説明

給電装置

【課題】 異物の検出を行い、適切な給電を行うようにする。
【解決手段】 電子機器に無線給電を行う給電装置であって、所定の電力を前記電子機器に送信する給電手段と、前記所定の電力の振幅の変化に応じて、前記給電装置と、異物との距離が所定の範囲内に存在することを検出する第1の検出手段と、前記所定の電力と、前記電子機器によって受電された電力とによって取得される所定の情報に応じて、前記給電装置と、前記異物との距離が前記所定の範囲内に存在することを検出する第2の検出手段とを有し、前記第1の検出手段及び前記第2の検出手段のいずれか一つに応じて、前記給電装置と、前記異物との距離が前記所定の範囲内に存在することが検出された場合、前記所定の電力が、所定値よりも低くなるように前記給電手段を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線給電を行う給電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コネクタで接続することなく無線によって電力を出力するための一次コイルを持つ給電装置と、給電装置から供給される電力を無線で受け付けるための二次コイルを持つ電子機器とを含む給電システムが知られている。
【0003】
このような給電システムにおいて、電子機器は、給電装置から二次コイルを介して受け付けた電力によって電池の充電を行う(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−275266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、給電装置は、一次コイルを介して電子機器に電力を供給し、電子機器は、二次コイルを介して給電装置から供給される電力を受電していた。
【0006】
しかし、一次コイルと二次コイルとの間に、金属等の異物が挿入された場合、異物の影響によって、給電装置が電子機器に対して適切な給電を行えないという問題があった。
【0007】
このような問題を防止するために、給電装置が電子機器に給電を行う際に、一次コイルの近傍に異物があるか否かの検出を行い、異物の有無に応じて、給電を制御することが必要となってきている。
【0008】
そこで、本発明は、異物の検出を行い、適切な給電を行うようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る給電装置は、電子機器に無線給電を行う給電装置であって、所定の電力を前記電子機器に供給するための給電手段と、前記所定の電力の振幅の変化に応じて、前記給電装置と、異物との距離が所定の範囲内に存在することを検出する第1の検出手段と、前記所定の電力と、前記電子機器によって受電される電力とによって取得される所定の情報に応じて、前記給電装置と、前記異物との距離が前記所定の範囲内に存在することを検出する第2の検出手段と、前記第1の検出手段及び前記第2の検出手段の少なくとも一つに応じて、前記給電装置と、前記異物との距離が前記所定の範囲内に存在することが検出された場合、前記所定の電力が、所定値よりも低くなるように前記給電手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、異物の検出を行い、適切な給電を行うようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1及び2における給電システムの一例を示した図である。
【図2】実施例1及び2における給電システムの一例を示したブロック図である。
【図3】実施例1及び2における給電装置の整合回路の一例を示す図である。
【図4】実施例1及び2における給電装置の反射電力検出回路の構成の一例を示す図である。
【図5】実施例1及び2における給電装置によって行われる検出処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】実施例1及び2における給電装置によって行われるデバイス情報取得処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】実施例1における給電装置によって行われる給電制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】実施例1及び2における電子機器によって行われる第1のコマンド受信処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】実施例1及び2における電子機器によって行われる第2のコマンド受信処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】実施例2における給電装置によって行われる給電制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】実施例2における給電装置によって行われる給電効率取得処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】実施例2における負荷テーブルの一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施例1]
以下、本発明の実施例1について、図面を参照して詳細に説明する。実施例1に係る給電システムは、図1に示すように給電装置100と、電子機器200とを有する。実施例1における給電システムにおいて、図1のように電子機器200が給電装置100の上に置かれた場合。給電装置100は、給電アンテナ108を介して電子機器200に無線給電を行う。また、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在する場合において、受電アンテナ201を有する電子機器200は、受電アンテナ201を介して給電装置100から出力される電力を無線により受け付ける。さらに、電子機器200は、受電アンテナ201を介して給電装置100から受け付けた電力によって、電子機器200に装着された電池210の充電を行う。また、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在しない場合、電子機器200は、受電アンテナ201を有している場合であっても、給電装置100から電力を受け付けることができない。
【0013】
なお、所定の範囲とは、電子機器200が給電装置100から供給される電力によって、通信を行うことができる範囲である。
【0014】
なお、給電装置100は複数の電子機器に対しても、並行して電力を無線で供給することができるものとする。
【0015】
電子機器200は、電池210から供給される電力によって動作する電子機器であれば、デジタルスチルカメラ、カメラ付き携帯電話、デジタルビデオカメラ等の撮像装置であってもよく、音声データや映像データの再生を行うプレイヤ等の再生装置であってもよい。また、電子機器200は、電池210から供給される電力によって駆動する車のような移動装置であってもよい。
【0016】
また、電子機器200は、電池210が装着されていない場合でも、給電装置100から供給される電力によって動作する電子機器であってもよいものとする。
【0017】
図2は、給電装置100と、電子機器200と有する給電システムのブロック図を示す図である。
【0018】
給電装置100は、図2に示すように、発振器101、電力送信回路102、整合回路103、変復調回路104、CPU105、ROM106、RAM107、給電アンテナ108、タイマー109、記録部110及び変換部111を有する。さらに、給電装置100は、図2に示すように通信部112、表示部113、反射電力検出回路114及び操作部115を有する。
【0019】
発振器101は、不図示のAC電源から変換部111を介して供給される電力をCPU105によって設定された目標値に対応する電力に変換して電子機器200に供給するために用いられる高い周波数を発振する。なお、発振器101は、水晶振動子等を用いる。
【0020】
電力送信回路102は、変換部111から供給される電力と、発振器101によって発振される周波数とに応じて、給電アンテナ108を介して電子機器200に供給するための電力を生成する。電力送信回路102は、内部にFET等を有し、発振器101によって発振される周波数に応じて、内部のFETのソース・ドレインの端子間に流れる電流を制御することにより、電子機器200に供給するための電力を発生させる。なお、電力送信回路102によって生成された電力は、反射電力検出回路114を介して、整合回路103に供給される。
【0021】
また、電力送信回路102によって生成される電力には、第1の電力と、第2の電力と、第3の電力とがある。
【0022】
第1の電力は、給電装置100が電子機器200を制御するためのコマンドを電子機器200に送信するための電力である。第2の電力は、給電装置100が後述の給電準備処理を行うための電力である。第3の電力は、給電装置100が電子機器200に対して給電処理を行う場合に電子機器200に供給するための電力である。例えば、第1の電力は、1W以下の電力であり、第2の電力は、2W〜5Wまでの電力であり、第3の電力は、5W〜10Wまでの電力である。
【0023】
なお、第1の電力は、第2の電力及び第3の電力よりも低い電力であるものとする。また、第3の電力は、第2の電力以上の電力であってもよいものとする。
【0024】
なお、給電装置100が第1の電力を電子機器200に供給している場合、給電装置100は、コマンドを電子機器200に送信することができる。しかし、給電装置100が第2の電力及び第3の電力のいずれ一つを電子機器200に供給している場合、給電装置100は、コマンドを電子機器200に送信することができない。
【0025】
また、第1の電力は、給電装置100が電子機器200以外のどのような装置に対しても、給電装置100がコマンドを送信できるようにCPU105によって設定される電力である。
【0026】
CPU105は、電子機器200に供給するための電力を、第1の電力、第2の電力及び第3の電力のいずれか一つに切り替えるように電力送信回路102を制御する。
【0027】
また、電力送信回路102は、電力送信回路102の温度を検出するための温度検出部102aを有する。
【0028】
温度検出部102aは、電力送信回路102内部のFETの温度を検出し、FETの温度を検出した結果を、給電装置100の温度を示す情報である温度情報としてCPU105に供給する。CPU105は、温度検出部102aから供給された温度情報をRAM107に記録する。さらに、CPU105は、温度検出部102aから供給される温度情報に応じて、給電装置100の温度が正常であるか否かを判定する。
【0029】
整合回路103は、発振器101によって発振される周波数に応じて、給電アンテナ108と、CPU105により選択された給電の対象となる装置が有する受電アンテナとの間で共振を行うための共振回路である。
【0030】
整合回路103について、図3に構成の一例を示す。整合回路103は、図3に示すように、コンデンサ301及び可変コンデンサ302、可変コイル303及び抵抗304等の素子を有する。整合回路103は、これらの素子に応じて、電力送信回路102と給電アンテナ108との間のインピーダンスマッチングを行う。
【0031】
CPU105は、発振器101によって発振される周波数を、共振周波数fに設定するために、可変コンデンサ302及び可変コイル303の値を制御する。なお、共振周波数fは、給電装置100と、給電装置100が給電の対象となる装置とが共振を行うための周波数である。
【0032】
給電装置100と、給電装置100が給電の対象となる装置とが共振を行うための周波数を以下「共振周波数f」と呼ぶ。
【0033】
下記の数式(1)は、共振周波数fを示すものとする。Lは、整合回路103のインダクタンス、Cは整合回路103のキャパシタンスを示す。
【0034】
【数1】

【0035】
コンデンサ301及び可変コンデンサ302は、インピーダンスマッチングのためのコンデンサである。また、可変コンデンサ302は、発振器101によって発振される周波数を、数式(1)によって求められる共振周波数fに設定するためのコンデンサでもある。
【0036】
可変コイル303は、発振器101によって発振される周波数を、数式(1)によって求められる共振周波数fに設定するためのコイルである。
【0037】
また、整合回路103は、コンデンサ301及び可変コンデンサ302以外にもさらにコンデンサを有していてもよく、可変コイル303以外にさらにコイルを有していてもよく、抵抗304以外にさらに抵抗を有していてもよいものとする。
【0038】
なお、CPU105は、可変コンデンサ302及び可変コイル303の値を制御することによって、発振器101によって発振される周波数を、共振周波数fに設定するようにした。しかし、これ以外の方法によって、発振器101によって発振される周波数を、共振周波数fに設定するようにしてもよい。
【0039】
例えば、CPU105は、整合回路103に含まれるコンデンサと、整合回路103に含まれるコイルとの接続を切り替えることによって、発振器101によって発振される周波数を、共振周波数fに設定するようにしてもよい。
【0040】
なお、共振周波数fは、商用周波数である50/60Hzであってもよく、10〜数百kHzであってもよく、10MHz前後の周波数であってもよい。
【0041】
さらに、整合回路103は、給電アンテナ108に流れる電流及び給電アンテナ108に供給される電圧の変化を検出することもできる。
【0042】
発振器101によって発振される周波数が、共振周波数fに設定された状態において、電力送信回路102によって生成された電力は、整合回路103を介して給電アンテナ108に供給される。
【0043】
変復調回路104は、電子機器200を制御するためのコマンドを電子機器200に送信するために、予め定められたプロトコルに応じて、電力送信回路102によって生成された電力の変調を行う。予め定められたプロトコルとは、例えば、RFID(Radio Frequency IDentification)等のISO/IEC 18092規格に準拠した通信プロトコルである。電力送信回路102によって発生された電力は、変復調回路104によって、電子機器200と通信を行うためのコマンドとして、パルス信号に変換され、給電アンテナ108を介して電子機器200に送信される。
【0044】
電子機器200に送信されたパルス信号は、電子機器200により解析されることによって、「1」の情報と、「0」の情報とを含むビットデータとして検出される。なお、コマンドには、宛先を識別するための識別情報及びコマンドによって指示される動作を示すコマンドコード等が含まれる。なお、CPU105は、コマンドに含まれる識別情報を変更するように変復調回路104を制御することによって、電子機器200だけにコマンドを送信することもできる。また、CPU105は、コマンドに含まれる識別情報を変更するように変復調回路104を制御することによって、電子機器200及び電子機器200以外の装置に対しても、コマンドを送信することもできる。
【0045】
変復調回路104は、電力送信回路102によって発生された電力を、振幅変位を利用したASK(Amplitude Shift Keying)変調によって、パルス信号に変換する。ASK変調は、振幅変位を利用した変調であり、ICカードと、ICカードと無線により通信を行うカードリーダとの通信等で用いられる。
【0046】
変復調回路104は、変復調回路104に含まれるアナログ乗算器や負荷抵抗をスイッチングさせることにより電力送信回路102によって生成された電力の振幅を変更することによって、パルス信号に変更する。変復調回路104によって変更されたパルス信号は、給電アンテナ108に供給され、コマンドとして電子機器200に送信される。
【0047】
さらに、変復調回路104は、所定の符合化方式による符合化回路を有する。
【0048】
変復調回路104は、整合回路103において検出される給電アンテナ108に流れる電流の変化に応じて、電子機器200に送信したコマンドに対する電子機器200からの応答を符号化回路により復調することができる。このことによって、変復調回路104は、負荷変調方式によって電子機器200に送信したコマンドに対する応答を、電子機器200から受信することができる。変復調回路104は、CPU105からの指示に応じてコマンドを電子機器200に送信する。さらに、変復調回路104は、電子機器200からの応答を受信した場合、受信した応答を復調してCPU105に供給する。
【0049】
CPU105は、不図示のAC電源と給電装置100とが接続されている場合、不図示のAC電源から変換部111を介して供給される電力によって、給電装置100の各部を制御する。また、CPU105は、ROM106に記憶されているコンピュータプログラムを実行することによって、給電装置100の各部の動作を制御する。CPU105は電力送信回路102を制御することにより電子機器200に供給する電力を制御する。また、CPU105は、変復調回路104を制御することにより、コマンドを電子機器200に送信する。
【0050】
ROM106は、給電装置100の各部の動作を制御するコンピュータプログラム及び各部の動作に関するパラメータ等の情報を記憶する。また、ROM106は、表示部113に表示させるための映像データを記録している。また、ROM106は、給電装置100の給電の対象である電子機器の識別情報を記録する管理テーブルを記録する。
【0051】
なお、管理テーブルに記録されている識別情報は、所定の装置である電子機器の識別情報である。そのため、管理テーブルに記録される識別情報に対応する電子機器は、所定の装置であるものとする。所定の装置とは、給電装置100から供給される電力を受電する手段と、給電装置100から送信されるコマンドに対する応答を給電装置100に送信する手段とを有する装置であって、給電装置100から供給される電力に応じて正常な動作を行う装置である。
【0052】
RAM107は、書き換え可能な不揮発性メモリであり、一時的に給電装置100の各部の動作を制御するコンピュータプログラム、各部の動作に関するパラメータ等の情報、変復調回路104によって電子機器200から受信された情報等を記録する。
【0053】
給電アンテナ108は、電力送信回路102により生成された電力を外部に出力するためのアンテナである。
【0054】
給電装置100は、給電アンテナ108を介して電子機器200に電力を供給したり、コマンドを送信する。また、給電装置100は、給電アンテナ108を介して電子機器200からコマンド、電子機器200に送信したコマンドに対応する応答及び電子機器200から送信された情報を受信する。
