縦横縞形固体酸化物形燃料電池スタック及びバンドル
【課題】電流折り返し構造をもち、縦横縞形SOFCスタックの集積配置を自由にできるようにしてなる縦横縞形SOFCバンドルを得る。
【解決手段】複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、一個〜複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなる縦横縞形SOFCスタックの単位を面平行に複数列配置してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル。
【解決手段】複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、一個〜複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなる縦横縞形SOFCスタックの単位を面平行に複数列配置してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットチューブ形の縦横縞形固体酸化物形燃料電池スタックおよびバンドルに関し、より具体的には、内部に燃料流路または空気流路を有する多孔質の電気絶縁性基体の相対する一対の表面に固体酸化物形燃料電池セルの複数個を縦横縞状に配置してなるフラットチューブ形の縦横縞形固体酸化物形燃料電池スタックおよびバンドルに関する。
【0002】
本明細書において、固体酸化物形燃料電池セルの用語については適宜“SOFCセル”と指称し、横縞形SOFCの改良技術の一種である「燃料の流れる方向と電流の流れる方向を直角乃至ほぼ直角にする」構造のものを「縦横縞形SOFCスタック」と記載している。また、フラットチューブ形の縦横縞形固体酸化物形燃料電池を適宜“縦横縞形SOFC”、“扁平縦横縞形SOFC”、“中空扁平縦横縞形SOFC”等と指称する。
【背景技術】
【0003】
横縞形SOFCは、固体酸化物からなる電解質材料を挟んで燃料極層と空気極層とを配するとともに、適宜、燃料極層側インターコネクタや空気極層側インターコネクタを配して構成されたセルの複数個を横縞状に配置するタイプの固体酸化物形燃料電池である。横縞形SOFCには円筒タイプ(特許文献1)や中空扁平タイプ(特許文献2)などの方式がある。
【0004】
SOFCの運転時には、燃料極層側に燃料を通し、空気極層側に空気、酸素等の酸化剤ガス(以下、代表して適宜“空気”と言う。)を通して、両電極を外部負荷に接続することで電力が得られる。ところが、単電池一つでは高々0.7〜0.8V程度の電圧しか得られないので、実用的な電力を得るためには複数の単電池(セル)を電気的に直列に接続する必要がある。
【0005】
中空扁平横縞形SOFCでは、中空扁平状の、多孔質で電気絶縁性の基体すなわち電気絶縁性基体の当該扁平面すなわち相対する一対の面にそれぞれ複数のセルを配置し、隣接するセルをインターコネクタにより電気的に接続することで構成される。中空扁平状電気絶縁性基体の中空部は、当該基体の内部に形成され、通常その一端の開口から他端の開口に向けて燃料や空気を流通させるガス流路となる。燃料を流通させる場合には燃料流路となり、空気を流通させる場合には空気流路となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−003932号公報
【特許文献2】特開2006−019059号公報
【特許文献3】特開2007−134230号公報
【0007】
〈従来の技術〉
横縞形SOFCの改良技術の一種として、燃料の流れる方向と電流の流れる方向を垂直つまり直角にする「縦横縞形SOFCスタック」がある。このスタックは、横縞形SOFCスタックの利点、メリットをそのままに、燃料枯れしにくいと言うメリットも有する。
【0008】
中空扁平横縞形SOFCにおいては、その表面および裏面にそれぞれ間隔を置いてセルを配置するが、その際、一方の面、例えば表面のセル列から他方の面すなわち裏面のセル列へ電流を折り返す必要がある。図1〜4は一例として特許文献3に記載の電流の流れ形状、構造を説明する図である。図2に記載のとおり、SOFCスタックの側面端部で素子間接続部材16により電流を折り返している。従来技術のように電流の接続端子(電極)を両面に1箇所ずつ設ける。
【0009】
ここで、図1〜3を用い、縦横縞形SOFCスタックの構造の概略を説明する。図1は燃料電池セルの正面図、図2は図1中A−A線断面図である。図1〜2において、燃料電池セル3は、細長い中空板状の多孔質支持体11の表面に、この多孔質支持体11の軸長方向すなわち燃料ガスが流れる方向と垂直方向に、矩形状の複数の発電素子部(セル)13、13´が形成されている。
【0010】
図1〜4に示す例では、発電素子部(セル)13、13´は、中空板状の多孔質支持体11の片面〔表面:図1〜2では上面〕に2個、他面〔裏面:図1〜2では下面〕に2個、合計4個形成されている。複数の発電素子部(セル)13は、それぞれ長辺と短辺とを有する細長い長方形状であり、その長辺の延びる方向が前記燃料ガスの流れる方向になっている。そして、隣り合う複数の発電素子部(セル)13、13´の長辺同士が対向している。
【0011】
多孔質支持体11は、図2に示すように、その内部に一流路以上(図2では6個)の独立したガス流路12が発電素子部(セル)13の長辺に沿った方向(図2の紙面に垂直な方向)、すなわち多孔質支持体11の軸長方向に平行に設けられている。多孔質支持体11は、発電素子部(セル)13同士の電気的短絡を防止する観点から絶縁性である。図2のとおり、内側電極としての燃料極17、固体電解質19、および外側電極としての空気極18が、多孔質支持体11の表面に順次積層された構造を有し、固体電解質19を燃料極17、空気極18により挟持した部分が発電素子部(セル)13を構成している。
【0012】
固体電解質19には発電素子部(セル)13の長辺の方向に沿って開口部が設けられており、ここに導電性の集電層14が形成されている。集電層14は、燃料極17の電荷を、隣接する発電素子部(セル)13の表面に引き出す機能を有し、後述素子間接続部材15とともに、隣接する発電素子部(セル)13間を電気的に接続するインターコネクタの構成部材でもある。
【0013】
発電素子部(セル)13の詳細な構造について説明する。図3(a)は、発電素子部(セル)13の詳細な構造を示す拡大断面図である。多孔質支持体11全体の表面には、多孔質支持体材料の拡散を防止するための拡散防止層11aが形成されている。その上に、発電素子部(セル)13の形状に合わせて、発電用の燃料である水素ガスを透過させる燃料極17が形成されている。燃料極17は、この例では、集電燃料極17aと活性燃料極17bとの2層で構成されている。
【0014】
燃料極17の上には固体電解質19が形成されている。この固体電解質19は隣接する発電素子部(セル)13との間にも形成され、隣接する発電素子部(セル)13間を相対的に絶縁している。固体電解質19には発電素子部(セル)13の長辺に沿った方向に延びる開口部が設けられており、この開口部に、燃料極17から電気を取り出すための集電層14が形成されている。
【0015】
集電層14は、図3(a)の例では、金属層14aと、金属にガラスの入った層である金属ガラス層14bとの二層構造からなる。図3(a)では、金属ガラス層14bを用いているが、これに代えて従来公知の電気伝導性酸化物材料である、例えば(La,Sr)CrO3、(La,Sr)(Co,Fe)O3、(La,Sr)MnO3、等を用いることができる。固体電解質19の上には、空気極18と固体電解質19との反応を防止するための反応防止層20を介して、空気極18が形成されている。この空気極18と前記集電層14とから、発電素子部(セル)13の正負の電気を取り出すので、空気極18と集電層14とは接触しないように配置される。
【0016】
さらにその上に、多孔質の素子間接続部材15が形成されている。素子間接続部材15は、一つの発電素子部(セル)13の空気極18と、これに隣接する他の発電素子部(セル)13の集電層14とを接続するための導電性の部材である。集電層14と素子間接続部材15とでインターコネクタが構成される。素子間接続部材15は、発電素子部(セル)13の長辺方向に沿って延びる一枚の部材であってもよく、発電素子部(セル)13同士の複数箇所を接続する複数の部材からなっていてもよい。この素子間接続部材15により、縦長の発電素子部(セル)13同士が電気的に直列に接続される。
【0017】
なお、多孔質支持体11の片面に設けられた発電素子部(セル)13と、同じ多孔質支持体11の裏面に設けられた発電素子部(セル)13とは、図2に示すように、素子間接続部材16の回り込みによって接続される。本明細書では、このような多孔質支持体11の表裏面に設けられた発電素子部(セル)13であっても、それらが素子間接続部材16で接続されるならば、互いに「隣接」した関係にあるという。
【0018】
以上のとおり、先行技術に係る実施形態の燃料電池セル3において、隣接する発電素子部(セル)13同士は、素子間接続部材15および16により電気的に接続されている。すなわち、一方の発電素子部(セル)13の燃料極17は集電層14を通して、素子間接続部材15および16により、隣接する発電素子部(セル)13の空気極18と接続される構造となっている。
【0019】
多孔質支持体11の同じ面に設けられたもう一方の発電素子部(セル)13(図2に13′で示す)の集電層14は、隣の燃料電池セルに接続されるための極となる。また、同じ多孔質支持体11の裏面に設けられたもう一方の発電素子部(セル)13(図2に13″で示す)の空気極18も、隣の燃料電池セルに接続されるための極となる。これらの極をつなぐために形成された素子間接続部材15のうち、特に表面側のセルから裏面側のセルへ電流を折り返す素子間接続部材を符号16で示している。
【0020】
このように、燃料電池セル3の発電素子部(セル)13の長辺の延びる方向に沿って設けられた複数の発電素子部(セル)13の長辺同士が、素子間接続部材15および16により接続されているので、電流の流れる方向は、発電素子部(セル)13の長辺の延びる方向すなわち燃料ガスの流れる方向とほぼ直角の方向となる。すなわち、燃料の流れる方向と電流の流れる方向を垂直にする構造である「縦横縞形SOFCスタック」を構成している。
【0021】
したがって、縦横縞形SOFCスタックでは、発電素子部(セル)13の下流側へのガス供給量が減少する燃料枯れが起って、発電素子部(セル)13の下流側での発電量が低下しても、全体として、電流の流れる経路は確保されることとなる。したがって、直ちに全体の発電能力の低下に結びつくことはなくなり、燃料電池セル3の寿命が長くなる。
【0022】
この燃料電池セル3では、ガス流路12内に、例えば水素を含む燃料ガスを流して多孔質支持体11を還元雰囲気に曝し、かつ、空気極18の表面に空気などの酸素含有ガスを流して空気極18を酸素雰囲気に曝すことにより、燃料極17および空気極18で、特許文献3で説明されている下記式(1)および(2)に示す電極反応を生じて発電することができる。
【0023】
【化1】
【0024】
この燃料電池セル3は、1つのセルあたり、複数の発電素子部(セル)13を形成しているので、その数に応じて、燃料電池セル3当りの発電電圧を高くすることができる。そのため、少ないセル数で高い電圧を得ることができる。
【0025】
また、前記多孔質支持体11は板状の形状を有し、発電素子部(セル)13をその両面に配置しているので、燃料電池セル3の体積当たりの発電素子部(セル)13の面積を大きくし、その結果、燃料電池セル3の体積当たりの発電量を大きくすることができる。そのため、必要とする発電量を得るための燃料電池セル3の個数を低減することができる。その結果、構造が簡易になり、組み立てが簡単になるとともに、燃料電池セル3の信頼性を向上させることができる。
【0026】
また、多孔質支持体11は、中空形状であり、その内部には複数のガス流路12を設けることができるため、多孔質支持体11の構造強度を向上させることができ、燃料電池セルの機械強度を高めることができる。そのため、燃料電池セルのハンドリングが容易になり、燃料電池セルスタックや燃料電池の組み立てが容易になるとともに、燃料電池セルの優れた信頼性を確保することができる。
【0027】
なお、図1において、多孔質支持体11の長径寸法(両端の弧状部間の距離に相当)Dは、例えば15mm〜160mm、好ましくは30mm〜80mmの範囲であり、その高さ寸法Hは、例えば100mm〜300mm、好ましくは150mm〜250mmの範囲である。
【0028】
以上述べた特許文献3に記載の先行技術においては、電流折り返しは素子間接続部材(集電層)で行うが、図3(b)は燃料電池セル3を複数組み合わせた燃料電池セルスタック4の接続構造を示す断面図である。また、図4は燃料ガスマニホールド2に装着された燃料電池セルスタック4の斜視図である。図3(b)、図4に示すように、左右複数の燃料電池セル3は、千鳥状に配設されており、隣接するセル同士は、表面、裏面に形成されたセル間接続部材15を介して接続されると解される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
本発明は、上記のような縦横縞形SOFCスタックの配置構造を改良して、縦横縞形SOFCスタックの集積配置を自由にできるようにしてなる縦横縞形SOFCバンドルを提供することを目的とし、また、当該縦横縞形SOFCバンドルを構成するための根本(ねもと)用縦横縞形SOFCスタック、接続用縦横縞形SOFCスタック、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明(1)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0031】
本発明(2)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなる単位を面平行に複数列配置してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0032】
本発明(3)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0033】
本発明(4)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなる縦横縞形SOFCスタックの単位を面平行に複数列配置してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0034】
本発明(5)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0035】
本発明(6)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなる縦横縞形SOFCスタックの単位を面平行に複数列配置してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0036】
本発明(7)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に連結してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0037】
本発明(8)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に複数個連結してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0038】
本発明(9)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に直列に連結してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0039】
本発明(10)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に複数個直列に連結してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0040】
本発明(11)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に配置してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0041】
本発明(12)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に、それぞれ面平行に複数列配置してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0042】
本発明(13)は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドル、または、根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける、根本用縦横縞形SOFCスタックAであって、
(a)内部に燃料供給口から燃料排出口に至る燃料流路と、外部に前記燃料流路と平行に表裏一対の面とを備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、燃料流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)接続用縦横縞形SOFCスタックB、あるいは、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極108および電極101とし、かつ、次の根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を、表面側および裏面側の側面端部に位置する電極100および電極109としてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル構成用根本用縦横縞形SOFCスタックである。
【0043】
本発明(14)は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける接続用縦横縞形SOFCスタックBであって、
(a)内部に燃料供給口から燃料排出口に至る燃料流路と、外部に前記燃料流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、燃料流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極106および電極103とし、かつ、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極107および電極102としてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル構成用接続用縦横縞形SOFCスタックである。
【0044】
本発明(15)は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドル、または、根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCであって、
