説明

繊維ウェブ製品

【課題】実用上十分な強度、吸水性、保水性等の性能を有し、なめらかさ、しなやかさ、ふんわりさ等のバランスのとれた触感、肌触り感を安定的に実現するとともに、皮膚に対する低刺激性、皮膚に対する保護保湿効果において優れ、べたつき感や油性感がなく、衛生用に好適に用いられる繊維ウェブ製品を提供する
【解決手段】繊維ウェブに含水ゲル組成物を含有させてなる繊維ウェブ製品であって、前記含水ゲル組成物が、保湿成分とゲル化剤と水とを含んでなり且つ常温においてゲル状を呈し、前記水が、前記保湿成分によって、保持された水及び大気中から吸収された水のうち少なくとも一方である繊維ウェブ製品である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維ウェブ製品、及び該繊維ウェブ製品の製造方法に関し、詳しくは、ティシュペーパーやトイレットペーパー、タオルペーパー等の繊維ウェブ製品に薬品処理を施して、肌触り性、肌に対する保護保湿性等を向上させた、衛生用として好適に用いられる薬品処理型の繊維ウェブ製品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、繊維ウェブ製品においても多様化が進んでおり、例えば、衛生用の繊維ウェブ製品としては、一般的なティシュペーパーやトイレットペーパー以外に、これらの繊維ウェブに何らかの薬品処理を施して肌触り性や肌の保護保湿性を高めた薬品処理型の繊維ウェブ製品が種々提供されてきている(例えば、特許文献1〜特許文献4参照。)。
【0003】
ここで、一般的なティシュペーパー及びトイレットペーパーは、何れも原料のパルプ繊維を抄紙した後、その表面にクレープを施した紙であり、前者では耐水性を高めるために抄紙時に湿潤紙力増強剤を内添し、後者では湿潤紙力増強剤を使用しない点で相違する。
これらの衛生用繊維ウェブは、クレープを施すことによって繊維が揉まれ、いわゆる嵩高い紙になっており、吸水性、保水性に優れている反面、パルプ繊維のみから構成されているため肌触りが十分ではなく、頻繁な使用により肌を刺激したり傷めるという問題があった。
【0004】
これらの点に鑑み、例えばティシュペーパーに関しては、繊維ウェブにグリセリン等、各種の保湿成分を含有させた保湿ペーパー(例えば、特許文献5参照。)や、繊維ウェブの表面にワックス系の油類を塗布したローションティシュ(例えば、特許文献6参照。)等の薬品処理型の衛生用繊維ウェブ製品が提供されるに至っている。
【0005】
しかしながら、上記薬品処理型の衛生用繊維ウェブ製品のうち、保湿ペーパーは、含有する保湿成分が環境大気中の水分を吸収し保持することによってパルプが可塑化され、柔軟になる。このため、しっとりさ、しなやかさ、皮膚に対する低刺激性に優れているが、その反面、含有水分が多いことに起因してべたつき感を生じがちであり、ふんわりとした触感に欠けるとともに、強度が弱くなりがちで強く擦るような用途には向いていないという問題がある。更に、繊維ウェブの触感は含有水分量に左右され、この水分量は周囲温湿度や季節によって変化するので、触感を安定させることが難しいという問題もある。
【0006】
一方、ローションティシュは肌触りが十分ではなく、繊維ウェブの表面にワックス系の油類を塗布してあるため、使用時に油類が皮膚に移って脂ぎった感触を与えるという問題がある。
【特許文献1】特開平2−224626号公報
【特許文献2】特開平3−900号公報
【特許文献3】特開平4−9121号公報
【特許文献4】特開平4−15021号公報
【特許文献5】特開平5−156596号公報
【特許文献6】特表平9−506682号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、
本発明は、実用上十分な強度、吸水性、保水性等の性能を維持しながら、従来の繊維ウェブ製品においては実現できなかった、なめらかさ、しなやかさ、ふんわりさ等のバランスのとれた触感、肌触り感を、環境変化等に殆ど影響されず、安定的に実現するとともに、皮膚に対する低刺激性、皮膚に対する保護保湿効果において優れた性能を有し、更に、べたつき感や油性感がなく、ふんわりさ、なめらかさの点において、特に優れた性能を有し、衛生用に好適に用いられる繊維ウェブ製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> 繊維ウェブに含水ゲル組成物を含有させてなる繊維ウェブ製品であって、
前記含水ゲル組成物が、保湿成分とゲル化剤と水とを含んでなり且つ常温においてゲル状を呈し、
前記水が、前記保湿成分によって、保持された水及び大気中から吸収された水のうち少なくとも一方であり、
