説明

給湯装置

【課題】水改質を目的とした成分を所定量供給することができ、かつ、水改質手段内部の水を排出することができる使用性の高い給湯装置を提供する。
【解決手段】浴槽14内の湯水が循環する浴槽水循環回路15と、浴槽水循環回路15にて湯水を循環させる浴槽水循環ポンプ16と、浴槽水循環回路15に供給する湯水に機能改質成分を添加する水改質手段21と、開時、水改質手段21内部と大気とを連通させる排水開閉手段22とを備え、排水開閉手段22を、水改質手段21及び浴槽水循環ポンプ16より下方に配設した給湯装置で、水改質手段21内部の水および浴槽水循環ポンプ16内部の水も確実に排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水改質を目的とした成分を所定量、給湯水に添加する機能を備えた給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の装置は、貯湯タンク内部の貯湯水を排出する際に、貯湯タンクに接続した排水弁より排出する方法が公開されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図7は、特許文献1に記載された従来の給湯装置を示すものである。図7に示すように、貯湯タンク41と、貯湯タンク41内部の貯湯水を排出する排水回路42と、排水を行う時に開閉する排水弁43と、貯湯水をカランやシャワー等に供給するカラン回路44とを有しており、貯湯タンク41内部の貯湯水を排出する際は、排水弁43を開くことで排出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−267650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の構成には、無機化合物等を浴槽へ供給する水改質手段を配置した場合に、長期不使用時に給湯装置内部を衛生的に保ち、また、寒冷期に給湯装置内部の水が凍結膨張することによる機器の破損を防止する目的で、給湯装置内部の水および水改質手段内部の水を排出する構成については開示させていない。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、水改質を目的とした成分を所定量供給することができ、かつ、水改質手段内部の水を排出することができる使用性の高い給湯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の給湯装置は、浴槽内の湯水が循環する浴槽水循環回路と、前記浴槽水循環回路にて湯水を循環させる浴槽水循環ポンプと、前記浴槽水循環回路に供給する湯水に機能改質成分を添加する水改質手段と、開時、前記水改質手段内部と大気とを連通させる排水開閉手段とを備え、前記排水開閉手段を、前記水改質手段及び前記浴槽水循環ポンプより下方に配設したことを特徴とするものである。
【0008】
これによって、水改質手段内部の水および浴槽水循環回路に配置された浴槽水循環ポンプ内部の水も確実に排出することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、水改質を目的とした成分を所定量供給することができ、かつ、水改質手段内部の水を排出することができる使用性の高い給湯装置を提供水できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1における給湯装置の構成図
【図2】同実施の形態における水改質手段の詳細構成図
【図3】同実施の形態における無機化合物の表面の濃度分布および速度境界層を示す図
【図4】本発明の実施の形態2における給湯装置の構成図
【図5】本発明の実施の形態3における給湯装置の構成図
【図6】本発明の実施の形態4における給湯装置の構成図
【図7】従来の給湯装置の構成図
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1の発明は、浴槽内の湯水が循環する浴槽水循環回路と、前記浴槽水循環回路にて湯水を循環させる浴槽水循環ポンプと、前記浴槽水循環回路に供給する湯水に機能改質成分を添加する水改質手段と、開時、前記水改質手段内部と大気とを連通させる排水開閉手段とを備え、前記排水開閉手段を、前記水改質手段及び前記浴槽水循環ポンプより下方に配設したことを特徴とする給湯装置である。
