説明

縫合器具および方法

【課題】縫合装置および縫合方法を提供する。
【解決手段】縫合器具は1対のジョーを含む。ジョーのうちの一方に収容された屈曲可能な針は、縫合糸を運ぶように構成される。オプションの縫合糸受容部が反対側のジョーに隣接して配されてもよい。移行ブロックは針を湾曲させ、運搬するジョーの軸に概して非平行な方向に針を向ける。針は、縫合糸を回収するように構成されてもよい。保持機構が、針によって係合されるように縫合糸を所定の場所に保持する。針を収容するジョーは、側面の開口部を含んでもよく、この開口部を通して縫合糸が挿入されうる。針は、側面のノッチも含んでよく、このノッチは縫合糸を受容するように側面の開口部と整列することができる。針に連結されたアクチュエータにより、使用者はノッチを側面のスロットと整列させるように針を近位に移動させることができる。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔関連出願〕
本出願は、米国特許法第120条に従って、現在係属中の米国特許出願第10/255,523号(2002年9月25日出願、名称「縫合器具および方法(SUTURING APPARATUS AND METHOD)」)の一部継続出願として、優先権を主張するものである。この米国特許出願第10/255,523号は、米国仮特許出願第60/326,287号(2001年10月1日出願、名称「縫合器具および方法(SUTURING APPARATUS AND METHOD)」)、ならびに、米国仮特許出願第60/358,960号(2002年2月25日出願、名称「保持機構を備えた縫合器具(SUTURING APPARATUS WITH RETAINING MECHANISM)」)に関連し、かつ米国特許法第119条(e)に従ってこれらの仮特許出願からの優先権を主張するものである。出願日2001年10月1日、2002年2月25日、および2002年9月25日を含む、これらの出願の優先権の恩恵はここに主張され、それら出願の開示は、本明細書に完全に説明されたかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
〔発明の背景〕
1.発明の分野
本発明は一般的に、縫合装置および縫合方法に関する。
【0003】
2.先行技術の説明および関連情報
過去の縫合器具は、低侵襲的手術でカニューレを通して使用されるのを容易にする、細長い形態および低い外形を有することが必要とされてきた。これらの装置は典型的には、縫合されるべき組織をクランプする、対向するジョーを含んでいた。典型的にははさみのハンドルにより容易になる、この単純なクランプ動作以外に、ジョーの間および組織に縫合糸を通すための機構が非常に複雑であった。
【0004】
この複雑さは、細長く、低い外形の形態が細長い管を通じて伝えられうる動作力を必要とするという事実に主に由来している。器械の軸に沿うこの力は、次にジョー間の軸に概して垂直に及ぼされる力に転換されなければならない。この移行に対応するための単純な構造は考案されていない。さらに、機構に縫合糸を装填することも、縫合機構の複雑さに起因して複雑であった。
【0005】
〔発明の概要〕
本発明に従って、これらの必要性に取り組み、かつ先行技術の欠陥を克服する構造、および関連する方法が開示される。
【0006】
一態様では、縫合器具は、互いに対して移動可能な第1のジョーおよび第2のジョーを含む。屈曲可能な針が、第1のジョーにより運ばれ、縫合糸を運ぶように構成される。この針は、針が実質的にジョー内に収容される第1の位置と、針の遠位部分が第1のジョーから突出する第2の位置との間で移動可能である。この器具は、屈曲可能な針により運ばれる前に所定の場所に縫合糸を固定するための手段と、第1のジョーから間隔をあけた縫合糸受容部(suture receiver)であって、屈曲可能な針により運ばれた縫合糸を係合解除するように構成された、縫合糸受容部と、をさらに含む。
【0007】
固定手段は、第1のジョーの遠位部分に含まれた、片持ち梁のように突き出るバネ(cantilevered spring)、第1のジョーの遠位部分に定められた溝部、フラップ、またはエラストマーパッドを含むことができる。第1のジョーは、軸を定めており、この軸に対してほぼ垂直な方向に屈曲可能な針を案内するように構成された移行ブロック(transition block)をさらに含む。
【0008】
別の態様では、縫合器具は、入口を定める第1のジョーと、第1のジョーに対して移動可能な第2のジョーと、第1のジョーにより運ばれる屈曲可能な針であって、近位位置と遠位位置との間で移動可能である、屈曲可能な針と、を含む。針は、入口と整列されうる針スロットを定めて、入口を通して針スロットの中に縫合糸を装填することを可能にする。
【0009】
この器具は、第2のジョーに隣接して置かれうるか、または第2のジョーと一体であってよい縫合糸受容部をさらに含む。器具は、屈曲可能な針に連結されたアクチュエータであって、近位位置と遠位位置との間で屈曲可能な針を移動させるように構成された、アクチュエータをさらに含む。アクチュエータは、親指用レバーを含むのが好ましい。第1のジョーは、軸を定めており、入口と連絡している軸方向スロットをさらに含む。この入口は、側面の開口部を含んでよく、針スロットは、側面のスロットを含んでよい。
【0010】
縫合糸回収器具もまた提供される。縫合糸回収器具は、互いに対して移動可能な第1のジョーおよび第2のジョーと、第1のジョーから間隔をあけた縫合糸受容部であって、縫合糸を解放可能に保持するように構成された、縫合糸受容部と、第1のジョーにより運ばれる屈曲可能な針と、を含む。屈曲可能な針は、近位位置と遠位位置との間で移動可能である。屈曲可能な針は、この屈曲可能な針が遠位位置にある場合に縫合糸と係合するように構成された遠位針部分を有する。遠位針部分は、フックを含む。第2のジョーは、縫合糸受容部を含んでもよい。
【0011】
組織を縫合する方法が提供される。この方法は、縫合されるべき組織片をクランプするステップと、屈曲可能な針と係合するために縫合糸を所定の場所に固定するステップと、縫合糸を屈曲可能な針と係合させるステップと、屈曲可能な針で縫合糸を受容部に向かって運ぶステップと、受容部で縫合糸を保持するステップと、縫合糸を解放するために屈曲可能な針を後退させるステップと、を含む。
【0012】
縫合されるべき組織をクランプするステップは、第1のジョーおよび第2のジョーで、組織片を捕捉するステップを含む。この方法は、屈曲可能な針を軸方向に前進させるステップをさらに含む。
【0013】
屈曲可能な針で縫合糸を受容部に向かって運ぶステップは、屈曲可能な針を曲げるステップと、屈曲可能な針の少なくとも一部分を横方向に移動させるステップと、を含む。
【0014】
縫合器具に縫合糸を装填する方法も提供される。この方法は、針を第1のジョーの針スロットで収容するステップと、針スロットが第1のジョーの入口と整列しないように、第1のジョーに対して遠位方向に針を付勢するステップと、針スロットを入口と整列させるステップと、入口を通して針スロット内に縫合糸を置くステップと、針が縫合糸に係合し、かつ縫合糸を遠位に運ぶように、付勢された針を解放するステップと、を含む。
【0015】
針スロットを入口と整列させるステップは、近位または遠位のいずれかに針を移動させるステップを含むことができる。近位に針を移動させるステップは、フィンガースライドで近位に針を移動させるステップを含む。入口を通して針スロット内に縫合糸を置くステップは、入口の周りで縫合糸をループにするステップを含む。
【0016】
手短に言えば、縫合器具は、1対のジョーを含む。ジョーのうち一方に収容された屈曲可能な針は、対向するジョーに隣接して置かれた縫合糸受容部に向かって縫合糸を運ぶように構成されている。移行ブロックは、針を湾曲させ、運搬ジョー(carrying jaw)の軸に概ね平行でない方向に針を向ける。針は、縫合糸を回収するように構成されてもよい。保持機構は、針により係合されるように所定の場所に縫合糸を保持する。針を収容しているジョーは、側面の開口部を含んでもよく、この側面の開口部を通して縫合糸が挿入されうる。針は、縫合糸を受容するために側面の開口部と整列されうる側面のノッチも含んでよい。針に連結されたアクチュエータにより、使用者は針を近位に移動させてノッチを側面のスロットと整列させることができる。
【0017】
別の態様では、縫合器具は、近位ハンドルと、遠位端部を有する細長い遠位シャフトと、その遠位端部に隣接して位置させられた把持機構であって、把持機構は頂部ジョーおよび底部ジョーを含み、頂部ジョーおよび底部ジョーのうち少なくとも一方は、遠位端部に近位の位置でシャフトに蝶番式に取り付けられており、把持機構は、遠位端部において頂部ジョーおよび底部ジョーを互いに対して開閉するようにハンドルに操作可能に連結されている、把持機構と、頂部ジョーおよび底部ジョーを通って垂直に延び、かつ頂部ジョーおよび底部ジョーのうち少なくとも一方の内部のスロット端部まで遠位端部から近位に延びるスロットであって、このスロットは、ある長さの縫合糸の中間部分を摩擦で保持するためにスロット端部に向かって近位に先細になるスロット幅を有する、スロットと、シャフト内で長さ方向に位置付け可能で、かつシャフトから遠位に配備することができる縫合針であって、この針は、針がシャフトから配備された場合に縫合糸を通過させるための、縫合糸の中間部分と係合可能な、側面が開口したノッチを有し、針は、位置付けおよび配備のためにハンドルに操作可能に連結されている、縫合針と、を含む。
【0018】
別の態様では、縫合器具は、明確に無能力にならない限り(unless positive disabled)ロックするラチェットを含む。好ましい実施形態では、このような縫合器具は、近位ハンドルと、遠位端部を有する細長い遠位シャフトと、その遠位端部に隣接して位置付けられた把持機構であって、この把持機構は、頂部ジョーおよび底部ジョーを含み、頂部ジョーおよび底部ジョーのうち少なくとも一方は、開位置と閉位置との間で移動するために遠位端部に近位の位置でシャフトに蝶番式に取り付けられている、把持機構と、遠位端部において頂部ジョーおよび底部ジョーを互いに対して開閉するために把持機構をハンドルに操作可能に連結する、ジョー移動機構と、開位置まで把持機構を付勢するバネと、ラチェットラッチ組立体であって、このラチェットラッチ組立体を作動しないようにする明確な行動がとられない限り、ジョー移動機構が開位置に向かって移動するのを妨げる、ラチェットラッチ組立体と、を含む。
【0019】
別の態様では、縫合器具は、針移動機構であって、この針移動機構が近位に移動すると針を遠位に移動させる、針移動機構を含む。好ましい実施形態では、このような縫合器具は、概して平坦な、狭く細長い形態および遠位針先端部を有する屈曲可能な針と、軸および針チャネルを定める第1のジョーであって、針チャネルに沿ってチャネル出口まで屈曲可能な針を案内する、第1のジョーと、第2のジョーであって、第1のジョーと第2のジョーとの間に縫合されるべき組織を保持するために、第1のジョーに対して移動可能である、第2のジョーと、針先端部が第1のジョーの内側にある近位針位置と、針先端部が第1のジョーから突出している遠位針位置との間を往復して移動可能な屈曲可能な針と、遠位トリガー位置と近位トリガー位置との間を往復して移動する針トリガーを含む針移動機構であって、針トリガーは、針トリガーが近位に引っ張られると屈曲可能な針を遠位に移動させるように屈曲可能な針に動作可能に接続されている、針移動機構と、を含む。
【0020】
別の態様では、縫合器具は、装填位置に自動的に戻る針を含む。好ましい実施形態では、このような縫合器具は、ハンドル組立体と、このハンドル組立体の遠位端部から延びる細長いシャフトと、細長いシャフトから遠位に延びる第1のジョーであって、軸、針チャネル、チャネル出口、および縫合糸装填入口を有する、第1のジョーと、第2のジョーであって、第1のジョーと第2のジョーとの間に縫合されるべき組織を保持するために、第1のジョーに対して移動可能である、第2のジョーと、概して平坦な、狭く細長い形態、遠位針先端部、および側面が開口した針のノッチを有する屈曲可能な針であって、屈曲可能な針は、針先端部および側面が開口した針のノッチが第1のジョーの内側に位置し、かつ縫合器具が縫合糸装填入口を通して第1のジョーの中に縫合糸を装填する準備ができている、近位針位置と、針先端部および側面が開口した針のノッチが第1のジョーから突出し、側面が開口した針のノッチ内の組織の反対側に位置する縫合糸装填入口を通して第1のジョーの中に縫合糸が装填されている、遠位針位置との間を往復して移動可能である、屈曲可能な針と、近位針位置と遠位針位置との間で遠位および近位に針を往復して移動させる針移動機構と、屈曲可能な針を近位針位置まで自動的に戻すバネであって、縫合糸装填入口を通じて第1のジョーの中に縫合糸が装填されるように縫合器具を準備させる、バネと、を含む。
【0021】
別の態様では、縫合器具は、1つのステップで縫合糸を装填するための手段を含む。好ましい実施形態では、このような縫合器具は、ハンドル組立体と、ハンドル組立体から遠位に延びる細長いシャフトと、細長いシャフトから遠位に延びる第1のジョーであって、軸、頂部、底部、チャネル出口まで第1のジョーの軸に沿って、かつ湾曲部の周りを延びる針チャネル、および頂部から底部まで第1のジョーを通って延在する縫合糸装填入口であって、縫合糸装填入口は、これもまた頂部から底部まで第1のジョーを通って延在する縫合糸チャネルに通じており、縫合糸チャネルは針チャネルと連絡しており、かつ針チャネルとほぼ整列している、縫合糸装填入口を有する、第1のジョーと、第2のジョーであって、第1のジョーと第2のジョーとの間に縫合されるべき組織を保持するために、第1のジョーに対して移動可能である、第2のジョーと、概して平坦な、狭く細長い形態、遠位針先端部、および側面が開口した針のノッチを有する屈曲可能な針であって、針先端部および側面が開口した針のノッチが第1のジョーの内側に位置し、縫合器具が、縫合糸装填入口を通じて第1のジョーの中に縫合糸を装填する準備ができている、近位針位置と、針先端部および側面が開口した針のノッチが第1のジョーから突出し、側面が開口した針のノッチ内の組織の反対側に位置する縫合糸装填入口を通じて第1のジョーの中に縫合糸が装填されている、遠位針位置との間を往復して移動可能である、屈曲可能な針と、屈曲可能な針を配備する前に縫合糸装填入口を通じて第1のジョーの中に装填された縫合糸を保持するための手段であって、縫合糸は、屈曲可能な針およびその側面が開口した針のノッチの位置には関係なく1つのステップで第1のジョーの中に装填される、手段と、を含む。