前記ゲル化剤が、界面活性剤、天然重合体、合成重合体、天然重合体の塩、合成重合体の塩、天然重合体を架橋させた物質、及び合成重合体を架橋させた物質からなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする繊維ウェブ製品。
【0009】
<2> 前記ゲル化剤が、寒天、アガロース、ペクチン、カラギーナン、キサンタンガム、ジェランガム、ローカストビーンガム、及びファーセランからなる多糖類、ならびに該多糖類を架橋させた物質からなる群より選択される少なくとも一種である前記<1>に記載の繊維ウェブ製品。
【0010】
<3> 前記ゲル化剤が、ヘキサグリセリンモノステアレート、ヘキサグリセリンセスキステアレート、寒天、及びアガロースからなる群より選択される少なくとも一種を含有してなる前記<1>に記載の繊維ウェブ製品。
【0011】
<4> 前記含水ゲル組成物が、冷却によってゲル化し、加熱によってゾル化する熱可逆性を有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の繊維ウェブ製品。
【0012】
<5> 前記繊維ウェブが、パルプ繊維を含んでなり、該パルプ繊維が、1質量%〜80質量%の架橋パルプ繊維を含有してなる前記<1>から<4>のいずれかに記載の繊維ウェブ製品。
【0013】
<6> 前記含水ゲル組成物における保湿成分の含有量が20〜95質量%であり、前記ゲル化剤の含有量が0.01〜30質量%であり、かつ前記水の含有量が5〜70質量%である<1>から<5>のいずれかに記載の繊維ウェブ製品。
【0014】
<7> 前記保湿成分が、多価アルコール類及び糖アルコール類からなる群より選択される少なくとも一種である<1>から<6>のいずれかに記載の繊維ウェブ製品。
【0015】
<8> 前記含水ゲル組成物が、さらにシルクパウダーを含んでなる<1>から<7>のいずれかに記載の繊維ウェブ製品。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、実用上十分な強度、吸水性、保水性等の性能を維持しながら、従来の繊維ウェブ製品においては実現できなかった、なめらかさ、しなやかさ、ふんわりさ等のバランスのとれた触感、肌触り感を、環境変化等に殆ど影響されず、安定的に実現するとともに、皮膚に対する低刺激性、皮膚に対する保護保湿効果において優れた性能を有し、更に、べたつき感や油性感がなく、ふんわりさ、なめらかさの点において、特に優れた性能を有し、衛生用に好適に用いられる繊維ウェブ製品、ならびに該繊維ウェブ製品の製造方法を提供することができる。また、繊維ウェブとして紙を使用した製品では、紙粉の発生を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の繊維ウェブ製品、及びその製造方法について説明する。
【0018】
(繊維ウェブ製品)
本発明の繊維ウェブ製品は、繊維ウェブに含水ゲル組成物を含有させてなる繊維ウェブ製品であって、前記含水ゲル組成物が、保湿成分とゲル化剤と水とを含んでなり且つ常温においてゲル状を呈し、前記水が、前記保湿成分によって、保持された水及び大気中から吸収された水のうち少なくとも一方であり、前記ゲル化剤が、界面活性剤、天然重合体、合成重合体、天然重合体の塩、合成重合体の塩、天然重合体を架橋させた物質、及び合成重合体を架橋させた物質からなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする。
【0019】
<繊維ウェブ>
本発明の繊維ウェブ製品は、繊維ウェブに含水ゲル組成物を含有させてなる。前記繊維ウェブとしては、紙及び不織布が好ましく、前記紙の原料としては、例えば、木材繊維(針葉樹、広葉樹)、非木材植物繊維(麻、靱皮繊維、木綿、わら等)、レーヨン繊維等、ならびに前記繊維を架橋した架橋繊維が好適に挙げられ、前記不織布の原料としては、例えば、木材パルプ繊維、天然繊維(木綿、羊毛、絹等)、半合成繊維(レーヨン等)、合成繊維(ナイロン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン等)、ならびに前記繊維を架橋した架橋繊維が好適に挙げられ、これら何れの原料を用いてもよい。
前記繊維ウェブに前記架橋繊維を配合する場合は、1質量%〜80質量%の配合率が好ましく、20質量%〜60質量%の配合率がより好ましい。配合率が1質量%より小さいと、求める嵩高性がほとんど得られず、また80質量%より大きいと紙の強度が極端に低下する。
本発明の繊維ウェブ製品においては、前記繊維ウェブがパルプ繊維を含んでなり、該パルプ繊維が1質量%〜80質量%の架橋パルプ繊維を含有してなる