【0012】
これによって、水改質手段内部の水および浴槽水循環回路に配置された浴槽水循環ポンプ内部の水も確実に排出することができる。また、水改質手段内部の水とともに、浴槽水循環ポンプ内部の水を確実に排出することができるので、簡単な構成でメンテナンスの手間を軽減でき、低コストで安全性の高い給湯装置を提供することができる。
【0013】
第2の発明は、特に、第1の発明の給湯装置において、前記浴槽水循環回路に配設され、前記浴槽水循環回路内の湯水を加熱する風呂熱交換器を備え、前記排水開閉手段を、前記風呂熱交換器より下方に配設したことを特徴とするものである。
【0014】
これによって、水改質手段内部の水を確実に排出することができるとともに、浴槽水循環回路に配置された風呂熱交換器内部の水も排出することができるので、簡単な構成でメンテナンスの手間を軽減でき、低コストで安全性の高い給湯装置を提供することができる。
【0015】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の給湯装置において、前記浴槽への湯水の供給を開始または停止する浴槽水注湯弁を備え、前記水改質手段は前記浴槽水注湯弁より下方に配設したことを特徴とするものである。
【0016】
これによって、水改質手段より上流側の湯水も確実に排出することができるので、簡単な構成でメンテナンスの手間を軽減でき、低コストで安全性の高い給湯装置を提供することができる。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における給湯装置の構成図を示すものである。図2は、同実施の形態における水改質手段の詳細構成図を示すものである。
【0019】
図1において、圧縮機1、給湯熱交換器2、減圧手段3、蒸発器4を冷媒回路5で順に環状に接続してヒートポンプユニット6を構成している。貯湯ユニット7の貯湯タンク8には水が貯留されており、出湯回路9は貯湯タンク8、給湯水ポンプ10、給湯熱交換器2、貯湯タンク8を順に接続する回路である。
【0020】
浴槽水加熱回路11は、貯湯タンク8、風呂熱交換器12、浴槽水加熱ポンプ13、貯湯タンク8を順に接続する回路であり、風呂熱交換器12の他方の回路には浴槽14が接続されている。
【0021】
浴槽水循環回路15は、浴槽14、浴槽水を搬送する浴槽水循環ポンプ16、風呂熱交換器12を順に接続する回路である。浴槽水注湯回路17は、貯湯タンク8の水を、浴槽水循環回路15を経由して浴槽14へ注湯する回路である。この回路には貯湯タンク8の高温の水と水道水を混合する浴槽水混合弁18、注湯する水温を検知する温度検知手段19、浴槽水注湯回路17の開閉を行う浴槽水注湯弁20を順に備える。
【0022】
水改質手段21は、浴槽水注湯弁20の下流側の浴槽水注湯回路17上に、貯湯ユニット7の筐体内に貯湯タンク8とともに収納するように設けた。水改質手段21は、浴槽水注湯弁20に対し鉛直下方になるよう、また、浴槽水循環ポンプ16および風呂熱交換器12に対し鉛直上方になるよう配置した。
【0023】
水改質手段21内部の水を排水する排水開閉手段である排水弁22は、浴槽水循環回路15から分岐した排水回路23に設け、浴槽水循環ポンプ16および風呂熱交換器12に対し鉛直下方になるよう配置した。
【0024】
ヒートポンプユニット6で貯湯タンク8に貯留された水を加熱する運転は、以下のような動作となる。貯湯タンク8の水は、給湯水ポンプ10によって給湯熱交換器2へ搬送され、ヒートポンプサイクル動作によって加熱される。給湯水ポンプ10は給湯熱交換器2で加熱された給湯水の温度が予め決定した温度になる様に、出湯回路9の流量を制御する。
【0025】
浴槽14への湯張り、並びに、浴槽水の加熱は以下のような動作となる。浴槽水注湯回路17の浴槽水混合弁18は、温度検知手段19で検知する注湯温度がリモコン等(図示せず)で予め設定された温度となるように、貯湯タンク8に貯留された高温の水と水道水の混合割合を調整する。所定温度となった浴槽水は、浴槽水注湯回路17、浴槽水循環回路15を順に経由して浴槽14へ流出する。
【0026】
一方、浴槽14の浴槽水を加熱する場合は、貯湯タンク8に貯留された高温の水を、浴槽水加熱ポンプ13によって風呂熱交換器12へ搬送し、浴槽水循環ポンプ16より搬送された浴槽水を加熱する。風呂熱交換器12で浴槽水を加熱して温度が低下した給湯水は、給湯水下部回路24が接続する貯湯タンク8の下部より内部へ流入する。
