説明

給水ボトルの交換容易なウォーターサーバー

【課題】給水ボトルの交換作業が容易な構造を採用したウォーターサーバーを提供する。
【解決手段】給水ボトル10の交換作業において、使用済みの給水ボトル10を前方に引き出す引出動作に同調し給水接続具が下降し、空の給水ボトル10が取り出し可能になり、充填済み給水ボトル10を給水ボトル支持部110に載置し、ウォーターサーバー100にスライド格納動作に同調し給水接続具が上昇し、自動接続可能とされる構造を採用し、給水ボトル交換を容易にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交換可能な構造を持つ給水ボトルを装着することにより水を供給し、利用者の操作により水または湯として簡単に取り出すことができるウォーターサーバーに関する。本発明の用途としては、業務用の給水に限らず一般家庭や会社等に設置される一般用の給水も含まれる。また、本発明のウォーターサーバーが供給できるものは液体であれば何でも適用でき、飲料水のほか、お湯、各種ドリンク類、コーヒー、紅茶、お茶、スープ・出汁類などであっても良い。
【背景技術】
【0002】
一般に、交換可能な構造を持つ給水ボトルを装着することにより水を供給し、利用者の操作により水または湯として簡単に取り出すことができるウォーターサーバーが好評を得て広く普及している。
従来から広く普及しているウォーターサーバーの構造は、給水ボトルを装置本体の最上部に配設し、この給水ボトル内の水を自然落下させて各系に導水するようになっていた。
【0003】
例えば、特開2010−63799号公報に開示されたウォーターサーバーの構成は、図11に示すように、液体を貯蔵する給水ボトル22を上部に取り付け可能な液体供給ユニット20と、原料を貯蔵する原料貯蔵部50と、前記液体供給ユニットから供給された液体と該原料貯蔵部から供給された原料とを混合する混合部80とを有する飲料調製ユニット30とを備えたものとなっている。
このように、特開2010−63799号公報に開示されたウォーターサーバーでは、給水ボトル22が上部に取り付けられているため、給水ボトル22内の飲料水を飲料調製ユニット30に供給する際、液体の自重を利用することができるものとなっている。
【0004】
しかしながら、上記した従来型のウォーターサーバーでは、平常使用時は水の流れが重力を用いたものであり装置内での消費電力などが小さくなるというメリットが得られるものの、給水ボトルの交換時にはかえって大変な労力を必要としていた。つまり、給水ボトルが装置本体の最上部に設けられているため、給水ボトルの交換時には装置本体の最上部から給水ボトルを取り外し、新しい給水ボトルを再び装置本体の最上部にセットするという給水ボトルの上げ下げ作業が必要になっていた。水が充填された水タンクは重く、装置本体の最上部まで持ち上げてセットするという作業には強い力が必要となり、力の弱い女性や子供、腰を痛めているお年寄り等にとっては負担が大きすぎるという問題があった。また、給水ボトルが装置本体の最上部に配設されているため、装置本体の重心が上方にあるため不安定であり装置の安全性にも問題があった。
【0005】
上記した従来型のウォーターサーバーの問題点を改善するため、給水ボトルを下方に置く工夫を行っているものがある。
特開2001−153523号公報に開示されたウォーターサーバーは、給水ボトルを下方に置く工夫を行っている。特開2001−153523号公報には、図12に示すように、給水ボトル5(図中の付番)が装置本体の底部に着脱可能に配設され、この給水ボトル5から給水系にポンプにより送水する送水管62(図中の付番)が形成されている構成が開示されている。このように給水ボトル5を下方に置く工夫を行うことにより、給水ボトル5の交換時には装置本体の下部から給水ボトル5を取り外し、新しい給水ボトル5を再び装置本体の下部にセットすれば良く、特開2010−63799号公報に開示されたウォーターサーバーのように給水ボトルの上げ下げ作業は不要となる。また、装置本体の重心を下方に下げることで安定性を向上させ、地震時においても倒れ難いウォーターサーバーとなっている。
【0006】
【特許文献1】特開2010−63799号公報
【特許文献2】特開2001−153523号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記したように、ウォーターサーバーにおいて給水ボトルを下方に置く工夫を行うことにより、給水ボトル5の交換時においても給水ボトルの上げ下げ作業は不要となり、また、装置本体の重心を下方に下げることができるため装置全体の安定性を向上させるというメリットが得られる。
【0008】
しかし、特開2001−153523号公報に開示されたウォーターサーバーには以下に示す問題がある。
【0009】
まず、衛生面の問題である。特開2001−153523号公報に開示されたウォーターサーバーでは、給水ボトルを装置の下方部分に静置するのみ、つまり、給水ボトルの開口部を上にして静置されるものであり、ポンプにより送水する送水管を開口部から突っ込んでいるものとなっている。給水ボトルの開口部を上にして静置する場合、水を最後までポンプでくみ出すためには、送水管を長くして給水ボトルの上面から下面まで通し入れる必要があった。そのため、金属などの送水管が給水ボトル内の水中に深く入り込むこととなり、送水管が十分にメンテナンスされない限り、衛生面で問題がある。
【0010】
一方、特開2010−63799号公報に開示された従来型ウォーターサーバーのように、装置本体の最上部に給水ボトルを倒置状態にて支持するタイプであれば、倒置した給水ボトルの開口部に直接接続する給水接続具により適量が汲みだされるために、給水ボトル内の水中に治具などが深く入り込まず衛生面において優れている。
