説明

給湯システム

【課題】水位センサの検出水位の補正機能精度の向上を図った給湯システムを得る。
【解決手段】第1の湯はり制御手段51は、第1の湯はり処理後において、水位センサYからの検出水位に基づく検出基準水位を指示する検出基準水位情報S_baseを記憶部61に随時保存する。検出安定性判定手段53は、記憶部61より直近の所定数の検出基準水位情報S_baseを読み出し、直近の所定数の検出基準水位情報S_base間のばらつき度合が所定範囲内であるか否かに基づき、検出基準水位の安定性の有無を判定する。第1の湯はり制御手段51は、検出安定性判定手段53からの判定結果情報D53が安定性有りを指示し、かつ、設定基準水位S0と検出基準水位とが所定の基準を超えて離れているとき、直近の所定数の検出基準水位情報S_baseに基づき水位補正値を用いた補正処理を施して最新の検出基準水位を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、給湯システムに関し、特に浴槽内の水位制御に関する。
【背景技術】
【0002】
給湯システムは湯はりする時における浴槽内の水位を検出するための水位センサを有している。
【0003】
しかしながら、水位センサに通電することにより発熱すると、水位センサの特性が変わってしまう性質を一般的に有している。この性質を考慮して水位補正機能を備えた給湯システムとして例えば特許文献1に開示された給湯機がある。
【0004】
上記給湯機は、使用者が湯水を入れて入浴を行う浴槽と、浴槽内の水位を検出する水位検出手段(水位センサ)とを備え、水位検出手段に通電した時間に応じて、水位検出手段で検出される水位を補正することにより、通電時間によって水位検出手段の特性が変化しても、最適な水位制御を行うことができるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−91169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、水位センサは、通電することで発熱したことによる特性変化以外にも以下の特性を有している。例えば、水位センサ自体が経年変化したり、水位センサ周りの雰囲気温度、つまりはお湯はり温度、外気温などの温度変化などにより、水位センサによる検出水位が変化したりすることもある。
【0007】
このような場合、通電時間に基づく水位補正機能だけでは対応できず、水位センサの検出水位を精度良く補正することができず、目標の水位になるまで湯はりをした場合に、実際の水面の高さが目標水位と異なってしまうという不具合が生じてしまう。このように、水位センサの補正機能精度が劣っている場合、湯はり後の水面高さが不安定となり、給湯機の使用者に不快感を与える要因となるという問題点があった。
【0008】
この発明は上記問題点を解決するためになされたもので、水位センサの検出水位の補正機能精度の向上を図った給湯システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る請求項1記載の給湯システムは、浴槽(9)と、浴槽へ温水を供給する給湯部と、前記浴槽内の水位を検出して検出水位を得る水位検出手段(Y)と、前記給湯部を制御して設定基準水位に相当する注水量で前記浴槽内を湯はりする第1の湯はり処理を実行させ、該第1の湯はり処理後の前記検出水位に基づき検出基準水位を得て、該検出基準水位を所定の記憶部(61)に保存させる第1の湯はり制御手段(51)をさらに備え、前記記憶部は直近の所定数の検出基準水位を記憶可能であり、前記記憶部の記憶内容を読み出し、前記直近の所定数の検出基準水位間のばらつき度合が所定範囲内であるか否かに基づき、前記検出基準水位の安定性の有無を判定する検出安定性判定手段(53)と、備えた給湯システムにおいて、前記検出安定性判定手段により前記検出基準水位の安定性があると判定され、かつ、前記設定基準水位と前記検出基準水位との差が所定の基準を超える場合に、前記第1の湯はり制御手段は最新の前記検出基準水位の値を補正することを特徴としている。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1記載の給湯システムであって、前記第1の湯はり制御手段(51)による前記第1の湯はり処理後、さらに前記給湯部(2,3)を制御して前記設定基準水位よりも高い設定目標水位に達する注水量で湯はりする第2の湯はり処理を実行させる第2の湯はり制御手段(52)をさらに備え、前記第2の湯はり制御手段は、前記検出安定性判定手段(53)により前記検出基準水位の安定性がないと判定された場合に、前記第2の湯はり処理後の前記水位検出手段により検出された検出水位に基づき得られる検出目標水位と前記設定目標水位とのうち低い水位を新たな設定目標水位に改めている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の本願発明における第1の湯はり制御手段は、検出基準水位の安定性があると判定され、かつ、設定基準水位と検出基準水位との差が所定の基準を超える場合に、最新の検出基準水位の値を補正するため、残り湯の存在、人の入浴、くみ出し等の外乱があった場合は水位補正値を算出しないようにすることができる。