【0055】
タイマー109は、現在の時刻や各部で行われる動作や処理に関する時間を計測する。また、タイマー109によって計測される時間に対する閾値は、ROM106にあらかじめ記録されている。
【0056】
記録部110は、通信部112によって受信された映像データや音声データ等のデータを記録媒体110aに記録する。
【0057】
また、記録部110は、映像データや音声データ等のデータを記録媒体110aから読み出し、RAM107、通信部112及び表示部113に供給することもできる。
【0058】
なお、記録媒体110aは、ハードディスクやメモリカード等であってもよく、給電装置100に内蔵されていても、給電装置100に着脱可能な外部の記録媒体であってもよい。
【0059】
変換部111は、不図示のAC電源と給電装置100とが接続されている場合、不図示のAC電源から供給される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を給電装置100全体に供給する。
【0060】
通信部112は、RAM107及び記録媒体110aのいずれか一つから供給された映像データや音声データを電子機器200に送信する。また、通信部112は、電子機器200から給電装置100に送信される映像データや音声データを受信する。
【0061】
例えば、通信部112は、USB(Universal Serial Bus)などのシリアルバスインターフェースに応じて通信を行ってもよい。また、例えば、通信部112は、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)(登録商標)等のインターフェースに応じて通信を行ってもよい。また、通信部112は、無線通信方式に準拠した通信を行ってもよいものとする。また、例えば、通信部112は、無線LAN規格に規定されている802.11a、b、g、n規格に応じて無線通信を行っても良いもよい。通信部112は、無線LAN規格に準拠した信号に変調することにより映像データや音声データの送信や受信を行ってもよい。
【0062】
なお、通信部112は、変復調回路104によりコマンドが給電アンテナ108を介して電子機器200に送信されている場合であっても、電子機器200から映像データや音声データを受信したり、映像データや音声データを電子機器200に送信できる。また、通信部112は、コマンドに対応する応答が給電アンテナ108を介して電子機器200から変復調回路104により受信されている場合でも、電子機器200から映像データや音声データを受信したり、映像データや音声データを電子機器200に送信できる。
【0063】
表示部113は、記録部110によって記録媒体110aから読み出される映像データ、RAM107から供給される映像データ、ROM106から供給される映像データ及び通信部112から供給される映像データのいずれか一つの映像データを表示する。表示部113は、記録媒体110aから読み出された映像データやROM106にあらかじめ記録されているアイコンやメニュー画面等を表示することもできる。
【0064】
反射電力検出回路114は、電力送信回路102により生成される電力の電流値を示す第1の電流情報と、電力送信回路102により生成される電力の電圧値を示す第1の電圧情報とを検出する。電力送信回路102により生成される電力が第1の電力である場合、第1の電流情報は、第1の電力の電流値を示す情報となり、第1の電圧情報は、第1の電力の電圧値を示す情報となる。また、電力送信回路102により生成される電力が第2の電力である場合、第1の電流情報は、第2の電力の電流値を示す情報となり、第1の電圧情報は、第2の電力の電圧値を示す情報となる。また、電力送信回路102により生成される電力が第3の電力である場合、第1の電流情報は、第3の電力の電流値を示す情報となり、第1の電圧情報は、第3の電力の電圧値を示す情報となる。
【0065】
また、反射電力検出回路114は、給電アンテナ108によって出力される電力の進行波の振幅電圧V1を示す情報と、給電アンテナ108によって出力される電力の反射波の振幅電圧V2を示す情報とを検出する。
【0066】
反射電力検出回路114によって検出された第1の電流情報、第1の電圧情報、振幅電圧V1を示す情報及び振幅電圧V2を示す情報は、CPU105に供給される。
【0067】
CPU105は、反射電力検出回路114から供給された第1の電流情報、第1の電圧情報、振幅電圧V1を示す情報及び振幅電圧V2を示す情報をRAM107に記録する。
【0068】
反射電力検出回路114について、図4に構成の一例を示す。
【0069】
反射電力検出回路114は、図4に示すように、トロイダルコア401、コンデンサ402、コンデンサ403、ダイオード404、抵抗405、コンデンサ406、コンデンサ407、ダイオード408及び抵抗409を有する。さらに、反射電力検出回路114は、A/Dコンバータ410及びA/Dコンバータ411を有する。
【0070】
反射電力検出回路114は、給電アンテナ108によって出力される電力の進行波をCM(誘導性結合及び容量性結合)結合によって、コンデンサ407の電圧として検出する。さらに、反射電力検出回路114は、検出されたコンデンサ407の電圧をA/Dコンバータ410によってアナログ値からデジタル値に変更してから、CPU105に供給する。
【0071】
反射電力検出回路114は、給電アンテナ108によって出力される電力の反射波をCM結合によって、コンデンサ403の電圧として検出する。さらに、反射電力検出回路114は、検出されたコンデンサ403の電圧をA/Dコンバータ411によってアナログ値からデジタル値に変更してから、CPU105に供給する。
【0072】
なお、トロイダルコア401によって誘導性結合が行われ、コンデンサ402及びコンデンサ406によって容量性結合が行われる。
【0073】
CPU105は、A/Dコンバータ410から供給された電圧を進行波の振幅電圧V1として検出し、A/Dコンバータ411から供給された電圧を反射波の振幅電圧V2として検出する。CPU105は、進行波の振幅電圧V1と、反射波の振幅電圧V2とによって、電圧反射係数ρを取得する。さらに、CPU105は、電圧反射係数ρによって電圧定在波比VSWR(Voltage Standing Wave Ratio)を算出する。
【0074】
電圧定在波比VSWRは、給電アンテナ108から出力される電力の進行波と、給電アンテナ108から出力される電力の反射波との関係を示す値である。電圧定在波比VSWRの値が1に近いほど、反射電力が少なく、給電装置100から外部の電子機器に対して供給される電力の損失が少なく、効率が良い状態であることを示す。
【0075】
下記の数式(2)は、電圧反射係数ρを示すものとする。
【0076】
【数2】

【0077】
下記の数式(3)は、電圧定在波比VSWRを示すものとする。
【0078】
【数3】

【0079】
操作部115は、給電装置100を操作するためのユーザインターフェースを提供する。操作部115は、給電装置100を操作するための電源ボタン及び給電装置100の動作モードを切り換えるモード切換ボタン等を有し、各ボタンはスイッチ、タッチパネル等により構成される。CPU105は、操作部115を介して入力されたユーザの指示に従って給電装置100を制御する。なお、操作部115は、不図示のリモートコントローラから受信したリモコン信号に応じて給電装置100を制御するものであってもよい。
【0080】
給電装置100は、さらに不図示のスピーカ部を有していてもよい。不図示のスピーカ部は、記録部110によって記録媒体110aから読み出される音声データ、ROM106から供給される音声データ、RAM107から供給される音声データ及び通信部112から供給される音声データのいずれか一つを出力するものとする。
【0081】
なお、給電装置100は動作モードとして、第1の給電モードと、第2の給電モードとを有する。第1の給電モードとは、給電装置100が電子機器200に対して第1の電力及び第3の電力のいずれか一つだけを送信するための給電モードである。また、第2の給電モードとは、給電装置100が電子機器200に対して第1の電力及び第3の電力のいずれか一つを送信しながら、給電装置100が通信部112を介して電子機器200と映像データや音声データの送受信を行うための給電モードである。
【0082】
なお、電力送信回路102、整合回路103、変復調回路104及び給電アンテナ108を少なくとも含む手段を「第1の通信手段」とし、通信部112を「第2の通信手段」とする。
【0083】
給電装置100が電子機器200に対して給電を行う場合、第1の通信手段によって、第1の電力、第2の電力及び第3の電力のいずれか一つが電子機器200に送信される。
【0084】
給電装置100が電子機器200に対してコマンドを送信する場合、第1の通信手段によって、第1の電力と、コマンドとが電子機器200に送信される。
【0085】
給電装置100が映像データ及び音声データの少なくとも一つを電子機器200に送信する場合、第2の通信手段によって、映像データ及び音声データの少なくとも一つが電子機器200に送信される。
【0086】
給電装置100が映像データ及び音声データの少なくとも一つを電子機器200から受信する場合、第2の通信手段によって、映像データ及び音声データの少なくとも一つが電子機器200から受信される。
【0087】
次に、図2を参照して、電子機器200の構成の一例について説明を行う。
【0088】
なお、電子機器200の一例として、デジタルスチルカメラを挙げ、以下、説明を行う。
【0089】
電子機器200は、受電アンテナ201、整合回路202、整流平滑回路203、変復調回路204、CPU205、ROM206、RAM207、レギュレータ208、充電制御部209、電池210及びタイマー211を有する。さらに、電子機器200は、通信部212、撮像部213、電流・電圧検出部214、切替部215、姿勢センサ216、記録部217及び切替部218を有する。
【0090】
受電アンテナ201は、給電装置100から供給される電力を受電するためのアンテナである。電子機器200は、受電アンテナ201を介して、給電装置100から電力を受電したり、コマンドを受信する。また、電子機器200は、受電アンテナ201を介して給電装置100を制御するためのコマンド及び給電装置100から受信したコマンドに対応する応答を送信する。
【0091】
整合回路202は、給電装置100の共振周波数fと同じ周波数で受電アンテナ201が共振するように、インピーダンスマッチングを行うための共振回路である。整合回路202は、整合回路103と同様にコンデンサ、コイル、可変コンデンサ、可変コイル及び抵抗等を有する。整合回路202は、給電装置100の共振周波数fと同じ周波数で受電アンテナ201が共振するように、可変コンデンサのキャパシタンスの値、可変コイルのインダクタンスの値及び可変抵抗のインピーダンスの値を制御する。
【0092】
また、整合回路202は、受電アンテナ201によって受電される電力を整流平滑回路203に供給する。
【0093】
整流平滑回路203は、受電アンテナ201によって受電される電力からコマンド及びノイズを取り除き、直流電力を生成する。さらに、整流平滑回路203は、生成した直流電力を電流・電圧検出部214を介してレギュレータ208に供給する。整流平滑回路203は、受電アンテナ201によって受電される電力から取り除いたコマンドを変復調回路204に供給する。なお、整流平滑回路203は、整流用のダイオードを有し、全波整流及び半波整流のいずれか一つにより直流電力を生成する。整流平滑回路203によって生成された直流電力は、レギュレータ208に供給される。
【0094】
変復調回路204は、整流平滑回路203から供給されたコマンドを給電装置100と予め決められた通信プロトコルに応じて解析し、コマンドの解析結果をCPU205に供給する。
【0095】
給電装置100から電子機器200に対して電力が供給されている場合、CPU205は、コマンド、コマンドに対する応答及び所定の情報を給電装置100に送信するために変復調回路204に含まれる負荷を変動させるように変復調回路204を制御する。変復調回路204に含まれる負荷が変化する場合、給電アンテナ108に流れる電流が変化する。これにより、給電装置100は、給電アンテナ108に流れる電流の変化を検出することによって、電子機器200から送信されるコマンド、コマンド対する応答及び所定の情報を受信する。
【0096】
CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果に応じて変復調回路204が受信したコマンドがどのコマンドであるかを判定し、受信したコマンドに対応するコマンドコードによって指定されている処理や動作を行うように電子機器200を制御する。
【0097】
また、CPU205は、ROM206に記憶されているコンピュータプログラムを実行することによって、電子機器200の各部の動作を制御する。
【0098】
ROM206は、電子機器200の各部の動作を制御するコンピュータプログラム及び各部の動作に関するパラメータ等の情報を記憶する。また、ROM206には、電子機器200の識別情報、電子機器200のデバイス情報及び表示データ等が記録される。電子機器200の識別情報とは、電子機器200のIDを示す情報である。電子機器200のデバイス情報には、電子機器200のメーカー名、電子機器200の装置名、電子機器200の製造年月日、姿勢センサ216によって検出される姿勢情報及び電子機器200の受電情報等が含まれる。
【0099】
電子機器200の受電情報には、電子機器200が受電できる最大の電力を示す情報、電子機器200が受電できる最小の電力を示す情報及び電子機器200がコマンドによって給電装置100と通信を行う場合に必要な電力を示す情報等が含まれる。さらに、電子機器200の受電情報には、電子機器200が通信部212を動作させるために必要な電力を示す情報、電子機器200が充電を行うために必要な電力を示す情報及び電子機器200が撮像部213を動作させるために必要な電力を示す情報が含まれる。さらに、電子機器200の受電情報には、電子機器200が記録部217を動作させるために必要な電力を示す情報等が含まれる。
【0100】
また、ROM206には、給電装置100から供給される電力に対してどのくらいの電力を電子機器200が受電したのかを示す効率に対する閾値が記録されている。
【0101】
なお、給電装置100から供給される電力に対してどのくらいの電力を電子機器200が受電したのかを示す効率を、以下「給電効率」と呼ぶ。
【0102】
RAM207は、書き換え可能な不揮発性メモリであり、一時的に給電装置100の各部の動作を制御するコンピュータプログラム、各部の動作に関するパラメータ等の情報、給電装置100から送信された情報等を記録する。
【0103】
レギュレータ208は、整流平滑回路203から供給される直流電力の電圧及び電池210から供給される電力の電圧のいずれか一つがCPU205によって設定された電圧値になるように制御する。なお、レギュレータ208は、スイッチングレギュレータであっても、リニアレギュレータであっても良いものとする。
【0104】
レギュレータ208は、電池210から電力が供給されていないが、給電装置100から電力が供給されている場合、整流平滑回路203から供給される直流電力を充電制御部209及び電池210に切替部215を介して供給する。
【0105】
また、レギュレータ208は、電池210から電力が供給されていないが、給電装置100から電力が供給されている場合、整流平滑回路203から供給される直流電力を通信部212、撮像部213及び記録部217に切替部218を介して供給する。
【0106】
レギュレータ208は、給電装置100から電力が供給されていないが、電池210から切替部215を介して電力が供給されている場合、電池210から供給される電力を通信部212、撮像部213及び記録部217に切替部218を介して供給する。
【0107】
レギュレータ208は、給電装置100及び電池210から電力が供給されている場合、整流平滑回路203から供給される直流電力を通信部212、撮像部213及び記録部217に切替部218を介して供給する。この場合、電池210から供給される電力を通信部212、撮像部213及び記録部217に切替部218を介して供給しないようにし、電池210の残容量の減少を防ぐようにしてもよい。
【0108】
なお、レギュレータ208は、電池210及び給電装置100の少なくともいずれか一つから電力が供給されている場合、供給される直流電力がCPU205、姿勢センサ216、ROM206、RAM207及びタイマー211に供給されるようにする。さらに、レギュレータ208は、電池210及び給電装置100の少なくともいずれか一つから電力が供給されている場合、供給される電力が変復調回路204、整合回路202、整流平滑回路203及び電流・電圧検出部214に供給されるようにする。
【0109】
充電制御部209は、レギュレータ208から切替部215を介して電力を供給された場合、供給される電力に応じて電池210の充電を行う。なお、充電制御部209は、定電圧定電流方式により電池210の充電を行うものとする。また、充電制御部209は、装着されている電池210の残りの容量を示す情報を定期的に検出し、CPU205に供給する。
【0110】
なお、電池210の残りの容量を示す情報を以下「残容量情報」と呼ぶ。
【0111】
CPU205は、残容量情報を含む充電情報をRAM207に記録する。
【0112】
なお、充電情報には、残容量情報の他に電池210が満充電であるか否かを示す情報が含まれていてもよく、充電制御部209によって、電池210の充電が開始されてから経過した時間を示す情報が含まれていてもよい。また、充電情報には、充電制御部209が電池210を定電圧制御に応じて充電を行っていることを示す情報や、充電制御部209が電池210を定電流制御に応じて充電を行っていることを示す情報等が含まれていてもよい。
【0113】
また、充電制御部209は、電池210の充電を行う場合、電池210に流れる電流及び電池210に供給される電圧を検出し、CPU205に供給する。CPU205は、充電制御部209から供給された電池210に流れる電流を示す情報及び電池210に供給される電圧を示す情報をRAM207に記録する。
【0114】
