説明

給紙装置

【課題】給紙時における主給紙ロールと後方側の副給紙ロールとの間で起こる給紙による用紙のループ現象(タワミ)に対する機構的な給紙安定化の対応と、ブランケットの用紙補給時の持ち上げ操作に関して、より操作の簡素化の向上を図る。
【解決手段】用紙案内板をブランケットに構成することで、給紙時における給紙ロールと後方側の副給紙ロールと、ブランケット下面と用紙積載台に積載された用紙の束の上面との間の空間部で起こる、給紙による用紙のループ現象に対する、構成での制御による給紙安定化の対応と、用紙案内板による、用紙の積載や補充時のブランケットの持ち上げ操作を簡素化した構成とし、操作性の問題点を改善し構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給紙方向に向かって、給紙ロールと副給紙ロールとを縦列に配置し、同期回転駆動を行い給紙をする、給紙装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
給紙装置の中で、給紙方向に向かって給紙ロールと副給紙ロールとを縦列に配置して、同期回転駆動をして給紙する給紙装置は、一例では、市場では、丁合機の一種として、新聞販売店等における折込広告(チラシ広告)の丁合作業に使用する、折込広告丁合機の給紙装置として実用化されている。
【0003】
このような給紙装置が、折込広告丁合機の給紙装置として採用されている理由は、周知の通り、新聞店から配達される新聞に挟み込まれて配達されてくる折込広告は、紙質(上質紙、アート紙や、コート紙、再生紙、葉書等)や、形状(1枚もの、2ッ折り、4ッ折り、タブロイド判複数頁物等)や、用紙への印刷方法も多岐となっていることから来ている。
【0004】
そして、折込広告の丁合機には、これら多様な用紙に対応する給紙装置が求められ、多様の用紙に対応しやすく、操作性が比較的な簡単な給紙装置として、給紙方向に向かって、主給紙ロール(以下、給紙ロールと称す)と副給紙ロール(以下、副給紙ロールと称す)とを縦列に配置し、給紙ロールと副給紙ロールとを同期回転駆動する給紙装置が、複数組み込まれた折込広告丁合機として、新聞販売店で採用されている。
【0005】
また、新聞店以外での同様な折込広告に類した丁合作業では、生活協同組合の組合員への連絡手段として行われている。そして、折込広告のみを丁合して、独自に宅配する業者においても同様な丁合作業が行われ、給紙方向に向かって、給紙ロールと副給紙ロールとを縦列に配置し、給紙ロールと副給紙ロールとを同期回転駆動する、給紙装置が複数組み込まれた折込広告丁合機を使用している。
【0006】
これらの市場で、例えば、新聞店の折込広告の丁合作業では、一度の丁合作業が、約1500部から約3000部の多部数の丁合作業となり、繁忙期には、折込広告丁合機に組み込まれている給紙装置の数から、一度の丁合作業では丁合作業が終了せず、繰り返しの丁合作業の実施で対処しており、多部数の折込広告(以下、用紙と称す)の丁合作業を処理するために、堅牢で操作が簡便で、給紙性能がよく安定した給紙装置が市場からは求められている。
【0007】
また、折込広告丁合機の給紙装置においては、給紙ロールに関して、給紙方向で先端側の給紙ロールを大きなロール径寸法とし、給紙方向に対し後方側の副給紙ロールのロール径を、給紙ロールに比べて小さな径寸法で構成し、この副給紙ロールの回転駆動で、用紙の給紙性能を確保している給紙装置があり、特許情報として公開されている。(特許文献1)
【0008】
そして、給紙方向で先端側の給紙ロールの径と、給紙ロールの給紙方向に向かって後方側の副給紙ロールの径を、同寸法の径で構成し、同期回転駆動をおこない、後方側の副給紙ロールを軸支する給紙軸に対し、押圧を加えることで副給紙ロールを給紙する用紙の上面への圧力を調整することで、給紙圧(用紙を給紙する給紙ロールの回転摩擦圧)を調整している給紙装置があり、特許情報として公開されている。(特許文献2)
【0009】
更に、給紙方向先端側の給紙ロールと、給紙方向に向かって給紙ロール後方側の副給紙ロールとの、配置間隔の変更可能な構成とし、後方側の副給紙ロールと、用紙への給紙圧を調整する給紙装置が、特許情報として公開されている。(特許文献3)
【0010】
これら上述した給紙装置では、用紙を積載する給紙積載台は、給紙板と給紙補助板とで構成されており、給紙補助板に給紙方向に向かい傾斜を持たせており、給紙方向で先端部側の給紙ロールの回転駆動と、この給紙ロールの下流に配置したサバキ板との摩擦を使用したフリクションパット方式(紙サバキ)を、基本として給紙の原理として採用している。
【0011】
しかしながら、上述したように多様な用紙の給紙を行うためには、フリクションパット方式での給紙での紙サバキでは、給紙が不確実な給紙状態と成ってしまう用紙もある。この不確実な給紙の状態は、紙詰まりや重送(複数枚の用紙の同時給紙)等の給紙不良となる傾向がある。
【0012】
また、これら給紙不良を起こしやすい用紙は、印刷された内容が消費者から興味を引き好印象を受けることを求め、カラー印刷が多く、カラー印刷での仕上がり(見栄え)がよい塗工紙であるアート紙や、コート紙等の、用紙表面の平滑度が高く、上質紙に比べて滑りやすい用紙(給紙の機械処理がしにくい用紙)が多い。これらの用紙は、折込広告の用紙としても多く用いられている。
【0013】
そして、昨今は環境問題から、使用された用紙を再生産(再生紙)することで、用紙を形成しているパルプ(繊維)の長さが確保されず、コシのない(柔らかな)用紙と、印刷コストの削減を目的にした薄い用紙が多く採用され、広告広告として印刷する傾向が市場において強まっている。
【0014】
