説明

絞り装置、駆動モータおよびカメラ

【課題】絞り装置に用いられる駆動モータのコストダウンを図る。
【解決手段】入射光を通過させる絞り開口を形成する絞り部材を駆動する絞り駆動モータ6を備える絞り装置である。絞り駆動モータ6は、固定子ユニット37と、回転子ユニット38と、これらを収容するヨーク39とを備える。回転子ユニット38には、これと一体に回転するように永久磁石51が設けられている。回転子ユニット38の回転中心軸Jは、永久磁石51の重心部分を通るように設定されている。ヨーク39は円筒形に形成され、これに収容される永久磁石51が角柱形に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絞り開口を調整する絞り装置と、これに用いられる駆動モータ、およびカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
監視カメラを含む各種のカメラには、外部から入射する光の量(以下、「入射光量」と記す)を調整するための絞り装置が組み込まれている。絞り装置は、入射光の光路上に存在する絞り開口の大きさを変えることによって入射光量を調整(適正化)するものである。絞り装置の仕組みとして、絞り部材の移動によって光量調整を行うものがある。具体的には、絞り部材として、一対の絞り羽根を用いるとともに、当該一対の絞り羽根を駆動する駆動モータとして、永久磁石を用いたものが公知となっている(たとえば、特許文献1〜3を参照)。
【0003】
図12は従来の絞り装置に用いられている駆動モータの概略的な構成例を示す分解斜視図である。また、図13は駆動モータの回転子ユニットの構成を示す分解斜視図であり、図14は駆動モータの組み立て状態を示す断面図である。駆動モータ101は、図12に示すように、回転子ユニット102と、固定子ユニット103と、軸受部材104と、ヨーク105とを備えた構成になっている。
【0004】
回転子ユニット102は、図13に示すように、永久磁石106と、作動部材107とを備えている。永久磁石106は、ヨーク105の外形(円筒形)にあわせて全体に円柱形に形成されている。永久磁石106は、円形断面の一方の半月部分をN極側とし、他方の半月部分をS極側として磁化されている。永久磁石106の中心軸には、当該中心軸に沿って軸孔108が形成されている。また、永久磁石106の外周面の一部には、切り欠き部109が形成されている。切り欠き部109は、永久磁石106の直径方向の一方と他方に対をなして形成されている。
【0005】
作動部材107は、たとえば、樹脂の一体成型品によって構成されている。作動部材107は、基部110と、一対のレバー部111と、軸部112とを一体に有している。基部110は、永久磁石106の外形に対応して板状に形成されている。基部110には、永久磁石106の切り欠き部109に対応して一対の立ち上がり部113が形成されている。一対のレバー部111は、基部110の外縁部から一方と他方に延びるように形成されている。また、一対のレバー部111は、それぞれクランク形状に曲げて形成されている。各々のレバー部111の先端部には爪部114が形成されている。爪部114は、図示しない絞り羽根の係合孔に差し込んで引っ掛けられる部分である。軸部112は、基部110の中心部から垂直に起立する状態で形成されている。軸部112は、基部110の上方に大きく突出するとともに、基部110の下方にも少し突出している。軸部112の一端と他端には、それぞれ小径部115が形成されている。軸部112の外径(小径部115を除く)は、上述した永久磁石106の軸孔108の孔径に対応している。
【0006】
上記構成からなる永久磁石106と作動部材107とを用いて回転子ユニット102を組み立てる場合は、まず、作動部材107の軸部112に永久磁石106の軸孔108を嵌合させた状態で、作動部材107に永久磁石106を実装する。このとき、永久磁石106の切り欠き部109を作動部材107の立ち上がり部113に嵌め入れる。この状態で、たとえば接着剤等を用いて永久磁石106と作動部材107を相互に固定する。これにより、永久磁石106と作動部材107を一体化した構成の回転子ユニット102が得られる。
【0007】
固定子ユニット103は、ボビン117と、2つのコイル118,119とを備えている。ボビン117は、たとえば、樹脂の一体成型によって得られるものである。ボビン117の内部には収容空間120が形成されている。収容空間120に面するボビン117の底部上面には軸受孔121が形成されている。コイル118,119は、ボビン117に巻かれている。コイル118,119の巻線位置は、両コイル間に介在するセパレータ122によって区切られている。セパレータ122は、ボビン117に一体に形成されている。また、ボビン117の上部には、左右に対をなして2つの凹状部123が形成されている。
【0008】
軸受部材104は、たとえば、樹脂の一体成型によって得られるものである。軸受部材104には、上述した2つの凹状部123に対応して2つ(図では1つのみ表示)の凸状部125が形成されている。また、軸受部材104には、軸受片126と保護片127とが一体に形成されている。軸受片126には軸受孔128が形成されている。
【0009】
ヨーク105は、全体に円筒形に形成されている。ヨーク105の内部空間は、上述した回転子ユニット102、固定子ユニット103および軸受部材104を収容し得る大きさになっている。
【0010】
上記構成からなる回転子ユニット102、固定子ユニット103、軸受部材104およびヨーク105を用いて、駆動モータ101を組み立てる場合は、まず、コイル118,119を巻線済みのボビン117を用意する。次に、軸受部材104の軸受片126の軸受孔128を、回転子ユニット102の軸部112上端の小径部115に嵌合させた状態で、回転子ユニット102に軸受部材104を装着する。
【0011】
次に、軸受部材104を装着した状態の回転子ユニット102を、ボビン117の収容空間120に挿入する。このとき、一対のレバー部111の先端部(爪部114)は、ボビン117の外側に若干突出した状態となる。また、ボビン117の内部では、当該ボビン117の軸受孔121に、回転子ユニット102の軸部112下端の小径部115を嵌め入れる。
【0012】
また、軸受部材104の保護片127は、ボビン117に巻かれたコイル118,119の上方を覆うように配置する。さらに、ボビン117に対して軸受部材104を横方向から押し付けることにより、ボビン117の2つの凹状部123に、軸受部材104の2つの凸状部125をそれぞれ嵌め入れる。これにより、図14に示すように、回転子ユニット102、固定子ユニット103および軸受部材104が一体的に組み付けられた状態となる。この状態でボビン117の外側にヨーク105を被せるとともに、図示しない中継基板と、各コイル118,119に導通する複数の端子129とを電気的に接続することにより、駆動モータ101が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特許第3746150号公報
【特許文献2】特開平10−333206号公報