(a)内部に燃料供給口から燃料排出口に至る燃料流路と、外部に前記燃料流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、燃料流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)接続用縦横縞形SOFCスタックB、あるいは、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極104および電極105としてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル構成用電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックである。
【0045】
本発明(16)は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドル、または、根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける、根本用縦横縞形SOFCスタックAであって、
(a)内部に空気供給口から空気排出口に至る空気流路と、外部に前記空気流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、空気流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)接続用縦横縞形SOFCスタックB、あるいは、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極108および電極101とし、かつ、次の根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を、表面側および裏面側の側面端部に位置する電極100および電極109としてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル構成用根本用縦横縞形SOFCスタックである。
【0046】
本発明(17)は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける接続用縦横縞形SOFCスタックBであって、
(a)内部に空気供給口から空気排出口に至る空気流路と、外部に前記空気流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、空気流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極106および電極103とし、かつ、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極107および電極102としてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル構成用接続用縦横縞形SOFCスタックである。
【0047】
本発明(18)は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドル、または、根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCであって、
(a)内部に空気供給口から空気排出口に至る空気流路と、外部に前記空気流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、空気流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)接続用縦横縞形SOFCスタックB、あるいは、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極104および電極105としてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル構成用電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックである。
【発明の効果】
【0048】
本発明によれば従来のものより薄く、あるいは自由な形状にSOFCスタックを集積配置することが可能となり、また、本発明を家庭用SOFCコージェレーションに適応した場合には、従来設置不可能であった狭小地への設置や集合住宅への設置が可能な薄形のSOFCバンドルやSOFCシステムを構成、構築できるなど、各種有用な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は先行技術に係る中空扁平タイプの縦横縞形固体酸化物形燃料電池の構成例を説明する図である。
【図2】図2は先行技術に係る中空扁平タイプの縦横縞形固体酸化物形燃料電池の構成例を説明する図である。
【図3】図3は先行技術に係る中空扁平タイプの縦横縞形固体酸化物形燃料電池の構成例を説明する図である。
【図4】図4は先行技術に係る中空扁平タイプの縦横縞形固体酸化物形燃料電池の配置構造の構成例を示す図である。
【図5】図5は本発明の縦横縞形SOFCバンドルに共通する事項を説明する図である。
【図6】図6は本発明の縦横縞形SOFCバンドルに共通する事項を説明する図である。
【図7】図7は本発明の縦横縞形SOFCバンドルに共通する事項を説明する図である。
【図8】図8は本発明の縦横縞形SOFCバンドルに共通する事項を説明する図である。
【図9】図9は本発明の縦横縞形SOFCバンドルに共通する事項を説明する図である。
【図10】図10は本発明(1)〜(2)の縦横縞形SOFCバンドルの態様を説明する図である。
【図11】図11は本発明(1)〜(2)の縦横縞形SOFCバンドルの態様を説明する図である。
【図12】図12は本発明(3)〜(4)の縦横縞形SOFCバンドルの態様を説明する図である。
【図13】図13は本発明(3)〜(4)の縦横縞形SOFCバンドルの態様を説明する図である。
【図14】図14は本発明(5)〜(6)の縦横縞形SOFCバンドルの態様を説明する図である。
【図15】図15は本発明(7)〜(8)の縦横縞形SOFCバンドルの態様を説明する図である。
【図16】図16は本発明(9)〜(10)の縦横縞形SOFCバンドルの態様を説明する図である。
【図17】図17は本発明(11)〜(12)の縦横縞形SOFCバンドルの態様を説明する図である。
【図18】図18は本発明の縦横縞形SOFCバンドルに共通する事項(ガス流路32を空気流路332とした態様)を説明する図である。
【図19】図19は本発明の縦横縞形SOFCバンドルに共通する事項(ガス流路32を空気流路332とした態様)を説明する図である。
【図20】図20は本発明の縦横縞形SOFCバンドルに共通する事項(ガス流路32を空気流路332とした態様)を説明する図である。
【図21】図21は本発明の縦横縞形SOFCバンドル用の縦横縞形SOFCスタックA〜Cにおけるセル数、配置関係を説明する図である。
【図22】図22は本発明の縦横縞形SOFCバンドルの配置態様を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本発明の縦横縞形SOFCバンドルは、(1)根本(ねもと)用SOFCスタックAと電流折り返し用SOFCスタックCとで構成され、また、(2)根本用SOFCスタックAと接続用SOFCスタックBと電流折り返し用SOFCスタックCとで構成される。以下、これらについて順次説明する。
まず、根本用SOFCスタックAの箇所において、それら根本用SOFCスタックAと接続用SOFCスタックBと電流折り返し用SOFCスタックCとに共通する事項を含めて記載し、次いで接続用SOFCスタックB、電流折り返し用SOFCスタックCについて記載する。
【0051】
〈根本用SOFCスタックAと接続用SOFCスタックBと電流折り返し用SOFCスタックCとの各SOFCスタックに共通する事項について〉
図5〜9は本発明の縦横縞形SOFCバンドルに共通する事項を説明する図である。図5(a)、図6、図7には根本用SOFCスタックA自体の構造例についても示している。以下、図5〜7を用い、本発明に係る根本用SOFCスタックA、接続用SOFCスタックBおよび電流折り返し用SOFCスタックCにおける中空扁平状(=中空板状)縦横縞形SOFCセルの構造を説明する。以下、中空扁平状縦横縞形SOFCセルを“縦横縞形SOFCセル”とも言う。
【0052】
図6(a)は縦横縞形SOFCセル43の正面図、図5(a)、図6(b)は図6(a)中A−A線断面図、図6(c)は図6(b)の一部拡大図である。
【0053】
図6において、縦横縞形SOFCセル43は、細長い中空板状の多孔質支持体31の表面に、当該中空板状多孔質支持体31の軸長方向すなわち燃料ガスが流れる方向に沿って、矩形状の複数の各発電素子部(セル)33を形成することにより構成される。それら個々のセルを符号33で示し、個々のセルを纏めて示すセル、あるいはそれら各セルの集合体として言うセルを符号43で示している。
【0054】
図5(a)、図6〜7に示す例では、発電素子部(セル)33は、中空板状の多孔質支持体31の片面〔表面:図6(b)では上面側〕に4個、他面〔裏面:図6(b)では下面側〕に4個、合計8個を備えている。各発電素子部(セル)33は、それぞれ長辺と短辺とを有する細長い長方形状であり、その長辺の延びる方向が前記燃料ガスの流れる方向になっている。そして、隣り合う複数の発電素子部(セル)33の長辺同士が並列している。
【0055】
中空板状多孔質支持体31は、図6(b)に示すように、その内部に一流路以上〔図6(b)では12個〕の独立したガス流路32が発電素子部(セル)33の長辺に沿った方向〔図6(b)の紙面に垂直な方向〕、すなわち多孔質支持体31の軸長方向に平行に設けられている。多孔質支持体31は、発電素子部(セル)33同士の電気的短絡を防止する観点から絶縁性である。
【0056】
図6(b)〜(c)のとおり、内側電極としての燃料極37、固体電解質38および外側電極としての空気極39が、中空板状多孔質支持体31の表面に順次積層された構造を有し、固体電解質38を燃料極37、空気極39により挟持した部分が発電素子部(セル)33を構成している。
【0057】
固体電解質38には発電素子部(セル)33の長辺の方向に沿って開口部が設けられており、ここに導電性の集電層34が形成されている。集電層34は、燃料極37の電荷を、隣接する発電素子部(セル)33の表面に引き出す機能を有し、後述素子間接続部材(インターコネクタ=IC)とともに、隣接する発電素子部(セル)33間を電気的に接続するインターコネクタの構成部材でもある。集電層34は素子間接続部材35とともにインターコネクタ(IC)とも称される。
【0058】
発電素子部(セル)33の構造は、図6(c)に示すとおり、多孔質支持体31の上面に、発電素子部(セル)33の形状に合わせて、発電用燃料である水素ガスを透過させる燃料極37が形成されている。発電素子部(セル)33の詳細な構造例は、前述図2、図3(a)を用いて説明したのと同様である。
【0059】
燃料極37の上には固体電解質38が形成されている。この固体電解質38は隣接する発電素子部(セル)33との間にも形成され、隣接する発電素子部(セル)33間を絶縁している。固体電解質38には発電素子部(セル)33の長辺に沿った方向に延びる開口部が設けられており、この開口部に、燃料極37から電気を取り出すための集電層34が形成されている。集電層34の構成例、構成材料等については前述図3(a)を用いて説明したとおりであり、例えば金属層14aと、金属にガラスの入った層である金属ガラス層14bとの二層構造からなる。
【0060】
固体電解質38の上に空気極39が形成されている。前述図3(a)を用いて説明したとおり、固体電解質38の上には、空気極39(の材料)と固体電解質38(の材料)との反応を防止するための反応防止層20を介して空気極39が形成される。この空気極39と燃料極37とから、発電素子部(セル)33の正負の電気を取り出すので、燃料極37と集電層34とは接触しないように配置される。なお、集電層34は、発電時の電流の流れ方向でみて、次の発電素子部(セル)33の燃料極37とは接している。
【0061】
さらに、集電層34の上に、多孔質の素子間接続部材35が形成されている。素子間接続部材35は、一つの発電素子部(セル)33の空気極39と、これに隣接する他の発電素子部(セル)33の集電層34とを接続するための導電性の部材である。集電層34と素子間接続部材35とでインターコネクタ(IC)が構成される。
【0062】
素子間接続部材35は、発電素子部(セル)33の長辺方向に沿って延びる一枚の部材であってもよく、発電素子部(セル)33同士の複数箇所を接続する複数の部材からなっていてもよい。集電層34と素子間接続部材35により、縦長の発電素子部(セル)33同士が電気的に直列に接続される。
【0063】
なお、図6(b)では、多孔質支持体31の片面に設けられた発電素子部(セル)33と、同じ多孔質支持体31の裏面に設けられた発電素子部(セル)33とは、燃料極37の回り込みによって電気的に接続されるが、その電気的接続には素子間接続部材35や他の導電性を有する素子間接続部材を利用してもよく、セル構造を形成して折り返してもよい。
【0064】
以上は、本発明に係る(1)根本用SOFCスタックA、(2)接続用SOFCスタックBおよび(3)電流折り返し用SOFCスタックCに共通する構成である。以下、それら各スタックに独特の構成、各スタック間の接続関係、配置関係について説明する。
【0065】
ここで、符号100〜109で示す電極の構成材料は、多孔質で耐熱性、電気伝導性がよければ使用でき、例えば(La,Sr)CrO3、(La,Sr)(Co,Fe)O3、(La,Sr)MnO3、等を挙げることができる。それらは組み合わせて用いることができる。また、耐熱性合金を加工して使用してもよい。これら材料は各電極間を接合する材料としても使用される。
【0066】
以下、図面を利用し、根本用SOFCスタックA、電流接続用SOFCスタックBおよび電流折り返し用SOFCスタックCの各スタック独自、独特の構成を、根本用SOFCスタックA、電流接続用SOFCスタックBおよび電流折り返し用SOFCスタックCが接続される場合により説明する。
【0067】
〈根本用SOFCスタックA独特の構成〉
図7は根本用SOFCスタックAの構成を説明する図である。図7(a)はセル33の配置箇所、その構造等を示した図で、各セル33の配置箇所、構造を明記するため、素子間接続部材35の記載は省略している。図7(b)は図7(a)の上下幅を拡大して示した図で、素子間接続部材35をも記載し、発電時の電流の流れ方向を矢印線で示している。
【0068】
図7(b)において、符号101で示す左上側の電極が接続用SOFCスタックBとの電気的接続用電極となる。発電時において、電極100から流入する電流は、図7(b)中、矢印線のように流れ、各セルによりさらに発電され、電極101から次のスタック、つまり接続用スタックBの電極102へ連結される。根本用縦横縞形SOFCスタックAを“根本用縦横縞形SOFCスタックA−接続用SOFCスタックB−電流折り返し用SOFCスタックC”の組み合わせで用いる場合、電極108および電極101は、接続用縦横縞形SOFCスタックBとの電流接続用電極となる。
【0069】
〈電流接続用SOFCスタックB独特の構成〉
図8は接続用SOFCスタックBの構成を説明する図である。図8(a)はセル33の配置箇所、その構造等を示した図で、各セル33の配置箇所、構造を明記するため、素子間接続部材35の記載は省略している。図8(b)は図8(a)の上下幅を拡大して示した図で、素子間接続部材35も記載し、発電時の電流の流れ方向を矢印線で示している。
【0070】
図8(b)において、右下端部の符号102で示す電極が根本用SOFCスタックAとの接続部となり、左上端部の符号103で示す電極が電流折り返し用SOFCスタックCとの接続部となる。発電時において、根本用SOFCスタックAでの発電電流は当該根本用スタックAの電極101を経て接続用SOFCスタックBの電極102へ流れる。電極102へ流入した電流は、図8(b)中、矢印線のように流れ、各セル33によりさらに発電され、電極103から次のスタック、つまり電流折り返し用SOFCスタックCの電極104へ流れる。
【0071】
〈電流折り返し用SOFCスタックC独特の構成〉
図9は電流折り返し用SOFCスタックCの構成を説明する図である。図9(a)はセル33の配置箇所、その構造等を示す図で、各セル33の配置箇所、構造を明記するため、素子間接続部材35の記載は省略している。図9(b)は図9(a)の上下幅を拡大して示した図で、素子間接続部材35も記載し、発電時の電流の流れ方向を矢印線で示している。
【0072】
図9(b)において、右下側端部の符号104で示す電極が接続用SOFCスタックBとの接続部となり、右下端部の符号105で示す電極が接続用SOFCスタックBへの接続部となる。発電時において、接続用SOFCスタックBからの発電電流は、当該接続用スタックBの電極103から電流折り返し用SOFCスタックCの電極104へ流れる。当該電極104からの電流は図9(b)中矢印線のように流れ、各セル33によりさらに発電されて電極105に至り、当該電極105から次の、つまり接続用SOFCスタックBの電極106へ流れる。
【0073】
発電時において、電流折り返し用SOFCスタックCの電極105から接続用SOFCスタックBの左上端部に位置する電極106へ流れる電流は、図8(b)中矢印線のように流れ、各セル33によりさらに発電され、図8(b)中、右下の電極107から根本用SOFCスタックAの電極108を経て図7(b)中矢印線のように流れ、各セル33によりさらに発電され、電極109から次のスタック、つまり2列目の根本用SOFCスタックAの電極100へ流れる。
【0074】
〈本発明に係るSOFCバンドルについて〉
以上、本発明に係る(1)根本用SOFCスタックA、(2)接続用SOFCスタックBおよび(3)電流折り返し用SOFCスタックCに共通する構成、〈根本用SOFCスタックA独特の構成〉、〈接続用SOFCスタックB独特の構成〉および〈電流折り返し用SOFCスタックC独特の構成〉で述べたように、それら(1)根本用SOFCスタックAおよび(3)電流折り返し用SOFCスタックCの2種のSOFCスタックを組み合わせ、また、それら(1)根本用SOFCスタックA、(2)接続用SOFCスタックB(の1個または複数個)および(3)電流折り返し用SOFCスタックCの3種のSOFCスタックを組み合わせることにより、本発明に係る縦横縞形SOFCバンドルを構成することができる。
【0075】
〈本発明(1)に係るSOFCバンドル〉
本発明(1)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0076】
〈本発明(2)に係るSOFCバンドル〉
本発明(2)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなる単位を面平行に複数列配置してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0077】
本発明(2)に係る縦横縞形SOFCバンドルは、本発明(1)の根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCからなる縦横縞形SOFCバンドルの単位を面平行に複数列配置したものである。
