説明

結晶系シリコン太陽電池モジュールの封止膜形成用樹脂シート

【課題】太陽電池モジュールの製造時に、2枚の樹脂シートの間に結晶系シリコン発電素子を挟み込んだ状態で樹脂を熱硬化させて封止膜を形成した際に生じるセル割れを抑制できる太陽電池モジュールの封止膜形成用樹脂シートを提供し、より経済的な太陽電池モジュールの製造を可能にすること。
【解決手段】薄板直線状のリード線が配置された薄板状の結晶系シリコン発電素子の表裏にそれぞれ積層されて結晶系シリコン太陽電池モジュールの封止膜の形成に用いられる樹脂シートであって、厚さが0.3〜1.0mmのシート状であり、結晶系シリコン発電素子と接するエンボス加工が施されている側の面の、上記リード線に重ねて配置される位置に、リード線の厚みとほぼ同等か、それ以下の深さを有する直線状の凹部が設けられていることを特徴とする結晶系シリコン太陽電池モジュールの封止膜形成用樹脂シート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軟質樹脂組成物を成膜して得られる結晶系シリコン太陽電池モジュールの封止膜形成用樹脂シートに関する。さらに詳しくは、樹脂シートに凹部を形成することで、2枚の樹脂シートの間に結晶系シリコン発電素子(以下、セル或いは発電セルとも呼ぶ)を挟み込んだ状態で樹脂を熱硬化させて封止膜を形成した際に生じるセル割れを抑制できる太陽電池モジュールの封止膜形成用樹脂シートに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、資源の有効利用や環境保護の観点から、太陽光を直接電気エネルギーに変換する太陽電池が注目されており、開発が進められているが、中でも、変換効率や信頼性に優れる結晶系シリコン太陽電池は、実用化が進行している段階にある。結晶系シリコン太陽電池には一般に、リード線が配置された薄板状のセルの表面側に透明保護部材としてのガラス基板が配置され、同様にリード線が配置された薄板状のセルの裏面側に保護部材としてのバックシートが配置され、これらの間に、透光性を有する樹脂からなる封止膜が形成されてなる構造を有する太陽電池モジュールが用いられている。すなわち、結晶系シリコン太陽電池モジュールは、リード線が配置された薄板状のセルの表裏にそれぞれガラス基板とバックシートとが配置された構造を有するが、セルとこれらの部材とを一体化し、固定するための封止膜形成用材料として、透光性を有する熱硬化性の樹脂シートが用いられている。そして、透光性を有する樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、「EVA」という。)が広く用いられている。
【0003】
上記の構成を備える結晶系シリコン太陽電池モジュールの製造は、例えば、封止膜形成用の2枚のEVA製の樹脂シート(以下、EVAシート)を用い、専用の封止装置を用いて下記のようにして行われる。ガラス基板、表側の封止膜用のEVAシート、リード線が取り付けられた薄板状のセル、裏側の封止膜用のEVAシート及びバックシートをこの順で積層し、この状態で、真空にしながら(脱気しながら)加熱加圧をして、EVAシートを架橋硬化させることで接着一体化して透明な封止膜を形成する。この結果、薄板状のセルは封止材によって封止されて、強度と、耐水性および耐候性などが確保された状態の結晶系シリコン太陽電池モジュールとなる。
【0004】
上記EVAなどの樹脂からなる封止膜形成用の樹脂シートは、一般的に、熱溶融性の樹脂を、直線状スリットを有するT−ダイから押し出し、冷却ロール又は水槽で急冷固化するT−ダイ法や、カレンダー法等によってシート状に成形されている。
【0005】
また、上記した封止膜用の樹脂シートでは、従来より、溶着性、加熱接着性を向上させるといった目的で、その表面に梨地等のエンボス加工を施してエンボス(凹凸)を形成することが行われている。このエンボスの形状等について種々の検討が行われており、例えば、特許文献1では、封止膜を形成する場合に、該膜中からの気泡の脱離効果がある、表面にS字状の蛇行経路を形成した太陽電池封止用シートを提案している。
【0006】
また、特許文献2では、封止膜を形成する際に、フィルム表面にエンボス加工を施すことにより多数の凹部を形成し、さらに、隣接する該凹部間に連通路を設けることで、封止時の脱気不良を改善する太陽電池用封止膜を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−134969号公報