電池210は、電子機器200に着脱可能な電池である。また、電池210は、充電可能な二次電池であり、例えばリチウムイオン電池等である。電池210は、電子機器200の各部に対して電力を供給することができる。
【0115】
タイマー211は、現在の時刻や各部で行われる動作や処理に関する時間を計測する。また、タイマー211によって計測される時間に対する閾値は、ROM206にあらかじめ記録されている。
【0116】
通信部212は、ROM206や記録媒体217aに記録されている映像データや音声データを給電装置100に送信したり、給電装置100から映像データや音声データを受信することもできる。通信部212は、通信部112と共通する通信プロトコルに応じて、映像データや音声データの送信や受信を行う。また、例えば、通信部212は、無線LANとして規定されている802.11a、b、g、n規格に従って、映像データや音声データの送信や受信を行ってもよい。
【0117】
撮像部213は、被写体の光学像から映像データを生成するための撮像素子、撮像素子で生成された映像データに対して画像処理を行う画像処理回路、映像データを圧縮したり、圧縮された映像データを伸長したりする圧縮伸長回路等を有する。撮像部213は、被写体の撮影を行い、撮影の結果により得られた静止画像や動画像等の映像データを記録部217に供給する。記録部217は、撮像部213から供給された映像データを記録媒体217aに記録する。撮像部213は、被写体の撮影を行うための必要な構成をさらに有していてもよい。
【0118】
電流・電圧検出部214は、整流平滑回路203から供給される電力の電流値を示す第2の電流情報と、整流平滑回路203から供給される電力の電圧値を示す第2の電圧情報と検出する。
【0119】
電流・電圧検出部214によって検出された第2の電流情報及び第2の電圧情報は、CPU205に供給される。
【0120】
CPU205は、電流・電圧検出部214から供給された第2の電流情報及び第2の電圧情報をRAM207に記録する。
【0121】
切替部215は、レギュレータ208と充電制御部209とを接続するためのスイッチである。CPU205は、切替部215をオンにすることによって、レギュレータ208と充電制御部209とを接続するように制御し、切替部215をオフにすることによって、レギュレータ208と充電制御部209とを切断するように制御する。
【0122】
電子機器200の動作モードが充電モードである場合において、切替部215がオンであるとき、レギュレータ208は、整流平滑回路203から供給される電力を切替部215を介して、充電制御部209及び電池210に供給する。電子機器200の動作モードが充電モードである場合において、切替部215がオフであるとき、レギュレータ208は、整流平滑回路203から供給される電力を切替部215を介して、充電制御部209及び電池210に供給することはできない。
【0123】
電子機器200の動作モードが充電モード以外のモードである場合において、切替部215がオンであるとき、レギュレータ208は、電池210から切替部215を介して電力が供給される。
【0124】
電子機器200の動作モードが充電モード以外のモードである場合において、切替部215がオフであるとき、レギュレータ208は、電池210から切替部215を介して電力は供給されない。
【0125】
切替部215は、リレースイッチでもよく、電子機器200にあらかじめ含まれているスイッチを利用するものであってもよい。
【0126】
姿勢センサ216は、電子機器200の姿勢を検出するセンサである。姿勢センサ216には、例えば、ジャイロセンサや角速度センサが使用される。この場合、姿勢センサ216によって、電子機器200の角速度が検出され、電子機器200の姿勢を示す姿勢情報が検出される。姿勢センサ216によって検出された姿勢情報はCPU205に供給される。なお、電子機器200の姿勢情報とは、給電装置100の給電アンテナ108が設置されている平面に対する電子機器200の受電アンテナ201が設置されている平面の角度を示す角度情報である。また、電子機器200の姿勢情報は、電子機器200の角度情報以外の情報であってもよく、例えば、電子機器200が動かされた距離を示す動き情報であってもよい。
【0127】
記録部217は、通信部212及び撮像部213のいずれか一つから供給される映像データや音声データ等のデータを記録媒体217aに記録する。
【0128】
また、記録部217は、映像データや音声データ等のデータを記録媒体217aから読み出し、RAM207及び通信部212に供給することもできる。
【0129】
なお、記録媒体217aは、ハードディスクやメモリカード等であってもよく、給電装置100に内蔵されていても、給電装置100に着脱可能な外部の記録媒体であってもよい。
【0130】
切替部218は、レギュレータ208と、通信部212、撮像部213及び記録部217とを接続するためのスイッチである。CPU205は、切替部215をオンにすることによって、レギュレータ208と、通信部212、撮像部213及び記録部217とを接続するように制御する。また、CPU205は、切替部215をオフにすることによって、レギュレータ208と、通信部212、撮像部213及び記録部217とを切断するように制御する。
【0131】
切替部218がオンである場合、レギュレータ208は、切替部218を介して、通信部212、撮像部213及び記録部217に整流平滑回路203から供給される電力を供給することができる。切替部215がオフである場合、レギュレータ208は、切替部215を介して、通信部212、撮像部213及び記録部217に整流平滑回路203から供給される電力を供給することはできない。
【0132】
また、切替部218がオンである場合、レギュレータ208は、切替部218を介して、通信部212、撮像部213及び記録部217に電池210から供給される電力を供給することができる。切替部215がオフである場合、レギュレータ208は、切替部215を介して、通信部212、撮像部213及び記録部217に電池210から供給される電力を供給することはできない。
【0133】
切替部218は、リレースイッチでもよく、電子機器200にあらかじめ含まれているスイッチを利用するものであってもよい。
【0134】
なお、切替部218は、レギュレータ208と、通信部212、撮像部213及び記録部217とを接続するためのスイッチとした。しかし、切替部218は、レギュレータ208と、通信部212、撮像部213及び記録部217のいずれか一つとを接続するためのスイッチであってもよい。また、切替部218は、レギュレータ208と通信部212とを接続するためのスイッチと、レギュレータ208と撮像部213とを接続するためのスイッチと、レギュレータ208と記録部217とを接続するためのスイッチとを有するものであってもよい。
【0135】
また、切替部215と、切替部218とは、一つのスイッチによって構成されるものであっても良い。
【0136】
なお、給電アンテナ108及び受電アンテナ201は、ヘリカルアンテナであっても、ループアンテナであってもよく、メアンダラインアンテナ等の平面状のアンテナであってもよいものとする。
【0137】
また、実施例1において、給電装置100によって行われる処理は、給電装置100が電磁界結合によって電子機器200に対して無線で電力を供給するシステムにおいても適用できるものとする。同様に、実施例1において、電子機器200によって行われる処理は、給電装置100が電磁界結合によって電子機器200に対して無線で電力を供給するシステムにおいても適用できるものとする。
【0138】
また、給電アンテナ108として電極を給電装置100に設け、受電アンテナ201として電極を電子機器200に設けることにより、給電装置100が電界結合により電力を電子機器200に供給するシステムにおいても、本発明を適用することができる。
【0139】
また、給電装置100が電磁誘導によって無線で電子機器200に電力を供給するシステムにおいても、本発明を適用できるものとする。
【0140】
また、実施例1において、給電装置100は、電子機器200に対して無線で電力を送信し、電子機器200は、給電装置100から無線で電力を受電するものとした。しかし、「無線」を「非接触」や「無接点」と言い換えてもよいものとする。
【0141】
(検出処理)
給電装置100によって行われる検出処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。図5に示す検出処理は、給電装置100の電源がオンであり、かつ、給電装置100の動作モードが第1の給電モード及び第2の給電モードのいずれか一つになった場合、給電装置100によって行われる処理である。なお、図5のフローチャートに示す処理は、CPU105がROM106に記憶されているコンピュータプログラムを実行することによって制御される。
【0142】
S501において、CPU105は、給電装置100と、電子機器200との距離が所定の範囲内に存在するか否かを検出するために第1の電力を供給するように発振器101、電力送信回路102及び整合回路103を制御する。この場合、本フローチャートはS501からS502に進む。なお、CPU105は、第1の電力を電子機器200に供給する場合、第1の電力の値を示す情報を電子機器200に給電アンテナ108を介して送信するようにしてもよい。
【0143】
S502において、CPU105は、反射電力検出回路114によって検出される進行波の振幅電圧V1を示す情報と、反射波の振幅電圧V2を示す情報とに応じて、電圧定在波比VSWRを算出する。さらに、CPU105は、算出した電圧定在波比VSWRをRAM107に記録する。この場合、本フローチャートはS502からS503に進む。なお、S502において、CPU105によって算出された電圧定在波比VSWRを以下「VSWR1」と呼ぶ。
【0144】
S503において、CPU105は、電子機器200の識別情報を要求するための第1のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。CPU105は、給電装置100と、電子機器200との距離が所定の範囲内に存在するか否かを判定するために、第1のコマンドを電子機器200に送信する。この場合、本フローチャートはS503からS504に進む。
【0145】
S504において、CPU105は、S503において電子機器200に送信した第1のコマンドに対する応答として、電子機器200の識別情報を変復調回路104が受信したか否かを判定する。
【0146】
CPU105によって、電子機器200の識別情報を変復調回路104が受信したと判定された場合(S504でYes)、CPU105は、変復調回路104から電子機器200の識別情報を取得し、これをRAM107に記録する。この場合(S504でYes)、CPU105は、給電装置100と、電子機器200との距離が所定の範囲内に存在すると判定する。
【0147】
この場合(S504でYes)、本フローチャートは、S504からS505に進む。
【0148】
CPU105によって、電子機器200の識別情報を変復調回路104が受信していないと判定された場合(S504でNo)、本フローチャートは、S504からS510に進む。この場合(S504でNo)、CPU105は、給電装置100と、電子機器200との距離が所定の範囲内に存在しないと判定する。
【0149】
S505において、CPU105は、S504において取得された電子機器200の識別情報に応じて、電子機器200が所定の装置であるか否かを判定する。
【0150】
なお、CPU105は、S504において取得された電子機器200の識別情報と、ROM106に記録されている管理テーブルとに応じて、電子機器200が所定の装置であるか否かを判定する。
【0151】
S505において取得された電子機器200の識別情報と一致する識別情報がROM106の管理テーブルに記録されている場合、CPU105は、電子機器200が所定の装置であると判定する。
【0152】
S505において取得された電子機器200の識別情報と一致する識別情報がROM106の管理テーブルに記録されていない場合、CPU105は、電子機器200が所定の装置でないと判定する。
【0153】
CPU105によって、電子機器200が所定の装置であると判定された場合(S505でYes)、本フローチャートは、S505からS506に進む。この場合(S505でYes)、CPU105は、S504において所定の範囲内に存在すると判定された電子機器200が異物でないと判定する。
【0154】
CPU105によって、電子機器200が所定の装置でないと判定された場合(S505でNo)、本フローチャートは、S505からS510に進む。なお、この場合(S505でNo)、CPU105は、S504において所定の範囲内に存在すると判定された電子機器200が異物であると判定する。
【0155】
なお、異物とは、例えば、IC(Integrated Circuit)カードや金属等である。
【0156】
なお、給電装置100がICカードに対して給電を行った場合、ICカードは、給電装置100から供給される電力によって故障する可能性がある。そのため、給電装置100は、ICカードを異物として検出して、ICカードに対して電力を供給しないように保護する必要がある。ICカードには、給電装置100から送信されるコマンドに対して応答を送信する手段を有するものがある。そのため、S505において、CPU105は、S504において取得された識別情報と、管理テーブルとに応じて、ICカードを給電装置100から送信されるコマンドに対して応答を送信する手段を有する異物として検出する。
【0157】
なお、S505の処理のような電子機器200が所定の装置であるか否かの判定に応じて、異物を検出するための処理を「第3の検出処理」と呼ぶ。
【0158】
S506において、CPU105は、デバイス情報取得処理を行う。なお、デバイス情報取得処理については、後述する。デバイス情報取得処理がCPU105によって行われた場合、CPU105は、電子機器200の受電情報、電子機器200のデバイス情報、第2の電流情報、第2の電圧情報及び給電効率に対する閾値を電子機器200から取得する。
【0159】
CPU105は、デバイス情報取得処理によって、電子機器200から取得された情報をRAM107に記録する。
【0160】
CPU105によって、デバイス情報取得処理が行われた場合、本フローチャートはS506からS507へ進む。
【0161】
S507において、CPU105は、S506のデバイス情報取得処理において取得された情報に応じて、給電装置100の給電効率を算出する。
【0162】
給電装置100の給電効率は、電子機器200が受電する電力値を、給電装置100が出力する電力値で割ることにより算出される。
【0163】
CPU105は、RAM107に記録されている第1の電流情報と、第1の電圧情報との積から給電装置100が出力する電力値を算出する。さらに、CPU105は、S506において取得された第2の電流情報と、第2の電圧情報との積から、電子機器200が受電する電力値を算出する。
【0164】
CPU105によって、給電装置100の給電効率が算出された場合、CPU105は、給電装置100の給電効率をRAM107に記録する。この場合、本フローチャートはS507からS508に進む。
【0165】
給電装置100の給電の対象となる電子機器が所定の範囲内に存在する場合、反射電力検出回路114により検出される反射波の振幅電圧V2は、給電装置100の給電の対象となる電子機器が所定の範囲内に存在しない場合よりも増加する。そのため、給電の対象となる電子機器が所定の範囲内に存在する場合、CPU105によって検出される電圧定在比波VSWRは、給電の対象となる電子機器が所定の範囲内に存在しない場合よりも増加するように変化する。
【0166】
同様に、所定の範囲内に給電の対象となる2台の電子機器が存在する場合も、反射電力検出回路114により検出される反射波の振幅電圧V2は、所定の範囲内に給電装置100の給電の対象となる電子機器が1台存在する場合よりも増加する。そのため、この場合も、CPU105によって検出される電圧定在比波VSWRは増加するように変化する。
【0167】
給電装置100と、異物との距離が所定の範囲内に存在する場合、異物の影響により、CPU105によって検出される電圧定在比波VSWRは、給電の対象となる電子機器が所定の範囲内に存在する場合よりも急激に変化する場合がある。
【0168】
これにより、CPU105は、電圧定在比波VSWRの変化量に応じて、所定の範囲内に異物が存在するか否かを検出する。
【0169】
そこで、S508において、CPU105は、反射電力検出回路114から取得した進行波の振幅電圧V1と、反射波の振幅電圧V2とから電圧定在波比VSWRを算出し、算出された電圧定在波比VSWRと、電圧定在波比VSWR1とを比較する。なお、S508においてCPU105によって算出された電圧定在波比VSWRを以下「VSWR2」と呼ぶ。
【0170】
さらに、CPU105は、電圧定在波比VSWR1と、電圧定在波比VSWR2との比較結果から、電圧定在波比VSWRの変化量を算出する。さらに、CPU105は、電圧定在波比VSWRの変化量が所定値A以上であるか否かを判定する。なお、所定値A(第1の値)は、あらかじめROM106に記録されているものとする。また、所定値Aは、異物を検出するために、新たに給電の対象となる電子機器が所定の範囲内に置かれた場合における電圧定在比波VSWRの変化量よりも大きい値となる。所定値Aは、CPU105によって変更可能に設定されるものであってもよい。
【0171】
CPU105よって、電圧定在波比VSWRの変化量が所定値A以上であると判定された場合(S508でYes)、CPU105は、電子機器200とともに異物が所定の範囲内に存在することを検出する。この場合、(S508でYes)、本フローチャートはS508からS509に進む。
【0172】
CPU105よって、電圧定在波比VSWRの変化量が所定値A以上でないと判定された場合(S508でNo)、本フローチャートはS508からS512に進む。
【0173】
なお、S508の処理のように、電圧定在波比VSWRの変化量と所定値Aとの比較に応じて、異物を検出するための処理を「第1の検出処理」と呼ぶ。
【0174】
S509において、CPU105は、給電装置100の近傍に異物が存在することをユーザに通知するための警告データを表示するように表示部113を制御する。さらに、CPU105は、異物を給電装置100から取り外すようにユーザを促すためのデータを警告データとともに表示するように表示部113を制御してもよい。
