説明

絶縁体中の拡散および漏洩電流評価のための試験方法

【解決課題】湿潤環境における複合材料の長期間の電気的絶縁特性を予測する方法に関わる。
【解決手段】この方法は、試料を供給する工程と、この試料を水分含有率および漏洩電流値を決定するために既定の間隔で試験する工程とを含む。この方法はさらに、この水分含有率とこの漏洩電流値とから水分−漏洩電流係数を決定する工程と、この水分−漏洩電流係数を用いて試料の電気的絶縁特性を決定する工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に複合材料中の水分吸収と漏洩電流に対する試験方法の分野に関する。より詳細には、本発明は湿潤環境への短期間曝露に基づいて、GRP複合材料の長期間の電気的絶縁特性を予測するための試験方法に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は2005年8月15日出願の仮出願番号60/708,133の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0003】
ガラス繊維強化ポリマー(GRP)複合材料は電気的絶縁体に広く使用されている。GRP複合材料は湿潤環境に置かれると長期間にわたって少しずつ水分を吸収する。その結果として生じる漏洩電流は電気的絶縁体としての材料特性を著しく損ねる可能性がある。特にこれまで湿潤環境におけるGRP複合材料の長期的な電気的絶縁特性を予測する実用的な方法がなかった。
【0004】
過去において本出願人は、いろいろなガラス繊維強化ポリマー複合材料の水分に対する反応とそれが漏洩電流に及ぼす影響を評価するために、ANSI規格C29.11セクション7.4.2に準拠して、制御された水分拡散実験と絶縁破壊試験との組み合わせを用いて高電圧拡散実験を行ってきた。たとえば中実の複合材料棒を沸騰水および0.1%NaCl溶液中に100時間浸け、それから漏洩電流を試験した。異なる表面状態を持ついろいろな一方向性のGRP複合材料における吸収水分と漏洩電流との関係について非常に有用な情報が得られたという事実にも拘わらず、複合材料において発生した質量増加と漏洩電流との相関が見出せなかった。また水分吸収率を漏洩電流増加率に関係付ける試みもなされなかった。
【0005】
別の規格ASTM D5229/D5229M−92において、板を用いて材料の水分吸収を測定できる。それからいろいろな材料についての結果をフィックの単相モデルあるいは非フィックの二相あるいは多相モデルと比較できる。また非フィック拡散を扱うためにカーターとキブラーが提案した異常拡散モデルを適用することもできる(非特許文献1)。
【0006】
この分野における従来技術とは対照的に、本発明は水分含有率と漏洩電流の変化との直線的関係を示す。さらに、本発明では薄い肉厚の試料を用いることによって、いろいろなクラスの誘電体により短期間に吸収される水分濃度を大きくできる。この方法を用いていろいろなクラスの誘電体により吸収されるいろいろな水分の量に対応する漏洩電流を測定することができる。またこの方法は、カーターとキブラーのモデルによる二相拡散に従って水分を吸収するいろいろなクラスの誘電体における最大水分含有率と最大漏洩電流とを予測するのに用いることができる。
【非特許文献1】H.G.カーターとG.キブラー,「複合材料樹脂における異常水分拡散に対するラングミュア型モデル」Journal of Composite Materials, vol.12, pp.118−131,1978
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は湿潤環境に短期間曝露したあとの試験に基づいて、湿潤環境における複合材料の長期間の電気的絶縁特性の予測をするための方法を提供する。特に、本発明はフィックおよび非フィックの拡散モデルのようないろいろなモデルを用いて、短期間の曝露後の測定漏洩電流から長期間の電気的絶縁特性を推定する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のこれらおよびその他の利点、特長および目的は、以下の詳しい説明と図面を参照することによりさらに容易に理解されよう。
【0009】
本発明のこれらおよびその他の目的は、湿潤環境における複合材料の長期間の電気的絶縁特性を予測する方法を提供することにより、以下に開示される好ましい実施の形態において達成される。この方法は試料を供給する工程と、既定の時間間隔で水分含有率値および漏洩電流値を決定するために該試料を試験する工程と、該水分含有率値および漏洩電流値から水分−漏洩電流係数を決定する工程と、および該水分−漏洩電流係数を用いて該試料の電気的絶縁特性を決定する工程とを含む。
【0010】
本発明の他の好ましい実施の形態によれば、さらにこの試料の水分吸収特性を決定する工程を含む。
【0011】
本発明の他の好ましい実施の形態によれば、最大水分含有率、最大漏洩電流および飽和までの時間を、異常拡散モデルを用いて予測する工程を含む。
【0012】