【特許文献2】特開2002−185027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記したように、資源の有効利用や環境保護の観点から、近年、太陽電池のさらなる利用拡大が急務となっている。そのため、シリコンの使用量を減らし、コストダウンを図るべく、太陽電池技術は、結晶系シリコン発電素子(セル)をより薄くする薄膜化の方向にある。これに対し、結晶系シリコンを薄く切る技術は確立されており、さらなる薄膜化は可能である。しかし、この場合は、薄膜化に伴うセルの強度低下に伴い、太陽電池モジュールの製造時の歩留まりが低下するといった新たな課題が生じる。
【0009】
すなわち、上述したように、太陽電池モジュールの製造の際には、2枚の樹脂シートの間に挟んだセルを封止する工程で加熱加圧が必要となるが、その際に、薄板状の結晶系シリコン発電素子が割れてしまう、いわゆる、セル割れが起こることがある。セル割れには、セルの厚みが大きく影響しており、厚みが薄くなればなるほどセル割れが発生しやすくなる。そのため、結晶系シリコン発電素子に用いる結晶系シリコンを薄く切る技術が確立されていても、薄いセルをEVAなどの樹脂シートで封止する段階でセル割れが発生し、歩留まりが低下するといった問題が生じる。このような問題があるため、より厚みの薄いセルを利用するに至っておらず、太陽電池製造の、更なる効率化における大きな障害の一つとなっている。これに対し、現状では、厚みが200μm程度の発電セルを用いているが、例えば、100μm程度の厚みの発電セルを使用して、太陽電池モジュールの製造を歩留まりよく製造することができれば、その経済的価値は極めて高い。
【0010】
したがって、本発明の目的は、現状用いられている厚みのセルにおいても、さらには、セル割れの問題もあって現状では使用が控えられている厚みの薄いセルを利用した場合にも、2枚の樹脂シートの間に該セルを挟み込み、この状態で樹脂を熱硬化させて封止膜を形成する際に生じるセル割れの問題を樹脂シートの側から有利に解決し、太陽電池モジュールの製造における歩留まりの向上を図り、その経済性をさらに向上させることにある。本発明の目的は、結晶系シリコンの薄膜化に対応でき、特に、その場合に問題となっているセル割れの問題の抑制を、太陽電池モジュールの封止膜形成用樹脂シートの形状を工夫することで達成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、薄板直線状のリード線が配置された薄板状の結晶系シリコン発電素子の表裏にそれぞれ積層されて結晶系シリコン太陽電池モジュールの封止膜の形成に用いられる樹脂シートであって、厚さが0.3〜1.0mmのシート状であり、結晶系シリコン発電素子と接するエンボス加工が施されている側の面の、上記リード線に重ねて配置される位置に、リード線の厚みとほぼ同等か、それ以下の深さを有する直線状の凹部が設けられていることを特徴とする結晶系シリコン太陽電池モジュールの封止膜形成用樹脂シートを提供する。
【0012】
上記本発明の結晶系シリコン太陽電池モジュールの封止膜形成用樹脂シートの好ましい態様としては、以下のものが挙げられる。上記凹部の幅が、前記リード線の幅の1.05倍以上である上記封止膜形成用樹脂シート。上記凹部の深さが、リード線の厚みの0.2倍以上7倍以下である上記封止膜形成用樹脂シート。さらに、前記凹部が設けられている面に、結晶系シリコン発電素子を配置する際の位置決め用として、前記直線状の凹部と平行して結晶系シリコン発電素子の側壁が接するための該素子の厚みとほぼ同等か、それより低い一連の壁が形成されている上記封止膜形成用樹脂シート。前記樹脂が、透光性を有し、かつ、酢酸ビニルの含有率が質量基準で15〜33%のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂である上記封止膜形成用樹脂シート。薄板状の結晶系シリコン発電素子の厚みが200μm以下である上記封止膜形成用樹脂シート。表面にエンボス加工が施されている上記封止膜形成用樹脂シート。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、太陽電池モジュールの製造時に、2枚の樹脂シートの間に結晶系シリコン発電素子を挟み込んだ状態で樹脂を熱硬化させて封止膜を形成した際に生じるセル割れの問題を有効に抑制でき、太陽電池モジュールの製造の効率化に寄与できる太陽電池モジュールの封止膜形成用樹脂シートが提供される。本発明によれば、該樹脂シートを用いることで、結晶系シリコンのさらなる薄膜化に対応でき、より薄膜のセルを用いた場合にも太陽電池モジュールの製造の際におけるセル割れを抑制でき、セル割れに伴う歩留まりの低下を抑制できることで、経済性に優れる太陽電池モジュールの提供を可能とし、太陽光の有効利用をさらに発展させ、ひいては、エネルギーの有効活用、地球環境保護に貢献できる技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の封止膜形成用樹脂シートを用いて積層構造とし、太陽電池モジュールとする場合の一例を説明するための模式的な断面図である。
