説明

経皮穿刺部を封止するための方法およびシステム

患者の穿刺部を封止するための装置は、患者の皮膚の穿刺部に挿通するよう構成した細長制御部材を有する封止コンポーネントを備える。封止コンポーネントは、細長制御部材の遠位端部近傍に配置した拡張可能部材と、拡張可能部材の遠位側で細長制御部材に着脱可能に取り付ける先端部と、を備える。装置は、封止コンポーネントの細長制御部材がその内部に延在するよう構成した送給チューブを有する封止材送給コンポーネントも備える。送給チューブは、送給チューブの遠位端部の開口から封止材を送給するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2008年8月26日に出願された米国仮出願番号第61/190,085号および2009年6月4日に出願された米国仮出願番号第61/213,407号の優先権の恩典を請求するものであり、これら仮出願のいずれも、参照することによってその全てを本明細書に組み込むこととする。
【0002】
本開示は、一般に、封止方法および封止システムに関し、より詳しくは、経皮穿刺部の封止方法および封止システムに関する。
【0003】
本発明は、一般に、種々の医療処置に対する穿刺部の封止に関し、より詳しくは、特定の実施形態において、穿刺部に射出される多段式封止材を使用する穿刺部等の封止に関する。
【背景技術】
【0004】
特定の医療処置は、体腔にアクセスして医療処置を実施するために、患者の体組織に対する経皮穿刺を必要とする。このような処置の一例は、患者の脈管系内部アクセスするため、体組織および血管に対する穿刺である。一般的に血管壁の経皮穿刺を必要とするこのような処置は、バルーン血管形成術、動脈造影、静脈造影、血管造影法、および血管カテーテルを使用する他の診断処置である。体組織を経て体腔内への穿刺を必要とする他の処置例としては、微小切開を使用する腹腔鏡手術および他の顕微鏡外科手術技術がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これら処置のそれぞれでは、外科処置後に体組織に対する切開部または穿刺部を閉鎖する必要がある。このような穿刺部を閉鎖するための種々の従来技術による装置および技術が存在するが、従来技術に関する主要な問題の一つは、穿刺部の完全な封止の保証である。本明細書で説明する発明は、この問題および他の問題を解決することによって、従来技術を改善するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様では、本開示は、患者の穿刺部を封止するための装置を提供する。この装置は、患者の皮膚の穿刺部を通過するように構成した細長制御部材を有する封止コンポーネントを備える。この封止コンポーネントは、さらに、細長制御部材の遠位端(末端)部近傍に配置した伸張可能部材と、この伸張可能部材の遠位(末端側)で細長制御部材に着脱可能に取り付けた先端部とを備える。装置は、さらに、封止コンポーネントの細長制御部材が内部を貫通するように構成した送給チューブを有する封止材送給コンポーネントを備える。送給チューブは、送給チューブの遠位端部の開口を経て封止材を送給するように構成する。
【0007】
他の態様では、本発明は、患者の体腔の壁部における穿刺部を封止する方法を提供する。この方法は、患者の体腔の壁部における穿刺部を介して封止コンポーネントおよび封止材送給コンポーネントを挿入するステップを有する。封止材送給コンポーネントは送給チューブを備え、封止コンポーネントは送給チューブに摺動可能に配置し、また封止コンポーネントは細長制御部材を備える。本発明方法は、さらに、細長制御部材に連結した伸張可能部材を穿刺部から体腔内に挿入するステップと、拡張可能部材が送給チューブの遠位端部よりも遠位側に露出して、体腔内に挿入されるとき、拡張可能部材が拡張するステップと、拡張可能部材を体腔の壁部の遠位側表面近傍に移動させるステップとを備える。この方法は、さらに、第1封止材を送給チューブの遠位端部から体腔内に送給するステップと、細長制御部材を患者から抜き出すステップと、細長制御部材を患者から抜き出した後に第2封止材を体腔の壁部の近位(基端)側に送給するステップと、を備える。
【0008】
さらに他の態様では、本発明は、患者の体腔の壁部における穿刺部を封止する方法を提供する。この方法は、封止コンポーネントおよび封止材送給コンポーネントを、患者の体腔の壁部における穿刺部を介して挿入するステップを有する。封止材送給コンポーネントは送給チューブを備え、封止コンポーネントは送給チューブに摺動可能に配置し、さらに封止コンポーネントは細長制御部材を備える。本発明方法は、さらに、細長制御部材に連結する拡張可能部材を穿刺部から体腔内に挿入するステップと、拡張可能部材が送給チューブの遠位端部の遠位側にあって、体腔内に挿入したとき拡張可能部材を拡張するステップと、体腔の壁部の遠位表面近傍に拡張可能部材を移動するステップと、を有する。本発明方法は、さらに、送給チューブの遠位端部を介して穿刺部内に封止材を送給するステップと、細長制御部材および拡張可能部材の遠位に配置する先端部を封止材内に挿入するステップと、先端部が封止材内に存在するとき先端部を細長制御部材から取り外すステップと、を有する。
【0009】
さらに別の態様では、本発明は、患者の体腔の壁部における穿刺部を封止する方法を提供する。この方法は、封止コンポーネントおよび封止材送給コンポーネントを、患者の体腔の壁部における穿刺部から挿入するステップを有する。封止材送給コンポーネントは送給チューブを備え、封止コンポーネントは送給チューブに摺動可能に配置して、さらに封止コンポーネントは細長制御部材を備える。本発明方法は、さらに、細長制御部材に連結する拡張可能部材を穿刺部から体腔内に挿入するステップと、拡張可能部材が送給チューブの遠位端部の遠位にあって、体腔内に挿入したとき拡張可能部材を拡張するステップと、を有する。本発明方法は、さらに、拡張可能状態の拡張可能部材が体腔の壁部の遠位表面に衝合するまで、封止コンポーネントを収縮させることによって患者に対して体腔の壁部を見出すステップと、送給チューブの遠位端部および体腔の壁部の近位に封止材を送給するステップと、を有する。
【0010】
本発明のさらなる態様では、本発明は、患者の穿刺部を封止するための封止コンポーネントを提供する。封止コンポーネントは、患者の皮膚の穿刺部に貫通するように構成した細長制御部材と、細長制御部材の遠位端部近傍に配置する拡張可能部材と、拡張可能部材の遠位側で細長制御部材に着脱可能に取り付ける先端部と、を備える。
【0011】
本発明のさらに他の態様では、本発明は、患者の体腔の壁部における穿刺部を封止する方法を提供する。この方法は、患者の体腔の壁部における穿刺部を介して封止コンポーネントおよび封止材送給コンポーネントを挿入するステップを有する。封止材送給コンポーネントは送給チューブを有し、封止コンポーネントは、この送給チューブに摺動可能に配置して、さらに封止コンポーネントは細長制御部材を備える。方法は、さらに、細長制御部材に着脱可能に連結する拡張可能部材を、穿刺部から体腔内に挿入するステップと、拡張可能部材が送給チューブの遠位端部の遠位にあって、さらに体腔内に挿入したとき、拡張可能部材を拡張するステップと、拡張可能部材を体腔の壁部の遠位表面近傍に移動するステップと、を有する。本発明方法は、さらに、封止材を送給チューブの遠位端部から穿刺部内に送給するステップと、拡張可能部材を収縮させるステップと、収縮した拡張可能部材を封止材に形成するキャビティに挿入するステップと、を有する。方法は、封止材に形成するキャビティ内に拡張可能部材を拡張するステップと、拡張可能部材が封止材内に存在すると、拡張状態の拡張可能部材を細長制御部材から取り外すステップと、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】例示的な実施形態における、送給コンポーネントを示す側面図である。
【図2】例示的な実施形態における、一時的封止コンポーネントを示す側面図である。
【図3】例示的な実施形態における、封止システムを組み立てて、血管から突出するガイドシース内に挿入する状態を示す。
【図4】例示的な実施形態における、ガイドシースおよび組み立てた封止システムが後退した位置にある状態を示す。
【図5】例示的な実施形態における、封止システムが第1段封止材を穿刺部内に送給する状態を示す。
【図6】例示的な実施形態における、組み立てた封止システムから一時的封止コンポーネント除去した状態を示す。
【図7】例示的な実施形態における、送給コンポーネントが第2段封止材を穿刺部内に送給する状態を示す。
【図8】例示的な実施形態における、ガイドシースが挿入した封止システムによる閉止中に組織内に留まっている状態を示す。
【図9】例示的な実施形態における、止血栓(タンポン)部材が衝合するまでガイドシースを引き上げた状態を示す。
【図10】例示的な実施形態における、止血栓(タンポン)部材から離れるようガイドシースを引き戻した状態を示す。
【図11】例示的な実施形態における、封止システムを既知の引張力で後退させ、またガイドシースに皮膚固定ハブを取り付けた状態を示す。
【図12】例示的な実施形態における、送給チューブに皮膚固定ハブを取り付けた状態を示す。
【図13】例示的な実施形態における、第2段封止材を送給する前に送給チューブを後退させた状態を示す。
【図14】例示的な実施形態における、第2段封止材をガイドシース内で送給する状態を示す。
【図15】例示的な実施形態における、拡張部材を送給チューブに取り付け、また体組織内に位置決めした状態を示す。
【図16】例示的な実施形態における、拡張部材を送給チューブに取り付け、またガイドシース内に位置決めした状態を示す。
【図17】第1段封止材を送給して先端部を位置決めするための中空キャビティを形成する封止システムの例示的な実施形態を示す。
【図18】第1段封止材を送給した後に、封止システムによって形成する中空キャビティの例示的な実施形態を示す。
【図19】中空キャビティ内に位置決めする先端部および第2段封止材の例示的な実施形態を示す。
【図20】本体の側面に固定した棘部を備える先端部の例示的な実施形態を示す。
【図21】本体の周囲にリングを備える先端部の例示的な実施形態である。
【図22】本体の周囲に別個のリングを備える先端部の例示的な実施形態である。
【図23】拡張可能な先端部の例示的な実施形態である。
【図24】縫合糸の本体内に結んだ結節を備える縫合糸で構成した先端部の例示的な実施形態を示す。
【図25】ディスクを有する本体内に結んだ結節を備える縫合糸で構成した先端部の例示的な実施形態を示す。
【図26】編組構造で構成した先端部の例示的な実施形態を示す。
【図27】柔軟で曲げ易い端部を有する半剛性体で構成した先端部の例示的な実施形態を示す。
【図28】第1段封止材および第2段封止材内に位置決めした先端部の例示的な実施形態である。
【図29】第1段封止材内に位置決めする先端部の例示的な実施形態を示す。
【図30】血管壁に密接するよう位置決めした先端部の例示的な実施形態である。
【図31】第1段封止材および第2段封止材と接触する先端部の実施形態である。
【図32】先端部を一時的封止コンポーネントに着脱可能に取り付ける機構の例示的な実施形態を示す。
【図33】先端部を一時的封止コンポーネントに着脱可能に取り付ける機構の例示的な実施形態を示す。
【図34】先端部を一時的な封止コンポーネントに着脱可能に取り付ける機構の例示的な実施形態を示す。
【図35】先端部を一時的な封止コンポーネントに着脱可能に取り付ける機構の例示的な実施形態を示す。
【0013】
これらの図面および以下の詳細な説明は、本発明の特定の実施形態を開示するものであるが、本発明の概念をそれに限定するものではなく、他の形態で実施することが可能であることを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の例示的な実施形態をここでより詳細に説明し、これらの実施例を、添付図面に示す。可能であるならば、同一の参照符号は、図面全体にわたり使用し、同一または類似の部分を示す。
【0015】
本明細書に記載するシステムは、患者の体腔にアクセスするよう患者の体組織に形成する経皮穿刺部を閉鎖または封止するために使用することができる。これらの経皮穿刺部からのアクセスによって、医師は、検査、手術、治療等のための体腔内および体腔を介する種々の処置を行うことが可能となる。限定するものではないが、このシステムは、種々の処置のため患者の血管にアクセスするよう形成する経皮穿刺部を封止するのに使用することを図示する。このシステムは、小さい切開を使用する腹腔鏡手術および他の顕微鏡手術技術に伴う、体組織からキャビティ内にいたる穿刺部の封止を必要とする他の処置にも適用することができる。
【0016】
用語「近位(基端側)の」および「遠位(末端側)の」は、本明細書において、例示的な封止システム10のコンポーネンツにおける相対的な位置を示すために使用する。本明細書で使用すると、用語「近位(基端側)の」は、体の外側に比較的近接する、または封止システム10を使用する外科医師に比較的近接する位置を示す。対照的に、用語「遠位(末端側)の」は、封止システム10を使用する外科医師から比較的離れる側、または体の内部に比較的近接する位置を示す。
