説明

結束装置

【課題】粘着テープを用いて長尺ワークを結束する結束装置を提供すること。
【解決手段】
予め結束テープTを巻付けているテープリールと、該テープリールから繰出された結束テープTを保持する結束スタンド10と、該結束スタンド10の上方で移動自在なように設けられて、長尺ワークWの周囲に結束テープTを巻回して、圧着切断させる結束ヘッド40を有する結束装置であって、前記結束スタンド10は前記結束テープTを挟持させるように付勢された移動可能なハサミカム16と、上方に突出して作業時に前記結束テープTに張りをもたせるように付勢された移動可能なタッカー20を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着テープを用いて長尺ワークを結束する結束装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1に開示されているように、片面粘着テープ等の結束テープTを用いて、アスパラガス、ねぎ、ニラ、ホーレン草または花束等の複数個の長尺ワークWを一体に束ねて、添付した図6に示すように結束構造物1を形成することが公知である。また、例えば、特許文献2〜5に開示されているように、専用の結束装置を用いて、図6に示した結束構造物1を形成するようにこの結束作業を行うことが公知である。例えば、図4、5に示した結束装置では、結束スタンド10と、この上方で移動自在の結束ヘッド40と、予め結束テープTを巻付けているテープリール(巻出軸)Sを設けており、テープリールSから引出された結束テープTを結束ヘッド40内を通して結束スタンド10内に保持させている。そして、このように引出された結束テープTに対して、図4の(A)に示すように、長尺ワークWを所定位置まで進ませて、長尺ワークWを囲むように結束テープTを繰出させている。しかしながら、図4の(B)に示すように、長尺ワークWの径が比較的細い場合(例えばアスパラの穂の下の細い部分)には、長尺ワークWを搬送するバケットBと結束スタンド10の位置は一定のため、符合Mに示すように、長尺ワークWの周囲に巻回される結束テープTに弛み等が生じることがあった。この場合、図5に示すように、結束ヘッド40を結束装置10に向って移動させて、長尺ワークWの周囲に結束テープTを巻回させながら、結束ヘッド40に設けた刃46によって結束テープTを圧着切断させる際、十分な結束結果が得られない場合があった。
また、図4、5に示すような従来の実施形態では、結束スタンド10のハウジング12内に支点Oを中心として回転可能なようにハサミアーム(腕部)14を備えており、この腕部の端部側にハサミカム16を備えている。腕部14は、外部から負荷のかからない状態では、図の左方向に付勢されて、ハサミカム16とハウジング12の内壁部側18との間で結束テープTを挟持させている。但し、結束ヘッド40が下降して、この端部側の押さえロール44がハサミカム16を押圧接すると、腕部14は付勢力に逆らって図の右方向に回転移動して、ハサミカム16を押し開かせている。そして、さらに結束ヘッド40を移動させることで、この内部に取付けられた刃46によって、結束テープTを切断させている。この際、切断後の結束テープTの端部をタッカー20によって押し出す必要があるため、図5の符号50に示すように、腕部14とタッカー20を機構的にリンクさせている。しかしながら、この構成では、結束テープTが切断されるときは既にタッカー20が上昇することになり、その分結束テープTののり代が短くなることがあった。また、この構成では、タッカー20のストローク長が比較的短いため、切断後の押し上げが不十分な場合があった。さらには、結束テープTの押し上げが不十分のため、図7の(A)に示すように、切断した結束テープTの端がのり代の端と付く現象や、図7の(B)に示すように、のり代まで切断して結束テープTの破片を残す現象を生じさせる場合があった。尚、特許文献1〜5に開示された発明は、本発明と同一の出願人によって出願されており、これらの開示された内容は参照上、本発明に包含されるものとする。
【特許文献1】実開昭62−203807号公報
【特許文献2】実開昭60−21409号公報
【特許文献3】実開昭62−48904号公報
【特許文献4】実開昭62−76108号公報
【特許文献5】実開平2−87706号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、上述した問題点を克服するように、結束装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明においては、予め結束テープを巻付けているテープリールと、該テープリールから繰出された結束テープを保持する結束スタンドと、該結束スタンドの上方で移動自在なように設けられて、長尺ワークWの周囲に結束テープを巻回して、圧着切断させる結束ヘッドを有する結束装置であって、前記結束スタンドは前記結束テープを挟持させるように付勢された移動可能なハサミカムと、上方に突出して作業時に前記結束テープに張りをもたせるように付勢された移動可能なタッカーを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
