説明

緩衝用クッション

【課題】廃棄処理の際に問題を生ぜず、また製作するための金型を必要としない簡易な緩衝用クッションを提供する。
【解決手段】緩衝板11、12をそれぞれ互いに平行な一対の折曲げ線21、22または27、28のところで折曲げ、これによって緩衝板11、12の幅方向の両端にそれぞれ形成された突片24、30を上方へ突出させ、これらの突片24、30を保持板10のスリット15を通して上方へ突出させて保持板10と緩衝板11、12とを組合わせて緩衝用クッションを組立てるようにしたものである。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は緩衝用クッションに係り、とくに複数の板状体を組合わせて成る緩衝用クッションに関する。
【0002】
【従来の技術】
各種の物品を梱包して輸送するために、従来より緩衝用クッションが広く用いられている。緩衝用クッションはポリスチレン等の樹脂を発泡成形して所定の形状に成形し、このようなクッションが外部の衝撃を吸収するように物品を保護するようにしたものである。
【0003】
発泡スチロール樹脂から成る緩衝用クッション以外の緩衝体としては、詰め物等が存在する。すなわち小さな球状あるいは直方体状をなす部材を用いて空間を埋めるようにして緩衝を行なうものである。この場合には使用する数量によって対象となる物品の形状や大きさに対応できるようになる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
スチロール樹脂の発泡成形体による緩衝用クッションは、保護すべき物品の形状に合わせて所定の形状に成形しなければならない。そして形状が異なると成形用金型も異なるために、その都度金型を用意しなければならない。従ってコストが増大する。またポリスチレン製の緩衝用クッションは自然崩壊性あるいは生分解性を有していないために、廃棄に問題を生ずる。すなわち焼却処理すると、有害ガスを発生し、あるいはまた高温の熱によって炉を損傷する問題がある。
【0005】
保護すべき物品の形状と無関係な無定形あるいは粒状をなす詰め物は、物品の保護が必ずしも完全ではなく、場合によっては外部の衝撃が物品に直接伝わって緩衝効果が得られない可能性がある。またこのような無定形の詰め物の廃棄物の処理については、ポリスチレンの緩衝用クッションと同様の問題を引起す可能性がある。
【0006】
とくに包装箱内に小さな部品を多数収納して輸送する場合に好適な緩衝用クッションが存在せず、このために機械部品等の保護が十分に行なわれないという問題があった。
【0007】
本考案はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、成形用金型を必要とせず、また廃棄物公害を発生することがなく、とくに小さな部品を包装箱内に収納して輸送するのに用いて好適な緩衝用クッションを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願の主要な考案は、所定の位置にスリットを形成した保持板と、 長さ方向の中間位置において一対の折曲げ線で長さ方向の両端がほぼ平行になるように折曲げられ、しかも上方に突出するように突片が形成された緩衝板と、 を具備し、前記緩衝板の突片を前記保持板のスリットに挿入して前記保持板と前記緩衝板とを組合わせ、前記緩衝板の前記突片の突出方向とは反対側の端縁を底面として配置するようにしたことを特徴とする緩衝用クッションに関するものである。
【0009】
ここで前記緩衝板の突片であって前記保持板の上面に突出する領域に開口が形成されていることが好適である。また前記緩衝板の突片の先端部に開放された切込みを形成することも可能である。またスリットを形成した押え板を具備し、前記緩衝板の突片の先端側の部分を前記スリットに挿入するようにして前記押え板を前記緩衝板と組合わせると、前記押え板が前記保持板に対して所定の間隔を隔てて該保持板の上方に配されるようにしてもよい。この場合にさらに前記押え板の両端が下方に折曲げられた折曲げ片を具備し、折曲げられた該押え板と前記保持板との間の空間を収納空間とすることが可能である。また折曲げられた一対の緩衝板が互いにほぼ平行に前記保持板と組合わされ、しかも幅方向の両端が下方に折曲げられた押え板が前記一対の緩衝板の間において前記保持板に組合わされるように構成することも可能である。
