説明

美容ローラー器具

【課題】
本発明は、電池の交換など煩雑な作業を必要とせず、暗室など十分に集光できない状況においても電力の供給を確保することができる美容ローラー器具を提供することを目的とする。
【解決手段】
開示の美容ローラー器具は、人の肌に接触し回転する回転部と、使用時に手で握るハンドル部と、を備える美容ローラー器具であって、前記回転部は、該回転部の表面に粒状の突起部を複数備え、前記ハンドル部は、吸収した光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池パネル部と、該太陽用電池パネル部により出力される電力を蓄電する蓄電部とを備え、前記人の肌にふれた前記突起部は、前記太陽電池パネル部又は前記蓄電部の少なくとも一方から出力される電力が供給されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容ローラー器具の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
人、特に女性の美容対策として肌に適度な刺激を与えるため、美容ローラー器具を顔などに当てマッサージを行うことが有る(特許文献1、特許文献2など)。これら文献によると、顔など肌の気になる部分に美容ローラー器具を利用し刺激を与えることで、しわ、皮膚のたるみ、肌のつやなどを改善できるという。
【0003】
一方、肌に微弱な電流を流すことで肌に対し適度な刺激を与え、上記効果と同様に、しわ、皮膚のたるみ、肌のつやなどを改善できるという事例もある。また、上記のように美容ローラー器具を肌に当てると共に微弱な電流を流すことは、上記2つのマッサージ効果を重畳的に得ることができ、美容対策として非常に効果的であるとも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−119181号公報
【特許文献2】実用新案登録第3154366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、問題となるのは美容ローラー器具への電力の供給である。美容ローラー器具に乾電池を備えさせ、その乾電池から電力を供給させるという解決策も考えられる。しかし、美容ローラー器具が乾電池を備える場合、当該器具の重量が増し、使用時や持ち運び時の負担が増すという問題点が有る。さらに、美容ローラー器具が備える乾電池の定期的な交換作業は煩雑であるという問題点もある。
【0006】
他方、上記電力供給の問題の解決策として、美容ローラー器具に太陽電池パネルを内蔵させ、当該太陽電池パネルが出力する電力を供給させるということも考えられる。しかし、暗室など太陽電池パネルが十分に集光できない状況においては、美容ローラー器具に電力を供給することができないという問題点がある。
【0007】
そこで、本発明では、電池の交換など煩雑な作業を必要とせず、暗室など十分に集光できない状況においても電力の供給を確保することができる美容ローラー器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示の美容ローラー器具は、人の肌に接触し回転する回転部と、使用時に手で握るハンドル部と、を備える美容ローラー器具であって、前記回転部は、該回転部の表面に粒状の突起部を複数備え、前記ハンドル部は、吸収した光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池パネル部と、該太陽用電池パネル部により出力される電力を蓄電する蓄電部とを備え、前記人の肌にふれた前記突起部は、前記太陽電池パネル部又は前記蓄電部の少なくとも一方から出力される電力が供給されることを特徴とする。
また、開示の美容ローラー器具の一形態において、さらに、前記突起部は、導電性を有することを特徴とする。
【0009】
また、開示の美容ローラー器具の一形態において、さらに、前記突起部が前記人の肌にふれた場合、前記突起部に供給された電流は、前記人を介して、前記ハンドル部に流れることを特徴とする。
【0010】
また、開示の美容ローラー器具の一形態において、さらに、前記回転部は、該回転部の表面に六つの平らな面を備え、該六つの平らな面のうち一つ置きの三つの面それぞれには同数の突起部が備えられることを特徴とする。
【0011】
また、開示の美容ローラー器具の一形態において、さらに、前記ハンドル部は、該ハンドル部の端部から前記回転部との接続部に向かって、軸径が徐々に大となり中程から次第に小となる形状であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
開示する美容ローラーは、電池の交換など煩雑な作業を必要とせず、暗室など十分に集光できない状況においても電力の供給を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施の形態に係る美容ローラー器具の斜視図である。
【図2】本実施の形態に係る美容ローラー器具の平面図である。
【図3】本実施の形態に係る美容ローラー器具の断面図である。
【図4】本実施の形態に係る美容ローラー器具の側面図である。
【図5】本実施の形態に係る美容ローラー器具の回路概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1乃至5を用いて、本実施の形態に係る美容ローラー器具1について説明する。図1は美容ローラー器具1の斜視図であり、図2は美容ローラー器具1の平面図である。図1及び2で示すように、美容ローラー器具1は、ハンドル部10、回転部20、太陽電池パネル部30、突起部40、第2突起部60を有する。
【0015】
ハンドル部10は、美容ローラー器具1の使用時に使用者が手で握る部分である。ハンドル部10の形状は、ハンドル部10の端部から回転部20との接続部に向かって、軸径が徐々に大となり中程から次第に小となる形状である。これにより、美容ローラー器具1は意匠的効果が優れると共に、使用者の手とのフィット感にも優れる。
【0016】
