説明

経歴情報管理システムおよび経歴情報管理方法

【課題】組織または人の経歴や保有技術に関する情報を、その組織や人が保有する文書ファイルから高精度且つ自動的に抽出する。
【解決手段】個人PC1内に設けられた個人経歴情報生成手段11が、文書ファイル5への文書ファイル5に関連付けられているアプリケーション6を用いたアクセス回数を監視し、アクセス回数が所定の閾値以上である場合、個人を識別可能な個人識別情報と、個人PC1を識別可能なマシン識別情報と、文書ファイル5を特定可能な文書ファイル特定情報と、文書ファイル5に含まれるキーワードとを対応付けた経歴情報を送信し、組織経歴情報収集手段12が、個人経歴情報生成手段11から送信されてきた経歴情報を格納し、外部から入力された情報に基づいて、経歴情報を検索し、検索された経歴情報を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経歴情報を管理する経歴情報管理システムおよび経歴情報管理方法に関し、特に個人が所有するコンピュータの使用状況に基づいて当該個人の経歴情報を管理する経歴情報管理システムおよび経歴情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
企業において、業務を他の組織や人に依頼するとき、あるいは、自分では解決が困難な業務上の問題を解決したいとき等に、特定の技術や経歴を有する組織や人を検索する必要が生じる。そのような場合、現状では、自分の周囲にいる人間や自分の知人に聞いて情報を得るのが一番簡単な方法である。
【0003】
しかし、このような方法には、以下のような問題がある。
【0004】
この方法では、所望の情報が見つかるかどうかは、自分の交友範囲や、その範囲内の人間の知識量に依存し、見つかるか見つからないかの結果が確定するまでに時間がかかってしまう。
【0005】
これを解決する技術として、組織や人の持つ経歴情報や保有技術をDB(データベース)化して公開するシステムが多く考案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
特許文献1に記載された技術は、技術情報に関係する文書ファイルを登録する登録端末と、文書ファイルを検索する検索端末と、登録端末及び検索端末とネットワークを介して接続されているサーバとで構成される。サーバは、文書ファイルの提供者の属性情報すなわち氏名や所属等の情報と文書ファイルとを関連付けて登録するナレッジディクショナリと、それを索引として文書ファイルを個人別フォルダに保存している技術文書データベースと、技術情報が属するカテゴリまたは技術情報に含まれるキーワードから文書ファイルを検索する検索手段とを有する。
【0007】
この様な構成を有する特許文献1に記載された技術は、以下の様に動作する。
(1)文書ファイルを登録者が登録端末から登録する。このとき、技術情報のカテゴリやキーワード、文書ファイルの提供者の属性情報すなわち氏名や所属、経歴、保有技術の情報も同時に登録する。
(2)登録端末は、登録された情報をサーバへ送信する。
(3)サーバは、送信されてきた技術情報のカテゴリやキーワードと文書ファイルと文書ファイルの提供者の属性とを関連づけてナレッジディクショナリに登録する。
(4)技術情報の検索者は、検索端末を用いて、カテゴリによる検索、及びキーワードによる検索を実施する。検索端末は、検索者によって入力されたカテゴリやキーワードをサーバへ送信する。
(5)サーバは、送信されてきたカテゴリやキーワードに関連づいている文書ファイル及び文書ファイルの提供者の属性情報を検索端末へ返信する。
【0008】
以上の様に動作する事により、人の持つ経歴情報や保有技術をDB化して公開する事が可能となる。
【0009】
しかし、この技術には、DBに情報を登録する方法が手入力であるため、以下の様な問題がある。
【0010】
第1の問題は、情報を入力することが煩わしくなり、組織の保有技術や経歴に変化が生じても、DBが更新されないという状況が生じてしまうという点である。
【0011】
また、第2の問題は、同じ技術に対する情報でも、入力する人が異なると、入力される情報の質にばらつきが生じ、情報の詳細度が異なるため、同じ技術として検索されないという状況が生じてしまうという点である。
【0012】
これらの問題を解決する技術として、特許文献2に開示されているような技術が存在する。
【0013】
特許文献2に記載された技術は、人材データ登録装置と予め定められた者に固有の識別情報とその識別情報に対応する人材データとを人材データ登録装置に登録するデータ登録者端末と、人材データ登録装置から人材データを検索する人材データ検索端末とを有する。
【0014】
人材データ登録装置は、識別情報とその識別情報に対応する人材データを登録した人材登録情報データベースと、文書類を格納した文書格納部とから、人材データの登録を要求した登録者に関する文書類を選択し、選択された文書類から所定の情報を抽出するデータ抽出部と、登録者によって登録要求されたデータと抽出部によって抽出された抽出データとを組み合わせて人材データとして人材登録情報データベースに登録するデータ登録部とを有する。
【0015】
この様な構成を有する特許文献2に記載された技術は、以下の様に動作する。
(1)登録者が予め定められた者に固有の識別情報とその識別情報に対応する人材データとを登録端末から登録する。
(2)登録端末は、登録された情報を人材データ登録装置へ送信する。
(3)人材データ登録装置は、データ抽出部が、人材に関連する文書を選択し選択された文書から所定の情報を抽出し、その情報と送信された人材データとを組み合わせて人材登録情報データベースに登録する。
(4)人材データの検索者は、検索端末を用いて人材データを検索する。検索端末は、検索者によって入力された情報を人材データ登録装置へ送信する。
(5)人材データ登録装置は、送信されてきた情報に関連する人材情報を検索端末へ返信する。
【0016】
以上の様に動作する事により、人材に関連する文書から一定の基準で自動的に抽出された人材データを公開する事が可能となる。
【0017】
また、ストレージ装置に記憶されているファイル等のオブジェクトへのアクセス回数を管理し、管理されたアクセス回数に応じて、当該オブジェクトをストレージ装置から実際の処理を行う計算機へ複写する技術が考えられている(例えば、特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2003−242156号公報
【特許文献2】特開2005−266978号公報