【0011】
しかし、単に、特開2001−153523号公報に開示された給水ボトルを装置の下方部分に配設するウォーターサーバーの構成において、特開2010−63799号公報に開示された給水ボトルを倒置状態にて支持する構成を組み合わせた構成を想定したとしても、そのようなウォーターサーバーの構成では、給水ボトルの交換作業が極めて難しくなるという問題がある。つまり、給水ボトルを装置下方に設置し、かつ、給水ボトルを倒置姿勢として給水接続具と接続させてセットすることは構造上難しいという問題である。
【0012】
つまり、給水ボトルを装置の下方部分に配設するタイプであれば、給水ボトルの交換作業時に給水ボトルを大きく持ち上げる必要がなく、給水ボトルの上げ下げという観点からは楽ではあるが、給水ボトルを倒置姿勢とすると給水ボトルの開口部が最下点に位置することとなり、かつ、給水ボトル自体が視界を遮ってしまうため、給水ボトルの開口部と給水接続具との接続を目視しながら行うことができない。また、給水ボトルの配設場所が装置内部下方であれば、装置の筐体自体が視界を遮ってしまう上に、装置の奥の方には手を入れにくいため、作業性を阻害するという問題が生じてしまう。
【0013】
特開2001−153523号公報には、給水ボトルの下に荷台を設置して給水ボトルを引き出すという工夫が開示されているが、給水ボトルを倒置姿勢で給水接続具に接続するタイプでは給水接続具は装置内部の給水系に接続されているために簡単には大きく引き出すことができない。荷台によってわずかに給水ボトルを引き出す程度では、倒置姿勢にある給水ボトルの接続箇所は奥に隠れたままであり給水ボトルの交換作業効率が阻害された状態であることには変わりがない。
【0014】
上記問題に鑑み、本発明は、給水ボトルを装置下方部分に配設することにより給水ボトルの上げ下げ作業を不要とするメリットと、給水ボトルを倒置姿勢にて給水接続具に直接接続することにより衛生面でのメリットを得つつ、さらに、給水ボトルの交換作業が極めて容易な構造を採用することにより、給水ボトルの交換作業効率を向上させたウォーターサーバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本発明のウォーターサーバーは、交換自在に指示された給水ボトルから飲料水を取り出して貯蔵し、利用者の操作により前記飲料水を供給するウォーターサーバーにおいて、前記給水ボトルを倒置状態にて支持する給水ボトル支持部と、前記給水ボトルの筒口を介して前記給水ボトル内と導通して前記飲料水を取り出す給水接続具を支持する給水接続具支持部と、前記給水ボトル支持部に支持された前記給水ボトルの筒口と前記給水接続具支持部に支持された前記給水接続具との相対距離を制御して両者の脱着を制御する給水接続具脱着機構を備え、スライド移動により前記給水ボトルを前方に引き出すスライド引き出し動作および後方に押し戻すスライド押し戻し動作と、前記給水接続具脱着機構による前記給水ボトル支持部と前記給水接続具支持部との脱着制御とを連動させ、前記引き出し動作および前記押し戻し動作に連動した前記給水接続具の前記給水ボトルの筒口への取り付け・取り外しを可能としたウォーターサーバーである。
【0016】
上記構成において、前記給水接続具脱着機構が、前記給水ボトル支持部と前記給水接続具支持部を含むユニットを前後へスライド移動させるユニットスライド機構と、前記給水ボトルと前記給水接続具が正対し合ったまま接近・離隔するように両者を相対移動させる脱着スライド機構を備え、前記ユニットスライド機構によるスライド移動と前記脱着スライド機構による前記給水接続具と前記給水ボトルの脱着とを連動させ、前記給水ボトルの前後へのスライド移動に併せて前記給水接続具の前記給水ボトルの筒口への取り付け・取り外しを可能とするものがある。
【0017】
上記構成において、脱着スライド機構が、前記給水接続具または前記給水接続具支持部に設けた第1の連結形状と、前記第1の連結形状に対向する装置筐体側に設けた第2の連結形状との連結構造を備え、前記ユニットスライド機構により与えられる前記第1の連結形状または前記第2の連結形状の前後のスライド移動の軌跡において垂直成分の移動が強制的に生じるものとなっており、前記ユニットスライド機構による前後スライド移動に伴って前記給水接続具と前記給水ボトル筒口との相対移動が生じる構造とすることが好ましい。
【0018】
ここで、給水ボトルと給水接続具との脱着は、給水ボトル側を動かす構成もあれば給水接続具側を動かす構成もある。
給水接続具側を動かす場合の脱着スライド機構の構成例としては、前記第1の連結形状が突起体であり、前記第2の連結形状が溝状のガイドとした構造がある。前記第2の連結形状の溝状のガイドの一部が斜めに設けるという工夫を行うことにより、前記スライド移動において前記垂直成分の移動が強制的に生じるものとすることができる。
【0019】
上記構成の場合、前記給水接続具支持部が、前記給水接続具の水平成分の移動を制限しつつ垂直成分の移動を可能とした前記給水接続具の移動空間と、前記第2の連結形状の前記溝状のガイドと連結した状態で前記突起体の垂直成分の移動を可能とした前記突起体の移動空間とが確保されたものとすれば給水接続具の上下動が可能となる。
【0020】
給水ボトル側を動かす場合の脱着スライド機構の構成例としては、上記とは逆の関係とし、前記第2の連結形状が突起体であり、前記第1の連結形状が溝状のガイドとした構造がある。前記第1の連結形状の溝状のガイドの一部が斜めに設けられていることにより前記スライド移動において前記垂直成分の移動が強制的に生じるものとすることができる。