更に、昨今の輸入紙製品の増加に伴い、更に、用紙の多様化が進んでおり、折込広告丁合機のように多種の紙質の用紙や、形状の異なる用紙を同時に給紙する給紙装置においては、丁合物の落丁は許されず、従来以上に多様化が進んだ用紙での、安定した給紙性能を持つ給紙装置が市場から求められている。
【0015】
尚、折込広告丁合機に組み込まれた給紙装置では、従来より、給紙装置の給紙条件に合わない用紙では、フリクションパットの給紙方法と併用して、給紙時に給紙積載する給紙板に積載された用紙上面で給紙方向の後端部位に、給紙軸に軸支させたアームに挿通され固定したブロックに摩擦材や針を配置して、用紙の重送の防止を行っている。特許情報としても公開されている。(特許文献4)
【0016】
そして、これら上述した給紙装置においては、給紙時における給紙ロールと給紙方向で給紙ロール後方側の副給紙ロールと、ブランケットの下面と給紙積載台に積載された用紙の上面の間において、空間部ができる構成となっている。
【0017】
この空間部で起こる、給紙による用紙のループ現象(タワミ)に対する機構的な対応が成されておらず、給紙する用紙の紙質や形状によっては、給紙ロールと後方側の副給紙ロールと、ブランケットの下面と給紙積載台に積載された用紙の上面の間の空間部において、給紙不良(紙詰まり等)を発生させやすい構成上の問題が有る。
【0018】
そして一方で、上述した給紙装置においては、給紙積載台給に追い積み(用紙補充)が可能にはなっているが、一度に用紙積載台に積載できる用紙量(枚数)が限られるため、給紙中に用紙の積載や補充の作業を繰り返す必要が有る。
【0019】
そのため、給紙積載台に用紙が無くなり、給紙積載台に用紙を積載や補充をするときに、給紙ロールと、給紙方向で給紙ロール後方側の副給紙ロールとを収納して、給紙軸に軸支されているブラケットを、手の操作で持ち上げて用紙を補充する必要が有り、その対応策として、ブランケット上面部位より金属線材からなるガイド部を配置し、用紙の補充時にブランケットを、手の操作で持ち上げることを回避する機構が、特許情報として公開されている。(特許文献5)
【0020】
また、頻繁な給紙補充の対応として、給紙補助板の上面に給紙補充のためのガイド板を配置し、用紙積載台から用紙が無くなる前に、ガイド板を使用して、追い積みの用紙補充を行う方法と構成が、特許情報として公開されている。(特許文献6)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】公開実用新案公報 平4−5841
【特許文献2】特開2001−97609号公報
【特許文献3】特開平8−268582号公報
【特許文献4】実用新案登録3121541号公報
【特許文献5】特開2009−256005号公報
【特許文献6】特開平11−79417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
解決しようとする問題点(課題)は、給紙時における給紙ロールと、給紙方向で給紙ロール後方側の副給紙ロールと、ブランケットの下面と用紙積載台に積載された用紙の上面との間の空間部で発生する、給紙による用紙のループ現象に対する機構としての制御による給紙安定化の対応と、用紙補充時のブランケットの持ち上げに操作に関して、操作負担の低減と、操作の簡便性を図ることが課題で有る。
【課題を解決するための手段】
【0023】
給紙方向に向かって給紙ロールと副給紙ロールとを、縦列配置した給紙装置であって、一定方向に回転駆動する給紙軸と、この給紙軸に軸支された給紙ロールと、給紙軸に支軸された給紙ロールを収納したブランケットと、このブランケットに軸架された副給紙軸と、副給紙軸に軸支された副給紙ロールと、給紙軸と副給紙軸とを、同期回転駆動を行う回転伝達手段と、副給紙軸に圧力を加える給紙圧調整機能と、給紙ロールの下流に配置したサバキ板ユニットと、サバキ板下流に配置したサバキ圧の調整を行うサバキ圧調整部と、ブランケットには、用紙案内板と、用紙を積載する用紙積載台とを備え、用紙積載台に積載された用紙を給紙する給紙装置を提供する。
【0024】
そして、用紙案内板の給紙方向先端部位には、給紙による用紙のループ現象の制御するための、用紙案内板押圧調整部が配置されている給紙装置を提供する。
【0025】
また、用紙案内板には、ブランケットに給紙方向の後端下面部位で支持され、用紙積載台への用紙の補充時に、用紙によるブランケットの押上を行う、湾曲形成された押上ガイド部を配置したことで、用紙補充時におけるブランケットの押上操作を簡素化した給紙装置を提供する。
【0026】
用紙案内板の押上ガイド部に、用紙積載台に積載された用紙の束の上面を押圧することで、用紙の給紙を安定化させる押圧部を配置した給紙装置を提供する。
【発明の効果】
【0027】
本願発明の給紙装置は、用紙案内板をブランケットに構成することで、給紙時における主給紙ロールと副給紙ロールとの間と、ブランケットの下面と給紙積載台に積載された用紙上面の間との空間部で起こる、給紙による用紙のループ現象に対する構成による制御での給紙安定化の対応と、用紙補充時に必要なブランケットを持ち上げる手操作の削減と、操作の簡素化との、両方の問題点を、用紙案内板に構成したことで解決し、給紙の安定化と、手の操作の削減により、操作の簡素化が向上される効果をもたらすという利点がある。
【0028】
そして、用紙案内板の用紙案内板の湾曲形成された押上ガイド部に、用紙積載台に積載された用紙の束の上面を押圧する押圧部を配置したことで、給紙による用紙のループ現象に対する構成による制御での給紙安定化の対応を、更に、強化した給紙装置としての効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本願の給紙装置の概略平面説明図である。
【図2】本願の給紙装置の概略横断面説明図である。
【図3】給紙時の用紙のループ現象による紙詰まり状態の概略説明図である。
