線状照明装置
【課題】複数の照明装置を用いることなく、影を抑えた照明を行える線状照明装置を提供する。また、意匠性の高い線状照明装置を簡単な構成で実現する。
【解決手段】導光体101と、入射端部101dから入射する光を発光する発光部103と、を備えた線状照明装置100であって、導光体101は、少なくとも一部が湾曲して形成された湾曲部101hを有する。よって、複数の照明装置を用いることなく、影を抑えた照明を行える。また、意匠性の高い線状照明装置を簡単な構成で実現できる。
【解決手段】導光体101と、入射端部101dから入射する光を発光する発光部103と、を備えた線状照明装置100であって、導光体101は、少なくとも一部が湾曲して形成された湾曲部101hを有する。よって、複数の照明装置を用いることなく、影を抑えた照明を行える。また、意匠性の高い線状照明装置を簡単な構成で実現できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線状に形成された導光体により光を導いて照明光を出射する線状照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)が照明光として利用されている。LEDは、低消費電力、長寿命等、多くの利点を有している。LEDを照明光として利用する照明装置として、管状クラッドとコアと反射層とを備えた光伝送チューブ(導光体)を用いて、線状に光を放出する線状照明装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−256813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の線状照明装置では、管状クラッド側周面から光が放出されるので、直線状の光により照明を行うようになっていた。したがって、一方向からのみの照明となり、例えば、陳列された商品を照明するような場合に、ひとつの線状照明装置では、影が生じやすかった。
また、線状の光であることから、いわゆる電気スタンドのような用途に利用しようとすると、従来の蛍光管に相当する部分を置き換えるような形態とすることが必要であった。したがって、設計上の自由度が無く、より意匠性の高い商品を所望する要求に応じることができなかった。
【0005】
本発明の課題は、複数の照明装置を用いることなく、影を抑えた照明を行える線状照明装置を提供することである。
また、本発明の他の課題は、意匠性の高い線状照明装置を簡単な構成で実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0007】
請求項1の発明は、中心側に形成されたコア層(101a)と、前記コア層の周りに設けられ、前記コア層と比較して相対的に屈折率の低いクラッド層(101b)と、前記コア層に隣接し、かつ、線状に形成されている方向に沿って延在して設けられた拡散反射部(101c)と、前記拡散反射部と対向する位置にあって一端の入射端部(101d)から入射して前記拡散反射部により反射した光を出射する出射部(101f)と、を有し、線状に形成された導光体(101)と、前記入射端部から入射する光を発光する発光部(103)と、を備えた線状照明装置(100)であって、前記導光体は、少なくとも一部が湾曲して形成された湾曲部(101h)を有すること、を特徴とする線状照明装置(100)である。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の線状照明装置において、前記湾曲部(101h)は、前記出射部(101f)から出射する光と前記出射端部(101e)から出射する光との少なくとも一部が同じ空間を照明するように湾曲していること、を特徴とする線状照明装置(100)である。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の線状照明装置において、前記湾曲部(101h)は、前記拡散反射部(101c)が形成されている側が外側となるように湾曲していること、を特徴とする線状照明装置(100)である。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2に記載の線状照明装置において、前記湾曲部(301h)は、前記拡散反射部(301c)が形成されている側が内側となるように湾曲していること、を特徴とする線状照明装置(300)である。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の線状照明装置において、前記湾曲部(201h1,201h2)は、複数箇所設けられていること、を特徴とする線状照明装置(200)である。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の線状照明装置において、前記入射端部(101d)は、前記発光部(103)が収容されているベース部材(102)に対して回転可能に取り付けられていること、を特徴とする線状照明装置(100)である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
【0014】
(1)線状照明装置の導光体は、少なくとも一部が湾曲して形成された湾曲部を有するので、複数の照明装置を用いることなく、影を抑えた照明を行える。また、意匠性の高い線状照明装置を簡単な構成で実現できる。
【0015】
(2)線状照明装置の湾曲部は、出射部から出射する光と出射端部から出射する光との少なくとも一部が同じ空間を照明するように湾曲しているので、複数の照明装置を用いることなく、影を抑えた照明を行える。
【0016】
(3)線状照明装置の湾曲部は、拡散反射部が形成されている側が外側となるように湾曲しているので、湾曲している部分から出射する光が物体を様々な方向から照明して、影を抑えた照明を行える。
【0017】
(4)線状照明装置の湾曲部は、拡散反射部が形成されている側が内側となるように湾曲しているので、より広い範囲を様々な方向から照明することを、簡単な構成の線状照明装置ひとつのみで実現できる。
【0018】
