説明

給紙カセット及びこの給紙カセットを備える画像形成装置

【課題】給紙カセット本体への押上板の取付作業を、給紙カセット本体内の作業スペースが小さい場合でも容易に行うことができる給紙カセットを提供する。
【解決手段】給紙カセットは、ハウジング40と、フラッパ50と、手前側接続部52と、フラッパ支軸46と、持ち手部53と、を備える。フラッパ50は、ハウジング40に取り付けるために少なくとも一部が弾性変形可能に構成される。持ち手部53は、フラッパ50の手前側接続部52から突出している。この持ち手部53は、フラッパ50の手前側接続部52をフラッパ支軸46に取り付けるときは、内壁のうち手前側接続部52に隣接している隣接面47の上端よりも上方にその先端が位置する。また、持ち手部53は、ハウジング40へのフラッパ50の取付けが完了した状態では、隣接面47の上端よりも下方にその先端が位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置等に用いられる給紙カセットが備える押上板の構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置等に用いられる給紙カセットにおいて、給紙カセット本体に収容される用紙を上方に付勢するために、押上板が給紙カセット本体に対して回転可能に取り付けられた構成が従来から知られている。この種の押上板を備える給紙カセットを開示するものとして特許文献1及び特許文献2がある。
【0003】
特許文献1は、カセット本体に複数の部品を装着して構成される給紙カセットにおいて、以下の構成を開示する。即ち、給紙カセットは、前記複数の部品の装着部を上方に開放した状態でカセット本体に一体的に形成して構成される。前記複数の部品は、少なくとも、回転板(押上板)と、用紙ガイドと、後端板と、を含む。前記回転板は、カセット本体内に収納した用紙の給紙方向の前端部近傍を上方に付勢する。前記用紙ガイドは、複数の用紙サイズのそれぞれについて給紙方向に直交する方向の収納位置を規定する。前記後端板は、複数の用紙サイズのそれぞれについて給紙方向の後端位置を規定する。そして、前記回転板の支持部、前記用紙ガイドの装着部、及び、前記後端板の収納部を、カセット本体内に上面に開放した状態でカセット本体に一体的に形成する。更に、前記回転板の支持部が、回転板の一端をカセット本体の上面から操作される弾性部材を介して係止した状態で回転自在に支持する。
【0004】
特許文献2は以下のように構成される給紙カセットを開示する。即ち、給紙カセットは、カセット本体と、そのカセット本体内に上下揺動可能に取り付けられる記録紙押上板と、その押上板をカセット本体内に係止するための係止手段とを備える。そして、前記押上板をカセット本体に係止する場合は、係止手段を撓ませて係止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−129856号公報
【特許文献2】特開2000−247453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1及び特許文献2は、ともに、回転軸が配置される給紙カセット本体の部材を弾性変形させることで、回転軸の位置を一時的に変化させ、押上板に形成される挿通孔への当該回転軸の挿通を可能にする構成を開示している。しかし、この構成では、給紙カセット本体の構成が複雑になるとともに、回転軸が配置される部材が破損した場合には、給紙カセット本体自体を取り替える等しなければならない。そこで、取り付ける側の押上板を弾性変形可能に構成し、当該押上板を弾性変形させることで、挿通孔が形成される部分(接続部)の位置を変化させ、挿通孔への回転軸の挿通を可能にする構成が考えられる。
【0007】
しかし、押上板を弾性変形させる構成においても、給紙カセット本体の内壁に形成される回転軸を押上板の挿通孔に差し込むためには、以下のような課題があった。即ち、押上板の挿通孔が形成される接続部を給紙カセット本体の内壁から離れる方向に退避させるためには、前記接続部に内壁側から力を加える必要がある。しかし、給紙カセットは、画像形成装置に収容される関係から、用紙を収容するスペース以外はできるだけコンパクトに構成することが好ましく、給紙カセット本体の内壁と接続部との間が狭く構成されていることがある。このような場合では、作業者が給紙カセットの内壁と前記接続部との間に手を差し入れることは難しく、回転軸に挿通可能な位置まで前記接続部を弾性変形させる作業を容易に行うことができなかった。
【0008】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、給紙カセット本体への押上板の取付作業を、給紙カセット本体内の作業スペースが小さい場合でも容易に行うことができる給紙カセットを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0010】