請求項1に記載した発明によれば、タッカーをハサミアームの動きから切り離し、ストロークを増やしてスプリングで押すようにしたため、長尺ワークの径の大きさにかかわらず、この周囲に巻かれる結束テープに弛み等を生じさせないように張りをもたせることができる。また、結束テープを圧着切断する途中に、タッカーを突出させないようにハウジング内に没入させて、結束テープののり代の長さを十分に確保することができる。また、タッカーの上方移動のストロークを増やして、スプリングで押すようにしたため、切断後の結束テープの押し出しをより良好に行えるようにする。さらに、機構を複雑化させることなく、限られた構成要素から単一の入力でハサミカムとタッカーを夫々移動させるようにしたため、コスト面、生産面、操作面で大変良好なものになっている。
本発明に係る結束装置は基本的には以上のように構成されるが、この結束装置は、手動により操作されてもよく、また自動により操作されてもよい。後者の場合には、例えば、位置検出センサ等を用いて、長尺ワークの位置の検出結果に基づいて、結束ヘッドを往復移動させるようにしてもよい。また、本発明では、結束対象である長尺ワークの種類や大きさについては限定しない。また、長尺ワークを直接結束してもよく、長尺ワークを梱包してから結束してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の実施形態に係る結束装置は、片面粘着テープ等の結束テープTを用いて、アスパラガス、ねぎ、ニラ、ホーレン草または花束等の複数個の長尺ワークWを一体に束ねることを目的として構成されている。このため、本発明の実施形態に係る結束装置は、少なくとも予め結束テープTを巻付けているテープリール(巻出軸)Sと、このテープリールSから繰出された結束テープTを保持する結束スタンド10と、この結束スタンド10の上方で移動自在なように設けられて、長尺ワークWの周囲に結束テープTを巻回して、結束させる結束ヘッド40を有する。この結束装置は手動により操作することもできるが、本明細書では、自動化されて結束操作を行う場合について例示する。
以下、結束装置の構成要素の一つである結束スタンド10を概略的に示した図1と、図1に示した結束スタンド10の断面図を概略的に示した図2と、図2の(B)に示した結束スタンド10と結束ヘッド40との作用状態について概略的に示した図3を主に参照して、本発明の好適な実施の形態に係る結束装置について説明する。
【0007】
図1を参照すると、結束スタンド10はハウジング12を有し、基台上に定位置に固設されることが示されている。ハウジング12内には、支点(旋回軸)Oを中心として回転可能なようにハサミアーム(腕部)14が備えられ、この腕部14の端部側にはハサミカム16が備えられる。通常、外部から負荷のかかっていない状態では、腕部14は、スプリング等の弾性部材によって、図の左方向に付勢されている(図1の(A)参照)。この状態では、ハサミカム16はハウジング12の内面側と当接するが、好ましくはハウジング12の内面側には樹脂部材18等が備えられており(図2の(A)参照)、双方の間に結束テープTを保持することを良好にしている。ハサミカム16は適当な形状を有することができるが、例えば、樹脂部材等から形成されて、凸凹状の表面を有し、結束テープTの挟持効果を向上させていてもよい。但し、図1の(A)に示した状態から、図1の(B)に示す状態のように、腕部14の付勢力を超える外力Fが加わった場合には、腕部14は図の右方向に回転して、ハサミカム16を押し開かせるようにする。また、この外力Fが取り除かれると、再度、腕部14はハサミカム16をハウジング12の内面側と当接させるように、速やかに、図1の(B)に示した状態から、図1の(A)に示した状態まで付勢される。
