説明

締め付け機構を備えたブーツ及びライナー

スポーツブーツといったブーツ(100)は、外側シェル(110)内に挿入され、取り外し可能なライナー(160)を有している。ライナーは、バンプギャップ(170)を含み、このギャップの両側には複数のケーブル保持部(168)がある。また、使用者の足に対してライナーを締め付けるために、ケーブル保持部と摺動可能に係合するケーブル(166)を含んでいる。ツマミ(192)を有する締め付け機構(190)は、ライナーに取り付けられ、ケーブルと係合しているため、使用者は開放可能にケーブルを引っ張ることができる。外側シェルのグロメット部分(130)を含む開口部(126)は、ツマミを支持しているため、使用者は、ブーツの外側シェルを取り外すこと無くライナーを締め付けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にブーツ及びブーツライナーに関するものであり、より具体的には、使用者の足に対して締め付けることができるブーツライナーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
多くのブーツ、特に、スキー、スノーボード、スケート、ハイキング等のスポーツ用途のためのブーツは、ブーツと使用者の足との間でブーツの内側にフィットするブーツライナーが設けられるようになっている。このライナーは、ブーツから取り外せるようになっていたり、ブーツに常設されていたりする。ライナーを用いることで多くの利点が得られ、例えば、ライナーは使用者の足の形状に適合させ、使用者及びブーツの間でより的確にフィットする。また、ライナーは、使用者の足を暖める手助けをし、使用者に対する緩衝材となり、蓄積された汗や他の水分を吸収し、使用者の足や足首とブーツとの間で、快適でぴったりとフィットする。取り外し可能なライナーでは、必要に応じて簡単に洗濯したり、取り換えたりすることができる。しばしば、ライナーには、該ライナーの過剰な摩耗を防ぐために、相対的に硬く耐久性のあるソール部分が設けられている。
【0003】
従来のブーツライナーは、単なる靴下型のライナーであり、一般的にL字状でチューブ状に形成されており、使用者の足を受け入れるために十分な伸縮性及びたわみ性を有している。これらのタイプのライナーは、使用者にとって履いたり脱いだりし難い。しばしば、ライナーには、ライナー及びブーツを容易に履くために、スリット及び靴ベロを持つ縦型バンプが設けられている。従来のライナーは、一般的に、レースやバックルといったブーツの締め付けシステムに依存しており、使用者とライナーとの間で快適な締め付け感が得られる。しかしながら、ブーツは一般的にライナーよりも硬い構成であるため、ブーツの締め付けシステムは、ライナーに対する所望のフィットを達成するのには不十分である。
【0004】
この要求に対処するために、従来のブーツライナーでは、従来のバンプ部分と、レースやストラップといった分離された締め付けシステムとを有している。このようなレースやストラップによって、ライナーは使用者の足や足首を、選択された圧迫感で締め付ける。これにより、使用者は、より快適なフィット感が得られる。さらに、このバンプタイプの構成によれば、ライナーは靴下型ライナーの伸縮性と同じにする必要がないため、ライナーに使用される材料として幅広い選択肢がある。この材料の幅広い選択によって、上述したライナーの様々な機能に見合うより適した材料を選択する際に、設計者は幅広い選択肢が得られる。しかしながら、この従来のライナーは、以下の不利益を有する。すなわち、使用者は2組の履き物の紐を結ばなければならず、また、使用者は、一般的に、ライナーのレースに手を伸ばすために、まずレースを解いたり、そして外側シェルを取り外したりしないで、ライナーの締め付け具合を調整することができない。このため、スポーツブーツの使用時において使用者がライナーをきつくしたり緩めたりすると、例えば、使用時にライナーを緩めると、使用者がライナーの締め付け具合を調整するのに不便又は実用的でなくなる。これは、スキーやスノーボードといったスノースポーツにおいて特に問題となり、この環境では、使用者がそのままの状態でスポーツブーツを脱ぐのが困難となる。また、使用者は、ブーツシェルを取り外すために、雪用ゲートルを外したり緩めたりしなければならず、さらに不便性を悪化させる。実際に、従来のライナー締め付けシステムでは、スノーボーダーは、一般的に1回又は2回斜面を下り、ライナーを再度締め付けるためにブーツシェルを外さなければならない。そして、滑走する前にブーツシェルを履かなければならない。この過程は不便であり、使用者が与えられた日おいて実際にスノーボードを行う時間を減らしてしまう。