【特許文献3】特開平11−183962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記従来の絞り装置用の駆動モータ101においては、永久磁石106が発生する磁力線の漏れをヨーク105で抑制するために、ヨーク105内に永久磁石106を収容している。そして、ヨーク105が円筒形に形成されていることから、このヨーク105の形状にあわせて永久磁石106を円柱形に形成している。このようなヨーク105および永久磁石106を用いた駆動モータ101は、動作上、特に問題になっていない。このため、絞り装置用の駆動モータ101には、長年にわたって慣用的に円柱形の永久磁石106が使用されている。
【0015】
しかしながら、近年においては、絞り装置に対するコストダウンの要求が非常に強いことから、本出願人においても、さまざまな観点からコストの見直しを進めている。そうした状況のなかで、本発明者は、駆動モータ101のコストダウンを検討してみた。その結果、本発明者は、駆動モータ101の各構成要素のうち、永久磁石106に着目して、以下のような2つの事実を知得するに至った。
【0016】
(第1の事実)
これまでは、ヨーク105と永久磁石106の関係として、ヨーク105の形状にあわせて円柱形の永久磁石106を使用することがモータ特性上、好ましいと思われていた。しかし、実際には円柱形の永久磁石でなくても所望のモータ特性が得られるという事実を、本発明者は実験の結果から知得した。
【0017】
(第2の事実)
これまで慣用的に使用されてきた円柱形の永久磁石106が、実はコストアップの一つの要因になっているという事実を知得した。この事実の背景には、絞り装置用の永久磁石106には、強力な磁力が得られるネオジウム磁石やサマリウムコバルト磁石などの希土類磁石を使用せざるを得ないという事情がある。特に、サマリウムコバルト磁石は、希少性の高さもあって永久磁石の中では非常に高価なものとなっている。また、ネオジウム磁石は、金型等を用いた成形加工によって円柱形の永久磁石106を直接作り出すことが困難である。このため、永久磁石106をネオジウム磁石で構成する場合は、まず、大きな磁石母材を作り出し、次いで、磁石母材から個片の磁石を切り出し、その後、個片の磁石に機械加工を施して円柱形に仕上げる必要があった。よって、磁石の製造に手間がかかり、その分だけコストが高くなっていた。以上のことから、永久磁石106をネオジウム磁石、サマリウムコバルト磁石のどちらで構成する場合でも、駆動モータ101がコスト高になることが避けられない状況にあった。
【0018】
本発明の主な目的は、絞り装置に用いられる駆動モータのコストダウンを図ることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の第1の態様は、
入射光を通過させる絞り開口を形成する絞り部材と、前記絞り部材を駆動する駆動モータとを備える絞り装置であって、
前記駆動モータは、
固定子ユニットと、
前記固定子ユニットに回転可能に取り付けられる回転子ユニットと、
前記固定子ユニットおよび前記回転子ユニットを収容するヨークとを備え、
前記回転子ユニットには、当該回転子ユニットと一体に回転するように永久磁石が設けられるとともに、当該回転子ユニットの回転中心軸が前記永久磁石の内部を通るように設定されており、
前記ヨークは円筒形に形成されるとともに、当該ヨーク内に収容される前記永久磁石が角柱形に形成されている
ことを特徴とする絞り装置である。
【0020】
本発明の第2の態様は、
前記回転子ユニットは、前記永久磁石が実装されるとともに、前記永久磁石と一体に回転する作動部材を有し、
前記作動部材は、前記永久磁石の外形に対応した枠形状に形成された収納枠を有し、当該収納枠に前記永久磁石を収納して保持する
ことを特徴とする上記第1の態様に記載の絞り装置である。
【0021】
本発明の第3の態様は、
前記収納枠の収納空間に面する2つの内側面のうち、少なくとも一方の内側面に、前記収納枠に収納される前記永久磁石の外面に接触して当該永久磁石を他方の内側面との間に挟んで支持する凸部が形成されている
ことを特徴とする上記第2の態様に記載の絞り装置である。
【0022】
本発明の第4の態様は、
前記収納枠の収納空間に通じる開口縁に、可撓性を有するラッチ部が設けられ、
前記ラッチ部は、前記収納枠の収納空間に前記永久磁石を収納する途中の段階では当該永久磁石に押されて撓んだ状態となり、前記収納空間に前記永久磁石を収納した段階では前記撓んだ状態から元の状態に戻ることによって当該永久磁石の抜けを防止する
ことを特徴とする上記第2の態様に記載の絞り装置である。
【0023】
本発明の第5の態様は、
前記永久磁石は、ネオジウム磁石である
ことを特徴とする上記第1〜第4の態様のいずれか一つに記載の絞り装置である。
【0024】
本発明の第6の態様は、
入射光を通過させる絞り開口を調整する絞り装置に用いられる駆動モータであって、
固定子ユニットと、
前記固定子ユニットに回転可能に取り付けられる回転子ユニットと、
前記固定子ユニットおよび前記回転子ユニットを収容するヨークとを備え、
前記回転子ユニットには、当該回転子ユニットと一体に回転するように永久磁石が設けられるとともに、当該回転子ユニットの回転中心軸が前記永久磁石の内部を通るように設定されており、
前記ヨークは円筒形に形成されるとともに、当該ヨーク内に収容される前記永久磁石が角柱形に形成されている
ことを特徴とする駆動モータである。
【0025】
本発明の第7の態様は、
上記第1〜第5の態様のいずれか一つに記載の絞り装置と、
前記絞り開口を通して入射する光を電気信号に変換する光電変換素子と、
を備えることを特徴とするカメラである。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、絞り装置に用いられる駆動モータのコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明が適用されるカメラの構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る絞り装置の平面図である。
【図3】図2のP矢視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る絞り装置の底面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る絞り装置の分解斜視図である。
【図6】絞り駆動モータを斜め上方から見たときの分解斜視図である。
【図7】絞り駆動モータを斜め下方から見たときの分解斜視図である。
【図8】絞り駆動モータの回転子ユニットの断面図である。
【図9】絞り駆動モータの回転子ユニットの分解斜視図である。
【図10】絞り駆動モータの断面図である。
【図11】絞り駆動モータの各構成部分の相対的な位置関係を模式的に示す平面図である。
【図12】従来の絞り装置に用いられている駆動モータの概略的な構成例を示す分解斜視図である。
【図13】駆動モータの回転子ユニットの構成を示す分解斜視図である。
【図14】駆動モータの組み立て状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
<1.カメラの構成>
図1は本発明が適用されるカメラの構成例を示すもので、(A)はカメラ全体の外観図、(B)は鏡筒内部の概略図である。図示したカメラ150は、たとえば、防犯目的に建物の天井部分(又は壁など)に設置される監視カメラである。このカメラ150は、取り付け台座151と、カメラ本体152とを備えている。取り付け台座151は、たとえば、ねじ止めによって建物の天井部分に固定される構造になっている。
【0029】