回転部20は、顔など人の肌に接触し、肌と回転部20表面との摩擦によって回転する部分である。回転部20は、アルミニウムを材料とすることが好適であるが、他の材料で形成されていても良い。
【0017】
太陽電池パネル部30は、ハンドル部10の略中央表面に配置され、集光した光エネルギーを電気エネルギーに変換する機能を有する。太陽電池パネル部30は、一般的な太陽電池パネルで構成される。
【0018】
ここで回転部20は、該回転部20の表面に六つの平らな面を備え、該六つの平らな面のうち一つ置きの三つの面それぞれには突起部40を備える。突起部40は、導電性の材料で形成される突起物であり、突起部40には太陽電池パネル部30から出力される電力が供給される。そして、回転部20(突起部40)が人体(例えば、肌など)に触れている場合、太陽電池パネル部30から供給される電流は突起部40(回転部20)及び人体を介して、ハンドル部10の方向へと流れる。ここで、突起部40は、銅(Cu)をベース材とし、その表面にはニッケル(Ni)でメッキを施すことが好適であるが、他の材料(例えば、ゲルマニウムやその化合物)で形成されていても良い。
【0019】
図3は、美容ローラー器具1の断面図である。図3で示すように、ハンドル部10は、内部に蓄電部50を備える。蓄電部50は、太陽電池パネル部30が発生させる電力を貯蔵する機能を有する。蓄電部50は、一般的なニッケル水素蓄電池で構成される。ここで突起部40には、太陽電池パネル部30から出力される電力が供給されると共に、蓄電部50からも電力が供給される。そして、突起部40(回転部20)が人体(例えば、肌など)に触れている場合、太陽電池パネル部30及び(又は)蓄電部50から供給される電流は突起部40(回転部20)及び人体を介して、ハンドル部10の方向へと流れる。
【0020】
図4は、美容ローラー器具1の側面図である。図1、図2及び図4で示すように、第2突起部60は、回転部20の端部であって、回転部20の中央部に備えられる突起物であり、ステンレス材で形成される。美容ローラー器具1を使用してツボに刺激を与える場合、第2突起部60をツボ部分に押し当てて使用することができる。
【0021】
図5は、美容ローラー器具1を電気回路として見た場合の回路概略図である。図5には、美容ローラー器具1を電気回路として見た場合の構成要素として、ハンドル部10、突起部40(回転部20)、太陽電池パネル部30、蓄電部50、ダイオードD、スイッチSW1、SW2、抵抗R1、R2を図示している。抵抗R1の抵抗値は約100kΩ、抵抗R2の抵抗値は約10kΩである。なお、抵抗R2は、突起部40(回転部20)を肌に接触させた場合の人体が有する電気抵抗である。
【0022】
スイッチSW1は、突起部40(回転部20)を肌に接触させた場合にスイッチがON状態となり、突起部40が肌から離れた場合にはスイッチがOFF状態となる。また、スイッチSW2は、ハンドル部10を握った場合にスイッチがON状態となり、ハンドル部10を離した場合にはスイッチがOFF状態となる。
【0023】
図5で示すように、スイッチSW1、SW2の何れかが開放されている場合、太陽電池パネル部30で発生した電気エネルギーは、蓄電部50に蓄積される。そして、スイッチSW1、SW2の両方が閉じられた場合、太陽電池パネル部30及び蓄電部50から突起部40(回転部20)に向かって電力が供給される。なお、暗室など太陽電池パネルが十分に集光できない場所で美容ローラー器具1を使用する場合、スイッチSW1、SW2の両方が閉じられていれば、蓄電部50が突起部40(回転部20)に向かって電力を供給する。突起部40(回転部20)から人体に供給される電流は、その大きさを10μA程度の微弱電流とすることが好適である。
【0024】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0025】
1 美容ローラー器具
10 ハンドル部
20 回転部
30 太陽電池パネル部
40 突起部
50 蓄電部
60 第2突起部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の肌に接触し回転する回転部と、
使用時に手で握るハンドル部と、を備える美容ローラー器具であって、
前記回転部は、該回転部の表面に粒状の突起部を複数備え、
前記ハンドル部は、吸収した光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池パネル部と、該太陽用電池パネル部により出力される電力を蓄電する蓄電部とを備え、
前記人の肌に触れた前記突起部は、前記太陽電池パネル部又は前記蓄電部の少なくとも一方から出力される電力が供給されることを特徴とする美容ローラー器具。
【請求項2】
前記突起部は、導電体であることを特徴とする請求項1に記載の美容ローラー器具。
【請求項3】
前記突起部が前記人の肌に触れた場合、
前記突起部に供給された電流は、前記人を介して、前記ハンドル部に流れることを特徴とする請求項1又は2に記載の美容ローラー器具。
【請求項4】
前記ハンドル部は、該ハンドル部の端部から前記回転部との接続部に向かって、軸径が徐々に大となり中程から次第に小となる形状であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載の美容ローラー器具。
【請求項5】
前記回転部は、該回転部の表面に六つの平らな面を備え、該六つの平らな面のうち一つ置きの三つの面それぞれには同数の突起部が備えられることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載の美容ローラー器具。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−347(P2012−347A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140032(P2010−140032)
【出願日】平成22年6月19日(2010.6.19)
【出願人】(510151832)株式会社HNS (1)
【Fターム(参考)】