【図4】2ッ折り用紙のループ現象の紙詰まり状態の概略説明図である。
【図5】給紙での用紙のループ現象を用紙案内板で制御した概略説明図である。
【図6】押上ガイド部でブランケットを押上する方法の説明図である。
【図7】押上ガイド部の用紙案内板押圧部の概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0030】
以下、本願発明の給紙装置の仔細な説明に関して、図を持って説明を行う。図1は、本願の給紙装置の概略平面説明図である。本願発明の給紙装置(以下、本願の給紙装置として記述し、従来の給紙装置は、従来の給紙装置として記述する)は、上面筐体10(図2参照)と下面筐体13(図2参照)を、左右に配置した筐体A11と筐体B12の間に配置されている。
【0031】
筐体A11と支柱14との間に軸支された給紙軸20は、電磁クラッチ63と連結しており、図示しない駆動部の制御により回転駆動を電磁クラッチ63のオン・オフが行われている。
【0032】
尚、ここでは電磁クラッチ63使用して、給紙軸20の回転制御を行うことで記述しているが、電磁クラッチではなく、回転数制御自在のDCモータを使用し、直に給紙軸20を、図示しない制御部の制御で、回転駆動させる構成でも良い。
【0033】
給紙軸20は、筐体A11と上面筐体10(図2参照)に固着された支柱14(図2参照)に軸支されている。そして、給紙軸21には、ブランケット41が軸支されており、ブランケット41内部には、給紙軸20に軸着された歯車A46と、ブランケット41に軸架した副給紙軸21が有る。
【0034】
この副給紙軸21には、軸着された歯車B47と、給紙圧調整ツマミ42ので給紙圧の調製を行う給紙圧調整部43が有り、給紙軸20の回転駆動を歯車A46から副給紙軸21に軸着した歯車B47を同期駆動させるタイミングベルト45があり、用紙案内板押圧調整部52がある。
【0035】
また、ブランケット41の上面には、支柱14(図2参照)が上面筐体10(図2参照)に固着するための切欠部があり、ブランケット41の側面には、給紙軸20に軸支された給紙ロール01と、副給紙軸21に軸支された副給紙ロール02が有る。給紙ロール01の下方には、紙サバキ板ユニット05(図2参照)がある。
【0036】
給紙ロール01と、副給紙ロール02の下部部位には、給紙ロール01と、副給紙ロール02との接触を回避した切欠部を持った、ブランケット41の後端下面部位の、用紙案内板支点51で支持された、用紙案内板50が配置されている。
【0037】
尚、ここでは給紙軸21を、筐体A11と上面筐体10(図2参照)に固着された支柱14(図2参照)に軸支された構成としているが、左右の筐体A11と筐体B12間で、給紙軸20を軸支する構成としても構わない。
【0038】
そして、給紙軸20に軸支された給紙ロール01と、副給紙軸21に軸支された副給紙ロール02には、図示はしないが、コア部を持たせてあり、このコア部の内部にはワンウェークラッチを持たせている。
【0039】
続いて、図2を持って説明する。図2は、本願の給紙装置の概略横断面説明図である。本願の給紙装置の給紙動作を説明する。図示しないモータの回転駆動を、図示しない制御部の制御で、電磁クラッチ63(図1参照)がオンとなることで、給紙軸20は回転駆動する。給紙軸20の回転駆動で給紙軸20に軸支されている給紙ロール01が回転駆動する。
【0040】
また、ブランケット41に収納され、給紙軸20に軸着した歯車A46と、ブランケット41に軸架された副給紙軸21に軸着された歯車B47との駆動伝達は、タイミングベルト45により行われている。そして、副給紙軸21に軸支された副給紙ロール02は、給紙ロール01と同期回転駆動をする。
【0041】
そして、給紙積載台(給紙板24と、給紙補助板25で構成されている)の上面に積載された用紙70を、副給紙ロール02と給紙ロール01の同期回転駆動と、給紙ロール01の下方に配置された紙サバキ板ユニット05のサバキ板との摩擦を利用したフリクションパット方式(紙サバキ)で、用紙70は、捌かれながら給紙される。
【0042】
その後、用紙70は給紙方向に進み、回転駆動を行っている搬送ロールA34と搬送ロールB35との従動構成により、搬送ロールA34と搬送ロールB35に、用紙70は挟まれて給紙方向の搬送ガイド板A38と搬送ガイド板B39の方向に給紙される。尚、搬送ロールA34は、図示しない制御部の制御により、電磁クラッチ64(図1参照)がオンとなり、回転駆動する。
【0043】
用紙70が搬送ロールA34と搬送ロールB35に挟まれた状態で給紙が行われているとき、給紙軸20の回転駆動は、図示しない、制御部の制御で電磁クラッチ63(図1参照)がオフとなる。給紙ロール01と給紙ロール02は、図示していない、給紙ロール01と副給紙ロール02に装着しているコアの内部に配置したワンエークラッチにより、回転方向の制御がされながら回転する。
【0044】
次に、本願の給紙装置の各部位を説明する。本願の給紙装置では、用紙積載台は、給紙板24と給紙補助板25で構成されている。給紙補助板25は、一端を給紙補助板支点A27と他端を給紙補助板支点B28に架設されている。また、給紙補助板支点B28は、図示はしないが、位置変更が可能な構成としており、給紙補助板25の角度変更ができるようになっており、給紙補助板支点A27の位置より、給紙補助板支点B28の位置は高い位置に設定されていることで、給紙補助板25は給紙方向に傾斜形成となっている。
【0045】
給紙方式は、給紙ロール01の下方にはサバキ板ユニット05があり、サバキ板ユニット05は、サバキ板ユニット支点07を支点として、サバキ圧調整部06で、図示しないサバキ圧の調整手段により、サバキ板ユニット05への押圧の変更ができ、給紙による用紙70のサバキ圧の調整ができるようになっている。