【0012】
請求項2記載の本願発明の第2の湯はり制御手段は検出基準水位の安定性がないと判定された場合に、検出目標水位と設定目標水位とのうち低い水位を新たな設定目標水位に改めている。
【0013】
このため、検出目標水位が実際の水位よりも比較的低い値で得られた場合でも、当初設定した設定目標水位に比較的近い水位で浴槽に湯はりを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態に係る給湯システムにおける貯湯式給湯装置1を示す構成図である。
【図2】本実施の形態の給湯システムにおける貯湯タンク部2の制御部分を模式的に示すブロック図である。
【図3】本実施の形態の給湯システムにおける湯はり制御内容を示すフローチャートである。
【図4】図3で示した水位補正値更新処理の処理内容を模式的に示す説明図である。
【図5】図3で示した真の目標水位決定ルーチンR2による効果を表形式で示す説明図である。
【図6】図2で示した第1の湯はり制御手段による効果を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1実施形態>
(全体構成)
図1は、実施の形態に係る給湯システムにおける貯湯式給湯装置1を示す構成図である。
【0016】
貯湯式給湯装置1は、ヒートポンプユニット3により沸き上げられた湯を貯湯タンク5に貯湯し、その貯湯した湯を、利用者の操作に応じて、浴槽9に出湯し、または浴槽9以外の給湯部(例えば蛇口またはシャワー)7から出湯するものである。
【0017】
貯湯タンク5は、例えば円筒状に形成されており、例えば350L(L:リットル)の容量を有している。貯湯タンク5の上部には、缶体上サーミスタ(水温検出手段)T1が配設されており、貯湯タンク5の側面には、複数の残湯量サーミスタ(水温検出手段)T2〜T6が、上下に沿って間隔を空けて配設されている。各サーミスタT1〜T6は、貯湯タンク5内の湯または水(以後、湯水と呼ぶ)の温度を測定するものである。
【0018】
各サーミスタT1〜T6はそれぞれ、貯湯タンク5の残湯量K(例えばK=ゼロL)、残湯量A(例えばA=50L),残湯量B(例えばB=100L),残湯量C(例えばC=190L),残湯量D(例えばD=240L),残湯量E(例えばE=300L)に対応する高さ位置に配設されている。なお、貯湯タンク5内は常に湯水で満たされており、湯は貯湯タンク5の上部側から順に貯湯される。
【0019】
貯湯タンク5の底面には、貯湯タンク5内に給水するための給水口5aが設けられている。この給水口5aは、第1給水管h1を介して、水道水が供給される第2給水管h2の分岐点N1に分岐接続されている。第1給水管h1には、第2給水管h2から流入した水が逆流する事を防止するための逆止弁B1と、第1給水管h1に流れる水の水温を検出する水温サーミスタ(水温検出手段)T7とが配設されている。
【0020】
また貯湯タンク5の底面には、吐出口5bが設けられている。この吐出口5bは、第1吐出管h3を介して第2吐出管h4に分岐接続されている。各吐出管h3,h4の分岐接続点には、排水用三方弁B2が配設されている。
【0021】
なお、第2吐出管h4の一端口は、HP(ヒートポンプユニット)循環往き口11に接続されており、また第2吐出管h4の他端口は、排水接続口13に接続されている。HP循環往き口11は、循環配管h5を介してHP循環戻り口15に接続されており、排水接続口13は、外部の排水管h6に接続されている。
【0022】
なお、循環配管h5は、ヒートポンプユニット3内に引き込まれている。ヒートポンプユニット3により循環配管h5が加熱されることで、循環配管h5において、HP循環往き口11側から流入する水が沸き上げられてHP循環戻り口15側へと流出する。
【0023】
なお、排水用三方弁B2は、例えば手動操作によりその弁体の開度が調整されることで、第1吐出管h3からの水を、第2吐出管h4におけるHP循環往き口11側または排水接続口13側に流出させるものである。この排水用三方弁B2は、通常時は、第1吐出管h3からの水をHP循環往き口11側に流出させるように調整されている。
【0024】
第2吐出管h4には、排水用三方弁B2とHP循環往き口11との間において、排水用三方弁B2からの水をHP循環往き口11側に送り出すための循環ポンプP1が配設されている。
【0025】
貯湯タンク5の上面には、第1入湯口5cが設けられており、貯湯タンク5の底面には、第2入湯口5dが設けられている。第1入湯口5cは、第1入湯管h7を介してHP循環戻り口15に接続されており、第2入湯口5dは、第2入湯管h9を介して第1入湯管h7に分岐接続されている。各入湯管h7,h9の分岐接続点には、三方弁B3が設けられている。
【0026】
なお、三方弁B3は、電動モータによりその弁体の開度が調整される電動式である。三方弁B3は、後述の制御装置150の制御によりその弁体の開度が調整されることで、第1入湯管h7にHP循環戻り口15側から流入する湯を、第1入湯管h7を通じて第1入湯口5c側に流出させ、または第2入湯管h9を通じて第2入湯口5d側に流出させるものである。