【0010】
本願の別の主要な考案は、所定の位置にスリットを形成した保持板と、 幅方向の中間位置において一対の折曲げ線で幅方向の両端がほぼ平行になるように折曲げられ、しかも幅方向の両端に上方に突出するように突片が形成された緩衝板と、 を具備し、前記緩衝板の幅方向の両端を前記一対の折曲げ線によって上方に折曲げ、前記突片を前記保持板のスリットに挿入して前記保持板と前記緩衝板とを組合わせ、前記緩衝板の一対の折曲げ線の間の平坦部を底面として配置するようにしたことを特徴とする緩衝用クッションに関するものである。
【0011】
ここで前記緩衝板の突片であって前記保持板の上面に突出する領域に開口を形成するようにしてよい。あるいはまた前記緩衝板の突片の先端部に開放された切込みが形成されてよい。またスリットを形成した押え板を具備し、前記緩衝板の突片の先端側の部分を前記スリットに挿入するようにして前記押え板を前記緩衝板と組合わせると、前記押え板が前記保持板に対して所定の間隔を隔てて該保持板の上方に配されるようにしてよい。また前記押え板の両端が下方に折曲げられた折曲げ線を具備し、折曲げられた該押え板と前記保持板との間の空間を収納空間としてもよい。また折曲げられた一対の緩衝板が互いにほぼ平行に前記保持板と組合わされ、しかも幅方向の両端が下方に折曲げられた押え板が前記一対の緩衝板の間において前記保持板に組合わされるようにしてもよい。
【0012】
【実施例】
(1)実施例1(図1〜図5)
第1の実施例に係る緩衝用クッションは、図1に示す保持板10と、図2Aに示す緩衝板11と、図2Bに示す緩衝板12とを用いて組立てられる。なおここで保持板10、緩衝板11、12はともに段ボールから成る板状体である。
【0013】
図1に示す保持板10は図から明らかなように、所定の位置に多数のスリット15を備えるとともに、ここでは円形の開口16、17が形成されている。なお開口16の直径の方が開口17の直径よりも一回り大きくなっている。
【0014】
次に緩衝板11は図2Aに示すようにこの緩衝板11を構成する段ボールの段目の方向と直角方向に長く延びている。そして長さ方向のほぼ中間位置には段目の方向と平行であって高方向に延びる一対の折曲げ線21、22が形成されている。またこの緩衝板11の上部側には適宜切込み23が形成されるとともに、このような切込み23間に突片24が形成される。また突片24には円形の開口25が形成されるようになっている。
【0015】
一方もう1つの緩衝板12は図2Bに示すように、上記第1の緩衝板11とほぼ同じ長さであってその長さ方向のほぼ中間位置に折曲げ線27、28が形成されている。また切込み29によってそれらの間に高さ方向に突出する突片30が形成されている。また突片30の上端側には上方に開放された切込み31が形成されている。
【0016】
次に上記保持板10と緩衝板11、12とを用いて緩衝用クッションを組立てる動作を説明する。緩衝板11を長さ方向の中間位置において一対の折曲げ線21、22のところで図3に示すように折曲げ、これによって長さ方向の両端がほぼ平行になるようにする。従ってこの場合には緩衝板11が上から見たらコ字状に折曲げられる。そしてこの緩衝板11にはその上方に突出するように複数の突片24が形成されることになる。
【0017】
また緩衝板12についても図4に示すように上から見たらコ字状になるように折曲げる。すなわち緩衝板12の長さ方向の中間位置に形成されている一対の折曲げ線27、28のところで緩衝板12を折曲げ、これによって長さ方向の両端が互いにほぼ平行になるようにする。するとこの緩衝板11の上端側に形成されている突片30が上方に突出するようになる。
【0018】
次にこのように折曲げられた緩衝板11、12と保持板10とを図5に示すように組合わせる。すなわちコ字状に折曲げられた緩衝板11、12の突片24、30がそれぞれ図5に示すように保持板10に形成されているスリット15に挿入されるように下から保持板10と交差させる。これによって保持板10と緩衝板11、12とから成る緩衝体が組立てられる。この緩衝体は保持板10を高さ方向の中間位置で一対の緩衝板11、12によって支持するようになっており、緩衝板11、12の下面が底面となるようにして配置される。
