説明

綴じ具及びバインダー

【課題】独立部品としての軸を用いることなく操作部材をベース側に回転可能に支持し、綴じ込み部材を構成する側部材に操作部材が係脱可能となるように設けた綴じ具及びバインダーを提供すること。
【解決手段】幅方向両側に支持部20を備えたベース15に着脱可能に設けられた一対の側部材30を含む綴じ込み部材16と、ベース15と側部材30との間に位置して前記支持部に側部材を着脱操作する操作部材17とを含む両開きタイプの綴じ具。支持部20は、軸方向にスリット28を備えた管状部24を有し、当該管状部間の配置スペース26に操作部材を位置させて当該操作部材が回転可能に支持される。操作部材17は、管状部24に挿入される筒管61と、側部材30に係り合う係り部63、64とを含む。操作部材は、その板面がスリット28に沿って移動可能な姿勢として筒管61を管状部24に挿入することでベース14に組み立てられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は綴じ具及びバインダーに係り、特に、綴じ込み部材を構成する一対の側部材がベースの両側にそれぞれ着脱可能に設けられた綴じ具と、当該綴じ具を表紙体に固定することによって構成されたバインダーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、表紙体の内面側に綴じ具を備えてなるバインダーが市販されている。このバインダーに用いられる綴じ具は、板状のベースと、このベースの幅方向(左右)両側に配置された一対の側部材及び当該側部材間に位置して軸方向に相互に嵌り合う綴じ棒を含む綴じ込み部材とを備えて構成されている。このタイプの綴じ具は、前記側部材をベースに固定的に装着した位置に保つように係り合う板片状の操作部材をベースの幅方向両側に備えて構成されている。操作部材は、その下部に軸が装着され、当該軸がベースに支持されて回転可能となっている。そして、操作部材が直立した位置にあるときに、当該操作部材と側部材の上部とが係り合って側部材を装着位置(綴じ込み位置)に保つ一方、操作部材を外側に倒伏するように回転させることで、前記係り合いを解除して書類の加除整理が行えるようになっている。
このような綴じ具は、操作部材を支持するために独立した部品である軸が必要になる、という設計上の制約があり、部品点数と組み立て工程が増加する、という不都合がある。
【0003】
ところで、特許文献1には、一方の側部材をベースの幅方向一端側で回転可能に設ける一方、他方の側部材をベースの幅方向他端側に着脱自在に設けた綴じ具が開示されている。この綴じ具は、前記一方の側部材の下部に設けられた管状部を、ベース側に設けられたスリット付きの管状部に挿入することで相対回転可能に設けられ、これにより、独立部品としての棒状の軸を用いることなく、前記側部材をベースに回転可能に支持させることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3989878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された綴じ具は、いわゆる片開きタイプの綴じ具にすぎない。また、側部材に対する係り合いとその解除を行う操作部材は、ベースの一端側に対して独立部品となる軸を用いて連結されており、実質的に、部品点数を削減する構成とはなっていない。
【0006】
ここに、本発明の目的は、独立部品としての軸を用いることなく操作部材をベース側に回転可能に支持し、当該操作部材が側部材を固定位置に保ったり、その固定を解除できるように設けられた綴じ具及びバインダーを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、操作部材と側部材との係り合いを解除した際に、側部材を上方に押し上げて当該側部材を跳ね上げるような操作感を付与することのできる綴じ具及びバインダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明は、特許請求の範囲記載の構成を採用した。具体的には、幅方向両側に支持部を有するベースと、当該ベースに着脱可能に設けられた一対の側部材及びこれら側部材間に位置する綴じ棒を含む綴じ込み部材と、前記ベースと側部材との間に位置して前記支持部に側部材を着脱操作する操作部材とを含む綴じ具であって、
前記支持部は、軸方向にスリットを備えた一対の管状部により構成されているとともに、当該管状部間に前記操作部材を位置させて当該操作部材を回転可能に支持するように構成され、
前記操作部材は、当該操作部材に一体的に設けられて前記管状部に挿入される筒管を含み、
前記スリットに沿って操作部材を移動して前記筒管を管状部に挿入することで、前記操作部材が管状部間に位置して回転可能に支持される、という構成を採っている。
【0008】
