説明

繊維、生地及び肌着

【課題】優れた接触冷感、風合い及び肌触りを持続することができ、かつ、流通過程や使用時における繊維の黄変及び赤変の発生を抑制することが可能な繊維、生地及び肌着を提供する。
【解決手段】熱可塑性エラストマー、酸性化合物及びリン系酸化防止剤を含有する繊維であって、前記酸性化合物は、スチレン−無水マレイン酸共重合体、又は、酸無水物であり、熱可塑性エラストマー100重量部に対して、酸性化合物を0.1重量部以上含有する繊維。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた接触冷感、風合い及び肌触りを持続することができ、かつ、流通過程や使用時における繊維の黄変及び赤変の発生を抑制することが可能な繊維、生地及び肌着に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、夏季用の肌着として、清涼感に優れた繊維及び該繊維を用いた繊維製品が研究されている。
このような清涼感を与える機能としては、例えば、着用時にヒヤリとした感覚を惹起させる接触冷感が挙げられる。このような接触冷感に優れた繊維としては、例えば、特許文献1及び特許文献2にポリアミドエラストマーを含有する繊維が開示されている。
【0003】
しかしながら、これらの繊維は流通過程や使用時において、繊維が黄変したり、赤変したりするという欠点を有していた。具体的には、自動車等の原動機からの排気ガスや、ファンヒータ等の石油暖房機器からの排気ガスによって、繊維に黄変、赤変が発生するという問題があった。
このような黄変や赤変が発生する原因としては、大気中の酸化窒素化合物や水分と、繊維を構成するポリマーのアミノ基との反応が関連していると考えられている。また、酸化窒素化合物や水分と、繊維を構成するポリマーの製造工程で添加されているヒンダードフェノール系酸化防止剤やヒンダードアミン系光安定剤(HALS)との関連についても指摘されている。
【0004】
更に、肌着やスポーツウェア等の衣料としてポリアミドエラストマー繊維を使用する場合は、アルカリ性の汗が残留した状態で紫外線を受けると、黄変が顕著に発生するという問題もあった。このようなケースでは、着用、洗濯の繰り返しによって黄変が一層進行していた。
これらの黄変、赤変の問題は、白色や淡色系の繊維により構成される肌着やスポーツウェアにおいて、特に深刻であり、その商品価値を著しく低下させるものであった。
【0005】
これらの問題に対して、ポリアミドエラストマーを含有する繊維に黄変に対する耐性を付与する方法としては、種々の方法が提案されている。特許文献3には、酸無水物と界面活性剤とを含有する水性媒体で処理する方法が開示されている。
しかしながら、この方法では、洗濯によって黄変防止処理の効果が低下してしまい、残留している汗と紫外線とによる作用で黄変が進行する場合の不具合を充分に抑制できないという問題があった。
【0006】
また、特許文献4には、紡糸時に酸性の液状混合物を混合する方法が開示されている。
しかしながら、この方法では糸切れが多発したり、糸物性が低下したりする等、紡糸性が著しく低下したり、紫外線による物性劣化が顕著に大きくなってしまうという問題があった。
【0007】
【特許文献1】特開2004−270075号公報
【特許文献2】特開2005−036361号公報
【特許文献3】特許第3757446号公報
【特許文献4】特開平01−229810号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記現状に鑑み、優れた接触冷感、風合い及び肌触りを持続することができ、かつ、流通過程や使用時における繊維の黄変及び赤変の発生を抑制することが可能な繊維、生地及び肌着を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、熱可塑性エラストマー、酸性化合物及びリン系酸化防止剤を含有する繊維であって、上記酸性化合物は、スチレン−無水マレイン酸共重合体、又は、酸無水物であり、上記熱可塑性エラストマー100重量部に対して、上記酸性化合物を0.1重量部以上含有する繊維である。
以下に本発明を詳述する。
【0010】
本発明者らは、鋭意検討の結果、接触冷感に優れた熱可塑性エラストマーを含有する繊維に、更に酸性化合物及びリン系酸化防止剤を所定量以上含有させることにより、流通過程や使用時における繊維の黄変や赤変の発生を抑制することができ、優れた接触冷感、風合い及び肌触りを持続することが可能となることから、特に肌着等の衣料に好適に使用できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
本発明の繊維は、熱可塑性エラストマーを含有する。
上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維は、着用時に直接肌に接したときにヒヤリとした感覚を惹起し、清涼感を与えることができる。
【0012】
上記熱可塑性エラストマーは、ポリアミド系エラストマーであることが好ましい。
上記ポリアミド系エラストマーとしては特に限定されず、例えば、ポリエーテルブロックアミド共重合体、ポリエーテルアミド共重合体、ポリエステルアミド共重合体等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
これらのポリアミド系エラストマーのうち市販されているものとしては、例えば、ペバックス(アルケマ社製)、UBEナイロン(宇部興産社製)、グリロンELX、グリルアミドELY(以上、エムス昭和電工社製)、ダイアミド、ベスタミド(以上、ダイセル・デクサ社製)等が挙げられる。
【0013】
上記熱可塑性エラストマーのなかでも、下記式(1)で表されるポリエーテルブロックアミド共重合体は、極めて優れた帯電防止効果が得られること、紡糸性に優れること、及び、比重が小さく、軽い生地や肌着を作製できることから特に好適である。このようなポリエーテルブロックアミド共重合体のうち市販されているものとしては、例えば、ペバックス(アルケマ社製)等が挙げられる。
【0014】
【化1】

【0015】
式(1)中、PAはポリアミドを表し、PEはポリエーテルを表す。
【0016】
本発明の繊維は、酸性化合物を含有し、上記酸性化合物は、スチレン−無水マレイン酸共重合体、又は、酸無水物である。
本発明では、このような酸性化合物を用いることで、繊維の耐黄変性、耐赤変性を大幅に向上させることができる。
【0017】
上記酸性化合物として、スチレン−無水マレイン酸共重合体を用いた場合、繰り返しの洗濯に対しても黄変赤変防止の効果が持続しやすく、特に汗成分が繊維に残留した状態で日光を受けるような環境での変退色を抑制する効果が大きい。
【0018】
上記スチレン−無水マレイン酸共重合体は、スチレンに由来するセグメントと無水マレイン酸に由来するセグメントとを有しているが、上記スチレンに由来するセグメントと、上記無水マレイン酸に由来するセグメントとの比は、スチレンに由来するセグメントが1に対して、無水マレイン酸に由来するセグメントが1/3〜1であることが好ましく、1であることがより好ましい。