態様が特に好ましい。繊維ウェブとして、架橋パルプ繊維を使用した嵩高な原紙を用いることにより、本発明の繊維ウェブ製品における、ふんわりさ等の触感をさらに向上させることが可能となる。
【0020】
<含水ゲル組成物>
本発明の繊維ウェブ製品は、繊維ウェブに含水ゲル組成物を含有させてなる。前記含水ゲル組成物としては、常温でゲル状を呈する。また、冷却によってゲル化し、加熱によってゾル化する熱可逆性を有することが好ましい。なお、本明細書において、「常温」とは、JIS K0211、K0050における15℃〜25℃を意味する。
本発明の繊維ウェブ製品においては、繊維ウェブに含水ゲル組成物を含有させることにより、該製品のなめらかさ、しなやかさ、ふんわりさ等の触感が向上し、該製品を使用する常温においてゲル状態が維持されることにより、上記好適な性能を安定的に実現することができる。また、繊維ウェブに含浸させ易いという観点で、熱可逆性を有する含水ゲル組成物を用いることが好ましい。
【0021】
本発明の繊維ウェブ製品において、前記含水ゲル組成物の含有量としては、繊維ウェブが紙である場合は、繊維ウェブ当たり0.1〜100質量%が好ましい。繊維ウェブに対して0.1質量%未満であると、なめらかさ、しなやかさ、ふんわりさ等の触感の向上効果がなく、100質量%を超えると効果が飽和して不経済になると共に、べたつき感が増し、強度も低下する。
このため、繊維ウェブが紙である繊維ウェブ製品全般に対しては、繊維ウェブ当たり0.1〜100質量%の範囲で各種の触感を従来と比較して向上させることができ、かつ、実用的な強度を得ることができる。
特に、前記含水ゲル組成物の含有量を、繊維ウェブ当たり10〜50質量%の範囲とすれば、なめらかさ、しなやかさ、ふんわりさ等の触感を全体的なバランスを保ちながら一層向上させることができ、更に好ましくは含水ゲル組成物の含有量を20〜30質量%とするとよい。
【0022】
繊維ウェブが不織布である場合には、繊維ウェブ当たり0.5〜200質量%が好ましい。繊維ウェブに対して0.5質量%未満であると触感の向上効果がなく、200質量%を超えると効果が飽和する。
また、触感のバランスを更に向上させるためには10〜100質量%の範囲とすることが望ましく、30〜50質量%とすることが最も望ましい。
【0023】
本発明の繊維ウェブ製品において、前記含水ゲル組成物は、保湿成分とゲル化剤と水とを含んでなり且つ常温においてゲル状を呈し、前記水は、前記保湿成分によって、保持された水及び大気中から吸収された水のうち少なくとも一方であることを特徴とする。
前記含水ゲル組成物においては、前記保湿成分の含有量が20〜95質量%であり、前記ゲル化剤の含有量が0.01〜30質量%であり、かつ前記水の含有量が5〜70質量%であることが好ましい。
【0024】
−保湿成分及び水−
含水ゲル組成物に含まれる前記保湿成分としては、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール(平均分子量200以上、1000未満)、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の多価アルコール類や、ソルビット、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ラクチトール、オリゴ糖アルコール、マルチトール、還元澱粉加水分解物等の糖アルコール類を使用することが好ましい。また、上記以外にも、果糖、ブドウ糖、オリゴ糖、トレハロース、グリシンベタイン、ピロリドンカルボン酸、ピロリドンカルボン酸塩、乳酸ナトリウムなどの一種以上を用いてもよい。
【0025】
上記保湿成分は、含水ゲル組成物に対して与えられた水分を保持し、環境条件によっては、環境大気中の水分を吸収して、繊維ウェブの含有水分を増加させる。これにより繊維を膨潤させ、かつ繊維間の水素結合を緩ませて外力に対する抵抗を少なくすると共に、含有水分は繊維と対象物(皮膚等)との間の潤滑剤としても作用する。
これにより、繊維ウェブにしなやかさを付与し、柔軟性に富んだ繊維ウェブ製品を得ることができる。
特に保湿成分としては、繊維ウェブの吸湿性を高めることができるという観点からグリセリンが好ましく、更に、保湿性を向上させるという観点からソルビットが好ましい。
なお、保湿成分としてグリセリンを使用した場合に、このグリセリンと通常の生活環境下でグリセリンが保持及び/又は吸収する水分との質量比(水分の吸収が平衡に至っている場合)は、10:2〜7である。