【0027】
また貯湯タンク5の上面には、出湯口5eが設けられている。この出湯口5eは、第1出湯配管h10を介して給湯混合弁B4に接続されている。なお、第1出湯配管h10には、出湯口5e側から流入する湯が逆流する事を防止するための逆止弁B5が配設されている。
【0028】
給湯混合弁B4には、更に、第2給水管h2の一端口が接続されると共に、給湯配管h11の一端口が接続されている。なお、第2給水管h2の他端口は、給水接続口17に接続されており、給水接続口17には、外部からの給水管h20が接続されている。また給湯配管h11の他端口は、給湯接続口19に接続されており、給湯接続口19には、配管h12を介して給湯部(例えば蛇口またはシャワー)7が接続されている。
【0029】
給湯混合弁B4は、電動モータによりその弁体の開度が調整される電動式である。給湯混合弁B4は、後述の制御装置150の制御によりその弁体の開度が調整されることで、第1出湯配管h10からの湯と第2給水管h2からの水とを所望の混合比で混合し、その混合した湯を給湯配管h11を通じて給湯部7に流出させるものである。
【0030】
なお、第2給水管h2には、例えば、給水接続口17と分岐点N1との間において、減圧弁B7と、逆止弁B6と、ストレーナS1とが配設されている。減圧弁B7は、給水接続口17側から流入した水の水圧を所定の水圧(例えば170kPa)に減圧するものである。逆止弁B6は、給水接続口17側から流入した水が逆流する事を防止するものである。ストレーナS1は、給水接続口17側から流入した水に含まれるゴミを取るものであり、そのメッシュ数は例えば#60である。また第2給水管h2には、例えば、給湯混合弁B4と分岐点N1との間において、分岐点N1側から流入した水が逆流する事を防止するための逆止弁B8が配設されている。
【0031】
給湯配管h11には、給湯配管h11を流れる湯の水量を検出する給湯水量センサ(水量検出手段)W2と、給湯配管h11を流れる湯の温度を検出する給湯サーミスタ(水温検出手段)T9とが配設されている。
【0032】
貯湯タンク5の上面には、第2出湯口5fが設けられている。この第2出湯口5fは、第2出湯配管h14を介して湯張り混合弁B11に接続されている。なお、第2出湯配管h14には、貯湯タンク5からの湯が逆流する事を防止するための逆止弁B10が配設されている。
【0033】
湯張り混合弁B11には、更に、第3給水管h15の一端口が接続されると共に、第3出湯配管h16の一端口が接続されている。なお、第3給水管h15の他端口は、第2給水管h2の分岐点N4に接続されている。分岐点N4は、例えば、第2給水管h2における逆止弁B8と分岐点N1との間に位置している。また第3出湯配管h16の他端口は、風呂循環往き口23に接続されており、風呂循環往き口23には、配管h17を介して浴槽9のアダプタ8の入力部9aが配設されている。
【0034】
湯張り混合弁B11は、電動モータによりその弁体の開度が調整される電動式である。湯張り混合弁B11は、後述の制御装置150の制御によりその弁体の開度が調整されることで、第2出湯配管h14からの湯と第3給水管h15からの水とを所望の混合比で混合して、その混合した湯を、第3出湯配管h16を通じて浴槽9側に流出させるものである。
【0035】
また第3出湯配管h16には、複合水弁25が配設されている。複合水弁25は、湯張り電磁弁B12と、湯張り水量センサ(水量検出手段)W1と、逆止弁B13,B14と、排水弁B16とを備えている。それら各要素B12,B13,W1,B14は、湯張り混合弁B11側からその順に第3出湯配管h16に配設されている。
【0036】
なお、湯張り電磁弁B12は、電動モータによりその弁体の開度が調整される電動式である。湯張り電磁弁B12は、後述の制御装置150の制御によりその弁体の開度が調整されることで、第3出湯配管h16を流れる湯の水量を調整するものである。また湯張り水量センサW1は、第3出湯配管h16を流れる湯の水量を検出するものである。また各逆止弁B13,B14は、第3出湯配管h16を流れる湯が湯張り混合弁B11側に逆流する事または浴槽9からの湯が混合弁B11側に逆流する事を防止するものである。
【0037】
第3出湯配管h16の分岐点N5には、外部に引き出された第4排水管h27の一端口が接続されており、排水弁B16は、その第4排水管h27に配設されている。なお、分岐点N5は、例えば、逆止弁B13と湯張り水量センサW1との間に位置している。
【0038】
排水弁B16は、その弁体が開成することで、第3出湯配管h16に貯まった湯水を第4排水管h27から外部に排出するものである。この排水弁B16は、例えば、手動式に構成されて手動により、または電動式に構成されて後述の制御装置150の制御により、その弁体の開度が調整される様になっている。
【0039】
また貯湯タンク5の底面には、追焚循環戻り口5gが設けられている。この追焚循環戻り口5gには、第1追焚循環配管h21の一端口が接続されている。第1追焚循環配管h21の他端口は、第2出湯配管h14の分岐点N8に接続されている。なお、分岐点N8は、第2出湯配管h14における逆止弁B10と湯張り混合弁B11の間に位置している。
