説明

結束用ストラップを有する引張により剥離する粘着テープ物品

【課題】ケーブル、ワイヤなどを束ねるために使用される引張により剥離するテープ物品を提供する。
【解決手段】テープ物品は、引張により剥離する粘着テープ条片(104)と、粘着テープ条片(104)に取り付けられる剛直なベースプレート(132)と、ベースプレート(132)に取り付けられる可撓性で長い結束用ストラップ(106)とから構成される。結束用ストラップ(106)は、束ねられる物品の周囲を巡った後、それ自身に固着され、閉ループを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、表面に対して物品を取り外し可能なように粘着的に接合させるための、引張りにより剥離する粘着テープに関する。より詳しくは本発明は、ワイヤ、ケーブルなどを結束するための結束用ストラップを含む、引張りにより剥離する粘着剤物品に関する。
【背景技術】
【0002】
引張りにより剥離する粘着テープは、強力な保持力ときれいに除去でき表面に損傷をあたえないことの両方の性質を併せ持つ、新しいタイプの高性能感圧性粘着剤の代表例である。そのような引張りにより剥離する粘着テープは、組立て、連結、貼付け、搭載用途など広い分野で有用である。
【0003】
市販されている引張りにより剥離する粘着テープの例を挙げれば、ミネソタ州セント・ポール(St.Paul、Minnesota)のミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチュアリング・カンパニー(Minnesota Mining and Manufacturing Company)から商品名コマンド(COMMAND)として販売されている製品、および独国ハンブルグ(Hamburg、Germany)のバイエルスドルフ・AG(Beiersdorf AG)から商品名パワー=ストリップス(POWER−STRIPS)として販売されている製品がある。現在のところそれらの製品は条片として製造されており、除去作業の際に引張るのが楽になるように、非粘着性プルタブを含む条片の一端を有している。
【0004】
引張りにより剥離する粘着テープは一般的には、たとえば壁、窓、キャビネットなどの表面にフックを搭載するために使用されている。フックを含む引張により剥離する粘着テープ物品の例は、特許文献1(ルーマン(Luhmann))、特許文献2(ハメルスキー(Hamerski)ら)、特許文献3(クレッケル(Kreckel))、特許文献4(シューマン(Schumann))、および特許文献5(シューマン(Schumann))に開示されている。それら独自の用途はあるものの、そのような物品はケーブル、ワイヤなどの結束や付着、あるいは閉ループを必要とするその他の用途など、ある種の用途には特にうまく適合しているというわけではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,409,189号明細書
【特許文献2】米国特許第5,507,464号明細書
【特許文献3】米国特許第5,989,708号明細書
【特許文献4】米国特許第6,082,686号明細書
【特許文献5】米国特許第6,131,864号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、テープ物品自体に繰り返して付着させて閉ループを形成することが可能な長い可撓性のストラップを含む、引張りにより剥離する粘着テープを用いて使用する物品が提供されることが望まれている。そのような物品は、ケーブル、ワイヤなどの結束および付着や、あるいは、それ自体で締付けることが可能なストラップとなるような、その他の引かけまたは搭載用途において、適したものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、互いに反対側に位置する主粘着性表面と、一方の粘着性表面に付着させたベースプレートと、前記ベースプレートに結合していて、それ自体に付着して閉ループを形成することが可能な長い可撓性のストラップと、を有する引張りにより剥離する粘着テープを含む、引張により剥離する粘着テープ物品を提供する。
【0008】
ストラップをそれ自体に付着させるために選択される具体的な手段は、目的の機能さえ得られるならば、本発明にとって特に重大となることではない。具体的な態様においては、このストラップは繰り返してそれ自体に付着させることができる。そのような物品は、1群の対象物、たとえばケーブル、ワイヤなどをまとめて束ねたり、それらをたとえば壁面に搭載させたりするのには特に有用である。
【0009】
このストラップをそれ自体に付着させるには、各種の方法を使用することができ、たとえば、粘着剤、一般的なスナップのような単一の突起−受けの組合せを有する機械的なファスナー、フックとループによるファスナー、たとえばマッシュルームの形状のファスナー要素のような、複数の嵌合または相互係合要素またはファスナーを有する自己嵌合形態の押出し式のファスナー、あるいはその他の公知のファスナーなどが挙げられる。さらに、このストラップは従来のケーブルタイ状のファスナーを有するケーブルタイであってもよい。