前記含有ゲル組成物に含まれる前記保湿成分と、該保湿成分が保持及び/又は大気中から吸収する水分(水分の吸収が平衡に至っている場合)との関係は、環境大気中の水分量(あるいは湿度)、保湿成分そのものの吸湿力等によって、決まるものと考えられるので、乾燥した環境下であれば保湿成分に対して保持及び/又は吸収される水分の量は少なくなり、高湿度の環境下であれば保湿成分に対して保持及び/又は吸収される水分の量は多くなる。
【0026】
本発明の繊維ウェブ製品において、前記保湿成分による大気中からの水分の吸収が平衡に至っている場合は、前記含水ゲル組成物に含まれる水分量と、前記保湿成分によって保持及び/又は大気中から吸収される水分量とが、等しくなる。
しかしながら、湿度変化等の環境条件の変化により、一時的に非平衡状態になり、前記含水ゲル組成物に含まれる水分量が変動することがある。その場合であっても、該水分量が、環境変化後平衡に至った時に大気中から前記保湿成分が吸収する水分量の50質量%〜200質量%の範囲内であることが好ましく、70質量%〜140質量%の範囲であることがより好ましく、90質量%〜110質量%の範囲であることが特に好ましい。
前記含水ゲル組成物に含まれる水分量が、環境変化後平衡に至った時に保湿成分が保持及び/又は大気中から吸収する水分量の50質量%より少ないと、乾燥時など大気中の水分量が少ない場合においては、前記含水ゲル組成物が固くなり触感が低下するため好ましくなく、その一方で、200質量%より大きいと、高湿度下など大気中の水分量が多い場合においては、前記含水ゲル組成物が柔らかくなり過ぎて、繊維ウェブ自体の強度が低下するため好ましくない。
また、本発明の繊維ウェブ製品は、完全には密封されていない紙箱やフィルム等からなる包装容器に入れた態様で保管されることが多く、常に環境大気の影響を受けるという観点からも、上記範囲内であることが好ましい。
【0027】
−ゲル化剤−
本発明における含水ゲル組成物はゲル化剤を含み、含水ゲル組成物におけるゲル化剤の含有量としては、0.01〜30質量%であることが好ましい。
このゲル化剤としては、界面活性剤、天然重合体、合成重合体、天然重合体の塩、合成重合体の塩、天然重合体を架橋させた物質、及び合成重合体を架橋させた物質群より選択される少なくとも一種を用いる。
前記界面活性剤としては、ポリグリセリン飽和脂肪酸エステルであって、飽和脂肪酸の鎖長がC12〜C22であるものがより好ましく、例えば、ヘキサグリセリンモノステアレート、ヘキサグリセリンセスキステアレート等を好適に使用することができる。
【0028】
また、ゲル化剤としては、前記天然重合体の中でも、寒天、アガロース、ペクチン、カラギーナン、キサンタンガム、ジェランガム、ローカストビーンガムまたはファーセラン等の多糖類、もしくはこれらを架橋させた物質を用いることが好ましい。
さらに、その他の天然重合体又は合成重合体としては、ゼラチン、キトサン、ヒアルロン酸、アルギン酸、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、カルボキシビニルポリマー、ポリメタクリル酸、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース等のうちゲル化能を有するものが好適に挙げられる。
【0029】
前記ゲル化剤の中でも、なめらかさ、しなやかさ、ふんわりさ等のバランスがとれた触感を与えるいう観点から、ヘキサグリセリンモノステアレート、ヘキサグリセリンセスキステアレート、寒天、アガロース等が、特に好ましく用いられる。
【0030】
前記ゲル化剤を含んでなる含水ゲル組成物としては、冷却によってゲル化し、加熱によって液(ゾル)化する熱可逆性を有するものが繊維ウェブに含浸しやすく、この場合、一旦ゲル凝固点以下に温度が低下するとゲル融点以下の常温(JIS K0211,K0050における15℃〜25℃)ではゲル状を呈するものが使用される。
前記ゲル化剤は、繊維ウェブに含浸された保湿成分及び水をゲル化して、3次元の立体的な網の目構造を有する含水ゲル組成物を形成させ、弾力性を示して繊維ウェブ全体にふんわりさを付与する。また、保湿成分及び水を含有する従来の液状の組成物に比べて、本発明に係る繊維ウェブ製品は、ゲル化により網の目構造体を有するために、繊維の離脱を抑え、繊維間の水素結合の破壊作用に起因する紙力の低下や紙粉の発生を抑えることができる。
【0031】
前記含水ゲル組成物においては、前記保湿成分の含有量が20〜95質量%であり、前記ゲル化剤の含有量が0.01〜30質量%であり、かつ前記水の含有量が5〜70質量%であることが好ましい。
前記保湿成分としてグリセリンを使用し、前記ゲル化剤として寒天または上記ポリグリセリン脂肪酸エステルを使用したときの含水ゲル組成物におけるグリセリン、水、寒天またはポリグリセリン脂肪酸エステルの配合質量比(平衡時)としては、例えば、10:2〜7:0.01〜1が好ましい。
