説明

給電管理装置

【課題】商用交流電源の電力の使用を抑制することのできる給電管理装置を提供する。
【解決手段】この給電管理装置は、太陽電池の発電量がDC機器の直流使用量よりも大きいときには、太陽電池の電力が商用交流電源の電力よりも優先してDC機器及び蓄電池に供給される。太陽電池の発電量がDC機器の直流使用量よりも小さいときには、太陽電池及び蓄電池の電力が商用交流電源の電力よりも優先してDC機器に供給される。蓄電池の充電レベルが基準充電レベルよりも小さいときには、DC機器の消費電力が予備充電レベルを超えないように制限される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池と商用交流電源と蓄電池とを備え、太陽電池の電力により蓄電池を充電し、太陽電池と商用交流電源と蓄電池との少なくとも1つの電力を負荷装置に供給する給電管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池と蓄電池とを組み合わせた給電管理装置が知られている。
給電管理装置では、昼間に太陽電池により発電を行い、その電力の一部を電気機器に供給し、余剰電力を蓄電池に供給して充電する。夜間には、蓄電池から放電して電気機器に電力を供給している(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−023879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、太陽エネルギを有効利用して、負荷装置の消費電力量が自動的且つ最適に省エネすることが望まれている。一方、従来の給電管理装置によれば、家庭内の負荷装置の消費電力量が太陽光発電量を上回る場合には、電力の不足分を商用交流電源により賄うようにしている。このため、上記の要望を満たすという点においては改善の余地が残されている。
【0005】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、太陽電池及び蓄電池による創電力備蓄設備の状態に応じて、負荷装置の消費電力量を自動的且つ最適に制御することのできる給電管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、太陽電池と商用交流電源と蓄電池とを備え、前記太陽電池の電力により前記蓄電池を充電し、前記太陽電池と前記商用交流電源と前記蓄電池との少なくとも1つの電力を負荷装置に供給する給電管理装置において、前記太陽電池の発電量と前記負荷装置の消費電力量と大きさの比較結果及び前記蓄電池の容量に対する充電割合を示す充電レベルの大きさに基づいて、前記負荷装置の消費電力レベルが制御されることを要旨とする。
【0007】
この発明によれば、電力を創出する太陽電池の発電量と電力を消費する負荷装置の消費電力量とを比較結果すなわ余剰電力量と、太陽電池の発電に基づいて蓄電される蓄電池の充電レベルとに基づいて、負荷装置の消費電力レベルが制御されている。すなわち、太陽エネルギの創出状況及び備蓄状況に応じて負荷装置の消費電力量が制限されるため、消費電力量を自動的且つ最適に制御することができる。
【0008】
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の給電管理装置において、前記太陽電池の電力が前記商用交流電源の電力よりも優先して前記負荷装置及び前記蓄電池に供給され、前記太陽電池の発電量が前記負荷装置の消費電力量よりも大きく、且つ前記蓄電池の充電レベルが基準充電レベルよりも小さいときには、前記負荷装置の消費電力が第1電力レベルを超えないように制限されることを要旨とする。
【0009】
この発明によれば、太陽電池の発電量が負荷装置の消費電力量よりも小さいときには、負荷装置に供給される。太陽電池の発電量が負荷装置の消費電力量よりも大きいときには、負荷装置及び蓄電池に供給される。蓄電池の充電レベルが基準充電レベルよりも小さいときには、負荷装置の消費電力が第1電力レベルを超えないように制限される。これにより、負荷装置の消費電力量を自動的且つ最適に低減することができる。この結果、商用交流電源の電力の使用を抑制することができる。
【0010】
(3)請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の給電管理装置において、前記太陽電池の発電量が前記負荷装置の消費電力量よりも大きく、且つ前記蓄電池の充電レベルが前記基準充電レベルよりも大きいときには、前記負荷装置の消費電力の制限が行われないことを要旨とする。
【0011】
この発明によれば、太陽電池の発電量が負荷装置の消費電力よりも大きく、且つ蓄電池の充電レベルが基準充電レベルよりも大きいとき、すなわち太陽電池及び蓄電池の電力により負荷装置の消費電力を賄うことができるとき、負荷装置の消費電力の制限が禁止される。従って、商用交流電源の電力を使用しなくとも負荷装置の性能を維持することができる。
【0012】
(4)請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の給電管理装置において、前記太陽電池の発電量が前記負荷装置の消費電力量よりも小さく、且つ前記蓄電池の充電レベルが前記基準充電レベルよりも大きいときには、前記負荷装置の消費電力が前記第1電力レベルよりも小さい第2電力レベルを超えないように制限されることを要旨とする。
【0013】
この発明によれば、太陽電池の発電量が負荷装置の消費電力量よりも小さく、且つ蓄電池の充電レベルが基準充電レベルよりも大きいとき、すなわち蓄電池の電力の消費量が多くなる旨予測されるとき、負荷装置の消費電力が第2電力レベルを超えないように制限される。従って、蓄電池の充電レベルが過度に低下することを抑制することができる。また、制限のレベルとして第1電力レベルよりも小さい第2電力レベルを用いているため、充電レベルの低下の抑制をより確実なものとすることができる。
【0014】