カメラ本体152は、鏡筒部153と、対物レンズ154とを備えている。鏡筒部153の内部には、対物レンズ154を含む光学系が組み込まれている。対物レンズ154は、鏡筒部153の先端に取り付けられている。また、カメラ本体152には、光学系の一機能部として、絞り装置1と撮像素子155とが組み込まれている。絞り装置1については、後段で詳しく説明する。
【0030】
撮像素子155は、カラー撮影が可能な撮像素子であって、たとえば、CCD(Charge Coupled Device)撮像素子、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)撮像素子などで構成される。撮像素子155は、たとえば、複数(多数)の画素を行列状に配置した撮像面を有する。撮像素子155は、絞り装置1の絞り開口を通して撮像面に入射する光を電気信号に変換する光電変換素子の一例として組み込まれている。
【0031】
なお、本発明は、ここで例示したカメラ150に限らず、絞り装置1を備える他の構成のカメラにも適用可能である。また、光学系の構成としても、レンズの種類・枚数・配置や、絞り装置1の配置等、種々の変更が可能である。
【0032】
<2.絞り装置の構成>
図2は本発明の実施の形態に係る絞り装置の平面図、図3は図2のP矢視図、図4はこの絞り装置の底面図である。また、図5は本発明の実施の形態に係る絞り装置の分解斜視図である。図示した絞り装置1は、大きくは、絞り基板2と、一対(2つ)の絞り羽根3,4と、フィルタユニット5と、絞り開口の調整を行うための駆動モータ(以下、「絞り駆動モータ」と記す)6と、光学フィルタの切り替えを行うための駆動モータ(以下、「フィルタ駆動モータ」と記す)7と、カバー部材8と、配線ユニット9とを備えた構成となっている。ただし、図5においては、絞り駆動モータ6とフィルタ駆動モータ7の表記を省略している。
【0033】
(絞り基板:図2〜図5)
絞り基板2は、絞り装置1のベースとなる部材である。絞り基板2は、たとえば、樹脂を用いて構成されている。絞り基板2は、図5に示すように、主に3つの基板部分11,12,13に分かれている。ただし、3つの基板部分11,12,13は一体構造になっている。基板部分11は、一対の絞り羽根3,4およびフィルタユニット5が取り付けられる部分である。基板部分12は、絞り駆動モータ6が搭載される部分であり、基板部分13は、フィルタ駆動モータ7が搭載される部分である。このうち、基板部分11には開口部14が形成されている。また。基板部分12には凹部15が形成され、基板部分13には凹部16が形成されている。開口部14は、絞り基板2の板厚方向に入射光を通過させるためのものである。凹部15は、絞り駆動モータ6を受け入れる部分であり、凹部16は、フィルタ駆動モータ7を受け入れる部分である。
【0034】
(絞り羽根:図2、図5)
一対の絞り羽根3,4は、入射光を通過させる絞り開口を形成する絞り部材の一例として設けられたものである。一対の絞り羽根3,4は、互いに重なり合った状態で絞り開口を形成する。絞り開口とは、カメラに入射する光の光路(入射光路)上に位置し、そこを通過する光の量を制限する開口をいう。このため、絞り開口の大きさが相対的に大きくなると、そこを通過する光の量(入射光量)が相対的に増大し、絞り開口の大きさが相対的に小さくなると、そこを通過する光の量が相対的に減少する。一対の絞り羽根3,4は、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる板状素材の表面をカーボンの膜で被覆したものを用いて構成されている。各々の絞り羽根3,4は、全体的に薄板状に形成されている。
【0035】
一方の絞り羽根3には、1つの孔部17と、3つの案内溝18a,18b,18cと、1つの係合孔19とが設けられている。孔部17は、真円またはそれに近い円形状をなし、この円形状の一部をV字形に切り欠いた形態の平面形状を有している。孔部17の一部(V字形の切り欠き部分)には、ND(Neutral Density)フィルタ20が取り付けられている。3つの案内溝18a,18b,18cは、絞り羽根3の長手方向に沿って互いに平行に形成されている。3つの案内溝18a,18b,18cのうち、2つの案内溝18b,18cは、同一直線上に形成されている。そして、これら2つの案内溝18b,18cに対して、孔部17を挟んだ反対側の縁部に、残り1つの案内溝18aが形成されている。係合孔19は、上記2つの案内溝18b,18cの延長線上に形成されている。また、係合孔19は、絞り羽根3の短手方向に沿って平面視長孔状に形成されている。
【0036】
他方の絞り羽根4には、1つの切り欠き部21と、3つの案内溝22a,22b,22cと、1つの係合孔23とが設けられている。切り欠き部21は、U字形に切り欠いた形態の平面形状を有している。切り欠き部21の底部はV字形に形成され、このV字形の部分にNDフィルタ24が取り付けられている。切り欠き部21は、先述した孔部17との重なりによって絞り開口を形成する部分である。3つの案内溝22a,22b,22cは、絞り羽根4の長手方向に沿って互いに平行に形成されている。3つの案内溝22a,22b,22cのうち、2つの案内溝22a,22bは、同一直線上に形成されている。そして、これら2つの案内溝22a,22bに対して、切り欠き部21を挟んだ反対側の縁部に、残り1つの案内溝22cが形成されている。係合孔23は、上記2つの案内溝22a,22bの延長線上に形成されている。また、係合孔23は、絞り羽根4の短手方向に沿って平面視長孔状に形成されている。
【0037】
(フィルタユニット:図4、図5)
フィルタユニット5は、光学的なフィルタ機能を果たすものである。フィルタユニット5は、2つの光学フィルタ26,27と、これら2つの光学フィルタ26,27を平面的に並べた状態で支持するフィルタ支持部材28とを用いて構成されている。
【0038】
2つの光学フィルタ26,27は、たとえば、次のようなフィルタを組み合わせた構成になっている。すなわち、一方の光学フィルタ26は、赤外線カットフィルタによって構成され、他方の光学フィルタ27は、ダミーフィルタによって構成されている。赤外線カットフィルタは、たとえば、赤外線を吸収することによって当該赤外線の通過を遮断する特性を有する光学フィルタである。ダミーフィルタは、赤外線カットフィルタと等しい屈折率を有する光学フィルタである。
【0039】
フィルタユニット5に赤外線カットフィルタとダミーフィルタを設ける理由は、光学フィルタの配置状態を切り替えたときに、その切り替えの前後で焦点距離(光学系の主点から焦点までの距離)にずれが生じないようにするためである。さらに詳述すると、ダミーフィルタがない場合は、赤外線カットフィルタを入射光路上に配置した状態と配置しない状態で、そこを通過する光の屈折率の差によって焦点距離にずれが生じる。これに対して、赤外線カットフィルタと差し替えるかたちでダミーフィルタを入射光路上に配置すれば、光の屈折率差による焦点距離のずれが解消される。以上の理由でフィルタユニット5にダミーフィルタを設けている。ただし、2つの光学フィルタ26,27を設ける理由は、これ以外の理由であってもかまわない。
【0040】
(絞り駆動モータ:図2、図3)
絞り駆動モータ6は、絞り装置1において絞り部材を駆動するための駆動モータである。より具体的には、絞り駆動モータ6は、一対の絞り羽根3,4が形成する絞り開口を調整するために、一対の絞り羽根3,4を相対的に移動させる駆動源となるモータである。