【図2】本発明の封止膜形成用樹脂シートの凹部の種々の形状を示す模式的な断面図である。
【図3】本発明の封止膜形成用樹脂シートを適用するセルに配置されたリード線の数が異なる場合への対応を例示する模式的な断面図である。
【図4】(a)は、セルを配置する際の位置決め用の一連の壁が設けられている形態の本発明の封止膜形成用樹脂シートを示す模式的な断面図である。(b)は、(a)に示した封止膜形成用樹脂シートを2枚用いて積層構造とし、太陽電池モジュールとする場合の一例を説明するための模式的な断面図である。
【図5】本発明の構造を有する封止膜形成用樹脂シート上に、リード線を配置したセルを複数配置した場合の模式的な斜視図である。
【図6】本発明の実施例におけるEVAシートの模式図である。
【図7】本発明の実施例で作成したEVAシートの適用例を示した模式的な断面図である。
【図8】従来のEVAシートを適用した場合の模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の結晶系シリコン太陽電池モジュールの封止膜形成用樹脂シートの好ましい実施形態を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
本発明者らは、上記した従来技術の課題を解決すべく鋭意検討の結果、上述したセル割れの現象は、特にセル上に配置されるリード線部分で多く発生する傾向があることを知見した。かかる知見に鑑みて検討を行った結果、特に、リード線と積層される部分の封止膜形成用樹脂シートの表面形状を工夫することで、セル割れの発生が抑制されることを見出して、本発明に至ったものである。
【0016】
本発明の結晶系シリコン太陽電池モジュールの封止膜形成用樹脂シート(以下、封止膜形成用樹脂シートと呼ぶ)は、セル割れが発生原因と考えられる結晶系シリコン発電素子(発電セル)上に設置する薄板直線状のリード線部分と接触する樹脂シート部分に、リード線の厚みとほぼ同等か、それ以下の深さを有する直線状の浅い凹部を設けたことを特徴とする。このように構成することでセル割れの発生を低減させることができた理由について、本発明者らは、以下のように考えている。リード線に重ねて配置される樹脂シートの位置に、上記形状の凹部を設けることで、凹部が設けられていない場合と比べてその部分のシートの厚みが薄くなるため、封止膜を形成する際に行う加熱加圧時に、リード線が発電セルに押しつけられる力が軽減され、セル割れを防ぐことができたものと推論している。本発明の封止膜形成用樹脂シートは、一部が薄くなっているにもかかわらず、太陽電池モジュールの製造に用いた場合に、セル割れの発生を抑制できるとともに、良好な封止膜を形成することができ、リード線が配置された薄板状のセルの表裏に、ガラス基板とバックシートとを、従来の樹脂シートと変わることなく良好な状態で一体化させることができる。
【0017】
以下、図面を参照して本発明の封止膜形成用樹脂シートを詳細に説明する。
一般的に太陽電池モジュールは、発電セルを有している。またこの発電セルは電気を取り出すために、発電セルの上下に、薄板直線状のリード線が設置されている。このリード線と発電セルを保護するため、発電セルの裏面側にバックシートが設けられ、発電セルの受光面側にガラス基板が設けられている。そして、ガラス基板とバックシートとの間に上記発電セルを挟み、この状態で固定し、これらの部材を一体化させるために、2枚の封止膜形成用の樹脂シートが用いられている。すなわち、図1(a)に示したように、ガラス基板10の上に、封止膜形成用樹脂シート16、発電セル12、封止膜形成用樹脂シート18、バックシート14の順次で積層し、この状態で樹脂を溶融硬化させることで封止膜を形成し、封止することが行われている。その際に使用される樹脂シートには、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(以下、EVAと略記)を主成分としてなる樹脂製シートが広く用いられている。
【0018】
本発明の封止膜形成用樹脂シート(以下、樹脂シートと呼ぶ)は、その厚みが0.3〜1.0mm程度のものであるが、封止材としての機能が安定に発揮され、さらに経済性などを考慮すると、その厚みは、0.45〜0.7mm程度であることが好ましい。すなわち、シートの厚さが薄すぎると、溶融硬化させた場合に樹脂量が不足して発電セルの封止が十分になされないおそれがあり、一方、厚すぎると、無用な材料コストがかかると同時に、溶融硬化に余分なエネルギーを要して経済的でない。本発明の樹脂シートは、後述する形状的な特徴を有するものであればよく、厚みや材料など、その基本的な構成は、従来の封止膜形成用樹脂シートと異なることはない。例えば、従来と同様に、樹脂シートの一方の面にエンボス加工を施したものであってもよい。ただし、本発明者らの検討によれば、本発明が課題とするセル割れの問題は、樹脂シートが硬い場合により生じやすい傾向があるので、本発明は、硬い樹脂を用いる場合において、より高い効果を得ることができる。
