経膣外科手術のための装置および方法
【課題】腹腔に経膣的にアクセスするために構成されたポートを有すること。
【解決手段】近位端100aおよび遠位端100b、ならびに該近位端と該遠位端との間の中心部分を有する、細長可撓性部材100;ならびに該細長部材の遠位端に形成された保持機構110であって、該保持機構は、第一の構成および第二の構成を有し、該第一の構成は、該細長部材の該遠位端を開口部に挿入するためのものであり、そして該第二の構成は、該細長部材を開口部内に選択的に固定するためのものである、保持機構、を備える、経膣外科手術中に使用するためのアクセスポート。
【解決手段】近位端100aおよび遠位端100b、ならびに該近位端と該遠位端との間の中心部分を有する、細長可撓性部材100;ならびに該細長部材の遠位端に形成された保持機構110であって、該保持機構は、第一の構成および第二の構成を有し、該第一の構成は、該細長部材の該遠位端を開口部に挿入するためのものであり、そして該第二の構成は、該細長部材を開口部内に選択的に固定するためのものである、保持機構、を備える、経膣外科手術中に使用するためのアクセスポート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、2009年7月8日に出願された米国仮特許出願番号61/223,853の利益および優先権を主張する。この米国仮特許出願の開示は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本開示は、経膣外科手術に関する。より特定すると、本開示は、腹腔にアクセスするために経膣外科手術において使用するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
今日、患者に対する外傷と回復時間との両方を減少させることを努力して、多くの外科手術手順が、従来の手順において代表的に必要とされる大きい切開部と比較して、小さい皮膚の切開部を通して実施される。一般に、このような手順は、患者の腹部に対して実施されない限り、「内視鏡的」であると称される。患者の腹部に対して実施される場合、この手順は、「腹腔鏡的」であると称される。本開示全体にわたって、用語「内視鏡」と「腹腔鏡」は、交換可能に使用され得る。さらに、外科手術手順は、天然に存在する開口(例えば、肛門または膣)を通して実施され得る。まとめて、これらの外科手術手順は一般に、最小侵襲性であると称される。
【0004】
瘢痕を最小にし、そして回復時間を短縮するという継続的な努力において、多くの腹腔鏡手順が、1つの切開部を通して実施される。1つの切開部での外科手術において使用するためのポートが公知であり、これらのうちの1つは、共有に係る米国特許出願番号12/244,024に開示されており、その内容は、その全体が本明細書中に参考として援用される。このポートは、複数の管腔を備え、その結果、外科医は、このポートを通して複数のデバイスを同時に挿入し得、そしてこれらのデバイスを腹腔内で操作し得る。
【0005】
1つの切開部での手順を使用して、瘢痕は有意に減少するが、目に見える瘢痕が残り得る。目に見える瘢痕の可能性を排除するために、腹腔は、女性患者の膣を通してアクセスされ得る。従来の1つの切開部での外科手術において使用するために構成された硬い管状ポートは、密封システムを必要とし得、そして/または縁部を備え得、これらは、繊細な内部器官を損傷し得る。さらに、膣を通して腹腔にアクセスするために必要とされる実質的な長さに起因して、これらのポートを通して挿入された外科手術用デバイスの操作および三角測量は、困難であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、腹腔に経膣的にアクセスするために構成されたポートを有することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
近位端および遠位端、ならびに該近位端と該遠位端との間の中心部分を有する、細長可撓性部材;ならびに
該細長部材の遠位端に形成された保持機構であって、該保持機構は、第一の構成および第二の構成を有し、該第一の構成は、該細長部材の該遠位端を開口部に挿入するためのものであり、そして該第二の構成は、該細長部材を開口部内に選択的に固定するためのものである、保持機構、
を備える、経膣外科手術中に使用するためのアクセスポート。
(項目2)
前記遠位端が、後膣円蓋における切開を通して選択的に受容されるように構成されている、上記項目に記載のアクセスポート。
(項目3)
前記遠位端が、患者の腹腔内に選択的に受容されるように構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載のアクセスポート。
(項目4)
前記細長部材の前記遠位端が、該遠位端を通って延びる複数の管腔を備える、上記項目のうちのいずれかに記載のアクセスポート。
(項目5)
前記複数の管腔の各々が、外科手術用器具を受容するように構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載のアクセスポート。
(項目6)
前記複数の管腔の各々が、外科手術用器具を密封する様式で受容するように構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載のアクセスポート。
(項目7)
前記細長部材が、発泡体、ゴム、または他の弾性材料から構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載のアクセスポート。
(項目8)
前記細長部材が、発泡体、ゴム、または他の柔軟な材料から構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載のアクセスポート。
(項目9)
前記保持機構が、選択的に膨張可能な部材を備える、上記項目のうちのいずれかに記載のアクセスポート。
(項目10)
前記保持機構が、複数のアンカー部材を備える、上記項目のうちのいずれかに記載のアクセスポート。
(項目11)
前記保持機構が、複数のフィンを備える、上記項目のうちのいずれかに記載のアクセスポート。
(項目12)
アクセスポートを患者の自然の開口部内に選択的に保持するように構成された保持機構を備える可撓性アクセスポート;
該自然の開口部の壁に、該患者の体腔内への切開を形成するための手段;および
該アクセスポートの遠位端を該自然の開口部に、該切開を通して挿入するための手段、
を備える、手順を実施するためのシステム。
(項目13)
前記保持機構が、前記アクセスポートの前記遠位端を前記患者の前記腹腔内に固定するために起動させられるように構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目14)
前記保持機構が、膨張させられて前記アクセスポートを前記自然の開口部内に固定するように構成された膨張可能部材を備える、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目15)
前記膨張可能部材を膨張させるための手段をさらに包含する、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目16)
前記保持機構が、前記アクセスポートを前記自然の開口部に挿入するために延長するように構成された複数のアンカー部材を備える、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目17)
前記複数のアンカー部材が、前記アクセスポートを前記自然の開口部に挿入する前に延長するように構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目18)
前記遠位端が前記切開を通して受容されると、前記複数のアンカー部材を解放するための手段をさらに備える、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目19)
前記保持機構が、前記アクセスポートを前記自然の開口部内に固定するように構成された、半径方向に延びる複数のフィンを備える、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目20)
前記半径方向に延びる複数のフィンが、前記アクセスポートを前記自然の開口部内に固定するために外向きに延びるように構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目21)
可撓性アクセスポートであって、患者の膣内に受容されるように構成されており、そして体腔へのアクセスを提供するための1つ以上の管腔を備える、可撓性アクセスポート;
該アクセスポートとの作動可能な係合のために構成された導入器であって、該膣内への該アクセスポートの導入を容易にするための、導入器;および
1つ以上のカニューレ/閉塞具アセンブリであって、該アクセスポートの該1つ以上の管腔を通しての受容のために構成されており、該カニューレ/閉塞具アセンブリを通しての1つ以上の器具の挿入のための密封された開口部を提供する、1つ以上のカニューレ/閉塞具アセンブリ、
を備える、経膣外科手術を実施するためのキット。
【0008】
(項目12B)
可撓性アクセスポートを患者の自然の開口部内に選択的に保持するように構成された保持機構を備える可撓性アクセスポートを提供する工程;
該自然の開口部の壁に、該患者の体腔内への切開を形成する工程;および
該アクセスポートの遠位端を該自然の開口部に、該切開を通して挿入する工程、
を包含する、手順を実施する方法。
【0009】
(項目13B)
上記保持機構を起動させて、上記アクセスポートの上記遠位端を上記患者の上記腹腔内に固定する工程をさらに包含する、上記項目に記載の方法。
【0010】
(項目14B)
上記保持機構が、膨張させられて上記アクセスポートを上記自然の開口部内に固定するように構成された膨張可能部材を備える、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
【0011】
(項目15B)
上記膨張可能部材を膨張させる工程をさらに包含する、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
【0012】
(項目16B)
上記保持機構が、上記アクセスポートを上記自然の開口部に挿入するために延長させられるように構成された複数のアンカー部材を備える、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
【0013】
(項目17B)
上記アクセスポートを上記自然の開口部に挿入する前に、上記複数のアンカー部材を延長させる工程をさらに包含する、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
【0014】
(項目18B)
上記遠位端が上記切開を通して受容されると、上記複数のアンカー部材を解放する工程をさらに包含する、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