【0041】
(フィルタ駆動モータ:図2、図3)
フィルタ駆動モータ7は、絞り装置1において光学フィルタを駆動するための駆動モータである。より具体的には、フィルタ駆動モータ7は、光学フィルタ26,27の配置状態を切り替えるために、フィルタユニット5を移動させる駆動源となるモータである。
【0042】
(カバー部材:図4、図5)
カバー部材8は、絞り基板2の基板部分12,13の裏側に取り付けられる板状の部材である。カバー部材8には2つの取付片8a(図5を参照)が一体に形成されている。これらの取付片8aは、絞り基板2にカバー部材8を取り付けるためのものである。カバー部材8は、絞り基板2に搭載される絞り駆動モータ6およびフィルタ駆動モータ7の各動力伝達機構部分を外部から遮蔽して保護する部材である。
【0043】
(配線ユニット:図2〜図4)
配線ユニット9は、絞り駆動モータ6およびフィルタ駆動モータ7を図示しないモータ制御回路に電気的に接続するためのものである。配線ユニット9は、絞り駆動モータ6の中継基板34に接続される4本の配線35aと、フィルタ駆動モータ7の中継基板36に接続される2本の配線35bとを備えている。4本の配線35aの端部にはコネクタ40aが装着され、2本の配線35bの端部にはコネクタ40bが装着されている。
【0044】
<3.絞り装置の動作>
(絞り動作)
次に、絞り装置の絞り動作について説明する。
絞り動作とは、一対の絞り羽根3,4が形成する絞り開口の大きさを変える動作をいう。より具体的に記述すると、絞り動作とは、一対の絞り羽根2,3を相対的に移動させることにより、絞り開口を調整する動作をいう。絞り装置において絞り開口を調整する動作は、絞り装置を備えるカメラにおいて入射光量を調整する動作と実質的に同一である。
【0045】
実際に絞り装置1で絞り開口を調整する場合は、絞り駆動モータ6を駆動する。具体的には、絞り駆動モータ6が備えるコイルへの通電によって磁界を形成する。そうすると、コイルへの通電によって形成される磁界の向きおよび強さに応じて、一対の絞り羽根3,4が絞り基板2の長手方向(図5のX方向)に移動する。このとき、一方の絞り羽根3が移動する方向と他方の絞り羽根4が移動する方向とは、互いに逆方向になる。このように一対の絞り羽根3,4を相対的に移動させると、絞り羽根3,4の重なり合いによって形成される絞り開口の大きさが変化する。このため、絞り駆動モータ6の駆動によって絞り開口を調整することが可能となる。
【0046】
(フィルタ切り替え動作)
次に、絞り装置のフィルタ切り替え動作について説明する。
フィルタ切り替え動作とは、光学フィルタ26,27の配置状態を切り替える動作をいう。より具体的に記述すると、フィルタ切り替え動作とは、上記の絞り開口を通る光路に一方の光学フィルタ26を配置した第1の配置状態と、当該光路に他方の光学フィルタ27を配置した第2の配置状態との間で、光学フィルタ26,27の配置を切り替える動作をいう。一方の光学フィルタ26を光路に配置した場合は、他方の光学フィルタ27が光路から退避した状態となり、他方の光学フィルタ27を光路に配置した場合は、一方の光学フィルタ26が光路から退避した状態となる。
【0047】
実際に絞り装置1で光学フィルタ26,27の配置状態を切り替える場合は、フィルタ駆動モータ7を駆動する。具体的には、フィルタ駆動モータ7が備えるコイルへの通電によって磁界を形成する。そうすると、コイルへの通電によって形成される磁界の向きおよび強さに応じて、フィルタユニット5が絞り基板2の長手方向(図5のX方向)に移動する。このとき、たとえば、フィルタユニット5がX方向の一方に移動すると上記第1の配置状態となり、フィルタユニット5がX方向の他方に移動すると上記第2の配置状態となる。このため、フィルタ駆動モータ7の駆動によって光学フィルタ26,27の配置状態を切り替えることが可能となる。
【0048】
<4.絞り駆動モータの詳細構成>
次に、絞り駆動モータの詳細な構成について説明する。
図6は絞り駆動モータを斜め上方から見たときの分解斜視図であり、図7は絞り駆動モータを斜め下方から見たときの分解斜視図である。また、図8は絞り駆動モータの回転子ユニットの断面図であり、図9は回転子ユニットの分解斜視図である。さらに、図10は絞り駆動モータの断面図である。図示のように、絞り駆動モータ6は、上述した中継基板34等の他に、固定子ユニット37と、回転子ユニット38と、ヨーク39とを備えた構成になっている。
【0049】
(固定子ユニット:図6、図7、図10)
固定子ユニット37は、ボビン41と、2つのコイル42,43とを備えている。ボビン41は、たとえば、樹脂の一体成型によって得られるものである。ボビン41の内部には収容空間44が形成されている。収容空間44は、回転子ユニット38を収容するための空間となる。収容空間44に面するボビン41の底部上面には、軸受孔(第1の軸受孔)45と案内面46が形成されている。軸受孔45は、ボビン41の底部上面の中央部に設けられている。案内面46は、収容空間44の入口部分から軸受孔45の形成部分に向かって徐々に高くなる傾斜を有している。ボビン41の外周部には、収容空間44に通じる通孔41a(図6を参照)が形成されている。
【0050】
コイル42,43は、いずれも空芯コイルであって、互いに隣り合う状態でボビン41に巻かれている。また、各々のコイル42,43は、上記の収容空間44を取り囲むようにボビン41に縦に巻かれている。2つのコイル42,43のうち、一方のコイルは駆動用のコイルであり、他方のコイルは位置検出用のコイルである。駆動用のコイルとは、回転子ユニット38を回転動作させるための磁界(磁気駆動力)を発生するコイルをいう。位置検出用のコイルとは、回転子ユニット38の回転方向の位置(向き)を検出するためのコイルをいう。ここでは一例として、コイル42を駆動用のコイルとし、コイル43を位置検出用のコイルとする。
【0051】
そうした場合、駆動用のコイル42は、図示しないモータ制御回路の電流供給部から電流を供給することにより、回転子ユニット38を回転動作させるための磁界を発生する。このとき、コイル42が発生する磁界の向きは、コイル42に流れる電流の方向によって決まる。また、コイル42が発生する磁界の強さは、コイル42に流れる電流の量によって決まる。一方、位置検出用のコイル43は、後述する永久磁石51が回転したときの磁場の変化によってコイル43に流れる電流を、図示しないモータ制御回路の電流検出部で検出することにより、回転子ユニット38の回転方向の位置を検出可能とするものである。コイル42,43の巻線位置は、両コイル間に介在するセパレータ47によって区切られている。セパレータ47は、ボビン41に一体に形成されている。
【0052】
上述のようにコイル42,43が巻かれるボビン41には、可動アーム48(図10を参照)が一体に形成されている。可動アーム48の基端部は、収容空間44の入口部分の上端に位置している。可動アーム48の基端部の位置は固定されている。可動アーム48は、収容空間44の入口部分から収容空間44の奥側(中心部側)に向かって斜め下方に延びている。このため、可動アーム48の先端側は、可動アーム48自身の撓みによって上下方向に弾性変形可能になっている。可動アーム48の先端部には軸受孔(第2の軸受孔)49が形成されている。また、可動アーム48の先端部は収容空間44の上部に位置し、そこに形成された軸受孔49は、先述した軸受孔45と上下方向で対向する状態に配置されている。また、2つの軸受孔45,49は、ほぼ同一の軸線上に配置されている。
