説明

給電装置

【課題】受電部と給電部との位置合わせの案内を簡易な構造により行うとともに、受電部と給電部との位置合わせの際の運転者の負担を軽減すること。
【解決手段】給電部101は、車輌150に設けられた受電部151と対向して受電部151に対して非接触で給電する。車輌誘導部材103a、103bは、給電部101の周囲に配置され、給電を受ける車輌150の左車輪152、154と右車輪153、155との間に収まる幅W1に形成されるとともに、車輌150の移動方向であって給電部101から離れる一方向S1に向かって徐々に幅狭となる形状を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輌に設けられた受電部に給電する給電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車等の蓄電池に蓄えた電気を動力源として走行する車輌では、車輌を駐車場に停めた際等の車輌の停車中において、給電装置を用いて蓄電池を充電する必要がある。従来の電磁誘導方式の非接触の給電装置としては、地面に設置されている給電部が、車輌に搭載されている受電部に給電するものが知られている。給電部は、例えば駐車スペース等の車輌が停止する位置の路面側に設けられている。一方、受電部は、車輌の底面の、地面に設置された給電部と対向する位置に設けられている。
【0003】
上記の非接触充電システムでは、受電部と給電部との位置を精度良く合わせないと、充電効率の低下、または漏洩磁界若しくは不要輻射の増大を招く。従来、受電部と給電部との位置合わせの精度を向上させる方法として、以下の方法が知られている。
【0004】
即ち、従来は、給電部の給電コイルの位置を動かすことにより受電部と給電部との位置合わせを行う方法が知られている(例えば、特許文献1)。
【0005】
また、充電システムにおける位置合わせではないが、コ字状の金属本体により車を定位置に案内するもの(例えば、特許文献2)、及び乗り上げた車輪の進行方向を乗入部に向けて修正するための傾斜部を設けることにより位置合わせを行うもの(例えば、特許文献3)も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−215211号公報
【特許文献2】実開平2−149066号公報
【特許文献3】特開平6−341245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1においては、給電コイルを可動させるための可動部を設ける必要があるので、構造が複雑になるとともに製造コストが増大するという問題がある。
【0008】
また、特許文献2、及び特許文献3を充電システムに適用した場合においては、車を目標停車位置に停車させるためには、目標停車位置まで車を直進させる必要がある。従って、車を何度も前後に移動させて車輪を直進方向に向ける必要があり、位置合わせに伴う運転者の負担が増大するという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、受電部と給電部との位置合わせの案内を簡易な構造により行うことができるとともに、受電部と給電部との位置合わせの際の運転者の負担を軽減することができる給電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の給電装置は、車輌に設けられた受電部と対向して前記受電部に対して非接触で給電する給電部と、前記給電部の周囲に配置され、給電を受ける前記車輌の左車輪と右車輪との間に収まる幅に形成されるとともに、前記車輌の移動方向であって前記給電部から離れる一方向に向かって徐々に幅狭となる形状を有する車輌誘導部材と、を有する構成を採る。
【0011】
また、本発明の給電装置は、車輌に設けられた受電部と対向して前記受電部に対して非接触で給電する給電部と、前記給電部の周囲に配置され、給電を受ける前記車輌の左車輪と右車輪とが収まる幅で前記給電部を挟んで互いに対向する一対のガイド部を有する車輌誘導部材と、を有し、前記一対のガイド部は、前記車輌の移動方向であって前記給電部から離れる一方向に向かって互いに徐々に離れるように設けられる構成を採る。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、受電部と給電部との位置合わせの案内を簡易な構造により行うことができるとともに、受電部と給電部との位置合わせの際の運転者の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1における車輌が給電を受ける位置に移動中の場合の車輌誘導システムの平面図
【図2】本発明の実施の形態1における車輌誘導部材の平面図
【図3】本発明の実施の形態1における車輌が給電を受ける位置に停車した場合の車輌誘導システムの平面図
【図4】本発明の実施の形態2に係る給電装置の斜視図
【図5】本発明の実施の形態2における車輌誘導部材の平面図