【0078】
図10〜11は本発明(1)〜(2)の態様を説明する図である。図10(a)は従来技術、図10(b)は本発明に係るSOFCバンドルであり、各下部に電流の流れを示している。図11は根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCの配置方法、接続構造を示している。図11のとおり、電極101と電極104とを接続し、電極105と電極108とを接続する。それら両電極間は、電気的に接合するとともに構造的にも接合するが、その接合には例えば前述電極の構成材料を用いることができる。この点、以下に述べる各電極間の接合についても同様である。
【0079】
図10(a)のとおり、従来技術では縦横縞形SOFCスタックを片方側へ上下間隔を置いて配置する。これに対して、図10(b)、図11のとおり、本発明(1)〜(2)に係るSOFCバンドルでは、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを配置、接続した構造を単位とし、本発明(2)では当該単位を片方側へ面平行に上下間隔を置いて配置する。このことから、従来技術に比べて、同一列に2倍の縦横縞形SOFCスタックを配置することができる。本発明(2)に係るSOFCバンドルにおいて、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位の数は適宜設定することができる。
【0080】
図10(b)のとおり、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を複数配置する態様では、セル間接続部材36を配置する。根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を図10(b)に示すように同じ方向に積層する場合には、隣接する上下の根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCの単位同士が接触して空気の流れる空間がとれなくなるので、スペーサーとして厚みを持たせたセル間接続部材36を配置する。これらセル間接続部材36を介して積層することにより、空気の流れる空間を一定に保つことができる。
【0081】
セル間接続部材36は、(1)根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位間のスペーサーとしての役割と(2)根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位間の通電用としての役割を果たすものである。
【0082】
そのように、セル間接続部材36を配置する点は本発明(3)〜(6)においても同様である。なお、セル間接続部材36は、本発明(7)〜(12)のように縦横縞形SOFCスタックを左右に配置、接続する場合も同様に配置してよいが、必須ではない。
【0083】
〈本発明(3)に係るSOFCバンドル〉
本発明(3)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0084】
〈本発明(4)に係るSOFCバンドル〉
本発明(4)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルである。そして、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなる縦横縞形SOFCスタックの単位を面平行に複数列配置してなることを特徴とする。
【0085】
本発明(4)は、本発明(3)の根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルの単位を面平行に複数列配置したものである。図12〜13は本発明(3)〜(4)の態様を説明する図である。図12(a)はその断面構造の概略を示す図、図12(b)は本縦横縞形SOFCバンドルでの発電時の電流の流れを示す図である。図13は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCの配置方法、接続構造を示している。
【0086】
図12(a)、図13のとおり、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを連結配置する。それら各スタックA〜Cは構造的にも電気的にも連結配置される。前述図10(a)のとおり、従来技術では片方側へ1個の縦横縞形SOFCスタックを単位として上下間隔を置いて配置するのに対して、図12(a)、図13のとおり、本発明(3)〜(4)に係るSOFCバンドルでは、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを配置することから、同一列に3倍の縦横縞形SOFCスタックを配置することができる。
【0087】
また、本発明(4)に係るSOFCバンドルでは、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を片方側へ上下に間隔を置いて配置することから、上下に配置された複数列の各列に、従来技術に比べて、3倍の縦横縞形SOFCスタックを配置することができる。本発明(4)に係るSOFCバンドルにおいて、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位の数は適宜設定することができる。図12ではその単位を4列配置した態様例を示している。図12(a)のとおり、本態様においてもセル間接続部材36を配置する。図12(b)中、発電時の電流の流れ方向を矢印線で示している。
【0088】
〈本発明(5)〜(6)に係るSOFCバンドル〉
本発明(5)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルである。そして、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなることを特徴とする。
【0089】
本発明(6)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルである。そして、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなる縦横縞形SOFCスタックの単位を面平行に複数列配置してなることを特徴とする。
【0090】
図14は、本発明(5)〜(6)の態様を説明する図で、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、3個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCからなる縦横縞形SOFCバンドルの単位を面平行に8列配置した態様を示している。図14(b)は、本縦横縞形SOFCバンドルでの発電時の電流の流れを示している。
【0091】
図14(a)のとおり、根本用縦横縞形SOFCスタックAと複数個(1+n:nは整数)の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCを連結配置する。前述図10(a)のとおり、従来技術では片方側へ1個の縦横縞形SOFCスタックを単位として上下間隔を置いて配置するのに対して、図14(a)のとおり、本発明(5)〜(6)に係るSOFCバンドルでは、根本用縦横縞形SOFCスタックAと複数個(1+n)の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCを配置することから、同一列に(3+n)倍の縦横縞形SOFCスタックを配置することができる。
【0092】
本発明(5)〜(6)に係るSOFCバンドルにおいて、根本用縦横縞形SOFCスタックAと複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位の数は適宜設定することができる。図14(a)〜(b)ではその単位を8列配置した場合を示している。セル間接続部材36を配置する点については本発明(1)〜(4)に係るSOFCバンドルの態様と同様である。
【0093】
〈本発明(7)に係るSOFCバンドル〉
本発明(7)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に連結してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0094】
〈本発明(8)に係るSOFCバンドル〉
本発明(8)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に複数個連結してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0095】
図15は本発明(7)〜(8)の態様を説明する図である。図15(a)は従来技術、図15(b)は本発明(7)〜(8)に係るSOFCバンドルを説明する図であり、各下部に発電時における電流の流れ方向を示している。図15(a)のとおり、従来技術では左右両側へ同じSOFCスタックを上下間隔を置いて配置するのに対して、図15(b)のとおり、本発明(7)〜(8)に係るSOFCバンドルでは、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に配置、連結して構成する。
【0096】
本発明(7)〜(8)に係るSOFCバンドルにおいて、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用の縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位の数は適宜設定することができる。その単位を左右一対とする場合が本発明(7)であり、その単位を二対以上とする場合、つまり左右一対の単位を複数とする場合が本発明(8)に相当している。
【0097】
図15(a)のとおり、従来技術では縦横縞形SOFCスタックを一方側と当該一方側と相対する側へ上下間隔を置いて配置するのに対して、図15(b)のとおり、本発明(7)〜(8)に係るSOFCバンドルでは、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを配置することから、同一列に2倍の縦横縞形SOFCスタックを配置することができる。
【0098】
本発明(7)〜(8)に係るSOFCバンドルにおいて、一方側と当該一方側と相対する側へ配置するところの、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位の数は適宜設定することができる。図15(b)ではその単位を6列配置した場合を示している。
【0099】
〈本発明(9)に係るSOFCバンドル〉
本発明(9)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に直列に連結してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0100】
〈本発明(10)に係るSOFCバンドル〉
本発明(10)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に複数個直列に連結してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0101】
図16は本発明(9)〜(10)の態様を説明する図である。図16(a)は各スタックA〜Cの配置関係を示す図であり、図16(b)は本縦横縞形SOFCバンドルでの発電時の電流の流れを示している。図16(a)のとおり、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCを連結配置し、この単位を左右に交互に配置する。
【0102】
本発明(9)は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックを中心に左右に配置し、電気的に直列に連結してなる縦横縞形SOFCバンドルであり、本発明(10)は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックを中心に左右に複数個、電気的に直列に連結してなる縦横縞形SOFCバンドルである。
【0103】
〈本発明(11)に係るSOFCバンドル〉
本発明(11)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルである。そして、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に配置してなることを特徴とする。
【0104】
〈本発明(12)に係るSOFCバンドル〉
本発明(12)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルである。そして、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に、それぞれ面平行に複数列配置してなることを特徴とする。
【0105】
図17は本発明(11)〜(12)の態様を説明する図である。図17(a)は各スタックA〜Cの配置関係を示す図であり、図17(b)は本縦横縞形SOFCバンドルでの発電時の電流の流れを示している。図17(a)のとおり、根本用縦横縞形SOFCスタックAと複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを連結配置し、この単位を左右に配置し、また左右に交互に配置する。
【0106】
図17(a)には根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの間に、2個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBを配置した態様を示しているが、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBの数は適宜設定することができる。
【0107】
〈本発明(13)に係る縦横縞形SOFCバンドルに用いる根本用縦横縞形SOFCスタックA(内部に燃料流路)の構成について〉
本発明(13)は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドル、または、根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける、根本用縦横縞形SOFCスタックAである。そして、当該根本用縦横縞形SOFCスタックAが、
(a)内部に燃料供給口から燃料排出口に至る燃料流路と、外部に前記燃料流路と平行に表裏一対の面とを備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、燃料流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)接続用縦横縞形SOFCスタックB、あるいは、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極108および電極101とし、かつ、次の根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を、表面側および裏面側の側面端部に位置する電極100および電極109としてなることを特徴とする。
【0108】
根本用縦横縞形SOFCスタックAに係る上記構成(c)について、より詳しくは、図7(b)、図11、図13のとおり、接続用縦横縞形SOFCスタックB、あるいは、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極108および電極101とし、かつ、次の根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続用として、表面側および裏面側の側面端部に位置する電極100および電極109を備える。
【0109】
〈本発明(14)に係る縦横縞形SOFCバンドルに用いる接続用縦横縞形SOFCスタックB(内部に燃料流路)の構成について〉
本発明(14)は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける接続用縦横縞形SOFCスタックBである。そして、当該接続用縦横縞形SOFCスタックBが、
(a)内部に燃料供給口から燃料排出口に至る燃料流路と、外部に前記燃料流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、燃料流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極106および電極103とし、かつ、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極107および電極102としてなることを特徴とする。
【0110】
接続用縦横縞形SOFCスタックBに係る上記構成(c)について、より詳しくは、図8(b)、図13のとおり、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極102および電極107とし、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極103および電極106として構成する。
【0111】
〈本発明(15)に係る縦横縞形SOFCバンドルに用いる電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックC(内部に燃料流路)の構成について〉
本発明(15)は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドル、または、根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCである。そして、当該電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCが、
(a)内部に燃料供給口から燃料排出口に至る燃料流路と、外部に前記燃料流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、燃料流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)接続用縦横縞形SOFCスタックB、あるいは、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極104および電極105としてなることを特徴とする。
【0112】
電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCに係る上記構成(c)の構成について、より詳しくは、図9(b)、図11、図13のとおり、根本用縦横縞形SOFCスタックA、あるいは、接続用縦横縞形SOFCスタックBとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極104および電極105として構成する。
【0113】
〈本発明(16)に係る縦横縞形SOFCバンドルに用いる根本用縦横縞形SOFCスタックA(内部に空気流路)の構成について〉