【0046】
用紙積載台である給紙板24と給紙補助板25への用紙70の積載方法に関し説明する。本願の給紙装置では、先に、ブランケット41の給紙方向後端部を上流に押し上げることで、ブランケット41が給紙軸20を支点として、ブランケット41の後端部から上流方向に持ち上がる。ブランケット41と上面筐体10とは、図示しないマグネットを使用し留めることが出来るようになっている。
【0047】
用紙積載台への用紙70の積載方法は、先に、用紙積載台に用紙70の束を積載し、その後、図2で図示するとおり、積載された用紙70の最上面を給紙ロール01の方向で最先端となるようにして、用紙70の束が給紙方向の後端側から見て、鱗状(斜め)になるように用紙積載台に用紙70を積載する。このような用紙70の積載方法は、給紙による用紙70の追い積み操作で給紙を止めること無く、用紙70の補充が可能とするための構成として、本願の給紙装置や従来の給紙装置で採用されている。
【0048】
次に、副給紙ロール02と給紙圧の関連に関し説明する。尚、ここでの給紙圧とは、給紙するときに、用紙70を給紙ロール02で回転方向に送り出すときの給紙の圧力を意味する。また、給紙圧は、給紙圧調整ツマミ42で、用紙70の種類や質量や、形状等により、給紙圧の調整ができる構成となっている。
【0049】
この給紙圧は、ブランケット41に軸架された副給紙軸21に対し、給紙圧調整ツマミ42の操作により、給紙圧調整部43(図1参照)で、副給紙軸21に押圧を強く当てることで給紙圧は高まり、弱く当てることで給紙圧は低くなる構成となっている。
【0050】
これは、副給紙軸21に給紙圧調整ツマミ42の操作により、押圧を強く当てることで、副給紙軸21に軸支された副給紙ロール02が、揺動構成のブランケット41に配置されていることで、給紙軸20を支点として、給紙補助板25方向に対し下がる力(給紙軸20を支点とした円移動)で、給紙積載台に積載された用紙70の上面に対し、給紙圧が高まることになる。
【0051】
逆に、給紙圧調整ツマミ42の操作により副給紙軸21に押圧を弱く当てることで、副給紙軸21に軸支された副給紙ロール02が、揺動構成のブランケット41に配置されていることで、給紙軸20を支点として、給紙補助板25方向に対し下がる力が、給紙積載台に積載された用紙70の上面に対し、給紙圧が弱まる構成となっている。
【0052】
副給紙ロール02は、用紙70を行うための調整された給紙圧が加えられた状態で、用紙70の上面に卯を加えながら回転駆動をおこない給紙を行う。給紙ロール01は、副給紙ロール02の給紙により給紙されてきた用紙70を、給紙ロール下方の紙サバキユニット02の上面の紙サバキ板とで、回転駆動と摩擦を利用した紙サバキの効果により、給紙を行う構成となっている。
【0053】
このように、用紙70は、給紙ロール01と副給紙ロール02の同期回転駆動により給紙されるが、給紙ロール01と副給紙ロール02との、給紙での構成上での機能が異なる事になる。
【0054】
また、副給紙ロール02の給紙圧の調整に適切でないときは、用紙70が給紙の遅れを起こす。また、用紙70が給紙方向である給紙ロール01方向への移動(給紙)が、円滑でないときや、ループ現象により用紙70が給紙されないときは、給紙ロール01の回転駆動による給紙は行うことが出来ずに、給紙不良を発生させることになる。
【0055】
尚、上述した本願の給紙装置の構成は、従来の給紙措置の構成と、用紙案内板50を持たせたこと以外は同等である。また、図示している用紙案内板50に関しては、後述説明する。
【0056】
図3を持って、給紙ロール01と副給紙ロール02の間で起こる給紙不良に関して説明する。図3は、給紙時の用紙のループ現象による紙詰まり状態の概略説明図である。尚、図示した用紙70の紙詰まりの状態は一例として図示している。また、図3では、給紙案内板50がブランケット41に配置されていない、従来の給紙装置として図示し説明する。
【0057】
従来の給紙装置では、本願の背景技術で説明した通り、塗工紙であるアート紙、コート紙等の用紙表面の平滑度が高く、上質紙に比べて滑りやすく、且つ、用紙70がコシが無い(柔らかい)用紙のときは、副給紙ロール02の給紙圧を高め、副給紙ロール02と用紙70との接触する圧力(給紙圧)を高めると、用紙70が給紙ロール01方向に給紙される前に、用紙70が給紙ロール01と副給紙ロール02に間と、ブランケット41の下面と用紙積載台に積載された用紙70の上面との間の空間部で、正常に給紙がされずに給紙ロール01の方向に進まずに、給紙により用紙70がループ現象を起こしてしまうことが有る。その結果、用紙70が紙詰まり等の給紙不良を発生させることになる。
【0058】
更に、図を持って説明する。図4は、2ッ折り用紙のループ現象の紙詰まり状態の概略説明図である。図示は、従来の給紙装置として行う。塗工紙であるアート紙、コート紙等の用紙70表面の平滑度が高く、一般的に複写機などで使用する上質紙に比べて滑りやすく、且つ、用紙70にコシが無い(柔らかい)2ッ折り加工された用紙70を給紙したときの、給紙による用紙70のループ現象から発生させる紙詰まりの給紙不要状態を説明する。尚、図示した用紙70の紙詰まりの状態は、一例を図示している。
【0059】
本願の給紙装置も従来の給紙装置も、用紙積載台への用紙70の積載方法は、用紙70の折られた部分を給紙方向の先端として積載することが操作の基本となっている。これは、給紙ローラ01の下方で紙サバキを行うためで、仮に、用紙70の紙折りされた部位を給紙方向の後端側として用紙積載台に積載して給紙したときは、給紙により、給紙ロール01の回転駆動とサバキ板ユニット05上面のサバキ板での摩擦による紙サバキが行われることで、2ッ折り形状の用紙70は、1枚ものの用紙70として紙サバキがされてしまうこととなる、紙詰まり等の給紙不良を防止するためである。