また、結束スタンド10のハウジング12内にはタッカー20を備えて、切断後の結束テープTを押出させるようにする。本発明に係る実施形態では、スプリング等の弾性部材22を用いてタッカー20を付勢させており、通常、外部から負荷のかかっていない状態では、タッカー20は上方に突出している(図1の(A)参照)。但し、図1の(A)に示した状態から、図1の(B)に示す状態のように、この付勢力を超える外力Fが加わった場合には、タッカー20は下方移動する。また、この外力Fが取り除かれると、再度、タッカー20は上方に突出するように、速やかに、図1の(B)に示した状態から、図1の(A)に示した状態まで付勢される。好ましくは、タッカー20は略板状の部材から構成されて、略T字状の支持部材24によって保持されている。この支持部材24の下方側には、横方向に延びるように略板状の部材26が設けられている。但し、この部材26の略中央には孔28が形成されており、この孔28の中を支持部材24のT字部の棒状部位が通るようにする。また、この略板状の部材26と支持部材24のT字部の水平部位との間に上記スプリング22を設けて、タッカー20を上方に付勢させている。さらに、タッカー20の上下の移動範囲を定めるように、略T字状の支持部材24の上方にストッパー(停止面)30を設けている。図2の(A)から明らかなように、タッカー20はハウジング12内で前後から保持されており、この移動可能な方向は上下方向に限定されている。
このように、本発明の実施形態では、ハサミカム16とタッカー20は夫々独立して移動することができ、双方は機構的にリンクされていない。しかしながら、上方から外力Fを結束スタンド10に加えたとき、単一の入力で、ハサミカム16とタッカー20の双方を夫々、付勢力に逆らって移動させるようにするが、具体的には後述する。
【0008】
ここで、図2に示すように、基台上で定位置に結束スタンド10を固設させて、上方のテープリールSから繰出された結束テープTをハサミカム16とハウジング12の内面側18との間で挟持させるものとする。この状態で、複数個の長尺ワークWを上下方向に繰出された結束テープTに向かって進ませると、長尺ワークWの移動に伴って、結束テープTが長尺ワークWを囲むように繰出されて行く。この際、上述したように、本発明の実施形態では、通常、結束スタンド10のハウジング12内から上方に突出するようにタッカー20を付勢させているため、結束テープTは弛み等を生じさせることなく張られることになる。この効果は、長尺ワークWの径の大きさによって左右されずに、例えば、図2の(A)に示したような径の大きな長尺ワークWの場合であっても、また、図2の(B)に示したような径の小さな長尺ワークWの場合であっても同様に結束テープTに張りをもたせることができる。但し、本発明に係る他の実施形態では、タッカー20のストローク長を定めている略板状の部材26/ストッパー30の位置を段階的に定められるようにして、タッカー20の突出高さを段階的に変化させて、より幅広く、様々な種類の長尺ワークWに対応できるようにすることは可能である。
【0009】
上述したように、本発明の実施形態に係る結束装置は、手動により操作されてもよく、また自動化されて操作されてもよいが、複数の長尺ワークWを連続して処理する必要がある場合には、例えばコンベヤのような搬送手段を利用して、長尺ワークWを順次搬送させてもよい。本発明を実施する上で、この搬送手段について特定する必要はないが、例えば、従来技術において公知なように、一定間隔を空けて平行に設けられた複数のチェーンコンベヤをモータ駆動させて、コンベヤを往復移動させてもよい。この際、コンベヤ上で複数個の長尺ワークWを分断されないように搬送させるため、チェーンコンベヤに沿って所定間隔でバケットBを複数設けて、これらバケットB内に複数個の長尺ワークWを保持させてもよい。但し、バケットB内に収容される長尺ワークWを結束テープTによって径方向に一体に巻回すため、結束テープTを通す箇所を設けるようにバケットBを取付けることが望ましい。
【0010】
テープリールSから繰出された結束テープTは、結束ヘッド40の内部を通って結束スタンド10のハウジング12内で保持される。このため、図3の(A)に示すように、結束ヘッド40の内部にローラ42を備えて、結束テープTを案内する経路を定めるようにする。また、結束テープTを繰出す端部側には、押さえロール44を備えて、結束スタンド10のハサミカム16と作用できるようにする。また、結束ヘッド40の端部側に刃46を固設させて、結束スタンド10に向かって結束ヘッド40を移動させると、結束スタンド10内に保持されている結束テープTを切断できるようにする。この際、切断時の結束ヘッド40の最低下降位置を定めるために、結束スタンド10のハウジング12内に移動止めを設けるのが好ましい。この結束ヘッド40は、任意の手段(例えば、電動モータやエアシリンダ、または同様の装置等)によって駆動されて、結束スタンド10内に進んで結束テープTを切断させる作用位置と、結束スタンド10から離間して双方の間に結束テープTを繰出す退避位置との間で往復移動する。この往復移動は、図示しない制御装置等を用いて制御することができる。
【0011】
ここで、図2の(B)と、図3の(A)、(B)を参照して、特に径が小さな長尺ワークWの周囲に結束テープTを巻回して、圧着切断させる場合について説明する。