【0032】
−その他の成分−
繊維ウェブのなめらかさを向上させるために、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシ変性、ポリエーテル変性の変性シリコーンオイル、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン類、またはシルクパウダー等を前記含水ゲル組成物に含ませてもよい。
また、ステアリン酸のトリエタノールアミン塩のように、飽和脂肪酸やその塩を併用するとふんわりさが一層顕著になる。この飽和脂肪酸の鎖長はC12〜C22であることが好ましい。更に、飽和脂肪族アルコール、飽和脂肪酸エステルを使用してもよい。
また、前記含水ゲル組成物には、必要に応じて、パラオキシ安息香酸エステル等の防腐防カビ剤を加えてもよい。
【0033】
本発明の繊維ウェブ製品は、ティシュペーパー、トイレットペーパー、タオルペーパー、不織布タイプティシュ、乳幼児用お尻拭き、化粧用ウェブ、その他、皮膚と直接接触する各種衛生用の繊維ウェブ製品として好適に用いられる。
【0034】
(繊維ウェブ製品の製造方法)
本発明において、繊維ウェブに含水ゲル組成物を含有させて、本発明の繊維ウェブ製品を製造する方法について、以下説明する。
【0035】
(1)湿式製法による繊維ウェブの場合
繊維ウェブの抄造中で、ウェブの形成後に湿潤状態において、含水ゲル組成物を、スプレー等により付与、含浸させるか、繊維ウェブを抄造し乾燥した後に、スプレーまたは印刷ロール等によって付与、含浸させる。
スプレーによって付与、含浸させる場合には、含水ゲル組成物を水で希釈または分散して液状にして使用する。熱可逆性を有する含水ゲル組成物の場合は、一旦ゲル融点以上に加熱し、更にゲル凝固点以上に保温して液状(ゾル)の状態で使用してもよい。
水で希釈した場合には、希釈に用いた過剰の水分を、抄造中であれば抄紙機のドライヤーで加熱蒸発させるか、抄造後であれば乾燥機等を通過させて蒸発させる。
熱可逆性を有する含水ゲル組成物を含浸した時は、含浸後に繊維ウェブをゲル凝固点以下に冷却する。
繊維ウェブを抄造し乾燥した後に、含水ゲル組成物を印刷ロール等によって含浸させる場合には、含水ゲル組成物をそのまま塗工するか、熱可逆性を有する含水ゲル組成物の場合は、一旦ゲル融点以上に加熱し、更にゲル凝固点以上に保温して、液状(ゾル)の状態で塗工するとよい。この場合は塗工後に繊維ウェブをゲル凝固点以下に冷却する。
いずれの場合も、必要に応じて環境の大気中の水分によって調湿し、含浸した処理液を再びゲル化させる。
【0036】
(2)乾式製法による繊維ウェブの場合
繊維ウェブの形成後に、スプレーまたは印刷ロールなどによって、処理液を付与(塗工・含浸等)し、上記と同様に処理する。
【実施例】
【0037】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0038】
1)第1実施形態
第1実施形態は、繊維ウェブとして紙を使用した場合のものである。
まず、NBKP(針葉樹クラフト法漂白パルプ)80質量%、LBKP(広葉樹クラフト法漂白パルプ)20質量%配合のパルプをフリーネス630〜640ml(CSF)に叩解した。このパルプ繊維に湿潤紙力増強剤をパルプ繊維当たり0.15質量%混合し、坪量14.0g/m2、クレープ率18%の衛生紙用原紙を抄紙した。
【0039】
一方、表1の実施例1〜10及び比較例1〜5に表された各種の成分を加熱溶解混合して処理液を作製し、この処理液を、2枚重ねにした原紙の両面にグラビア印刷ロールを用いて塗布し、含浸させた。なお、表1の数字は原紙当たりの質量%である。
ここで、実施例1〜10においては、いったんゲル融点以上に加熱し、かつ、ゲル凝固点以上に保温した液状(ゾル)の状態で塗工した。次に、塗工した原紙をゲル凝固点以下に冷却して処理液をゲル化させた。
また、比較例4においては、パラフィンの融点以上に加熱保温し、塗布した。
比較例5は、無処理の衛生紙用原紙である。
【0040】
次に、表1の実施例1〜10及び比較例1〜5で表された各処理液について、含浸処理した原紙を、湿度65±10%、温度20±5℃で20時間静置して安定させた後、ティシュペーパーの形状(2枚重ね、縦200mm、横225mm)に加工し、後述する各種の測定(官能試験、紙粉量の測定及び物理試験)を行った。
【0041】
【表1】

【0042】
2)第2実施形態
この実施形態は、繊維ウェブとして不織布を使用した場合のものである。