本発明において、前記操作部材は、前記側部材に係り合う係り部を更に含む構成とすることが好ましい。
ここで、前記係り部は、上部係り部と下部係り部とを含み、これら係り部は、前記側部材の上下二箇所に係り合うように構成することが好ましい。
この際、前記上部係り部及び下部係り部は、前記操作部材と一体成形するとよい。
【0009】
また、前記側部材は、前記操作部材の筒管部分に接触可能な突部材を含み、当該突部材は、前記操作部材と側部材との係り合いを解除する方向に操作部材を所定角度回転させたときに、前記側部材に押し上げ力を付与するように設けられる、という構成を採ることができる。
【0010】
更に、本発明は、表紙体と、当該表紙体の面内に配置された綴じ具とを備えたバインダーにおいて、
前記綴じ具は、幅方向両側に支持部を有するベースと、当該ベースに着脱可能に設けられた一対の側部材及びこれら側部材間に位置する綴じ棒を含む綴じ込み部材と、前記ベースと側部材との間に位置して前記支持部に前記側部材を着脱操作する操作部材とを含み、
前記支持部は、軸方向にスリットを備えた一対の管状部により構成されているとともに、当該管状部間に前記操作部材を位置させて当該操作部材を回転可能に支持するように構成され、
前記操作部材は、当該操作部材に一体的に設けられて前記管状部に挿入される筒管と、前記側部材に係り合う係り部とを含み、
前記スリットに沿って操作部材を移動して前記筒管を管状部に挿入し、前記操作部材を管状部間に位置させた状態で前記ベースを表紙体に固定することで、前記スリットに沿う操作部材の移動を規制して当該操作部材を脱落することなく回転可能に支持する、という構成を採っている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、操作部材に設けられた筒管を、スリット付きの管状部に挿入して移動させることで、操作部材が管状部間に位置して回転可能となるため、操作部材を支持するために、独立した棒状の軸を用いることを排除でき、部品点数を削減して組み立ても容易に行うことのできる綴じ具を提供することができる。
【0012】
また、操作部材は、側部材の上下二箇所に係り合う上下の係り部を備えているため、側部材に係り合っているときの状態を確実に保持することができ、側部材が支持部から不用意に離れてしまうような不都合を回避することができる。つまり、綴じ込み部材を安定した綴じ込み位置に保つことができる。また、上下の係り部が操作部材に一体成形された構成であるため、構成を複雑にすることもない。
【0013】
更に、本発明に係るバインダーによれば、管状部のスリットを利用して操作部材の筒管を管状部に挿入した後に、ベースを表紙体に固定することでスリットが閉塞されるようになるため、操作部材が管状部から脱落することを防止する特別の構成を設けることなく当該操作部材を所定の位置に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態に係る綴じ具が表紙体の内面に固定された状態を示すバインダーの要部概略斜視図。
【図2】前記綴じ具の分解斜視図。
【図3】(A)は綴じ具のベース平面図、(B)はその右側面図、(C)は(A)のA−A線断面図、(D)は同B−B線断面図。
【図4】綴じ具の側面図。
【図5】側部材の側面図。
【図6】綴じ込み部材の正面図。
【図7】(A)は図5(A)のC−C線拡大端面図、(B)は同D−D線拡大端面図、(C)は同E−E線拡大端面図、(D)は同F−F線拡大端面図。
【図8】(A)は操作部材の側面図、(B)は(A)のG−G線拡大断面図、(C)は(A)のH−H線拡大断面図。
【図9】管状部に筒管を挿入する際のベースと操作部材の相対位置を示す説明図。
【図10】支持部に側部材を装着するときの状態を示す説明図。
【図11】側部材と操作部材とが係りあって側部材が支持部に対して綴じ込み位置に保持されている状態を示す説明図。
【図12】操作部材を外側に回転させて側部材との係り合いを解除する際の説明図。
【符号の説明】
【0015】
10 バインダー
11 表紙体
12 綴じ具
15 ベース
16 綴じ込み部材
17 操作部材
20 支持部
24 管状部
28 スリット
30 側部材
33 綴じ棒
45 突部材
61 筒管
63 上部係り部
64 下部係り部
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書において、特に明示しない限り、「左右」とは、図1に示される背表紙の短寸幅方向を基準として用いられ、「上下」とは背表紙の長手方向を基準として用いられる。
【0017】
図1に示されるように、バインダー10は、表紙体11と、当該表紙体11の内面側に設けられた綴じ具12とにより構成されている。本実施形態では、両開きタイプの綴じ具12は、リベット13からなる固定具を用いて表紙体11に固定されているが、着脱自在とする公知の固定具若しくは固定構造によって綴じ具12を表紙体11に固定することもできる。ここで、表紙体11は、綴じ具12が固定される背表紙11Aと、当該背表紙11Aの左右両側に連設された表表紙11B及び裏表紙11Cとからなる。
