説明

絞り装置及び絞り装置を用いた放射線治療装置

【課題】照射領域の照射精度の向上が可能な放射線の照射領域を調整する絞り装置を提供すること。
【解決手段】放射線治療装置のX線を照射する照射ヘッド内に設けられた絞り装置1は、一対の絞りブロック10と、線源126から絞りブロック10を通る延長上に設けられ、一対に設けられたマルチリーフコリメータ20とを備え、マルチリーフコリメータ20は、複数の板状リーフ21と、これら板状リーフ21を2箇所で板状リーフ21のY方向及びZ方向に保持可能に形成された複数のエアベアリング22と、それぞれの板状リーフ21を独立して線源126を中心に回動可能に形成された歯車機構23と、板状リーフ21を厚み方向に案内する案内部24とを有する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線の照射領域を調整する絞り装置及び絞り装置を用いた放射線治療装置に関し、特に、照射領域の照射精度の向上が可能なものに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、癌や腫瘍等の病変部が人体に発生した場合には、病変部の切除、又は、病変部に放射線を照射し、病変部の組織細胞を除去、破壊又は分裂阻止を行うことで、治癒がなされている。ここで、病変部に放射線を照射する場合は、主としてX線等が用いられている。
【0003】
しかし、このような放射線照射による治療では、所定の放射線(放射線量)を人体に照射しなければならない。このとき、病変部の組織細胞を破壊及び分裂阻止が可能な放射線量が正常な組織細胞に照射された場合には、病変部の組織細胞と同様に、正常な組織細胞も破壊及び分裂阻止がなされる。このため、正常な組織細胞に関しては、障害が発生しないよう注意が必要となる。
【0004】
このため、放射線治療を行なう際には、病変部の位置、大きさ、形状等を正確に把握し、放射線の照射領域、照射角度、照射門数等を決定し、病変部に放射線を照射する必要がある。
【0005】
このように、放射線の照射領域や角度を調整するために、例えば、マルチリーフコリメータを用いた絞り装置が知られている(例えば特許文献1参照)。このような絞り装置のマルチリーフコリメータは、一対のリーフ群を構成する複数の板状リーフを有しており、各リーフ群に設けられた複数の板状リーフ間にボールベアリングを設けることで、それぞれが可動可能に形成されている。このように構成されたマルチリーフコリメータは、二組のリーフ群の各板状リーフを離接させ、板状リーフを任意の位置とすることで、リーフ群間に発生する隙間からX線の照射領域を任意に可変可能とするものである。
【特許文献1】特開2002−136611号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した絞り装置では問題があった。即ち、板状リーフの各位置により発生する隙間からX線を照射させるため、板状リーフは放射線が透過しない材料、例えばタングステン等で形成されている。しかし、このような材料は原子量が多いため、重量が重くなる。このため、板状リーフの自重により重力方向に移動し、所定の位置からずれが発生する。特に、リーフ群は複数の板状リーフが組み合わさって形成されており、各寸法精度及びボールベアリング隙間等により、リーフ群の中層において位置ずれが最大となり、リーフ群が弓なりに撓む虞があった。
【0007】
このような撓みは、X線の照射領域を設定し、板状リーフを移動させ隙間を形成した際に、予定より広い領域の隙間となる等、X線の照射領域の精度を低下させる原因となる。
【0008】
そこで本発明は、放射線の照射領域を調整する絞り装置に関し、特に、照射領域の照射精度の向上が可能なものを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の絞り装置は次のように構成されている。
【0010】
本発明の一態様として、放射線の照射野を規定する絞り装置において、扇形の主面、矩形状の側面、及び、内周側と外周側の曲面を有する板状のリーフが前記主面を互いに対向させて複数並設されたリーフ群と、前記複数のリーフの前記主面及び前記曲面の一部を覆い、前記リーフの並設方向及び前記曲面の径方向の移動を規制するとともに、前記複数のリーフの前記主面及び/又は前記曲面に圧縮空気を吹き付けることで、前記リーフを離間させ、且つ、支持可能なエアベアリングと、前記複数のリーフを前記リーフの扇状の主面の周方向に沿って個々に進退及び固定可能に形成された移動機構と、を備え、前記リーフ群は前記リーフの側面が互いに対向する位置に一対に配置されることを特徴とする絞り装置が提供される。
【0011】