【0017】
封止システム10の例示的な実施形態は、医学的処置に付随する事象として、皮膚SK、体組織BTおよび血管BVの壁BVWに形成する、図3に示す経皮穿刺部PPを封止するために使用することを示す。一般に、使用する血管BVは、比較的大きい血管流路または管腔BVLを備える鼠径部領域の大腿動脈であって、この大腿動脈は、血管BVを見つけ易く、またその血管壁BVWに十分な大きさの穿刺部を形成して処置を実施することができる。一般に、このような穿刺部を介して実施する医療処置は、カテーテルまたは他のタイプのプローブを血管管腔BVL内に沿って挿通させる、血管形成術または他の処置である。このような処置を実施するとき、適切な針により初期経皮穿刺を、患者の皮膚SKから体組織BTおよび血管壁BVWを経て血管管空BVL内まで形成し、またガイドワイヤを導入する。針は、その後、ガイドワイヤを所定位置に残留させたまま取り外し、テーパー付誘導ガイドシースGSをガイドワイヤ上に挿通して穿刺部を拡開させ、血管BVへのアクセスを容易にする。ガイドシースGSは、通路を開いた状態に維持し、また医療処置中に、通路周囲の組織BTおよび皮膚SKにダメージを与えることを防止するよう作用する。ガイドシースGSは、必ずしも本発明に関連して使用する必要はないが、封止システム10の導入を支援するものであり、このことは以下でより明らかになるであろう。
【0018】
図1および図2につき説明すると、封止システム10の例示的な実施形態は、一時的封止コンポーネント11および封止材送給コンポーネント12を示す。コネクタ14は、封止材送給コンポーネント12に対する一時的封止コンポーネント11の位置決めを相対的な1つまたはそれ以上の規定位置に行うのを可能とし、また、穿刺部PP内に挿入するとき、一時的封止コンポーネント11および封止材送給コンポーネント12を確実に配置することが可能となる。一時的封止コンポーネント11は、一般に、製造中に封止材送給コンポーネント内に予め組み立てて、封止システム10を形成することができる。
【0019】
図3に示すように、封止システム10は、導入ガイドシースGSを経て血管管腔BVL内に挿入する。以下により詳しく説明するように、一時的封止コンポーネント11の拡張可能止血栓(タンポン)部材21が拡張する。つぎに、封止システム10およびシースGSは、後退させ、一時的封止コンポーネント11の拡張可能止血栓部材21は、血管管空BVL内に向けて開口する穿刺部PPの内側端部を一時的に封止する作用を行う。一時的封止コンポーネント11は、血管BVの穿刺部PPを封止するのに適した適正な後退位置にある状態で、図4に示すように、封止材送給コンポーネント12を穿刺部PP内で、また穿刺した血管壁BVWの近位(基端)側に配置する。図5に示すように、封止材送給コンポーネント12を穿刺する血管壁BVWの近位側に配置するとき、穿刺部を封止する封止材の第1段67を封止材送給コンポーネント12から注入し、このことを以下により詳細に説明する。封止材の第1段67を導入した後に、図6に示すように、拡張止血栓部材21を収縮させ、また一時的封止コンポーネント11を取り出し、生体吸収性先端部23を残留させる。つぎに、図7に示すように、封止材送給コンポーネント12を取り出しながら、封止材の第2段68を穿刺部PPに導入する。
【0020】
図1につきさらに説明すると、封止材送給コンポーネント12の例示的な実施形態は、遠位端部64、送給チューブ60、第1連結部63、および第1封止材ポート65を備える。本発明の代替的な実施形態では、複数の封止材ポートを設けることができる。遠位端部64は開口部であって、封止材の第1段および第2段は、この開口部を経て穿刺部PP内に留置される。送給チューブ60は、本発明の範囲を逸脱することなく、任意の材料で作成することができる。ある実施形態では、送給チューブ60は、重合材料、例えば高密度度のポリエチレン(high-density polyethylene)またはポリアミドで形成する。
【0021】
図1は、キャビティ31,32を備える2重バレル構造のチューブとして示した送給チューブ60の例示的な断面図も示す。キャビティ31,32の形態は、種々の形状とすることができる。キャビティ31は、封止材(第1段67および/または第2段68)が通過して、遠位端部64から出て、穿刺部PPに留置されるキャビティとする。本発明の代替的な実施形態では、キャビティ31は、2個またはそれ以上のキャビティに分割することができ、封止材の異なる段67,68を、それぞれ異なるキャビティを通過させることができる。キャビティ32は、封止システム10を組み立てるとき、一時的封止コンポーネントが通過する空間とする。キャビティ32は、封止材の送給用に使用することもできて、特に、一時的な封止コンポーネント11をキャビティ32から取り外したとき、封止材の第2段を送給するのに使用することができる。
【0022】
穿刺部PPを封止する第1および第2段67,68に使用する封止材は、材料が穿刺部PPでの封止を維持する能力を有する限り、多数の異なる生体吸収材料のうち任意のものとすることができる。例えば、封止材は、流動可能な液体またはジェルとすることができる。封止材は、液体材料および固体材料の組み合わせとすることができ、例えば、封止材の第1段67は、予め形成した固体とし、封止材の第2段68は、流動可能な材料とすることができる。さらに他の実施形態では、封止材は、封止材を封止材送給コンポーネント12に挿入する前に混合する化合物、または封止材送給コンポーネント12を通過すると同時に混合する化合物とすることができる。封止材は、体組織BTを穿刺部PPに実際的に結合する材料、例えば生体吸収接着剤とすることができる。本明細書に記載の実施形態では、封止材は、流動可能状態のポリエチレングリコールベースの接着剤とする。
【0023】
図2に示す例示的な一時的封止コンポーネント11は、封止材送給コンポーネント12のキャビティ32内に嵌合し、これにより、2個のコンポーネントは、封止システム10内で組み合わさることができる。一時的封止コンポーネント11は、細長い可撓性の制御部材20を備える。制御部材20の遠位端部の近位(基端)側に、拡張可能止血栓部材21を取り付ける。止血栓として機能することの他に、拡張可能部材21は、以下に図4につき説明するように、位置決め機能も行うことができる。制御部材20は、遠位端部22および生体吸収性先端部23が、ガイドシースGSを介して血管管腔BVL内に挿通することができるように構成する。制御部材20の近位端部24は、拡張機構を備える第2連結部25に連結する。拡張機構は、拡張可能止血栓部材21の拡張および収縮を制御する。拡張機構は、拡張可能止血栓部材21のサイズを調整するための拡張ガス、液体、ばね、継手、または他の機械的または電気機械的コンポーネントの送給用のチューブを含む種々の形態をとることができる。ある実施形態では、第2連結部25は、シリンジ26に連結するためのポートまたはバルブ28を備える。ポート28は、制御部材20の近位端部24に接続し、シリンジ26からのガスまたは液体が、拡張止血栓部材21を拡張および縮小させることを可能とする。収縮状態では、拡張可能止血栓部材は、制御部材20の外側表面に密接に付着する。拡張状態では、拡張可能止血栓部材21は、図4に示してさらに以下に説明するように、体腔の穿刺部PPを封止するに十分な大きさとする。
【0024】
第2連結部25は、一時的封止コンポーネント11の、封止材送給コンポーネント12の第1連結部63に対する位置を固定するためのコネクタ14も備える。コネクタ14は、図2に示す例示的な実施形態でねじ付き部材として示す。しかし、コネクタ14は、種々の形態とすることができ、ばね、クリップおよび種々の凹部または凸部を含む様々な取り付け機構により第1連結部63に取り付けることができる。
【0025】
図2に示す例示的な実施形態は、さらに、制御部材20の断面図も示し、この断面図は膨張用管腔(ルーメン)30およびワイヤ27を示す。膨張用管腔(ルーメン)30は、液体またはガスが通過して拡張可能止血栓部材21を拡張および収縮させるキャビティである。ワイヤ27は、第2連結部25を生体吸収先端部23の近位端部に連結する。以下でさらに説明するように、生体吸収性先端部23は、ワイヤ27から取り外し、そして穿刺部PP内に留置し、穿刺部PPの封止を支援することができる。生体吸収性先端部23は、種々の材料、例えばポリエチレングリコール、ポリ乳酸、コラーゲン、生体付着性接着剤、またはこれらもしくは他の生体吸収性材料との組み合わせ、から作成することができる。先端部23は、代案としては、生体吸収性ではないが、体内への移植に適する、任意の生体親和性材料とすることができる。このような先端部は、後で生体から取り出すことも、生体に残留置させることもできる。
【0026】
止血栓部材21は、機械的、電気的、空気圧式または油圧式に、本発明の範囲を逸脱することなく、拡張および収縮することができることを理解されたい。止血栓部材21の特定の拡張可能外側形態は、使用する特定の環境に応じて選択することができる。特定サイズおよび形態を決めるために使用する基準は、穿刺部PPにおける血管条件、および穿刺部PP近傍における血管管腔BVLの断面サイズおよび形状である。拡張した止血栓部材21の最大断面寸法は、この止血栓部材21が穿刺部PPの内側端部に対して衝合するよう引き戻され、しかも血管管腔BVLを引っ張るまたは引掛かけて巻き上げることがないような小さいものとすることができる。穿刺部PPよりも少なくとも約1.5倍大きい、部材21における一方向に拡張した寸法は、止血栓部材21が、典型的な条件下で穿刺部PPをから引き戻されるのを防ぐに十分であればよいことが分かった。
【0027】
止血栓部材21の一つの機能は、流体が穿刺部PPのキャビティから漏れないように体腔を封止することである。封止を達成するためには、例示的な実施形態では、止血栓部材21の穿刺部PP近傍における部分の断面積を、穿刺部PPの断面積よりも大きくし、止血栓部材21が穿刺部PPの内側端部に衝合するよう止血栓部材21を引き戻すときに封止が確実となるようにすることができる。異なる拡張サイズを使用する場合、0.150〜0.200インチ(3.8〜5.1mm)のオーダーの寸法が、穿刺部PPを4フレンチの針で形成する、代表的条件下でうまくいく。
【0028】
止血栓部材21の他の機能は、体腔の内側表面を正確に見いだすことである。止血栓部材21を体腔の内壁に衝合する状態となるまで引き戻すよう一時的な封止コンポーネント11を後退させたとき、このことは、医師が、体腔壁の位置を知覚し、封止材送給コンポーネント12を適正に位置決めすることができる。
【0029】
本発明の範囲を限定することなく、図示の特定な一時的封止コンポーネント11は、膨張させることができる小さい膨張可能バルーンとして、図2に示す止血栓部材21を備えるバルーンカテーテルとすることができる。拡張状態では、止血栓部材21は、止血栓部材21と制御部材20との間における半径で形成される穿刺部対向面を有し、この対向面は、穿刺部PPの端部で制御部材20をほぼ心出しし、また穿刺部PPの端部を閉鎖状態に維持する作用を行う。このことは、血管壁BVWおよび体組織BTによって止血栓部材21に加わる力が制御部材周囲に均等に分布されるまで、穿刺部PPの端部で止血栓部材21が変位するためである。止血栓部材21は、制御部材20を介して膨張および収縮することはより明確であろう。膨張可能な止血栓部材21は、任意の適切な材料、例えばラテックスで形成することができる。止血栓部材21が機械的に拡張する代案としての実施形態では、止血栓部材21は、金属メッシュで形成し、この金属メッシュは、可撓性カバーを有するもの、または有しないものとすることができる。
【0030】
制御部材20は、穿刺部PPよりも相当小さい、細い細長可撓性部材とする。制御部材20の直径は、大腿動脈に関連する処置で、およそ0.03インチ(0.762mm)とすることができる。制御部材20は、血管管腔BVLから穿刺部PPを経て患者の外部に抜け出るまで延在するに十分な長さとし、これにより、手で操作できるようにする。止血栓部材21が膨張することができるように、制御部材20はバルブ28から、第2連結部25を経て、制御部材20の長さに沿って止血栓部材21の内部まで延在する膨張管腔30を画定する。このように、止血栓部材21は、患者の外部位置から、管腔30により膨張および収縮することができる。
【0031】
止血栓部材21は、種々の機械的、電気機械的、空気圧的、または液圧的技術のうち任意な技術で膨張および収縮することができる。図2に示す例示的な実施形態で示すように、止血栓部材21は、任意な普通の流体膨張装置、例えばシリンジ26によって膨張させる。シリンジ26または他の膨張装置は、バルーン血管形成術で既に使用されているものと同一タイプとすることができ、膨張管腔30を選択的に封止するために使用するバルブ28を介して制御部材20の外側端部に連結する。シリンジ26からの加圧膨張流体は、制御部材20の膨張管腔30に沿って、止血栓部材21内に流入し、この止血栓部材21を選択的に膨張させる。シリンジ26は、以下でさらに説明するように、止血栓部材21を抜き出すとき、止血栓部材21を収縮させるためにも使用する。