【0005】
ブーツのバンプを交差するようにレースガイド部内に摺動可能に配置されたレースのようなコードと、ブーツに取り付けられたスプールを有し、レースを引っ張るために容易に操作できる締め付け機構とを利用したブーツシェル用のレースシステムが知られている。例えば、ここで参考に挙げるハンマースラグの米国特許第5,934,599号では、レースシステムが開示されている。ここで、締め付け機構は、ブーツのアッパーの背面において外側に配置されている。しかしながら、このようなシステムでは、締め付け機構を搭載するのに適切な外面が必要となる。
【0006】
このため、分離された締め付け機構を組み込むブーツライナーであって、連結されたブーツを緩めたり取り外したりすることなく、又は、雪用ゲートルやパンツを持ち上げたり緩めたりすることなく、そして、ブーツを周囲に露出することなく、ライナを締め付けることができるライナーが必要となる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
外側シェル及び内側ライナーを有するスポーツブーツであって、内側ライナーは、外側シェルとは独立して、使用者の足及び足首に対してライナーを締め付けるための締め具を含んでいる。外側シェルは、相対的に丈夫なソールと、該ソールに取り付けられたアッパーとを含み、アッパーはこれを貫通する開口部を有している。ライナーは、外側シェル内に保持される。複数のコード保持部はライナーに取り付けられ、締め具はコード保持部によって摺動可能に保持されている。締め付け機構はライナーに取り付けられているとともに、使用者の足に対してライナーを締め付けるためにコードを引っ張ることができるように締め具に係合している。締め付け装置は、少なくともこの一部において、外側シェルの開口部内に位置し、この開口部を介して延びる寸法を有している。これにより、使用者は、コードの引張りを調整するために、外側シェルを取り外すことなく締め付け機構を操作することができる。
【0008】
本発明において、締め付け機構は、コードと動作可能に係合する第1の位置と、コードと動作可能に係合しない第2の位置との間で移動可能である。
【0009】
本発明の実施形態において、外側シェルの開口部は、引張り機構の少なくとも一部分が延びた弾性のグロメットを含んでいる。
【0010】
本発明の実施形態において、コードがステンレス鋼のケーブルである。
【0011】
本発明の実施形態において、コード保持部は、コード用のU字形状の通路を含み、U字形状の通路は相対的に大きな最小径を有している。
【0012】
本発明の実施形態において、補助的なコード保持部がライナーに取り付けられており、補助的なコード保持部によって、ライナーの略背面に配置されたコード用の通路が設けられている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の上述した態様及び付随する利点は、図面とともに以下の詳細な説明によって、より容易に認識されるとともに、より良く理解されることになる。
【0014】
図において、同じ部材については同じ符号を用いる。図1及び図2には、本発明の例示であるスポーツブーツ100を示している。スポーツブーツ100は、外側シェル110と、取り外し可能なライナー160とを有している。ここでは、取り外し可能なライナーについて述べるが、本発明は取り外し可能なライナーの実施形態に限定されるものではない。スポーツブーツ100の外側シェル110は、丈夫なソール112と、相対的に曲がりやすく、ソール112に取り付けられるアッパー114とを有している。アッパー114のソール112への装着には、従来で公知のように幾つかの方法がある。例えば、結合、裁縫、装着用金物、又は一体形成によるものが含まれる。これらの装着方法は、スポーツブーツがスケート、スキー、スノーボード及びハイキングなどに適合するために設計された特定の用途に基づいて選択される。
【0015】