【0053】
さらに、ボビン41には4つの端子50が設けられている。端子50は、金属等の導電材料によって構成されている。ボビン41の上部において、コイル42の隣に配置された2つの端子50は、上述した中継基板34とコイル42とを電気的に接続するものである。一方、コイル43の隣に配置された2つの端子50は、中継基板34とコイル43とを電気的に接続するものである。4つの端子50は、上述した4本の配線35a(図2〜図4を参照)と1:1の関係で対応している。
【0054】
(回転子ユニット、図6〜図10)
回転子ユニット38は、永久磁石51と、作動部材52とを備えている。永久磁石51は、回転子ユニット38自身に回転力を発生させるコアとなる磁石である。このため、永久磁石51は、フェライト磁石などよりも強い磁力を有するネオジウム磁石、サマリウムコバルト磁石などの希土類磁石によって構成されている。ネオジウム磁石とサマリウムコバルト磁石を比較すると、主原料のコストや磁力の面ではネオジウム磁石のほうが優れ、温度特性や耐食性の面ではサマリウムコバルト磁石のほうが優れている。
【0055】
永久磁石51は、角柱形に形成されている。さらに詳述すると、永久磁石51は、六面体であって、図9に示すように、3次元方向の磁石の寸法をそれぞれD×W×Hと規定すると、次に記述する6つの矩形の面(以下、「矩形面」という)で構成される六面体(直方体)になっている。すなわち、永久磁石51は、縦横寸法がW×Hで規定される2つの矩形面51aと、縦横寸法がD×Hで規定される2つの矩形面51bと、縦横寸法がD×Wで規定される2つの矩形面51cとを組み合わせた六面体になっている。ここで記述する矩形とは、長方形(正方形を含む)を意味する。
【0056】
永久磁石51を外面に相当する各々の矩形面51a,51b,51cは、それぞれ「平面」であることが望ましいものの、本発明を実施するにあたっては、必ずしも平面である必要はない。具体的には、6つの矩形面51a,51b,51cのうち、少なくとも一つの面が、たとえば、「平面よりも少し凹んだ面」、「平面よりも少し突出した面」、または「平面の一部が欠けている面」であってもよい。すなわち、永久磁石51は、全体的にみてほぼ角柱形に形成されていればよい。また、永久磁石51は、上述した各寸法D×W×Hの大小によらず、角柱形に形成されていればよい。永久磁石51の2つの矩形面(たとえば、矩形面51aと矩形面51b)がなす角(かど)の部分は、ラウンド形状またはC面取り形状に形成されている。永久磁石51は、上記寸法Dの半分の位置を境にして、一方の半体部分をN極側とし、他方の半体部分をS極側として磁化されている。
【0057】
作動部材52は、永久磁石51を実装するとともに、一対の絞り羽根3,4を移動動作させる部材である。作動部材52は、たとえば、樹脂の一体成型品によって構成されている。作動部材52は、永久磁石51を収納する収納枠53と、この収納枠53の上面部および下面部にそれぞれ設けられた回転軸部54a,54bと、収納枠53の左右両側に突出する一対のレバー部55とを一体に有している。
【0058】
収納枠53は、永久磁石51の外形に対応した矩形の枠形状に形成されている。収納枠53の内部は、永久磁石51の外形寸法(D,W,H)に対応した収納空間56になっている。収納枠53は、底板部57と、この底板部57から起立する一対の側板部58と、各々の側板部58の上端部間に掛け渡された天板部59とによって形成されている。そして、底板部57、一対の側板部58および天板部59に囲まれた空間が収納空間56になっている。
【0059】
底板部57は、平面視略円形に形成されている。底板部57の上面には、可撓性を有するラッチ部60が形成されている。ラッチ部60は、収納空間56の入口部分(永久磁石51の挿入口部分)に通じる開口縁に設けられている。ラッチ部60は、収納枠53に収納される永久磁石51の抜けを防止するものである。これに対して、収納空間56の奥側には、突き当て部61(図7を参照)が設けられている。突き当て部61は、当該突き当て部61に永久磁石51を突き当てることにより、収納空間56で永久磁石51が規定の位置に配置されるように、永久磁石51を位置決めするものである。突き当て部61は、底板部57と天板部59との間に掛け渡すように棒状に2本並んで形成されている。
【0060】
一対の側板部58は、左右に対をなして配置されている。これらの側板部58は、互いに対向する状態で配置されている。各々の側板部58は、側面視矩形に形成されている。また、各々の側板部58の内面には、それぞれ凸部62が設けられている。凸部62は、収納枠53に永久磁石51を収納する際に、永久磁石51が移動する方向に沿って一直線上に形成されている。また、凸部62は、一つの側板部58に2つずつ設けられている。各々の凸部62は、断面三角形に形成されている。各側板部58に設けられた2つの凸部62は、上下に適度な間隔をあけて配置されている。また、一方の側板部58に設けられた2つの凸部62と、他方の側板部58に設けられた2つの凸部62は、底板部57の上面を基準にして、同じ高さ位置に配置されている。このため、各側板部58に設けられた凸部62は、収納空間56を介して互いに対向している。また、各々の凸部62は、底板部57の上面と平行に形成されている。天板部59は、平面視略小判形に形成されている。天板部59は、底板部57と上下に対向する状態で配置されている。
【0061】
一対の回転軸部54a,54bは、共通の仮想軸J上に位置している。仮想軸Jは、回転子ユニット38の回転中心となる軸である。一対の回転軸部54a,54bのうち、回転軸部54aは、底板部57の下面中央部に設けられている。回転軸部54aは、底板部57の下面から下方に突出する状態で形成されている。回転軸部54aは、平面視円形の軸構造を有する。回転軸部54aの端面は、部分的に斜めに切り欠かれている。
【0062】
回転軸部54bは、天板部59の上面中央部に設けられている。回転軸部54bは、天板部59の上面から上方に突出する状態で形成されている。回転軸部54bと回転軸部54aとは、同軸の状態に配置されている。回転軸部54bは、平面視円形の軸構造を有する。回転軸部54bの端面は、部分的に斜めに切り欠かれている。ただし、回転軸部54aと回転軸部54bの各端面の切り欠き部分は、互いに反対向きになっている。
【0063】
なお、凸部62は、一つの側板部58に一つ設けた構成であってもよいが、収納枠53の収納空間56内に永久磁石51を安定的に保持するうえでは一つの側板部58に上下に位置をずらして2つ以上の凸部62を設けることが好ましい。
【0064】
一対のレバー部55は、底板部57の外周縁から一方と他方に延びるように形成されている。一対のレバー部55は、それぞれクランク形状に曲げて形成されている。各々のレバー部55の先端部には爪部63が形成されている。一方のレバー部55の爪部63は、前述した絞り羽根3の係合孔19(図5を参照)に差し込んで引っ掛けられる部分である。他方のレバー部55の爪部63は、前述した絞り羽根4の係合孔23(図5を参照)に差し込んで引っ掛けられる部分である。
【0065】
(ヨーク:図6、図7、図10)
ヨーク39は、外部への磁力線の漏洩を抑制するものである。ヨーク39は、全体に円筒形に形成されている。ヨーク39の内部空間は、上述した固定子ユニット37、回転子ユニット38を収容し得る大きさになっている。ただし、ボビン41の下部と作動部材52の下部(主にレバー部55)は、ヨーク39の下端部よりも下方にはみ出した状態で配置される。