本発明の第1の観点によれば、以下のように構成される給紙カセットが提供される。即ち、給紙カセットは、給紙カセット本体と、押上板と、接続部と、取付部と、操作具と、を備える。前記給紙カセット本体は、給紙動作を行う給紙部に供給する用紙を収容する。前記押上板は、前記給紙部に前記用紙の最上層が接触するように前記用紙を上方に押し上げるために板状に形成されるとともに、前記給紙カセット本体に取り付けるために少なくとも一部が弾性変形可能に構成される。前記接続部は、前記押上板の両端部にそれぞれ一体的に形成される。取付部は、前記接続部を前記給紙カセット本体に対して回転可能に取り付けるために前記給紙カセット本体の内壁に配置される。前記操作具は、前記押上板の少なくとも一端側の前記接続部から突出し、前記押上板の位置の変化に伴って一体的にその位置が変化する。前記押上板の前記接続部を前記取付部に取り付けるときは、前記操作具は、前記内壁のうち前記接続部に隣接している隣接面の上端よりも上方にその先端が位置する。また、前記給紙カセット本体への前記押上板の取付けが完了した状態では、前記操作具は、前記隣接面の上端よりも下方にその先端が位置する。
【0011】
これにより、押上板の接続部と給紙カセット本体の内壁との間が狭く、取付作業を行うスペースを十分に確保できないような場合であっても、操作具を用いて押上板を容易に弾性変形させて当該押上板を給紙カセット本体に取り付けることができる。また、押上板が給紙カセット本体に取り付けられたときは、操作具が隣接面の上端よりも下方に退避するので、ユーザが給紙カセットに用紙を収容する際に当該操作具と接触するおそれもない。
【0012】
前記の給紙カセットにおいては、前記押上板と前記操作具とが板金部材によって一体的に形成されることが好ましい。
【0013】
これにより、押上板を給紙カセットにスムーズに取り付けるための簡素な構成を実現でき、製造コストを低減できる。また、押上板と操作具が一体的に形成されることにより部品点数を少なくできるので、押上板を給紙カセット本体に組み付ける作業をより迅速に行うことができる。
【0014】
前記の給紙カセットにおいては、前記接続部が、前記押上板を折り曲げることで形成され、前記押上板には、折り曲げた部分に跨るように細長状の凸部が一体的に形成されていることが好ましい。
【0015】
これにより、折曲げ部分の剛性が凸部によって向上するので、押上板の組付け時に強い力が接続部に掛かった場合でも、当該押上板が塑性変形することを効果的に防止できる。
【0016】
本発明の第2の観点によれば、前記給紙カセットを備える画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係るコピーファクシミリ複合機の外観斜視図。
【図2】本体の内部の様子を示す正面断面図。
【図3】給紙カセットの様子を示す平面図。
【図4】画像形成装置の本体の奥側から見た給紙カセットの様子を示す斜視図。
【図5】フラッパの様子を示す斜視図。
【図6】持ち手部を用いてフラッパを撓ませる様子を示す拡大斜視図。
【図7】フラッパが取付位置にあるときの給紙カセットの様子を示す斜視図。
【図8】フラッパの位置の変化に応じて一体的に位置が変化する持ち手部の様子を示す模式図。
【図9】変形例の給紙カセットの一部を示す斜視図。
【図10】アース部材が配置されるL字溝の様子を示す拡大斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施形態に係るコピーファクシミリ複合機91の外観斜視図である。なお、以下の説明において、用紙100を搬送する方向(搬送方向)に対して直交する方向のことを幅方向と呼ぶことがある。
【0019】
図1に示すコピーファクシミリ複合機(画像形成装置)91は、画像読取部92と、操作パネル93と、本体94と、給紙カセット95と、フロントカバー97と、ジャムアクセスカバー98と、を備えている。
【0020】
画像読取部92は、フラットベッドスキャナ及びオートドキュメントフィードスキャナとして機能するように構成されている。操作パネル93は、コピー部数及びファクシミリ送信先等をユーザがコピーファクシミリ複合機91に対し指示するためのものである。
【0021】
本体94には、記録媒体としての用紙に画像を形成する画像形成部等が内蔵されている。給紙カセット95は、前記用紙を前記画像形成部へ順次供給できるように構成されている。
【0022】
フロントカバー97及びジャムアクセスカバー98は開閉できるように設けられており、例えばメンテナンス作業等を行う場合には、フロントカバー97又はジャムアクセスカバー98又はその両方を開放することで、本体94の内部にアクセスすることができる。
【0023】
次に、図2を参照して本体94の内部の様子を説明する。図2は本体94の内部の様子を示す正面断面図である。
【0024】
この図2に示すように、本体94の下部には、用紙100を供給する給紙カセット95が備えられる。この給紙カセット95は装置正面側(図2の紙面手前側)に引出可能に構成されている。給紙カセット95の上方には画像形成部11が配置され、更にその上方には定着部81及び排紙トレイ96が備えられている。なお、以下の説明において、図2における紙面手前側(装置正面側)を単に手前側と称し、紙面奥側(装置背面側)を単に奥側と称することがある。
【0025】
本体94の内部には、給紙カセット95から排紙トレイ96へ用紙100を搬送するための搬送路85が形成されている。この搬送路85は、給紙カセット95の一端側から上方に向かって延びて画像形成部11に至り、更に上方へ延びて定着部81を通過した後、水平方向へ湾曲して排紙トレイ96上に至るように構成されている。なお、図2では示していないが、前記排紙トレイ96の上方に前記画像読取部92及び操作パネル93が配置されている。
【0026】