【0019】
このような緩衝用クッションは、段ボールから成る保持板10と緩衝板11、12とを組合わせたものであって、発泡ポリスチレンのような高分子材料を用いたものではない。従って材料それ自体が自然崩壊性を有するばかりでなく、焼却処理する際に、有害ガスを発生したり高温の熱によって炉を損傷したりすることがない。
【0020】
そしてこのような緩衝用クッションは、保持板10の上部であって一対の緩衝板11、12によって区画されたそれぞれの領域に適宜細かい部品等を収納保持することができ、このような状態で包装箱等に収納して機械部品等を搬送することが可能である。その際に収納された部品が緩衝板11、12の突片24によって互いに干渉するのが防止されるために、部品相互間の干渉が防止される。また外部からの衝撃についても、この緩衝用クッションが全体として衝撃を遮断するために、物品を保護することが可能になる。
【0021】
(2)実施例1の変形例(図6〜図8)
次に上記実施例1の変形例を図6および図7によって説明する。この変形例は緩衝板11、12の突片24、30の上端にさらに必要に応じて補助突片34を連設し、この補助突片34によって押え板35を保持するようにしたものである。保持板10と同様に押え板35にも適宜スリット36が形成され、このスリット36に上記補助突片34を挿入した状態で緩衝板11、12に組合わせる。これによって保持板10の上部に保持板10に対してほぼ平行であって所定の間隔を隔てて押え板35が取付けられる。
【0022】
従って保持板10上に収納保持された物品を押え板35によって上から押えることが可能になる。そして押え板35と外装箱の蓋板との間に空間が形成されるために、上部からの衝撃が緩衝されるようになり、物品の保護がより完全に行なわれる。
【0023】
図8は別の変形例を示している。ここでは補助突片34によって保持板10の上部に保持板10と平行に保持される押え板35の両端に折曲げ片37を形成し、この折曲げ片37によって下方に折曲げるとともに、折曲げ片37の先端側にさらに連設された当接片38を保持板10の表面に当接させている。
【0024】
このような変形例によれば、押え板35、保持板10、両側の折曲げ片37、および突片24によって囲まれた領域に物品を収納することによって、この物品を包装箱内においてこの緩衝用クッションで形成される空間内に保持することが可能になり、外部からの衝撃をさらに完全に抑えることが可能になる。
【0025】
次に別の変形例を図9および図10によって説明する。この変形例は図9に示すような押え板35を一対の緩衝板11、12間に取付けるようにしたものである。押え板35は図9に示すようにその両側に下方へ折曲げられた折曲げ片37を備えるとともに、その先端側には係止片43が形成されている。またこの押え板35の上面には所定の間隔で複数の円形の開口42が形成されている。
【0026】
このような押え板35が図10に示すように保持板10上の一対の緩衝板11、12間の空間部分に上方から組合わされる。ここで押え板35の下方へ突出する係止片43が保持板10に予め形成されるスリット44に挿入され、これによって一対の緩衝板11、12間において押え板35が安定に保持板10に結合された状態で保持される。
【0027】
従ってこのような変形例によっても、緩衝板11および12の内側にそれぞれ物品を保持することができるばかりでなく、押え板35の内側であって保持板10上にも別に物品を保持することが可能になる。このような物品は緩衝板11、12内の物品との干渉が押え板35の折曲げ片37によって確実に防止される。
【0028】
(3)実施例2(図11〜図16)
第2の実施例の緩衝用クッションは、図11に示す保持板10と図12に示す緩衝板11と、図13に示す緩衝板12とを用いて組立てるようにしたものである。なおここでも保持板10、緩衝板11、12は何れも段ボールから構成されており、一部を破断して示した方向の段目を有している。
【0029】
図11に示すように保持板10にはその所定の位置にスリット15が形成されるとともに、さらに大きな円形の開口16と小さな円形の開口17とが適宜形成されている。なおこれらの構成は図1に示す第1の実施例の保持板10とほぼ同様である。