【0019】
上記スチレン−無水マレイン酸共重合体の重量平均分子量(Mw)の好ましい下限は1000、好ましい上限は50000である。1000未満であると、繊維表面からブリードアウトすることがあり、50000を超えると、繊維にフシ糸が生じやすくなることがある。
【0020】
上記酸性化合物として、上記スチレン−無水マレイン酸共重合体を用いる場合、本発明の繊維における上記スチレン−無水マレイン酸共重合体の含有量の下限は、熱可塑性エラストマー100重量部に対して0.1重量部、好ましい上限は3.0重量部である。0.1重量部未満であると、黄変や赤変を抑制する効果が得られず、3.0重量部を超えると、繊維自体の物性が低下したり、紡糸時に糸切れが発生して紡糸性が低下したりする。上記スチレン−無水マレイン酸共重合体の含有量の好ましい下限は0.2重量部、より好ましい下限は0.3重量部であり、上記スチレン−無水マレイン酸共重合体の含有量のより好ましい上限は2.0重量部、更に好ましい上限は1.5重量部である。
【0021】
上記酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水酢酸、無水安息香酸、無水コハク酸、無水ニコチン酸、無水プロピオン酸、無水−n−カプロン酸、無水グルタル酸、無水ギ酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水トリフルオロ酢酸等が挙げられる。なかでも、無水フタル酸が好ましい。
【0022】
上記酸性化合物として、上記酸無水物を用いる場合、本発明の繊維における上記酸無水物の含有量の下限は、熱可塑性エラストマー100重量部に対して0.1重量部、好ましい上限は2.0重量部である。0.1重量部未満であると、黄変や赤変を抑制する効果が得られず、2.0重量部を超えると、繊維自体の物性が低下したり、紡糸時に糸切れが発生して紡糸性が低下したりする。上記酸無水物の含有量の好ましい下限は0.15重量部、より好ましい下限は0.2重量部であり、上記酸無水物の含有量のより好ましい上限は1.0重量部、更に好ましい上限は0.6重量部である。
【0023】
本発明の繊維は、リン系酸化防止剤を含有する。上記リン系酸化防止剤を含有することで、特に耐赤変性を大幅に向上させることができる。
なお、本発明において、リン系酸化防止剤とは、リン原子を有する酸化防止剤をいい、P(OR)構造を有する酸化防止剤であることが好ましい。ここで、Rは、アルキル基、アルキレン基、アリール基、アリーレン基等であり、3個のRは同一でも異なっていてもよく、任意の2個のRが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
【0024】
上記リン系酸化防止剤としては、例えば、トリス−(ノニルフェニル)−ホスファイト(大内新興化学工業社製、「ノクラックTNP」)、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(チバ・ジャパン社製、「Irgafos168」)、トリス[2−[[2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェフィン−6−イル]オキシ]エチル]アミン(チバ・ジャパン社製、「Irgafos12」)、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸(チバ・ジャパン社製、「Irgafos38」)、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト(チバ・ジャパン社製、「Irgafos126」)、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスフォナイト(チバ・ジャパン社製、「IrgafosP−EPQ」)、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト(ADEKA社製、「アデカスタブPEP36」)、ジステアリルペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト(ADEKA社製、「アデカスタブPEP−8」)、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン(住友化学社製、「スミライザーGP」)等が挙げられる。
【0025】
本発明の繊維における上記リン系酸化防止剤含有量の好ましい下限は、熱可塑性エラストマー100重量部に対して0.1重量部、好ましい上限は1.5重量部である。0.1重量部未満であると、赤変を抑制する効果が得られず、1.5重量部を超えると、繊維からブリードしやすくなり、粉ふきが生じることがある。より好ましい下限は0.15重量部、より好ましい上限は1.0重量部、更に好ましい下限は0.2重量部、更に好ましい上限は0.6重量部である。
【0026】
本発明の繊維の態様としては特に限定されず、上記熱可塑性エラストマー、酸性化合物及びリン系酸化防止剤のみからなるものであってもよいが、上記熱可塑性エラストマーを用いた繊維は、一般に、べたつき感があり紡糸も困難である場合がある。このような場合には、他の樹脂と併用してもかまわない。
【0027】
本発明の繊維は、本発明の効果を損なわない範囲で、無機充填剤、難燃剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、光安定剤、無機物、高級脂肪酸塩等の添加剤を含有してもよい。
【0028】
本発明の繊維が、上記熱可塑性エラストマー以外の他の樹脂を含有する場合には、これらの樹脂の混合物を紡糸してなるものであってもよいし、コンジュゲート繊維であってもよい。
上記他の樹脂としては特に限定されず、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド系樹脂、PET、PBT、PTT等のポリエステル系樹脂、レーヨン、アクリル等が挙げられる。なかでも、ポリアミド系樹脂が好適である。これらの樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記他の樹脂を用いる場合、複合界面又は接触界面において変退色することを防止するために、上記他の樹脂にも上記酸性化合物及び上記リン系酸化防止剤を、上記熱可塑性エラストマーへ添加する比率と同様の比率で添加することが好ましい。
【0029】
上記コンジュゲート繊維は特に限定されず、例えば、芯鞘型コンジュゲート繊維、サイドバイサイド型コンジュゲート繊維、放射型コンジュゲート繊維、中空環状型コンジュゲート繊維等が挙げられる。
本発明の繊維が上記芯鞘型コンジュゲート繊維である場合、芯部に上記熱可塑性エラストマー、鞘部に上記他の樹脂を用いてもよいし、芯部に上記他の樹脂、鞘部に上記熱可塑性エラストマーを用いてもよい。
【0030】