(5)線状照明装置の湾曲部は、複数箇所設けられているので、より多くの方向から光を投光する照明を行うことができ、影を抑える効果を高めることができる。
【0019】
(6)線状照明装置の入射端部は、発光部が収容されているベース部材に対して回転可能に取り付けられているので、ベース部材を固定して使用するような場合であっても、簡単に照明する方向を変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による線状照明装置の第1実施形態を示す図である。
【図2】図1中の線I−Iに沿って切断した断面図である。
【図3】導光体101内の光の挙動を説明する図である。
【図4】第1実施形態の線状照明装置100における照明光の照射状態を示す図である。
【図5】第1実施形態の線状照明装置100の他の使用形態を示す図である。
【図6】図5に示した線状照明装置100の使用形態を実際の使用状況に沿って示した図である。
【図7】第1実施形態の線状照明装置100のさらに他の使用形態を示す図である。
【図8】本発明による線状照明装置の第2実施形態を示す図である。
【図9】本発明による線状照明装置の第3実施形態を示す図である。
【図10】本発明による線状照明装置の第4実施形態を示す図である。
【図11】本発明による線状照明装置の第5実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
【0022】
(第1実施形態)
図1は、本発明による線状照明装置の第1実施形態を示す図である。図1(a)は、正面図を示し、図1(b)は、左側面図を示し、図1(c)は、上面図を示している。
図2は、図1中の線I−Iに沿って切断した断面図である。
なお、図1及び図2を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
【0023】
線状照明装置100は、導光体101と、ベース部材102と、発光部103とを備えている。
導光体101は、直線状に形成された直線部101gと、湾曲して形成された湾曲部101hとを有している。導光体101は、線状に形成された一端である入射端部101dから入射する光が内部を進みながら後述する出射部101fと、出射端部101eとから適宜出射することにより、照明光を出射する。導光体101の詳細については、後述する。
【0024】
ベース部材102は、発光部103を収容し、導光体101の入射端部101dを回転可能に支持している。本実施形態では、導光体101は、ベース部材102に設けられた挿入孔102aに対して挿入しただけで支持するようにしている。したがって、導光体101は、ベース部材102に対して回転自在である。また、必要に応じて、導光体101を取り外して、形態の異なる他の導光体を装着することも容易である。なお、導光体101がベース部材102から不用意に抜けないように、抜け止め等を設けてもよいし、回転機能が不要な場合には、固定してもよい。
【0025】
発光部103は、導光体101の軸線に直交する方向の断面において、導光体101の略中央に対応する位置となるように、入射端部101dに隣接して不図示の基板等に実装されている発光ダイオードである。発光部103は、ベース部材102に設けられた収容空間102bに収容されている。発光部103へは、不図示の配線部材により、外部から発光に必要な電力が供給される。
【0026】
図3は、導光体101内の光の挙動を説明する図である。図3(a)は、図2と同様に線状照明装置100を軸線に沿って切断して拡大した部分断面図であり、図3(b)は、図3(a)中の線II−IIに沿って切断した断面図である。
導光体101は、コア層101aと、クラッド層101bと、拡散反射部101cとを有している。
【0027】
コア層101aは、略円柱状に形成されている。コア層101aには、例えば、アクリル系樹脂のように光透過性の高い透明樹脂材料等が用いられる。
クラッド層101bは、コア層101aの円筒外周面を覆うように形成されている。クラッド層101bには、コア層101aと比べて相対的に屈折率の低い透明樹脂材料、例えば、アクリル系樹脂が用いられる。コア層101aとクラッド層101bとの間の境界面では、発光部103から入射端部101dへ入射した光を全反射する。これにより、光は、コア層101a内を出射端部101e方向へ伝わる。
【0028】
拡散反射部101cは、コア層101aとクラッド層101bとの間に設けられており、所定の幅を保って導光体101の軸線に沿った方向に延在している。拡散反射部101cは、例えば、白色の塗料や樹脂により形成されており、導光体101中を伝わる光の一部を拡散反射する。拡散反射部101cにより拡散反射した光の一部は、コア層101aとクラッド層101bとの間の境界面で全反射条件を満たさずに、導光体101の出射部101fから出射する。出射部101fは、拡散反射部101cと対向した位置となる。また、湾曲部101hは、拡散反射部101cが外側となるように湾曲している。
【0029】
図3では、直線部101gの部分を拡大して示しているが、湾曲部101hにおいても、直線部101gの場合と同様である。なお、湾曲部101hにおいては、湾曲していることにより、コア層101aとクラッド層101bとの境界に到達する光の入射角が直線部101gとは異なる。したがって、湾曲部101hの曲率を適宜設定することにより、湾曲部101hの出射部101fから出射する光の量を設定可能である。また、湾曲部101hの曲率は、コア層101aとクラッド層101bとの境界における全反射を妨げて不要な方向から光が出射しないように設定することが必要である。
【0030】
出射部101fから出射せずに進む光は、出射端部101eから出射する。なお、拡散反射部101cは、コア層101aに隣接して設けられていれば、コア層101aとクラッド層101bとの間に設けられていなくてもよい。
【0031】
図4は、第1実施形態の線状照明装置100における照明光の照射状態を示す図である。図4(a)は、正面図を示し、図4(b)は、上面図を示している。
図4において、矢印は、導光体101から出射する光を示している。