アッパー114は細長いギャップ120を有し、これは、アッパー114の先端部122から、アッパー114の略長手部分を通って端部124に向かって延びている。ベロ121は、細長いギャップ120の基部近傍に取り付けられており、細長いギャップ120に略沿って配置されている。本実施形態において、アッパー114は、複数の対向するコード保持部118、119内に摺動可能に配置される、ケーブルやレースといったコード116を用いて、受け入れられる使用者の足(不図示)を締め付けるようになっている。本実施形態では、繊維製ループ118や金属製フック119で構成されたコード保持部を示しているが、幾つかの異なるコード保持部を用いてもよい。また、移動するコード保持部を設けてもよい。本願において、コードには、長くて柔らかいレース、ケーブル及び細長いもの等がある。このコードは、スポーツブーツ用の引張り要素として用いられ、革、ステンレス鋼等の鉄、布、及びプラスチック等といった幾つかの適切な材料で形成することができる。本実施形態では、コード116が従来の繊維製レースである。ここで、外側シェル110を締め付けるために、代替又は追加の締め付け機構を用いることができる。例えば、ストラップ及びバックル、マジック型ファスナー、外側でのケーブルシステム等がある。
【0016】
開口部組立品126は、アッパー114の上端部近傍に設けられており、ここに装着される弾性グロメット130を有している。開口部組立品126及びグロメット130の例示的構成及び目的について、以下に説明する。
【0017】
図2において明らかなように、ライナー160は、外側シェル110内に取り外し可能に挿入されるようになっている。本実施形態において、ライナー160は柔軟で相対的に丈夫なソール162と、相対的に柔らかく柔軟なアッパー164とを有する。ソール162は、適切な材料から形成することができる。この材料としては、例えば、エチレンビニルアセテート共重合体といった高分子やこれと同様の高分子がある。ソール162の底を織ることが好ましい。例えば、複数の先端(不図示)又は他の短い突起を設けることにより、使用時においてライナーのソール162及びブーツのシェル110の間で相対的に摺動するのを抑制することが好ましい。詰め物をされたアッパー164は、例えば、縫合、接着や一体形成といった従来の方法によって、ソール162に取り付けることができる。
【0018】
詰め物をされたアッパー164は、使用者に対して、ぴったりしたフィット感、快適性、保護、水分分散及び衝撃吸収を与えるようになっている。このため、従来において公知の適切な柔軟材料を、アッパー164を構成するために用いることができる。この材料としては、例えば、天然繊維又は人工繊維、皮、詰め込み材料及び、これらの組み合わせがある。アッパー164を、複数の層を有する複合構造としてもよいことは明らかである。そして、複数の層は、異なる機能を持たせるために選択することができる。例えば、柔らかい内側の層を快適性のために用いるとともに、相対的に硬い外側の層を支持及び耐久性のために用いることができる。革や高分子の細長い片といった一部の層を設けて、所望の位置における支持性及び強度を持たせるようにしてもよい。ライナーのアッパー164は、ライナー160の上端部172の近傍から先端部174に向かって延びる細長いギャップ170を有している。細長いギャップ170の長手方向に略沿って延びるベロ171が設けられている。
【0019】
図3及び図4において、ライナー160の詳細を示す。複数の対向するコード保持部168が、細長いギャップ170の対向する側において、ライナー160に取り付けられている。このコード保持部168は、低摩擦のプラスチック製の管状部材180(図4A及び図4B参照)を有する。管状部材180は、横フランジ182を有し、コード166を摺動可能に支持する略U字形状の通路185を形成する。管状部材180は、管状部材180に縫合された革製パネル184によって、ライナー160に取り付けられている。しかし、適切な結合システムを代わりに用いてもよいことは明らかである。コード保持部168、特に管状部材180は、U部分において相対的に大きな最小径を有する略U字形状の通路185(図4B)を形成する。
【0020】
コード166は、細長いギャップ170を十字に交差しながら、コード保持部168に摺動可能に係合する。本実施形態において、コード166はステンレス鋼のケーブルであり、管状部材180に対して低い摩擦係数を有している。これにより、コード166は、コード保持部168内において相対的に自由に摺動する。しかしながら、コードは、幾つかの適切な強度及び柔軟性を持った材料から形成することができ、これには、他の金属製ケーブル、複合材料、繊維等が含まれる。また、コード保持部168内のU字形状の通路185によって規定される相対的に大きな最小径は、通路185内におけるコード166の摩擦係合を軽減する役割を果たす。本実施形態においては、2つの補助的なコード保持部169が設けられ、これはアッパー164の上側後部分を略囲んで延びている。2対の補助的なコード保持部169は、上述したコード保持部168の構造と同様であり、フランジが設けられた管状部材189を有する。補助的なコード保持部169には、ライナー160の背後に巻き付けられる、コード166用の低摩擦の通路が設けられている。本実施形態では、複数の繊維製ループ188が、ベロ171の長手中央線に略沿った状態で、ベロ171に取り付けられている。十字に交差するコード166はループ188に係合しており、これにより、ベロ171を所望の位置に保持する。