上記芯鞘型コンジュゲート繊維の形状は特に限定されず、例えば、繊維の長さ方向に対して垂直に切断した場合の断面形状が真円のものであってもよいし、楕円等であってもよい。また、芯部と鞘部とが同心円状に形成された同心芯鞘型コンジュゲート繊維であってもよく、芯部と鞘部とが偏心的に形成された偏心芯鞘型コンジュゲート繊維であってもよい。更に、鞘部の一部が開口した部分開口芯鞘型コンジュゲート繊維であってもよい。加えて、繊維の長さ方向に対して垂直に切断した場合に芯部が複数存在するような構造であってもよい。
【0031】
本発明の繊維は、qmax値が0.2J/sec/cm以上であることが好ましい。
max値は、一定面積、一定質量の熱板に所定の熱を蓄え、これが試料表面に接触した直後、蓄えられた熱量が低温側の試料に移動する熱流量のピーク値である。qmax値は、着衣したときに試料に奪われる体温をシミュレートしていると考えられ、qmax値が大きいほど着衣時に奪われる体温が大きく、接触冷感が高いと考えられる。qmax値が0.2J/sec/cm未満であると、官能試験を行っても大半の人が接触冷感を感じない。より好ましくは0.21J/sec/cm以上、更に好ましくは0.22J/sec/cm以上である。
【0032】
本発明の繊維は、熱伝導率が1×10−3℃/W・m以上であることが好ましい。熱伝導率も接触冷感に対応する重要なパラメータの1つであると考えられる。熱伝導率が1×10−3℃/W・m未満であると、官能試験を行っても大半の人が接触冷感を感じないことがある。
なお、熱伝導率は、試料台の上に置いた試料の上に熱板を重ね、熱板の温度を所定の温度に安定させた後の熱損失速度を測定して、下記式(2)により算出することができる。
熱伝導率(W/cm/℃)=W・D/A/ΔT (2)
W:熱流量(J/sec)
D:試料の厚さ(cm)
A:熱板面積(cm
ΔT:試料台と熱板との温度差(℃)
【0033】
本発明の繊維を製造する方法としては特に限定されず、例えば、上記熱可塑性エラストマー、酸性化合物及びリン系酸化防止剤を含有するペレットを用いて溶融紡糸を行う方法等の従来公知の方法を用いることができる。
また、上記他の樹脂を用いたコンジュゲート繊維とする場合は、熱可塑性エラストマー、酸性化合物、及び、リン系酸化防止剤を含有するペレット、及び、上記他の樹脂を含有するペレットを複合紡糸装置に投入し、溶融紡糸することにより、コンジュゲート繊維を得る方法等が挙げられる。
【0034】
本発明の繊維は、官能レベルで充分な接触冷感を実感できるものである。本発明の繊維を用いれば、大半のヒトに着用時にヒヤリとした感覚を惹起させ、清涼感を与えることができる。また、白色や淡色を長期間に渡って維持できることから、肌着にも好適に用いることができる。
【0035】
本発明の繊維を用いてなる生地もまた、本発明の1つである。
本明細書において生地には、編物、織物、不織布等が含まれる。
本発明の生地は、本発明の繊維のみからなるものであってもよいが、本発明の目的を阻害しない範囲で、肌触り等の肌着に必要な要件を改善する目的で、他の繊維と交編してもかまわない。このような他の繊維としては特に限定されないが、例えば、ナイロン6、ナイロン12等のポリアミド系樹脂等;ポリエステル、綿、レーヨン等が挙げられる。
本発明の繊維、又は本発明の生地を用いてなる肌着もまた、本発明の1つである。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、優れた接触冷感、風合い及び肌触りを持続することができ、かつ、流通過程や使用時における繊維の黄変及び赤変の発生を抑制することが可能な繊維、生地及び肌着を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0038】
(実施例1)
熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1041SA01」)60重量部、ポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス 6333SA01」)40重量部、スチレン−無水マレイン酸共重合体(サートマージャパン社製、「SMA1000」)1重量部、リン系酸化防止剤(ADEKA社製、「アデカスタブPEP36」)0.6重量部、酸化チタン(堺化学工業社製、「D−918」)5重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて樹脂ペレットを作製した。次いで、得られた樹脂ペレットを用い、溶融紡糸法にて製糸を行い繊度が120デシテックス(36フィラメント構成)、1フィラメントあたりの直径が約20μmの原糸を得た。得られた原糸を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0039】
(実施例2)
熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1041SA01」)60重量部、ポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス 6333SA01」)40重量部、スチレン−無水マレイン酸共重合体(サートマージャパン社製、「SMA1000」)1.5重量部、リン系酸化防止剤(ADEKA社製、「アデカスタブPEP36」)1重量部、酸化チタン(堺化学工業社製、「D−918」)5重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて樹脂ペレットを作製した。次いで、得られた樹脂ペレットを用い、溶融紡糸法にて製糸を行い繊度が120デシテックス(36フィラメント構成)、1フィラメントあたりの直径が約20μmの原糸を得た。得られた原糸を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0040】
(実施例3)
熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1041SA01」)60重量部、ポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス 6333SA01」)40重量部、スチレン−無水マレイン酸共重合体(サートマージャパン社製、「SMA1000」)2重量部、リン系酸化防止剤(チバ・ジャパン社製、「Irgafos126」)0.15重量部、酸化チタン(堺化学工業社製、「D−918」)5重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて樹脂ペレットを作製した。次いで、得られた樹脂ペレットを用い、溶融紡糸法にて製糸を行い繊度が120デシテックス(36フィラメント構成)、1フィラメントあたりの直径が約20μmの原糸を得た。得られた原糸を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0041】
(実施例4)
熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1041SA01」)60重量部、ポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス 6333SA01」)40重量部、スチレン−無水マレイン酸共重合体(サートマージャパン社製、「SMA1000」)0.3重量部、リン系酸化防止剤(住友化学社製、「スミライザーGP」)0.2重量部、酸化チタン(堺化学工業社製、「D−918」)5重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて樹脂ペレットを作製した。次いで、得られた樹脂ペレットを用い、溶融紡糸法にて製糸を行い繊度が120デシテックス(36フィラメント構成)、1フィラメントあたりの直径が約20μmの原糸を得た。得られた原糸を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0042】
(実施例5)
熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1041SA01」)60重量部、ポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス 6333SA01」)40重量部、スチレン−無水マレイン酸共重合体(サートマージャパン社製、「SMA1000」)0.2重量部、リン系酸化防止剤(住友化学社製、「スミライザーGP」)0.5重量部、酸化チタン(堺化学工業社製、「D−918」)5重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて樹脂ペレットを作製した。次いで、得られた樹脂ペレットを用い、溶融紡糸法にて製糸を行い繊度が120デシテックス(36フィラメント構成)、1フィラメントあたりの直径が約20μmの原糸を得た。得られた原糸を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0043】
(実施例6)
熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1041SA01」)100重量部、無水フタル酸0.3重量部、リン系酸化防止剤(住友化学社製、「スミライザーGP」)0.6重量部、酸化チタン(堺化学工業社製、「D−918」)5重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて樹脂ペレットを作製した。次いで、得られた樹脂ペレットを用い、溶融紡糸法にて製糸を行い繊度が120デシテックス(36フィラメント構成)、1フィラメントあたりの直径が約20μmの原糸を得た。得られた原糸を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0044】
(実施例7)
熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1041SA01」)100重量部、無水フタル酸0.6重量部、リン系酸化防止剤(住友化学社製、「スミライザーGP」)0.2重量部、酸化チタン(堺化学工業社製、「D−918」)5重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて樹脂ペレットを作製した。次いで、得られた樹脂ペレットを用い、溶融紡糸法にて製糸を行い繊度が120デシテックス(36フィラメント構成)、1フィラメントあたりの直径が約20μmの原糸を得た。得られた原糸を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0045】
(実施例8)
熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1041SA01」)100重量部、無水フタル酸1重量部、リン系酸化防止剤(チバ・ジャパン社製、「Irgafos126」)0.15重量部、酸化チタン(堺化学工業社製、「D−918」)5重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて樹脂ペレットを作製した。次いで、得られた樹脂ペレットを用い、溶融紡糸法にて製糸を行い繊度が120デシテックス(36フィラメント構成)、1フィラメントあたりの直径が約20μmの原糸を得た。得られた原糸を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0046】
(実施例9)
熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1041SA01」)100重量部、無水フタル酸0.2重量部、リン系酸化防止剤(ADEKA社製、「アデカスタブPEP36」)0.5重量部、酸化チタン(堺化学工業社製、「D−918」)5重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて樹脂ペレットを作製した。次いで、得られた樹脂ペレットを用い、溶融紡糸法にて製糸を行い繊度が120デシテックス(36フィラメント構成)、1フィラメントあたりの直径が約20μmの原糸を得た。得られた原糸を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0047】
(実施例10)
熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1041SA01」)100重量部、無水フタル酸0.1重量部、リン系酸化防止剤(ADEKA社製、「アデカスタブPEP36」)1重量部、酸化チタン(堺化学工業社製、「D−918」)5重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて樹脂ペレットを作製した。次いで、得られた樹脂ペレットを用い、溶融紡糸法にて製糸を行い繊度が120デシテックス(36フィラメント構成)、1フィラメントあたりの直径が約20μmの原糸を得た。得られた原糸を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0048】
(実施例11)
鞘部用樹脂として熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1074SA01」)100重量部、スチレン−無水マレイン酸共重合体(サートマージャパン社製、「SMA1000」)1重量部、リン系酸化防止剤(住友化学社製、「スミライザーGP」)0.3重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて鞘部用の樹脂ペレットAを作製した。
芯部用樹脂としてポリアミド樹脂であるナイロン6(宇部興産社製、「UBEナイロン1011FB」)100重量部、スチレン−無水マレイン酸共重合体(サートマージャパン社製、「SMA1000」)1重量部、リン系酸化防止剤(住友化学社製、「スミライザーGP」)0.3重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて芯部用の樹脂ペレットBを作製した。
次いで、得られた鞘部用の樹脂ペレットA及び芯部用の樹脂ペレットBをそれぞれ単軸押出機により加熱溶融し、芯部の断面が円形、鞘部の断面が略C形となるように複合紡糸し、繊度120デシテックス(36フィラメント構成)の部分開口偏心芯鞘型コンジュゲート繊維を得た。得られたコンジュゲート繊維の1フィラメントあたりの直径は約20μmであり、繊維断面積に対する芯部分の占有率は80%であった。