【0175】
警告データが表示部113に表示された場合、本フローチャートはS509からS510に進む。
【0176】
S510において、CPU105は、電子機器200に対して供給する電力を停止するように、発振器101、電力送信回路102及び整合回路103のいずれかを制御する。電力送信回路102によって第1の電力が生成されている場合、CPU105は、第1の電力の供給を停止するように発振器101、電力送信回路102及び整合回路103のいずれかを制御する。また、電力送信回路102によって、第2の電力が生成されている場合、CPU105は、第2の電力の供給を停止するように発振器101、電力送信回路102及び整合回路103のいずれかを制御する。また、電力送信回路102によって、第3の電力が生成されている場合、CPU105は、第3の電力の供給を停止するように発振器101、電力送信回路102及び整合回路103のいずれかを制御する。この場合、本フローチャートはS510からS511に進む。なお、S510において、CPU105は、整合回路103に含まれる可変コンデンサ302や可変コイル303の値を制御して給電装置100と電子機器200との共振を切断することにより、電子機器200への電力の供給を停止させてもよい。また、S510において、CPU105は、発振器101による発振を停止させることによって、電子機器200への電力の供給を停止させてもよい。また、S510において、CPU105は、電力送信回路102による電力の生成を停止させることによって、電子機器200への電力の供給を停止させてもよい。
【0177】
S511において、CPU105は、給電装置100の動作モードを給電モードからスタンバイモードに変更するように制御する。
【0178】
スタンバイモードとは、給電装置100の一部の動作を停止させないようにし、他の一部の動作を停止させるようにするためのモードである。なお、給電装置100がスタンバイモードである場合は、少なくともCPU105、ROM106、RAM107及びタイマー109の動作を停止させないようにし、他の各部の動作を停止させるようにする。
【0179】
通信部112が電子機器200から映像データを受信している場合、給電装置100がスタンバイモードに変更された場合であっても、CPU105は、通信部112によって行われる映像データを受信するための動作を停止しないようにする。同様に、通信部112が電子機器200に映像データを送信している場合、給電装置100がスタンバイモードに変更された場合であっても、CPU105は、通信部112によって行われる映像データを送信するための動作を停止しないようにする。また、表示部113が映像データを表示している場合、給電装置100がスタンバイモードに変更された場合であっても、CPU105は、表示部113によって行われる映像データを表示するための動作を停止しないようにする。また、記録部110が記録媒体110aに映像データ及び音声データの少なくとも一つを記録している場合、給電装置100がスタンバイモードに変更された場合であっても、CPU105は、記録部110によって行われる記録のための動作を停止しないようにする。
【0180】
給電装置100がスタンバイモードに変更された場合、本フローチャートは終了する。
給電装置100がスタンバイモードになった場合、CPU105は、給電装置100がスタンバイモードになってから経過した時間を計測するように、タイマー109を制御する。タイマー109によって計測される時間が所定の時間に達した場合、CPU105は、給電装置100をスタンバイモードから給電モードに変更し、再びS501の処理を行うようにする。なお、CPU105は、再びS501の処理を行う前に、RAM107に記録された電子機器200から取得した情報を消去するようにしてもよい。
【0181】
電子機器200とともに異物が所定の範囲内に存在する場合、給電装置100から出力される電力は、電子機器200及び異物に供給される。これにより、給電装置100から出力される電力を1台の電子機器200及び異物が受電する場合に、電子機器200が給電装置100から受電する電力は、給電装置100から出力される電力を1台の電子機器200が受電する場合よりも小さくなる場合がある。
【0182】
そのため、給電装置100から出力される電力を1台の電子機器200及び異物が受電する場合における給電装置100の給電効率は、給電装置100から出力される電力を1台の電子機器200が受電する場合における給電装置100の給電効率よりも低下する。
【0183】
これにより、CPU105は、給電装置100の給電効率に応じて、所定の範囲内に異物が存在するか否かを検出することができる。
【0184】
そこで、S512において、CPU105は、S507で算出された給電効率が、所定値B(第2の値)以上である否かを判定する。
【0185】
なお、所定値Bは、S506のデバイス情報取得処理において電子機器200から取得された給電効率に対する閾値である。
【0186】
CPU105によって、給電装置100の給電効率が所定値B以上と判定された場合(S512のYes)、本フローチャートはS512からS513に進む。この場合(S512でYes)、CPU105は、電子機器200は所定の範囲内に存在するが、異物は所定の範囲内に存在しないと判定する。
【0187】
CPU105によって、給電装置100の給電効率が所定値B以上でないと判定された場合(S512のNo)、本フローチャートはS512からS509に進む。この場合(S512でNo)、CPU105は、電子機器200とともに異物が所定の範囲内に存在すると判定する。
【0188】
なお、S512の処理のように給電装置100の給電効率と所定値Bとの比較に応じて、異物を検出するための処理を「第2の検出処理」と呼ぶ。
【0189】
S513において、CPU105は、ユーザに給電の対象である装置を選択させるための選択メニューを表示するように表示部113を制御する。この場合、本フローチャートはS513からS514に進む。選択メニューとは、優先的に給電を行う給電の対象をユーザに選択させるための映像データであり、選択メニューには、電子機器200を識別するための情報も含まれている。なお、給電装置100は、既に電子機器200以外の装置に対して、S501からS512までの処理を行っている場合、電子機器200を識別するための情報と、電子機器200以外の装置を識別するための情報とを含む選択メニューを表示部113に表示させる。
【0190】
なお、電子機器200を識別するための情報とは、例えば、電子機器200の識別情報、電子機器200に対応するアイコン、電子機器200の装置名を示す情報、電子機器200の製品名を示す情報または電子機器200のメーカー名を示す情報等である。また、電子機器200を識別するための情報は、電子機器200に装着されている電池210の残容量を示す情報であってもよいものとする。
【0191】
電子機器200以外の装置を識別するための情報も、電子機器200を識別するための情報と同様な情報であってもよいものとする。
【0192】
S514において、CPU105は、操作部115から入力されたユーザからの指示に応じて、優先的に給電を行う給電の対象を選択する。CPU105は、操作部115から入力されたユーザによる指示に応じて選択された電子機器に対して給電制御処理を行うことを示す情報をRAM107に記録する。CPU105は、優先的に給電を行う給電の対象として選択された電子機器の受電アンテナと、給電アンテナ108とが共振を行うように整合回路103を制御する。
【0193】
なお、CPU105は、優先的に給電を行う給電の対象として選択された装置が電子機器200である場合、受電アンテナ201と、給電アンテナ108とが共振を行うように整合回路103を制御する。この場合、本フローチャートはS514からS515に進む。
【0194】
なお、S514において、所定の時間が経過しても操作部115からユーザにからの指示が入力されなかった場合、CPU105は、電池の残容量が一番少ない装置を優先的に給電の対象として選択するようにする。また、所定の時間が経過しても操作部115からユーザからの指示が入力されなかった場合、CPU105は、識別情報を取得した順番が一番早い装置を優先的に給電の対象として選択するようにしてもよい。また、所定の時間が経過しても操作部115からユーザからの指示が入力されなかった場合、CPU105は、給電装置100と同一のメーカー名を有する装置を優先的に給電の対象として選択するようにしてもよい。
【0195】
S515において、CPU105は、給電制御処理を行う。なお、給電制御処理については、後述する。CPU105によって、給電制御処理が行われた場合、本フローチャートは終了する。
【0196】
なお、S510において、CPU105は、電子機器200に対して供給する電力を停止するようにした。しかし、S510において、電子機器200に対して供給する電力を停止する前に、CPU105は、電子機器200に電力の供給を停止することを通知するためのコマンドを送信するように変復調回路104を制御してもよい。
【0197】
なお、S512において、CPU105は、給電効率と所定値Bとを比較するようにしたが、給電効率に対する所定の上限値と、所定の下限値とを設けて、給電効率が所定の上限値と、所定の下限値との範囲内に存在するか否かを判定するようにしてもよい。この場合、給電効率が、所定の上限値と、所定の下限値との範囲内に存在している場合、本フローチャートは、S512からS513に進む。また、給電効率が、所定の上限値と、所定の下限値との範囲内に存在していない場合、本フローチャートは、S512からS509に進む。
【0198】
なお、電子機器200の識別情報は、電子機器200を識別することができる情報であれば、ID以外の情報であってもよく、電子機器200の製品名であっても、電子機器200の装置名であってもよいものとする。
【0199】
なお、S501において、電子機器200に供給される第1の電力は、S510において、CPU105によって、電子機器200への供給が停止されるまでは、給電装置100から電子機器200に給電アンテナ108を介して供給される。
【0200】
なお、電圧定在波比VSWRの変化量が所定値A以上でないと判定された場合(S508でNo)に、CPU105は、S512の処理を行うことよって、異物が所定の範囲内に存在するか否かを判定するようにしたが、これに限られないものとする。例えば、CPU105は、S508の処理と、S512の処理とを行う順番を入れ替えてもよい。S508の処理と、S512の処理とを行う順番を入れ替えた場合において、CPU105によって給電装置100の給電効率が所定値B以上であると判定された場合に、CPU105は、S508の処理を行うようにしても良い。
【0201】
この場合、給電装置100の給電効率が所定値B以上であると判定された場合であり、かつ、電圧定在波比VSWRの変化量が所定値A以上でないと判定された場合にCPU105は、S513からS515までの処理を行うようにする。給電装置100の給電効率が所定値B以上であると判定された場合であり、かつ、電圧定在波比VSWRの変化量が所定値A以上であると判定された場合、CPU105は、S509からS511までの処理を行うようにする。
【0202】
また、この場合、給電装置100の給電効率が所定値B以上でないと判定された場合、CPU105は、S509からS511までの処理を行うようにする。
【0203】
なお、S509において、CPU105は、警告データを表示するように表示部113を制御するようにしたが、これに限られないものとする。例えば、給電装置100と、外部の表示装置とがデジタルインターフェースを介して接続されている場合、CPU105は、警告データを表示するように外部の表示装置を制御するようにしてもよい。
【0204】
また、S512において、CPU105は、電子機器200から取得した所定値Bと、S507において算出された給電効率とを比較するようにしたが、所定値Bは、CPU105が電子機器200から取得した情報に応じて取得するものであってもよい。
【0205】
また、S513において、CPU105は、選択メニューを表示するように表示部113を制御するようにしたが、これに限られないものとする。例えば、給電装置100と、外部の表示装置とがデジタルインターフェースを介して接続されている場合、CPU105は、選択メニューを表示するように外部の表示装置を制御するようにしてもよい。
【0206】
(デバイス情報取得処理)
次に給電装置100によって行われるデバイス情報取得処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。図6に示すデバイス情報取得処理は、図5のS506において、CPU105によって行われる。なお、図6のフローチャートに示す処理は、CPU105がROM106に記憶されているコンピュータプログラムを実行することによって制御される。
【0207】
S601において、CPU105は、S505において所定の装置であると判定された電子機器200に対して第2のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。なお、第2のコマンドは、電子機器200のデバイス情報を要求するためのコマンドである。この場合、本フローチャートはS601からS602に進む。
【0208】
S602において、CPU105は、S601において電子機器200に送信した第2のコマンドに対する応答として、電子機器200のデバイス情報を変復調回路104が受信したか否かを判定する。
【0209】
CPU105によって、電子機器200のデバイス情報を変復調回路104が受信したと判定された場合(S602でYes)、CPU105は、変復調回路104から電子機器200のデバイス情報を取得し、これをRAM107に記録する。この場合(S602でYes)、本フローチャートは、S602からS603に進む。
【0210】
CPU105によって、電子機器200のデバイス情報を変復調回路104が受信していないと判定された場合(S602でNo)、本フローチャートは、終了し、図5の検出処理のS510に進み、S510及びS511の処理を行う。
【0211】
S603において、CPU105は、電子機器200から第2の電流情報及び第2の電圧情報を取得するための処理を開始することを電子機器200に通知するための第3のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。なお、電子機器200から第2の電流情報及び第2の電圧情報を取得するための処理を「給電準備処理」と呼ぶ。なお、給電準備処理は、給電効率を算出するために用いられる第2の電流情報及び第2の電圧情報を電子機器200から取得するためにCPU105によって行われる。
【0212】
この場合、本フローチャートはS603からS604に進む。
【0213】
S604において、CPU105は、S603において電子機器200に送信した第3のコマンドに対する応答を変復調回路104が受信したか否かを判定する。
【0214】
CPU105によって、第3のコマンドに対する応答を変復調回路104が受信したと判定された場合(S604でYes)、CPU105は、電子機器200の動作モードが給電準備処理を行えるモードに変更されたと判定する。この場合(S604でYes)、本フローチャートは、S604からS605に進む。
【0215】
CPU105によって、第3のコマンドに対する応答を変復調回路104が受信していないと判定された場合(S604でNo)、CPU105は、電子機器200の動作モードが給電準備処理を行えるモードに変更されていないと判定する。この場合(S604でNo)、CPU105は、電子機器200から第2の電流情報及び第2の電圧情報を取得できないと判定する。この場合(S604でNo)、本フローチャートは、終了し、図5の検出処理のS510に進み、S510及びS511の処理を行う。
【0216】
S605において、CPU105は、第2の電力を給電アンテナ108を介して電子機器200に供給するように電力送信回路102及び整合回路103を制御する。
【0217】
なお、CPU105は、第2の電力を電子機器200に供給する場合、第2の電力の値を示す情報を電子機器200に給電アンテナ108を介して送信するようにしてもよい。この場合、本フローチャートは、S605からS606に進む。
【0218】
S606において、CPU105は、反射電力検出回路114によって検出される第1の電流情報と、第1の電圧情報とを取得してRAM107に記録する。この場合、本フローチャートはS606からS607に進む。
【0219】
S607において、CPU105は給電準備処理を停止することを電子機器200に通知するための第4のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。
【0220】
なお、CPU105は、第4のコマンドを電子機器200に送信する前に、第2の電力の電子機器200への供給を停止し、第1の電力を電子機器200に供給するように電力送信回路102及び整合回路103を制御する。
【0221】
この場合、本フローチャートは、S607からS608に進む。
【0222】
S608において、CPU105は、S603において電子機器200に送信した第4のコマンドに対する応答を変復調回路104が受信したか否かを判定する。
【0223】
CPU105によって、第4のコマンドに対する応答を変復調回路104が受信したと判定された場合(S608でYes)、CPU105は、電子機器200が給電準備処理を行えるモードから解除されたと判定する。この場合(S608でYes)、本フローチャートは、S608からS609に進む。
【0224】
CPU105によって、第4のコマンドに対する応答を変復調回路104が受信していないと判定された場合(S608でNo)、CPU105は、電子機器200の動作モードが給電準備処理を行えるモードから解除されていないと判定する。この場合(S608でNo)、本フローチャートは、終了し、図5の検出処理のS510に進み、S510及びS511の処理を行う。
【0225】
S609において、CPU105は、電子機器200に対して、電子機器200で検出された第2の電流情報及び第2の電圧情報を要求するための第5のコマンドを送信するように変復調回路104を制御する。この場合、本フローチャートはS609からS610に進む。
【0226】
S610において、CPU105は、S609において電子機器200に送信した第5のコマンドに対する応答として、電子機器200の第2の電流情報及び電子機器200の第2の電圧情報を変復調回路104が受信したか否かを判定する。