【特許文献3】特開2008−158661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、特許文献2に記載された技術は、以下の2つの問題点を有している。
【0020】
第1に、個人に関連の無い、もしくは個人があまり詳しくない分野の情報も登録されてしまうおそれがあり、その結果、関連情報抽出の精度が低くなってしまうという問題点がある。その理由は、人の文書ファイルの関連付けは、文書ファイルが存在するフォルダやディレクトリ等場所を登録することで実現しており、指定された文書ファイルが個人に「本当に関連しているか」の根拠に乏しく、個人が一度も閲覧したことのない文書ファイルや、閲覧頻度の低い文書ファイルについても登録されてしまい、実は個人に関連の無い、もしくは個人があまり詳しくない分野の情報も登録されてしまうおそれがあるからである。
【0021】
第2に、人と文書ファイルとの関連付けは手動で実施する必要があり、特許文献1に記載された技術が有していた手動登録の煩わしさという問題を完全には解決することができないという問題点がある。その理由は、特許文献2に記載された技術は、特許文献1に記載された技術に比べて指定された文書ファイルから関連する情報を抽出し登録することに関しては、自動的且つ画一的に実施され、一見問題が解決している様に思えるが、人と文書との関連付け自体が手動で行われるため、関連付けられる文書ファイルがどれくらいの情報を含んでいるかなどの詳細度や含まれている情報の質にばらつきがある場合、その結果として自動登録される情報にばらつきが出るおそれがあるからである。
【0022】
また、特許文献3に記載された技術を用いて、ファイルへのアクセス回数を管理し、そのアクセス回数に基づいて、個人に関する経歴を管理しようとしても、正確に管理することができないという問題点がある。それは、以下の理由による。特許文献3に記載された技術を用いた場合、コンピュータ上で動作している全てのプロセス/プログラムからのアクセスの回数を全てカウントしてしまう。現在のコンピュータでは、実際にデータを参照するために読み込むのではなく、機械的にウイルスチェックや、コンピュータ内検索などでファイルを読み込む場合もあり、それらの読み込みについてカウントしてしまうと、必要なデータ参照の制度を向上させることが出来なってしまう。
【0023】
本発明の目的は、上述した課題を解決する経歴情報管理システムおよび経歴情報管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明の経歴情報管理システムは、
個人で使用するコンピュータ内に設けられ、当該コンピュータ内に格納されている文書ファイルへの該文書ファイルに関連付けられているアプリケーションを用いたアクセス回数を監視し、該アクセス回数が所定の閾値以上である場合、前記個人を識別可能な個人識別情報と、当該コンピュータを識別可能なマシン識別情報と、前記文書ファイルを特定可能な文書ファイル特定情報と、前記文書ファイルに含まれるキーワードとを対応付けた経歴情報を送信する個人経歴情報生成手段と、
前記個人経歴情報生成手段から送信されてきた経歴情報を格納し、外部から入力された情報に基づいて、前記経歴情報を検索し、該検索された経歴情報を表示する組織経歴情報収集手段とを有する。
【0025】
また、本発明の経歴情報管理方法は、
個人で使用するコンピュータと、該コンピュータと通信可能に接続されているサーバとにおいて、前記個人の経歴情報を管理する経歴情報管理方法であって、
前記コンピュータが、当該コンピュータ内に格納されている文書ファイルへの該文書ファイルに関連付けられているアプリケーションを用いたアクセス回数を監視する処理と、
前記コンピュータが、前記アクセス回数が所定の閾値以上である場合、前記個人を識別可能な個人識別情報と、前記コンピュータを識別可能なマシン識別情報と、前記文書ファイルを特定可能な文書ファイル特定情報と、前記文書ファイルに含まれるキーワードとを対応付けた経歴情報を前記サーバへ送信する処理と、
前記サーバが、前記コンピュータから送信されてきた経歴情報を格納する処理と、
前記サーバが、該サーバの外部から入力された情報に基づいて、前記経歴情報を検索する処理と、
前記サーバが、前記検索された経歴情報を表示する処理とを有する。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明においては、組織または人の経歴や保有技術に関する情報を、その組織や人が保有する文書ファイルから高精度且つ自動的に抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の経歴情報管理システムの実施の一形態を示す図である。
【図2】図1に示した組織内サーバと、複数の個人PCとがネットワークを介して接続されている一形態を示す図である。
【図3】図1に示した個人経歴情報DBの一構成例を示す図である。
【図4】図1に示したファイルアクセスDBの一構成例を示す図である。
【図5】図1に示した組織経歴情報DBの一構成例を示す図である。
【図6】本形態における経歴情報管理方法のうち、図1に示した個人PCの個人経歴情報生成手段での動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】本形態における経歴情報管理方法のうち、図1に示した組織内サーバの組織経歴情報収集手段の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】本形態における具体的な実施例を説明するための構成図である。
【図9】図1に示した経歴情報検索手段が有するインターフェース(表示画面)の一例を示す図である。
【図10】図1に示した経歴情報表示手段が有する結果表示インターフェース(表示画面)の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(構成の説明)
以下に、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
図1は、本発明の経歴情報管理システムの実施の一形態を示す図である。
【0030】
図1を参照すると本形態は、組織に属する各個人が所有(使用)するコンピュータである個人PC(Personal Computer)1と、ネットワーク3を介して個人PC1と通信可能に接続されたサーバである組織内サーバ2とから構成されている。
【0031】
本発明の経歴情報管理システム10は、個人PC1内で動作する個人経歴情報生成手段11と、組織内サーバ2内で動作する組織経歴情報収集手段12とから構成されている。