本発明の一態様として、被検体を積載させる治療台と、治療用の放射線を発生させる放射線源と、この放射線源と前記治療台との間に設けられ、この放射線源から発生した前記放射線を前記被検体に照射するとともに、前記放射線の照射範囲を絞る絞り装置と、前記放射線源と前記絞り装置とを収納し、前記治療台の周囲を回動又は移動可能に形成されたケース部と、を備え、前記絞り装置は、扇形の主面、矩形状の側面、及び、内周側と外周側との曲面を有する板状のリーフが前記主面を互いに対向させて複数並設されたリーフ群と、前記複数のリーフの前記主面及び前記曲面の一部を覆い、前記リーフの並設方向及び前記曲面の径方向の移動を規制するとともに、前記複数のリーフの前記主面及び/又は前記曲面に圧縮空気を吹き付けることで、前記リーフを離間させ、且つ、支持可能なエアベアリングと、前記複数のリーフを前記リーフの扇状の主面の周方向に沿って個々に進退及び固定可能に形成された移動機構と、を具備し、前記リーフ群が前記リーフの側面が互いに対向する位置に一対に配置されることを特徴とする放射線治療装置が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、放射線の照射領域を調整する絞り装置及び絞り装置を用いた放射線治療装置の照射領域の照射精度を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図1〜6を参照して、本発明による集中照射型放射線治療装置(以下、「放射線治療装置」)100の好ましい実施形態により説明する。なお、治療用の放射線としては、一般的なX線として説明するが、これに限定されることはない。放射線治療装置は、被検体(患者)に対する放射線源の連続的な移動に連動して、コリメータの開口を動的に制御することにより、細く絞った放射線を常に被検体の被治療部位に集中させることにより、被治療部位に対して選択的に高エネルギで治療効果を与え、それ以外の健康部位への被爆をできるだけ抑えるようにした治療装置である。
【0014】
図1は本発明の一実施の形態に係る放射線治療装置100を示す説明図、図2は同放射線治療装置100に用いられる照射ヘッド125内部の構成を示す説明図、図3は同照射ヘッド125内に設けられた絞り装置1の構成を示す説明図、図4は同絞り装置1に用いられる板状リーフ21を示す説明図、図5は同絞り装置1に用いられる板状リーフ21及びエアベアリング22の一部を示す説明図、図6は同板状リーフ21及びエアベアリング22の構成を示す説明図である。尚、図1〜6中、X〜Zは、任意の方向を示している。なお、一例として、X方向及びZ方向は、地面に対して水平方向であり、Y方向は地面に対して垂直方向と定義する。
図1に示すように、放射線治療装置100は、患者を乗せる(乗載させる)とともに、固定させる寝台装置110と、寝台装置110に乗せた患者にX線を放射する放射線照射装置120とを備えている。
【0015】
寝台装置110は、スタンド111と、このスタンド111の上部に連結され、例えばX方向へ移動及び延出可能な水平の治療台112と、スタンド111内に設けられ、治療台112を駆動させる駆動機構113と、を備えている。なお、治療台112上には、患者を固定するための固定器具が設けられている、若しくは、固定器具を取り付け可能に形成されている。このような固定器具は、例えば患者の頭部を固定させる場合には、頭部を覆うネット等が用いられ、胴部を固定させる際には、患者を複数個所で固定する固定ベルト等が用いられる。
【0016】
スタンド111は、例えば外壁部が蛇腹等により形成されており、駆動機構113により治療台112がY方向に移動した際に、その外壁が伸縮可能に形成されている。
【0017】
駆動機構113は、X方向へ治療台112を駆動させるX方向モータと、Y方向へ治療台112を駆動させるY方向モータとを備えており、X方向モータ及びY方向モータを駆動させることで、治療台112の位置を制御可能に形成されている。なお、この駆動機構113の駆動は、例えば外部から制御可能に形成されている。
【0018】
放射線照射装置120は、その一端側(以下「下端側」)が地面に固定されるとともに、Y方向に延設された支持体121と、支持体121の略中心に設けられ、X方向に延設された回転軸122と、回転軸122に接続され、待機状態時に、支持体121とY方向に並設される架台123と、を備えている。なお、ここで待機状態とは、放射線治療装置100の電源停止時や、外部情報入力時等の、放射線を照射しない状態を指している。
【0019】
支持体121内部には、回転軸122を回転させる回転駆動機構124が設けられており、この回転駆動機構124が外部からの指示に基いて駆動することで、回転軸122は、架台123を回転制御可能に形成されている。なお、例えば回転軸122及び回転駆動機構124は、架台123をY方向から各Z方向程度まで間(略180°)の範囲で回転(回動)可能に形成されている。なお、この回転範囲は適宜設定可能となっている。
【0020】