【0227】
CPU105によって、電子機器200の第2の電流情報及び電子機器200の第2の電圧情報を変復調回路104が受信したと判定された場合(S610でYes)、CPU105は、取得した第2の電流情報及び第2の電圧情報をRAM107に記録する。
【0228】
この場合(S610でYes)、本フローチャートは、S610からS611に進む。
【0229】
CPU105によって、電子機器200の第2の電流情報及び電子機器200の第2の電圧情報を変復調回路104が受信していないと判定された場合(S610でNo)、CPU105は、給電効率を算出することができないと判定する。この場合(S610でNo)、本フローチャートは、終了し、図5の検出処理のS510に進み、S510及びS511の処理を行う。
【0230】
なお、この場合(S610でNo)、CPU105は、S512の処理において用いられる給電効率を算出することができないので、電圧定在比波VSWRの変化量に応じて異物を検出することはできるが、給電効率に応じて異物を検出することはできない。
【0231】
S611において、CPU105は、電子機器200に対して、閾値を要求するための第6のコマンドを送信するように変復調回路104を制御する。この場合、本フローチャートはS611からS612に進む。なお、第6のコマンドによって、電子機器200に要求される閾値とは、給電効率に対する閾値である。電子機器200は、第6のコマンドを受け付けた場合、第6のコマンドに対する応答として所定値Bを送信する。
【0232】
S612において、CPU105は、S611において電子機器200に送信した第6のコマンドに対する応答として、所定値Bを変復調回路104が受信したか否かを判定する。
【0233】
CPU105によって、所定値Bを変復調回路104が受信したと判定された場合(S612でYes)、CPU105は、変復調回路104から供給された所定値BをRAM107に記録する。この場合(S612でYes)、本フローチャートは終了し、図5の検出処理のS507に進む。
【0234】
CPU105によって、所定値Bを変復調回路104が受信していないと判定された場合(S612でNo)、CPU105は、所定値Bを取得できないと判定する。この場合(S612でNo)、本フローチャートは、終了し、図5の検出処理のS510に進み、S510及びS511の処理を行う。
【0235】
なお、この場合(S612でNo)、CPU105は、S512の処理において用いられる所定値Bを取得することができないので、電圧定在比波VSWRに応じて異物を検出することはできるが、給電効率に応じて異物を検出することはできない。
【0236】
なお、S604において、電子機器200に供給される第2の電力は、S607において、CPU105によって、電子機器200への第2の電力の供給が停止されるまでは、給電装置100から電子機器200に給電アンテナ108を介して供給される。
【0237】
(給電制御処理)
次に、実施例1において、給電装置100によって行われる給電制御処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。図7に示す給電制御処理は、図5のS515において、CPU105によって行われる。なお、図7のフローチャートに示す処理は、CPU105がROM106に記憶されているコンピュータプログラムを実行することによって制御される。
【0238】
なお、図7の給電制御処理は、S514において、CPU105によって給電の対象として選択された電子機器に対して行われる処理である。
【0239】
以下、S514において、CPU105によって給電の対象として電子機器200が選択された場合を一例として、給電制御処理の説明を行う。
【0240】
S701において、CPU105は、電子機器200に対して第3の電力を供給するための処理を開始することを電子機器200に通知するための第7のコマンドを電子機器200に送信するように整合回路103及び変復調回路104を制御する。なお、電子機器200に対して第3の電力を送信するための処理を以下、「給電処理」と呼ぶ。この場合、本フローチャートはS701からS702に進む。
【0241】
S702において、CPU105は、S701において電子機器200に送信した第7のコマンドに対する応答を変復調回路104が受信したか否かを判定する。
【0242】
CPU105によって、第7のコマンドに対する応答を変復調回路104が受信したと判定された場合(S702でYes)、CPU105は、電子機器200の動作モードが給電装置100から供給される第3の電力の受電を行うモードに変更されたと判定する。この場合(S702でYes)、本フローチャートは、S702からS703に進む。
【0243】
CPU105によって、第7のコマンドに対する応答を変復調回路104が受信していないと判定された場合(S702でNo)、CPU105は、電子機器200の動作モードが給電装置100から供給される第3の電力の受電を行うモードに変更されていないと判定する。この場合(S702でNo)、本フローチャートはS702からS711に進む。
【0244】
S703において、CPU105は、第3の電力を給電アンテナ108を介して電子機器200に供給するように発振器101、電力送信回路102及び整合回路103を制御する。
【0245】
なお、CPU105は、第3の電力を電子機器200に供給する場合、第3の電力の値を示す情報を電子機器200に給電アンテナ108を介して送信するようにしてもよい。
【0246】
なお、CPU105は、電子機器200から取得した電子機器200の受電情報に応じて、第3の電力の値を設定する。CPU105は、第3の電力の値が電子機器200が給電装置100から受電できる最小の電力の値以上であって、電子機器200が給電装置100から受電できる最大の電力の値以下になるように設定する。
【0247】
さらに、CPU105は、S507において算出された給電効率に応じて、第3の電力の値を設定するようにしてもよい。
【0248】
さらに、CPU105は電子機器200の受電情報に含まれる電子機器200が通信部212を動作させるために必要な電力を示す情報に応じて、第3の電力の値を設定するようにしてもよい。さらに、CPU105は電子機器200の受電情報に含まれる電子機器200が充電のために必要な電力を示す情報に応じて、第3の電力の値を設定するようにしてもよい。さらに、CPU105は電子機器200の受電情報に含まれる電子機器200が撮像部213を動作させるために必要な電力を示す情報に応じて、第3の電力の値を設定するようにしてもよい。さらに、CPU105は電子機器200の受電情報に含まれる電子機器200が記録部217を動作させるために必要な電力を示す情報に応じて、第3の電力の値を設定するようにしてもよい。
【0249】
この場合、本フローチャートは、S703からS704に進む。
【0250】
S704において、CPU105は、電子機器200に対して、充電情報を要求するための第8のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。この場合、本フローチャートはS704からS705に進む。
【0251】
S705において、CPU105は、S701において電子機器200に送信した第8のコマンドに対する応答として電子機器200の充電情報を変復調回路104が受信したか否かを判定する。
【0252】
CPU105によって、電子機器200の充電情報を変復調回路104が受信したと判定された場合(S705でYes)、CPU105は、電子機器200の充電情報をRAM107に記録する。この場合(S705でYes)、本フローチャートは、S705からS706に進む。
【0253】
CPU105によって、電子機器200の充電情報を変復調回路104が受信していないと判定された場合(S705でNo)、本フローチャートはS705からS711に進む。
【0254】
S706において、CPU105は、S705において取得した電子機器200の充電情報に応じて、電子機器200の電池210が満充電であるか否かを判定する。
【0255】
CPU105によって、電子機器200の電池210が満充電であると判定された場合(S706でYes)、本フローチャートはS706からS711に進む。
【0256】
CPU105によって、電子機器200の電池210が満充電でないと判定された場合(S706でNo)、本フローチャートはS706からS707に進む。
【0257】
S707において、CPU105は、S508と同様に反射電力検出回路114から取得した進行波の振幅電圧V1と、反射波の振幅電圧V2とから電圧定在波比VSWRを算出し、算出された電圧定在波比VSWRと、電圧定在波比VSWR2とを比較する。なお、S707において算出された電圧定在波比VSWRを以下「VSWR3」と呼ぶ。
【0258】
S707において、CPU105は、電圧定在波比VSWR2と、電圧定在波比VSWR3との比較結果から、電圧定在波比VSWRの変化量を算出する。さらにCPU105は、電圧定在波比VSWRの変化量が所定値A以上であるか否かを判定する。
【0259】
CPU105よって、電圧定在波比VSWRの変化量が所定値A以上であると判定された場合(S707でYes)、CPU105は、異物が所定の範囲内に存在すると判定する。この場合、(S707でYes)、本フローチャートはS707からS711に進む。
【0260】
CPU105よって、電圧定在波比VSWRの変化量が所定値A以上でないと判定された場合(S707でNo)、CPU105は、異物が所定の範囲内に存在しないと判定する。この場合、(S707でNo)、本フローチャートはS707からS708に進む。
【0261】
S708において、CPU105は、温度検出部102aにおいて検出される給電装置100の温度が所定値C以上であるか否かを判定する。この場合、CPU105は、給電装置100の温度と所定値Cとを比較することによって、給電装置100が第3の電力を電子機器200に供給する場合において、給電装置100の温度が正常な温度であるか否かを判定する。
【0262】
CPU105によって、温度検出部102aにおいて検出される給電装置100の温度が所定値C以上であると判定された場合(S708でYes)、CPU105は、給電装置100の温度が正常な温度でないと判定する。この場合(S708でYes)、本フローチャートはS708からS709に進む。
【0263】
CPU105によって、温度検出部102aにおいて検出される給電装置100の温度が所定値C以上でないと判定された場合(S708でNo)、CPU105は、給電装置100の温度が正常な温度であると判定する。この場合(S708でYes)、本フローチャートはS708からS704に戻る。
【0264】
S709において、CPU105は、電子機器200への第3の電力の供給を停止するように、発振器101、電力送信回路102及び整合回路103のいずれかを制御する。この場合、本フローチャートは、S708からS709に進む。
【0265】
S710において、CPU105は、S708と同様に温度検出部102aにおいて検出される給電装置100の温度が所定値C以上であるか否かを判定する。
【0266】
CPU105によって、温度検出部102aにおいて検出される給電装置100の温度が所定値C以上であると判定された場合(S710でYes)、本フローチャートはS710からS710に戻る。
【0267】
CPU105によって、温度検出部102aにおいて検出される給電装置100の温度が所定値C以上でないと判定された場合(S710でNo)、本フローチャートはS710からS711に進む。
【0268】
S711において、CPU105は、電子機器200に供給する電力を第1の電力に設定し、第1の電力を給電アンテナ108を介して電子機器200に供給するように、発振器101、電力送信回路102及び整合回路103を制御する。
【0269】
なお、S709の処理が行われていない場合、CPU105は、電子機器200への第3の電力の供給を停止してから、第1の電力を電子機器200に供給するように、発振器101、電力送信回路102及び整合回路103を制御する。S702でNoの場合、S705でNoの場合、S706でYesの場合及びS707でYesの場合のいずれかである場合、CPU105は、電子機器200への第3の電力の供給を停止してから、第1の電力を電子機器200に供給するようにする。
【0270】
この場合、本フローチャートは、S711からS712に進む。
【0271】
S712において、CPU105は、電子機器200に対して給電処理を停止することを電子機器200に通知するための第9のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。この場合、本フローチャートはS712からS713に進む。
【0272】
S713において、CPU105は、S712において電子機器200に送信した第9のコマンドに対する応答を変復調回路104が受信したか否かを判定する。
【0273】
CPU105によって、第9のコマンドに対する応答を変復調回路104が受信したと判定された場合(S713でYes)、CPU105は、給電装置100によって行われる給電処理が終了したことを電子機器200に通知することができたと判定する。この場合(S713でYes)、本フローチャートは、S713からS714に進む。
【0274】
CPU105によって、第9のコマンドに対する応答を変復調回路104が受信していないと判定された場合(S713でNo)、CPU105は、給電装置100によって行われる給電処理が終了したことを電子機器200に通知できなかったと判定する。この場合(S713でNo)、本フローチャートは終了し、図5の検出処理のS510に進み、S510及びS511の処理を行う。
【0275】
S714において、CPU105は、給電装置100の状態を示すデータを表示するように表示部113を制御する。
【0276】
例えば、S706において、電子機器200の電池210が満充電であることが検出された場合、CPU105は、給電装置100の状態を示すデータとして、電子機器200が満充電であると検出したことを示すデータを表示部113に表示させてもよい。
【0277】
また、S707において、異物が検出された場合、CPU105は、給電装置100の状態を示すデータとして、給電装置100の近傍に異物が存在することを検出したことを示すデータを表示部113に表示させるようにしてもよい。
【0278】
また、S708において、給電装置100の温度が正常な温度でないと判定された場合、CPU105は、給電装置100の状態を示すデータとして、給電装置100の温度が正常ではないと検出したことを示すデータを表示部113に表示させてもよい。
【0279】
また、CPU105は、給電装置100の状態を示すデータとして、給電装置100の動作を示す情報を表示部113に表示させてもよい。この場合、本フローチャートはS714からS715に進む。
【0280】
S715において、CPU105は、S511と同様に、給電装置100の動作モードを給電モードからスタンバイモードに変更するように制御する。この場合、本フローチャートは終了する。
【0281】
給電装置100がスタンバイモードになった場合、CPU105は、給電装置100がスタンバイモードになってから経過した時間を計測するように、タイマー109を制御する。タイマー109によって計測される時間が所定の時間に達した場合、CPU105は、給電装置100をスタンバイモードから給電モードに変更し、再びS501の処理を行うようにする。
【0282】
なお、S715において、電子機器200に対して第1の電力が供給されている場合、CPU105は、給電装置100の動作モードをスタンバイモードに変更する前に、電子機器200に対する第1の電力の供給を停止する。
【0283】
電力送信回路102によって第1の電力が生成されている場合、CPU105は、第1の電力の供給を停止するように発振器101、電力送信回路102及び整合回路103のいずれかを制御する。
【0284】
なお、S708において、CPU105は、電力送信回路102において検出される給電装置100の温度が所定値C以上であるか否かを判定するようにした。しかし、S708において、CPU105は、温度検出部102aにおいて検出される給電装置100の温度が、所定値C1以上であり、かつ、所定値C2以下であるか否かを判定するようにしてもよい。なお、この場合、所定値C1は、給電装置100が第3の電力を電子機器200に供給する場合における給電装置100の温度の下限の値を示す。また、この場合、所定値C2は、給電装置100が第3の電力を電子機器200に供給する場合における給電装置100の温度の上限の値を示す。なお、所定値C1は、所定値C2よりも低い値である。
【0285】
この場合、CPU105によって、温度検出部102aにより検出される給電装置100の温度が、所定値C1以上であり、かつ、所定値C2以下であると判定された場合、CPU105は、給電装置100の温度が正常な温度であると判定する(S708でNo)。また、CPU105によって、温度検出部102aにより検出される給電装置100の温度が、所定値C1以上であり、かつ、所定値C2以下でないと判定された場合、CPU105は、給電装置100の温度が正常な温度でないと判定する(S708でYes)。
【0286】
なお、S710も上述のような判定を行ってもよい。
【0287】
なお、S703において、電子機器200に供給される第3の電力は、S709により、CPU105によって、電子機器200への第3の電力の供給が停止されるまでは、給電装置100から電子機器200に給電アンテナ108を介して供給される。
【0288】
なお、S703において、電子機器200に供給される第3の電力は、S711により、CPU105によって、電子機器200への第3の電力の供給が停止されるまでは、給電装置100から電子機器200に給電アンテナ108を介して供給される。
【0289】
なお、S711において、電子機器200に供給される第1の電力は、S715において、CPU105によって、電子機器200への供給が停止されるまでは、給電装置100から電子機器200に給電アンテナ108を介して供給される。
【0290】
S706において、CPU105は、電子機器200の電池210が満充電であるか否かを判定するようにしたが、これに限られないものとする。
【0291】