本発明(16)は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドル、または、根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける、根本用縦横縞形SOFCスタックAである。そして、当該根本用縦横縞形SOFCスタックAが、
(a)内部に空気供給口から空気排出口に至る空気流路と、外部に前記空気流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、空気流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)接続用縦横縞形SOFCスタックB、あるいは、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極108および電極101とし、かつ、次の根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を、表面側および裏面側の側面端部に位置する電極100および電極109としてなることを特徴とする。
【0114】
根本用縦横縞形SOFCスタックAに係る上記構成(c)について、より詳しくは、図18(b)、図19(c)、図20のとおり、接続用縦横縞形SOFCスタックB、あるいは、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極108および電極101とし、かつ、次の根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続用として、表面側および裏面側の側面端部に位置する電極100および電極109を備える。
【0115】
〈本発明(17)に係る縦横縞形SOFCバンドルに用いる接続用縦横縞形SOFCスタックB(内部に空気流路)の構成について〉
本発明(17)は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける接続用縦横縞形SOFCスタックBである。そして、当該接続用縦横縞形SOFCスタックBが、
(a)内部に空気供給口から空気排出口に至る空気流路と、外部に前記空気流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、空気流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極106および電極103とし、かつ、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極107および電極102としてなることを特徴とする。
【0116】
接続用縦横縞形SOFCスタックBに係る上記構成(c)について、より詳しくは、図19(b)、図20のとおり、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極106および電極103としてなり、かつ、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極107および電極102として構成される。
【0117】
〈本発明(18)に係る縦横縞形SOFCバンドルに用いる電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックC(内部に空気流路)の構成について〉
本発明(18)は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドル、または、根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCである。そして、当該電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCが、
(a)内部に空気供給口から空気排出口に至る空気流路と、外部に前記空気流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、空気流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)接続用縦横縞形SOFCスタックB、あるいは、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極104および電極105としてなることを特徴とする。
【0118】
電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCに係る上記構成(c)について、より詳しくは、図19(a)、図20のとおり、接続用縦横縞形SOFCスタックBとの電流接続用端部を当該電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCの裏面側の側面端部に位置する電極105および電極104として構成される。
【0119】
また、図示は省略しているが、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCからなる縦横縞形SOFCバンドルの場合、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を当該電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCの電極105および電極104として構成される。より詳しくは、根本用縦横縞形SOFCスタックAから電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCへの電流取り出し端部を当該電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCの裏面側の側面端部に位置する電極105として構成し、かつ、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCから根本用縦横縞形SOFCスタックAへの電流取り出し端部を当該電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCの裏面側の側面端部に位置する電極104として構成される。
【0120】
本発明(13)〜(15)に係る内部に燃料流路を備える根本用縦横縞形SOFCスタックA、内部に燃料流路を備える接続用縦横縞形SOFCスタックB、内部に燃料流路を備える電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCの構成については、前述〈根本用SOFCスタックAと接続用SOFCスタックBと電流折り返し用SOFCスタックCの各SOFCスタックに共通する事項について〉、〈根本用SOFCスタックA独特の構成〉、〈電流接続用SOFCスタックB独特の構成〉、〈電流折り返し用SOFCスタックC独特の構成〉の箇所で図5〜9等を用いて説明したとおりである。
【0121】
本発明(13)〜(15)に係る根本用縦横縞形SOFCスタックA、接続用縦横縞形SOFCスタックB、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCでは“内部に燃料流路”を有しているのに対して、本発明(16)〜(18)に係る根本用縦横縞形SOFCスタックA、接続用縦横縞形SOFCスタックB、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCでは“内部に空気流路”を有する。
本発明(16)〜(18)では、本発明(13)〜(15)における電気絶縁性基体に対する燃料極−電解質−空気極の配置関係が逆になり、セル構造のうち空気流路側に空気極が配されるが、これらの点以外については本発明(13)〜(15)に係るスタックA〜Cと実質上同様である。
【0122】
また、例えば、前述図6では表面に4個、裏面に4個、合計8個のセルを配した態様を示しているが、それらのセル数は適宜設定することができる。図21はその態様例である。
図21(a)は片面に1セル、表裏両面に2セルを配置した場合、図21(b)は片面に2セル、表裏両面に4セルを配置した場合、図21(c)は片面に4セル、表裏両面に8セルを配置した場合である。図21(c)は表面側と裏面側のセルは同じ向きに示しているが、それらを組み合わせた場合のセルの向きは、表面側と裏面側で逆になる。
【0123】
〈本発明に係る縦横縞形SOFCバンドルの配置態様について〉
本発明に係る縦横縞形SOFCバンドルは適宜の態様で配置することができる。図22はその例を示す図で、燃料ガス供給用ヘッダー(マニホールド)に32個の縦横縞形固体酸化物形燃料電池スタックを垂直に配置した態様を示している。図22での縦横縞形固体酸化物形燃料電池スタックは、図21(b)のように片面に2セル、表裏両面に4セルを配置した縦横縞形固体酸化物形燃料電池スタックの単位を例にしている。
【0124】
本発明は、縦横縞形SOFCスタックの構造を改良して、縦横縞形SOFCスタックの集積配置を自由にできるようにしてなる縦横縞形固体酸化物形燃料電池スタックおよびバンドルである。本発明によれば、従来技術より薄くSOFCスタックを集積配置することが可能となり、本発明の縦横縞形SOFCバンドルを家庭用SOFCコージェレーションに適応した場合には、従来設置不可能であった狭小地への設置や、集合住宅への設置が可能な薄形のSOFCシステムを作製、構築することが可能である。
【符号の説明】
【0125】
3 燃料電池セル
11 中空板状の多孔質支持体
12、32 ガス流路
13 発電素子部(セル)
14 集電層
14a 金属層
14b 金属にガラスの入った層である金属ガラス層
15、35 素子間接続部材
16 セル間接続部材
17 燃料極:集電燃料極17aと活性燃料極17bとの2層で構成されている。
18、39 空気極
19、38 固体電解質(層)
20 反応防止層
31 多孔質支持体
33 セル
34 集電層
100〜109 電極
339 燃料極
332 ガス流路(空気流路)
337 空気極
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットチューブ形の縦横縞形固体酸化物形燃料電池スタックおよびバンドルに関し、より具体的には、内部に燃料流路または空気流路を有する多孔質の電気絶縁性基体の相対する一対の表面に固体酸化物形燃料電池セルの複数個を縦横縞状に配置してなるフラットチューブ形の縦横縞形固体酸化物形燃料電池スタックおよびバンドルに関する。
【0002】
本明細書において、固体酸化物形燃料電池セルの用語については適宜“SOFCセル”と指称し、横縞形SOFCの改良技術の一種である「燃料の流れる方向と電流の流れる方向を直角乃至ほぼ直角にする」構造のものを「縦横縞形SOFCスタック」と記載している。また、フラットチューブ形の縦横縞形固体酸化物形燃料電池を適宜“縦横縞形SOFC”、“扁平縦横縞形SOFC”、“中空扁平縦横縞形SOFC”等と指称する。
【背景技術】
【0003】
横縞形SOFCは、固体酸化物からなる電解質材料を挟んで燃料極層と空気極層とを配するとともに、適宜、燃料極層側インターコネクタや空気極層側インターコネクタを配して構成されたセルの複数個を横縞状に配置するタイプの固体酸化物形燃料電池である。横縞形SOFCには円筒タイプ(特許文献1)や中空扁平タイプ(特許文献2)などの方式がある。
【0004】
SOFCの運転時には、燃料極層側に燃料を通し、空気極層側に空気、酸素等の酸化剤ガス(以下、代表して適宜“空気”と言う。)を通して、両電極を外部負荷に接続することで電力が得られる。ところが、単電池一つでは高々0.7〜0.8V程度の電圧しか得られないので、実用的な電力を得るためには複数の単電池(セル)を電気的に直列に接続する必要がある。
【0005】
中空扁平横縞形SOFCでは、中空扁平状の、多孔質で電気絶縁性の基体すなわち電気絶縁性基体の当該扁平面すなわち相対する一対の面にそれぞれ複数のセルを配置し、隣接するセルをインターコネクタにより電気的に接続することで構成される。中空扁平状電気絶縁性基体の中空部は、当該基体の内部に形成され、通常その一端の開口から他端の開口に向けて燃料や空気を流通させるガス流路となる。燃料を流通させる場合には燃料流路となり、空気を流通させる場合には空気流路となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−003932号公報
【特許文献2】特開2006−019059号公報
【特許文献3】特開2007−134230号公報
【0007】
〈従来の技術〉
横縞形SOFCの改良技術の一種として、燃料の流れる方向と電流の流れる方向を垂直つまり直角にする「縦横縞形SOFCスタック」がある。このスタックは、横縞形SOFCスタックの利点、メリットをそのままに、燃料枯れしにくいと言うメリットも有する。
【0008】
中空扁平横縞形SOFCにおいては、その表面および裏面にそれぞれ間隔を置いてセルを配置するが、その際、一方の面、例えば表面のセル列から他方の面すなわち裏面のセル列へ電流を折り返す必要がある。図1〜4は一例として特許文献3に記載の電流の流れ形状、構造を説明する図である。図2に記載のとおり、SOFCスタックの側面端部で素子間接続部材16により電流を折り返している。従来技術のように電流の接続端子(電極)を両面に1箇所ずつ設ける。
【0009】
ここで、図1〜3を用い、縦横縞形SOFCスタックの構造の概略を説明する。図1は燃料電池セルの正面図、図2は図1中A−A線断面図である。図1〜2において、燃料電池セル3は、細長い中空板状の多孔質支持体11の表面に、この多孔質支持体11の軸長方向すなわち燃料ガスが流れる方向と垂直方向に、矩形状の複数の発電素子部(セル)13、13´が形成されている。
【0010】
図1〜4に示す例では、発電素子部(セル)13、13´は、中空板状の多孔質支持体11の片面〔表面:図1〜2では上面〕に2個、他面〔裏面:図1〜2では下面〕に2個、合計4個形成されている。複数の発電素子部(セル)13は、それぞれ長辺と短辺とを有する細長い長方形状であり、その長辺の延びる方向が前記燃料ガスの流れる方向になっている。そして、隣り合う複数の発電素子部(セル)13、13´の長辺同士が対向している。
【0011】
多孔質支持体11は、図2に示すように、その内部に一流路以上(図2では6個)の独立したガス流路12が発電素子部(セル)13の長辺に沿った方向(図2の紙面に垂直な方向)、すなわち多孔質支持体11の軸長方向に平行に設けられている。多孔質支持体11は、発電素子部(セル)13同士の電気的短絡を防止する観点から絶縁性である。図2のとおり、内側電極としての燃料極17、固体電解質19、および外側電極としての空気極18が、多孔質支持体11の表面に順次積層された構造を有し、固体電解質19を燃料極17、空気極18により挟持した部分が発電素子部(セル)13を構成している。
【0012】
固体電解質19には発電素子部(セル)13の長辺の方向に沿って開口部が設けられており、ここに導電性の集電層14が形成されている。集電層14は、燃料極17の電荷を、隣接する発電素子部(セル)13の表面に引き出す機能を有し、後述素子間接続部材15とともに、隣接する発電素子部(セル)13間を電気的に接続するインターコネクタの構成部材でもある。
【0013】
発電素子部(セル)13の詳細な構造について説明する。図3(a)は、発電素子部(セル)13の詳細な構造を示す拡大断面図である。多孔質支持体11全体の表面には、多孔質支持体材料の拡散を防止するための拡散防止層11aが形成されている。その上に、発電素子部(セル)13の形状に合わせて、発電用の燃料である水素ガスを透過させる燃料極17が形成されている。燃料極17は、この例では、集電燃料極17aと活性燃料極17bとの2層で構成されている。
【0014】
燃料極17の上には固体電解質19が形成されている。この固体電解質19は隣接する発電素子部(セル)13との間にも形成され、隣接する発電素子部(セル)13間を相対的に絶縁している。固体電解質19には発電素子部(セル)13の長辺に沿った方向に延びる開口部が設けられており、この開口部に、燃料極17から電気を取り出すための集電層14が形成されている。
【0015】
集電層14は、図3(a)の例では、金属層14aと、金属にガラスの入った層である金属ガラス層14bとの二層構造からなる。図3(a)では、金属ガラス層14bを用いているが、これに代えて従来公知の電気伝導性酸化物材料である、例えば(La,Sr)CrO3、(La,Sr)(Co,Fe)O3、(La,Sr)MnO3、等を用いることができる。固体電解質19の上には、空気極18と固体電解質19との反応を防止するための反応防止層20を介して、空気極18が形成されている。この空気極18と前記集電層14とから、発電素子部(セル)13の正負の電気を取り出すので、空気極18と集電層14とは接触しないように配置される。
【0016】
さらにその上に、多孔質の素子間接続部材15が形成されている。素子間接続部材15は、一つの発電素子部(セル)13の空気極18と、これに隣接する他の発電素子部(セル)13の集電層14とを接続するための導電性の部材である。集電層14と素子間接続部材15とでインターコネクタが構成される。素子間接続部材15は、発電素子部(セル)13の長辺方向に沿って延びる一枚の部材であってもよく、発電素子部(セル)13同士の複数箇所を接続する複数の部材からなっていてもよい。この素子間接続部材15により、縦長の発電素子部(セル)13同士が電気的に直列に接続される。
【0017】
なお、多孔質支持体11の片面に設けられた発電素子部(セル)13と、同じ多孔質支持体11の裏面に設けられた発電素子部(セル)13とは、図2に示すように、素子間接続部材16の回り込みによって接続される。本明細書では、このような多孔質支持体11の表裏面に設けられた発電素子部(セル)13であっても、それらが素子間接続部材16で接続されるならば、互いに「隣接」した関係にあるという。
【0018】
以上のとおり、先行技術に係る実施形態の燃料電池セル3において、隣接する発電素子部(セル)13同士は、素子間接続部材15および16により電気的に接続されている。すなわち、一方の発電素子部(セル)13の燃料極17は集電層14を通して、素子間接続部材15および16により、隣接する発電素子部(セル)13の空気極18と接続される構造となっている。
【0019】
多孔質支持体11の同じ面に設けられたもう一方の発電素子部(セル)13(図2に13′で示す)の集電層14は、隣の燃料電池セルに接続されるための極となる。また、同じ多孔質支持体11の裏面に設けられたもう一方の発電素子部(セル)13(図2に13″で示す)の空気極18も、隣の燃料電池セルに接続されるための極となる。これらの極をつなぐために形成された素子間接続部材15のうち、特に表面側のセルから裏面側のセルへ電流を折り返す素子間接続部材を符号16で示している。
【0020】
このように、燃料電池セル3の発電素子部(セル)13の長辺の延びる方向に沿って設けられた複数の発電素子部(セル)13の長辺同士が、素子間接続部材15および16により接続されているので、電流の流れる方向は、発電素子部(セル)13の長辺の延びる方向すなわち燃料ガスの流れる方向とほぼ直角の方向となる。すなわち、燃料の流れる方向と電流の流れる方向を垂直にする構造である「縦横縞形SOFCスタック」を構成している。
【0021】