【0030】
これに対して緩衝板11は図12に示すようにその幅方向のほぼ中央部に一対の平行な折曲げ線21、22を備えるとともに、これらの折曲げ線21、22に対してそれらの幅方向の先端側に適宜切込み23を形成し、これによって両側にそれぞれ突片24を形成している。なお突片24には円形の開口25が打抜かれて形成されている。
【0031】
また緩衝板12は図13に示すようにその幅方向のほぼ中間位置に互いに平行な一対の折曲げ線27、28が形成されるとともに、両端には適宜切込み29が形成されている。そして切込み29間に突片30が形成されている。なおここで突片30には上方に開口するように切込み31が形成されている。
【0032】
次にこのような保持板10と緩衝板11、12とを用いて緩衝用クッションを組立てる動作を説明する。まず図14に示すように緩衝板11を一対の折曲げ線21、22のところで折曲げ、幅方向の両端の突片24を上方へ突出させる。なおこのときに一対の折曲げ線21、22間の部分が底面となるようにする。
【0033】
また図13に示す緩衝板12を図15に示すようにその幅方向の中間位置に形成されている一対の折曲げ線21、22によって折曲げ、両側にそれぞれ突片30を突出させる。そしてこの緩衝板12の一対の折曲げ線27、28間の部分を底面とする。
【0034】
次に図14に示すように折曲げられた緩衝板11と図15に示すように折曲げられた緩衝板12とを図11に示す保持板10に組合わせる。すなわち図16に示すように、緩衝板11、12の突片24、30を保持板10のスリット15に挿入し、突片24、30を保持板10の上面に突出させる。すると緩衝板11、12の折曲げ線21、22間の底面および緩衝板12の折曲げ線27、28間の底面がそれぞれ底部となるように保持板10が中間位置で支えられるようになる。そしてこのような緩衝体は、保持板10の上端であって突片24、30間の領域に機械部品等の保護すべき物品を保持することになる。
【0035】
このような緩衝用クッションも、発泡ポリスチレンから成るクッションのような廃棄物公害を発生することがなく、容易に焼却処理を行なうことができる。また保持板10および緩衝板11、12の打抜きの形状を変更することによって、各種の形態の緩衝用クッションを製作することができ、保護すべき物品の大きさや数あるいは形状にフレキシブルに対応することが可能になる。
【0036】
(4)実施例2の変形例(図17〜図19)
次に上記実施例2の変形例を図17および図18によって説明する。この変形例は緩衝板11、12の突片24、30の先端側にさらに補助突片34を形成し、これによって押え板35を保持するようにしたものである。押え板35もまた段ボールから構成され、所定の位置にスリット36が形成されている。そして補助突片34をスリット36に挿入して保持板10と平行に保持板10に対して所定の間隔を隔ててその上方に配置することによって、緩衝用クッションが組立てられる。この場合に物品は押え板35と保持板10との間の空間に保持される。
そしてこのときに横方向の緩衝が突片24、30によって行なわれることになる。なお補助突片34の根元部分に切込み45を形成して効果を高めている。
【0037】
図19は別の変形例を示している。ここでは補助突片34によって保持されている押え板35の両端にそれぞれ折曲げ片37を形成する。ここで折曲げ片37は下方に折曲げられるとともに、先端側が当接片38になっており、この当接片38が保持板10の上面に当接するようになっている。従って押え板35と保持板10とによって閉空間を形成することが可能になる。従ってこの場合には横方向の衝撃の吸収を突片24、30および折曲げ片37によって緩衝することが可能になり、とくに横方向の衝撃に対する緩衝効果が高い緩衝用クッションになる。
【0038】
次に別の変形例を図20および図21によって説明する。この変形例は図20に示すような押え板35をさらに保持板10上に組合わせるようにしたものである。押え板35はその両側が下方へ折曲げられた折曲げ片37を一体に備えるとともに、折曲げ片37には複数の、例えば4個の円形の開口42がその長さ方向に形成される。また折曲げ片37の先端部には係止片43が間欠的に形成されている。このような係止片43に対応して、保持板10上にはスリット44が形成される(図21参照)。