【図6】本発明の実施の形態3に係る給電装置の斜視図
【図7】本発明の実施の形態3の変形例における車輌誘導部材の平面図
【図8】本発明の実施の形態4における車輌が給電を受ける位置に移動中の場合の車輌誘導システムの平面図
【図9】本発明の実施の形態5における車輌が給電を受ける位置に移動中の場合の車輌誘導システムの平面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
(実施の形態1)
<充電システムの構成>
図1は、本発明の実施の形態1における車輌150が給電を受ける位置に移動中の場合の車輌誘導システム10の平面図である。
【0016】
車輌誘導システム10は、給電装置100及び車輌150を有する。
【0017】
給電装置100は、給電部101が地表から露出するように地面上に設置もしくは埋設される。給電装置100は、例えば駐車スペース170に設けられ、車輌150の駐車中に受電部151に対して給電する。なお、給電装置100の構成については後述する。
【0018】
車輌150は、底面に受電部151を有する。車輌150は、給電装置100により受電部151を介して充電された、図示しない蓄電池を動力源として走行する。車輌150は、例えば電気自動車である。
【0019】
<給電装置の構成>
給電装置100は、給電部101、筐体102及び車輌誘導部材103a、103bを有する。
【0020】
給電部101は、車輌150が駐車スペース170内の所定の位置に停車した際に、受電部151と対向して受電部151に対して給電する。
【0021】
筐体102は、給電部101を有する。
【0022】
車輌誘導部材103a、103bは、給電部101の周囲に配置されている。車輌誘導部材103a、103bは、給電の際に車輌150の左車輪152、154と右車輪153、155との間に収まる幅W1に形成されている。車輌誘導部材103a、103bは、車輌150の移動方向(図1において紙面と平行な方向)であって給電部101から離れる一方向S1に向かって徐々に幅狭となる形状を有している。車輌誘導部材103a、103bは、方向S1において、給電部101よりも突出するように設けられている。
【0023】
車輌誘導部材103a、103bは、車輌150の底面と対向する方向である高さ方向(以下、「高さ方向」と記載する)に厚みを有し、地面から突出するように設けられている。車輌誘導部材103a、103bは、筐体102よりも方向S1に突出するように設けられている。
【0024】
<車輌誘導部材の構成>
図2は、車輌誘導部材103bの平面図である。
【0025】
車輌誘導部材103bは、平面から見て直角三角形状を有する。車輌誘導部材103bの長辺部201は、短辺部202側において筐体102(図2において省略)と接する。車輌誘導部材103bは、長辺部201が方向S1と平行になるように設けられている。車輌誘導部材103bは、外縁部111bが方向S1に対して所定の角度を有するように設けられている。
【0026】
なお、車輌誘導部材103aは、車輌誘導部材103bと同一構成であるので、その説明を省略する。
【0027】
<給電を受ける位置までの車輌の誘導方法>
図1に示すように、車輌150が方向S1に対して斜めから給電部101に接近する際には、破線で示す軌跡R1を経由する。この際、車輪155の内側面155aは、外縁部111bに沿って移動する。この状態において、車輌150が軌跡R1から外れた場合には、車輪155が車輌誘導部材103bに乗り上げることにより、車輌150が振動するとともに傾く。このため、車輌150の運転者は、車輌150の振動または傾きを感じることにより、車輌150が軌跡R1から外れていることを認識することができる。従って、車輌150の運転者は、ハンドルを操作して車輌150を軌跡R1上に戻すことができる。
【0028】
一方、車輌150は、車輪154を車輌誘導部材103aに接触させることなく給電部101に近づくことができる。
【0029】
図3は、車輌150が給電を受ける位置に停車した場合の車輌誘導システム10の平面図である。図1の状態から図3の状態まで車輌150を移動した後に、給電装置100は、給電を開始する。
【0030】
<本実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、車輌の移動方向であって給電部から離れる一方向に向かって徐々に幅狭となる形状を有する車輌誘導部材を設けることにより、受電部と給電部との位置合わせの案内を簡易な構造により行うことができるとともに、受電部と給電部との位置合わせの際の運転者の負担を軽減することができる。
【0031】
また、本実施の形態によれば、高さ方向に厚みを有するように車輌誘導部材を形成することにより、給電装置に接近する車輌が予定のルートを外れた際に車輪が車輌誘導部材に乗り上げ、車輌に対して振動または傾きを与えることができる。これにより、予定のルートを外れたことを運転者に知らせることができる。
