説明

線香花火セット

【課題】 線香花火の持つ独特の雰囲気を十分に楽しむことができ、線香花火が湿気を吸って火花がよく飛ばないなどの不都合が生じるのを防止でき、しかも、火薬の臭いが鼻につくこともない線香花火セットを提供することにある。
【解決手段】
線香花火セット1は、線香花火11を有し、この線香花火11を収容する箱21と、当該線香花火11と一緒に当該箱21に収容する炭片31と乾燥剤41とから成る。特に、箱21が桐製の蓋付き箱とされるとともに、炭片31を竹炭とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線香花火セットに関する。
【背景技術】
【0002】
夏の花火の定番ともいえるのは線香花火である。町のおもちゃ店などで、線香花火は透明のフィルム袋や紙袋などに入れて線香花火セットで販売されている。最近では、インターネットのホームページなどを利用しても線香花火セットを購入できるようになっている(例えば、非特許文献1参照)。
【非特許文献1】http://www.sun-inet.or.jp/~otaenka/senkou.html
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記した市販されている線香花火セットは、袋の中に無造作に収容されており、線香花火の持つ独特の雰囲気を十分に感じられるものではない。また、袋の中の線香花火が空気中の湿気を吸ってしまい、火花がよく飛ばないなどの不都合が生じやすい。また、袋を開けた際に、火薬を臭いが鼻につくことがある。
【0004】
本発明の目的は、線香花火の持つ独特の雰囲気を十分に楽しむことができ、線香花火が湿気を吸って火花がよく飛ばないなどの不都合が生じるのを防止でき、しかも、火薬の臭いが鼻につくこともない線香花火セットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、線香花火を有し、この線香花火を収容する箱と、当該線香花火と一緒に当該箱に収容する炭片と乾燥剤とから成る線香花火セットである。
【0006】
上記構成の発明の場合、線香花火は、箱に収容されているので、従来の袋入り野用に安手な感じを与えない。また、箱に線香花火と一緒に乾燥剤と炭片が収容されているので、調湿管理がされ空気中の湿気を不必要に吸うこともない。また、炭片が線香花火の持つ火薬の臭いを吸収するので、不快な火薬の臭いを嗅がなくてすむ。
【0007】
また、請求項2の発明は、前記箱が桐製の蓋付き箱とされ、かつ、前記炭片が竹炭からなる請求項1記載の線香花火セットである。
【0008】
上記構成の発明の場合、請求項1の発明を同様な作用・効果を奏する他、箱が桐製の蓋付き箱とされているので、軽くて、吸湿性が小さい。また、桐の持つ清浄高貴性によって一段と豪華な感じを手に取った者に与え、線香花火の持つ独特の雰囲気(慎ましやかな美しさ等)を十分に楽しむことができる。また、炭片が竹炭からなっているので、臭い吸収能力が高まり、線香花火の持つ火薬の臭いを一段と効率よく吸収してくれる。また、竹炭は、衝撃などが加わっても細かい破片になりにくく、ゴミが出て箱内を汚すこともない。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、線香花火と、この線香花火を収容する箱と、当該箱に収容する炭片と乾燥剤とから成る線香花火セットであるので、従来の袋入りのように安手な感じを与えない。また、調湿管理が十分にされ空気中の湿気を不必要に吸うこともない。また、炭片が線香花火の持つ火薬の臭いを吸収するので、不快な火薬の臭いを嗅がなくてすむ。
【0010】
請求項2の発明によれば、箱が桐製の蓋付き箱とされ、かつ、炭片が竹炭からなるので、請求項1の発明を同様な作用・効果を奏する他、軽くて吸湿性が小さく、また、桐の持つ清浄高貴性によって一段と豪華な感じを手に取った者に与え、線香花火の持つ独特の雰囲気(慎ましやかな美しさ等)を十分に楽しむことができる。また、線香花火の持つ火薬の臭いが出にくい。また、ゴミが出て箱内を汚すこともない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0012】