【0022】
さらに別の態様では、新規な縫合針は、近位端部および遠位端部を備えた針であって、針の少なくとも遠位部分は、概して平坦な、狭く細長い形態を有する屈曲可能な材料から形成され、鋭い針先端部が遠位部分の遠位端部に位置する、針と、針を外科縫合装置に装填するために、針の近位端部において、または近位端部の近くで屈曲可能な針に接続されたフィンガータブと、を含む。
【0023】
さらに別の態様では、新規な縫合針は、近位端部および遠位端部を備えた針であって、針の少なくとも遠位部分は、概して平坦な、狭く細長い形態を有する屈曲可能な材料から形成され、鋭い針先端部が遠位部分の遠位端部に位置する、針と、外科縫合装置または縫合されるべき組織の中で針を前後にスライドさせるのに必要な力を軽減するために針の表面に塗布された滑らかなコーティングと、を含む。
【0024】
さらに別の態様では、組織を縫合するために1つのステップで縫合糸を装填するための新規な方法が提供される。この方法は、縫合糸が第1のジョーの頂部および底部から突出し、かつ針チャネルにわたって延びるように、縫合糸装填入口を通して縫合糸を縫合糸チャネルに装填するステップと、配備の前に縫合糸チャネルに縫合糸を保持するステップと、配備の間に屈曲可能な針が遠位に移動するときに、保持された縫合糸を屈曲可能な針で捕捉するステップと、を含む。
【0025】
ここまで簡単に概要を述べた本発明は、同様の要素が同様の参照符号により参照される、以下の図面を参照することにより、よりよく思い描くことができる。
【0026】
本発明およびその様々な実施形態は、例示された実施形態が説明されている以下の詳細な説明を参照することにより、よりよく理解することができる。例示された実施形態は、例として説明されるものであり、特許請求の範囲で最終的に定められる本発明を制限するためではないことが、特に理解される。
【0027】
〔好ましい実施形態および発明の最良の態様の詳細な説明〕
縫合器具の第1の好適な実施形態は、図1に例示されており、概して参照符号10により表される。器具10は、近位端部12、および遠位端部14を備えた細長い形態を有するように例示されている。ハンドル組立体16が、近位端部12に配されており、はさみのハンドル18および21、ならびにアクチュエータ23を含む。1対の対向するジョー25および27が、遠位端部に配されており、細長いシャフトまたは管29を介してハンドル組立体16に連結されている。一実施形態では、上部ジョー25は、図2に例示するように、下部ジョー27に対して旋回可能である(pivotal)。
【0028】
例示された実施形態では、下部ジョー27は、本発明にとって特別に興味深い、針32を含む。この場合、針32は、概して平坦な、狭く細長い形態を有する本体を含む。図1〜図3に示されるように、針32は、屈曲可能な材料から形成され、このためこの針は一般的に、例えば使用者の親指により与えられる、軸方向の力で移動することができ、湾曲部上で例えば90°まで曲がって、軸に対して概ね垂直に、かつ対向する上部ジョー25に向かって移動することができる。図1に示すように針32がほぼ一直線であってよく、その後任意の角度に曲げられ、かつ軸から離れて任意の方向に前進させられてよいことが明らかに理解されるはずである。親指用ロッカーまたはスライド(thumb rocker or slide)を含むのが好ましいアクチュエータ23は、針32に連結されている。アクチュエータ23により、使用者は、突出する動作位置まで遠位に、かつ、後退させられた非動作位置まで近位に、針32を前進させることができる。
【0029】
この針32に縫合糸34を通すことにより、針は、組織を通して配備されることができ、かつ通されるべき縫合糸34を針で運ぶことができる。対向するジョー25は、オプションの受容部(receiver)を含むことができ、この受容部は、針32が下部ジョー27の中に再び引っ込められると、針32から縫合糸を外すように構成されている。この時点で、縫合糸は組織を通り、上部ジョーの中に延びている。図4に例示されるように、組織からジョーを外すことは、縛るため、もしくは更なる操作のために縫合糸を適切な場所に残して、器具10を引っ込めることを可能にする。縫合糸受容部は、いったん針が後退させられると、組織自体が縫合糸の受容部としてしばしば役立つことがあるため、オプションである。
【0030】
この実施形態では、下部ジョーは、図5Aに例示され、細長い形態、および針32を受容するように構成されたチャネル36を含む。針は、このジョー27の遠位端部で、移行ブロック38を通って上方に曲がり、この移行ブロック38は、針32を湾曲させること、および針32を縫合糸受容部の方に向けることを促進する。例示された実施形態は、下部ジョー27の軸に対して垂直に針32を湾曲させている移行ブロック38を示しているが、移行ブロック38は、下部ジョー27の軸に概ね平行でない任意の特定の角度または方向で、針32を湾曲させ、かつ向けるように構成されてもよい。図5Aは、後退させられた針を示し、図5Bは、配備され、かつスロット40を備えて縫合糸34を対向するジョー25まで運ぶ針32を示している。この構成は、図6の半径方向断面図でさらに例証される。
【0031】
上部ジョー25では、縫合糸受容部41が針32から縫合糸34を外すために設けられている。金属またはエラストマーのフラップまたはパドル43が、図7Aに例示されるように、針32および通された縫合糸34に係合するように設けられている。このフラップ43は、針32が図7に例示されるように引っ込められると、針スロット40から縫合糸34を外す。
【0032】
同様の実施形態では、針32および通された縫合糸34は、エラストマーパッド45を通って押し進められる。このエラストマーパッド45は、縫合糸34に同様に係合し、針32が図8Bに例示されるように引っ込められると、針スロット40から縫合糸34を外す。
【0033】
縫合器具の第2の好適な実施形態は、図9に例示されており、図9は図6に類似の断面図であるが、運搬装置ではなく回収装置(retriever)として機能する針32を示している。この実施形態では、縫合糸34は、上部ジョー25により最初に運ばれる。この場合の針スロット42は、針32の側部から遠位に延びる。図10Aに例示されるようにこの針32およびスロット42が延びると、スロット42は、上部ジョー25の縫合糸34に係合する。針32が引っ込められると、縫合糸は針スロット42内に回収され、組織を通って戻る。このプロセスの最後のステップは、図4を参照して先に論じたものと同じである。
【0034】
この器具10はまた上部ジョー25により運ばれる針32と共に動作することができることは明らかであろう。このような特徴は、図11の断面図に例示される第3の好適な実施形態に図示されており、この実施形態では、針32は縫合糸運搬装置として機能する。特に、針32において定められる縫合糸スロット40は、端部52の遠位に位置する開口部50を含み、このためスロット40は受容部、または下部ジョー27の方へ向いている。したがって縫合糸34は、針32により、対向する下部ジョー27に向かって運ばれる。
【0035】
図12では、縫合器具の第4の好適な実施形態は、縫合糸回収装置を含み、針32は上部ジョー25により運ばれる。この場合、針32は、縫合糸34の回収装置として機能する。針32は、端部56の近位に位置する開口部54を備えたスロット42を定め、このため、スロット42は、対向する下部ジョー27から離れた方向へ向く。したがって例示された実施形態では、針32の遠位部分はフックのように成形されるのが好ましい。
【0036】
縫合器具の第5の好適な実施形態は、図13に例示され、概して参照符号110により表される。図13〜図15では、器具110は、近位端部112および遠位端部114を備えた細長い形態を含む。(不図示の)ハンドル組立体が、近位端部112に配されており、このハンドル組立体は、遠位端部114における1対の対向する縫合用ジョー116および118に動作可能に連結されたはさみのハンドルを含むことができる。細長いシャフトまたは管121がジョー116、118をハンドル組立体に連結している。一実施形態では、上部ジョー116は、図13〜図15に例示されるように、下部ジョー118に対して旋回可能である。
【0037】
例示された実施形態では、下部ジョー118は、本発明にとって特に興味深い保持機構123を含む。器具110は、前述のとおり、ハンドル組立体と、ジョー116、118のうちの一方に収容された屈曲可能な針125と、ジョー116、118のうちの他方に含まれた縫合糸受容部と、を含むことができる。保持機構123は、縫合糸127をしっかり保持するのに役立つ一方、針125によって係合された場合に縫合糸127を解放することを容易に可能にするので、この機構123は、針125を収容するジョーに含まれることが好ましい。例えば、針125が上部ジョー116に収容される場合、保持機構123も、上部ジョー116に含まれるであろう。
【0038】
第1の好適な固定機構123は、ジョー118の遠位先端部132に形成されたバネ129を含む。バネ129は、折れ曲がった片持ち梁部分134を含む。図16および図17により明確に示されるように、ウェッジまたは溝部136が、片持ち梁部分134と向かい側の壁部138との間に画定される。図13〜図16の例示された実施形態では、固定機構123は、ジョー118と一体化して形成されている。縫合糸127を組み合わせる(assemble)ために、第1の端部141はジョー118の下側に、他方の端部143はジョー118の上側に保持される。端部141、143は、縫合糸127が溝部136の中に押し込まれるように近位方向に引っ張られてよい。溝部136内に置かれると、片持ち梁部分134は、向かい側の壁部138に対して縫合糸127を付勢し、ゆえに、針125により係合されるように縫合糸127を所定の場所にしっかりと挟む。
【0039】
バネ129の付勢力は、縫合糸127が針125による係合がない場合にしっかりと保持され、係合すると容易に解放されることが可能になるように構成される。したがって、向かい側の表面に対して縫合糸127をもたせかけるか、またははさむことができる一方、針との係合時に縫合糸127の解放を可能にする、さまざまな機構を、バネ129が含むことができることは明らかに理解されるはずである。溝部136は、端部141、143が近位に強く引っ張られた場合に、縫合糸127の一部分147が、横断して延びる針125の経路に沿って位置するように、針の出口ポート145と整列するか、または隣接して配されることが好ましい。
【0040】
図18では、第2の好適な保持機構123aは、ジョー118aとは別に形成されたバネ機構129aを含むことができる。バネ機構129aは、ジョー118aに定められたスロット152内に収まるように構成されたアンカー149を含む。
【0041】
図19および図20では、第3の好適な保持機構123bは、近位に延びるにつれてだんだん狭くなる、ジグザグ形の溝部154を含む。近位の先細りと組み合わせた、このジグザグ形のパターンは、縫合糸127が近位に引っ張られた場合に締まりばめを容易にする。特に、溝部154の近位に先細になった形態は、縫合糸が近位に引っ張られると縫合糸を所定の場所で挟み、一方、ジグザグ形のパターンは縫合糸127がジョー118bから遠位に係合解除されることを防ぐ。
【0042】
縫合器具の第6の実施形態が図21〜図27に示されており、概して参照符号210で表されている。器具210は、互いに対して旋回可能な第1のジョー220および第2のジョー222を含む。図21〜図23では、第1のジョー220は、屈曲可能な針224を収容するように構成されている。この針を運ぶジョー220は、器具210の下部ジョーまたは上部ジョーのいずれかを含みうる。屈曲可能な針224は、針224が非動作位置または非貫通位置にある場合に第1のジョー220内のチャネル226に実質的に置かれる。
【0043】
図22では、第1のジョー220は、軸方向スロット231と連絡する開口部または入口228を定める。入口228は、第1のジョー220の側面のうちの1つに開口する比較的広い口233を設けられるのが好ましい。この好ましくは側面の入口228は、軸方向スロット231に近づくにつれて先細になる。
【0044】
図23では、本発明にとって特に興味深い針224が所定の位置を外れて図示されており、明確にするために第1のジョー220を覆っている。組み立てられると、針224は、前述のとおりチャネル226内に位置する。針224は、側面のスロットまたはノッチ235を含む(図28を参照)。ノッチ235を定めるエッジは、好ましくは丸みがあるか、または滑らかであり、このためエッジは縫合糸を切断しない。原図(original Figure)28に最も良く示されるように、針224は、鋭い針先端部242を定める遠位部分と、ノッチまたはスロット235および関連する開口部を定めるノッチまたはスロット部分と、第1の遠位三日月形空隙237を定める第1の空隙部分、ならびに、隣接する第2の近位三日月形空隙239を定める第2の空隙部分と、を含む。原図28の好適な針において、鋭い針先端部242を定める遠位部分は、針の軸により等しく分けられる。図28にさらに示されるように、スロット235を定めるスロット部分は、基部、および基部の外側に延びるチャネルを定め、好適な基部は、チャネルの幅より広い直径を備えた円として構成される。空隙237、239は、針224のより長い長さにわたってノッチ235の両側に広がる柔軟性を集合的に与え、このため、針224が曲げられた場合にすべての応力がノッチ235に集中しない。ノッチ235は、空隙237、239間に配されるのが好ましい。原図28にさらに示されるように、第1の空隙237は、第1の半径および第1の軸方向長さを備えた三日月のように成形され、第2の空隙239は、第1の半径より大きな第2の半径および第1の軸方向長さより長い第2の軸方向長さを備えた三日月のように成形される。
【0045】