本発明の他の好ましい実施の形態によれば、この水分−漏洩電流係数は漏洩電流値の変化対水分含有率値のグラフから決定される。
【0013】
本発明の他の好ましい実施の形態によれば、この漏洩電流値とこの水分含有率値との間に直線的な関係がある。
【0014】
本発明の他の好ましい実施の形態によれば、さらにこの試料を拡散性材料に曝す工程を含む。
【0015】
本発明の他の好ましい実施の形態によれば、さらにこの試料に高電圧をかける工程を含む。
【0016】
本発明の他の好ましい実施の形態によれば、この電圧は試料長のミリメートルあたり5ボルトと試料長のミリメートルあたり500ボルトの間の最大電圧まで上昇される。
【0017】
本発明の他の好ましい実施の形態によれば、湿潤環境において複合材料の長期間の電気的絶縁特性を予測する方法が、複合材料を中空円筒の形状で供給する工程と、該円筒を拡散性材料に曝す工程と、既定の時間間隔で該円筒の水分含有率を測定する工程とを含む。この方法はさらに該円筒に高電圧をかけて既定の時間間隔で漏洩電流を測定する工程と、水分含有率と漏洩電流とから水分−漏洩電流係数を決定する工程と、試料の電気的絶縁特性を決定するために水分−漏洩電流係数を標準化したデータに関連づける工程とを含む。
【0018】
本発明の他の好ましい実施の形態によれば、さらにこの円筒を環境室に置き、この円筒を一定の温度と一定の湿度に保持する工程を含む。
【0019】
本発明の他の好ましい実施の形態によれば、さらに水分含有率を決定するためにこの円筒の重量を測定する工程を含む。
【0020】
本発明の他の好ましい実施の形態によれば、さらにこの円筒を拡散性材料に曝す前にこの円筒の初期質量を測定する工程を含む。
【0021】
本発明の他の好ましい実施の形態によれば、さらにこの円筒を拡散性流体に曝す前にこの円筒の初期漏洩電流を測定する工程を含む。
【0022】
本発明の他の好ましい実施の形態によれば、この拡散性流体は水、液体金属、溶液、および蒸気からなる群から選択される。
【0023】
本発明の他の好ましい実施の形態によれば、湿潤環境における複合材料の長期間の電気的絶縁特性を予測するための方法が、複合材料を中空円筒の形状で供給する工程と、該円筒の初期質量を記録する工程と、該円筒の初期漏洩電流を記録する工程と、該円筒を環境室に放置する工程とを含む。この方法はさらに該円筒を拡散性流体に曝す工程と、該円筒を既定の時間間隔で環境室から取り出して該円筒の質量と漏洩電流とを記録する工程と、該円筒の質量から該円筒の水分含有率を決定する工程と、該水分含有率と該漏洩電流とから水分−と漏洩電流係数を決定する工程と、該水分−漏洩電流係数を用いて試料の電気的絶縁特性を決定する工程とを含む。
【0024】
本発明の他の好ましい実施の形態によれば、さらにこの円筒を高電圧室に置き、この円筒に高電圧をかける工程を含む。
【0025】
本発明の他の好ましい実施の形態によれば、さらにこの円筒に高電圧をかける工程を含む。
【0026】
本発明の他の好ましい実施の形態によれば、温度が約50℃に保たれ、また湿度が約80パーセントの相対湿度に保たれる。
【0027】
本発明の他の好ましい実施の形態によれば、さらに水分吸収率を次の式を用いて漏洩電流の増加に関連づける工程を含む。
L(AC)(t)=FM-LC・M(t)
【0028】
本発明の他の好ましい実施の形態によれば、この円筒が約0.1ミリメートルから約50ミリメートルの長さを有する。
【0029】
本発明の他の好ましい実施の形態によれば、この円筒が約2ミリメートルから約100ミリメートルの外径を有する。
【0030】
本発明の他の好ましい実施の形態によれば、この円筒が約1ミリメートルから約99ミリメートルの内径を有する。
【0031】
本発明の他の好ましい実施の形態によれば、この円筒が約30ミリメートルの長さと約15.9ミリメートルの外径を有する。
【0032】
本発明の他の好ましい実施の形態によれば、この円筒が1ミリメートル、2ミリメートルおよび4ミリメートルからなる群から選択した肉厚を有する。
【0033】
本発明の他の好ましい実施の形態によれば、さらにこの円筒を2個の電極の間に置く工程を含む。
【0034】
本発明の他の好ましい実施の形態によれば、さらにこの円筒に高電圧をかける工程を含む。
【0035】
本発明の他の好ましい実施の形態によれば、この電極が真鍮である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明は添付の図面と併せることにより、さらに容易に理解されよう。
【0037】
本発明は、誘電体材料の流体(液体あるいは蒸気)の拡散への反応とその漏洩電流への影響とを評価するために、制御された拡散と絶縁破壊試験とを組み合わせた高電圧拡散実験に関する。たとえば本発明を用いて、いろいろなポリマーやガラス繊維を基本にした複合高電圧絶縁体において水分吸収率を漏洩電流の増加に関連づけることができる。拡散はフィックあるいは非フィックモデルのいずれかに基づいて特性化できる。しかし本発明は他の多数の応用にも用いることができる。
【0038】