【0010】
1つの実施態様において、本発明は、基材、たとえば壁面に、粘着剤部分と非粘着性プルタブとを有する引張により剥離する粘着テープ条片を使用して搭載される、引張により剥離する粘着テープ物品を提供する。この物品には、ベースプレートと可撓性の長い結束用ストラップとが含まれる。このベースプレートは、引張りにより剥離する粘着剤条片の粘着剤部分に付着させるために合わせた第1主表面、第2の反対側に位置する主表面、ならびに第1および第2末端を有している。
【0011】
この可撓性の長い結束用ストラップは、第1部分、第2部分、ならびに第1および第2の互いに反対側に位置する主表面を有している。結束用ストラップの第1部分の第1表面をベースプレートの第2表面に付着させ、そして結束用ストラップの第2部分をベースプレートの第2末端を超えて延在させる。結束用ストラップの第2部分の第2表面には、複数の外側に突出したファスナー要素を有する嵌合表面を有しているが、これにより、その結束用ストラップの第2部分は、少なくとも1つの物品のまわりに配置され、その嵌合表面を折り返してそれ自体に結合させて、それによって閉ループを形成することができる。さらに、この結束用ストラップの第1部分の第2表面にはファスナー要素を含んでいてもよい。
【0012】
この嵌合表面には、フックタイプのファスナー要素の領域とループタイプのファスナー要素の領域、自己嵌合表面、粘着剤、またはその他の結合手段が含まれていてもよい。
【0013】
別の実施態様においては、この結束用ストラップには、結束用ストラップの第2部分の反対側に、結束用ストラップの第1部分から延在する第3の部分が含まれていてもよい。結束用ストラップの第3部分の互いに反対側に位置する主表面のいずれかまたは両方に、ファスナー要素が含まれていてもよい。
【0014】
本発明の1つの態様においては、結束用ストラップの延伸軸と同一線上に、ベースプレートを長手方向の軸に沿って延伸する。また別の態様においては、結束用ストラップの第1部分をベースプレート第1末端に近接するベースプレートの第2表面の部分、またはベースプレートの第1および第2末端の中間の位置に付着させることもできる。結束用ストラップをベースプレートに付着させるには、接着剤、超音波溶接、あるいは機械的なファスナーを含めたその他公知の方法を用いることができる。結束用ストラップはさらに、ベースプレートに、回転可能にあるいは再結合可能に付着させることもできる。別な方法として、結束用ストラップとベースプレートとを、単品の一体物として押し出し成形することもできる。
【0015】
また別の実施態様においては、結束用ストラップの第1部分に、ベースプレートの第2表面に付着させた部分と、ベースプレートの第2表面に重なる付着部分に近接した部分とが含まれる。この重なり部分には開口部が含まれる。それに加えて、その結束用ストラップの第1部分は第1の幅を有し、結束用ストラップの第2部分はその第1の幅よりは狭い、その開口部を通過することが可能な幅を有している。このようにして、結束用ストラップの第2部分はベースプレートの方向に折り返され、少なくとも1つの物品のまわりに巻き付き、開口部を通して配置されることで、結束用ストラップの第1部分と結合して、閉ループを形成することができる。
【0016】
具体的な実施態様においては、本発明は、基材の上に物体を結束、搭載するための引張により剥離する粘着テープ物品を提供し、それには、引張により剥離する粘着テープ条片と、ポリプロピレンでできていてかつその厚みが少なくとも0.01インチの剛性を有する長いベースプレートと、可撓性の長い結束用ストラップとが含まれる。この粘着テープの条片には、粘着剤部分と非粘着性プルタブが含まれる。この長いベースプレートには、引張により剥離する粘着テープ条片の粘着剤部分に付着する第1主表面、反対側に位置する第2主表面、ならびに第1および第2末端が含まれる。この可撓性の長い結束用ストラップには、第1部分、第2部分、ならびに第1および第2の互いに反対側に位置する主表面を含んでいる。この結束用ストラップの第1部分は、ベースプレートの第1および第2末端の中間のベースプレートの第2表面の部分に付着しており、そして第2部分は、ベースプレートの第2末端を超えて延在している。結束用ストラップの第2部分の第2表面には、そこから突出したファスナー要素を有する自己嵌合表面を有しているが、これにより、その結束用ストラップの第2部分は、少なくとも1つの物品のまわりに配置され、その嵌合表面を折り返してそれ自体に結合させて、それによって閉ループを形成することができる。
【0017】
本発明について、添付の図面を参照しながらさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1a】本発明による引張により剥離する粘着テープ物品の分解組立て図である。