【0032】
また、個人PC1には、補助記憶装置4が具備され、補助記憶装置4の中には文書ファイル5が格納されている。また、文書ファイル5は、個人PC1に具備されたアプリケーション6を用いて閲覧、編集される。
【0033】
個人経歴情報生成手段11は、キーワード検索手段110と、ファイルアクセス監視手段111と、個人経歴情報DB112と、ファイルアクセスDB113と、経歴情報送信手段114とを有する。
【0034】
キーワード検索手段110は、個人PC1において補助記憶装置4内の文書ファイル5内に含まれているキーワードと、そのキーワードが文書ファイル5のどの位置に存在するかを示す位置情報と、文書ファイル5の文書ファイルパスとを抽出する。
【0035】
ファイルアクセス監視手段111は、補助記憶装置4内の文書ファイル5が、個人PC1内に搭載されているアプリケーション6を用いてアクセスされたことを監視し、文書ファイル5に対するアクセス回数を算出する。具体的には、ファイルアクセス監視手段111は、補助記憶装置4内の文書ファイル5が、個人PC1内に搭載されているアプリケーション6を用いてアクセスされたこととして、読み込みまたは書き込みされたことを監視し、文書ファイル5に対するアクセス回数として、読み込み回数や書き込み回数を算出する。
【0036】
個人経歴情報DB112は、キーワード検索手段110が抽出したキーワードと、その位置情報と、そのキーワードを含む文書ファイルの文書ファイルパスとから構成される個人経歴情報を記録するデータベースである。
【0037】
ファイルアクセスDB113は、キーワード検索手段110が抽出した文書ファイルパスと、ファイルアクセス監視手段111が算出した文書ファイル5に対するアクセス回数(読み込み回数及び書き込み回数)とを記録するデータベースである。
【0038】
経歴情報送信手段114は、個人経歴情報DB112に記録された個人経歴情報を組織内サーバ2内に存在する経歴情報受信手段120(詳細は後述)へネットワーク3を介して送信する。
【0039】
組織経歴情報収集手段12は、経歴情報受信手段120と、組織経歴情報DB121と、経歴情報検索手段122と、経歴情報表示手段123とを有する。
【0040】
経歴情報受信手段120は、経歴情報送信手段114から送信されてきた個人経歴情報を受信する。
【0041】
組織経歴情報DB121は、経歴情報受信手段120が受信した個人経歴情報を記録するデータベースである。
【0042】
経歴情報検索手段122は、組織内サーバ2の外部から入力された情報に基づいて、組織経歴情報DB121内に記録されている個人経歴情報を検索する。
【0043】
経歴情報表示手段123は、経歴情報検索手段122が検索した検索結果である個人経歴情報を表示する。
【0044】
なお、個人PC1と組織内サーバ2とは、同一のコンピュータで実現されていても構わない。
【0045】
図2は、図1に示した組織内サーバ2と、複数の個人PC1とがネットワーク3を介して接続されている一形態を示す図である。
【0046】
図2に示すように、個人PC1が複数(個人PC1−1〜1−3)存在し、それぞれがネットワーク3を介して組織内サーバ2と接続されていても構わない。その場合、個人PC1−1〜1−3には、個人経歴情報生成手段11−1〜11−3がそれぞれ設けられる。
【0047】
また、補助記憶装置4は、コンピュータ内に一般的に搭載されているハードディスクや光学系ディスクであり、あるいはネットワーク上に存在するネットワークディスクなども含まれる。
【0048】
アプリケーション6は、MicrosoftOfficeやOpenOffice、ジャストシステムの一太郎等のように一般的に業務で使用されるアプリケーションである。
【0049】
また、文書ファイル5は、テキストファイルやワードプロセッサファイル、スプレッドシートファイル、プレゼンテーションファイル等、アプリケーション6が読み込みまたは書き込むファイルである。これらのファイルは、音声ファイルや画像ファイル、動画ファイルであっても構わない。
【0050】
以上説明した手段は、それぞれ以下のように動作する。
【0051】
キーワード検索手段110は、個人PC1に備えられている補助記憶装置4内の全ての文書ファイル5を対象にして、文書ファイル5に含まれているキーワードを検索する。文書ファイル5の検索方法は、補助記憶装置4内を常に巡回して検索する方式や、ファイルの作成時や変更時にのみ検索する方式等で実現すればよい。また、文書ファイル5内におけるキーワードの検索は、出現頻度により重要度を特定するTF−IDF方式や、予め抽出するキーワードを辞書として保有しておく辞書方式など、一般的に用いられている公知な方法で実現するもので良い。
【0052】
ファイルアクセス監視手段111は、アプリケーション6が文書ファイル5を読み込みまたは書き込む際に、OS(Operating System)で発生する読み込みまたは書き込みイベントを横取りし、そのイベントからファイルへのアクセス種別、すなわち「読み込み」なのかまたは「書き込み」なのかを示す情報と、アクセス対象となった文書ファイル5の絶対パス(文書ファイルパス)名とを取得する。
【0053】
OSで発生する読み込みまたは書き込みイベントの横取りは、通常OSに標準で用意されている「APIフック」と呼ばれる機能で実装すれば良い。APIフックとは、アプリケーションがOSのAPI(Application Programming Interface)を実行する際に、どのアプリケーションがどのAPIを実行するかという情報を横取りする機能である。
【0054】
ファイルアクセス監視手段111は、ファイルオープン/クローズAPI、ファイル読み込み/書き込みAPIをフックすることで、どのアプリケーションが、どんなファイルへアクセスがあったかの通知を受けることができる。
【0055】
図3は、図1に示した個人経歴情報DB112の一構成例を示す図である。
【0056】
図1に示した個人経歴情報DB112は、キーワード検索手段110が抽出したキーワードと、そのキーワードの位置情報と、そのキーワードを含む文書ファイルパスとを対応付けて個人経歴情報として記録するデータベースである。個人経歴情報DB112は図3に示すように、以下のスキーマから構成される。
【0057】
キーワードT11201は、キーワード検索手段110によって検索されたキーワードを格納するフィールドである。
【0058】
文書ファイルパスT11202は、キーワード検索手段110によって検索されたキーワードを含む文書ファイルのパスを格納するフィールドである。この文書ファイルのパスは、文書ファイルを特定可能な文書ファイル特定情報である。