(水分拡散解析)多くの一方向性複合材料における水分拡散過程は、フィック的な性質であると想定される。このことは材料中への水分の拡散がフィックの第2法則に従うことを意味しており、この同じ法則はまた熱伝導も支配している。フィックの第2法則では、
【数1】

ここにcは水分の濃度、tは時間、xは試料の横断方向の距離、Dxは横断方向における拡散係数である。適切な境界条件を用いて、任意の時間における水分含有率(M)、試料の最大水分含有率(MMAX)、その厚さ(h)および拡散定数(Dx)との関係は次式で与えられる。
【数2】

ここにMMAXおよびDxは共に水分含有率/重量対時間の平方根のプロットから得られる。これには次式を用いる。
【数3】

ここに見かけの拡散定数DAが横断拡散定数Dxにほぼ等しいと仮定している。式(3)においてMMAXは曲線上の平均平衡値であり、項
【数4】

は水分含有率/重量増加対

曲線の初期直線部分の勾配に等しい。フィックの拡散数値予測の応用に関するさらに詳細な情報についてはC.H.シェンとG.S.スプリンガー,「水分吸収と複合材料の解説」Journal of Composite Materials,vol.10, pp.2−20,1976を参照のこと。任意の時間における水分含有率のパーセント値は次式を使って決定できる。
【数5】

【0039】
湿潤環境における材料の挙動はその環境の条件に大きく依存する。湿度は一定だが温度が変化する環境における材料は、同じ水準の最大水分吸収を示すが吸収率は異なる。涼しい環境にある試料が平衡に達するまでに要する時間は暖かい環境にある試料よりも長い。温度は一定だが湿度が変化する場合、水分吸収率は同じであるが、吸収する水分の全量は周囲湿度の増加と共に増加する。
【0040】
環境変数だけが水分吸収曲線に影響するのではなく、溶解、マイクロクラック、分子結合、あるいは構造緩和のような材料特性も影響する。これらの現象はフィックの単相拡散から外れており、したがって説明した計算処理を使って正確に解析することができない。それゆえ多相モデルが必要になる。
【0041】
(異常拡散の解析)前節までに説明した解析は、平衡に達するまで単相の水分吸収だけがある、単相拡散を取り扱っている。異常拡散とは多数の異なる水分吸収の相が最終的な平衡に導くことを意味している。この研究で調べたいくつかの複合材料の挙動は、既に以前に異常(非フィック的)であることが判っている。このタイプの拡散は上述の単相法を使って容易に解析することができない。この材料の物理的挙動を説明する多相拡散モデルが必要である。
【0042】
このようなモデルの1つがカーターとキブラーにより提案された。このモデルは、異常拡散(2相)をする材料の水分は2つの相異なる無関係の相で起こるという仮定を用いている。まず拡散係数DΓを持つ材料への移動相における水分子の吸収である。次に分子は樹脂の分子構造に確率Γで束縛されており、確率Bで解放される。これらの仮定を用いて、カーターとキブラーは異常拡散特性を持つ材料における水分吸収解析のためのモデルを考案した。このモデルの簡便な近似式を以下に示す。
【数6】

ここに、
2Γ,2B<<κ
また
κ=π2Γ/(h)2
値DΓは式(3)の簡単な単相拡散から仮定できる。DΓを計算するのに用いるMMAX値は、水分含有率対時間の平方根曲線において初期勾配および最初の曲がりについて拡散の第2の相まで最もよく適合するように仮定する。
【0043】
(試験装置)本発明で使用した試験装置の実施例を図1に示す。いろいろな誘電体材料の中空円筒11を中実の円筒から機械加工により、あるいは管として作成する。この試験試料11はそれから水分あるいはその他の拡散性材料(たとえば水、液体金属、溶液あるいは蒸気)に曝され、これによって試料11は拡散性材料のさまざまな量を含む。それから円筒試料11を図1に示すように電極12と13との間に置いて、試料11の漏洩電流を測定する。続いて漏洩電流の変化を吸収した拡散材料の量と関連づける。
【0044】
たとえば直径が数ミリメートルから100mmの中実棒をベースにした複合材料絶縁体の場合、水分吸収実験は湿った空気から液体浸漬、また温度が室温から沸騰温度までの湿った環境で行うことができる。電圧範囲は約0から100kVまで、上昇率が約0から15kV/秒まで行うことができる。試料11の寸法範囲は円筒外径が約2mmから100mm、内径が約1mmから99mm、円筒の長さは約0から50mmである。
【0045】
材料の拡散がフィック的である場合(単相拡散)、吸収材料の最大含有率および最大漏洩電流は直接測定できよう。完全に飽和するまでの曝露に非常に長い時間(たとえば数年間)を要する2相非フィック的拡散の場合、カーターとキブラーモデルに基づく計算手順が使用できる。したがって最大漏洩電流もまたこの計算手順に基づいて推定できる。
【0046】
(実験的研究)たとえば以下に説明する実験データは水分に曝した、ECR(低シード)ガラス繊維およびエポキシでできた薄い肉厚の中空複合材料円筒11に基づいている。好ましい試料11の寸法は長さ”L”が約30±0.5mmで、外径”D”が約15.9±0.1mmである。以下に提供する実験データにおける円筒11の肉厚は1,2および4mmである。図1の電極12および13の寸法は、”W1”=64±0.1mm、”W2”=50±0.1mm、”L2”=25±0.1mm、”a”=60°±1°である。寸法はすべてANSI規格C29−11に準拠している。