【0040】
また第1追焚循環配管h21の一部分は、追焚熱交換器25内に取り込まれている。
【0041】
また第1追焚循環配管h21の分岐点N10は、第2出湯配管h14の分岐点N9に配管h22を介して接続されている。分岐点N9は、第2出湯配管h14における第2出湯口5fと逆止弁B10との間に位置しており、分岐点N10は、分岐点N8と追焚熱交換器25との間に位置している。
【0042】
また第2出湯配管h14の分岐点N8には、外部に引き出された第3排水管h13の一端口が接続されている。第3排水管h13には、負圧作動弁付き逃し弁B9が配設されている。負圧作動弁付き逃し弁B9は、貯湯タンク5内の水圧が所定の水圧(例えば190kPa)以上の場合は、その弁体を開成して、貯湯タンク5内の湯水を、各部5f→N9→B10→N8→h13→N12→B9の経路を経て外部に排水し、他方、貯湯タンク5内の水圧が前記所定の水圧未満の場合は、その弁体を閉塞して、貯湯タンク5内の湯水が、上記の経路を経て外部に排水される事を禁止するものである。
【0043】
また第2出湯配管h14の分岐点N9と第3排水管h13の分岐点N12とは、配管h23を介して接続されており、配管h23には、分岐点N12から分岐点N9に流れる湯が逆流する事を防止する逆止弁B17が配設されている。なお、分岐点N12は、第3排水管h13における分岐点N8と逃がし弁B9との間に位置している。
【0044】
また第1追焚循環配管h21には、それに流れる湯を貯湯タンク5の追焚循環戻り口5g側に循環させるための熱交換循環ポンプP3が配設されている。ここでは、循環ポンプP3は、例えば、第1追焚循環配管h21における追焚熱交換器25と追焚循環戻り口5gとの間に配設されている。
【0045】
第1追焚循環配管h21の分岐点N13には、外部に引き出された第4排水管h24の一端口が接続されており、第4排水管h24には、第1追焚循環配管h21中に貯まった水を排水するための水抜き栓B18が配設されている。水抜き栓B18は、例えば手動式のものが用いられている。
【0046】
第3出湯配管h16の分岐点N14には、第2追焚循環配管h25の一端口が接続されている。第2追焚循環配管h25の他端口は、風呂循環戻り口27に接続されており、風呂循環戻り口27には、配管h26を介して浴槽9のアダプタ8の出力部9bに接続されている。
【0047】
第2追焚循環配管h25の一部分は、追焚熱交換器25内に引き込まれており、第1追焚循環配管h21との間で熱交換可能になっている。
【0048】
第2追焚循環配管h25には、風呂循環ポンプP4と、風呂サーミスタ(水温検出手段)T10と、水流スイッチSW1と、水位センサYとが配設されている。
【0049】
風呂循環ポンプP4は、浴槽9内の湯水を風呂循環戻り口27から取り込んで第2追焚循環配管h25および第3出湯配管h16を循環させて風呂循環往き口23から浴槽9内に戻すためのものである。風呂サーミスタT10は、第2追焚循環配管h25を流れる湯水の温度を検出するものである。水流スイッチSW1は、第2追焚循環配管h25内を湯水が一定値以上の水流で循環しているか否かを検出するものであり、例えば、一定値以上の水流を検出するとオンし、一定値以上の水流を検出しない場合はオフになる。水位センサYは、浴槽9内の水位が浴槽9の高さを検出するものであり、例えば、水圧(浴槽9内の水位と正の相関有り)を検出する圧力センサ等により構成される。これら各要素P4,T10,SW1,Yは、例えば、第2追焚循環配管h25における追焚熱交換器25と風呂循環戻り口27との間に配設されている。
【0050】
(制御部分)
図2は本実施の形態の給湯システムにおける貯湯タンク部2の制御部分を模式的に示すブロック図である。同図に示すように、制御部分は、第1の湯はり制御手段51、第2の湯はり制御手段52、検出安定性判定手段53及び記憶部61から構成される。
【0051】
第1の湯はり制御手段51及び第2の湯はり制御手段52は、貯湯タンク部2内の水位センサY及び湯張り水量センサW1より検出水位情報D1及び検出水量情報D2を受け、貯湯タンク部2内の弁B11,B12等を制御することにより第1及び第2の湯はり処理の実行を制御する。
【0052】
第1の湯はり制御手段51は、貯湯タンク部2(給湯部)を制御して設定基準水位に相当する注水量の湯はりを浴槽9に対して行う上記第1の湯はり処理を実行する。
【0053】
さらに、第1の湯はり制御手段51は、第1の湯はり処理後において、水位センサYより得られる検出水位情報D1の指示する検出水位に基づき検出基準水位を得て、該検出基準水位を指示する検出基準水位情報S_baseを記憶部61に随時保存する。記憶部61は、少なくとも直近の所定数の検出基準水位情報S_baseを記憶可能である。
【0054】
検出安定性判定手段53は、記憶部61より直近の所定数の検出基準水位情報S_baseを読み出し、直近の所定数の検出基準水位情報S_base間のばらつき度合が所定範囲内であるか否かに基づき、検出基準水位の安定性の有無を判定して、判定結果を支持する判定結果情報D53を第1の湯はり制御手段51及び第2の湯はり制御手段52に出力する。