【0039】
図21はこのような押え板35を保持板10と組合わせたものである。すなわち幅方向の両端がほぼ平行になるように上方に向って折曲げられた一対の緩衝板11、12が保持板10に組合わされる。さらにこれらの緩衝板11、12間において断面がコ字状に折曲げられた押え板35が保持板10に組合わされる。このときに保持板35の両端の係止片43が保持板10のスリット44に係合されるようになる。
【0040】
従ってこのような構成によれば。一対の緩衝板11、12間に上から押えるように取付けられる押え板35によって形成される閉空間内に物品を収納して保持することが可能になり、物品を拘束した状態でしかも緩衝できるようになり、物品が不測に移動することが防止できる利点がある。
【0041】
【考案の効果】
請求項1の考案は、所定の位置にスリットを形成した保持板と、長さ方向の中間位置において一対の折曲げ線で長さ方向の両端がほぼ平行になるように折曲げられ、しかも上方に突出するように突片が形成された緩衝板と、を具備し、緩衝板の突片を保持板のスリットに挿入して保持板と緩衝板とを組合わせ、緩衝板の突片の突出方向とは反対側の端縁を底面として配置するようにしたものである。
【0042】
従ってこのような緩衝用クッションによれば、保持板と緩衝板とによって緩衝用クッションが組立てられることになり、物品が保持板と突片とによって衝撃から保護されるようになる。
【0043】
請求項2の考案は、緩衝板の突片であって保持板の上面に突出する領域に開口が形成されるものである。
【0044】
従ってこのような緩衝用クッションによれば、突片に形成された開口によって緩衝効果が高められる。
【0045】
請求項3の考案は、緩衝板の突片の先端部に開放された切込みが形成されているものである。
【0046】
従ってこのような緩衝用クッションによれば、突片の先端部の切込みによって緩衝効果が改善され、より優れた緩衝効果によって物品の緩衝が図られる。
【0047】
請求項4の考案は、スリットを形成した押え板を具備し、緩衝板の突片の先端側の部分をスリットに挿入するようにして押え板を緩衝板と組合わせると、押え板が保持板に対して所定の間隔を隔てて保持板の上方に配されるようにしたものである。
【0048】
従ってこのような緩衝用クッションによれば、押え板と保持板との空間であって突片間に物品が保持されるようになる。とくに押え板を設けたことによって上方に衝撃吸収空間が形成され、物品の保護がより確実になる。
【0049】
請求項5の考案は、押え板の両端が下方に折曲げられた折曲げ片を具備し、折曲げられた該押え板と保持板との間の空間を収納空間としたものである。
【0050】
従ってこのような緩衝用クッションによれば、押え板の両側の折曲げ片によって側方からの衝撃に対する緩衝効果が高められ、側方からの衝撃に対する緩衝効果に優れた緩衝用クッションが提供される。
【0051】
請求項6の考案は、折曲げられた一対の緩衝板が互いにほぼ平行に前記保持板と組合わされ、しかも幅方向の両端が下方に折曲げられた押え板が前記一対の緩衝板の間において前記保持板に組合わされるようにしたものである。
【0052】
従ってこのような緩衝用クッションによれば、一対の緩衝板間の隙間に上から押え板を装着して保持板と組合わせるとともに、押え板の内側に閉空間から成る物品収納空間を形成できるようになり、この空間内に物品を緩衝した状態で保持することが可能になる。
【0053】
請求項7の考案は、所定の位置にスリットを形成した保持板と、幅方向の中間位置において一対の折曲げ線で幅方向の両端がほぼ平行になるように折曲げられ、しかも幅方向の両端に上方に突出するように突片が形成された緩衝板と、を具備し、緩衝板の幅方向の両端を一対の折曲げ線によって上方に折曲げ、突片を保持板のスリットに挿入して保持板と緩衝板とを組合わせ、緩衝板の一対の折曲げ線の間の平坦部を底面として配置するようにしたものである。
【0054】
従ってこのような緩衝用クッションによれば、保持板とこの保持板のスリットを通して保持板上に突出する突片とによって物品を保護することが可能になる。
