説明

縦穴用管路位置計測装置

【課題】本発明は、ケーブルをはしご形とすることにより、縦穴内での検出体の回転等の発生を抑え、高精度の位置計測を行うことを目的とする。
【解決手段】本発明による縦穴用管路位置計測装置は、縦穴(7)内に吊り下げて挿入する検出体(1)のケーブル(5)を、2本のケーブル線(5a,5b)と棒状接続体(12)とからなるはしご形とし、検出体(1)の回転及び揺れ等を防止する構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦穴用管路位置計測装置に関し、特に、ケーブルをはしご形とすることにより、縦穴内での検出体の回転等の発生を抑え、高精度の位置計測を行うための新規な改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用いられていたこの種の縦穴用管路位置計測装置としては、例えば、非特許文献1に開示されているように、検出体と計測装置を接続するケーブルは、1本のみで構成されていた。
【0003】
【特許文献1】2002年1月20日、株式会社 工業調査会発行の「ジャイロ活用技術入門の170頁」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の縦穴用管路位置計測装置は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、検出体と計測装置を接続するケーブルが1本であり、その形状も断面円形であるため、検出体が吊り下げられて縦穴内に挿入される際に、ケーブルのよじれ等によって検出体が回転することがあり、この回転により、大きい角速度が検出体内の角速度センサに作用し、そのため、使用する角速度センサは入力範囲の大きいものを用いなければならず、検出精度は低く、位置精度を向上させることは困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による縦穴用管路位置計測装置は、少なくともジャイロ及び加速度計を有する検出体と、前記検出体にケーブルを介して接続され前記検出体で検出した検出信号に基づいて信号処理を行う計測装置と、からなり、前記ケーブルを介して前記検出体を縦穴内に挿入し前記縦穴内の位置を計測するようにした縦穴用管路位置計測装置において、前記ケーブルは、互いに離間して配設された少なくとも2本のケーブル線と、前記各ケーブル線間を接続する複数の棒状接続体と、よりなり、前記ケーブルははしご形で形成されている構成である。
【発明の効果】
【0006】
本発明による縦穴用管路位置計測装置は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、少なくともジャイロ及び加速度計を有する検出体と、前記検出体にケーブルを介して接続され前記検出体で検出した検出信号に基づいて信号処理を行う計測装置と、からなり、前記ケーブルを介して前記検出体を縦穴内に挿入し前記縦穴内の位置を計測するようにした縦穴用管路位置計測装置において、前記ケーブルは、互いに離間して配設された少なくとも2本のケーブル線と、前記各ケーブル線間を接続する複数の棒状接続体と、よりなり、前記ケーブルははしご形で構成されていることにより、縦穴内に検出体を吊り下げて挿入する場合に、ケーブルがはしご形で偏平であるため、縦穴の壁面に沿ってケーブルが挿入され、よじれることがなく、検出体の回転が防止され、入力範囲の狭い角速度センサを用いることができ、高精度の位置計測を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、ケーブルをはしご形とすることにより、縦穴内での検出体の回転等の発生を抑え、高精度の位置計測を行うようにした縦穴用管路計測装置を提供することを目的とする。
【実施例】
【0008】
以下、図面と共に本発明による縦穴用管路位置計測装置の好適な実施の形態について説明する。
図1において、符号1で示されるものは、ジャイロ2、加速度計3及び信号処理部4等を内蔵した周知の検出体であり、この検出体1はケーブル5を介して計測装置6に接続されている。
【0009】
前記計測装置6は、周知のように、前記検出体1の検出信号1aを取り込んで、図2に示される縦穴7内の前記検出体1の位置を計測するように構成され、主として、X−Yレコーダ10、コントロールボックス11及びケーブル捲取機5Aから構成されている。
【0010】
前記縦穴7内に挿入された検出体1を吊り下げるための前記ケーブル5は、図2で示されるように構成されている。
すなわち、このケーブル5は、互いに離間して配設された少なくとも2本のケーブル線5a,5bと、前記各ケーブル線5a,5b間を接続する複数の棒状接続体12とからなり、各棒状接続体12の長手方向が各ケーブル線5a,5bの長手方向と直交していることにより、全体形状がはしご形で構成されている。
【0011】
前記ケーブル5は、はしご形をなすと共に、全体形状が扁平形をなしているため、図2のように、縦穴7内に検出体1を吊り下げて挿入する場合、この偏平形をなすケーブル5が縦穴7の内壁7aに沿って接触しつつ摺接状態となるため、ケーブル5が幅広状態で内壁に接し、従来のようなよじれ現象を伴なうことがない。
【0012】
従って、前記検出体1も、縦穴7へ挿入する場合に、回転や揺れが少なく、従来と異なって入力角速度範囲が狭い角速度センサを用い、結果として高精度な計測が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による縦穴用管路位置計測装置を示す構成図である。
【図2】図1のケーブルを介して検出体を縦穴内へ吊り下げる状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0014】
1 検出体
1a 検出信号
2 ジャイロ
3 加速度計
5 ケーブル
5a ケーブル線
5b ケーブル線
6 計測装置
7 縦穴
7a 内壁
10 X−Yレコーダ
11 コントロールボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともジャイロ(2)及び加速度計(3)を有する検出体(1)と、前記検出体(1)にケーブル(5)を介して接続され前記検出体(1)で検出した検出信号(1a)に基づいて信号処理を行う計測装置(6)と、からなり、前記ケーブル(5)を介して前記検出体(1)を縦穴(7)内に挿入し前記縦穴(7)内の位置を計測するようにした縦穴用管路位置計測装置において、
前記ケーブル(5)は、互いに離間して配設された少なくとも2本のケーブル線(5a,5b)と、前記各ケーブル線(5a,5b)間を接続する複数の棒状接続体(12)と、よりなり、前記ケーブル(5)ははしご形で構成されていることを特徴とする縦穴用管路位置計測装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−281819(P2009−281819A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−133367(P2008−133367)
【出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【出願人】(000203634)多摩川精機株式会社 (669)