説明

置換5−アミノ−ピラゾロ−[4,3−e]−1,2,4−トリアゾロ[1,5−c]ピリミジンを調製するためのプロセス

【課題】7位にアミノアルキル置換基を有する置換5−アミノ−ピラゾロ−[4,3−e]−1,2,4トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン化合物またはその薬学的に受容可能な塩またはその溶媒和物を調製するためのプロセスを提供すること。
【解決手段】ここで、ピリミジン環はシアン化剤を使用して環化される。特に、本発明は、式IXの化合物とシアン化剤とを環化させて、式Iの化合物を得る工程に関する。本発明は、大規模製造を可能にし、温和な条件を使用しての高収量を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、7位にアミノアルキル置換基を有する置換5−アミノ−ピラゾロ−[4,3−e]−1,2,4−トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン化合物を調製するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
特許文献1に開示される、置換5−アミノ−ピラゾロ[4,3−e]−1,2,4−トリアゾロ−[1,5−c]ピリミジン化合物は、中枢神経系疾患、特に、パーキンソン病の処置において、A2aレセプターアンタゴニストとして有用である。
【0003】
特許文献1は、5−アミノ−2−置換−ピラゾロ[4,3−e]−1,2,4−トリアゾロ−[1,5−c]ピリミジンを調製するためのプロセスを開示し、このプロセスは、ヒドラジンの脱水転位を包含する。非特許文献1は、7位にフェニルアルキル置換基を有する5−アミノ−ピラゾロ[4,3−e]−1,2,4−トリアゾロ−[1,5−c]ピリミジンの形成を開示する。この形成において、反応は、フェニルアルキル−置換ヒドラジドと(エトキシメチレン)マロニトリルとを反応させて、置換ピラゾールを形成する工程を包含する。非特許文献2は、アルキル化ピラゾールと(エトキシメチレン)マロニトリルとの反応による、7−置換5−アミノ−ピラゾロ[4,3−e]−1,2,4−トリアゾロ−[1,5−c]ピリミジンの形成を開示する。Baraldiらのプロセスの両方は、最終的な閉環を達成するために、NHCNを使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第01/92264号パンフレット
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Baraldiら,J.Med.Chem.,41,(1998),p.2126−2133
【非特許文献2】Baraldiら,J.Med.Chem.,39,(1996),p.1164−1171
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の要旨)
本発明は、構造式I:
【0007】
【化35】

【0008】
を有する化合物、またはその薬学的に受容可能な塩またはその溶媒和物を調製するためのプロセスに関し、ここで、
Rは、R−フラニル、R−チエニル、R−ピリジル、R−ピリジルN−オキシド、R−オキサゾリル、R10−フェニル、R−ピロリルまたはシクロアルケニルであり;
Xは、C〜Cアルキレンであり;
Yは、−N(R)CHCHN(R)−、−OCHCHN(R)−、−(CH−NH−、または
【0009】
【化36】

【0010】
であり、そして
Zは、R−フェニル、R−フェニルアルキル、R−ヘテロアリール、ジフェニルメチル、R−C(O)−、R−SO−、
【0011】
【化37】

【0012】
またはフェニル−CH(OH)−であるか;あるいはQが
【0013】
【化38】

【0014】
である場合、Zはまた、フェニルアミノまたはピリジルアミノであるか;あるいは
ZおよびYは、一緒になって
【0015】
【化39】

【0016】
であり、
は、1〜3個の置換基であり、その置換基は独立して、水素、アルキル、−CF、ハロゲン、−NO、−NR1213、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、およびアルキルスルホニルから選択され;
およびRは独立して、水素およびアルキルからなる群より選択され;
mおよびnは独立して、2〜3であり;
Qは、
【0017】
【化40】

【0018】
であり;
は、1〜2個の置換基であり、その置換基は独立して、水素およびアルキルからなる群より選択されるか、あるいは同じ炭素上の2つのR置換基は、=Oを形成し得;
は1〜5個の置換基であり、その置換基は独立して、水素、ハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、−CN、ジアルキル−アミノ、−CF、−OCF、アセチル、−NO、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、ジアルコキシ−アルコキシ、アルコキシ−アルコキシ−アルコキシ、カルボキシ−アルコキシ、アルコキシカルボニルアルコキシ、シクロアルキル−アルコキシ、ジアルキル−アミノ−アルコキシ、モルホリニル、アルキル−SO−、アルキル−SO−アルコキシ、テトラヒドロピラニルオキシ、アルキルカルボニル−アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ−アルコキシ、−SONH、またはフェノキシからなる群より選択されるか;あるいは隣接するR置換基は、一緒になって、−O−CH−O−、−O−CHCH−O−、−O−CF−O−または−O−CFCF−O−であって、それらが結合する炭素原子と一緒になって環を形成し;
は、アルキル、R−フェニル、R−フェニルアルキル、チエニル、ピリジル、シクロアルキル、アルキル−OC(O)−NH−(C〜C)アルキル−、ジアルキル−アミノメチル、または
【0019】
【化41】