(5)請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の給電管理装置において、前記太陽電池の発電量が前記負荷装置の消費電力量よりも小さく、且つ前記蓄電池の充電レベルが基準充電レベルよりも小さいときには、前記負荷装置の消費電力が前記第2電力レベルよりも小さい第3電力レベルを超えないように制限されることを要旨とする。
【0015】
この発明によれば、太陽電池の発電量が負荷装置の消費電力量よりも小さく、且つ蓄電池の充電レベルが基準充電レベルよりも小さいとき、すなわち蓄電池の電力の消費量がより多くなる旨予測されるとき、負荷装置の消費電力が第3電力レベルを超えないように制限される。従って、蓄電池の充電レベルが過度に低下することを抑制することができる。また、制限のレベルとして第2電力レベルよりも小さい第3電力レベルを用いているため、充電レベルの低下の抑制をより確実なものとすることができる。
【0016】
(6)請求項6に記載の発明は、請求項2〜5のいずれか一項に記載の給電管理装置において、前記基準充電レベルとして、前記負荷装置により夜間に消費される夜間電力量に相当するレベルが設定されることを要旨とする。
【0017】
この発明では、蓄電池の充電レベルが負荷装置により夜間に消費される夜間電力量に相当するレベルよりも小さいとき、負荷装置の消費電力が第1電力レベルを超えないように制限されるため、充電レベルが夜間電力量に相当するレベルよりも過度に低いものとなることを抑制することができる。
【0018】
(7)請求項7に記載の発明は、請求項2〜6のいずれか一項に記載の給電管理装置において、前記商用交流電源の電力料金を定める時間帯として、前記電力料金が通常料金となる通常時間帯と、前記電力料金が前記通常料金よりも低額となる低額時間帯とが設定されているとき、前記基準充電レベルとして、前記負荷装置により夜間に消費される夜間電力量から前記低額時間帯に使用される低額電力量が差し引かれた電力量に相当するレベルが設定されることを要旨とする。
【0019】
この発明によれば、負荷装置により夜間に消費される夜間電力量から低額時間帯に使用される低額電力量が差し引かれた電力量に相当するレベルが基準充電レベルとして設定されていることにより、負荷装置により夜間に消費される夜間電力量に相当するレベルが基準充電レベルとして設定される場合と比較して、基準充電レベルは低くなる。これにより、蓄電池の充電レベルが基準充電レベルよりも小さくなる頻度が低くなるため、負荷装置の消費電力が第1電力レベルを超えないように制限される頻度を低減することができる。
【0020】
(8)請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の給電管理装置において、前記負荷装置の消費電力を制御する時刻が前記低額時間帯にあるときには、前記負荷装置の消費電力の制限レベルは、同低額時間帯以外の時間帯にて行われる前記負荷装置の消費電力の制限レベルよりも緩和されることを要旨とする。
【0021】
この発明によれば、低額時間帯において消費電力の制限が緩和されることにより、同時間帯においてはこの制限緩和がない場合に比較して、負荷装置の消費電力量が増大する。この場合、その負荷装置への電力供給は商用交流電源と蓄電池から賄われることになり、商用交流電源からの電力供給頻度を増やすことができる。これにより、比較的低コストで、夜間時における負荷装置の使用制限を緩和することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、商用交流電源の電力の使用を抑制することのできる給電管理装置を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の給電管理装置を具体化した一実施形態について、同装置を含む電力供給システムの構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態の給電管理装置の電力制御装置について、その構造を示す模式図。
【図3】同実施形態の電力制御装置により実行される「電力制御処理」について、その処理手順を示すフローチャート。
【図4】同実施形態の電力制御装置により実行される「消費電力制限処理」について、その処理手順を示すフローチャート。
【図5】同実施形態の給電管理装置について、その制御態様の一例を示すタイミングチャート。
【図6】同実施形態の電力制御装置により実行される「消費電力制限処理」について、その変形例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1〜図6を参照して、本発明の一実施形態について説明する。なお、本実施形態では、本発明の給電管理装置を電力供給システムの一部として実施した場合を例示している。
図1に示すように、住宅には、宅内に設置された各種機器(照明機器、エアコン、家電、オーディオビジュアル機器等)に電力を供給する電力供給システム1が設けられている。電力供給システム1は、家庭用の商用交流電源(AC電源)2の電力の他に、太陽光により発電する太陽電池3の電力も各種機器に供給する。電力供給システム1は、直流電源(DC電源)を入力して動作するDC機器5の他に、商用交流電源2を入力して動作するAC機器6にも電力を供給する。
【0025】
電力供給システム1には、同システム1の分電盤としてコントロールユニット7及びDC分電盤(直流ブレーカ内蔵)8が設けられている。また、電力供給システム1には、住宅のDC機器5の動作を制御する機器として制御ユニット9及びリレーユニット10が設けられている。
【0026】