【0027】
以上のように構成された給湯装置について、以下その動作、作用を説明する。利用者が浴槽14へ湯はりを行う場合は、リモコン等で湯はり動作の指示操作を行う。リモコン操作後、予め設定された温度に浴槽水混合弁18で調整された水が、浴槽水注湯弁20を閉から開に制御した場合に、浴槽水注湯回路17、水改質手段21、浴槽水循環回路15を経由して浴槽14に流出する。水が水改質手段21を通過する際に、無機化合物25が水に溶解し、浴槽14への湯はり動作と同時に、無機化合物25を溶解させた水が浴槽14に流入する。
【0028】
水改質手段21は、浴槽水注湯弁20の下流側に配置した。浴槽水注湯弁20が開から閉へ制御された場合は、ウォーターハンマー現象が発生し、上流側の回路に設けている、浴槽水混合弁28、貯湯タンク8等は水道圧以上の水圧負荷を与える。下流側に設けることによって、水改質手段21は、ウォーターハンマー現象による水圧負荷が掛かることがない。
【0029】
以上のように、本実施の形態においては、浴槽水注湯回路17と、浴槽水注湯弁20とを備え、浴槽水注湯弁20、水改質手段21の順に浴槽水注湯回路17に備えた給湯装置とした。これにより、水改質手段21は浴槽14への湯はり停止時などに生じるウォータ
ーハンマー現象(浴槽水注湯回路等の水圧上昇)の影響を受けないため、水改質手段21の耐圧構造を簡素化することができる。
【0030】
さらに、浴槽14への湯はりの水流を利用するため、湯はりと同時に無機化合物25を溶解させた水を浴槽14へ供給できるので、特別な操作を追加する必要がなく利便性が向上し、また、別途ポンプ等の動力を必要とせず構成を簡単にできるので安価な商品を提供することができる。
【0031】
図2は、水改質手段の詳細構造図を示すものである。
【0032】
図2において、無機化合物25は、粉末状または顆粒状、あるいは、粉末状と顆粒状との混合物であり、無機化合物収納容器26に収納される。無機化合物25は、水に対して溶解性を持つ。図2中の無機化合物25は径が異なる顆粒状のものであり、これを多層状となるように構成すると、無機化合物収納容器26内には多孔質の空間が形成される。
【0033】
無機化合物収納容器26は、浴槽水注湯回路17に連通され、水改質手段21を構成する。ロ過手段28は、ステンレス、銅、真鍮等の金属、または、PPS、PTFE、PP、PE等の樹脂により構成し、メッシュ、不織布、多孔体、発泡体等の形状で通過する水をロ過することにより、水に溶解していない無機化合物25の流出を防止する。
【0034】
以上のように構成された水改質手段21について、以下その動作、作用を説明する。浴槽水注湯回路17から無機化合物収納容器26に流入する水は、無機化合物収納容器26に形成される多孔質の空間を通過する。水には粘性があるため、多孔質の空間を通過する際に無機化合物25の表面から表面近傍の領域には速度境界層が生成される。
【0035】
図3はその速度境界層の状態を示す図である。無機化合物25の表面近傍の速度境界層の流速は小さく、多孔質空間の中心部を通過する流速は大きい分布となる。無機化合物25は水に対して溶解性を持つため、無機化合物25の表面近傍の分子は、表面近傍の水に溶解し、水の溶解濃度が上昇する。表面近傍の水は流速が小さいため、溶解濃度は高い値となる。
【0036】
これに対して流速の大きい多孔質空間の中心部の流れる水の溶解濃度は低い。このとき、水中に溶解する無機化合物の濃度差が生じた場合は、濃度差に応じて高い方から低い物質が移動する(フィックの法則)ため、表面近傍の水に溶解した無機化合物は濃度の低い中心の水に移動する。この物質拡散の原理を利用することで、無機化合物25を多孔質空間内の水に溶解させることができる。
【0037】
水改質手段21内部の水は、寒冷期に凍結膨張することによって破損することを防止するため、また、給湯装置の日常点検や内部の清掃を行うため、また、長期不使用時に給湯装置内部を衛生的に保つために、排水できるよう構成している。
【0038】
水改質手段21内部の水を排水することで、水改質手段21の構成材料に水の凍結膨張に耐える重厚で頑丈な素材を用いる必要がなく、または、水改質手段21内部の水が凍結膨張して増加する圧力を逃す機構を別途必要としないために、構成が簡単で信頼性が高くなり、さらに低コスト構造となるので安価な商品を提供することができる。