したがって、縦横縞形SOFCスタックでは、発電素子部(セル)13の下流側へのガス供給量が減少する燃料枯れが起って、発電素子部(セル)13の下流側での発電量が低下しても、全体として、電流の流れる経路は確保されることとなる。したがって、直ちに全体の発電能力の低下に結びつくことはなくなり、燃料電池セル3の寿命が長くなる。
【0022】
この燃料電池セル3では、ガス流路12内に、例えば水素を含む燃料ガスを流して多孔質支持体11を還元雰囲気に曝し、かつ、空気極18の表面に空気などの酸素含有ガスを流して空気極18を酸素雰囲気に曝すことにより、燃料極17および空気極18で、特許文献3で説明されている下記式(1)および(2)に示す電極反応を生じて発電することができる。
【0023】
【化1】
【0024】
この燃料電池セル3は、1つのセルあたり、複数の発電素子部(セル)13を形成しているので、その数に応じて、燃料電池セル3当りの発電電圧を高くすることができる。そのため、少ないセル数で高い電圧を得ることができる。
【0025】
また、前記多孔質支持体11は板状の形状を有し、発電素子部(セル)13をその両面に配置しているので、燃料電池セル3の体積当たりの発電素子部(セル)13の面積を大きくし、その結果、燃料電池セル3の体積当たりの発電量を大きくすることができる。そのため、必要とする発電量を得るための燃料電池セル3の個数を低減することができる。その結果、構造が簡易になり、組み立てが簡単になるとともに、燃料電池セル3の信頼性を向上させることができる。
【0026】
また、多孔質支持体11は、中空形状であり、その内部には複数のガス流路12を設けることができるため、多孔質支持体11の構造強度を向上させることができ、燃料電池セルの機械強度を高めることができる。そのため、燃料電池セルのハンドリングが容易になり、燃料電池セルスタックや燃料電池の組み立てが容易になるとともに、燃料電池セルの優れた信頼性を確保することができる。
【0027】
なお、図1において、多孔質支持体11の長径寸法(両端の弧状部間の距離に相当)Dは、例えば15mm〜160mm、好ましくは30mm〜80mmの範囲であり、その高さ寸法Hは、例えば100mm〜300mm、好ましくは150mm〜250mmの範囲である。
【0028】
以上述べた特許文献3に記載の先行技術においては、電流折り返しは素子間接続部材(集電層)で行うが、図3(b)は燃料電池セル3を複数組み合わせた燃料電池セルスタック4の接続構造を示す断面図である。また、図4は燃料ガスマニホールド2に装着された燃料電池セルスタック4の斜視図である。図3(b)、図4に示すように、左右複数の燃料電池セル3は、千鳥状に配設されており、隣接するセル同士は、表面、裏面に形成されたセル間接続部材15を介して接続されると解される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
本発明は、上記のような縦横縞形SOFCスタックの配置構造を改良して、縦横縞形SOFCスタックの集積配置を自由にできるようにしてなる縦横縞形SOFCバンドルを提供することを目的とし、また、当該縦横縞形SOFCバンドルを構成するための根本(ねもと)用縦横縞形SOFCスタック、接続用縦横縞形SOFCスタック、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明(1)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0031】
本発明(2)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなる単位を面平行に複数列配置してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0032】
本発明(3)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0033】
本発明(4)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなる縦横縞形SOFCスタックの単位を面平行に複数列配置してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0034】
本発明(5)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0035】
本発明(6)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなる縦横縞形SOFCスタックの単位を面平行に複数列配置してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0036】
本発明(7)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に連結してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0037】
本発明(8)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に複数個連結してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0038】
本発明(9)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に直列に連結してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0039】
本発明(10)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に複数個直列に連結してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0040】
本発明(11)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に配置してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0041】
本発明(12)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に、それぞれ面平行に複数列配置してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0042】
本発明(13)は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドル、または、根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける、根本用縦横縞形SOFCスタックAであって、
(a)内部に燃料供給口から燃料排出口に至る燃料流路と、外部に前記燃料流路と平行に表裏一対の面とを備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、燃料流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)接続用縦横縞形SOFCスタックB、あるいは、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極108および電極101とし、かつ、次の根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を、表面側および裏面側の側面端部に位置する電極100および電極109としてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル構成用根本用縦横縞形SOFCスタックである。
【0043】
本発明(14)は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける接続用縦横縞形SOFCスタックBであって、
(a)内部に燃料供給口から燃料排出口に至る燃料流路と、外部に前記燃料流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、燃料流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極106および電極103とし、かつ、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極107および電極102としてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル構成用接続用縦横縞形SOFCスタックである。
【0044】
本発明(15)は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドル、または、根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCであって、
(a)内部に燃料供給口から燃料排出口に至る燃料流路と、外部に前記燃料流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、燃料流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)接続用縦横縞形SOFCスタックB、あるいは、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極104および電極105としてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル構成用電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックである。
【0045】
本発明(16)は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドル、または、根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける、根本用縦横縞形SOFCスタックAであって、
(a)内部に空気供給口から空気排出口に至る空気流路と、外部に前記空気流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、空気流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)接続用縦横縞形SOFCスタックB、あるいは、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極108および電極101とし、かつ、次の根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を、表面側および裏面側の側面端部に位置する電極100および電極109としてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル構成用根本用縦横縞形SOFCスタックである。
【0046】
本発明(17)は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける接続用縦横縞形SOFCスタックBであって、
(a)内部に空気供給口から空気排出口に至る空気流路と、外部に前記空気流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、空気流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極106および電極103とし、かつ、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極107および電極102としてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル構成用接続用縦横縞形SOFCスタックである。
【0047】
本発明(18)は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドル、または、根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCであって、
(a)内部に空気供給口から空気排出口に至る空気流路と、外部に前記空気流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、空気流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)接続用縦横縞形SOFCスタックB、あるいは、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極104および電極105としてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル構成用電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックである。
【発明の効果】
【0048】
本発明によれば従来のものより薄く、あるいは自由な形状にSOFCスタックを集積配置することが可能となり、また、本発明を家庭用SOFCコージェレーションに適応した場合には、従来設置不可能であった狭小地への設置や集合住宅への設置が可能な薄形のSOFCバンドルやSOFCシステムを構成、構築できるなど、各種有用な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は先行技術に係る中空扁平タイプの縦横縞形固体酸化物形燃料電池の構成例を説明する図である。
【図2】図2は先行技術に係る中空扁平タイプの縦横縞形固体酸化物形燃料電池の構成例を説明する図である。
【図3】図3は先行技術に係る中空扁平タイプの縦横縞形固体酸化物形燃料電池の構成例を説明する図である。
【図4】図4は先行技術に係る中空扁平タイプの縦横縞形固体酸化物形燃料電池の配置構造の構成例を示す図である。
【図5】図5は本発明の縦横縞形SOFCバンドルに共通する事項を説明する図である。
【図6】図6は本発明の縦横縞形SOFCバンドルに共通する事項を説明する図である。
【図7】図7は本発明の縦横縞形SOFCバンドルに共通する事項を説明する図である。
【図8】図8は本発明の縦横縞形SOFCバンドルに共通する事項を説明する図である。
【図9】図9は本発明の縦横縞形SOFCバンドルに共通する事項を説明する図である。
【図10】図10は本発明(1)〜(2)の縦横縞形SOFCバンドルの態様を説明する図である。
【図11】図11は本発明(1)〜(2)の縦横縞形SOFCバンドルの態様を説明する図である。
【図12】図12は本発明(3)〜(4)の縦横縞形SOFCバンドルの態様を説明する図である。
【図13】図13は本発明(3)〜(4)の縦横縞形SOFCバンドルの態様を説明する図である。
【図14】図14は本発明(5)〜(6)の縦横縞形SOFCバンドルの態様を説明する図である。
【図15】図15は本発明(7)〜(8)の縦横縞形SOFCバンドルの態様を説明する図である。
【図16】図16は本発明(9)〜(10)の縦横縞形SOFCバンドルの態様を説明する図である。
【図17】図17は本発明(11)〜(12)の縦横縞形SOFCバンドルの態様を説明する図である。
【図18】図18は本発明の縦横縞形SOFCバンドルに共通する事項(ガス流路32を空気流路332とした態様)を説明する図である。
【図19】図19は本発明の縦横縞形SOFCバンドルに共通する事項(ガス流路32を空気流路332とした態様)を説明する図である。
【図20】図20は本発明の縦横縞形SOFCバンドルに共通する事項(ガス流路32を空気流路332とした態様)を説明する図である。
【図21】図21は本発明の縦横縞形SOFCバンドル用の縦横縞形SOFCスタックA〜Cにおけるセル数、配置関係を説明する図である。
【図22】図22は本発明の縦横縞形SOFCバンドルの配置態様を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本発明の縦横縞形SOFCバンドルは、(1)根本(ねもと)用SOFCスタックAと電流折り返し用SOFCスタックCとで構成され、また、(2)根本用SOFCスタックAと接続用SOFCスタックBと電流折り返し用SOFCスタックCとで構成される。以下、これらについて順次説明する。
まず、根本用SOFCスタックAの箇所において、それら根本用SOFCスタックAと接続用SOFCスタックBと電流折り返し用SOFCスタックCとに共通する事項を含めて記載し、次いで接続用SOFCスタックB、電流折り返し用SOFCスタックCについて記載する。
【0051】
〈根本用SOFCスタックAと接続用SOFCスタックBと電流折り返し用SOFCスタックCとの各SOFCスタックに共通する事項について〉
図5〜9は本発明の縦横縞形SOFCバンドルに共通する事項を説明する図である。図5(a)、図6、図7には根本用SOFCスタックA自体の構造例についても示している。以下、図5〜7を用い、本発明に係る根本用SOFCスタックA、接続用SOFCスタックBおよび電流折り返し用SOFCスタックCにおける中空扁平状(=中空板状)縦横縞形SOFCセルの構造を説明する。以下、中空扁平状縦横縞形SOFCセルを“縦横縞形SOFCセル”とも言う。
【0052】
図6(a)は縦横縞形SOFCセル43の正面図、図5(a)、図6(b)は図6(a)中A−A線断面図、図6(c)は図6(b)の一部拡大図である。
【0053】
図6において、縦横縞形SOFCセル43は、細長い中空板状の多孔質支持体31の表面に、当該中空板状多孔質支持体31の軸長方向すなわち燃料ガスが流れる方向に沿って、矩形状の複数の各発電素子部(セル)33を形成することにより構成される。それら個々のセルを符号33で示し、個々のセルを纏めて示すセル、あるいはそれら各セルの集合体として言うセルを符号43で示している。
【0054】
図5(a)、図6〜7に示す例では、発電素子部(セル)33は、中空板状の多孔質支持体31の片面〔表面:図6(b)では上面側〕に4個、他面〔裏面:図6(b)では下面側〕に4個、合計8個を備えている。各発電素子部(セル)33は、それぞれ長辺と短辺とを有する細長い長方形状であり、その長辺の延びる方向が前記燃料ガスの流れる方向になっている。そして、隣り合う複数の発電素子部(セル)33の長辺同士が並列している。
【0055】
中空板状多孔質支持体31は、図6(b)に示すように、その内部に一流路以上〔図6(b)では12個〕の独立したガス流路32が発電素子部(セル)33の長辺に沿った方向〔図6(b)の紙面に垂直な方向〕、すなわち多孔質支持体31の軸長方向に平行に設けられている。多孔質支持体31は、発電素子部(セル)33同士の電気的短絡を防止する観点から絶縁性である。
【0056】
図6(b)〜(c)のとおり、内側電極としての燃料極37、固体電解質38および外側電極としての空気極39が、中空板状多孔質支持体31の表面に順次積層された構造を有し、固体電解質38を燃料極37、空気極39により挟持した部分が発電素子部(セル)33を構成している。
【0057】
固体電解質38には発電素子部(セル)33の長辺の方向に沿って開口部が設けられており、ここに導電性の集電層34が形成されている。集電層34は、燃料極37の電荷を、隣接する発電素子部(セル)33の表面に引き出す機能を有し、後述素子間接続部材(インターコネクタ=IC)とともに、隣接する発電素子部(セル)33間を電気的に接続するインターコネクタの構成部材でもある。集電層34は素子間接続部材35とともにインターコネクタ(IC)とも称される。