【0047】
この技術を用いてASTM規格D5229/5229M−92による制御された水分拡散条件の下における、ECR(低シード)ガラス繊維およびエポキシでできた中空円筒11について、水分吸収率を漏洩電流に関連付けることができる。ECR(低シード)ガラス/エポキシ複合材料による水分吸収は非フィック的な性質であり、単相モデルを用いて正確に記述できないので、異常拡散(2相)モデルを実験結果に適用できる。たとえば、H.G.カーターとG.キブラー「複合材料樹脂における異常水分拡散に対するラングミュア型モデル」Journal of Composite Materials, vol.12, pp.118−131, 1978)により開示されている異常拡散に対するモデルに基づく手法をいろいろな厚さの試料について絶縁複合材料中での非フィック的拡散を取り扱うのに使用できる。
【0048】
複合材料における水分の測定漏洩電流に対する影響もまた中空複合材料円筒11を使って調べた。実験データにいくらかばらつきが見られるものの、直線的な関係がECR(低シード)ガラス/エポキシ複合材料中の水分の量とAC漏洩電流の水準との間に見られる。AC漏洩電流の変化対水分含有率のプロットにおける直線的な傾向により、電気的絶縁特性の正確な予測が可能である。したがって、カーターとキブラーのモデルを用いて、複合材料に対する最大水分含有率、最大漏洩電流および飽和時間が引き続いて予測できる。水分吸収率M(t)と漏洩電流IL(AC)の変化との関係を予測する能力を次式のように表すことができた。
【数6】

ここに、FM-LCは水分/漏洩電流係数である。単相フィック的および異常水分拡散モデルの両方がこの関係式に使用できる。さらに重要なのは、水分吸収と漏洩電流の予測が、複合材料での拡散過程が完全に飽和するのに長期間を要するという特異な性質にも拘わらず、比較的短期間の水分データに基づいて可能であったことである。
【0049】
制御された水分と高電圧条件の下での中空円筒試験は、適切なガラス/ポリマー複合材料を絶縁用途に選択するための標準的なスクリーニング試験に成る可能性を持っている。水分−漏洩電流係数を測定することにより、いろいろな絶縁体コア複合材料を使用条件の関数として湿潤下での電気的反応について順位づけができる。本発明は、これをECR(低シード)ガラス/エポキシシステムと改質ポリエステル樹脂に埋め込まれたECR(高シード)ガラス繊維に基づく別のシステムとを比較することにより実際に示すことを試みている。
【0050】
この作業で行う電気的試験のため、2つの材料を選んだ。ECR(低シード)エポキシはECRガラス繊維により提供される優れた耐応力腐食クラッキング特性と水分のある環境での好ましい挙動のゆえに選択した。エポキシ樹脂は改質ポリエステルの場合のように水分を急速に吸収するわけではないが、ビニールエステルや改質ポリエステル材料のようにその環境で速く完全に平衡に達しない傾向がある。一方ECR(高シード)ガラス/改質ポリエステルは水分吸収特性が劣っているので選択した。この材料についてこれまで異常拡散の証拠は見つかっていない。
【0051】
中空円筒11はGlasforms,Inc.から入手した直径15.9mmのいろいろな長さの一方向性引き抜き棒を機械加工した。それからこれらの棒から30±0.5mm長の断片を切り取り、その中心に7.9mmのパイロット孔を穿孔した。こうして18個の4mm厚の中空円筒を作った。これらのうちの6個はきれいにして脇に取っておき、残りの12個は旋盤にかけて所定の直径の孔を中心に開けた。旋盤での切削は2段階で行った。まず試料の一方の側を半分まで切削し、それから反対側を最初の孔に合うように切削した。これは複合材料のクラッキングを、特に1mm厚の試料の場合に最少にするための試みである。その結果、1,2,および4mm厚の18個の試料(各材料あたり9個)、肉厚ごとにそれぞれ3個を作成した。
【0052】
機械加工の後、試料11は完全に洗浄し、60℃で乾燥した。続いて乾燥直後の試料11の初期質量および初期漏洩電流を記録した。それから試料11を環境室に置き、温度を20℃から100℃に、また相対湿度を10%から100%に保持した。この場合、試料11は50℃と相対湿度80%に保持した。試料11の質量は読み取り精度0.1mgの化学天秤で時間間隔を増やしながら測定した。試料11は水分データに影響を与えないように30分以上環境室の外に存在しないことを確保するため、一回に3個の試料を計量した。約4ヶ月の期間に対して水分吸収は相当減速するので、試料11の計量は時間間隔を変化させて行った。試料11はそれぞれ計量のあと、次に述べるようにその電気的特性を試験した。
【0053】