【0039】
水改質手段21内部の水を排水するために、水改質手段に対して鉛直下方の排水弁22を開放することで、水改質手段21内部の水は自重で排水回路23を通って給湯装置より排出される。
【0040】
また、水改質手段21は、浴槽水循環ポンプ16、また、風呂熱交換器12に対し鉛直上方に配置していることから、浴槽水循環ポンプ16、また、風呂熱交換器12の内部に残存する水を、水改質手段21の排水時に同時に確実に排出することができる。
【0041】
浴槽水循環ポンプ16、また、風呂熱交換器12内部の水を排水するために、別途排水回路および排水弁を必要とせず、構成を簡素化することができるので、低コスト構造となり安価な商品を提供できるとともに、排水操作が簡素になるので利便性が向上し、使い勝手のよい商品を提供することができる。
【0042】
また、水改質手段21は、浴槽水注湯弁20に対し鉛直下方に配置していることから、浴槽水注湯回路17内部に残存する水を、水改質手段21の排水時に同時に確実に排出することができる。
【0043】
浴槽水注湯回路17内部の水を排水するために、別途排水回路および排水弁を必要とせず、構成を簡素化することができるので、低コスト構造となり安価な商品を提供できるとともに、排水操作が簡素になるので利便性が向上し、使い勝手のよい商品を提供することができる。
【0044】
無機化合物25について説明する。無機化合物25は、水に対する溶解度が、使用温度範囲また使用pH範囲において15ppm(無機化合物[mg]/水[L])以下のものを用いることが望ましい。溶解度は、溶媒である水の体積1[L]に対して、溶質である無機化合物が飽和まで溶解した時の質量[mg]として表される。
【0045】
水改質手段21に通水したさいの無機化合物25の消費量を少なくすることができるので、無機化合物25の充填量を少なくすることができ、無機化合物収納容器26の容積を小さくすることができ、水改質手段21をコンパクト化、給湯装置の本体筐体内に水改質手段21を収納することができるので、別途溶解抑制手段等を必要とせず、コンパクトかつ簡単な構成で信頼性を向上することが可能となり、低コスト化を実現することができる。
【0046】
無機化合物収納容器26は、1日の無機化合物25の溶解量に対し180倍以上を収納することが望ましい。給湯装置の無機化合物溶解機能を半年以上保つことができ、無機化合物25を補充する頻度を減少することができるので、メンテナンスの手間を軽減することができ、利便性が向上する。
【0047】
なお、無機化合物25として用いることができる材料は酸化亜鉛や亜鉛化合物として、酸化亜鉛(ZnO)、塩基性炭酸亜鉛(mZnCO・nZn(OH))、水酸化亜鉛(Zn(OH))、亜鉛置換型ゼオライト、亜鉛置換型キレート、亜鉛シリカゲル担持物等であり、これらを単一または組み合わせて用いることができる。
【0048】
また、硫酸カルシウム、水酸化マグネシウム、鉄化合物(酸化鉄、水酸化鉄)、酸化銅、酸化ケイ素、二酸化マンガン、水酸化コバルト、酸化チタン、塩化銀、硫酸バリウム等を用いることができる。
【0049】
以上のように、本実施の形態においては、無機化合物25と、無機化合物収納容器26とを有し、無機化合物収納容器26を浴槽水注湯回路17で接続した水改質手段21を備えた給湯装置とした。
【0050】
これによって、水と無機化合物の間の溶解濃度差で物質が移動する、物質拡散(フィックの法則)の原理で、水に無機化合物を溶解させることが可能となる。
【0051】
尚、無機化合物25を、亜鉛を含む亜鉛化合物(酸化亜鉛、炭酸亜鉛など)とした場合、以下の効果を得ることができる。亜鉛は比較的要求量の多いヒトの必須元素の一つであり、通常の食事からの供給では欠乏しやすく、栄養強化目的で、食品に添加、また、栄養補助食品やサプリメントと摂取される元素である。
【0052】
これに対しては、浴槽に亜鉛を溶解させた水を供給することで、入浴中に経皮吸収による栄養強化を行うことができる。また、水に溶解した亜鉛イオンは、肌を引き締め、収れんさせる効果があるので、肌からの水分蒸散を抑えることができることから、入浴後のサッパリ感が長続きし、また、水分が失われないために肌のうるおいを向上させ、また、気化熱を奪われないので、入浴後の温まり感が長続きする。