【0015】
(項目19B)
上記保持機構が、上記アクセスポートを上記自然の開口部内に固定するように構成された、半径方向に延びる複数のフィンを備える、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
【0016】
(項目20B)
上記半径方向に延びる複数のフィンを外向きに延ばして、上記アクセスポートを上記自然の開口部内に固定する工程をさらに包含する、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
【0017】
(摘要)
外科手術を経膣的に実施するためのアクセスポートが提供される。このアクセスポートは、近位端および遠位端およびこれらの間の中心部分を有する細長可撓性部材、ならびにこの細長部材の遠位端に形成された保持機構を備える。この保持機構は、この細長部材の遠位端を開口部内に挿入するための第一の構成、およびこの細長部材を開口部内に選択的に固定するための第二の構成を備える。経膣外科手術を実施する方法もまた提供される。この方法は、アクセスポートを患者の膣内に選択的に保持するように構成された保持機構素を備えるアクセスポートを提供する工程、患者の膣の壁から腹内への切開を形成する工程、このアクセスポートの遠位端をこの膣に挿入してこの切開に通す工程、およびこの保持機構を起動させてこのアクセスポートの遠位端をこの患者の腹腔内に固定する工程を包含する。
【0018】
(要旨)
従って、腹腔に経膣的にアクセスするためのアクセスポートが提供される。このアクセスポートは、近位端および遠位端およびこれらの間の中心部分を有する細長部材、ならびにこの細長部材の遠位端に形成された保持機構を備える。この保持機構は、この細長部材の遠位端を開口部内に挿入するための第一の構成、およびこの細長部材を開口部内に選択的に固定するための第二の構成を備える。
【0019】
1つの実施形態において、このアクセスポートの遠位端は、後膣円蓋の切開を通して選択的に受容されるように構成される。この遠位端は、患者の腹腔内に選択的に受容されるように構成され得る。この細長部材の遠位端は、この遠位端を通って延びる複数の管腔を備え得る。これらの複数の管腔の各々は、外科手術用器具を受容するように構成され得る。この細長部材は、発泡体、ゴムまたは他の弾性材料から構成され得る。この保持機構は、選択的に膨張可能な部材、複数のアンカー部材、または複数のフィンを備え得る。
【0020】
外科手術手順を実施する方法もまた提供される。この方法は、アクセスポートを患者の自然の開口部内に選択的に保持するように構成された保持機構素を備えるアクセスポートを提供する工程、患者の自然の開口部の壁に体腔内への切開を形成する工程、およびこのアクセスポートの遠位端をこの自然の開口部に挿入してこの切開に通す工程を包含する。この方法は、この保持機構を起動させてこのアクセスポートの遠位端をこの患者の腹腔内に固定する工程をさらに包含し得る。
【0021】
1つの実施形態において、この保持機構は、このアクセスポートをこの自然の開口部内に固定するように膨張させられるように構成された、膨張可能部材を備える。この様式で、この方法は、この膨張可能部材を膨張させる工程をさらに包含する。
【0022】
別の実施形態において、この保持機構は、このアクセスポートをこの自然の開口部内に挿入するために延長されるように構成された、複数のアンカー部材を備える。この様式で、この方法は、このアクセスポートをこの自然の開口部に挿入する前に、これらの複数のアンカー部材を延長させる工程、およびこのアクセスポートの遠位端をこの切開に通して受容すると、これらの複数のアンカー部材を解放する工程をさらに包含する。
【0023】
なお別の実施形態において、この保持機構は、このアクセスポートをこの自然の開口部内に固定するように構成された、半径方向に延びる複数のフィンを備える。この様式で、この方法は、これらの半径方向に延びる複数のフィンを外向きに延長させて、このアクセスポートをこの自然の開口部内に固定する工程をさらに包含する。
【0024】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、そして本明細書の一部を構成する。これらの図面は、本開示の実施形態を図示し、そして上に与えられた本開示の一般的な説明および以下に与えられる実施形態の詳細な説明と一緒になって、本開示の原理を説明する役に立つ。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、経膣的に受容された本開示によるアクセスポートの1つの実施形態を含む、女性患者の内部解剖学の図示である。
【図2】図2は、本開示の別の実施形態によるアクセスポートの斜視図である。
【図3】図3は、図2のアクセスポートの断面側面図である。
【図4】図4は、図2および図3のアクセスポートの近位端面図である。
【図5】図5は、折り畳まれた状態にあり、挿入器具を備える、本開示のなお別の実施形態によるアクセスポートの斜視側面図である。
【図6】図6は、図5のアクセスポートの斜視端面図である。
【図7】図7は、第一の状態または弛緩状態にある、本開示のなお別の実施形態によるアクセスポートの遠位端面図である。
【図8】図8は、第一の状態または弛緩状態にある、図7のアクセスポートの斜視族面図である。
【図9】図9は、第二の状態または真っ直ぐな状態にある、図6および図7のアクセスポートの斜子側面図である。
【図10】図10は、本開示のなおさらに別の実施形態によるアクセスポートの側面図である。
【図11】図11は、図10のアクセスポートの遠位端の拡大切り取り図である。
【図12】図12は、図10および図11のアクセスポートの遠位端面図である。
【図13】図13は、本開示のなお別の実施形態によるアクセスポートである。
【図14】図14は、しぼんだ状態にある膨張可能部材を有する、本開示の別の実施形態によるアクセスポートの斜視図である。
【図15】図15は、膨張可能部材が膨張している、図14のアクセスポートの側面図である。
【図16】図16は、3つの管腔を備える、図14および図15のアクセスポートの近位端面図である。
【図17】図17は、4つの管腔を備える、図14および図15のアクセスポートの近位端面図である。
【図18】図18は、経膣外科手術のためのキットに備えられる、図14のアクセスポートの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(詳細な説明)
図面および以下の説明において、同じ参照番号は、類似の要素または同一の要素を識別し、当該分野において慣習的かつ公知であるように、用語「近位」とは、使用中に臨床医に最も近い装置の端部をいい、一方で、用語「遠位」とは、臨床医から最も遠い端部をいう。
【0027】
図1を参照すると、女性患者の内部解剖学の図示が示されており、腹腔5、子宮6、膀胱7、膣8、および肛門9を含む。本開示の実施形態(一般に、アクセスポート100として示される)の遠位端100bは、膣8の後円蓋に形成された切開8aを通して受容され、一方で、アクセスポート100の近位端100aは、外科医によりアクセス可能なままである。遠位端100bに形成された保持機構110は、アクセスポート100を膣8内に保持する。
【0028】
ここで図2および図3を参照すると、本開示の実施形態が、一般にアクセスポート200として示されている。図示され、議論されるように、アクセスポート200は、外科医に腹腔5(図1)への経膣的アクセスを提供するように構成されるが、アクセスポート200は、他の天然に存在する開口(例えば、肛門)を通して、または腹壁を通して腹腔にアクセスするためにより好都合な様式で、使用されるように構成されてもよい。
【0029】
アクセスポート200は、側面から見ると実質的に砂時計の形状を有する細長部材202を備える。アクセスポート200は、発泡体、あるいは他の弾性材料および/または柔軟な材料から構成される。使い捨てであることが意図されるが、アクセスポート200は、滅菌および再使用され得るような材料から構成されても、そして/またはそのようなコーティングを備えてもよい。
【0030】
図2および図3をさらに参照すると、細長部材202は、実質的に開いた近位端202a、実質的に閉じた遠位端202b、およびこれらの間の中心部分202cを備える。細長部材202の近位端202aは、近位管腔203を規定し、この近位管腔は、外科医に、1つ以上の内視鏡用器具で腹腔5(図1)にアクセスするための通路を提供するように構成される。リム204が、細長部材202の近位端202aに形成され、これは、膣8(図1)へのアクセスポート200の過剰挿入を防止するように構成される。1つの実施形態において、アクセスポート200が膣8内に作動可能に受容される場合、リム204は、膣8の外側に維持される。以下でさらに詳細に議論されるように、アクセスポート200の長さおよび直径は、膣8の寸法および/またはアクセスポート200を通して実施される手順に依存して変動し得る。アクセスポート200は、膣8内に、そして膣8を通してのアクセスポート200の挿入を容易にするためのコーティングまたはカバー(図示せず)を備え得る。
【0031】
細長部材202の遠位端202bは、複数の遠位管腔205を規定する。3つの遠位管腔205を備えるように示されるが、アクセスポート200は、1つ以上の遠位管腔205を備え得ることが想定される。1つの実施形態において、示されるように、遠位管腔205は、中心軸「X」に対して各々が平行である。代替の実施形態において、管腔205のうちの1つ以上は、中心軸「X」に向かって、または中心軸「X」から離れるように、そして/あるいは互いに向かって、または互いから離れるように、角度を付けられ得る。遠位管腔205は、示されるように、同じ直径を有し得るか、またはその代わりに、種々の長さの直径を有し得る。遠位管腔205は、密封する様式で器具を受容するようなサイズにされる。あるいは、またはさらに、遠位管腔205のうちの1つまたは全ては、それぞれの遠位管腔205を密封するための、シール部材またはシール機構を備え得る。
【0032】
図2および図3をさらに参照すると、アクセスポート200の遠位端202bは、保持機構210を備える。保持機構210は、フランジ212を備え、このフランジは、アクセスポート200の遠位端202bを、膣8(図1)の後円蓋に形成された切開8aを通して腹腔5内にしっかりと保持するように構成される。フランジ212は、フランジ212から半径方向内向きに延びるリブ214により支持される。フランジ212は、膣8への挿入中に半径方向に折り畳まれて、挿入を容易にするように構成される。フランジ212は、リム204と一緒になって、アクセスポート200を膣8内に固定し、そしてアクセスポート200を通して手順が実施される際にこのアクセスポートの長手軸方向への移動を最小にするように働く。細長部材202の中心部分202cは、膣8の長さに延びるように構成され、その結果、細長部材202の遠位端202b(フランジ212を含む)は、腹腔5内に受容され、一方で、細長部材202の近位端202a(リム204を含む)は、膣8の外側に維持される。