【図1b】図1aの引張により剥離する粘着テープ物品の斜視図である。
【図1c】図1bの1c〜1cの線に沿って切断した断面図である。
【図1d】保持状態にした場合の、図1aの粘着テープ物品の斜視図である。
【図2a】本発明の第2の実施態様の斜視図である。
【図2b】図2aの2b〜2bの線に沿って切断した断面図である。
【図3a】本発明の第3の実施態様の斜視図である。
【図3b】保持状態にした場合の、図3aの粘着テープ物品の斜視図である。
【図4a】本発明の第4の実施態様の斜視図である。
【図4b】保持状態にした場合の、図4aの粘着テープ物品の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで図を参照するが、まず図1a〜1dには、引張により剥離する粘着テープ条片104、ベースプレート132、および可撓性の長い結束用ストラップ106を含む、引張により剥離する粘着テープ物品102が示されている。
【0020】
この引張により剥離する粘着テープ条片104は、物品102を基材たとえば壁、キャビネットなど(図示せず)に、取り外し可能に粘着的に接合させるために具備されている。このテープ条片104には、互いに反対側に位置する粘着性の第1および第2主表面110、112それぞれを有する粘着剤部分108と、互いに反対側に位置する非粘着性の第1および第2主表面116、118それぞれを有していて除去する場合に使用者がテープ条片104をつまんで引張するための手段を提供する、非粘着性プルタブ114とが含まれている。
【0021】
引張りにより剥離する粘着テープ104は、基材にしっかりと付着し、その後で引張りにより除去できるものならば、どのような感圧性粘着テープであってもよい。そのような感圧性粘着剤には弾性のあるバッキング、高度に延伸可能で実質的に非弾性の(inelastic)バッキングを含んでいてもよく、あるいは固体状で弾性のある感圧性粘着剤から形成したテープであってもよい。
【0022】
引張りにより剥離するテープとして好適なものは、米国特許第4,024,312号明細書(コープマン(Korpman))、独国特許第33 31 016号明細書、米国特許第5,516,581号明細書(クレッケル(Kreckel)ら)、およびPCT国際出願公開WO第95/06691号パンフレット(ブリース(Bries)ら)に記載されている。さらに、この引張りにより剥離する粘着テープには、たとえば米国特許第6,004,642号明細書(ロングフォード(Longford))に記載されている層のような引き裂き可能な層や、PCT国際出願公開WO第99/31193号パンフレットに記載されている層のような再結合させることが可能な層などが含まれていてもよい。市販されている引張りにより剥離する粘着テープの例を挙げれば、ミネソタ州セント・ポール(St.Paul、Minnesota)のミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチュアリング・カンパニー(Minnesota Mining and Manufacturing Company)から商品名コマンド(COMMAND)として販売されている製品、および独国ハンブルグ(Hamburg、Germany)のバイエルスドルフ・AG(Beiersdorf AG)から商品名パワー=ストリップス(POWER−STRIPS)として販売されている製品がある。現在のところそれらの製品は個別の条片として製造されており、除去の際に引張るのが楽になるように、非粘着性プルタブを含む条片の一端を有している。条片の粘着剤表面はさらに、剥離ライナー(図示せず)で保護されていてもよい。
【0023】
ベースプレート132には、第1主表面134、第2の反対側に位置する主表面136、第1末端138、および第2末端140が含まれる。ベースプレートの第1主表面134は、粘着剤条片104の粘着剤部分108の第2主表面112に粘着的に付着される。ベースプレートの第2主表面136は、ベースプレート132の第1末端138に近接する領域142において結束用ストラップ106に付着される。別な方法としては、ベースプレートの第2主表面136全体を結束用ストラップ106に付着させることもできる。ベースプレート132は、テープ、粘着剤、超音波接着、あるいはその他公知の機械的ファスナーまたはファスニング方法を使用することによって、結束用ストラップに付着させてもよいが、その際には、結束用ストラップをベースプレートに再結合可能にあるいは回転可能に付着させることもできる。また別な方法としては、ベースプレート132を結束用ストラップ106と一体の成分として成形することも可能である。
【0024】