給紙カセット95は上方開放状に形成されており、その底部には板状のフラッパ(押上板)50が回動自在に設けられている。用紙100は、このフラッパ50の上に複数枚重ねて積層される。なお、給紙カセット95の詳細な構成は後述する。
【0027】
前記フラッパ50の上方には給紙ローラ(給紙部)21が配置されており、フラッパ50の下面には、導電性を有する金属製のコイルバネ(付勢部材)49が取り付けられている。給紙カセット95内の底面の搬送方向下流側には、前記コイルバネ49を配置するための設置穴65が形成されている。コイルバネ49は、この設置穴65にコイルバネ49の下側の端部が入り込んだ状態で支持されており、このコイルバネ49によって前記フラッパ50が上方に付勢される。この構成で、前記給紙ローラ21が、コイルバネ49のバネ力で押し上げられた用紙100に接触しつつ駆動されることで、最上層の用紙100が分離されてピックアップされ、前記搬送路85に向けて送り出される(給紙動作)。
【0028】
また、コイルバネ49が配置される設置穴65には、給紙カセット95の外側に通じる貫通状の孔(図面において省略)が形成されている。給紙カセット95の外側で適宜の場所で接地しているアース部材60がこの貫通孔から設置穴65内に導入されており、設置穴65内でコイルバネ49に接触している。なお、コイルバネ49はフラッパ50に対して直接取り付けられているので、フラッパ50は、導電性を有するコイルバネ49及びアース部材60を介して接地されることになる。
【0029】
搬送路85において前記給紙ローラ21のすぐ下流側には、分離ローラ22が配置されている。この分離ローラ22は、それに対向配置されるローラとの間に用紙100をニップしつつ駆動されることで、用紙100を1枚ずつ分離する。
【0030】
分離ローラ22の下流側にはレジストローラ23が配置されている。このレジストローラ23は、それに対向配置されるプレスローラ24との間に用紙100をニップしつつ駆動されることで、用紙100の斜行を矯正しつつ下流側の画像形成部11へ搬送する。
【0031】
画像形成部11は、図2に示すように、感光ドラム12の周囲に、帯電器13と、LEDヘッド14と、現像器15と、転写ローラ16と、クリーナ17と、を配置した構成になっている。
【0032】
感光ドラム12は、表面に有機感光体による光導電膜が形成されるとともに、図示しない電動モータによって回転駆動(図2において反時計回り)されるように構成されている。帯電器13は、いわゆるスコロトロン帯電器と呼ばれる非接触のコロナ帯電方式のものに構成され、この帯電器13によって感光ドラム12の表面が均一に、例えば負に帯電されるようになっている。
【0033】
露光器としてのLEDヘッド14は、前記帯電器13より下流側(感光ドラム12の回転方向の下流側をいう。以下、現像器15、転写ローラ16及びクリーナ17の説明において同じ。)に配置されており、発光ダイオード(LED)を用紙幅方向に多数並べて備えた構成となっている。そしてLEDヘッド14は、電話回線を介して受信したファクシミリ原稿の画像データ及び画像読取部92で読み取った画像データに対応して選択的に発光する。この結果、感光ドラム12の表面が選択的に露光され、露光部分の電荷エネルギーが消失することで静電潜像が形成される。
【0034】
現像器15は前記LEDヘッド14の下流側に配置されている。現像器15には、トナーをその外周面に保持可能な現像ローラ25が設けられている。現像ローラ25は、所定のバイアス電圧が印加された状態で、感光ドラム12の外周面に近接されている。
【0035】
そして、現像ローラ25を回転させることで、トナーは感光ドラム12へ送られる。具体的には、感光ドラム12と現像ローラ25との近接部分において、現像ローラ25の表面のトナーが、前記LEDヘッド14による露光部に相当する部分においてのみ、感光ドラム12の表面へ選択的に移動する。この結果、感光ドラム12の表面上に、前記静電潜像に対応したトナー像が形成される。なお、感光ドラム12側へ移動しなかった残りのトナーは、現像剤容器35内に回収される。現像剤容器35内の空間は、トナー供給路としてのトナー供給パイプ39を介して、トナーを貯留しているトナーカートリッジ8と接続されている。
【0036】
転写ローラ16は、前記現像器15の下流側に配置されるとともに、感光ドラム12から搬送路85を挟んで反対側に配置されている。また、この転写ローラ16には電源からの所定の電圧が印加されている。従って、感光ドラム12の表面に形成されたトナー像は、感光ドラム12の回転によって転写ローラ16側へ近づくように移動し、その電界吸引力によって用紙100に転写される。
【0037】
クリーナ17は、前記転写ローラ16の下流側に配置されており、転写ローラ16の部分で用紙100に転写されなかった残留トナーを感光ドラム12の表面から掻きとるように構成されている。
【0038】
画像形成部11によって以上のようにトナー像が転写された用紙100は、感光ドラム12の回転によって、搬送路85の下流側の定着部81へ送られる。
【0039】
画像形成部11の下流側の定着部81には、加熱源(ハロゲンランプ等)を内蔵したヒートローラ82が配置されている。このヒートローラ82は、それに対向配置されるローラとの間に用紙100をニップしつつ駆動される。これにより、トナー像のトナーは、ヒートローラ82の熱及び圧力によって融解して用紙100に定着する。