【0033】
ここで図3および図4を参照すると、細長部材202の遠位端202bは、非貫通管腔(blind lumen)207をさらに備える。非貫通管腔207は、開口近位端207aおよび閉鎖遠位端207bを備える。非貫通管腔207は、挿入器具(図示せず)の遠位端を選択的に受容するように構成される。非貫通管腔207は、溝または凹部(図示せず)を備え得、この溝または凹部は、挿入器具に形成されたタブまたは突出部(図示せず)を受容するように構成され、その結果、アクセスポート200は、この挿入器具によってさらにしっかりと係合され得る。
【0034】
図3および図4をさらに参照すると、切り欠き208が、細長部材202の中心部分202cに、近位管腔203の周りに形成される。切り欠き208は、アクセスポート200の除去を補助するために、除去器具(図示せず)に形成されたタブ(図示せず)に選択的に係合するように構成される。
【0035】
ここで図1〜図4を参照すると、使用において、切開8aが最初に、腹腔5にアクセスするために、膣8の後円蓋に形成される。次いで、挿入器具(図示せず)の遠位端が、細長部材202の遠位端202bに形成された非貫通管腔207に挿入される。次いで、アクセスポート200の遠位端202bは、膣8に挿入され、そして切開8aを通り、その結果、フランジ212が、腹腔5内に受容される。1つの手順において、アクセスポート200のサイズは、リム204が膣8の外側に維持されるようなサイズである。上で議論されたように、アクセスポート200は、その挿入を容易にするためのコーティング(図示せず)を備え得る。あるいは、潤滑剤が、挿入を容易にするために、アクセスポート200に塗布され得る。
【0036】
図1〜図4をさらに参照すると、一旦、膣8内に適切に配置されると、挿入器具(図示せず)の遠位端は、非貫通管腔207から除去され、そしてアクセスポート200は、使用の準備ができる。1つ以上の内視鏡器具が、アクセスポート200の遠位管腔205を通して挿入されて、外科手術手順を完了し得る。通気ガスの供給源が、腹腔5を通気するために、遠位管腔205のうちの1つに接続され得る。
【0037】
図1〜図4をさらに参照すると、手順の完了の際に、内視鏡器具および/または通気供給ライン(図示せず)がアクセスポート200から除去される。次いで、除去器具(図示せず)の遠位端が、近位管腔203内に受容される。除去器具の遠位端に形成されたタブ(図示せず)が、細長部材202の中心部分202cに形成された切り欠き208に係合する。一旦、アクセスポート200としっかりと係合すると、この除去器具は、アクセスポート200を膣8内から引き抜くために、外科医により使用される。切開8aが、従来の様式で閉じられる。
【0038】
ここで図5および図6を参照すると、経膣用途のために構成されたアクセスポートの代替の実施形態が、一般にアクセスポート300として示されている。アクセスポート300は、本明細書中で上に記載されたアクセスポート200と実質的に類似であるので、これらの間の違いに関してのみが記載される。アクセスポート300は、近位端302aおよび遠位端302b、ならびにこれらの間の中心部分302cを備える、細長部材302を備える。アクセスポート300は、細長部材302の遠位端302bに形成された3つの遠位管腔305を備える。アクセスポート300は、1つ以上の遠位管腔305を備え得ることが想定される。1つの実施形態において、細長部材302の近位端302aは、テーパ状であり、そして第一のリム304aおよび第二のリム304bを備える。第一のリム304aおよび第二のリム304bは、膣8内へのアクセスポート300の過剰挿入を防止するように構成される。リム304a、304bはまた、膣8内からのアクセスポート300の除去を容易にするように構成され得る。
【0039】
図5および図6をさらに参照すると、細長部材302の遠位端302bは、保持機構310を備える。保持機構310は、半径方向に延長可能な複数のフィン312を備える。フィン312は、アクセスポート300を膣8(図1)内に選択的に保持するように構成される。膣8への挿入中における、アクセスポート300の、長手方向軸「X」の周りでの、矢印「A」により示されるような第一の方向(図5および図6において反時計回り)への回転は、フィン312を内向きに折り畳み、これによって、遠位端302bの周径を減少させ、そしてアクセスポート300を膣8内で切開8a(図1)を通して挿入することを容易にする。一旦、細長部材302の遠位端302bが、切開8aを通して腹腔5内に受容されると、アクセスポート300の、長手方向軸「X」の周りでの、矢印「B」により示されるような第二の方向(図5および図6において時計回り)への回転は、フィン312を拡張させ、これによって、遠位端302bの周径を増加させ、そしてアクセスポート300を膣8a内に固定する。フィン312と膣8の壁との摩擦係合は、アクセスポート300の回転の際に、フィン312が上に示されるように折り畳まれること、または拡張することを可能にする。アクセスポート300は、フィン312を折り畳み状態および/または拡張状態に固定するための機構を備えて、フィン312の不慮の拡張および/または折り畳みを防止し得ることが想定される。
【0040】
図6を参照すると、1つの実施形態において、細長本体302の近位端302aに位置する印315は、アクセスポート300の保持機構310を係合(例えば、ロック(フィン312を拡張させることによる))するため、または脱係合(例えば、ロック解除(フィン312を折り畳むことによる))するために、細長部材302をどちらの方向に回転させるかを、外科医に示す。
【0041】
図5に戻って参照すると、アクセスポート300の挿入のために構成された挿入器具の1つの実施形態が、一般に挿入器具350として示されている。挿入器具350の遠位端350bは、アクセスポート300の近位管腔303内に受容されるように構成される。遠位端350bは、この遠位端から遠位に延びる複数の突出部354を備え、これらの突出部は、細長部材302の遠位端302bに形成された遠位管腔305と係合するように構成される。挿入器具350の近位端350aは、外科医による把持を容易にするように構成され、その結果、挿入器具350は、アクセスポート300を回転させるために使用され得る。
【0042】
使用において、切開8aが形成され、アクセスポート300が膣8に挿入される。アクセスポート300の挿入は、挿入器具350を使用してかまたは使用せずに完了され得る。潤滑剤(図示せず)が、細長部材302に塗布されて、アクセスポート300の挿入を容易にし得る。上で議論されたように、細長部材302が膣8に受容されると、細長部材302は、矢印「A」により示されるような第一の方向に回転されて、遠位端302bの周径を減少させ、そして膣8および切開8aを通しての細長部材の挿入を容易にする。一旦、遠位端302bが切開8aを通して受容されると、細長部材302は、矢印「B」により示されるような第二の方向に回転されて、フィン312を拡張させ、そしてアクセスポート300を膣8内に、切開8aを通して固定する。
【0043】
一旦、膣8内で適切に配置されると、複数の器具がアクセスポート300を通して挿入されて、手順を完了し得る。一旦、この手順が完了すると、アクセスポート300は、細長部材302を矢印「A」により示されるような第一の方向に回転させることによって除去され、細長部材302の近位端302aが外科医により把持され、外科医の手または除去器具(図示せず)のいずれかを使用して、膣8から引き抜かれる。上で議論されたように、細長部材302の回転は、フィン312を折り畳み、これによって、遠位端302bの周径を減少させ、そして切開8aおよび膣8を通しての遠位端の引き抜きを補助する。
【0044】
ここで図7〜図9を参照すると、本開示によるアクセスポートの別の実施形態が、一般にポート400として示されている。アクセスポート200および300と同様に、アクセスポート400は、これらと実質的に類似であるので、これらの間の違いに関してのみが記載される。アクセスポート400は、細長部材402の遠位端402bに形成された保持機構410を備える。保持機構410は、遠位先端414において互いに作動可能に接続された、複数のアンカー部材412を備える。3つのアンカー部材412を備えるように示されているが、アクセスポート400は、2つ以上のアンカー部材412を備え得ることが想定される。第一の状態または弛緩状態(図8)において、アンカー412は、半径方向外向きに湾曲して、遠位端402bを拡大させる。この弛緩状態にある場合、拡大した遠位端402bは、アクセスポート400を膣8内に固定するように構成される。第二の状態または真っ直ぐな状態(図9)において、アンカー部材412は、伸ばされるかまたは真っ直ぐにされて、遠位端402bを狭くする。遠位端402bを狭くすることによって、膣8内での切開8aを通しての細長部材402の挿入が容易になる。
【0045】
図7〜図9を続けて参照すると、1つの実施形態において、挿入器具(図示せず)から延びる挿入棒450(図9)が、細長部材402の遠位端402bに形成された遠位管腔405aに挿入されて、アンカー部材412を真っ直ぐにするために使用される。一旦、挿入棒450が遠位管腔405aから除去されると、アンカー部材412は外向きに曲がり、そしてその第一の状態または弛緩状態に戻る。この様式で、細長部材402の遠位端402bは、第二の状態または真っ直ぐな状態にある場合に、膣8および切開8aを通して挿入され、そして除去されるように構成され、そして第一の状態または弛緩状態にある場合に、膣8内で切開8に通して固定されるように構成される。
【0046】
アクセスポート400は、挿入器具の補助なしでアンカー部材412を真っ直ぐにするためおよび解放するための、直状化機構(図示せず)を備え得ることが想定される。この直状化機構は、使用者によるアクセスアセンブリ400の回転および/または長手軸方向の操作によって、起動され得る。
【0047】
ここで図10〜図12を参照すると、本開示によるアクセスポートのなお別の実施形態が、一般にアクセスポート500として示されている。アクセスポート500は、円錐形の遠位端502bを有する、実質的に円筒形の部材502を備える。複数の遠位管腔505a、505b、505cが、円筒形部材502を通って延びる。カニューレ506a、506bが、それぞれ遠位管腔505a、505bから遠位に延び、そしてこれらの遠位管腔に作動可能に接続される。示されるように、カニューレ506aおよび遠位管腔505aは、中心に位置する開口部を形成し、この開口部は、この開口部を通しての可視化を可能にする。カニューレ506aおよび遠位管腔505aはまた、切開8a(図1)を形成するための切断器具を受容するように構成され得る。遠位管腔505cは、腹腔5(図1)内に通気ガスを方向付けるように構成された通気チャネルを規定する。以下でさらに詳細に議論されるように、遠位管腔505cはまた、膨張可能部材512と接続されて、膨張可能部材512を膨張させるための気体を提供し得る。カニューレ506bおよび遠位管腔505bは、これらを通して内視鏡器具(図示せず)を受容するように構成される。