【0032】
図3につき説明すると、封止システム10の例示的な実施形態を、ガイドシースGSに挿入した状態で示す。一般に、ガイドシースGSは、外科処置に関連して穿刺部PPに配置することができる。図3に示す例示的な実施形態は、ガイドシースGSに封止システム10を挿入するステップを有するが、ガイドシースGSは、封止システム10を使用するために必ずしも必要ではない。外科的処置が完了するとき、封止システム10は、送給チューブ60、制御部材20、止血栓部材21、および生体吸収性先端部23が血管BV内に位置決めされるまで、ガイドシースGSに挿入することができる。
【0033】
図3に示す例示的な実施形態は、ガイドシースGSのハブ70に衝合した第1連結部63を示す。特定の実施形態では、封止システム10の第1連結部63は、ガイドシースGSのハブ70に取り付けることができる。このような取り付け特徴部は、ガイドシースGSに対する封止システム10の位置を固定するのに使用することができる。第1連結部63は、種々の機構、例えばねじ、クリップ、スナップ、凸部または凹部によりガイドシースGSのハブ70に取り付けることができる。
【0034】
止血栓部材21が血管BV内に配置された後、止血栓部材21は膨張し、これにより、その断面積は穿刺部PPの断面積よりも大きくなる。図3には示していないが、止血栓部材21は、拡張機構、例えば図2に示すシリンジを使用して膨張させることができる。この例示的な実施形態では、シリンジ26はバルブ28に接続して、流体またはガスを、シリンジ26から制御部材20の膨張管腔30を経て止血栓部材21内に押し込む。
【0035】
図4につき説明すると、封止システム10の例示的な実施形態における、封止システム10が後退位置にある状態を示す。図4に示す実施形態では、封止システム10およびガイドシース10の双方が後退しており、したがって、止血栓部材21は、血管壁BVWにおける穿刺部に衝合するまで引っ張られている。止血栓部材21は穿刺部PPの断面積サイズよりも大きい断面積サイズまで膨張しているので、止血栓部材21は血管壁BVWに衝合した状態に留まり、穿刺部PPを通過することができない。
【0036】
図4に示すように例示的な封止システム10後退によって、医師は、血管壁BVWの内側に衝合するまで引き上げられた止血栓部材21による封止を行うことができる。穿刺部PPにおける封止を生ずることによって、穿刺部に流れ込む血流を防ぎ、封止材を穿刺部PP内に留置する準備として、穿刺部PPに比較的乾燥した環境を形成することができる。医師は、血管壁BVWにおける穿刺部PPを、シリンジを使用して封止して、送給チューブ60におけるキャビティ31から真空吸引する。シリンジがキャビティ31を経て穿刺部PPから血液を引き込む場合、このことは、穿刺部PPは,血管壁BVWで適切に封止されていないことを医師に示唆する。
【0037】
止血栓部材21を血管壁BVWの内側に衝合するまで引き上げように封止システム10を後退さこせることによって、さらに、医師は、穿刺部PP内での封止システム10および送給チューブ60の位置も確認できる。特定の実施形態では、医師は、送給チューブ60のシャフトにクリップを取り付けて、送給チューブ60が皮膚SKから露出する位置をマークすることができる。この送給チューブ60におけるマークは、止血栓部材21を以下で説明するように収縮させて抜き出した後でさえ、血管壁BVWに対する送給チューブ60の遠位端部64を正確に配置するのに役立てることができる。
【0038】
図4に示す後退位置で、封止材送給コンポーネント12の送給チューブ60は、遠位端部64が穿刺部PP内に位置するが、穿刺部PPの遠位端部の近位に位置する位置に後退している。止血栓部材21に対する送給チューブ60の遠位端部64の相対位置は、処置および患者のタイプに応じて調整することができる。
【0039】
図5につき説明すると、封止システム10の例示的な実施形態は、封止材67の第1段を穿刺部PPに留置するステップを示す。封止材67の第1段は、封止システム10の外部で、例えば、2重バレル構造のシリンジ(図示せず)で混合することができる。封止材67の混合した第1段を、その後、第1封止材ポート65内に注入し、また送給チューブ60におけるキャビティ31を経て流出させる。本発明の代案としての実施形態では、封止材の第1段67を、送給チューブ60の内部に沿って流れると同時にキャビティ31で混合させることができる。図5に示すように、送給チューブ60の遠位端部64は、血管壁BVWの近傍に位置決めする。封止材の第1段67は、遠位端部64で送給チューブ60から吐出させ、血管壁BVWのごく近傍の領域に留置し、穿刺部PPが血管壁BVWを貫通した位置で封止を形成する。しかし、図5に示すように、第1段封止材67で形成した封止は、完全な封止ではない可能性があり、なぜなら、制御部材20は依然として第1段封止材67を経て血管BV内に挿通しているからである。
【0040】
代案としての実施形態では、第1段封止材67は、制御部材20が挿通する予め形成した中空中心部を有する固体材料とすることができる。予め形成した中空中心部を有する固体材料は、穿刺部PP内に押し込まれる、または封止システム10の変更例によって穿刺部PPに留置することができ、これにより、固体材料は、血管壁BVWの近傍に位置決めされる。
【0041】
図6につき説明すると、例示的な封止システム10を、一時的封止コンポーネント11を取り出すステップの状態を示す。例示的な手順におけるこのステップでは、まず、止血栓部材21を、バブル28を釈放し、これにより、液体またはガスを止血栓部材21から排出させ、膨張管腔30を逆流させて、シリンジ26(図示せず)内に通過できるようにすることによって、収縮させる。止血栓部材21が収縮した後、医師は、図6の例示的な実施形態に示すように、第2連結部25を回転させることができる。第2連結部25を回転させることによって、一時的封止コンポーネント11を封止材送給コンポーネント12から後退させて、分離する。図6で示すように、封止システム10の実施形態では、第2連結部25は、ねじを使用して第1連結部63に取り付ける。ねじによって、第2連結部および一時的封止コンポーネント11は、封止材送給コンポーネント12から徐々に分離することができる。封止システム10の代案としての実施形態では、第2連結部25および第1連結部63は、代案としての機構、例えばクリップ、留め金、凸部または凹部を使用して着脱することもできる。
【0042】
一時的な封止コンポーネント11を後退させることによって、収縮した止血栓部材21および制御部材20を血管BVから、また第1段封止材67を経て取り出す。しかし、第1段封止材67から止血栓部材21および制御部材20を後退させることは、第1段封止材67に、トラクト(tract)と称される開口(図示せず)を残すことになる。さらに、使用する第1段封止材67のタイプに応じて、第1段封止材67から制御部材20を後退させるのが困難になる可能性がある。封止システム10の特定の実施形態では、制御部材20周囲に付加的なシース(図示せず)を設けることができ、この制御部材20周囲において、この付加的なシースは、第1段封止材67に対する付着に抵抗する材料で形成し、第1段封止材67からの制御部材20の後退を容易にする。
【0043】
第1段封止材67の中空通路またはトラクトにつき説明すると、一時的封止コンポーネント11を一層後退させるとき、生体吸収性先端部23は、第1段封止材67のトラクトを通過して、トラクトが画定する中空空間を填隙する作用を行う。このように、生体吸収性先端部23は、穿刺部PPを完全に封止するための改善した方法を提供する。種々の機構を使用して生体吸収型先端23をワイヤ27から釈放し、これにより、それが第1段封止材67におけるトラクトに留置することができる。例えば、実施形態では、生体吸収性先端部23の直径は、送給チューブ60の遠位端部64の直径よりも大きいものとする。一時的封止コンポーネント11を後退させるとき、生体吸収性先端部23は、送給チューブ60の遠位端部64に十分な張力で係合し、生体吸収性先端部23はワイヤ27から切り離され、トラクトに残留する。本発明の代案としての実施形態では、生体吸収性先端部23は、機械的、または電気機械的釈放機構を使用して一時的封止コンポーネント11から釈放することができる。本発明の他の実施形態では、生体吸収性先端部23は、特定の張力で分離するように設計することができるので、生体吸収性先端部23の一部分は分離してワイヤ27から自由になり、トラクト内に留置される。
【0044】
図7につき説明すると、封止システム10の例示的な実施形態では、図6につき説明したように、一時的封止コンポーネント11が取り外された状態を示す。図7は、例示的な封止プロセスの最終ステップを示し、このステップは、すなわち、穿刺部PPへの第2段封止材68の留置ステップである。図7に示すように、生体吸収性先端部23は、血管壁BVWの近位側における第1段封止材67のトラクト内に残留する。第2段封止材68は、穿刺部PPの残りを充填するために使用すると共に、トラクトおよび第1段封止材67内および周囲のあらゆる残った隙間を封止することができる。第2段封止材68は、第1段封止材67と同一組成とすることも、異なる組成とすることもできる。
【0045】
ある実施形態では、第2段封止材68は、封止システム10の外側で、例えば、2重バレル構造のシリンジで混合し、第1封止材ポート65に注入する。しかし、この実施形態では、第2段封止材はキャビティ32を通って流れ、なぜならキャビティ31は、すでに硬化する可能性がしる第段封止材67で充填されていて通過することができないからである。ある実施形態では、キャビティ32は、一方向バルブを有することができ、これにより、第2段封止材68は、遠位端部64に向かってキャビティ32を下行して、逆行して第1連結部63の近位端部から出ることはない。封止システム10の代案としての一実施形態では、第2段封止材68は、第2封止材ポート(図示せず)を通って注入する。封止システム10の他の代案としての実施形態では、第2段封止材68は、キャビティ32を通って送給チューブ60内を通過するまで混合されないようにする。封止システム10のさらに他の代案としての実施形態では、第2段封止材68の成分が穿刺部PPに留置されて混合されるまで別個に保持するのを可能とする、送給チューブ60の長さに沿って他のキャビティを設けることができる。
【0046】
図7で示すように、第2段封止材68は、送給チューブ60の遠位端部64を出て、穿刺部PPの残部を充填する。第2段封止材68を留置するとき、医師は、封止材送給コンポーネント12を後退させることができる。第2段封止材68は、穿刺部PPを完全に充填して封止するのに使用することができる。
【0047】
図8は、一時的封止コンポーネント11を有する封止システム112の実施形態を示す。図8に示す封止システム112の実施形態では、ガイドシースGSは、経皮穿刺部PPの閉止中に皮膚SKおよび体組織BTに残留する。
【0048】
図8に示す例示的な実施形態では、ガイドシースGSのハブ70に衝合するまで配置される連結部71を示す。特定の実施形態では、封止システム112の連結部71は、ガイドシースGSのハブ70に取り付けることができる。このような取り付け特徴部
は、ガイドシースGSに対する封止システム112の位置の固定に使用することができる。
【0049】
ハイドシースGSを皮膚SKおよび体組織BTに残留させる更なる利点は、ガイドシースGSはトラクトを封止する、および/またはコルクとして機能し、封止材を体組織BT内に強制的に残留させる密閉空間をもたらす点である。
【0050】
皮膚SKおよび体組織BTに残留させるガイドシースGSが有する他の利点は、体組織BTトラクト内に存在する可能性があるいかなる液体をも吸引する能力にある。シリンジを、ルアー取付部(luer fitting)76に取り付け、真空を加えて体組織BTから液体を吸引することができる。
【0051】
トラクト穿刺部PPからいかなる液体または血液をも吸引することの利点は、止血栓部材21が、血管壁BVWに衝き当たるまで引き上げられ、穿刺部PPを封止していることを確認できる能力にある。
【0052】
連結部71は、種々の手段を使用して、ハブ70の様々な位置に取り付けることができる。例えば、連結部71は、ハブ70の外側または内側、ハブ70の近位端部または遠位端部、またはガイドシースGSのシャフト74,75に取り付けることができる。連結部71は、種々の機構、例えばねじ、クリップ、留め具、凸部または凹部によりガイドシースGSのハブ70に取り付けることができる。
【0053】
図9および図10は、ガイドシースGSに挿入する封止システム112の例示的な実施形態を示す。図9および図10に示す例示的な実施形態では、ガイドシースGSは、トラクトに残留させ、異なる長さにガイドシースGSを調整することができる。
【0054】
ガイドシースGSは、外科処置に関連する穿刺部PP内の所定位置に配置することができる。ガイドシースGSは、種々の異なる形態および長さで製造することができ、以下に、種々のガイドシースの長さ調整方法を示す。
【0055】