例えば、CPU105は、S706において、電子機器200に対して第3の電力を供給する処理を停止するか否かを判定するようにしてもよい。この場合、CPU105は、給電装置100及び電子機器200のいずれかにエラーが発生したか否かを判定することよって、電子機器200に対して第3の電力を供給する処理を停止するか否かを判定してもよい。この場合、CPU105によって、給電装置100及び電子機器200のいずれか一つにエラーが発生したと判定された場合、CPU105は、電子機器200に対して第3の電力を供給する処理を停止すると判定し、S711の処理を行うようにする。また、CPU105によって、給電装置100及び電子機器200にエラーが発生していないと判定された場合、CPU105は、電子機器200に対して第3の電力を供給する処理を停止しないと判定し、S707の処理を行うようにする。
【0292】
また、例えば、CPU105は、電子機器200が所定の範囲内から取り外されたことを検出したか否かを判定することによって、電子機器200に対して第3の電力を供給する処理を停止するか否かを判定してもよい。この場合、CPU105によって、電子機器200が所定の範囲内から取り外されたことが検出された場合、CPU105は、電子機器200に対して第3の電力を供給する処理を停止すると判定し、S711の処理を行うようにする。また、CPU105によって、電子機器200が所定の範囲内から取り外されていないことが検出された場合、CPU105は、電子機器200に対して第3の電力を供給する処理を停止しないと判定し、S707の処理を行うようにする。
【0293】
なお、S714において、CPU105は、給電装置100の状態を示すデータを表示部113に表示させるようにしたが、これに限られないものとする。例えば、給電装置100と、外部の表示装置とがデジタルインターフェースを介して接続されている場合、CPU105は、給電装置100の状態を示すデータを表示するように外部の表示装置を制御するようにしてもよい。
【0294】
(コマンド受信処理)
実施例1において、電子機器200によって行われるコマンド受信処理について、図8及び図9のフローチャートを用いて説明する。なお、図8に示されているコマンド受信処理を、「第1のコマンド受信処理」と呼び、図9に示されているコマンド受信処理を、「第2のコマンド受信処理」と呼ぶ。なお、図8及び図9のフローチャートに示す処理は、CPU205がROM206に記憶されているコンピュータプログラムを実行することによって制御される。
【0295】
図8に示す第1のコマンド受信処理は、電子機器200によって行われる処理である。なお、第1のコマンド受信処理がCPU205によって行われる場合、給電装置100から通信を行うための第1の電力が電子機器200に対して供給されているものとする。また、図8に示す第1のコマンド受信処理は、定期的に行われてもよいものとする。
【0296】
S801において、CPU205は、変復調回路204が給電装置100からコマンドを受信したか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が給電装置100からコマンドを受信していないと判定された場合(S801でNo)、本フローチャートは終了する。CPU205によって、変復調回路204が給電装置100からコマンドを受信したと判定された場合(S801でYes)、本フローチャートはS801からS802に進む。
【0297】
S802において、CPU205は、変復調回路204が給電装置100から受信したコマンドを解析するように変復調回路204を制御する。この場合、本フローチャートはS802からS803に進む。変復調回路204によるコマンドの解析が完了した場合、変復調回路204は解析結果をCPU205に供給する。
【0298】
S803において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果からエラーが検出されたか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204から供給された解析結果からエラーが検出されたと判定された場合(S803でYes)、本フローチャートはS803からS804に進む。CPU205によって、変復調回路204から供給された解析結果からエラーが検出されていないと判定された場合(S806でNo)、本フローチャートはS803からS805に進む。
【0299】
S804において、CPU205は、給電装置100から送信されたコマンドに対する応答として、エラーが発生したことを示すエラー情報を給電装置100に送信するため負荷変調を行うように変復調回路204を制御する。この場合、本フローチャートは終了する。なお、CPU205は、検出されたエラーを解消するためのエラー処理を行う。
【0300】
S805において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第1のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第1のコマンドでないと判定された場合(S805でNo)、本フローチャートはS805からS807に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第1のコマンドであると判定された場合(S805でYes)、本フローチャートはS805からS806に進む。
【0301】
S806において、CPU205は、第1のコマンドに対する応答としてROM206に記録されているIDを給電装置100に送信するための負荷変調を行うように変復調回路204を制御する。この場合、本フローチャートは終了する。
【0302】
S807において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第2のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第2のコマンドでないと判定された場合(S807でNo)、本フローチャートはS807からS810に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第2のコマンドであると判定された場合(S807でYes)、本フローチャートはS807からS808に進む。
【0303】
S808において、CPU205は、電子機器200の姿勢情報を取得するように姿勢センサ216を制御する。CPU105は、姿勢センサ216から取得された電子機器200の姿勢情報をRAM207に記録する。この場合、本フローチャートは、S808からS809に進む。
【0304】
S809において、CPU205は、第2のコマンドに対する応答としてデバイス情報を給電装置100に送信するための負荷変調を行うように整合回路202及び変復調回路204を制御する。なお、デバイス情報に含まれる電子機器200の装置名を示す情報、電子機器200の製品名を示す情報は、電子機器200のメーカー名を示す情報は、CPU205によって、ROM106から読み出された情報である。また、デバイス情報に含まれる受電情報は、CPU205によって、ROM106から読み出された情報である。デバイス情報に含まれる姿勢情報は、S808において、姿勢センサ216によって検出された情報である。この場合、本フローチャートは終了する。
【0305】
S810において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第3のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第3のコマンドでないと判定された場合(S810でNo)、本フローチャートはS810からS814に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第3のコマンドであると判定された場合(S810でYes)、本フローチャートはS810からS811に進む。
【0306】
S811において、CPU105は、電子機器200の動作モードを給電準備モードに変更する。
【0307】
給電準備モードとは、給電装置100から電子機器200に供給される電力が通信部212、撮像部213、記録部217、電池210及び充電制御部209に供給されないように切替部215及び切替部218をオフにするためのモードである。
【0308】
なお、電子機器200の動作モードが給電準備モードである場合、CPU105、タイマー109、整合回路202、変復調回路204、整流平滑回路203及び電流・電圧検出部214には、給電装置100からの電力が供給される。さらに、電子機器200の動作モードが給電準備モードである場合、ROM206、RAM207及びレギュレータ208にも給電装置100からの電力が供給される。さらに、電子機器200の動作モードが給電準備モードである場合、姿勢センサ216にも給電装置100からの電力が供給されてもよいものとする。
【0309】
電子機器200の動作モードが給電準備モードに変更された場合、CPU205は、通信部112によって行われる映像データを受信するための動作を停止し、切替部218をオフにするように制御する。同様に、電子機器200の動作モードが給電準備モードに変更された場合、CPU205は、通信部212によって行われる映像データを送信するための動作を停止し、切替部218をオフにするように制御する。また、電子機器200の動作モードが給電準備モードに変更された場合、CPU205は、撮像部213によって行われる撮影を行うための動作を停止し、切替部218をオフにするように制御する。また、電子機器200の動作モードが給電準備モードに変更された場合、CPU205は、記録部217によって行われる記録及び再生のための動作を停止し、切替部218をオフにするように制御する。
【0310】
また、電子機器200の動作モードが給電準備モードに変更された場合、CPU205は、充電制御部209によって行われる電池210の充電のための動作を停止し、切替部215をオフにするように制御する。
【0311】
第3のコマンドを変復調回路204が受信した場合に、電子機器200において消費される電力が一定になるように制御した状態で、第2の電流情報及び第2の電圧情報を検出するために、CPU205は、電子機器200の動作モードを給電準備モードに変更する。そのため、給電装置100において給電準備処理が行われる場合、電子機器200の消費電力が一定である状態で、電流・電圧検出部214によって第2の電流情報及び第2の電圧情報は検出される。
【0312】
この場合、本フローチャートは、S811からS812に進む。
【0313】
S812において、CPU205は、第3のコマンドに対する応答として、電子機器200の給電準備モードへの変更が完了したことを示す情報を給電装置100に送信するための負荷変調を行うように変復調回路204を制御する。この場合、本フローチャートはS812からS813に進む。
【0314】
S813において、CPU205は、第2の電流情報と、第2の電圧情報とを検出するように電流・電圧検出部214を制御する。また、CPU205は、電流・電圧検出部214によって検出された第2の電流情報と、第2の電圧情報とをRAM207に記録する。この場合、本フローチャートは終了する。
【0315】
S814において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第4のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第4のコマンドでないと判定された場合(S814でNo)、本フローチャートはS814からS817に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第4のコマンドであると判定された場合(S814でYes)、本フローチャートはS814からS815に進む。
【0316】
S815において、CPU105は、電子機器200の動作モードを給電準備モードから給電準備モードになる前のモードに変更することによって、電子機器200を給電準備モードから解除する。この場合、本フローチャートは、S815からS816に進む。
【0317】
なお、例えば、電子機器200の動作モードが給電準備モードになる前、通信部212によって、給電装置100に映像データが送信されていた場合、CPU205は、再び映像データを給電装置100に送信する処理を行うように通信部212を制御する。この場合、通信部212が映像データを給電装置100に送信する処理は、電子機器200が給電準備モードに変更されたことによって中断された時点から再開されてもよい。また、通信部212が映像データを給電装置100に送信する処理は、再び最初から行われてもよい。
【0318】
なお、例えば、電子機器200の動作モードが給電準備モードになる前、通信部212によって、給電装置100から映像データを受信していた場合、CPU205は、再び映像データを給電装置100から受信するための処理を行うように通信部212を制御する。この場合、通信部212が映像データを給電装置100から受信する処理は、電子機器200が給電準備モードに変更されたことによって中断された時点から再開されてもよい。また、通信部212が映像データを給電装置100から受信する処理は、再び最初から行われてもよい。
【0319】
なお、例えば、電子機器200の動作モードが給電準備モードになる前、撮像部213によって、撮影が行われていた場合、CPU205は、再び撮影を行うための処理を行うように撮像部213を制御する。この場合、撮影を行うための処理は、電子機器200が給電準備モードに変更されたことによって中断された時点から再開されてもよい。また、撮影を行うための処理は、再び最初から行われてもよい。
【0320】
S816において、CPU205は、第4のコマンドに対する応答として、電子機器200を給電準備モードから解除されたことを示す情報を給電装置100に送信するための負荷変調を行うように変復調回路204を制御する。この場合、本フローチャートは終了する。
【0321】
S817において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第5のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第5のコマンドでないと判定された場合(S817でNo)、本フローチャートは、S817から図9のS901に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第5のコマンドであると判定された場合(S817でYes)、本フローチャートはS817からS818に進む。
【0322】
S818において、CPU205は、第5のコマンドに対する応答として電子機器200の第2の電流情報及び電子機器200の第2の電圧情報を給電装置100に送信するための負荷変調を行うよう変復調回路204を制御する。なお、第2の電流情報及び第2の電圧情報は、S813の処理によって、電流電圧検出部によって検出され、RAM207に記録されている情報である。この場合、本フローチャートは終了する。
【0323】
次に、S901において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第6のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第6のコマンドでないと判定された場合(S901でNo)、本フローチャートは、S901からS903に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第6のコマンドであると判定された場合(S901でYes)、本フローチャートはS901からS902に進む。
【0324】
S902において、CPU205は、第6のコマンドに対する応答として所定値Bを給電装置100に送信するための負荷変調を行うように変復調回路204を制御する。なお、所定値Bは、CPU205によって、ROM206から読み出された給電効率に対する閾値である。この場合、本フローチャートは終了する。
【0325】
S903において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第7のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第7のコマンドでないと判定された場合(S903でNo)、本フローチャートはS903からS907に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第7のコマンドであると判定された場合(S903でYes)、本フローチャートはS903からS904に進む。
【0326】
S904において、CPU105は、電子機器200の動作モードを充電モードに変更する。
【0327】
充電モードとは、給電装置100から電子機器200に供給される電力に応じて、電池210の充電を行うためのモードである。
【0328】
電子機器200が充電モードである場合、CPU105、タイマー109、整合回路202、変復調回路204、整流平滑回路203、電流・電圧検出部214、ROM206、RAM207及びレギュレータ208には、給電装置100からの電力が供給される。さらに、電子機器200が充電モードである場合、給電装置100からの電力は、切替部215を介して、充電制御部209及び電池210にも供給される。
【0329】
さらに、電子機器200の動作モードが充電モードである場合、姿勢センサ216にも給電装置100からの電力が供給されてもよいものとする。
【0330】
給電装置100が充電モードに変更された場合、CPU205は、給電装置100から供給される電力によって、電池210を充電しながら、通信部212、撮像部213及び記録部217を動作させることができるか否かを判定する。
【0331】
CPU205は、給電装置100から供給される電力により、電池210を充電しながら、通信部212、撮像部213及び記録部217を動作させることはできないと判定した場合、切替部215をオンにするようにし、切替部218をオフにするように制御する。
【0332】
この場合、CPU205は、給電装置100から供給される電力を切替部215を介して充電制御部209及び電池210に供給し、給電装置100から供給される電力を切替部218を介して通信部212、撮像部213及び記録部217に供給しないようにする。これにより、CPU205は、充電制御部209によって行われる電池210を充電するための処理を優先的に行わせ、通信部212、撮像部213及び記録部217を動作させるための処理を行わないようにする。
【0333】