図1に示すように、高電圧試験の間、複合材料円筒11は高電圧室の2個の真鍮電極12と13との間に置かれる。ANSI規格は電圧を約1kV/sで12kVまで上げることを要求している。この電圧は試料の長さのミリメートルあたり5Vから試料の長さのミリメートルあたり500Vの間の最大値まで上げられる。このユニットは最大電圧上昇率に設定され、12kVで停止するように設定されて、図2に示す初期の電圧時間曲線を得た。AC最大漏洩電流値を記録するために、5mA目盛で0.1μAの分解能を持つProtek608デジタルマルチメータを使用した。試験の間、高電圧室の内部に保たれていた乾燥標準試料のAC漏洩電流を各試験時の最初と最後に測定し、各試験時の環境条件における変化の徴候が得られた。標準試料による環境条件におけるこれらの変化はあとで示すデータ解析から差し引いた。
【0054】
1,2,および4mm厚の円筒11で試験したECR(高シード)ガラス/改質ポリエステルおよびECR(低シード)ガラス/エポキシ複合材料に関する水分と漏洩電流実験からの最も重要な結果を表1Aと1Bに示す。また、例として、1mm厚のECR(低シード)ガラス/エポキシ試料と1mm厚のECR(高シード)ガラス/改質ポリエステル試料に対する水分吸収対時間の平方根曲線を図3に示す。実験データに加えて、単相モデルおよび非フィック的拡散による適合線も図3にプロットした。この図から改質ポリエステルをベースとする試料は湿潤曝露の約4日後に飽和に達することが観察される。しかしエポキシをベースとするシステムの場合3ヶ月の試験後でも飽和に到達しなかった。他の1mm、2mmおよび4mm厚の2つの複合材料でまったく同様の挙動が観察され、すべてのエポキシ試料は飽和せずにつねに水分を吸収し、またすべての改質ポリエステルベースの円筒は比較的短期間に飽和に到達した。
【0055】
2mm厚のECR(低シード)ガラス/エポキシ円筒と2mm厚のECR(高シード)ガラス/改質ポリエステルに対する漏洩電流対時間の平方根曲線をそれぞれ例として図4Aおよび4Bに示す。これに対応する水分吸収曲線もこれらの図に示す。実験による水分と漏洩電流のデータに加えて、フィックおよび異常拡散モデルに従ったこれに対応する適合線も水分と漏洩電流結果の図4Aおよび4Bに示す。1mmおよび4mm厚の試料を用いた2つの複合材料システムについてまったく同様の関係が観察された。
【0056】
エポキシベースの複合材料について表1Aに示す水分吸収率kMおよび拡散係数DAを実験的に水分含有率対時間の平方根曲線の初期部分から決定した。しかし最大水分含有率および飽和時間、ならびに最大漏洩電流はカーターとキブラーの非フィック拡散モデルに従った手順を用いて推定した。改質ポリエステルベースの試料は飽和に到達しているので、最大水分含有率および最大漏洩電流は水分および高電圧実験から直接に決定できた。また、表1Bに示す水分吸収率(kM)および拡散係数(DA)を水分含有率対時間の平方根曲線から直接に決定した。
【0057】
下の表1AはECR(低シード)ガラス/エポキシ複合材料試料に対する水分吸収率(kM)の初速度、拡散係数(DA)の値、および最大水分含有率(MMAX)、水分−漏洩電流係数(FM-LC)、最大漏洩電流(IL(AC)-MAX)、99%に飽和する時間(tSAT)の予測値を示す。
【表1A】

*DAの値は最初の拡散相について決定される。
**MMAX、IL(AC)-MAXおよびtSATの値は異常拡散に対するカーター・キブラーモデルに基づく予測値である。
【0058】
下の表1BはECR(高シード)ガラス/改質ポリエステル複合材料試料に対する水分吸収率(kM)の初速度、拡散係数(DA)の値、および最大水分含有率(MMAX)、水分−漏洩電流係数(FM-LC)、最大漏洩電流(IL(AC)-MAX)、99%に飽和する時間(tSAT)の予測値を示す。
【表1B】

表1Aおよび1Bに示す水分/漏洩電流係数FM-LCは、各試料に対して得られたAC漏洩電流の変化対水分含有率のプロットから決定した。これらのプロットは肉厚と材料について個々にランダムに選んだ試料に対して示されている。1mm厚のECR(低シード)ガラス/エポキシおよび1mm厚のECR(高シード)ガラス/改質ポリエステル試料に対するプロットをそれぞれ図5Aおよび5Bに示し、また2mm厚の試料に対するプロットを図6Aおよび6Bに示す。最後に4mm厚のECR(低シード)ガラス/エポキシおよびECR(高シード)ガラス/改質ポリエステル試料に対するプロットをそれぞれ図7Aおよび7Bに示す。
【0059】
これらのプロットの分析からいくつかの重要な観察が得られる。まず6つのプロットすべてがAC漏洩電流の変化と吸収した水分との間にはっきりした直線的な傾向を示す。第2に薄い試料11ほどより早く平衡に到達し、これらの試料11は、試験の最初と完全な水分の飽和との間の充分なデータを提供しないという事実により、大きいばらつきを示す。またECR(低シード)ガラス/エポキシ試料11は、漏洩電流値がずっと小さいので、ECR(高シード)ガラス/改質ポリエステル材料よりも大きなばらつきを示す。
【0060】