【0060】
尚、本願の給紙装置も従来の給紙装置も、給紙補助板25上で積載された用紙70は、給紙方向の左右を、図示しない案内ガイド板で用紙70の左右は規制されており、給紙時に用紙70が、給紙方向の左右に移動出来ないようになっている。
【0061】
図4では、用紙積載台に2ッ折りの用紙70を、折られた部位を給紙方向の先端として用紙積載台に用紙70を積載している。(図では、用紙70の上面のみを2ッ折り形状で図示している)給紙ロール01と副給紙ロール02に回転で用紙70を給紙したとき、用紙70の先端部が給紙ロール01の方向に給紙され、給紙ロール01の回転駆動と、サバキ板ユニット05上面のサバキ板で、摩擦を利用した用紙70の紙サバキがされることで、給紙が行われる。
【0062】
しかしながら、従来の給紙装置では、給紙ロール01と副給紙ロール02の間と、ブランケット41の下面と給紙積載台に積載された用紙70の上面との間において、空間部ができる構成となっている。
【0063】
この従来の給紙装置の空間部に対し、積載された用紙70束の上面を給紙ロール01方向に案内するガイド板等が何ら無く、そのため、塗工紙であるアート紙、コート紙等の用紙表面の平滑度が高く、上質師に比べて滑りやすく、且つ、用紙70にコシが無い(柔らかい)2ッ折り形状に加工された用紙70を給紙したときに、用紙70は、給紙方向である給紙ロール01方向に給紙されることなく、2ッ折りされた用紙70の上面側のみを給紙してしまうことになり、更に、給紙による用紙70のループ現象を空間部が作りやすくなる構成となっており、紙詰まりの給紙不良の発生を起こす要因の構成となっている。
【0064】
また、本願の給紙装置や従来の給紙装置を使用した機器の一例として上述した、折込広告丁合機で丁合作業を行う折込広告(用紙70)の場合、印刷方法に関しても、印刷時のインク量のムラがあり、インクの粘着の影響により、積載された用紙70同士の付着等の問題も有る。
【0065】
また、印刷から丁合作業までの時間的な余裕がないことで、印刷に使用したインクが完全に乾いていない用紙70もあり、所定の給紙性能が確保できず、用紙70の給紙によるループ現象による紙詰まり等の給紙不良を発生させている1つの要因となっている。
【0066】
このように従来の給紙装置として、給紙の経路に必要以上の空間部のある構成が、用紙70の紙質や、質量資や、形状による問題から、給紙による用紙70のループ現象を発生させ、給紙不良を発生する要因となっている。
【0067】
そして、このような給紙不良は、用紙70を用紙積載台に積載するときや、用紙70を追い積み(給紙駆動を止めず、用紙70を追加補充すること)のときに多く発生させている傾向がある。
【0068】
また、その他の給紙不良発生の要因に、本願の給紙装置や従来の給紙装置では、給紙方向に向かって縦列に給紙ロール01と副給紙ロール02を配置することで、所定の用紙70を給紙する給紙量を確保して給紙性能を確保していること。
【0069】
そして、給紙を止めずに用紙70を補給する追い積みを可能にした構成から来る、用紙積載台への用紙70の補充方法に独自な操作での決められた操作手順(仕様)があることにも給紙不良を起こす理由となる。
【0070】
操作者が、この決められた操作手順に対し、操作の経験が不足しているときは、この操作手順通りの操作による、用紙積載台への用紙70の積載方法や、追い積みでの用紙70の補充方法が、操作経験の少ない操作者には、操作がしにくいと言う問題から来ていることになる。
【0071】
一方、熟練した操作者では、用紙積載台に用紙70の補充を行ったときは、給紙のスタート時に補充した用紙70の上面を手で押圧を軽くかけることで、給紙による用紙70のループ現象の発生を防止している。これらは熟練した操作者は経験から来る、給紙する用紙70の特性(用紙のコシ、質量等)を理解した、操作の経験から対応している。
【0072】
このことは、用紙積載台に用紙70を積載し、その後、用紙70を鱗形状に揃えたときに、この鱗形状に積載された用紙70が給紙を開始することにより、安定した給紙に敵した鱗形状に用紙70がなる間(給紙に伴い、鱗状の用紙70は変形する)、操作者は、用紙70束の上面を手で押さえ、紙詰まり等の給紙不良を防止している。
【0073】
また、このような対応方法は、折込広告丁合機の様に、複数の本願の給紙装置や、複数の従来の給紙装置が組み込まれ構成された機器においては、操作者は、複数のそれぞれの給紙装置や従来の給紙装置に対応しなければならないことで、操作を煩雑にしている。
【0074】
本願の給紙装置や従来の給紙装置においても、同様に紙詰まり等の給紙不良は、用紙積載台の用紙70積載状態の再修正と、落丁した丁合物の落丁修正が必要となり、丁合作業の時間も長くなり、操作者の操作における負担を高めることになる。
【0075】
そして、給紙による用紙70のループ現象により、一例として、折込広告丁合機の様に、複数の本願の給紙装置や、複数の従来の給紙装置が組み込まれ構成された機器である折込広告丁合機では、図示しない制御部の制御により給紙のタイミングを合わせて、給紙された用紙の70の先端合わせを行っているが、その先端合わせが旨く行かず、丁合された用紙70が、図示しない丁合された用紙70が紙受部での揃いが悪くなる。
【0076】
次に、図5を持って本願の給紙装置における、給紙による用紙70のループ現象の対策した構成に関し説明する。図5は、給紙での用紙のループ現象を用紙案内板で制御した概略説明図である。
【0077】
図5で図示している様に、本願の給紙装置においては、給紙ロール01と副給紙ロール02の間と、ブランケット41の下面と給紙積載台に積載された用紙70の上面の間における空間部での、給紙による用紙70のループ現象を制御する用紙案内板50を配置した。