【0021】
図4Bは、管状部材180の端面を示し、フランジ182を示している。フランジによって、ライナー160には、管状部材180を取り付けるための比較的幅広い平坦面が設けられる。フランジ182は、図示のように管状部材180を横断して延びており、U字形状の通路185の区間を所望の姿勢に維持している。
【0022】
締め付け機構190は、好ましくはアッパー164の上端部172の近傍において、ライナー160に取り付けられている。締め付け機構190は、好ましくは従来において知られているギア駆動スプール機構であり、例えば、ここで参照として挙げる米国特許第5,934,599号に開示されているスプール機構がある。締め付け機構190は、回転可能なツマミ192を有し、ツマミ192はライナー160から略離れるように延びている。図3の点線及び矢印で示すように、ツマミ192は、該ツマミ192が動作可能に締め付け機構190と係合する、内側に配置された第1の位置と、締め付け機構190と係合していない、外側に配置された第2の位置との間で移動可能となっている。締め付け機構190は、コード166の両端に機能的に取り付けられる内部スプール(不図示)を有する。これにより、スプールの回転によって、コード166がスプールに巻き取られる(又は、スプールから引き出される)。
【0023】
ツマミ192が、締め付け機構190と動作可能に係合する第1の位置にあるとき、ツマミ192を回転させることにより、スプールが回転する。これにより、使用者は、コード166に対して、選択的に張力を与えることができる。従来において公知の一体型ロック機構は、ツマミが第1の位置にあるときにのみ、スプールが一方向に回転するのを規制する。使用者は、ツマミを第1の位置に移動させ、所望の締め付け具合が達成されるまでツマミ192を回転させることにより、ライナー160の所望の締め付け具合を得ることができる。コード166及びコード保持部168,169間における低摩擦によって、コード166の張力を、コード166の長手方向に沿って相対的に均一に確保することができる。使用者はツマミ192を外側に引いて第2の位置とすることにより、コード166の張力を解除することができる。
【0024】
締め付け機構190は、例えば、締め付け機構190のフランジ(不図示)上に革製のパネル194(図3参照)などのパネルを縫合することにより、ライナー160の外面に取り付けられる。上記に示したように他の適切な連結機構を代わりに用いることができ、これは本発明によって予期される。好ましくは、締め付け機構190を比較的薄くし、ライナー160の詰め物された部分の外側において、使用者に不快感を与えない状態でライナー160に取り付けてもよい。
【0025】
図1及び図2に戻り、ブーツのシェル110には、弾性のグロメットを有する開口部組立品126が設けられている。この開口部組立品126は、ライナー160を適切にブーツシェル110内に挿入したときに、締め付け機構190を取り外し可能に支持する位置にある。ブーツシェル110は、外側シェルのレース116を緩めたときに、ブーツシェル110内に挿入され、締め付け機構190を有するライナー160を許容するのに十分な柔軟性を有している。本実施形態の開口部組立品126には、閉じた開口部及びグロメット組立品が組み込まれているが、他の構成も可能であり、本発明によって他の構成が考えられる。例えば、開口部を上部に開けて、ブーツシェル内に、締め付け機構190を摺動可能に収容するスロットを形成することができる。同様に、開口部の開いた上部を閉じるために開放可能に係合可能である、ストラップを備えたスロットや他の締め付け機構のように、閉じることが可能な開口部を設けてもよい。ここで、用いられる開口部は、このような代替の構成を含むものである。
【0026】
図5は、ブーツシェル110及びライナー160の一部を示し、典型的な実施形態のグロメット130を有する開口部組立品126を示す。本実施形態において、開口部組立品126は、シェル110の開口部上であって、シェル110の外面上に配置された環状の革製外側パネル132と、シェル110の内面に配置され、外側パネル132に対して同軸上に配置された環状の弾性内側パネル134とを有している。内側及び外側の環状パネル132、134は、好ましくは、ブーツシェル110に縫合される。弾性の内側パネル134は、熱可塑性プラスチックゴムといった適切な弾性材料で形成することができる。また、内側パネル134の一部が外側パネル132よりも内側に延び、グロメット130を形成するように、外側パネル32よりも小さい内径を有している。グロメット130は、内側パネル134の内側開口部を締め付け機構190が貫通するように十分に曲げることにより、締め付け機構190のツマミ192を支持するようになっている。この構成によって、締め付け機構190及びブーツシェル110の間には、相対的に密接して耐候性の封が設けられる。