コントロールユニット7には、交流電力を分岐させるAC分電盤11が交流系電力線12を介して接続されている。コントロールユニット7は、AC分電盤11を介して商用交流電源2に接続されるとともに、直流系電力線13を介して太陽電池3に接続されている。コントロールユニット7は、AC分電盤11から交流電力を取り込むとともに太陽電池3から直流電力を取り込み、これら電力を機器電源として所定の直流電力に変換する。そして、コントロールユニット7は、この変換後の直流電力を、直流系電力線14を介してDC分電盤8に出力し、また直流系電力線15を介して蓄電池16に出力する。コントロールユニット7は、交流電力を取り込むのみならず、太陽電池3や蓄電池16の直流電力を交流電力に変換してAC分電盤11に供給する。コントロールユニット7は、信号線17を介してDC分電盤8とデータやり取りを実行する。
【0027】
DC分電盤8は、直流電力対応の一種のブレーカである。DC分電盤8は、コントロールユニット7から入力した直流電力を分岐させ、その分岐後の直流電力を、直流系電力線18を介して制御ユニット9に出力したり、直流系電力線19を介してリレーユニット10に出力したりする。また、DC分電盤8は、信号線20を介して制御ユニット9とデータのやり取りをしたり、信号線21を介してリレーユニット10とデータのやり取りをしたりする。
【0028】
制御ユニット9には、複数のDC機器5,5が接続されている。これらDC機器5は、直流電力及びデータの両方を搬送する直流供給線路22を介して制御ユニット9と接続されている。直流供給線路22は、DC機器5の電源となる直流電圧に、高周波の搬送波によりデータを電送する通信信号を重畳する、いわゆる電力線搬送通信により、一対の線で電力及びデータの両方をDC機器5に搬送する。制御ユニット9は、直流系電力線18を介してDC機器5の直流電力を取得し、DC分電盤8から信号線20を介して得る動作指令に基づいてDC機器5の動作制御態様について把握する。そして、制御ユニット9は、指示されたDC機器5に直流供給線路22を介して直流電圧及び動作指令を出力し、DC機器5の動作を制御する。
【0029】
制御ユニット9には、宅内のDC機器5の動作を切り換える際に操作するスイッチ23が直流供給線路22を介して接続されている。また、制御ユニット9には、例えば赤外線リモートコントローラからの発信電波を検出するセンサ24が直流供給線路22を介して接続されている。よって、DC分電盤8からの動作指示のみならず、スイッチ23の操作やセンサ24の検知によっても、直流供給線路22を通じて送信される通信信号により、DC機器5が制御される。
【0030】
リレーユニット10には、複数のDC機器5,5…がそれぞれ個別の直流系電力線25を介して接続されている。リレーユニット10は、直流系電力線19を介してDC機器5の直流電源を取得し、DC分電盤8から信号線21を介して得る動作指令に基づいて、いずれのDC機器5を動作させるのかについて把握する。そして、リレーユニット10は、指示されたDC機器5に対し、内蔵のリレーにて直流系電力線25への電源供給をオンオフすることにより、DC機器5の動作を制御する。また、リレーユニット10には、DC機器5を手動操作するための複数のスイッチ26が接続されており、スイッチ26の操作によって直流系電力線25への電源供給をリレーにてオンオフすることにより、DC機器5が制御される。
【0031】
DC分電盤8には、例えば壁コンセントや床コンセントの態様で住宅に建て付けられた直流コンセント27が直流系電力線28を介して接続されている。この直流コンセント27にDC機器5のプラグ(図示略)を差し込めば、同機器に直流電力を直接供給することが可能である。
【0032】
また、AC分電盤11には、例えば商用交流電源2の使用量を遠隔検針可能な電力メータ29が接続されている。電力メータ29には、商用交流電源使用量の遠隔検針の機能のみならず、例えば電力線搬送通信や無線通信の機能が搭載されている。電力メータ29は、電力線搬送通信や無線通信等を介して検針結果を電力会社等に送信する。
【0033】
電力供給システム1には、宅内の各種機器をネットワーク通信によって制御可能とするネットワークシステム30が設けられている。ネットワークシステム30には、同システム30のコントロールユニットとして宅内サーバ31が設けられている。宅内サーバ31は、インターネットなどのネットワークNを介して宅外の管理サーバ32と接続されるとともに、信号線33を介して宅内機器34に接続されている。また、宅内サーバ31は、DC分電盤8から直流系電力線35を介して取得する直流電力を電源として動作する。
【0034】
宅内サーバ31には、ネットワーク通信による宅内の各種機器の動作制御を管理するコントロールボックス36が信号線37を介して接続されている。コントロールボックス36は、信号線17を介してコントロールユニット7及びDC分電盤8に接続されるとともに、直流供給線路38を介してDC機器5を直接制御する。コントロールボックス36には、例えば使用したガス量や水道量を遠隔検針可能なガス/水道メータ39が接続されるとともに、ネットワークシステム30の操作パネル40が接続されている。操作パネル40には、例えばドアホン子器やセンサやカメラからなる監視機器41が接続されている。
【0035】
宅内サーバ31は、ネットワークNを介して宅内の各種機器の動作指令を入力すると、コントロールボックス36に指示を通知して、各種機器が動作指令に準じた動作をとるようにコントロールボックス36を動作させる。また、宅内サーバ31は、ガス/水道メータ39から取得した各種情報を、ネットワークNを通じて管理サーバ32に提供可能であるとともに、監視機器41で異常検出があったことを操作パネル40から受け付けると、その旨もネットワークNを通じて管理サーバ32に提供する。
【0036】
給電管理装置100は、太陽電池3と、蓄電池16と、コントロールユニット7と、電力制御装置70とにより構成されている。給電管理装置100は、太陽電池3の発電量及び蓄電池16の充電レベルCLに応じて、DC機器5の消費電力を制限する。
【0037】