直線部101gからは、従来の線状照明装置の場合と同様に、略同一方向(図4中では、右方向)へ広がりながら進む光(以下、直線照明光と呼ぶ)が線状に出射される。
湾曲部101hからは、湾曲形状の中心に向かって光(以下、湾曲照明光と呼ぶ)が出射される。
出射端部101eからは、略円錐形状に広がりながら進む光(以下、端部照明光と呼ぶ)が、出射される。
【0032】
図5は、第1実施形態の線状照明装置100の他の使用形態を示す図である。図5(a)は、正面図を示し、図5(b)は、側面図を示している。
図6は、図5に示した線状照明装置100の使用形態を実際の使用状況に沿って示した図である。
図5及び図6に示した使用形態は、ベース部材102の底面を垂直な壁面Wに固定して、テーブル面T上を照明する場合を想定している。図5(b)において、範囲A1は、直線部101g及び湾曲部101hの出射部101fから出射する光に照明されるテーブル面T上の範囲を示し、範囲A2は、出射端部101eから出射する光に照明されるテーブル面T上の範囲を示している。
このような使用形態では、出射部101fから出射する光と出射端部101eから出射する光とが混合して、より一層影の生じにくい照明となり、例えば、検査照明や、細かい作業用の照明等に適した形態である。また、店舗等の商品照明に用いても、多くの角度から照明光を投光できるので、商品Cを際立たせる効果を期待できる。
【0033】
図7は、第1実施形態の線状照明装置100のさらに他の使用形態を示す図である。
図7に示すような形態で線状照明装置100を使用することにより、壁面Wを様々な角度から照明することができる。
【0034】
このように、第1実施形態の線状照明装置100によれば、これら、直線照明光と、湾曲照明光と、端部照明光とが、同じ空間で互いに重なって照明するようになる。したがって、照明対象物の影を抑えた照明を行える。また、線状照明装置100は、導光体101がベース部材102に対して回転可能であるので、ベース部材102を固定して設置した場合であっても、照明する方向を容易に変更可能である。さらに、線状照明装置100は、上述したような影を抑えた照明を、簡単な構成により実現できる。さらにまた、線状照明装置100は、従来のいわゆる電気スタンドのようなアーム部分や傘部分等がなく、ベース部材を除けば、一本の導光体101だけであり、光が出射していない部分は、透明に見えるという、非常に意匠性の高い形態を簡単で安価な構成により実現できる。その上、線状照明装置100は、従来のいわゆる電気スタンドと比較して、非常に軽く、小型に作製できる。
【0035】
(第2実施形態)
図8は、本発明による線状照明装置の第2実施形態を示す図である。
第2実施形態の線状照明装置200は、湾曲部201h1と湾曲部201h2とのふたつの湾曲部を有している他は、第1実施形態の線状照明装置100と同様である。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分は、重複する説明を適宜省略する。
【0036】
第2実施形態の線状照明装置200の導光体201には、湾曲部201h1と、直線部201gと、湾曲部201h2とが、この順で並んで形成されている。
湾曲部201h1は、一端の入射端部201dがベース部材202に挿入されている。湾曲部201h1は、略90度湾曲して直線部201gへとつながっている。
直線部201gは、湾曲部201h1と湾曲部201h2との間に配置されている。
湾曲部201h2は、直線部201gからつながっており、他端に出射端部201eが形成されている。
湾曲部201h1と湾曲部201h2とは、いずれも湾曲する方向が、第1実施形態と同様に、拡散反射部201cが外側となるように湾曲している。
【0037】
第2実施形態によれば、線状照明装置200は、第1実施形態と同様な簡単な構成でありながら、第1実施形態よりもさらに多くの方向から照明を行うことができ、より一層影の生じにくい照明を行える。
【0038】
(第3実施形態)
図9は、本発明による線状照明装置の第3実施形態を示す図である。
第3実施形態の線状照明装置300は、湾曲部301hの湾曲する方向が第1実施形態と異なる他は、第1実施形態の線状照明装置100と同様である。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分は、重複する説明を適宜省略する。
【0039】
第3実施形態の線状照明装置300の導光体301は、第1実施形態と同様に、直線部301gの一端の入射端部301dがベース部材302に挿入され、湾曲部301hの先端に出射端部301eが設けられている。ただし、第3実施形態の湾曲部301hは、拡散反射部301cが内側となるように湾曲している点が、第1実施形態と異なっている。したがって、湾曲部301hでは、湾曲している外側方向に向かって光が出射するようになる。
【0040】
第3実施形態によれば、線状照明装置300は、出射部301fから出射する光と、出射端部301eから出射する光とを、それぞれ別の方向に出射させるので、間接照明とスポット照明との両方の照明効果を、簡単な構成の線状照明装置300ひとつのみで実現できる。
【0041】
(第4実施形態)
図10は、本発明による線状照明装置の第4実施形態を示す図である。
第4実施形態の線状照明装置400は、湾曲部401hの湾曲する量(角度)が第1実施形態よりも小さく、また、湾曲部401hを挟んで、直線部401g1と直線部401g2との2つ設けられている他は、第1実施形態の線状照明装置100と同様である。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分は、重複する説明を適宜省略する。
【0042】
第4実施形態の線状照明装置400の導光体401は、第1実施形態と同様に、直線部401g1の一端の入射端部401dがベース部材402に挿入され、直線部401g2の先端に出射端部401eが設けられている。
