】
(1)アミ型収容体容器の製造
図1に示すアミ型収容体10の容器を製造した。具体的には、筒状外被1としてのポリプロピレン製ストロー(内径=9mm;長さ=210mm)の遮蔽側端部Bに、アミ部32としてのナイロンフィルター(目開き=133μm;形状=30mm×30mmの正方形)を取り付け、更に、係止用リング8としてのポリプロピレンチューブ(内径=11mm;長さ=20mm)を前記ナイロンフィルターの上から被せて、ナイロンフィルターを固定することにより、アミ型収容体10を作製した。以下の実施例1〜4において、このアミ型収容体10の容器を使用した。
【0059】
(2)カプセル剤の充填
前項(1)で製造したアミ型収容体10の容器の遮蔽側端部Bが下になるようにポリプロピレン製ストローを立てて、開口側端部Aの上端の開口部22から、カプセル剤10個を乾燥状態で挿入した。カプセル剤としては、カプセル充填機(LZ64,ザナシー製)を用いて、シオノギクオリカプス製1号カプセルに粒状の結晶セルロース(粒径300μm〜500μm;セルフィアCP305;旭化成製)250mgを充填したものを使用した。開口側端部Aをヒートシーラー(富士インパルス製)で溶封してカプセルが飛び出ないようにした。なお、1号カプセルは、長径が19.7mmで、短径が6.7mmである。
【実施例2】
【0060】
前記実施例1(1)及び(2)に記載の操作において、カプセル剤に代えて、粒状の結晶セルロース(セルフィアCP305;旭化成製;粒径=300〜500μm)2gを用いること以外は、前記実施例1(1)及び(2)に記載の操作を繰り返した。
【実施例3】
【0061】
前記実施例1(1)及び(2)に記載の操作において、カプセル剤に代えて、球状活性炭(クレハ−A−BAC;呉羽化学工業製;粒径850〜1190μm)2gを用いること以外は、前記実施例1(1)及び(2)に記載の操作を繰り返した。
【実施例4】
【0062】
前記実施例1(1)及び(2)に記載の操作において、カプセル剤10個に代えて、実施例1で用いた1号カプセル剤5個と錠剤5錠とを用いること以外は、前記実施例1(1)及び(2)に記載の操作を繰り返した。
なお、前記の錠剤は、ロータリー打錠機(HT−9;畑鉄工所製)を用いて、乳糖99重量%とタルク1重量%を混合して打錠(直径=7mm;厚さ=3mm)して得た錠剤にヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(TC−5;信越化学工業製)でフィルムコーティングしたものを使用した。
【0063】
《服用性試験》
(1)実施例1及び比較例1
本発明の収容体10として、実施例1で製造した収容体10を用い、前記実施例1で用いたカプセル剤を収容体10に挿入せずに、従来法と同様にそのまま服用する場合(比較例1)と比較した。
具体的には、健常人ボランティア10名で評価した。すなわち、比較例1のカプセル剤10個を口腔内に含んでから水と共に服用する通常の方法と、実施例1の収容体10をコップの水に浸し、水と共に吸い上げて服用する方法との服用しやすさを評価した。ボランティアには表1に従ってスコアーをつけてもらい、更に服用時に使用した水の量を記録した。結果を表2に示す。
【0064】

【0065】


【0066】
その結果、表2に示す通り、通常の服用方法のスコアー平均値は1.7点であり、水の使用量平均値は73mLであるのに比べて、実施例1の本発明収容体10の形態で服用した場合は、スコアー平均値が4.0点であり、水の使用量平均値が35mLであった。すなわち、ボランティア10名全員で、明らかに薬剤の飲みやすさ(服用性)が改善された。
【0067】
(2)実施例2及び比較例2
本発明の収容体10として、実施例2で製造した収容体10を用い、前記実施例2で用いた細粒2gを四方シール分包(4cm×7cm)に入れて水と共に服用する通常の方法(比較例2)と比較した。
具体的には、健常人ボランティア10名で評価した。すなわち、比較例2の細粒を四方シール分包に入れて水と共に服用する通常の方法と、実施例2の収容体10をコップの水に浸し、水と共に吸い上げて服用する方法との服用しやすさを評価した。ボランティアには表3に従ってスコアーをつけてもらい、更に服用時に使用した水の量を記録した。結果を表4に示す。
【0068】