【0078】
この用紙案内板50は、固定された案内板ではなく、ブランケット41の後端下面部位に支点となる用紙案内板支点51を配置し、この用紙案内板50の上面で給紙方向の先端部位には、給紙による用紙70のループ現象を制御する用紙案内板押圧調整部52が配置されている。
【0079】
用紙案内板押圧調整部52は、用紙案内板押圧調整部ツマミ53の調整による用紙案内板押圧部52による設定で、用紙案内板50の位置を定める。そして、用紙案内板押圧部52は、給紙による用紙70の動きの自由度を確保するために、配置された用紙案内板50の先端部位の上下位置を定める。
【0080】
更に、用紙案内板押圧調整部52では、弾性材を併用することで用紙案内板押圧調整部52で設定した位置を基準として、用紙案内板50を用紙案内板支点51で軸支した上下方向での遊動可能な構成とし、給紙による用紙70のループ現象を制御する構成とした。
【0081】
また、用紙案内板50は、給紙方向で給紙ロール01や副給紙ロール02と、用紙70の接触部の位置に対し同方向として幅を抑えた構成として配置した(図1参照)ことで、給紙時における用紙案内板50が給紙に対し障害になることによる用紙70の曲がりや、用紙70へのシワや、給紙による用紙70表面のキズの発生を防止している。
【0082】
用紙案内板押圧調整部52では、用紙案内板50の給紙方向での先端部は、完全固定でない構成とし、用紙案内板押圧調整部52を配置している。固定でない用紙案内板50を採用している理由を説明する。
【0083】
一般的に、本願の給紙装置や従来の給紙装置においては、給紙の経路となる部分や、給紙される用紙70の搬送移動する部位には、用紙70の搬送時に起こる給紙方向での用紙70の形状変化に合わせ、給紙や搬送に余裕を持たせた構成とすることで、用紙70の給紙や搬送による、縦シワや、用紙70への給紙でのキズ等を防止している。
【0084】
本願の給紙装置では、用紙案内板50の用紙案内板押圧調整部52で、用紙案内板50の給紙方向での先端部で完全固定でない構成とし、給紙ロール01と副給紙ロール02と、ブランケット41の下面と給紙積載台に積載された用紙70上面の間との空間での給紙による用紙のループ現象を制御する、従来の給紙装置とは異なる本願の給紙装置の構成とした。
【0085】
また、この様な本願の給紙装置の構成とした理由は、上述した様に、多様な用紙70や紙質の異なり、また用紙70の形状に違い、例えば、1枚の用紙、4ッ折り用紙、タブロイド判で複数頁の新聞形状用紙等の、用紙70の紙質や、質量や、形状の違いに対し、給紙の対応を可能としながら、給紙による用紙70のループ現象の制御に対し対応し、安定した給紙を確保するためのものである。
【0086】
そして、用紙案内板50は、図示はしていないが、給紙ロール01と副給紙ロール02の下端より下流とならないようにブランケット41と、用紙案内板50の用紙案内板押圧部52の用紙案内板上下軸54とは係止構成となっている。この係止構成により、用紙積載台に用紙70を積載するとき、用紙案内板50給紙方向先端部が下がり、用紙70の補充時の支障とならない構成としている。
【0087】
尚、用紙案内板50の用紙案内板押圧調整部52で、用紙案内板50の給紙方向での先端部位とした配置で、用紙案内板50の上下位置を定めるとともに、弾性材を併用することで用紙案内板押圧調整部52で設定した位置から、上下方向での遊動可能な構成をとしているが、本願の給紙装置で給紙される用紙70の紙質や形状が一定に範囲であるときは、用紙案内板押圧調整部52は、用紙案内板50を用紙70側に押圧する弾性材で構成としても構わない。
【0088】
また、図5では、用紙案内板50の給紙案内板支点51をブランケット41の後端下面部位に配置して、給紙案内板支点51から給紙方向に向かった板形状として直線として図示しているが、この板形状に、給紙での用紙70の動きがループ現象を制御する中で、給紙がスムーズにできる形状に、用紙案内板50を曲げる等の加工をおこなっても構わない。
【0089】
更に、用紙案内板50は、用紙積載台への用紙70の補充時における、ブランケット41の押上機能を持たせている。図6を持って説明する。図6は、押上ガイド部でブランケットを押上する方法の説明図である。まず、本願の給紙装置での用紙積載台(給紙板24と給紙補助板25)への用紙70の積載方法に関し説明する。
【0090】
本願の給紙装置での用紙積載台(給紙板24と給紙補助板25)への用紙70の積載方法は、先に、用紙70補充時の妨げとなる給紙軸20に軸支され揺動構成のブランケット41を、ブランケット41の後端部から手の操作で上流方向に持ち上げ、上面筐体10の留める。その後、積載する用紙70の束を給紙方向で左右を両手で掴み、用紙積載台に積載する。
【0091】
更に、積載された用紙70の束の上面が、給紙ロール01側の先端になるように、積載された用紙70の後端部から見て、鱗状(斜め)に、用紙70の積載状態を補正することで、用紙積載台への用紙70の積載となる。
【0092】
また、図示はしないが、手の操作で持ち上げられたブランケット41は、上面筐体10の下面部にマグネットを使用した部位があり、ブランケット41の上面が留められる構成になっている。このことで、用紙70の補充時に、ブランケット41が用紙積載台への用紙70積載の妨げになることを防止している。
【0093】
そして、用紙積載台への用紙70の積載(補充)後は、再度、手操作でブランケット41を下流方向に下げる操作を行う。尚、追い積み操作で用紙70の補充の際には、用紙積載台に積載されている用紙70の給紙方向での後端部で、積載された用紙70束の下面で持ち上げて、用紙70の束下面と、給紙補助板25上面の間に鱗状にした用紙70の補充を行うことで、ブランケット41を手の操作で持ち上げる操作や、逆にブランケット41を手の操作で下げる操作は必要ない。