【0058】
発電素子部(セル)33の構造は、図6(c)に示すとおり、多孔質支持体31の上面に、発電素子部(セル)33の形状に合わせて、発電用燃料である水素ガスを透過させる燃料極37が形成されている。発電素子部(セル)33の詳細な構造例は、前述図2、図3(a)を用いて説明したのと同様である。
【0059】
燃料極37の上には固体電解質38が形成されている。この固体電解質38は隣接する発電素子部(セル)33との間にも形成され、隣接する発電素子部(セル)33間を絶縁している。固体電解質38には発電素子部(セル)33の長辺に沿った方向に延びる開口部が設けられており、この開口部に、燃料極37から電気を取り出すための集電層34が形成されている。集電層34の構成例、構成材料等については前述図3(a)を用いて説明したとおりであり、例えば金属層14aと、金属にガラスの入った層である金属ガラス層14bとの二層構造からなる。
【0060】
固体電解質38の上に空気極39が形成されている。前述図3(a)を用いて説明したとおり、固体電解質38の上には、空気極39(の材料)と固体電解質38(の材料)との反応を防止するための反応防止層20を介して空気極39が形成される。この空気極39と燃料極37とから、発電素子部(セル)33の正負の電気を取り出すので、燃料極37と集電層34とは接触しないように配置される。なお、集電層34は、発電時の電流の流れ方向でみて、次の発電素子部(セル)33の燃料極37とは接している。
【0061】
さらに、集電層34の上に、多孔質の素子間接続部材35が形成されている。素子間接続部材35は、一つの発電素子部(セル)33の空気極39と、これに隣接する他の発電素子部(セル)33の集電層34とを接続するための導電性の部材である。集電層34と素子間接続部材35とでインターコネクタ(IC)が構成される。
【0062】
素子間接続部材35は、発電素子部(セル)33の長辺方向に沿って延びる一枚の部材であってもよく、発電素子部(セル)33同士の複数箇所を接続する複数の部材からなっていてもよい。集電層34と素子間接続部材35により、縦長の発電素子部(セル)33同士が電気的に直列に接続される。
【0063】
なお、図6(b)では、多孔質支持体31の片面に設けられた発電素子部(セル)33と、同じ多孔質支持体31の裏面に設けられた発電素子部(セル)33とは、燃料極37の回り込みによって電気的に接続されるが、その電気的接続には素子間接続部材35や他の導電性を有する素子間接続部材を利用してもよく、セル構造を形成して折り返してもよい。
【0064】
以上は、本発明に係る(1)根本用SOFCスタックA、(2)接続用SOFCスタックBおよび(3)電流折り返し用SOFCスタックCに共通する構成である。以下、それら各スタックに独特の構成、各スタック間の接続関係、配置関係について説明する。
【0065】
ここで、符号100〜109で示す電極の構成材料は、多孔質で耐熱性、電気伝導性がよければ使用でき、例えば(La,Sr)CrO3、(La,Sr)(Co,Fe)O3、(La,Sr)MnO3、等を挙げることができる。それらは組み合わせて用いることができる。また、耐熱性合金を加工して使用してもよい。これら材料は各電極間を接合する材料としても使用される。
【0066】
以下、図面を利用し、根本用SOFCスタックA、電流接続用SOFCスタックBおよび電流折り返し用SOFCスタックCの各スタック独自、独特の構成を、根本用SOFCスタックA、電流接続用SOFCスタックBおよび電流折り返し用SOFCスタックCが接続される場合により説明する。
【0067】
〈根本用SOFCスタックA独特の構成〉
図7は根本用SOFCスタックAの構成を説明する図である。図7(a)はセル33の配置箇所、その構造等を示した図で、各セル33の配置箇所、構造を明記するため、素子間接続部材35の記載は省略している。図7(b)は図7(a)の上下幅を拡大して示した図で、素子間接続部材35をも記載し、発電時の電流の流れ方向を矢印線で示している。
【0068】
図7(b)において、符号101で示す左上側の電極が接続用SOFCスタックBとの電気的接続用電極となる。発電時において、電極100から流入する電流は、図7(b)中、矢印線のように流れ、各セルによりさらに発電され、電極101から次のスタック、つまり接続用スタックBの電極102へ連結される。根本用縦横縞形SOFCスタックAを“根本用縦横縞形SOFCスタックA−接続用SOFCスタックB−電流折り返し用SOFCスタックC”の組み合わせで用いる場合、電極108および電極101は、接続用縦横縞形SOFCスタックBとの電流接続用電極となる。
【0069】
〈電流接続用SOFCスタックB独特の構成〉
図8は接続用SOFCスタックBの構成を説明する図である。図8(a)はセル33の配置箇所、その構造等を示した図で、各セル33の配置箇所、構造を明記するため、素子間接続部材35の記載は省略している。図8(b)は図8(a)の上下幅を拡大して示した図で、素子間接続部材35も記載し、発電時の電流の流れ方向を矢印線で示している。
【0070】
図8(b)において、右下端部の符号102で示す電極が根本用SOFCスタックAとの接続部となり、左上端部の符号103で示す電極が電流折り返し用SOFCスタックCとの接続部となる。発電時において、根本用SOFCスタックAでの発電電流は当該根本用スタックAの電極101を経て接続用SOFCスタックBの電極102へ流れる。電極102へ流入した電流は、図8(b)中、矢印線のように流れ、各セル33によりさらに発電され、電極103から次のスタック、つまり電流折り返し用SOFCスタックCの電極104へ流れる。
【0071】
〈電流折り返し用SOFCスタックC独特の構成〉
図9は電流折り返し用SOFCスタックCの構成を説明する図である。図9(a)はセル33の配置箇所、その構造等を示す図で、各セル33の配置箇所、構造を明記するため、素子間接続部材35の記載は省略している。図9(b)は図9(a)の上下幅を拡大して示した図で、素子間接続部材35も記載し、発電時の電流の流れ方向を矢印線で示している。
【0072】
図9(b)において、右下側端部の符号104で示す電極が接続用SOFCスタックBとの接続部となり、右下端部の符号105で示す電極が接続用SOFCスタックBへの接続部となる。発電時において、接続用SOFCスタックBからの発電電流は、当該接続用スタックBの電極103から電流折り返し用SOFCスタックCの電極104へ流れる。当該電極104からの電流は図9(b)中矢印線のように流れ、各セル33によりさらに発電されて電極105に至り、当該電極105から次の、つまり接続用SOFCスタックBの電極106へ流れる。
【0073】
発電時において、電流折り返し用SOFCスタックCの電極105から接続用SOFCスタックBの左上端部に位置する電極106へ流れる電流は、図8(b)中矢印線のように流れ、各セル33によりさらに発電され、図8(b)中、右下の電極107から根本用SOFCスタックAの電極108を経て図7(b)中矢印線のように流れ、各セル33によりさらに発電され、電極109から次のスタック、つまり2列目の根本用SOFCスタックAの電極100へ流れる。
【0074】
〈本発明に係るSOFCバンドルについて〉
以上、本発明に係る(1)根本用SOFCスタックA、(2)接続用SOFCスタックBおよび(3)電流折り返し用SOFCスタックCに共通する構成、〈根本用SOFCスタックA独特の構成〉、〈接続用SOFCスタックB独特の構成〉および〈電流折り返し用SOFCスタックC独特の構成〉で述べたように、それら(1)根本用SOFCスタックAおよび(3)電流折り返し用SOFCスタックCの2種のSOFCスタックを組み合わせ、また、それら(1)根本用SOFCスタックA、(2)接続用SOFCスタックB(の1個または複数個)および(3)電流折り返し用SOFCスタックCの3種のSOFCスタックを組み合わせることにより、本発明に係る縦横縞形SOFCバンドルを構成することができる。
【0075】
〈本発明(1)に係るSOFCバンドル〉
本発明(1)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0076】
〈本発明(2)に係るSOFCバンドル〉
本発明(2)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなる単位を面平行に複数列配置してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0077】
本発明(2)に係る縦横縞形SOFCバンドルは、本発明(1)の根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCからなる縦横縞形SOFCバンドルの単位を面平行に複数列配置したものである。
【0078】
図10〜11は本発明(1)〜(2)の態様を説明する図である。図10(a)は従来技術、図10(b)は本発明に係るSOFCバンドルであり、各下部に電流の流れを示している。図11は根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCの配置方法、接続構造を示している。図11のとおり、電極101と電極104とを接続し、電極105と電極108とを接続する。それら両電極間は、電気的に接合するとともに構造的にも接合するが、その接合には例えば前述電極の構成材料を用いることができる。この点、以下に述べる各電極間の接合についても同様である。
【0079】
図10(a)のとおり、従来技術では縦横縞形SOFCスタックを片方側へ上下間隔を置いて配置する。これに対して、図10(b)、図11のとおり、本発明(1)〜(2)に係るSOFCバンドルでは、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを配置、接続した構造を単位とし、本発明(2)では当該単位を片方側へ面平行に上下間隔を置いて配置する。このことから、従来技術に比べて、同一列に2倍の縦横縞形SOFCスタックを配置することができる。本発明(2)に係るSOFCバンドルにおいて、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位の数は適宜設定することができる。
【0080】
図10(b)のとおり、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を複数配置する態様では、セル間接続部材36を配置する。根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を図10(b)に示すように同じ方向に積層する場合には、隣接する上下の根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCの単位同士が接触して空気の流れる空間がとれなくなるので、スペーサーとして厚みを持たせたセル間接続部材36を配置する。これらセル間接続部材36を介して積層することにより、空気の流れる空間を一定に保つことができる。
【0081】
セル間接続部材36は、(1)根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位間のスペーサーとしての役割と(2)根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位間の通電用としての役割を果たすものである。
【0082】
そのように、セル間接続部材36を配置する点は本発明(3)〜(6)においても同様である。なお、セル間接続部材36は、本発明(7)〜(12)のように縦横縞形SOFCスタックを左右に配置、接続する場合も同様に配置してよいが、必須ではない。
【0083】
〈本発明(3)に係るSOFCバンドル〉
本発明(3)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0084】
〈本発明(4)に係るSOFCバンドル〉
本発明(4)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルである。そして、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなる縦横縞形SOFCスタックの単位を面平行に複数列配置してなることを特徴とする。
【0085】
本発明(4)は、本発明(3)の根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルの単位を面平行に複数列配置したものである。図12〜13は本発明(3)〜(4)の態様を説明する図である。図12(a)はその断面構造の概略を示す図、図12(b)は本縦横縞形SOFCバンドルでの発電時の電流の流れを示す図である。図13は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCの配置方法、接続構造を示している。
【0086】
図12(a)、図13のとおり、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを連結配置する。それら各スタックA〜Cは構造的にも電気的にも連結配置される。前述図10(a)のとおり、従来技術では片方側へ1個の縦横縞形SOFCスタックを単位として上下間隔を置いて配置するのに対して、図12(a)、図13のとおり、本発明(3)〜(4)に係るSOFCバンドルでは、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを配置することから、同一列に3倍の縦横縞形SOFCスタックを配置することができる。
【0087】
また、本発明(4)に係るSOFCバンドルでは、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を片方側へ上下に間隔を置いて配置することから、上下に配置された複数列の各列に、従来技術に比べて、3倍の縦横縞形SOFCスタックを配置することができる。本発明(4)に係るSOFCバンドルにおいて、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位の数は適宜設定することができる。図12ではその単位を4列配置した態様例を示している。図12(a)のとおり、本態様においてもセル間接続部材36を配置する。図12(b)中、発電時の電流の流れ方向を矢印線で示している。
【0088】
〈本発明(5)〜(6)に係るSOFCバンドル〉
本発明(5)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルである。そして、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなることを特徴とする。
【0089】
本発明(6)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルである。そして、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなる縦横縞形SOFCスタックの単位を面平行に複数列配置してなることを特徴とする。
【0090】
図14は、本発明(5)〜(6)の態様を説明する図で、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、3個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCからなる縦横縞形SOFCバンドルの単位を面平行に8列配置した態様を示している。図14(b)は、本縦横縞形SOFCバンドルでの発電時の電流の流れを示している。
【0091】
図14(a)のとおり、根本用縦横縞形SOFCスタックAと複数個(1+n:nは整数)の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCを連結配置する。前述図10(a)のとおり、従来技術では片方側へ1個の縦横縞形SOFCスタックを単位として上下間隔を置いて配置するのに対して、図14(a)のとおり、本発明(5)〜(6)に係るSOFCバンドルでは、根本用縦横縞形SOFCスタックAと複数個(1+n)の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCを配置することから、同一列に(3+n)倍の縦横縞形SOFCスタックを配置することができる。
【0092】
本発明(5)〜(6)に係るSOFCバンドルにおいて、根本用縦横縞形SOFCスタックAと複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位の数は適宜設定することができる。図14(a)〜(b)ではその単位を8列配置した場合を示している。セル間接続部材36を配置する点については本発明(1)〜(4)に係るSOFCバンドルの態様と同様である。
【0093】
〈本発明(7)に係るSOFCバンドル〉
本発明(7)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に連結してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0094】
〈本発明(8)に係るSOFCバンドル〉
本発明(8)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に複数個連結してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0095】
図15は本発明(7)〜(8)の態様を説明する図である。図15(a)は従来技術、図15(b)は本発明(7)〜(8)に係るSOFCバンドルを説明する図であり、各下部に発電時における電流の流れ方向を示している。図15(a)のとおり、従来技術では左右両側へ同じSOFCスタックを上下間隔を置いて配置するのに対して、図15(b)のとおり、本発明(7)〜(8)に係るSOFCバンドルでは、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に配置、連結して構成する。
【0096】
本発明(7)〜(8)に係るSOFCバンドルにおいて、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用の縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位の数は適宜設定することができる。その単位を左右一対とする場合が本発明(7)であり、その単位を二対以上とする場合、つまり左右一対の単位を複数とする場合が本発明(8)に相当している。
【0097】
図15(a)のとおり、従来技術では縦横縞形SOFCスタックを一方側と当該一方側と相対する側へ上下間隔を置いて配置するのに対して、図15(b)のとおり、本発明(7)〜(8)に係るSOFCバンドルでは、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを配置することから、同一列に2倍の縦横縞形SOFCスタックを配置することができる。
【0098】
本発明(7)〜(8)に係るSOFCバンドルにおいて、一方側と当該一方側と相対する側へ配置するところの、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位の数は適宜設定することができる。図15(b)ではその単位を6列配置した場合を示している。