【0021】
次に、給水ボトルを給水接続具支持部から引き抜く動作において、確実に引き抜くためには給水ボトルが給水ボトル支持部に対してしっかりと固定されていることが好ましい。そこで、前記給水ボトルの筒口が鍔を備え、前記給水ボトル支持部が前記給水ボトルの筒口の前記鍔と嵌合し合い、前記給水ボトルが前記鍔に対する垂直成分の移動を制止する嵌合形状を備えたものとする。前記給水ボトルを前方に引き出す引出動作において、前記給水接続具脱着機構によって制御される前記給水ボトル支持部と前記給水接続具支持部との相対距離が、前記給水ボトルと前記給水接続具が接合状態の距離である間、前記給水ボトル支持部の前記嵌合形状と前記給水ボトルの筒口の前記鍔が嵌合された状態となる。
【0022】
例えば、前記嵌合形状が、前記ユニット回転機構の前記回転運動の前記起端から前記終端方向に向かって前記給水ボトルの前記筒口の外径より大きくかつ前記鍔の径より小さい幅で開放された形状であることが好ましい。
上記形状であれば、前記開放方向に沿って前記給水ボトルの前記筒口が前記嵌合形状に対して移動することにより前記鍔と水平成分の運動を可能とし、前記鍔と垂直成分の運動は前記鍔と前記嵌合形状の嵌合により制止されるものとなる。
【0023】
本発明のウォーターサーバーにおいて、上記の給水ボトル交換機構を装置全体において以下のように組み込むことが好ましい。
【0024】
まず、給水ボトル交換機構の前記給水ボトル支持部および前記給水接続具支持部は、前記ウォーターサーバーの筐体の中の下方付近に配置されており、前記給水ボトルの装着位置が前記ウォーターサーバーの筐体の中の下方付近となるように配設する。
【0025】
次に、本発明のウォーターサーバーの交換作業は、ウォーターサーバーの筐体の開閉扉を開け、前記基本状態にある前記給水ボトルを前記交換状態となるよう、前記給水ボトル支持部および前記給水接続具支持部を操作して前記給水ボトルの筒口からの前記給水接続具の取り外し作業を完了し、前記給水ボトルを新しい前記給水ボトルに取り替えた後、前記給水ボトル支持部および前記給水接続具支持部を操作して前記給水ボトルの筒口に対する前記給水接続具の取り付け作業を完了し、前記基本状態に戻すというものとなり、極めて簡単に給水ボトルの交換作業が完了できるものとなっている。
【0026】
前記ウォーターサーバーの筐体内の前記給水ボトルの基本状態は、前記給水ボトルが前記給水ボトル支持部上に略鉛直方向に倒立し、前記給水ボトルの筒口に対して前記給水接続具が取り付けされた状態にあり、前記給水ボトルの交換状態は、前記給水ボトルが前記給水ボトル支持部に倒置状態にて装置筐体から前方に引き出されて交換しやすい状態となるように配設する。
【発明の効果】
【0027】
本発明のウォーターサーバーによれば、給水ボトルを装置下方部分に配設することによる給水ボトルの上げ下げ作業を不要とするメリットと、給水ボトルを倒置姿勢にて給水接続具に直接接続することによる衛生面でのメリットが得られており、されに、本発明の給水ボトル交換機構により、給水ボトルの交換作業が極めて容易なものとなり給水ボトルの交換作業効率が極めて高いものとなっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明を実施するための最良の形態について実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例の構成に限定されるものではない。
以下、図面を参照しつつ、本発明のウォーターサーバーの実施例を説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
ここでは、ウォーターサーバーは、冷水と温水を選択して給水できるタイプのものとして説明する。
【実施例1】
【0029】
本発明の実施例1に係るウォーターサーバー100について説明する。
ここでは、給水ボトル交換機構全体がウォーターサーバーの筐体の中の下方付近に配置され、給水ボトルの装着位置がウォーターサーバーの筐体の中の下方付近となっている構成例を説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施例1に係るウォーターサーバー100の給水ボトル交換機構を中心とした構成例を模式的に示す図である。図1(A)はウォーターサーバー100の正面図、図1(B)はウォーターサーバー100の右側面図を示している。なお、図1(A)において、装置の中身の構成が分かりやすいように、正面の扉などの筐体190は詳しくは図示せずに装置内の構成を簡単に示している。また、図1(B)において、装置の中身の構成が分かりやすいように、筐体壁面は図示せずに壁面内側に存在する脱着スライド機構150を点線で示し、その他の装置内の構成を実線で簡単に示している。
【0031】
本発明のウォーターサーバー100は、給水ボトル交換に関連する構成として、給水ボトル支持部110、給水接続具120、給水接続具支持部130、ユニットスライド機構140、脱着スライド機構150を備えた構成となっている。後述するように、ユニットスライド機構140と脱着スライド機構150により第1の給水接続具脱着機構が構成されている。
【0032】
筐体190は簡略化して図示している。なお、給水ボトルは給水ボトル10として示している。また、ウォーターサーバー100には、温熱ユニット・注水ユニット101、給水系102などその他の構成要素があるが、ここでは簡単に示すか図示を省略するものとし、給水ボトル交換機構に関する構成要素を中心に説明をする。
【0033】