【0055】
第1の湯はり制御手段51は、検出安定性判定手段53からの判定結果情報D53が安定性有りを指示し、かつ、設定基準水位S0と検出基準水位とが所定の基準を超えて離れているとき、直近の所定数の検出基準水位情報S_baseに基づき得られる水位補正値を算出し、算出した水位補正値を最新の水位補正値として更新する。そして、この水位補正値に基づき検出水位情報D1の指示する検出水位を補正して最新の検出基準水位を得る。すなわち、第1の湯はり制御手段51は水位補正値に基づき検出基準水位を補正する水位補正機能を有している。
【0056】
第2の湯はり制御手段52は、第1の湯はり制御手段51による上記第1の湯はり処理後、貯湯タンク部2を制御して上記設定基準水位よりも高い設定目標水位に達する注水量で湯はりする上記第2の湯はり処理の実行を制御する。
【0057】
そして、第2の湯はり制御手段52は、検出安定性判定手段53より得た判定結果情報D53が安定性無しを指示する場合、上記第2の湯はり処理後の水位センサYの検出水位情報D1に基づき得られた検出目標水位と上記設定目標水位のうち低い水位を新たな設定目標水位に改める。
【0058】
(湯はり制御内容)
図3は本実施の形態の給湯システムにおける湯はり制御内容を示すフローチャートである。以下、同図を参照して、本実施の形態の給湯システムによる湯はり制御内容を説明する。なお、説明の都合上、本発明の特徴に関することを中心に説明する。
【0059】
まず、ステップST1において、残り湯検知を行い、ステップST2に残り湯が無いことを確認した後、水位補正値取得ルーチンR1(ステップST3〜ST6)に移行する。なお、ステップST2において残り湯有りと判定した場合、ステップST8に移行する。
【0060】
以下、第1の湯はり制御手段51の制御下で行う水位補正値取得ルーチンR1について説明する。まず、ステップST3において、設定基準水位S0に達するように基準水位用注水量Q0の湯はりを浴槽9に対して行う。なお、基準水位用注水量Q0は湯張り水量センサW1より得られる検出水量情報D2の指示する水量によって正確に認識することができる。
【0061】
そして、ステップST4でアダプタ8からの循環の有無を確認し、循環が無ければ水位がアダプタ8の高さに達しておらず、水位補正値取得用の検出基準水位SBを得ることは不可能と判断し、水位補正値取得ルーチンR1を終え、ステップST7に移行する。
【0062】
一方、ステップST4でアダプタ8からの循環が有ることが確認されると、水位がアダプタ8の高さ以上に達しているため、水位補正値取得用の検出基準水位SBを得ることが可能であると判断し、次のステップST5に移行する。
【0063】
ステップST5において、水位センサYより検出水位情報D1を取得し、検出水位情報D1の指示する検出水位に基づき検出基準水位SBを求める。例えば、水位センサYからの検出水位情報D1が20L相当の検出水位を指示しており、水位補正値が“0”の場合、検出基準水位SBとして20L相当の水位を得る。そして、この検出基準水位SBを指示する検出基準水位情報S_baseを記憶部61に格納する。
【0064】
(水位補正値更新処理)
次に、ステップST6において、水位補正値更新処理を行う。図4はステップST6の水位補正値更新処理の処理内容を模式的に示す説明図である。
【0065】
これらの図に示すように、初回ふろ試運転から、日々のふろ自動運転(お湯はり運転)において、各回の検出基準水位情報S_baseが記憶部61に記憶されている。なお、説明の都合上、時系列に沿って検出基準水位情報S_baseの添え字として0〜2を繰り返し付与している。
【0066】
ここでは、所定数として“3”を採用しており、直近の3つの検出基準水位情報S_base0〜2に基づき検出安定性判定手段53による安定性判断がなされ、直近の3つの検出基準水位情報S_base0〜2及び判定結果情報D53に基づき第1の湯はり制御手段51による補正値演算処理がなされる。すなわち、水位補正値更新処理は検出安定性判定手段53による安定性判断及び第1の湯はり制御手段51による補正値演算処理からなる。
【0067】
まず、検出安定性判定手段53による安定性判断について説明する。検出安定性判定手段53は直近の3つの検出基準水位情報S_base0〜2のうち最大値と最小値との差が所定値以内の場合に安定性有り、所定値を超える場合に安定性無しと判定する。すなわち、検出安定性判定手段53は、直近の3つの検出基準水位情報S_base0〜2のうち最大値と最小値との差を基準としてばらつき度合が所定範囲内であるか否かを判定している。
【0068】
図4(a)で示す例では、タイミングTM2における検出基準水位情報S_base0〜2の場合は安定性無し(不安定)、タイミングTM1,TM3における検出基準水位情報S_base0〜2の場合は安定性ありと判定している。
【0069】
次に、第1の湯はり制御手段51による補正値演算処理について説明する。補正値演算処理は以下の2つの条件の成立を前提としている。
【0070】
条件1:検出安定性判定手段53による判定結果情報D53が安定性を指示する、