湾曲部401hの湾曲する量(角度)は、略54度であり、第1実施形態の湾曲部101hと比べて少ないので、出射端部401eから出射する光は、上方に向かって出射する。したがって、直線部401g1及び直線部401g2と、湾曲部401hとから出射する光、すなわち、これらの部分に設けられている出射部401fから出射する光は、出射端部401eから出射する光と重ならない。
【0043】
第4実施形態によれば、線状照明装置400は、湾曲部401hから出射する光と、それぞれ異なる方向に延在する直線部401g1及び直線部401g2からそれぞれ出射する光とを、それぞれ別の方向に出射させるので、直線照明光と、湾曲照明光とが、同じ空間で互いに重なって照明するようになる。したがって、照明対象物の影を抑えた照明を行える。また、出射端部401eから出射する光は、湾曲部401hと、直線部401g1及び直線部401g2とから出射する光とは、全く別の方向を照明することができる。
【0044】
(第5実施形態)
図11は、本発明による線状照明装置の第5実施形態を示す図である。
第5実施形態の線状照明装置500は、第4実施形態における直線部401g2に相当する部分が設けられていない他は、第4実施形態と同様である。よって、前述した第4実施形態と同様の機能を果たす部分は、重複する説明を適宜省略する。
【0045】
第5実施形態の線状照明装置400の導光体401は、第4実施形態と同様に、直線部501gの一端の入射端部501dがベース部材502に挿入され、湾曲部501hの先端に出射端部501eが設けられている。
出射端部501eから出射する光は、上方に向かって出射する。したがって、直線部501gと湾曲部501hとから出射する光、すなわち、これらの部分に設けられている出射部501fから出射する光は、出射端部501eから出射する光と重ならない。
【0046】
第5実施形態によれば、線状照明装置500は、湾曲部501hから出射する光と、直線部501gから出射する光とを、それぞれ別の方向に出射させるので、直線照明光と、湾曲照明光とが、同じ空間で互いに重なって照明するようになる。したがって、照明対象物の影を抑えた照明を行える。また、出射端部501eから出射する光は、湾曲部501hと直線部501gとから出射する光とは、全く別の方向を照明することができる。
【0047】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
【0048】
(1)各実施形態において、湾曲部は単純な円弧形状とした例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、より複雑な曲線を描くように湾曲させてもよいし、さらに多数の湾曲形状を組み合わせてもよい。
【0049】
(2)各実施形態において、ベース部材102、202、302には、電源を含めない例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、電源回路を含めてもよいし、バッテリーを含めるような形態としてもよい。
【0050】
(3)各実施形態において、導光体の発光部とは反対側の端部は、出射端部とする例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、導光体の発光部とは反対側の端部に反射部を設け、この部分に到達する光をこの部分から出射させずに、反射させて発光部方向へ戻してもよい。
【0051】
なお、第1実施形態から第5実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
【符号の説明】
【0052】
100,200,300,400,500 線状照明装置
101,201,301,401,501 導光体
101a コア層
101b クラッド層
101c,201c,301c 拡散反射部
101d,201d,301d,401d,501d 入射端部
101e,201e,301e,401e,501e 出射端部
101f,301f,401f,501f 出射部
101g,201g,301g,401g1,401g2,501g 直線部
101h,201h1,201h2,301h,401h,501h 湾曲部
102,202,302,402,502 ベース部材
102a 挿入孔
102b 収容空間
103 発光部
T テーブル面
W 壁面
【技術分野】
【0001】
本発明は、線状に形成された導光体により光を導いて照明光を出射する線状照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)が照明光として利用されている。LEDは、低消費電力、長寿命等、多くの利点を有している。LEDを照明光として利用する照明装置として、管状クラッドとコアと反射層とを備えた光伝送チューブ(導光体)を用いて、線状に光を放出する線状照明装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−256813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の線状照明装置では、管状クラッド側周面から光が放出されるので、直線状の光により照明を行うようになっていた。したがって、一方向からのみの照明となり、例えば、陳列された商品を照明するような場合に、ひとつの線状照明装置では、影が生じやすかった。
また、線状の光であることから、いわゆる電気スタンドのような用途に利用しようとすると、従来の蛍光管に相当する部分を置き換えるような形態とすることが必要であった。したがって、設計上の自由度が無く、より意匠性の高い商品を所望する要求に応じることができなかった。
【0005】
本発明の課題は、複数の照明装置を用いることなく、影を抑えた照明を行える線状照明装置を提供することである。
また、本発明の他の課題は、意匠性の高い線状照明装置を簡単な構成で実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0007】