【0059】
キーワード位置情報T11203は、キーワード検索手段110によって検索されたキーワードが、文書ファイルパスT11202が示す文書ファイルのどの位置に記録されているかを示す、文書ファイルの先頭からのオフセット値(例えば、先頭から何バイト目に存在するか)を格納するフィールドである。同じキーワードが文書ファイル内に複数存在する場合は複数のオフセットが格納される。
【0060】
変更フラグT11204は、キーワード検索手段110によって、情報が追加または変更された場合、「1」が設定され、経歴情報送信手段114から経歴情報受信手段120へ該当する個人経歴情報が送信された後、「0」に設定されるフィールドである。
【0061】
図4は、図1に示したファイルアクセスDB113の一構成例を示す図である。
【0062】
図1に示したファイルアクセスDB113は、キーワード検索手段110がキーワードを文書ファイル5から抽出した際に、その文書ファイルパスを格納し、ファイルアクセス監視手段111が文書ファイル5への読み込みを検出した際に、読み込み回数を増加させ格納し、また、文書ファイル5への書き込みを検出した際に、書き込み回数を増加させ格納するデータベースである。ファイルアクセスDB113は図4に示すように、以下のスキーマから構成される。
【0063】
文書ファイルパスT11301は、キーワード検索手段110によって検索されたキーワードを含む文書ファイルのパスを格納するフィールドである。
【0064】
読み込み回数T11302は、ファイルアクセス監視手段111によって検出された、文書ファイルパスT11301が示す文書ファイルに対する読み込み回数を格納するフィールドである。
【0065】
書き込み回数T11303は、ファイルアクセス監視手段111によって検出された、文書ファイルパスT11301が示す文書ファイルに対する書き込み回数を格納するフィールドである。
【0066】
変更フラグT11304は、ファイルアクセス監視手段111によって、情報が変更された場合、「1」が設定され、経歴情報送信手段114から経歴情報受信手段120へ該当する個人経歴情報が送信された後、「0」に設定されるフィールドである。
【0067】
経歴情報送信手段114は、個人経歴情報DB112に格納されている個人経歴情報と、ファイルアクセスDB113に格納されている、個人経歴情報が含まれている文書ファイルに対する読み込み及び書き込み回数と、個人PC1のIP(Inertnet Protocol)アドレスと、個人PC1を使用しているユーザ個人を識別可能な個人識別情報(PCへのログインユーザ名など)とを、ネットワーク3を介して接続されている組織内サーバ2に存在する組織経歴情報収集手段12が有する経歴情報受信手段120へ送信する。送信の際に、個人経歴情報DB112の文書ファイルパスT11202に記録されている文書ファイルパスをキーとして、その文書ファイルパスが示す文書ファイルに対する読み込み回数及び書き込み回数をファイルアクセスDB113から検索し、それぞれの回数が一定(所定)の値以上であるものについてのみ、経歴情報受信手段120へ送信する。また、経歴情報送信手段114の送信方法は、TCP(Transmission Control Protocol)/IPによるソケット通信など公知の技術を用いて実現すれば良い。
【0068】
経歴情報受信手段120は、経歴情報送信手段114が送信してきた個人経歴情報と、ファイルアクセスDB113に格納されている、個人経歴情報が含まれている文書ファイルに対する読み込み及び書き込み回数と、個人経歴情報を送信してきた個人PC1のIPアドレスと、個人PC1を利用しているユーザすなわち個人経歴情報を所有するユーザの個人識別情報とを受信し、これらを組織経歴情報DB121に格納する。
【0069】
図5は、図1に示した組織経歴情報DB121の一構成例を示す図である。
【0070】
図1に示した組織経歴情報DB121は、経歴情報受信手段120が経歴情報送信手段114から受信した個人経歴情報と、個人経歴情報を送信してきた個人PC1のIPアドレスと、個人PC1を利用しているユーザすなわち個人経歴情報を所有するユーザの個人識別情報とを格納するデータベースである。組織経歴情報DB121は図5に示すように、以下のスキーマから構成される。
【0071】
キーワードT12101は、経歴情報受信手段120が受信した「キーワード」を格納するフィールドである。
【0072】
ユーザIDT12102は、経歴情報受信手段120が受信した「個人経歴情報を所有するユーザの個人識別情報」を格納するフィールドである。
【0073】
マシンIDT12103は、経歴情報受信手段120が受信した「個人PC1のIPアドレス」(個人PC1を識別可能なマシン識別情報)を格納するフィールドである。
【0074】
文書ファイルパスT12104は、経歴情報受信手段120が受信した「文書ファイルのパス」を格納するフィールドである。
【0075】
読み込み回数T12105は、経歴情報受信手段120が受信した「文書ファイルに対する読み込み回数」を格納するフィールドである。
【0076】
書き込み回数T12106は、経歴情報受信手段120が受信した「文書ファイルに対する書き込み回数」を格納するフィールドである。
【0077】
キーワード位置情報T12107は、経歴情報受信手段120が受信した「キーワード位置情報」を格納するフィールドである。
【0078】
経歴情報検索手段122は、組織や個人の経歴情報を検索したいユーザ(検索者)に対し、検索する情報を入力するためのインターフェース(入力を促す入力画面)を提供し、ユーザが、検索したい分野のキーワードや、検索したい個人についての情報を入力すると、入力された情報に基づいて組織経歴情報DB121から該当する情報を検索する。また、経歴情報検索手段122は、GUI(Graphical User Interface)を持つアプリケーションやWebブラウザ上で動作するWebアプリケーションとして実現すれば良い。ここで、経歴情報検索手段122が持つインターフェースとは、文字ベースのCUI(Character−based User Interface)インターフェースでもよいし、グラフィカルインターフェースでも構わない。
【0079】
経歴情報表示手段123は、経歴情報検索手段122が組織経歴情報DB121から検索した経歴情報を表示する結果表示インターフェースを有し、検索を実行したユーザ(検索者)に対して検索結果として取得した経歴情報を表示する。経歴情報表示手段123は、GUIを持つアプリケーションやWebブラウザ上で動作するWebアプリケーションとして実現すればよい。結果表示インターフェースは文字ベースのCUIインターフェースでも良いし、グラフィカルインターフェースでも構わない。