まず、給水ボトル10について説明する。図2は、給水ボトル10を取り出して示した図である。
【0034】
給水ボトル10は、飲料水などが貯蔵された大型のボトルであり、例えばプラスチック製のものなどで良い。筒口11があり、後述するように給水接続具120の接続管121がちょうど嵌り込む内径の小孔12を持っている。なお、小孔12の開口は栓13により蓋がされている。
【0035】
図2(B)は、この構成例において、給水ボトル10内部と導通する方法を説明する図である。後述するように、給水接続具120との接続の際、給水ボトル10を上から給水接続具120に接近させ、接続管121に対して筒口11の小孔12を挿入してゆくが、まず、図2(B)左図のように棒状の接続管121の先端部分が栓13に当接し、そのまま給水ボトル10が下方に移動すると接続管121が栓13を上方に押し上げ、ついには栓13の先端部分が給水ボトル10の内部にまで到達する。棒状の接続管121は中空であり、その先端部分には小孔122が開けられており、この小孔122を介して給水ボトル10の内部と接続管121が導通し、給水ボトル10内部の水を給水接続具120を介して外部に取り出すことができるようになる。
【0036】
逆に、給水ボトル10を上方へ引き抜けば、給水接続具120の接続管121が給水ボトル10の小孔12から引き抜かれることとなる。
【0037】
なお、図2(A)に示すように、給水ボトル10の筒口11の外壁面には鍔14が設けられている。この鍔14は給水ボトル支持部110の嵌合形状112と嵌合し合うものとなる。この鍔14と嵌合形状112との嵌合については後述する。
上記の給水ボトル10の構成例は一例であり、他の給水ボトルの構成であっても良い。
【0038】
次に、給水ボトル支持部110を説明する。給水ボトル支持部110は、給水ボトル10を支える部材であり、ここではプレート状のものとなっている。図3(A)に示す例では、給水ボトル支持部110には給水ボトル受部111の孔が開いており、給水ボトル10の筒口11が収まるようになっており、給水ボトル受部111に筒口11を立てて給水ボトル10全体が倒置状態で給水ボトル支持部110上に支えられるようになる。この例では、給水ボトル受部111の孔は筒口11の径に応じた円形のものとして設けられている。
【0039】
給水ボトル支持部110には嵌合部112が設けられており内部にピン113が仕込まれている。この内部に仕込まれているピン113は、図3(B)に示すように、ボタン押下やワイヤー操作などによりバネやアクチュエータ(図示せず)により繰り出される仕掛けとなっており、ピン113が給水ボトル10の鍔14と嵌合し合う構造となっている。このように嵌合部112によって固定されており、給水ボトル10は給水ボトル支持部110に単に載せ置かれている状態ではなく、両者をしっかりと一体的に接合させる働きを果たす。
【0040】
図3の例では、嵌合形状112は、2片のピンであり、2片の間隔は、給水ボトル10の筒口11の外径より大きくかつ鍔14の径より小さい幅となっている。つまり、図3(B)に示したように、給水ボトル10の筒口11がこの2片のピンで挟持され、給水ボトル10の垂直成分の移動は嵌合部112のピン113により制止されるものとなっている。つまり、図3の紙面と直交する垂直成分の移動は鍔14と給水ボトル支持部110の嵌合部112のピン113との嵌合により制止され、給水ボトル支持部110と給水ボトル10とが上下方向にしっかりと一体化したものとなる。
【0041】
このような嵌合には以下の効果がある。図2(B)に示したように、給水ボトル10の小孔12には給水接続具120の接続管121が挿入され、大きな摩擦力を持って接合するため、給水ボトル10を給水接続具120から引き抜く際には大きなテンションが発生する場合がある。後述するように、脱着スライド機構150により給水ボトル支持部110に固定された給水ボトル10が給水接続具支持部130に固定された給水接続具120から脱着するが、給水ボトル支持部110と給水ボトル10がしっかりと一体に移動するよう、給水ボトル10の給水ボトル支持部110に対する垂直成分の移動を制止する役割を果たす。つまり、嵌合部112のピン113と鍔14との嵌合により、給水ボトル10を給水接続具120から引き抜く際にかかるテンションに負けないように、給水ボトル支持部110と給水ボトル10とをしっかりと一体化するという効果が得られる。
【0042】
給水ボトル支持部の他の構成としては、以下の図4に示す給水ボトル支持部110aでも良い。
図4に示した給水ボトル支持部110aは給水ボトル10を支える部材であり、ここではプレート状のものとなっている。給水ボトル支持部110aには給水ボトル受部111aの孔が開いており、給水ボトル10の筒口11が収まるようになっており、この給水ボトル受部111aに筒口11を立てて給水ボトル10全体が倒置状態で給水ボトル支持部110上に支えられるようになる。この例では、給水ボトル受部111aの孔は横長に設けられ、後述する図4(B)に示すように、給水ボトル10の筒口11を給水ボトル受部111aに入れた後にスライドさせて鍔14を嵌合形状112a内に嵌合させることができるようになっている。
【0043】
給水ボトル支持部110aには嵌合形状112aが設けられており、給水ボトル10の鍔14と嵌合し合う工夫を行っている。給水ボトル支持部110aの受部111aに単に給水ボトル10が載せ置かれている状態ではなく、図4(B)に示すように、両者をしっかりと一体的に接合させる働きを果たす。
【0044】