得られたコンジュゲート繊維を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0049】
(実施例12)
芯部用樹脂として熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1074SA01」)100重量部、スチレン−無水マレイン酸共重合体(サートマージャパン社製、「SMA1000」)1重量部、リン系酸化防止剤(住友化学社製、「スミライザーGP」)0.3重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて芯部用の樹脂ペレットAを作製した。
鞘部用樹脂としてポリアミド樹脂であるナイロン6(宇部興産社製、「UBEナイロン1011FB」)100重量部、スチレン−無水マレイン酸共重合体(サートマージャパン社製、「SMA1000」)1重量部、リン系酸化防止剤(住友化学社製、「スミライザーGP」)0.3重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて鞘部用の樹脂ペレットBを作製した。
次いで、得られた芯部用の樹脂ペレットA及び鞘部用の樹脂ペレットBをそれぞれ単軸押出機により加熱溶融し、芯部の断面が円形、鞘部の断面が略C形となるように複合紡糸し、繊度120デシテックス(36フィラメント構成)の部分開口偏心芯鞘型コンジュゲート繊維を得た。得られたコンジュゲート繊維の1フィラメントあたりの直径は約20μmであり、繊維断面積に対する芯部分の占有率は80%であった。
得られたコンジュゲート繊維を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0050】
(実施例13)
熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1074SA01」)100重量部、スチレン−無水マレイン酸共重合体(サートマージャパン社製、「SMA1000」)1重量部、リン系酸化防止剤(住友化学社製、「スミライザーGP」)0.3重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて樹脂ペレットAを作製した。
ポリアミド樹脂であるナイロン11(アルケマ社製、「リルサン BESN TL」)100重量部、スチレン−無水マレイン酸共重合体(サートマージャパン社製、「SMA1000」)1重量部、リン系酸化防止剤(住友化学社製、「スミライザーGP」)0.3重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて樹脂ペレットBを作製した。
次いで、得られた樹脂ペレットA及び樹脂ペレットBをそれぞれ単軸押出機により加熱溶融し、それぞれの断面が半円形となるように複合紡糸し、繊度120デシテックス(36フィラメント構成)のサイドバイサイド型コンジュゲート繊維を得た。得られたコンジュゲート繊維の1フィラメントあたりの直径は約20μmであり、繊維断面積に対する芯部分の占有率は50%であった。
得られたコンジュゲート繊維を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0051】
(実施例14)
熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1074SA01」)100重量部、スチレン−無水マレイン酸共重合体(サートマージャパン社製、「SMA1000」)1重量部、リン系酸化防止剤(住友化学社製、「スミライザーGP」)0.3重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて樹脂ペレットAを作製した。
ポリアミド樹脂であるナイロン12(宇部興産社製、「UBESTA 3014B」)100重量部、スチレン−無水マレイン酸共重合体(サートマージャパン社製、「SMA1000」)1重量部、リン系酸化防止剤(住友化学社製、「スミライザーGP」)0.3重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて樹脂ペレットBを作製した。
次いで、得られた樹脂ペレットA及び樹脂ペレットBをそれぞれ単軸押出機により加熱溶融し、それぞれの断面が半円形となるように複合紡糸し、繊度120デシテックス(36フィラメント構成)のサイドバイサイド型コンジュゲート繊維を得た。得られたコンジュゲート繊維の1フィラメントあたりの直径は約20μmであり、繊維断面積に対する芯部分の占有率は50%であった。
得られたコンジュゲート繊維を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0052】
(実施例15)
鞘部用樹脂として熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1074SA01」)100重量部、スチレン−無水マレイン酸共重合体(サートマージャパン社製、「SMA1000」)1重量部、リン系酸化防止剤(住友化学社製、「スミライザーGP」)0.3重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて鞘部用の樹脂ペレットAを作製した。
芯部用樹脂として熱可塑性ポリエステル系エラストマー(東洋紡績社製、「ペルプレンP−150B」)100重量部、スチレン−無水マレイン酸共重合体(サートマージャパン社製、「SMA1000」)1重量部、リン系酸化防止剤(住友化学社製、「スミライザーGP」)0.3重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて芯部用の樹脂ペレットBを作製した。
次いで、得られた鞘部用の樹脂ペレットA及び芯部用の樹脂ペレットBをそれぞれ単軸押出機により加熱溶融し、芯部の断面が円形、鞘部の断面が環形となるように複合紡糸し、繊度120デシテックス(36フィラメント構成)の同心芯鞘型コンジュゲート繊維を得た。得られたコンジュゲート繊維の1フィラメントあたりの直径は約20μmであり、繊維断面積に対する芯部分の占有率は70%であった。
得られたコンジュゲート繊維を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0053】
(実施例16)
芯部用樹脂として熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1074SA01」)100重量部、スチレン−無水マレイン酸共重合体(サートマージャパン社製、「SMA1000」)1重量部、リン系酸化防止剤(住友化学社製、「スミライザーGP」)0.3重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて芯部用の樹脂ペレットAを作製した。