【0020】
であり;
は、1〜2個の基であり、その基は独立して、水素、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、−CFおよびアルコキシ−アルコキシから選択され;
10は1〜5個の置換基であり、その置換基は独立して、水素、ハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、−CN、−NH、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、−CF、−OCFおよび−S(O)0〜2アルキルからなる群より選択され;
12は、Hまたはアルキルであり;そして
13は、アルキル−C(O)−またはアルキル−SO−であり;
上記プロセスは、
a)式II:
【0021】
【化42】

【0022】
のピラゾールのヒドロキシル基と活性化剤とを塩基の存在下で反応させて、式III:
【0023】
【化43】

【0024】
の化合物(ここで、Lは脱離基である)を得て、そしてその式IIIの化合物と式IV:
Z−Y−H IV
の化合物とを塩基の存在下でカップリングさせて、式V:
【0025】
【化44】

【0026】
の化合物を得る工程;
b)触媒量の酸の存在下で、その式Vの化合物をトリアルキルオルトホルメートで処理して、式VI:
【0027】
【化45】

【0028】
の化合物(ここでRはアルキルである)を得る工程;
c)酸の存在下で、その式VIの化合物と式VII:
NHN−C(O)−R VII
のヒドラジドとを縮合して、式VIII:
【0029】
【化46】

【0030】
の化合物を得て、そしてその式VIIIの化合物を加水分解して、式IX:
【0031】
【化47】

【0032】
の化合物を得る工程;
d)塩基の存在下で、その式IXの化合物と、シアネートおよびハロゲン化シアンからなる群より選択されるシアン化剤とを環化させて、式Iの化合物を得る工程、
を包含する。
【0033】
特に、本発明は、式IXの化合物とシアン化剤とを環化させて、式Iの化合物を得る工程に関する。
【0034】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
構造式I:
【0035】
【化1】

【0036】
を有する化合物、またはその薬学的に受容可能な塩またはその溶媒和物を調製するためのプロセスであって、ここで、
Rは、R−フラニル、R−チエニル、R−ピリジル、R−ピリジルN−オキシド、R−オキサゾリル、R10−フェニル、R−ピロリルまたはシクロアルケニルであり;
Xは、C〜Cアルキレンであり;
Yは、−N(R)CHCHN(R)−、−OCHCHN(R)−、−(CH−NH−、または
【0037】
【化2】

【0038】
であり、そして
Zは、R−フェニル、R−フェニルアルキル、R−ヘテロアリール、ジフェニルメチル、R−C(O)−、R−SO−、
【0039】
【化3】

【0040】
またはフェニル−CH(OH)−であるか;あるいはQが
【0041】
【化4】

【0042】
である場合、Zはまた、フェニルアミノまたはピリジルアミノであるか;あるいは
ZおよびYは一緒になって、
【0043】
【化5】

【0044】
であり、
は、1〜3個の置換基であり、該置換基は独立して、水素、アルキル、−CF、ハロゲン、−NO、−NR1213、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、およびアルキルスルホニルから選択され;
およびRは独立して、水素およびアルキルからなる群より選択され;
mおよびnは独立して、2〜3であり;
Qは、
【0045】
【化6】

【0046】
であり;
は、1〜2個の置換基であり、該置換基は独立して、水素およびアルキルからなる群より選択されるか、あるいは同じ炭素上の2つのR置換基は、=Oを形成し得;
は1〜5個の置換基であり、該置換基は独立して、水素、ハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、−CN、ジアルキル−アミノ、−CF、−OCF、アセチル、−NO、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、ジアルコキシ−アルコキシ、アルコキシ−アルコキシ−アルコキシ、カルボキシ−アルコキシ、アルコキシカルボニルアルコキシ、シクロアルキル−アルコキシ、ジアルキル−アミノ−アルコキシ、モルホリニル、アルキル−SO−、アルキル−SO−アルコキシ、テトラヒドロピラニルオキシ、アルキルカルボニル−アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ−アルコキシ、−SONH、またはフェノキシからなる群より選択されるか;あるいは隣接するR置換基は、一緒になって、−O−CH−O−、−O−CHCH−O−、−O−CF−O−または−O−CFCF−O−であって、それらが結合する炭素原子と一緒になって環を形成し;
は、アルキル、R−フェニル、R−フェニルアルキル、チエニル、ピリジル、シクロアルキル、アルキル−OC(O)−NH−(C〜C)アルキル−、ジアルキル−アミノメチル、または
【0047】
【化7】

【0048】
であり;
は、1〜2個の基であり、該基は独立して、水素、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、−CFおよびアルコキシ−アルコキシから選択され;
10は1〜5個の置換基であり、該置換基は独立して、水素、ハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、−CN、−NH、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、−CF、−OCFおよび−S(O)0〜2アルキルからなる群より選択され;
12は、Hまたはアルキルであり;そして
13は、アルキル−C(O)またはアルキル−SO−であり;
該プロセスは、
a)式II:
【0049】
【化8】