架台123は、回転軸122を介して回動可能に形成されており、架台123の一方の端部には、X線を照射する照射ヘッド(ケース部)125が設けられている。照射ヘッド125は、放射線治療装置100が待機状態でY方向に位置するとともに、支持体121の上端側に位置することとなる。また、照射ヘッド125の放射線照射部125aは、例えば、放射線照射部125aのY方向の中心を基準に回転可能に形成されており、放射線照射部125aが回転することで、後述する絞り装置1をも回転可能としている。
【0021】
図2に示すように、照射ヘッド125は、その内部に設けられX線を発生させる放射線源(以下「線源」)126と、この線源126又は線源126の周囲の任意の一点(以下、線源126として説明)を中心とする所定の円弧軌跡上に設けられた絞り装置1とを備えている。なお、線源126は、電子加速器や対電子線ターゲット等により構成され、X線を線源126の外部へと照射可能に形成されている。また、照射ヘッド125は、待機状態時に、治療台112のY方向上に位置するように、架台123からX方向に突出して設けられている。
【0022】
図2〜4に示すように、絞り装置1は、一対の絞りブロック10と、線源126から絞りブロック10を通る延長上に一対設けられたマルチリーフコリメータ20と、を備えている。なお、一例として、一対の絞りブロック10はZ方向にそれぞれ対向するとともに、一対のマルチリーフコリメータ20はX方向にそれぞれ対向して設けられている。
【0023】
なお、これ以降、絞りブロック10及びマルチリーフコリメータ20は、説明の便宜上、放射線治療装置100が待機状態時の方向で説明する。即ち、一対の絞りブロック10はZ方向に対向する構成と定義し、一対のマルチリーフコリメータ20はX方向に対向する構成と定義する。なお、放射線治療装置100の運転時は、架台123及び照射ヘッド125の放射線照射部125aは回転(回動)するため、絞りブロック10及びマルチリーフコリメータ20の位置関係(方向)は一定ではない。
【0024】
一対の絞りブロック10は、各絞りブロック10にそれぞれ設けられ、線源126を中心にZ方向に回動することで、互いに離接可能な移動手段(例えばステッピングモータ)を備えており、外部からの指示により移動手段により絞りブロック10の位置の制御が行われる。なお、絞りブロック10は、放射線遮蔽材、例えば鉛材やタングステン材により形成されている。
【0025】
マルチリーフコリメータ20は、複数の板状リーフ21により形成されたリーフ群20aと、これら板状リーフ21を2箇所で保持可能に形成された複数(図3では2つ)のエアベアリング22と、それぞれの板状リーフ21を独立して線源126を中心とする円弧方向に移動可能に形成された歯車機構(駆動機構)23と、板状リーフ21を厚み方向に案内する案内部24と、を備えている。
【0026】
図3〜5に示すように、板状リーフ21は、中心線C方向(Y方向)に対して線源126側の一端側に設けられた上端保持部31と、他端側に設けられた下端保持部32と、中心線Cに対して直交する板状リーフ21の厚み方向(Z方向)であって、その中心側に設けられた凹凸する入れ子33と、を備えている。なお、ここで中心線Cは、線源126から前記一対の絞りブロック10、及び/又は、一対のマルチリーフコリメータ20の中心との延長線(待機時においてはY方向)を示している。
【0027】
板状リーフ21は、板状リーフ21の互いに向かい合い接する主面が扇形に形成され、側面(又は厚み方向の断面)形状が、中心線Cに対して配置される側に傾斜する矩形状、かつ、線源126から離間する方向に外側に広がる形状に形成されている。また、板状リーフ21の、Y方向の面は、その主面形状から、曲面に形成されており、例えば、線源126側の曲面は、この曲面と相対する曲面よりもその径は小径となっている。
【0028】
また、各板状リーフ21は、リーフ群20aとして、並設された際に、中心線Cに対して略対称となる側面形状に形成されている。なお、板状リーフ21は、リーフ群20aとして形成されたとき、中心線C側から離間する方向に配置される板状リーフ21の側面形状ほど、その傾斜は大となり、中心線Cに対して、主面は(側面形状は)所定の角度傾斜して形成される。なお、ここで、所定の角度とは、例えば、線源126を基点として、この基点から放射状、且つ、被検体(治療台112)に向って延びる複数の直線、を想定した際に、これら複数の直線に、主面が干渉する形状であればよい。
【0029】
このように、板状リーフ21は、各側面形状の角度が線源126に向って角度が異なり、且つ、狭まる配置でその板状リーフ21の主面が互いに並設されることで、多層構造のリーフ群20aを形成している。なお、リーフ群20aは、板状リーフ21が、例えばZ方向に22組が並列に設けられている。
【0030】