図5から7においてまた非常に似た全吸収水分量(約0.20%)に対してECR(高シード)ガラス/改質ポリエステル試料が50−70μAの範囲で漏洩電流の最大変化を示すことが見られたが、ECR(低シード)ガラス/エポキシ材料は0.7μAを超えることはなかった。ECR(低シード)ガラス/エポキシとECR(高シード)ガラス/改質ポリエステル材料との間のAC漏洩電流の変化対水分含有率のプロットの勾配の差は約150−200倍である。このことが表1Aと1Bに示す水分/漏洩電流係数FM-LCがエポキシと改質ポリエステルベースの試料11で大きく異なる理由である。
【0061】
明らかに2つの複合システムは水分と高電圧に対して非常に異なる反応をしている。2つの複合システム間の最後の比較を図8Aと8Bで行う。図8Aに各材料の全データ点のAC漏洩電流の変化対水分含有率のプロットを示す。同じデータを片対数目盛でプロットしたものを図8Bに示す。これら2つの図は同様の吸収水分の水準に曝されたときこれらの2つの複合材料の電気的挙動が極端に異なることを非常によく示している。ECR(低シード)ガラス/エポキシが湿潤環境における電気的絶縁用途にずっと良く適しているのに対し、ECR(高シード)ガラス/改質ポリエステルは、特にこれらの試験で存在するよりもずっと大きい周囲水分がある場合には、避けるべきである。
【0062】
ECR(高シード)ガラス/改質ポリエステルシステムで発生した大きい漏洩電流はECRガラス繊維中のシードの存在によって引き起こされた。シードの存在は、Eガラスあるいは低シードECRガラス繊維に基づく複合材料と比較して、たとえこれらの複合材料が吸収する水分の量が非常に似ていても、高シードECRガラス繊維に基づく複合材料では大きな漏洩電流を引き起こす。ECRガラス繊維複合材料は、脆性破壊に非常に抵抗力があるので高電圧絶縁体用途用として考えられているが、シードの存在は絶縁体の特性を著しく低下させ、フラッシュオーバにより電気的故障を引き起こす可能性がある。したがって新しい複合材料はすべて水分と漏洩電流およびその水分/漏洩電流係数FM-LCについて決定し、ある標準のデータと比較して選別することができる。ここで説明した試験方法は、図8Aおよび8Bに示すデータを考えると、この目的に適していると思われる。
【0063】
高電圧複合材料絶縁体に使用されるすべての可能な材料について、このような組織的な試験を実施することの利益を認識することが重要である。これらの実験を行うことによって我々は高電圧複合材料絶縁体の製造者および使用者に異なる環境条件でどの材料を使用するべきかという高品質の指針を提供することができる。しかしポリマー樹脂とEガラスおよびECRガラス繊維の可能な組み合わせは広範囲で、これらのいろいろな複合材料が湿度のある環境でどのような電気的挙動をするかを決定しなければならない。
【0064】
上記の実験研究は高電圧絶縁体用途に最も良好なものの1つ(ECR(低シード)ガラス/エポキシ)とおそらく最も良くないものの1つ(ECR(高シード)ガラス/改質ポリエステル)の複合材料システムについて調べた。吸収した水分と漏洩電流との間に直線的な関係があることが判った。ECR(低シード)ガラス/エポキシ材料は非常に良好に反応、つまり小さい漏洩電流で増加も少ない、を示し、ECR(高シード)ガラス/改質ポリエステル材料は吸収した水分の関数として漏洩電流が相当増加するという最も好ましくない反応を示した。しかし最も重要なのは、吸収した水分と漏洩電流の変化との間の直線的な関係のお陰で、複合材料の水分吸収特性の知識に基づいて電気的絶縁特性を正確に予測できるということである。また2つの複合材料の水分/漏洩電流係数FM-LCが約150−200倍異なっていることは、ECR(高シード)ガラス/改質ポリエステルシステムに比べてECR(低シード)ガラス/エポキシシステムの優れた耐性を示している。最も重要なのは開発した試験方法がフィック的および異常拡散条件下の水分と漏洩電流を決定するのに極めて有用であることが示されたことである。
【0065】
本発明はたとえば誘電体において水分吸収に関連する潜在的な問題を指摘する選別方法として使用できる。いろいろな誘電体(たとえばポリマー、セラミック、木材、コンクリート、生体材料およびガラス、窒化珪素、炭化珪素、ポリマーおよび木材などのいろいろなクラスの繊維およびマトリックスに基づくそれらの複合材料)を水分と漏洩電流に関してほぼ同時の耐性について順位付けすることが可能である。特に本発明によりいろいろな絶縁体の製造者と使用者が異なる環境条件で異なる電気的用途に対して最良の絶縁材料(複合でない、あるいは複合の)を選択することができる。またこれらの材料の製造者および使用者が時間(時間、損傷、劣化など)の関数として水分/漏洩電流応答の変化を監視することができる。現在利用できる他の技術はこれらの目的に対してうまく適用できない。
【0066】
たとえば複合材料ブッシングを水分と漏洩電流について試験できよう。これらのブッシングは引き抜きの代わりにフィラメントの巻き付けによって作られた多軸ガラス/エポキシ複合材料に基づいており、これは懸架および変電所絶縁体用の複合材料棒の製造に広く適用されている。このブッシングは直径が大きく、肉厚が薄く、大きく複雑な構造をしている。このブッシングの直径は1メートル、長さが10メートルで肉厚が数ミリメートルのものまである。ブッシングの短い部分を水分に曝すことができ、それから漏洩電流を、本発明を用いて測定できる。図1に示す電極12と13、および電圧レベルと上昇率その他の寸法はずっと大きい試料11に合わせて修正する必要がある。水分拡散と漏洩電流の計算処理は一般的に同じであろう。同様に配電システムで支持構造として用いられる木柱の水分のある状態での漏洩電流耐性を試験することもできよう。