【0027】
従来における通常の知識を有する者にとって、締め付け機構190をシェル110の外側から使用できるようにするために、他の同様な構成を用いることは明らかである。例えば、締め付け機構を支持するために、スロットをシェル110に設けることができる。又は、フックやフック型ストラップといった留めストラップを設けて、締め付け機構のための開口部を開けるようにしてもよい。他の同様な構成も明らかであり、本発明によって考えられる。同様に、本発明から外れない限り、(ライナー110に対して適合できる変更によって)開口部をシェル110の異なる位置に配置することができる。
【0028】
本実施形態では、ライナーのバンプ部分の全長に略沿ってライナーを締め付けているが、本発明は、スノーボードにおいて一般的な問題となるかかとの浮きを低減するために、使用者のヒール領域だけを締め付けるヒール装置等にも適用することができ、これは従来における通常の知識を有する者にとって明らかである。
【0029】
開示したブーツ100は、内側ライナー160の締め付け装置のために、外部から操作可能な締め付け機構190を有している。このシステムによって、使用者は、外側シェル110を取り外したり、緩めたりせずに、使用者の足に対するライナー160のフィットを締め付けたり、緩めたりすることができる。本実施形態において、締め付け機構は、容易に使用できるように、使用者の外側又は横側であって、ブーツ100の上部近傍に都合良く設けられている。しかも、必要であれば、洗浄、乾燥、メンテナンスや交換を容易に行うために、ライナーを外側シェル110から容易に外せるようにしてもよい。
【0030】
本発明の実施形態について説明し述べたが、本発明の概念及び範囲から外れない限り、様々な変更を加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態である、シェル及びライナーを含むブーツの斜視図である。
【図2】図1に示すブーツ及びライナーの斜視図であって、ライナーはブーツシェル内への挿入のために位置している。
【図3】図1に示すライナーの分離斜視図である。
【図4A】図4Aは、図3に示すライナーのレースシステムを示し、ライナーを幻影で示している。
【図4B】図4Bは、図3に示すライナーにおいて、ライナーのコードを保持する管状部材の断面図である。
【図5】図1に示すブーツのライナー締め付け機構において、外側シェルの開口部組立品の一部を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の足を支持するスポーツブーツであって、
ソールと、該ソールに取り付けられ、開口部を備えたアッパーとを有する外側シェルと、
前記外側シェル内に保持されるライナーと、
調整によって使用者の足に対してライナーの一部分を締め付けたり緩めたりするように、前記ライナーに固定された調整可能な締め具と、
前記締め具と連動して該締め具を所定の調整状態に保持し、前記ライナーに取り付けられた締め付け機構とを有し、
前記ライナーが前記外側シェル内に保持されたときに、引張り機構は、前記アッパーの開口部を介して延びていることを特徴とするスポーツブーツ。
【請求項2】
前記ライナーは、前記外側シェル内に取り外し可能に挿入されることを特徴とする請求項1に記載のスポーツブーツ。
【請求項3】
前記締め具がコードであることを特徴とする請求項1に記載のスポーツブーツ。
【請求項4】
前記コードが、ステンレス鋼のケーブルであることを特徴とする請求項3に記載のスポーツブーツ。
【請求項5】
前記ライナーはさらに、前記アッパーの上部から延びる細長いバンプギャップと、該細長いバンプギャップの対向する側において前記ライナーに取り付けられた一対のコード保持部とを有し、
前記各コード保持部は、前記コードを支持するためのU字形状の通路を有することを特徴とする請求項3に記載のスポーツブーツ。
【請求項6】
前記ライナーの後部分を囲んで延びる細長いコード保持部を有することを特徴とする請求項5に記載のスポーツブーツ。
【請求項7】