なお、図4に示すように、板状リーフ21は、一対となるマルチリーフコリメータ20のX方向に対向する板状リーフ21と対(ペア)になっており、これら対となる板状リーフ21がX方向に線源126を中心に回動することで、互いに離接することとなる。
【0031】
上端保持部31及び下端保持部32は、その厚み(板厚)が、板状リーフ21の他部に比べ薄く形成されており、下端保持部32には、歯列34が形成されている。
【0032】
入れ子33は、板状リーフ21の、中心線Cから離間する側が凸状に、中心線C側が凹状に形成されており、隣り合う入れ子33が中心線C方向(Y方向)に互いに係合可能であるとともに、板状リーフの移動方向には摺動可能に形成されている。即ち、入れ子33は、扇形の凹凸状に形成されている。なお、例えば、中心線Cを挟んで均一に板状リーフ21が形成されている際には、中心線Cを挟んで対向する板状リーフ21の対向する入れ子33(中心線C上に位置する入れ子33)は、一方が凹状で他方が凸状、即ち、中心線Cを挟んで対向する板状リーフ21のどちらか一方の入れ子33は、2つの凸状が形成されることとなる。なお、ここで、入れ子33の形状は、X方向の一方に凸状が、他方に凹状が形成されてもよい。また、奇数の板状リーフが設けられる構成の場合には、中心線C上に設けられた板状リーフの入れ子の両方を凸状又は凹状としてもよい。
【0033】
エアベアリング22は、上端保持部31をZ方向で保持可能に形成された上端エアベアリング35と、下端保持部32をZ方向及びY方向で保持可能に形成された下端エアベアリング36と、上端エアベアリング35及び下端エアベアリング36に圧縮空気を送るポンプ37と、を備えている。また、エアベアリング22は、リーフ群20aに2箇所設けられ、例えば歯車機構23を挟む位置であって、板状リーフ21が移動した際に、エアベアリング22が板状リーフ21から離脱しない位置に配置されている。なお、ポンプ37を用いて上端エアベアリング35及び下端エアベアリング36に圧縮空気を送ると説明したが、圧縮空気を上端エアベアリング35及び下端エアベアリング36に送れる構成であれば、コンプレッサ等を用いてもよい。
【0034】
上端エアベアリング35及び下端エアベアリング36は、ベース部38と、ベース部38上に一定の間隔を有して配置された壁部39と、壁部39の両側面(Z方向)に設けられた皿部40と、を備えている。上端エアベアリング35及び下端エアベアリング36は、ベース部38と壁部39とにより、その断面が歯型に形成されている。なお、板状リーフ21の上端保持部31は、上端エアベアリング35の壁部39間に配置され、ベース部38及び壁部39間に係合する。また、下端保持部32は、下端エアベアリング36の壁部39間に配置され、ベース部38及び壁部39間に係合する。このように、エアベアリング22は、壁部39により板状リーフ21の移動を、壁部39に沿った方向に規制可能に形成されている。なお、板状リーフ21とエアベアリング22との各係合部のクリアランスは、所定の間隔、例えば後述する所定の空気圧により板状リーフが保持可能な漏れ量となる間隔に形成されている。
【0035】
上端エアベアリング35は、ベース部38内部に設けられ、ベース部38の延設方向(Z方向)に例えば2本並列に形成された流通路41と、各流通路41から各壁部39内部へと通じる第1分流路42と、第1分流路42から皿部40へと貫通する吐出路43と、を備えている。これら流通路41、第1分流路42及び吐出路43により、上端エアベアリング35内に空気の流通路が形成されている。
【0036】
下端エアベアリング36は、ベース部38内部に設けられ、ベース部38の延設方向(Z方向)に例えば2本並列に形成された流通路41と、流通路41から壁部39内部へと通じる第1分流路42と、流通路41からベース部38の壁部39間に貫通する第2分流路44とを備えている。また、第1分流路42は、第1分流路42から皿部40へと貫通する吐出路43と、を備えている。ここで、下端エアベアリング36の空気の流路は、上端エアベアリング35の空気の流路に、さらに第2分流路44を有する構成となっている。
【0037】
ポンプ37は、例えば電力により駆動するモータ等の駆動部を有し、この駆動部によりポンプ37が駆動され、空気を1MPa程度に圧縮可能に形成されている。尚、ポンプ37は、空気を圧縮可能であればどのような形状、構成でもよい。また、ポンプ37の吐出側には、圧縮空気を上端エアベアリング35及び下端エアベアリング36に送付するための配管45が接続されており、この配管45は上端エアベアリング35及び下端エアベアリング36の流通路41に接続されている。
【0038】