静止状態では、原図23に示されるように、針224は概ね一直線であり、入口228に対して任意の静止位置まで付勢されうる。例えば、静止位置は、図23に示されるように入口228の遠位に配されるか、または入口228の近位に配されるノッチ235を含んでもよい。縫合糸を装填するために、針224は、装填位置まで移動し、これにより、ノッチ235は、図24に示されるように入口228と整列する。ノッチ235が入口228の遠位になるように針224が付勢された場合、針224を第1のジョー220に対して近位方向に移動させることにより整列が得られる。したがって、ノッチ235が入口228の近位になるように針224が付勢された場合、針224を第1のジョー220に対して遠位方向に移動させることにより整列が得られる。図25は、縫合器具210の好適なハンドル組立体243を例示している。図25では、手動で操作可能なアクチュエータ244が針に連結されて針の近位および遠位の移動を可能にしている。例示された実施形態では、アクチュエータ244は、親指用レバーまたはロッカーを含むのが好ましく、この親指用レバーまたはロッカーは、使用者の親指により後方へ引かれてよく、これにより、針を近位に移動させてノッチを入口と整列させ、かつ、親指用レバーまたはロッカーは、前方へ動かされてよく、これにより針を遠位に前進させる。
【0046】
図26は、器具210に装填されている縫合糸246を例示する。縫合糸246は、ループ状に形成され、入口228の中に通される。縫合糸246が第1のジョー220を横切ってわずかに張って保持された状態で、縫合糸246は、入口228に入っており、いまや針のノッチの中に置かれている。図25に示されたフィンガースライドは、いまや解放されてよく、これにより、捕捉された縫合糸246と共に針を図27に示されるような静止位置まで遠位に付勢されてよい。第1のジョー220の軸方向スロット231により、捕捉された縫合糸246が針224により運ばれるときにその縫合糸246が自由に動くことが可能になることは理解されるであろう。
【0047】
移行ブロック248が、第1のジョー220の遠位部分に設けられており、この移行ブロック248は、ジョー220と一体であってもよく、あるいはジョー220と分離していてもよい。移行ブロック248は、針を湾曲させ、かつ任意の所望の角度に針を向けるように構成されてよく、例示された実施形態では、第1のジョー220の軸に対して概ね垂直に図示されている。
【0048】
図26および図27では、第2のジョー222は、側面開口部255を備えた孔253を定める遠位フック251を含む。ジョー220、222が組織片をクランプすると、孔253は、針が、組織を貫通した後にその孔を通過することを可能にするように構成される。針224が後退させられると、組織は、針224が引っ込められる間に縫合糸246をつかんで離さないことにより、縫合糸受容部としての機能を果たす。これにより、ジョー222と接触している組織の側で、縫合糸246のループまたはフリーラインが残る。フック251はその後、ループの中に置かれ、引っ張られてよい。あるいは、2つのジョー220、222は、縫合糸のフリーラインをつかみ、かつ組織を通って引っ張られてよい。図25では、静止した指用支持体257が、アクチュエータ244の対向力プレートとして役立つ。
【0049】
図28では、好適な屈曲可能な針224は、遠位幾何図形的外形(distal geometry)を含み、この遠位幾何図形的外形は、針224の任意の部分によって組織が引っかかったり、捉えられたりするのを防ぐことにより、組織の滑らかな貫通を容易にする。この針224は、ノッチ側(notch side)259、および反対の空隙側(void side)262を含む。特に、針224は、ノッチ側の一直線のエッジ264を含み、このエッジ264は、ノッチ235を定めているノッチエッジの近位に位置している。針224は、針軸「A」も定め、この針軸「A」は、ノッチ側のエッジ264に概ね平行に延びている。
【0050】
針224が組織を貫通すると、組織は、ノッチ側の傾斜部266に沿って移動する。このノッチ側の傾斜部266は、ノッチ235を定めるノッチエッジの遠位に配された遠位レッジ(distal ledge)268へと至る。図示のとおり、ノッチの遠位エッジは、基部から、かつ軸から外側に第1の距離だけ延び、ノッチの近位エッジは、基部から外側に、かつ軸から外側に、第1の距離より短い第2の距離だけ延びる。遠位レッジ268が軸「A」から横向きの距離「B」だけ離れ、一方近位レッジ271は、軸「A」から横向きの距離「C」だけ離れていることが理解されよう。好適な実施形態では、距離「B」は、距離「C」より長く、このため遠位レッジ268は、貫通された組織を外側へ押して、組織がノッチ235の中に捉われないようにするのを助ける。組織がノッチ235の上を移動すると、近位レッジ271に関連する、概して丸みを帯びた隆起部が、組織が引っかかるのをさらに防ぐ。
【0051】
反対の空隙側262では、第1の空隙エッジが第1の空隙237を、第2の空隙エッジが第2の空隙239を定め、これらの第1および第2の空隙237、239は、針224が曲げられると、針224にわたって、かつノッチ235の周りで応力をより平等に分配し、このため、応力がノッチ235の近くで最小限に抑えられる。ノッチ235への開口部は遠位に向けられ、このため縫合糸は、組織を通した配備の間に針の中に押し進められ、また、縫合糸は、針が後退させられると容易に解放される。
【0052】
縫合糸受容部280のさらに好適な実施形態は、図29および図30に例示されている。受容部280は、例えば針を収容しているジョーの反対側のジョーにより運ばれてよい。縫合糸受容部280は、受容部ハウジング284に置かれた1対のフラップまたはパドル282を含む。パドル282は、好ましくは、図30に示されるようにつまみ点(pinch point)286において互いに接するように構成されて、針がパドル282の間を移動することを可能にすると同時に、針が後退させられると運ばれた縫合糸を保持する。前述のとおり、縫合糸受容部の利用はオプションである。というのは、貫通された組織自体がしばしば縫合糸受容部として役立つ場合があるからである。特に縫合糸を運ぶ針が組織片を貫通した後、貫通された組織はしばしば、針が後退させられるときに、ループの形の縫合糸を十分に保持している。
【0053】
図31では、フックまたは逆とげ(barb)291の第1の好適な実施形態が、ジョー、好ましくは屈曲可能な針を収容する第1のジョーの反対側の第2のジョーの遠位端部に形成されている。逆とげ291は、屈曲可能な針が後退させられた後、例えば組織自体によって保持されるループ状の縫合糸を引っ掛けるように構成されている。図32では、代わりに、ジョーの遠位端部は、1対の逆とげ293で形成されてよい。
【0054】
前述した実施形態は一般的に、縫合糸を通過させる技術において著しい前進を表している。これは、それらの実施形態が、手術部位への送達のために、特に関節鏡カニューレにより、縫合糸が装置内に保持されることを可能にし、組織が把持され、必要であれば再度把持されることを可能にし、さらに、縫合糸が、往復運動する屈曲可能な針で組織を押し通されることを可能にするからである。しかし、縫合糸が針により捕捉されるためにどのように通過装置(passer)に装填されるか、針の構造、および針の配備の全体的な簡易化に関しては、改善が依然として可能である。
【0055】
図33〜図48は、多くの著しい進歩を加える、新しい第7の現在好適な実施形態に関する。
【0056】
図33は、新規の縫合糸通過装置310の側面図であり、図34〜図36は、縫合糸通過装置310と共に用いるための、改善された屈曲可能な針400を示している。図33に示されるように、縫合糸通過装置310は一般的に、近位端部312に位置するハンドル組立体320と、ハンドル組立体320から延びる細長いシャフト330と、細長いシャフト330の遠位端部314において支持される1対のジョー340、350により形成される把持機構と、ジョー移動機構360、および(以下により十分に説明する)関連するラチェットラッチ組立体370と、を含む。好適なハンドル組立体320は、2つの半部、すなわち複数のねじ323により共に保持された左半部321および(不図示の)右半部322から形成され、細長いシャフト330は、シャフト330の近位端部で(不図示の)ノッチに係合するハンドル‐シャフトピン324により2つの半部の間で保持される。ジョーは、固定ジョー340、および可動ジョー350を含む。可動ジョー350は、図示のとおり、ジョー‐シャフトピン352により、シャフトの遠位端部に旋回可能に固定されている。
【0057】
図33にさらに示され、以下により十分に説明するように、新規の縫合糸通過装置310は、2つの機構、すなわちジョー組立体を開閉するためのジョー移動機構360(および関連するラチェットラッチ組立体370)、ならびに、針を前後に並進運動させるための針移動機構380を含む。
【0058】
ジョー移動機構360は、可動ジョー350を開閉し、ジョートリガー361によって操作される。先の実施形態は、外科医が開方向および閉方向双方にジョーを積極的に(proactively)移動させることを必要とした。この実施形態での単純化された使用のために、可動ジョー350はオプションとして、付勢されて開き、次に、外科医がジョートリガー361をきつく握ると固定ジョー340に対して閉位置に向かって移動する。加えて、ジョー移動機構360はオプションとして、ジョーを閉じる力を制限するように、荷重下で変形する超弾性要素を含むことができる。
【0059】
既に言及したように、ラチェットラッチ組立体370は、ジョー移動機構360に関連する。好適なラチェットラッチ組立体370は、使用者による明確な行動なしでロックするが、単に解放ボタンを押すだけで作動しなくなる場合があり、これらはすべて操作者が手の位置を変える必要がないという点で、操作上の性質が分かりやすい。特に、その後ジョートリガー361は引っ張られ、ラチェットラッチ組立体370の移動部分373は、ハンドル組立体320の中へ自由に動くが、以下により十分に説明する機械的相互作用により、ジョートリガー361が後に解放されるまで開位置に戻るのを防ぐ。そのために、好適なラチェットラッチ組立体370は、ラチェット解放パッドまたはフィンガーパッド371を特色とし、これにより、ラチェットラッチ組立体370は、フィンガーパッド371に荷重が加えられていない場合にラチェットのように作用し、一方、単にフィンガーパッド371を押すだけで、ラチェットラッチ組立体370を解放し、かつ外科医が(例えば縫合糸を置く前に必要に応じてジョーを再度位置付けるために)ジョートリガー361および可動ジョー350の位置を所望に応じて変えること、ならびに可能ならば、それらを開位置に戻すことを可能にする。
【0060】
図34〜図36は、図33の縫合糸通過装置と共に使用されることを意図する屈曲可能な針400を例示している。参照目的で、針400は、近位端部412、および遠位端部414を有する。図示のとおり、針400は、スロット付き遠位端部402を有する近位針本体401と、針本体401のスロット付き遠位端部402内にあり、かつスロット付き遠位端部402に溶接された、平坦な屈曲可能延長部403と、から形成されている。屈曲可能な針400の遠位端部414は、針先端部404、側面にある針のノッチ405、および先端部404とノッチ405との間のノッチ側の傾斜部406を有する点で、図28の先の好適な針と類似している。しかし、現在好適な針400は、(以下に説明するような)新規な方法で縫合糸を装填するために、縫合糸通過装置と独自に協働し、針をより使用しやすく、かつ、より安全にする何らかの新規な構造特徴部を含む。
【0061】
差し当たり、新規な構造を構成する相違点に焦点を当てると、先に開示された針本体が、針本体の近位端部に、親指で操作されるアクチュエータの孔に係合する直角の屈曲部を有していた(例えば図25参照)のに対して、針400は、針の近位端部412に、近位装填フラッグとして機能するプラスチックタブ406を含みうることが分かるであろう。好適なプラスチックタブ406は、HDPE、ポリエチレンで作られ、既知の方法で針本体401の上に形成されるが、任意の適切な材料および/または組み立て方法が用いられてよい。
【0062】
プラスチックタブ406は、いくつかの独特な利点を提供する。まず、プラスチックタブ406は、屈曲可能な針400を縫合糸通過装置310の中に装填するための便利なフィンガーグリップを与える。加えて、プラスチックタブ406はオプションとして、オートクレーブで処理されると溶け、これにより針400の再利用を効果的に防いで、患者の安全性を増強する。
【0063】
図37は、好適な縫合糸通過装置310、およびその縫合糸通過装置に装填された屈曲可能な針400の部分的に分解組立図で示した斜視図である。特に、破線は、ハンドル組立体320の頂部側に位置するチャンバー325を通じて、針400が、細長いシャフト330の後部または近位端部にどのように装填されるかを示している。さらなる図面を参照すればより十分に説明されているであろうが、針400が細長いシャフト330に完全に挿入された後、装填フラッグ406は、針受容部390の中に押し下げられる。針受容部390は、外科医が針トリガー381を操作することにより、前後に移動する。
【0064】
図38は、好適な縫合糸通過装置310および屈曲可能な針400の、完全な分解組立斜視図である。ここで、ジョー移動機構360、ラチェットラッチ組立体370、および針移動機構380の構成要素を含む、好適な装置の詳細な構造が分かるであろう。説明しやすくするために、前述の機構は、図39〜図41を参照して説明され、これらの図は図38の完全な分解組立斜視図と合わせて再び見ることができる。
【0065】
図39〜図41は、縫合器具310、および縫合器具310の中に装填された屈曲可能な針400の側面断面図である。図39は、完全な断面であるが、図40および図41は、ジョー移動機構360および針移動機構380それぞれの構造および動作を強調するために、その他の構成要素のうちいくつかを選択的に省略しているか、またはそれらの構成要素を破線で示しているに過ぎない。
【0066】