条件2:直近の3つの検出基準水位情報S_base0〜2の指示する検出基準水位の平均値である平均検出水位SM3と設定基準水位S0との差ΔSが所定値を超える。
【0071】
第1の湯はり制御手段51は、上記条件1及び条件2を共に満足するとき、平均検出水位SM3と設定基準水位S0との差ΔS(=SM3−S0)に基づき水位補正値DSを演算して、演算した水位補正値を新たな水位補正値として更新する。例えば、現在の水位補正値が“0”の場合、「水位補正値DS=ΔS」として更新する。
【0072】
その後、第1の湯はり制御手段51は、更新後の水位補正値DSに基づき、水位センサYからの検出水位情報D1の指示する検出水位を補正して、最新の検出基準水位SBを得る。以降、新たに更新されるまで、この水位補正値DSに基づく水位補正処理が行われる。
【0073】
例えば、水位補正値DSが“0.5”、すなわち、設定基準水位S0が20L相当の水位であるときに、検出水位情報D1の指示する検出水位値が20.5L相当の水位を示す場合、水位補正値DS(=0.5)の負のバイアスがかかるようにして最終的に20L相当の検出基準水位SBを求めるように補正する。
【0074】
また、水位補正値DSを考慮して検出水位情報D1の指示する検出水位値と浴槽9内の水位との対応関係を変更しても良い。例えば、検出水位情報D1の指示する検出水位Dxのときに20L相当の水位、Dyのときに20.5L相当の水位となる対応関係にある場合、Dyのときに20L相当の水位となるように対応関係を改める。
【0075】
さらに、水位補正値DSを考慮して設定基準水位S0を補正することにより、間接的に検出基準水位SBの補正を行うようにしてもよい。例えば、設定基準水位S0が20L相当の水位の場合に、検出水位情報D1の指示する検出水位Dxのときに20L相当の水位、Dyのときに20.5L相当の水位となる対応関係にある場合、設定基準水位S0自体を20.5L相当の水位となるように補正しても良い。
【0076】
このように、第1の湯はり制御手段51は、水位補正値DSが更新されると、最新の検出基準水位SBから、水位補正値DSに基づく水位補正処理を行って検出基準水位SBを得る。
【0077】
なお、図4(a)で示す例では、タイミングTM1のとき、条件1を満足するものの平均検出水位LM2が所定値Δk未満であるため条件2を満足せず、タイミングTM2のとき、検出基準水位情報S_base0〜2が不安定であるため条件1を満足していない。
【0078】
しかし、タイミングTM3のとき、検出基準水位情報S_base0〜2が安定していおり、平均検出水位LM3が所定値Δkを超え要補正領域RC内に存在し、条件1及び条件2を共に満足するため、上述した差ΔSに基づき水位補正値DSを更新する。
【0079】
その結果、第1の湯はり制御手段51は、タイミングTM3以降は、更新された水位補正値DSに基づく水位補正処理を行って正確な検出基準水位SBを得ることができる。
【0080】
図3に戻って、ステップST7以降の第2の湯はり処理に移行する。以下、第2の湯はり処理は第2の湯はり制御手段52の制御下で行われる。
【0081】
ステップST7において、設定基準水位S0より高い設定目標水位Ssetに達するように目標水位用注水量Qsetの湯はりを浴槽9に対して行う。なお、目標水位用注水量Qsetは基準水位用注水量Q0と同様、湯張り水量センサW1より得られる検出水量情報D2の指示する水量によって正確に認識することができる。
【0082】
その後、ステップST8において、水位センサYより検出水位情報D1を取得し、検出水位情報D1の指示する検出水位に基づき検出目標水位SGを求める。なお、第2の湯はり制御手段52も第1の湯はり制御手段51と同様、水位補正値DSに基づく水位補正機能を有している。なお、水位補正値DSは第1の湯はり制御手段51より取得する。
【0083】
そして、ステップST9〜ST13からなる真の目標水位決定ルーチンR2に移行する。
【0084】
まず、ステップST9において、ステップST2における湯はり残り湯の有無の判定結果をチェックし、有りの場合はステップST14に移行し、無しの場合はステップST10に移行する。
【0085】
ステップST10において、検出安定性判定手段53より得た判定結果情報D53の指示内容の安定/不安定に基づき、安定の場合はステップST11によって差分値DIFを“0”にして、真の目標水位決定ルーチンR2を終えステップST14の目標水位到達判定ルーチンR3に移行する。
【0086】
一方、ステップST10で不安定とされると、ステップST12で最新設定目標水位SsetCをMIN(SG,Sset)(検出目標水位SG及び設定目標水位Ssetのうち小さい方)に改め、ステップST13で差分値DIFとして「Sset−SsetC」を設定して、真の目標水位決定ルーチンR2を終えステップST14に以降する。
【0087】
目標水位到達判定ルーチンR3であるステップST14において、検出目標水位SGが「Sset−DIF」より大きい場合は、最新設定目標水位SsetC(設定目標水位Sset)に到達したと判断し、ステップST15以降の後処理を行う。
【0088】