【0099】
〈本発明(9)に係るSOFCバンドル〉
本発明(9)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に直列に連結してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0100】
〈本発明(10)に係るSOFCバンドル〉
本発明(10)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に複数個直列に連結してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドルである。
【0101】
図16は本発明(9)〜(10)の態様を説明する図である。図16(a)は各スタックA〜Cの配置関係を示す図であり、図16(b)は本縦横縞形SOFCバンドルでの発電時の電流の流れを示している。図16(a)のとおり、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCを連結配置し、この単位を左右に交互に配置する。
【0102】
本発明(9)は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックを中心に左右に配置し、電気的に直列に連結してなる縦横縞形SOFCバンドルであり、本発明(10)は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックを中心に左右に複数個、電気的に直列に連結してなる縦横縞形SOFCバンドルである。
【0103】
〈本発明(11)に係るSOFCバンドル〉
本発明(11)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルである。そして、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に配置してなることを特徴とする。
【0104】
〈本発明(12)に係るSOFCバンドル〉
本発明(12)は、複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルである。そして、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に、それぞれ面平行に複数列配置してなることを特徴とする。
【0105】
図17は本発明(11)〜(12)の態様を説明する図である。図17(a)は各スタックA〜Cの配置関係を示す図であり、図17(b)は本縦横縞形SOFCバンドルでの発電時の電流の流れを示している。図17(a)のとおり、根本用縦横縞形SOFCスタックAと複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを連結配置し、この単位を左右に配置し、また左右に交互に配置する。
【0106】
図17(a)には根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの間に、2個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBを配置した態様を示しているが、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBの数は適宜設定することができる。
【0107】
〈本発明(13)に係る縦横縞形SOFCバンドルに用いる根本用縦横縞形SOFCスタックA(内部に燃料流路)の構成について〉
本発明(13)は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドル、または、根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける、根本用縦横縞形SOFCスタックAである。そして、当該根本用縦横縞形SOFCスタックAが、
(a)内部に燃料供給口から燃料排出口に至る燃料流路と、外部に前記燃料流路と平行に表裏一対の面とを備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、燃料流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)接続用縦横縞形SOFCスタックB、あるいは、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極108および電極101とし、かつ、次の根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を、表面側および裏面側の側面端部に位置する電極100および電極109としてなることを特徴とする。
【0108】
根本用縦横縞形SOFCスタックAに係る上記構成(c)について、より詳しくは、図7(b)、図11、図13のとおり、接続用縦横縞形SOFCスタックB、あるいは、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極108および電極101とし、かつ、次の根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続用として、表面側および裏面側の側面端部に位置する電極100および電極109を備える。
【0109】
〈本発明(14)に係る縦横縞形SOFCバンドルに用いる接続用縦横縞形SOFCスタックB(内部に燃料流路)の構成について〉
本発明(14)は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける接続用縦横縞形SOFCスタックBである。そして、当該接続用縦横縞形SOFCスタックBが、
(a)内部に燃料供給口から燃料排出口に至る燃料流路と、外部に前記燃料流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、燃料流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極106および電極103とし、かつ、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極107および電極102としてなることを特徴とする。
【0110】
接続用縦横縞形SOFCスタックBに係る上記構成(c)について、より詳しくは、図8(b)、図13のとおり、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極102および電極107とし、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極103および電極106として構成する。
【0111】
〈本発明(15)に係る縦横縞形SOFCバンドルに用いる電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックC(内部に燃料流路)の構成について〉
本発明(15)は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドル、または、根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCである。そして、当該電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCが、
(a)内部に燃料供給口から燃料排出口に至る燃料流路と、外部に前記燃料流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、燃料流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)接続用縦横縞形SOFCスタックB、あるいは、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極104および電極105としてなることを特徴とする。
【0112】
電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCに係る上記構成(c)の構成について、より詳しくは、図9(b)、図11、図13のとおり、根本用縦横縞形SOFCスタックA、あるいは、接続用縦横縞形SOFCスタックBとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極104および電極105として構成する。
【0113】
〈本発明(16)に係る縦横縞形SOFCバンドルに用いる根本用縦横縞形SOFCスタックA(内部に空気流路)の構成について〉
本発明(16)は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドル、または、根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける、根本用縦横縞形SOFCスタックAである。そして、当該根本用縦横縞形SOFCスタックAが、
(a)内部に空気供給口から空気排出口に至る空気流路と、外部に前記空気流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、空気流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)接続用縦横縞形SOFCスタックB、あるいは、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極108および電極101とし、かつ、次の根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を、表面側および裏面側の側面端部に位置する電極100および電極109としてなることを特徴とする。
【0114】
根本用縦横縞形SOFCスタックAに係る上記構成(c)について、より詳しくは、図18(b)、図19(c)、図20のとおり、接続用縦横縞形SOFCスタックB、あるいは、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極108および電極101とし、かつ、次の根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続用として、表面側および裏面側の側面端部に位置する電極100および電極109を備える。
【0115】
〈本発明(17)に係る縦横縞形SOFCバンドルに用いる接続用縦横縞形SOFCスタックB(内部に空気流路)の構成について〉
本発明(17)は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける接続用縦横縞形SOFCスタックBである。そして、当該接続用縦横縞形SOFCスタックBが、
(a)内部に空気供給口から空気排出口に至る空気流路と、外部に前記空気流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、空気流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極106および電極103とし、かつ、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極107および電極102としてなることを特徴とする。
【0116】
接続用縦横縞形SOFCスタックBに係る上記構成(c)について、より詳しくは、図19(b)、図20のとおり、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極106および電極103としてなり、かつ、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極107および電極102として構成される。
【0117】
〈本発明(18)に係る縦横縞形SOFCバンドルに用いる電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックC(内部に空気流路)の構成について〉
本発明(18)は、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドル、または、根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCである。そして、当該電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCが、
(a)内部に空気供給口から空気排出口に至る空気流路と、外部に前記空気流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、空気流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)接続用縦横縞形SOFCスタックB、あるいは、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極104および電極105としてなることを特徴とする。
【0118】
電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCに係る上記構成(c)について、より詳しくは、図19(a)、図20のとおり、接続用縦横縞形SOFCスタックBとの電流接続用端部を当該電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCの裏面側の側面端部に位置する電極105および電極104として構成される。
【0119】
また、図示は省略しているが、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCからなる縦横縞形SOFCバンドルの場合、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を当該電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCの電極105および電極104として構成される。より詳しくは、根本用縦横縞形SOFCスタックAから電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCへの電流取り出し端部を当該電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCの裏面側の側面端部に位置する電極105として構成し、かつ、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCから根本用縦横縞形SOFCスタックAへの電流取り出し端部を当該電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCの裏面側の側面端部に位置する電極104として構成される。
【0120】
本発明(13)〜(15)に係る内部に燃料流路を備える根本用縦横縞形SOFCスタックA、内部に燃料流路を備える接続用縦横縞形SOFCスタックB、内部に燃料流路を備える電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCの構成については、前述〈根本用SOFCスタックAと接続用SOFCスタックBと電流折り返し用SOFCスタックCの各SOFCスタックに共通する事項について〉、〈根本用SOFCスタックA独特の構成〉、〈電流接続用SOFCスタックB独特の構成〉、〈電流折り返し用SOFCスタックC独特の構成〉の箇所で図5〜9等を用いて説明したとおりである。
【0121】
本発明(13)〜(15)に係る根本用縦横縞形SOFCスタックA、接続用縦横縞形SOFCスタックB、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCでは“内部に燃料流路”を有しているのに対して、本発明(16)〜(18)に係る根本用縦横縞形SOFCスタックA、接続用縦横縞形SOFCスタックB、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCでは“内部に空気流路”を有する。
本発明(16)〜(18)では、本発明(13)〜(15)における電気絶縁性基体に対する燃料極−電解質−空気極の配置関係が逆になり、セル構造のうち空気流路側に空気極が配されるが、これらの点以外については本発明(13)〜(15)に係るスタックA〜Cと実質上同様である。
【0122】
また、例えば、前述図6では表面に4個、裏面に4個、合計8個のセルを配した態様を示しているが、それらのセル数は適宜設定することができる。図21はその態様例である。
図21(a)は片面に1セル、表裏両面に2セルを配置した場合、図21(b)は片面に2セル、表裏両面に4セルを配置した場合、図21(c)は片面に4セル、表裏両面に8セルを配置した場合である。図21(c)は表面側と裏面側のセルは同じ向きに示しているが、それらを組み合わせた場合のセルの向きは、表面側と裏面側で逆になる。
【0123】
〈本発明に係る縦横縞形SOFCバンドルの配置態様について〉
本発明に係る縦横縞形SOFCバンドルは適宜の態様で配置することができる。図22はその例を示す図で、燃料ガス供給用ヘッダー(マニホールド)に32個の縦横縞形固体酸化物形燃料電池スタックを垂直に配置した態様を示している。図22での縦横縞形固体酸化物形燃料電池スタックは、図21(b)のように片面に2セル、表裏両面に4セルを配置した縦横縞形固体酸化物形燃料電池スタックの単位を例にしている。
【0124】
本発明は、縦横縞形SOFCスタックの構造を改良して、縦横縞形SOFCスタックの集積配置を自由にできるようにしてなる縦横縞形固体酸化物形燃料電池スタックおよびバンドルである。本発明によれば、従来技術より薄くSOFCスタックを集積配置することが可能となり、本発明の縦横縞形SOFCバンドルを家庭用SOFCコージェレーションに適応した場合には、従来設置不可能であった狭小地への設置や、集合住宅への設置が可能な薄形のSOFCシステムを作製、構築することが可能である。
【符号の説明】
【0125】
3 燃料電池セル
11 中空板状の多孔質支持体
12、32 ガス流路
13 発電素子部(セル)
14 集電層
14a 金属層
14b 金属にガラスの入った層である金属ガラス層
15、35 素子間接続部材
16 セル間接続部材
17 燃料極:集電燃料極17aと活性燃料極17bとの2層で構成されている。
18、39 空気極
19、38 固体電解質(層)
20 反応防止層
31 多孔質支持体
33 セル
34 集電層
100〜109 電極
339 燃料極
332 ガス流路(空気流路)
337 空気極
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル。
【請求項2】
複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなる単位を面平行に複数列配置してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル。
【請求項3】
複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル。
【請求項4】