図9につき説明すると、封止システム112は、止血栓部材21をガイドシースGSの遠位端部から出るまで挿入する。止血栓部材21を動作させて拡張状態にし、ガイドシースGSの遠位端部が止血栓部材21に接触するまで引き上げる。連結部71は、連結コンポーネント86がガイドシースGSのハブ70に接触して固定されるまで遠位側に前進させる。連結部71によって、封止システム112をハブ70に取り付けて、ガイドシースGSの遠位端部を、以下で説明するように、止血栓部材21から既知の距離の範囲内にあるようにすることができる。連結コンポーネント84は、送給チューブ60に固定する。連結コンポーネント84は、種々の機構、例えばねじ、クリップ、留め具、凸部または凹部により送給チューブ60に取り付けることができる。
【0056】
図9に示すように、連結部71は、連結コンポーネント84,85,86を有することができる。連結コンポーネント86は、連結コンポーネント85に摺動可能に収容することができ、連結コンポーネント85は、連結コンポーネント84に摺動可能に収容することができ、このことによって、連結コンポーネント84,85,86間で抜き差し(テレスコピック)動作できるようになる。抜き差し動作によって、連結部71の長さ(すなわち、連結コンポーネント86の遠位端部またはハブ70と、連結コンポーネント84の近位端部との間にわたる距離)を、図9に示す長さXから図10に示す長さYの間で調整することが可能となる。したがって、連結部71の長さは、連結部71が伸張状態にある長さXと連結部71が収縮状態にある長さYとの間で調整可能となる。
【0057】
連結部71のガイドシースGSに対する取り付けは、止血栓部材21、ガイドシースGSの遠位端部および送給チューブ60の遠位端部間における規定長さの設定手段を提供する。図10につき説明すると、連結部71をハブ70に取り付けた後、連結釈放機構87を操作して、コンポーネント85,86を互いに圧縮して、連結コンポーネント84内に押し込む(または順次に嵌合させる)ことができる。釈放機構87は、種々の機構、例えばねじ、クリップ、留め具、凸部または凹部で形成することができる。例えば、釈放機構87は、ばねリリース(spring release)に取り付ける押しボタンを備えることができ、このことによって、押しボタンを押した後に、連結コンポーネント84,85,86は、図10に示す収縮状態に短縮されることができる。
【0058】
連結コンポーネント84は、送給チューブ60に固定して、連結コンポーネント86はガイドシースGSのハブ70に固定するので、連結部71を収縮させると、送給チューブ60およびガイドシースGSのハブ70は互いに移動する。止血栓部材21はコネクタ14を介して送給チューブ60に連結するので、ガイドシースGSは、止血栓部材21に対しても移動する。ガイドシースGSが止血栓部材21に対して移動する距離は、一般に、連結部71が短くなる距離(距離X−距離Y)に等しくすることができる。
【0059】
連結部71の短縮または収縮によって、止血栓部材21から所定距離(距離X−距離Y)となるようガイドシースGSを後退させる。止血栓部材21とガイドシースGSの遠位端部との間における所定距離は、10mm(0.3937インチ)とすることができる。所定距離は、2mm〜20mm(0.079〜0.79インチ)の範囲とすることができる。医師は、種々の異なる長さのガイドシースGsを使用し、上記の方法は、ガイドシースGSの長さとは無関係にガイドシースGSの遠位端部と止血栓部材21との間の距離を調整および/または一貫して設定する手段を提供する。その結果、連結部71によって、医師は、ガイドシースGSを穿刺部PPから引き出すことなしに、止血栓部材21に対してガイドシースGSを移動させることができる。連結部71を短縮させることによって、ガイドシースGSの遠位端部と止血栓部材21との間に封止材を注出するのに十分な空間を形成することもできる。
【0060】
図11は、一時的封止コンポーネント11を備える封止システム112の他の実施形態を示す。この実施形態では、既知の引張力を封止システム112に加える。図11に示すように、封止システム112は、止血栓部材21を後退させ、これにより、血管壁BVWの穿刺部PPに衝き当てる。封止システム112および血管壁BVWに加わる引張力変動を少なくするため、ハブ72および圧縮ばね73を設けることができる。
【0061】
送給チューブ60は、ハブ72に摺動可能に収容することができ、ハブ72は、圧縮ばね73の遠位端部に連結することができる。圧縮ばね73の近位端部は、第1連結部63の遠位端部に連結することができる。医師はハブ72を把持して(図11の矢印方向に)近位方向に向かって引くことによって、圧縮ばね73を圧縮し、封止システム112(例えば、第1または第2の連結部63,25)を近位方向に強制的に移動させる。その結果、制御部材20によって第2連結部25に取り付けた止血栓部材21は、血管壁BVWに衝き当たるまで上方に引き上げられる。医師は、所望する力が血管壁BVWに加わるまで、ハブ72、封止システム112を引いて、圧縮ばね73を圧縮することができる。
【0062】
数値指標を備えるスケール61を使用して、医師が一定の引張力を加えるようガイドするのを支援する。数値指標は、圧縮ばね73の圧縮量に相当することができ、さらに、図11に示すように、例えば、送給チューブ60の外側表面上に設けることができる。既知の負荷を封止システム112に加えることによって、第1段封止材67および生体吸収性先端部23の送給中に、穿刺部PPから所定の距離に一貫して止血栓部材21を配置することができる。圧縮ばね73の使用に対して、代替的にまたは付加的に、ハブ72に対して、種々の他の機構、例えば圧縮ばね、伸張ばね、ポリマーバンド、または他の伸縮性および/またはバイアス部材を取り付けることができる。
【0063】
図11は、皮膚固定ハブ77をガイドシースGSに取り付けることができる、封止システム112の実施形態を示す。上述のように負荷を封止システム112に加えた後、皮膚固定ハブ77を皮膚SKに取り付けることができる。ガイドシースGSは、図11に示すように、皮膚固定ハブ77内に挿入および配置される。皮膚固定ハブ77はカバー78を有し、このカバー78を閉じて、皮膚固定ハブ77をガイドシースGSに固定することができ、またガイドシースGSおよび封止システム112を正確な位置に固定することができる。例えば、カバー78を皮膚固定ハブ78上で閉じることによって、皮膚固定ハブ77を引き絞る、圧縮する、またはガイドシースGS上に固定することができる。皮膚固定ハブ77は、粘着テープを使用して皮膚SKに固定する、または皮膚SK下に機械的に固定することができる。
【0064】
封止システム112の位置を固定することによって、第1段封止材67の送給中も、送給チューブ60と止血栓部材21との間で距離を一定に維持する。封止システム112を適切な位置で固定する他の利点は、止血栓部材21の除去および生体吸収性先端部23の分離中に、送給チューブ60の位置を維持することにある。適切な位置に封止システム112を固定することによって、生体吸収性先端部23の一貫した配置位置も維持する。さらに、皮膚固定ハブ77で封止システム112の位置を維持することによって、第2段封止材68を送給するための一貫した送給位置を維持することができる。皮膚固定ハブ77で適切な位置に封止システム112を固定することによって、医師は、封止システム112を把持するのに使用する1方の手またはそれ以上の手を自由にすることができる。
【0065】
図12は、送給チューブ60に固定する皮膚固定ハブ79に固定する、封止システム112の他の実施形態を示す。皮膚固定ハブ79は、例えば、カバー78のようなカバーを備えることができ、皮膚固定ハブ77をガイドシースGSに固定する上述の方法と同様の方法で、送給チューブ60に固定することができる。皮膚固定ハブ79は、皮膚SKおよび体組織BTに挿入するチューブ80を備える。ガイドシースGSの代わりに、チューブ80は、トラクトを封止して、コルクとして機能して、第1段封止材67を体組織BT内に残すための密閉空間を生ずることができる。シリンジを、ルアー取付部81に取り付け、第1段封止材67の送給に先立って、真空を加えて体組織BTから液体を吸引することができる。皮膚固定ハブ79は、摩擦接触または粘着テープを使用して皮膚SKに固定することができ、または皮膚SK下に機械的に固定する。
【0066】
図13は、第2段封止材68を送給するのに先立って、ハブ70から連結部71を後退させることによって、送給チューブ60を後退させる封止システム112の他の実施形態を示す。シリンジを、第1連結部63におけるルアー取付部82に取り付けることができ、ルアー取付部82は、送給チューブ60のキャビティ31(図1参照)に流体接続することができるので、第1段封止材67は、送給チューブ60のキャビティ31を経てシリンジから送給することができる。キャビティ31を通過した後で、第1段封止材67は、キャビティ31を封止する、またはブロックすることができる。ルアー取付部83を第1連結部63に設け、送給チューブ60のキャビティ32(図1参照)に流体接続することができる。シリンジをルアー取付部83に取り付け、送給チューブ60のキャビティ32から第2段封止材68を送給することができる。
【0067】
第2段封止材68の送給に先立って、連結部71をハブ70から切り離して、ハブ70から連結部71を後退させることができる。異なる離間距離を使用することができるが、距離は、1〜10mm(0.039〜0.39インチ)のオーダーとするのが望ましい。代案としては、連結部71のハブ70からの後退は、2個のコンポーネントを分離せずに行うことができる。連結部71およびハブ70は、蝶番(ヒンジ)機構、スライドまたは抜き差し(テレスコピック)チューブ(図示せず)によって連結することができ、このことによって、医師は、ハブ70から連結部71を後退させ、送給チューブ60を所定距離だけ後退させることができる。送給チューブ60は、送給チューブ60の遠位端部がガイドシースGSの遠位端部と同一平面上に整列する、または送給チューブ60がガイドシースGsの遠位端部に対して所定距離だけ外方に突出するまたは内方に引っ込んで、例えば、所定距離は5mmの距離となるように、後退させることができる。送給チューブ60を後退させた後、第2段封止材68を、ルアー取付部83から送給することができる。第2段封止材68の送給によって、残存するチャネルを封止する。
【0068】
上述の記載は、第2段封止材68の送給の説明であるが、第1段封止材67の送給および生体吸収性先端部23の送給のみで閉鎖を完成することもできる。図14は、第2段封止材68をガイドシースGSから送給することを可能にする、他の実施形態を示す。第2段封止材68の送給に先立って、止血栓部材21および封止システム112をガイドシースGSから取り外す。生体吸収性先端部23は、トラクトに残留する。第2段封止材68は、ガイドシースGSのルアー76から供給する。第2段封止材68は、ガイドシースGSから注出し、残存するチャネルを封止する。
【0069】
図15は、送給チューブ60に固定的に取り付けて、体組織BT内で拡張する拡張可能部材88を備える、封止システム112の他の実施形態を示す。封止システム112は、ガイドシースGSに挿入する。止血栓部材21を拡張して、封止システム112を後退させ、これにより、止血栓部材21が血管壁BVWの穿刺部PPに衝き当てる。ガイドシースGSは、体組織BTから後退させる。
【0070】
送給チューブ60は、拡張可能部材88を第1連結部63のルアー89に流体接続する他のチャネル(図示せず)を備えることができる。シリンジを、ルアー89に取り付け、送給チューブ60のチャネルからガスまたは液体を送給して、拡張可能部材88を拡張または収縮させることができる。
【0071】
拡張可能部材88は、多くの利点をもたらす。例えば、封止システム112の位置は、第1段封止材67の送給中に、送給チューブ60と止血栓部材21との間の距離を一貫して維持するために固定することができる。封止システム112を適切な位置に固定する他の利点は、止血栓部材21の除去および生体吸収性先端部23の分離中に、送給チューブ60の位置を維持するにある。適切な位置に封止システム112を固定するによって、生体吸収性先端部23の配置位置を一貫して維持することができる。また、封止システム112の位置を維持することによって、第2段封止材68に対する送給位置を一貫して維持することができる。拡張可能部材88を拡張する他の利点は、拡張可能部材88がトラクトを封止し、および/またはコルクとして機能し、封止材を体組織BTに残留させる密閉空間を生ずる点である。拡張可能部材88は、多くの手段、例えば拡張バルーン、拡張ディスク、抜き差し(テレスコピック)チューブによって形成することができる。
【0072】
図16は、送給チューブ60に固定的に取り付ける拡張可能部材88であって、ガイドシースGS内で拡張する拡張可能部材88を備える、封止システム112の他の実施形態を示す。封止システム112は、ガイドシースGSを通して挿入する。止血栓部材21を拡張し、封止システム112を後退させ、止血栓部材21を血管壁BVWの穿刺部PPに衝き当たらせる。ガイドシースGSを後退させ、連結部71に固定する。シリンジを、上述のようにルアー89に取り付け、ガスまたは液体を、送給チューブ60のチャネルを介して送給し、拡張可能部材88を拡張または収縮させることができる。