【0094】
このようなブランケット41の持ち上げる操作は、操作性の簡素化の面から見て改良の余地があり、特に、上述したように本願の給紙装置を複数個組み込まれた折込広告丁合機の様な機器では、用紙70の積載の操作が多く、(本願の各給紙装置では、用紙70の種類や形状の違いにより用紙70の用紙積載台への積載量が異なることで、用紙70積載補充タイミングが異なる)操作者の操作を煩雑にさせ、操作者に操作の負担をかけている。
【0095】
本願の給紙装置の用紙案内板50では、給紙方向で、ブランケット41の後端下面部位の用紙案内板支点51から、逆給紙方向に向かい用紙案内板50の一部位として湾曲形成された用紙案内板押上ガイド部55を配置している。
【0096】
この用紙案内板押上ガイド部55により、給紙方向の後端部位から用紙積載台に用紙70を積載するときに、手の操作でなく、用紙70を用紙積載台に積載すると同時に用紙案内板50の用紙案内板押上ガイド部55で、ブランケット41を押し上げることができる構成とした。尚、手の操作でブランケット41を上面筐体10に留めたときは、手の操作でブランケット41を下げることになる。
【0097】
ここでブランケット41に関し、補足説明をする。ブランケット41は、給紙軸20に軸支された揺動構成であることは記述した。このブランケット41を構成させるときは、従来の給紙装置においても、ブランケット41そのものを軽量化することが求められている。
【0098】
理由は、上質紙の薄紙等の場合、ブランケット41に質量があるときは給紙に悪影響を与える。そのため、一例としては、従来の給紙装置においても、ブランケット41と上面筐体10の間で弾性材等を使用し、給紙する用紙70にブランケット41の重さでの、用紙70への負荷を吸収するように構成した従来の給紙装置もある。
【0099】
また、ブランケット41の部位を樹脂形成や、ダイキャスト形成で軽量化を図っている従来の給紙装置もある。尚、図示はしていないが、本願の給紙装置においても、ブランケット41の軽量化は、配慮した構成として、ブランケット41の軽量化を考慮し、所定の給紙性能を確保し、また、ブランケット41を持ち上げる力も小さくした構成としている。
【0100】
本願の給紙装置では、給紙補助板25を給紙補助板支点A27を支点として、図示していない係止部により、給紙補助板支点28で給紙補助板25の傾斜をより高く設定することができるが、給紙補助板25を最高の傾斜を持たせたときも、用紙案内板押上ガイド部55が、給紙補助板25への接触しない構成となっている。
【0101】
用紙案内板50の湾曲形成された用紙案内板押上ガイド部55は、用紙70の補充時の、用紙70の束を用紙積載台給紙方向に挿入するときに、補充される用紙70束の先端や上面で、用紙案内板押上ガイド部55が当接することになり、用紙案内板押上ガイド部55を支持しているブランケット41を、給紙軸20を支点として、ブランケット41の後端部から上流方向に、用紙案内板50の用紙案内板押上ガイド部55でブランケット41を押し上げる構成とした。
【0102】
用紙70が用紙積載台に積載された後は、ブランケット41の自重と、ブランケット41の給紙軸20を支点とした構成で、ブランケット41は、用紙70束の上面に配置される。このように、用紙案内板50に1体構成された用紙案内板押上ガイド部55の効果により、用紙70の補充時にブランケット41を持ち上げる、手の操作の必要が無くなることで、操作者の操作が簡素化ができる。また、用紙70の補充時には、補充する用紙70の束を、給紙方向の左右で掴んで、操作者は、用紙70の補充を行っていることで、用紙70の用紙積載台への積載や補充の操作の負担が軽減できる。
【0103】
また、用紙積載台に用紙70を積載し、その後、用紙70束の上面から給紙方向に向かい鱗状(斜め)に用紙70の束を補正形成し、給紙方向で用紙70の束上面の用紙70を最先端として、用紙70を給紙ロール01に近づける用紙70補充時の操作において、用紙案内板50の給紙方向の先端部位による用紙70への案内板50の効果により、用紙70束の上面部位を給紙ロール01方向に案内しやすくする効果をもたらすことができる。
【0104】
このように、用紙案内板50に1体構成された用紙案内板押上ガイド部55にの効果は、本給紙装置を、複数組み込まれた折込広告丁合機のような機器では、用紙70積載(補充)時のブランケット41の持ち上げの、手での操作回数を低減させ、操作者の操作の簡素化が向上することで、効果がもたらす。
【実施例2】
【0105】
実施例1では、給紙におけるループ現象に関して、給紙ロール01と副給紙ロール02の間、及び、ブランケット41と積載された用紙70の上面の間にある空間部に用紙案内板50を配置し構成することで、給紙による用紙70のループ現象を制御した構成と、用紙案内板50の用紙案内板押上ガイド部55で、用紙70の補充時におけるブランケット41の押上する構成を説明した。
【0106】
実施例2では、用紙案内板50のブランケット41の後端下面部位の用紙案内板支点51から、逆給紙方向に向かい湾曲形成された用紙案内板押上ガイド部55に、用紙案内板押圧部56を配置して、給紙による用紙70のループ現象を制御する構成を、図7を持って説明する。
【0107】
図7は、押上ガイド部の用紙案内板押圧部の概略説明図である。図7は、用紙積載台に積載された用紙70の上面を押圧する構成を、用紙案内板50の用紙案内板押上ガイド部55に持たせた、一例を図示している。
【0108】
図7では、用紙案内板50のブランケット41の後端下面部位の用紙案内板支点51から、逆給紙方向に向かい湾曲形成された用紙案内板押上ガイド部55の間に、用紙案内板押圧部56を配置したことを図示している。
【0109】