図40は、装置310全体のうち大部分を破線で示すことによって、かつ、針移動機構380に関連する構成要素を戦略的に省くことによって、ジョー移動機構360、および関連するラチェットラッチ組立体370に焦点を当てている(図42参照)。図示のとおり、ジョー移動機構360は、ジョートリガー361、ジョートリガーピン362、ジョートリガープッシュロッド363、ジョーレバーバネ364、リンク365、アクチュエータ368、および、最後に可動ジョー350自体を含む。動作中、ジョートリガー361がきつく握られると、ジョートリガー361は、弧J1に沿ってジョートリガーピン362の周りを旋回し、ジョートリガープッシュロッド363は、ジョーレバーバネ364を圧迫し、このジョーレバーバネ364は、前に述べたように、ジョートリガー361、可動ジョー350、およびジョー移動機構360全体を開位置に付勢するのに資する。
【0067】
ジョートリガー361が弧J1に沿って移動すると、ジョートリガー362の上部は、対応する、しかしより小さな半径の弧J2にわたって移動する。この近くで、トリガー‐リンクピン366が、ジョートリガー361をリンク365に接続し、さらに下流で、リンク‐アクチュエータピン367がリンク365をアクチュエータ368に接続する。この一連の接続によって、ジョートリガー361の弧J1およびJ2に沿った弓状運動が、アクチュエータ368の矢印J3に沿った並進運動に転換される。図38、図39、および図40により最も良く示されるように、細長いシャフト330は、複数のガイドピン331(それぞれの側から2つ)と、細長いシャフトの長さに沿って延びるアクチュエータチャネル333と、を備えている。アクチュエータ368は、シャフトのアクチュエータチャネル333の中で前後にスライドする。
【0068】
アクチュエータ368は、アクチュエータ‐ジョーピン351により、可動ジョー350の下部に接続されており、このアクチュエータ‐ジョーピン351はジョー‐シャフトピン352のわずかに下に位置し、ジョー‐シャフトピン352の周りを可動ジョー350が回転する。したがって、ジョートリガー361が弧J1に沿ってきつく握られると、トリガー361の上部は弧J2に沿って移動し、アクチュエータ368は矢印J3に沿って並進運動し、可動ジョー350の近位端部は弧J4に沿って回転し、可動ジョー350の遠位端部は弧J5に沿って回転する、すなわち閉方向に向かって移動する。
【0069】
図40もまた、フィンガーパッド371と、傾斜した歯部374を有する移動部分373と、これもまた傾斜した歯部378を有する別個の固定部分377と、を含む、好適なラチェットラッチ組立体370を例示している。ラチェットラッチ組立体は、ラチェットラッチバネ375も含み、このラチェットラッチバネ375は、固定部分377の傾斜した歯部378に対して移動部分373の傾斜した歯部374を付勢するための軽いバネ力を与える。ラチェットラッチ組立体370は、ジョーレバープッシュロッド363およびジョーレバーバネ364により開位置へ付勢されるジョートリガー361が、開位置へ移動することを、所望されるまで妨げる。特に、傾斜した歯部374は、ジョートリガーが可動ジョー350を閉じるように弧J1に沿って反時計回りの方向にきつく握られると、傾斜した歯部378の上を容易にスライドするが、歯部374、378は、ジョートリガー361が時計回り方向に戻ること、および可動ジョー350を開くことを防ぐように共にロックするのに資する。外科医が可動ジョー350を開くことを望む場合、外科医は、可動部分373上の傾斜した歯部を揺り動かす(rocks)フィンガーパッド371をただ押し下げて、固定部分377上の傾斜した歯部378から離す。この時点で、ジョーバネ365は、外科医の指がフィンガーパッド371を制御すると、ジョー移動機構360を開くのに資する。新規なハンドル機構のさらに有益な態様は、「ラチェット・オン・デマンド(ratchet on demand)」特徴部である。好適な実施形態では、この特徴部は、ジョートリガー361の上部にラチェットボタンまたはフィンガーパッド371を置くことにより設けられる。これにより、外科医はハンドルを指でどのように握るかを変えることにより、ロック特徴部を使用するかどうかを選択することができ、フィンガーパッド371を押し下げることなくジョートリガー361をきつく握ると、ラチェットラッチ組立体370が自然に係合することを可能にするのに対して、軽い、しかし継続的な指の圧力をフィンガーパッド371に加えてジョートリガー361を移動させると、ラチェットラッチ組立体370に係合することなく、ジョー350の度重なる開閉を可能にする。ジョートリガー361の運動を介して、フィンガーパッド371に加えられる圧力を変えることにより、外科医が所望のとおりラチェットラッチ組立体を作動させるか、または作動させないことを可能にするために、フィンガーパッド371に作用するラチェットラッチバネ375のバネ力は、ジョートリガー361全体に作用するジョーレバーバネ364のバネ力よりもはるかに小さい。
【0070】
図41は、破線で示され、この場合ジョー移動機構360およびラチェットラッチ組立体370に関連する構成要素を戦略的に省いて示される器具310全体との関連で、針移動機構380に焦点を当てている(図41参照)。図示のとおり、針移動機構380は、針トリガー381と、トリガーラック384と、針バネ386と、歯車387と、針受容部390を有する針ラック388と、最後に針400と、を含む。針トリガー381は、図示のとおりキャップねじ382およびピン384により、針ラック384に接続される。歯車ラック384、388のそれぞれは、対応するラックガイド385、389を含み、これらのラックガイドは、動きやすいように小さな表面積の接触面(low surface-area contact surface)をもたらす。
【0071】
針バネ386は、図41に示されるように、非配備状態または静止状態の針を付勢する。動作時、トリガーラック384が矢印N1に沿って装置310の近位端部312へ向かって(右側へ)並進運動すると、歯車387は、矢印N2に沿って装置310の遠位端部314へ向かって(左側に)針ラック388および針を並進運動させる。針400が遠位端部312に向かって並進運動すると、針は、固定ジョー340の針チャネル343の中を移動し、最終的に、上方に湾曲し、ここで針は矢印N3に沿って下部の固定ジョー340から一時的に延出する。
【0072】
針バネ386は、針トリガー381が解放された場合に針400を自動的に後退させるように、十分なバネ力を与えなければならない。そして外科医は、針400を配備するために針トリガー381をきつく握る場合に、このバネ力に打ち勝たなければならない。したがって、度重なる作動に関連する手の疲労を最小限に抑えるか、または排除するために、必要とされるバネ力を軽減することが望ましい。このために、好適な針400は、滑らかなコーティングで被覆され、このコーティングは、装置310の中、および患者の組織内で針400を前後にスライドさせるのを容易にする。この滑らかなコーティングは、針の摩擦係数を減少させ、それにより、針400を後退させるのに必要なバネ力を低下させる。滑らかなコーティングの使用は、必要とされるバネ力を約20%だけ減少することによって、縫合器具310をより使いやすくする。好適なコーティングは、硬化ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)コーティングであるが、任意の他のフルオロポリマー、もしくは超低の、混ぜ物のない固体(ultra-low sheer solid)が十分であろう。針400は、適切な溶媒中で懸濁されたPTFE粒子の容器に針400を単に入れるだけで被覆されうる(針が懸濁液から取り去られた後、溶媒を流し去り、PTFEコーティングを残す)。しかし、好ましくは、針400は、針400自体に対してPTFEを溶かし、かつ、より耐磨耗性のあるコーティングを形成するために、被覆された後に熱硬化される。
【0073】
図42〜図48は、新規の縫合器具の下部ジョー340で具体化されるような、縫合糸装填および配備の配列の独自の構成に集合的に焦点を当てている。図42〜図48全体にわたって図示されるように、下部ジョーもしくは固定ジョー340は、細長いシャフト330の遠位端部に位置している。この好適な実施形態では、固定ジョー340は、概してスキー板の先端部のように成形されたジョーインサート342と組み合わせて、細長いシャフト330と同じ材料(stock)から一体化して形成される下部ジョー本体341から形成される。組み立てる間、ジョーインサート342は、下部ジョー本体341の中に入り込み、かつ任意の適切な方法で、例えば溶接で下部ジョー本体341に固定される。
【0074】
ジョーインサート342は、針チャネル343を定めるのに役立ち、針チャネル343は、配備の間、針400を前方へ、次に上方かつ外側へ案内する。特に、図43、それから図44および図48を見ることで最も良く理解されるように、ジョーインサート342は、最終的に(一方のみが見える)1対のレッジ349の上に載り、かつこの1対のレッジ349にまたがり、1対のレッジ349は、下部ジョー本体に既に形成されている針チャネル343の床面および側壁を囲んでいる。本質的に、ジョーインサート342の底部は、針チャネル343の天井として役立つ。以下により詳細に説明するように、(図42〜図48では不図示の)針400は、針チャネル343を通って水平に並進運動する。この針チャネル343は、チャネル出口344に向かって上方に、かつ最終的にはチャネル出口344の外側に針を向ける湾曲部を含む。
【0075】
図42〜図48は、(不図示の)縫合糸の初期装填に関連する独自の構造も例示している。特に、下部ジョー340は、分岐した遠位端部345を有し、分岐した遠位端部345は、下部ジョー本体341およびジョーインサート342の双方に含まれる縫合糸スロット347に通じる端部スロット346として設けられた、縫合糸装填入口を含む。縫合糸スロット347は、以下にさらに詳細を説明するように、縫合糸が針で拾い上げられ、かつ縫合糸のループがジョー間に保持された組織を通過する配備の前に縫合糸が存在する、近位縫合糸保持用節部またはスロット端部348において近位で終端をなす。
【0076】
この実施形態では、図44および図46に最も良く示されるように、縫合糸スロット37は、配備されるべき縫合糸に対してスロットの部分内で摩擦を生じさせるために、その長さに沿って変化する寸法を有する。したがって、これらの寸法は、装置310により通されるべき縫合糸に対して変化する。現在好適な装置は、2号縫合糸〜2−0号縫合糸の縫合糸の範囲で使用することが意図されている。より厚い2号縫合糸は、約0.5mm、すなわち約0.0196インチの公称直径を有し、より薄い2−0号縫合糸は、約0.3mm、すなわち約0.0118インチの公称直径を有する。以下の寸法はすべてインチで表される。この実施形態は、例えば2号〜2−0号縫合糸などの縫合糸のサイズの特定範囲に適応することができるが、寸法は、任意の従来の縫合糸サイズ、または従来の縫合糸サイズの範囲に適応するために必要に応じて調節されてよい。
【0077】
これは例示的な実施形態であり、基礎を成す発明の原理は、異なるサイズの縫合糸に適応するように変えられてよいが、この実施形態の寸法の詳細な再考が、読者に有用なものとなろう。縫合糸装填入口または端部スロット346の近くの場所「a」では、幅は縫合糸の直径よりもかなり大きく、このため縫合糸は端部スロット346中へ、さらに縫合糸スロット347中へ下方に容易に引っ張られる。針チャネル343の垂直部分の両側に延びる場所「b」では、幅は、0.024±0.001インチ(0.610±0.025mm)であり、このため、2号縫合糸は、縫合糸チャネル347のこの部分を自由に通過し続けることができる。場所「c」では、縫合糸チャネル347の幅は、0.020±0.001インチ(0.508±0.025mm)まで狭まり、このためチャネルは、縫合糸の公称直径にぴったりと一致し始める。「d」と分類された場所では、縫合糸チャネル347は、0.019±0.001インチ(0.483±0.025mm)までさらに狭まり、このためチャネル347と縫合糸との間に摩擦による適合(friction fit)がある。そして、最後に、縫合糸が縫合糸チャネル347の端部まで、そして近位縫合糸保持用節部348の中まで引っ張られると、幅は0.026±0.001インチ(0.660±0.025mm)まで広がり、これによって、外科医は、手術部位へ配備する前に所望に応じて縫合糸に対して上下の調整を行うことができる。一般的に、外科医は、下部ジョー340の下面の下に延びる縫合糸の比較的短いタグを残し、このため、装置が縫合糸のループを組織に通した後、1本の縫合糸(single strand of suture)がとどまる前にループを続いて引っ張ることによって、その量の縫合糸のみが組織を通して引っ張られなければならない。さらに、装置310が手術部位から後退させられた後、縫合糸が再装填される準備がすぐにできる。これは、図41に示され、前述された針バネ386が非配備状態もしくは静止状態になるまで針を自動的に後退させ、かつ針をその位置で付勢し、これにより新しい縫合糸が装填されうるからである。
【0078】
図49(a)および図49(b)〜図56(a)および図56(b)は、好適な実施形態のいくつかの構造のニュアンス、および全体的な動作を例示する、一連の対になった図面である。特に、これらの図面は、全体的な動作、すなわち縫合糸装填入口もしくは端部スロットを通る縫合糸の装填、針が縫合糸に係合する際の針の前方への並進運動および束の間の横への動き、対象組織を通過した縫合糸ループの作製(組織は明瞭化のため省略されている)、および静止位置までの針の後退を全面的に示している。
【0079】
図49(a)および図49(b)は、針400が後退した状態、または静止状態にある場合に、縫合スロット347および近位縫合糸保持用節部348に対する針400の位置を示している。
【0080】
図50(a)および図50(b)は、端部スロット346を通り、縫合糸スロット347内へと初めに引っ張られている1本の縫合糸34を示す。通常、可動ジョー350は、縫合糸34の装填の前、もしくは少なくとも装置310の手術部位への導入の前は閉じているが、ここでは、可動ジョー350は、図面を簡略化するために一貫して開位置で示されている。