【0073】
拡張可能部材88は、多くの利点を提供する。例えば、拡張可能部材88は、ガイドシースGSを封止する、および/またはコルクとして機能し、第1段封止材67がガイドシースGSに進入するのを防止する。他の利点は、封止システム112および制御部材20を穿刺部PP内で心出しする点にある。制御部材20を心出しすることによって、中空空間またはトラクトを第1ステージ封止材67における中心に配置することを支援し、生体吸収性先端部23を経皮穿刺部PPの中心に位置決めするのを容易にすることができる。このことは、12〜24フレンチガイドシースによって形成する大きな穿孔の経穿刺部PPを閉止するのに有利である。拡張可能部材の位置は、完全にガイドシースGS内とする、またはガイドシースGSの遠位端部から部分的に露出させる。
【0074】
他の例示的な実施形態によると、止血栓部材21は、生体吸収性先端部として機能することができ、別個の生体吸収性先端部(例えば、生体吸収性先端部23)は、省略することができる。第1段封止材67の中空通路またはトラクトにつき説明すると、止血栓部材21を収縮させて後退させるとき、止血栓部材21は、第1段封止材67のトラクト内を経て、トラクトが画定する中空空間を充填するのに役立つ。このように、止血栓部材21は、生体吸収性先端部23となることができ、また、穿刺部PPを完全に封止するための改善した方法を提供することができる。止血栓部材21および/または先端吸収性先端部23は、ポリエチレングリコール、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリ−エーテル−エステルまたはこれらもしくは他の生体吸収性材料の組み合わせで形成することができる。代案としては、止血栓部材21および/または先端部23は、非生体吸収性とすることができる。止血栓部材21および/または先端部23を形成するための他の材料としては、ステンレススチール、チタン、ニチノール、P.E.E.K.、P.E.T.、シルク、ハイドロゲル、2個の成分からなる液体化合物がある。種々の機構を使用して、止血栓部材21をカテーテルから釈放して、止血栓部材21を第1段封止材67のトラクトに配置することができる。例えば、止血栓部材21は、本明細書に記載するあらゆる機構を備える機械的または電気機械的解放機構を使用する、または止血栓部材21の一部分を分裂または破断することによって、釈放することができる。
【0075】
図17〜19は、制御部材20に取り付ける挿入部材92を備える、封止システム112の例示的な実施形態を示す。挿入部材92は、中空キャビティ90を形成し、この中空キャビティ90は、第1段封止材67内に規定の形態を有する中空形状のポケットとすることができる。中空キャビティ90の寸法および/または形態は、生体吸収性先端部23の寸法および/または形態と同一にすることができる。第1段封止材67からの一時的封止コンポーネント11の引き出し中に、生体吸収性先端部23は、一時的封止コンポーネント11から切り離し、中空キャビティ90内に配置する。
【0076】
図17に示すように、制御部材20の挿入部材92は、第1段封止材67の送給中に経皮穿刺部PPに配置することができる。
【0077】
図18で示すように、第1段封止材67を送給して硬化した後に、1個またはそれ以上のキャビティ90,91を第1段封止材67に形成することができる。例えば、中空キャビティ90は、第1段封止材67が硬化した後に、挿入部材92を第1段封止材67から除去することによって形成する、および/または中空キャビティ91は、第1段封止材67が硬化した後に、送給チューブ60を第1段封止材67から除去することによって形成することができる。
【0078】
図19で示すように、一時的封止コンポーネント11の制御部材20における挿入部材92を後退させるとき、生体吸収性先端部23は、中空キャビティ90内に位置決めすることができ、また図6および図7につき説明したように、または他の適切な方法で釈放することができる。第2段封止材68を、中空キャビティ91内に送給することができる。
【0079】
中空キャビティ90は、挿入部材92の形状に応じて多くの異なる形態のうち1つの形態を有することができる。挿入部材92は、生体吸収性先端部23よりも小さいサイズとする、またはほぼ同一サイズとすることができる。中空キャビティ90は、生体吸収性先端部23よりも小さくして、生体吸収性先端部23を固定するのに役立て、第2段封止材68の注出中に第2段封止材68が遠位に移動するのを防ぐことができる。
【0080】
挿入部材92は一定の形状を有する、または第1段封止材67の送給に先立って、大きい形態を形成するために拡張可能とすることができる。例えば、拡張可能挿入部材92は、バルーンとすることができる。拡張可能挿入部材92は、非拡張状態で経皮穿刺部PPに配置し、第1段封止材67を経皮穿刺部PPに送給する前に拡張させることができる(図17参照)。第1段封止材67を送給した後で、拡張可能挿入部材92を非拡張状態に変化させて、中空キャビティ90から除去する(図18参照)。その後、生体吸収性先端部23を、中空キャビティ90内に配置することができる(図19参照)。
【0081】
代案としては、挿入部材92は、可撓性(例えば、ゴム状、弾性)の材料から形成することができ、このことによって、挿入部材92は形状を変化させることができる、および/または圧縮して、挿入部材92を中空キャビティ90内に挿入し、またそこから除去することができる。拡張可能挿入部材92は、第1段封止材67を経皮穿刺PPに送給する前に、無応力(または通常)の形状および/または条件で経皮穿刺部PPに配置することができる(図17参照)。第1段封止材67を送給した後、制御部材20を穿刺部に対して近位方向に引っ張り、挿入部材92を中空キャビティ90から引き出す(図18参照)。挿入部材92を引っ張るとき、挿入部材92は、形状を変える、および/または中空キャビティ90の近位側の第1段封止材67における制御部材20によって形成される狭いキャビティ(例えば、中空キャビティ90および中空キャビティ91間に形成する狭いキャビティ)を介して圧縮することができる。その後、生体吸収性先端部23を、中空キャビティ90内に配置することができる(図19参照)。
【0082】
挿入部材92の形状は、生体吸収性先端部23に対する本明細書に記載する種々の形態のうち1つとすることができる。挿入部材92は、生体吸収性先端部23を形成するために、上記の材料のうち1つまたはそれ以上で形成することができる。挿入部材92は、制御部材20と一体的に形成する、または制御部材20とは別個に形成して、制御部材20に取り付けることができる。
【0083】
種々の方法を使用して、生体吸収性先端部23を一時的封止コンポーネント11から分離する前に、生体吸収性先端部23の位置を決定およびモニタすることができる。上述のように、止血栓部材21を血管壁BVWの内側に衝き当たるまで引っ張ることによって、医師は、封止システム10、112および送給チューブ60の位置を確認することができる。また、クリップを送給チューブ60に取り付け、送給チューブ60が皮膚SKから露出する場所を示し、送給チューブ60の遠位端部64と血管壁BVWとの間における距離の決定を支援することができる。その後、生体吸収性先端部23の位置は、(例えば、コネクタ14を使用して調整する)一時的封止コンポーネント11と封止材送給コンポーネントとの間の距離を知ることができるので、送給チューブ60の遠位端部64の位置に基づいて決めることができる。
【0084】
血圧は、ユーザーが、一時的封止コンポーネント11から生体吸収性先端部23を取り外す前に、生体吸収性先端部23の位置を認識するのをアシストするために使用することもできる。圧力トランスデューサ(図示せず)を、一時的封止コンポーネント11に取り付けることができ、一時的封止コンポーネント11が血管管腔BVL内に存在する間に記録することができる動脈圧測定を読み取ることができる。一時的封止コンポーネント11を血管管腔BVLから引き出すとき、圧力低下が起きるまで、(例えば、血圧が所定値よりも低下するまで)動脈圧をモニタすることができ、このことによって、生体吸収性先端部23が第1段封止材67内に配置されていることを示唆することができる。
【0085】
生体吸収性先端部23の位置を認識する他の方法は、血流を使用する方法である。例えば、一時的封止コンポーネント11は、ルーメン(図示せず)を有することができ、例えば、このルーメンは、生体吸収性先端部23の遠位または近位側で、遠位開口を有するワイヤ27に配置することができる。ユーザーは、生体吸収性先端部23が血管管腔BVL内にあると、ルーメンを介して少量の血液を流すことができる。ルーメンの血流の中断によって、生体吸収性先端部23が引き抜かれて、第1段封止材67内に配置されたことを示唆することができる。
【0086】
生体吸収性先端部23の位置を認識する他の方法としては、X線透視検査または、患者の内部構造を見るために使用する他の撮像技術がある。放射線不透過性の詰め物または他のタイプの識別可能材料を、生体吸収性先端部23内に配置することができる。ユーザーは、例えば、X線透視検査で、放射線不透過性マーカーを見て、第1段封止材67内に生体吸収性先端部23が位置していることを識別することができる。放射線不透過性充填物またはマーカーを第1段封止材67に添加し、送給中の第1段封止材67の可視化を補助することもできる。
【0087】
生体吸収性先端部23は、種々の形態のうち1つで形成することができる。例えば、図2〜17に示すように、生体吸収性先端部23は、端面をシリンダー状、矩形状、または他のタイプの細長断面形状にすることができる。図20〜27は、生体吸収性先端部23が有することができる種々の形態の例示的な実施形態を示す。
【0088】
図20は、本体94、および本体94の側面に固定する1個またはそれ以上の棘部93を備える生体吸収性先端部23の実施形態を示す。棘部93は、可撓性にし、生体吸収性先端部23が、第1段封止材67を一方向に、例えば、僅かな抵抗の下に近位側に通過することができるようにすることができる。棘部93は、開くまたはキャッチするよう作用し、第1段封止材67に係合または固定して、生体吸収性先端部23が遠位側に移動するのを防ぐことができる。棘部93は、剛性、半剛性、または軟質性の材料とすることができる。図20で示すように、棘部93は、尖端付き形状とする、またはテーパー付き形状にすることができ、本体94から、本体94の縦軸に対して角度を付けて延在させることができる。棘部93は、本体94の遠位端部に向けて傾斜させることができる。棘部93は、生体吸収性先端部23と第1段封止材67との間に液体密封止を生ずることができる。その結果、第2段封止材68を送給するとき、棘部93は、第2段封止材68が血管管腔BVLに進入するのを防ぐことができる。棘部93は、血液が生体吸収性先端部23を越えて近位側に流れるのを防ぐこともできる。
【0089】
図21は、本体96と、本体96周囲に1個またはそれ以上のリング95を備える生体吸収性先端部23の実施形態を示す。リング95は、本体96と同一の材料で構成することができ、本体96と一体に形成することができる。リング95は、可撓性または剛性とすることができる。リング95は、第1段封止材67内で生体吸収性先端部23に安定性を与えることができる。リング95は、生体吸収性先端部23と第1段封止材67との間に液体密封止を生ずることもできる。その結果、第2段封止材68を送給するとき、リング95は、第2段封止材68が血管管腔BVLに進入するのを防ぐこともできる。リング95は、血液が生体吸収性先端部23を越えて近位側に流れるのを防ぐこともできる。
【0090】
図22は、本体98、および本体98の周囲に1個またはそれ以上のリング97を備える生体吸収性先端部23の実施形態を示す。リング97は、本体98とは異なる材料で形成することができる。リング97は、可撓性または剛性とすることができる。リング97は、第1段封止材67内で生体吸収性先端部23に安定性を与えることができる。リング97は、生体吸収性先端部23と第1段封止材67との間に液体密封止を生ずることもできる。その結果、第2段封止材68を送給するとき、リング97は、第2段封止材688が血管管腔BVLに進入するのを防ぐことができる。リング97は、血液が生体吸収性先端部23を越えて近位側に流れるのを防ぐこともできる。
【0091】
図23は、拡張可能な生体吸収性先端部23の実施形態を示す。例えば、生体吸収性先端部23は、例えば、血液等の液体と接触すると拡張する材料等の拡張可能材料から形成することができる。代案としては、生体吸収性先端部23は、拡張可能構造体であって、例えば、拡張可能バルーンを備えることができ、拡張可能構造体の寸法は、ユーザーが制御することができる。生体吸収性先端部23は、同一の非拡張状態の構造99で血管管腔BVLに進入することができ、血液に接触する、または作動させると、開くまたは拡張して、大きく拡張した構造100になることができる。拡張した構造100は、第1段封止材料67内で生体吸収性先端部23に安定性を与えることができる。拡張した状態では、生体吸収性先端部23と第1段封止材67との間に液体密封止を生ずることができる。その結果、第2段封止材68を送給するとき、拡張した状態100の生体吸収性先端部23によって、第2段封止材が血管管腔BVL内に進入するのを防ぐことができる。拡張した構造100の生体吸収性先端部23は、血液が生体吸収性先端部23を越えて近位側に流れるのを防ぐことができる。