【0040】
ヒートローラ82の下流側には送りローラ87が設けられ、更に下流側には排紙ローラ88が設けられる。この構成で、用紙100は、送りローラ87とそれに対向配置される従動ローラとの間でニップされ、下流側に送られる。更に用紙100は、排紙ローラ88とそれに対向配置される従動ローラとの間でニップされて、前記排紙トレイ96上に排出される。
【0041】
次に、図3及び図4を参照して、給紙カセット95の詳細な構成について説明する。図3は、給紙カセット95の様子を示す平面図である。図4は、コピーファクシミリ複合機91の本体94の奥側から見た給紙カセット95の様子を示す斜視図である。
【0042】
図3及び図4に示すように、本実施形態の給紙カセット95は、ハウジング(給紙カセット本体)40と、フラッパ50と、フラッパ支軸(取付部)46と、奥側サイドガイド41と、手前側サイドガイド42と、エンドガイド45と、を主要な構成として備える。
【0043】
ハウジング40は、用紙100を収容するとともに、給紙カセット95が備える各部を保持するためのものであり、適宜の樹脂により上面が開放された箱状に構成されている。このハウジング40の搬送方向下流側の上端部には、給紙ローラ21を取り付けるための取付部が形成されており、この取付部に給紙ローラ21が軸部材を介して回転可能に取り付けられている。
【0044】
フラッパ50は、上述したように、用紙100の下流側端部が給紙ローラ21に適切な位置で接触するように用紙100の下流側部分を持ち上げるためのものである。なお、フラッパ50の詳細な構成は後述する。
【0045】
フラッパ支軸46は、前記フラッパ50をハウジング40に対して回動できるように取り付けるためのものであり、ハウジング40の手前側の内壁と奥側の内壁に1箇所ずつ、それぞれの内壁と一体的に凸状に形成されている。それぞれのフラッパ支軸46は短い丸棒状に形成されており、手前側のフラッパ支軸46と奥側のフラッパ支軸46は、互いの軸線が一致するように対向配置されている。
【0046】
奥側サイドガイド41と手前側サイドガイド42は、用紙100の幅方向の側面を両側からガイドして当該用紙100の位置及び姿勢を適切に保持するためのものであり、ハウジング40の内側の底面に配置されている。奥側サイドガイド41は幅方向の一側(奥側)に配置され、手前側サイドガイド42は幅方向の他側(手前側)に配置されている。
【0047】
また、奥側サイドガイド41と手前側サイドガイド42はハウジング40に対して幅方向にスライド移動可能に構成されており、本実施形態の給紙カセット95は、奥側サイドガイド41と手前側サイドガイド42を互いに連結するためのラックアンドピニオン機構を備えている。このラックアンドピニオン機構は、ピニオン70と、奥側ラック71と、手前側ラック72と、を主要な構成として備えており、これらの部材によって、奥側サイドガイド41と手前側サイドガイド42とを連動させるように構成されている。
【0048】
ピニオン70は、ハウジング40の内側の底面においてやや搬送方向下流側の箇所に、その軸方向が上下方向を向くように配置されている。
【0049】
奥側ラック71は、奥側サイドガイド41の下端と接続されており、その長手方向を幅方向に向けてハウジング40の内側の底面に配置されている。この奥側ラック71は、前記ピニオン70に対応する噛合部を有しており、この噛合部は奥側ラック71の搬送方向下流側に配置されている。
【0050】
手前側ラック72は、手前側サイドガイド42の下端と接続されており、奥側ラック71と同様に、その長手方向を幅方向に向けてハウジング40の底面に配置されている。この手前側ラック72についても、前記ピニオン70に対応する噛合部を有しており、この噛合部は手前側ラック72の搬送方向上流側に配置されている。図3に示すように、ピニオン70は、搬送方向上流側では手前側ラック72に噛み合うとともに、搬送方向下流側では奥側ラック71に噛み合っている。
【0051】
この構成で、ユーザは、給紙カセット95に載置される用紙100のサイズが種々異なるのに合わせて、奥側サイドガイド41と手前側サイドガイド42とをハウジング40の底面の上側で移動させる。奥側サイドガイド41と手前側サイドガイド42とは、ラックアンドピニオン機構によって連結されているので、ユーザが、例えば手前側サイドガイド42を移動させると、その移動方向と反対の向きに、奥側サイドガイド41が同じ距離だけ移動する。このように奥側サイドガイド41及び手前側サイドガイド42を対称的に移動させることで、様々なサイズの用紙100を、その幅方向中心位置を維持した状態でセットすることができる。
【0052】
なお、本実施形態では、奥側サイドガイド41と奥側ラック71は適宜の樹脂により一体的に形成されている。また、手前側サイドガイド42と手前側ラック72についても、同様に、適宜の樹脂により一体的に形成されている。
【0053】
エンドガイド45は、用紙100の搬送方向上流側端部の位置を決めるためのものであり、ハウジング40の内側の底面に形成されるスライド溝によって、ハウジング40に対して搬送方向にスライド移動できるように構成されている。
【0054】
次に、図5を参照して本実施形態のフラッパ50の構成について説明する。図5は、フラッパの様子を示す斜視図である。
【0055】