【0081】
図51(a)および図51(b)は、縫合糸スロット347内へわずかに深く引っ張られた縫合糸34を示す。この接合点(junction)において、この特定の実施形態では、縫合糸34は、非直線経路をとり、かつ狭まり始める縫合糸スロット347のその部分の中に引っ張られる(図44および図46、ならびに関連する説明を参照)。この幾何図形的外形もしくは等価物は、配備の間、縫合糸を縫合糸スロット347に保持するために十分な摩擦を与える。
【0082】
図52(a)および図52(b)は、縫合糸34が、縫合糸スロット347の端部における近位縫合糸保持用節部348の中まで十分に装填されている点における縫合糸34を示す。この実施形態では、図51(b)と図52(b)とを往復して見ることで最も良く理解することができるように、縫合糸スロット347の非直線的幾何図形的外形はまた、針先端部404を、縫合糸スロット347の脇にずれるように側方に押し込み、このため、縫合糸34は、縫合糸スロット347の近位端部に向かって引っ張られたときに先端部404に引っかからない。この配列は有益にも、装填されるときに縫合糸34が傷を付けられるのを防ぐ。また、図52(b)に最も良く示されるように、縫合糸34が針先端部404の近位に安全に位置した後、針の横への歪み、すなわち側方への歪みは、右側(図面では上方)に向けられるかすかなバネ力を与える。これにより、針のノッチ側の傾斜部406と、近位縫合糸保持用節部348の反対側との間で縫合糸34が強く押され、これにより、外科医がさらに行動を起こすことなく、設置の前に縫合糸を所定の場所に保持するのを助ける。前述の配列は、配備前に縫合糸スロット347内で縫合糸34を保持するための手段を構成する。他の適切な構造体が用いられてこの保持機能を達成してもよく、これには、強く押す配列、挟む配列、摩擦に基づいた配列、縫合糸の直径と縫合糸スロットの寸法との間の密接な関係などをもちろん含むが、これらに限定されない。
【0083】
残りの図53〜図56を引き続き参照して、組織は通常、針400の配備および縫合糸34の設置の前、ならびにその間に、下部ジョー340と可動ジョー350との間でクランプされることに注目されたい。言い換えれば、針の配備の間、可動ジョー350は、図示のように完全に開いているのとは対照的に、通常部分的に閉じている。しかし、図53〜図56を図49〜図52に類似した状態に保つため、および示されているものを明確にするため、組織は省略され、可動ジョー350は完全に開いた位置で図示されている。
【0084】
図53(a)および図53(b)は、針400が針トリガー381(図41参照)により装置の遠位端部まで前方に並進運動したときの、下部ジョー340、縫合糸スロット347、および縫合糸34に対する針400の位置を示す。図53(b)に示されるように、縫合糸チャネル343(図48の側面図も参照のこと)は、針400が縫合糸34を過ぎて前方にスライドするときに、針400が左に歪むことを可能にする歪み用起伏部(deflection relief)349を含む。
【0085】
図54(a)および図54(b)は、針のノッチ405が近位縫合糸保持用節部348およびその中に収容される縫合糸34の中間部分と整列する点まで、針400が前方へ移動させられた後の様々な構成要素の位置を示す。この時点までに、針のノッチ側の傾斜部406は、縫合糸34を通過しており、このため針400は一直線に跳ね返るか、または右側へ跳ね戻り、縫合糸34の中間部分は、針のノッチ405に囲まれるか、またはノッチ405に捕捉される。
【0086】
図55(a)および図55(b)は、針400および針のノッチ405が下部ジョーの針チャネル343の湾曲部の周りで曲がった後のシステムを示し、これにより、縫合糸34のループを下部ジョー340の針出口344から出す。組織が下部ジョー340と上部ジョー350との間に保持された場合、この縫合糸343のループは、押されるか、またはその組織を通過していたであろう。
【0087】
最後に、図56(a)および図56(b)は、針400が下部ジョー340の針チャネル343内の内部の静止状態(internal resting state)に自動的に戻った後の針400を示す。この位置で、すなわち縫合糸を通過させた後、縫合糸通過装置310全体は単に、手術部位から離れるように近位に引っ張られてよく、縫合糸340のループは、装置310の遠位端部における端部スロット346からスライドして出てもよい。縫合糸通過装置310のジョー340、350、または別個のセットの鉗子は次に、組織を通して縫合糸34のループを引っ張るのに使用されうる。もし外科医が望めば、装置310は、さらに縫合糸を通過させるために、1本の別の縫合糸34を端部スロット346に装填する準備が自動的にできていることに留意されたい。
【0088】
すべての実施形態において、使い捨ての針が使用されうることが特に理解されるはずである。したがって、(針を除く)縫合器具が再利用されてよく、一方使い捨ての針が置換される、システムまたはキットが提供されることが理解されるであろう。
【0089】
多くの変更および修正は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者により行われてよい。したがって、例示された実施形態は、例証の目的のみで説明されたものであり、これらの実施形態は、特許請求の範囲によって定められる本発明を限定するものと解釈されるべきではないことが理解されなければならない。例えば、1請求項の要素が特定の組み合わせで示されるという事実に妨げられることなく、本発明は、開示された要素のうち、より少ない要素か、より多い要素か、もしくは異なる要素の他の組み合わせを含むことが特に理解されなければならない。
【0090】
本発明およびその様々な実施形態を説明するために本明細書で使用される用語は、それらが通常定義される意味のみにおいて理解されるべきでなく、本明細書における特別な定義により、1つの種概念(single species)を表す包括的な構造、材料、もしくは行動を含むものである。
【0091】
したがって、特許請求の範囲の用語もしくは要素の定義は、本明細書では、文字通りに説明された要素の組み合わせを含むだけではないものと定められる。ゆえにこの意味で、2つ以上の要素の等価な取り替えが特許請求の範囲の要素のいずれか1つに対してなされうること、もしくは、1つの要素が1請求項における2つ以上の要素と代替されうることが考えられる。このような要素は特定の組み合わせで作用すると前述され、かつそういうものとして最初に主張すらされている場合があるが、特許請求された組み合わせからの1つ以上の要素は、いくつかの場合には、その組み合わせから削られる場合があり、その特許請求された組み合わせは、サブコンビネーション、もしくはサブコンビネーションの変形物に向けられる場合があることが明らかに理解されるはずである。
【0092】
現在既知であるか、もしくは後に考案される、当業者から見て、特許請求された主題からの微弱な変更(Insubstantial changes)は明白に、等価に特許請求の範囲内にあるものと考えられる。したがって、当業者に現在既知であるか、もしくは後に既知となる明らかな代用物は、定められた要素の範囲内にあるものと定められる。
【0093】
ゆえに、特許請求の範囲は、前記において特に例示され説明されたもの、概念的に等価なもの、明らかに代用されうるもの、および本発明の本質的概念を組み込むものを含むことが理解されるはずである。
【0094】
〔実施の態様〕
(1) 縫合糸通過器具において、
近位ハンドルと、遠位端部を有する細長い遠位シャフトと、
前記遠位端部に隣接して位置付けられた把持機構であって、前記把持機構は、頂部ジョーおよび底部ジョーを含み、前記頂部ジョーおよび前記底部ジョーのうちの少なくとも一方は、前記遠位端部の近位の位置で前記シャフトに蝶番式に取り付けられており、前記把持機構は、前記頂部ジョーおよび前記底部ジョーを、前記遠位端部で互いに対して開閉するために前記ハンドルに操作可能に連結されている、把持装置と、
前記頂部ジョーおよび前記底部ジョーを通って垂直に延び、かつ前記頂部ジョーおよび前記底部ジョーのうちの少なくとも一方の内部のスロット端部まで前記遠位端部から近位に延びるスロットであって、前記スロットは、ある長さの縫合糸の中間部分を摩擦で保持するために前記スロット端部に向かって近位に先細になるスロット幅を有する、スロットと、
前記シャフトの内部に長さ方向に位置付け可能であり、前記シャフトから遠位に配備可能である縫合針であって、前記針は、前記針が前記シャフトから配備されると前記縫合糸を通過させるように、前記縫合糸の前記中間部分に係合可能な、側面が開口したノッチを有し、前記針は、位置付けおよび配備のために前記ハンドルに操作可能に連結されている、縫合針と、
を備える、縫合糸通過器具。
(2) 実施態様1に記載の縫合糸通過器具において、
前記縫合針は、近位端部、および遠位端部を含み、
前記針の少なくとも遠位部分は、概して平坦な、狭く細長い形態を有する屈曲可能な材料から形成され、
鋭い針先端部が、前記遠位部分の遠位端部に位置する、縫合糸通過器具。
(3) 実施態様2に記載の縫合糸通過器具において、
前記縫合針は、前記縫合針を外科的縫合装置の中に装填するために、前記縫合針の前記近位端部において、もしくは前記近位端部の近くで前記縫合針に接続されたフィンガータブをさらに含む、縫合糸通過器具。
(4) 実施態様3に記載の縫合糸通過器具において、
前記フィンガータブは、屈曲可能な前記針の再利用を防ぐために、オートクレーブで処理されると溶けるプラスチックから作られる、縫合糸通過器具。
(5) 実施態様4に記載の縫合糸通過器具において、
前記プラスチックは、HDPEである、縫合糸通過器具。
(6) 実施態様1に記載の縫合糸通過器具において、
近位針位置と遠位針位置との間で前記縫合針を遠位に、かつ近位に往復して移動させる、針移動機構と、
前記縫合針を前記近位針位置へ自動的に戻すバネと、
をさらに含む、縫合糸通過器具。
(7) 実施態様1に記載の縫合糸通過器具において、
前記把持機構は、前記把持機構を開位置へ付勢するバネを含むジョー移動機構によって、前記ハンドルに動作可能に連結されている、縫合糸通過器具。
(8) 実施態様7に記載の縫合糸通過器具において、
ラチェットラッチ組立体であって、前記ラチェットラッチ組立体を作動しないようにする明確な行動がとられない限り、前記ジョー移動機構が前記開位置に向かって移動するのを妨げる、ラチェットラッチ組立体、
をさらに含む、縫合糸通過器具。
(9) 実施態様8に記載の縫合糸通過器具において、
前記ジョー移動機構は、前記把持機構を閉じるようにきつく握られるジョートリガーを含み、
前記ラチェットラッチ組立体は、手の位置を変える必要なく前記ラチェットラッチ組立体を作動しないようにするための、前記ジョートリガー上に位置する解放ボタンを含む、縫合糸通過器具。
(10) 縫合糸通過器具において、
近位ハンドルと、遠位端部を有する細長い遠位シャフトと、
前記遠位端部に隣接して位置付けられた把持機構であって、前記把持機構は、頂部ジョーおよび底部ジョーを含み、前記頂部ジョーおよび前記底部ジョーのうち少なくとも一方は、開位置と閉位置との間の移動のために前記遠位端部に近位の位置で前記シャフトに蝶番式に取り付けられている、把持機構と、
前記遠位端部において前記頂部ジョーおよび前記底部ジョーを互いに対して開閉するために、前記把持機構を前記ハンドルに操作可能に連結するジョー移動機構と、
前記把持機構を前記開位置に付勢するバネと、
ラチェットラッチ組立体であって、前記ラチェットラッチ組立体を作動しないようにする明確な行動がとられない限り、前記ジョー移動機構が前記開位置に向かって移動するのを防ぐ、ラチェットラッチ組立体と、
を含む、縫合糸通過器具。
【0095】
(11) 実施態様10に記載の縫合糸通過器具において、
前記ジョー移動機構は、前記把持機構を閉じるためにきつく握られるジョートリガーを含み、
前記ラチェットラッチ組立体は、手の位置を変える必要なく前記ラチェットラッチ組立体を作動しないようにするための、前記ジョートリガー上に位置する解放ボタンを含む、縫合糸通過器具。
(12) 縫合糸を組織に通すための縫合器具において、
概して平坦な、狭く細長い形態、および遠位針先端部を有する屈曲可能な針と、
軸および針チャネルを定める第1のジョーであって、チャネル出口まで前記針チャネルに沿って前記屈曲可能な針を案内する、第1のジョーと、
第2のジョーであって、前記第1のジョーと前記第2のジョーとの間に縫合されるべき組織を保持するために、前記第1のジョーに対して移動可能である、第2のジョーと、
前記針先端部が前記第1のジョー内部に位置する近位針位置と、前記針先端部が前記第1のジョーから突出している遠位針位置との間で往復して移動可能である、前記屈曲可能な針と、
遠位トリガー位置と近位トリガー位置との間を往復して移動する針トリガーを含む針移動機構であって、前記針トリガーは、前記屈曲可能な針に動作可能に接続されて、前記針トリガーが近位に引っ張られると前記屈曲可能な針を遠位に移動させる、針移動機構と、
を含む、縫合器具。
(13) 実施態様12に記載の縫合器具において、
前記針移動機構は、前記針トリガーが解放されると、前記屈曲可能な針を前記近位針位置へ、前記針トリガーを前記遠位トリガー位置へ自動的に戻すバネをさらに含む、縫合器具。
(14) 実施態様12に記載の縫合器具において、
前記針移動機構は、
前記針トリガーに動作可能に接続された第1の歯車ラックと、
前記屈曲可能な針に動作可能に接続された第2の歯車ラックと、
前記第1の歯車ラックと前記第2の歯車ラックとの間に位置する歯車であって、前記針トリガーおよび前記第1の歯車ラックの近位方向または遠位方向への並進運動により、前記歯車が前記第2の歯車ラックに対して回転して、前記第2の歯車ラックおよび前記屈曲可能な針が反対方向に並進運動する、歯車と、
をさらに含む、縫合器具。
(15) 実施態様12に記載の縫合器具において、
前記第1のジョーは、頂部、底部、および前記頂部から前記底部まで前記第1のジョーを通って延在する端部スロットを定める分岐した遠位端部をさらに含み、
前記端部スロットは、前記分岐した遠位端部から前記第1のジョーに沿って軸方向に延びる縫合糸スロットに通じており、