歯車機構23は、駆動源47と、この駆動源47の駆動を伝達する駆動軸48と、駆動軸48にそれぞれ個別に駆動可能に接続され、各板状リーフ21に設けられた歯列34とそれぞれ噛合う歯車49と、を備えている。尚、このような歯車機構23は、例えば駆動源47に歯車49の回転数から板状リーフ21の位置検出が可能なセンサの機能を有している。なお、駆動源47がセンサの機能を有しているのではなく、駆動源47とは別体にセンサを有する構成でもよい。また、歯車機構23は、歯車49の回転方向を時計・反時計周りのいずれにも回転可能であって、任意の位置で、固定可能に形成されている。
【0039】
このように構成された放射線治療装置100は、まず、電源が供給されると、外部からの情報に基いて、被検体(患者)が乗積された治療台112の位置合わせを、駆動機構113のX方向モータと、Y方向モータが駆動することで行なわれる。なお、外部からの情報とは、例えば、患者の患部の情報であり、この情報に基いて、患部が放射線照射部125a(又は絞り装置1)の下(Y及びZ方向上)に位置するように、駆動機構113により治療台112が駆動される。
【0040】
次に、治療台112の位置合わせが終了したら、ポンプ37が駆動され、ポンプ37により空気が圧縮される。この圧縮された空気は、空気の流れFに示すように、ポンプ37から配管45を介して上端エアベアリング35及び下端エアベアリング36へと送られることとなる。
【0041】
図6に示すように、上端エアベアリング35に送られた圧縮空気は、空気の流れFに示すように、配管45から上端エアベアリング35の流通路41を流れることとなる。流通路41を流れる圧縮空気は、各第1分流路42にて分岐されるとともに、第1分流路42に連続して形成された吐出路43を介して皿部40から吐出されることとなる。上端エアベアリング35の皿部40(吐出路43)から吐出された圧縮空気は、板状リーフ21の上端保持部31を押圧することとなる。即ち、上端エアベアリング35の上端保持部31を挟んで対向する位置に、それぞれ皿部40が設けられているため、この皿部40から圧縮空気が吐出され、上端保持部31は、Z方向から圧縮空気により押圧されることとなる。このため、上端保持部31は、上端エアベアリング35の壁部39と壁部39との中間位置に一定の距離を開けて保持されることとなる。
【0042】
下端エアベアリング36に送られた圧縮空気は、空気の流れFに示すように、配管45から下端エアベアリング36の流通路41を流れることとなる。流通路41を流れる圧縮空気は、各第1分流路42及び各第2分流路44で分岐される。これにより、圧縮空気は、第1分流路42に連続して形成された吐出路43を介して皿部40から吐出されるとともに、第2分流路44を介して壁部39間のベース部38から吐出されることとなる。
【0043】
下端エアベアリング36の皿部40(吐出路43)から吐出された圧縮空気は、板状リーフ21の下端保持部32を押圧し、ベース部38から吐出された圧縮空気は、下端保持部32の端面に衝突し、線源126に向ってY方向に下端保持部32を押圧することとなる。即ち、下端エアベアリング36の下端保持部32を挟んで対向する皿部40、及び、ベース部38から圧縮空気が吐出され、下端保持部32は、Z方向から圧縮空気により押圧されるとともに、Y方向に圧縮空気で押圧されることとなる。このため、下端保持部32は、下端エアベアリング36の壁部39と壁部39との中間位置に位置するとともに、ベース部38から一定の距離を開けて保持されることとなる。
【0044】
エアベアリング22により、板状リーフ21が上端エアベアリング35及び下端エアベアリング36から所定の距離離間することで、板状リーフ21は、エアベアリング22に摺動(干渉)せずに可動(移動)可能となる。これにより、板状リーフ21は、移動によるエアベアリング22との摩擦が発生しない、即ち、エアベアリング22に対して板状リーフ21がフリーの状態で移動可能となる。
【0045】
このように、板状リーフ21が圧縮空気の空気圧によりエアベアリング22から離間したら、板状リーフ21は、歯車機構23により所定位置に移動されることとなる。板状リーフ21の移動は、放射線の照射範囲(照射野)により、一対のマルチリーフコリメータ20の間隔及び、各板状リーフ21を各所定の位置に移動させることで、図4に示すように、照射範囲の形状に形成される。即ち、照射範囲の形状となるように、歯車機構23の歯車49は、歯列34を歯車49により移動させることで、板状リーフ21をそれぞれX方向の所定の位置に移動させる。また、一対の絞りブロック10も移動手段によりZ方向へ移動させることで、放射線が絞りブロック10を通過させる所定の幅に離間させる。絞りブロック10、マルチリーフコリメータ20及び各板状リーフ21は、各所定の位置に配置されたら、移動手段及び歯車機構23により固定される。
【0046】
このように、絞りブロック10及びマルチリーフコリメータ20により、放射線の照射範囲を決定(形成)後、線源126に電源が供給され、電子加速器や対電子線ターゲット等によりX線が放射され、照射範囲(患部)に照射されることとなる。