図4(A)は嵌合形状112aの一例を示した図である。この構成例では、嵌合形状112aは、図4(A)に示したように、装置前方方向(図中左側)に馬蹄形に開放された形状を持っており、その馬蹄形の爪の間隔は、給水ボトル10の筒口11の外径より大きくかつ鍔14の径より小さい幅となっている。つまり、図4(B)に示したように、給水ボトル10の筒口11がこの馬蹄形の開放方向に沿って嵌合形状に対して出入りすることができ、図4(B)に示したように鍔14と水平成分の運動が可能となっているが、垂直成分の運動は鍔14と給水ボトル支持部110aの嵌合形状112aとの嵌合により制止されるものとなっている。つまり、図4の紙面上、嵌合形状112aが左側方向には馬蹄形に開放されており、給水ボトル10の筒口は水平移動が可能となっているが、図4の紙面と直交する垂直成分の運動は鍔14と給水ボトル支持部110aの嵌合形状112aの嵌合により制止され、給水ボトル支持部110aと給水ボトル10とが上下方向にはしっかりと一体化したものとなる。
【0045】
次に、給水接続具120を説明する。給水接続具120は、給水ボトル10の筒口11と接続され、給水ボトル10の内部と導通することにより、給水ボトル10内部の水を取り出す器具である。
図5(A)および図5(B)は給水接続具120の構成例を示す図である。図5(A)は斜視図、図5(B)は断面図となっている。この構成例では中央に中空の接続管121が立っており、その周囲を小カップ123が囲んだものとなっている。この接続管121が図2(B)に示したように、給水ボトル10の筒口11に対して挿入されることにより給水ボトル10と給水接続具120が接続される。接続管121の側面には小孔122が穿たれており、この小孔122が給水ボトル10の筒口11から給水ボトル10の内部に入り込むことで給水ボトル10の内部と給水接続具120が導通することとなる。また、給水接続具120にはパイプ管124が設けられており、接続管121を介して取り出した水を装置内の給水系につなぐ役割を果たしている。
【0046】
ここで、この構成例では、給水接続具120には突起体151が設けられている。この突起体151は脱着スライド機構150の第1の連結形状151であり、後述するように脱着スライド機構150の第2の連結形状として装置筐体190側に設けられている溝152と連結する構造部分である。
【0047】
次に、給水接続具支持部130を説明する。図5(c)に給水接続具支持部130の構成例を簡単に示しているが、内部の構造が分かるように一部の内部構造を点線で示している。
【0048】
給水接続具支持部130は給水接続具120を支持する部分であるが、図5(c)に示す構成例では、給水接続具支持部130には上面のプレートの下部に円筒型の部材131が設けられている。この円筒型の部材は中空となっており、給水接続具120の水平成分の移動を制限しつつ垂直成分の移動を可能とした給水接続具の移動空間として提供されている。また、図5(c)に示す構成例では、給水接続具支持部130の円筒型の部材131の側面には切れ込み132が設けられている。この切れ込み132は、突起体151の垂直成分の移動を可能とした突起体の移動空間として提供されている。
【0049】
図5(D)に示すように、この切れ込み132が設けられていることにより、後述するように、第1の連結形状である突起体151が対向する筐体190側に設けられた溝152と連結した状態で突起体151の垂直成分の移動が可能となる。
【0050】
なお、給水接続具支持部130の円筒型の部材131の底部には給水接続具120の移動を制限する係止部133が設けられている。係止部133は給水接続具120が落下しないように給水接続具120を保持する。
【0051】
次に、第1の給水接続具脱着機構について説明する。
第1の給水接続具脱着機構は、給水ボトル支持部110に支持された給水ボトル10の筒口11と給水接続具支持部130に支持された給水接続具120との相対距離を制御して両者の脱着を制御する機構であり、この構成例ではユニットスライド機構140と脱着スライド機構150を備えたものとなっている。このユニットスライド機構140と脱着スライド機構150をそれぞれ説明する。
【0052】
ユニットスライド機構140は、給水ボトル支持部110と給水接続具支持部130を含むユニットを前後へスライド移動させるものである。図6の構成例では、ユニットスライド機構140は簡単に示しており、筐体190は輪郭のみを示し、内部の給水ボトル支持部110と給水接続具支持部130を中心に示している。ユニットスライド機構140は底部にコマ141を備えたものとなっており、ユニットスライド機構140の筐体ごと引き出せる構造となっている。
【0053】
このユニットスライド機構140は、後述するように脱着スライド機構150と連動し、給水ボトル10の前後へのスライド移動に併せて給水接続具120の給水ボトル10の筒口11への取り付け・取り外しが可能となっている。
【0054】
脱着スライド機構150は、給水ボトル10と給水接続具120が正対し合ったまま接近・離隔するように両者を相対移動させる機構である。この構成例では、脱着スライド機構150は、給水接続具120に設けた第1の連結形状である突起体151と対向する装置筐体190側に設けた第2の連結形状である溝152の連結構造を備えたものとなっている。突起体151は溝152に沿って移動するものとなっている。
【0055】
ここで、図1および図6に示すように、装置筐体190側に設けた第2の連結形状である溝152において一部が斜めに設けられていることにより垂直成分の移動が強制的に生じるものとなっている。つまり、図6に示すように、ユニットスライド機構140により与えられる前後のスライド移動により突起体151が溝152に沿って移動する場合、その軌跡において垂直成分の移動が強制的に生じるものとなっており、給水接続具120と給水ボトル10の相対移動が生じるものとなっている。
