説明

縦型ポップアップペーパーボックス

【課題】ティシュペーパーやキッチンタオルのポップアップペーパーボックスを縦置きに利用することが可能となるペーパーのたたみ方とその収納方式に関する発明で、従来のティシュペーパーやキッチンタオルのポップアップペーパーボックスは最大面積側を底面として置くようにしか利用出来ないものであった。この事は自動車の運転席など狭い空間においては不便な事であり本発明はこの不満を解決する為の発明である。
【解決手段】 ペーパーを蛇腹式3枚重ねに折りたたみすべて同じ方向に並べ、1枚前の最後の段と次の段の初めの段が重なるようにする。しかる後、次のペーパーが持ち上がる方向の端部を取り出し口に誘導してポップアップの機能を横方向においても、縦方向においても有効とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は1枚のペーパーを箱から引き出すと引き続いて次のペーパーの一端が出てきて次の取出しが容易になる、いわゆるポップアップ式のペーパーボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ポップアップ方式のティシュペーパーやキッチンタオルは広く一般家庭でも利用されているがそれらは、2つ折にしたペーパーを重ね合わせて箱に収めたものであり、長方形の最大の面積部分の面に取り出し口を設け、対になる片方の面を下にしてテーブルに置く使い方をされていた。
【0003】
このような、ティシュペーパーやキッチンタオルは長方形の最大面積側を下にして置くため、設置場所を広く取る事が欠点であり特に、デスクの上や車の中などの狭い空間では置き場所に困る問題があった。
【0004】
以下はティシュペーパーに関する特許文献である。
【特許文献1】特許出願2002−359490
【特許文献2】特許出願2002−224687
【特許文献3】特許出願平11−213861
【特許文献4】特許出願平9−129031
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、ティッシュペーパーはペーパー集合体が長方形の箱に収められ、もっとも大きな面積の側面が底になる様にして用いられている。この事は安定性の面では優れているが、自動車の運転席など狭い空間の環境で利用する場合は不満のある事であった。すなわち縦に設置しておけば占有面積が半分近くになるくらい小さくなるのに、縦に設置するとポップアップの機能は作動しなく成るという制約の為であった。
【0006】

この事は2つ折の紙の組み合わせでポップアップ機能を持たせているため、天地の方向に対してだけその作用が成り立つという基本的機構の問題であった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の問題を解決するための本発明は、ポップアップ機能を3つ折のペーパー単体を重ね合わせる事により構成した事を特徴として、ティシュペーパーやキッチンタオルの箱を縦置きに利用する事を可能とした。すなわち小さい面積側の側面を上になるよう置き、そこからペーパーをポップアップ式に取り出す事を可能とした。
【発明の効果】
【0008】
本発明により狭い空間にティッシュペーパーを置く場合縦置きに収納する事が可能となり大いに便利に成った事に加え、もっとも大きな面積の側面を広告のスペースに有効に利用できるようになり、ポップアップペーパーボックスの景品としての利用価値も大きく高まった。
【0009】