本実施形態のフラッパ50は、載置面51と、手前側接続部52と、奥側接続部56と、持ち手部(操作具)53と、凸部54と、を備えており、これらの部分は、導電性を有する板金部材を適宜折り曲げて切断等することによって一体的に形成されている。
【0056】
載置面51は用紙100を載置するためのものであり、平面状に形成されている。手前側接続部52は、載置面51の幅方向一側(手前側)の端部に配置されており、奥側接続部56は、載置面51の幅方向他側(奥側)の端部に配置されている。本実施形態の手前側接続部52及び奥側接続部56は、フラッパ50の端部部分を略直角に折り曲げることで形成されており、載置面51に対して直交する方向に細長く延びる板状部材として構成されている。
【0057】
手前側接続部52の平面部分と奥側接続部56の平面部分とは幅方向で対面しており、この平面部分には、フラッパ支軸46を挿通させるための挿通孔55がそれぞれ形成されている。この挿通孔55にフラッパ支軸46を挿通させることで、フラッパ50がハウジング40に対して回転可能に取り付けられることになる。
【0058】
また、手前側接続部52及び奥側接続部56は、ともに、当該フラッパ50の搬送方向上流側に配置されている。従って、フラッパ50がハウジング40に取り付けられた状態では、フラッパ50は、その搬送方向上流側を基端側として、給紙カセット95に対して回動可能になっている。本実施形態では、コイルバネ49によってフラッパ50の搬送方向下流側部分が上方に付勢されているので、給紙カセット95を本体94に押し込んだ状態では、前記載置面51は、搬送方向下流側に進むに従って上方(給紙ローラ21)に近づくように傾斜した状態となっている。
【0059】
載置面51に積層された用紙100の束の厚みが大きい場合は、その分だけコイルバネ49が圧縮され、載置面51(フラッパ50)の傾斜角度が小さくなる。このように、セットされた用紙100の量の変動はフラッパ50の角度の変更によって吸収されるので、載置面51にセットされる用紙100の最上層の位置(給紙ローラ21と接触する位置)は、セットされる用紙100の束の厚みに関係なくほぼ同じ位置で保持される。
【0060】
持ち手部53は、給紙カセット95の組立時に手前側接続部52をフラッパ支軸46に取り付ける際に用いるものである。持ち手部53は、手前側接続部52の側部(搬送方向下流側の側部)から突出する平板状の部材として構成されている。この持ち手部53は、手前側接続部52の上部に手前側接続部52と一体的に形成されており、正面視において、角が丸められた長方形状に構成されている。手前側接続部52から持ち手部53が突出する方向は、フラッパ50の載置面51に垂直な向き(手前側接続部52の向き)から、搬送方向下流側に若干傾いた向きとされている。
【0061】
また、持ち手部53は、図3及び図4に示すように、フラッパ50のハウジング40への取付けが完了している状態では、ハウジング40の内壁のうち手前側接続部52に隣接する隣接面47の上端よりも、その先端が下方に位置するように構成されている。なお、持ち手部53を用いたハウジング40へのフラッパ50の取付作業の詳細については後述する。
【0062】
凸部54は、手前側接続部52及び奥側接続部56が形成されるフラッパ50の両側の端部にそれぞれ形成されている。手前側の端部に形成される凸部54は、手前側接続部52の内側の平面(奥側接続部56に対面する平面)と、載置面51と、に跨るように連続した細長状に形成されている。奥側の端部に形成される凸部54についても、同様に、奥側接続部56の内側の平面(手前側接続部52に対面する平面)と、載置面51の上面と、を跨るように連続した細長状に形成されている。
【0063】
この凸部54は、手前側接続部52及び奥側接続部56のそれぞれの平面では、その平面の長手方向に細長く形成されるとともに、内側に突出するように形成されている。一方、載置面51では、凸部54は手前側接続部52及び奥側接続部56のそれぞれから幅方向の内側に延びるように形成されるとともに、載置面51の上側に突出するように形成されている。
【0064】
本実施形態の凸部54は、絞り加工によってフラッパ50に一体的に形成されており、凸部54が形成される面の裏側には、突出量に応じた凹みができている。このように、フラッパ50の両端に形成される折曲げ部分に凸部54が形成されることによって、折曲げ部分の剛性が効果的に高められている。
【0065】
次に、図6、図7及び図8を参照して、持ち手部53を用いてハウジング40にフラッパ50を取り付ける作業について説明する。図6は、持ち手部53を用いてフラッパ50を撓ませる様子を示す拡大斜視図である。図7は、手前側接続部52の挿通孔55にフラッパ支軸46を挿通させた取付位置のフラッパ50の様子を示す給紙カセット95の斜視図である。図8(a)は、フラッパ50の位置の変化に応じて一体的に位置が変化する持ち手部53の様子を模式的に示す拡大正面図である。図8(b)は、フラッパ50の位置の変化に応じて一体的に位置が変化する持ち手部53の様子を模式的に示す拡大側面図である。
【0066】
作業者は、まず、フラッパ50の手前側が上方となるように若干傾けながら、奥側接続部56の挿通孔55に、奥側に配置されるフラッパ支軸46を挿通させる。
【0067】