太陽電池3は、太陽光発電量PWSを周期的に計測し、信号線51を介して太陽光発電量PWSを電力制御装置70に出力する。なお、太陽光発電量PWSは、太陽光の強さにより変動するとともに、太陽電池3に加わる負荷によっても変動する。すなわち、太陽電池3に発電余力が十分にあるときでも、太陽電池3に接続されているDC機器5の直流電力総使用量がその太陽電池3の発電量よりも小さいときは、太陽電池3はDC機器5の総消費電力量に応じた分しか発電を行わないようになる。
【0038】
蓄電池16は、電力制御装置70からの要求に応じて充電及び放電する。蓄電池16は、バックアップレベルCLBと、予備充電レベルCLA(基準充電レベル)との2つのレベルにより管理される。バックアップレベルCLBは、夜間時の停電や火災等の非常時において電力供給が停止されたときに所定期間電力を賄うために設定される。例えば、バックアップレベルCLBは、非常時において使用される電力量に相当する充電レベルCLに設定される。蓄電池16は、通常、蓄電池16の充電量がバックアップレベルCLB以下とならないように、制御されている。
【0039】
予備充電レベルCLAは、バックアップレベルCLBよりも高い充電レベルに設定されるものであり、夜間時の消費電力を賄うために設定される。例えば、予備充電レベルCLAは、夜間に使用される一晩あたりの電力量に相当する充電レベルCLに設定される。蓄電池16は、周期的に充電レベルCLを計測し、信号線52を介してこの充電レベルCLを電力制御装置70に出力する。
【0040】
コントロールユニット7には、太陽電池3の電力を低電圧の直流電力に変換するDC/DCコンバータが設けられている。DC/DCコンバータにより、太陽電池3による電力が所定の電圧値に変換される。コントロールユニット7は、電力制御装置70からの要求に応じて、商用交流電源2からの交流を直流に変換し、また太陽電池3や蓄電池16からの直流を交流に変換する。例えば、DC機器5の直流使用量(すなわち消費電力量)が、太陽電池3からの太陽光発電量PWSよりも大きくなり、直流電力が不足しているときは、コントロールユニット7により交流が直流に変換されて、不足している直流電力が賄われる。一方、DC機器5の直流使用量PWDが太陽電池3からの太陽光発電量PWSよりも小さく、太陽電池3の電力が余っているときは、直流が交流に変換される。コントロールユニット7は、交流から直流に変換したACDC電力量、及び直流から交流に変換したDCAC電力量を計測し、信号線53を介してこれら電力量を電力制御装置70に出力する。
【0041】
図2に示すように、電力制御装置70は、演算装置71と、太陽電池3及びコントロールユニット7及び蓄電池16等の外部装置と情報通信をする通信部72と、太陽光発電量格納部73と、ACDC出力量格納部74と、蓄電池充電レベル格納部75と、直流使用量格納部76と、蓄電池基準値格納部77と、により構成されている。
【0042】
通信部72は、信号線51〜53を介して、太陽電池3と、蓄電池16と、コントロールユニット7から出力される、太陽光発電量PWS、充電レベルCL、ACDC電力量、DCAC電力量等の情報を受信する。また同通信部72は、これら情報を演算装置71へ出力する。さらに通信部72は、演算装置71からの動作指令を蓄電池16及びコントロールユニット7に送信する。
【0043】
演算装置71は、太陽光発電量PWSを発電量推移データDTAに形成する。発電量推移データDTAは、太陽光発電量PWSが送られてくる時刻とその時刻における太陽光発電量PWSとを纏めたデータである。また、演算装置71は、電力制御処理及び消費電力制限処理を行う。電力制御処理では、太陽電池の太陽光発電量PWS及び蓄電池の充電レベルCLに応じて、DC機器5への電力供給源を選択する。消費電力制限処理では、太陽電池の発電量及び蓄電池の充電レベルCLに応じて、DC機器5の消費電力を制限する。
【0044】
太陽光発電量格納部73は、発電量推移データDTA及び一日当りの総発電量DTBを太陽光発電データDTとして記憶する。太陽光発電データDTは数年間保持される。ACDC出力量格納部74は、ACDC電力量及びDCAC電力量を記憶する。蓄電池充電レベル格納部75は、蓄電池16の充電レベルCLを記憶する。直流使用量格納部76は、直流電力の使用量を記憶する。蓄電池基準値格納部77は、バックアップレベルCLBと、予備充電レベルCLAとを記憶する。
【0045】
図3を参照して、電力制御装置70により実行される「電力制御処理」について、その処理手順を説明する。なお同処理は、電力制御装置70により所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
【0046】
ステップS110にて、太陽電池3の電力は、優先的に、DC機器5への電力供給に割り当てられる。すなわち、DC機器5は、商用交流電源2及び太陽電池3からの電力供給を受けるが、同機器5は優先的に太陽電池3からの電力を消費する。
【0047】
ステップS120にて、太陽光発電量PWSとDC機器5の直流使用量PWDとが比較される。同ステップS120にて、太陽光発電量PWSが直流使用量PWDよりも大きい旨判定されたとき、すなわち太陽光発電量PWSが余剰するときは、ステップS130にて蓄電池16の充電レベルCLが満充電レベルCLCに達しているか否か判定される。
【0048】
蓄電池16の充電レベルCLが満充電レベルCLCに達していないときは、ステップS140にて、太陽電池3の電力は、DC機器5への電力供給に割り当てられるとともに、その余剰電力が蓄電池16の充電に割り当てられる。このとき、太陽光発電量PWSは、DC機器5の直流使用量PWDと、蓄電池16への充電量PWEと総和になっている。
【0049】
一方、蓄電池16の充電レベルCLが満充電レベルCLCに達しているときは、ステップS150にて、太陽電池3による電力は、DC機器5への電力供給に割り当てられる。一方、太陽光発電量PWSの余剰電力はDC機器5により消費されない。このとき、太陽光発電量PWSはDC機器5の直流使用量PWDと等しくなっている。
【0050】