【0056】
図6(a)の左図は基本姿勢であるが、右図はユニットスライド機構140により給水ボトル支持部110と給水接続具支持部130を含むユニットを前方へスライド移動させつつある様子を示す図である。給水接続具支持部130が前方へスライド移動すると、給水接続具120に取り付けられている突起体151が筐体190側に取り付けられている溝152内を滑って移動するが、溝152が垂直成分を持っているため、給水接続具120の移動軌跡も強制的に垂直成分を含むものとなり、給水接続具120が円筒型の部材131の移動空間内を下方に下がる。
【0057】
この構成例では、給水接続具120に対して給水ボトル10が正対し合ったまま接近・離隔するため、給水接続具120が円筒型の部材131の移動空間内を下方に下がるうち、給水ボトル10の筒口から給水接続具120の接続管121が抜け出るように設計されている。そのため、図6(B)のように突起体151が溝152の低い位置に至るまでに、給水ボトル10の筒口から給水接続具120の接続管121が抜け出る。つまり、ユニットスライド機構140によるスライド移動に伴って、脱着スライド機構150による給水接続具120と給水ボトル10の脱着が連動しており、給水ボトル10の交換のために給水ボトル10を前方へスライド移動させると給水接続具120の給水ボトル10の筒口11への取り付け・取り外しが同時に行われる構造となっている。
【0058】
次に、本発明のウォーターサーバー100を用いた給水ボトル10の交換作業の手順についてまとめておく。
図7から図9は、給水ボトル10の交換の流れを簡単に示した図である。図10は給水ボトル10の交換作業手順を簡単に示したフローチャートである。
【0059】
交換作業の第1のステップとして、まず、装置筐体190の前面に設けられている開閉扉を開けると(図10ステップS1)(図示せず)、利用者の膝のあたりに給水ボトル10が倒置状態にて前面に見える位置にて据え付けられている。
【0060】
図7右図は基本姿勢を示す図である。現在使用中の給水ボトル10がウォーターサーバー100内に倒置状態で設置され、その筒口11は給水ボトル支持部110の給水ボトル受部111に収まり、給水ボトル10全体が倒置状態で給水ボトル支持部110上に支えられている。給水ボトル10の鍔14は給水ボトル支持部110の嵌合形状112に嵌合されて固定されている。
【0061】
図7右図の基本姿勢の状態では、給水ボトル支持部110と給水接続具支持部130との相対的距離が最も近い状態となっており、給水ボトル10が給水接続具120に対して正常に装着された状態となっている。なお、満水の給水ボトル10の重量は大きく、自然と給水接続具120に対して正常に装着された状態で安定している。
【0062】
次に、図7右図から図7左図に示すように、利用者が、給水ボトル支持部110と給水接続具支持部130を含むユニットごと給水ボトル10を前方へスライド移動させる。ユニットスライド機構140があるのでスムーズに前方へスライド移動できる(図10ステップS2)。
【0063】
図7左図から図7右図は、給水ボトル10が給水接続具120から取り外される過程を示している。給水ボトル10を手前に引き出せば、脱着スライド機構150の働きにより、突起体151が溝152に沿って移動し、給水ボトル支持部110と給水接続具支持部130との相対的距離が離隔してゆき、給水ボトル10に対して給水接続具120が下方に沈んで離れて行き、給水ボトル10の筒口11が給水接続具120の接続管121から正常に取り外された姿勢の状態となる。
【0064】
給水ボトル10の鍔14が給水ボトル支持部110の嵌合形状112と嵌合しているため、給水ボトル10は給水ボトル支持部110に対してしっかりと固定されている。その一方、給水ボトル支持部110と給水接続具支持部130が離隔して給水ボトル10と給水接続具120との距離が離隔してゆくため、給水ボトル10の筒口11と給水接続具120の接続管121が離れて行く運動となる。接続管121が小孔12から抜け出れば、給水ボトル10が給水接続具120から抜け出た状態が得られることとなる(図10ステップS3)。
【0065】
つまり、図7左図に示すように、給水ボトル10の手前への引き出しが完了すると、自然と給水ボトル10が給水接続具120から抜け出た状態となり、給水ボトル10を交換するために取り出す際の姿勢となる。
【0066】
図8は、空になった使用済みの給水ボトル10を給水ボトル支持部110から取り外し、新しい満水の給水ボトル10を給水ボトル支持部110に取り付けて交換する手順を示した図である。
なお、給水ボトル支持部110と給水接続具支持部130を含むユニットごと前方へ引き出されているので、使用済みの給水ボトル10は前方に引き出されており取り出しやすくなっている。
【0067】
図8に示すように、まず、空になった使用済みの給水ボトル10を給水ボトル支持部110から取り外しの際には、嵌合形状112に対して嵌合している鍔14を外す必要がある。給水ボトル10の鍔14に嵌合している嵌合形状112を嵌合部111内に戻すようにボタン操作やワイヤー操作などを行い(図示せず)、鍔14から嵌合形状112を抜く(図10ステップS4)。嵌合を外せば、簡単に空の給水ボトル10を取り出すことができる。
【0068】
次に、満水状態の新しい給水ボトル10を給水ボトル支持部110に載せ置いて交換する(図10ステップS5)。利用者は給水ボトル10を単に載せ替えるのみで良く、なんら給水ボトル10と給水接続具120との接続作業については直接作業する必要はない。