(動作の説明)
以下に、フローチャートを参照して本実施の形態における経歴情報管理方法について詳細に説明する。まずは、本形態における経歴情報管理方法のうち、図1に示した個人PC1の個人経歴情報生成手段11での動作について説明する。
【0080】
図6は、本形態における経歴情報管理方法のうち、図1に示した個人PC1の個人経歴情報生成手段11での動作を説明するためのフローチャートである。
【0081】
まず、キーワード検索手段110は、個人PC1に備えられている補助記憶装置4内の全ての文書ファイル5を対象にして、文書ファイル5に含まれているキーワードを検索する(ステップS1)。
【0082】
キーワード検索手段110は、補助記憶装置4内を常に巡回、または、ファイルの作成や変更されたファイルを検出し、あるいはその両方の方法で対象ファイルを確定し、確定した文書ファイル5内におけるキーワードの検索を、出現頻度により重要度を特定するTF−IDF方式や予め抽出するキーワードを辞書として保有しておく辞書方式によりキーワードを抽出する。また、キーワード検索手段110は、抽出したキーワードがファイルの先頭から何バイト目に存在するかを示すキーワード位置情報を算出する。そして、キーワード検索手段110は、キーワード文字列を個人経歴情報DB112のキーワードT11201に、キーワードを含む文書ファイルの文書ファイルパスを文書ファイルパスT11202に、キーワード位置情報をキーワード位置情報T11203に、変更フラグT11204に変更したことを示す値である「1」を格納する。また、キーワードを含む文書ファイルパスをファイルアクセスDB113の文書ファイルパスT11301に格納し、読み込み回数T11302に「0」を、書き込み回数T11303に「0」を、変更フラグT11304に「1」を格納する。
【0083】
また、ファイルアクセス監視手段111が、個人PC1に存在する文書ファイル5に対して、アプリケーション6を用いてアクセスすることを監視する(ステップS2)。
【0084】
ファイルアクセス監視手段111は、文書ファイル5に対してアプリケーション6が読み込みまたは書き込みをしたことを監視する。また、ファイルアクセス監視手段111は、監視の結果、読み込みまたは書き込みされた場合、文書ファイル5の文書ファイルパスをキーとして、ファイルアクセスDB113を検索する。また、ファイルアクセス監視手段111は、検索の結果、該当するレコードが存在した場合は、そのレコードの読み込み回数T11302または書き込み回数T11303の値を1つ増加(インクリメント)させる。この場合、ファイルアクセス監視手段111は、変更フラグT11304を「1」に設定すると共に、読み込みが発生した場合は読み込み回数T11302を増加させ、書き込みが発生した場合は書き込み回数T11303を増加させる。なお、ファイルアクセス監視手段111は、文書ファイル5に関連付けられているアプリケーション6からの読み込みまたは書き込みを検出した場合のみ、ファイルアクセスDB113を検索する。通常OSでは、文書ファイルの種別に対して編集するアプリケーションが関連付けられている。文書ファイルに関連付けられていないアプリケーションによるアクセスを検出した場合は、ファイルアクセスDB113を検索しない。なお、このステップS2の処理は、他のステップの処理とは非同期に実行され、個人PC1が起動している間は常に実行される。
【0085】
また、経歴情報送信手段114が、個人経歴情報DB112に記録されている個人経歴情報を組織内サーバ2上で動作する組織経歴情報収集手段12の経歴情報受信手段120へ送信する(ステップS3)。
【0086】
経歴情報送信手段114は、個人経歴情報DB112の全レコードの中から、変更フラグT11204が「1」に設定されているもののみを検索する。続いて、経歴情報送信手段114は、その検索されたレコードの文書ファイルパスT11202をキーとして、ファイルアクセスDB113を検索する。そして、経歴情報送信手段114は、該当するレコードを見つけると、そのレコードの読み込み回数T11302または書き込み回数T11303が一定の回数以上である場合、その文書ファイルパスT11202を持つレコードを送信対象データとする。この「一定の回数」は、個人の経歴情報がどれくらいアクセスされていれば「頻繁に使用」しているかを示す閾値となり、この数値は装置固定でも構わないし、装置の利用者が変更できるようにしても構わない。また、個人経歴情報DB112のレコードの変更フラグT11204が「0」に設定されていても、そのレコードの文書ファイルパスT11202をキーとして、ファイルアクセスDB113を検索し、該当するレコードの読み込み回数T11302または書き込み回数T11303が一定の回数以上であり且つ変更フラグT11304が「1」に設定されている場合についても、その文書ファイルパスT11202を持つレコードを送信対象データとする。経歴情報送信手段114はその送信対象データであるレコード内のキーワードT11201と、文書ファイルパスT11202と、キーワード位置情報T11203と、文書ファイルパスT11202をキーとしてファイルアクセスDB113から検索した読み込み回数T11302及び書き込み回数T11303の値と、個人PC1に割り当てられているユーザIDと、個人PC1を識別するためのマシンIDとを経歴情報受信手段120へ送信する。
【0087】
この送信が成功すれば、経歴情報送信手段114は、変更フラグT11204及び変更フラグT11304を「0」に設定する。個人PC1に割り当てられているユーザ情報とは、この個人PC1を使っている利用者個人を識別できる情報であれば何でも良い。例えば、個人PC1へのログインユーザ名などでよい。また、個人PC1を識別するためのマシンIDは、IPアドレスや製造番号、資産管理番号など、個人PC1を識別可能な識別情報で良い。
【0088】
このステップS3の処理は、ステップS1の処理及びステップS2の処理が実行された後、逐次的に実行しても良いし、ステップS1の処理及びステップS2の処理とは非同期的に所定のタイミングで実行しても構わない。例えば、ステップS3の処理を一定時間おきに周期的に実行しても構わない。逐次的に実行される場合は、再びステップS1の処理に戻り、実行を継続する。
【0089】
次に、本形態における経歴情報管理方法のうち、図1に示した組織内サーバ2の組織経歴情報収集手段12の動作について説明する。