請求項1の発明は、中心側に形成されたコア層(101a)と、前記コア層の周りに設けられ、前記コア層と比較して相対的に屈折率の低いクラッド層(101b)と、前記コア層に隣接し、かつ、線状に形成されている方向に沿って延在して設けられた拡散反射部(101c)と、前記拡散反射部と対向する位置にあって一端の入射端部(101d)から入射して前記拡散反射部により反射した光を出射する出射部(101f)と、を有し、線状に形成された導光体(101)と、前記入射端部から入射する光を発光する発光部(103)と、を備えた線状照明装置(100)であって、前記導光体は、少なくとも一部が湾曲して形成された湾曲部(101h)を有すること、を特徴とする線状照明装置(100)である。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の線状照明装置において、前記湾曲部(101h)は、前記出射部(101f)から出射する光と前記出射端部(101e)から出射する光との少なくとも一部が同じ空間を照明するように湾曲していること、を特徴とする線状照明装置(100)である。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の線状照明装置において、前記湾曲部(101h)は、前記拡散反射部(101c)が形成されている側が外側となるように湾曲していること、を特徴とする線状照明装置(100)である。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2に記載の線状照明装置において、前記湾曲部(301h)は、前記拡散反射部(301c)が形成されている側が内側となるように湾曲していること、を特徴とする線状照明装置(300)である。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の線状照明装置において、前記湾曲部(201h1,201h2)は、複数箇所設けられていること、を特徴とする線状照明装置(200)である。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の線状照明装置において、前記入射端部(101d)は、前記発光部(103)が収容されているベース部材(102)に対して回転可能に取り付けられていること、を特徴とする線状照明装置(100)である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
【0014】
(1)線状照明装置の導光体は、少なくとも一部が湾曲して形成された湾曲部を有するので、複数の照明装置を用いることなく、影を抑えた照明を行える。また、意匠性の高い線状照明装置を簡単な構成で実現できる。
【0015】
(2)線状照明装置の湾曲部は、出射部から出射する光と出射端部から出射する光との少なくとも一部が同じ空間を照明するように湾曲しているので、複数の照明装置を用いることなく、影を抑えた照明を行える。
【0016】
(3)線状照明装置の湾曲部は、拡散反射部が形成されている側が外側となるように湾曲しているので、湾曲している部分から出射する光が物体を様々な方向から照明して、影を抑えた照明を行える。
【0017】
(4)線状照明装置の湾曲部は、拡散反射部が形成されている側が内側となるように湾曲しているので、より広い範囲を様々な方向から照明することを、簡単な構成の線状照明装置ひとつのみで実現できる。
【0018】
(5)線状照明装置の湾曲部は、複数箇所設けられているので、より多くの方向から光を投光する照明を行うことができ、影を抑える効果を高めることができる。
【0019】
(6)線状照明装置の入射端部は、発光部が収容されているベース部材に対して回転可能に取り付けられているので、ベース部材を固定して使用するような場合であっても、簡単に照明する方向を変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による線状照明装置の第1実施形態を示す図である。
【図2】図1中の線I−Iに沿って切断した断面図である。
【図3】導光体101内の光の挙動を説明する図である。
【図4】第1実施形態の線状照明装置100における照明光の照射状態を示す図である。
【図5】第1実施形態の線状照明装置100の他の使用形態を示す図である。
【図6】図5に示した線状照明装置100の使用形態を実際の使用状況に沿って示した図である。
【図7】第1実施形態の線状照明装置100のさらに他の使用形態を示す図である。
【図8】本発明による線状照明装置の第2実施形態を示す図である。
【図9】本発明による線状照明装置の第3実施形態を示す図である。
【図10】本発明による線状照明装置の第4実施形態を示す図である。
【図11】本発明による線状照明装置の第5実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
【0022】
(第1実施形態)
図1は、本発明による線状照明装置の第1実施形態を示す図である。図1(a)は、正面図を示し、図1(b)は、左側面図を示し、図1(c)は、上面図を示している。
図2は、図1中の線I−Iに沿って切断した断面図である。
なお、図1及び図2を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
【0023】
線状照明装置100は、導光体101と、ベース部材102と、発光部103とを備えている。
導光体101は、直線状に形成された直線部101gと、湾曲して形成された湾曲部101hとを有している。導光体101は、線状に形成された一端である入射端部101dから入射する光が内部を進みながら後述する出射部101fと、出射端部101eとから適宜出射することにより、照明光を出射する。導光体101の詳細については、後述する。
【0024】
ベース部材102は、発光部103を収容し、導光体101の入射端部101dを回転可能に支持している。本実施形態では、導光体101は、ベース部材102に設けられた挿入孔102aに対して挿入しただけで支持するようにしている。したがって、導光体101は、ベース部材102に対して回転自在である。また、必要に応じて、導光体101を取り外して、形態の異なる他の導光体を装着することも容易である。なお、導光体101がベース部材102から不用意に抜けないように、抜け止め等を設けてもよいし、回転機能が不要な場合には、固定してもよい。