【0047】
照射された放射線は、図2,3のRに示すように、一対の絞りブロック10間を通過し、これら絞りブロック10間を通過した放射線が、放射しながら一対のマルチリーフコリメータ20へと照射される。同様に、一対のマルチリーフコリメータ20に照射された放射線は、板状リーフ21間に形成された照射範囲を介して患者に照射されることとなる。このとき、板状リーフ21間以外、即ち、マルチリーフコリメータ20上に照射された放射線はその殆どが、板状リーフ21上に衝突するが、板状リーフ21はその材質により、放射線を透過しないため、放射線を塞き止めることとなる。また、隣り合う板状リーフ21間の隙間に侵入した放射線は、入れ子33により同様に塞き止められる。このため、放射線は、板状リーフ21間により形成された照射範囲のみ、照射されることとなる。
【0048】
次に、患部に照射されてない部位がある場合には、絞り装置1及び放射線照射装置120が外部情報に基いて制御され、マルチリーフコリメータ20の照射範囲及び照射ヘッド125の位置が移動することとなる。即ち、寝台装置110の駆動機構113、放射線照射装置120の回転軸122、回転駆動機構124、照射ヘッド125の放射線照射部125aと絞り装置1により、X線の照射範囲が制御されることとなる。
【0049】
このような構成の絞り装置1によれば、板状リーフ21は、Y方向及びZ方向に、エアベアリング22により保持されることとなる。即ち、板状リーフ21のZ方向の保持位置は、上端エアベアリング35及び下端エアベアリング36の壁部39間の中間位置に位置することとなる。また、板状リーフ21のY方向の位置は、下端エアベアリング36の壁部39と壁部39との間のベース部38から離間することとなる。即ち、板状リーフ21は、ベース部38から圧縮空気により所定の圧力で押圧されるため、各板状リーフ21は略同一の圧力で、ベース部38から略同一の間隔を有して離間する。このため、各板状リーフ21の位置は所定位置に保持される。
【0050】
このように、各板状リーフ21が所定位置に保持されることで、板状リーフ21の位置精度が向上し、これに伴い、形成した照射範囲の精度を向上させることが可能となる。例えば、各板状リーフを板状リーフの中央側でボールベアリングにより保持すると、各部における寸法精度の和分だけ、各板状リーフの自重により、中央に位置する板状リーフが重力方向(Y方向)に突出する。このため、各板状リーフにより形成されるマルチリーフコリメータをX方向から見た場合、各板状リーフの集合する端面形状は扇形(端部がアーチ状に撓むこと)となる。板状リーフ21の組み合わせが扇形となることで、所定の照射範囲を形成した際に、照射範囲にズレが発生するとともに、放射線の侵入位置もずれるため、照射範囲の精度が悪くなる。
【0051】
このため、本発明のエアベアリング22を用いることで、圧縮空気による押圧により板状リーフ21をエアベアリング22から一定距離だけ離間させるため、板状リーフ21の自重によりY方向に移動することがない。このため、各板状リーフ21が所定の位置に保持されるため、照射範囲の精度を向上させることが可能となる。また、ボールベアリング等と異なり、摺動による各製品の磨耗等も低減させることが可能となり、メンテナンス製及び製品寿命も向上する。さらに、エアベアリング22と板状リーフ21との間には、隙間が発生するため、摩擦が低減され、板状リーフ21を可動させる歯車機構23の出力も小さくて良い。これにより、絞り装置1の小型化となる。
【0052】
なお、板状リーフ21と、上端エアベアリング35及び下端エアベアリング36とは、壁部39間及びベース部38と離間して保持されるため、板状リーフ21と、上端エアベアリング35及び下端エアベアリング36との極力摩擦を減少させることが可能となる。この摩擦は、スティックスリップ(Stick Slip)現象の原因となるため、スティックスリップ現象の防止が可能となる。なお、スティックスリップ現象とは、摩擦による減衰が負であることに原因する自励振動の一種で、物体と物体とがすべり運動をするときに滑ったり止まったりする現象である。このようなスティックスリップ現象は、主として摩擦係数がすべり速度の増加とともに減少するときや、静摩擦から動摩擦に移る差異の不連続的な摩擦低下を含むときに発生することが多い。
【0053】
即ち、従来の板状リーフをローラやベアリング等で保持する方法を用いた際に、板状リーフを移動させるとき発生する虞が高い。このような板状リーフの移動、例えば、板状リーフ位置決め動作時にスティックスリップ現象が発生すると、位置決めのためにリーフを移動させても、所定の位置まで移動しない虞がある。このため、板状リーフの位置決め精度が悪くなる原因となる。
【0054】
しかし、本願のように、極力摩擦を抵抗させることが可能な板状リーフ21とすることで、スティックスリップ現象を防止し、板状リーフ21の位置決め精度を向上させることが可能となる。