このベースプレート132は、結束用ストラップ106の長手方向の軸と同一線上にある長手方向の軸に沿って長くして、粘着剤条片104の粘着剤部分108の第2表面112を覆って付着するような大きさとする。粘着剤条片104に沿ってベースプレート132にかかる力を分散させ、かつ粘着剤条片104からベースプレート132が剥がれる可能性を最小とするために、このベースプレート132を堅い(stiff)または剛性を有する(rigid)ものにするようい作製する。ベースプレート132の堅さは、ベースプレートを作製するために選択する材料とベースプレートの厚みの両方によって決まるであろう。好適なベースプレートはたとえばポリプロピレンから作製することができるが、その厚みは少なくとも0.01インチ、典型的には少なくとも0.02インチ、より典型的には少なくとも0.03インチ、最も典型的には少なくとも0.04インチである。その他の好適な材料としては、ポリスチレンおよびポリ塩化ビニル(PVC)を挙げることができる。
【0025】
粘着剤条片104と結束用ストラップ106との間にベースプレート132を具備することによって、粘着剤条片104が基材から剥がれる可能性を抑制し、また結束用ストラップ106がベースプレート132から剥がれる可能性も抑制するのに役立ち、それによって、物品102の保持力が増大し、その信頼性と性能が改善される。
【0026】
この結束用ストラップ106には、ベースプレート132に付着する第1部分120a、ベースプレート132の第2末端140を超えて第1部分120aから延在する第2部分120b、結束用ストラップ106が結束されていない状態の場合にはベースプレート132の方向に面している第1主表面124、および反対側に位置する第2主表面126が含まれる。
【0027】
結束用ストラップ106の第2表面126全体に嵌合表面128が具備されており、それには、図1dにみられるように、ワイヤの束144の周囲をまわって折り返し、それ自体に付着して閉ループを形成することができる、外側に突出した複数のファスナー要素130が含まれている。
【0028】
嵌合表面128は粘着剤であってもよく、あるいは複数の好適な機械的ファスナーを含んでいてもよい。ファスナー要素130はおそらく、自己嵌合性である、すなわちそのファスナー要素が、それと同一または実質的に同様の構造を有する他のファスナー要素と相互連結して係合することが可能であるのが好ましい。しかしながら、本発明の結合様式が2つの実質的に同様なファスナー要素からなっている必要はない。さらに、好ましくはこのファスナー要素は再結合可能である、すなわち、ファスナー要素を嵌合表面に結合させた後で、取り外しても、同一の嵌合表面または他の嵌合表面に再度結合できる能力が破壊されていないことが好ましい。
【0029】
しかしながら、好適なファスナーは各種の形態をとりうることは認識されたい。1つのタイプを例示すれば、単一の突起−受けの組合せを有するファスナーがある。このタイプのファスナーを説明するならば、普通の金属製のスナップである。突起−受けの組合せを使用した成形品または押出し品のプラスチックファスナーの例は、米国特許第2,144,755号明細書(フリードマン(Freedman))、同第3,173,184号明細書(オースニット(Ausnit))、同第3,182,345号明細書(スミス(Smith))、同第3,335,774号明細書(リード(Reed))および同第4,819,309号明細書(ベイマー(Behymer))に見ることができる。このベイマー(Behymer)特許には、ファスナーの2つの部分を同一とすることができ、それによって本明細書で自己嵌合性ファスナーと呼んでいるものを作ることが示されている。従来のケーブルタイを使用することも可能である。
【0030】
1種または2種の係合要素を有する機械的なファスナーとは対照的なのが、そのような要素を複数有するファスナーである。そのようなファスナーの1つのグループとしては、米国特許第2,717,437号明細書(ド・メストラル(de Mestral))に記載のフック・アンド・フック・ファスナー、さらに同第3,009,235号明細書(ド・メストラル(de Mestral))に記載のフック・アンド・ループ、さらに同第4,846,815号明細書(スクリップス(Scripps))に記載のヘッド付きのステム、すなわちマッシュルーム・アンド・ループなどが挙げられる。
【0031】
複数の係合要素を使用したファスナーのまた別のグループは、主としてステムを含む固形の突起と、そのステムの先端に拡大領域またはヘッドを含むものである。この拡大領域またはヘッドは広く各種の形状をとることができる。これらのファスナーは通常、自己嵌合性であり、ヘッド部分は、ヘッドの間の部分よりは直径または断面積が大きい。このタイプのファスナーを記述している特許の例を挙げれば、米国特許第2,499,898号明細書(アンダーソン(Anderson))、同第3,192,589号明細書(ピアソン(Pearson))、同第3,266,113号明細書(フラナガン・Jr.(Flanagan、Jr.))、同第3,408,705号明細書(カイザー(Kayser)ら)および同第5,097,570号明細書(ガーシェンソン(Gershenson))などがある。