【0092】
図24は、縫合糸120で構成した生体吸収性先端部23の実施形態を示す。縫合糸120は、縫合糸120の本体122内に結ぶ結節122を備える本体121で構成することができる。
【0093】
図25は、縫合糸130を備える生体吸収性先端部23の実施形態を示す。縫合糸130は、縫合糸130の本体131内に結ぶ結節132を備える本体131で構成することができる。可撓性または剛性のディスク133を、結節132の近位側で縫合糸130に配置することができる。
【0094】
図24および図25に示す各縫合糸120,130は、第1段封止材67内で生体吸収性先端部23に安定性を与えることができる。各縫合糸120,130は、生体吸収性先端部23と第1ステージ封止材67との間に液体密封止を生ずることもできる。その結果、第2段封止材68を送給するとき、各縫合糸120,130は、第2段封止材68が血管管腔BVlに進入するのを防ぐことができる。各縫合糸120,130は、血液が生体吸収性先端部23を越えて近位側に流れるのを防ぐこともできる。
【0095】
図26は、編組構造を備える生体吸収性先端部23の実施形態を示す。編組は、長さ1インチあたり高さが低いローピック・パー・インチ構体(lower picks per inch configuration)101として伸張することができ、また長さ1インチあたり高さが高いハイピック・パー・インチ構体102として圧縮することができる。ハイピック・パー・インチ構体102は、編組の外径(例えば、編組の厚さ、幅、直径等)を増大させ、第1段封止材67内での生体吸収性先端部23の固定をアシストする。ローピック・パー・インチ構体101は、より小さい外径となり、このことによって、生体吸収性先端部23を第1段封止材67内に送給するのを容易にすることができる。編組は、共により合わせる複数のストランドを備えることができ、第2段封止材68を送給すると、第2段封止材68は、編組における別個のストランドの周囲に成形され、生体吸収性先端部23を適切な位置に固定するのを助けることができる。ハイピック・パー・インチ構体102では、編組は、第1段封止材67内で生体吸収性先端部23に安定性を与えることができ、液体密封止を、生体吸収先端部23と第1段封止材67との間に形成することができる。その結果、第2段封止材68を送給するとき、生体吸収性先端部23のハイピック・パー・インチ構体102は、第2段封止材68が血管管腔BVLに進入するのを防ぐことができる。生体吸収性先端部23のハイピック・パー・インチ構体102は、血液が生体吸収性先端部23を越えて近位側に流れるのを防ぐこともできる。代案としては、生体吸収性先端部23は他の構体により構成することができ、例えば、ベロース(蛇腹)構体のように、生体吸収性先端部23の外径を減少するよう伸長し、また生体吸収性先端部23の外径を増大するよう圧縮することができる。
【0096】
図27は、柔軟で曲げ易い端部104を備える本体103で構成した生体吸収性先端部23の実施形態を示す。本体103は、生体吸収性先端部23が綿棒と同じになるように、半剛性とすることができる。柔軟な端部104は、繊維、多孔質、海綿質等の材料で形成することができる。柔軟な端部104は、第1段封止材67内で生体吸収性先端部23に安定性を与えることができ、さらに、生体吸収性先端部23と第1段封止材67との間に液体密封止を生ずることもできる。その結果、第2段封止材68を送給するとき、柔軟な端部104は、第2段封止材68が血管管腔BVLに進入するのを防ぐことができる。柔軟な端部104は、血液が生体吸収性先端部23を越えて近位側に流れるのを防ぐ。
【0097】
上述の生体吸収性先端部23の種々の実施形態における寸法は、変更することができる。例えば、生体吸収性先端部23は、小さくする、大きくする、または一般に、中空キャビティまたは第1段封止材67内に形成する他のトラクトと同一のサイズとすることができる。
【0098】
生体吸収性先端部23は、第1および第2段の封止材67,68に対する種々の位置における1つの位置に配置することができる。図28〜31は、第1および第2段の封止材67,68に対する生体材料先端部23の位置の例示的な実施形態を示す。
【0099】
図28は、第1段封止材67および第2段封止材68内に配置する生体吸収性先端部23の実施形態を示す。生体吸収性先端部23は、遠位側フランジ105および近位側フランジ106を備えることができる。遠位側フランジ105は、血管壁BVWに貫通することができ、生体吸収性先端部23が近位側に移動するのを防ぐことができる。近位側フランジ106は、第1段封止材67内、第2段封止材68内、または第1および第2段の封止材67,68の両方における内部に休止することができる。近位側フレンジ106は、生体吸収性先端部23が、遠位または近位側に移動するのを防ぐことができる。遠位側および近位側のフレンジ105,106の両方は、生体吸収性先端部23と第1および第2段の封止材67,68との間に封止を生じ、例えば、第2段封止材68が血管管腔BVLに進入するのを防ぐことができる。
【0100】
図29は、第1段封止材67内に配置する生体吸収性先端部23の実施形態を示す。この実施形態では、生体吸収性先端部23は、遠位側フレンジ105を備えることができ、この遠位側フレンジ105は、血管壁BVWに貫通させ、生体吸収性先端部23が近位に移動するのを防ぐことができる。
【0101】
図30は、血管壁BVWの近位側に近接する第1段封止材67内に配置する生体吸収性先端部23の実施形態を示す。この実施例では、生体吸収型先端23は、血管壁BVWに貫通させる、または貫通させないでおくことができる。生体吸収性先端部23は、第1段封止材67に形成する中空トラクトを少なくとも部分的に貫通することもできる。図30に示すように、生体吸収性先端部23は、第1段封止材67の中空トラクトの遠位側部分に沿って延在することができ、第2段封止材68は、生体吸収性先端部23の近位端部が第2段封止材68と接触することができるよう、第1段封止材67の中空トラクトの近位部に送給することができる。
【0102】
図31は、第1段封止材67および第2段封止材68と接触する生体吸収性先端部23の実施形態を示す。生体吸収性先端部23は、第1段封止材67に形成する中空トラクトを少なくとも部分的に貫通することができる。生体吸収性先端部23は、第1段封止材67の中空トラクトの近位部に沿って延在することができ、生体吸収性先端部23の近位端部は、第2段封止材68に接触することができる。
【0103】
生体吸収性先端部23は、種々の取付および/または釈放機構のうち1つを使用して一時的封止コンポーネントに連結することができる。図32〜33は、生体吸収性先端部23を一時的封止コンポーネント11に着脱可能に取り付けるために設ける機構の例示的な実施形態を示す。
【0104】
図32は、生体吸収性先端部23を一時的封止コンポーネント11に着脱可能に取り付けるための機構の実施形態を示す。一時的封止コンポーネント11は、構体107を有する構成、または構体107に取り付ける構成とすることができる。例えば、構体107は、ワイヤ27の遠位端部(図2参照)とする、またはワイヤ27の遠位端部に取り付けることができる。図32に示すように、構体107の遠位端部は、構体107の直径よりも大きい外径(例えば、幅、厚み、直径等)を有する端部部材108を備えることができる。生体吸収性先端部23は、生体吸収性先端部23を構体107に取り付けると、生体吸収性先端部23が端部108を収納するように構成する内部構造を有するように、端部材108周囲に成形することができる。端部部材108の形態および/または端部部材108を収納するために生体吸収性先端部23の成形内部構造は、生体吸収性先端部23が、例えば、引張力等の所望する釈放力で構体107から切り離すことができるように変更することができる。
【0105】
図33は、生体吸収性先端部23を一時的封止コンポーネント11に着脱可能に取り付ける機構の他の実施形態を示す。一時的封止コンポーネント11は、構体109を有する構成とする、または構体109に取り付ける構成とすることができる。例えば、構体109は、ワイヤ27の遠位端部(図2)とする構成、またはワイヤ27の遠位端部に取り付ける構成とすることができる。図33に示すように、構体109の遠位端部は、構体109の直径よりも大きい外径(例えば、幅、厚み、直径等)を有する端部110を備えることができる。生体吸収性先端部23は、生体吸収性先端部23を構体107に取り付けるとき、生体吸収性先端部23が端部110を収納する構成の内部構造を有するよう、端部部材110周囲に成形することができる。端部部材110の形態および/または端部部材110を収納するために生体吸収性先端部23の成形内部構造は、生体吸収性先端部23が、例えば、引張力等の所望する釈放力で構体109から切り離すことができるように変更することができる。
【0106】
図34および35は、生体吸収性先端部23を一時的封止コンポーネント11に着脱可能に取り付ける機構の他の実施形態を示す。一時的封止コンポーネント11は、構体111を有する構成とする、または構体111に取り付ける構成とすることができる。例えば、構体111は、ワイヤ27の遠位端部(図2参照)とする構成、またはワイヤ27の遠位端部に取り付ける構成とすることができる。図34および35で示すように、構体111は、生体吸収性先端部23の相当する表面と組み合わさる、または係合するように構成する表面を有することができる。
【0107】
図34は、構体111の相当する表面、および生体吸収性先端部23を一時的な封止コンポーネント22に取り付けるように係合する端部部材113を示す。対応する表面が係合すると、ワイヤ27周囲に配置するチューブ114は、構体111および端部部材113の係合表面上を遠位側に摺動させることができる。その結果、チューブ114は構体111および端部部材113をカバーすることができ、したがって、構造体111および端部材113の係合表面を固定することができる。
【0108】
図35は、一時的封止コンポーネント11から切り離した生体吸収性先端部23を示す。一時的封止コンポーネント11から生体吸収性先端部23を取り外すよう、チューブ114を、構体111および端部部材113の係合表面から(近位方向に)引き戻す。非カバー状態で、構体111および端部部材113の係合表面は、(例えば、一時的封止コンポーネントを近位方向に引っ張るか、さもなければ、引張力を与えることによって)分離することができ、したがって、生体吸収性先端部23を一時的封止コンポーネント11から釈放することができる。
【0109】
生体吸収性先端部23を一時的封止コンポーネント11に着脱可能に取り付けるための別の機構は、十分な引張力を与えると破壊することができる材料で形成する部材(図示せず)を備えることができる。例えば、ポリマーで形成する部材は、生体吸収性先端部23を一時的封止コンポーネント11に取り付けることができて、ポリマーは、引張力が加わると伸長することができる。ネッキング(necking)は、引張力が限界に達するとポリマーに起こる可能性があり、このことによって、伸長したポリマーに損傷が生じ、生体吸収性先端部23が一時的封止コンポーネントから切り離される。一時的封止コンポーネント11を近位方向に引き、生体吸収性先端部23を第1段封止材67および/または第2段封止材68の適切な位置に把持すると、引張力を与えることができる。
【0110】
生体吸収性先端部23を一時的封止コンポーネントに着脱可能に取り付けるための他の機構は、生体吸収性先端部23を切り離すためのカット機構、生体吸収性先端部23を釈放するためのピンチ(pintching)機構、生体吸収性先端部23を釈放するための引っ張りワイヤ、生体吸収性先端部23を釈放するためのねじ切り機構、生体吸収性先端部23を一時的封止コンポーネント11から分離するために熱を与える機構等を備えることができる。これら機構は、生体吸収性先端部23を一時的封止コンポーネント11から切り離す、または取り外すことができるように制御することができる。
【0111】
本発明の他の実施形態が、本明細書に記載する本発明の明細および実施を考慮していることは、当業者にとって明らかであろう。本明細書および実施例は、別途添付特許請求の範囲によって示唆する本発明の真の範囲および精神を備えて、実施例のみを考慮していることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者穿刺部封止装置において、
封止コンポーネントであって、
患者の皮膚の穿刺部に挿通するよう構成した細長制御部材、
前記細長制御部材の遠位端部近傍に配置した拡張可能部材、および