自動車産業においては特にポップアップペーパーボックスを景品として利用する事が多いが、本発明により運転席のドアサイドなどの狭い空間に収納したままポップアップ機能を使える本発明は大いに注目を集めている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
発明を実施するための最良の形態を図において説明する。図3はペーパー単体の折りたたみ方を説明したものである。通常、蛇腹折とも呼ばれる折方であり、3段に折りたたむ事を特徴としている。図4は折り畳んだペーパー単体を重ねた様子の断面図であり、図5はその斜視図である。
【0011】
この様にたたみ重ねる事により、重ね合わせた平面と水平な方向の、左右のうちの一つの方向に対してのみポップアップ機能が生まれる。すなわち、図1における組み合わせの場合、取り出し口(C)の方向に一枚目の山折端を引くと2枚目の山折端が誘導されポップアップ機能が生まれる。しかし、ペーパー集合体の反対側にある最終枚の山折端を引いた場合、ポップアップ機能は生じない為、必ず第1番目にペーパーを引き始める時に初めの1枚目を掴む様に工夫または準備してセットする必要がある。
【0012】
また谷折、山折の関係は相対的なものあるので、説明はすべての要素の相対的位置関係の1例であり、鏡像の組み合わせが常に有効なものである。図1においての例は側面の面積の大きさが中間の面を底辺にして置いた場合の例である。すなわち図1のような組み合わせでは取り出し方向はAの記号が記された側のみでポップアップ機能が有効になる。
【0013】
特許請求の範囲第2項の発明は、前述した通りの鏡像関係の作用から反対面(S´)からも取り出せる。その場合は取り出し口には最終ペーパーの谷折端を引き出せばこの方向においてもポップアップ機能が生ずる。
【0014】
特許請求の範囲第3項の発明について説明する。取り出し口とそこから取り出すことの出来る左右の位置関係は1対1に決定される為、必ず初めの1枚目はポップアップ機能の有効な方の端部を引き出さなければ成らない。そのため、その組み合わせの有効な側の角部に取り出し口を設けることによりより確実に有効側の端部を引き出す事を可能としたものである。
【0015】
特許請求の範囲第4項の発明について説明する。取り出し口から引き出せる方向の端部が決定していて、その反対側ではポップアップ機能は無効な事は前述したとおりであるが、第4項の発明はあらかじめ、その有効側の端部を引き出し口に面するようにする事を目的としている。本請求項のように構成する事により取り出し口に面したペーパーを掴むだけで、意識することなくポップアップ機能が有効な側の端部を掴む事が可能となり使い易さが向上した。
【0016】
なお、第1図は、面積が中間の大きさの側面を底面とした位置でそこに取り出し口を設けたが、最小面積の側面(T)に取り出し口(C)を設けることも当然可能であり、最小面積側面と小面積側面(S)、(S´)の位置を置き換えただけで良い。
【0017】
特許請求の範囲第1項の”n”は1以上の整数であり、市販されているティッシュペーパーの場合、nは100から250位が一般的に多い。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明を平易に説明するために、代表的なティッシュペーパーを例に説明したがぺーパーは紙に限らず化学繊維の高機能のものなど多くの種類がある。料理に利用されるキッチンペーパーや化粧用特殊紙、ビニール袋などのポップアップ箱等にも広く利用される。またこれらの製品群は広告用の景品に多く利用されているがその宣伝面積を有効に広める結果も得られた。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】請求項1の実施例を示した断面説明図である。
【図2】請求項3の実施例を示した断面説明図である。
【図3】3枚に畳んだペーパー単体の斜視図である。
【図4】ペーパー単体を重ねたペーパー集合体を示した断面説明図である。
【図5】ペーパー集合体の各部名称を詳しく示した斜視図である。
【図6】請求項1の実施例を示した説明図である。
【図7】請求項5のひとつの実施例を示した説明図である。
【図8】請求項6のひとつの実施方法を示した説明図である。
【符号の説明】
【0020】
1 山折端
2 山折天
3 谷折天
4 谷折端
A ペーパー
B 箱
C 取り出し口
S 山折天側の小側面
S´ 谷折天側の小側面
T 最小側面
W 大側面
イ 1枚目山折端
ロ 最終枚の谷折端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
N字状に3段に折りたたんだペーパー単体を、n枚目の谷に相当する位置にn+1枚目の山折端を挟むようにして複数枚を重ね合わせてペーパー集合体を構成し、前記ペーパー集合体を各側面が長方形の箱(B)の小面積側の1側面(S)に山折天(2)を有する側の面が接するべく収納し、前記、小面積側の1側面(S)にペーパー取り出し口(C)を設け、1枚目の山折端から取り出すようにした事を特徴としたポップアップペーパーボックス。
【請求項2】
箱(B)の小面積側の1側面(S)と対になる側面(S´)にペーパー取り出し口(C)を設け、ペーパー集合体の最終枚の谷折端から取り出すようにした事を特徴とした特許請求の範囲第1項のポップアップペーパーボックス。
【請求項3】
小面積側の1側面(S)のペーパー集合体の1枚目山折天側の角部にペーパー取り出し口(C)を設け、ペーパー集合体の1枚目の山折端から取り出すようにした事を特徴とした特許請求の範囲第1項及び第2項のポップアップペーパーボックス。
【請求項4】
ペーパー集合体の1枚目の山折端を山折天の側面側に折り返した事を特徴とした特許請求の範囲第1項から第3項のポップアップペーパーボックス。
【請求項5】
ペーパー集合体の最終枚の谷折端を谷折天の側面側に折り返した事を特徴とした特許請求の範囲第2項から第4項のポップアップペーパーボックス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−346137(P2006−346137A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−175911(P2005−175911)
【出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(000217468)
【Fターム(参考)】