すなわち、ステップST15において温度判定を行い、目標温度に到達しておれば処理を終了し、到達していなければ、ステップST16で追い焚きし、ステップST17で検出目標水位SGを再び求め、ステップST18でステップST14と同様の目標水位到達判定ルーチンR3を実行し、検出目標水位SGが最新設定目標水位SsetC(設定目標水位Sset)に到達した場合は終了し、未達の場合はステップST19に移行する。なお、ステップST18で水位到達の有無を再度行うのは浴槽9のくみ出しによる水位低下等の外乱を考慮したものである。
【0089】
ステップST14あるいはステップST18で未達の場合に、不足分注湯ルーチンR4であるステップST19において差分値DIFを考慮した注水量((Sset−SG−DIF)相当)で注湯して、ステップST8に戻る。
【0090】
図5は第2の湯はり制御手段52による第2の湯はり処理における真の目標水位決定ルーチンR2によって、必要に応じて設定目標水位Ssetを最新設定目標水位SsetCに改める効果を表形式で示す説明図である。
【0091】
判定結果情報D53が不安定を指示する場合、検出目標水位SGが設定目標水位Ssetから比較的大きく逸脱しており、検出目標水位SGが設定目標水位Ssetと比較してかなり低い値を示している場合が想定される。この場合、検出目標水位SGが設定目標水位Ssetに近い値になるまで給湯を行うと、給湯後の浴槽9の水位が異常に高くなってしまう高水位給湯が行われてしまう可能性がある。そこで、上記高水位給湯が生じないようにしたのが真の目標水位決定ルーチンR2である。
【0092】
まず、判定結果情報D53が安定を指示する場合、差分値DIF=0、すなわち、設定目標水位Ssetは更新しなくとも、ステップST14で到達が判定された場合は、浴槽9の水位は設定目標水位Ssetから許容範囲内の水位に収まる可能性が高い。
【0093】
一方、判定結果情報D53が不安定を指示し、設定目標水位Ssetより検出目標水位SGの方が高い場合は、差分値DIF=0、すなわち、設定目標水位Ssetは更新しなくとも、ステップST14で必ず到達と判定されるため、浴槽9の水位は設定目標水位Ssetから許容範囲内の水位に収まる可能性が高い。
【0094】
設定目標水位Ssetより検出目標水位SGの方が低い場合は、差分値DIF=0になりえない。しかし、判定結果情報D53が不安定を指示し、設定目標水位Ssetより検出目標水位SGの方が低い場合は、差分値DIF=0、すなわち、設定目標水位Ssetを更新しない場合、既に設定目標水位Ssetに到達しているにも関わらず、ステップST14で未達と判定された結果、ステップST19の不足分注湯処理が行われてしまい、浴槽9の水位は設定目標水位Ssetから高くなり上記高水位給湯が生じてしまう可能性が高い。
【0095】
そこで、ステップST13で差分値DIFを設定した後、ステップST14において、設定目標水位Ssetより低い最新設定目標水位SsetC(=Sset−DIF)を基準として、検出目標水位SGとの比較を行うことにより、上記高水位給湯が生じるのを確実に回避している。
【0096】
なお、ステップST9で残り湯ありと判定され、ステップST4で未達と判定された場合は、ステップST19で不足分注湯処理を行う。
【0097】
(効果)
このように、実施の形態1の第1の湯はり制御手段51は、検出安定性判定手段53による判定結果情報D53が安定性を指示する条件1と、直近の3つの検出基準水位情報S_base0〜2の指示する検出基準水位の平均値である平均検出水位SM3と設定基準水位S0との差ΔSが所定値を超える条件2とを共に満足する場合にのみ、水位補正値DSを更新している。
【0098】
すなわち、水位補正処理をしていない状態(水位補正値DS=“0)のとき、実施の形態1の第1の湯はり制御手段51は、検出安定性判定手段53により検出基準水位SBの安定性があると判定される条件1と、設定基準水位S0と検出基準水位SBとの差が所定の基準を超える条件2とを共に満足する場合のみに、最新の検出基準水位SBの値を補正する。
【0099】
したがって、残り湯の存在、人の入浴、くみ出し等の外乱があった場合を考慮して、精度良く検出基準水位SBを補正することができる。その結果、湯はり後の浴槽9内の水位を常に安定させることができる。
【0100】
なお、一端、水位補正値DSが更新(設定)されると、以降は更新した水位補正値DSに基づく水位補正処理が第1の湯はり制御手段51及び第2の湯はり制御手段52よって実行される。以降、水位補正値DSが更新されるまで水位補正処理内容は変化することはない。
【0101】
そして、水位補正値DS(「DS1」とする)に基づく補正後の検出基準水位SBが、上記条件1及び条件2を満足する場合、水位補正値DS1をさらに更新して水位補正値DS(「DS2」とする)を取得し、その後、水位補正値DS2に基づき最新の検出基準水位SBの値を補正する。
【0102】