前記締め付け機構はツマミを有し、該ツマミは、前記コードと動作可能に係合する第1の位置と、前記コードと動作可能に係合しない第2の位置との間で移動可能であることを特徴とする請求項3に記載のスポーツブーツ。
【請求項8】
前記外側シェルの開口部内に設けられた弾性のグロメットを有し、
前記グロメットは、前記締め付け機構の一部分を開放可能に支持する中央穴部を有することを特徴とする請求項1に記載のスポーツブーツ。
【請求項9】
前記グロメットは、熱可塑性ゴムで形成されていることを特徴とする請求項8に記載のスポーツブーツ。
【請求項10】
前記外側シェルの外面に取り付けられた環状の外側パネルと、前記外側シェルの内面に取り付けられ、弾性を持つ環状の内側パネルとを含む開口部組立品を有することを特徴とする請求項3に記載のスポーツブーツ。
【請求項11】
ベロに取り付けられる第2のコード保持部を有し、
前記第2のコード保持部は、前記コードを摺動可能に支持することを特徴とする請求項3に記載のスポーツブーツ。
【請求項12】
細長いギャップを含む柔軟なアッパー部分と、硬いソール部分とを有するライナーと、
第1及び第2の端部を有する細長いコードと、
前記ライナーにおける前記細長いギャップの対向する側に設けられ、それぞれが前記細長いコードを摺動可能に支持する通路を有する一対のコード保持部と、
前記ライナーに取り付けられるとともに前記コードに係合する、ツマミを含む締め付け機構と、
前記ライナーを支持する寸法を有する外側シェルであって、前記ライナーが該外側シェル内に配置されたときに、前記ケーブル締め付け機構のツマミが延びるように、前記締め付け機構の少なくとも一部分を支持する開口部を備えた上側足首部分を有する外側シェルとを有することを特徴とするブーツ組立品。
【請求項13】
前記コードがステンレス鋼のケーブルであることを特徴とする請求項12に記載のブーツ組立品。
【請求項14】
前記締め付け機構のツマミが最大径を有し、
前記外側シェルの開口部が柔軟な環状の内側パネルを含み、該内側パネルが前記ツマミの最大径と略等しい径の穴部を有することを特徴とする請求項12に記載のブーツ組立品。
【請求項15】
前記コード保持部によって規定される通路が、U字状に形成されていることを特徴とする請求項12に記載のブーツ組立品。
【請求項16】
前記ライナーに取り付けられる細長い第2のコード保持部を有し、
前記第2のコード保持部は、前記ライナーの後部分を囲んで延びていることを特徴とする請求項12に記載のブーツ組立品。
【請求項17】
細長いギャップを含むアッパーと、ソールとを有するライナーと、
第1及び第2の端部を有する細長いケーブルと、
前記ライナーにおける前記細長いギャップの対向する側に設けられ、それぞれがフランジ部分と前記細長いケーブルを摺動可能に支持するU字形状の通路とを含む一対の保持部と、
前記ライナーに取り付けられたケーブル締め付け機構であって、前記ケーブルの第1及び第2の端部を支持する回転部材と、該回転部材に動作可能に係合するツマミとを有するケーブル締め付け機構と、
前記ライナーを支持し、前記ライナーを前記外側シェル内に配置したときに前記ケーブル締め付け機構を支持する開口部を持つ上側足首部分を備えた外側シェルとを有し、
前記ライナーを前記外側シェル内に配置したときに、前記ケーブル締め付け機構のツマミが前記開口部組立品を介して延びていることを特徴とするスポーツブーツ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の足を支持するスポーツブーツであって、
ソールと、該ソールに取り付けられ、上部において閉じた開口部を持つ足首部分を備えたアッパーとを有する外側シェルと、
前記外側シェル内に保持されるライナーと、
調整によって使用者の足に対してライナーの一部分を締め付けたり緩めたりするように、前記ライナーに固定された調整可能な締め具と、
前記締め具と連動して該締め具を所定の調整状態に保持し、前記ライナーに取り付けられた締め付け機構とを有し、
前記ライナーが前記外側シェル内に保持されたときに、前記締め付け機構は、前記アッパーの閉じた開口部を介して延びていることを特徴とするスポーツブーツ。
【請求項2】
前記ライナーは、前記外側シェル内に取り外し可能に挿入されることを特徴とする請求項1に記載のスポーツブーツ。
【請求項3】
前記締め具がコードであることを特徴とする請求項1に記載のスポーツブーツ。
【請求項4】
前記コードが、ステンレス鋼のケーブルであることを特徴とする請求項3に記載のスポーツブーツ。
【請求項5】
前記ライナーはさらに、前記アッパーの上部から延びる細長いバンプギャップと、該細長いバンプギャップの対向する側において前記ライナーに取り付けられた一対のコード保持部とを有し、