【0048】
図10〜図12をさらに参照すると、円筒形部材502の遠位端502bは、保持機構510を備える。保持機構510は、円筒形部材502の遠位端502bの周りに延びる膨張可能部材512を備える。膨張可能部材512は、一旦、円筒形部材502の遠位端502bが切開8aを通して受容されると、膨張させられるように構成される。膨張可能部材512は、円筒形部材502を膣8内に固定するように働く。気体が、膨張可能部材512に、遠位管腔505cを通して遠隔的に提供される。代替の実施形態において、気体は、膨張可能部材512を膨張させるために、円筒形部材502内に位置する気体供給源(図示せず)から提供され得る。
【0049】
図13を参照すると、本開示によるアクセスポートのなおさらに別の実施形態(アクセスポート600として一般に示される)において、カニューレ606a、606bは、円筒形本体602にスライド可能に接続され、その結果、各々が、この円筒形本体を通って選択的に延長し得る。
【0050】
ここで図14〜図17を参照すると、本開示によるアクセスポートの別の実施形態が、一般にアクセスポート700として示されている。アクセスポート700は、本明細書中で上に記載されたアクセスポートの特徴を組み込む。アクセスポート700は、近位端702aおよび遠位端702b、ならびにこれらの間の中心部分702cを備える、細長部材702を備える。アクセスポート700は、細長部材702の遠位端702bに形成された、1つ以上の管腔705を備える。アクセスポート700は、1つ、2つ、3つ(図16)、4つ(図17)またはより多くの遠位管腔705を備え得ることが想定される。アクセスポート700はまた、遠位管腔705の遠位端を覆って形成された一体シール(図示せず)を備え得る。この一体シールは、遠位管腔705の遠位端を覆うカバーまたはスキンを形成し、カニューレまたは他の器具の挿入中に穿孔される。あるいは、遠位管腔705は、取り外し可能な「プロング」(図示せず)を有する導入器(図18)を使用して、挿入中にシールされ得る。これらのプロングは、遠位管腔705を塞ぐように構成される。別の実施形態において、アクセスポート700の遠位端702は、コンドーム様のカバー(図示せず)を備え得、これは、カニューレの挿入中に穿孔される。
【0051】
図14および図15を参照すると、示されるように、細長部材702の近位端702aは、テーパ状であり、第一のリム704aおよび第二のリム704bを備える。第一のリム704aおよび第二のリム704bは、アクセスポート700の膣8内への過剰挿入を防止するように構成される。リム704a、704bはまた、膣8内からのアクセスポート700の除去を容易にするように構成され得る。
【0052】
図14および図15をさらに参照すると、細長部材702の遠位端702bは、保持機構710を備える。保持機構710は、細長部材702の遠位端702bの周りに延びる膨張可能部材712を備える。膨張可能部材712は、一旦、細長部材702の遠位端702bが切開8aを通して受容されると、膨張させられるように構成される(図15)。膨張可能部材712は、細長部材702を膣8内に固定するように働く。気体が、膨張可能部材712に、膨張管750を通して遠隔的に提供される。代替の実施形態において、気体は、膨張可能部材712を膨張させるために、細長部材702内に位置する気体供給源(図示せず)から提供され得る。1つの実施形態において、膨張可能部材712は、膨張可能部材712の過剰膨張を防止するように構成された弁または他の安全機構(図示せず)を備える。あるいは、アクセスポート700は、膨張可能部材712の制御された膨張のための一定の容積を有する注射器(図示せず)を備え得る。
【0053】
ここで図18を参照すると、経膣外科手術において使用するためのキットが、一般にキット800として示されている。示されるように、キット800は、アクセスポート700、導入器760および挿入器770(各々が、アクセスポート700の挿入を容易にするために構成されている)、1セット以上の小さいカニューレ/閉塞具アセンブリ80、ならびに1セット以上の大きいカニューレ/閉塞具アセンブリ90を備える。図示において、キット800は、アクセスポート700を備えるが、キット800は、上記アクセスポートのうちの任意のものを備え得ることが想定される。
【0054】
図18を続けて参照すると、導入器760は、遠位管腔705内に受容されるように構成された複数のプロング762、および使用者による係合を容易にするように構成されたハンドル764を備える。プロング762の数は、アクセスポート700により規定される遠位管腔705の数に対応する。図示において、導入器760は、4つのプロング762を備える。挿入器770は、実質的に靴べら形状の部材を規定し、この部材は、アクセスポート700を切開に通して挿入する間に、この切開を広げるように構成される。挿入器770は、プラスチック、金属、または他の適切な材料から作製され得、そして一部品成形可能な設計を含み得る。
【0055】
図18をさらに参照すると、キット800は、1つ以上のカニューレ/閉塞具アセンブリ80、90を備え得る。カニューレ/閉塞具アセンブリ80、90の各々は、それぞれ、カニューレ82、92、および閉塞具84、94を備える。カニューレ/閉塞具アセンブリ80、90は、同じ構成のものであっても異なる構成のものであってもよい。図示において、カニューレ/閉塞具アセンブリ80、90は、通気弁85を備え得る。
【0056】
アクセスポートの特定の特徴が、図面のうちのいくつかにおいては示され、他の図面には示されていないが、このことは、簡便のためのみであり、各特徴は、本開示の局面に従う他の特徴のうちのいずれかまたはすべてと組み合わせられ得る。他の実施形態は、当業者に想到され得、そして本開示の範囲内である。
【符号の説明】
【0057】
100 アクセスポート
100a 近位端
100b 遠位端
110 保持機構
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、2009年7月8日に出願された米国仮特許出願番号61/223,853の利益および優先権を主張する。この米国仮特許出願の開示は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本開示は、経膣外科手術に関する。より特定すると、本開示は、腹腔にアクセスするために経膣外科手術において使用するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
今日、患者に対する外傷と回復時間との両方を減少させることを努力して、多くの外科手術手順が、従来の手順において代表的に必要とされる大きい切開部と比較して、小さい皮膚の切開部を通して実施される。一般に、このような手順は、患者の腹部に対して実施されない限り、「内視鏡的」であると称される。患者の腹部に対して実施される場合、この手順は、「腹腔鏡的」であると称される。本開示全体にわたって、用語「内視鏡」と「腹腔鏡」は、交換可能に使用され得る。さらに、外科手術手順は、天然に存在する開口(例えば、肛門または膣)を通して実施され得る。まとめて、これらの外科手術手順は一般に、最小侵襲性であると称される。
【0004】
瘢痕を最小にし、そして回復時間を短縮するという継続的な努力において、多くの腹腔鏡手順が、1つの切開部を通して実施される。1つの切開部での外科手術において使用するためのポートが公知であり、これらのうちの1つは、共有に係る米国特許出願番号12/244,024に開示されており、その内容は、その全体が本明細書中に参考として援用される。このポートは、複数の管腔を備え、その結果、外科医は、このポートを通して複数のデバイスを同時に挿入し得、そしてこれらのデバイスを腹腔内で操作し得る。
【0005】
1つの切開部での手順を使用して、瘢痕は有意に減少するが、目に見える瘢痕が残り得る。目に見える瘢痕の可能性を排除するために、腹腔は、女性患者の膣を通してアクセスされ得る。従来の1つの切開部での外科手術において使用するために構成された硬い管状ポートは、密封システムを必要とし得、そして/または縁部を備え得、これらは、繊細な内部器官を損傷し得る。さらに、膣を通して腹腔にアクセスするために必要とされる実質的な長さに起因して、これらのポートを通して挿入された外科手術用デバイスの操作および三角測量は、困難であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、腹腔に経膣的にアクセスするために構成されたポートを有することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
近位端および遠位端、ならびに該近位端と該遠位端との間の中心部分を有する、細長可撓性部材;ならびに
該細長部材の遠位端に形成された保持機構であって、該保持機構は、第一の構成および第二の構成を有し、該第一の構成は、該細長部材の該遠位端を開口部に挿入するためのものであり、そして該第二の構成は、該細長部材を開口部内に選択的に固定するためのものである、保持機構、
を備える、経膣外科手術中に使用するためのアクセスポート。
(項目2)
前記遠位端が、後膣円蓋における切開を通して選択的に受容されるように構成されている、上記項目に記載のアクセスポート。
(項目3)
前記遠位端が、患者の腹腔内に選択的に受容されるように構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載のアクセスポート。
(項目4)
前記細長部材の前記遠位端が、該遠位端を通って延びる複数の管腔を備える、上記項目のうちのいずれかに記載のアクセスポート。
(項目5)
前記複数の管腔の各々が、外科手術用器具を受容するように構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載のアクセスポート。
(項目6)
前記複数の管腔の各々が、外科手術用器具を密封する様式で受容するように構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載のアクセスポート。
(項目7)
前記細長部材が、発泡体、ゴム、または他の弾性材料から構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載のアクセスポート。
(項目8)
前記細長部材が、発泡体、ゴム、または他の柔軟な材料から構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載のアクセスポート。
(項目9)