図6は第1の湯はり制御手段51による上記効果を模式的に示す説明図である。同図に示すように、水位センサYの特性が設計段階の場合、基準水位用注水量Q0注水後の検出基準水位SBは設定基準水位S0から上方の検出水位上方ディファレンシャルSBU及び下方の検出水位下方ディファレンシャルSBD内に収まる。なお、検出水位上方ディファレンシャルSBU及び検出水位下方ディファレンシャルSBDは上記所定値Δkに相当する。したがって、設定基準水位S0から検出水位上方ディファレンシャルSBUを超える領域あるいは設定基準水位S0から検出水位下方ディファレンシャルSBDを下回る領域(ハッチング領域)が、検出基準水位SBがある場合、水位センサYの特性変化が大きく変化したと判断すべき要補正領域となる。
【0103】
しかし、検出基準水位SBxのように、1回のみ検出水位上方ディファレンシャルSBUを上回って要補正領域に入った場合、水位センサYの特性変化ではなく、人の入浴等による外乱による場合の可能性が高い。
【0104】
したがって、本実施の形態では、検出基準水位SBxのように1回のみの異常が生じても検出安定性判定手段53によって不安定が判定され、上記条件1を満足することはないため、検出基準水位SBxによって設定基準水位S0が誤って補正される可能性を確実に回避することができる。
【0105】
一方、タイミングTM10における直近の3回の検出基準水位SBは安定しており、しかも、いずれも設定基準水位S0から検出水位下方ディファレンシャルSBDより下方の領域にあるため、上記条件1及び上記条件2を共に満足することになる。
【0106】
したがって、第1の湯はり制御手段51によってタイミングTM10における直近の3個の検出基準水位SBによって水位補正値DSが求められるため、水位センサYの特性が変化した後においても、水位補正値DSに基づく水位補正処理によって精度良く検出基準水位SBを得ることができる効果を奏する。
【0107】
加えて、本実施の形態の第2の湯はり制御手段52は、検出安定性判定手段53によって検出基準水位SBの安定性がないと判定された場合に、第2の湯はり処理後に水位センサYにより検出された検出水位に基づき検出安定性判定手段53で取得した検出目標水位SGと設定目標水位Ssetとのうち低い水位を最新設定目標水位SsetCに改めている。
【0108】
このため、検出目標水位SGが実際の水位よりも比較的低い値で得られた場合でも、当初設定した設定目標水位Ssetに比較的近い水位で確実に浴槽9に湯はりを行うことができる効果を奏する。
【0109】
(その他)
本実施の形態では、検出安定性判定手段53は直近の連続3回の検出基準水位SBの最大値と最小値との差に基づき安定性の有無を判定したが、直近のα回の検出基準水位SBのうち、β(<α)個の最大値と最小値との差に基づき安定性の有無を判定するようにしても良い。すなわち、検出安定性判定手段53は、直近の所定数の検出基準水位SBに基づき何らかな判断手法でばらつき度合を判定できれば良い。
【符号の説明】
【0110】
2 貯湯タンク部
9 浴槽
Y 水位センサ
W1 湯張り水量センサ
51 第1の湯はり制御手段
52 第2の湯はり制御手段
53 検出安定性判定手段
61 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽(9)と、
浴槽へ温水を供給する給湯部と、
前記浴槽内の水位を検出して検出水位を得る水位検出手段(Y)と、
前記給湯部を制御して設定基準水位に相当する注水量で前記浴槽内を湯はりする第1の湯はり処理を実行させ、該第1の湯はり処理後の前記検出水位に基づき検出基準水位を得て、該検出基準水位を所定の記憶部(61)に保存させる第1の湯はり制御手段(51)をさらに備え、前記記憶部は直近の所定数の検出基準水位を記憶可能であり、
前記記憶部の記憶内容を読み出し、前記直近の所定数の検出基準水位間のばらつき度合が所定範囲内であるか否かに基づき、前記検出基準水位の安定性の有無を判定する検出安定性判定手段(53)と、
を備えた給湯システムにおいて、
前記検出安定性判定手段により前記検出基準水位の安定性があると判定され、かつ、前記設定基準水位と前記検出基準水位との差が所定の基準を超える場合に、前記第1の湯はり制御手段は最新の前記検出基準水位の値を補正することを特徴とする、
給湯システム。
【請求項2】
請求項1記載の給湯システムであって、
前記第1の湯はり制御手段(51)による前記第1の湯はり処理後、さらに前記給湯部(2,3)を制御して前記設定基準水位よりも高い設定目標水位に達する注水量で湯はりする第2の湯はり処理を実行させる第2の湯はり制御手段(52)をさらに備え、
前記第2の湯はり制御手段は、前記検出安定性判定手段(53)により前記検出基準水位の安定性がないと判定された場合に、前記第2の湯はり処理後の前記水位検出手段により検出された検出水位に基づき得られる検出目標水位と前記設定目標水位とのうち低い水位を新たな設定目標水位に改める、
給湯システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−127556(P2012−127556A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278301(P2010−278301)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】