しかも緩衝板の一対の折曲げ線間の平坦部を底面としているために、安定に配置することが可能になる。
【0055】
請求項8の考案は、緩衝板の突片であって保持板の上面に突出する領域に開口が形成されるようにしたものである。
【0056】
従ってこのような緩衝用クッションによれば、上記突片の開口が突片に対して衝撃吸収性能を付加し、緩衝効果が高められる。
【0057】
請求項9の考案は、緩衝板の突片の先端部に開放された切込みが形成されるようにしたものである。
【0058】
従ってこのような緩衝用クッションによれば、突片の切込みによってこの突片の緩衝効果が高められる。これによってより緩衝効果に優れた緩衝用クッションが提供される。
【0059】
請求項10の考案は、スリットを形成した押え板を具備し、緩衝板の突片の先端側の部分をスリットに挿入するようにして押え板を緩衝板と組合わせると、押え板が保持板に対して所定の間隔を隔てて保持板の上方に配されるようにしたものである。
【0060】
従ってこのような緩衝用クッションによれば、保持板と押え板との間の空間内に物品を収納保持することが可能になり、これによって包装箱の内部に緩衝用クッションによって別の空間を形成してその中に収納された物品をより確実に保護することが可能になる。
【0061】
請求項11の考案は、押え板の両端が下方に折曲げられた折曲げ片を具備し、折曲げられた押え板と保持板との間の空間を収納空間とするものである。
【0062】
従ってこのような緩衝用クッションによれば、押え板に形成された折曲げ片によって側方からの衝撃を吸収することが可能になり、これによって側方からの衝撃吸収性がさらに改善されるようになる。
【0063】
請求項12の考案は、折曲げられた一対の緩衝板が互いにほぼ平行に前記保持板と組合わされ、しかも幅方向の両端が下方に折曲げられた押え板が前記一対の緩衝板の間において前記保持板に組合わされるようにしたものである。
【0064】
従ってこのような緩衝用クッションによれば、折曲げられて保持板と組合わされた一対の緩衝板間に両端が下方に折曲げられた押え板が保持板に結合されるようになり、この保持板の内側において物品を拘束した状態で保持することが可能になり、物品が移動しないように押えながらしかも緩衝を行なうことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の緩衝用クッションの保持板の平面図である。
【図2】実施例1の緩衝用クッションの緩衝板の展開平面図である。
【図3】同緩衝板の組立て斜視図である。
【図4】同別の緩衝板の組立て斜視図である。
【図5】組立てられた緩衝用クッションの斜視図である。
【図6】変形例の緩衝用クッションの縦断面図である。
【図7】同緩衝用クッションの図6と直角方向の断面図である。
【図8】別の変形例の緩衝用クッションの縦断面図である。
【図9】別の変形例の押え板の外観斜視図である。
【図10】同押え板を用いた緩衝用クッションの縦断面図である。
【図11】実施例2の緩衝用クッションの保持板の平面図である。
【図12】同緩衝用クッションの一方の緩衝板の展開平面図である。
【図13】同緩衝用クッションの別の緩衝板の展開平面図である。
【図14】一方の緩衝板の組立て斜視図である。
【図15】他方の緩衝板の組立て斜視図である。
【図16】緩衝用クッションの組立て斜視図である。
【図17】変形例の緩衝用クッションの縦断面図である。
【図18】同緩衝用クッションの図15と直角方向の縦断面図である。
【図19】別の変形例の緩衝用クッションの縦断面図である。
【図20】別の変形例の押え板の外観斜視図である。
【図21】同押え板を用いた緩衝用クッションの縦断面図である。
【符号の説明】
10 保持板
11、12 緩衝板
15 スリット
16、17 開口
21、22 折曲げ線
23 切込み
24 突片
25 開口
27、28 折曲げ線
29 切込み
30 突片
31 切込み
34 補助突片
35 押え板
36 スリット
37 折曲げ片
38 当接片
41 開口
42 開口
43 係止片
44 スリット
45 切込み