【0032】
また、本実施の形態によれば、車輌誘導部材は筐体よりも車輌の移動方向であって給電部から離れる一方向に突出するように設けられるので、車輌が給電を受ける位置に接近する際において予定のルートを大きく外れた場合には、車輌は筐体よりも先に車輌誘導部材の上に乗り上げる。これにより、車輌が筐体を踏むことにより筐体が破損することを防ぐことができる。
【0033】
<本実施の形態の変形例>
本実施の形態において、筐体と車輌誘導部材とを別々に形成したが、本発明はこれに限らず、筐体と車輌誘導部材とを一体に形成してもよい。即ち、車輌誘導部材が筐体の一部であってもよい。
【0034】
(実施の形態2)
本実施の形態において、充電システムの構成は、車輌誘導部材以外は図1と同一構成であるので、その説明を省略する。また、給電を受ける位置までの車輌の誘導方法は、上記の実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0035】
<給電装置の構成>
図4は、給電装置400の斜視図である。
【0036】
図4に示す給電装置400は、図1に示す実施の形態1に係る給電装置100に対して、車輌誘導部材103a、103bの代わりに車輌誘導部材401a、401bを有する。なお、図4において、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0037】
給電装置400は、給電部101、筐体102及び車輌誘導部材401a、401bを有する。
【0038】
車輌誘導部材401a、401bは、給電部101の周囲に配置されている。車輌誘導部材401a、401bは、給電の際に車輌150の左車輪152、154と右車輪153、155との間に収まる幅W1に形成されている。車輌誘導部材401a、401bは、車輌150の移動方向であって給電部101から離れる一方向S1に向かって徐々に幅狭となる形状を有している。車輌誘導部材401a、401bは、方向S1において、給電部101よりも突出するように設けられている。車輌誘導部材401a、401bの幅方向の両端に形成されている外縁部402a、402bは、方向S1に対して円弧状に形成されている。
【0039】
車輌誘導部材401a、401bは、高さ方向に厚みを有し、地面から突出するように設けられている。車輌誘導部材401a、401bは、筐体102よりも方向S1に突出するように設けられている。
【0040】
<車輌誘導部材の構成>
図5は、車輌誘導部材401bの平面図である。
【0041】
車輌誘導部材401bの長辺部501は、短辺部502側において筐体102(図5において省略)と接する。車輌誘導部材401bは、長辺部501が方向S1と平行になるように設けられている。
【0042】
なお、車輌誘導部材401aは、車輌誘導部材401bと同一構成であるので、その説明を省略する。
【0043】
<本実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、上記の実施の形態1の効果に加えて、車輌誘導部材の外縁部を円弧状に形成したので、車輌が斜め方向から給電部に接近する際に、外縁部を車輪の軌跡に沿った形状にすることができ、車輌をスムースにガイドすることができる。
【0044】
<本実施の形態の変形例>
本実施の形態において、筐体と車輌誘導部材とを別々に形成したが、本発明はこれに限らず、筐体と車輌誘導部材とを一体に形成してもよい。即ち、車輌誘導部材が筐体の一部であってもよい。
【0045】
(実施の形態3)
本実施の形態において、充電システムの構成は、車輌誘導部材以外は図1と同一構成であるので、その説明を省略する。また、給電を受ける位置までの車輌の誘導方法は、上記の実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0046】
<給電装置の構成>
図6は、給電装置600の斜視図である。
【0047】
図6に示す給電装置600は、図1に示す実施の形態1に係る給電装置100に対して、車輌誘導部材103a、103bの代わりに車輌誘導部材601a、601bを有する。なお、図6において、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0048】
給電装置600は、給電部101、筐体102及び車輌誘導部材601a、601bを有する。
【0049】
車輌誘導部材601a、601bは、給電部101の周囲に配置されている。車輌誘導部材601a、601bは、給電の際に車輌150の左車輪152、154と右車輪153、155との間に収まる幅W1に形成されている。車輌誘導部材601a、601bは、車輌150の移動方向であって給電部101から離れる一方向S1に向かって徐々に幅狭となる形状を有している。車輌誘導部材601a、601bは、方向S1において、給電部101よりも突出するように設けられている。