前記各コード保持部は、前記コードを支持するためのU字形状の通路を有することを特徴とする請求項3に記載のスポーツブーツ。
【請求項6】
前記ライナーの後部分を囲んで延びる細長いコード保持部を有することを特徴とする請求項5に記載のスポーツブーツ。
【請求項7】
前記締め付け機構はツマミを有し、該ツマミは、前記コードと動作可能に係合する第1の位置と、前記コードと動作可能に係合しない第2の位置との間で移動可能であることを特徴とする請求項3に記載のスポーツブーツ。
【請求項8】
前記外側シェルの開口部内に設けられた弾性のグロメットを有し、
前記グロメットは、前記締め付け機構の一部分を開放可能に支持する中央穴部を有することを特徴とする請求項1に記載のスポーツブーツ。
【請求項9】
前記グロメットは、熱可塑性ゴムで形成されていることを特徴とする請求項8に記載のスポーツブーツ。
【請求項10】
前記外側シェルの外面に取り付けられた環状の外側パネルと、前記外側シェルの内面に取り付けられ、弾性を持つ環状の内側パネルとを含む開口部組立品を有することを特徴とする請求項3に記載のスポーツブーツ。
【請求項11】
ベロに取り付けられる第2のコード保持部を有し、
前記第2のコード保持部は、前記コードを摺動可能に支持することを特徴とする請求項3に記載のスポーツブーツ。
【請求項12】
細長いギャップを含む柔軟なアッパー部分と、硬いソール部分とを有するライナーと、
第1及び第2の端部を有する細長いコードと、
前記ライナーにおける前記細長いギャップの対向する側に設けられ、それぞれが前記細長いコードを摺動可能に支持する通路を有する一対のコード保持部と、
前記ライナーに取り付けられるとともに前記コードに係合する、ツマミを含む締め付け機構と、
前記ライナーを支持する寸法を有する外側シェルであって、前記ライナーが該外側シェル内に配置されたときに、前記ケーブル締め付け機構のツマミが延びるように、前記締め付け機構の少なくとも一部分を支持する開口部を備えた上側足首部分を有する外側シェルとを有することを特徴とするブーツ組立品。
【請求項13】
前記コードがステンレス鋼のケーブルであることを特徴とする請求項12に記載のブーツ組立品。
【請求項14】
前記締め付け機構のツマミが最大径を有し、
前記外側シェルの開口部が柔軟な環状の内側パネルを含み、該内側パネルが前記ツマミの最大径と略等しい径の穴部を有することを特徴とする請求項12に記載のブーツ組立品。
【請求項15】
前記コード保持部によって規定される通路が、U字状に形成されていることを特徴とする請求項12に記載のブーツ組立品。
【請求項16】
前記ライナーに取り付けられる細長い第2のコード保持部を有し、
前記第2のコード保持部は、前記ライナーの後部分を囲んで延びていることを特徴とする請求項12に記載のブーツ組立品。
【請求項17】
細長いギャップを含むアッパーと、ソールとを有するライナーと、
第1及び第2の端部を有する細長いケーブルと、
前記ライナーにおける前記細長いギャップの対向する側に設けられ、それぞれがフランジ部分と前記細長いケーブルを摺動可能に支持するU字形状の通路とを含む一対の保持部と、
前記ライナーに取り付けられたケーブル締め付け機構であって、前記ケーブルの第1及び第2の端部を支持する回転部材と、該回転部材に動作可能に係合するツマミとを有するケーブル締め付け機構と、
前記ライナーを支持し、前記ライナーを前記外側シェル内に配置したときに前記ケーブル締め付け機構を支持する開口部を持つ上側足首部分を備えた外側シェルとを有し、
前記ライナーを前記外側シェル内に配置したときに、前記ケーブル締め付け機構のツマミが前記開口部組立品を介して延びていることを特徴とするスポーツブーツ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−517450(P2006−517450A)
【公表日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503465(P2006−503465)
【出願日】平成16年2月10日(2004.2.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/003919
【国際公開番号】WO2004/071227
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(500188510)ケイ‐ツー、コーポレーション (6)
【氏名又は名称原語表記】K−2 CORPORATION
【Fターム(参考)】