前記拡張可能部材の遠位端部側で前記細長制御部材に着脱可能に取り付けた先端部、
を有する該封止コンポーネントと、ならびに
封止材送給コンポーネントであって、
前記封止コンポーネントの前記細長制御部材が、該封止材送給コンポーネント内に貫通するように構成する送給チューブを有し、前記送給チューブは、前記送給チューブの遠位端部における開口から封止材を送給するよう構成した、該封止材送給コンポーネントと、
を備える患者穿刺部封止装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、前記送給チューブは、拡張した形態の前記拡張可能部材が前記穿刺部の遠位側開口を画定する表面に衝合するとき、第1封止材を前記患者の前記穿刺部近傍の位置に送給するよう構成した第1キャビティを有することを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置において、前記送給チューブは第2キャビティを有し、前記封止コンポーネントは、前記第2キャビティに挿通するよう構成したことを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置において、前記封止コンポーネントは、前記送給チューブにおける前記第2キャビティから取り外すよう構成し、これにより、第2封止材を、前記第2キャビティを介して前記患者の前記第1封止材近傍の位置に送給できるよう構成したことを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置において、前記封止コンポーネントは、前記封止材送給コンポーネントの前記送給チューブに対する前記封止コンポーネントの前記位置を調整するよう制御可能なコネクタを有する構成としたことを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置において、前記細長制御部材は、流体を前記拡張可能部材に導入するよう構成したルーメンを有する構成とし、さらに、前記先端部は、前記細長制御部材の前記ルーメン内に配置するワイヤの遠位端部に着脱可能に取り付ける構成としたことを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置において、前記封止コンポーネントは、さらに、前記ワイヤおよび前記細長制御部材の近位端部を連結する封止コンポーネント連結部を有する構成としたことを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置において、さらに、前記送給チューブに連結し、また前記封止コンポーネント連結部に調節可能に連結する封止材送給コンポーネント連結部を備えた装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置において、さらに、ガイドシースであって、該ガイドシース内に前記送給チューブおよび前記細長制御部材挿通するよう構成した、該ガイドシースを備えた装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置において、さらに、前記ガイドシースのハブを前記封止材送給コンポーネントに連結するガイドシース連結部を備え、前記ガイドシース連結部は、前記封止材送給コンポーネントに対する前記ガイドシースハブの位置を調整するように制御可能とした装置。
【請求項11】
請求項9に記載の装置において、前記送給チューブは、拡張状態の前記拡張可能部材が前記穿刺部の遠位側開口を画定する表面に衝合するとき、第1封止材を前記患者の前記穿刺部近傍の位置に送給するよう構成した第1キャビティを有し、また
前記ガイドシースは、前記封止コンポーネントおよび前記封止材料送給コンポーネントを前記ガイドシースから抜き出すとき、第2封止材を前記患者の前記第1封止材近傍の位置に送給するよう構成したことを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項1に記載の装置において、さらに、前記送給チューブと、前記送給チューブおよび前記細長制御部材がその内部を通ずるよう構成したガイドシースとのうち少なくとも一方に、着脱可能な固定ハブを備え、該固定ハブは、前記患者の皮膚に衝合させて配置する構成とした装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置において、前記固定ハブは、前記患者内に挿入するチューブと、流体を前記患者から導出するよう構成したルアー取付部と、を有する構成としたことを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項1に記載の装置において、前記封止コンポーネントの拡張可能部材は第1拡張可能部材とし、また
前記封止材送給コンポーネントは、さらに、前記送給チューブに取り付ける第2拡張可能部材であって、前記穿刺部内に位置するとき拡張するよう構成し、これにより、前記第2拡張可能部材の外面が、前記送給チューブを包囲するガイドシースの内面または体組織の少なくとも一方に接触するように構成した、該第2拡張可能部材を有する構成としたことを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項1に記載の装置において、前記封止コンポーネントは、さらに、前記拡張可能部材の遠位側で前記細長制御部材配置した挿入部材を有する構成としたことを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置において、前記送給チューブは、前記挿入部材上に第1封止材を送給するよう構成し、前記挿入部材は、前記挿入部材を取り除くとき前記第1封止材内にキャビティを形成することを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置において、前記先端部は、前記キャビティ内に位置決し、また前記封止コンポーネントから釈放されるよう構成したことを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項16に記載の装置において、前記挿入部材は、前記封止材が送給されるとき拡張した状態となり、また前記キャビティから除去されるとき非拡張となるように構成したことを特徴とする装置。
【請求項19】
請求項15に記載の装置において、前記第1封止材は、前記送給チューブの遠位端部を包囲するよう送給し、前記送給チューブを取り外すとき、前記第1封止材内に第2キャビティを形成し、また前記送給チューブまたはガイドシースは、第2封止材を前記第2キャビティに送給するよう構成したことを特徴とする装置。
【請求項20】
請求項1に記載の装置において、前記先端部は、生体吸収性としたことを特徴とする装置。
【請求項21】
請求項1に記載の装置において、前記先端部は、本体部と、前記本体部から外方に突出する少なくとも1個の突起と、を有する構成としたことを特徴とする装置。
【請求項22】
請求項21に記載の装置において、前記少なくとも1個の突起は、棘部、前記本体部に一体形成したリング、および前記本体部とは異なる材料で形成したリングのうちの1を有する構成としたことを特徴とする装置。
【請求項23】
請求項1に記載の装置において、前記先端部は、縫合糸、ディスク、曲げ易い材料、拡張可能材料、および伸縮自在な編組のうちの少なくとも1を有する構成としたことを特徴とする装置。
【請求項24】
請求項1に記載の装置において、前記先端部は、遠位側フランジおよび近位側フランジの少なくとも1つを有する構成としたことを特徴とする装置。
【請求項25】
請求項1に記載の装置において、前記先端部は、前記送給チューブを介して前記患者内部に送給する第1封止材のキャビティ内に挿入し、また少なくとも部分的に貫通するように構成したことを特徴とする装置。
【請求項26】
請求項25に記載の方法において、前記先端部は、前記送給チューブまたはガイドシースを経て、前記患者内に送給する第2封止材の表面に衝き当たるよう構成したことを特徴とする装置。
【請求項27】
請求項1に記載の装置において、前記封止コンポーネントは、さらに、前記先端部を前記細長制御部材から釈放するように構成した釈放機構を有する構成としたことを特徴とする装置。
【請求項28】
請求項27に記載の装置において、前記釈放機構は、前記先端部を、張力によって前記細長制御部材から分離することができるよう構成したことを特徴とする装置。
【請求項29】
患者の体腔の壁における穿刺部を封止する方法において、前記方法は、患者の体腔の壁における穿刺部をから封止コンポーネントおよび封止材送給コンポーネントを挿入する挿入ステップであって、前記封止材送給コンポーネントは、送給チューブを備え、前記封止コンポーネントは、前記送給チューブに摺動可能に配置し、また細長制御部材を有する構成とした、該挿入ステップと、
前記細長制御部材に連結した拡張可能部材を、前記穿刺部から前記体腔内に挿入するステップと、
前記拡張可能部材が、前記送給チューブの遠位端部よりも遠位側にあって、前記体腔内に挿入したとき、前記拡張可能部材を拡張させるステップと、
前記拡張可能部材を前記体腔の壁の遠位側表面近傍に移動させるステップと、
前記送給チューブの前記遠位端部から第1封止材を前記穿刺部内に送給するステップと、
前記患者から前記細長制御部材を抜き出すステップと、
前記細長制御部材を前記患者から抜き出した後に、第2封止材を前記体腔の壁の近位側に送給するステップと、
を有する方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法において、前記第1封止材は、前記送給チューブの第1キャビティを介して送給することを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法において、
前記封止コンポーネントは、前記送給チューブの第2キャビティに挿入し、また、
前記患者から前記細長制御部材を抜き出すステップは、前記送給チューブの前記第2キャビティから前記細長制御部材を抜き出すステップを有することを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法において、前記第2封止材を、前記細長制御部材を前記第2キャビティから抜き出した後に、前記第2キャビティを介して送給することを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項29において、さらに、
前記細長制御部材に配置し、また前記拡張可能部材の遠位に配置する先端部を、前記第1封止材に挿入するステップと、および
前記先端部が前記第1封止材にあるとき、前記先端部を前記細長制御部材から取り外すステップと、
を有する方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法において、前記第2封止材は、前記先端部を取り外した後に送給することを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項34に記載の方法において、前記先端部は、前記第2封止材を送給した後に、前記第1封止材および前記第2封止材に接触するようにしたことを特徴とする方法。
【請求項36】
請求項29に記載の方法において、さらに、前記患者の前記体腔の前記壁部における前記穿刺部を介してガイドシースを挿入するステップと、
前記ガイドシースの少なくとも一部分が前記患者に配置されるとき、前記ガイドシースに前記封止コンポーネントおよび前記封止材送給コンポーネントを挿入するステップと、
を有する方法。
【請求項37】
請求項36に記載の方法において、前記第2封止材は、前記ガイドシースに送給することを特徴とする方法。
【請求項38】
請求項36に記載の方法において、さらに、前記封止材送給コンポーネントに対する前記ガイドシースの位置を、前記封止材送給コンポーネントおよび前記ガイドシースを連結するガイドシース連結部を使用して調整するステップを有する方法。
【請求項39】
請求項29に記載の方法において、さらに、前記患者の皮膚に対して配置する固定ハブを使用して、前記固定ハブを前記患者に衝合させた状態で、前記送給チューブまたはガイドシースを固定するステップを有する方法。
【請求項40】
請求項39に記載の方法において、さらに、
前記患者内に前記固定ハブのチューブを挿入するステップと、
前記チューブを介して前記患者から流体を導出するステップと、
を有する方法。
【請求項41】
請求項29に記載の方法において、前記拡張可能部材は、前記細長制御部材に対して着脱可能に連結し、また、前記方法は、さらに、
拡張可能部材を収縮させるステップと、
前記第1封止材に形成されるキャビティに前記収縮させた前記拡張可能部材を挿入するステップと、
前記第1封止材内に形成される前記キャビティで前記拡張可能部材を拡張するステップと、
前記拡張可能部材が前記第1封止材内にあるとき、前記拡張状態にある前記拡張可能部材を前記細長制御部材から取り外すステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項42】
請求項41に記載の方法において、前記拡張可能部材は生体吸収性としたことを特長とする方法。