複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなる縦横縞形SOFCスタックの単位を面平行に複数列配置してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル。
【請求項5】
複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル。
【請求項6】
複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなる縦横縞形SOFCスタックの単位を面平行に複数列配置してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル。
【請求項7】
複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に連結してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル。
【請求項8】
複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に複数個連結してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル。
【請求項9】
複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に直列に連結してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル。
【請求項10】
複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に複数個直列に連結してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル。
【請求項11】
複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に配置してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル。
【請求項12】
複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に、それぞれ面平行に複数列配置してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル。
【請求項13】
根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドル、または、根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける、根本用縦横縞形SOFCスタックAであって、
(a)内部に燃料供給口から燃料排出口に至る燃料流路と、外部に前記燃料流路と平行に表裏一対の面とを備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、燃料流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)接続用縦横縞形SOFCスタックB、あるいは、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極108および電極101とし、かつ、次の根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を、表面側および裏面側の側面端部に位置する電極100および電極109としてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル構成用根本用縦横縞形SOFCスタック。
【請求項14】
根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける接続用縦横縞形SOFCスタックBであって、
(a)内部に燃料供給口から燃料排出口に至る燃料流路と、外部に前記燃料流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、燃料流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極106および電極103とし、かつ、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極107および電極102としてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル構成用接続用縦横縞形SOFCスタック。
【請求項15】
根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドル、または、根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCであって、
(a)内部に燃料供給口から燃料排出口に至る燃料流路と、外部に前記燃料流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、燃料流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)接続用縦横縞形SOFCスタックB、あるいは、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極104および電極105としてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル構成用電流折り返し用縦横縞形SOFCスタック。
【請求項16】
根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドル、または、根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける、根本用縦横縞形SOFCスタックAであって、
(a)内部に空気供給口から空気排出口に至る空気流路と、外部に前記空気流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、空気流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)接続用縦横縞形SOFCスタックB、あるいは、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極108および電極101とし、かつ、次の根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を、表面側および裏面側の側面端部に位置する電極100および電極109としてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル構成用根本用縦横縞形SOFCスタック。
【請求項17】
根本用縦横縞形SOFCスタックAと接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける接続用縦横縞形SOFCスタックBであって、
(a)内部に空気供給口から空気排出口に至る空気流路と、外部に前記空気流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、空気流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極106および電極103とし、かつ、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極107および電極102としてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル構成用接続用縦横縞形SOFCスタック。
【請求項18】
根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドル、または、根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCであって、
(a)内部に空気供給口から空気排出口に至る空気流路と、外部に前記空気流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、空気流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)接続用縦横縞形SOFCスタックB、あるいは、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極104および電極105としてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル構成用電流折り返し用縦横縞形SOFCスタック。
【請求項1】
複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル。
【請求項2】
複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなる単位を面平行に複数列配置してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル。
【請求項3】
複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル。
【請求項4】
複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなる縦横縞形SOFCスタックの単位を面平行に複数列配置してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル。
【請求項5】
複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル。
【請求項6】
複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなる縦横縞形SOFCスタックの単位を面平行に複数列配置してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル。
【請求項7】
複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に連結してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル。
【請求項8】
複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとを備えてなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に複数個連結してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル。
【請求項9】
複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に直列に連結してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル。
【請求項10】
複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に複数個直列に連結してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル。
【請求項11】
複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に配置してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル。
【請求項12】
複数の縦横縞形SOFCスタックからなる縦横縞形SOFCバンドルであって、根本用縦横縞形SOFCスタックAと、複数個の電流接続用縦横縞形SOFCスタックBと、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCからなる単位を、根本用縦横縞形SOFCスタックAを中心に左右に、それぞれ面平行に複数列配置してなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル。
【請求項13】
根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドル、または、根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける、根本用縦横縞形SOFCスタックAであって、
(a)内部に燃料供給口から燃料排出口に至る燃料流路と、外部に前記燃料流路と平行に表裏一対の面とを備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、燃料流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)接続用縦横縞形SOFCスタックB、あるいは、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極108および電極101とし、かつ、次の根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を、表面側および裏面側の側面端部に位置する電極100および電極109としてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル構成用根本用縦横縞形SOFCスタック。
【請求項14】
根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける接続用縦横縞形SOFCスタックBであって、
(a)内部に燃料供給口から燃料排出口に至る燃料流路と、外部に前記燃料流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、燃料流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極106および電極103とし、かつ、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極107および電極102としてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル構成用接続用縦横縞形SOFCスタック。
【請求項15】
根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドル、または、根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCであって、
(a)内部に燃料供給口から燃料排出口に至る燃料流路と、外部に前記燃料流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、燃料流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)接続用縦横縞形SOFCスタックB、あるいは、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極104および電極105としてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル構成用電流折り返し用縦横縞形SOFCスタック。
【請求項16】
根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドル、または、根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける、根本用縦横縞形SOFCスタックAであって、
(a)内部に空気供給口から空気排出口に至る空気流路と、外部に前記空気流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、空気流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)接続用縦横縞形SOFCスタックB、あるいは、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極108および電極101とし、かつ、次の根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を、表面側および裏面側の側面端部に位置する電極100および電極109としてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル構成用根本用縦横縞形SOFCスタック。
【請求項17】
根本用縦横縞形SOFCスタックAと接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける接続用縦横縞形SOFCスタックBであって、
(a)内部に空気供給口から空気排出口に至る空気流路と、外部に前記空気流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、空気流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとの電流接続部を側面端部に位置する電極106および電極103とし、かつ、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極107および電極102としてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル構成用接続用縦横縞形SOFCスタック。
【請求項18】
根本用縦横縞形SOFCスタックAと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドル、または、根本用縦横縞形SOFCスタックAと1個または複数個の接続用縦横縞形SOFCスタックBと電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCとからなる縦横縞形SOFCバンドルにおける、電流折り返し用縦横縞形SOFCスタックCであって、
(a)内部に空気供給口から空気排出口に至る空気流路と、外部に前記空気流路と平行に表裏一対の面を備える多孔質の電気絶縁性基体を有し、
(b)前記表裏一対の両面に、空気流路方向と直角方向に、複数個のSOFCセルを間隔を置いて配置するとともに、複数個のSOFCセル間をそれぞれインターコネクタを介して電気的に直列に接続してなり、且つ、
(c)接続用縦横縞形SOFCスタックB、あるいは、根本用縦横縞形SOFCスタックAとの電流接続部を裏面側の側面端部に位置する電極104および電極105としてなることを特徴とする縦横縞形SOFCバンドル構成用電流折り返し用縦横縞形SOFCスタック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2012−209092(P2012−209092A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−73020(P2011−73020)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]