鞘部用樹脂として熱可塑性ポリエステル系エラストマー(東洋紡績社製、「ペルプレンP−150B」)100重量部、スチレン−無水マレイン酸共重合体(サートマージャパン社製、「SMA1000」)1重量部、リン系酸化防止剤(住友化学社製、「スミライザーGP」)0.3重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて鞘部用の樹脂ペレットBを作製した。
次いで、得られた芯部用の樹脂ペレットA及び鞘部用の樹脂ペレットBをそれぞれ単軸押出機により加熱溶融し、芯部の断面が円形、鞘部の断面が環形となるように複合紡糸し、繊度120デシテックス(36フィラメント構成)の同心芯鞘型コンジュゲート繊維を得た。得られたコンジュゲート繊維の1フィラメントあたりの直径は約20μmであり、繊維断面積に対する芯部分の占有率は70%であった。
得られたコンジュゲート繊維を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0054】
(比較例1)
熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1041SA01」)60重量部、ポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス 6333SA01」)40重量部、リン系酸化防止剤(ADEKA社製、「アデカスタブPEP36」)0.6重量部、酸化チタン(堺化学工業社製、「D−918」)5重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて樹脂ペレットを作製した。次いで、得られた樹脂ペレットを用い、溶融紡糸法にて製糸を行い繊度が120デシテックス(36フィラメント構成)、1フィラメントあたりの直径が約20μmの原糸を得た。得られた原糸を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0055】
(比較例2)
熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1041SA01」)60重量部、ポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス 6333SA01」)40重量部、リン系酸化防止剤(ADEKA社製、「アデカスタブPEP36」)1重量部、酸化チタン(堺化学工業社製、「D−918」)5重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて樹脂ペレットを作製した。次いで、得られた樹脂ペレットを用い、溶融紡糸法にて製糸を行い繊度が120デシテックス(36フィラメント構成)、1フィラメントあたりの直径が約20μmの原糸を得た。得られた原糸を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0056】
(比較例3)
熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1041SA01」)60重量部、ポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス 6333SA01」)40重量部、スチレン−無水マレイン酸共重合体(サートマージャパン社製、「SMA1000」)0.05重量部、リン系酸化防止剤(チバ・ジャパン社製、「Irgafos126」)0.15重量部、酸化チタン(堺化学工業社製、「D−918」)5重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて樹脂ペレットを作製した。次いで、得られた樹脂ペレットを用い、溶融紡糸法にて製糸を行い繊度が120デシテックス(36フィラメント構成)、1フィラメントあたりの直径が約20μmの原糸を得た。得られた原糸を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0057】
(比較例4)
熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1041SA01」)60重量部、ポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス 6333SA01」)40重量部、スチレン−無水マレイン酸共重合体(サートマージャパン社製、「SMA1000」)0.3重量部、酸化チタン(堺化学工業社製、「D−918」)5重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて樹脂ペレットを作製した。次いで、得られた樹脂ペレットを用い、溶融紡糸法にて製糸を行い繊度が120デシテックス(36フィラメント構成)、1フィラメントあたりの直径が約20μmの原糸を得た。得られた原糸を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0058】
(比較例5)
熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1041SA01」)60重量部、ポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス 6333SA01」)40重量部、スチレン−無水マレイン酸共重合体(サートマージャパン社製、「SMA1000」)0.2重量部、酸化チタン(堺化学工業社製、「D−918」)5重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて樹脂ペレットを作製した。次いで、得られた樹脂ペレットを用い、溶融紡糸法にて製糸を行い繊度が120デシテックス(36フィラメント構成)、1フィラメントあたりの直径が約20μmの原糸を得た。得られた原糸を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0059】
(比較例6)
熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1041SA01」)100重量部、リン系酸化防止剤(住友化学社製、「スミライザーGP」)0.6重量部、酸化チタン(堺化学工業社製、「D−918」)5重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて樹脂ペレットを作製した。次いで、得られた樹脂ペレットを用い、溶融紡糸法にて製糸を行い繊度が120デシテックス(36フィラメント構成)、1フィラメントあたりの直径が約20μmの原糸を得た。得られた原糸を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0060】
(比較例7)
熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1041SA01」)100重量部、リン系酸化防止剤(住友化学社製、「スミライザーGP」)0.2重量部、酸化チタン(堺化学工業社製、「D−918」)5重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて樹脂ペレットを作製した。次いで、得られた樹脂ペレットを用い、溶融紡糸法にて製糸を行い繊度が120デシテックス(36フィラメント構成)、1フィラメントあたりの直径が約20μmの原糸を得た。得られた原糸を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0061】