【0019】
本発明の封止膜形成用の樹脂シートは、薄板直線状のリード線に重ねて配置される位置に、リード線の厚みとほぼ同等か、それ以下の深さを有する直線状の凹部が設けられていることを特徴とする。そして、上記のようにして各部材を積層する段階で、図1(a)に示したように、樹脂シート16および18上に設けられた凹部が、発電セル12上に設置されたリード線11又は13に重なるように配置することで、セル割れの発生を抑制できるようになる。その後に行う封止膜の形成方法は従来と異なることはなく、発電セル12を挟む状態で、これらの表裏に配置された樹脂シート16及び樹脂シート18、それぞれの外側に配置されたガラス基板10及びバックシート14を、これらの積層方向に加圧しつつ加熱することで、樹脂シート16及び18を架橋硬化させればよい。
【0020】
凹部を有する本発明の樹脂シートを適用した場合、図1(a)に示したように、例えば、リード線に重ねた樹脂シートは、従来の樹脂シートを適用したもの(図8参照)に比べてその部分のシートの厚みが薄い、加圧した場合に力が均一にかかると考えられる凹状形状を有するため、樹脂シートを介してリード線が発電セルに押しつけられる力が軽減され、セル割れの発生が抑制できたものと考えられる。後述するように、リード線に重なる部分のみならず、セルに重なる部分のシートの厚みを従来よりも薄くすることによっても同様の効果が得られる。すなわち、従来の厚みの異ならない平らなシートであると、リード線に重ねると、リード線部分に厚みが出てしまい、加熱加圧して封止膜形成用樹脂で封止した場合に、その凸部に対して力がかかる。これに対し、本発明のように、リード線やセル部分に重なる薄い部分が形成される凹状形状を有するものは、重ねた場合に上記のような厚みを生じることがなく、平らな面に均一に力がかかるので、特定の場所に負荷がかからずにすむため、セル割れの問題を抑制できたものと考えている。
同時に、本発明の樹脂シートを特徴づける凹部は、リード線11および13が設置された発電セル12の表裏に、ガラス基板10とバックシート14とを接着一体化して封止膜を形成するのに何らの問題を生じることもなく、良好な状態に封止できる。この結果、良好な太陽電池モジュールを歩留まりよく製造できる。
【0021】
本発明の樹脂シートを特徴づける直線状の凹部について説明する。該凹部は、例えば、シートの、太陽電池モジュール製造の際に発電セルと接する梨地エンボス加工が施されている側の面に設けられる。図1(b)に示すように、本発明の樹脂シート16の有する凹部は、該シートの厚さ(D)以内であって、リード線11の厚み(D1)とほぼ同等か、それ以下の深さ(D2)を有する直線状の凹部であることを特徴とする。なお、「ほぼ同等」とは、リード線の厚みの7倍以下程度であればよい。好ましくはリード線の厚みの0.2倍以上3倍以下、さらには、1.0倍以上2倍程度とすることがより好ましい。また、凹部の幅(W2)は、凹部がリード線に重ねて配置されて、図1(a)に示したようにリード線を覆う状態となればよいため、リード線の幅(W1)とほぼ同等、具体的には1.05倍〜5倍程度、好適には1.1倍以上であればよい。さらには、1.5倍〜2.5倍以下程度とすることが好ましい。すなわち、D2およびW2が上記の要件を満たせばよく、凹部の断面形状は特に限定されない。例えば、その断面形状は、図2(a)〜(d)に示すように、各種矩形であっても、角丸や曲面を有する形状であってもよく、本発明の効果を十分に発揮することができる。
【0022】
本発明の樹脂シートを特徴づける直線状の凹部の数は、特に限定されるものではない。本発明の樹脂シートとともに使用する発電セル1枚当たりに配置されるリード線の数や配置場所は多様であるが、例えば、図3(a)〜(c)に示すように、樹脂シートに設ける凹部の数を、発電セル1枚当たりに配置されるリード線の本数と同数とすることが好ましい。しかし、例えば、凹部を幅の広い構成とすることで、1箇所の凹部に、複数のリード線が重ねて配置されるように構成してもよい(不図示)。すなわち、この場合は、凹部の幅を、複数のリード線が配置されている幅よりも広くする必要がある。
【0023】
本発明の樹脂シートは、図4(a)に示すように、さらに、前記した直線状の凹部が設けられている面に、発電セル12を配置する際の位置決め用として、該凹部と平行して発電セルの側壁が接するための、該セルの厚み(d1)とほぼ同等か、それより低い(d2)一連の壁が形成されていてもよい。なお、具体的には、該素子の厚みの1.5倍以下程度であればよく、0.5倍以下程度が好ましい。このような側壁を有する本発明の樹脂シートを用いて太陽電池モジュールを製造すると、例えば図4(b)に示すように、樹脂シート16上に発電セル12を載置する場合の位置決めが良好にできると同時に、セル割れの発生に対する抑制効果も認められるので、より好ましい。