【0055】
また、板状リーフ21間には、ボールベアリング等の他構成品が必要ないため、板状リーフ21の厚みは、入れ子33が設けられる厚みで良い。このため、板状リーフ21の厚みを低減させることが可能となり、板状リーフ21の小型化となり、絞り装置1の小型化にもなる。また、板状リーフ21の薄肉化となることで、板状リーフ21による照射範囲の選択幅がより詳細化が可能となり、照射範囲の精度の向上にもなる。
【0056】
即ち、照射範囲を分解した場合、その分解幅は、板状リーフ21の厚み及び一対のマルチリーフコリメータ20間の距離により決定される。マルチリーフコリメータ20間の距離は、マルチリーフコリメータ20位置により決定されるため、移動距離によって微小位置まで調整可能となる。しかし、板状リーフ21の厚みは決まっており、板状リーフ21の厚み方向(Z方向)の最小調整範囲(最小照射範囲)は、板状リーフ21の厚みとなる。このため、板状リーフ21が薄肉化となることで、照射範囲の分解幅、即ち照射範囲の変化幅が小さくなることで、照射範囲を細分化させることが可能となり、より高精度の照射が可能となる。さらに、板状リーフ21の薄肉化、及び、絞り装置1の小型化により、絞り装置1の重量を低減させることも可能となる。
【0057】
上述したように、本実施の形態に係る放射線治療装置100によれば、板状リーフ21の寸法及び位置精度を向上させ、さらに摩擦を低減させることにより、ステップスリック現象を防止し、位置決め精度をも向上させることが可能となる。これにより、マルチリーフコリメータ20により形成される放射線の照射範囲の精度も向上することが可能となる。また、照射範囲をより詳細に形成することが可能となり、放射線を高精度に照射することが可能となる。さらに、絞り装置1の小型化及びメンテナンス性の向上となり、製造コスト及び維持コストの低減とすることが可能となる。
【0058】
なお、上述した発明の形態以外の変形例について説明する。例えば、上述した例では、放射線照射装置120は、支持体121の略中心に設けられた回転軸122に架台123を接続し、この架台123に照射ヘッド125を設ける構成としたが、これは、図7に示すように、一般的なX線コンピュータ断層撮影装置と、同様の構成の放射線治療装置100Aとしてもよい。このような放射線治療装置100Aは、ガントリ150が設けられ、回転中心RAを中心として回転自在に保持された回転リング151を有する。この回転リング151内に線源126と絞り装置1とが設けられており、回転リング151の中心の開口部152に患者が乗せられた治療台112が位置することで、治療が行なわれるものである。また、このような回転リング151内に、X線検出器を設け、X線コンピュータ断層撮影機能を備えた治療装置としても良い。
【0059】
また、上述した例では、放射線治療装置100は、寝台装置110と、放射線照射装置120と、を備える構成としたが、寝台装置110を挟んで放射線照射装置120と対向する位置に、X線コンピュータ断層撮影装置を設けてもよい。このように、放射線治療装置100にX線コンピュータ断層撮影装置を設けることで、患者の照射領域(腫瘍部)を撮影後、その撮影結果に基いて、放射線照射装置120でX線を照射することが可能となり、患者の移動等が必要ない。患者の移動が少なくなることで、X線照射範囲の位置合わせも少なくすることが可能となるため、照射位置精度を向上させ、不要な部分へのX線の照射を防止することが可能となる。
【0060】
さらに、上述した例では、放射線照射装置120は、架台123の一端に照射ヘッド125を1つ設ける構成としたが、架台123の一端が二股に分かれるY字形状にし、照射ヘッド125を2つ設ける構成としてもよい。このとき、照射ヘッド125から照射されるX線の照射量を、2つの照射ヘッドからのX線をあわせた際に所定のX線照射量となるように設定することで、患者への被爆を最小限に抑えることが可能となる。また、マルチリーフコリメータ20にエアベアリング22を用いることで、それぞれの照射ヘッドからのX線の照射範囲の精度が向上するため、2つの照射ヘッド125を用いても、照射範囲の精度を向上し、患者の負担を低減することが可能となる。
【0061】
また、例えば、上述した例では、エアベアリング22の上端エアベアリング35及び下端エアベアリング36の圧縮空気の空気圧は同一としたが、上端エアベアリング35及び下端エアベアリング36の空気圧を異ならせても良い。特に、下端エアベアリング36は、板状リーフ21をY方向に押圧するため、下端エアベアリング36の空気圧を上端エアベアリング35よりも高圧とすることで、より確実に板状リーフ21が保持可能となる。
【0062】