まず、図2の(B)に示すように、結束作業を準備するため、結束ヘッド40を結束スタンド10から離間した上方の退避位置に移動させる。この際、テープリールSから引出された結束テープTは、結束ヘッド40内を通って結束スタンド10内に送られるが、ハウジング12の内壁側18に向って付勢されているハサミカム16によって結束テープTは挟持されている。結束テープTは長尺ワークWの搬送路を遮るように、結束スタンド10とテープリールSの間に引出されるが、結束テープTの粘着面は長尺ワークWの搬送方向に面するものとする。尚、幾分結束テープTを引伸ばしておいた方が、長尺ワークWの結束作業をより滑らかに行うことができる場合には、例えば、テープ逃し部(揺動アーム等)を付近に備えて、結束テープを所定長さだけ引出すようにしてもよい(図示せず)。このように引出された結束テープTに対して、図2の(B)に示すように、右側から左側に向けてバケットB等を用いて長尺ワークWを所定位置まで搬送させると、この長尺ワークWの移動により結束テープTが繰出されて行く。この際、結束スタンド10内からタッカー20を上方に突出させるように付勢しているため、図2の(B)に示すように、長尺ワークWの径が細い場合であっても、繰出された結束テープTは弛むことなく張りわたされる。
【0012】
長尺ワークWが結束テープTを引出しながら所定位置まで進むと、次に、結束ヘッド40を退避位置から作用位置まで移動させて行く。この際、例えば、付近に設置した位置検出センサによって長尺ワークWの位置を感知して、該当する信号を制御装置に送り、この信号に応答して、結束装置が結束ヘッド40を結束スタンド10に向って下方移動させるようにしてもよい。このように結束ヘッド40を下方移動させると、図3の(A)に示すように、長尺ワークWの周囲に結束テープTが巻かれて行く。また、結束ヘッド40の下方移動によって、結束ヘッド40の先端部側に設けた押さえロール44からハサミカム16に押圧力が加えられるため、腕部14が支点Oを中心として付勢力に逆らって回転(傾倒)して、ハサミカム16を押し開いて行く。同時に、ハサミカム16の移動に伴って結束テープTは略横方向に張られて行き、この結束テープTの張りによってタッカー20を付勢力に逆らって下方移動させて行く。このように、ハサミカム16の移動とタッカー20の移動は機構的には夫々独立しているが、結束ヘッド40の下方移動によって、単一の入力からハサミカム16とタッカー20を夫々移動させることができる。
【0013】
上述のようにハサミカム16を回転移動させながら結束ヘッド40をさらに下方移動させて行くと、図3の(B)に示すように、結束ヘッド40の先端部側に設けた刃46が結束スタンド10内までさらに侵入して行く。この際、ハサミカム16が押し開かれることで、結束テープTは弛み等を生じさせることなく張りわたり、結束ヘッド40に備えた刃46による切断を容易にする。また、切断時にタッカー20をハウジング12内に没入させておくことで、結束作業中にタッカー20が突出して、不十分な状態で結束テープTの切断端部側を押し出させることがないように、切断作業を十分に行えるようにする。このように、結束ヘッド40の刃46によって長尺ワークWの周囲に巻回された結束テープTを圧着切断させると、添付した図6と、上記特許文献1に開示されているように、片面粘着テープTは粘着面を内側にして長尺ワークWの周りを一周するように巻回されて、この巻回部4の両端に異なる長さの延長部5、6を形成させる。この際、長寸側の延長部5先端には未接着部7を残存させて、仕上げを行えるようにする。結束テープTが切断されると、それまでタッカー20を下方に押付けていた結束テープTの張りがなくなるため、図3の(B)に示すように、瞬時にスプリング22の付勢力によってタッカー20が上方移動する。このタッカー20の勢いによって、長寸側の延長部5の未接着部7が粘着テープTに向って押し出される。
【0014】
切断作業が終了すると、二つに切断された結束テープTのうち一方は、上述のように長尺ワークWの周りを一周する巻回部4の長寸側の延長部5を形成し、他方は、図3の(B)に示すように、結束スタンド10内で、押さえロール44とハサミカム16の間で保持される。この後、結束スタンド10内から結束ヘッド40を上方移動させるが、瞬時にハサミカム16はハウジング12の内面側と当接するように付勢されるため、押さえロール44とハサミカム16の間で保持されていた結束テープTは、図2の(B)に示すように、再度ハサミカム16とハウジング12の内面側の間で保持される。このように、切断後に結束ヘッド40を上方移動させるとき、結束ヘッド40内から引出された結束テープTを結束スタンド10内に挟持させて、上方のテープリールSと結束スタンド10との間に結束テープTを再度引き渡せるようにする。従って、煩雑な操作を行うことなく、上述した長尺ワークWの結束作業を連続して行えるように準備することができる。結束された長尺ワークWは、例えば、コンベヤの他端まで搬送された後、この下方の排出シュート内に集積されたり、又はさらなるコンベア上に落下されて、他の場所まで搬送されてもよい。