【0050】
のピラゾールのヒドロキシル基と活性化剤とを塩基の存在下で反応させて、式III:
【0051】
【化9】

【0052】
の化合物(ここで、Lは脱離基である)を得て、そして該式IIIの化合物と式IV:
Z−Y−H IV
の化合物とを塩基の存在下でカップリングさせて、式V:
【0053】
【化10】

【0054】
の化合物を得る工程;
b)触媒量の酸の存在下で、該式Vの化合物を、トリアルキルオルトホルメートで処理して、式VI:
【0055】
【化11】

【0056】
の化合物を得る工程であって、ここでRはアルキルである、工程;
c)酸の存在下で、該式VIの化合物と式VII:
NHN−C(O)−R VII
のヒドラジドとを縮合して、式VIII:
【0057】
【化12】

【0058】
の化合物を得て、そして該式VIIIの化合物を加水分解して、式IX:
【0059】
【化13】

【0060】
の化合物を得る工程;
d)塩基の存在下で、該式IXの化合物と、シアネートおよびハロゲン化シアンからなる群より選択されるシアン化剤とを環化する工程、
を包含する、プロセス。
(項目2)
式Iの化合物を調製するための、項目1に記載のプロセスであって、ここで:Rは、R−フラニル、R−チエニル、R−ピロリルまたはR10−フェニルであり;Rは、水素またはハロゲンであり;Xはエチレンであり;Yは、
【0061】
【化14】

【0062】
であり、ここでQは、
【0063】
【化15−1】

【0064】
であり;Zは、R−フェニル、R−ヘテロアリール、R−C(O)−またはR−SO−であり;そしてRは、R−フェニルである、プロセス。
(項目3)
項目2に記載のプロセスであって、ここで、Rは、R−フラニルであり;Rは、水素またはハロゲンであり;Qは、
【0065】
【化15−2】

【0066】
であり;mおよびnは各々2であり;RはHであり;ZはR−フェニルであり;そしてRは1個の置換基であり、該置換基は、アルコキシおよびアルコキシアルコキシからなる群より選択される、プロセス。
(項目4)
Lは、必要に応じて置換されているアルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基である、項目2に記載のプロセス。
(項目5)
Lは、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基であり、該基は、メタンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニル、エタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル、p−ブロモベンゼンスルホニルおよびm−ニトロベンゼンスルホニルからなる群より選択される、項目4に記載のプロセス。
(項目6)
Lはメタンスルホニルである、項目5に記載のプロセス。
(項目7)
工程bにおいて、前記トリアルキルオルトホルメートは、トリメチルオルトホルメートである、項目1に記載のプロセス。
(項目8)
工程dにおける前記シアン化剤は、シアネートである、項目1に記載のプロセス。
(項目9)
前記シアネートは、2−メトキシフェニルシアネート、4−メトキシフェニルシアネート、4−フェニルフェニルシアネートおよびビスフェノールAシアネートからなる群より選択される、項目8に記載のプロセス。
(項目10)
前記シアネートは、2−メトキシフェニルシアネートである、項目9に記載のプロセス。
(項目11)
式I−A:
【0067】
【化16】

【0068】
の化合物を調製するための、項目1に記載のプロセスであって、該プロセスは、
a)式II:
【0069】
【化17】

【0070】
のピラゾールのヒドロキシル基と塩化メタンスルホニルとを塩基の存在下で反応させて、式IIIa:
【0071】
【化18】

【0072】
の化合物を得て、そして該式IIIaの化合物と式IVa:
【0073】
【化19】

【0074】
の化合物とを塩基の存在下でカップリングさせて、式Va:
【0075】
【化20】

【0076】
の化合物を得る工程;
b)触媒量の酸の存在下で、該式Vaの化合物を、トリメチルオルトホルメートで処理して、式VIa:
【0077】
【化21】

【0078】
の化合物を得る工程;
c)酸の存在下で、該式VIaの化合物と式VIIa:
【0079】
【化22】

【0080】
のヒドラジドとを縮合して、式VIIIa:
【0081】
【化23】

【0082】
の化合物を得て、そして該式VIIIaの化合物を加水分解して、式IXa:
【0083】
【化24】

【0084】
の化合物を得る工程;
d)塩基の存在下で、該式IXaの化合物と、シアネートおよびハロゲン化シアンからなる群より選択されるシアン化剤とを環化する工程、
を包含する、プロセス。
(項目12)
前記シアン化剤は、2−メトキシフェニルシアネート、4−メトキシフェニルシアネート、4−フェニルフェニルシアネートおよびビスフェノールAシアネートからなる群より選択されるシアネートである、項目11に記載のプロセス。
(項目13)
式I:
【0085】
【化25】

【0086】
の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩またはその溶媒和物を調製するためのプロセスであって、ここで
Rは、R−フラニル、R−チエニル、R−ピリジル、R−ピリジルN−オキシド、R−オキサゾリル、R10−フェニル、R−ピロリルまたはシクロアルケニルであり;
Xは、C〜Cアルキレンであり;
Yは、−N(R)CHCHN(R)−、−OCHCHN(R)−、−(CH−NH−、または
【0087】
【化26】