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】所定の位置にスリットを形成した保持板と、長さ方向の中間位置において一対の折曲げ線で長さ方向の両端がほぼ平行になるように折曲げられ、しかも上方に突出するように突片が形成された緩衝板と、を具備し、前記緩衝板の突片を前記保持板のスリットに挿入して前記保持板と前記緩衝板とを組合わせ、前記緩衝板の前記突片の突出方向とは反対側の端縁を底面として配置するようにしたことを特徴とする緩衝用クッション。
【請求項2】前記緩衝板の突片であって前記保持板の上面に突出する領域に開口が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の緩衝用クッション。
【請求項3】前記緩衝板の突片の先端部に開放された切込みが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の緩衝用クッション。
【請求項4】スリットを形成した押え板を具備し、前記緩衝板の突片の先端側の部分を前記スリットに挿入するようにして前記押え板を前記緩衝板と組合わせると、前記押え板が前記保持板に対して所定の間隔を隔てて該保持板の上方に配されることを特徴とする請求項1に記載の緩衝用クッション。
【請求項5】前記押え板の両端が下方に折曲げられた折曲げ片を具備し、折曲げられた該押え板と前記保持板との間の空間を収納空間とすることを特徴とする請求項1に記載の緩衝用クッション。
【請求項6】折曲げられた一対の緩衝板が互いにほぼ平行に前記保持板と組合わされ、しかも幅方向の両端が下方に折曲げられた押え板が前記一対の緩衝板の間において前記保持板に組合わされることを特徴とする請求項1に記載の緩衝用クッション。
【請求項7】所定の位置にスリットを形成した保持板と、幅方向の中間位置において一対の折曲げ線で幅方向の両端がほぼ平行になるように折曲げられ、しかも幅方向の両端に上方に突出するように突片が形成された緩衝板と、を具備し、前記緩衝板の幅方向の両端を前記一対の折曲げ線によって上方に折曲げ、前記突片を前記保持板のスリットに挿入して前記保持板と前記緩衝板とを組合わせ、前記緩衝板の一対の折曲げ線の間の平坦部を底面として配置するようにしたことを特徴とする緩衝用クッション。
【請求項8】前記緩衝板の突片であって前記保持板の上面に突出する領域に開口が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の緩衝用クッション。
【請求項9】前記緩衝板の突片の先端部に開放された切込みが形成されていることを特徴とする請求項7に記載の緩衝用クッション。
【請求項10】スリットを形成した押え板を具備し、前記緩衝板の突片の先端側の部分を前記スリットに挿入するようにして前記押え板を前記緩衝板と組合わせると、前記押え板が前記保持板に対して所定の間隔を隔てて該保持板の上方に配されることを特徴とする請求項7に記載の緩衝用クッション。
【請求項11】前記押え板の両端が下方に折曲げられた折曲げ線を具備し、折曲げられた該押え板と前記保持板との間の空間を収納空間とすることを特徴とする請求項7に記載の緩衝用クッション。
【請求項12】折曲げられた一対の緩衝板が互いにほぼ平行に前記保持板と組合わされ、しかも幅方向の両端が下方に折曲げられた押え板が前記一対の緩衝板の間において前記保持板に組合わされることを特徴とする請求項7に記載の緩衝用クッション。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図2】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図18】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【登録番号】実用新案登録第3090438号(U3090438)
【登録日】平成14年9月18日(2002.9.18)
【発行日】平成14年12月13日(2002.12.13)
【考案の名称】緩衝用クッション
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願2002−3293(U2002−3293)
【出願日】平成14年6月3日(2002.6.3)
【出願人】(593004108)合資会社日栄紙工社 (11)
【出願人】(000223193)東罐興業株式会社 (90)