前記縫合糸スロットは、前記針チャネルと連絡し、かつほぼ整列して、前記頂部から前記底部まで前記第1のジョーを通って延びている、縫合器具。
(16) 実施態様14に記載の縫合器具において、
縫合糸を保持する手段であって、外科医によるさらなる操作なしで、前記外科医によって前記縫合糸スロット内に近位にスライドされる、縫合糸を保持する手段、
をさらに含む、縫合器具。
(17) 実施態様12に記載の縫合器具において、
前記屈曲可能な針は、前記針先端部に位置するか、または前記針先端部の近くに位置する、側面が開口したノッチを含む、縫合器具。
(18) 縫合糸を組織に通すための縫合器具において、
ハンドル組立体と、
前記ハンドル組立体の遠位端部から延びる細長いシャフトと、
前記細長いシャフトから遠位に延びる第1のジョーであって、軸、針チャネル、チャネル出口、および縫合糸装填入口を有する、第1のジョーと、
第2のジョーであって、前記第1のジョーと前記第2のジョーとの間に縫合されるべき組織を保持するために、前記第1のジョーに対して移動可能である、第2のジョーと、
概して平坦な、狭く細長い形態、遠位針先端部、および側面が開口した針のノッチを有する屈曲可能な針であって、前記屈曲可能な針は、前記針先端部および前記側面が開口した針のノッチが前記第1のジョーの内側に位置し、かつ前記縫合器具が前記縫合糸装填入口を通して前記第1のジョーの中に縫合糸を装填する準備ができている、近位針位置と、前記針先端部および前記側面が開口した針のノッチが前記第1のジョーから突出しており、前記縫合糸が、前記側面が開口した針のノッチ内の組織の反対側に位置する前記縫合糸装填入口を通して前記第1のジョーの中に装填されている、遠位針位置との間で往復して移動可能である、屈曲可能な針と、
前記近位針位置と前記遠位針位置との間で前記針を遠位に、かつ近位に往復して移動させる、針移動機構と、
前記近位針位置に前記屈曲可能な針を自動的に戻すバネであって、前記縫合糸装填入口を通じて前記第1のジョーの中に縫合糸が装填されるように前記縫合器具を準備させる、バネと、
を含む、縫合器具。
(19) 実施態様18に記載の縫合器具において、
前記針移動機構は、前記屈曲可能な針に動作可能に接続された針トリガーを含み、前記針トリガーが近位に引っ張られると前記屈曲可能な針を遠位に移動させる、縫合器具。
(20) 実施態様18に記載の縫合器具において、
前記針トリガーに動作可能に接続された第1の歯車ラックと、
前記屈曲可能な針に動作可能に接続された第2の歯車ラックと、
前記第1の歯車ラックと前記第2の歯車ラックとの間に位置する歯車であって、前記針トリガーおよび前記第1の歯車ラックの近位方向または遠位方向への並進運動により、前記歯車が前記第2の歯車ラックに対して回転して、前記第2の歯車ラックおよび前記屈曲可能な針が反対方向に並進運動する、歯車と、
をさらに含む、縫合器具。
【0096】
(21) 実施態様18に記載の縫合器具において、
前記第1のジョーは、頂部、底部、および分岐した遠位端部をさらに含み、
前記縫合糸装填入口は、前記頂部から前記底部まで前記第1のジョーを通って延在する端部スロットを含み、
前記端部スロットは、前記分岐した遠位端部から前記第1のジョーに沿って軸方向に延びる縫合糸スロットに通じており、
前記縫合糸スロットは、前記針チャネルと連絡し、かつほぼ整列して、前記頂部から前記底部まで前記第1のジョーを通って延びている、縫合器具。
(22) 実施態様21に記載の縫合器具において、
縫合糸を保持する手段であって、外科医によるさらなる操作なしで、前記外科医によって前記縫合糸スロット内に近位にスライドされる、縫合糸を保持する手段、
をさらに含む、縫合器具。
(23) 縫合糸を組織に通すための縫合器具において、
ハンドル組立体と、
前記ハンドル組立体から遠位に延びる細長いシャフトと、
前記細長いシャフトから遠位に延びる第1のジョーであって、前記第1のジョーは、軸、頂部、底部、チャネル出口まで前記第1のジョーの前記軸に沿って、かつ湾曲部の周りを延びる針チャネル、および前記頂部から前記底部まで前記第1のジョーを通って延在する縫合糸装填入口であって、前記縫合糸装填入口は、これもまた前記頂部から前記底部まで前記第1のジョーを通って延在する縫合糸チャネルに通じており、前記縫合糸チャネルは、前記針チャネルと連絡しており、かつ前記針チャネルとほぼ整列している、縫合糸装填入口を有する、第1のジョーと、
第2のジョーであって、前記第1のジョーと前記第2のジョーとの間に、縫合されるべき組織を保持するために、前記第1のジョーに対して移動可能である、第2のジョーと、
概して平坦な、狭く細長い形態、遠位針先端部、および側面が開口した針のノッチを有する屈曲可能な針であって、前記屈曲可能な針は、前記針先端部および前記側面が開口した針のノッチが前記第1のジョーの内側に位置しており、前記縫合器具が、前記縫合糸装填入口を通じて前記第1のジョーの中に前記縫合糸を装填する準備ができている、近位針位置と、前記針先端部および前記側面が開口した針のノッチが前記第1のジョーから突出しており、前記縫合糸が、前記側面が開口した針のノッチ内の組織の反対側に位置する前記縫合糸装填入口を通して前記第1のジョーの中に装填されている、遠位針位置との間を往復して移動可能である、屈曲可能な針と、
前記屈曲可能な針の配備前に、前記縫合糸装填入口を通して前記第1のジョーの中に装填された縫合糸を保持するための手段であって、前記縫合糸は、前記屈曲可能な針および前記針の前記側面が開口したノッチの位置に関係なく1つのステップで前記第1のジョーの中に装填される、手段と、
を含む、縫合器具。
(24) 縫合糸通過器具で縫合糸を装填し、次に前記縫合糸を通過させる方法において、
前記縫合糸通過器具は、
ハンドル組立体、
前記ジョー組立体から遠位に延びる細長いシャフト、
前記細長いシャフトから遠位に延びる第1のジョーであって、頂部、底部、前記固定ジョーの軸に沿って延び、前記軸に対してある角度で開口するチャネル出口まで湾曲する針チャネル、前記頂部から前記底部まで前記固定ジョーを通って延在する縫合糸チャネル、および前記頂部から前記底部まで前記第1のジョーを通って延在し、前記縫合糸チャネルと連絡している縫合糸装填入口、を有する、第1のジョー、
前記針チャネルに位置する屈曲可能な針、
前記細長いシャフトから遠位に延びる第2のジョーであって、前記第1のジョーと前記第2のジョーとの間に縫合されるべき組織を把持するために、前記第1のジョーに対して移動可能である、第2のジョー、ならびに、
前記針チャネル内で、かつ前記チャネル出口内外で前記屈曲可能な針を往復して移動させることにより前記針を配備するための針移動機構、
を有し、
当該方法は、
前記縫合糸が前記第1のジョーの前記頂部および前記底部から突出し、前記針チャネルにわたって延びるように、前記縫合糸装填入口を通して前記縫合糸チャネルの中に前記縫合糸を装填するステップと、
配備の前に、前記縫合糸チャネルの中で前記縫合糸を保持するステップと、
配備の間に前記屈曲可能な針が遠位に移動するときに、保持された前記縫合糸を前記屈曲可能な針で捕捉するステップと、
を含む、方法。
(25) 実施態様24に記載の方法において、
前記針に、針先端部、側面が開口した針のノッチ、およびノッチ側の傾斜部を設けるステップと、
前記屈曲可能な針の配備の前に、前記第1のジョーに装填された前記縫合糸の位置の近位に前記側面が開口した針のノッチが来るように、前記第1のジョーの中に前記針を位置させるステップと、
前記屈曲可能な針が配備されるときに、前記側面が開口した針のノッチで前記縫合糸を捕捉するステップと、
をさらに含む、方法。
(26) 実施態様25に記載の方法において、
前記針先端部が前記縫合糸スロットの最近位端部の遠位に、横にずれて位置するように、前記ノッチ側の傾斜部が前記縫合糸スロットにさらされるように、かつ前記針のノッチが前記縫合糸スロットの前記最近位端部の近位に来るように、前記屈曲可能な針を位置させるステップ、
をさらに含む、方法。
(27) 実施形態26に記載の方法において、
前記屈曲可能な針が遠位に配備され、前記ノッチ側の傾斜部が前記縫合糸の上に載るときに、前記屈曲可能な針を片側に側方に歪ませるステップであって、前記針のノッチは、前記針が跳ね戻ると前記縫合糸を捕捉する、ステップ、
をさらに含む、方法。
(28) 外科縫合装置で使用されるように構成された針において、
近位端部および遠位端部を備えた針であって、前記針の少なくとも遠位部分は概して平坦な、狭く細長い形態を有する屈曲可能な材料から形成され、鋭い針先端部が前記遠位部分の遠位端部に位置している、針と、
前記外科縫合装置に前記針を装填するために、前記針の前記近位端部において、または前記近位端部の近くで前記屈曲可能な針に接続されたフィンガータブと、
を含む、針。
(29) 実施態様28に記載の針において、
前記フィンガータブは、前記屈曲可能な針の再利用を防ぐために、オートクレーブで処理されると溶けるプラスチックから作られる、針。
(30) 実施態様29に記載の針において、
前記プラスチックは、HDPEである、針。
【0097】
(31) 実施態様29に記載の針において、
前記フィンガータブは、前記屈曲可能な針上に覆うように成型される、針。
(32) 実施態様28に記載の針において、
前記遠位部分の片側において、側面が開口した針のノッチ、
をさらに含む、針。
(33) 実施態様32に記載の針において、
前記外科縫合装置または縫合されるべき組織の中で前記針を前後にスライドさせるのに必要な力を軽減するために、前記針の表面に塗布された滑らかなコーティング、
をさらに含む、針。
(34) 実施態様33に記載の針において、
前記滑らかなコーティングは、ポリテトラフルオロエチレンである、針。
(35) 外科縫合装置で使用されるように構成された針において、
近位端部および遠位端部を備えた針であって、前記針の少なくとも遠位部分は概して平坦な、狭く細長い形態を有する屈曲可能な材料から形成され、鋭い針先端部が前記遠位部分の遠位端部に位置している、針と、
前記外科縫合装置または縫合されるべき組織の中で前記針を前後にスライドさせるのに必要な力を軽減するために前記針の表面に塗布された滑らかなコーティングと、
を含む、針。
(36) 実施態様35に記載の針において、
前記滑らかなコーティングは、フルオロポリマーである、針。
(37) 実施態様36に記載の針において、
前記フルオロポリマーは、ポリテトラフルオロエチレンである、針。
(38) 実施態様35に記載の針において、
前記遠位部分の片側において、側面が開口した針のノッチ、
をさらに含む、針。
(39) 縫合糸を組織に通すための縫合器具において、
概して平坦な、狭く細長い形態、遠位針先端部、および前記針先端部において、または前記針先端部の近くに位置する、側面が開口した針のノッチを有する、屈曲可能な針と、
軸を定める第1のジョーであって、頂部、底部、チャネル出口まで前記第1のジョーの前記軸に沿って、かつ湾曲部の周りで前記屈曲可能な針を案内する針チャネル、および前記頂部から前記底部まで前記第1のジョーを通って延びる端部スロットを定める分岐した遠位端部を有し、前記端部スロットは、前記分岐した遠位端部から前記第1のジョーに沿って軸方向に延びる縫合糸スロットに通じており、前記縫合糸スロットは、前記針チャネルと連絡し、かつほぼ整列して、前記頂部から前記底部まで前記ジョーを通って延びている、第1のジョーと、
前記端部スロットを通って前記縫合糸スロットの中へ近位にスライドされる縫合糸と、
前記縫合糸を通す前に外科医によるさらなる操作なしで、前記縫合糸スロットに前記縫合糸を保持するための手段と、
前記針先端部および前記針のノッチが前記第1のジョーの内側に位置した状態で前記屈曲可能な針が第1のほぼ直線的な形態にある近位位置と、前記針先端部および前記針のノッチが前記第1のジョーから突出した状態で前記屈曲可能な針が第2の湾曲した形態にある遠位位置との間を往復して移動可能である、前記屈曲可能な針と、
前記屈曲可能な針が前記近位位置から前記遠位位置まで移動した場合に、保持された前記縫合糸のそばを通過し、前記縫合糸スロットに保持された前記保持された縫合糸を一時的に捕捉する、前記針のノッチと、
第2のジョーであって、前記第1のジョーと前記第2のジョーとの間に、縫合されるべき組織を保持するために、前記第1のジョーに対して移動可能である、第2のジョーと、
前記近位位置と前記遠位位置との間で前記屈曲可能な針を往復して移動させるアクチュエータであって、前記針のノッチの中の前記縫合糸が縫合糸ループを形成している状態で、前記針先端部、前記針のノッチ、および一時的に捕捉された前記縫合糸が前記組織の遠位側を越えて位置する前記遠位位置まで前記屈曲可能な針が移動すると、前記針先端部、前記針のノッチ、および前記一時的に捕捉された縫合糸は、前記第1のジョーの軸方向の貫通スロットの中で、かつ前記第1のジョーと前記第2のジョーとの間で保持された組織を通して、軸方向に前方に移動し、前記縫合糸ループは、前記屈曲可能な針が前記近位位置まで戻ると前記針のノッチから解放され、前記組織の前記遠位側にとどまる、アクチュエータと、
を含む、縫合器具。
(40) 実施態様39に記載の縫合器具において、
前記縫合糸スロットは、
前記縫合糸スロットの近位端部に設けられた近位縫合糸保持用節部と、
前記近位縫合糸保持用節部に通じる比較的狭い部分と、
を含む、縫合器具。
【0098】
(41) 実施態様40に記載の縫合器具において、
前記縫合糸を保持する手段は、前記縫合糸と前記縫合糸スロットの前記比較的狭い部分との間の摩擦による適合を含む、縫合器具。
(42) 実施態様40に記載の縫合器具において、
前記屈曲可能な針は、前記遠位針先端部と前記針のノッチとの間にノッチ側の傾斜部をさらに含み、
前記ノッチ側の傾斜部は、前記近位縫合糸保持用節部に隣接して位置し、
前記縫合糸を保持する手段は、前記屈曲可能な針における横への歪みによって、前記近位縫合糸保持用節部に位置させられている前記縫合糸に対して付勢されている、前記ノッチ側の傾斜部を含む、縫合器具。
(43) 実施態様39に記載の縫合器具において、
前記アクチュエータは、針トリガーを有する針移動機構であって、前記針トリガーが近位方向に引っ張られた場合に、前記屈曲可能な針を遠位方向に前記遠位位置まで移動させる、針移動機構を含む、縫合器具。
(44) 実施態様39に記載の縫合器具において、