前記保持機構が、選択的に膨張可能な部材を備える、上記項目のうちのいずれかに記載のアクセスポート。
(項目10)
前記保持機構が、複数のアンカー部材を備える、上記項目のうちのいずれかに記載のアクセスポート。
(項目11)
前記保持機構が、複数のフィンを備える、上記項目のうちのいずれかに記載のアクセスポート。
(項目12)
アクセスポートを患者の自然の開口部内に選択的に保持するように構成された保持機構を備える可撓性アクセスポート;
該自然の開口部の壁に、該患者の体腔内への切開を形成するための手段;および
該アクセスポートの遠位端を該自然の開口部に、該切開を通して挿入するための手段、
を備える、手順を実施するためのシステム。
(項目13)
前記保持機構が、前記アクセスポートの前記遠位端を前記患者の前記腹腔内に固定するために起動させられるように構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目14)
前記保持機構が、膨張させられて前記アクセスポートを前記自然の開口部内に固定するように構成された膨張可能部材を備える、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目15)
前記膨張可能部材を膨張させるための手段をさらに包含する、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目16)
前記保持機構が、前記アクセスポートを前記自然の開口部に挿入するために延長するように構成された複数のアンカー部材を備える、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目17)
前記複数のアンカー部材が、前記アクセスポートを前記自然の開口部に挿入する前に延長するように構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目18)
前記遠位端が前記切開を通して受容されると、前記複数のアンカー部材を解放するための手段をさらに備える、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目19)
前記保持機構が、前記アクセスポートを前記自然の開口部内に固定するように構成された、半径方向に延びる複数のフィンを備える、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目20)
前記半径方向に延びる複数のフィンが、前記アクセスポートを前記自然の開口部内に固定するために外向きに延びるように構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目21)
可撓性アクセスポートであって、患者の膣内に受容されるように構成されており、そして体腔へのアクセスを提供するための1つ以上の管腔を備える、可撓性アクセスポート;
該アクセスポートとの作動可能な係合のために構成された導入器であって、該膣内への該アクセスポートの導入を容易にするための、導入器;および
1つ以上のカニューレ/閉塞具アセンブリであって、該アクセスポートの該1つ以上の管腔を通しての受容のために構成されており、該カニューレ/閉塞具アセンブリを通しての1つ以上の器具の挿入のための密封された開口部を提供する、1つ以上のカニューレ/閉塞具アセンブリ、
を備える、経膣外科手術を実施するためのキット。
【0008】
(項目12B)
可撓性アクセスポートを患者の自然の開口部内に選択的に保持するように構成された保持機構を備える可撓性アクセスポートを提供する工程;
該自然の開口部の壁に、該患者の体腔内への切開を形成する工程;および
該アクセスポートの遠位端を該自然の開口部に、該切開を通して挿入する工程、
を包含する、手順を実施する方法。
【0009】
(項目13B)
上記保持機構を起動させて、上記アクセスポートの上記遠位端を上記患者の上記腹腔内に固定する工程をさらに包含する、上記項目に記載の方法。
【0010】
(項目14B)
上記保持機構が、膨張させられて上記アクセスポートを上記自然の開口部内に固定するように構成された膨張可能部材を備える、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
【0011】
(項目15B)
上記膨張可能部材を膨張させる工程をさらに包含する、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
【0012】
(項目16B)
上記保持機構が、上記アクセスポートを上記自然の開口部に挿入するために延長させられるように構成された複数のアンカー部材を備える、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
【0013】
(項目17B)
上記アクセスポートを上記自然の開口部に挿入する前に、上記複数のアンカー部材を延長させる工程をさらに包含する、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
【0014】
(項目18B)
上記遠位端が上記切開を通して受容されると、上記複数のアンカー部材を解放する工程をさらに包含する、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
【0015】
(項目19B)
上記保持機構が、上記アクセスポートを上記自然の開口部内に固定するように構成された、半径方向に延びる複数のフィンを備える、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
【0016】
(項目20B)
上記半径方向に延びる複数のフィンを外向きに延ばして、上記アクセスポートを上記自然の開口部内に固定する工程をさらに包含する、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
【0017】
(摘要)
外科手術を経膣的に実施するためのアクセスポートが提供される。このアクセスポートは、近位端および遠位端およびこれらの間の中心部分を有する細長可撓性部材、ならびにこの細長部材の遠位端に形成された保持機構を備える。この保持機構は、この細長部材の遠位端を開口部内に挿入するための第一の構成、およびこの細長部材を開口部内に選択的に固定するための第二の構成を備える。経膣外科手術を実施する方法もまた提供される。この方法は、アクセスポートを患者の膣内に選択的に保持するように構成された保持機構素を備えるアクセスポートを提供する工程、患者の膣の壁から腹内への切開を形成する工程、このアクセスポートの遠位端をこの膣に挿入してこの切開に通す工程、およびこの保持機構を起動させてこのアクセスポートの遠位端をこの患者の腹腔内に固定する工程を包含する。
【0018】
(要旨)
従って、腹腔に経膣的にアクセスするためのアクセスポートが提供される。このアクセスポートは、近位端および遠位端およびこれらの間の中心部分を有する細長部材、ならびにこの細長部材の遠位端に形成された保持機構を備える。この保持機構は、この細長部材の遠位端を開口部内に挿入するための第一の構成、およびこの細長部材を開口部内に選択的に固定するための第二の構成を備える。
【0019】
1つの実施形態において、このアクセスポートの遠位端は、後膣円蓋の切開を通して選択的に受容されるように構成される。この遠位端は、患者の腹腔内に選択的に受容されるように構成され得る。この細長部材の遠位端は、この遠位端を通って延びる複数の管腔を備え得る。これらの複数の管腔の各々は、外科手術用器具を受容するように構成され得る。この細長部材は、発泡体、ゴムまたは他の弾性材料から構成され得る。この保持機構は、選択的に膨張可能な部材、複数のアンカー部材、または複数のフィンを備え得る。
【0020】
外科手術手順を実施する方法もまた提供される。この方法は、アクセスポートを患者の自然の開口部内に選択的に保持するように構成された保持機構素を備えるアクセスポートを提供する工程、患者の自然の開口部の壁に体腔内への切開を形成する工程、およびこのアクセスポートの遠位端をこの自然の開口部に挿入してこの切開に通す工程を包含する。この方法は、この保持機構を起動させてこのアクセスポートの遠位端をこの患者の腹腔内に固定する工程をさらに包含し得る。
【0021】
1つの実施形態において、この保持機構は、このアクセスポートをこの自然の開口部内に固定するように膨張させられるように構成された、膨張可能部材を備える。この様式で、この方法は、この膨張可能部材を膨張させる工程をさらに包含する。
【0022】
別の実施形態において、この保持機構は、このアクセスポートをこの自然の開口部内に挿入するために延長されるように構成された、複数のアンカー部材を備える。この様式で、この方法は、このアクセスポートをこの自然の開口部に挿入する前に、これらの複数のアンカー部材を延長させる工程、およびこのアクセスポートの遠位端をこの切開に通して受容すると、これらの複数のアンカー部材を解放する工程をさらに包含する。
【0023】
なお別の実施形態において、この保持機構は、このアクセスポートをこの自然の開口部内に固定するように構成された、半径方向に延びる複数のフィンを備える。この様式で、この方法は、これらの半径方向に延びる複数のフィンを外向きに延長させて、このアクセスポートをこの自然の開口部内に固定する工程をさらに包含する。
【0024】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、そして本明細書の一部を構成する。これらの図面は、本開示の実施形態を図示し、そして上に与えられた本開示の一般的な説明および以下に与えられる実施形態の詳細な説明と一緒になって、本開示の原理を説明する役に立つ。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、経膣的に受容された本開示によるアクセスポートの1つの実施形態を含む、女性患者の内部解剖学の図示である。
【図2】図2は、本開示の別の実施形態によるアクセスポートの斜視図である。
【図3】図3は、図2のアクセスポートの断面側面図である。
【図4】図4は、図2および図3のアクセスポートの近位端面図である。
【図5】図5は、折り畳まれた状態にあり、挿入器具を備える、本開示のなお別の実施形態によるアクセスポートの斜視側面図である。
【図6】図6は、図5のアクセスポートの斜視端面図である。
【図7】図7は、第一の状態または弛緩状態にある、本開示のなお別の実施形態によるアクセスポートの遠位端面図である。
【図8】図8は、第一の状態または弛緩状態にある、図7のアクセスポートの斜視族面図である。
【図9】図9は、第二の状態または真っ直ぐな状態にある、図6および図7のアクセスポートの斜子側面図である。
【図10】図10は、本開示のなおさらに別の実施形態によるアクセスポートの側面図である。
【図11】図11は、図10のアクセスポートの遠位端の拡大切り取り図である。
【図12】図12は、図10および図11のアクセスポートの遠位端面図である。
【図13】図13は、本開示のなお別の実施形態によるアクセスポートである。