【0032】
米国特許第3,899,805号明細書(マクミラン(McMillan))にはヘッド付きの中空の突起が教示されている。このタイプのファスナーでは、その上面で断面を減少させたりポケットを限定したりしたシートの中に拡大領域をはめ込んだり、および/またはステムを曲げたりすることを含む。このタイプのファスナーの接合では通常、ファスナーを着座させる際にシングルまたはダブルのスナップを併用する。
【0033】
相互に嵌合う固形の突起を多数有するファスナーのまた別のタイプが、米国特許第4,875,259号明細書(アペルドーン(Appeldorn))に記載されている。このタイプのファスナーでは、突起の先端が拡がったりヘッド付きにはなっていない。表面は見たところスムーズで平坦ではあるが、結合は、相互に嵌合う突起の接触表面の間に発生する摩擦力によって作製されている。このグループに属するファスナーのさらなる例は、米国特許第5,071,363号明細書(レイレック(Reylek)ら)、同第5,088,164号明細書(ウィルソン(Wilson)ら)、同第5,113,555号明細書(ウィルソン(Wilson)ら)および同第5,201,101号明細書(ラウザー(Rouser)ら)に見ることができる。織物を貫通し、織物の一方から他方へ列になって交互に出ているような突起を用いたファスナーが、米国特許第4,581,792号明細書(スピア(Spier))に開示されている。このファスナーは、ソケットの中に突起を係合させて、分離可能な摩擦ばめを形成させる機能を有している。
【0034】
好適な結束用ストラップは、その少なくとも1つの表面に、平行で狭い間隔を置いた、弾性変形可能なリブ(結束用ストラップ)の列を有するベースシート(ベースプレート)を含む長いストラップであって、そのリブは一体ものとしてベースシートの表面から突出している。このリブには、ベースシートに付着し実質的にそれから上向きになっているステム部分(ファスナー要素)と、ステム部分の少なくとも一方の側に付着させ、ベースシートからは間隔を置いたフランジとが含まれている。少なくともいくつかのフランジの下側表面の外側部分はベースシートの方向に突出し、そして少なくともいくつかのフランジは、その幅のほとんどを覆う実質的な厚みを有しており、同一の結合表面から剥がすタイプの離脱をさせる場合に、ステム部分がフランジに優先して変形するようになっている。
【0035】
図2a〜2bには、図1a〜1dに示したのと類似の粘着テープ物品202を示しているが、ただし図2a〜2bでは結束用ストラップ206を、ベースプレートの第1末端238と第2末端240の間の中央に位置する領域の中でベースプレート232に付着させている。図1a〜1bと機能的には類似している、図2a〜2d、および残りの図3〜4における物品は、100刻みで同様の参照番号を用いて示してある。
【0036】
結束用ストラップ206をベースプレート232の中間でベースプレート232に付着させることによって、粘着剤条片204が基材から剥がれる可能性をさらに抑制されることが見出された。それに加えて、結束用ストラップ206の第1部分220aの第2表面226にはファスナー要素が含まれていない。第2部分220bの第2表面226がそれ自体に付着して閉ループを形成するように第1部分220aの第2表面226をファスナー要素なしにしておくことによって、たとえば、結束された物品が物品202が接着させられた基材から遠のく方へ引張られた場合に起きるような、ベースプレート232に対して直角の方向の力が結束用ストラップ206に加えられたときに、結束用ストラップ206のそれ自身に対する剥がしによる分離の可能性を最小にできることも見出された。
【0037】
図3a〜3bには、本発明のまた別な実施態様を示すが、ここでは、結束用ストラップ306には幅が広い第1部分320aと狭い第2部分320bが含まれる。この第1部分320aには、ベースプレートの第2表面336に付着する付着部分320a’と、付着部分320a’から延在し、ベースプレートの第2表面336を覆うがそれには付着していない重なり部分320a”とが含まれる。この付着部分320a’には、結束用ストラップの狭い第2部分320bを受け入れる大きさとした開口部350が含まれる。図3に示したように、結束用ストラップ306を1群の物品344のまわりに確保するために、結束用ストラップ344を折り返して、すなわち、嵌合表面328を結束された物品344から外側に向けるようにし、そして狭い第2部分320bを開口部350の中に挿入し、それによって第2部分320bの嵌合表面328を、第1部分320aの付着部分320a’の嵌合表面328に付着させることができる。
【0038】