前記針移動機構は、前記針トリガーが解放されると前記近位位置まで前記屈曲可能な針を自動的に戻すバネを含む、縫合器具。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明にしたがった縫合器具の第1の好適な実施形態の側面図である。
【図2】下部ジョー内に実質的に収容された屈曲可能な針を示す、第1の好適な縫合器具の詳細図である。
【図3】組織片を貫通している屈曲可能な針を示す、第1の好適な縫合器具の詳細図である。
【図4】組織片から取り除かれた第1の好適な縫合器具の詳細図である。
【図5A】屈曲可能な針を収容している第1の好適な縫合器具のジョーの斜視図である。
【図5B】遠位の貫通位置まで前進した屈曲可能な針を示す、図5Aのジョーの斜視図である。
【図6】第1の好適な縫合器具の前端面図である。
【図7A】針により運ばれた縫合糸を取り押さえる好適な縫合糸受容部を示す動作図である。
【図7B】針が後退させられた後、縫合糸を保持する図7Aの好適な縫合糸受容部の斜視図である。
【図8A】さらなる好適な縫合糸受容部の動作図である。
【図8B】針が後退させられた後、縫合糸を保持する図8Aの好適な縫合糸受容部の動作図である。
【図9】縫合糸回収装置を含む縫合器具の第2の好適な実施形態の前端面図である。
【図10A】図9の好適な縫合糸回収装置の動作図である。
【図10B】縫合糸に係合する回収針を示す、好適な縫合糸回収装置の動作図である。
【図10C】縫合糸を回収している針を示す、好適な縫合糸回収装置の動作図である。
【図11】屈曲可能な針が上部ジョーにより運ばれる、第3の好適な縫合器具の前端面図である。
【図12】屈曲可能な針が上部ジョーにより運ばれる、第4の好適な縫合糸回収器具の前端面図である。
【図13】固定機構を含む第5の好適な縫合器具の斜視図である。
【図14】第5の縫合器具の前端面図である。
【図15】第5の縫合器具の側面図である。
【図16】固定機構を組み込む縫合用ジョーの詳細な斜視図である。
【図17】図16の縫合用ジョーの先端部の上面図である。
【図18】代替的な固定機構を組み込む縫合用ジョーの斜視図である。
【図19】さらなる代替的な固定機構を組み込む縫合用ジョーの詳細な斜視図である。
【図20】図19の縫合用ジョーの斜視図である。
【図21】第6の好適な縫合器具の、部分的に取り除かれた側面図である。
【図22】第6の好適な縫合器具の、針を運ぶジョーの上面図である。
【図23】明確にするために屈曲可能な針が重ねられて示されている、図22の針を運ぶジョーの斜視図である。
【図24】屈曲可能な針が整列位置で重ねられて示されている、針を運ぶジョーの斜視図である。
【図25】好適な針アクチュエータを含む、第6の好適な縫合器具のためのハンドル組立体の斜視図である。
【図26】縫合糸が装填されている第6の好適な縫合器具の斜視図である。
【図27】縫合糸が装填された状態の、第6の好適な縫合器具の斜視図である。
【図28】本発明にしたがった好適な屈曲可能な針の立面図である。
【図29】好適な縫合糸受容機構の、部分的に分解組立図で示された斜視図である。
【図30】図29の好適な縫合糸受容機構の斜視図である。
【図31】1つの逆とげを含むジョーの斜視図である。
【図32】1対の逆とげを含むジョーの斜視図である。
【図33】第7の現在好適な実施形態にしたがった、縫合糸通過器具の左側面図である。
【図34】図33の縫合糸通過器具と共に使用するための屈曲可能な針の斜視図である。
【図35】図34の屈曲可能な針の上面図である。
【図36】図34の屈曲可能な針の左側面図である。
【図37】図33の縫合糸通過器具の斜視図であり、その器具の中に図34の屈曲可能な針がどのように装填されるかを示している。
【図38】図33の縫合糸通過器具および図34の屈曲可能な針の分解組立斜視図である。
【図39】図34の屈曲可能な針が中に装填された状態の図33の縫合糸通過器具の側面断面図である。
【図40】ジョー移動機構の構造および動作を強調する簡略化された側面断面図である。
【図41】針配備機構の構造および動作を強調する簡略化された側面断面図である。
【図42】縫合糸通過器具のシャフトの遠位端部における固定ジョーの分解組立斜視図である。
【図43】図42の遠位先端部における拡大された詳細な図である。
【図44】組み立てられたときの、図43に対応する拡大された詳細な図である。
【図45】縫合糸通過器具のシャフトの遠位端部における固定ジョーの上面図である。
【図46】図45の遠位先端部における拡大された詳細な図である。
【図47】縫合糸通過器具のシャフトの遠位端部における固定ジョーの側面図である。
【図48】図47の遠位先端部における拡大された詳細な図である。
【図49】(a)は、好適な実施形態の遠位端部の斜視図であり、(b)は、好適な実施形態の遠位端部の上面図である。
【図50】(a)は、好適な実施形態の遠位端部の斜視図であり、(b)は、好適な実施形態の遠位端部の上面図であり、端部スロットを通して縫合糸が装填されている。
【図51】(a)は、好適な実施形態の遠位端部の斜視図であり、(b)は、好適な実施形態の遠位端部の上面図である。
【図52】(a)は、好適な実施形態の遠位端部の斜視図であり、(b)は、好適な実施形態の遠位端部の上面図であり、針が縫合糸に係合する際に針が一時的に横に動くところを示している。
【図53】(a)は、好適な実施形態の遠位端部の斜視図であり、(b)は、好適な実施形態の遠位端部の上面図であり、針が縫合糸に係合する際に前方に並進運動するところを示している。
【図54】(a)は、好適な実施形態の遠位端部の斜視図であり、(b)は、好適な実施形態の遠位端部の上面図である。
【図55】(a)は、好適な実施形態の遠位端部の斜視図であり、(b)は、好適な実施形態の遠位端部の上面図であり、縫合糸のループが作られている。
【図56】(a)は、好適な実施形態の遠位端部の斜視図であり、(b)は、好適な実施形態の遠位端部の上面図であり、静止位置まで針が後退している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縫合糸通過器具において、
近位ハンドルと、遠位端部を有する細長い遠位シャフトと、
前記遠位端部に隣接して位置付けられた把持機構であって、前記把持機構は、頂部ジョーおよび底部ジョーを含み、前記頂部ジョーおよび前記底部ジョーのうちの少なくとも一方は、前記遠位端部の近位の位置で前記シャフトに蝶番式に取り付けられており、前記把持機構は、前記頂部ジョーおよび前記底部ジョーを、前記遠位端部で互いに対して開閉するために前記ハンドルに操作可能に連結されている、把持装置と、
前記頂部ジョーおよび前記底部ジョーを通って垂直に延び、かつ前記頂部ジョーおよび前記底部ジョーのうちの少なくとも一方の内部のスロット端部まで前記遠位端部から近位に延びるスロットであって、前記スロットは、ある長さの縫合糸の中間部分を摩擦で保持するために前記スロット端部に向かって近位に先細になるスロット幅を有する、スロットと、
前記シャフトの内部に長さ方向に位置付け可能であり、前記シャフトから遠位に配備可能である縫合針であって、前記針は、前記針が前記シャフトから配備されると前記縫合糸を通過させるように、前記縫合糸の前記中間部分に係合可能な、側面が開口したノッチを有し、前記針は、位置付けおよび配備のために前記ハンドルに操作可能に連結されている、縫合針と、
を備える、縫合糸通過器具。
【請求項2】
請求項1に記載の縫合糸通過器具において、
前記縫合針は、近位端部、および遠位端部を含み、
前記針の少なくとも遠位部分は、概して平坦な、狭く細長い形態を有する屈曲可能な材料から形成され、
鋭い針先端部が、前記遠位部分の遠位端部に位置する、縫合糸通過器具。
【請求項3】
請求項2に記載の縫合糸通過器具において、
前記縫合針は、前記縫合針を外科的縫合装置の中に装填するために、前記縫合針の前記近位端部において、もしくは前記近位端部の近くで前記縫合針に接続されたフィンガータブをさらに含む、縫合糸通過器具。
【請求項4】
請求項3に記載の縫合糸通過器具において、
前記フィンガータブは、屈曲可能な前記針の再利用を防ぐために、オートクレーブで処理されると溶けるプラスチックから作られる、縫合糸通過器具。
【請求項5】
請求項4に記載の縫合糸通過器具において、
前記プラスチックは、HDPEである、縫合糸通過器具。
【請求項6】
請求項1に記載の縫合糸通過器具において、
近位針位置と遠位針位置との間で前記縫合針を遠位に、かつ近位に往復して移動させる、針移動機構と、
前記縫合針を前記近位針位置へ自動的に戻すバネと、
をさらに含む、縫合糸通過器具。
【請求項7】
請求項1に記載の縫合糸通過器具において、
前記把持機構は、前記把持機構を開位置へ付勢するバネを含むジョー移動機構によって、前記ハンドルに動作可能に連結されている、縫合糸通過器具。
【請求項8】
請求項7に記載の縫合糸通過器具において、
ラチェットラッチ組立体であって、前記ラチェットラッチ組立体を作動しないようにする明確な行動がとられない限り、前記ジョー移動機構が前記開位置に向かって移動するのを妨げる、ラチェットラッチ組立体、
をさらに含む、縫合糸通過器具。
【請求項9】
請求項8に記載の縫合糸通過器具において、
前記ジョー移動機構は、前記把持機構を閉じるようにきつく握られるジョートリガーを含み、
前記ラチェットラッチ組立体は、手の位置を変える必要なく前記ラチェットラッチ組立体を作動しないようにするための、前記ジョートリガー上に位置する解放ボタンを含む、縫合糸通過器具。
【請求項10】
縫合糸通過器具において、
近位ハンドルと、遠位端部を有する細長い遠位シャフトと、
前記遠位端部に隣接して位置付けられた把持機構であって、前記把持機構は、頂部ジョーおよび底部ジョーを含み、前記頂部ジョーおよび前記底部ジョーのうち少なくとも一方は、開位置と閉位置との間の移動のために前記遠位端部に近位の位置で前記シャフトに蝶番式に取り付けられている、把持機構と、
前記遠位端部において前記頂部ジョーおよび前記底部ジョーを互いに対して開閉するために、前記把持機構を前記ハンドルに操作可能に連結するジョー移動機構と、
前記把持機構を前記開位置に付勢するバネと、
ラチェットラッチ組立体であって、前記ラチェットラッチ組立体を作動しないようにする明確な行動がとられない限り、前記ジョー移動機構が前記開位置に向かって移動するのを防ぐ、ラチェットラッチ組立体と、
を含む、縫合糸通過器具。
【請求項11】
請求項10に記載の縫合糸通過器具において、
前記ジョー移動機構は、前記把持機構を閉じるためにきつく握られるジョートリガーを含み、
前記ラチェットラッチ組立体は、手の位置を変える必要なく前記ラチェットラッチ組立体を作動しないようにするための、前記ジョートリガー上に位置する解放ボタンを含む、縫合糸通過器具。
【請求項12】
縫合糸を組織に通すための縫合器具において、
概して平坦な、狭く細長い形態、および遠位針先端部を有する屈曲可能な針と、
軸および針チャネルを定める第1のジョーであって、チャネル出口まで前記針チャネルに沿って前記屈曲可能な針を案内する、第1のジョーと、
第2のジョーであって、前記第1のジョーと前記第2のジョーとの間に縫合されるべき組織を保持するために、前記第1のジョーに対して移動可能である、第2のジョーと、
前記針先端部が前記第1のジョー内部に位置する近位針位置と、前記針先端部が前記第1のジョーから突出している遠位針位置との間で往復して移動可能である、前記屈曲可能な針と、
遠位トリガー位置と近位トリガー位置との間を往復して移動する針トリガーを含む針移動機構であって、前記針トリガーは、前記屈曲可能な針に動作可能に接続されて、前記針トリガーが近位に引っ張られると前記屈曲可能な針を遠位に移動させる、針移動機構と、
を含む、縫合器具。
【請求項13】
請求項12に記載の縫合器具において、
前記針移動機構は、前記針トリガーが解放されると、前記屈曲可能な針を前記近位針位置へ、前記針トリガーを前記遠位トリガー位置へ自動的に戻すバネをさらに含む、縫合器具。
【請求項14】
請求項12に記載の縫合器具において、
前記針移動機構は、
前記針トリガーに動作可能に接続された第1の歯車ラックと、
前記屈曲可能な針に動作可能に接続された第2の歯車ラックと、
前記第1の歯車ラックと前記第2の歯車ラックとの間に位置する歯車であって、前記針トリガーおよび前記第1の歯車ラックの近位方向または遠位方向への並進運動により、前記歯車が前記第2の歯車ラックに対して回転して、前記第2の歯車ラックおよび前記屈曲可能な針が反対方向に並進運動する、歯車と、
をさらに含む、縫合器具。
【請求項15】
請求項12に記載の縫合器具において、
前記第1のジョーは、頂部、底部、および前記頂部から前記底部まで前記第1のジョーを通って延在する端部スロットを定める分岐した遠位端部をさらに含み、
前記端部スロットは、前記分岐した遠位端部から前記第1のジョーに沿って軸方向に延びる縫合糸スロットに通じており、
前記縫合糸スロットは、前記針チャネルと連絡し、かつほぼ整列して、前記頂部から前記底部まで前記第1のジョーを通って延びている、縫合器具。
【請求項16】
請求項14に記載の縫合器具において、
縫合糸を保持する手段であって、外科医によるさらなる操作なしで、前記外科医によって前記縫合糸スロット内に近位にスライドされる、縫合糸を保持する手段、
をさらに含む、縫合器具。
【請求項17】
請求項12に記載の縫合器具において、
前記屈曲可能な針は、前記針先端部に位置するか、または前記針先端部の近くに位置する、側面が開口したノッチを含む、縫合器具。
【請求項18】
縫合糸を組織に通すための縫合器具において、
ハンドル組立体と、
前記ハンドル組立体の遠位端部から延びる細長いシャフトと、
前記細長いシャフトから遠位に延びる第1のジョーであって、軸、針チャネル、チャネル出口、および縫合糸装填入口を有する、第1のジョーと、
第2のジョーであって、前記第1のジョーと前記第2のジョーとの間に縫合されるべき組織を保持するために、前記第1のジョーに対して移動可能である、第2のジョーと、