【0053】
また、亜鉛は細菌に対して抑制効果があり、亜鉛を含んだ水を供給することから、水改質手段より下流側に位置する浴槽循環回路および浴槽の細菌を減少、また、増殖を抑制することができ、清潔で衛生的な入浴ができる給湯装置を提供することができる。
【0054】
亜鉛化合物の酸化亜鉛は、日本薬局方や旧化粧品原料基準に定められた規格に準拠することで、医薬品や化粧品として使用することができる材料であり、主にヒトの肌の角質層に対して収斂作用、消炎作用などの作用を与え、肌の角質層の状態を良好に保つことができる。
【0055】
本発明において、水改質手段21は給湯装置の貯湯ユニット7筐体に収納し、浴槽水注湯回路17に配置しているが、浴槽水循環回路15に設けても、浴槽14へ無機化合物25を溶解させた水を供給することができる。
【0056】
また、貯湯ユニット7筐体外部の浴槽水循環回路15に設けることも可能であるが、貯湯ユニット7筐体内部の雰囲気温度は、低外気温時であっても貯湯タンク8からの放熱により、貯湯ユニット7筐体内部の雰囲気は常時加温されるため、水改質手段21の凍結防止などの断熱が不要、または簡素化できる。
【0057】
また、給湯装置を貯湯式給湯機とした場合、貯湯タンク8には高温の湯を貯湯するので、この高温の湯を水改質手段21へ供給することによって機器の殺菌、滅菌を行うことができる。また、水中に溶け込んでいる残留塩素が貯留中に少なくなるので、給湯装置本体の材質は耐腐食性材料ではなく、安価な汎用部品を使うことができる。
【0058】
(実施の形態2)
図4は、本発明の第2の実施の形態における給湯装置の構造図を示すものである。
【0059】
貯湯ユニット7から流出また流入する出湯回路9に、排水弁30、31を、また、浴槽水循環回路15に排水弁32を、また、浴室やキッチン等へのカランやシャワーに出湯するカラン出湯回路33に排水弁34を、また、貯湯タンク内の水を排水する貯湯タンク排水回路35に排水弁36を配置している。
【0060】
水改質手段21は、浴槽水注湯回路17から分岐した水改質回路28によって連通され、水改質回路28への通水の有無を制御する水改質弁29を配置している。
【0061】
他の部分の構成は、本発明の実施の形態1で示した給湯装置と同様であり、省略する。
【0062】
以上のように構成された給湯装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0063】
利用者が浴槽14へ湯はりを行う場合は、リモコン等で無機化合物25の投入の有無を選択し、湯はり動作の指示操作を行う。リモコン操作後、予め設定された温度に浴槽水混合弁18で調整された水が、浴槽水注湯弁20を閉から開に制御した場合に、浴槽水注湯回路17、浴槽水循環回路15を経由して浴槽14に流出する。
【0064】
浴槽14への無機化合物25の投入を選択した場合は、水改質弁29は開となり、浴槽水注湯回路17を流れる水の一部が、水改質回路28に分岐して流入し、水が水改質手段21を通過する際に、無機化合物25が水に溶解して、浴槽14への湯はり動作と同時に、浴槽14に流入する。
【0065】
一方、浴槽14への無機化合物25の投入を選択しない場合は、水改質弁29は閉となり、浴槽水注湯回路17を流れる水に無機化合物25が溶解することなく、浴槽14に流入する。浴槽14への無機化合物25の投入の有無を容易に選択でき、操作性が向上することから、利便性が向上する。
【0066】
給湯装置の貯湯ユニット7内部の水は、排水できるよう構成しており、給湯装置の日常点検や内部の清掃を行うことができ、また、長期不使用時に給湯装置内部を衛生的に保つことができ、また、寒冷期に凍結膨張することによって破損することを防止することができる。貯湯ユニット7内部の水を排水する場合は、給湯装置への水道の供給を停止し、排水弁22、30、31、32、34、36を全て開にすることで、貯湯ユニット7内部の水を全て排水することができる。
【0067】
貯湯ユニット7に接続されている出湯回路9、浴槽水循環回路15、カラン出湯回路33内部の水は、貯湯ユニット7から流入、流出する配管それぞれに排水弁を設けていることから、給湯装置を設置する際に配管の設置状態を制限することがなく任意に配設することができるので、設置時の利便性が向上するとともに、排水を行う際は確実に貯湯ユニット7内部の水を排水することができる。