【0024】
上記した壁の高さ(d2)は、上記したように、発電セルの厚さ(d1)と同じ程度であればよいが、d1の0.1倍以上1.5倍以下であれば問題なく太陽電池モジュールに使用することができる。
【0025】
図5に、上記したような本発明の直線状の凹部を複数設けてなる、多数の発電セルに適応できる本発明の樹脂シートの一例の模式的な斜視図を示した。かかる樹脂シートを用いて太陽電池モジュールを作製する際には、図5に一部分を示したように、各セルの所望の位置に設けられているリード線のそれぞれに、本発明の樹脂シートを特徴づける各凹部が重ねて配置されるようにして載せ、さらに、発電セルの上側にも同様の状態にして本発明の樹脂シートを被せ、その他は従来の方法と同様にして太陽電池モジュールを製造すればよい。図5に示した樹脂シートには発電セルを配置する際の位置決め用の壁が設けられているため、発電セルを所望の位置に設置することができる。この例では、発電セルの位置決め用の壁を凹部に平行する位置に設けたが、これに加えて、凹部と直交する位置にも、同様の位置決め用の壁を設けてもよい(不図示)。凹部を有する本発明の樹脂シートを用い、上記したようにして太陽電池モジュールを製造することで、従来の樹脂シートを用いた場合と比較してセル割れの発生を抑制することが可能になる。
【0026】
本発明の樹脂シートは、後述する種々の材料を含有してなる軟質樹脂組成物を成膜して得られるフィルム状のものであり、溶融して封止膜とした場合に透明性の高いものとなることが好ましい。上記軟質樹脂組成物の構成材料には、従来のものをいずれも使用することができる。その成膜方法も、所望の位置に、上述したような形状の凹部を設けること以外異なるところはなく、従来の方法をいずれも使用することができる。本発明の樹脂シートには、従来の結晶系シリコン太陽電池モジュールの封止膜形成用樹脂シートと同様に、太陽電池モジュールの製造時における生産性の向上等を目的として、梨地のエンボス加工が施されているものであってもよい。さらに、この場合に、凹部は、この梨地エンボス加工が施されている側の面に設けることが好ましく、このようにすれば、該エンボス加工と同時に本発明の特徴である凹部を施すことができるので効率的である。この場合、本発明の樹脂シートは、エンボス加工用のゴムローラの表面形状の一部を変更させることで容易に形成できる。このため、その加工は容易であり、優れたものである。
【0027】
本発明の封止膜用樹脂シートは、発電セルが設置することとなる部分に、発電セルと同形となるように、シートが薄くなった部分を設けてもよい。しかし、この場合には、複数の発電セルを精度よく載せる必要が生じるため、現実には、図5に示したような直線状に位置決めのための壁を設けただけの樹脂シートの方が適用し易いと考えられる。
【0028】
以下、本発明の樹脂シートを形成するための材料について説明する。なお、本発明の樹脂シートを使用して太陽電池モジュールを製造する際に必要となる各部材は、従来のものをいずれも使用できる。太陽電池モジュールの基材である太陽光の吸収のための面は、ガラスに限らず、光を透過することができるものであれば使用できる。例えば、ガラスを、透明アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等に代えることができる。バックシートについても従来使用されている材料からなるものがいずれも使用できる。
【0029】
本発明の樹脂シートを構成する樹脂としては、その基本的要求性能として、溶融硬化させて封止膜とした場合に透光性を示し、太陽電池モジュールの製造の際に、溶融して発電セルとガラス基板とバックシートとを接着一体化し、外部からの水やガスの侵入を有効に防ぐ封止膜を形成できるものであれば特に限定されない。例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)を主成分とするものが挙げられる。EVAには、その酢酸ビニル含有量が40%(質量基準)程度までのものがあるが、その含有率が低い場合は、より強靭性を示し、その含有率が高い場合は、柔軟性を増す。上記の封止膜の形成材料としてのEVAの場合、通常、酢酸ビニル含有量が25〜35%程度、特には26〜33%程度のものが用いられている。ここで、柔軟性の高い場合は、本発明が課題とするセル割れの問題を起こしにくいが、溶融した場合の収縮率が大きいなど、その取扱性に劣る。これに対し、本発明によれば、シート形状を工夫することでセル割れの発生が抑制できるようになるため、従来用いられている上記した材料よりも酢酸ビニルの含有量が低い、硬く強度に優れ、溶融した場合の収縮をより抑制できる、例えば、酢酸ビニル含有量が15%〜25%程度、さらには10%〜20%程度のEVAであっても有用な封止材材料として利用できるようになる。このため、材料適用の幅が広がると同時に、太陽電池モジュールを作製の際の歩留まり向上に対し、封止膜の形成用材料である樹脂シート改善の面からの効果向上が期待される。