【0025】
発光部103は、導光体101の軸線に直交する方向の断面において、導光体101の略中央に対応する位置となるように、入射端部101dに隣接して不図示の基板等に実装されている発光ダイオードである。発光部103は、ベース部材102に設けられた収容空間102bに収容されている。発光部103へは、不図示の配線部材により、外部から発光に必要な電力が供給される。
【0026】
図3は、導光体101内の光の挙動を説明する図である。図3(a)は、図2と同様に線状照明装置100を軸線に沿って切断して拡大した部分断面図であり、図3(b)は、図3(a)中の線II−IIに沿って切断した断面図である。
導光体101は、コア層101aと、クラッド層101bと、拡散反射部101cとを有している。
【0027】
コア層101aは、略円柱状に形成されている。コア層101aには、例えば、アクリル系樹脂のように光透過性の高い透明樹脂材料等が用いられる。
クラッド層101bは、コア層101aの円筒外周面を覆うように形成されている。クラッド層101bには、コア層101aと比べて相対的に屈折率の低い透明樹脂材料、例えば、アクリル系樹脂が用いられる。コア層101aとクラッド層101bとの間の境界面では、発光部103から入射端部101dへ入射した光を全反射する。これにより、光は、コア層101a内を出射端部101e方向へ伝わる。
【0028】
拡散反射部101cは、コア層101aとクラッド層101bとの間に設けられており、所定の幅を保って導光体101の軸線に沿った方向に延在している。拡散反射部101cは、例えば、白色の塗料や樹脂により形成されており、導光体101中を伝わる光の一部を拡散反射する。拡散反射部101cにより拡散反射した光の一部は、コア層101aとクラッド層101bとの間の境界面で全反射条件を満たさずに、導光体101の出射部101fから出射する。出射部101fは、拡散反射部101cと対向した位置となる。また、湾曲部101hは、拡散反射部101cが外側となるように湾曲している。
【0029】
図3では、直線部101gの部分を拡大して示しているが、湾曲部101hにおいても、直線部101gの場合と同様である。なお、湾曲部101hにおいては、湾曲していることにより、コア層101aとクラッド層101bとの境界に到達する光の入射角が直線部101gとは異なる。したがって、湾曲部101hの曲率を適宜設定することにより、湾曲部101hの出射部101fから出射する光の量を設定可能である。また、湾曲部101hの曲率は、コア層101aとクラッド層101bとの境界における全反射を妨げて不要な方向から光が出射しないように設定することが必要である。
【0030】
出射部101fから出射せずに進む光は、出射端部101eから出射する。なお、拡散反射部101cは、コア層101aに隣接して設けられていれば、コア層101aとクラッド層101bとの間に設けられていなくてもよい。
【0031】
図4は、第1実施形態の線状照明装置100における照明光の照射状態を示す図である。図4(a)は、正面図を示し、図4(b)は、上面図を示している。
図4において、矢印は、導光体101から出射する光を示している。
直線部101gからは、従来の線状照明装置の場合と同様に、略同一方向(図4中では、右方向)へ広がりながら進む光(以下、直線照明光と呼ぶ)が線状に出射される。
湾曲部101hからは、湾曲形状の中心に向かって光(以下、湾曲照明光と呼ぶ)が出射される。
出射端部101eからは、略円錐形状に広がりながら進む光(以下、端部照明光と呼ぶ)が、出射される。
【0032】
図5は、第1実施形態の線状照明装置100の他の使用形態を示す図である。図5(a)は、正面図を示し、図5(b)は、側面図を示している。
図6は、図5に示した線状照明装置100の使用形態を実際の使用状況に沿って示した図である。
図5及び図6に示した使用形態は、ベース部材102の底面を垂直な壁面Wに固定して、テーブル面T上を照明する場合を想定している。図5(b)において、範囲A1は、直線部101g及び湾曲部101hの出射部101fから出射する光に照明されるテーブル面T上の範囲を示し、範囲A2は、出射端部101eから出射する光に照明されるテーブル面T上の範囲を示している。
このような使用形態では、出射部101fから出射する光と出射端部101eから出射する光とが混合して、より一層影の生じにくい照明となり、例えば、検査照明や、細かい作業用の照明等に適した形態である。また、店舗等の商品照明に用いても、多くの角度から照明光を投光できるので、商品Cを際立たせる効果を期待できる。
【0033】
図7は、第1実施形態の線状照明装置100のさらに他の使用形態を示す図である。
図7に示すような形態で線状照明装置100を使用することにより、壁面Wを様々な角度から照明することができる。
【0034】
このように、第1実施形態の線状照明装置100によれば、これら、直線照明光と、湾曲照明光と、端部照明光とが、同じ空間で互いに重なって照明するようになる。したがって、照明対象物の影を抑えた照明を行える。また、線状照明装置100は、導光体101がベース部材102に対して回転可能であるので、ベース部材102を固定して設置した場合であっても、照明する方向を容易に変更可能である。さらに、線状照明装置100は、上述したような影を抑えた照明を、簡単な構成により実現できる。さらにまた、線状照明装置100は、従来のいわゆる電気スタンドのようなアーム部分や傘部分等がなく、ベース部材を除けば、一本の導光体101だけであり、光が出射していない部分は、透明に見えるという、非常に意匠性の高い形態を簡単で安価な構成により実現できる。その上、線状照明装置100は、従来のいわゆる電気スタンドと比較して、非常に軽く、小型に作製できる。
【0035】
(第2実施形態)
図8は、本発明による線状照明装置の第2実施形態を示す図である。
第2実施形態の線状照明装置200は、湾曲部201h1と湾曲部201h2とのふたつの湾曲部を有している他は、第1実施形態の線状照明装置100と同様である。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分は、重複する説明を適宜省略する。