【0015】
このように、本発明の実施形態では、タッカー20を常時突出させるように上方に付勢させたため、図4の(B)に示したように、長尺ワークWの径の大きさによって、この周囲に巻かれる結束テープTに弛み等を生じさせないようにする。また、タッカー20の動きをハサミカム16の動きから切り離したため、結束テープTを圧着切断する途中に、タッカー20を突出させないようにハウジング12内に没入させて、結束テープTののり代の長さを十分に確保できるようにする。また、タッカー20の上方移動のストロークを増やして、スプリング22で押すようにしたため、切断後の結束テープTの押し出しをより良好に行えるようにする。さらに、本発明の実施形態では、機構を複雑化させることなく、限られた構成要素から上述のようなハサミカム16とタッカー20の移動を可能にしたため、コスト面、生産面及び操作面で大変良好なものになっている。
【0016】
以上、添付した図を参照して本発明に係る実施形態について説明したが、上述した実施形態は具体例の一つを例示したものに過ぎず、本発明に対して様々に変形及び修正を行うことは可能である。例えば、結束スタンド10と結束ヘッド40とテープリールSの組み合わせを用いた長尺ワークWの結束作業は、長尺ワークWを1ヶ所から結束させる場合に限定される必要はなく、少なくとも2つ以上の組み合わせを用いて、長尺ワークWを少なくとも2ヶ所から同時に結束させるようにしてもよい。この際、複数の結束ヘッド40を同時に往復移動させるが、例えば、これら複数の結束ヘッド40を連結棒等を用いて機構的にリンクさせて、同期して移動させるようにしてもよい。さらに、少なくとも2ヶ所から長尺ワークWを結束するように結束装置を構成する場合、これら結束ヘッド40の結束間隔を変更自在に構成して、様々な長さの長尺ワークWを結束できるようにして、結束作業の幅を広げさせてもよい。さらに、これら一連の結束作業は、例えば、センサ等を利用して制御装置によって自動制御させてもよく、または、手動によって操作されるように構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る結束スタンドを(A)、(B)に分けて、概略的に示した図である。
【図2】図1に示した結束スタンドの内部を(A)、(B)に分けて、概略的に示した断面図である。
【図3】図2の(B)に示した結束スタンドと結束ヘッドとの作用状態について(A)、(B)に分けて、概略的に示した図である。
【図4】従来技術に係る結束スタンドを(A)、(B)に分けて、概略的に示した断面図である。
【図5】図4の(B)に示した結束スタンドと結束ヘッドとの作用状態について概略的に示した図である。
【図6】長尺ワークの周囲に巻回されて、圧着切断された結束テープについて概略的に示した図である。
【図7】切断不良が生じたときの結束テープについて(A)、(B)に分けて、概略的に示した図である。
【符号の説明】
【0018】
S テープリール(巻出軸)
T 結束テープ
W 長尺ワーク
1 結束構造物
10 結束スタンド
16 ハサミカム
20 タッカー
22 弾性部材(スプリング等)
40 結束ヘッド
44 押さえロール
46 刃



【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め結束テープを巻付けているテープリールと、該テープリールから繰出された結束テープを保持する結束スタンドと、該結束スタンドの上方で移動自在なように設けられて、長尺ワークWの周囲に結束テープを巻回して、圧着切断させる結束ヘッドを有する結束装置であって、前記結束スタンドは前記結束テープを挟持させるように付勢された移動可能なハサミカムと、上方に突出して作業時に前記結束テープに張りをもたせるように付勢された移動可能なタッカーを有することを特徴とする結束装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−111333(P2006−111333A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−302922(P2004−302922)
【出願日】平成16年10月18日(2004.10.18)
【出願人】(000004020)ニチバン株式会社 (80)
【Fターム(参考)】