(比較例8)
熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1041SA01」)100重量部、無水フタル酸0.05重量部、リン系酸化防止剤(チバ・ジャパン社製、「Irgafos126」)0.15重量部、酸化チタン(堺化学工業社製、「D−918」)5重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて樹脂ペレットを作製した。次いで、得られた樹脂ペレットを用い、溶融紡糸法にて製糸を行い繊度が120デシテックス(36フィラメント構成)、1フィラメントあたりの直径が約20μmの原糸を得た。得られた原糸を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0062】
(比較例9)
熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1041SA01」)100重量部、無水フタル酸0.2重量部、酸化チタン(堺化学工業社製、「D−918」)5重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて樹脂ペレットを作製した。次いで、得られた樹脂ペレットを用い、溶融紡糸法にて製糸を行い繊度が120デシテックス(36フィラメント構成)、1フィラメントあたりの直径が約20μmの原糸を得た。得られた原糸を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0063】
(比較例10)
熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1041SA01」)100重量部、無水フタル酸0.1重量部、酸化チタン(堺化学工業社製、「D−918」)5重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて樹脂ペレットを作製した。次いで、得られた樹脂ペレットを用い、溶融紡糸法にて製糸を行い繊度が120デシテックス(36フィラメント構成)、1フィラメントあたりの直径が約20μmの原糸を得た。得られた原糸を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0064】
(比較例11)
鞘部用樹脂として熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1074SA01」)100重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて鞘部用の樹脂ペレットAを作製した。
芯部用樹脂としてポリアミド樹脂であるナイロン6(宇部興産社製、「UBEナイロン1011FB」)100重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて芯部用の樹脂ペレットBを作製した。
次いで、得られた鞘部用の樹脂ペレットA及び芯部用の樹脂ペレットBをそれぞれ単軸押出機により加熱溶融し、芯部の断面が円形、鞘部の断面が略C形となるように複合紡糸し、繊度120デシテックス(36フィラメント構成)の部分開口偏心芯鞘型コンジュゲート繊維を得た。得られたコンジュゲート繊維の1フィラメントあたりの直径は約20μmであり、繊維断面積に対する芯部分の占有率は80%であった。
得られたコンジュゲート繊維を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0065】
(比較例12)
芯部用樹脂として熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1074SA01」)100重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて芯部用の樹脂ペレットAを作製した。
鞘部用樹脂としてポリアミド樹脂であるナイロン6(宇部興産社製、「UBEナイロン1011FB」)100重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて鞘部用の樹脂ペレットBを作製した。
次いで、得られた芯部用の樹脂ペレットA及び鞘部用の樹脂ペレットBをそれぞれ単軸押出機により加熱溶融し、芯部の断面が円形、鞘部の断面が略C形となるように複合紡糸し、繊度120デシテックス(36フィラメント構成)の部分開口偏心芯鞘型コンジュゲート繊維を得た。得られたコンジュゲート繊維の1フィラメントあたりの直径は約20μmであり、繊維断面積に対する芯部分の占有率は80%であった。
得られたコンジュゲート繊維を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0066】
(比較例13)
熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1074SA01」)100重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて樹脂ペレットAを作製した。
ポリアミド樹脂であるナイロン11(アルケマ社製、「リルサン BESN TL」)100重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて樹脂ペレットBを作製した。
次いで、得られた樹脂ペレットA及び樹脂ペレットBをそれぞれ単軸押出機により加熱溶融し、それぞれの断面が半円形となるように複合紡糸し、繊度120デシテックス(36フィラメント構成)のサイドバイサイド型コンジュゲート繊維を得た。得られたコンジュゲート繊維の1フィラメントあたりの直径は約20μmであり、繊維断面積に対する芯部分の占有率は50%であった。
得られたコンジュゲート繊維を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0067】
(比較例14)
熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1074SA01」)100重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて樹脂ペレットAを作製した。
ポリアミド樹脂であるナイロン12(宇部興産社製、「UBESTA 3014B」)100重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて樹脂ペレットBを作製した。
次いで、得られた樹脂ペレットA及び樹脂ペレットBをそれぞれ単軸押出機により加熱溶融し、それぞれの断面が半円形となるように複合紡糸し、繊度120デシテックス(36フィラメント構成)のサイドバイサイド型コンジュゲート繊維を得た。得られたコンジュゲート繊維の1フィラメントあたりの直径は約20μmであり、繊維断面積に対する芯部分の占有率は50%であった。