【図14】図14は、しぼんだ状態にある膨張可能部材を有する、本開示の別の実施形態によるアクセスポートの斜視図である。
【図15】図15は、膨張可能部材が膨張している、図14のアクセスポートの側面図である。
【図16】図16は、3つの管腔を備える、図14および図15のアクセスポートの近位端面図である。
【図17】図17は、4つの管腔を備える、図14および図15のアクセスポートの近位端面図である。
【図18】図18は、経膣外科手術のためのキットに備えられる、図14のアクセスポートの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(詳細な説明)
図面および以下の説明において、同じ参照番号は、類似の要素または同一の要素を識別し、当該分野において慣習的かつ公知であるように、用語「近位」とは、使用中に臨床医に最も近い装置の端部をいい、一方で、用語「遠位」とは、臨床医から最も遠い端部をいう。
【0027】
図1を参照すると、女性患者の内部解剖学の図示が示されており、腹腔5、子宮6、膀胱7、膣8、および肛門9を含む。本開示の実施形態(一般に、アクセスポート100として示される)の遠位端100bは、膣8の後円蓋に形成された切開8aを通して受容され、一方で、アクセスポート100の近位端100aは、外科医によりアクセス可能なままである。遠位端100bに形成された保持機構110は、アクセスポート100を膣8内に保持する。
【0028】
ここで図2および図3を参照すると、本開示の実施形態が、一般にアクセスポート200として示されている。図示され、議論されるように、アクセスポート200は、外科医に腹腔5(図1)への経膣的アクセスを提供するように構成されるが、アクセスポート200は、他の天然に存在する開口(例えば、肛門)を通して、または腹壁を通して腹腔にアクセスするためにより好都合な様式で、使用されるように構成されてもよい。
【0029】
アクセスポート200は、側面から見ると実質的に砂時計の形状を有する細長部材202を備える。アクセスポート200は、発泡体、あるいは他の弾性材料および/または柔軟な材料から構成される。使い捨てであることが意図されるが、アクセスポート200は、滅菌および再使用され得るような材料から構成されても、そして/またはそのようなコーティングを備えてもよい。
【0030】
図2および図3をさらに参照すると、細長部材202は、実質的に開いた近位端202a、実質的に閉じた遠位端202b、およびこれらの間の中心部分202cを備える。細長部材202の近位端202aは、近位管腔203を規定し、この近位管腔は、外科医に、1つ以上の内視鏡用器具で腹腔5(図1)にアクセスするための通路を提供するように構成される。リム204が、細長部材202の近位端202aに形成され、これは、膣8(図1)へのアクセスポート200の過剰挿入を防止するように構成される。1つの実施形態において、アクセスポート200が膣8内に作動可能に受容される場合、リム204は、膣8の外側に維持される。以下でさらに詳細に議論されるように、アクセスポート200の長さおよび直径は、膣8の寸法および/またはアクセスポート200を通して実施される手順に依存して変動し得る。アクセスポート200は、膣8内に、そして膣8を通してのアクセスポート200の挿入を容易にするためのコーティングまたはカバー(図示せず)を備え得る。
【0031】
細長部材202の遠位端202bは、複数の遠位管腔205を規定する。3つの遠位管腔205を備えるように示されるが、アクセスポート200は、1つ以上の遠位管腔205を備え得ることが想定される。1つの実施形態において、示されるように、遠位管腔205は、中心軸「X」に対して各々が平行である。代替の実施形態において、管腔205のうちの1つ以上は、中心軸「X」に向かって、または中心軸「X」から離れるように、そして/あるいは互いに向かって、または互いから離れるように、角度を付けられ得る。遠位管腔205は、示されるように、同じ直径を有し得るか、またはその代わりに、種々の長さの直径を有し得る。遠位管腔205は、密封する様式で器具を受容するようなサイズにされる。あるいは、またはさらに、遠位管腔205のうちの1つまたは全ては、それぞれの遠位管腔205を密封するための、シール部材またはシール機構を備え得る。
【0032】
図2および図3をさらに参照すると、アクセスポート200の遠位端202bは、保持機構210を備える。保持機構210は、フランジ212を備え、このフランジは、アクセスポート200の遠位端202bを、膣8(図1)の後円蓋に形成された切開8aを通して腹腔5内にしっかりと保持するように構成される。フランジ212は、フランジ212から半径方向内向きに延びるリブ214により支持される。フランジ212は、膣8への挿入中に半径方向に折り畳まれて、挿入を容易にするように構成される。フランジ212は、リム204と一緒になって、アクセスポート200を膣8内に固定し、そしてアクセスポート200を通して手順が実施される際にこのアクセスポートの長手軸方向への移動を最小にするように働く。細長部材202の中心部分202cは、膣8の長さに延びるように構成され、その結果、細長部材202の遠位端202b(フランジ212を含む)は、腹腔5内に受容され、一方で、細長部材202の近位端202a(リム204を含む)は、膣8の外側に維持される。
【0033】
ここで図3および図4を参照すると、細長部材202の遠位端202bは、非貫通管腔(blind lumen)207をさらに備える。非貫通管腔207は、開口近位端207aおよび閉鎖遠位端207bを備える。非貫通管腔207は、挿入器具(図示せず)の遠位端を選択的に受容するように構成される。非貫通管腔207は、溝または凹部(図示せず)を備え得、この溝または凹部は、挿入器具に形成されたタブまたは突出部(図示せず)を受容するように構成され、その結果、アクセスポート200は、この挿入器具によってさらにしっかりと係合され得る。
【0034】
図3および図4をさらに参照すると、切り欠き208が、細長部材202の中心部分202cに、近位管腔203の周りに形成される。切り欠き208は、アクセスポート200の除去を補助するために、除去器具(図示せず)に形成されたタブ(図示せず)に選択的に係合するように構成される。
【0035】
ここで図1〜図4を参照すると、使用において、切開8aが最初に、腹腔5にアクセスするために、膣8の後円蓋に形成される。次いで、挿入器具(図示せず)の遠位端が、細長部材202の遠位端202bに形成された非貫通管腔207に挿入される。次いで、アクセスポート200の遠位端202bは、膣8に挿入され、そして切開8aを通り、その結果、フランジ212が、腹腔5内に受容される。1つの手順において、アクセスポート200のサイズは、リム204が膣8の外側に維持されるようなサイズである。上で議論されたように、アクセスポート200は、その挿入を容易にするためのコーティング(図示せず)を備え得る。あるいは、潤滑剤が、挿入を容易にするために、アクセスポート200に塗布され得る。
【0036】
図1〜図4をさらに参照すると、一旦、膣8内に適切に配置されると、挿入器具(図示せず)の遠位端は、非貫通管腔207から除去され、そしてアクセスポート200は、使用の準備ができる。1つ以上の内視鏡器具が、アクセスポート200の遠位管腔205を通して挿入されて、外科手術手順を完了し得る。通気ガスの供給源が、腹腔5を通気するために、遠位管腔205のうちの1つに接続され得る。
【0037】
図1〜図4をさらに参照すると、手順の完了の際に、内視鏡器具および/または通気供給ライン(図示せず)がアクセスポート200から除去される。次いで、除去器具(図示せず)の遠位端が、近位管腔203内に受容される。除去器具の遠位端に形成されたタブ(図示せず)が、細長部材202の中心部分202cに形成された切り欠き208に係合する。一旦、アクセスポート200としっかりと係合すると、この除去器具は、アクセスポート200を膣8内から引き抜くために、外科医により使用される。切開8aが、従来の様式で閉じられる。
【0038】
ここで図5および図6を参照すると、経膣用途のために構成されたアクセスポートの代替の実施形態が、一般にアクセスポート300として示されている。アクセスポート300は、本明細書中で上に記載されたアクセスポート200と実質的に類似であるので、これらの間の違いに関してのみが記載される。アクセスポート300は、近位端302aおよび遠位端302b、ならびにこれらの間の中心部分302cを備える、細長部材302を備える。アクセスポート300は、細長部材302の遠位端302bに形成された3つの遠位管腔305を備える。アクセスポート300は、1つ以上の遠位管腔305を備え得ることが想定される。1つの実施形態において、細長部材302の近位端302aは、テーパ状であり、そして第一のリム304aおよび第二のリム304bを備える。第一のリム304aおよび第二のリム304bは、膣8内へのアクセスポート300の過剰挿入を防止するように構成される。リム304a、304bはまた、膣8内からのアクセスポート300の除去を容易にするように構成され得る。
【0039】
図5および図6をさらに参照すると、細長部材302の遠位端302bは、保持機構310を備える。保持機構310は、半径方向に延長可能な複数のフィン312を備える。フィン312は、アクセスポート300を膣8(図1)内に選択的に保持するように構成される。膣8への挿入中における、アクセスポート300の、長手方向軸「X」の周りでの、矢印「A」により示されるような第一の方向(図5および図6において反時計回り)への回転は、フィン312を内向きに折り畳み、これによって、遠位端302bの周径を減少させ、そしてアクセスポート300を膣8内で切開8a(図1)を通して挿入することを容易にする。一旦、細長部材302の遠位端302bが、切開8aを通して腹腔5内に受容されると、アクセスポート300の、長手方向軸「X」の周りでの、矢印「B」により示されるような第二の方向(図5および図6において時計回り)への回転は、フィン312を拡張させ、これによって、遠位端302bの周径を増加させ、そしてアクセスポート300を膣8a内に固定する。フィン312と膣8の壁との摩擦係合は、アクセスポート300の回転の際に、フィン312が上に示されるように折り畳まれること、または拡張することを可能にする。アクセスポート300は、フィン312を折り畳み状態および/または拡張状態に固定するための機構を備えて、フィン312の不慮の拡張および/または折り畳みを防止し得ることが想定される。
【0040】
図6を参照すると、1つの実施形態において、細長本体302の近位端302aに位置する印315は、アクセスポート300の保持機構310を係合(例えば、ロック(フィン312を拡張させることによる))するため、または脱係合(例えば、ロック解除(フィン312を折り畳むことによる))するために、細長部材302をどちらの方向に回転させるかを、外科医に示す。
【0041】