ステップS120にて、太陽光発電量PWSが直流使用量PWD以下である旨判定されたときは、ステップS160にて、蓄電池16の充電レベルCLがバックアップレベルCLBより大きいか否かが判定される。
【0051】
同ステップS160にて、肯定判定されるときは、ステップS170にて、直流使用量PWDの不足電力に相当する電力量を蓄電池16から放電する。このとき、太陽光発電量PWSと蓄電池16からの放電量PWFとの総和が、DC機器5の直流使用量PWDと等しくなる。
【0052】
一方、蓄電池16の充電レベルCLがバックアップレベルCLB以下である旨判定されたときは、ステップS180にて、直流使用量PWDの不足電力に相当する電力量の交流を直流に変換して、DC機器5へ電力を供給する。このとき、太陽光発電量PWSと、交流から直流に変換されたACDC電力量との総和が、DC機器5の直流使用量PWDと等しくなっている。
【0053】
図4を参照して、電力制御装置70により実行される「消費電力制限処理」について、その処理手順を説明する。なお同処理は、電力制御装置70により所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
【0054】
ステップS210にて、太陽電池3による太陽光発電量PWSとDC機器5の直流使用量PWDとが比較さる。同ステップS210にて太陽光発電量PWSが直流使用量PWDよりも大きい旨判定されたとき、ステップS220にて、蓄電池16の充電レベルCLが予備充電レベルCLAより大きいか否か判定される。
【0055】
同ステップS220にて肯定判定されたときは、ステップS230にて、DC機器5の消費電力の電力制限は行われない。すなわち、太陽光発電量PWSが十分にあり、且つ蓄電池16には、夜間消費電力を賄うために十分な電力が蓄えられているため、電力制限は行われない。
【0056】
一方、蓄電池16の充電レベルCLが予備充電レベルCLA以下のときは、ステップS240にて、DC機器5の消費電力が第1電力レベルに制限される。例えば、第1電力レベルでは、全てのDC機器5の総消費電力の10%に相当する電力が制限される。具体的には、全てのDC機器5のうちで使用制限可能なものを選出し、さらに使用制限したときに、総消費電力の10%に相当する電力の消費が減少するようになるものを予め1個又は複数個特定する。そして、消費電力の制限処理が実行されるときに、電力制御装置70からリレーユニット10又は制御ユニット9への動作指令によって特定されたDC機器5への電力供給を遮断する。
【0057】
ステップS210にて、太陽光発電量PWSが直流使用量PWD以下である判定されたとき、ステップS250にて、蓄電池16の充電レベルCLが予備充電レベルCLAより大きいか否か判定される。
【0058】
蓄電池16の充電レベルCLが予備充電レベルCLAよりも大きいときは、ステップS260にて、DC機器5の消費電力について第2電力レベルに制限される。第2電力レベルは、電力制限度合いが第1電力レベルよりも大きくなるように設定されている。
【0059】
直流使用量PWDについて太陽電池3の電力により賄うことができないため、暫くの時間経過後に、充電レベルCLが予備充電レベルCLA以下になると推定される。このため、第1電力レベルよりも制限量が大きい第2電力レベルにてDC機器5の消費電力を制限して、充電レベルCLの低減を緩和させている。第2電力レベルでは、例えば、DC機器5の総消費電力の20%に相当する電力が制限される。
【0060】
一方、蓄電池16の充電レベルCLが予備充電レベルCLA以下となるときは、ステップS270にて、DC機器5の消費電力について、第2電力レベルよりも制限量が大きい第3電力レベルに制限される。すなわち、直流使用量PWDについて太陽電池3による電力により賄うことができず、且つ、充電レベルCLが予備充電レベルCLA以下であることから、暫くの時間経過後に、充電レベルCLがバックアップレベルCLB以下になると推定される。このため、第2電力レベルよりも電力制限量が大きい第3電力レベルにて、DC機器5の消費電力がさらに制限される。第3電力レベルでは、例えば、DC機器5の総消費電力の30%に相当する電力が制限される。
【0061】
図5を参照して、給電管理装置の制御態様の一例について説明する。
時刻t1のとき、すなわち深夜において、太陽光発電量PWSが直流使用量PWD以下であり且つ蓄電池16の充電レベルCLが予備充電レベルCLAよりも小さいとき、DC機器5の消費電力について、第3電力レベルに制限される。
【0062】
ここで太陽電池3による発電は行われない一方、DC機器5の待機電力が使用されるため、直流使用量PWDが太陽光発電量PWSよりも大きくなる。また、蓄電池16の充電レベルCLはバックアップレベルCLBになっている。蓄電池16の充電レベルCLをバックアップレベルCLBに維持するために商用交流電力が使用される。このとき、DC機器5の消費電力は第3電力レベルに制限される。深夜においては、使用されるDC機器5が少ないため、実質的には、DC機器5の駆動が制限されることは殆どない。
【0063】
その後、太陽の上昇とともに太陽光発電量PWSが増大する。一方、DC機器5の消費電力も増大するため、太陽電池3の発電開始から暫くの間は、太陽光発電量PWSはDC機器5の直流使用量PWDよりも小さい状態で推移する。
【0064】
時刻t2のとき、すなわち太陽光発電量PWSがDC機器5の直流使用量PWDより大きくなり、且つ蓄電池16の充電レベルCLが予備充電レベルCLAよりも小さいとき、太陽光発電量PWSが余ることになるため、蓄電池16への充電が開始される。このとき、DC機器5の消費電力は第1電力レベルに制限されている。
【0065】
時刻t3のとき、すなわち太陽光発電量PWSがDC機器5の直流使用量PWDより大きく、且つ蓄電池16の充電レベルCLが予備充電レベルCLAよりも大きくなったとき、DC機器5の消費電力についての制限は解除される。このとき、全てのDC機器5を駆動させることができる。
【0066】