交換後、新しい給水ボトル10の鍔14に対して嵌合形状112を嵌合させる(図10ステップS6)。
【0069】
次に、図9は、交換した給水ボトル10を給水ボトル支持部110に載せ置いたまま、交換した給水ボトル10を装置筐体190の内部に押し戻す様子を示している。図7に示した運動の逆の運動となる。
【0070】
図9左図から図9右図に示すように、交換した給水ボトル10を含むユニット全体を装置筐体190の内部に押し戻すことにより(図10ステップS7)、突起体151が溝152に沿って戻り、給水接続具120が給水ボトル10に対して相対的に上昇し、給水ボトル支持部110と給水接続具支持部130の距離が縮まってゆき、給水ボトル10の筒口11の小孔12が給水接続具120の接続管121に嵌り込んで正常に取り付けられた状態となる(図10ステップS8)。
【0071】
給水ボトル10の交換作業が完了すれば前面の扉を閉める(図10ステップS9)。
【0072】
以上が、給水ボトル交換機構の動作である。つまり、給水ボトル支持部110と給水接続具支持部130を含むユニットを前後へスライド移動させる動作に連動して、給水ボトル10の筒口に対して給水接続具120の取り付け、取り外しが可能となる。
【0073】
このように、ユニットスライド機構140と給水接続具脱着機構150によって、給水ボトル支持部110と給水接続具支持部130との相対距離の制御動作と連動させ、給水接続具120の給水ボトル10の筒口11への取り付け・取り外しが自動的に可能となる。
【0074】
以上、本発明のウォーターサーバーは、給水ボトルを装置下方部分に配設することにより給水ボトルの上げ下げ作業を不要とするメリットと、給水ボトルを倒置姿勢にて給水接続具に直接接続することにより衛生面でのメリットを得つつ、さらに、給水ボトルの交換作業が極めて容易であり、給水ボトルの交換作業効率が高いものとなっている。つまり、給水ボトルの交換作業において、使用済みの給水ボトルを前方に引き出す引出動作によって自動的に給水ボトルの筒口から給水接続具が正常に取り外れ、使用済みボトルの交換状態となり、交換した新しい給水ボトルを奥に押し戻す動作によって自動的に給水ボトルの筒口を給水接続具に対して正常に取り付けた状態となり、給水ボトルの交換作業が極めて楽に簡単となり、力の弱い女性や腰を痛めているお年寄りであっても楽に簡単に給水ボトルの交換作業が完了する。
【0075】
以上、本発明のウォーターサーバーの構成例における好ましい実施例を図示して説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。従って本発明の技術的範囲は添付された特許請求の範囲の記載によってのみ限定されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明のウォーターサーバーは、給水ボトルを取り替えて交換することにより水を供給することができるタイプのウォーターサーバーに対して広く適用することができる。本発明は、業務用の給水に限らず一般家庭や会社等に設置される一般用の給水用のウォーターサーバーにも適用され得る。また、本発明のウォーターサーバーが供給できるものは液体であれば何でも適用でき、飲料水のほか、お湯、各種ドリンク類、コーヒー、紅茶、お茶、スープ・出汁類などであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施例1に係るウォーターサーバー100の給水ボトル交換に関する構造を中心とした構成例を模式的に示す図である。
【図2】給水ボトル10を取り出して示した図である。
【図3】嵌合形状112の一例を示した図である。
【図4】給水接続具120および脱着スライド機構132の構成例を示す図である。
【図5】給水接続具脱着機構によって給水接続具120が脱着スライド機構132に沿って相対移動を行う様子を側面視において簡単に示す図である。
【図6】利用者が給水ボトル10を前方にスライドして手前に引き出すと給水接続具120を給水ボトル10の筒口11から取り外される様子を側面視において簡単に示す図である。
【図7】空になった使用済みの給水ボトル10を給水ボトル支持部110から取り外す手順を示した図である。
【図8】交換した給水ボトル10を装置筐体190の内部に押し戻すと給水接続具120を給水ボトル10の筒口11に取り付けられる様子を側面視において簡単に示す図である。
【図9】引き出しタイプのウォーターサーバー100における給水ボトル10の交換作業手順を示したフローチャートである。
【図10】従来の特開2010−63799号公報に開示された従来のウォーターサーバーの構成を示す図である。
【図11】従来の特開2001−153523号公報に開示された従来のウォーターサーバーの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0078】
10 給水ボトル
11 筒口
12 小孔
13 栓
14 鍔
100 ウォーターサーバー
110 給水ボトル支持部
111 給水ボトル受部
112 嵌合部
113 ピン
120 給水接続具
121 接続管
122 小孔
130 給水接続具支持部
131 円筒型の部材
132 切れ込み
133 係止部
140 ユニットスライド機構
141 コマ
150 脱着スライド機構
151 突起体
152 溝
190 筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換自在に指示された給水ボトルから飲料水を取り出して貯蔵し、利用者の操作により前記飲料水を供給するウォーターサーバーにおいて、