【0069】

その結果、表4に示す通り、通常の服用方法のスコアー平均値は2.2点であり、水の使用量平均値は56mLであるのに比べて、実施例2の本発明収容体の形態で服用した場合は、スコアー平均値が2.8点であり、水の使用量平均値が47mLであった。すなわち、スコアー平均値の改善が認められ、水の使用量平均値も減少し、薬剤の飲みやすさ(服用性)が改善された。
【0070】
(3)実施例3及び比較例3
本発明の収容体10として、実施例3で製造した収容体10を用い、前記実施例3で用いた顆粒2gを四方シール分包(4cm×7cm)に入れて水と共に服用する通常の方法(比較例3)と比較した。
具体的には、健常人ボランティア10名で評価した。すなわち、比較例3の顆粒を四方シール分包に入れて水と共に服用する通常の方法と、実施例3の収容体10をコップの水に浸し、水と共に吸い上げて服用する方法との服用しやすさを評価した。ボランティアには、前記表3に従ってスコアーをつけてもらい、更に服用時に使用した水の量を記録した。結果を表5に示す。
【0071】

その結果、表5に示す通り、通常の服用方法のスコアー平均値は2.4点であり、水の使用量平均値は55mLであるのに比べて、実施例3の本発明収容体の形態で服用した場合は、スコアー平均値が2.8点であり、水の使用量平均値が45mLであった。すなわち、スコアー平均値の改善が認められ、水の使用量平均値も減少し、薬剤の飲みやすさ(服用性)が改善された。
【0072】
(4)実施例4及び比較例4
本発明の収容体10として、実施例4で製造した収容体10を用い、前記実施例4で用いたカプセル剤5個と、錠剤5錠とを水と共に服用する通常の方法(比較例4)と比較した。
具体的には、健常人ボランティア10名で評価した。すなわち、比較例4のカプセル剤5個と錠剤5錠とを、水と共に服用する通常の方法と、実施例4の収容体10をコップの水に浸し、水と共に吸い上げて服用する方法との服用しやすさを評価した。ボランティアには、前記表1に従ってスコアーをつけてもらい、更に服用時に使用した水の量を記録した。結果を表6に示す。
【0073】