本発明に係る線香花火セット1は、図1に示すように、線香花火11と、この線香花火11を収容する箱21と、当該箱21に収容する炭片31と乾燥剤41とから構成されている。特に、この実施形態では、箱21は桐製の蓋付き箱とされている。また、炭片31が竹炭からなっている。なお、図1において、(A)は箱の本体の平面図、(B)は箱の側面図、(C)は蓋の平面図、(D)は蓋の側面図である。
【0013】
詳しくは、線香花火11は、先端部に火薬を入れて紙縒りをよって成るもので、火薬が入った火薬部12と人が手に摘む箇所である摘み部13とから成っている。紙としては、塩素漂白されていない手すきの和紙を草木染したものを使用している(ただし、火薬に影響を与えないために火薬部12に相当する和紙部分には、草木染をしない。)。火薬は、硝石と硫黄と松脂から構成されており、黒色をしている。
【0014】
より詳しくは、線香花火11は、図2に示すように、火薬部12近傍の摘み部13部分は火玉止めより(摘み部13の軸線と直角となるように縒られること)とされている。火玉止めよりするのは、火薬部12が燃焼したときに、火玉が上記摘み部13部分で長く止まって火花を長い時間楽しめるためである。また、線香花火11の図2で上端部は、紙が螺旋状に巻かれている(すなわち、スパイラル巻きとされている)。スパイラル巻きするのは、線香花火11に一段と華やかさを出すためである。なお、図2では、線香花火11の火薬部12および摘み部13を破線で表している。
【0015】
なお、図4に示すように、何本かの線香花火11を纏めてもよい。この際、線香花火11の火薬部12を紙の袋(以下、袴という)に入れて紐で縛ってもよい。このようにすることにより、線香花火11の火薬部12の黒い色が外部から見えにくくなり、美的にも一段とすぐれている。
【0016】
箱21は、桐製で厚さが薄い直方体状とされ、本体22と蓋23とから構成されている。
【0017】
炭片31は、竹炭とされており、箱21の中が汚れないように、紙で覆われている。
【0018】
乾燥剤41は、箱21の本体22の底面にテープで貼り付けられている。また、この実施形態では、防虫剤も収められる。箱21には、上記したものを収めた後に、最後に上記線香花火の由来等が書かれた推薦文が収められる。
【0019】
上記した線香花火セット1は、従来の袋入りのように安手な感じを与えない。また、調湿管理が十分にされるので、空気中の湿気を不必要に吸うこともない。また、炭片31が線香花火11の持つ火薬の臭いを吸収するので、不快な火薬の臭いを嗅がなくてすむ。
【0020】
また、箱21が桐製の蓋付き箱とされているので、軽くて吸湿性が小さい。また、桐の持つ清浄高貴性によって一段と豪華な感じを手に取った者に与え、線香花火11の持つ独特の雰囲気(慎ましやかな美しさ等)を十分に楽しむことができる。なお、上記した桐製の蓋付き箱を例えば色つきの和紙でラッピングしてもよい。これにより、さらに豪華な感じを手に取った者に与える。また、箱21の中に一緒に入れられた竹炭(31)によって線香花火11の持つ火薬の臭いが一段と出にくい。また、ゴミが出て箱内を汚すこともない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る線香花火セットを説明するための図である。
【図2】線香花火の全体を説明するための図である。
【図3】線香花火のスパイラル巻き部分を説明するための図である。
【図4】何本から線香花火を纏めた様子を示す図である。
【符号の説明】
【0022】
1 線香花火セット
11 線香花火
21 箱
31 炭片
41 乾燥剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
線香花火を有し、この線香花火を収容する箱と、当該線香花火と一緒に当該箱に収容する炭片と乾燥剤とから成る線香花火セット。
【請求項2】
前記箱が桐製の蓋付き箱とされ、かつ、前記炭片が竹炭からなる請求項1記載の線香花火セット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−300367(P2006−300367A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−119317(P2005−119317)
【出願日】平成17年4月18日(2005.4.18)
【出願人】(599074844)
【Fターム(参考)】