【0030】
また、本発明において、EVAに有機過酸化物を予め添加し、その後EVAを加熱することで有機過酸化物を熱分解し、ラジカルを発生し、EVAに架橋構造を持たせることで、該EVAで形成された封止膜の耐熱性を向上することができる。
【0031】
本発明において添加に好ましい有機過酸化物は、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどのシクロヘキサン系過酸化物が挙げられる。また、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)へキサン、ジクミルパーオキサイド、ジ(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ(t−ブチルパーオキシ)パーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルメチルモノカーボネート等の有機過酸化物が挙げられる。しかしながら、分解してEVAに架橋構造を持たせるものであれば、上記のものに限られず、いずれの有機過酸化物であっても用いることができる。
【0032】
上記した有機過酸化物の添加量は、EVA100質量部に対して5質量部以下、好ましくは、0.3〜2.0質量部が好ましい。
【0033】
本発明の樹脂シートを構成する樹脂は、他の物質材料との接着力を更に向上させるために、接着向上剤としてシランカップリング剤を配合又は含浸することができる。この場合、使用されるシランカップリング剤としては、例えば、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エトキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これらシランカップリング剤の配合量はEVA100質量部に対して5質量部以下が好ましい。
【0034】
また、上記以外にも、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、変色防止剤等を添加することができる。紫外線吸収性能を付与するために用いられる紫外線吸収剤としては公知のもの、特にベンゾフェノン系の紫外線吸収剤が好適である。紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0035】
光安定性、熱安定性を一層向上させる目的で用いられる酸化防止剤としては、フェノール系、イオウ系、リン系、アミン系、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、ヒドラジン系等を挙げることができる。具体的には、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペラジル)セバケート等を用いることができる。
【0036】
図1(a)に示した、バックシート14側に配置される本発明の樹脂シート層18は、太陽電池としての効率向上のため、着色剤を用いて着色してもよい。着色剤による着色は、チタン白、炭酸カルシウム等による白色、ウルトラマリン等による青色、カーボンブラック等による黒色、ガラスビーズ及び光拡散剤等による乳白色等を挙げることができる。好ましくは、チタン白による白色への着色である。これらの着色剤の添加量は、EVA100質量部に対して10質量部以下、好ましくは3質量部以下で添加することができ、予め着色剤を高濃度で含有するマスターバッチによって、添加することもできる。
【実施例】
【0037】
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明の主旨を越えない限り本実施例に限定されるものではない。以下の実施例において、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
【0038】
<実施例1〜4>
(EVAシートの作製)
まず、EVAシートを構成する樹脂を表1に従い配合し、EVAシート用樹脂1〜4を作製した。その後、それぞれの樹脂を用いて熱プレスすることにより、図6に拡大して示したような、幅2.0mm、深さ0.2mmの断面形状が長方形である直線状の凹部を設け、該凹部を設けた面全体に梨地エンボスが施された厚さ0.5mmの無色透明なEVAシート1〜4を作成した。
【0039】

【0040】
<比較例1〜4>