その結果、表6に示す通り、通常の服用方法のスコアー平均値は2.0点であり、水の使用量平均値は69mLであるのに比べて、実施例4の本発明収容体の形態で服用した場合は、スコアー平均値が4.0点であり、水の使用量平均値が37mLであった。すなわち、本発明収容体でのスコアーは、ボランティア10名全員で満点であり、水の使用量平均値も半分程度に減少し、明らかに薬剤の飲みやすさ(服用性)が改善された。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明の嚥下用収容体は、ストロー様の円筒状外被内にカプセル剤や錠剤などの経口摂取用固形成形物を収納して含んでおり、ストローで水などを飲む場合のように、前記の円筒状外被の先端をコップ中の水に挿入して、水と共に固形成形物を飲み込むこと(すなわち、嚥下すること)ができるので、比較的大型のカプセル剤や錠剤でも、極めて容易に飲み込むこと(すなわち、嚥下すること)ができる。
以上、本発明を特定の態様に沿って説明したが、当業者に自明の変形や改良は本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
[図1]カプセル剤を筒状外被に含み、開口側端部を開封可能にヒートシールして封緘した、本発明によるアミ型収容体の一部を省略して示す部分断面図である。
[図2]着脱可能な保護キャップで遮蔽側端部を封緘した、本発明によるアミ型収容体の遮蔽側端部の断面図である。
[図3]開封可能にシールした保護キャップで遮蔽側端部を封緘した、本発明によるアミ型収容体の遮蔽側端部の断面図である。
[図4]本発明によるアミ型収容体をコップ内の水に浸した状態を示す部分断面図である。
[図5]本発明による別の態様のアミ型収容体の遮蔽側端部の断面図である。
[図6]本発明による更に別の態様のアミ型収容体の遮蔽側端部の断面図である。
[図7]遮蔽側端部を着脱可能な保護キャップで封緘した、本発明によるアミ型収容体の遮蔽側端部の断面図である。
[図8]開封可能構造部で遮蔽側端部を封緘した本発明によるアミ型収容体の遮蔽側端部の断面図である。
[図9]本発明による狭隘型収容体の遮蔽側端部の斜視図である。
[図10]図9の狭隘型収容体の遮蔽側端部の断面図である。
[図11]本発明による別の態様の狭隘型収容体の遮蔽側端部の斜視図である。
[図12]図11の狭隘型収容体の遮蔽側端部の断面図である。
[図13]本発明による更に別の態様の狭隘型収容体の遮蔽側端部の斜視図である。
[図14]本発明による更に別の態様の狭隘型収容体の遮蔽側端部の断面図である。
[図15]本発明による更に別の態様の狭隘型収容体の遮蔽側端部の断面図である。
[図16]本発明による更に別の態様の狭隘型収容体の短冊形の遮蔽側端部の斜視図である。
[図17]図16の収容体を製造するための短冊部を有する筒状収納部端部の斜視図である。
[図18]本発明による別の態様の狭隘型収容体開封後の遮蔽側端部の斜視図である。
[図19]図18の狭隘型収容体開封後の遮蔽側端部を開封する前の状態の本発明による狭隘型収容体の遮蔽側端部の斜視図である。
[図20]本発明による更に別の態様の狭隘型収容体の遮蔽側端部の斜視図である。
[図21]逆流防止弁を備えた本発明によるアミ型収容体の遮蔽側端部の断面図である。
[図22]本発明による湾曲状部分含有開封収容体をコップ内の水に浸した状態を示す部分断面図である。
[図23]本発明による蛇腹部分含有開封収容体をコップ内の水に浸した状態を示す部分断面図である。
[図24]本発明によるカプセル剤落下防止手段含有開封収容体の開口側端部の部分斜視図である。
[図25]本発明による別の態様のカプセル剤落下防止手段含有開封収容体の開口側端部の部分斜視図である。
[図26]本発明による更に別の態様のカプセル剤落下防止手段含有開封収容体の開口側端部の部分斜視図である。
[図27]図26のカプセル剤の落下を防止する手段を有する本発明による開封収容体の開口側端部の模式的部分断面図である。
[図28]本発明による別の態様のカプセル剤落下防止手段含有開封収容体の開口側端部の部分斜視図である。
[図29]図28のカプセル剤の落下を防止する手段を有する本発明による開封収容体の開口側端部の模式的部分断面図である。
[図30]本発明による別の態様の開封収容体をコップ内の水に浸した状態を示す部分断面図である。
【符号の説明】
【0076】
1・・・筒状外被;2・・・開封可能構造部;4・・・開封可能構造部;
5・・・経口摂取用固形成形物;6・・・収容室;8・・・係止用リング;
9・・・逆流防止キャップ;10・・・収容体;
11,11A,11B・・・開封収容体;21,41,76a・・・溝;
22,42,93・・・開口部;23・・・水溶性突起物;24・・・押出弁;
25・・・スライド型開閉キャップ;31,32,33・・・アミ部;
42a,42b,42d・・・狭隘通路;42c,42f・・・狭隘開口部;
43a,43b,43c,43d・・・接合箇所;46・・・保護キャップ;
51・・・水溶性シート材料;61・・・容器;62・・・液体;
71a,71b,71c,71d・・・突出部;73・・・切り込み線;
74a,74b,74c,74d,74e,74f,74g,74h・・・短冊部;
75・・・ヒート構造部;76,77・・・切り欠き部;79・・・中央部;
81・・・係止用キャップ;83・・・リング状支持部;84・・・V字形折曲片;
85・・・放射状間隙;87・・・円筒状支持部;88・・・コーン状開閉部;
88a・・・可撓性台形片;89・・・切り込み;90・・・ボール;
91・・・円錐状カバー部;92・・・リング状接合部
A・・・開口側端部;B・・・遮蔽側端部;C・・・湾曲状部分;D・・・蛇腹部分。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】