【0036】
第2実施形態の線状照明装置200の導光体201には、湾曲部201h1と、直線部201gと、湾曲部201h2とが、この順で並んで形成されている。
湾曲部201h1は、一端の入射端部201dがベース部材202に挿入されている。湾曲部201h1は、略90度湾曲して直線部201gへとつながっている。
直線部201gは、湾曲部201h1と湾曲部201h2との間に配置されている。
湾曲部201h2は、直線部201gからつながっており、他端に出射端部201eが形成されている。
湾曲部201h1と湾曲部201h2とは、いずれも湾曲する方向が、第1実施形態と同様に、拡散反射部201cが外側となるように湾曲している。
【0037】
第2実施形態によれば、線状照明装置200は、第1実施形態と同様な簡単な構成でありながら、第1実施形態よりもさらに多くの方向から照明を行うことができ、より一層影の生じにくい照明を行える。
【0038】
(第3実施形態)
図9は、本発明による線状照明装置の第3実施形態を示す図である。
第3実施形態の線状照明装置300は、湾曲部301hの湾曲する方向が第1実施形態と異なる他は、第1実施形態の線状照明装置100と同様である。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分は、重複する説明を適宜省略する。
【0039】
第3実施形態の線状照明装置300の導光体301は、第1実施形態と同様に、直線部301gの一端の入射端部301dがベース部材302に挿入され、湾曲部301hの先端に出射端部301eが設けられている。ただし、第3実施形態の湾曲部301hは、拡散反射部301cが内側となるように湾曲している点が、第1実施形態と異なっている。したがって、湾曲部301hでは、湾曲している外側方向に向かって光が出射するようになる。
【0040】
第3実施形態によれば、線状照明装置300は、出射部301fから出射する光と、出射端部301eから出射する光とを、それぞれ別の方向に出射させるので、間接照明とスポット照明との両方の照明効果を、簡単な構成の線状照明装置300ひとつのみで実現できる。
【0041】
(第4実施形態)
図10は、本発明による線状照明装置の第4実施形態を示す図である。
第4実施形態の線状照明装置400は、湾曲部401hの湾曲する量(角度)が第1実施形態よりも小さく、また、湾曲部401hを挟んで、直線部401g1と直線部401g2との2つ設けられている他は、第1実施形態の線状照明装置100と同様である。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分は、重複する説明を適宜省略する。
【0042】
第4実施形態の線状照明装置400の導光体401は、第1実施形態と同様に、直線部401g1の一端の入射端部401dがベース部材402に挿入され、直線部401g2の先端に出射端部401eが設けられている。
湾曲部401hの湾曲する量(角度)は、略54度であり、第1実施形態の湾曲部101hと比べて少ないので、出射端部401eから出射する光は、上方に向かって出射する。したがって、直線部401g1及び直線部401g2と、湾曲部401hとから出射する光、すなわち、これらの部分に設けられている出射部401fから出射する光は、出射端部401eから出射する光と重ならない。
【0043】
第4実施形態によれば、線状照明装置400は、湾曲部401hから出射する光と、それぞれ異なる方向に延在する直線部401g1及び直線部401g2からそれぞれ出射する光とを、それぞれ別の方向に出射させるので、直線照明光と、湾曲照明光とが、同じ空間で互いに重なって照明するようになる。したがって、照明対象物の影を抑えた照明を行える。また、出射端部401eから出射する光は、湾曲部401hと、直線部401g1及び直線部401g2とから出射する光とは、全く別の方向を照明することができる。
【0044】
(第5実施形態)
図11は、本発明による線状照明装置の第5実施形態を示す図である。
第5実施形態の線状照明装置500は、第4実施形態における直線部401g2に相当する部分が設けられていない他は、第4実施形態と同様である。よって、前述した第4実施形態と同様の機能を果たす部分は、重複する説明を適宜省略する。
【0045】
第5実施形態の線状照明装置400の導光体401は、第4実施形態と同様に、直線部501gの一端の入射端部501dがベース部材502に挿入され、湾曲部501hの先端に出射端部501eが設けられている。
出射端部501eから出射する光は、上方に向かって出射する。したがって、直線部501gと湾曲部501hとから出射する光、すなわち、これらの部分に設けられている出射部501fから出射する光は、出射端部501eから出射する光と重ならない。
【0046】
第5実施形態によれば、線状照明装置500は、湾曲部501hから出射する光と、直線部501gから出射する光とを、それぞれ別の方向に出射させるので、直線照明光と、湾曲照明光とが、同じ空間で互いに重なって照明するようになる。したがって、照明対象物の影を抑えた照明を行える。また、出射端部501eから出射する光は、湾曲部501hと直線部501gとから出射する光とは、全く別の方向を照明することができる。
【0047】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
【0048】
(1)各実施形態において、湾曲部は単純な円弧形状とした例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、より複雑な曲線を描くように湾曲させてもよいし、さらに多数の湾曲形状を組み合わせてもよい。
【0049】
(2)各実施形態において、ベース部材102、202、302には、電源を含めない例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、電源回路を含めてもよいし、バッテリーを含めるような形態としてもよい。
【0050】