さらに、上端エアベアリング35及び下端エアベアリング36内の空気の流路(流通路41、第1分流路42、第2分流路44及び吐出路43)はそれぞれ2つ有する構成としたが、これは、圧縮空気の空気圧により適宜設定可能である。
【0063】
この他にも、皿部40の形状は、空気圧による受圧面積が得られれば、丸型でも方形でもどちらでもよく、その形状、大きさは適宜設定可能である。
【0064】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施の形態に係る放射線治療装置を示す説明図。
【図2】同放射線治療装置に用いられる照射ヘッド内部の構成を示す説明図。
【図3】同照射ヘッド内に設けられた絞り装置の構成を示す説明図。
【図4】同絞り装置に用いられる板状リーフを示す説明図。
【図5】同絞り装置に用いられる板状リーフ及びエアベアリングの一部を示す説明図。
【図6】同板状リーフ及びエアベアリングの構成を示す説明図。
【図7】本発明の変形例に係る放射線治療装置を示す説明図。
【符号の説明】
【0066】
1…絞り装置、10…絞りブロック、20…マルチリーフコリメータ、21…板状リーフ、22…エアベアリング、23…歯車機構、24…案内部、31…上端保持部、32…下端保持部、33…入れ子、34…歯列、35…上端エアベアリング、36…下端エアベアリング、37…ポンプ、38…ベース部、39…壁部、40…皿部、41…流通路、42…分流路、43…吐出路、44…分流路、45…配管、47…駆動源、48…駆動軸、49…歯車、100…集中照射型放射線治療装置(放射線治療装置)、110…寝台装置、111…スタンド、112…治療台、113…駆動機構、120…放射線照射装置、121…支持体、122…回転軸、123…架台、124…回転駆動機構、125…照射ヘッド、125a…放射線照射部、126…放射線源(線源)、S…線源、C…中心線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線の照射野を規定する絞り装置において、
扇形の主面、矩形状の側面、及び、内周側と外周側の曲面を有する板状のリーフが前記主面を互いに対向させて複数並設されたリーフ群と、
前記複数のリーフの前記主面及び前記曲面の一部を覆い、前記リーフの並設方向及び前記曲面の径方向の移動を規制するとともに、前記複数のリーフの前記主面及び/又は前記曲面に圧縮空気を吹き付けることで、前記リーフを離間させ、且つ、支持可能なエアベアリングと、
前記複数のリーフを前記リーフの扇状の主面の周方向に沿って個々に進退及び固定可能に形成された移動機構と、を備え、
前記リーフ群は前記リーフの側面が互いに対向する位置に一対に配置されることを特徴とする絞り装置。
【請求項2】
前記エアベアリングは、前記複数のリーフの側面方向に沿った断面形状が、互いに隣り合う壁部を有する歯型状に形成され、前記エアベアリングの前記壁部間に前記リーフの前記曲面側の端部が配置されることを特徴とする請求項1に記載の絞り装置。
【請求項3】
前記リーフは、前記リーフの前記曲面側の端部に、前記リーフの相対する主面間より板厚の薄い保持部をさらに備え、
前記エアベアリングは、前記壁部を互いに隣り合う前記保持部間に挿入し、前記圧縮空気を前記保持部に吹き付け、前記圧縮空気を吹き付けないときは、前記保持部又は前記リーフの端面が前記エアベアリングに当接し、且つ、前記移動手段により前記リーフが固定されることで前記リーフの移動を規制することを特徴とする請求項1に記載の絞り装置。
【請求項4】
前記エアベアリングは、前記リーフの進退方向の少なくとも2点に配置されることを特徴とする請求項1に記載の絞り装置。
【請求項5】
被検体を積載させる治療台と、
治療用の放射線を発生させる放射線源と、
この放射線源と前記治療台との間に設けられ、この放射線源から発生した前記放射線を前記被検体に照射するとともに、前記放射線の照射範囲を絞る絞り装置と、
前記放射線源と前記絞り装置とを収納し、前記治療台の周囲を回動又は移動可能に形成されたケース部と、を備え、
前記絞り装置は、扇形の主面、矩形状の側面、及び、内周側と外周側との曲面を有する板状のリーフが前記主面を互いに対向させて複数並設されたリーフ群と、前記複数のリーフの前記主面及び前記曲面の一部を覆い、前記リーフの並設方向及び前記曲面の径方向の移動を規制するとともに、前記複数のリーフの前記主面及び/又は前記曲面に圧縮空気を吹き付けることで、前記リーフを離間させ、且つ、支持可能なエアベアリングと、前記複数のリーフを前記リーフの扇状の主面の周方向に沿って個々に進退及び固定可能に形成された移動機構と、を具備し、前記リーフ群が前記リーフの側面が互いに対向する位置に一対に配置されることを特徴とする放射線治療装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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