【0018】
前記綴じ具12は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、ステンレス等の金属を素材として形成されている。この綴じ具12は、背表紙11Aの内面側に配置されたベース15と、このベース15に着脱自在に設けられた綴じ込み部材16と、当該綴じ込み部材16をベース15に着脱操作する操作部材17とを含んで構成されている。
【0019】
前記ベース15は、背表紙11Aの幅内に収まる左右幅を有する板状の固定面部19と、この固定面部19の幅方向両側にそれぞれ設けられた支持部20とを含む。固定面部19の面内には、図2にも示されるように、幅方向に延びる二つの補強隆起部19Aが形成されている他、小径穴21A及び大径穴21Bが左右方向に連続する固定用穴21(図2参照)が形成されている。背表紙11Aに対するベース15の固定は、小径穴21A位置を貫通するように固定面部19と背表紙11Aにリベット13を打ち込むことによって行うことができる。
【0020】
前記支持部20は、図3に示されるように、固定面部19の左右両側から略垂直方向に立ち上がる起立部23と、この起立部23の上部を外側に向けるとともに、先端を起立部23の下部外面側に戻るようにカールさせて略円形の内側空間を形成するように設けた管状部24とを備えて構成されている。管状部24は、固定面部19の左右両側において、背表紙11Aの上下方向に沿う二箇所に形成されており、これら管状部24の中間は、起立部23の上端を緩やかに外側に向けて折曲部23Aを形成することで操作部材17の配置スペース26(図3(A)参照)として構成されている。また、管状部24は、完全な閉ループを構成するものではなく、軸方向に沿うスリット28が下部に形成されるように、カールの先端が起立部23の外面に接しない位置で止められている(図3(C)参照)。管状部24は、後述する筒管61の外径よりも少し大きい内径に設けられており、スリット28の幅は操作部材17の板面の厚さより少し大きくなる程度に設定されている。なお、前記折曲部23Aの図3(A)中上下両端とこれに対応する管状部24の端部との間は、空間Sが形成されるように設けられている。また、図3(A)中、下方の管状部24内には、前記起立部23の外面位置を部分的に突出させた凸部23Bがポンチ等によって形成されている。
【0021】
前記綴じ込み部材16は、前記ベース15の左右両側、すなわち支持部20に着脱可能に設けられた左右一対の側部材30と、これら側部材30間に位置する綴じ棒33とにより構成されている。ここで、綴じ棒33は、図2に示されるように、左側の側部材30の相対面から突設された軸35と、右側の側部材30の相対面から突設されたパイプ36とからなり、当該パイプ36に対して軸35を抜き挿し可能に設けた公知の構造が採用されている。
【0022】
前記一対の側部材30は、相互に対称構造を備えたものであり、従って、以下の説明においては、一方の側部材30について説明する。この側部材30は図4ないし図7にも示されるように、中央上部に凹部38を有する側板本体39と、当該側板本体39の下部に設けられるとともに前記支持部20に対して所定位置を保持するように設けられた位置保持部40とを含む。側板本体39の上縁は、外側に向けられた屈曲部39Aとして形成されており、凹部38の底部は後述する操作部材に係り合う被係り部42として形成されている。この被係り部42は、金属板を内側斜め上方に向けた状態で先端部を下方に折り曲げて二枚厚とすることにより形成されている。側板本体39は、図5に示されるように、下方に突出した凸状面部43を一体に備えており、その凸状面部43の下縁側に前記位置保持部40と、突部材45と、前記折曲部23に着座する中央屈曲平面46とが設けられている。また、凸状面部43と側板本体39との境界領域には、図5中左右方向に延びる補強隆起部48が形成されている。
【0023】
前記位置保持部40は、図2、図5に示されるように、凸状面部43の両側に位置して当該凸状面部43の面と直交する面によって構成される一対の端面部50と、これら端面部50に連なるとともに、凸状面部43の内面に対して内向きに設けられて前記管状部24上に位置可能な内向き湾曲面部51と、当該内向き湾曲面部51の隣接位置に設けられるとともに、凸状面部43の外面よりも外側に向けられて前記管状部24上に位置可能な外向き湾曲面部53とにより構成されている。
【0024】