まず、目付量が40g/m2の乾式パルプ不織布(王子キノクロス(株)製商品名“キノクロス”)を縦200mm、横225mmに切断した。次に、表2に示す各種の成分を加熱溶解混合して処理液を作製し、この処理液を、2枚重ねにした試料の両面にグラビア印刷ロールを用いて塗布し、含浸させた。なお、表2の数字は不織布当たりの質量%である。
ここで、実施例11〜15については、いったんゲル融点以上に加熱し、かつ、ゲル凝固点以上に保温したゾルの状態で塗工した。次に、塗工した原紙をゲル凝固点以下に冷却して処理液をゲル化させた。
比較例9は、無処理の前記乾式パルプ不織布である。
【0043】
その後、表2の実施例11〜15及び比較例6〜8で表された各処理液を含浸処理した各試料、及び比較例9の試料について、第1実施形態と同様に湿度65±10%、温度20±5℃で20時間静置して安定させた後、後述する各種の測定(官能試験)を行った。
【0044】
【表2】

【0045】
4)第3実施形態
第3実施形態は、繊維ウェブとして紙を使用し、かつシルクパウダーを含水ゲル組成物に配合した場合のものである。
まず、NBKP(針葉樹クラフト法漂白パルプ)80質量%、LBKP(広葉樹クラフト法漂白パルプ)20質量%配合のパルプをフリーネス630〜640ml(CSF)に叩解した。このパルプ繊維に湿潤紙力増強剤をパルプ繊維当たり0.15質量%混合し、坪量14.0g/m2、クレープ率18%の衛生紙用原紙を抄紙した。
【0046】
一方、表3の実施例16及び17において示された各種の成分を加熱溶解混合して処理液を作製し、この処理液を、2枚重ねにした原紙の両面にグラビア印刷ロールを用いて塗布し、含浸させた。なお、表3の数字は原紙当たりの質量%である。
ここで、実施例16及び17においては、いったんゲル融点以上に加熱し、かつ、ゲル凝固点以上に保温した液状(ゾル)の状態で塗工した。次に、塗工した原紙をゲル凝固点以下に冷却して処理液をゲル化させた。
【0047】
その後、表3の実施例16及び17で表された各処理液について含浸処理した各試料について、第1〜第3実施形態と同様に湿度65±10%、温度20±5℃で20時間静置して安定させた後、後述する各種の測定(官能試験)を行った。
【0048】
5)第4実施態様
第4実施態様は、繊維ウェブとして嵩高な紙を使用した場合のものである。
まず、NBKP(針葉樹クラフト法漂白パルプ)80質量%、LBKP(広葉樹クラフト法漂白パルプ)20質量%配合のパルプをフリーネス630〜640ml(CSF)に叩解した。このパルプ繊維60質量%と架橋パルプ繊維(ウェアハウザー社製HBA−FF)40質量%とを配合し、原料パルプ繊維を調製した。このパルプ繊維に湿潤紙力増強剤を、パルプ繊維当たり0.3質量%混合し、坪量14.0g/m2、クレープ率18%の嵩高な衛生紙用原紙を抄紙した。
【0049】
一方、表3の実施例18及び19に表された各種の成分を加熱溶解混合して処理液を作製し、この処理液を、2枚重ねにした原紙の両面にグラビア印刷ロールを用いて塗布し、含浸させた。なお、表3の数字は原紙当たりの質量%である。
ここで、実施例18及び19においては、いったんゲル融点以上に加熱し、かつ、ゲル凝固点以上に保温した液状(ゾル)の状態で塗工した。次に、塗工した原紙をゲル凝固点以下に冷却して処理液をゲル化させた。
比較例10は、無処理の衛生紙用原紙である。
【0050】
その後、表3の実施例18及び19で表された各処理液について含浸処理した各試料、及び比較例10の試料について、第1〜第3実施形態と同様に湿度65±10%、温度20±5℃で20時間静置して安定させた後、後述する各種の測定(官能試験)を行った。
【0051】
【表3】

【0052】
なお、前記表1、表2及び表3において、各実施例における試料は、保湿成分と、それにバランスする量の水(平衡時において、保湿成分が保持及び/又は環境大気中から吸収すると想定される量の水分)と、ゲル化剤とを含有しており、実施例によっては、さらに触感向上成分も配合されている。
前記表1及び表2において、比較例1及び6は、ゲル化剤を配合せず保湿成分とそれにバランスする量の水(平衡時において、保湿成分が保持及び/又は環境大気中から吸収すると想定される量の水分)を配合した例、比較例2及び7は、保湿成分、水、及びゲル化能を有しない多糖類を配合した例、比較例3及び8は、保湿成分、水、及びゲル化能を有しないポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルを配合した例、比較例4は、ワックス(パラフィン)のみを含浸させた例、比較例5及び9は他との比較のために無処理の試料(比較例5は原紙、比較例9は不織布)を試験した例である。
【0053】