【0066】
(絞り駆動モータの動作)
図11は絞り駆動モータの各構成部分の相対的な位置関係を模式的に示す平面図である。図示のように、永久磁石51は、N極とS極に分極されている。回転軸部54a,54bの軸芯は、永久磁石51の矩形面51cのほぼ中心に位置している。永久磁石51の矩形面51a,51bは、ヨーク39の内周面に対向する向きで配置されている。また、永久磁石51の矩形面51aは、矩形面51bにくらべて、ヨーク39の内周面の近くに配置されている。そして、永久磁石51の一方の矩形面51a側がN極、他方の矩形面51a側がS極となっている。
【0067】
一対のレバー部55は、作動部材52の底板部57の外周縁から外向きに延びている。永久磁石51の外側には、駆動用のコイル42と位置検出用のコイル43に加えて、付勢用の磁石64が配置されている。この磁石64は、回転軸部54a,54bを中心とした回転子ユニット38の回転方向において、回転子ユニット38を一方向に付勢するものである。磁石64の構造的な形態は、たとえば、平らな板状、円弧状の板状、角柱形、円柱形、半円の柱状など、いずれの形態であってもよい。磁石64は、上述したボビン41の外周部に取り付けられる。磁石64は、たとえば図示のようにS極を永久磁石51側に向けた状態で配置される。また、磁石64は、回転軸部54a,54bを中心とした回転子ユニット38の回転方向において、たとえば、駆動用のコイル42と略90度位相をずらした位置に配置されている。
【0068】
上記の配置において、永久磁石51の磁力線(不図示)の一部は、永久磁石51のN極からヨーク39を通ってS極に向かう。この場合、ヨーク39の直径方向においては、永久磁石51のN極(一方の矩形面51a)とヨーク39との間の離間距離Lnと、永久磁石51のS極(他方の矩形面51a)とヨーク39との間の離間距離Lsとが、互いに等しい関係になっている。このような配置関係は、角柱形の永久磁石51でも円柱形の永久磁石でも変わらない。また、上記の離間距離Ln,Lsは、底板部57よりも一回り径が小さい円柱形の永久磁石の場合と同等になる。したがって、永久磁石の形状を円柱形から角柱形に変更しても、永久磁石51を利用して得られる回転力等のモータ特性にほとんど影響を及ぼさない。このため、角柱形の永久磁石51を採用した場合でも、絞り駆動モータ6を問題なく動作させることができる。以下、絞り駆動モータ6の具体的な動作について記述する。
【0069】
まず、駆動用のコイル42に電流を供給していないときは、永久磁石51のN極と付勢用の磁石64のS極との間に働く磁気吸引力(以下、「第1の磁気吸引力」とも記す)により、回転子ユニット38が反時計回り方向(CCW方向)に付勢される。このように回転子ユニット38を反時計回り方向に付勢すると、回転子ユニット38は反時計回り方向の終端位置まで回転した状態となる。
【0070】
これに対して、駆動用のコイル42に電流を供給して図示のような磁極(N極、S極)を形成すると、永久磁石51のN極とコイル42のS極との間に磁気吸引力(以下、「第2の磁気吸引力」とも記す)が働く。このため、回転子ユニット38は、第2の磁気吸引力によって時計回り方向(CW方向に)に回転する。このとき、回転子ユニット38は、第1の磁気吸引力と第2の磁気吸引力を同時に受ける。このため、回転子ユニット38は、回転軸部54a,54bを中心とした回転方向において、磁石64から受ける第1の磁気吸引力とコイル42から受ける第2の磁気吸引力とが平衡状態となる位置に保持される。また、第1の磁気吸引力に比較して第2の磁気吸引力が十分に大きくなるように、駆動用のコイル42に電流を供給すると、回転子ユニット38は時計回り方向の終端位置まで回転した状態となる。
【0071】
その後、駆動用のコイル42への電流供給を停止すると、第2の磁気吸引力が消滅する。このため、回転子ユニット38は、付勢用の磁石64から受ける第1の磁気吸引力により、反時計回り方向の終端位置まで回転した状態になる。
【0072】
以上のことから、駆動用のコイル42に供給する電流の量を図示しないモータ制御回路の電流供給部で調整(増減)することにより、回転子ユニット38の回転方向の位置を制御することができる。回転子ユニット38の回転方向の位置は、一対の絞り羽根3,4が形成する絞り開口の大きさを決定する要素となる。このため、回転子ユニット38の回転方向の位置を制御することにより、絞り開口の大きさを調整することが可能となる。
【0073】
また、一対の絞り羽根3,4の動作と絞り駆動モータ6の動作との関係は、次に述べる第1の関係および第2の関係のいずれで設定してもよい。第1の関係は、回転子ユニット38を反時計回り方向の終端位置まで回転させたときに、一対の絞り羽根3,4が形成する絞り開口が最大になり、回転子ユニット38を時計回り方向の終端位置まで回転させたときに、一対の絞り羽根3,4が形成する絞り開口が最小になる関係である。これに対して、第2の関係は、回転子ユニット38を反時計回り方向の終端位置まで回転させたときに、一対の絞り羽根3,4が形成する絞り開口が最小になり、回転子ユニット38を時計回り方向の終端位置まで回転させたとき、一対の絞り羽根3,4が形成する絞り開口が最大になる関係である。
【0074】
ちなみに、回転子ユニット38が反時計回り方向に回転するときの終端位置は、たとえば、永久磁石51と一体に回転する作動部材52の一方のレバー部55が、絞り基板2の一部に突き当てられることで規制される。また、回転子ユニット38が時計回り方向に回転するときの終端位置は、たとえば、作動部材52の他方のレバー部55が、絞り基板2の他部に突き当てられることで規制される。
【0075】
また、永久磁石51が回転すると、これに伴う磁場の変化によって位置検出用のコイル43に電流が流れる。このとき、コイル43に流れる電流の量および方向は、永久磁石51の回転量および回転方向によって変わる。このため、コイル43に流れる電流の量および方向を図示しないモータ制御回路の電流検出部で検出することにより、回転子ユニット38(永久磁石51、作動部材52)の回転方向の位置、ひいては絞り開口の大きさを検出することが可能となる。
【0076】
(回転子ユニットの組み立て手順)
次に、回転子ユニット38の組み立て手順について説明する。回転子ユニット38の組み立ては、永久磁石51と作動部材52とを用いて行う。まず、作動部材52の収納枠53内に横方向から永久磁石51を挿入する。そうすると、収納枠53の収納空間56の入口部分では、永久磁石51がラッチ部60に接触するとともに、永久磁石51の下面(下側の矩形面51c)に押されてラッチ部60が撓んだ状態となる。
【0077】
次に、永久磁石51の一方の矩形面51aが、収納空間56の奥側で突き当て部61に突き当たるまで永久磁石51を押し込む。そうすると、ラッチ部60の上を永久磁石51が完全に通過した状態となる。また、永久磁石51は、収納空間56の規定の位置に収納された状態となる。この状態になると、永久磁石51の通過に伴って、それまで撓んでいたラッチ部60が元の状態に戻る。これにより、ラッチ部60は、永久磁石51の一方の矩形面51aに接触または近接した状態となる。この状態では、永久磁石51を収納空間56から引き抜こうとしても、永久磁石51がラッチ部60に引っ掛かるため、ラッチ部60によって永久磁石51の抜けが防止される。