概して平坦な、狭く細長い形態、遠位針先端部、および側面が開口した針のノッチを有する屈曲可能な針であって、前記屈曲可能な針は、前記針先端部および前記側面が開口した針のノッチが前記第1のジョーの内側に位置し、かつ前記縫合器具が前記縫合糸装填入口を通して前記第1のジョーの中に縫合糸を装填する準備ができている、近位針位置と、前記針先端部および前記側面が開口した針のノッチが前記第1のジョーから突出しており、前記縫合糸が、前記側面が開口した針のノッチ内の組織の反対側に位置する前記縫合糸装填入口を通して前記第1のジョーの中に装填されている、遠位針位置との間で往復して移動可能である、屈曲可能な針と、
前記近位針位置と前記遠位針位置との間で前記針を遠位に、かつ近位に往復して移動させる、針移動機構と、
前記近位針位置に前記屈曲可能な針を自動的に戻すバネであって、前記縫合糸装填入口を通じて前記第1のジョーの中に縫合糸が装填されるように前記縫合器具を準備させる、バネと、
を含む、縫合器具。
【請求項19】
請求項18に記載の縫合器具において、
前記針移動機構は、前記屈曲可能な針に動作可能に接続された針トリガーを含み、前記針トリガーが近位に引っ張られると前記屈曲可能な針を遠位に移動させる、縫合器具。
【請求項20】
請求項18に記載の縫合器具において、
前記針トリガーに動作可能に接続された第1の歯車ラックと、
前記屈曲可能な針に動作可能に接続された第2の歯車ラックと、
前記第1の歯車ラックと前記第2の歯車ラックとの間に位置する歯車であって、前記針トリガーおよび前記第1の歯車ラックの近位方向または遠位方向への並進運動により、前記歯車が前記第2の歯車ラックに対して回転して、前記第2の歯車ラックおよび前記屈曲可能な針が反対方向に並進運動する、歯車と、
をさらに含む、縫合器具。
【請求項21】
請求項18に記載の縫合器具において、
前記第1のジョーは、頂部、底部、および分岐した遠位端部をさらに含み、
前記縫合糸装填入口は、前記頂部から前記底部まで前記第1のジョーを通って延在する端部スロットを含み、
前記端部スロットは、前記分岐した遠位端部から前記第1のジョーに沿って軸方向に延びる縫合糸スロットに通じており、
前記縫合糸スロットは、前記針チャネルと連絡し、かつほぼ整列して、前記頂部から前記底部まで前記第1のジョーを通って延びている、縫合器具。
【請求項22】
請求項21に記載の縫合器具において、
縫合糸を保持する手段であって、外科医によるさらなる操作なしで、前記外科医によって前記縫合糸スロット内に近位にスライドされる、縫合糸を保持する手段、
をさらに含む、縫合器具。
【請求項23】
縫合糸を組織に通すための縫合器具において、
ハンドル組立体と、
前記ハンドル組立体から遠位に延びる細長いシャフトと、
前記細長いシャフトから遠位に延びる第1のジョーであって、前記第1のジョーは、軸、頂部、底部、チャネル出口まで前記第1のジョーの前記軸に沿って、かつ湾曲部の周りを延びる針チャネル、および前記頂部から前記底部まで前記第1のジョーを通って延在する縫合糸装填入口であって、前記縫合糸装填入口は、これもまた前記頂部から前記底部まで前記第1のジョーを通って延在する縫合糸チャネルに通じており、前記縫合糸チャネルは、前記針チャネルと連絡しており、かつ前記針チャネルとほぼ整列している、縫合糸装填入口を有する、第1のジョーと、
第2のジョーであって、前記第1のジョーと前記第2のジョーとの間に、縫合されるべき組織を保持するために、前記第1のジョーに対して移動可能である、第2のジョーと、
概して平坦な、狭く細長い形態、遠位針先端部、および側面が開口した針のノッチを有する屈曲可能な針であって、前記屈曲可能な針は、前記針先端部および前記側面が開口した針のノッチが前記第1のジョーの内側に位置しており、前記縫合器具が、前記縫合糸装填入口を通じて前記第1のジョーの中に前記縫合糸を装填する準備ができている、近位針位置と、前記針先端部および前記側面が開口した針のノッチが前記第1のジョーから突出しており、前記縫合糸が、前記側面が開口した針のノッチ内の組織の反対側に位置する前記縫合糸装填入口を通して前記第1のジョーの中に装填されている、遠位針位置との間を往復して移動可能である、屈曲可能な針と、
前記屈曲可能な針の配備前に、前記縫合糸装填入口を通して前記第1のジョーの中に装填された縫合糸を保持するための手段であって、前記縫合糸は、前記屈曲可能な針および前記針の前記側面が開口したノッチの位置に関係なく1つのステップで前記第1のジョーの中に装填される、手段と、
を含む、縫合器具。
【請求項24】
縫合糸通過器具で縫合糸を装填し、次に前記縫合糸を通過させる方法において、
前記縫合糸通過器具は、
ハンドル組立体、
前記ジョー組立体から遠位に延びる細長いシャフト、
前記細長いシャフトから遠位に延びる第1のジョーであって、頂部、底部、前記固定ジョーの軸に沿って延び、前記軸に対してある角度で開口するチャネル出口まで湾曲する針チャネル、前記頂部から前記底部まで前記固定ジョーを通って延在する縫合糸チャネル、および前記頂部から前記底部まで前記第1のジョーを通って延在し、前記縫合糸チャネルと連絡している縫合糸装填入口、を有する、第1のジョー、
前記針チャネルに位置する屈曲可能な針、
前記細長いシャフトから遠位に延びる第2のジョーであって、前記第1のジョーと前記第2のジョーとの間に縫合されるべき組織を把持するために、前記第1のジョーに対して移動可能である、第2のジョー、ならびに、
前記針チャネル内で、かつ前記チャネル出口内外で前記屈曲可能な針を往復して移動させることにより前記針を配備するための針移動機構、
を有し、
当該方法は、
前記縫合糸が前記第1のジョーの前記頂部および前記底部から突出し、前記針チャネルにわたって延びるように、前記縫合糸装填入口を通して前記縫合糸チャネルの中に前記縫合糸を装填するステップと、
配備の前に、前記縫合糸チャネルの中で前記縫合糸を保持するステップと、
配備の間に前記屈曲可能な針が遠位に移動するときに、保持された前記縫合糸を前記屈曲可能な針で捕捉するステップと、
を含む、方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法において、
前記針に、針先端部、側面が開口した針のノッチ、およびノッチ側の傾斜部を設けるステップと、
前記屈曲可能な針の配備の前に、前記第1のジョーに装填された前記縫合糸の位置の近位に前記側面が開口した針のノッチが来るように、前記第1のジョーの中に前記針を位置させるステップと、
前記屈曲可能な針が配備されるときに、前記側面が開口した針のノッチで前記縫合糸を捕捉するステップと、
をさらに含む、方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法において、
前記針先端部が前記縫合糸スロットの最近位端部の遠位に、横にずれて位置するように、前記ノッチ側の傾斜部が前記縫合糸スロットにさらされるように、かつ前記針のノッチが前記縫合糸スロットの前記最近位端部の近位に来るように、前記屈曲可能な針を位置させるステップ、
をさらに含む、方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法において、
前記屈曲可能な針が遠位に配備され、前記ノッチ側の傾斜部が前記縫合糸の上に載るときに、前記屈曲可能な針を片側に側方に歪ませるステップであって、前記針のノッチは、前記針が跳ね戻ると前記縫合糸を捕捉する、ステップ、
をさらに含む、方法。
【請求項28】
外科縫合装置で使用されるように構成された針において、
近位端部および遠位端部を備えた針であって、前記針の少なくとも遠位部分は概して平坦な、狭く細長い形態を有する屈曲可能な材料から形成され、鋭い針先端部が前記遠位部分の遠位端部に位置している、針と、
前記外科縫合装置に前記針を装填するために、前記針の前記近位端部において、または前記近位端部の近くで前記屈曲可能な針に接続されたフィンガータブと、
を含む、針。
【請求項29】
請求項28に記載の針において、
前記フィンガータブは、前記屈曲可能な針の再利用を防ぐために、オートクレーブで処理されると溶けるプラスチックから作られる、針。
【請求項30】
請求項29に記載の針において、
前記プラスチックは、HDPEである、針。
【請求項31】
請求項29に記載の針において、
前記フィンガータブは、前記屈曲可能な針上に覆うように成型される、針。
【請求項32】
請求項28に記載の針において、
前記遠位部分の片側において、側面が開口した針のノッチ、
をさらに含む、針。
【請求項33】
請求項32に記載の針において、
前記外科縫合装置または縫合されるべき組織の中で前記針を前後にスライドさせるのに必要な力を軽減するために、前記針の表面に塗布された滑らかなコーティング、
をさらに含む、針。
【請求項34】
請求項33に記載の針において、
前記滑らかなコーティングは、ポリテトラフルオロエチレンである、針。
【請求項35】
外科縫合装置で使用されるように構成された針において、
近位端部および遠位端部を備えた針であって、前記針の少なくとも遠位部分は概して平坦な、狭く細長い形態を有する屈曲可能な材料から形成され、鋭い針先端部が前記遠位部分の遠位端部に位置している、針と、
前記外科縫合装置または縫合されるべき組織の中で前記針を前後にスライドさせるのに必要な力を軽減するために前記針の表面に塗布された滑らかなコーティングと、
を含む、針。
【請求項36】
請求項35に記載の針において、
前記滑らかなコーティングは、フルオロポリマーである、針。
【請求項37】
請求項36に記載の針において、
前記フルオロポリマーは、ポリテトラフルオロエチレンである、針。
【請求項38】
請求項35に記載の針において、
前記遠位部分の片側において、側面が開口した針のノッチ、
をさらに含む、針。
【請求項39】
縫合糸を組織に通すための縫合器具において、
概して平坦な、狭く細長い形態、遠位針先端部、および前記針先端部において、または前記針先端部の近くに位置する、側面が開口した針のノッチを有する、屈曲可能な針と、
軸を定める第1のジョーであって、頂部、底部、チャネル出口まで前記第1のジョーの前記軸に沿って、かつ湾曲部の周りで前記屈曲可能な針を案内する針チャネル、および前記頂部から前記底部まで前記第1のジョーを通って延びる端部スロットを定める分岐した遠位端部を有し、前記端部スロットは、前記分岐した遠位端部から前記第1のジョーに沿って軸方向に延びる縫合糸スロットに通じており、前記縫合糸スロットは、前記針チャネルと連絡し、かつほぼ整列して、前記頂部から前記底部まで前記ジョーを通って延びている、第1のジョーと、
前記端部スロットを通って前記縫合糸スロットの中へ近位にスライドされる縫合糸と、
前記縫合糸を通す前に外科医によるさらなる操作なしで、前記縫合糸スロットに前記縫合糸を保持するための手段と、
前記針先端部および前記針のノッチが前記第1のジョーの内側に位置した状態で前記屈曲可能な針が第1のほぼ直線的な形態にある近位位置と、前記針先端部および前記針のノッチが前記第1のジョーから突出した状態で前記屈曲可能な針が第2の湾曲した形態にある遠位位置との間を往復して移動可能である、前記屈曲可能な針と、
前記屈曲可能な針が前記近位位置から前記遠位位置まで移動した場合に、保持された前記縫合糸のそばを通過し、前記縫合糸スロットに保持された前記保持された縫合糸を一時的に捕捉する、前記針のノッチと、
第2のジョーであって、前記第1のジョーと前記第2のジョーとの間に、縫合されるべき組織を保持するために、前記第1のジョーに対して移動可能である、第2のジョーと、
前記近位位置と前記遠位位置との間で前記屈曲可能な針を往復して移動させるアクチュエータであって、前記針のノッチの中の前記縫合糸が縫合糸ループを形成している状態で、前記針先端部、前記針のノッチ、および一時的に捕捉された前記縫合糸が前記組織の遠位側を越えて位置する前記遠位位置まで前記屈曲可能な針が移動すると、前記針先端部、前記針のノッチ、および前記一時的に捕捉された縫合糸は、前記第1のジョーの軸方向の貫通スロットの中で、かつ前記第1のジョーと前記第2のジョーとの間で保持された組織を通して、軸方向に前方に移動し、前記縫合糸ループは、前記屈曲可能な針が前記近位位置まで戻ると前記針のノッチから解放され、前記組織の前記遠位側にとどまる、アクチュエータと、
を含む、縫合器具。
【請求項40】
請求項39に記載の縫合器具において、
前記縫合糸スロットは、
前記縫合糸スロットの近位端部に設けられた近位縫合糸保持用節部と、
前記近位縫合糸保持用節部に通じる比較的狭い部分と、
を含む、縫合器具。
【請求項41】
請求項40に記載の縫合器具において、
前記縫合糸を保持する手段は、前記縫合糸と前記縫合糸スロットの前記比較的狭い部分との間の摩擦による適合を含む、縫合器具。
【請求項42】
請求項40に記載の縫合器具において、
前記屈曲可能な針は、前記遠位針先端部と前記針のノッチとの間にノッチ側の傾斜部をさらに含み、
前記ノッチ側の傾斜部は、前記近位縫合糸保持用節部に隣接して位置し、
前記縫合糸を保持する手段は、前記屈曲可能な針における横への歪みによって、前記近位縫合糸保持用節部に位置させられている前記縫合糸に対して付勢されている、前記ノッチ側の傾斜部を含む、縫合器具。
【請求項43】
請求項39に記載の縫合器具において、
前記アクチュエータは、針トリガーを有する針移動機構であって、前記針トリガーが近位方向に引っ張られた場合に、前記屈曲可能な針を遠位方向に前記遠位位置まで移動させる、針移動機構を含む、縫合器具。
【請求項44】
請求項39に記載の縫合器具において、
前記針移動機構は、前記針トリガーが解放されると前記近位位置まで前記屈曲可能な針を自動的に戻すバネを含む、縫合器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【公開番号】特開2008−264547(P2008−264547A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−108659(P2008−108659)
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【出願人】(507083478)デピュイ・ミテック・インコーポレイテッド (47)
【氏名又は名称原語表記】DePuy Mitek,Inc.
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive,Raynham,Massachusetts 02767 United States of America
【Fターム(参考)】