前記突部材45は金属板を内側に折り返して二枚厚に設けられた下向きの突片状をなし、当該突部材45は、前記中央屈曲平面46と外向き湾曲面部53との間にそれぞれ位置するように設けられている。この突部材45は、前記側部材30を支持部20に位置させたときに、当該支持部20の空間S内に位置し、後述するように、操作部材17を操作したときに、上方への押し上げ力を受けることができるようになっている。
【0025】
前記操作部材17は概して板片状をなし、当該操作部材17に一体に設けられて前記管状部24に挿入される筒管61と、前記側部材30の被係り部42に係り合う上部係り部としての爪部63と、側部材30の中央屈曲平面46に係り合う下部係り部としての凸面部64とを備えて構成されている。この凸面部64は、操作部材17の面内部分をパンチして下向きの段部64Aを備えた形状となっている。また、操作部材17は、図8に示されるように、略方形の外形に近似した輪郭を備えた板状をなし、前記爪部63は、中央部に穴66を形成した際の一部上縁側を切り起こすことによって形成され、その先端部には、操作部材17の上端部に設けられた折り返し部68の先端が当接して爪部63を補強するように設けられている。
【0026】
前記筒管61は、操作部材17を形成する金属板の下部を断面略円形となるように曲げ形成することによって形成されている。この筒管61は、操作部材17の図8(A)中左右両側よりもそれぞれ外側に突出する長さを備えているとともに、当該筒管61の各端部近傍位置に切欠縁71Aを備えた切欠部71が形成されている。なお、操作部材17の下部であって筒管61の直近上部位置には、図8(A)に示されるように、端縁位置を内側に凹ませた凹縁73が左右両側に形成されている。これら凹縁73の底部間距離L2は、図3(A)中上下の管状部24の離間距離L1と略等しいか、僅かに小さい距離とされている。
【0027】
次に、本実施形態に係るバインダー10の組み立て方法について図9ないし図12をも参照しながら説明する。
【0028】
操作部材17をベース15に取り付ける場合には、図2中矢印で示すように、支持部20を構成する管状部24の外側端部から操作部材17をそれぞれ挿入する。この際、操作部材17は、図9に示されるように、筒管61が上位となるように反転させた状態とする。これにより、操作部材17の板面が、管状部24の下部に形成されたスリット28(図10参照)内に位置して図9中紙面直交方向に移動可能となり、管状部24に対して筒管61の挿入が許容される。この挿入は、挿入方向先端側に位置する筒管61が、管状部24内に形成されたストッパ23B(図2参照)に突き当たる位置まで行われ、このとき、操作部材17が管状部24間の配置スペース26に位置するとともに、操作部材17の左右両側に位置する凹縁73に管状部24の内側端がそれぞれ相対可能となる。従って、図9に示す位置に対し、操作部材17を同図中矢印方向に所定角度回転させることで、操作部材17は、常に配置スペース26内の位置に保たれ回転可能となる。
【0029】
このようにして配置スペース26内に操作部材17を配置させた状態で、ベース15の固定面部19をリベット13を介して背表紙11Aに固定する。この固定により、操作部材17は、当該操作部材17の板面がスリット28を通過し得る位置に回転不能となり、管状部24間の配置スペース26内に脱落不能となる。
【0030】
一方、綴じ込み部材16を構成するパイプ36に軸35を挿入して左右の側部材30が一体となるように綴じ込み部材16を形成しておき、各側部材30を支持部20上に載せる。これにより、側部材30の下部に設けられた位置保持部40を構成する端面部50,50間に支持部20が位置するようになる。すなわち、内向き湾曲面部51及び外向き湾曲面部53がそれぞれ管状部24上に乗り、更に、中央屈曲平面46が起立部23の上部に設けられた折曲部23A上に乗る状態となる。このとき、突部材45は、筒管61部分を構成する切欠部71内に位置することとなる。
【0031】
操作部材17の爪部63が上位となるように操作部材17を回転させ、前記爪部63が被係り部42を乗り越え、同時に、凸面部64の段部64Aが中央屈曲平面46上に引っ掛かることにより、側部材30が支持部20上に固定され、これにより、綴じ込み部材16がベース15に対して装着されることとなる。
この装着を解除する場合には、操作部材17の上端を外側に向かわせる力を付与すればよい。これにより、前記爪部63が被係り部42を反対側に乗り越え、前記段部64Aが中央屈曲平面46の外側に位置するように移動することとなる(図12参照)。操作部材17の外側への回転操作に際しては、同図に示されるように、所定角度操作部材17を回転させたときに、切欠部71内の切欠縁71Aが突部材45の下端に突き当たることとなり、更に操作部材17を倒伏する方向に回転させることで側部材30に押し上げ力が付与して側部材30を跳ね上げるように作用し、これにより、使用者は、綴じ込み部材16が装着位置から外れたことを感覚的にも把握することができる。
【0032】