【0068】
水改質手段21内部の水を排水する排水開閉手段である排水弁22を開放することで、水改質手段21内部の水は自重で、浴槽水循環ポンプ16、また、風呂熱交換器12内部の水とともに排水回路23を通って給湯装置より排出され、排水操作が簡素になるので利便性が向上し、使い勝手のよい商品を提供することができることに変わりはない。
【0069】
(実施の形態3)
図5は、本発明の第3の実施の形態における給湯装置の構造図を示すものである。
【0070】
貯湯ユニット7から流出また流入する出湯回路9に、排水弁30、31を、また、浴槽水循環回路15に排水弁32を、また、浴室やキッチン等へのカランやシャワーに出湯するカラン出湯回路33に排水弁34を、また、貯湯タンク内の水を排水する貯湯タンク排水回路35に排水弁36を配置している。
【0071】
水改質手段21は、浴槽水注湯回路17から分岐した水改質回路28によって連通され、水改質回路28への通水の有無を制御する水改質弁29を配置し、水改質手段21に接続した水改質排水回路37に排水開閉手段である排水弁38を配置している。
【0072】
他の部分の構成は、本発明の実施の形態1で示した給湯装置と同様であり、省略する。
【0073】
以上のように構成された給湯装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0074】
利用者が浴槽14へ湯はりを行う場合は、リモコン等で無機化合物の投入の有無を選択
し、湯はり動作の指示操作を行う。リモコン操作後、予め設定された温度に浴槽水混合弁18で調整された水が、浴槽水注湯弁20を閉から開に制御した場合に、浴槽水注湯回路17、浴槽水循環回路15を経由して浴槽14に流出する。
【0075】
浴槽14への無機化合物25の投入を選択した場合は、水改質弁29は開となり、浴槽水注湯回路17を流れる水の一部は、水改質回路28に分岐して、水改質手段21の鉛直下方から流入する。
【0076】
水改質手段21を通過する際に無機化合物25を溶解した水は、水改質手段21の鉛直上方から流出し、浴槽水注湯回路17に合流し、浴槽水循環回路15を経由して浴槽14に流出する。
【0077】
水改質手段21は、水改質回路28により水流が鉛直上方に向かって流れるが、通過する水に無機化合物25を溶解する機能に変わりはなく、無機化合物が溶解した水を浴槽14に流入することができる。
【0078】
一方、浴槽14へ無機化合物25を投入しない場合は、水改質弁29は閉となり、浴槽水注湯回路17を流れる水に無機化合物25が溶解することなく、浴槽14に流入する。浴槽14への無機化合物25の投入の有無を容易に選択でき、操作性が向上することから、利便性が向上する。
【0079】
給湯装置の貯湯ユニット7内部の水は、排水できるよう構成しており、給湯装置の日常点検や内部の清掃を行うことができ、また、長期不使用時に給湯装置内部を衛生的に保つことができ、また、寒冷期に凍結膨張することによって破損することを防止することができる。
【0080】
貯湯ユニット7内部の水を排水する場合は、給湯装置への水道の供給を停止し、排水弁22、30、31、32、34、36、38を全て開にすることで、貯湯ユニット7内部の水を全て排水することができる。
【0081】
貯湯ユニット7に接続されている出湯回路9、浴槽水循環回路15、カラン出湯回路33内部の水は、貯湯ユニット7から流入、流出する配管それぞれに排水弁を設けていることから、給湯装置を設置する際に配管の設置状態を制限することがなく任意に配設することができるので、設置時の利便性が向上するとともに、排水を行う際は確実に貯湯ユニット7内部の水を排水することができる。
【0082】
水改質手段21内部の水は、排水開閉手段である排水弁22および排水弁38を開とすることで確実に排出することができる。排水弁22を開放することで、水改質手段21とともに、浴槽水循環ポンプ16、また、風呂熱交換器12内部の水を排水回路23により給湯装置より排出することができるので、排水操作が簡素になるので利便性が向上し、使い勝手のよい商品を提供することができることに変わりはない。
【0083】
通過する水流が鉛直上方に向かう水改質手段21内部の水は、水改質回路28の鉛直下面に水改質排水回路37を接続した排水弁38を開とすることで、確実に排水することができ、貯湯ユニットから排水する操作性を向上し、利便性を向上することができる。