【請求項43】
請求項29に記載の方法において、さらに、前記第2封止材を送給する前に、前記患者から前記封止材送給コンポーネントを抜き出すステップを有する方法。
【請求項44】
患者の体腔の壁における穿刺部を封止する方法において、前記方法は、
穿刺部から患者の体腔の壁部に封止コンポーネントおよび封止材コンポーネントを挿入する挿入ステップであって、前記封止材送給コンポーネントは、送給チューブを備え、前記封止コンポーネントは、前記送給チューブに摺動可能に配置し、また細長制御部材を備える構成とした、該挿入ステップと、
前記穿刺部から前記細長制御部材に連結した拡張可能部材を前記体腔に挿入するステップと、
前記拡張可能部材が前記送給チューブの遠位端部の遠位にあって、前記体腔に挿入したとき、前記拡張可能部材を拡張させるステップと、
前記拡張可能部材を前記体腔の前記壁部の遠位表面近傍に移動するステップと、
前記送給チューブの前記遠位端部から封止材を前記穿刺部内に送給するステップと、
前記細長制御部材および前記拡張可能部材に配置する先端部を前記封止材内に挿入するステップと、
前記先端部が前記封止材内にあるとき、前記細長制御部材から前記先端部を取り外すステップと、
を有する方法。
【請求項45】
請求項44に記載の方法において、さらに、前記患者から前記細長制御部材を抜き出すステップを有し、前記細長制御部材を少なくとも部分的に前記患者から抜き出すとき、前記先端部が前記封止材内に挿入されるようにしたことを特徴とする方法。
【請求項46】
請求項44に記載の方法において、前記細長制御部材は、前記封止材送給コンポーネントに対して近位側に移動し、これにより前記先端部が前記封止材内に挿入されることを特徴とする方法。
【請求項47】
請求項44に記載の方法において、前記封止材は、前記体腔の前記壁部の近位側で前記細長制御部材の周囲に送給されることを特徴とする方法。
【請求項48】
請求項47に記載の方法において、前記先端部は、前記細長制御部材が前記封止材から取り外されるとき、前記封止材のキャビティ内に挿入されることを特徴とする方法。
【請求項49】
請求項44に記載の方法において、前記封止材は、前記体腔の前記壁部の近位側であり、また前記送給チューブの前記遠位端部の遠位側に配置した前記細長制御部材上の挿入部材周囲に送給することを特徴とする方法。
【請求項50】
請求項49に記載の方法において、さらに、前記挿入部材を前記封止材料から除去し、前記封止材にキャビティを形成するステップを有する方法。
【請求項51】
請求項50に記載の方法において、前記細長制御部材は、前記封止材送給コンポーネントに対して近位側に移動させて、前記封止材に前記先端部を挿入し、さらに、前記挿入部材を前記封止材から除去するステップを有する方法。
【請求項52】
請求項50に記載の方法において、前記先端部は、前記先端部が前記封止材の前記キャビティ内に挿入されるとき前記細長制御部材から取り外すことを特徴とするステップ。
【請求項53】
請求項50に記載の方法において、前記挿入部材は拡張可能とし、さらに、前記方法は、
前記封止材で前記挿入部材を取り囲む前に前記挿入部材を拡張するステップと、
前記挿入部材を前記封止材から除去して前記キャビティを形成する前に前記挿入部材を収縮させるステップと、
を有する方法。
【請求項54】
請求項50に記載の方法において、前記封止材は第1封止材とし、前記キャビティは第1キャビティとし、前記第1封止材を送給して前記送給チューブの前記遠位端部を取り囲むようにし、さらに、前記方法は、前記送給チューブを前記第1封止材から除去して前記第1封止材に第2キャビティを形成するステップと、
前記第2キャビティに第2封止材を送給するステップと、
を備える方法。
【請求項55】
請求項54に記載の方法において、前記第2封止材は、前記送給チューブまたはガイドシースを使用して送給することを特徴とする方法。
【請求項56】
請求項44に記載の方法において、前記先端部は生体吸収性とする方法。
【請求項57】
請求項44に記載の方法において、前記先端部は、本体と、前記本体から突出する少なくとも1個の突起と、を有することを特徴とする方法。
【請求項58】
請求項57に記載の方法において、前記少なくとも1個の突起は、棘部、前記主体と一体に形成したリング、および前記主体と異なる材料で形成したリングのうちの1つを有する構成としたことを特徴とする方法。
【請求項59】
請求項44に記載の方法において、前記先端部は、縫合糸、ディスク、拡張可能材料、および伸縮自在な編組のうちの少なくとも1つを有する構成としたことを特徴とする方法。
【請求項60】
請求項44に記載の方法において、前記先端部は、遠位側フランジおよび近位側フランジうちの少なくとも1つを有する構成としたことを特徴とする方法。
【請求項61】
請求項44に記載の方法において、
前記封止材は第1封止材とし、
前記先端部を前記第1封止材のキャビティに挿入し、少なくとも部分的に貫通させる、また、
前記先端部は、前記送給チューブまたはガイドシースを経て前記穿刺部内に送給した第2封止材の表面に接触させる
ことを特徴とする方法。
【請求項62】
請求項44に記載の方法において、前記先端部は、釈放機構を使用して前記細長制御部材から取り外すことを特徴とする方法。
【請求項63】
請求項44に記載の方法において、さらに、引張力を先端部に加え、前記先端部を前記細長制御部材から分離するステップを有する方法。
【請求項64】
患者の体腔の壁部における穿刺部を封止する方法において、前記方法は、
患者の体腔の壁部における穿刺部に封止コンポーネントおよび封止材送給コンポーネントを挿入する挿入ステップであって、前記封止材送給コンポーネントは送給チューブを有し、前記封止コンポーネントは前記送給チューブに摺動可能に配置し、また細長制御部材を有する構成とした、該挿入ステップと、
前記穿刺部を経て前記細長制御部材における拡張可能部材を前記体腔内に挿入するステップと、
前記拡張可能部材が前記送給チューブの遠位端部の遠位にあって、前記体腔に挿入したとき、前記拡張可能部材を拡張するステップと、
前記拡張状態にある前記拡張可能部材が前記体腔の前記壁部の遠位側表面に衝合するまで前記患者に対して前記封止コンポーネントを後退させることによって前記体腔の前記壁部を見出すステップと、および
前記送給チューブの前記遠位端部から封止材を前記体腔の前記壁部の近位側に送給するステップと、
を有する方法。
【請求項65】
請求項64に記載の方法において、さらに、前記細長制御部材のルーメンを介して流体を送給して、前記拡張可能部材を拡張するステップを有する方法。
【請求項66】
請求項64に記載の方法において、さらに、前記封止コンポーネントを前記封止材送給コンポーネントに連結するコネクタを使用して前記封止材送給コンポーネントに対する前記封止コンポーネントの位置を調整するステップを有する方法。
【請求項67】
請求項64に記載の方法において、前記拡張可能部材は第1拡張可能部材とし、前記方法は、さらに、前記送給チューブに配置した第2拡張可能部材を拡張させ、これにより、前記第2拡張可能部材の外側表面が、前記送給チューブを包囲するガイドシースの内面または前記患者の体腔における内側表面のうちの少なくとも一方に接触するようにするステップ
を有する方法。
【請求項68】
請求項64に記載の方法において、さらに、前記封止コンポーネントに既知の負荷を加え、前記体腔の前記壁部に対して前記拡張可能部材を位置決めするステップを有する方法。
【請求項69】
請求項68に記載の方法において、前記既知の負荷は、前記封止コンポーネントに取り付けるバイアス装置を使用して加えることを特徴とする方法。
【請求項70】
請求項69に記載の方法において、前記封止コンポーネントに加える負荷は、前記バイアス装置の圧縮量または伸張量に基づいて決めることを特徴とする方法。
【請求項71】
請求項70に記載の方法において、前記バイアス装置は、圧縮ばね、伸張ばね、またはポリマーバンドを有する構成としたことを特徴とする方法。
【請求項72】
請求項70に記載の方法において、前記封止コンポーネントに加える負荷は、前記封止材送給コンポーネントに設ける指標を使用して決定することを特徴とする方法。
【請求項73】
請求項64に記載の方法において、さらに、前記送給チューブまたは前記送給チューブを収容するように構成したガイドシースを、前記患者の前記皮膚に衝合するよう配置する固定ハブを使用して患者に対して適切な位置に固定するステップを有する方法。
【請求項74】
請求項73に記載の方法において、さらに、
前記患者に前記固定ハブのチューブを挿入するステップと、
前記チューブを介して前記患者から流体を導出させるステップと、
を有する方法。
【請求項75】
患者の穿刺部を封止する封止コンポーネントにおいて、前記封止コンポーネントは、
患者の皮膚の穿刺部に挿通するよう構成した細長制御部材と、
前記細長制御部材の遠位端部近傍に配置する拡張可能部材と、
前記拡張可能部材の遠位側で前記細長制御部材に着脱可能に取り付ける先端部と、
を備えた封止コンポーネント。
【請求項76】
請求項75に記載の封止コンポーネントにおいて、
前記細長制御部材は、前記拡張可能部材に流体を導入するよう構成したルーメンを有する構成とし、また、
前記先端部は、前記細長制御部材の前記ルーメンに配置するワイヤの遠位端部に着脱可能に取り付けることを特徴とする封止コンポーネント。
【請求項77】
請求項75に記載の封止コンポーネントにおいて、さらに、前記拡張可能部材の近位側で前記細長制御部材に配置する挿入部材を備えた封止コンポーネント。
【請求項78】
請求項75に記載の封止コンポーネントにおいて、前記先端部は生体吸収性としたことを特徴とする封止コンポーネント。
【請求項79】
請求項75に記載の封止コンポーネントにおいて、前記先端部は非生体吸収性としたことを特徴とする封止コンポーネント。
【請求項80】
請求項75に記載の封止コンポーネントにおいて、
前記先端部は本体と、前記本体から突出する少なくとも1個の突起を有する構成とし、また、
前記少なくとも1個の突起は、棘部、前記本体と一体に形成するリング、前記本体とは異なる材料で形成するリングのうちの少なくとも1つにより構成したことを特徴とする封止コンポーネント。
【請求項81】
請求項75に記載の封止コンポーネントにおいて、前記先端部は、縫合糸、ディスク、曲げ易い材料、拡張可能材料および伸縮可能な編組のうちの少なくとも1つにより構成したことを特徴とする封止コンポーネント。
【請求項82】
患者の体腔の壁部における穿刺部を封止する方法において、前記方法は、
患者の体腔の壁部における穿刺部に封止コンポーネントおよび封止材送給コンポーネントを挿入する挿入ステップであって、前記封止材送給コンポーネントは送給チューブを有し、前記封止コンポーネントは、前記送給チューブに摺動可能に取り付け、さらに細長制御部材を有する構成とした、該挿入ステップと、
前記細長制御部材に着脱可能に連結する拡張可能部材を、前記穿刺部から前記体腔に挿入するステップと、
前記拡張可能部材が前記送給チューブの遠位端部の遠位にあって、前記体腔に挿入するとき、前記拡張可能部材を拡張するステップと、
前記拡張可能部材を前記体腔の前記壁部の遠位表面付近に移動させるステップと、
封止材を前記送給チューブの前記遠位端部から前記穿刺部内に送給するステップと、
前記拡張可能部材を収縮させるステップと、
前記収縮させた前記拡張可能部材を前記封止材に形成したキャビティに挿入するステップと、
前記封止材に形成した前記キャビティ内で前記拡張可能部材を拡張するステップと、
前記拡張可能部材が前記封止材内にあるとき、前記拡張状態の前記拡張可能部材を前記細長制御部材から取り外すステップと、
を有する方法。
【請求項83】
請求項82に記載の方法において、前記収縮させた拡張可能部材は、前記細長制御部材を前記患者から少なくとも部分的に抜き出すことによって、前記キャビティ内に挿入することを特徴とする方法。
【請求項84】
請求項82に記載の方法において、前記拡張可能部材は生体吸収性としたことを特徴とする方法。
【請求項85】
請求項82に記載の方法において、前記封止材は、前記体腔の前記壁部の近位側で前記細長制御部材の周囲に送給することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公表番号】特表2012−501220(P2012−501220A)
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525104(P2011−525104)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際出願番号】PCT/US2009/054492
【国際公開番号】WO2010/027693
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(511051845)セント ジュード メディカル インコーポレイテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】St. Jude Medical, Inc.
【Fターム(参考)】