次に、手前側接続部52の挿通孔55に手前側のフラッパ支軸46を挿通させる作業を開始する。本実施形態では、図7及び図8(a)の鎖線に示すように、持ち手部53の先端面が略水平になるように(即ち、搬送方向下流側が上方となるように)フラッパ50を大きく傾けた位置が、ハウジング40へフラッパ50を取り付けるための取付位置とされている。なお、この取付位置は、実際に給紙カセット95が使用されるときのフラッパ50の回動範囲からは外れた位置となっている。
【0068】
作業者は、奥側接続部56の挿通孔55にフラッパ支軸46が挿通された状態を維持しながら、フラッパ50を上記の取付位置とすべく、持ち手部53の先端面が概ね水平になるようにフラッパ50の姿勢を調整する。
【0069】
そして、作業者は、奥側接続部56の挿通孔55にフラッパ支軸46が挿通された状態で、手前側接続部52を下方へ移動させ、フラッパ支軸46の近傍に移動させる。手前側接続部52がフラッパ支軸46の近傍にきたところで、作業者は図6に示すように、持ち手部53を使って、手前側接続部52を幅方向の奥側に撓ませる(弾性変形させる)。なお、本実施形態では、フラッパ50の両端の折曲げ部分に形成されている凸部54によってフラッパ50の剛性が向上しているので、持ち手部53に強い力が加わったとしても、手前側接続部52が塑性変形しにくくなっている。
【0070】
作業者は、持ち手部53に指を掛けて手前側接続部52を弾性変形させた状態で、手前側接続部52を更に下方へ押し込み、手前側接続部52の挿通孔55と、フラッパ支軸46の位置を合わせるようにする。なお、図8(b)に示すように、本実施形態の持ち手部53は、フラッパ50が取付位置にあるときには、内壁のうち手前側接続部52に隣接する隣接面47の上端よりも上方に、その先端部分が位置するように構成されている。従って、隣接面47が邪魔になることなく、持ち手部53に指を掛けた状態で上記の押込み作業(挿通孔55とフラッパ支軸46の位置合わせ)を容易に行うことができる。
【0071】
作業者は、手前側接続部52の挿通孔55とフラッパ支軸46との位置を合わせた状態で、持ち手部53に加えていた力を解除する。すると、手前側接続部52の復元力により、挿通孔55にフラッパ支軸46を挿通させることができる。この状態では、手前側接続部52と隣接面47との間に形成される間隔は僅かである。
【0072】
次に、作業者は、取付位置となっているフラッパ50を下方へ押す。これにより、フラッパ50はフラッパ支軸46を中心として回転し、水平に近い姿勢になる。それに伴い、持ち手部53は、隣接面47の上端から上方に突出していた状態から下方へ引き込まれ、隣接面47の上端よりも低い状態となる。従って、この状態では、持ち手部53に指を掛けることが困難になる。以上により、フラッパ50のハウジング40への取付作業が完了する。
【0073】
ここで、図8(a)及び図8(b)の実線に示すように、本実施形態の持ち手部53は、取付作業が終了した後では、用紙100をセットしていない状態でも、隣接面47の上端よりも、その先端が上方に位置することがないように構成されている。即ち、ハウジング40に取り付けられた状態のフラッパ50においては、用紙100が1枚もセットされていないときに、ハウジング40の底面に対する傾斜角度が最も大きくなる。そして、持ち手部53はフラッパ50と一体的に回動するから、用紙100をセットしていないときに、持ち手部53の先端が最も高くなる。この点、本実施形態では、用紙100をセットしていないときであっても、隣接面47の上端よりも、その先端が上方に位置することがないように持ち手部53が構成されているので、ユーザの手が持ち手部53に接触することをより確実に防止できる。
【0074】
なお、メンテナンス作業等のためにフラッパ50を取り外したい場合には、作業者は、フラッパ50の回動範囲規制機構(図略)及び給紙ローラ21等を取り外した上で、フラッパ50の搬送方向下流側を引き上げる。すると、フラッパ50が上述の取付位置と同様に大きく傾いた姿勢となり、前記持ち手部53の先端が隣接面47の上端から上方に突出するようになる。作業者は、この状態で持ち手部53に指を掛け、手前側接続部52を弾性変形させて、当該手前側接続部52の挿通孔55からフラッパ支軸46を抜くようにする。これにより、フラッパ50をハウジング40から取り外すことができる。
【0075】
以上に示すように、本実施形態の給紙カセット95は、以下のように構成される。即ち、給紙カセット95は、ハウジング40と、フラッパ50と、手前側接続部52と、奥側接続部56と、フラッパ支軸46と、持ち手部53と、を備える。ハウジング40は、給紙動作を行う給紙ローラ21に供給する用紙100を収容する。フラッパ50は、給紙ローラ21に用紙100の最上層が接触するように用紙100を上方に押し上げるために板状に形成されるとともに、ハウジング40に取り付けるために少なくとも一部が弾性変形可能に構成される。手前側接続部52及び奥側接続部56は、フラッパ50の両端部にそれぞれ一体的に形成される。フラッパ支軸46は、手前側接続部52及び奥側接続部56をハウジング40に対して回転可能に取り付けるためにハウジング40の内壁に配置される。持ち手部53は、フラッパ50の手前側接続部52から突出し、フラッパ50の位置の変化に伴って一体的にその位置が変化する。フラッパ50の手前側接続部52をフラッパ支軸46に取り付けるときは、持ち手部53は、内壁のうち手前側接続部52に隣接している隣接面47の上端よりも上方にその先端が位置する。また、ハウジング40へのフラッパ50の取付けが完了した状態では、持ち手部53は、隣接面47の上端よりも下方にその先端が位置する。