CPU205は、給電装置100から供給される電力によって、充電制御部209、通信部212、撮像部213、及び記録部217を動作させることができると判定した場合、切替部215及び切替部218がオンになるように制御する。この場合、給電装置100から供給される電力は、電子機器200全体に供給される。
【0334】
この場合、CPU205は、充電制御部209によって行われる電池210を充電するための処理と、通信部212、撮像部213及び記録部217を動作させるための処理とを行うようにする。この場合、本フローチャートは、S904からS905に進む。
【0335】
S905において、CPU205は、第7のコマンドに対する応答として、電子機器200の充電モードへの変更が完了したことを示す情報を給電装置100に送信するための負荷変調を行うように変復調回路204を制御する。この場合、本フローチャートはS905からS906に進む。
【0336】
S906において、CPU205は、レギュレータ208から切替部215を介して供給される電力に応じて、電池210の充電を開始するように充電制御部209を制御する。この場合、本フローチャートは、終了する。
【0337】
S907において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第8のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第8のコマンドでないと判定された場合(S907でNo)、本フローチャートはS907からS910に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第8のコマンドであると判定された場合(S907でYes)、本フローチャートはS907からS908に進む。
【0338】
S908において、CPU205は、電子機器200の残容量情報を検出するように充電制御部209を制御する。CPU205は、充電制御部209によって検出された電子機器200の残容量情報をRAM207に記録する。この場合、本フローチャートはS908からS909に進む。
【0339】
S909において、CPU205は、第8のコマンドに対する応答として、電子機器200の充電情報を給電装置100に送信するための負荷変調を行うように変復調回路204を制御する。この場合、本フローチャートは終了する。なお、S909において、給電装置100に送信される電子機器200の充電情報は、S908において検出された残容量情報を含む。
【0340】
S910において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第9のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第9のコマンドでないと判定された場合(S910でNo)、本フローチャートは、S910からS914に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第9のコマンドであると判定された場合(S910でYes)、本フローチャートはS910からS911に進む。
【0341】
S911において、CPU205は、電池210の充電を停止するように充電制御部209を制御する。この場合、本フローチャートは、S911からS912に進む。なお、S911において、CPU205は、切替部215をオフにするように制御することによって、電池210の充電を停止するようにしてもよい。
【0342】
S912において、CPU205は、電子機器200の動作モードを充電モードから充電モードになる前のモードに変更することによって、電子機器200を充電モードから解除する。この場合、本フローチャートは、S912からS913に進む。
【0343】
なお、電子機器200の動作モードが充電モードから解除された場合、CPU205は、レギュレータ208から供給される電力が、電池210に供給されないように切替部215をオフにするように制御する。
【0344】
S913において、CPU205は、第8のコマンドに対する応答として、電子機器200が充電モードから解除されたことを示す情報を給電装置100に送信するための負荷変調を行うように変復調回路204を制御する。この場合、本フローチャートは終了する。
【0345】
S914において、変復調回路204から供給された解析結果から得られたコマンドコードに応じて処理を行うように電子機器200を制御する。この場合、本フローチャートは、S914からS915に進む。
【0346】
S915において、CPU205は、変復調回路204が受信したコマンドに対応する応答を給電装置100に送信するための負荷変調を行うように変復調回路204を制御する。この場合、本フローチャートは終了する。
【0347】
S906において、充電制御部209によって電池210の充電が開始された場合、変復調回路204によって第9のコマンドが受信されるまで、CPU205は、電池210の充電を停止しないように充電制御部209をする。なお、CPU205は、変復調回路204が給電装置100から第9のコマンドを受信していないと判定した場合であっても、電池210が満充電であると判定された場合は、電池210の充電を停止するように充電制御部209を制御する。また、CPU205は、変復調回路204が給電装置100から第9のコマンドを受信していないと判定した場合であっても、電子機器200にエラーが発生したと判定された場合、電池210の充電を停止するように充電制御部209を制御する。また、CPU205は、変復調回路204が給電装置100から第9のコマンドを受信していないと判定した場合であっても、電池210が取り外されたと判定された場合、電池210の充電を停止するように充電制御部209を制御する。
【0348】
また、実施例1に係る給電装置100は、上述した処理を複数の電子機器に対して行ってもよいものとする。
【0349】
このように実施例1に係る給電システムにおいて、給電装置100は、給電装置100と異物との距離が所定の範囲内に存在する場合、異物を検出することができるようになった。
【0350】
給電装置100は、識別情報要求コマンドに対する識別情報を取得した場合であっても、識別情報を有する電子機器が所定の装置でない場合(S505でNo)、所定の範囲内に存在し、所定の装置でないと判定された電子機器が異物であると判定する。
【0351】
これにより、給電装置100からのコマンドに対する応答を送信する手段を有する異物が所定の範囲内に存在する場合であっても、給電装置100は、異物を検出することができる。
【0352】
また、給電装置100は、識別情報取得コマンドに対する識別情報を有する電子機器200が所定の装置である場合であっても、電圧定在波比VSWRの変化量が所定値A以上である場合(S508でYes)、異物が所定の範囲内に存在することを検出する。
【0353】
これにより、異物と、所定の装置であると判定された電子機器とが所定の範囲内に存在する場合であっても、給電装置100は、異物を検出することができる。
【0354】
また、給電装置100は、電圧定在波比VSWRの変化量が所定値A以上でない場合であっても、給電効率が所定値B以上でないと判定された場合(S512のNo)、異物が所定の範囲内に存在することを検出する。
【0355】
これにより、異物と、所定の装置であると判定された電子機器とが所定の範囲内に存在する場合であっても、給電装置100は、異物を検出することができる。
【0356】
また、給電装置100は、給電処理を行う前に、電圧定在波比VSWRに応じて異物を検出する処理及び給電効率に応じて異物を検出する処理の少なくとも一つに応じて、異物が所定の範囲内に存在するか否かを検出するようにした。
【0357】
そのため、給電装置100は、異物が所定の範囲内に存在することを検出した場合、異物に対して電力を供給しないようにすることができる。さらに、給電装置100は、異物が所定の範囲内に存在しないことを検出した場合、所定の装置であると判定された電子機器に対して給電処理を行うようにすることができる。
【0358】
さらに、給電装置100は、所定の装置であると判定された電子機器に対して給電処理を行っている場合であっても、電圧定在波比VSWRの変化量が所定値A以上である場合(S707でYes)、異物が所定の範囲内に存在することを検出する。
【0359】
これにより、所定の装置であると判定された電子機器に対して給電処理を行っている際に、異物が所定の範囲内に置かれたとしても、給電装置100は、異物を検出することができる。
【0360】
また、給電装置100は、給電処理を行う場合、電圧定在波比VSWRに応じて異物を検出する処理により、異物が所定の範囲内に存在か否かを検出するようにした。
【0361】
そのため、給電装置100は、異物が所定の範囲内に存在することを検出した場合、給電処理を停止し、異物に対して電力を供給しないようにすることができる。さらに、給電装置100は、異物が所定の範囲内に存在しないことを検出した場合、所定の装置であると判定された電子機器に対して給電処理を継続して行うようにすることができる。
【0362】
したがって、給電装置100は、異物の検出を行い、異物の検出結果に応じて、適切な給電を行うようにすることができる。
【0363】
なお、給電装置100は、異物が検出された場合、外部に出力している電力が現在の電力値(所定値)よりも低くなるように制御する。また、給電装置100は、異物が検出されていない場合、外部に出力している電力が現在の電力値以上になるように制御してもよい。
【0364】
[実施例2]
以下、本発明に係る実施例2について、図10、図11及び図12を参照して説明を行う。なお、実施例1と同様な構成を有する場合や、実施例1と同様な処理及び動作を行う場合、共通する説明を省略する。
【0365】
実施例2に係る給電システムは、実施例1と同様に図1に示すような給電システムである。
【0366】
また、実施例1における電子機器200は、第6のコマンドを受け付けた場合、第6のコマンドに対する応答である所定値Bを、ROM206から読み出して給電装置100に送信していた。
【0367】
これに対して、実施例2において、電子機器200は、第6のコマンドを受け付けた場合、所定値Bを後述の負荷テーブルを用いて検出し、検出した所定値Bを、第6のコマンドに対する応答として、給電装置100に送信するようにする。なお、負荷テーブルは、ROM206にあらかじめ記録されているものとする。
【0368】
負荷テーブルは、電子機器200の動作状態と、電子機器200において消費される消費電力と、所定値Bとを関連付けているテーブルである。電子機器200の動作状態は、電子機器200において動作している電子機器200の負荷を示す状態である。電子機器200の消費電力は、電子機器200において動作している電子機器200の負荷で消費される電力である。
【0369】
実施例1において、給電装置100は、給電処理を行う場合に、電圧定在波比VSWRに応じて異物を検出する処理により、異物が所定の範囲内に存在するか否かを判定していた。
【0370】
これに対して、実施例2において、給電装置100は、給電処理を行う場合に、電圧定在波比VSWRに応じて異物を検出する処理及び給電効率に応じて異物を検出する処理により、異物が所定の範囲内に存在するか否かを判定するようにする。
【0371】
なお、実施例2においても、給電処理を行う前に、給電装置100は、電圧定在波比VSWRに応じて異物を検出する処理及び給電効率に応じて異物を検出する処理の少なくとも一つに応じて、異物が所定の範囲内に存在するか否かを検出するようにした。
【0372】
実施例2において行われる検出処理は、実施例1において説明された図5の検出処理と同様であるため、説明を省略する。また、実施例2において行われるデバイス情報取得処理は、実施例1において説明された図6のデバイス情報取得処理と同様であるため、説明を省略する。
【0373】
(給電制御処理)
次に実施例2において、給電装置100によって行われる給電制御処理について、図10のフローチャートを用いて説明する。図10に示す給電制御処理は、図5のS515において、CPU105によって行われる。
【0374】
なお、図10の給電制御処理は、S514において、CPU105によって給電の対象として選択された電子機器に対して行われる処理である。
【0375】
以下、S514において、CPU105によって給電の対象として電子機器200が選択された場合を一例として、給電制御処理の説明を行う。
【0376】
なお、図10の給電制御処理のS1001からS1003までの処理は、図7の給電制御処理のS701からS703までの処理と同様な処理であるため、説明を省略する。また、図10の給電制御処理のS1005からS1006までの処理は、図7の給電制御処理の、S706からS707までの処理と同様な処理であるため、説明を省略する。また、図10の給電制御処理のS1008からS1015までの処理は、図7の給電制御処理のS708からS715までの処理と同様な処理であるため、説明を省略する。
【0377】
S1003において、CPU105によって、第3の電力が給電アンテナ108を介して電子機器200に供給された場合、本フローチャートは、S1003からS1004に進む。
【0378】
S1004において、CPU105は、給電効率取得処理を行う。CPU105は、給電効率取得処理によって、給電効率に対する閾値である所定値Bと、給電効率とを取得することができる。給電効率取得処理に応じて取得された給電効率に対する閾値である所定値Bと、給電効率とはRAM107に記録されるものとする。なお、給電効率取得処理については後述する。この場合、本フローチャートは、S1004からS1005に進む。
【0379】
CPU105よって、電圧定在波比VSWRの変化量が所定値A以上でないと判定された場合(S1006でNo)、CPU105は、異物が所定の範囲内に存在しないと判定する。この場合、(S1006でNo)、本フローチャートはS1006からS1007に進む。
【0380】
S1007において、CPU105は、S1004で取得された給電効率が、S1004において、電子機器200から取得された所定値B以上であるか否かを判定する。
【0381】
CPU105によって、給電効率が所定値B以上であると判定された場合(S1007のYes)、本フローチャートはS1007からS1008に進む。CPU105によって、給電効率が所定値B以上でないと判定された場合(S1007のNo)、本フローチャートはS1007からS1010に進む。
【0382】
次に、図10の給電制御処理において行われるS1004の給電効率取得処理について、図11を用いて説明する。
【0383】
S1101において、CPU105は、反射電力検出回路114によって検出される第1の電流情報と、第1の電圧情報とを取得してRAM107に記録する。この場合、本フローチャートはS1101からS1102に進む。
【0384】
S1102において、CPU105は、電子機器200に対して、第5のコマンドを送信するように変復調回路104を制御する。この場合、本フローチャートはS1102からS1103に進む。
【0385】
CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第5のコマンドであると判定された場合、CPU205は、第5のコマンドの応答を給電装置100に送信するために、第2の電流情報と、第2の電圧情報とを検出する。
【0386】
なお、この場合に、電子機器200が電池210の充電を行っているときは、第2の電流情報と、第2の電圧情報とは、切替部215がオンである状態で電流・電圧検出部214によって検出される。また、電子機器200が電池210の充電を行いながら通信部212、撮像部213及び記録部217を動作させている場合、第2の電流情報と、第2の電圧情報とは、切替部215及び切替部218がオンである状態で電流・電圧検出部214によって検出される。
【0387】
電流・電圧検出部214から検出された第2の電流情報と、第2の電圧情報とがCPU205に供給された場合、CPU205は、第5のコマンドに対する応答として、供給された第2の電流情報と、第2の電圧情報とを給電装置100に送信するようにする。この場合、CPU205は、第2の電流情報と、第2の電圧情報とを給電装置100に送信ための負荷変調を行うように変復調回路204を制御する。
【0388】
S1103において、CPU105は、S1102において電子機器200に送信した第5のコマンドに対する応答として、電子機器200の第2の電流情報及び電子機器200の第2の電圧情報を変復調回路104が受信したか否かを判定する。
【0389】
CPU105によって、電子機器200の第2の電流情報及び電子機器200の第2の電圧情報を変復調回路104が受信したと判定された場合(S1103でYes)、CPU105は、受信した第2の電流情報及び第2の電圧情報をRAM107に記録する。
【0390】
この場合(S1103でYes)、本フローチャートは、S1103からS1104に進む。
【0391】
CPU105によって、電子機器200の第2の電流情報及び電子機器200の第2の電圧情報を変復調回路104が受信していないと判定された場合(S1103でNo)、CPU105は、給電効率を算出することができないと判定する。この場合(S1103でNo)、本フローチャートは終了し、図10の検出処理のS1010に進む。
【0392】
なお、この場合(S1103でNo)、CPU105は、S1007の処理において用いられる給電効率を算出することができないので、電圧定在比波VSWRの変化量に応じて異物を検出することはできるが、給電効率に応じて異物を検出することはできない。
【0393】
S1104において、CPU105は、電子機器200に対して、第6のコマンドを送信するように変復調回路104を制御する。この場合、本フローチャートはS1104からS1105に進む。
【0394】
実施例2において、第6のコマンドが給電装置100によって、電子機器200に送信された場合、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第6のコマンドであるか否かを判定する。
【0395】
CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第6のコマンドであると判定された場合、CPU205は、第6のコマンドの応答として、給電装置100に送信するための所定値Bを検出する。
【0396】
実施例2における所定値Bは、電子機器200の消費電力によって異なるものである。