得られたコンジュゲート繊維を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0068】
(比較例15)
鞘部用樹脂として熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1074SA01」)100重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて鞘部用の樹脂ペレットAを作製した。
芯部用樹脂として熱可塑性ポリエステル系エラストマー(東洋紡績社製、「ペルプレンP−150B」)100重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて芯部用の樹脂ペレットBを作製した。
次いで、得られた鞘部用の樹脂ペレットA及び芯部用の樹脂ペレットBをそれぞれ単軸押出機により加熱溶融し、芯部の断面が円形、鞘部の断面が環形となるように複合紡糸し、繊度120デシテックス(36フィラメント構成)の同心芯鞘型コンジュゲート繊維を得た。得られたコンジュゲート繊維の1フィラメントあたりの直径は約20μmであり、繊維断面積に対する芯部分の占有率は70%であった。
得られたコンジュゲート繊維を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0069】
(比較例16)
芯部用樹脂として熱可塑性ポリアミド系エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1074SA01」)100重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて芯部用の樹脂ペレットAを作製した。
鞘部用樹脂として熱可塑性ポリエステル系エラストマー(東洋紡績社製、「ペルプレンP−150B」)100重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン234」)0.3重量部、及び、光安定剤(チバ・ジャパン社製、「チヌビン144」)0.3重量部を添加した後、溶融混合し、ペレタイザーを用いて鞘部用の樹脂ペレットBを作製した。
次いで、得られた芯部用の樹脂ペレットA及び鞘部用の樹脂ペレットBをそれぞれ単軸押出機により加熱溶融し、芯部の断面が円形、鞘部の断面が環形となるように複合紡糸し、繊度120デシテックス(36フィラメント構成)の同心芯鞘型コンジュゲート繊維を得た。得られたコンジュゲート繊維の1フィラメントあたりの直径は約20μmであり、繊維断面積に対する芯部分の占有率は70%であった。
得られたコンジュゲート繊維を用いて編み立てを行い、フライス生地を作製した。
【0070】
(評価)
実施例及び比較例で用いた熱可塑性エラストマー及び得られた生地について、以下の方法により評価を行った。結果を表1〜4に示した。
【0071】
(1)コートルズ黄変試験
3cm×10cmの生地サンプルを作製し、これをジブチルニトロフェノール0.01%含有する試験紙で挟み、更にガラスプレートで挟みこんだ。次いで、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を含有しないフィルムで密閉し、生地サンプルと試験紙との間に隙間ができないように、錘を載せて、50±3℃で16時間保管した。その後、試料を室温まで冷却し、フィルム、ガラスプレートを取り除き、直ちにグレースケール(JIS L 0805)により生地の黄変色の程度を測定した。評価は0.5級刻み、1〜5級で行い、4級以上である場合を良好と判定した。
【0072】
(2)NOx黄変試験
JIS L 0855「窒素酸化物に対する染色堅牢度試験方法」の「強試験」に準拠して、黄変の度合は、測色器(Macbeth WHITE−EYE3000)を用いて測定し、CIELAB表色系のb値の試験前と試験後とでの変化(Δb値)で評価した。Δb値が大きいほど黄変が大きいことを示す。
Δb値=(試験後のb値)−(試験前のb値)
【0073】
(3)ファンヒータ赤変試験
5cm×10cmの生地サンプルを作製した後、ポンプ噴霧式石油ファンヒータ(三菱電機KD−25CTD)の噴出し口から90cmの距離に置き、該ファンヒータをのべ24時間稼動させた後、生地サンプルの赤変の度合を調べた。この評価はNOx、SOx、高湿度雰囲気が同時に作用する際の変色問題を考慮している。赤変の度合は、測色器(Macbeth WHITE−EYE3000)を用いることにより測色し、CIELAB表色系のa値の試験前と試験後とでの変化(Δa値)で評価した。Δa値が大きいほど赤変が大きいことを示す。
Δa値=(試験後のa値)−(試験前のa値)
【0074】
(4)汗耐光試験
JIS L 0888 「光及び汗に対する染色堅牢度試験方法」の「B法」に準拠した方法でアルカリ性人工汗液を使用し、紫外線カーボンアーク灯形耐光試験機にて測定を行った。
【0075】
(5)qmax値の測定
20.5℃の温度に設定した試料台の上に各生地を置き、生地の上に32.5℃の温度に温められた貯熱板を接触圧0.098N/cmで重ねた直後、蓄えられた熱量が低温側の試料に移動する熱量のピーク値を測定した。測定には、サーモラボII型精密迅速熱物性測定装置(カトーテック社製)を用いた。
【0076】
【表1】

【0077】
【表2】

【0078】
【表3】

【0079】
【表4】

【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明によれば、優れた接触冷感、風合い及び肌触りを持続することができ、かつ、流通過程や使用時における繊維の黄変及び赤変の発生を抑制することが可能な繊維、生地及び肌着を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性エラストマー、酸性化合物及びリン系酸化防止剤を含有する繊維であって、
前記酸性化合物は、スチレン−無水マレイン酸共重合体、又は、酸無水物であり、
前記熱可塑性エラストマー100重量部に対して、前記酸性化合物を0.1重量部以上含有する
ことを特徴とする繊維。
【請求項2】
熱可塑性エラストマーは、ポリアミド系エラストマーであることを特徴とする請求項1記載の繊維。
【請求項3】
熱可塑性エラストマーは、ポリエーテルブロックアミド共重合体であることを特徴とする請求項1又は2記載の繊維。
【請求項4】
請求項1、2又は3記載の繊維を用いてなることを特徴とする生地。
【請求項5】
請求項1、2又は3記載の繊維又は請求項4記載の生地を用いてなることを特徴とする肌着。

【公開番号】特開2010−106412(P2010−106412A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−296784(P2008−296784)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(000001339)グンゼ株式会社 (919)
【Fターム(参考)】