図5に戻って参照すると、アクセスポート300の挿入のために構成された挿入器具の1つの実施形態が、一般に挿入器具350として示されている。挿入器具350の遠位端350bは、アクセスポート300の近位管腔303内に受容されるように構成される。遠位端350bは、この遠位端から遠位に延びる複数の突出部354を備え、これらの突出部は、細長部材302の遠位端302bに形成された遠位管腔305と係合するように構成される。挿入器具350の近位端350aは、外科医による把持を容易にするように構成され、その結果、挿入器具350は、アクセスポート300を回転させるために使用され得る。
【0042】
使用において、切開8aが形成され、アクセスポート300が膣8に挿入される。アクセスポート300の挿入は、挿入器具350を使用してかまたは使用せずに完了され得る。潤滑剤(図示せず)が、細長部材302に塗布されて、アクセスポート300の挿入を容易にし得る。上で議論されたように、細長部材302が膣8に受容されると、細長部材302は、矢印「A」により示されるような第一の方向に回転されて、遠位端302bの周径を減少させ、そして膣8および切開8aを通しての細長部材の挿入を容易にする。一旦、遠位端302bが切開8aを通して受容されると、細長部材302は、矢印「B」により示されるような第二の方向に回転されて、フィン312を拡張させ、そしてアクセスポート300を膣8内に、切開8aを通して固定する。
【0043】
一旦、膣8内で適切に配置されると、複数の器具がアクセスポート300を通して挿入されて、手順を完了し得る。一旦、この手順が完了すると、アクセスポート300は、細長部材302を矢印「A」により示されるような第一の方向に回転させることによって除去され、細長部材302の近位端302aが外科医により把持され、外科医の手または除去器具(図示せず)のいずれかを使用して、膣8から引き抜かれる。上で議論されたように、細長部材302の回転は、フィン312を折り畳み、これによって、遠位端302bの周径を減少させ、そして切開8aおよび膣8を通しての遠位端の引き抜きを補助する。
【0044】
ここで図7〜図9を参照すると、本開示によるアクセスポートの別の実施形態が、一般にポート400として示されている。アクセスポート200および300と同様に、アクセスポート400は、これらと実質的に類似であるので、これらの間の違いに関してのみが記載される。アクセスポート400は、細長部材402の遠位端402bに形成された保持機構410を備える。保持機構410は、遠位先端414において互いに作動可能に接続された、複数のアンカー部材412を備える。3つのアンカー部材412を備えるように示されているが、アクセスポート400は、2つ以上のアンカー部材412を備え得ることが想定される。第一の状態または弛緩状態(図8)において、アンカー412は、半径方向外向きに湾曲して、遠位端402bを拡大させる。この弛緩状態にある場合、拡大した遠位端402bは、アクセスポート400を膣8内に固定するように構成される。第二の状態または真っ直ぐな状態(図9)において、アンカー部材412は、伸ばされるかまたは真っ直ぐにされて、遠位端402bを狭くする。遠位端402bを狭くすることによって、膣8内での切開8aを通しての細長部材402の挿入が容易になる。
【0045】
図7〜図9を続けて参照すると、1つの実施形態において、挿入器具(図示せず)から延びる挿入棒450(図9)が、細長部材402の遠位端402bに形成された遠位管腔405aに挿入されて、アンカー部材412を真っ直ぐにするために使用される。一旦、挿入棒450が遠位管腔405aから除去されると、アンカー部材412は外向きに曲がり、そしてその第一の状態または弛緩状態に戻る。この様式で、細長部材402の遠位端402bは、第二の状態または真っ直ぐな状態にある場合に、膣8および切開8aを通して挿入され、そして除去されるように構成され、そして第一の状態または弛緩状態にある場合に、膣8内で切開8に通して固定されるように構成される。
【0046】
アクセスポート400は、挿入器具の補助なしでアンカー部材412を真っ直ぐにするためおよび解放するための、直状化機構(図示せず)を備え得ることが想定される。この直状化機構は、使用者によるアクセスアセンブリ400の回転および/または長手軸方向の操作によって、起動され得る。
【0047】
ここで図10〜図12を参照すると、本開示によるアクセスポートのなお別の実施形態が、一般にアクセスポート500として示されている。アクセスポート500は、円錐形の遠位端502bを有する、実質的に円筒形の部材502を備える。複数の遠位管腔505a、505b、505cが、円筒形部材502を通って延びる。カニューレ506a、506bが、それぞれ遠位管腔505a、505bから遠位に延び、そしてこれらの遠位管腔に作動可能に接続される。示されるように、カニューレ506aおよび遠位管腔505aは、中心に位置する開口部を形成し、この開口部は、この開口部を通しての可視化を可能にする。カニューレ506aおよび遠位管腔505aはまた、切開8a(図1)を形成するための切断器具を受容するように構成され得る。遠位管腔505cは、腹腔5(図1)内に通気ガスを方向付けるように構成された通気チャネルを規定する。以下でさらに詳細に議論されるように、遠位管腔505cはまた、膨張可能部材512と接続されて、膨張可能部材512を膨張させるための気体を提供し得る。カニューレ506bおよび遠位管腔505bは、これらを通して内視鏡器具(図示せず)を受容するように構成される。
【0048】
図10〜図12をさらに参照すると、円筒形部材502の遠位端502bは、保持機構510を備える。保持機構510は、円筒形部材502の遠位端502bの周りに延びる膨張可能部材512を備える。膨張可能部材512は、一旦、円筒形部材502の遠位端502bが切開8aを通して受容されると、膨張させられるように構成される。膨張可能部材512は、円筒形部材502を膣8内に固定するように働く。気体が、膨張可能部材512に、遠位管腔505cを通して遠隔的に提供される。代替の実施形態において、気体は、膨張可能部材512を膨張させるために、円筒形部材502内に位置する気体供給源(図示せず)から提供され得る。
【0049】
図13を参照すると、本開示によるアクセスポートのなおさらに別の実施形態(アクセスポート600として一般に示される)において、カニューレ606a、606bは、円筒形本体602にスライド可能に接続され、その結果、各々が、この円筒形本体を通って選択的に延長し得る。
【0050】
ここで図14〜図17を参照すると、本開示によるアクセスポートの別の実施形態が、一般にアクセスポート700として示されている。アクセスポート700は、本明細書中で上に記載されたアクセスポートの特徴を組み込む。アクセスポート700は、近位端702aおよび遠位端702b、ならびにこれらの間の中心部分702cを備える、細長部材702を備える。アクセスポート700は、細長部材702の遠位端702bに形成された、1つ以上の管腔705を備える。アクセスポート700は、1つ、2つ、3つ(図16)、4つ(図17)またはより多くの遠位管腔705を備え得ることが想定される。アクセスポート700はまた、遠位管腔705の遠位端を覆って形成された一体シール(図示せず)を備え得る。この一体シールは、遠位管腔705の遠位端を覆うカバーまたはスキンを形成し、カニューレまたは他の器具の挿入中に穿孔される。あるいは、遠位管腔705は、取り外し可能な「プロング」(図示せず)を有する導入器(図18)を使用して、挿入中にシールされ得る。これらのプロングは、遠位管腔705を塞ぐように構成される。別の実施形態において、アクセスポート700の遠位端702は、コンドーム様のカバー(図示せず)を備え得、これは、カニューレの挿入中に穿孔される。
【0051】
図14および図15を参照すると、示されるように、細長部材702の近位端702aは、テーパ状であり、第一のリム704aおよび第二のリム704bを備える。第一のリム704aおよび第二のリム704bは、アクセスポート700の膣8内への過剰挿入を防止するように構成される。リム704a、704bはまた、膣8内からのアクセスポート700の除去を容易にするように構成され得る。
【0052】
図14および図15をさらに参照すると、細長部材702の遠位端702bは、保持機構710を備える。保持機構710は、細長部材702の遠位端702bの周りに延びる膨張可能部材712を備える。膨張可能部材712は、一旦、細長部材702の遠位端702bが切開8aを通して受容されると、膨張させられるように構成される(図15)。膨張可能部材712は、細長部材702を膣8内に固定するように働く。気体が、膨張可能部材712に、膨張管750を通して遠隔的に提供される。代替の実施形態において、気体は、膨張可能部材712を膨張させるために、細長部材702内に位置する気体供給源(図示せず)から提供され得る。1つの実施形態において、膨張可能部材712は、膨張可能部材712の過剰膨張を防止するように構成された弁または他の安全機構(図示せず)を備える。あるいは、アクセスポート700は、膨張可能部材712の制御された膨張のための一定の容積を有する注射器(図示せず)を備え得る。
【0053】
ここで図18を参照すると、経膣外科手術において使用するためのキットが、一般にキット800として示されている。示されるように、キット800は、アクセスポート700、導入器760および挿入器770(各々が、アクセスポート700の挿入を容易にするために構成されている)、1セット以上の小さいカニューレ/閉塞具アセンブリ80、ならびに1セット以上の大きいカニューレ/閉塞具アセンブリ90を備える。図示において、キット800は、アクセスポート700を備えるが、キット800は、上記アクセスポートのうちの任意のものを備え得ることが想定される。
【0054】
図18を続けて参照すると、導入器760は、遠位管腔705内に受容されるように構成された複数のプロング762、および使用者による係合を容易にするように構成されたハンドル764を備える。プロング762の数は、アクセスポート700により規定される遠位管腔705の数に対応する。図示において、導入器760は、4つのプロング762を備える。挿入器770は、実質的に靴べら形状の部材を規定し、この部材は、アクセスポート700を切開に通して挿入する間に、この切開を広げるように構成される。挿入器770は、プラスチック、金属、または他の適切な材料から作製され得、そして一部品成形可能な設計を含み得る。
【0055】
図18をさらに参照すると、キット800は、1つ以上のカニューレ/閉塞具アセンブリ80、90を備え得る。カニューレ/閉塞具アセンブリ80、90の各々は、それぞれ、カニューレ82、92、および閉塞具84、94を備える。カニューレ/閉塞具アセンブリ80、90は、同じ構成のものであっても異なる構成のものであってもよい。図示において、カニューレ/閉塞具アセンブリ80、90は、通気弁85を備え得る。
【0056】