【0076】
これにより、手前側接続部52とハウジング40の内壁との間が狭く、取付作業を行うスペースを十分に確保できないような場合であっても、持ち手部53を用いてフラッパ50を容易に弾性変形させて当該フラッパ50をハウジング40に取り付けることができる。また、フラッパ50がハウジング40に取り付けられたときは、持ち手部53が隣接面47の上端よりも下方に退避するので、ユーザが給紙カセット95に用紙を収容する際に当該持ち手部53と接触するおそれもない。
【0077】
また、本実施形態の給紙カセット95においては、フラッパ50と持ち手部53とが板金部材によって一体的に形成される。
【0078】
これにより、フラッパ50を給紙カセット95にスムーズに取り付けるための簡素な構成を実現でき、製造コストを低減できる。また、フラッパ50と持ち手部53が一体的に形成されることにより部品点数を少なくできるので、フラッパ50をハウジング40に組み付ける作業をより迅速に行うことができる。
【0079】
本実施形態の給紙カセット95においては、手前側接続部52及び奥側接続部56が、フラッパ50を折り曲げることで形成され、フラッパ50には、折り曲げた部分に跨るように細長状の凸部54が一体的に形成されている。
【0080】
これにより、折曲げ部分の剛性が凸部54によって向上するので、フラッパ50の組付け時に強い力が接続部に掛かった場合でも、当該フラッパ50が塑性変形することを効果的に防止できる。
【0081】
以上に本発明の実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0082】
上記実施形態では、フラッパ50と持ち手部53は板金によって一体的に構成されているが、この構成は適宜変更することができる。例えば、持ち手部53を別部品として構成し、手前側接続部52に適宜の方法で固定する構成とすることもできる。
【0083】
上記実施形態の持ち手部53は手前側接続部52にのみ配置される構成であるが、奥側接続部56にのみ配置する構成に変更することもできる。この構成では、ユーザが給紙カセット95を出し入れする際に、手が触れにくい奥側に持ち手部53が配置されるので、ユーザと持ち手部53との接触をより確実に防止することができる。
【0084】
フラッパ50の手前側接続部52及び奥側接続部56の塑性変形を防止する観点からは、凸部54を備えることが好ましいが、上記実施形態から凸部54を省略することもできる。
【0085】
また、上記実施形態では、手前側接続部52及び奥側接続部56に挿通孔55が形成され、ハウジング40に取付部としてのフラッパ支軸46が配置されている構成であるが、この構成は適宜変更できる。例えば、フラッパ50の手前側接続部52及び奥側接続部56に丸棒状の回転軸を配置し、ハウジング40に前記回転軸を差し込むための差込み穴(取付部)を形成することもできる。
【0086】
また、フラッパ50は、弾性変形が可能な部材によって構成されればよく、例えば適宜の樹脂によってフラッパを構成することもできる。
【0087】
上記実施形態では、奥側サイドガイド41と奥側ラック71及び手前側サイドガイド42と手前側ラック72は、ともに樹脂により一体的に形成される構成であるが、この構成は適宜変更することができる。例えば、用紙100を収容した状態で給紙カセット95を本体94に押し込むときに用紙100に発生する慣性力を受け止めることになる奥側サイドガイド41について、耐久性に優れる金属製に変更することもできる。
【0088】
次に、図9及び図10を参照して、給紙カセット295内の奥側に配置されるサイドガイドと奥側のラックを金属により一体的に構成した変形例について説明する。図9は、変形例の給紙カセット295の一部を示す斜視図である。図10は、アース部材60が配置されるL字溝63の様子を示す拡大斜視図である。なお、以下の変形例において上記実施形態と同一及び類似する構成には、図面に同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
【0089】
変形例の給紙カセット295は、金属サイドガイド241と金属ラック271とを備えている。金属サイドガイド241と金属ラック271とは、適宜の金属によって一体的に形成されている。また、変形例の給紙カセット295は、金属サイドガイド241及び金属ラック271に帯電する電荷を放電するためのアース部材60を備えている。
【0090】
図10に示すように、ハウジング240の底面の搬送方向下流側端部には、フラッパ50を上方に付勢するコイルバネ49を設置するための設置穴65が形成されている。この設置穴65の底面の搬送方向下流側には、給紙カセット295の外側に通じる貫通状の貫通孔66が形成されている。アース部材60は、導電性を有する適宜の線材によって構成されており、給紙カセット295の外側から貫通孔66を通って給紙カセット295内部に導入されている。このアース部材60は、給紙カセット295の外側の適宜の場所に接地しており、設置穴65内ではコイルバネ49に接触している。
【0091】