【0088】
であり、そして
Zは、R−フェニル、R−フェニルアルキル、R−ヘテロアリール、ジフェニルメチル、R−C(O)−、R−SO−、
【0089】
【化27】

【0090】
またはフェニル−CH(OH)−であるか;あるいはQが
【0091】
【化28】

【0092】
である場合、Zはまた、フェニルアミノまたはピリジルアミノであるか;あるいは
ZおよびYは一緒になって、
【0093】
【化29】

【0094】
であり、
は、1〜3個の置換基であり、該置換基は独立して、水素、アルキル、−CF、ハロゲン、−NO、−NR1213、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、およびアルキルスルホニルから選択され;
およびRは独立して、水素およびアルキルからなる群より選択され;
mおよびnは独立して、2〜3であり;
Qは、
【0095】
【化30】

【0096】
であり;
は、1〜2個の置換基であり、該置換基は独立して、水素およびアルキルからなる群より選択されるか、あるいは同じ炭素上の2つのR置換基は、=Oを形成し得;
は1〜5個の置換基であり、該置換基は独立して、水素、ハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、−CN、ジアルキル−アミノ、−CF、−OCF、アセチル、−NO、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、ジアルコキシ−アルコキシ、アルコキシ−アルコキシ−アルコキシ、カルボキシ−アルコキシ、アルコキシカルボニルアルコキシ、シクロアルキル−アルコキシ、ジアルキル−アミノ−アルコキシ、モルホリニル、アルキル−SO−、アルキル−SO−アルコキシ、テトラヒドロピラニルオキシ、アルキルカルボニル−アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ−アルコキシ、−SONH、またはフェノキシからなる群より選択されるか;あるいは隣接するR置換基は、一緒になって、−O−CH−O−、−O−CHCH−O−、−O−CF−O−または−O−CFCF−O−であって、それらが結合する炭素原子と一緒になって環を形成し;
は、アルキル、R−フェニル、R−フェニルアルキル、チエニル、ピリジル、シクロアルキル、アルキル−OC(O)−NH−(C〜C)アルキル−、ジアルキル−アミノメチル、または
【0097】
【化31】

【0098】
であり;
は、1〜2個の基であり、該基は独立して、水素、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、−CFおよびアルコキシ−アルコキシから選択され;
10は1〜5個の置換基であり、該置換基は独立して、水素、ハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、−CN、−NH、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、−CF、−OCFおよび−S(O)0〜2アルキルからなる群より選択され;
12は、Hまたはアルキルであり;そして
13は、アルキル−C(O)またはアルキル−SO−であり;
該プロセスは、塩基の存在下で、式IX:
【0099】
【化32】

【0100】
の化合物と、シアネートおよびハロゲン化シアノからなる群より選択されるシアン化剤とを環化する工程を包含する、プロセス。
(項目14)
前記シアン化剤は、2−メトキシフェニルシアネート、4−メトキシフェニルシアネート、4−フェニルフェニルシアネートおよびビスフェノールAシアネートからなる群より選択されるシアネートである、項目13に記載のプロセス。
(項目15)
式Iの化合物を調製するための、項目13に記載のプロセスであって、ここで:Rは、R−フラニル、R−チエニル、R−ピロリルまたはR10−フェニルであり;Rは、水素またはハロゲンであり;Xはエチレンであり;Yは、
【0101】
【化33】

【0102】
であり、ここでQは、
【0103】
【化34−1】

【0104】
であり;Zは、R−フェニル、R−ヘテロアリール、R−C(O)−またはR−SO−であり;そしてRは、R−フェニルである、プロセス。
(項目16)
項目15に記載のプロセスであって、ここで、Rは、R−フラニルであり;Rは、水素またはハロゲンであり;Qは、
【化34−2】

【0105】
であり;mおよびnは各々2であり;RはHであり;ZはR−フェニルであり;そしてRは1個の置換基であり、該置換基は、アルコキシおよびアルコキシアルコキシからなる群より選択される、プロセス。
【発明を実施するための形態】
【0106】
(詳細な説明)
本願プロセスによって調製される、式Iの好ましい化合物は、RがR−フラニル、R−チエニル、R−ピロリルまたはR10−フェニルであり、より好ましくは、R−フラニルである、化合物である。Rは、好ましくは、水素またはハロゲンである。
【0107】
好ましい化合物の別の群は、Xがエチレンである化合物である。
【0108】
Yは、好ましくは、
【0109】
【化48−1】