時刻t4のとき、すなわち蓄電池16の充電レベルCLが満充電レベルCLCに達したとき、太陽光発電量PWSは、DC機器5の総電力消費量と一致することになる。すなわち、同図(A)の示されるように、太陽電池3は2点鎖線に沿って発電することができると推定される。ところが、太陽電池3に接続されているDC機器5の総電力消費量が発電可能な太陽光発電量PWSよりも小さいため、実際の太陽光発電量PWSはDC機器5の負荷と応じた値となっている。このとき、発電可能な太陽光発電量PWSから実際の太陽光発電量PWSを差し引いた電力が結局のところ放電されていると考えられる。
【0067】
その後、太陽の下降とともに太陽光発電量PWSが徐々に低下する。太陽光発電量PWSが直流使用量PWDより大きい間は、太陽電池3の電力によりDC機器5の使用電力が賄われるため、蓄電池16の放電は行われない。そのため、この間、蓄電池16の充電レベルCLは満充電レベルCLCに維持される。
【0068】
時刻t5のとき、すなわち、太陽光発電量PWSがDC機器5の直流使用量PWDより小さくなったとき、DC機器5への供給電力が不足するため、蓄電池16から放電が開始される。一方、DC機器5の消費電力については第2電力レベルに制限される。この制限がない場合と比べて蓄電池16からの放電が抑制されるため、蓄電池16の充電レベルCLの低下が抑制される。
【0069】
その後、太陽光発電量PWSが減少し、且つ蓄電池16の充電レベルCLが低下する。そして、夜間では、太陽電池3の発電が行われないため、蓄電池16の放電がさらに進行する。
【0070】
時刻t6のとき、すなわち太陽光発電量PWSがDC機器5の直流使用量PWDより小さく且つ蓄電池16の充電レベルCLが予備充電レベルCLA以下となったとき、DC機器5の消費電力について、第3電力レベルに制限される。
【0071】
すなわち、この時点においては、太陽電池3による発電力がDC機器5の直流使用量PWDよりも小さくなり、且つ、蓄電池16の充電レベルCLが予備充電レベルCLA以下となるため、DC機器5の消費電力に対する制限が第2電力レベルから第3電力レベルに引き上げられる。
【0072】
時刻t7のとき、すなわち蓄電池16の充電レベルCLがバックアップレベルCLBとなったときは、蓄電池16からの放電が禁止される。一方、蓄電池16の充電レベルCLを維持するために、電力の不足分は商用交流電源2からの電力により賄われる。
【0073】
本実施形態の給電管理装置100によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、電力を創出する太陽電池3の発電量と電力を消費するDC機器5の消費電力量とを比較結果すなわ余剰電力量と、太陽電池3の発電に基づいて蓄電される蓄電池16の充電レベルCLとに基づいて、DC機器5の消費電力レベルが制御されている。
【0074】
この構成によれば、太陽エネルギの創出状況及び備蓄状況に応じてDC機器5の消費電力量が制限されるため、消費電力量を自動的且つ最適に制御することができる。
(2)本実施形態では、太陽電池3の発電量がDC機器5の直流使用量PWDよりも大きいときには、DC機器5及び蓄電池16に供給される。太陽電池3の発電量がDC機器5の直流使用量PWDよりも小さいときには、DC機器5に供給される。蓄電池16の充電レベルCLが予備充電レベルCLAよりも小さいときには、DC機器5の消費電力が第1電力レベルを超えないように制限される。
【0075】
この構成によれば、太陽電池3の発電量がDC機器5の直流使用量PWDよりも小さいときにはDC機器5に供給される。太陽電池3の発電量がDC機器5の直流使用量PWDよりも大きいときには、DC機器5及び蓄電池16に供給される。蓄電池16の充電レベルCLが予備充電レベルCLAよりも小さいときには、DC機器5の消費電力が第1電力レベルを超えないように制限される。これにより、DC機器5の消費電力量を自動的且つ最適に低減することができる。この結果、この結果、商用交流電源2の電力の使用を抑制することができる。
【0076】
(3)本実施形態では、太陽電池3の発電量がDC機器5の直流使用量PWDよりも大きく、且つ蓄電池16の充電レベルCLが予備充電レベルCLAよりも大きいときには、DC機器5の消費電力の制限が行われない。
【0077】
この構成によれば、太陽電池3の発電量がDC機器5の消費電力よりも大きく、且つ蓄電池16の充電レベルCLが予備充電レベルCLAよりも大きいとき、すなわち太陽電池3及び蓄電池16の電力によりDC機器5の消費電力を賄うことができるとき、DC機器5の消費電力の制限が禁止される。従って、商用交流電源2の電力を使用しなくともDC機器5の性能を維持することができる。
【0078】
(4)本実施形態では、太陽電池3の発電量がDC機器5の直流使用量PWDよりも小さく、且つ蓄電池16の充電レベルCLが予備充電レベルCLAよりも大きいときには、DC機器5の消費電力が第1電力レベルよりも小さい第2電力レベルを超えないように制限される。
【0079】
この構成によれば、太陽電池3の発電量がDC機器5の直流使用量PWDよりも小さく、且つ蓄電池16の充電レベルCLが予備充電レベルCLAよりも大きいとき、すなわち蓄電池16の電力の消費量が多くなる旨予測されるとき、DC機器5の消費電力が第2電力レベルを超えないように制限される。従って、蓄電池16の充電レベルCLが過度に低下することを抑制することができる。また、制限のレベルとして第1電力レベルよりも小さい第2電力レベルを用いているため、充電レベルCLの低下の抑制をより確実なものとすることができる。
【0080】
(5)本実施形態では、太陽電池3の発電量がDC機器5の直流使用量PWDよりも小さく、且つ蓄電池16の充電レベルCLが予備充電レベルCLAよりも小さいときには、DC機器5の消費電力が第2電力レベルよりも小さい第3電力レベルを超えないように制限される。
【0081】