【0067】
本発明はまた電気的特性に影響するような他の相(水分以外の)の拡散に曝される誘電体材料にも適用できることが理解されよう。たとえばセラミックにより吸収され、その絶縁特性を変化させる液体金属の影響を評価することができる。この種の多数の例が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】図1は漏洩電流を測定するための高電圧試験の配置図である。
【図2】図2は漏洩電流試験について典型的な電圧対時間応答を示すグラフである。
【図3】図3はECR(高シード)ガラス/改質ポリエステルおよびECR(低シード)ガラス/エポキシの1mm肉厚の中空円筒に対する水分吸収対時間の平方根(実測と予測)の例を示すグラフである。
【図4】図4AはECR(低シード)ガラス/エポキシの、また図4BはECR(高シード)ガラス/改質ポリエステルの、肉厚2mmの中空円筒に対する漏洩電流および水分含有率対時間の平方根(実測値と予測値)の例を示すグラフである。
【図5】図5Aは1mm厚のECR(低シード)ガラス/エポキシ試料の、また図5BはECR(高シード)ガラス/改質ポリエステル試料の、AC漏洩電流対水分含有率を示すグラフである。
【図6】図6Aは2mm厚のECR(低シード)ガラス/エポキシ試料の、また図6BはECR(高シード)ガラス/改質ポリエステル試料の、AC漏洩電流対水分含有率を示すグラフである。
【図7】図7Aは4mm厚のECR(低シード)ガラス/エポキシ試料の、また図7BはECR(高シード)ガラス/改質ポリエステル試料の、AC漏洩電流対水分含有率を示すグラフである。
【図8】図8Aおよび8BはECR(低シード)ガラス/エポキシおよびECR(高シード)ガラス/改質ポリエステル試料からの、線形(図8A)および片対数(図8B)目盛にプロットした、AC漏洩電流の変化対水分含有率を示すグラフであり、図8Aではすべてのデータ点について、また図8Bではすべての非ゼロのデータ点について、適合する直線が引かれている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湿潤環境における複合材料の長期間の電気的絶縁特性を予測する方法であって、
(a)試料を供給する工程、
(b)水分含有率値および漏洩電流値を決定するために既定の時間間隔で該試料を試験する工程、
(c)該水分含有率値と該漏洩電流値とから水分−漏洩電流係数を決定する工程、
(d)該水分−漏洩電流係数を用いて試料の電気的絶縁特性を決定する工程、
とを含む方法。
【請求項2】
さらに前記試料の水分吸収特性を決定する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
さらに最大水分含有率、最大漏洩電流および飽和時間を予測する工程を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記水分−漏洩電流係数を漏洩電流値の変化対水分含有率値のグラフから決定する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記漏洩電流値と前記水分含有率値との間に直線的な関係が存在する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
さらに前記試料を拡散性材料に曝す工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
さらに前記試料に高電圧をかける工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記電圧を試料の長さのミリメートルあたり約5Vから試料の長さのミリメートルあたり約500Vの間の最大電圧まで上昇させる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
湿潤環境における複合材料の長期間の電気的絶縁特性を予測する方法であって、
(a)複合材料を中空円筒の形で供給する工程、
(b)該円筒を拡散性材料に曝す工程、
(c)既定の時間間隔で該円筒の水分含有率を測定する工程、
(d)既定の時間間隔で該円筒を高電圧にかけて、該円筒の漏洩電流を測定する工程、
(e)該水分含有率と該漏洩電流とから水分−漏洩電流係数を決定する工程、
(f)該水分−漏洩電流係数を標準化したデータに関連づけて試料の電気的絶縁特性を決定する工程、
とを含む、方法。
【請求項10】
さらに前記円筒を環境室に置き、前記円筒を一定の温度と一定の湿度に保つ工程を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