【0110】
であり、ここでQは、
【0111】
【化48−2】

【0112】
であり、Qは好ましくは、窒素である。好ましくは、mおよびnは各々2であり、そしてRはHである。
【0113】
Zについての好ましい定義は、R−フェニル、R−ヘテロアリール、R−C(O)−またはR−SO−である。Rは、好ましくは、H、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシまたはアルコキシアルコキシである。Rは、好ましくは、R−フェニルである。特に好ましい化合物は、ZがR−フェニルであり、Rがアルコキシおよびアルコキシアルコキシからなる群より選択される1つの置換基である、化合物である。.好ましいアルコキシ基は、メトキシであり、アルコキシアルコキシ(例えば、メトキシエトキシおよびエトキシエトキシ)がより好ましく;メトキシエトキシが最も好ましい。
【0114】
工程aにおいて、上記プロセスの好ましい実施形態は、式IV−A:
【0115】
【化49】

【0116】
の化合物を使用する。
【0117】
工程bにおいて、好ましいトリアルキルオルトホルメートは、トリエチルオルトホルメートである。
【0118】
上記プロセスの好ましい実施形態は、工程cにおいて2−フロ酸(furoic)ヒドラジド(式VII)を使用し、そのようにして、Rが2−フリルである、式Iの化合物を調製する。
【0119】
工程fにおける環化のために好ましい試薬は、シアネートである。
【0120】
好ましい局面において、本発明のプロセスは、式I−A〜式I−C:
【0121】
【化50】

【0122】
の化合物の調製を包含する。
【0123】
最も好ましい局面において、本発明のプロセスは、式I−Aの化合物の調製を包含し、そのプロセスは、
a)式II:
【0124】
【化51】