また、設置穴65の搬送方向上流側にはL字溝63が接続されている。このL字溝63は、搬送方向に形成される第1溝61と、幅方向に形成される第2溝62と、のそれぞれの一側の端部が接続されて構成されている。第1溝61は設置穴65に接続されており、設置穴65との接続部分から搬送方向上流側に延びてピニオン70よりも搬送方向下流側で第2溝62に接続している。第2溝62は、第1溝61との接続部分から幅方向一側(奥側)に延びて金属サイドガイド241の手前で終端している。
【0092】
変形例のアース部材60は、貫通孔66から設置穴65の内部を通過した後、更に第1溝61に沿って延び、第1溝61と第2溝62との接続部分でほぼ垂直に曲げられ、第2溝62に沿って更に延びるように形成されている。図9及び図10に示すように、第2溝62は、金属ラック271の下方に形成されており、アース部材60は、当該第2溝62では、上方に配置される金属ラック271に接触するように適宜湾曲させて、湾曲部を形成している。
【0093】
アース部材60はバネ性を有する金属で形成されており、アース部材60自体が有する弾性力によって、前記湾曲部が金属ラック271に接触するように付勢されている。従って、金属ラック271をスライドさせた場合でも、当該金属ラック271とアース部材60との接触が常に維持されるようになっている。
【0094】
以上に示したように、図9及び図10に示す本変形例のアース部材60は、設置穴65内でコイルバネ49に接触するとともに、第2溝62では金属ラック271にも接触している。従って、コイルバネ49、金属ラック271及び金属サイドガイド241は1つのアース部材60によってアースされていることになる。
【0095】
本変形例の構成により、耐久性の高い金属で金属サイドガイド241を構成しつつ、当該金属サイドガイド241が帯電することによる画像形成及び給紙作業への悪影響を抑制することができる。また、本変形例では、アース部材60は、第2溝62内では金属ラック271の移動方向に沿うように配置されており、アース部材60のこの移動方向に沿った湾曲部が金属ラック271に接触するように構成されている。これによって、アース部材60が金属ラック271の移動方向に水平方向で直交するように配置されている場合と異なり、金属ラック271が移動した際に、アース部材60の湾曲部が金属ラック271の底面に引っ張られて回動することにより、前記湾曲部と金属ラック271との接触が悪くなる事態を効果的に防止できる。このように、本変形例の構成により、アース部材60と金属ラック271との接触が安定し、アース部材60によるアースを適切に行うことができる。なお、上記変形例において、手前側のサイドガイドについても、金属製で構成することもできる。この場合、手前側のサイドガイドについてもアース部材を接触させるように構成することが好ましい。
【0096】
また、本発明は、給紙カセットを備える構成であれば、コピーファクシミリ複合機に限らず、コピー、ファクシミリ、プリンタ等の様々な画像形成装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0097】
21 給紙ローラ(給紙部)
40 ハウジング(給紙カセット本体)
46 フラッパ支軸(取付部)
50 フラッパ(押上板)
52 手前側接続部(接続部)
53 持ち手部(操作具)
54 凸部
56 奥側接続部(接続部)
91 コピーファクシミリ複合機(画像形成装置)
95 給紙カセット
100 用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給紙動作を行う給紙部に供給する用紙を収容する給紙カセット本体と、
前記給紙部に前記用紙の最上層が接触するように前記用紙を上方に押し上げるために板状に形成されるとともに、前記給紙カセット本体に取り付けるために少なくとも一部が弾性変形可能に構成される押上板と、
前記押上板の両端部にそれぞれ一体的に形成される接続部と、
前記接続部を前記給紙カセット本体に対して回転可能に取り付けるために前記給紙カセット本体の内壁に配置される取付部と、
前記押上板の少なくとも一端側の前記接続部から突出し、
前記押上板の前記接続部を前記取付部に取り付けるときは、前記内壁のうち前記接続部に隣接している隣接面の上端よりも上方にその先端が位置し、
前記給紙カセット本体への前記押上板の取付けが完了した状態では、前記隣接面の上端よりも下方にその先端が位置するように、
前記押上板の位置の変化に伴って一体的にその位置が変化する操作具と、
を備えることを特徴とする給紙カセット。
【請求項2】
請求項1に記載の給紙カセットであって、
前記押上板と前記操作具とが板金部材によって一体的に形成されることを特徴とする給紙カセット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の給紙カセットであって、
前記接続部は、前記押上板を折り曲げることで形成され、
前記押上板には、折り曲げた部分に跨るように細長状の凸部が一体的に形成されていることを特徴とする給紙カセット。
【請求項4】
請求項1から3までの何れか一項に記載の給紙カセットを備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−16606(P2011−16606A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−161235(P2009−161235)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】