【0078】
また、収納枠53の収納空間56においては、永久磁石51が次のように配置される。すなわち、永久磁石51の外面を構成する6つの矩形面のうち、2つの矩形面51bは、一対の側板部58の内面に対面した状態となり、他の2つの矩形面51cは、底板部57と天板部59にそれぞれ対面した状態となる。また、永久磁石51の2つの矩形面51bに対しては、それぞれに対応する側板部58内面の2つの凸部62が接触した状態となる。このため、収納枠53内においては、各々の側板部58の内面に2つずつ設けられた凸部62により永久磁石51が両側から挟み込まれ、この状態で永久磁石51が収納枠51内に保持される(図8を参照)。これにより、永久磁石51が作動部材52に実装されるとともに、永久磁石51と作動部材52を一体化した構成の回転子ユニット38が得られる。
【0079】
このように組み立てられた回転子ユニット38においては、収納枠53から上方および下方に突出する一対の回転軸部54a,54bが、共通の仮想軸J(図6〜図9を参照)上に位置する。回転子ユニット38の回転中心軸となる仮想軸Jは、収納枠53に収納された永久磁石51の内部を通るように設定されている。
【0080】
上記の仮想軸Jは、永久磁石51の重心部分を通るように設定されていることが好ましい。その理由は、次のとおりである。すなわち、回転子ユニット38を構成する永久磁石51および作動部材52のうち、永久磁石51は金属であるのに対して、作動部材52は樹脂である。このため、回転子ユニット38全体に占める永久磁石51の質量の割合は高い。したがって、永久磁石51が回転したときの回転子ユニット38全体の質量バランスを考慮すると、上記の仮想軸Jは、永久磁石51の重心部分を通るように設定されていることが好ましい。
【0081】
(絞り駆動モータの組み立て手順)
次に、絞り駆動モータ6の組み立て手順について説明する。絞り駆動モータ6の組み立ては、固定子ユニット37、回転子ユニット38およびヨーク39を用いて行う。まず、コイル42,43を巻線済みのボビン41を用意する。ボビン41にコイル42,43を巻線する場合は、可動アーム48の先端部の上方を経由するように、ボビン41のセパレータ47で区切られた溝部分に、それぞれコイル42,43を巻線する。
【0082】
次に、ボビン41の収容空間44に回転子ユニット38を挿入することにより、収納枠53に収納された状態の永久磁石51をボビン41の収容空間44に収容する。その際、可動アーム38は、回転軸部54bに押し上げられて弾性変形する。これにより、可動アーム38は、回転軸部54bが軸受孔49に嵌合することを許容する状態となる。以下、詳しく説明する。
【0083】
まず、回転子ユニット38の一方のレバー部55をボビン41の収容空間44の入口部分から挿入した後、当該一方のレバー部55をボビン41の通孔41a(図6を参照)に通す。これにより、一対のレバー部55の先端部(爪部63)は、いずれもボビン41の外側に突出した状態となる。
【0084】
また、上述のようにボビン41に回転子ユニット38を挿入する場合は、収容空間44の底部の軸受孔45に回転軸部54aを嵌合させるとともに、可動アーム48の先端部の軸受孔49に回転軸部54bを嵌合させる。具体的な組み付け順序としては、まず、収納枠53の下方に突出する回転軸部54aをボビン41の軸受孔45に嵌合させる。このとき、ボビン41の案内面46に回転軸部54aの下端を接触させ、その状態で回転軸部54aを案内面46に沿ってスライドさせることにより、回転軸部54aを軸受孔45へと導くようにする。
【0085】
次に、回転軸部54aと軸受孔45の嵌合状態を維持しつつ、収納枠53の上方に突出する回転軸部54bを可動アーム48の軸受孔49に嵌合させる。このとき、回転軸部54bが可動アーム48の軸受孔49に嵌り込む前に、回転軸部54bの上端が可動アーム48に接触する。このため、可動アーム48の先端側(軸受孔49の形成部位側)は、回転軸部54bに押し上げられて弾性変形する。そして、回転軸部54bが可動アーム48の先端部に達すると、そこに形成されている軸受孔49に回転軸部54bが嵌り込む。このとき、回転軸部54bと軸受孔49との嵌合状態は、それまで回転軸部54bに押し上げられていた可動アーム48自身の撓み反力(弾性変形による反力)によって得られる。これにより、回転子ユニット38が固定子ユニット37に回転可能に取り付けられた状態となる。この状態では回転子ユニット38の回転動作が双方向に許容される。また、回転子ユニット38の回転動作は、180度未満の角度範囲内(たとえば、60度程度)に制限される。
【0086】
ここで、上述のように可動アーム48の先端側が回転軸部54bによって押し上げられた場合の押し上げ量は、回転軸部54bが軸受孔49に嵌合する直前に最大となる。本実施の形態においては、可動アーム48が回転軸部54bによって最大に押し上げられた状態でも、可動アーム48がコイル42,43の巻線位置(最内周のコイル巻線部分)に干渉しないように、可動アーム48の先端部とこれに対向するコイル42,43の巻線位置との間に、可動アーム48の最大の押し上げ量以上の空隙G(図10を参照)が確保されている。
【0087】
こうして固定子ユニット37に回転子ユニット38を一体的に組み付けたら、その状態で固定子ユニット37の外側にヨーク39を被せる。次に、ヨーク39の上端部に中継基板34を配置する。このとき、中継基板34に設けられている4つの孔34a(図7を参照)にそれぞれボビン41の端子50を挿入し、両者を電気的に接続する。以上で絞り駆動モータ6の組み立てが完了する。
【0088】
<5.実施の形態に係る効果>
本発明の実施の形態に係る絞り装置1においては、円筒形のヨーク39内に収容される永久磁石51を、ヨーク39の外形にあわせた円柱形ではなく、角柱形に形成したことにより、絞り駆動モータ6のコストダウンを図ることができる。以下、技術的な根拠を記述する。
【0089】
まず、比較例として、永久磁石を円柱形に形成した場合は、これを製造する場合に、磁石母材から切り出した個片の磁石に機械加工を施して円柱形に仕上げる必要がある。その場合、機械加工においては、磁石母材から角柱形に切り出した個片の磁石の余剰部分を研削等で除去することになる。このため、原料の無駄が生じる。これに対して、永久磁石51を角柱形に形成した場合は、この永久磁石51を磁石母剤から直接切り出すことができる。このため、円柱形に仕上げるための機械加工が不要になる。その結果、当該機械加工に伴う原料の無駄が解消される。したがって、絞り駆動モータ6のコストダウンを図ることが可能となる。また、当該機械加工が不要になることで、製造の手間が軽減される。特に、ネオジウム磁石は、金型等を用いた成形加工が困難であるため、磁石母材から永久磁石51を直接切り出せるようになれば、製造の手間が大幅に低減され、その分だけ大きなコストダウン効果が期待できる。加えて、磁石母材の状態でまとめて着磁することにより、駆動モータの組み立て工程中に永久磁石51を一つずつ着磁する手間を省くことができる。さらに、永久磁石の角(かど)の部分をラウンド形状またはC面取り形状に加工する場合に、円柱形の磁石にくらべて角柱形のほうが加工しやすいため、加工費を安く抑えることができる。また、ネオジウム磁石やサマリウムコバルト磁石などを用いて永久磁石51を構成する場合、高価な原料を有効に利用して永久磁石51を製造することができる。このため、大きなコストダウン効果が期待できる。
【0090】