前記表3において、実施例16及び17は、シルクパウダーが配合されている例である。実施例18及び19は、架橋パルプ繊維を配合した原紙を用いた例である。比較例10は、原紙に架橋パルプ繊維を配合したものを無処理で試料とし、試験した例である。
【0054】
また、表1、表2及び表3に記載した各実施例及び比較例の「外観」は20℃における状態であり、ゲル化剤を有するものについては、一旦ゲル凝固点以下に冷却して20℃における状態を見たものである。
【0055】
表1、表2及び表3に示す各成分の詳細は以下の通りである。
・グリセリン:阪本薬品工業(株)製 商品名「食品添加物グリセリン(99%以上)」
・ソルビット:日研化学工業(株)製 商品名「ソルビトールSP」
・ポリエチレングリコール200:第一工業製薬(株)製 商品名「PEG200」
・粉末寒天:伊那食品工業(株)製 商品名「かんてんパウダー」
・ヘキサグリセリンモノステアレート:阪本薬品工業(株)製 商品名「SYグリスターMS500」
・ヘキサグリセリンセスキステアレート:阪本薬品工業(株)製 商品名「SYグリスターSS500」
・ステアリン酸:旭電化工業(株)製 商品名「アデカ脂肪酸SA−910」
・トリエタノールアミン:三井化学(株)製商品名「トリエタノールアミン」
・ポリエーテル変性シリコーン:信越化学工業(株)製 商品名「シリコーンKF354」
・アルギン酸ナトリウム:君津化学工業(株)製 商品名「キミツアルギン」
・ヘキサグリセリンモノオレエート:阪本薬品工業(株)製 商品名「SYグリスターMO500」
・パラフィン(融点46〜48℃):純正化学(株)製
・シルクパウダー :(財)上田繊維科学振興会 製
【0056】
各実施例1〜19及び比較例1〜10に対する測定項目及び測定方法は、以下の通りである。
A.官能試験
1)なめらかさ(実施例1〜10、16〜19及び比較例1〜5、10)
各試料を手で触り、その触感を評価した。
・大変になめらかである:4点
・なめらかである:3点
・ややなめらかである:2点
・なめらかさがない:1点
とし、パネラー10人の合計点を集計して以下のように表記した(以下の測定項目も同様である)。
・36点〜40点:◎
・26点〜35点:○
・16点〜25点:△
・10点〜15点:×
【0057】
2)しなやかさ(実施例1〜19及び比較例1〜10)
各試料を手で触り、その触感を評価した。
・大変にしなやかである:4点
・しなやかである:3点
・ややしなやかである:2点
・しなやかさがない:1点
【0058】
3)ふんわりさ(実施例1〜19及び比較例1〜10)
各試料を手で触り、その触感を評価した。
・大変にふんわりしている:4点
・ふんわりしている:3点
・ややふんわりしている:2点
・ふんわりしていない:1点
【0059】
4)肌の保護保湿感(実施例11〜15及び比較例6〜9)
水道水で手を洗った後に各試料で水を拭き取り、拭き取った後の手肌のなめらかさを評価した。
・肌のなめらかさを感じる:3点
・肌のなめらかさをやや感じる:2点
・肌のなめらかさを感じない:1点
【0060】
B.紙粉量の測定(実施例1〜10、16〜19及び比較例1〜5、10)
暗室内で白熱電球により光を照射し、その光路の上方で各試料をそれぞれ同じ時間(5秒間)だけ振った時に発生した紙粉の量を目視で確認した。
・紙粉が少ない:3点
・紙粉がやや多い:2点
・紙粉が多い:1点
【0061】
C.物理試験(実施例1〜10、16〜19及び比較例1〜5、10)
1)引張強さ
JIS S−3104に規定されるティシュペーパーの引張強さ試験に準じて、乾燥時の紙の縦方向の強度を測定した。測定は10回行い、その平均値を求めた。
【0062】
2)吸水度
JIS S−3104に規定されるティシュペーパーの吸水度試験に準じて測定した。測定は5回行い、その平均値を求めた。なお、JIS規格は8秒以下である。
【0063】
上述した各試験の結果を下記表4、表5及び表6に示す。
【0064】
【表4】

【0065】
【表5】

【0066】
【表6】

【0067】
ここで、表4は表1に示した実施例1〜10及び比較例1〜5に対する試験結果であり、表5は表2に示した実施例11〜15及び比較例6〜9に対する試験結果であり、表6は表3に示した実施例16〜19及び比較例10に対する試験結果である。
【0068】
前記表4の実施例1〜10によれば、衛生紙用原紙に保湿成分、ゲル化剤及び水を含んでなる含水ゲル組成物を含有させたことで、繊維ウェブのなめらかさ、しなやかさ、ふんわりさ、紙粉の量において何れも中程度以上の評価を得ており、比較例4や何ら処理していない比較例5に比べると、バランスのとれた布様の上質な触感を持ち、しかも紙粉発生量の少ない繊維ウェブ製品を得られることが確認された。