【0090】
図7は、本形態における経歴情報管理方法のうち、図1に示した組織内サーバ2の組織経歴情報収集手段12の動作を説明するためのフローチャートである。
【0091】
経歴情報受信手段120は、経歴情報送信手段114から送信されてきた個人経歴情報を受信し、組織経歴情報DB121に登録する(ステップS4)。
【0092】
経歴情報受信手段120は、経歴情報送信手段114から、キーワードT11201と、文書ファイルパスT11202と、キーワード位置情報T11203と、読み込み回数T11302及び書き込み回数T11303の値と、個人PC1に割り当てられているユーザIDと、個人PC1を識別するためのマシンIDとを受信する。また、経歴情報受信手段120は、受信したキーワードT11201を組織経歴情報DB121のキーワードT12101に、ユーザIDをユーザIDT12102に、マシンIDをマシンIDT12103に、文書ファイルパスT11202を文書ファイルパスT12104に、読み込み回数T11302を読み込み回数T12105に、書き込み回数T11303を書き込み回数T12106に、キーワード位置情報T11203をキーワード位置情報T12107にそれぞれ格納する。このステップS4の処理は、以下に説明するステップS5の処理とは非同期に実行され、組織内サーバ2が起動している間は常に実行される。
【0093】
また、経歴情報検索手段122は、組織内サーバ2の外部から検索者によって入力された情報に基づいて、組織経歴情報DB121を検索して、検索結果を経歴情報表示手段123に表示する(ステップS5)。
【0094】
経歴情報検索手段122は、検索者が検索したい技術情報のキーワードや検索したいユーザIDなどの検索条件を入力するためのインターフェースを持ち、そのインターフェースを用いて入力された情報(検索情報)を検索条件として取得する。経歴情報検索手段122は、入力された検索条件に基づいて、組織経歴情報DB121内のレコード(経歴情報)を検索し、検索条件と一致したレコードを検索結果として経歴情報表示手段123へ出力する。
【0095】
経歴情報表示手段123は、検索結果を表示する結果表示インターフェースを持ち、経歴情報検索手段122から受け取った検索結果を結果表示インターフェースに表示する。
【0096】
以上説明したステップをすべて実行すると、組織経歴情報DB121には、特定のキーワードすなわち経歴や技術情報に対して、一定数のアクセス頻度が確認された文書ファイルに含まれているキーワードを個人との関連が深い情報として重み付けされた個人経歴情報が収集され、より高精度な個人経歴情報を検索することが可能となる。
(実施例)
以下に、具体的な実施例を用いて本発明を実施するための形態の動作を説明する。
【0097】
図8は、本形態における具体的な実施例を説明するための構成図である。
【0098】
図8に示すように、組織に属する各人の所有する個人PC1と、ネットワーク3を介して個人PC1と接続された組織内サーバ2とが存在する。
【0099】
個人PC1には、「192.168.0.1」というIPアドレスが設定され、また、組織内サーバ2には、「192.168.0.254」というIPアドレスが設定されている。
【0100】
ここで、個人PC1を使用する利用者である個人は、「日電太郎」という名前で、個人PC1にログインするIDは「日電太郎」とする。個人PC1には、文書ファイル5が格納されており、その文書ファイルパスは「C:¥aaa¥bbb.txt」である。また、この文書ファイルには「情報共有」のいうキーワードが先頭から10バイト目、35バイト目、及び118バイト目に格納されている。また、文書ファイル5を編集または参照する際に通常使用されるアプリケーション6として、「notepad.exe」というアプリケーションが使用される。なお、この実施例では、個人の経歴情報がどれくらいアクセスされていれば「頻繁に使用」しているかを示す閾値が「100回」に設定されている場合を例に挙げて説明する。
【0101】
上述した図6を用いて、本実施例における個人PC1の個人経歴情報生成手段11の動作について詳細に説明する。
【0102】
ステップS1にて、キーワード検索手段110は、個人PC1に備えられている補助記憶装置4内の全ての文書ファイル5を対象にして、文書ファイル5に含まれているキーワードを検索する。キーワード検索手段110は、ファイルの作成や変更されたファイルを検出し、対象ファイルを確定し、確定した文書ファイル5内におけるキーワードの検索を、出現頻度により重要度を特定するTF−IDF方式により検索する。キーワード検索手段110は、その結果「情報共有」というキーワードを文書ファイル5から抽出し、そのキーワードがファイルの先頭から10バイト目、35バイト目、及び118バイト目に存在するというキーワード位置情報を算出する。そして、キーワード検索手段110は、キーワード文字列「情報共有」を個人経歴情報DB112のキーワードT11201に、キーワードを含む文書ファイルの文書ファイルパス「C:¥aaa¥bbb.txt」を文書ファイルパスT11202に、キーワード位置情報「10,35,118」をキーワード位置情報T11203に、変更フラグT11204に変更したことを示す値である「1」を格納する。また、キーワード検索手段110は、キーワードを含む文書ファイルパス「C:¥aaa¥bbb.txt」をファイルアクセスDB113の文書ファイルパスT11301に格納し、読み込み回数T11302に「0」を、書き込み回数T11303に「0」を、変更フラグT11304に「1」を格納する。
【0103】
また、ステップS2にて、ファイルアクセス監視手段111は、個人PC1に存在する文書ファイル5に対して、アプリケーション6を用いてアクセスすることを監視する。利用者が文書ファイル5をアプリケーション6を用いて読み込んだ場合、ファイルアクセス監視手段111は、文書ファイル5に対してアプリケーション6が読み込んだことを監視する。アプリケーション6は、文書ファイル5に関連づけられたアプリケーションであるため、文書ファイル5の文書ファイルパスをキーとして、ファイルアクセスDB113を検索する。その結果、該当するレコードが存在するため、ファイルアクセス監視手段111は、そのレコードの読み込み回数T11302の値を1つ増加させ、変更フラグT11304を「1」に設定する。本実施例では、利用者が文書ファイル5をアプリケーション6を用いて100回読み込んだとし、このステップS2の処理も100回実行が繰り返され、文書ファイルパスT11301が「C:¥aaa¥bbb.txt」となっているレコードの読み込み回数T11302の値も「100」が記録される。