【0125】
のピラゾールのヒドロキシル基と塩化メタンスルホニルとを塩基の存在下で反応させて、式IIIa:
【0126】
【化52】

【0127】
の化合物を得て、そしてその式IIIaの化合物と式IVa:
【0128】
【化53】

【0129】
の化合物とを塩基の存在下でカップリングさせて、式Va:
【0130】
【化54】

【0131】
の化合物を得る工程;
b)触媒量の酸の存在下で、その式Vaの化合物をトリメチルオルトホルメートで処理して、式VIa:
【0132】
【化55】

【0133】
の化合物を得る工程;
c)酸の存在下で、その式VIaの化合物と式VIIa:
【0134】
【化56】

【0135】
のヒドラジドとを縮合して、式VIIIa:
【0136】
【化57】

【0137】
の化合物を得て、そしてその式VIIIaの化合物を加水分解して、式IXa:
【0138】
【化58】

【0139】
の化合物を得る工程;
d)塩基の存在下で、その式IXaの化合物と、シアネートおよびハロゲン化シアンからなる群より選択されるシアン化剤とを環化する工程、
を包含する。
【0140】
式IIの出発物質は、当該分野で公知である(例えば、Baraldiら、J.Med.Chem.、39、(1996)、p1165を参照のこと)。
【0141】
工程aにおいて、式IIの化合物上のヒドロキシル基は、脱離基Lを含む活性化剤と反応される。Lは必要に応じて、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基で置換されている。Lがスルホニル基(例えば、メタンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニル、エタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル、p−ブロモベンゼンスルホニルまたはm−ニトロベンゼン−スルホニル)である場合、代表的には、L含有活性化剤は、L−ハロゲン化物(例えば、塩化メタンスルホニル)である。好ましい脱離基は、メタンスルホニルである。
【0142】
上記反応は、非プロトン性有機溶媒(例えば、CHCN)中で、約−20℃〜約0℃の温度で、最も好ましくは約0℃で、行われる。約1〜2当量の、好ましくは約1〜1.5当量の活性化試薬が使用され、約1〜2当量の、好ましくは約1〜1.5当量の有機塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン)が使用される。式IIIの活性化化合物は、単離されない。
【0143】
式IIIの化合物は、式IVのアミンとカップリングされる。この反応は、無機塩基(例えば、NaOHまたはKCO)の存在下で、−50℃〜約150℃の範囲の温度で、好ましくは約−20℃〜約0℃で、最も好ましくは約−10℃で、行われる。約1〜2当量の塩基が使用される。
【0144】
工程bにおいて、式Vの化合物上のアミノ置換基は、非プロトン性有機溶媒(例えば、トルエン)中、還流温度で、触媒量の酸(例えば、約1モル%)の存在下での、1〜10当量のトリアルキルオルトホルメートでの処理によって、イミデートに変換される。任意の有機酸または無機酸が使用され得るが、好ましい酸は、p−トルエンスルホン酸である。好ましいトリアルキルオルトホルメートは、トリメチルオルトホルメートである。
【0145】
次いで、式VIのイミデートは、工程cにおいて式VIIのヒドラジドと縮合される。この反応は、有機溶媒(例えば、トルエン)中、約−20℃〜約110℃の範囲の温度で、1〜2当量の酸(例えば、イソ酪酸)の存在下で、行われる。
【0146】
次いで、式VIIIの化合物は、酸性条件下で加水分解されて、式IXの開環化合物を形成する。その酸は、鉱酸またはアルキルスルホン酸もしくはアリールスルホン酸である;酸の濃度は、重要ではないが、好ましくは2〜5%である。この反応は、およそ室温〜約110℃の範囲の温度で行われる。
【0147】
工程dにおいて、式IXの化合物は、シアネートおよびハロゲン化シアノからなる群より選択されるシアン化剤での処理によって環化されて、式Iの化合物を得る。この反応は、有機溶媒(例えば、CHCNまたはテトラヒドロフラン(THF))中で、4〜20w/v、好ましくは約5w/vの比で、必要に応じて水の存在下(0〜30%v/v、好ましくは約10%)で、行われる。無機塩基(例えば、NaCO、NaHCO、KHCO、NaOH、KOH、KPO、KHPO、NaPO、NaHPO)または有機塩基(例えば、トリアルキルアミン)が、約0.2〜0.5当量の比で添加される。この反応は、約35℃〜還流温度の温度、好ましくは、約53℃〜約58℃の温度で行われる。1〜2当量のシアン化剤が使用され、このシアン化剤は、シアネートまたはハロゲン化シアンである。シアネート(すなわち、式Ar−OCN(ここでArは、必要に応じて芳香族部分で置換されている)の化合物)は、置換フェニルシアネート(例えば、2−メトキシフェニルシアネート、4−メトキシフェニルシアネート、4−フェニルフェニルシアネートおよびビスフェノールAシアネート)によって例示される。ハロゲン化シアノは、臭化シアンおよび塩化シアンによって例示される。シアネートが好ましく、2−メトキシフェニルシアネートが最も好ましい。この反応は、無機塩基(例えば、NaCO、NaHCO、KHCO、NaOH、KOH、KPO、KHPO、NaPO、NaHPO)水溶液の添加によってクエンチされる。
【0148】
本願プロセスは、当該分野で以前に報告された手順に対して利点を提供する。公知のプロセスは、環化するために高度に毒性で腐食性のNHCNを使用したが、一方本願プロセスは、シアネート(例えば、2−メトキシフェニルシアネート)またはハロゲン化シアノ(例えば、臭化シアノ)のようなシアン化剤を使用する。さらに、好ましいシアン化剤であるシアネートは、比較的より毒性のハロゲン化シアノよりも好ましい。また、本発明の第2パートの工程を行うための温度範囲は、文献の調製において使用された温度よりも約150℃低い。従って、本発明は、大規模製造を可能にし、温和な条件を使用しての高収量を可能にする。
【0149】
本明細書中で使用される場合、「アルキル」とは、直鎖状でも分枝状でもよく、かつ鎖中に約1〜約6個の炭素原子を含む、脂肪族炭化水素基を意味する。分枝状とは、1つ以上の低級アルキル基(例えば、メチル、エチルまたはプロピル)が直鎖状アルキル鎖に結合していることを意味する。アルキレンとは、二価アルキル基をいい、同様に直鎖または分枝鎖をいう。
【0150】
「アルコキシ」とは、アルキル−O−基を意味し、ここでそのアルキル基は、他で特に述べない限り、上記の通りである。適切なアルコキシ基の非限定的な例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシおよびヘプトキシが挙げられる。親部分への結合は、エーテル酸素を通してである。
【0151】
「シクロアルキル」とは、約3〜約6個の炭素原子を含む、非芳香族環系を意味する。適切な単環式シクロアルキルの非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルなどが挙げられる。シクロアルキレンとは、二価のシクロアルキル基をいう。シクロアルケニルとは、1つの二重結合を含む、C〜Cシクロアルキル環をいう。
【0152】
「ヘテロアリール」とは、2〜9個の炭素原子と、N、OおよびSからなる群より独立して選択される1〜4個のヘテロ原子とから構成される5〜10個の原子の、単環式、二環式、または縮合ベンゼン型の複素芳香族基を意味するが、ただし、その環は、隣接する酸素原子および/または硫黄原子を含まない。その環窒素のN−オキシドもまた、含まれる。単環式ヘテロアリール基の例は、ピリジル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、フラニル、ピロリル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニルおよびトリアゾリルである。二環式ヘテロアリール基の例は、ナフチリジル(例えば、1,5または1,7)、イミダゾピリジル、ピリド[2,3]イミダゾリル、ピリドピリミジニルおよび7−アザインドリルである。縮合ベンゼン型ヘテロアリール基の例は、インドリル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ベンゾチエニル(すなわち、チオナフテニル)、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンズオキサゾリルおよびベンゾフラザニルである。全ての位置異性体(例えば、2−ピリジル、3−ピリジルおよび4−ピリジル)が企図される。R−置換ヘテロアリールとは、置換可能な環炭素原子が、上で定義されたとおりの置換基を有するような基をいう。
【0153】
「アルキルチオ」とは、アルキル−S−基を意味し、ここでアルキル基は、上記の通りである。適切なアルキルチオ基の非限定的な例としては、メチルチオ、エチルチオ、およびi−プロピルチオが挙げられる。親部分への結合は、硫黄を通してである。
【0154】
「アルキルスルホニル」とは、アルキル−S(O)−基を意味する。親部分への結合は、スルホニルを通してである。
【0155】
「アルキルスルフィニル」とは、アルキル−S(O)−基を意味する。親部分への結合は、スルフィニルを通してである。
【0156】
「カルボニル」とは、−C(O)−部分を意味し、例えば、アルコキシカルボニルは、アルコキシ−C(O)−基(すなわち、アルキル−O−C(O)−)をいう。
【0157】
「アセチル」とは、−C(O)CHを意味する。
【0158】
「溶媒和物」とは、本発明の化合物と1つ以上の溶媒分子との物理的会合を意味する。この物理的会合は、変動する程度のイオン結合および共有結合(水素結合を含む)に関与する。特定の場合、溶媒和物は、例えば、1つ以上の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子中に組み込まれている場合、単離可能である。「溶媒和物」は、溶液相溶媒和物および単離可能溶媒和物の両方を包含する。適切な溶媒和物の非限定的な例としては、エタノール和物、メタノール和物などが挙げられる。「水和物」とは、溶媒分子がHOである溶媒和物である。
【0159】
本発明の特定の化合物は、異なる立体異性体形(例えば、鏡像異性体、ジアステレオ異性体およびアトロプ異性体)で存在し得る。本発明は、純粋形および混合物(ラセミ混合物を含む)の両方をとる、そのような立体異性体の全てを企図する。
【0160】
特定の化合物は、本質的に酸性であり、例えば、カルボキシル基またはフェノール性ヒドロキシル基を有する化合物である。これらの化合物は、薬学的に受容可能な塩を形成し得る。そのような塩の例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、金塩および銀塩が挙げられる。薬学的に受容可能なアミン(例えば、アンモニア、アルキルアミン、ヒドロキシアルキルアミン、N−マチルグルカミンなど)で形成される塩もまた、企図される。
【0161】
特定の塩基性化合物もまた、薬学的に受容可能な塩(例えば、酸付加塩)を形成する。例えば、ピリド−窒素原子は、強酸と塩を形成し得るが、一方塩基性置換基(例えば、アミノ基)を有する化合物もまた、弱酸と塩を形成する。塩形成のための適切な塩の例は、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、サリチル酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、アスコルビン酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、ならびに当業者に周知の他の鉱酸およびカルボン酸である。これらの塩は、従来の様式で、遊離塩基形と十分量の所望の酸とを接触させて、塩を生成することによって、調製される。遊離塩基形は、その塩と、適切な希釈塩基水溶液(例えば、希釈NaOH水溶液、希釈炭酸カルシウム水溶液、炭酸水素アンモニウムおよび炭酸水素ナトリウム)とを反応させることによって再生成される。その遊離塩基形は、それらの代表的な塩形態とは、特定の物理的特性(例えば、極性溶媒への溶解度)に関していくらか異なるが、酸性塩および塩基性塩は、本発明の目的のために、それらの代表的な遊離塩基形とその他の点で等価である。
【0162】
そのような酸性塩および塩基性塩の全ては、本発明の範囲内で、薬学的に受容可能な塩であると意図され、その酸性塩および塩基性塩の全ては、本発明の目的のために、対応する化合物の遊離形と等価であると考えられる。
【0163】
以下は、本願プロセスを使用する、化合物I−Aの調製の説明である。
【0164】
以下の略語は、明細書および特許請求の範囲中で使用される:Ms(メチルスルホニル);Me(メチル);Et(エチル);LOD(乾燥減量);DMAP(4−ジメチル(dimtheyl)アミノ−ピリジン);およびDMSO(ジメチルスルホキシド)。
【実施例】
【0165】
(実施例1)
【0166】
【化59】