図4a〜4bには、本発明のまた別の実施態様を示すが、ここでは、結束用ストラップ406には、ベースプレート432に付着させた第1部分420aと、第1部分420aから下向きに延在する第2部分420bと、第1部分420aから上向きに延在する第3部分420cとが含まれる。この第2部分420bと第3部分420cにはそれぞれ、互いに反対側に位置する第1および第2主表面452、454および456、458があり、各々がそれぞれ嵌合表面428b、428cを備えている。図4bに示したように、この方法によって第2部分420bの第1表面452を第3部分420cの第2表面458に付着させて、ワイヤの結束444のまわりに閉ループを形成させることができる。しかしながら、それに加えて、第2部分420bのいずれかの表面を、第3部分420cのいずれかの表面に付着させることも可能であることは理解されるであろう。
【0039】
各種の実施態様を用いて説明してきたように、テープ条片の非粘着性プルタブは、粘着剤条片に粘着された結束用ストラップの第1部分の末端を超えて延在するように配置することもでき、あるいは、結束用ストラップの第2部分に近接するように配置して、粘着剤タブが少なくとも部分的に結束用ストラップによって隠されるようにすることもできる。プルタブが結束用ストラップの背後に延在するような場合には、除去の際にはその結束用ストラップを外側に曲げて、プルタブに接触できる。
【0040】
上述してきた本発明のコンセプトから離れることなく、各種の変更や修正が可能であることは当業者には明かであろう。したがって、本発明の範囲は、本明細書に記述された構造に限定されるべきではなく、特許請求項の文言により記述された構造とそれらの構造の等価物によってのみ限定されるべきである。
【符号の説明】
【0041】
102,202.粘着テープ物品
104,204.粘着テープ条片、
106,206,306,406.結束用ストラップ、
108.粘着剤部分、
114.非粘着性プルタブ
128,428.嵌合表面、
130.ファスナー要素、
132,232,432.ベースプレート、
144,444.ワイヤの束、
344.物品
350.開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材に物品を結束して取り付けるための、引張により剥離する粘着テープ物品であって、
(a)粘着剤部分および非粘着性プルタブを有する引張により剥離する粘着テープ条片、
(b)第1および第2の互いに反対側に位置する主表面と、第1および第2末端とを有するベースプレートであって、前記ベースプレートの第1主表面が前記引張りにより剥離する粘着テーブ条片の粘着剤部分に付着されるベースプレート、および
(c)第1部分、第2部分、ならびに第1および第2の互いに反対側に位置する主表面を有する可撓性の長い結束用ストラップであって、前記結束用ストラップの第1部分の第1表面が前記ベースプレートの第1および第2末端の中間の第2表面に付着され、前記結束用ストラップの第2部分が前記ベースプレートの第2末端を超えて延在し、そして前記結束用ストラップの第2部分の第2表面が嵌合表面を含む結束用ストラップにして、前記結束用ストラップの第2部分が、少なくとも1つの物品のまわりに配置され、前記嵌合表面を折り返してそれ自体に結合させ、それによって閉ループを形成することができる結束用ストラップを含む、引張により剥離する粘着テープ物品。
【請求項2】
前記結束用ストラップの第2部分の第2表面の嵌合表面が、それから突出した複数のファスナー要素を含み、第1部分の第2表面にはファスナー要素を含まない、請求項1に記載の引張により剥離する粘着テープ物品。
【請求項3】
前記結束用ストラップの第1部分が、前記ベースプレートの第2表面に付着させる付着部分と、前記ベースプレートの第2表面を覆う前記付着部分に近接した重なり部分とを含み、前記重なり部分が開口部を含み、
前記結束用ストラップの第1部分が第1の幅を有し、前記結束用ストラップの第2部分が前記第1の幅よりは狭く、前記開口部を通過することが可能な幅を有し、これにより、前記結束用ストラップの第2部分が少なくとも1つの物品のまわりを包んで、内側に向かって前記ベースプレートの方向へ折れ曲がり、前記開口部を通過して配置され、前記結束用ストラップの第1部分と結合して閉ループを形成することが可能な、請求項1に記載の引張により剥離する粘着テープ物品。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【公開番号】特開2009−299077(P2009−299077A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−222880(P2009−222880)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【分割の表示】特願2003−527016(P2003−527016)の分割
【原出願日】平成14年7月15日(2002.7.15)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】