従って、このような実施形態によれば、独立した部品となる軸を用いることなく、操作部材17をベース15に回転可能に設けることができ、綴じ込み部材16を構成する側部材30を装着位置に保ったり、その解除を行ったりすることが可能となる。
しかも、綴じ込み部材16の装着状態を解除した際に、当該綴じ込み部材を押し上げて前記解除がなされたことを把握し易いものとすることができる
【0033】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施例に関して特に図示し、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施例に対し、形状、材質、数量、位置若しくは配置等に関して当業者が様々な変更を加えることができるものである。
従って、既に開示した形状等の限定をした記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に示したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状等の限定を一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0034】
例えば、前記実施形態では、綴じ具が金属製である場合を示したが、各構成部材を樹脂成形品で形成できる他、金属製部品と樹脂製部品との組み合わせであってもよい。
また、前記操作部材17と側部材30との係り合い構造は、図示構成例に限定されるものではなく、側部材30を一定位置に保持することができる限り、種々の構造を採用することができる。また、側部材30を上下二箇所に係り合うように操作部材17の係り部を構成したが、上部係り部だけとしてもよい。
また、操作部材17は左右両側に設けずに、片側だけに設けた構成とすることも可能であり、その場合は、操作部材17と反対側に位置する側部材30のベース15への取付方法はどのような手段であってもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向両側に支持部を有するベースと、当該ベースに着脱可能に設けられた一対の側部材及びこれら側部材間に位置する綴じ棒を含む綴じ込み部材と、前記ベースと側部材との間に位置して前記支持部に側部材を着脱操作する操作部材とを含む綴じ具であって、
前記支持部は、軸方向にスリットを備えた一対の管状部により構成されているとともに、当該管状部間に前記操作部材を位置させて当該操作部材を回転可能に支持するように構成され、
前記操作部材は、当該操作部材に一体的に設けられて前記管状部に挿入される筒管を含み、
前記スリットに沿って操作部材を移動して前記筒管を管状部に挿入することで、前記操作部材が管状部間に位置して回転可能に支持されることを特徴とする綴じ具。
【請求項2】
前記操作部材は、前記側部材に係り合う係り部を更に含むことを特徴とする請求項1記載の綴じ具。
【請求項3】
前記係り部は、上部係り部と下部係り部とを含み、これら係り部は、前記側部材の上下二箇所に係り合うように構成されていることを特徴とする請求項2記載の綴じ具。
【請求項4】
前記上部係り部及び下部係り部は、前記操作部材に一体成形されていることを特徴とする請求項3記載の綴じ具。
【請求項5】
前記側部材は、前記操作部材の筒管部分に接触可能な突部材を含み、当該突部材は、前記操作部材と側部材との係り合いを解除する方向に操作部材を所定角度回転させたときに、前記側部材に押し上げ力を付与するように設けられていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の綴じ具。
【請求項6】
表紙体と、当該表紙体の面内に配置された綴じ具とを備えたバインダーにおいて、
前記綴じ具は、幅方向両側に支持部を有するベースと、当該ベースに着脱可能に設けられた一対の側部材及びこれら側部材間に位置する綴じ棒を含む綴じ込み部材と、前記ベースと側部材との間に位置して前記支持部に前記側部材を着脱操作する操作部材とを含み、
前記支持部は、軸方向にスリットを備えた一対の管状部により構成されているとともに、当該管状部間に前記操作部材を位置させて当該操作部材を回転可能に支持するように構成され、
前記操作部材は、当該操作部材に一体的に設けられて前記管状部に挿入される筒管と、前記側部材に係り合う係り部とを含み、
前記スリットに沿って操作部材を移動して前記筒管を管状部に挿入し、前記操作部材を管状部間に位置させた状態で前記ベースを表紙体に固定することで、前記スリットに沿う操作部材の移動を規制して当該操作部材を脱落することなく回転可能に支持することを特徴とするバインダー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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