この構成によれば、太陽電池3の発電量がDC機器5の直流使用量PWDよりも小さく、且つ蓄電池16の充電レベルCLが予備充電レベルCLAよりも小さいとき、すなわち蓄電池16の電力の消費量がより多くなる旨予測されるとき、DC機器5の消費電力が第3電力レベルを超えないように制限される。従って、蓄電池16の充電レベルCLが過度に低下することを抑制することができる。また、制限のレベルとして第2電力レベルよりも小さい第3電力レベルを用いているため、充電レベルCLの低下の抑制をより確実なものとすることができる。なお、上記実施形態では、第3電力レベルとしてDC機器5の総消費電力の30%に相当する電力が制限するとしているが、この制限に代えて、DC機器5の使用を停止させてもよい。
【0082】
(6)本実施形態では、予備充電レベルCLAとして、DC機器5により夜間に消費される夜間電力量に相当するレベルが設定される。この構成によれば、蓄電池16の充電レベルCLがDC機器5により夜間に消費される夜間電力量に相当するレベルよりも小さいとき、DC機器5の消費電力が第1電力レベルを超えないように制限されるため、充電レベルCLが夜間電力量に相当するレベルよりも過度に低いものとなることを抑制することができる。
【0083】
(その他の実施形態)
本発明の給電管理装置の実施態様は、上記実施形態に例示した内容に限定されるものではなく、例えば以下のように変更して実施することもできる。また、以下の各変形例は、上記実施形態についてのみ適用されるものでなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
【0084】
・上記実施形態では、消費電力制限処理において消費電力を制限する場合に、DC機器5の総消費電力に対する割合によってその制限を行っているが、このような制限に代えて、DC機器5の総消費電力に対して数量的に制限を行ってもよい。例えば、DC機器5の総直流使用量について、その最大直流使用量から第1電力レベルでは200W、第2電力レベルでは400W、第3電力レベルでは600Wの電力を減ずることにより、使用電力の制限を行ってもよい。
【0085】
・上記実施形態では、予備充電レベルCLAは、夜間時において使用される一晩あたりの電力量に相当する充電レベルCLとして設定されているが、これに代えて、季節毎に設定を変更してもよい。例えば、春季や秋季は、予備充電レベルCLAが夏季や冬季よりも低く設定する。この設定値は、タッチパネル等のインターフェイスを介して設定の変更を可能とする。
【0086】
・また、予備充電レベルCLAについては、夜間時において使用される一晩あたりの電力量だけを基準とするのではなく、蓄電池16の最大容量を考慮して、設定してもよい。例えば、蓄電池16の容量がDC機器5の夜間時使用量よりも十分に大きい場合は、夜間時において使用される一晩あたりの電力量よりも高いレベルに予備充電レベルCLAが設定される。このような設定によれば、夜間時に電力不足時に商用交流電源2から電力供給を受ける頻度を抑制することができる。
【0087】
・また、蓄電池16の容量が夜間時使用量よりも小さい場合は、夜間時において使用される一晩あたりの電力量よりも低いレベルに予備充電レベルCLAを設定してもよい。このような設定によれば、蓄電池16の容量が小さい場合でも、適宜、DC機器5の電力消費を制限することができる。
【0088】
・予備充電レベルCLAについては、夜間時において使用される一晩あたりの電力量だけを基準とするのではなく、電力料金の低額時間帯である場合は、次のように設定してもよい。すなわち、予備充電レベルCLAは、DC機器5が夜間に消費する夜間電力量から低額時間帯に使用される電力量を差し引いた電力量と同等レベルに設定する。
【0089】
この構成によれば、蓄電池16の充電レベルCLは、DC機器5が夜間に消費する夜間電力量から低額時間帯に使用される電力量を差し引いた電力量に相当するレベルを基準として、DC機器5の消費電力の制限が行われるようになる。従って、低額時間帯の電力を有効に活用することによって、太陽電池3による発電量のうち、蓄電池16への充電に割り当てられる電力を小さくすることができるため、DC機器5への電力供給を増大させることができる。
【0090】
・商用交流電源の電力料金を定める時間帯として、電力料金が通常料金となる通常時間帯と、電力料金が通常料金よりも低額となる低額時間帯とが設定されている場合がある。そこで、図6に示すように、消費電力制限処理のステップS250以降の処理において、当該処理時刻が、電力料金の低額時間帯であるか否かの結果に基づいて制限レベルを変更してもよい。すなわち、商用交流電源2からの電力は時間帯よって料金が異なっているため、低額時間帯において消費電力量の制限度合いを変更することにより、商用交流電源2からの電力を有効に利用される。なお、図6は、図4の2点鎖線で囲った部分の変形例を示し、同処理については同符号を付している。
【0091】
具体的には次の処理が実行される。すなわち、ステップS250にて、蓄電池16の充電レベルCLが予備充電レベルCLA以下となるときは、ステップS251にて、その処理時刻が低額時間帯であるか否か判定される。処理時刻が、電力料金の低額時間帯ではないとき、すなわち通常料金時間帯であるときは、ステップS261にて、DC機器5の消費電力について第3電力レベルに制限される。すなわち、電力料金が通常料金であるため、比較的高いレベルでDC機器5の消費電力について制限される。一方、処理時刻が、電力料金の低額時間帯であるときは、ステップS262にて、DC機器5の消費電力について、第2電力レベルよりも電力制限量が大きく且つ第3電力レベルよりも小さい値に制限される。すなわち、電力料金が低料金であるため、比較的高いレベルでDC機器5の消費電力制限が緩和され、商用交流電源からの電力の使用が促進される。これにより、比較的低コストで、夜間時におけるDC機器5の使用制限を緩和することができる。
【0092】