【0050】
車輌誘導部材601a、601bは、高さ方向に厚みを有し、地面から突出するように設けられている。車輌誘導部材601a、601bは、筐体102よりも方向S1に突出するように設けられている。車輌誘導部材601a、601bは、外縁部602a、602bから給電部101に向けて、高さ方向に徐々に厚みが増すように形成されている。
【0051】
<本実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、上記の実施の形態1の効果に加えて、外縁部から給電部に向けて、高さ方向に徐々に厚みが増すように車輌誘導部材を形成するので、車輌が車輌誘導部材に乗り上げた際の車輌の傾きにより、運転者は給電部と車輌との距離を把握することができる。
【0052】
<本実施の形態の変形例>
図7は、本実施の形態の変形例における車輌誘導部材701の平面図である。なお、本実施の形態の変形例において、車輌誘導部材701以外は本実施の形態と同一構成である。
【0053】
図7に示すように、車輌誘導部材701の長辺部702は、短辺部703側において筐体102(図7において省略)と接する。車輌誘導部材701は、長辺部702が方向S1と平行になるように設けられている。車輌誘導部材701の外縁部704は、給電部101を中心とする円弧状に形成されている。車輌誘導部材701は、給電の際に車輌150の底面と対向する上面が、外縁部704に沿って段差を有するように形成されている。
【0054】
なお、車輌誘導部材701と対となる車輌誘導部材は、車輌誘導部材701と同一構成であるので、その説明を省略する。
【0055】
本実施の形態の変形例によれば、上記の実施の形態2の効果に加えて、上面が段差を有するように車輌誘導部材を形成することにより、車輌が車輌誘導部材に乗り上げた際に連続的に振動を生じるので、予定のルートを外れたことを運転者に確実に知らせることができる。
【0056】
<本実施の形態のその他の変形例>
本実施の形態において、筐体と車輌誘導部材とを別々に形成したが、本発明はこれに限らず、筐体と車輌誘導部材とを一体に形成してもよい。即ち、車輌誘導部材が筐体の一部であってもよい。
【0057】
(実施の形態4)
<充電システムの構成>
図8は、本発明の実施の形態4における車輌150が給電を受ける位置に移動中の場合の車輌誘導システム50の平面図である。
【0058】
図8に示す車輌誘導システム50は、図1に示す実施の形態1に係る車輌誘導システム10に対して、給電装置100の代わりに給電装置800を有する。なお、図8において、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0059】
車輌誘導システム50は、給電装置800及び車輌150を有する。
【0060】
給電装置800は、給電部101が地表から露出するように地面上に設置もしくは埋設される。給電装置800は、例えば駐車スペース170に設けられ、車輌150の駐車中に受電部151に対して給電する。なお、給電装置800の構成は後述する。
【0061】
車輌150は、給電装置800により受電部151を介して充電された、図示しない蓄電池を動力源として走行する。
【0062】
<給電装置の構成>
給電装置800は、給電部101、筐体102及び車輌誘導部材801a、801bを有する。
【0063】
車輌誘導部材801a、801bは、給電部101の周囲に配置されている。車輌誘導部材801a、801bは、給電の際に車輌150の左車輪152、154と右車輪153、155との間に収まる幅W1に形成されている。車輌誘導部材801a、801bは、車輌150の移動方向であって給電部101から離れる一方向S2に向かって徐々に幅狭となる形状を有している。車輌誘導部材801a、801bは、方向S1において、給電部101よりも突出するように設けられている。方向S1は、例えば、車輌150が後退により給電を受ける位置まで直進する際の直進方向である。
【0064】
車輌誘導部材801a、801bは、車輌150の移動方向であって給電部101から離れる一方向S2に向かって徐々に幅狭となる形状を有している。車輌誘導部材801a、801bは、方向S2において、給電部101よりも突出するように設けられている。方向S2は、方向S1と反対方向である。方向S2は、例えば、車輌150が前進により給電を受ける位置まで直進する際の直進方向である。
【0065】
給電を受ける位置まで車輌150が前進する際に外縁部812a、812bによりガイドし、給電を受ける位置まで車輌150が後退する際に外縁部811a、811bによりガイドすることを想定している場合、車輌150が進入する角度は、方向S2に対する角度の方が方向S1に対する角度よりも小さくなる。従って、この場合には、方向S2に対する外縁部812a、812bの傾斜角度は、方向S1に対する外縁部811a、811bの傾斜角度よりも小さくなるように形成することができる。