【0084】
(実施の形態4)
図6は、本発明の第4の実施の形態における給湯装置の構造図を示すものである。
【0085】
水改質手段21内部の水を排水する排水回路23は、浴槽水循環ポンプ16に直接接続
しており、排水弁22は、浴槽水循環ポンプ16および風呂熱交換器12に対し鉛直下方になるよう配置した。
【0086】
他の部分の構成は、本発明は実施の形態3で示した給湯装置と同様であり、省略する。
【0087】
以上のように構成された給湯装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0088】
給湯装置の貯湯ユニット7内部の水は、排水できるよう構成しており、給湯装置の日常点検や内部の清掃を行うことができ、また、長期不使用時に給湯装置内部を衛生的に保つことができ、また、寒冷期に凍結膨張することによって破損することを防止することができる。
【0089】
水改質手段21内部を排水する際は、排水開閉手段である排水弁22および排水弁38を開とすることで確実に排出することができる。貯湯ユニット7の浴槽水循環ポンプ16と浴槽水循環回路15は、分離できる状態に構成しており、浴槽水循環ポンプ16と浴槽水循環回路15を接続することで、浴槽14の水を循環する。
【0090】
駆動部分を有するポンプ部分と配管部分を分離できることで、貯湯ユニット7の製造する際容易になり信頼性の高い製品を提供することができ、また、ポンプに異物が混入する等の異常時に、取り外して清掃、また、取替えることが容易になるので、メンテナンス性が向上し、長期にわたって使用できる給湯装置を提供することができる。
【0091】
水改質手段21の排水回路23は、分離可能に構成した浴槽水循環ポンプ16に接続していることから、排水回路23と浴槽水循環回路15とを分岐する接続部材を別途必要とせず、また、浴槽水循環ポンプ16の取外しの容易性を保った上で、浴槽水循環回路15と排水回路23を分離できるので、メンテナンス性が向上する。
【0092】
なお、排水開閉手段である排水弁22が浴槽水循環ポンプ16、また、風呂熱交換器12に対し鉛直下方に配置していることから、水改質手段21内部の水を排水するとともに、浴槽水循環ポンプ16、また、風呂熱交換器12の水を排水できる作用および効果に変わりはない。
【産業上の利用可能性】
【0093】
以上のように、本発明にかかる給湯装置は、コンパクト化、構成の簡素化、低コスト化、信頼性向上、利便性向上に繋がり、貯湯式給湯機の他、ガス熱源の給湯機にも利用できる。
【符号の説明】
【0094】
11 浴槽水加熱回路
12 風呂熱交換器
14 浴槽
15 浴槽水循環回路
16 浴槽水循環ポンプ
17 浴槽水注湯回路
20 浴槽水注湯弁
21 水改質手段
22、38 排水弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽内の湯水が循環する浴槽水循環回路と、前記浴槽水循環回路にて湯水を循環させる浴槽水循環ポンプと、前記浴槽水循環回路に供給する湯水に機能改質成分を添加する水改質手段と、開時、前記水改質手段内部と大気とを連通させる排水開閉手段とを備え、前記排水開閉手段を、前記水改質手段及び前記浴槽水循環ポンプより下方に配設したことを特徴とする給湯装置。
【請求項2】
前記浴槽水循環回路に配設され、前記浴槽水循環回路内の湯水を加熱する風呂熱交換器を備え、前記排水開閉手段を、前記風呂熱交換器より下方に配設したことを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。
【請求項3】
前記浴槽への湯水の供給を開始または停止する浴槽水注湯弁を備え、前記水改質手段は前記浴槽水注湯弁より下方に配設したことを特徴とする請求項1または2に記載の給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−187250(P2012−187250A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52674(P2011−52674)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】