【0167】
(工程a)
【0168】
【化60】

【0169】
0℃におけるCHCN(600ml)中の化合物II(200.0g、1.0当量)とジイソプロピルエチルアミン(280ml、1.2当量)との混合物に、CHSOCl(112ml、1.1当量)をゆっくりと添加した。反応が完了した後、NaOH(25%、250ml)を5℃で添加し、その後、化合物IVa(34.2g、1.1当量)の水溶液(600ml)を添加した。その反応混合物を6時間還流し、次いで、900mlの容積にまで濃縮して、CHCNを除去した。水(1.2l)をその反応混合物に添加し、そのバッチを22℃に冷却した。そのバッチを濾過し、その湿潤ケーキを水(600ml)で洗浄し、真空中65℃で24時間乾燥させた。黄色の生成物を得た(約415g)。
【0170】
【化61】

【0171】
(工程b)
【0172】
【化62】

【0173】
トルエン(1.2l)中の化合物Va(150.0g、1.0当量)と、トリメチルオルトホルメート(120ml、2.6当量)と触媒量のp−トルエンスルホン酸との混合物を、105℃と115℃との間の温度に加熱した。その反応混合物を、520mlにまでゆっくりと濃縮した。次いで、その反応混合物を15℃〜25℃に冷却し、ヘプタン(1.6l)を添加して沈殿を完了させた。そのバッチを濾過し、ヘプタンで洗浄し、真空乾燥器中、20〜30℃で約24時間、LOD<0.5%まで乾燥した。薄い灰色の生成物を得た(約160.8g)。
【0174】
【化63】