【0066】
車輌誘導部材801a、801bは、高さ方向に厚みを有し、地面から突出するように設けられている。車輌誘導部材801a、801bは、筐体102よりも方向S1に突出するように設けられている。車輌誘導部材801a、801bは、筐体102よりも方向S2に突出するように設けられている。
【0067】
<給電を受ける位置までの車輌の誘導方法>
図8に示すように、車輌150が方向S2に対して斜めから給電部101に接近する際には、破線で示す軌跡R2を経由する。この際、車輪152の内側面152aは、外縁部812aに沿って移動する。この状態において、車輌150が軌跡R2から外れた場合には、車輪152が車輌誘導部材801aに乗り上げることにより、車輌150が振動するとともに傾く。このため、車輌150の運転者は、車輌150の振動または傾きを感じることにより、車輌150が軌跡R2から外れていることを認識することができる。従って、車輌150の運転者は、ハンドルを操作して車輌150を軌跡R2上に戻すことができる。
【0068】
一方、車輌150は、車輪153を車輌誘導部材801bに接触させることなく給電部101に近づくことができる。
【0069】
なお、車輌150が給電を受ける位置に停車した状態は図3と同様であるので、その説明を省略する。また、車輌150が方向S1に対して斜めから給電部101に接近する際の車輌の誘導方法は、上記の実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0070】
<本実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、車輌の移動方向であって給電部から離れる互いに反対方向である二方向に向かって徐々に幅狭となる形状を有する車輌誘導部材を設けることにより、前進または後退の車輌の駐車方法に寄らずに、上記の実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0071】
<本実施の形態の変形例>
本実施の形態において、筐体と車輌誘導部材とを別々に形成したが、本発明はこれに限らず、筐体と車輌誘導部材とを一体に形成してもよい。即ち、車輌誘導部材が筐体の一部であってもよい。
【0072】
また、本実施の形態において、車輌誘導部材は車輌が前進と後退の双方により給電を受ける位置まで移動する際の案内を行うが、本発明はこれに限らず、車輌誘導部材は車輌が前進により給電を受ける位置まで移動する際の案内を行うような形状にしてもよい。
【0073】
また、本実施の形態において、車輌誘導部材は平面から見て2等辺三角形状を有するように形成したが、本発明はこれに限らず、図5に示すように給電部101を中心とする円弧状に外縁部を形成してもよい。
【0074】
また、本実施の形態において、図7に示すように車輌誘導部材の上面を外縁部に沿って段差を有するように形成してもよいし、図6に示すように外縁部から給電部に向けて、高さ方向に徐々に厚みが増すように形成してもよい。
【0075】
(実施の形態5)
<充電システムの構成>
図9は、本発明の実施の形態5における車輌150が給電を受ける位置に移動中の場合の車輌誘導システム70の平面図である。
【0076】
車輌誘導システム70は、給電装置900及び車輌150を有する。
【0077】
給電装置900は、給電部101が地表から露出するように地面上に設置もしくは埋設される。なお、給電装置900の構成については後述する。
【0078】
車輌150は、給電装置900により受電部151を介して充電された、図示しない蓄電池を動力源として走行する。
【0079】
<給電装置の構成>
給電装置900は、給電部101、筐体102及び車輌誘導部材901を有する。
【0080】
車輌誘導部材901は、給電部101の周囲に配置されている。車輌誘導部材901は、給電を受ける車輌150の左車輪152、154と右車輪153、155とが収まる幅で給電部101を挟んで互いに対向する一対のガイド部902a、902bを有する。一対のガイド部902a、902bは、車輌150の移動方向であって給電部101から離れる一方向S3に向かって互いに徐々に離れるように設けられている。ガイド部902a、902bは、方向S3において、給電部101よりも突出するように設けられている。
【0081】
車輌誘導部材901は、高さ方向に厚みを有し、地面から突出するように設けられている。車輌誘導部材901は、筐体102よりも方向S3に突出するように設けられている。
【0082】
<給電を受ける位置までの車輌の誘導方法>
図9に示すように、車輌150が方向S3に対して斜めから給電部101に接近する際には、車輪154の外側面154bは、ガイド部902aに沿って移動する。この状態において、車輌150が予定のルートから外れた場合には、車輪154が車輌誘導部材901に乗り上げることにより車輌150が振動するとともに傾く。このため、車輌150の運転者は、車輌150の振動または傾きを感じることにより、車輌150が予定のルートから外れていることを認識することができる。従って、車輌150の運転者は、ハンドルを操作して車輌150を予定のルートに戻すことができる。