さらに前記円筒を計量して水分含有率を決定する工程を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
さらに前記円筒を前記拡散性材料に曝す前に前記円筒の初期質量を測定する工程を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
さらに前記円筒を前記拡散性流体に曝す前に前記円筒の初期漏洩電流を測定する工程を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
さらに異常拡散モデルを用いて最大水分含有率、最大漏洩電流、および飽和時間を予測する工程を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記水分−漏洩電流係数を漏洩電流の変化対水分含有率のグラフから決定する、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記漏洩電流と前記水分含有率との間に直線的な関係が存在する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記拡散性流体が水、液体金属、溶液および蒸気から成る群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項18】
湿潤環境における複合材料の長期間の電気的絶縁特性を予測する方法であって、
(a)複合材料を中空円筒の形で供給する工程、
(b)該円筒の初期質量を記録する工程、
(c)該円筒の初期漏洩電流を記録する工程、
(d)該円筒を環境室に置く工程、
(e)該円筒を拡散性流体に曝す工程、
(f)既定の時間間隔で該円筒を環境室から取り出して、該円筒の質量と漏洩電流とを記録する工程、
(g)該円筒の質量から該円筒の水分含有率を決定する工程、
(h)該水分含有率と該漏洩電流とから水分−漏洩電流係数を決定する工程、
(i)該水分−漏洩電流係数を用いて試料の電気的絶縁特性を決定する工程、
とを含む、方法。
【請求項19】
さらに前記円筒を高電圧室に置き、前記円筒に高電圧をかける工程を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
さらに前記円筒に高電圧をかける工程を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
環境室が前記円筒を一定の温度と一定の湿度に保つ、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
温度が摂氏約20度から約100度の間に保たれ、湿度が約10パーセントから約100パーセントの相対湿度の間に保たれる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
さらに水分吸収率を式
L(AC)(t)=FM-LC・M(t)
を用いて漏洩電流の増加率に関連付ける工程を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記円筒が約0.1ミリメートルから約50ミリメートルの長さを有する、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記円筒が約2ミリメートルから約100ミリメートルの外径を有する、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
前記円筒が約1ミリメートルから約99ミリメートルの内径を有する、請求項18に記載の方法。
【請求項27】
さらに前記円筒を2つの電極の間に置く工程を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項28】
さらに前記円筒に高電圧をかける工程を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記電圧を試料の長さのミリメートルあたり約5ボルトと試料の長さのミリメートルあたり約500ボルトの間の最大電圧まで上昇させる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記電極が真鍮である、請求項27に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【公表番号】特表2008−536108(P2008−536108A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502163(P2008−502163)
【出願日】平成18年8月14日(2006.8.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/031640
【国際公開番号】WO2007/022087
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(507304409)ユニバーシティー オブ デンバー (1)
【Fターム(参考)】