【0397】
CPU205は、電子機器200の消費電力を検出し、検出された消費電力と、ROM206に記録されている負荷テーブルとに応じて、所定値Bを検出する。
【0398】
そこで、CPU205は、電流・電圧検出部214によって検出される情報に応じて、給電装置100において消費される消費電力を示す情報を取得する。この場合、CPU205は、電流・電圧検出部214によって検出される第2の電流情報と、第2の電圧情報との積から電子機器200における消費電力を示す情報を検出する。
【0399】
電子機器200の消費電力を示す情報が算出された場合、CPU205は、電子機器200における消費電力を示す情報と、負荷テーブルとを用いて、所定値Bを検出する。
【0400】
図12にROM206に記録されている負荷テーブルの一例を示す。
【0401】
図12に示すように負荷テーブルによって、電子機器200の消費電力と、電子機器200の動作状態と、所定値Bとは関連付けられている。
【0402】
負荷テーブルによって、電子機器200の消費電力と関連付けられている電子機器200の動作状態は、状態A、状態B、状態C及び状態Dである。
【0403】
状態Aは、電子機器200のCPU205、ROM206及びRAM207における消費電力に対応する電子機器200の動作状態である。なお、電子機器200の動作状態が状態Aである場合、CPU205は、CPU205、ROM206及びRAM207以外の電子機器200の各部を動作させないようにしている。電子機器200の動作状態が状態Aである場合、通信部212は、通信部112との通信を行わず、撮像部213は、被写体の撮影を行わず、充電制御部209は電池210の充電を行わない。
【0404】
状態Bは、電子機器200のCPU205、ROM206、RAM207、充電制御部209及び電池210における消費電力に対応する電子機器200の動作状態である。なお、電子機器200の動作状態が状態Bである場合、CPU205は、CPU205、ROM206、RAM207、充電制御部209及び電池210以外の電子機器200の各部を動作させないようにしている。電子機器200の動作状態が状態Bである場合、通信部212は、通信部112との通信を行わず、撮像部213は、被写体の撮影を行わないが、充電制御部209は電池210に対してトリクル充電を行う。
【0405】
状態Cは、電子機器200のCPU205、ROM206、RAM207、充電制御部209、電池210、通信部212及び撮像部213の記録部217及び記録媒体217aにおける消費電力に対応する電子機器200の動作状態である。なお、電子機器200の動作状態が状態Cである場合、CPU205は、CPU205、ROM206、RAM207、充電制御部209、電池210、通信部212、記録部217及び記録媒体217a以外の電子機器200の各部を動作させないようにしている。電子機器200の動作状態が状態Cである場合、撮像部213は、被写体の撮影を行わないが、通信部212は、通信部112と映像データや音声データのやり取りを行い、充電制御部209は電池210に対してトリクル充電を行う。電子機器200の動作状態が状態Cである場合、記録部217は、通信部212より給電装置100に送信される映像データや音声データを記録媒体217aから読み出したり、通信部212が受信した映像データや音声データを記録媒体217aに記録したりする。
【0406】
状態Dは、電子機器200のCPU205、ROM206、RAM207、充電制御部209、電池210、通信部212及び撮像部213の記録部217及び記録媒体217aにおける消費電力に対応する電子機器200の動作状態である。なお、電子機器200の動作状態が状態Dである場合、CPU205は、CPU205、ROM206、RAM207、充電制御部209、電池210、通信部212、記録部217及び記録媒体217a以外の電子機器200の各部を動作させないようにしている。電子機器200の動作状態が状態Dである場合、撮像部213は、被写体の撮影を行わないが、通信部212は、通信部112と映像データや音声データのやり取りを行い、充電制御部209は電池210に対して急速充電を行う。電子機器200の動作状態が状態Dである場合、記録部217は、通信部212より給電装置100に送信される映像データや音声データを記録媒体217aから読み出したり、通信部212が受信した映像データや音声データを記録媒体217aに記録したりする。
【0407】
なお、電子機器200の動作状態は、状態A、状態B、状態C及び状態D以外の状態であってもよい。
【0408】
CPU205は、電子機器200の消費電力を示す情報と、負荷テーブルとに応じて、電子機器200の動作状態を検出することもできる。
【0409】
なお、CPU205によって、電子機器200の動作状態が状態Aであると判定された場合、第6のコマンドに対応する応答として給電装置100に送信される所定値Bは、50%以上であり、かつ、60%未満の範囲のいずれかの値となる。
【0410】
なお、CPU205によって、電子機器200の動作状態が状態Bであると判定された場合、第6のコマンドに対応する応答として給電装置100に送信される所定値Bは、60%以上であり、かつ、65%未満の範囲のいずれかの値となる。
【0411】
なお、CPU205によって、電子機器200の動作状態が状態Cであると判定された場合、第6のコマンドに対応する応答として給電装置100に送信される所定値Bは、65%の値となる。
【0412】
なお、CPU205によって、電子機器200の動作状態が状態Dであると判定された場合、第6のコマンドに対応する応答として給電装置100に送信される所定値Bは、50%以上であり、かつ、65%未満の範囲のいずれかの値となる。
【0413】
なお、CPU205は、電子機器200の消費電力と、負荷テーブルとに応じて、所定値Bを検出するようにした。
【0414】
しかし、電子機器200の動作状態と、負荷テーブルとに応じて、所定値Bを検出するようにしてもよい。この場合、CPU205は、電子機器200の各部にレギュレータ208から電力が供給されているか否かを検出し、この検出結果から電子機器200の動作状態を検出するようにする。
【0415】
CPU205によって、所定値Bが検出された場合、CPU205は、第6のコマンドに対する応答として、検出された所定値Bを給電装置100に送信するための負荷変調を行うように変復調回路204を制御する。
【0416】
S1105において、CPU105は、S1104において電子機器200に送信した第6のコマンドに対する応答として、所定値Bを変復調回路104が受信したか否かを判定する。
【0417】
CPU105によって、所定値Bを変復調回路104が受信したと判定された場合(S1105でYes)、CPU105は、変復調回路104から供給された所定値BをRAM107に記録する。この場合(S1105でYes)、本フローチャートはS1105からS1106に進む。
【0418】
CPU105によって、所定値Bを変復調回路104が受信していないと判定された場合(S1105でNo)、CPU105は、所定値Bを取得できないと判定する。この場合(S1105でNo)、本フローチャートは終了し、図10の検出処理のS1010に進む。なお、この場合(S1105でNo)、CPU105は、S1007の処理において用いられる所定値Bを取得することができないので、電圧定在比波VSWRに応じて異物を検出することはできるが、給電効率に応じて異物を検出することはできない。
【0419】
S1106において、CPU105は、電子機器200に対して、充電情報を要求するための第8のコマンドを電子機器200に送信するように整合回路103及び変復調回路104を制御する。この場合、本フローチャートはS1106からS1107に進む。
【0420】
S1107において、CPU105は、S1106において電子機器200に送信した第8のコマンドに対する応答として電子機器200の充電情報を変復調回路104が受信したか否かを判定する。
【0421】
CPU105によって、電子機器200の充電情報を変復調回路104が受信したと判定された場合(S1107でYes)、CPU105は、電子機器200の充電情報をRAM107に記録する。この場合(S1107でYes)、本フローチャートは、S1107からS1108に進む。
【0422】
CPU105によって、電子機器200の充電情報を変復調回路104が受信していないと判定された場合(S1107でNo)、本フローチャートは終了し、図10の検出処理のS1010に進む。
【0423】
S1108において、CPU105は、S1101においてRAM107に記録された第1の電流情報及び第1の電圧情報と、S1103において取得された第2の電流情報及び第2の電圧情報とに応じて、給電装置100の給電効率を算出する。
【0424】
給電装置100の給電効率がRAM107に記録された場合、本フローチャートは終了する。
【0425】
なお、CPU205は、電子機器200の消費電力を示す情報と、負荷テーブルとに応じて、所定値Bを検出するようにした。しかし、電子機器200の姿勢によっては、給電効率が低下する場合が考えられる。そのため、CPU205は、電子機器200の消費電力を示す情報と、負荷テーブルとに応じて検出された所定値Bに対して、電子機器200の姿勢情報に応じた補正を行ってもよいものとする。
【0426】
給電効率が低下する場合とは、姿勢検出部によって、給電アンテナ108が設置されている給電装置100の面に対して、電子機器200の受電アンテナ201が設置されている電子機器200の面が傾いていると判定される場合である。
【0427】
例えば、給電アンテナ108が設置されている給電装置100の面に対して電子機器200の受電アンテナ201が設置されている電子機器200の面が、10度傾いている場合と、30度傾いている場合とでは、給電効率が異なる。
【0428】
そのため、CPU205は、負荷テーブルに応じて検出された所定値Bを給電装置100に送信する前に、電子機器200の姿勢情報を取得し、電子機器200の姿勢情報と、補正テーブルとに応じて、所定値Bに対して補正を行ってもよい。なお、補正テーブルとは、電子機器200の姿勢情報と、所定値Bに対する補正値とが関連付けられているテーブルである。この補正テーブルは、あらかじめROM206に記録されているものとする。
【0429】
このように、実施例2に係る給電装置100は、所定の装置であると判定された電子機器に対して給電処理を行っている場合であっても、電圧定在波比VSWRの変化量が所定値A以上である場合(S1006でYes)、異物が所定の範囲内に存在すると検出する。
【0430】
さらに、給電装置100は、所定の装置であると判定された電子機器に対して給電処理を行っている場合であっても、給電効率が所定値B以上でない場合(S1007のNo)、異物が所定の範囲内に存在することを検出する。
【0431】
これによって、給電装置100は、給電処理を行う場合、電圧定在波比VSWRに応じて異物を検出する処理及び給電効率に応じて異物を検出する処理により、異物が所定の範囲内に存在するか否かを判定するようにした。
【0432】
そのため、給電装置100は、異物が所定の範囲内に存在すると検出された場合、給電処理を停止し、異物に対して電力を供給しないようにすることができる。さらに、給電装置100は、異物が所定の範囲内に存在しないと検出された場合、所定の装置であると判定された電子機器に対して給電処理を継続して行うようにすることができる。
【0433】
したがって、給電装置100は、異物の検出を行い、異物の検出結果に応じて、適切な給電を行うようにすることができる。
【0434】
なお、実施例2において、給電装置100が実施例1と共通する処理を行う場合においては、実施例1と同様な効果が得られるものとする。
【0435】
また、実施例2に係る電子機器200は、電子機器200の消費電力に応じて、所定値Bを検出するようにした。さらに、給電装置100は、電子機器200の消費電力に対応する所定値Bと、給電効率との比較により、異物の検出を行うので、電子機器200に対して給電を行っている場合であっても、より正確に異物を検出することができる。
【0436】
S1007において、CPU105は、電子機器200から取得した所定値Bと、S1108において算出された給電効率とを比較するようにしたが、所定値Bは、CPU105が電子機器200から取得した情報に応じて取得するものであってもよい。
【0437】
なお、実施例1及び実施例2において説明したように、S508、S707及びS1006において、CPU105は、電圧定在比波VSWRの変化量と、所定値Aとを比較に応じて、異物を検出するようにした。しかし、CPU105は、S508、S707及びS1006において、定在比波SWR(Standing Wave Ratio)の変化量と、SWRに対応する閾値との比較に応じて、異物を検出するようにしてもよい。
【0438】
(他の実施例)
本発明に係る給電装置100は、実施例1または実施例2で説明した給電装置100に限定されるものではない。また、本発明に係る電子機器200も実施例1または実施例2で説明した電子機器200に限定されるものではない。例えば、本発明に係る給電装置100及び電子機器200は、複数の装置から構成されるシステムにより実現することも可能である。
【0439】
また、実施例1で説明した様々な処理及び機能は、コンピュータプログラムにより実現することも可能である。この場合、本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ(CPU等を含む)で実行可能であり、実施例1で説明した様々な機能を実現することになる。
【0440】
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ上で稼動しているOS(Operating System)などを利用して、実施例1で説明した様々な処理及び機能を実現してもよいことは言うまでもない。
【0441】
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体から読み出され、コンピュータで実行されることになる。コンピュータ読取可能な記録媒体には、ハードディスク装置、光ディスク、CD−ROM、CD−R、メモリカード、ROM等を用いることができる。また、本発明に係るコンピュータプログラムは、通信インターフェースを介して外部装置からコンピュータに提供され、当該コンピュータで実行されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0442】
100 給電装置
200 電子機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器に無線給電を行う給電装置であって、
所定の電力を前記電子機器に供給するための給電手段と、
前記所定の電力の振幅の変化に応じて、前記給電装置と、異物との距離が所定の範囲内に存在することを検出する第1の検出手段と、
前記所定の電力と、前記電子機器によって受電された電力とによって取得される所定の情報に応じて、前記給電装置と、前記異物との距離が前記所定の範囲内に存在することを検出する第2の検出手段と、
前記第1の検出手段及び前記第2の検出手段のいずれか一つに応じて、前記給電装置と、前記異物との距離が前記所定の範囲内に存在することが検出された場合、前記所定の電力が、所定値よりも低くなるように前記給電手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする給電装置。
【請求項2】
前記所定の電力の振幅の変化量が第1の値以上である場合、前記第1の検出手段は、前記給電装置と、前記異物との距離が前記所定の範囲内に存在すると判定し、
前記所定の電力の振幅の変化量が前記第1の値以上でない場合、前記第1の検出手段は、前記給電装置と、前記異物との距離が前記所定の範囲内に存在しないと判定することを特徴とする請求項1に記載の給電装置。
【請求項3】
前記所定の情報は、前記所定の電力に対する前記電子機器によって受電された供給される電力を示す給電効率を示す情報であり、
前記給電効率が第2の値以上である場合、前記第1の検出手段は、前記給電装置と、前記異物との距離が前記所定の範囲内に存在しないと判定し、
前記給電効率が前記第2の値以上でない場合、前記第1の検出手段は、前記給電装置と、前記異物との距離が前記所定の範囲内に存在すると判定することを特徴とする請求項1に記載の給電装置。
【請求項4】
前記第2の値は、前記電子機器から取得されることを特徴とする請求項3に記載の給電装置。
【請求項5】
前記第2の値は、前記電子機器の動作状態に応じて検出されることを特徴とする請求項3または4に記載の給電装置。
【請求項6】
前記第2の値は、前記電子機器において消費される電力に応じて検出されることを特徴するする請求項3から5のいずれか1項に記載の給電装置。
【請求項7】
前記第1の検出手段及び前記第2の検出手段に応じて、前記給電装置と、前記異物との距離が前記所定の範囲内に存在しないと判定された場合、前記所定の電力が前記所定値よりも高くなるように前記給電手段を制御することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の給電装置。
【請求項8】
前記電子機器から取得した識別情報に応じて、前記電子機器が前記異物であるか否かを検出する第3の検出手段を有し、
前記電子機器が前記異物であると判定された場合、前記制御手段は、前記所定の電力が、前記所定値より低くなるように前記給電手段を制御し、
前記電子機器が前記異物でないと判定された場合、前記制御手段は、前記所定の電力が、前記所定値以上になるように前記給電手段を制御することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の給電装置。
【請求項9】
前記第1の検出手段は、VSWR(Voltage Standing Wave Ratio)に応じて、前記所定の電力の振幅の変化量を検出することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の給電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−170194(P2012−170194A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27539(P2011−27539)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】