【0104】
そして、ステップS3にて、経歴情報送信手段114は、個人経歴情報DB112に記録されている個人経歴情報を組織内サーバ2上で動作する組織経歴情報収集手段12の経歴情報受信手段120へ送信する。このとき、経歴情報送信手段114は、個人経歴情報DB112の全レコードの中から、変更フラグT11204が「1」に設定されているもののみを検索する。その結果、経歴情報送信手段114は、文書ファイルパスT11202に「C:¥aaa¥bbb.txt」が格納されているレコードを発見する。続いて、経歴情報送信手段114は、その発見されたレコードの文書ファイルパスT11202をキーとして、ファイルアクセスDB113を検索する。すると、該当するレコードが発見されるため、経歴情報送信手段114は、そのレコードの読み込み回数T11302または書き込み回数T11303が一定の回数以上であるかどうかをチェックする。ここで、読み込み回数T11302が「100」であり、個人の経歴情報がどれくらいアクセスされていれば「頻繁に使用」しているかを示す閾値の「100回」以上であるため、その文書ファイルパスT11202を持つレコードは送信対象データとされる。経歴情報送信手段114は、その送信対象データであるレコード内のキーワードT11201「情報共有」と、文書ファイルパスT11202「C:¥aaa¥bbb.txt」と、キーワード位置情報T11203「10,35,118」と、文書ファイルパスT11202をキーとしてファイルアクセスDB113から検索した読み込み回数T11302「100」及び書き込み回数T11303「0」の値と、個人PC1に割り当てられているユーザID「日電太郎」と、個人PC1を識別するためのマシンID「192.168.0.1」とを経歴情報受信手段120へ送信する。送信が成功すれば、経歴情報送信手段114は、変更フラグT11204及び変更フラグT11304を「0」に設定する。
【0105】
次に、上述した図7を用いて、本実施例における組織内サーバ2の組織経歴情報収集手段12の動作について詳細に説明する。
【0106】
ステップS4にて、経歴情報受信手段120は、経歴情報送信手段114から送信されてきた個人経歴情報を受信し、組織経歴情報DB121に登録する。経歴情報受信手段120は、経歴情報送信手段114から、キーワードT11201「情報共有」と、文書ファイルパスT11202「C:¥aaa¥bbb.txt」と、キーワード位置情報T11203「10,35,118」と、読み込み回数T11302「100」及び書き込み回数T11303「0」と、個人PC1に割り当てられているユーザID「日電太郎」と、個人PC1を識別するためのマシンID「192.168.0.1」とを受信し、キーワードT11201を組織経歴情報DB121のキーワードT12101に、ユーザIDをユーザIDT12102に、マシンIDをマシンIDT12103に、文書ファイルパスT11202を文書ファイルパスT12104に、読み込み回数T11302を読み込み回数T12105に、書き込み回数T11303を書き込み回数T12106に、キーワード位置情報T11203をキーワード位置情報T12107にそれぞれ格納する。
【0107】
また、ステップS5にて、経歴情報検索手段122は、組織内サーバ2の外部から検索者によって入力された情報に基づいて、組織経歴情報DB121を検索して、検索結果を経歴情報表示手段123に表示する。
【0108】
図9は、図1に示した経歴情報検索手段122が有するインターフェース(表示画面)の一例を示す図である。
【0109】
図1に示した経歴情報検索手段122は、図9に示すようなインターフェース12201を持つ。インターフェース12201は、情報を検索する検索者が検索したい技術情報のキーワード(情報)を入力するためのフィールド12202と、検索ボタン12203とを持ち、そのインターフェース12201から検索条件「情報共有」を取得する。つまり、フィールド12202に検索条件となる情報が入力された後、検索ボタン12203が押された(選択された)ときに、フィールド12202に入力されている情報が検索条件となる。
【0110】
経歴情報検索手段122は、インターフェース12201に入力された検索情報に基づいて、組織経歴情報DB121内のレコードを検索し、キーワードT12101に「情報共有」が格納されているレコードを発見し、発見したレコードを経歴情報表示手段123へ出力する。
【0111】
図10は、図1に示した経歴情報表示手段123が有する結果表示インターフェース(表示画面)の一例を示す図である。
【0112】
図1に示した経歴情報表示手段123は、図10に示すような結果を表示する結果表示インターフェース12301を持つ。結果表示インターフェース12301は、経歴情報検索手段122から受け取った結果を表示する結果表示フィールド12302を持ち、受け取った結果を結果表示インターフェース12301内の結果表示フィールド12302に表示する。
【0113】
以上、本発明の実施例について説明したが、上記実施例に限定されるものではなく、その用紙を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
【0114】
また、上述した個人経歴情報生成手段11および組織経歴情報収集手段12の処理は、目的に応じてそれぞれ作製された論理回路で行うようにしても良い。また、それぞれの処理内容を手順として記述したプログラムを個人PC1および組織内サーバ2にてそれぞれ読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを個人PC1および組織内サーバ2それぞれに読み込ませ、それぞれ実行するものであっても良い。個人PC1および組織内サーバ2にて読取可能な記録媒体とは、フロッピーディスク(登録商標)、光磁気ディスク、DVD、CDなどの移設可能な記録媒体の他、個人PC1および組織内サーバ2それぞれに内蔵されたROM、RAM等のメモリやHDD等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、個人PC1および組織内サーバ2内のそれぞれのCPU(不図示)にて読み込まれ、CPUの制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、CPUは、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。
【0115】