実施例で用いたEVAシート用樹脂1〜4を用いて、比較用のEVAシートを作製した。具体的には、該樹脂1〜4を用いて熱プレスすることにより、直線状の凹部を有さない、片面に実施例で設けたと同様の梨地エンボスを施した厚さ0.5mmの無色透明なEVAシート5〜8を得た。
【0041】
(太陽電池モジュールの作製)
上記で得られた実施例のEVAシート1〜4および比較例のEVAシート5〜8を用いて、太陽電池モジュールサンプルを作製し、性能およびセル割れの評価をした。太陽電池モジュールは、下記のものをそれぞれ、実施例のシートの場合は図7、比較例のシートの場合は図8に示すように積層し、ラミネーター(太陽電池の封止装置)を用いて作製した。図7のバックシート14には、2層のプラスチックシート層21と、これにより挟まれたプラスチック層23とからなるものを用いた。なお、積層構造を省略して図示したが、図8のバックシート14にも同様のものを使用した。該プラスチックシート層21には、テドラー(商品名、デュポン社製、厚み:38μm、)が使用され、プラスチック層23にはポリエステルフィルム(厚み:250μm)が使用されている。また、結晶系シリコン発電素子12には、シリコン発電素子を用い、ガラス基板10には、厚さ3mmの白板ガラスを用いた。リード線11および13には、幅が2.0mm、厚みが0.2mmのLuvata社製のものを用いた。そして、封止膜形成用樹脂シートには、実施例および比較例の無色透明なEVAシート1〜8をそれぞれに用いて、各太陽電池モジュール積層物を得た。これらのEVAシートには、図7又は図8のようにして、発電セルをそれぞれ1枚ずつ配置した。発電セルには、厚みが200μmのものを使用した。
【0042】
上記で得た太陽電池モジュール作製用の積層物を、ラミネーターを用いて、通常のラミネート条件よりも厳しいセル割れが発生し易い条件、すなわち、135℃で2分間脱気し、その後、135℃で15分間大気圧プレスを行って接着一体化した。上記した条件で、4種の樹脂をそれぞれに用いた太陽電池モジュールサンプルを10枚ずつ作製した。得られたサンプルについてセル割れの有無をマイクロクラック検査装置で観察して評価した。評価は、凹部を設けない各比較例の樹脂シートを使用した場合と比較して、同様の樹脂で凹部を設けた実施例の樹脂シートにおけるセル割れの発生率が低減できたか否かで評価した。その結果、比較例のものに比べて実施例のものは、いずれの樹脂を用いた場合も、セル割れの発生率を低減できることが認められた。より具体的には、0.5%程度低減でき、その歩留まりが3〜5%程度向上することが確認できた。また、実施例において、酢酸ビニル含有率28%のEVAシートを用いた場合に比べて、酢酸ビニル含有率20%のEVAシートを用いた場合の方がセル割れの発生率が高い傾向が見られた。
【0043】
<実施例5>
表1中のEVAシート用樹脂4を用い、図5に示したような場合に使用できる本発明で規定する凹部を有する大面積の樹脂シートを作製した。具体的には、複数の発電セルのリード線に重なる位置に凹部を設けると共に、複数の発電セルを配置する際の位置決めにとって有効となる、図4に示したような一連の壁を設けたEVAシートを作製した。
【0044】
上記で得られたEVAシートを、実施例1と同様に図7の通りに積層し、実施例の場合と同様の条件で、脱気し、その後、大気圧プレスを行って太陽電池モジュールを作製した。その際、シリコン発電素子12の側壁が、EVAシートに設けたシリコン発電素子を配置するための一連の壁に沿うように位置を合せた。このため、壁を設けない場合よりも、リード線に重なる位置に凹部を積層し易いことが確認できた。上記と同様にして、セル割れを評価した。その結果、セル割れの発生は実施例4と同程度であることが確認できた。
【0045】
<実施例6>
EVAシートを構成する樹脂として表1中のEVAシート用の樹脂4を用い、図2に示したように、直線状の凹部の断面形状をそれぞれに変えた以外は先に述べたと同様にして、一方の面全体に梨地エンボスを施した厚さ0.5mmの無色透明なEVAシートを作成した。その際、エンボスを施した面に、深さを0.2mmに一定にして、それぞれ、その幅を段階的に、3mm、5mm、8mm、10mm、12mmとした凹部をそれぞれに形成したEVAシートを作製した。また、その幅を5mmに一定にして、深さを段階的に、0.1mm、0.2mm、0.4mm、0.6mm、0.8mmとした凹部をそれぞれに形成したEVAシートを作製した。
【0046】
上記で得た各形状を有する凹部が設けられたEVAシートをそれぞれに用いて、先に述べたと同様にして、太陽電池モジュールサンプルを作製し、得られたサンプルについてセル割れの有無をマイクロクラック検査装置で観察して評価した。この結果、セル割れに関して下記の傾向がみられた。