【0175】
(代替工程b)
【0176】
【化64】

【0177】
トルエン(1.8l)中の化合物Va(300.0g、1.0当量)とトリエチルオルトホルメート(280ml、2.6当量)と触媒量のp−トルエンスルホン酸(3.0g)との混合物を、105℃と115℃との間の温度に加熱した。その反応混合物を、1000mlにまでゆっくりと濃縮した。次いで、その反応混合物を15℃〜25℃に冷却し、ヘプタン(2.1l)を添加して沈殿を完了させた。そのバッチを濾過し、ヘプタンで洗浄し、真空乾燥器中、20〜30℃で約24時間、LOD<0.5%まで乾燥した。薄い灰色の生成物VIbを得た(約301.2g)。
【0178】
【化65】

【0179】
(工程c)
【0180】
【化66】

【0181】
化合物VIa(100g、1.0当量)、化合物VIIa(2−フロ酸ヒドラジド)(28.8g、0.97当量)、トルエン(400ml)およびイソ酪酸(23ml、1.0当量)を合わせて、その反応混合物を、50℃に加熱し、そして4時間にわたって撹拌した。その反応混合物を、50℃で、約300mlにまで蒸留した。その反応混合物を110℃にまで加熱し、共沸蒸留を行って、反応の間に生成した水を除去し、次いでその混合物を110℃〜115℃で4時間にわたって撹拌した。25℃に冷却した後、その反応混合物を4.1%HCl溶液(450ml)に添加し、還流まで加熱した。その反応混合物を、還流において2時間にわたって撹拌し、次いで25℃に冷却した。その反応混合物を静置し、水層を有機層から分離した。その水層を50℃に加熱し、pHを1.8と2.8との間に調整した。pH調整の後、その水層を50℃で30分間撹拌し、次いで、2時間かけて0℃にまでゆっくりと冷却した。その水層を0℃で1時間撹拌し、沈殿を完了した。固体を濾過し、水(250ml)で洗浄した。その生成物を真空乾燥器中75℃〜80℃で乾燥した。その生成物を一塩酸塩として単離し、その収量は110g(82%)であった。
【0182】
【化67】

【0183】
あるいは、等量の化合物Vlbを、化合物Vlaで置換し、化合物IXaを得ることができる。
【0184】
(工程d)
53℃と58℃との間の温度における、CHCN(500ml)および水(10ml)中の化合物IXa(100.0g、1.0当量)とKHCO(40g、1.5当量)との混合物に、2−メトキシフェノールシアネート(39.0g、1.35当量)をゆっくりと添加した。その反応混合物を、53℃と58℃との間の温度で1時間撹拌した。反応が完了した際、10% NaOH水溶液(200ml)を添加し、その反応をクエンチした。次いで、そのバッチを20℃と25℃との間の温度に冷却し、そして濾過した。そのケーキを水(400ml)およびCNCN(400ml)で洗浄し、真空乾燥器中、65℃〜75℃で、約12時間乾燥した。白色の生成物を得(約91.0g)、収率は約95%であった。
【0185】
【化68】

【0186】
(実施例2)
【0187】
【化69】

【0188】
75℃と85℃との間の温度における、CHCN(850ml)中の化合物IXa(実施例1、工程c)(50.0g、1.0当量)とDMAP(24.0g、2.0当量)との混合物にBrCN(15.0g、1.3当量)のCHCN溶液(150.0ml)をゆっくりと添加した。その反応混合物をさらに3時間還流した。その反応を25℃に冷却し、そして10% NaOH溶液(500ml)を添加し、その反応をクエンチした。そのバッチを濾過し、水で洗浄し、真空乾燥器中、65℃〜75℃で、約24時間乾燥した。薄い灰色の生成物を得た(約32.0g)。
【0189】
【化70】

【0190】
(実施例3)
【0191】
【化71】

【0192】
60℃と70℃との間の温度における、THF(500ml)中の化合物IXa(実施例1、工程c)(100.0g、1.0当量)、水(100ml)およびNaOH(50%、17.0g)の混合物に、ビスフェノール−Aシアネート(30.0g、1.1当量)のTHF溶液(125.0ml)をゆっくりと添加した。その反応混合物をさらに1.5時間還流した。その反応混合物を25℃に冷却し、濾過し、水で洗浄し、真空乾燥器中、65℃〜75℃で、約24時間乾燥した。薄い灰色の生成物を得た(約88.0g)。
【0193】
【化72】

【0194】
本発明は、上記の特定の実施形態と組み合わせて記載されているが、その多くの代替、改変および変更は、当業者に明らかである。そのような代替、改変および変更の全ては、本発明の概念内および本発明の範囲内であることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【公開番号】特開2011−116795(P2011−116795A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−63381(P2011−63381)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【分割の表示】特願2006−538174(P2006−538174)の分割
【原出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】