本発明は、学校内、企業内で保有する技術情報の共有システムといった用途に適用できる。また、企業間における求人検索システムといった用途にも適用可能である。
【0116】
以上説明した本発明は、以下の効果を奏する。
【0117】
第1の効果は、個人と文書ファイルとの関連性を、従来技術よりも高精度に判定できることにある。その理由は、ファイルアクセス監視手段により、特定のキーワードすなわち経歴や技術情報に対して、特にアクセス頻度の高い文書ファイルに含まれているキーワードを個人との関連が深い情報として重み付けるためである。
【0118】
第2の効果は、個人PC内の全ての文書ファイルから、個人に対する経歴情報、技術を一定の基準で自動的且つ網羅的に抽出できることにある。その理由は、キーワード検索手段により、個人PC内の全ての文書ファイルを対象にして、特定のキーワードを検索するからである。
【0119】
以上により、個人と文書ファイルとの関連性を従来技術よりも高精度に判定することにより、本発明の目的を達成することができる。
【符号の説明】
【0120】
1,1−1〜1−3 個人PC
2 組織内サーバ
3 ネットワーク
4 補助記憶装置
5 文書ファイル
6 アプリケーション
10 経歴情報管理システム
11,11−1〜11−3 個人経歴情報生成手段
12 組織経歴情報収集手段
110 キーワード検索手段
111 ファイルアクセス監視手段
112 個人経歴情報DB
113 ファイルアクセスDB
114 経歴情報送信手段
120 経歴情報受信手段
121 組織経歴情報DB
122 経歴情報検索手段
123 経歴情報表示手段
12201 インターフェース
12202 フィールド
12203 検索ボタン
12301 結果表示インターフェース
12302 結果表示フィールド
T11201,T12101 キーワード
T11202,T11301,T12104 文書ファイルパス
T11203,T12107 キーワード位置情報
T11204,T11304 変更フラグ
T11302,T12105 読み込み回数
T11303,T12106 書き込み回数
T12102 ユーザID
T12103 マシンID

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人で使用するコンピュータ内に設けられ、当該コンピュータ内に格納されている文書ファイルへの該文書ファイルに関連付けられているアプリケーションを用いたアクセス回数を監視し、該アクセス回数が所定の閾値以上である場合、前記個人を識別可能な個人識別情報と、当該コンピュータを識別可能なマシン識別情報と、前記文書ファイルを特定可能な文書ファイル特定情報と、前記文書ファイルに含まれるキーワードとを対応付けた経歴情報を送信する個人経歴情報生成手段と、
前記個人経歴情報生成手段から送信されてきた経歴情報を格納し、外部から入力された情報に基づいて、前記経歴情報を検索し、該検索された経歴情報を表示する組織経歴情報収集手段とを有する経歴情報管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の経歴情報管理システムにおいて、
前記組織経歴情報収集手段は、前記個人識別情報と前記マシン識別情報と前記ファイル特定情報と前記キーワードとのうち、いずれか1つの情報が外部から入力された場合、該入力された情報に基づいて、前記経歴情報を検索することを特徴とする経歴情報管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の経歴情報管理システムにおいて、
前記個人経歴情報生成手段は、前記コンピュータ内に格納されている文書ファイルの中から特定の前記キーワードを含む文書ファイルを特定することを特徴とする経歴情報管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の経歴情報管理システムにおいて、
前記組織経歴情報収集手段は、前記コンピュータと通信可能に接続されているサーバに設けられていることを特徴とする経歴情報管理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の経歴情報管理システムにおいて、
前記個人経歴情報生成手段は、前記経歴情報を所定のタイミングで送信することを特徴とする経歴情報管理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の経歴情報管理システムにおいて、
前記個人経歴情報生成手段は、前記経歴情報を一定の周期で送信することを特徴とする経歴情報管理システム。
【請求項7】
請求項1に記載の経歴情報管理システムにおいて、
前記個人経歴情報生成手段は、前記文書ファイルへの書き込み回数を前記アクセス回数として監視することを特徴とする経歴情報管理システム。
【請求項8】
請求項1に記載の経歴情報管理システムにおいて、
前記個人経歴情報生成手段は、前記文書ファイルの読み込み回数を前記アクセス回数として監視することを特徴とする経歴情報管理システム。
【請求項9】
請求項1に記載の経歴情報管理システムにおいて、
前記組織経歴情報収集手段は、外部からの前記情報の入力を促す入力画面を表示することを特徴とする経歴情報管理システム。
【請求項10】
個人で使用するコンピュータと、該コンピュータと通信可能に接続されているサーバとにおいて、前記個人の経歴情報を管理する経歴情報管理方法であって、
前記コンピュータが、当該コンピュータ内に格納されている文書ファイルへの該文書ファイルに関連付けられているアプリケーションを用いたアクセス回数を監視する処理と、
前記コンピュータが、前記アクセス回数が所定の閾値以上である場合、前記個人を識別可能な個人識別情報と、前記コンピュータを識別可能なマシン識別情報と、前記文書ファイルを特定可能な文書ファイル特定情報と、前記文書ファイルに含まれるキーワードとを対応付けた経歴情報を前記サーバへ送信する処理と、
前記サーバが、前記コンピュータから送信されてきた経歴情報を格納する処理と、
前記サーバが、該サーバの外部から入力された情報に基づいて、前記経歴情報を検索する処理と、
前記サーバが、前記検索された経歴情報を表示する処理とを有する経歴情報管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−141793(P2011−141793A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−2747(P2010−2747)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】