【0069】
また、繊維ウェブの含有水分を多くするとべたつき感を生じがちであるが、実施例1〜10のごとく、水分をゲル組成物に含ませることにより、べたつき感をおさえてふんわりとした肌触りを実現している。
更に、実施例3及び5については飽和脂肪酸及びその塩の併用により、また、実施例8についてはゲル化剤としての寒天とポリグリセリン飽和脂肪酸エステルとの併用により、何れもふんわりさが向上し、実施例4,5,7及び8については、シリコーン類の併用によってなめらかさが一層向上することが確認された。
一方、比較例2はゲルを形成せず処理液粘度が上がったためにしなやかさが少なくなり、ふんわりさも向上していない。また、比較例3は、ポリグリセリン脂肪酸エステルであってもゲルを形成せず、ふんわりさの評価が低い。
引張強さや吸水性に関しても、無処理の比較例5に比べて、実施例1〜10は遜色のない特性が得られており、ティシュペーパー、トイレットペーパー等の衛生用の繊維ウェブ製品としての実用的な強度、吸水性を備えていることが確認された。
【0070】
前記表5の実施例11〜15によれば、不織布に保湿成分、ゲル化剤及び水を含んでなる含水ゲル組成物を含有させたことで、実施例1〜10と同様にしなやかさに関して最高の評価を得ており、特に飽和脂肪酸及びその塩並びにシリコーン類の併用例(実施例12)、ポリグリセリン飽和脂肪酸エステル及びシリコーン類の併用例(実施例14)ではふんわりさが向上している。また、すべての実施例11〜15に関して、ふんわりさや肌の保護保湿感が比較例6〜9を上回っていることが確認された。
【0071】
ゲルにシルクパウダーを配合した実施例16及び17においては、なめらかさの評価が高い。原紙に架橋パルプ繊維を配合した実施例18及び19は、原紙と架橋パルプ繊維の嵩高性とが相俟って、ふんわりさが一層向上していることが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維ウェブに含水ゲル組成物を含有させてなる繊維ウェブ製品であって、
前記含水ゲル組成物が、保湿成分とゲル化剤と水とを含んでなり且つ常温においてゲル状を呈し、
前記水が、前記保湿成分によって、保持された水及び大気中から吸収された水のうち少なくとも一方であり、
前記ゲル化剤が、界面活性剤、天然重合体、合成重合体、天然重合体の塩、合成重合体の塩、天然重合体を架橋させた物質、及び合成重合体を架橋させた物質からなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする繊維ウェブ製品。
【請求項2】
前記ゲル化剤が、寒天、アガロース、ペクチン、カラギーナン、キサンタンガム、ジェランガム、ローカストビーンガム、及びファーセランからなる多糖類、ならびに該多糖類を架橋させた物質からなる群より選択される少なくとも一種である請求項1に記載の繊維ウェブ製品。
【請求項3】
前記ゲル化剤が、ヘキサグリセリンモノステアレート、ヘキサグリセリンセスキステアレート、寒天、及びアガロースからなる群より選択される少なくとも一種を含有してなる請求項1に記載の繊維ウェブ製品。
【請求項4】
前記含水ゲル組成物が、冷却によってゲル化し、加熱によってゾル化する熱可逆性を有する請求項1から請求項3のいずれかに記載の繊維ウェブ製品。
【請求項5】
前記繊維ウェブが、パルプ繊維を含んでなり、該パルプ繊維が、1質量%〜80質量%の架橋パルプ繊維を含有してなる請求項1から請求項4のいずれかに記載の繊維ウェブ製品。
【請求項6】
前記含水ゲル組成物における保湿成分の含有量が20〜95質量%であり、前記ゲル化剤の含有量が0.01〜30質量%であり、かつ前記水の含有量が5〜70質量%である請求項1から請求項5のいずれかに記載の繊維ウェブ製品。
【請求項7】
前記保湿成分が、多価アルコール類及び糖アルコール類からなる群より選択される少なくとも一種である請求項1から請求項6のいずれかに記載の繊維ウェブ製品。
【請求項8】
前記含水ゲル組成物が、さらにシルクパウダーを含んでなる請求項1から請求項7のいずれかに記載の繊維ウェブ製品。

【公開番号】特開2007−203089(P2007−203089A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−69454(P2007−69454)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【分割の表示】特願2002−303349(P2002−303349)の分割
【原出願日】平成14年10月17日(2002.10.17)
【出願人】(592002776)河野製紙株式会社 (10)
【Fターム(参考)】