(3)各実施形態において、導光体の発光部とは反対側の端部は、出射端部とする例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、導光体の発光部とは反対側の端部に反射部を設け、この部分に到達する光をこの部分から出射させずに、反射させて発光部方向へ戻してもよい。
【0051】
なお、第1実施形態から第5実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
【符号の説明】
【0052】
100,200,300,400,500 線状照明装置
101,201,301,401,501 導光体
101a コア層
101b クラッド層
101c,201c,301c 拡散反射部
101d,201d,301d,401d,501d 入射端部
101e,201e,301e,401e,501e 出射端部
101f,301f,401f,501f 出射部
101g,201g,301g,401g1,401g2,501g 直線部
101h,201h1,201h2,301h,401h,501h 湾曲部
102,202,302,402,502 ベース部材
102a 挿入孔
102b 収容空間
103 発光部
T テーブル面
W 壁面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心側に形成されたコア層と、前記コア層の周りに設けられ、前記コア層と比較して相対的に屈折率の低いクラッド層と、前記コア層に隣接し、かつ、線状に形成されている方向に沿って延在して設けられた拡散反射部と、前記拡散反射部と対向する位置にあって一端の入射端部から入射して前記拡散反射部により反射した光を出射する出射部と、を有し、線状に形成された導光体と、
前記入射端部から入射する光を発光する発光部と、
を備えた線状照明装置であって、
前記導光体は、少なくとも一部が湾曲して形成された湾曲部を有すること、
を特徴とする線状照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の線状照明装置において、
前記湾曲部は、前記出射部から出射する光と前記出射端部から出射する光との少なくとも一部が同じ空間を照明するように湾曲していること、
を特徴とする線状照明装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の線状照明装置において、
前記湾曲部は、前記拡散反射部が形成されている側が外側となるように湾曲していること、
を特徴とする線状照明装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の線状照明装置において、
前記湾曲部は、前記拡散反射部が形成されている側が内側となるように湾曲していること、
を特徴とする線状照明装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の線状照明装置において、
前記湾曲部は、複数箇所設けられていること、
を特徴とする線状照明装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の線状照明装置において、
前記入射端部は、前記発光部が収容されているベース部材に対して回転可能に取り付けられていること、
を特徴とする線状照明装置。
【請求項1】
中心側に形成されたコア層と、前記コア層の周りに設けられ、前記コア層と比較して相対的に屈折率の低いクラッド層と、前記コア層に隣接し、かつ、線状に形成されている方向に沿って延在して設けられた拡散反射部と、前記拡散反射部と対向する位置にあって一端の入射端部から入射して前記拡散反射部により反射した光を出射する出射部と、を有し、線状に形成された導光体と、
前記入射端部から入射する光を発光する発光部と、
を備えた線状照明装置であって、
前記導光体は、少なくとも一部が湾曲して形成された湾曲部を有すること、
を特徴とする線状照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の線状照明装置において、
前記湾曲部は、前記出射部から出射する光と前記出射端部から出射する光との少なくとも一部が同じ空間を照明するように湾曲していること、
を特徴とする線状照明装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の線状照明装置において、
前記湾曲部は、前記拡散反射部が形成されている側が外側となるように湾曲していること、
を特徴とする線状照明装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の線状照明装置において、
前記湾曲部は、前記拡散反射部が形成されている側が内側となるように湾曲していること、
を特徴とする線状照明装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の線状照明装置において、
前記湾曲部は、複数箇所設けられていること、
を特徴とする線状照明装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の線状照明装置において、
前記入射端部は、前記発光部が収容されているベース部材に対して回転可能に取り付けられていること、
を特徴とする線状照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−93213(P2013−93213A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234628(P2011−234628)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(309034766)株式会社e−SP (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(309034766)株式会社e−SP (5)
【Fターム(参考)】
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