この用紙案内板押圧部56は、用紙案内板50の用紙案内板支点51近接で、蝶番57で用紙案内板押上ガイド部55を連接し、用紙案内板支点51近接から用紙案内板押上ガイド部55の上面の弾性材59で押圧構成とし、この押圧を一定位置で係止するため、用紙案内板押上ガイド部55下面と当接させる、ブランケット41に連接した押上ガイド係止部58を配置する構成とした。
【0110】
この押上ガイド係止部58の係止構成により、副給紙ロール02と積載された用紙70の上面との接触位置より、用紙案内板押上ガイド部55の下面が低い位置に配置され、用紙案内板押上ガイド部55の下面で、積載された用紙70の上面に弾性材59による押圧がされ、給紙による用紙70のループ現象を制御する構成になっている。
【0111】
また、用紙案内板押圧部56の弾性材59の押圧は、副給紙ロール02の回転駆動による給紙圧の設定と、給紙に影響がない範囲での押圧に設置されており、且つ、用紙70の補充時では、ブランケット41の押上ガイドの機能を構成できるように設定されている。
【0112】
このように用紙案内板50に用紙案内板押圧部56を構成したことで、給紙方向に対し、逆給紙方向の副給紙ロール02の後方位置で、給紙積載台に積載された用紙70の上面に押圧を加えることことができる、これにより給紙時の用紙70のループ現象を防止する構成とした。
【0113】
尚、図示はしないが、用紙案内板50の用紙案内板押上ガイド部55の用紙案内板押圧部56と、この用紙案内板押圧部56の押圧を調整する押圧調整部を付加し構成することも可能であり、この押圧調整部の調整により、用紙70の種類や資質、そして、用紙70の形状の違い等に対し、より細かな設定が可能とした本願の給紙装置とすることもできる。
【0114】
そして、実施例1で示した用紙案内板50と、用紙案内板50の先端部位に配置した用紙案内板押圧調整部52の給紙による用紙70のループ現象の制御と、実施例2で記述した用紙案内板50の用紙案内板押上ガイド部55の用紙案内板押圧部56による用紙70の押圧による給紙による用紙70のループ現象の制御とを、用紙案内板50に構成することで、給紙による用紙70のループ現象が制御がされる構成として、用紙70の給紙を安定化させる効果を、更に、高めた本願の給紙装置とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0115】
給紙装置として、給紙する対象用紙の種類や形状への対応させることが容易であり、封筒やカード状の給紙装置としても使用が可能である。また、それら以外としても、少頁物の冊子物等の簡易な給紙装置を必要とする機器に対し、給紙装置としての利用が可能である。
【符号の説明】
【0116】
01:給紙ロール
02:副給紙ロール
03:給紙補助ロール
05:サバキ板ユニット
06:サバキ圧調整部
07:サバキ板ユニット支点
10:上面筐体
11:筐体A
12:筐体B
13:下面筐体
14:支柱
20:給紙軸
21:副給紙軸
24:給紙板
25:給紙補助板
27:給紙補助板支点A
28:給紙補助板支点B
30:用紙検知A
31:用紙検知B
34:搬送ロールA
35:搬送ロールB
38:搬送ガイド板A
39:搬送ガイド板B
41:ブランケット
42:給紙圧調整ツマミ
43:給紙圧調整部
45:タイミングベルト
46:歯車A
47:歯車B
50:用紙案内板
51:用紙案内板支点
52:用紙案内板押圧調整部
53:用紙案内板押圧調整部ツマミ
54:用紙案内板上下軸
55:用紙案内板押上ガイド部
56:用紙案内板押圧部
57:蝶番
58:押上ガイド係止部
59:弾性材
62:ベルト
63:電磁クラッチA
64:電磁クラッチB
70:用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給紙方向に給紙ロールと副給紙ロールとを、縦列に配した給紙装置であって、一定方向に回転駆動する給紙軸と、前記給紙軸に軸支された前記給紙ロールと、前記給紙軸に支軸された前記給紙ロールを収納したブランケットと、前記ブランケットに軸架された副給紙軸と、前記副給紙軸の軸支された前記副給紙ロールと、前記給紙軸と前記副給紙軸とを、同期回転駆動を行う回転伝達手段と、前記副給紙軸に圧力を加える給紙圧調整機能と、前記給紙ロールの下方に配したサバキ板ユニットと、前記サバキ板ユニットの下方に配したサバキ圧調整部と、前記ブランケットに支持された用紙案内板と、用紙を積載する用紙積載台とを備え、前記用紙積載台に積載された前記用紙を給紙することを特徴とする給紙装置。
【請求項2】
前記用紙案内板は、前記ブランケットの後端下面部位で支持され、給紙方向先端部位に、給紙による用紙のループ現象を制御する用紙案内板押圧調整部が配されていることを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
【請求項3】
前記用紙案内板には、前記用紙の補充時に、前記ブランケットの給紙方向後端部位から、前記ブランケットの押上を行う、湾曲形成された押上ガイド部が配されていることを特徴とする請求項1から請求項2に記載の給紙装置。
【請求項4】
前記押上ガイド部には、給紙される前記用紙積載台に積載された前記用紙の上面を押圧する押圧部を配したことを特徴とする請求項1から請求項3に記載の給紙装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−148827(P2012−148827A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6648(P2011−6648)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【出願人】(505165332)
【Fターム(参考)】