アクセスポートの特定の特徴が、図面のうちのいくつかにおいては示され、他の図面には示されていないが、このことは、簡便のためのみであり、各特徴は、本開示の局面に従う他の特徴のうちのいずれかまたはすべてと組み合わせられ得る。他の実施形態は、当業者に想到され得、そして本開示の範囲内である。
【符号の説明】
【0057】
100 アクセスポート
100a 近位端
100b 遠位端
110 保持機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端および遠位端、ならびに該近位端と該遠位端との間の中心部分を有する、細長可撓性部材;ならびに
該細長部材の遠位端に形成された保持機構であって、該保持機構は、第一の構成および第二の構成を有し、該第一の構成は、該細長部材の該遠位端を開口部に挿入するためのものであり、そして該第二の構成は、該細長部材を開口部内に選択的に固定するためのものである、保持機構、
を備える、経膣外科手術中に使用するためのアクセスポート。
【請求項2】
前記遠位端が、後膣円蓋における切開を通して選択的に受容されるように構成されている、請求項1に記載のアクセスポート。
【請求項3】
前記遠位端が、患者の腹腔内に選択的に受容されるように構成されている、請求項1に記載のアクセスポート。
【請求項4】
前記細長部材の前記遠位端が、該遠位端を通って延びる複数の管腔を備える、請求項1に記載のアクセスポート。
【請求項5】
前記複数の管腔の各々が、外科手術用器具を受容するように構成されている、請求項4に記載のアクセスポート。
【請求項6】
前記複数の管腔の各々が、外科手術用器具を密封する様式で受容するように構成されている、請求項5に記載のアクセスポート。
【請求項7】
前記細長部材が、発泡体、ゴム、または他の弾性材料から構成されている、請求項1に記載のアクセスポート。
【請求項8】
前記細長部材が、発泡体、ゴム、または他の柔軟な材料から構成されている、請求項1に記載のアクセスポート。
【請求項9】
前記保持機構が、選択的に膨張可能な部材を備える、請求項1に記載のアクセスポート。
【請求項10】
前記保持機構が、複数のアンカー部材を備える、請求項1に記載のアクセスポート。
【請求項11】
前記保持機構が、複数のフィンを備える、請求項1に記載のアクセスポート。
【請求項12】
アクセスポートを患者の自然の開口部内に選択的に保持するように構成された保持機構を備える可撓性アクセスポート;
該自然の開口部の壁に、該患者の体腔内への切開を形成するための手段;および
該アクセスポートの遠位端を該自然の開口部に、該切開を通して挿入するための手段、
を備える、手順を実施するためのシステム。
【請求項13】
前記保持機構が、前記アクセスポートの前記遠位端を前記患者の前記腹腔内に固定するために起動させられるように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記保持機構が、膨張させられて前記アクセスポートを前記自然の開口部内に固定するように構成された膨張可能部材を備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記膨張可能部材を膨張させるための手段をさらに包含する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記保持機構が、前記アクセスポートを前記自然の開口部に挿入するために延長するように構成された複数のアンカー部材を備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記複数のアンカー部材が、前記アクセスポートを前記自然の開口部に挿入する前に延長するように構成されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記遠位端が前記切開を通して受容されると、前記複数のアンカー部材を解放するための手段をさらに備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記保持機構が、前記アクセスポートを前記自然の開口部内に固定するように構成された、半径方向に延びる複数のフィンを備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項20】
前記半径方向に延びる複数のフィンが、前記アクセスポートを前記自然の開口部内に固定するために外向きに延びるように構成されている、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
可撓性アクセスポートであって、患者の膣内に受容されるように構成されており、そして体腔へのアクセスを提供するための1つ以上の管腔を備える、可撓性アクセスポート;
該アクセスポートとの作動可能な係合のために構成された導入器であって、該膣内への該アクセスポートの導入を容易にするための、導入器;および
1つ以上のカニューレ/閉塞具アセンブリであって、該アクセスポートの該1つ以上の管腔を通しての受容のために構成されており、該カニューレ/閉塞具アセンブリを通しての1つ以上の器具の挿入のための密封された開口部を提供する、1つ以上のカニューレ/閉塞具アセンブリ、
を備える、経膣外科手術を実施するためのキット。
【請求項1】
近位端および遠位端、ならびに該近位端と該遠位端との間の中心部分を有する、細長可撓性部材;ならびに
該細長部材の遠位端に形成された保持機構であって、該保持機構は、第一の構成および第二の構成を有し、該第一の構成は、該細長部材の該遠位端を開口部に挿入するためのものであり、そして該第二の構成は、該細長部材を開口部内に選択的に固定するためのものである、保持機構、
を備える、経膣外科手術中に使用するためのアクセスポート。
【請求項2】
前記遠位端が、後膣円蓋における切開を通して選択的に受容されるように構成されている、請求項1に記載のアクセスポート。
【請求項3】
前記遠位端が、患者の腹腔内に選択的に受容されるように構成されている、請求項1に記載のアクセスポート。
【請求項4】
前記細長部材の前記遠位端が、該遠位端を通って延びる複数の管腔を備える、請求項1に記載のアクセスポート。
【請求項5】
前記複数の管腔の各々が、外科手術用器具を受容するように構成されている、請求項4に記載のアクセスポート。
【請求項6】
前記複数の管腔の各々が、外科手術用器具を密封する様式で受容するように構成されている、請求項5に記載のアクセスポート。
【請求項7】
前記細長部材が、発泡体、ゴム、または他の弾性材料から構成されている、請求項1に記載のアクセスポート。
【請求項8】
前記細長部材が、発泡体、ゴム、または他の柔軟な材料から構成されている、請求項1に記載のアクセスポート。
【請求項9】
前記保持機構が、選択的に膨張可能な部材を備える、請求項1に記載のアクセスポート。
【請求項10】
前記保持機構が、複数のアンカー部材を備える、請求項1に記載のアクセスポート。
【請求項11】
前記保持機構が、複数のフィンを備える、請求項1に記載のアクセスポート。
【請求項12】
アクセスポートを患者の自然の開口部内に選択的に保持するように構成された保持機構を備える可撓性アクセスポート;
該自然の開口部の壁に、該患者の体腔内への切開を形成するための手段;および
該アクセスポートの遠位端を該自然の開口部に、該切開を通して挿入するための手段、
を備える、手順を実施するためのシステム。
【請求項13】
前記保持機構が、前記アクセスポートの前記遠位端を前記患者の前記腹腔内に固定するために起動させられるように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記保持機構が、膨張させられて前記アクセスポートを前記自然の開口部内に固定するように構成された膨張可能部材を備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記膨張可能部材を膨張させるための手段をさらに包含する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記保持機構が、前記アクセスポートを前記自然の開口部に挿入するために延長するように構成された複数のアンカー部材を備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記複数のアンカー部材が、前記アクセスポートを前記自然の開口部に挿入する前に延長するように構成されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記遠位端が前記切開を通して受容されると、前記複数のアンカー部材を解放するための手段をさらに備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記保持機構が、前記アクセスポートを前記自然の開口部内に固定するように構成された、半径方向に延びる複数のフィンを備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項20】
前記半径方向に延びる複数のフィンが、前記アクセスポートを前記自然の開口部内に固定するために外向きに延びるように構成されている、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
可撓性アクセスポートであって、患者の膣内に受容されるように構成されており、そして体腔へのアクセスを提供するための1つ以上の管腔を備える、可撓性アクセスポート;
該アクセスポートとの作動可能な係合のために構成された導入器であって、該膣内への該アクセスポートの導入を容易にするための、導入器;および
1つ以上のカニューレ/閉塞具アセンブリであって、該アクセスポートの該1つ以上の管腔を通しての受容のために構成されており、該カニューレ/閉塞具アセンブリを通しての1つ以上の器具の挿入のための密封された開口部を提供する、1つ以上のカニューレ/閉塞具アセンブリ、
を備える、経膣外科手術を実施するためのキット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−15969(P2011−15969A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−156251(P2010−156251)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(507362281)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (666)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(507362281)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (666)
【Fターム(参考)】
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