【0083】
一方、車輌150は、車輪155を車輌誘導部材901に接触させることなく給電部101に近づくことができる。
【0084】
<本実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、車輌の移動方向であって給電部から離れる一方向に向かって互いに徐々に離れる一対のガイド部を設けることにより、受電部と給電部との位置合わせの案内を簡易な構造により行うことができるとともに、受電部と給電部との位置合わせの際の運転者の負担を軽減することができる。
【0085】
また、本実施の形態によれば、高さ方向に厚みを有するように車輌誘導部材を形成することにより、給電装置に接近する車輌が予定のルートを外れた際に車輪が車輌誘導部材に乗り上げ、車輌に対して振動または傾きを与えることができる。これにより、予定のルートを外れたことを運転者に知らせることができる。
【0086】
また、本実施の形態によれば、車輌誘導部材は筐体よりも車輌の移動方向であって給電部から離れる一方向に突出するように設けられるので、車輌が給電を受ける位置に接近する際において予定のルートを大きく外れた場合には、車輌は筐体よりも先に車輌誘導部材の上に乗り上げる。これにより、車輌が筐体を踏むことにより筐体が破損することを防ぐことができる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明にかかる給電装置は、車輌に設けられた受電部に対して給電するのに好適である。
【符号の説明】
【0088】
10、50、70 車輌誘導システム
100、400、600、800、900 給電装置
101 給電部
102 筐体
103a、103b、401a、401b 車輌誘導部材
601a、601b、701、801a、801b、901 車輌誘導部材
111a、111b、402a、402b、602a、602b 外縁部
704、811a、811b、812a、812b 外縁部
150 車輌
151 受電部
152、153、154、155 車輪
152a、153a、154a、155a 内側面
170 駐車スペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輌に設けられた受電部と対向して前記受電部に対して非接触で給電する給電部と、
前記給電部の周囲に配置され、給電を受ける前記車輌の左車輪と右車輪との間に収まる幅に形成されるとともに、前記車輌の移動方向であって前記給電部から離れる一方向に向かって徐々に幅狭となる形状を有する車輌誘導部材と、
を有する給電装置。
【請求項2】
前記車輌誘導部材は、
前記給電部から離れる一方向において前記給電部よりも突出する
請求項1記載の給電装置。
【請求項3】
前記車輌誘導部材は、
地面より突出して設けられる
請求項1記載の給電装置。
【請求項4】
前記車輌誘導部材は、
幅方向の両端が前記給電部から離れる一方向に対して円弧状に形成される
請求項1記載の給電装置。
【請求項5】
前記車両誘導部材は、
前記車輌の底面と対向する上面が、幅方向の両端に沿って段差を有する
請求項1記載の給電装置。
【請求項6】
前記車輌誘導部材は、
前記車輌の移動方向であって前記給電部から離れる互いに反対方向である二方向に向かって徐々に幅狭となる形状を有する
請求項1記載の給電装置。
【請求項7】
前記車輌誘導部材は、
前記二方向のうちの一方の方向に対する幅方向の両端の傾斜角度が、前記二方向のうちの他方の方向に対する幅方向の両端の傾斜角度よりも小さくなるように形成する
請求項6記載の給電装置。
【請求項8】
車輌に設けられた受電部と対向して前記受電部に対して非接触で給電する給電部と、
前記給電部の周囲に配置され、給電を受ける前記車輌の左車輪と右車輪とが収まる幅で前記給電部を挟んで互いに対向する一対のガイド部を有する車輌誘導部材と、
を有し、
前記一対のガイド部は、
前記車輌の移動方向であって前記給電部から離れる一方向に向かって互いに徐々に離れるように設けられる
給電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−110787(P2013−110787A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251651(P2011−251651)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【特許番号】特許第5138083号(P5138083)
【特許公報発行日】平成25年2月6日(2013.2.6)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】