さらに、角柱形の永久磁石51を用いた場合は、円柱形の永久磁石を用いる場合に比較して、磁場方向のずれが発生しにくくなる。その理由は、次のとおりである。すなわち、円柱形の永久磁石の場合は、円形断面の一方の半月部分をN極側とし、他方の半月部分をS極側として磁化するため、磁極の向きを正確に把握しにくくなる。これに対して、角柱形の永久磁石51の場合は、磁極(N極、S極)の向きを正確かつ容易に把握することができる。このため、駆動モータの製造工程(組み立て工程)においては、角柱形の永久磁石51のほうが、円柱形の永久磁石にくらべて、回転方向の位置ずれが生じにくくなる。その結果、磁場方向のずれを防止し、絞り駆動モータ6の歩留まりを向上させることができる。
【0091】
また、上記実施の形態に係る絞り装置1においては、以下のような効果も得られる。すなわち、永久磁石51と作動部材52を接着等で固定する場合は、接着による品質不良を招くおそれがある。この点、本実施の形態においては、作動部材52に収納枠53を設け、この収納枠53に永久磁石51を収納して保持する構成を採用している。このため、作動部材52に対して永久磁石51を嵌め込み構造で取り付けることができる。したがって、接着による品質不良の発生を回避することができる。
【0092】
また、上記実施の形態においては、作動部材52の収納枠53を構成する一対の側板部58の内面にそれぞれ凸部62を形成し、これらの凸部62で永久磁石51を両側から挟むように支持する構成を採用している。このため、側板部58の内面に永久磁石51の矩形面51bが直接、接触する場合に比較して、収納枠53に永久磁石51を挿入する際の摺動抵抗を小さく抑えることができる。また、側板部58の内面に多少のゆがみがあっても、上記の凸部62で永久磁石51をガタツキなく支持することができる。
【0093】
また、上記実施の形態においては、収納枠53の収納空間56に通じる開口縁にラッチ部60を設け、収納枠53に永久磁石51を収納した場合に、永久磁石51の抜けをラッチ部60で防止し得る構成を採用している。このため、絞り駆動モータ6の駆動に伴う振動や慣性力を受けても、永久磁石51が収納枠53から脱落するおそれがない。また、収納枠53に永久磁石51を収納した後に、外部からの操作によってラッチ部60を撓ませることにより、収納枠53から永久磁石51を取り出すことができる。このため、何らかの理由で永久磁石51を交換する必要が生じた場合でも容易に対応することができる。
【0094】
<6.変形例等>
なお、本発明の技術的範囲は上述した実施の形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
【0095】
たとえば、上記実施の形態においては、作動部材52の構成として、左右一対の側板部58にそれぞれ凸部62を設けているが、本発明はこれに限らず、いずれか一方の側板部58だけに凸部62を設けた構成を採用してもよい。
【0096】
また、上記実施の形態においては、回転子ユニット38の回転方向の位置を、ボビン41に巻線したコイル43を用いて検出する構成としたが、これに限らず、たとえば、コイル43に代えてホール素子(不図示)を用いた構成であってもよい。
【0097】
また、上記実施の形態においては、絞り装置1に用いられる絞り駆動モータ6およびフィルタ駆動モータ7のうち、絞り駆動モータ6についてのみ詳細に説明したが、これに限らず、フィルタ駆動モータ7に絞り駆動モータ6と同様の構成(図6〜図10に示す構成)を採用してもよい。ただし、フィルタ駆動モータ7が備える作動部材(不図示)のレバー部の構造は、最終的にフィルタユニット5に動力を伝達する動力伝達機構に適合した構造とする必要がある。
【符号の説明】
【0098】
1…絞り装置
2…絞り基板
3,4…絞り羽根(絞り部材)
5…フィルタユニット
6…絞り駆動モータ
7…フィルタ駆動モータ
37…固定子ユニット
38…回転子ユニット
39…ヨーク
53…収納枠
58…側板部
60…ラッチ部
62…凸部
150…カメラ
155…撮像素子(光電変換素子)
G…空隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光を通過させる絞り開口を形成する絞り部材と、前記絞り部材を駆動する駆動モータとを備える絞り装置であって、
前記駆動モータは、
固定子ユニットと、
前記固定子ユニットに回転可能に取り付けられる回転子ユニットと、
前記固定子ユニットおよび前記回転子ユニットを収容するヨークとを備え、
前記回転子ユニットには、当該回転子ユニットと一体に回転するように永久磁石が設けられるとともに、当該回転子ユニットの回転中心軸が前記永久磁石の内部を通るように設定されており、
前記ヨークは円筒形に形成されるとともに、当該ヨーク内に収容される前記永久磁石が角柱形に形成されている
ことを特徴とする絞り装置。
【請求項2】
前記回転子ユニットは、前記永久磁石が実装されるとともに、前記永久磁石と一体に回転する作動部材を有し、
前記作動部材は、前記永久磁石の外形に対応した枠形状に形成された収納枠を有し、当該収納枠に前記永久磁石を収納して保持する
ことを特徴とする請求項1に記載の絞り装置。
【請求項3】
前記収納枠の収納空間に面する2つの内側面のうち、少なくとも一方の内側面に、前記収納枠に収納される前記永久磁石の外面に接触して当該永久磁石を他方の内側面との間に挟んで支持する凸部が形成されている
ことを特徴とする請求項2に記載の絞り装置。
【請求項4】
前記収納枠の収納空間に通じる開口縁に、可撓性を有するラッチ部が設けられ、
前記ラッチ部は、前記収納枠の収納空間に前記永久磁石を収納する途中の段階では当該永久磁石に押されて撓んだ状態となり、前記収納空間に前記永久磁石を収納した段階では前記撓んだ状態から元の状態に戻ることによって当該永久磁石の抜けを防止する
ことを特徴とする請求項2に記載の絞り装置。
【請求項5】
前記永久磁石は、ネオジウム磁石である
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の絞り装置。
【請求項6】
入射光を通過させる絞り開口を調整する絞り装置に用いられる駆動モータであって、
固定子ユニットと、
前記固定子ユニットに回転可能に取り付けられる回転子ユニットと、
前記固定子ユニットおよび前記回転子ユニットを収容するヨークとを備え、
前記回転子ユニットには、当該回転子ユニットと一体に回転するように永久磁石が設けられるとともに、当該回転子ユニットの回転中心軸が前記永久磁石の内部を通るように設定されており、
前記ヨークは円筒形に形成されるとともに、当該ヨーク内に収容される前記永久磁石が角柱形に形成されている
ことを特徴とする駆動モータ。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の絞り装置と、
前記絞り開口を通して入射する光を電気信号に変換する光電変換素子と、
を備えることを特徴とするカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−74777(P2013−74777A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214389(P2011−214389)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000231590)日本精密測器株式会社 (64)
【Fターム(参考)】