【図27】

【図28】

【図29】

【図30】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
経口摂取用固形成形物を内部に含む収容体であって、
(1)筒状の耐水性外被、
(2)前記外被の一方の端部であって、開封可能構造部を有し、その開封可能構造部を除去することによって開口部を形成することのできる開口側端部、
(3)前記外被のもう一方の端部であって、液体を通過させるが、前記経口摂取用固形成形物を通過させない経口摂取用固形成形物放出防止手段を有する遮蔽側端部、及び
(4)前記開口側端部と前記遮蔽側端部との間で、経口摂取用固形成形物を収容する収容室
を含むことを特徴とする、前記経口摂取用固形成形物の嚥下用収容体。
【請求項2】
前記経口摂取用固形成形物放出防止手段が、前記筒状外被の横断面全体を覆うアミ部、又は前記筒状外被の内側方向に突出する1つ又は複数の突起から構成される狭隘部である、請求項1に記載の収容体。
【請求項3】
前記経口摂取用固形成形物放出防止手段の前記収容室側とは反対側に隣接して、逆流防止手段を設ける、請求項1又は2に記載の収容体。
【請求項4】
前記外被の前記遮蔽側端部の最も外側に開封可能構造部を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の収容体。
【請求項5】
前記の筒状耐水性外被が、一方の端部からもう一方の端部までが直線状、螺旋状、又は湾曲状であるか、あるいは直線状外皮の一部に螺旋状部分、湾曲状部分若しくは湾曲状に変形可能な部分を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の収容体。
【請求項6】
前記の経口摂取用固形成形物が、咀嚼せずに水と共に嚥下可能に調製した成形物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の収容体。
【請求項7】
前記の経口摂取用固形成形物が、散剤(細粒も含む)、顆粒剤、カプセル剤、錠剤又は丸剤である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の収容体。
【請求項8】
前記の散剤(細粒を含む)又は顆粒剤が、内服用吸着剤である、請求項7に記載の収容体。
【請求項9】
前記の錠剤の長径が、3〜30mmである、請求項7に記載の収容体。
【請求項10】
前記のカプセル剤の長軸方向寸法が、10〜25mm(0〜5号)である、請求項7に記載の収容体。
【請求項11】
前記の経口摂取用固形成形物が、水と接触してから少なくとも10秒間は、その形状を実質的に維持することのできる固形成形物である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の収容体。
【請求項12】
1回分の経口摂取分の経口摂取用固形成形物が収納されている、請求項1〜11のいずれか一項に記載の収容体。
【請求項13】
(1)請求項1〜12のいずれか一項に記載の収容体の開口側端部に設けた開封可能構造部、及び場合により遮蔽側端部に設けた開封可能構造部を開封し、(2)筒状外被の収容室に経口摂取用固形成形物を収容したままの状態で、遮蔽側端部を、容器中の液体に浸漬し、(3)前記開口側端部に設けた開封可能構造部を開封して形成される開口部を口唇部に挟んで、前記経口摂取用固形成形物を前記容器中の液体と共に吸引させる
ことを特徴とする、前記経口摂取用固形成形物の嚥下方法。
【請求項14】
経口摂取用固形成形物収容体用の容器であって、
(1)筒状の耐水性外被、
(2)前記外被の一方の端部であって、開封可能構造部を有し、その開封可能構造部を除去することによって開口部を形成することのできる開口側端部、
(3)前記外被のもう一方の端部であって、液体を通過させるが、前記経口摂取用固形成形物を通過させない経口摂取用固形成形物放出防止手段を有する遮蔽側端部、及び
(4)前記開口側端部と前記遮蔽側端部との間で、経口摂取用固形成形物を収容することのできる収容室
を含むことを特徴とする、前記経口摂取用固形成形物嚥下用収容体用の容器。
【請求項15】
(1)請求項14に記載の容器の開口側端部に設けた開封可能構造部を開封し、
(2)前記開口側端部に設けた開封可能構造部を開封して形成される開口部から、筒状外被の収容室に経口摂取用固形成形物を挿入し、
(3)前記収容室に経口摂取用固形成形物を収容したままの状態で、遮蔽側端部を、容器中の液体に浸漬し、
(4)前記開口側端部の開口部を口唇部に挟んで、前記経口摂取用固形成形物を前記容器中の液体と共に吸引させる
ことを特徴とする、前記経口摂取用固形成形物の嚥下方法。
【請求項16】
経口摂取用固形成形物収容体用の容器であって、
(1)筒状の耐水性外被、
(2)前記外被の一方の開口側端部、
(3)前記外被のもう一方の端部であって、液体を通過させるが、前記経口摂取用固形成形物を通過させない経口摂取用固形成形物放出防止手段を有する遮蔽側端部、及び
(4)前記開口側端部と前記遮蔽側端部との間で、経口摂取用固形成形物を収容することのできる収容室
を含むことを特徴とする、前記経口摂取用固形成形物嚥下用収容体用の容器。
【請求項17】
(1)請求項16に記載の容器の開口側端部の開口部から、筒状外被の収容室に経口摂取用固形成形物を挿入し、
(2)前記収容室に経口摂取用固形成形物を収容したままの状態で、遮蔽側端部を、容器中の液体に浸漬し、
(3)前記開口側端部の開口部を口唇部に挟んで、前記経口摂取用固形成形物を前記容器中の液体と共に吸引させる
ことを特徴とする、前記経口摂取用固形成形物の嚥下方法。

【国際公開番号】WO2004/100859
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【発行日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−506198(P2005−506198)
【国際出願番号】PCT/JP2004/006544
【国際出願日】平成16年5月14日(2004.5.14)
【出願人】(000001100)株式会社クレハ (477)
【Fターム(参考)】