・上記実施形態では、電力制御処理において、太陽電池3による太陽光発電量PWSがDC機器5の直流使用量PWDよりも大きくなっており且つ蓄電池16が満充電レベルCLCになっているときは、太陽電池3の余剰電力は棄てられるようになっている。このような場合、この余剰電力をコントロールユニット7により直流から交流に変換して、AC機器6に電力を供給してもよい。このような直流交流供給制御を行うとき、コントロールユニット7は一種のDC機器5とみなされる。このときコントロールユニット7による直流から交流への電力変換量が直流使用量PWDとして扱われるようになる。
【0093】
・上記実施形態では、電力制御処理において、特定のDC機器5の消費電力を制限しているが、このような制限に代えて、全てのDC機器5について一律に消費電力の使用量を制限するようにしてもよい。また、所定の電力レベルに制限する場合において、特定のDC機器5を設定するのではなく、各DC機器5について使用の優先順位を設定してその優先順位の低い順から、その消費電力の制限を加えるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0094】
1…電力供給システム、2…商用交流電源、3…太陽電池、5…DC機器、6…AC機器、7…コントロールユニット、8…DC分電盤、9…制御ユニット、10…リレーユニット、11…AC分電盤、12…交流系電力線、13、14、15、18、19、25、28、35…直流系電力線、16…蓄電池、17、20、21、33、37、51、52、53…信号線、22、38…直流供給線路、23、26…スイッチ、24…センサ、27…直流コンセント、29…電力メータ、30…ネットワークシステム、31…宅内サーバ、32…管理サーバ、34…宅内機器、36…コントロールボックス、39…ガス/水道メータ、40…操作パネル、41…監視機器、70…電力制御装置、71…演算装置、72…通信部、73…太陽光発電量格納部、74…ACDC出力量格納部、75…蓄電池充電レベル格納部、76…直流使用量格納部、77…蓄電池基準値格納部、100…給電管理装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池と商用交流電源と蓄電池とを備え、前記太陽電池の電力により前記蓄電池を充電し、前記太陽電池と前記商用交流電源と前記蓄電池との少なくとも1つの電力を負荷装置に供給する給電管理装置において、
前記太陽電池の発電量と前記負荷装置の消費電力量と大きさの比較結果及び前記蓄電池の容量に対する充電割合を示す充電レベルの大きさに基づいて、前記負荷装置の消費電力レベルが制御される
ことを特徴とする給電管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の給電管理装置において、
前記太陽電池の電力が前記商用交流電源の電力よりも優先して前記負荷装置及び前記蓄電池に供給され、
前記太陽電池の発電量が前記負荷装置の消費電力量よりも大きく、且つ前記蓄電池の充電レベルが基準充電レベルよりも小さいときには、前記負荷装置の消費電力が第1電力レベルを超えないように制限される
ことを特徴とする給電管理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の給電管理装置において、
前記太陽電池の発電量が前記負荷装置の消費電力量よりも大きく、且つ前記蓄電池の充電レベルが前記基準充電レベルよりも大きいときには、前記負荷装置の消費電力の制限が行われない
ことを特徴とする給電管理装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の給電管理装置において、
前記太陽電池の発電量が前記負荷装置の消費電力量よりも小さく、且つ前記蓄電池の充電レベルが前記基準充電レベルよりも大きいときには、前記負荷装置の消費電力が前記第1電力レベルよりも小さい第2電力レベルを超えないように制限される
ことを特徴とする給電管理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の給電管理装置において、
前記太陽電池の発電量が前記負荷装置の消費電力量よりも小さく、且つ前記蓄電池の充電レベルが基準充電レベルよりも小さいときには、前記負荷装置の消費電力が前記第2電力レベルよりも小さい第3電力レベルを超えないように制限される
ことを特徴とする給電管理装置。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれか一項に記載の給電管理装置において、
前記基準充電レベルとして、前記負荷装置により夜間に消費される夜間電力量に相当するレベルが設定される
ことを特徴とする給電管理装置。
【請求項7】
請求項2〜6のいずれか一項に記載の給電管理装置において、
前記商用交流電源の電力料金を定める時間帯として、前記電力料金が通常料金となる通常時間帯と、前記電力料金が前記通常料金よりも低額となる低額時間帯とが設定されているとき、前記基準充電レベルとして、前記負荷装置により夜間に消費される夜間電力量から前記低額時間帯に使用される低額電力量が差し引かれた電力量に相当するレベルが設定される
ことを特徴とする給電管理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の給電管理装置において、
前記負荷装置の消費電力を制御する時刻が前記低額時間帯にあるときには、前記負荷装置の消費電力の制限レベルは、同低額時間帯以外の時間帯にて行われる前記負荷装置の消費電力の制限レベルよりも緩和される
ことを特徴とする給電管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−82277(P2011−82277A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−232008(P2009−232008)
【出願日】平成21年10月5日(2009.10.5)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】