凹部の幅としては、5mm〜10mmの範囲がより好ましいことがわかった。使用したリード線の幅は2.0mmであることから、EVAシートに設ける凹部の幅は、リード線の幅に対して、2.5倍〜5倍程度であることが好ましいことがわかった。また、その深さは、0.2mm〜0.4mmの範囲のものを設けることがより好ましいことがわかった。使用したリード線の厚みは0.2mmであることから、EVAシートに設ける凹部の深さは、リード線に対しての厚みに対して1.0倍〜2.0倍程度であることが好ましいことがわかった。
【0047】
<実施例7>
使用する発電セルを、厚みが100μmのものに代えた以外は、実施例1と同様にして太陽電池モジュールを作製した。この結果、厚みが200μmで、樹脂3からなる酢酸ビニル含有率20%のEVAシートを用いた実施例3の場合と同程度にセル割れの発生が抑制できることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明によれば、太陽電池モジュールの製造時に生じるセル割れの問題を封止膜形成用樹脂シートの面から有効に抑制することができ、太陽電池モジュールの製造の効率化に寄与できる太陽電池モジュールの封止膜形成用樹脂シートの提供が可能になる。また、本発明によれば、太陽電池モジュールの製造に現在使用されている種類のEVAシートに限らず、硬く強度に優れ、溶融時における収縮の少ないEVAシートも太陽電池モジュールの製造に用いることが可能となるので、材料選択の幅を広げることができる。さらに、本発明の封止膜形成用樹脂シートは、より薄膜のセルを用いた場合にも太陽電池モジュールの製造の際におけるセル割れを抑制することができるので、結晶系シリコンのさらなる薄膜化に対応でき、この点からも材料選択の幅が広がり、より経済的な太陽電池モジュールの製造が可能になる。これらのことにより、より経済性に優れる太陽電池モジュールの提供が可能となり、太陽光の有効利用をさらに発展させ、エネルギーの有効活用、さらには地球環境保護に貢献できる技術を提供することができる。
【符号の説明】
【0049】
10:ガラス基板
11、13:リード線
12:結晶系シリコン発電素子
14:バックシート
16、18:封止膜形成用樹脂シート
21:プラスチックシート層
23:プラスチック層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄板直線状のリード線が配置された薄板状の結晶系シリコン発電素子の表裏にそれぞれ積層されて結晶系シリコン太陽電池モジュールの封止膜の形成に用いられる樹脂シートであって、厚さが0.3〜1.0mmのシート状であり、結晶系シリコン発電素子と接するエンボス加工が施されている側の面の、上記リード線に重ねて配置される位置に、リード線の厚みとほぼ同等か、それ以下の深さを有する直線状の凹部が設けられていることを特徴とする結晶系シリコン太陽電池モジュールの封止膜形成用樹脂シート。
【請求項2】
前記凹部の幅が、前記リード線の幅の1.05倍以上である請求項1に記載の結晶系シリコン太陽電池モジュールの封止膜形成用樹脂シート。
【請求項3】
前記凹部の深さが、リード線の厚みの0.2倍以上7倍以下である請求項1又は2に記載の結晶系シリコン太陽電池モジュールの封止膜形成用樹脂シート。
【請求項4】
さらに、前記凹部が設けられている面に、結晶系シリコン発電素子を配置する際の位置決め用として、前記直線状の凹部と平行して結晶系シリコン発電素子の側壁が接するための該素子の厚みとほぼ同等か、それより低い一連の壁が形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の結晶系シリコン太陽電池モジュールの封止膜形成用樹脂シート。
【請求項5】
前記樹脂が、封止膜とされた場合に透光性を有する、酢酸ビニルの含有率が質量基準で15〜33%のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂である請求項1〜4のいずれか1項に記載の結晶系シリコン太陽電池モジュールの封止膜形成用樹脂シート。
【請求項6】
前記薄板状の結晶系シリコン発電素子の厚みが200μm以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の結晶系シリコン太陽電池モジュールの封止膜形成用樹脂シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−204735(P2012−204735A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69687(P2011−69687)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(593140255)サンビック株式会社 (12)
【Fターム(参考)】