前記給水ボトルを倒置状態にて支持する給水ボトル支持部と、
前記給水ボトルの筒口を介して前記給水ボトル内と導通して前記飲料水を取り出す給水接続具を支持する給水接続具支持部と、
前記給水ボトル支持部に支持された前記給水ボトルの筒口と前記給水接続具支持部に支持された前記給水接続具との相対距離を制御して両者の脱着を制御する給水接続具脱着機構を備え、
スライド移動により前記給水ボトルを前方に引き出すスライド引き出し動作および後方に押し戻すスライド押し戻し動作と、前記給水接続具脱着機構による前記給水ボトル支持部と前記給水接続具支持部との脱着制御とを連動させ、前記引き出し動作および前記押し戻し動作に連動した前記給水接続具の前記給水ボトルの筒口への取り付け・取り外しを可能としたウォーターサーバー。
【請求項2】
前記給水接続具脱着機構が、前記給水ボトル支持部と前記給水接続具支持部を含むユニットを前後へスライド移動させるユニットスライド機構と、前記給水ボトルと前記給水接続具が正対し合ったまま接近・離隔するように両者を相対移動させる脱着スライド機構を備え、前記ユニットスライド機構によるスライド移動と前記脱着スライド機構による前記給水接続具と前記給水ボトルの脱着とを連動させ、前記給水ボトルの前後へのスライド移動に併せて前記給水接続具の前記給水ボトルの筒口への取り付け・取り外しを可能とした請求項1に記載のウォーターサーバー。
【請求項3】
前記脱着スライド機構が、前記給水接続具または前記給水接続具支持部に設けた第1の連結形状と前記第1の連結形状に対向する装置筐体側に設けた第2の連結形状との連結構造を備え、前記ユニットスライド機構により与えられる前記第1の連結形状または前記第2の連結形状の前後のスライド移動の軌跡において垂直成分の移動が強制的に生じるものとなっており、前記ユニットスライド機構による前後スライド移動に伴って前記給水接続具と前記給水ボトルの相対移動が生じることを特徴とする請求項2に記載のウォーターサーバー。
【請求項4】
前記第1の連結形状が突起体であり、前記第2の連結形状が溝状のガイドであり、前記第2の連結形状の溝状のガイドの一部が斜めに設けられていることにより前記スライド移動の軌跡において、前記給水接続具において垂直成分の移動が強制的に生じるものとなっている請求項3に記載のウォーターサーバー。
【請求項5】
前記給水接続具支持部が、前記給水接続具の水平成分の移動を制限しつつ垂直成分の移動を可能とした前記給水接続具の移動空間と、前記第2の連結形状の前記溝状のガイドと連結した状態で前記突起体の垂直成分の移動を可能とした前記突起体の移動空間とが確保されたものである請求項4に記載のウォーターサーバー。
【請求項6】
前記第2の連結形状が突起体であり、前記第1の連結形状が溝状のガイドであり、前記第1の連結形状の溝状のガイドの一部が斜めに設けられていることにより前記スライド移動の軌跡において、前記給水ボトルにおいて前記垂直成分の移動が強制的に生じるものとなっている請求項3に記載のウォーターサーバー。
【請求項7】
前記給水ボトルの筒口が鍔を備え、前記給水ボトル支持部が前記給水ボトルの筒口の前記鍔と嵌合し合う嵌合部材を備え、前記給水ボトルの筒口の鍔と前記給水ボトル支持部の嵌合部材が嵌合し合うことにより前記給水ボトルの垂直成分の移動が制止される状態となる請求項1乃至6のいずれかに記載のウォーターサーバー。
【請求項8】
前記給水ボトル支持部および前記給水接続具支持部が、前記ウォーターサーバーの筐体の中の下方付近に配置されており、前記給水ボトルの装着位置が前記ウォーターサーバーの筐体の中の下方付近となっている請求項1乃至7のいずれかに記載のウォーターサーバー。
【請求項9】
前記ウォーターサーバーの筐体内の前記給水ボトルの基本状態は、前記給水ボトルが前記給水ボトル支持部上に略鉛直方向に倒立し、前記給水ボトルの筒口に対して前記給水接続具が取り付けされた状態にあり、前記給水ボトルの交換状態は、前記給水ボトルが前記給水ボトル支持部に倒置状態にて装置筐体から前方に引き出されて交換しやすい状態となる請求項1乃至8のいずれかに記載のウォーターサーバー。
【請求項10】
前記ウォーターサーバーの筐体の開閉扉を開け、前記基本状態にある前記給水ボトルを前記引き出し動作により引き出すことにより前記給水ボトルの筒口からの前記給水接続具の取り外し作業が完了し、前記給水ボトルが交換状態となり、前記給水ボトルを新しい前記給水ボトルに取り替えた後、前記基本状態にある前記給水ボトルを前記押し戻し動作により前記装置内部に押し戻すことにより前記給水ボトルの筒口に対する前記給水接続具の取り付け作業が完了し、前記給水ボトルが前記基本状態に戻ることを特徴する請求項9に記載のウォーターサーバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−131568(P2012−131568A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88694(P2011−88694)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【分割の表示】特願2011−510751(P2011−510751)の分割
【原出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【特許番号】特許第4802299号(P4802299)
【特許公報発行日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(508016723)株式会社オーケンウォーター (1)
【Fターム(参考)】